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技術 風味改良材

出願人 株式会社ADEKA
発明者 栗橋泰子水谷佳奈子根津亨
出願日 2017年4月21日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2018-514571
公開日 2019年2月28日 (8ヶ月経過) 公開番号 WO2017-188161
状態 未査定
技術分野 調味料 食品の調整及び処理一般 酵素,微生物の固定化,処理
主要キーワード シリカゲル処理 部分的加水分解物 改善材 低減除去 ソテーオニオン 卓上ミキサー ロール成型 ゲオトリクム属
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この項目の情報は公開日時点(2019年2月28日)のものです。
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課題・解決手段

吸着剤と接触させた、動植物油脂部分的加水分解物を有効成分とする、風味改良材。上記吸着剤はpHが3.0〜8.0であることが好ましく、上記吸着剤としてはシリカゲルが好ましい。また、上記動植物油脂の部分的加水分解物は、カラム式の酵素分解法により得られたものであることが好ましい。上記酵素分解法が、イオン交換樹脂担体とする固定化酵素を用いたものであることが好ましい。上記動植物油脂の部分的加水分解物が、上記吸着剤との接触する前又は接触した後に、上記動植物油脂の部分的加水分解物の過酸化物価が5〜60となるよう酸化処理を行う工程(A)を経たものであることが好ましい。

概要

背景

近年、加工食品に対する消費者嗜好の高まりとともに、その要望多様化、高度化する傾向にある。特に、甘味塩味酸味といった直接味覚働きかけるような風味だけでなく、コク味のように一般に素材を加工することではじめて得られる二次的な風味が求められている。一方で、コク味のような風味感覚は、原料素材ごとにそれぞれ異なった成分が関与していると考えられるため、従来は素材や用途に応じて検討が行われることが一般的であった。そのため、原料素材の特徴を底上げ幅広い用途でコク味を付与することができる素材が求められていた。このような課題を解決すべく、これまで様々な手法が検討されてきた。

その手法の1つとして、動植物油脂部分的加水分解物の利用が検討されてきた。
動植物油脂の部分的加水分解物は、アルカリ脂肪分解酵素食用の動植物油脂に作用させて得られるものであり、脂肪酸グリセリンのほか、これらから誘導される多種多様風味成分を含有する混合物である。
動植物油脂の部分的加水分解物を、風味改良材の有効な風味成分として利用する技術は、食品業界では、飲食品に対してコク味や濃厚な風味を付与することを目的として、動物油脂植物油脂の種類を問わず、従来より検討されてきた。

例えば、特許文献1では、特定の微生物が産生する脂肪分解酵素を作用させた乳製品フレーバーが提案されている。特許文献2では、乳清蛋白質分解物乳脂分解物を有効成分とする飲食品の風味改良材が提案されている。特許文献3では、乳脂肪アルカリ加水分解生成物を有効成分とする風味改質材が提案されておいる。特許文献4では、オレイン酸構成脂肪酸として豊富に含む植物油脂の酵素加水分解物が提案されている。特許文献5では、動植物油脂の加水分解物ジグリセリド画分を有効成分とする、飲食品のインパクト及びマウスフィール改善材が提案されている。

しかし、特許文献1の方法では、乳脂肪含有食品材料酵素処理した後の酵素失活時の加熱により、酵素処理物中に含有される蛋白質が加熱され、異味を付与し易かった。
また特許文献2の方法では、乳清蛋白質分解物と乳脂分解物をそれぞれ別途調製した後混合する必要があるため生産効率が低く、更に、乳清蛋白質分解物と乳脂分解物双方に由来する異質な風味が、添加した飲食品に付与されてしまうという問題もあった。
特許文献3の方法では、酸による中和処理が必要となり精製工程が煩雑になる上、必要とする設備が多くなってしまうという問題があった。

また特許文献4の方法では、開示されている分解率が低く、十分な効果を呈するために多量に添加する必要があり、効果を呈する量を添加すると飲食品のテクスチャを変化させてしまうおそれがあった。
特許文献5の方法では、コク味があってクリーミーキメが付与されるが、この方法は、マウスフィールと呼ばれる舌触り口当たりが改良されるもの、すなわち、添加された飲食品の物理的特性を変化させるものであるため、飲食品のもつ味質そのものを改良するものではなかった。

