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課題・解決手段
概要
背景
従来、ガスエンジン発電機またはガスエンジンコージェネレーションシステムなどのコージェネレーションシステムが知られている。近年、特に、燃料電池を用いて電力と熱を併給する燃料電池コージェネレーションシステムが注目されている。
これらのコージェネレーションシステムは、一般的に、ガスエンジンまたは燃料電池などの発電機と、貯湯タンクとを組み合わせて構成される。貯湯タンクは、発電にともなって発生する熱を有効利用する蓄熱装置として機能する。
発電機に燃料電池を用いたコージェネレーションシステムにおいて、熱媒体を流すラインの誤接続を察知する燃料電池コージェネレーションシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、特許文献1に記載された従来の燃料電池コージェネレーションシステムについて、図3を用いて、説明する。
図3は、従来の燃料電池コージェネレーションシステムの概略構成を示す模式図である。
従来の燃料電池コージェネレーションシステム101は、図3に示すように、燃料電池102と、冷却水ライン103と、冷却水ライン103に設けられる電気ヒータ105と、冷却水の熱を排熱回収水に伝達する熱交換器106と、排熱回収水ライン108と、貯湯槽110と、導出水温度検知器113aと、導入水温度検知器113bと、判断装置116を備える。
排熱回収水ライン108は、高温排熱回収ライン108aと、低温排熱回収ライン108bで構成される。高温排熱回収ライン108aは、排熱回収水を熱交換器106から貯湯槽110へ導く。低温排熱回収ライン108bは、排熱回収水を貯湯槽110から熱交換器106へ導く。
さらに、低温排熱回収ライン108bには、貯湯槽110から導出されるべき排熱回収水の温度を検出する導出水温度検知器113aが配設される。高温排熱回収ライン108aには、貯湯槽110から導入されるべき排熱回収水の温度を検出する導入水温度検知器113bが配設される。
判断装置116は、電気ヒータ105の動作時に、高温排熱回収ライン108aおよび低温排熱回収ライン108bと、熱交換器106との誤接続を判断する。具体的には、高温排熱回収ライン108aと低温排熱回収ライン108bとが誤接続されている場合、加熱された水が熱交換器106を介して導出水温度検知器113a側に流れる。これにより、導出水温度検知器113aが検知する温度は、導入水温度検知器113bが検知する温度と比べて高くなる。そこで、判断装置116は、導出水温度検知器113aが検知する温度が高い場合、誤接続されていると判断する。
そのため、従来の燃料電池コージェネレーションシステム101は、電気ヒータ105を用いて、冷却水ライン103、熱交換器106ならびに低温の排熱回収水ライン108を流れる冷却水などを加温する必要がある。これにより、電気ヒータ105による不要な電力消費が発生する。
また、判断装置116は、各ラインを流れる冷却水の温度が上昇するまで判定できないため、作業性が低下する。
概要
本開示の燃料電池コージェネレーションシステム(1)は、燃料電池(2)と、燃料電池(2)の生成する熱を回収する冷却水を貯蔵する冷却水タンク(3)と、冷却水を循環させる冷却水ポンプ(4)と、冷却水の熱を排熱回収水に回収する熱交換器(5)と、排熱回収水を送水する貯湯循環ポンプ(7)を備える。そして、熱交換器5から貯湯タンク(6)へ送水する熱回収高温経路(8B)と、排熱回収水を貯湯タンク(6)から送水する熱回収低温経路(8A)を備える。さらに、貯湯循環ポンプ(7)の出力信号から熱回収高温経路(8B)と熱回収低温経路(8A)の誤接続を判定する判定部(10)を備える。これにより、誤接続を迅速に検知する。
目的
特開2009−218052号公報
本開示は、熱回収高温経路と熱回収低温経路の誤接続を速やかに検知できる燃料電池コージェネレーションシステムを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
請求項1
