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技術 炭素触媒、電池電極及び電池

出願人 日清紡ホールディングス株式会社国立大学法人群馬大学
発明者 小林義和窪田裕次尾崎純一石井孝文真家卓也
出願日 2017年6月1日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2018-520996
公開日 2019年3月28日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 WO2017-209244
状態 特許登録済
技術分野 炭素・炭素化合物 触媒 無消耗性電極
主要キーワード 質量ガス シェル状構造 ピーク半値全幅 高周波電磁誘導加熱 鉄由来 窒化ケイ素ボール 測定角度範囲 金属除去処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年3月28日)のものです。
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図面 (6)

課題・解決手段

優れた触媒性能を示す炭素触媒電池電極及び電池を提供する。本発明の一実施形態に係る炭素触媒は、2種類の遷移金属を含み、CuKα線による粉末X線回折X線回折図形において回折角(2θ)26°付近回折ピークを分離することにより得られる3つの回折ピークfbroad、fmiddle及びfnarrowのうちの1つである前記回折ピークfbroadのブラッグ角より求められる面間隔d002が、0.374nm以上である炭素構造を有する。

概要

背景

現在、燃料電池電極用触媒としては、白金触媒が使用されている。しかしながら、例えば、白金埋蔵量は限られていること、固体高分子形燃料電池PEFC)においては白金の使用によってコストが高くなること等、解決すべき問題が多い。このため、白金を使用しない代替技術の開発が進められている。

具体的に、例えば、特許文献1には、シェル状構造を有する炭素化材料からなる燃料電池用電極触媒が記載されている。

概要

優れた触媒性能を示す炭素触媒電池電極及び電池を提供する。本発明の一実施形態に係る炭素触媒は、2種類の遷移金属を含み、CuKα線による粉末X線回折X線回折形において回折角(2θ)26°付近回折ピークを分離することにより得られる3つの回折ピークfbroad、fmiddle及びfnarrowのうちの1つである前記回折ピークfbroadのブラッグ角より求められる面間隔d002が、0.374nm以上である炭素構造を有する。

目的

本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、優れた触媒性能を有する炭素触媒、電池電極及び電池を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

2種類の遷移金属を含み、CuKα線による粉末X線回折X線回折図形において回折角(2θ)26°付近回折ピークを分離することにより得られる3つの回折ピークfbroad、fmiddle及びfnarrowのうちの1つである前記回折ピークfbroadのブラッグ角より求められる面間隔d002が、0.374nm以上である炭素構造を有することを特徴とする炭素触媒

請求項2

前記回折ピークfbroadのブラッグ角より求められる結晶子サイズLcが、1.19nm以上、2.17nm以下である前記炭素構造を有することを特徴とする請求項1に記載の炭素触媒。

請求項3

CuKα線による粉末X線回折のX線回折図形において回折角(2θ)45°付近の回折ピークを分離することにより得られる炭素(100)回折線f100のブラッグ角より求められる結晶子サイズLaが、2.39nm以上、2.89nm以下の前記炭素構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素触媒。

請求項4

1600℃まで昇温可能な昇温脱離分析により求められる平均炭素網面サイズLが、10nm以上、40nm以下の前記炭素構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の炭素触媒。

請求項5

前記炭素触媒を含む作用電極を有する回転ディスク電極装置を用いて電位掃引印加して得られる酸素還元ボルタモグラムにおいて、−10μA/cm2の還元電流が流れる時の電圧EO2が、0.820V(vs.NHE)以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の炭素触媒。

請求項6

前記炭素触媒を含む作用電極を有する回転ディスク電極装置を用いて電位を掃引印加して得られる酸素還元ボルタモグラムにおいて、0.7V(vs.NHE)の電圧を印加した時の電流密度i0.7(mA/cm2)の絶対値が、0.92以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の炭素触媒。

請求項7

前記2種類の遷移金属として、スカンジウムチタンバナジウムクロムマンガン、鉄、コバルトニッケル、銅及び亜鉛からなる群より選択される2種類の遷移金属を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の炭素触媒。

請求項8

請求項1乃至7のいずれかに記載の炭素触媒を含むことを特徴とする電池電極

請求項9

請求項8に記載の電池電極を含むことを特徴とする電池

技術分野

0001

本発明は、炭素触媒電池電極及び電池に関する。

背景技術

0002

現在、燃料電池電極用触媒としては、白金触媒が使用されている。しかしながら、例えば、白金埋蔵量は限られていること、固体高分子形燃料電池PEFC)においては白金の使用によってコストが高くなること等、解決すべき問題が多い。このため、白金を使用しない代替技術の開発が進められている。

0003

具体的に、例えば、特許文献1には、シェル状構造を有する炭素化材料からなる燃料電池用電極触媒が記載されている。

先行技術

0004

特開2007−207662号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、従来の炭素触媒の触媒性能は必ずしも優れたものではなかった。

0006

本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、優れた触媒性能を有する炭素触媒、電池電極及び電池を提供することをその目的の一つとする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る炭素触媒は、2種類の遷移金属を含み、CuKα線による粉末X線回折X線回折図形において回折角(2θ)26°付近回折ピークを分離することにより得られる3つの回折ピークfbroad、fmiddle及びfnarrowのうちの1つである前記回折ピークfbroadのブラッグ角より求められる面間隔d002が、0.374nm以上である炭素構造を有することを特徴とする。本発明によれば、優れた触媒性能を有する炭素触媒が提供される。

0008

また、前記炭素触媒は、前記回折ピークfbroadのブラッグ角より求められる結晶子サイズLcが、1.19nm以上、2.17nm以下である前記炭素構造を有することとしてもよい。また、前記炭素触媒は、CuKα線による粉末X線回折のX線回折図形において回折角(2θ)45°付近の回折ピークを分離することにより得られる炭素(100)回折線f100のブラッグ角より求められる結晶子サイズLaが、2.39nm以上、2.89nm以下の前記炭素構造を有することとしてもよい。

0009

また、前記炭素触媒は、1600℃まで昇温可能な昇温脱離分析により求められる平均炭素網面サイズLが、10nm以上、40nm以下の前記炭素構造を有することとしてもよい。

0010

また、前記炭素触媒は、前記炭素触媒を含む作用電極を有する回転ディスク電極装置を用いて電位掃引印加して得られる酸素還元ボルタモグラムにおいて、−10μA/cm2の還元電流が流れる時の電圧EO2が、0.820V(vs.NHE)以上であることとしてもよい。

0011

また、前記炭素触媒は、前記炭素触媒を含む作用電極を有する回転ディスク電極装置を用いて電位を掃引印加して得られる酸素還元ボルタモグラムにおいて、0.7V(vs.NHE)の電圧を印加した時の電流密度i0.7(mA/cm2)の絶対値が、0.92以上であることとしてもよい。