また、これらの方法では総じて、良好な風味成分と共に、異味異臭につながる成分や刺激味を呈しやすい成分が産生され共存してしまい、異味異臭がそのまま飲食品に付与されるため、飲食品の品質を低下させてしまうおそれがあった。
したがって、動植物油脂の部分的加水分解物を風味改良材の有効成分として利用することを考える場合、部分的加水分解後に、動植物油脂の部分的加水分解物から異味異臭につながる成分や刺激味を呈しやすい成分を低減・除去し又は変性させ、動植物油脂の部分的加水分解物の風味を好ましい風味へと調整する必要があった。

例えば特許文献6では、乳脂肪含有食品材料を脂肪分解酵素によって処理する際、又は脂肪分解酵素で処理した処理物に、分枝サイクロデキストリンを配合した組成物が提案されており、特許文献7では、乳脂肪を加水分解したものに対して紫外線照射し、風味を強めると共に刺激的な分解臭を抑制する、乳脂分解物の製造方法が提案されている。

しかし、特許文献6の方法では、飲食品に対して、嗜好性に優れたコク味を付与するためにはプロテアーゼフラクターゼ等を併用することが必要であることが示されており、多くの酵素を添加するため、残存酵素活性の問題が発生し易かった。また中級脂肪酸高級脂肪酸に由来すると推察される刺激的なラスト後味や分解臭を改善し効果を示すものであることが実施例等に示唆されているが、沸点が低く特に異臭源となりやすい低級脂肪酸に関しては、何ら記載も示唆もされていない。

また特許文献7の方法では、長時間の酵素分解後、更に24〜100時間の紫外線照射が必要である旨が示されており、生産コストが高いと同時に生産効率が非常に低いという問題があった。また、結果的に強い乳系風味と酸化臭が共存するため、好ましい風味を飲食品に与えるものとは言えなかった。

概要

吸着剤と接触させた、動植物油脂の部分的加水分解物を有効成分とする、風味改良材。上記吸着剤はpHが3.0〜8.0であることが好ましく、上記吸着剤としてはシリカゲルが好ましい。また、上記動植物油脂の部分的加水分解物は、カラム式の酵素分解法により得られたものであることが好ましい。上記酵素分解法が、イオン交換樹脂担体とする固定化酵素を用いたものであることが好ましい。上記動植物油脂の部分的加水分解物が、上記吸着剤との接触する前又は接触した後に、上記動植物油脂の部分的加水分解物の過酸化物価が5〜60となるよう酸化処理を行う工程(A)を経たものであることが好ましい。

目的

本発明の目的は、異味異臭や刺激味を付与することなく、飲食品に十分なコク味を付与することができる、動植物油脂の部分的加水分解物を有効成分とする風味改良材、及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

吸着剤と接触させた、動植物油脂部分的加水分解物を有効成分とする、風味改良材

請求項2

上記吸着剤のpHが3.0〜8.0である請求項1記載の風味改良材。

請求項3

上記吸着剤がシリカゲルである請求項1又は2記載の風味改良材。

請求項4

上記動植物油脂の部分的加水分解物が、カラム式の酵素分解法により得られたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の風味改良材。

請求項5

上記酵素分解法が、イオン交換樹脂担体とする固定化酵素を用いたものである請求項4の風味改良材。

請求項6

上記動植物油脂の部分的加水分解物が、上記吸着剤と接触する前又は接触した後に下記工程(A)を経る、請求項1〜5のいずれか一項に記載の風味改良材。(A)上記動植物油脂の部分的加水分解物の過酸化物価が5〜60となるよう酸化処理を行う工程

請求項7

上記工程(A)を経た動植物油脂の部分的加水分解物が下記工程(B)を経る、請求項6記載の風味改良材。(B)上記工程(A)を経た動植物油脂の部分的加水分解物が含有する過酸化物水素還元する工程

請求項8

動植物油脂の部分的加水分解物を吸着剤と接触させる工程を含む、風味改良材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、飲食品コク味を付与することができる風味改良材に関する。

背景技術

0002

近年、加工食品に対する消費者嗜好の高まりとともに、その要望多様化、高度化する傾向にある。特に、甘味塩味酸味といった直接味覚働きかけるような風味だけでなく、コク味のように一般に素材を加工することではじめて得られる二次的な風味が求められている。一方で、コク味のような風味感覚は、原料素材ごとにそれぞれ異なった成分が関与していると考えられるため、従来は素材や用途に応じて検討が行われることが一般的であった。そのため、原料素材の特徴を底上げ幅広い用途でコク味を付与することができる素材が求められていた。このような課題を解決すべく、これまで様々な手法が検討されてきた。