燃料ガスと酸化剤ガスを反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池の発電時に生成する熱を回収する冷却水を貯蔵する冷却水タンクと、前記冷却水を前記燃料電池と前記冷却水タンクに循環させる冷却水ポンプと、前記冷却水の熱を排熱回収水に回収する熱交換器と、前記排熱回収水を貯湯タンクへ送水する貯湯循環ポンプと、前記貯湯循環ポンプの吐出側と前記冷却水タンクとの間に設けられた開閉弁と、前記貯湯循環ポンプにより前記熱交換器から前記貯湯タンクへ送水する熱回収高温経路と、前記排熱回収水を前記貯湯タンクから送水する熱回収低温経路と、前記貯湯循環ポンプの出力信号に基づいて、前記熱回収高温経路と前記熱回収低温経路が誤接続されているか否かを判定する判定部と、を備える燃料電池コージェネレーションシステムであって、前記判定部は、前記燃料電池コージェネレーションシステムの前記冷却水タンクへの水張り運転時において、予め設定した期間の前記貯湯循環ポンプの出力信号を検出する配管状態確認運転を行い、前記配管状態確認運転時に前記貯湯循環ポンプの出力信号が所定値の範囲から外れた場合、前記熱回収高温経路と前記熱回収低温経路が誤接続されていると判定する、燃料電池コージェネレーションシステム。
請求項2
前記貯湯循環ポンプの出力信号は、前記貯湯循環ポンプの回転数である、請求項1に記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
請求項3
前記貯湯循環ポンプの出力信号は、前記貯湯循環ポンプを駆動する電流値である、請求項1に記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
請求項4
前記判定部は、前記配管状態確認運転時において、前記貯湯循環ポンプの出力信号が前記所定値を超えた場合、予め定めた所定回数を上限にして、前記所定値を下回るまで前記配管状態確認運転を繰り返す、請求項1に記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
請求項5
技術分野
0001
本開示は、燃料電池コージェネレーションシステムの配管誤接続の判定方法に関する。
背景技術
0002
従来、ガスエンジン発電機またはガスエンジンコージェネレーションシステムなどのコージェネレーションシステムが知られている。近年、特に、燃料電池を用いて電力と熱を併給する燃料電池コージェネレーションシステムが注目されている。
0003
これらのコージェネレーションシステムは、一般的に、ガスエンジンまたは燃料電池などの発電機と、貯湯タンクとを組み合わせて構成される。貯湯タンクは、発電にともなって発生する熱を有効利用する蓄熱装置として機能する。
0005
以下、特許文献1に記載された従来の燃料電池コージェネレーションシステムについて、図3を用いて、説明する。
0007
従来の燃料電池コージェネレーションシステム101は、図3に示すように、燃料電池102と、冷却水ライン103と、冷却水ライン103に設けられる電気ヒータ105と、冷却水の熱を排熱回収水に伝達する熱交換器106と、排熱回収水ライン108と、貯湯槽110と、導出水温度検知器113aと、導入水温度検知器113bと、判断装置116を備える。
0008
排熱回収水ライン108は、高温排熱回収ライン108aと、低温排熱回収ライン108bで構成される。高温排熱回収ライン108aは、排熱回収水を熱交換器106から貯湯槽110へ導く。低温排熱回収ライン108bは、排熱回収水を貯湯槽110から熱交換器106へ導く。
0009
さらに、低温排熱回収ライン108bには、貯湯槽110から導出されるべき排熱回収水の温度を検出する導出水温度検知器113aが配設される。高温排熱回収ライン108aには、貯湯槽110から導入されるべき排熱回収水の温度を検出する導入水温度検知器113bが配設される。
0010
判断装置116は、電気ヒータ105の動作時に、高温排熱回収ライン108aおよび低温排熱回収ライン108bと、熱交換器106との誤接続を判断する。具体的には、高温排熱回収ライン108aと低温排熱回収ライン108bとが誤接続されている場合、加熱された水が熱交換器106を介して導出水温度検知器113a側に流れる。これにより、導出水温度検知器113aが検知する温度は、導入水温度検知器113bが検知する温度と比べて高くなる。そこで、判断装置116は、導出水温度検知器113aが検知する温度が高い場合、誤接続されていると判断する。
0011
