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技術 ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法

出願人 キリン株式会社
発明者 杉山巧今井健夫加藤優太田拓芥川正則
出願日 2017年5月23日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-519564
公開日 2019年3月22日 (4ヶ月経過) 公開番号 WO2017-204221
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード 一般財 新ジャンル 醸造用水 水質調整剤 麦芽原料 KI値 香味感 繊維素分解酵素
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は、プリン体濃度が低減されつつも、ビールらしさや味の厚みが実現されたビールテイスト発酵アルコール飲料の提供を目的とする。本発明によれば、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料であって、オリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中プロリン濃度(mg/L)の比率(プロリン濃度/OE濃度)が所定値の範囲内である、ビールテイスト発酵アルコール飲料が提供される。本発明の飲料は麦芽および/または未発麦類原料の少なくとも一部とすることができる。

概要

背景

発酵麦芽飲料であるビール中には、プリン体化合物が40〜100mg/L程度存在するといわれている。プリン体化合物は、食餌として摂取された場合、尿酸に分解される。高尿酸血症における食餌制限では、このプリン体化合物の摂取の制限がなされる場合があるが、より高含有食物としての肉、、肝等の制限に加えて、ビールなどの発酵麦芽飲料についても食餌制限を受けることがある。このため、ビールなどの発酵麦芽飲料についてもプリン体化合物を低減した製品が望まれる。

これまでに、ビールなどの発酵麦芽飲料においてプリン体化合物を低減化する技術としては、ビールの麦汁ヌクレオシドフォスフォリラーゼおよび/またはヌクレオシダーゼを作用させて、麦汁中のヌクレオシドを分解させ、プリン体化合物の濃度を低減させる技術(特許文献1)が知られている。また、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、かつ糖化工程に用いる温度以下の温度範囲で行うことにより、発酵麦芽飲料のプリン体化合物濃度を低減させる技術(特許文献2)も知られている。

概要

本発明は、プリン体濃度が低減されつつも、ビールらしさや味の厚みが実現されたビールテイスト発酵アルコール飲料の提供を目的とする。本発明によれば、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料であって、オリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中プロリン濃度(mg/L)の比率(プロリン濃度/OE濃度)が所定値の範囲内である、ビールテイスト発酵アルコール飲料が提供される。本発明の飲料は麦芽および/または未発麦類原料の少なくとも一部とすることができる。

目的

本発明は、プリン体濃度が低減されつつも、ビールらしさや味の厚みが実現されたビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ビールテイスト発酵アルコール飲料であって、飲料中プリン体濃度と、飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中のプロリン濃度(mg/L)の比率(プロリン濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):(A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が22〜200である、(B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜200である、(C)プリン体濃度が1.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が8〜200である、の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項2

プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(B)および前記(C)の少なくとも一つを満たす、請求項1に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項3

プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(C)を満たす、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項4

プリン体濃度が1.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が8〜200である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項5

プリン体濃度が0.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が8〜200である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項6

プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、下記(a)、(b)、(c)および(d):(a)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が25〜80である、(b)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が18〜80である、(c)プリン体濃度が1.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が16〜80である、(d)プリン体濃度が1.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜80である、の少なくとも一つを満たす、請求項1に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項7

プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(b)、前記(c)および前記(d)の少なくとも一つを満たす、請求項6に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項8

プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(c)および前記(d)の少なくとも一つを満たす、請求項6または7に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項9

プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(d)を満たす、請求項6〜8のいずれか一項に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項10

プリン体濃度が0.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜80である、請求項6〜9のいずれか一項に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項11

麦芽および/または未発麦類を少なくとも原料の一部とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項12

麦芽として少なくとも小麦麦芽を使用する、請求項11に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。

請求項13

ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法であって、少なくとも小麦麦芽が配合された麦汁発酵させることを含んでなり、製造された飲料中のプリン体濃度と、製造された飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する製造された飲料中のプロリン濃度(mg/L)の比率(プロリン濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):(A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が22〜200である、(B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜200である、(C)プリン体濃度が1.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が8〜200である、の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。

請求項14

製造された飲料中のプリン体濃度と、製造された飲料中のプロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、下記(a)、(b)、(c)および(d):(a)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が25〜80である、(b)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が18〜80である、(c)プリン体濃度が1.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が16〜80である、(d)プリン体濃度が1.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜80である、の少なくとも一つを満たす、請求項13に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。