0003

その手法の1つとして、動植物油脂部分的加水分解物の利用が検討されてきた。
動植物油脂の部分的加水分解物は、アルカリ脂肪分解酵素食用の動植物油脂に作用させて得られるものであり、脂肪酸グリセリンのほか、これらから誘導される多種多様風味成分を含有する混合物である。
動植物油脂の部分的加水分解物を、風味改良材の有効な風味成分として利用する技術は、食品業界では、飲食品に対してコク味や濃厚な風味を付与することを目的として、動物油脂植物油脂の種類を問わず、従来より検討されてきた。

0004

例えば、特許文献1では、特定の微生物が産生する脂肪分解酵素を作用させた乳製品フレーバーが提案されている。特許文献2では、乳清蛋白質分解物乳脂分解物を有効成分とする飲食品の風味改良材が提案されている。特許文献3では、乳脂肪アルカリ加水分解生成物を有効成分とする風味改質材が提案されておいる。特許文献4では、オレイン酸構成脂肪酸として豊富に含む植物油脂の酵素加水分解物が提案されている。特許文献5では、動植物油脂の加水分解物ジグリセリド画分を有効成分とする、飲食品のインパクト及びマウスフィール改善材が提案されている。

0005

しかし、特許文献1の方法では、乳脂肪含有食品材料酵素処理した後の酵素失活時の加熱により、酵素処理物中に含有される蛋白質が加熱され、異味を付与し易かった。
また特許文献2の方法では、乳清蛋白質分解物と乳脂分解物をそれぞれ別途調製した後混合する必要があるため生産効率が低く、更に、乳清蛋白質分解物と乳脂分解物双方に由来する異質な風味が、添加した飲食品に付与されてしまうという問題もあった。
特許文献3の方法では、酸による中和処理が必要となり精製工程が煩雑になる上、必要とする設備が多くなってしまうという問題があった。

0006

また特許文献4の方法では、開示されている分解率が低く、十分な効果を呈するために多量に添加する必要があり、効果を呈する量を添加すると飲食品のテクスチャを変化させてしまうおそれがあった。
特許文献5の方法では、コク味があってクリーミーキメが付与されるが、この方法は、マウスフィールと呼ばれる舌触り口当たりが改良されるもの、すなわち、添加された飲食品の物理的特性を変化させるものであるため、飲食品のもつ味質そのものを改良するものではなかった。

0007

また、これらの方法では総じて、良好な風味成分と共に、異味異臭につながる成分や刺激味を呈しやすい成分が産生され共存してしまい、異味異臭がそのまま飲食品に付与されるため、飲食品の品質を低下させてしまうおそれがあった。
したがって、動植物油脂の部分的加水分解物を風味改良材の有効成分として利用することを考える場合、部分的加水分解後に、動植物油脂の部分的加水分解物から異味異臭につながる成分や刺激味を呈しやすい成分を低減・除去し又は変性させ、動植物油脂の部分的加水分解物の風味を好ましい風味へと調整する必要があった。

0008

例えば特許文献6では、乳脂肪含有食品材料を脂肪分解酵素によって処理する際、又は脂肪分解酵素で処理した処理物に、分枝サイクロデキストリンを配合した組成物が提案されており、特許文献7では、乳脂肪を加水分解したものに対して紫外線照射し、風味を強めると共に刺激的な分解臭を抑制する、乳脂分解物の製造方法が提案されている。

0009

しかし、特許文献6の方法では、飲食品に対して、嗜好性に優れたコク味を付与するためにはプロテアーゼフラクターゼ等を併用することが必要であることが示されており、多くの酵素を添加するため、残存酵素活性の問題が発生し易かった。また中級脂肪酸高級脂肪酸に由来すると推察される刺激的なラスト後味や分解臭を改善し効果を示すものであることが実施例等に示唆されているが、沸点が低く特に異臭源となりやすい低級脂肪酸に関しては、何ら記載も示唆もされていない。