そのため、従来の燃料電池コージェネレーションシステム101は、電気ヒータ105を用いて、冷却水ライン103、熱交換器106ならびに低温の排熱回収水ライン108を流れる冷却水などを加温する必要がある。これにより、電気ヒータ105による不要な電力消費が発生する。
0012
また、判断装置116は、各ラインを流れる冷却水の温度が上昇するまで判定できないため、作業性が低下する。
先行技術
0013
特開2009−218052号公報
0015
本開示の燃料電池コージェネレーションシステムは、燃料ガスと酸化剤ガスを反応させて発電する燃料電池と、燃料電池の発電時に生成する熱を回収する冷却水を貯蔵する冷却水タンクと、冷却水を燃料電池と冷却水タンクに循環する冷却水ポンプと、冷却水の熱を排熱回収水に回収する熱交換器と、排熱回収水を貯湯タンクへ送水する貯湯循環ポンプを備える。さらに、貯湯循環ポンプの吐出側と冷却水タンクとの間に設けられた開閉弁と、貯湯循環ポンプにより熱交換器から貯湯タンクへ送水する熱回収高温経路と、排熱回収水を貯湯タンクから送水する熱回収低温経路と、貯湯循環ポンプの出力信号に基づいて、熱回収高温経路と熱回収低温経路が誤接続されているか否かを判定する判定部を備える。そして、判定部は、燃料電池コージェネレーションシステムの冷却水タンクへの水張り運転時において、予め設定した期間の貯湯循環ポンプの出力信号を検出する配管状態確認運転を行い、配管状態確認運転時に貯湯循環ポンプの出力信号が所定の範囲を外れた場合、熱回収高温経路と熱回収低温経路が誤接続されていると判定する。
0016
これにより、燃料電池コージェネレーションシステムの設置施工時などにおいて、熱回収高温経路と熱回収低温経路の誤接続を、容易に検知できる。
図面の簡単な説明
0017
図1は、本実施の形態に係る燃料電池コージェネレーションシステムの構成図である。
図2は、同燃料電池コージェネレーションシステムの配管誤接続の判定方法の一例を示すフローチャートである。
図3は、従来の燃料電池コージェネレーションシステムの構成図である。
実施例
0018
(本開示の基礎となった知見)
近年、設置面積が可能な限り小さい燃料電池コージェネレーションシステムが求められている。燃料電池コージェネレーションシステムは、多数の付帯機器を備える。そのため、設置面積を可能な限り小さくすると、多くの配管や配線が密集して配置される。これにより、配管などを誤接続する場合が生じる。
0019
特に、燃料電池で発生した熱を貯湯タンクへ運ぶ水配管である熱回収高温経路と熱回収低温経路を誤接続すると、冷却水として機能する水を、正規の経路で燃料電池に供給できない。そのため、燃料電池を適正な温度に保つことができなくなる。これにより、燃料電池コージェネレーションシステムの運転が不可能になる。
0020
そこで、本開示の第1態様に係る燃料電池コージェネレーションシステムは、燃料ガスと酸化剤ガスを反応させて発電する燃料電池と、燃料電池の発電時に生成する熱を回収する冷却水を貯蔵する冷却水タンクと、冷却水を燃料電池と冷却水タンクに循環する冷却水ポンプと、冷却水の熱を排熱回収水に回収する熱交換器と、排熱回収水を貯湯タンクへ送水する貯湯循環ポンプを備える。さらに、貯湯循環ポンプの吐出側と冷却水タンクとの間に設けられた開閉弁と、貯湯循環ポンプにより熱交換器から貯湯タンクへ送水する熱回収高温経路と、排熱回収水を貯湯タンクから送水する熱回収低温経路と、貯湯循環ポンプの出力信号に基づいて、熱回収高温経路と熱回収低温経路が誤接続されているか否かを判定する判定部を備える。そして、判定部は、燃料電池コージェネレーションシステムの冷却水タンクへの水張り運転時において、予め設定した期間の貯湯循環ポンプの出力信号を検出する配管状態確認運転を行い、配管状態確認運転時に貯湯循環ポンプの出力信号が所定の範囲を外れた場合、熱回収高温経路と熱回収低温経路が誤接続されていると判定する。
0021
第1態様によれば、燃料電池コージェネレーションシステムの設置施工時に行う冷却水タンクへの水張り運転時において、予め設定した期間の貯湯循環ポンプの出力信号を検出する配管状態確認運転を行う。これにより、熱回収高温経路と熱回収低温経路の誤接続を、速やかに検知できる。その結果、燃料電池システムが運転不能な状態に陥ることを防止できる。
0022
また、本開示の第2態様に係る燃料電池コージェネレーションシステムは、貯湯循環ポンプの出力信号が、貯湯循環ポンプの回転数である。