関連出願の参照

0001

本願は、先行する日本国出願である特願2016−102947(出願日:2016年5月24日)の優先権の利益を享受するものであり、その開示内容全体引用することにより本明細書の一部とされる。

技術分野

0002

本発明はビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法に関し、より詳細にはプリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法に関する。

背景技術

0003

発酵麦芽飲料であるビール中には、プリン体化合物が40〜100mg/L程度存在するといわれている。プリン体化合物は、食餌として摂取された場合、尿酸に分解される。高尿酸血症における食餌制限では、このプリン体化合物の摂取の制限がなされる場合があるが、より高含有食物としての肉、、肝等の制限に加えて、ビールなどの発酵麦芽飲料についても食餌制限を受けることがある。このため、ビールなどの発酵麦芽飲料についてもプリン体化合物を低減した製品が望まれる。

0004

これまでに、ビールなどの発酵麦芽飲料においてプリン体化合物を低減化する技術としては、ビールの麦汁ヌクレオシドフォスフォリラーゼおよび/またはヌクレオシダーゼを作用させて、麦汁中のヌクレオシドを分解させ、プリン体化合物の濃度を低減させる技術(特許文献1)が知られている。また、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、かつ糖化工程に用いる温度以下の温度範囲で行うことにより、発酵麦芽飲料のプリン体化合物濃度を低減させる技術(特許文献2)も知られている。

先行技術

0005

国際公開第96/25483号
特開2004−290071号公報

0006

本発明者らが確認したところ、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料では、ビールらしさや味の厚みに改善の余地があることが分かった。

0007

本発明は、プリン体濃度が低減されつつも、ビールらしさや味の厚みが実現されたビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法を提供することを目的とする。

0008

本発明者らは、各種アミノ酸のうち、プロリンアラニンバリンおよびアルギニン(特にプロリン)が、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料に対しビールらしさを付与できることを見出した。本発明者らはさらに、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料において、飲料中オリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中のプロリン濃度(mg/L)の比率(プロリン濃度/OE濃度、以下単に「プロリン比率」ということがある)を特定範囲内にすることで、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料においてビールらしさや味の厚みを実現できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。

0009

本発明によれば、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料であって、オリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する、飲料中のプロリン、アラニン、バリンおよびアルギニンから選択されるアミノ酸の濃度(mg/L)の比率(アミノ酸濃度/OE濃度)が特定範囲である、ビールテイスト発酵アルコール飲料と、その製造方法が提供される。

0010

本発明によればまた、以下の発明が提供される。
[1]ビールテイスト発酵アルコール飲料であって、飲料中のプリン体濃度と、飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中のプロリン濃度(mg/L)の比率(プロリン濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):
(A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が22〜200である、
(B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜200である、
(C)プリン体濃度が1.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が8〜200である、
の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料。
[2]プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(B)および前記(C)の少なくとも一つを満たす、上記[1]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[3]プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(C)を満たす、上記[1]または[2]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[4]プリン体濃度が1.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が8〜200である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[5]プリン体濃度が0.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が8〜200である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[6]プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が25以上である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[7]プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が80以下である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[8]プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、下記(a)、(b)、(c)および(d):
(a)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が25〜80である、
(b)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が18〜80である、
(c)プリン体濃度が1.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が16〜80である、
(d)プリン体濃度が1.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜80である、
の少なくとも一つを満たす、上記[1]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[9]プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(b)、前記(c)および前記(d)の少なくとも一つを満たす、上記[8]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[10]プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(c)および前記(d)の少なくとも一つを満たす、上記[8]または[9]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[11]プリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、前記(d)を満たす、上記[8]〜[10]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[12]プリン体濃度が0.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜80である、上記[8]〜[11]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[13]麦芽および/または未発麦類を少なくとも原料の一部とする、上記[1]〜[12]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[14]麦芽として少なくとも小麦麦芽を使用する、上記[13]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[15]ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法であって、少なくとも小麦麦芽が配合された麦汁を発酵させることを含んでなり、製造された飲料中のプリン体濃度と、製造された飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する製造された飲料中のプロリン濃度(mg/L)の比率(プロリン濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):
(A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が22〜200である、
(B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜200である、
(C)プリン体濃度が1.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が8〜200である、
の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[16]製造されたビールテイスト発酵アルコール飲料が、上記[2]〜[7]のいずれかに記載のものである、上記[15]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[17]製造されたビールテイスト発酵アルコール飲料中のプリン体濃度と、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)とが、下記(a)、(b)、(c)および(d):
(a)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が25〜80である、
(b)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が18〜80である、
(c)プリン体濃度が1.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が16〜80である、
(d)プリン体濃度が1.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜80である、
の少なくとも一つを満たす、上記[15]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[18]製造されたビールテイスト発酵アルコール飲料が、上記[9]〜[12]のいずれかに記載のものである、上記[17]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。