0012

また、前記炭素触媒は、前記2種類の遷移金属として、スカンジウムチタンバナジウムクロムマンガン、鉄、コバルトニッケル、銅及び亜鉛からなる群より選択される2種類の遷移金属を含むこととしてもよい。

0013

上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る電池電極は、前記いずれかの炭素触媒を含むことを特徴とする。本発明によれば、優れた触媒性能を有する電池電極が提供される。

0014

上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る炭素触媒は、前記電池電極を含むことを特徴とする。本発明によれば、優れた触媒性能を有する電池が提供される。

発明の効果

0015

本発明によれば、優れた触媒性能を示す炭素触媒、電池電極及び電池が提供される。

図面の簡単な説明

0016

平均炭素網面サイズLに関するコロネンモデルについての説明図である。
本発明の一実施形態に係る実施例において炭素触媒の特性を評価した結果を示す説明図である。
本発明の一実施形態に係る実施例において炭素触媒のCuKα線によるX線回折図形における回折角(2θ)が26°付近の回折ピークの分離を行った結果の一例を示す説明図である。
本発明の一実施形態に係る実施例において炭素触媒のCuKα線によるX線回折図形における回折角(2θ)が45°付近の回折ピークの分離を行った結果の一例を示す説明図である。
本発明の一実施形態に係る実施例において炭素触媒のCuKα線によるX線回折図形における回折角(2θ)が45°付近の回折ピークの分離を行った結果の他の例を示す説明図である。

0017

以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態で示す例に限られない。

0018

本実施形態に係る炭素触媒(以下、「本触媒」という。)は、2種類の遷移金属を含み、CuKα線による粉末X線回折のX線回折図形において回折角(2θ)26°付近の回折ピークを分離することにより得られる3つの回折ピークfbroad、fmiddle及びfnarrowのうちの1つである当該回折ピークfbroadのブラッグ角より求められる面間隔d002が、0.374nm以上である炭素構造を有する。

0019

すなわち、本発明の発明者らは、優れた触媒活性を示す炭素触媒について鋭意検討を重ねた結果、2種類の遷移金属を含み、且つCuKα線によるX線回折図形における上記特定の回折ピークfbroadから求められる面間隔d002が特定範囲である炭素構造を有する炭素触媒が極めて優れた触媒性能を有することを独自に見出し、本発明を完成するに至った。

0020

本触媒は、上述のとおり、2種類の遷移金属を含む。本触媒に含まれる遷移金属は、周期表の3族から12族に属する2種類の遷移金属であれば特に限られないが、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、ランタノイドセリウム(Ce)等)及びアクチノイドからなる群より選択される2種類の遷移金属であることが好ましく、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される2種類の遷移金属であることがより好ましく、Ti、Cr、Fe、Cu及びZnからなる群より選択される2種類の遷移金属を含むことが特に好ましい。すなわち、例えば、本触媒は、Feと、Ti、Cr、Cu及びZnからなる群より選択される1種と、を含むことが特に好ましい。

0021

本触媒は、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むこととしてもよい。すなわち、本触媒は、2種類の遷移金属と、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素とを含むこととしてもよく、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、ランタノイド(セリウム(Ce)等)及びアクチノイドからなる群より選択される2種類の遷移金属と、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素とを含むことが好ましく、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される2種類の遷移金属と、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素とを含むことがより好ましく、Ti、Cr、Fe、Cu及びZnからなる群より選択される2種類の遷移金属と、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素とを含むことが特に好ましい。すなわち、例えば、本触媒は、Feと、Ti、Cr、Cu及びZnからなる群より選択される1種と、Sn及びPbからなる群より選択される1種以上の元素と、を含むことが特に好ましい。

0022

本触媒は、有機物と2種類の遷移金属とを含む原料を炭素化することにより得られる。すなわち、本触媒は、有機物と2種類の遷移金属とを含む原料の炭素化材料である。また、本触媒は、有機物と、2種類の遷移金属と、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素とを含む原料を炭素化することにより得られることとしてもよい。この場合、本触媒は、有機物と、2種類の遷移金属と、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素とを含む原料の炭素化材料である。本触媒に含まれる2種類の遷移金属は、炭素化材料の原料に由来する。また、本触媒がスズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素を含む場合、当該元素もまた、炭素化材料の原料に由来する。本触媒の製造方法の詳細については後述する。

0023

さらに、本触媒は上述のとおり、CuKα線によるX線回折図形における特定の回折ピークfbroadのブラッグ角より求められる面間隔d002が0.374nm以上である炭素構造を有する。ここで、面間隔d002は、粉末X線回折における炭素(002)回折線から求められる面間隔である。

0024

すなわち、炭素触媒が、その触媒活性に寄与する湾曲した炭素網面から構成される積層構造を有する場合、CuKα線によるX線回折図においては、回折角(2θ)が26°の付近(例えば、23°〜27°の範囲内)に炭素の(002)回折線が現れる。この炭素(002)回折線には、3種類の回折線、すなわち、高結晶成分である黒鉛構造に由来する(002)回折線と、低結晶成分に由来する2つの回折線とが混じっている。そこで、後述の実施例で行っているようなX線回折データピーク分離を行うことによって、この回折角(2θ)が26°付近の回折ピークを3つの回折ピーク、すなわちfbroad(ブロードピーク)と、fmiddle(ミドルピーク)と、fnarrow(ナローピーク)とに分離する。

0025

ブロードピークfbroadは、その回折角(2θ)が24.0°±4.0°であり、半値全幅が10°±7.0°である回折ピークとして定義される。ミドルピークfmiddleは、その回折角(2θ)が26.2°±0.3°であり、半値全幅が2.0°±0.1°である回折ピークとして定義される。ナローピークfnarrowは、その回折角(2θ)が26.5°±0.5°であり、半値全幅が0.3°±0.1°である回折ピークとして定義される。

0026

そして、上述のピーク分離で得られた3つの回折ピークのうちの1つであるブロードピークfbroadの回折角(2θ)を2で除して得られるブラッグ角を、次のブラッグの式代入することにより、上記面間隔d002が算出される:d002=λ/2sinθ。ブラッグの式において、d002は、炭素(002)面間隔(nm)であり、λは、CuKα線の波長(0.15418nm)であり、θは、ブラッグ角(radian)である。

0027

本触媒の上記面間隔d002は、0.374nm以上であれば特に限られないが、例えば、0.376nm以上であることが好ましく、0.380nm以上であることがより好ましく、0.385nm以上であることが特に好ましい。

0028

より具体的に、本触媒の上記面間隔d002は、例えば、0.374nm以上、0.420nm以下であることとしてもよく、0.376nm以上、0.420nm以下であることが好ましく、0.380nm以上、0.410nm以下であることがより好ましく、0.385nm以上、0.400nm以下であることが特に好ましい。

0029

また、本触媒は、上記ブロードピークfbroadのブラッグ角より求められる結晶子サイズLcが、1.19nm以上、2.17nm以下である炭素構造を有することとしてもよい。ここで、結晶子サイズLcは、粉末X線回折における炭素(002)回折線から求められる結晶子c軸方向の大きさである。