0023
第2態様によれば、貯湯循環ポンプの回転数から、熱回収高温経路と熱回収低温経路の誤接続を容易に検知できる。
0024
また、本開示の第3態様に係る燃料電池コージェネレーションシステムは、貯湯循環ポンプの出力信号が、貯湯循環ポンプを駆動する電流値である。
0025
第3態様によれば、貯湯循環ポンプを駆動する電流値から、熱回収高温経路と熱回収低温経路の誤接続を容易に検知できる。
0026
また、本開示の第4態様に係る燃料電池コージェネレーションシステムの判定部は、配管状態確認運転時において、貯湯循環ポンプの出力信号が所定値を超えた場合、予め定めた所定回数を上限にして、所定値を下回るまで配管状態確認運転を繰り返す。
0027
この場合、配管状態確認運転時において、通常、貯湯循環ポンプ内に残留空気が存在すると、貯湯循環ポンプの回転数を示す出力信号が、所定の回転数の出力信号より大きくなる。そのため、判定部は、熱回収高温経路と熱回収低温経路との接続を誤配管として検出する虞がある。そこで、第4態様によれば、貯湯循環ポンプの出力信号が所定値を超えた場合、予め定めた所定回数を上限として、配管状態確認運転を繰り返す。これにより、判定部が、熱回収高温経路と熱回収低温経路との接続を誤配管として検出することを防止できる。さらに、貯湯循環ポンプ内の残留空気を確実に排出できる。
0028
また、本開示の第5態様に係る燃料電池コージェネレーションシステムの判定部は、熱回収高温経路と熱回収低温経路が誤接続されていると判定した場合、誤接続情報を報知する。これにより、燃料電池コージェネレーションシステムを新たに設置する、あるいは移設作業を行う設置施工者やユーザーに、誤接続の発生を速やかに報知できる。その結果、設置施工者やユーザーに、誤接続の迅速な解消を促すことができる。
0029
(実施の形態)
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本開示を説明するために必要となる構成要素のみを抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。なお、本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
0030
[燃料電池コージェネレーションシステムの構成]
まず、燃料電池コージェネレーションシステムの構成について、図1を用いて、説明する。
0031
図1は、本実施の形態に係る燃料電池コージェネレーションシステムの構成図である。
0032
図1に示すように、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1は、燃料電池2と、冷却水タンク3と、冷却水ポンプ4と、熱交換器5と、貯湯循環ポンプ7と、開閉弁14と、第2循環経路8を構成する熱回収高温経路8Bおよび熱回収低温経路8Aと、検知部9および判定部10などを含む制御器13と、第1循環経路12を構成する第1復路12Aおよび第1往路12Bなどを備える。
0033
冷却水タンク3は、燃料電池2の発電時に生成する熱を回収する第1熱媒体である冷却水を貯蔵する。冷却水ポンプ4は、冷却水を、燃料電池2と冷却水タンク3に循環させる。熱交換器5は、冷却水の熱を排熱回収水に回収する。貯湯循環ポンプ7は、排熱回収水を貯湯タンク6へ送水する。開閉弁14は、貯湯循環ポンプ7の吐出側と冷却水タンク3との間に設けられ、冷却水の通流を制御する。熱回収高温経路8Bは、貯湯循環ポンプ7の駆動により、熱交換器5から貯湯タンク6へ送水する経路を構成する。熱回収低温経路8Aは、排熱回収水を貯湯タンク6から送水する経路を構成する。検知部9は、貯湯循環ポンプ7の運転状態(例えば、出力信号など)を検知する。判定部10は、貯湯循環ポンプ7の出力信号(例えば、回転数、電流値など)に基づいて、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが誤接続されているか否かを判定する。
0034
このとき、図1に示すように、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1は、燃料電池2、冷却水タンク3、冷却水ポンプ4、熱交換器5、貯湯循環ポンプ7、開閉弁14、検知部9、判定部10、第1循環経路12などが、燃料電池システム11の筐体に配置される。