0011

本発明によれば、プリン体濃度が4.5mg/100mL未満のビールテイスト発酵アルコール飲料において、プロリン比率を特定範囲内に調整することによって、プリン体濃度を低減しながら、ビールらしさや味の厚みを実現したビールテイスト発酵アルコール飲料を提供でき、消費者の健康志向など、多様なニーズ応えることができる点で有利である。

発明の具体的説明

0012

本発明において「ビールテイスト」とは通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有味わい香りを意味する。

0013

本発明において「ビールテイスト発酵アルコール飲料」は、炭素源窒素源および水などを原料として酵母により発酵させた飲料を意味し、ビール、発泡酒および原料として麦芽を使用するビールや発泡酒にアルコールを添加してなる飲料(例えば、酒法上、「リキュール発泡性)(1)」に分類されるリキュール系新ジャンル飲料)が挙げられる。ビールテイスト発酵アルコール飲料の好ましい態様としては、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料(すなわち、発酵麦芽飲料)が挙げられる。

0014

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするものとすることができ、好ましくは、麦由来の原料として少なくとも麦芽(例えば、小麦麦芽、大麦麦芽)を使用するものとすることができる。本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料が麦芽を原料の少なくとも一部として使用する場合、麦芽使用比率にかかわらずビールらしさや味の厚みを実現することができるが、その場合の麦芽使用比率は、例えば、50%未満、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、3分の2未満あるいは3分の2以上とすることができる。本発明において「麦芽使用比率」とは、醸造用水を除く全原料の質量に対する麦芽質量の割合をいう。

0015

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、プリン体濃度が低減されており、具体的には、本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料のプリン体濃度は、4.5mg/100mL未満であり、これよりも低い濃度(例えば、3.0mg/100mL未満、1.5mg/100mL未満、1.0mg/100mL未満、0.5mg/100mL未満)に設定することができる。なお、プリン体濃度が0.5mg/100mL未満の飲料は「プリン体ゼロ飲料」に対応する。

0016

プリン体の測定は公知の方法によって行うことができ、例えば、過塩素酸による加水分解後にLC−MS/MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)を用いて検出する方法(「酒類中のプリン体の微量分析のご案内」、一般財団法人・日本食品分析センター、URL:http://www.jfrl.or.jp/item/nutrition/post-31.html 参照)により測定することができる。なお、本明細書中、「プリン体濃度」とは、アデニンキサンチングアニンヒポキサンチンのプリン体塩基4種の総量を指す。

0017

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料ではオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)の上限値は適宜設定することができるが、例えば14とすることができる。OE濃度の下限値は飲み応え付与の観点から、2以上とすることができ、好ましくは6以上、より好ましくは8以上である。本発明において、OE濃度の範囲は、2〜14とすることができ、好ましくは6〜14、より好ましくは8〜14である。本発明において「オリジナルエキス濃度」はビールのコクや味の濃淡に影響し、ビール濃度の指標となるものであり、市販の機器(例えば、アルコライザーアントンパール社製))を用いて測定することができる。なお、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料では「オリジナルエキス濃度」を「原麦汁エキス濃度」と言い換えることができる。

0018

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料では、飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中のプロリン濃度(mg/L)の比率(プロリン濃度/OE濃度)が特定範囲内であることを特徴とする。本発明において、プロリン比率の上限は200とすることができ、好ましくは120、より好ましくは100、特に好ましくは80である。またプロリン比率の下限は8とすることができ、好ましくは13、より好ましくは16、さらに好ましくは18、さらに一層好ましくは22、特に好ましくは25、最も好ましくは40である。プロリン比率の範囲としては、8〜200が挙げられ、好ましくは25〜200、より好ましくは25〜80、特に好ましくは40〜80である。