0030

本触媒の炭素構造の上記結晶子サイズLcは、上述のピーク分離で得られたブロードピークfbroadのブラッグ角を、次のシェラーの式に代入することにより算出される:Lc=Kλ/βcosθ。シェラーの式において、Kは、シェラー定数(0.94)であり、λは、CuKα線の波長(0.15418nm)であり、βは、半値全幅(radian)であり、θは、ブラッグ角(radian)である。

0031

本触媒の上記結晶子サイズLcは、1.19nm以上、2.17nm以下であれば特に限られないが、例えば、1.19nm以上、2.16nm以下であることが好ましく、1.19nm以上、2.15nm以下であることがより好ましく、1.19nm以上、2.14nm以下であることが特に好ましい。

0032

また、本触媒は、CuKα線による粉末X線回折のX線回折図形において回折角(2θ)45°付近の回折ピークを分離することにより得られる炭素(100)回折線f100のブラッグ角より求められる結晶子サイズLaが、2.39nm以上、2.89nm以下の炭素構造を有することとしてもよい。ここで、結晶サイズLaは、粉末X線回折における炭素(100)回折線から求められる結晶子のa軸方向の大きさである。

0033

すなわち、炭素触媒が、その触媒活性に寄与する湾曲した炭素網面から構成される積層構造を有する場合、CuKα線によるX線回折図においては、回折角(2θ)が45°の付近(例えば、36°〜60°の範囲内)に炭素構造由来の回折線が現れる。この炭素構造由来の回折線には、4種類の回折線、すなわち、炭素構造の(100)回折線、(101)回折線、(102)回折線、及び(004)回折線が混じっている。

0034

また、炭素触媒が遷移金属の一つとして鉄を含む場合には、回折角(2θ)が45°の付近に鉄由来の回折線も現れる。すなわち、この場合、炭素構造由来の回折線には、上記4つの回折線に、鉄に由来する回折線を加えた5種類の回折線が混じっている。

0035

そこで、後述の実施例で行っているようなX線回折データのピーク分離によって、鉄を含む炭素触媒については、上記回折角(2θ)が45°付近の回折ピークを5つの回折ピーク、すなわち、炭素(100)回折線に相当する回折ピークf100と、炭素(101)回折線に相当する回折ピークf101と、炭素(102)回折線に相当する回折ピークf102と、炭素(004)回折線に相当する回折ピークf004と、鉄に由来する回折線に相当する回折ピークfFeとに分離する。また、鉄を含まない炭素触媒については、上記回折角(2θ)が45°付近の回折ピークを4つの回折ピーク、すなわち、f100と、f101と、f102と、f004とに分離する。

0036

回折ピークf100は、その回折角(2θ)が42.0°±1.5°であり、半値全幅が3.0°±2.0°である回折ピークとして定義される。回折ピークf101は、その回折角(2θ)が44.0°±1.0°であり、半値全幅が5.0°±3.0°である回折ピークとして定義される。回折ピークf102は、その回折角(2θ)が49.0°±3.0°であり、半値全幅が7.0°±3.0°である回折ピークとして定義される。回折ピークf004は、その回折角(2θ)が54.0°±1.0°であり、半値全幅が2.0°±1.9°である回折ピークとして定義される。回折ピークfFeは、その回折角(2θ)が44.0°±1.0°であり、半値全幅が0.5°±0.3°である回折ピークとして定義される。

0037

そして、上述のピーク分離により得られた4つ又は5つの回折ピークのうちの1つである回折ピークf100のブラッグ角(θ)及び半値全幅(β)を次のシェラーの式に代入することにより、結晶格子サイズLaが算出される:La=Kλ/βcosθ。シェラーの式において、Kは、シェラー定数(0.94)であり、λは、CuKα線の波長(0.15418nm)であり、βは、半値全幅(radian)であり、θは、ブラッグ角(radian)である。

0038

本触媒の上記結晶子サイズLaは、2.39nm以上、2.89nm以下であれば特に限られないが、例えば、2.39nm以上、2.88nm以下であることが好ましく、2.39nm以上、2.86nm以下であることがより好ましく、2.39nm以上、2.85nm以下であることが特に好ましい。

0039

また、本触媒は、1600℃まで昇温可能な昇温脱離分析(高温TPD)により求められる平均炭素網面サイズLが、10nm以上、40nm以下の炭素構造を有することとしてもよい。

0040

すなわち、本実施形態では、1600℃まで昇温可能な昇温脱離分析装置(高温TPD装置)を用いた、炭素触媒の高温TPDの脱離ガス定量結果から、当該炭素触媒の炭素エッジ面の全量を計算し、その量から求まる平均炭素網面サイズLを図1に示すコロネンモデルを用いて算出する。図1に示す式中のa0は、黒鉛結晶a軸方向の格子定数である0.2461nmを表す。

0041

本触媒の上記平均炭素網面サイズLは、10nm以上、40nm以下であれば特に限られないが、例えば、11nm以上、39nm以下であることが好ましく、12nm以上、38nm以下であることがより好ましく、13nm以上、33nm以下であることが特に好ましい。

0042

また、本触媒は、当該本触媒を含む作用電極を有する回転ディスク電極装置を用いて電位を掃引印加して得られる酸素還元ボルタモグラム(電圧と電流密度との関係を示すデータ)において、−10μA/cm2の還元電流が流れる時の電圧EO2(酸素還元開始電位)が、0.820V(vs.NHE)以上であることとしてもよい。

0043

この場合、酸素還元開始電位EO2は、0.820V(vs.NHE)以上であれば特に限られないが、例えば、0.821V(vs.NHE)以上であることが好ましく、0.822V(vs.NHE)以上であることがより好ましく、0.823V(vs.NHE)以上であることが特に好ましい。この酸素還元開始電位EO2は、例えば、1.200V(vs.NHE)以下であることとしてもよい。

0044

また、本触媒は、当該本触媒を含む作用電極を有する回転ディスク電極装置を用いて電位を掃引印加して得られる酸素還元ボルタモグラムにおいて、0.7V(vs.NHE)の電圧を印加した時の電流密度i0.7(mA/cm2)の絶対値が、0.92以上であることとしてもよい。

0045

この場合、電流密度i0.7(mA/cm2)の絶対値は、0.92以上であれば特に限られないが、例えば、0.94以上であることが好ましく、0.96以上であることがより好ましく、0.98以上であることが特に好ましい。この電流密度i0.7(mA/cm2)の絶対値は、例えば、3.00以下であることとしてもよい。

0046

本触媒の製造方法は、上述のとおり、有機物と2種類の遷移金属とを含む原料を炭素化することを含む。炭素化の原料は、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むこととしてもよい。