0035
燃料電池2は、図示しない、アノードとカソードなどを有する。燃料電池2は、アノードに供給される燃料ガスと、カソードに供給される酸化剤ガス(空気)とを、電気化学的に反応させて、電気と熱を発生させる。電力変換装置(図示せず)は、燃料電池2で発電した電力を、直流電力から交流電力に変換および電圧調整を行う。そして、変換および電圧調整された交流電力は、電灯や各種電気機器などの電力負荷に供給される。
0036
燃料電池2としては、例えば固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池、固体酸化物形燃料電池などの各種の燃料電池を用いることができる。なお、燃料電池2の構成は、一般的な燃料電池の構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。
0037
また、燃料電池2は、内部に、冷却水流路2Aを有する。冷却水流路2Aは、燃料電池2を冷却するための冷却水を通流させ、燃料電池2で発生した熱を回収する。冷却水流路2Aの出口は、第1循環経路12の第1往路12Bの上流端に接続される。第1往路12Bの下流端は、冷却水タンク3に接続される。冷却水タンク3の下流側は、熱交換器5に接続される。そして、熱交換器5の下流側には、冷却水ポンプ4の吸込側が接続される。
0038
また、冷却水流路2Aの入口は、第1復路12Aの下流端に接続される。第1復路12Aの上流端は、冷却水ポンプ4の吐出側に接続される。
0040
なお、本実施の形態では、熱交換器5が第1復路12Aに配設されている形態(換言すると、冷却水タンク3が熱交換器5の上流側に配設されている形態)を例に説明したが、これに限定されない。熱交換器5を、第1往路12Bに配設する形態を採用してもよい。
0041
また、熱交換器5の二次側流路を構成する排熱回収水経路は、第2循環経路8に接続される。より詳細には、熱交換器5の二次側流路の上流端は、第2循環経路8の第2往路を構成する熱回収低温経路8Aの下流端に接続される。熱交換器5の二次側流路の下流端は、第2循環経路8の第2復路を構成する熱回収高温経路8Bの上流端に接続される。そして、熱回収低温経路8Aの上流端は貯湯タンク6の下部に接続され、熱回収高温経路8Bの下流端は貯湯タンク6の上部に接続される。
0042
貯湯循環ポンプ7は、熱回収低温経路8Aの途中に配設される。貯湯循環ポンプ7は、駆動により、第2熱媒体(例えば、市水などの排熱回収水)を第2循環経路8内に通流させる。貯湯循環ポンプ7として、例えば遠心ポンプやプランジャーポンプなどの各種ポンプが使用できる。
0043
開閉弁14は、貯湯循環ポンプ7の吐出側から冷却水タンク3へ市水を供給する経路の間に配設される。
0044
以上のように、熱交換器5の一次側流路および二次側流路が構成される。
0045
そして、冷却水ポンプ4および貯湯循環ポンプ7が作動すると、燃料電池2で加熱された第1熱媒体(冷却水)が、熱交換器5に供給される。第1熱媒体は、熱交換器5の内部で、第2循環経路8を通流する第2熱媒体(排熱回収水)と熱交換される。
0046
つぎに、燃料電池コージェネレーションシステム1の設置施工時に実施する水張り運転について、具体的に説明する。
0047
まず、制御器13は、開閉弁14を開く。これにより、市水の圧力で燃料電池コージェネレーションシステム1への水張り運転が開始される。
0048
このとき、第2循環経路8を構成する熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが正規に接続されている場合、水は熱回収低温経路8Aを通り、貯湯循環ポンプ7へ供給される。そして、貯湯循環ポンプ7に供給された水は、開閉弁14を経由して、冷却水タンク3へ供給される。
0049
一方、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが誤接続、つまり反対に接続されている場合(図1の2点鎖線で示す接続に相当)、水は熱回収低温経路8Aを通り、熱交換器5に供給される。そして、熱交換器5に供給された水は、開閉弁14から冷却水タンク3へ供給される。そのため、貯湯循環ポンプ7へは、水が供給されない。この場合、貯湯循環ポンプ7の内部および貯湯循環ポンプ7の上流側配管と下流側配管は、水で満たされず、空気が満たされたままの状態となる。この理由は、誤接続状態で開閉弁14を開いた場合、熱回収高温経路8B、熱回収低温経路8A、熱交換器5、貯湯循環ポンプ7および貯湯タンク6の経路が閉塞経路になる。そのため、経路内に空気が残留する。