0019

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料においては、プリン体濃度が4.5mg/100mL未満である場合には、プロリン比率は以下のように設定することができる。すなわち、プロリン比率の上限は200とすることができ、好ましくは120、より好ましくは100、特に好ましくは80である。プロリン比率の下限は22とすることができ、好ましくは25、より好ましくは40である。プロリン比率の範囲としては、22〜200が挙げられ、好ましくは25〜80、より好ましくは40〜80である。

0020

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料においては、プリン体濃度が3.0mg/100mL未満である場合には、プロリン比率は以下のように設定することができる。すなわち、プロリン比率の上限は200とすることができ、好ましくは120、より好ましくは100、特に好ましくは80である。プロリン比率の下限は13とすることができ、好ましくは18、さらに好ましくは25、特に好ましくは40である。プロリン比率の範囲としては、13〜200が挙げられ、好ましくは18〜80、特に好ましくは40〜80である。

0021

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料においては、プリン体濃度が1.5mg/100mL未満である場合には、プロリン比率は以下のように設定することができる。すなわち、プロリン比率の上限は200とすることができ、好ましくは120、より好ましくは100、特に好ましくは80である。プロリン比率の下限は8とすることができ、好ましくは16、より好ましくは25、特に好ましくは40である。プロリン比率の範囲としては、8〜200が挙げられ、好ましくは16〜80、より好ましくは25〜80、特に好ましくは40〜80である。

0022

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料においては、プリン体濃度が1.0mg/100mL未満である場合には、プロリン比率は以下のように設定することができる。すなわち、プロリン比率の上限は200とすることができ、好ましくは120、より好ましくは100、特に好ましくは80である。プロリン比率の下限は8とすることができ、好ましくは13、より好ましくは25、特に好ましくは40である。プロリン比率の範囲としては、8〜200が挙げられ、好ましくは13〜80、より好ましくは25〜80、特に好ましくは40〜80である。

0023

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料においては、プリン体濃度が0.5mg/100mL未満である場合には、プロリン比率は以下のように設定することができる。すなわち、プロリン比率の上限は200とすることができ、好ましくは120、より好ましくは100、特に好ましくは80である。プロリン比率の下限は8とすることができ、好ましくは13、より好ましくは25、特に好ましくは40である。プロリン比率の範囲としては、8〜200が挙げられ、好ましくは13〜80、より好ましくは25〜80、特に好ましくは40〜80である。

0024

本発明においてプロリン濃度は高速液体クロマトグラフィー法により測定することができ、例えば、後記実施例に記載される方法に従って市販のアミノ酸分析計を用いて実施することができる。

0025

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、プリン体濃度が低減されているにもかかわらず、ビールらしさと味の厚みが付与されたことを特徴とする。ここで、「ビールらしさ」とは、ビールに備わっていると想定される、甘味苦味酸味旨味等の味のバランスが取れた状態であり、かつ、雑味がなく飲みやすい状態を意味する。また、「味の厚み」とは、味の広がり、複雑さ、ボディ感等により認識される香味感覚を意味する。

0026

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、飲料中のプリン体濃度が所定の範囲内に低減され、かつ、飲料中のプロリン比率が所定の範囲内に調整される限り、その製造手順に制限はなく、例えば、下記のように製造することができる。すなわち、麦芽、ホップ、副原料、醸造用水等の醸造原料から調製された麦汁に発酵用ビール酵母を添加して発酵を行い、得られた発酵液低温にて貯蔵した後、濾過工程により酵母を除去することによりビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる。飲料におけるプリン体含量の低減は後記に記載の通り公知の方法に従って行うことができる。このようにして得られたプリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料に、プロリン比率が所定値となるようにプロリンを添加し、本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料とすることができる。ビールテイスト発酵アルコール飲料へのプロリンの配合は発酵後の発酵液への添加により行うことができ、このようにしてプリン体濃度が低減され、かつ、プロリンが配合されたビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる。