0047

原料に含まれる有機物は、炭素化できるものであれば特に限られない。すなわち、有機物としては、例えば、高分子量有機化合物(例えば、熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂等の樹脂)及び/又は低分子量の有機化合物が使用される。また、有機物としてバイオマスを使用することとしてもよい。

0048

有機物としては、窒素含有有機物が好ましく使用される。窒素含有有機物は、その分子内に窒素原子を含む有機化合物を含む有機物であれば特に限られない。本触媒が、窒素含有有機物を含む原料の炭素化物である場合、本触媒の炭素構造は、窒素原子を含む。

0049

具体的な有機物としては、例えば、フェノール樹脂ポリフルフリルアルコールフランフラン樹脂フェノールホルムアルデヒド樹脂メラミンメラミン樹脂エポキシ樹脂窒素含有キレート樹脂(例えば、ポリアミン型イミノジ酢酸型、アミノリン酸型及びアミノメチルホスホン酸型からなる群より選択される1種以上)、ポリアミドイミド樹脂ピロールポリピロールポリビニルピロール、3−メチルポリピロール、アクリロニトリルポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体ポリ塩化ビニリデンチオフェンオキサゾールチアゾールピラゾールビニルピリジンポリビニルピリジンピリダジンピリミジンピペラジンピランモルホリンイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、キノキサリンアニリンポリアニリンコハク酸ジヒドラジドアジピン酸ジヒドラジドポリスフォンポリアミノビスマレイミドポリイミドポリビニルアルコールポリビニルブチラールベンゾイミダゾールポリベンゾイミダゾールポリアミドポリエステルポリ乳酸ポリエーテルポリエーテルエーテルケトンセルロースカルボキシメチルセルロースリグニンキチンキトサンピッチ褐炭、毛、ポリアミノ酸核酸、DNA、RNA、ヒドラジンヒドラジド尿素サレンポリカルバゾールポリビスマレイミドトリアジンポリアクリル酸ポリアクリル酸エステルポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリウレタンポリアミドアミン及びポリカルボジイミドからなる群より選択される1種以上が例示される。

0050

原料における有機物の含有量は、本触媒が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、5質量%以上、90質量%以下であることとしてもよく、好ましくは10質量%以上、80質量%以下である。

0051

遷移金属としては、当該遷移金属の単体又は当該遷移金属の化合物が使用される。金属化合物としては、例えば、金属塩金属酸化物金属水酸化物金属窒化物金属硫化物金属炭化物及び金属錯体からなる群より選択される1種以上を使用することとしてもよい。

0052

原料における遷移金属の含有量(2種類の遷移金属の含有量の合計)は、本触媒が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、1質量%以上、90質量%以下であることとしてもよく、好ましくは2質量%以上、80質量%以下である。

0053

原料におけるスズ(Sn)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群より選択される1種以上の元素の含有量(原料が2種以上の当該元素を含む場合には、当該2種以上の当該元素の含有量の合計)は、本触媒が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、1質量%以上、90質量%以下であることとしてもよく、好ましくは2質量%以上、80質量%以下である。

0054

原料は、さらに炭素材料を含むこととしてもよい。この場合、本触媒は、有機物と2種類の遷移金属と炭素材料とを含む原料の炭素化材料である。炭素材料としては、例えば、導電性炭素材料が使用される。具体的に、例えば、カーボンブラックカーボンナノチューブカーボンナノホーンカーボンファイバーカーボンフィブリル及び黒鉛粉末からなる群より選択される1種以上が使用される。

0055

炭素化の原料は、少なくとも有機物と2種類の遷移金属とを混合して調製する。原料を混合する方法は特に限られず、例えば、乳鉢撹拌装置が使用される。炭素化は、原料を加熱して、当該原料が炭素化される温度(以下、「炭素化温度」という。)で保持することにより行う。炭素化温度は、原料が炭素化される温度であれば特に限られず、例えば、300℃以上(例えば、300℃以上、3000℃以下)であってもよく、700℃以上(例えば、700℃以上、2000℃以下)であってもよい。

0056

炭素化温度までの昇温速度は、例えば、0.5℃/分以上、300℃/分以下である。炭素化温度で原料を保持する時間は、例えば、5分以上、24時間以下である。炭素化は、窒素等の不活性ガス流通下で行うことが好ましい。

0057

本実施形態においては、上述のような原料の炭素化により得られる炭素化材料を、そのまま本触媒として使用してもよいし、当該炭素化材料にさらなる処理を施して得られる炭素化材料を本触媒として使用することとしてもよい。

0058

すなわち、本触媒は、例えば、炭素化材料に金属除去処理を施して得られることとしてもよい。金属除去処理は、炭素化材料に含まれる原料由来の金属の量を低減する処理である。金属除去処理は、例えば、酸による洗浄処理又は電解処理であることとしてもよい。

0059

本触媒は、炭素化材料に金属除去処理を施し、その後、熱処理を施すことにより得られることとしてもよい。すなわち、この場合、まず、炭素化材料に上述の金属除去処理を施し、次いで、当該金属除去処理が施された炭素化材料に熱処理を施す。

0060

金属除去処理後の熱処理は、上述した炭素化と同様の条件で行うこととしてもよい。すなわち、金属除去処理後の熱処理温度は、例えば、300℃以上(例えば、300℃以上、3000℃以下)であってもよく、700℃以上(例えば、700℃以上、2000℃以下)であってもよい。

0061

なお、本触媒が、炭素化材料に上記金属除去処理を施すことを含む方法により製造された場合であっても、本触媒には、微量の原料由来遷移金属が残存する。この本触媒に含まれる遷移金属は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光光度法によって検出することができる。

0062

本実施形態に係る電池電極(以下、「本電極」という。)は、上述した本触媒を含む。すなわち、本電極は、例えば、本触媒が担持された電極である。具体的に、本電極は、例えば、電極基材と、当該電極基材に担持された本触媒と、を有する電極である。

0063

本電極は、例えば、燃料電池(例えば、固体高分子形燃料電池)又は空気電池の電極である。また、本電極は、例えば、カソード又はアノードであり、好ましくはカソードである。すなわち、本電極は、燃料電池又は空気電池のカソード又はアノードであり、好ましくは燃料電池カソード又は空気電池カソードである。

0064

本実施形態に係る電池は、上述した電池電極を含む。すなわち、本電池は、例えば、本電極を含む燃料電池(例えば、固体高分子形燃料電池)又は空気電池である。本電池は、本電極を含む膜/電極接合体を有することとしてもよい。本電池は、カソード又はアノードとして本電極を有する電池であり、好ましくはカソードとして本電極を有する電池である。すなわち、本電池は、カソード又はアノードとして本電極を有する燃料電池又は空気電池であり、好ましくはカソードとして本電極を有する燃料電池又は空気電池である。