0050
通常、貯湯循環ポンプ7として、上述した遠心ポンプやプランジャーポンプなどの各種ポンプが使用される。なお、以降では、貯湯循環ポンプ7を、単にポンプと略記する場合がある。
0051
しかし、上記いずれのポンプも、燃料電池コージェネレーションシステム1の設置施工時において、ポンプの内部は水が満たされていないため、空気などが残留している。ポンプの内部に空気が残留している場合、ポンプの回転に対する負荷が軽くなる。そのため、水が満たされている場合と比較して、ポンプの回転数が上昇する。
0052
そこで、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1は、まず、水が満たされている場合のポンプの回転数の基準回転数範囲を設定する。そして、設定した基準回転数範囲と、実際に検知されるポンプの回転数とを比較する。このとき、実際のポンプの回転数が基準回転数範囲より高い場合、ポンプ内に空気層があると判断できる。つまり、ポンプの回転数に基づいて、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが誤接続されていると判定できる。
0053
なお、ポンプの回転数以外に、ポンプの駆動電流の値に基づいて、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aの誤接続を判定してもよい。一般に、ポンプの駆動に要する電流値は、一義的に決まる。そこで、水が満たされている場合のポンプの駆動電流の基準電流範囲を設定する。そして、設定した基準電流範囲と、実際のポンプの駆動電流とを比較する。このとき、実際のポンプの駆動電流が基準電流範囲より低い場合、ポンプ内に空気層があると判断できる。つまり、上記ポンプの回転数と同様に、ポンプの駆動電流に基づいて、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aの誤接続を判定できる。
0054
また、制御器13は、燃料電池コージェネレーションシステム1を構成する各機器を制御する機器であれば、どのような形態であってもよい。例えば、制御器13は、上述の検知部9および判定部10に加えて、図示しない演算処理部、記憶部および時計部などを備える。演算処理部は、マイクロプロセッサ、CPUなどで構成される。記憶部は、メモリなどから構成され、各制御動作を実行するためのプログラムを格納する。
0055
そして、制御器13は、記憶部に格納された所定の制御プログラムを演算処理部で読み出し、制御プログラムを実行する。これにより、燃料電池コージェネレーションシステム1を構成する各種機器の制御を行う。
0056
なお、制御器13は、単独の制御器で構成される形態だけでなく、複数の制御器が協働して燃料電池コージェネレーションシステム1の制御を実行する制御器群で構成される形態でもよい。また、制御器13は、マイクロコントロールユニットで構成しても、MPU(Micro Processing Unit)、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路などで構成してもよい。
0057
また、制御器13の検知部9は、貯湯循環ポンプ7の出力信号、具体的にはポンプの回転数、ポンプの駆動電流の少なくとも一方を検知する。判定部10は、検知部9で検知された貯湯循環ポンプ7の出力信号に基づいて、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが誤接続されているか否かを判定する。
0058
以上のように、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1が構成される。
0059
[燃料電池コージェネレーションシステムの動作]
以下に、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1の設置施工時において、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが誤接続されているか否かの判定方法について、図1を参照しながら、図2を用いて説明する。