0010

また特許文献7の方法では、長時間の酵素分解後、更に24〜100時間の紫外線照射が必要である旨が示されており、生産コストが高いと同時に生産効率が非常に低いという問題があった。また、結果的に強い乳系風味と酸化臭が共存するため、好ましい風味を飲食品に与えるものとは言えなかった。

先行技術

0011

特開昭64−002549号公報
特開平9−037735号公報
特開昭58−175468号公報
特開2011−223942号公報
US5695802(A)
特開平6−125733号公報
US5753281(A)

0012

本発明の目的は、異味異臭や刺激味を付与することなく、飲食品に十分なコク味を付与することができる、動植物油脂の部分的加水分解物を有効成分とする風味改良材、及びその製造方法を提供することにある。

0013

本発明者らは動植物油脂の部分的加水分解物が有する、分解に伴う異味異臭や刺激味等の低減という課題について鋭意研究を進めた結果、意外にも、動植物油脂の部分的加水分解物を吸着剤と接触させることで、上記課題が解決され、かつ含有させた飲食品のコク味・風味の向上及び風味強度の向上が図れることを見出した。

0014

本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、吸着剤と接触させた、動植物油脂の部分的加水分解物を有効成分とする、風味改良材、及びその製造方法を提供するものである。

0015

尚、本発明の風味改良材の有効成分である、動植物油脂の部分的加水分解物については、脂肪分解酵素の基質となる動植物油脂が水に不溶であるために加水分解の反応系が不均一であり、そのため、反応速度論的解析は困難であった。本発明者らは鋭意検討を試みたものの、酵素の実挙動を把握し難く、結果として、動植物油脂の部分的加水分解物を構造又は特性により直接特定することはできなかった。

0016

以下、本発明の好ましい実施形態に基づいて詳述する。

0017

まず、動植物油脂の部分的加水分解物について述べる(以下、動植物油脂を単に油脂という場合があり、動植物油脂の部分的加水分解物を単に部分的加水分解物という場合がある)。
本発明における動植物油脂の部分的加水分解物とは、動物油脂や植物油脂を問わず、任意の食用油脂に対してアルカリや脂肪分解酵素を作用させ、油脂を部分的に加水分解(以下、単に分解という場合もある)して得られる、脂肪酸、グリセリン、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド等の油脂由来の風味成分や、分解工程中に二次的に産生される、有機酸類炭化水素類アルコール類アルデヒド類エステル類含硫化合物ケトン類脂肪酸類脂肪酸エステル類芳香族化合物ラクトン類等の風味成分の混合物を指す。

0018

動植物油脂の部分的加水分解は常法により行うことができ、本発明で用いる動植物油脂の部分的加水分解物としては、市販品を用いることも、また下述する製造方法で製造されたものを用いることもできるが、本発明では、より異味異臭や刺激味の少ない風味改良材を得るために、下述する製造方法で製造されたものを用いることが好ましい。

0019

本発明における動植物油脂の部分的加水分解物の好ましい製造方法について以下に述べる。
動植物油脂の部分的加水分解物の製造において、基質として用いられる油脂としては、食用であれば特に限定されず、任意の食用油脂を使用することが可能である。例えば、パーム油パーム核油ヤシ油微細藻類油、コーン油綿実油大豆油ナタネ油米油ヒマワリ油サフラワー油オリーブ油キャノーラ油牛脂、乳脂、豚脂羊脂カカオ脂シア脂マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂魚油鯨油リン脂質等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂から選ばれた1種又は2種以上からなる食用油脂、並びに、クリームバターチーズマーガリンショートニング等の上記食用油脂を原料の一部として加工してなる食品等が、本発明において用いる基質として挙げられる。

0020

特に、コク味や濃厚感を付与する効果が高いことから、豚脂、牛脂、乳脂等の動物油脂、又はこれらの動物油脂に上記の1若しくは2以上の処理を施した加工油脂を基質中に含むことが好ましい。植物油脂、又は植物油脂に上記の1若しくは2以上の処理を施した加工油脂を使用した場合であっても、従来品以上のコク味や濃厚感を付与することは勿論可能である。しかし、動物油脂は、植物油脂と比較して、油脂を構成する脂肪酸の組成が複雑なものが多く、後述する加水分解により、非常に複雑な組成の香気成分を有する部分的加水分解物が得られやすいため、結果としてコク味や濃厚感を飲食品に付与する効果が高くなり好ましい。