0027

ビールテイスト発酵アルコール飲料におけるプリン体含量の低減は公知の方法に従って行うことができ、例えば、発酵前液や発酵液を活性炭ゼオライトなどの吸着剤と接触させて飲料中のプリン体含量を低減させる方法(特開2003−169658号公報、特開2004−290071号公報、特開2004−290072号公報、特開2015−112090号公報など参照)や、プリン体の持込みが少ない麦芽以外の原料(例えば、大豆タンパクコーングリッツ)を用いて飲料中のプリン体含量を低減させる方法(特開2014−117204号公報、特開2014−117205号公報など参照)により飲料中のプリン体濃度を所定値にすることができる。

0028

上記製造手順において麦汁の作製は常法に従って行うことができる。例えば、醸造原料と醸造用水の混合物を糖化し、濾過して、麦汁を得、その麦汁にホップを添加した後、煮沸し、煮沸した麦汁を冷却することにより麦汁を調製することができる。また、麦汁は、糖化工程中に市販の酵素製剤を添加して作製することもできる。例えば、タンパク分解のためにプロテアーゼ製剤を、糖質分解のためにα−アミラーゼ製剤、グルコアミラーゼ製剤、プルラナーゼ製剤等を、繊維素分解のためにβ−グルカナーゼ製剤、繊維素分解酵素製剤等をそれぞれ用いることができ、あるいはこれらの混合製剤を用いることもできる。

0029

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造では、麦芽以外に、未発芽の麦類(例えば、未発芽大麦エキス化したものを含む)、未発芽小麦(エキス化したものを含む));米、とうもろこし、こうりゃん、馬鈴薯でんぷん、糖類(例えば、液糖)等の酒税法で定める副原料;タンパク質分解物酵母エキス等の窒素源;香料色素起泡泡持ち向上剤水質調整剤、発酵助成剤等のその他の添加物を醸造原料として使用することができる。本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、醸造用水以外の使用原料を少なくとも麦芽およびホップとすることができ、場合によっては更に糖類、米、とうもろこし、でんぷん等を使用原料とすることができる。なお、ビールテイスト発酵アルコール飲料のうちオールモルトビールは、麦芽、ホップ、水から製造できることはいうまでもない。

0030

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、また、蛋白質分解の指標であるKI値が高い麦芽を使用することにより、あるいは、60℃未満の低い温度で麦下しをすることにより、飲料中のプロリン比率を所定の範囲内に調整することができる。これらの手順以外は上記のように、飲料中のプリン体濃度を所定の範囲内に低減する方法を実施しつつ通常のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法に従って製造することができる。

0031

本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、また、少なくとも小麦麦芽が配合された麦汁を発酵させることにより製造することができる。すなわち、本発明によれば、少なくとも小麦麦芽が配合された麦汁を発酵させることを含んでなり、製造された飲料中のプリン体濃度と、製造された飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する製造された飲料中のプロリン濃度(mg/L)の比率(プロリン濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):
(A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が22〜200である、
(B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が13〜200である、
(C)プリン体濃度が1.5mg/100mL未満であり、かつ、プロリン濃度(mg/L)/OE濃度(°P)が8〜200である、
の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法が提供される。

0032

本発明の製造方法においては、少なくとも小麦麦芽を麦芽原料として用いること以外は、通常のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造手順に従って製造することができる。すなわち、麦芽(一部または全部が小麦麦芽である)、ホップ、副原料、醸造用水等の醸造原料から調製された麦汁に発酵用ビール酵母を添加して発酵を行い、得られた発酵液を低温にて貯蔵した後、濾過工程により酵母を除去することによりビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる。

0033

上記製造手順において麦汁の作製は、前記と同様に常法に従って行うことができる。また、麦芽以外の使用可能な醸造原料も、前記と同様のものを用いることができる。

0034

本発明の製造方法において、原料として配合する炭素源および窒素源は、麦芽のみとすることができ、この場合、オールモルトビールを製造することができる。本発明の製造方法においてはまた、原料として配合する炭素源および窒素源は、麦芽に加えて、米、とうもろこし、こうりゃん、馬鈴薯、でんぷん、糖類(例えば、液糖)等の酒税法で定める副原料等を使用することができ、麦芽使用比率は50%未満、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、3分の2未満あるいは3分の2以上とすることができる。

0035

本発明の製造方法において、原料として配合する麦芽は、少なくとも小麦麦芽を含むものであり、小麦麦芽のみを原料麦芽として配合しても、小麦麦芽以外の麦芽(例えば、大麦麦芽)をさらに配合してもよい。原料麦芽に占める小麦麦芽の割合は、例えば、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上あるいは100%とすることができる。