0065

次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。

0066

[炭素触媒の製造]
1.0gのポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体(PAN/PMA)を15gのジメチルホルムアミドに溶解させることにより溶液(a)を調製した。また、1.0gの2−メチルイミダゾールと、5.78gの塩化亜鉛(ZnCl2)とを15gのジメチルホルムアミドに加えて溶解させることにより溶液(b)を調製した。次に、溶液(a)と溶液(b)とを混合し、さらに0.187gの鉄粉末を加えて混合した。その後、得られた混合物を、60℃で一昼夜真空乾燥させた。

0067

上記混合物を大気中で加熱して、30分間で室温から150℃まで昇温し、続いて2時間かけて150℃から220℃まで昇温した。その後、混合物を220℃で3時間保持し、当該混合物の不融化を行った。さらに、遊星ボールミル(P−7、フリッチジャパン株式会社製)内に直径が10mmの窒化ケイ素ボールをセットし、当該遊星ボールミルによって混合物を粉砕した。こうして、炭素化の原料を調製した。

0068

そして、上述のようにして得られた原料を石英管に入れ、イメージ炉にて、窒素雰囲気中、加熱して1100℃で1時間保持することにより、炭素化を行った。次いで、遊星ボールミル(P−7、フリッチュジャパン株式会社製)内に直径が10mmの窒化ケイ素ボールをセットし、当該遊星ボールミルによって、上記炭素化により得られた炭素化材料を粉砕した。さらに、ビーズミルアイメックス株式会社製)内に直径0.3mmのジルコニアビーズメタノール投入し、当該ビーズミルによって炭素化材料を粉砕した。

0069

上述の粉砕により得られた炭素化材料1.0gに20mLの濃塩酸を加え、30分間撹拌した。その後、炭素化材料を沈殿させ、溶液を除去した。この処理を数回繰り返した後、蒸留水を加え、撹拌した。炭素化材料を含有する溶液を、ろ過膜を使用してろ過し、ろ液中性になるまで蒸留水で洗浄した。回収された炭素化材料を真空乾燥させ、さらに、乾燥した炭素化材料を乳鉢で粉砕した。

0070

上述のように金属除去処理を施した炭素化材料を石英管に入れ、イメージ炉にて、窒素雰囲気中、加熱して700℃で1時間保持することにより、金属除去処理後の熱処理を行った。そして、上述した熱処理後の炭素化材料をボールミルで粉砕した。こうして、粉末状の炭素化材料である炭素触媒CA−Iを得た。

0071

また、炭素化温度を800℃とした以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−IIを製造した。また、鉄粉末を使用しなかった点以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−IIIを製造した。また、溶液(b)の調製において5.78gの塩化亜鉛(ZnCl2)に代えて0.18gの塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O)を使用し、溶液(a)と溶液(b)とを混合する際に鉄粉末を加えなかった点以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−IVを製造した。

0072

また、溶液(b)の調製において5.78gの塩化亜鉛(ZnCl2)に代えて0.112gの塩化銅(II)(CuCl2)を使用し、鉄粉末を0.047g使用し、炭素化温度を800℃とした以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−Vを製造した。また、溶液(b)の調製において5.78gの塩化亜鉛(ZnCl2)に代えて0.64gの四塩化チタン(IV)(TiCl4)水溶液及び8.0gの塩化スズ(II)(SnCl2)を使用した以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−VIを製造した。また、溶液(b)の調製において5.78gの塩化亜鉛(ZnCl2)に代えて0.89gの塩化クロム(III)六水和物(CrCl3・6H2O)及び8.0gの塩化スズ(II)(SnCl2)を使用した以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−VIIを製造した。また、溶液(b)の調製において5.78gの塩化亜鉛(ZnCl2)に代えて0.33gの塩化銅(II)(CuCl2)及び6.7gの硝酸鉛(II)(Pb(NO3)2)を使用した以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−VIIIを製造した。

0073

また、溶液(b)の調製において5.78gの塩化亜鉛(ZnCl2)に代えて0.900gの塩化銅(II)(CuCl2)を使用し、鉄粉末を使用しなかった点以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−IXを製造した。また、溶液(b)の調製において5.78gの塩化亜鉛(ZnCl2)に代えて1.3gの四塩化チタン(IV)(TiCl4)水溶液を使用し、鉄粉末を使用しなかった点以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−Xを製造した。また、溶液(b)の調製において5.78gの塩化亜鉛(ZnCl2)に代えて12gの塩化スズ(II)(SnCl2)及び6.0gの硝酸鉛(II)(Pb(NO3)2)を使用した以外は上記炭素触媒CA−Iと同様にして、炭素触媒CA−XIを製造した。

0074

[粉末X線回折]
粉末状の炭素触媒の試料を、リンデマンガラスキャピラリー(φ=0.5mm、肉厚0.01mm)に入れ、真空状態封管を行った。次いで、このガラス管ゴニオメータに固定し、ゴニオメータを回転させることで試料を均一に測定した。

0075

すなわち、SPring−8(ビームラインBL19B2)を用いて粉末X線回折測定(XRD)を行った。電子シンクロトロンより発生した放射光のうち、24.8keVすなわちλ=0.0500nmのX線を利用した。検出にはビームラインに付属の大型デバイシェラーカメラを用い、検出器イメージングプレートを用いた。サンプリング間隔は0.01°、露光時間は1h、測定角度範囲(2θ)は1〜75°とした。

0076

そして、得られた回折パターンは以下の式よりCuKα線(λ=0.15418nm)を用いた際の回折角(2θ)に換算した:λsyn/sinθsyn=λCuKα/si
nθCuKα。この式において、λsynは、シンクロトロンを用いたX線の波長(0.0500nm)であり、λCuKαは、CuKα線の波長(0.15418nm)であり、θsynは、シンクロトロンを用いたX線回折のブラッグ角(radian)であり、θCuKαは、CuKα線を用いたX線回折のブラッグ角(radian)である。

0077

ここで、炭素触媒が、その触媒活性に寄与する湾曲した炭素網面から構成される積層構造を有する場合、CuKα線によるX線回折図においては、回折角(2θ)が26°の付近(例えば、23°〜27°の範囲内)に炭素の(002)回折線が現れる。この炭素(002)回折線には、3種類の回折線、すなわち、高結晶成分である黒鉛構造に由来する(002)回折線と、低結晶成分に由来する2つの回折線とが混じっている。そこで、X線回折データのピーク分離によって、この回折角(2θ)が26°付近の回折ピークを3つの回折ピーク、すなわち、fbroadと、fmiddleと、fnarrowとに分離した。

0078

ピークの分離は、重なり合った回折ピークをガウス型の基本波形の重ね合わせにより近似することにより行った。バックグラウンド補正を行った回折図形に対して、各成分となるガウス関数ピーク強度ピーク半値全幅及びピーク位置をパラメータとして最適化することにより、フィッティングを行った。バックグラウンド補正は、回折角(2θ)が10°〜20°付近と30°〜40°付近とを結んだ直線をバックグラウンドとして、当該バックグラウンドを各回折強度から差し引くことで行った。