0060
本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1の動作(例えば、発電動作)は、公知の燃料電池コージェネレーションシステムの動作と同様であるため、その説明は省略する。なお、燃料電池コージェネレーションシステム1の熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが誤接続されているか否かを判定は、燃料電池コージェネレーションシステム1のメンテナンス後の試運転時に実行してもよい。
0061
図2は、同燃料電池コージェネレーションシステム1の熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが誤接続されているか否かの判定方法の一例を示すフローチャートである。
0062
図2に示すように、まず、試運転として、燃料電池コージェネレーションシステム1への水張り処理を開始するか否かを判断する(ステップS101)。水張り処理を開始しない場合(ステップS101のN)、待機する。
0063
一方、水張り処理を開始する場合(ステップS101のY)、制御器13は、開閉弁14を開く。
0064
つぎに、制御器13は、時計部で、所定の時間T1(sec)が経過したか否かを判定する。所定の時間T1(sec)が経過していない場合(ステップS102のN)、経過するまで待機する。このとき、外部から供給される市水の圧力により、水は熱回収低温経路8Aを通り、貯湯循環ポンプ7に到達する水張り経路を介して、供給される。
0065
なお、所定の時間T1(sec)は、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが正規に接続されている場合、水が十分に貯湯循環ポンプ7に到達するまでの時間に設定される。通常、時間T1(sec)は、市水の圧力と、燃料電池コージェネレーションシステム1の水張り経路の圧力損失などにより決まる。そのため、時間T1(sec)は、市水の圧力が最低の場合でも、水が十分に貯湯循環ポンプ7に到達するまでの時間に設定することが望ましい。そこで、本実施の形態では、上記条件を考慮して、時間T1(sec)を、例えば60sec程度に設定している。
0066
そして、所定の時間T1(sec)が経過すると(ステップS102のY)、制御器13は、貯湯循環ポンプ7の運転を開始する(ステップS103)。この場合、貯湯循環ポンプ7の回転数として、水張り経路の圧力損失に対し、市水を十分に冷却水タンク3に供給できる回転数が設定される。
0067
本実施の形態では、貯湯循環ポンプ7の回転数の基準値として、例えば回転数X=4500r/min程度を設定している。さらに、この基準値に対して、貯湯循環ポンプ7の回転数ばらつき値(例えば、α=500r/min)を考慮し、貯湯循環ポンプ7の基準回転数範囲を設定している。この理由は、貯湯循環ポンプ7の基準回転数範囲を回転数ばらつき値以下の値に設定すると、誤判定する可能性がある。そこで、回転数の基準値に回転数ばらつきを考慮して、基準回転数範囲を設定している。
0068
つぎに、制御器13は、時計部で、時間T2(sec)が経過したか否かを判定する(ステップS104)。所定の時間T2(sec)が経過していない場合(ステップS104のN)、経過するまで待つ。なお、所定の時間T2(sec)は、貯湯循環ポンプ7の回転数が安定し、かつ貯湯循環ポンプ7内の残留空気を排出させるための時間である。そこで、本実施の形態では、時間T2(sec)を、例えば30sec程度に設定している。
0069
一方、所定の時間T2(sec)が経過した場合(ステップS104のY)、制御器13の判定部10は、貯湯循環ポンプ7の回転数が基準回転数範囲以上の回転数となるか否かを判定する(ステップS105)。貯湯循環ポンプ7の回転数が基準回転数範囲以上の回転数となった場合(ステップS105のY)、貯湯循環ポンプ7の運転回数が所定回数Aに達したか否かを判定する(ステップS106)。なお、ステップS106は、貯湯循環ポンプ7内の残留空気を、確実に排出する処理である。つまり、ステップS104で、貯湯循環ポンプ7内の残留空気を一定量排出しているが、空気が残留している虞がある。そこで、ステップS106で、貯湯循環ポンプ7を複数回(所定回数A)運転させる。これにより、貯湯循環ポンプ7内の残留空気を確実に排出できる。なお、所定回数Aは、例えば5回から10回である。