0036

本発明の好ましい態様としては、
・プリン体濃度が4.5mg/100mL未満の発酵麦芽飲料であって、飲料中のOE濃度(°P)が2〜14であり、かつ、飲料中のプロリン比率(プロリン濃度/OE濃度)が25〜200である、発酵麦芽飲料および
・プリン体濃度が4.5mg/100mL未満の発酵麦芽飲料であって、飲料中のOE濃度(°P)が2〜14であり、かつ、飲料中のプロリン比率(プロリン濃度/OE濃度)が25〜80である、発酵麦芽飲料が挙げられる。

0037

本発明の別の面によれば、プロリンを有効成分として含んでなる、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善剤と、該飲料の風味改善方法が提供される。本明細書において「ビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善」とは、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料において、ビールらしさや味の厚みが実現されることを意味するものとする。本発明の風味改善剤と風味改善方法は本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料および該飲料の製造方法についての記載に従って実施することができる。

0038

以下の例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。

0039

プリン体濃度の測定
以下の実施例においてプリン体濃度は以下のようにして測定した。すなわち、BCОJビール分析法(ビール酒造組合、8.30 プリン体;HPLCUV法によるビール、発泡酒、新ジャンルの総プリン体定量)を参考に試料を70%過塩素酸で分解し、遊離型のプリン体化合物量を液体クロマトグラフィー質量分析計により測定した。

0040

アミノ酸濃度の測定
以下の実施例において各種アミノ酸濃度は以下のようにして測定した。すなわち、各種試料を0.45μmフィルター濾過することで得られたろ液アミノ酸分析サンプル液とした。該サンプルについて、高速アミノ酸分析計L−8900(日立ハイテクサイエンス社製)を用いてアミノ酸分析を行った。

0041

オリジナルエキス濃度の測定
以下の実施例において、オリジナルエキス濃度はBCOJビール分析法(ビール酒造組合、8.3.6、8.4.3および8.5)に準じて測定した。測定はアルコライザー(アントンパール社製)を用いて実施した。

0042

実施例1:各種アミノ酸の添加がビールらしさへ与える影響
(1)サンプル飲料の調製
市販のビールテイスト発酵アルコール飲料(プリン体濃度0.4mg/100mL、OE濃度6.45°P)(対照品A)に表1に示す各種アミノ酸を500mg/Lとなるように添加し、サンプル飲料を調製した。

0043

(2)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、対照品Aについてのビールらしさを3として、サンプル飲料のビールらしさを1〜5の5段階で評価を行った。ここで、「ビールらしさ」とは、ビールに備わっていると想定される、甘味、苦味、酸味、旨味等の味のバランスが取れた状態であり、かつ、雑味がなく飲みやすい状態をいう。官能評価は訓練されたパネラー5名により実施した。各パネラー5名の評価スコア平均値を計算し、該平均値の対照品Aのスコアに対する比(対照比、百分率)を算出した。対照比に基づいて以下の通り評価を行なった。
−:100%(対照品A)
B:100%より大きく130%未満
A:130%以上
C:100%未満

0044

(3)評価結果
官能評価の結果を表1に示す。

0045

表1の結果から、各種アミノ酸のうち、プロリン(Pro)、アラニン(Ala)、バリン(Val)およびアルギニン(Arg)(特には、プロリン)が、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料に対しビールらしさを付与できることが確認された。

0046

実施例2:プロリン比率がビールらしさや味の厚みへ与える影響
(1)サンプル飲料の調製
プリン体濃度が低減された市販のビールテイスト発酵アルコール飲料(対照品A、B、C、D)を準備し、これらを単独でまたは混合して使用し、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料を準備した(対照品A、対照品B、対照品C並びに対照品AおよびDの混合液XおよびY)。得られた各飲料に、飲料に元々含まれるプロリンの含有量を考慮した上で、プロリンを表2に示すプロリン比率となるように添加し、サンプル飲料(B−1〜B−5、C−1〜C−6、X−1〜X−6、Y−1〜Y−6およびA−1〜A−6)を調製した。