0079

ピーク分離は、回折角2θ=26°付近(例えば、回折角2θ=23°〜27°の範囲内)の回折ピーク(当該回折角2θ=26°付近にピークトップを有する回折ピーク)を、fbroad、fmiddle及びfnarrowの3成分に分離することにより行った。

0080

より具体的に、このピーク分離は、以下の手順で行った。上記のバックグラウンド補正を行ったCuKα線によるX線回折図形において、回折角2θ=26°付近にピークトップを有する回折ピークをガウス型の基本波形の重ね合わせにより近似し、ピーク強度、ピーク半値全幅及びピーク位置を最適化し、当該回折ピークに含まれる重なり合った3つの回折ピークの各々をカーブフィッティングすることによりピーク分離を行った。

0081

なお、カーブフィッティングは残差平方和が最も小さくなるように行った。ここで、残差平方とは、測定した各回折角における残差の平方のことをいい、残差平方和とはこれらの残差平方の和である。また、残差とは、補正されたCuKα線によるX線回折図形における回折角2θ=26°付近にピークトップを有する回折ピークの強度と、分離した3つの回折ピーク(fbroad、fmiddle及びfnarrow)の強度和との差のことをいう。

0082

このようなピーク分離により、3つの回折ピーク、すなわち低結晶成分の2つの回折ピークfbroad及びfmiddleと、高結晶成分の回折ピークfnarrowとが得られた。ブロードピークfbroadは、その回折角(2θ)が24.0°±4.0°であり、半値全幅が10°±7.0°である回折ピークとして定義された。ミドルピークfmiddleは、その回折角(2θ)が26.2°±0.3°であり、半値全幅が2.0°±0.1°である回折ピークとして定義された。ナローピークfnarrowは、その回折角(2θ)が26.5°±0.5°であり、半値全幅が0.3°±0.1°である回折ピークとして定義された。

0083

そして、上述のピーク分離により得られた3つの回折ピークのうちの1つである、ブロードピークfbroadを解析することにより、面間隔d002及び結晶格子サイズLcを算出した。

0084

すなわち、面間隔d002は、上述のピーク分離で得られたブロードピークfbroadのブラッグ角を、次のブラッグの式に代入して算出した:d002=λ/2sinθ。ブラッグの式において、d002は、炭素(002)面間隔(nm)であり、λは、CuKα線の波長(0.15418nm)であり、θは、ブラッグ角(radian)である。

0085

また、結晶子サイズLcは、上述のピーク分離で得られたブロードピークfbroadのブラッグ角を、次のシェラーの式に代入して算出した:Lc=Kλ/βcosθ。シェラーの式において、Kは、シェラー定数(0.94)であり、λは、CuKα線の波長(0.15418nm)であり、βは、半値全幅(radian)であり、θは、ブラッグ角(radian)である。

0086

また、炭素触媒が、その触媒活性に寄与する湾曲した炭素網面から構成される積層構造を有する場合、CuKα線によるX線回折図においては、回折角(2θ)が45°の付近(例えば、36°〜60°の範囲内)に炭素構造由来の回折線が現れる。この炭素構造由来の回折線には、4種類の回折線、すなわち、炭素構造の(100)回折線、(101)回折線、(102)回折線、及び(004)回折線が混じっている。

0087

また、炭素触媒が遷移金属の一つとして鉄を含む場合には、回折角(2θ)が45°の付近に鉄由来の回折ピークも現れる。すなわち、この場合、炭素構造由来の回折線には、上記4つの回折線に、鉄に由来する回折線を加えた5種類の回折線が混じっている。

0088

そこで、鉄を含む炭素触媒については、X線回折データのピーク分離によって、この回折角(2θ)が45°付近の回折ピークを5つの回折ピーク、すなわち、f100と、f101と、f102と、f004と、fFeとに分離した。また、鉄を含まない炭素触媒については、X線回折データのピーク分離によって、回折角(2θ)が45°付近の回折ピークを4つの回折ピーク、すなわち、f100と、f101と、f102と、f004とに分離した。

0089

ピークの分離は、重なり合った回折ピークをガウス型の基本波形の重ね合わせにより近似することにより行った。バックグラウンド補正を行った回折図形に対して、各成分となるガウス関数のピーク強度、ピーク半値全幅及びピーク位置をパラメータとして最適化することにより、フィッティングを行った。バックグラウンド補正は、ベースラインを揃えることができれば方法は特に限られないが、本実施例においては、各回折強度から37.33°の強度を差し引くことで行った。

0090

炭素触媒が鉄を含む場合、ピーク分離は、回折角2θ=45°付近(例えば、回折角2θ=36°〜60°の範囲内)の回折ピーク(当該回折角2θ=45°付近にピークトップを有する回折ピーク)を、f100、f101、f102、f004及びfFeの5成分に分離することにより行った。

0091

より具体的に、このピーク分離は、以下の手順で行った。上記のバックグラウンド補正を行ったCuKα線によるX線回折図形において、回折角2θ=45°付近にピークトップを有する回折ピークをガウス型の基本波形の重ね合わせにより近似し、ピーク強度、ピーク半値全幅及びピーク位置を最適化し、当該回折ピークに含まれる重なり合った5つの回折ピークの各々をカーブフィッティングすることによりピーク分離を行った。

0092

なお、カーブフィッティングは残差平方和が最も小さくなるように行った。ここで、残差平方とは、測定した各回折角における残差の平方のことをいい、残差平方和とはこれらの残差平方の和である。また、残差とは、補正されたCuKα線によるX線回折図形における回折角2θ=45°付近にピークトップを有する回折ピークの強度と、分離した5つの回折ピーク(f100、f101、f102、f004、及びfFe)の強度和との差のことをいう。

0093

このようなピーク分離により、5つの回折ピークが得られた。回折ピークf100は、その回折角(2θ)が42.0°±1.5°であり、半値全幅が3.0°±2.0°である回折ピークとして定義された。回折ピークf101は、その回折角(2θ)が44.0°±1.0°であり、半値全幅が5.0°±3.0°である回折ピークとして定義された。回折ピークf102は、その回折角(2θ)が49.0°±3.0°であり、半値全幅が7.0°±3.0°である回折ピークとして定義された。回折ピークf004は、その回折角(2θ)が54.0°±1.0°であり、半値全幅が2.0°±1.9°である回折ピークとして定義された。回折ピークfFeは、その回折角(2θ)が44.0°±1.0°であり、半値全幅が0.5°±0.3°である回折ピークとして定義された。

0094

炭素触媒が鉄を含まない場合、ピーク分離は、回折角2θ=45°付近(例えば、回折角2θ=36°〜60°の範囲内)の回折ピーク(当該回折角2θ=45°付近にピークトップを有する回折ピーク)を、f100、f101、f102、及びf004の4成分に分離することにより行った。