0070
そして、貯湯循環ポンプ7の運転回数が所定回数Aに達していない場合(ステップS106のN)、制御器13は、貯湯循環ポンプ7を停止し(ステップS107)、ステップS103に戻る。そして、制御器13は、以降のステップを実行する。
0071
一方、貯湯循環ポンプ7の運転回数が所定回数Aに達した場合(ステップS106のY)、制御器13の判定部10は、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが誤接続されていると判定し(ステップS108)、判定処理を終了する。
0072
つまり、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aとが正規の接続された場合でも、貯湯循環ポンプ7内に残留空気が残っていると、貯湯循環ポンプ7の出力信号(回転数)が高く出力される。しかし、上記ステップS105およびステップS106の処理により、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aとが誤接続されていると、判定部10が判定することを回避できる。
0073
そして、誤接続と判定した後、制御器13は、図示しないリモコンへの表示やランプなどでの表示、もしくはブザーなどを鳴らす処理を実行することが望ましい。これにより、燃料電池コージェネレーションシステム1の設置施工作業を行なう設置施工者やユーザーに、誤接続が発生していることを速やかに伝え、誤接続を解消する対応を促すことができる。
0074
また、貯湯循環ポンプ7の回転数が基準回転数範囲未満である場合(ステップS105のN)、制御器13の判定部10は、貯湯循環ポンプ7の運転回数が所定回数Bに達したか否かを判定する(ステップS109)。なお、ステップS109は、ステップS106と同様に、貯湯循環ポンプ7内の残留空気を、確実に排出する処理である。つまり、ステップS104で、貯湯循環ポンプ7内の残留空気を一定量排出しているが、空気が残留している虞がある。そこで、ステップS109で、貯湯循環ポンプ7を複数回(所定回数B)運転させる。これにより、貯湯循環ポンプ7内の残留空気を確実に排出できる。なお、所定回数Bは、例えば5回から19回である。
0075
そして、貯湯循環ポンプ7の運転回数が所定回数Bに達していない場合(ステップS109のN)、制御器13は、貯湯循環ポンプ7を停止し(ステップS110)、ステップS103に戻る。そして、制御器13は、以降のステップを実行する。
0076
一方、貯湯循環ポンプ7の運転回数が所定回数Bに達した場合(ステップS109のY)、熱回収高温経路8Bと熱回収低温経路8Aが正規に接続されていると判定し(ステップS111)、判定処理を終了する。
0077
以上で説明したように、本実施の形態によれば、燃料電池コージェネレーションシステムの熱回収高温経路と熱回収低温経路との誤接続を速やかに検知することができる。
0078
また、本実施の形態によれば、燃料電池を冷却するための冷却水循環経路に電気ヒータを設ける必要がない。そのため、配管状態確認運転中において、電気ヒータによる電力消費が生じない。
0079
また、上述したように、従来の技術では、電気ヒータで冷却水温度を上昇させるため、上昇するまでの待機時間が必要である。つまり、配管誤接続の判定に数十分程度の時間が必要であった。しかし、本実施の形態によれば、数分間程度で配管の誤接続判定が可能となる。
0082
1,101燃料電池コージェネレーションシステム
2,102燃料電池
2A冷却水流路
3冷却水タンク
4冷却水ポンプ
5,106熱交換器
6貯湯タンク
7貯湯循環ポンプ
8 第2循環経路
8A熱回収低温経路
8B 熱回収高温経路
9 検知部
10 判定部
11燃料電池システム
12 第1循環経路
12A 第1復路
12B 第1往路
13制御器
14開閉弁
103冷却水ライン
105電気ヒータ
108排熱回収水ライン
108a高温排熱回収ライン
108b低温排熱回収ライン
110貯湯槽
113a導出水温度検知器
113b導入水温度検知器
116 判断装置