0047

(2)サンプル飲料中のプロリン比率の分析
サンプル飲料中のプロリン比率は以下の算出式にて求めた。

0048

(3)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、「ビールらしさ」および「味の厚み」の2項目について、感じられる(9点)から感じられない(1点)の9段階で評価を行った。「ビールらしさ」は実施例1(2)に記載されている通りである。「味の厚み」とは、味の広がり、複雑さ、ボディ感等により認識される香味感覚をいう。官能評価は訓練されたパネラー5名により実施した。各パネラー5名の評価スコアの平均値を計算し、該平均値の対照品あるいは混合液のスコアに対する比(対照比、百分率)に基づき以下の通り評点を付した。
101%未満 :1
101%以上105%未満:2
105%以上110%未満:3
110%以上115%未満:4
115%以上 :5

0049

また、総合評価として、上記2項目の評価で得られた点数に基づいて、「ビールらしさ」および「味の厚み」がやや向上したものを「C」、「ビールらしさ」および「味の厚み」が向上したものを「B」、「ビールらしさ」および「味の厚み」が大きく向上したものを「A」と評価した。なお、対照品は「−」とした。

0050

(4)評価結果
官能評価の結果を表2に示す。

0051

表2の結果から、プリン体濃度が4.4mg/100mL以下のビールテイスト発酵アルコール飲料であっても、プロリン比率を8〜200に調整することで、ビールらしさや味の厚みを実現できることが確認された。

0052

実施例3:ビールテイスト発酵アルコール飲料の調製およびプロリン比率がビールらしさと味の厚みに与える影響の分析
(1)ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造
パイロットプラントでビールテイスト発酵アルコール飲料の製造を行った。ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造においては、主原料として大麦麦芽あるいは小麦麦芽を使用した。糖化の温度および時間を調整し、濾過することで、異なる組成の煮沸前麦汁を得た。

0053

(ア)サンプル番号1の糖化条件
50℃の湯100質量部に対して、小麦麦芽35質量部および酵素製剤を投入して40分保持後、68℃に昇温して15分保持した。その後、78℃に昇温して5分保持してから濾過して煮沸前麦汁を得た。得られた煮沸前麦汁にホップを投入し、以降は(エ)の操作に従った。

0054

(イ)サンプル番号2の糖化条件
50℃の湯100質量部に対して、小麦麦芽21質量部および酵素製剤を投入して25分保持した。その後、65℃に昇温して50分保持し、78℃に昇温して5分保持してから濾過して煮沸前麦汁を得た。得られた煮沸前麦汁にホップ、さらに、糖類9質量部投入し、以降は(エ)の操作に従った。

0055

(ウ)サンプル番号3の糖化条件
50℃の湯100質量部に対して、大麦麦芽14質量部、小麦麦芽10質量部および酵素製剤を投入して25分保持した。その後、65℃に昇温して58分保持し、78℃に昇温して10分保持してから濾過して煮沸前麦汁を得た。得られた煮沸前麦汁にホップ、さらに、糖類9質量部投入し、以降は(エ)の操作に従った。

0056

(エ)煮沸および発酵工程
上記の煮沸前麦汁調製工程(ア)〜(ウ)に続いて100℃で90分間煮沸した後、麦汁静置を行ない、トリューブを分離した後、冷却して発酵前液を得た。その後、発酵前液に下面発酵酵母を添加し、常法に従って主発酵および後発酵を行なった。続いて、後発酵後の発酵液をより低温で保持することにより貯蔵を行ない、濾過して清澄なビールテイスト発酵アルコール飲料(サンプル番号1〜3)を得た。

0057

(2)ビールテイスト発酵アルコール飲料の分析および官能評価
製造して得られたビールテイスト発酵アルコール飲料に関して、前述の記載に従ってプリン体濃度、アミノ酸濃度、オリジナルエキス濃度を測定した。結果を表3に示す。

0058

0059

いずれのサンプルも、プリン体濃度が4.4mg/100mL以下であり、かつ、プロリン比率が8〜200の範囲内であることを確認した。

0060

サンプル番号1〜3のサンプル飲料を、5名の訓練されたパネラーによって官能評価した。評価項目は実施例2(3)に記載されている「ビールらしさ」および「味の厚み」の2項目とした。官能評価の結果、いずれの飲料も、ビールらしさや味の厚みが実現されていることを確認した。すなわち、プリン体濃度が4.4mg/100mL以下のビールテイスト発酵アルコール飲料であっても、プロリン比率を8〜200に調整することでビールらしさや味の厚みを実現できることが確認された。

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