0095

より具体的に、このピーク分離は、以下の手順で行う。上記のバックグラウンド補正を行ったCuKα線によるX線回折図形において、回折角2θ=45°付近にピークトップを有する回折ピークをガウス型の基本波形の重ね合わせにより近似し、ピーク強度、ピーク半値全幅及びピーク位置を最適化し、当該回折ピークに含まれる重なり合った4つのピークの各々をカーブフィッティングすることによりピーク分離を行った。

0096

なお、カーブフィッティングは残差平方和が最も小さくなるように行った。ここで、残差平方とは、測定した各回折角における残差の平方のことをいい、残差平方和とはこれらの残差平方の和である。また、残差とは、補正されたCuKα線によるX線回折図形における回折角2θ=45°付近にピークトップを有する回折ピークの強度と、分離した4つの回折ピーク(f100、f101、f102及びf004)の強度和との差のことをいう。

0097

このようなピーク分離により、4つの回折ピークが得られた。回折ピークf100は、その回折角(2θ)が42.0°±1.5°であり、半値全幅が3.0°±2.0°である回折ピークとして定義された。回折ピークf101は、その回折角(2θ)が44.0°±1.0°であり、半値全幅が5.0°±3.0°である回折ピークとして定義された。回折ピークf102は、その回折角(2θ)が49.0°±3.0°であり、半値全幅が7.0°±3.0°である回折ピークとして定義された。回折ピークf004は、その回折角(2θ)が54.0°±1.0°であり、半値全幅が2.0°±1.9°である回折ピークとして定義された。

0098

そして、上述のピーク分離により得られた4種類又は5種類の回折ピークのうちの1つであるf100を解析することにより、結晶子サイズLaを算出した。すなわち、結晶子サイズLaは、上述のピーク分離で得られた回折ピークf100のブラッグ角及び半値全幅を次のシェラーの式に代入して算出した:La=Kλ/βcosθ。シェラーの式において、Kは、シェラー定数(0.94)であり、λは、CuKα線の波長(0.15418nm)であり、βは、半値全幅(radian)であり、θは、ブラッグ角(radian)である。

0099

[昇温脱離分析]
本実施形態においては、1600℃まで昇温可能な昇温脱離分析装置(高温TPD装置)を用いて、炭素触媒の昇温脱離分析を行った。高温TPD装置は、高周波電磁誘導加熱によって被加熱体である黒鉛るつぼを1600℃以上の高温まで加熱できる装置である。この高温TPD装置の詳細については、Carbon誌(Takafumi Ishi,SuSumu Kashihara,Yasuto Hoshikawa,Jun−ichi Ozaki,Naokatsu Kannari,Kazuyuki Takai,Toshiaki Enoki,Takashi Kyotani,Carbon,Volume80,December 2014,Pages 135−145)に記載されている。

0100

この高温TPD装置に炭素触媒を設置し、5×10−5Pa以下の高真空下で当該炭素触媒を加熱し、脱離したガス四重極質量分析計(Quadrupole Mass Spectrometer:QMS)で測定した。

0101

具体的に、まず、炭素触媒1mgを黒鉛製るつぼ充填し、高温TPD装置に付随する石英反応管にセットした。次に、装置内をターボ分子ポンプ真空引きし、圧力が5×10−5Paとなるまで真空引きを行った後、10℃/分の昇温速度で室温から1600℃に昇温した。この昇温の間、脱離してくるガスを検出し、温度(横軸)と検出強度縦軸)との相関関係を記録した。そして、脱離したガスの量を求めた。すなわち、熱処理を開始した室温から、定量したい温度(1600℃)までのガスの検出強度の積分値(検出強度面積)をそれぞれ計算した。

0102

一方、所定量の標準ガスを用いて、ガスの脱離量と、検出強度面積と、の相関関係を示す検量線を作成した。試料からの脱離ガスをQMSで分析するにあたり、脱離ガスに含まれる同質量ガス種(質量数28ではCO、N2、C2H4等)を厳密に区別するために、種々のガス種(H2、H2O、CO、CO2、N2、HCN、O2、CH4、C2H6、C3H6、C3H8)についてフラグメント強度比を調べ、脱離ガスの定性に利用した。そして、測定により得た検出強度面積と、検量線及びフラグメント強度比と、に基づいて、炭素触媒からのガスの脱離量(放出量)を定量した。

0103

ここで、炭素のエッジ面の量から求まる平均炭素網面サイズLから、炭素を構成する炭素網面の実際の大きさを評価することができる。本実施形態では、炭素触媒の高温TPDの脱離ガス定量結果から炭素エッジ面の全量を計算し、その量から求まる平均炭素網面サイズLを図1に示すコロネンモデルを用いて算出した。図1に示す式中のa0は、黒鉛結晶a軸方向の格子定数である0.2461nmを表す。

0104

また、含酸素化合物のうちフェノール水酸基は、昇温によって一酸化炭素として分解し、水素原子を炭素エッジに残すことが知られている。そのため、高温TPDで求められた水素量にはフェノール水酸基の水素の寄与が含まれる可能性がある。また、炭素網面中の原子は炭素エッジ面に存在するピリジンピリドンの他に四級窒素のように炭素網面内に組み込まれるものが存在し、この四級窒素は炭素エッジ面を形成しない。エッジ面の全量を厳密に計算するためには、フェノール水酸基と四級窒素について考慮する必要がある。高温TPDにおいてフェノール水酸基はCOとして脱離し、四級窒素はN2として脱離すると仮定し、下記2つの式から、炭素触媒のエッジ面の全量(Nedge)が取りうる範囲を算出した。

0105

すなわち、エッジ面の全量の下限値Nedge(Min)は、次の式により算出した:Nedge(Min)[μmol/g]=CO2[μmol/g]+H2O[μmol/g]×2+H2[μmol/g]×2+HCN[μmol/g]。また、エッジ面の全量の上限値Nedge(Max)は、次の式により算出した:Nedge(Max)[μmol/g]=CO[μmol/g]+CO2[μmol/g]+H2O[μmol/g]×2+H2[μmol/g]×2+N2[μmol/g]×2+HCN[μmol/g]。なお、式中のCO[μmol/g]、CO2[μmol/g]、H2O[μmol/g]、H2[μmol/g]、N2[μmol/g]及びHCN[μmol/g]はそれぞれ、高温TPDより求めた一酸化炭素、二酸化炭素、水、水素、窒素及びシアン化水素の脱離ガス量である。

0106

一方、平均炭素網面サイズLは、炭素原子原子量を12g/mol、及び黒鉛結晶a軸方向の格子定数0.2461nmを用いて次の式により求まる:L[nm]=2×1/12×0.2461/Nedge[μmol/g]。ここで、Nedgeの値の範囲は、上述のようにして算出されたNedge(Min)及びNedge(Max)の値から、次の式で表される:Nedge(Min)[μmol/g]<Nedge[μmol/g]<Nedge(Max)[μmol/g]。

0107

そこで、炭素触媒の平均炭素網面サイズLの取りうる値の範囲を、次の式から求めた:2×1/12×0.2461/Nedge(Max)[μmol/g]<L[nm]<2×1/12×0.2461/Nedge(Min)[μmol/g]。

0108

[触媒性能]
上述のようにして製造された炭素触媒の酸素還元活性を評価した。まず炭素触媒5mgに、市販の5重量%Nafion(登録商標)溶液(Aldrich製)50μL、蒸留水とイソプロパノールとを8:2の体積比で混合した溶液500μLを加え、次いで超音波処理を施して、触媒スラリーを得た。

0109

次いで、触媒スラリーをピペットにより吸い取り、回転ディスク電極装置(RRDE−3A、ビー・エー・エス株式会社製)のディスク電極(直径4mm)に、電極単位面積当たりの触媒担持量が0.100mg/cm2となるように塗布し、乾燥させることにより、作用電極を作製した。対極としては白金電極を用い、参照電極としては標準水素電極を用いた。電解質溶液としては、酸素飽和させた0.1M過塩素酸(HClO4)水溶液を用いた。

0110

そして、電極を回転速度1600rpmで回転させ、掃引速度0.5mV/秒で電位を掃引したときの電流密度を電位の関数として記録した。こうして得られた酸素還元ボルタモグラムから、−10μA/cm2の還元電流が流れた時の電圧EO2(V vs.NHE)(酸素還元開始電位)と、0.7V(vs. NHE)の電圧を印加した時の電流密度i0.7(mA/cm2)とを記録した。

0111

[結果]
図2には、例1〜例11の炭素触媒の特性を評価した結果を示す。すなわち、図2には、各炭素触媒について、CuKα線による粉末X線回折の結果として、炭素の(002)回折線を分離して得られたブロードピークfbrоadの回折角2θ(°)、当該ブロードピークfbrоadのブラッグ角(radian)により求められた面間隔d002(nm)及び結晶子サイズLc(nm)、炭素の(100)回折線の回折角2θ(°)及び当該炭素(100)回折線のブラッグ角(radian)により求められた結晶子サイズLa(nm)を示し、高温TPDの結果として、平均炭素網面サイズL(nm)を示し、触媒性能として、酸素還元開始電位EO2(V vs. NHE)及び電流密度i0.7(mA/cm2)を示す。

0112

図3には、例1の炭素触媒CA−Iについて、CuKα線によるX線回折図形における回折角(2θ)が26°付近の回折ピークの分離を行った結果を示す。図3に示すように、ピーク分離によって、3つの回折ピークfbroad、fmiddle及びfnarrowが得られた。

0113

図4Aには、例3の炭素触媒CA−IIIについて、CuKα線によるX線回折図形における回折角(2θ)が45°付近の回折ピークの分離を行った結果を示す。図4Aに示すように、ピーク分離によって、4つの回折ピークf100、f101、f102及びf004が得られた。図4Bには、例4の炭素触媒CA−IVについて、CuKα線によるX線回折図形における回折角(2θ)が45°付近の回折ピークの分離を行った結果を示す。図4Bに示すように、ピーク分離によって、5つの回折ピークf100、f101、f102、f004及びfFeが得られた。

0114

図2に示すように、例1の炭素触媒CA−Iの触媒性能は、他の例2〜4及び例9〜例11の炭素触媒のそれに比べて顕著に高かった。すなわち、例2〜例4及び例9〜例11の炭素触媒を使用した場合の酸素還元開始電位EO2は0.819(V vs. NHE)以下であったのに対し、例1の炭素触媒を使用した場合の酸素還元開始電位EO2は顕著に大きく、0.831(V vs. NHE)であった。

0115

また、例2〜例4及び例9〜例11の炭素触媒を使用した場合の電流密度i0.7(mA/cm2)の絶対値は0.91以下であったのに対し、例1の炭素触媒CA−Iを使用した場合の電流密度i0.7(mA/cm2)の絶対値は顕著に大きく、1.80であった。

0116

さらに、例5〜8の炭素触媒の触媒性能も、他の例2〜例4及び例9〜例11の炭素触媒のそれに比べて高かった。特に、例5の炭素触媒を使用した場合の酸素還元開始電位EO2は顕著に大きく、0.828(V vs. NHE)であった。また、例6〜例8の炭素触媒を使用した場合の電流密度i0.7(mA/cm2)の絶対値は顕著に大きく、1.14以上、1.85以下であった。

0117

また、図2に示すように、高い触媒性能を有する例1の炭素触媒CA−Iのブロードピークfbrоadに基づく面間隔d002は0.386nmであったのに対し、例2〜例4及び例9〜例11の炭素触媒の当該面間隔d002は0.373nm以下であった。

0118

さらに、例5〜例8の炭素触媒の上記面間隔d002は0.374nm以上、0.396nm以下であった。特に、電流密度i0.7(mA/cm2)の絶対値が顕著に大きい例6〜例8の炭素触媒の上記面間隔d002は0.378nm以上、0.396nm以下であった。

0119

また、例1の炭素触媒CA−Iのブロードピークfbrоadに基づく結晶子サイズLcは1.38nmであったのに対し、例2及び例3の炭素触媒の当該結晶子サイズLcは1.18nm以下であり、例4の炭素触媒の当該結晶子サイズLcは2.18nmであった。

0120

さらに、例5〜例8の炭素触媒の上記結晶子サイズLcは1.20nm以上、1.30nm以下であったのに対し、例9〜例11の炭素触媒の当該結晶子サイズLcは1.15nm以下であった。

0121

また、例1の炭素触媒CA−Iの炭素(100)回折線に相当する回折ピークf100に基づく結晶子サイズLaは2.41nmであったのに対し、例2の炭素触媒CA−IIの当該結晶子サイズLaは2.90nmであり、例3の炭素触媒CA−IIIの当該結晶子サイズLaは2.38nmであり、例4の炭素触媒CA−IVの当該結晶子サイズLaは7.88nmであった。

0122

さらに、例5〜例8の炭素触媒の上記結晶子サイズLaは2.43nm以上、2.85nm以下であったのに対し、例9〜例11の炭素触媒の当該結晶子サイズLaは2.30nm以上、2.82nm以下であった。

0123

また、高温TPD測定により求められた平均炭素網面サイズLについては、例1の炭素触媒CA−Iの当該平均炭素網面サイズLが19nm以上、33nm以下であったのに対し、例2の炭素触媒CA−IIの当該平均炭素網面サイズLは6nm以上、12nm以下であり、例3の炭素触媒CA−IIIの当該平均炭素網面サイズLは16nm以上、28nm以下であり、例4の炭素触媒CA−IVの当該平均炭素網面サイズLは34nm以上、44nm以下であった。

実施例

0124

さらに、例5〜例8の炭素触媒の上記平均炭素網面サイズLは16nm以上、33nm以下であったのに対し、例9〜例11の炭素触媒の当該平均炭素網面サイズLは15nm以上、30nm以下であった。

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