0021

また、基質として用いられる油脂は、風味改良の対象となる飲食品に応じて変更することができる。特に基質として用いられる油脂を含有している飲食品に対して、該油脂の部分的加水分解物を含有させると、飲食品が有する風味が一層増強されるため好ましい。

0022

更に、加水分解反応中に基質である動植物油脂が酸化劣化することを防ぐために、予めトコフェロール等の抗酸化剤を基質に対して50〜1000ppm含有させることもできる。

0023

部分的加水分解物を得るための加水分解の方法は特に制限されず、アルカリ処理による加水分解法や、脂肪分解酵素(以下、単に酵素という場合もある)を用いた加水分解法等が挙げられるが、温和な条件で部分的加水分解物を製造できることから、脂肪分解酵素を用いた加水分解法が好ましく選択される。

0024

上記の脂肪分解酵素としては、動物由来の脂肪分解酵素、微生物由来の脂肪分解酵素のいずれのものも特に制限なく使用することができ、例えば、キャンディダ属由来、アスペルギルス属由来ムコール属由来、クロモバクテリウム属由来、ペニシリウム属由来、リゾプス属由来、リゾムコール属由来、サーモマイス属由来、シュードモナス属由来、アルカリゲネス属由来、バークホルデリア属由来、ゲオトリクム属由来、トルロプシス属由来、パキルス属由来、ピキア属由来、アルスロバクター属由来、アクロモバクター属由来の微生物が生産する脂肪分解酵素や、畜産動物膵臓から得られる脂肪分解酵素、山羊、子等の口頭分泌腺から得られる脂肪分解酵素等が挙げられる。上記の脂肪分解酵素としては、ランダム酵素、1,3−位置特異性酵素のいずれのものも使用することができる。

0025

上記の脂肪分解酵素は、単独で又は任意の組合せで使用することができるが、上記の脂肪分解酵素の中でも、特に、ムコール属由来、リゾプス属由来、リゾムコール属由来、キャンディダ属由来の酵素を用いることが、低級脂肪酸由来の刺激的な風味を抑えた部分的加水分解物が得られるという観点から好ましい。

0026

かかる脂肪分解酵素を基質である動植物油脂に含有させる方法としては、脂肪分解酵素そのものを粉体又は水溶液の形で含有させる方法や、固定化された脂肪分解酵素(固定化酵素)を用いる方法が挙げられるほか、脂肪分解酵素を産生する能力のあるカビ酵母等の微生物そのものを用いることもできるが、反応液から容易に分離することができ、得られる風味改良材中での酵素活性が残存しにくい点や、系からの回収のし易さから、固定化酵素を用いる方法が好ましい。固定化酵素を用いる場合、酵素の固定化法については特に限定されず、担体結合法架橋法包括法のいずれも可能であるが、残存酵素活性の低減、及び酵素活性の維持の2つの観点から、担体結合法を選択することが好ましい。

0027

固定化酵素に用いられる担体としては、有機無機を問わず、セライト珪藻土カオリナイトペントイトシリカゲルモレキュラシーブス、多孔質ガラス活性炭炭酸カルシウムセラミックスヒドロキシアパタイト等の無機担体ポリビニルアルコールポリプロピレンキトサンイオン交換樹脂疎水性吸着樹脂キレート樹脂合成吸着樹脂等の有機高分子等が挙げられる。これらの中でも特に、高い酵素活性と生産効率が得られることから、イオン交換樹脂が好ましく選択され、イオン交換樹脂の中でも、脂肪分解酵素の保持能力の高さから、ノニオン交換樹脂を選択することが好ましい。

0028

担体の粒度については、150〜1000μmであることが好ましく、200〜800μmであることがより好ましく、200〜600μmであることが最も好ましい。担体の粒度が150μm未満である場合、圧損が起こるおそれや、分離工程が困難になるおそれがある。また、1000μm超である場合、基質と固定化酵素の接触面が少なくなり、動植物油脂の分解に時間がかかりすぎてしまうおそれがある。また、粒度200〜600μmの担体粒子体積基準で90%以上であることが好ましい。

0029

本発明においては、脂肪分解酵素を用いて動植物油脂の部分的加水分解物を得る際の酵素反応のプロセスは、加水分解に供する動植物油脂に脂肪分解酵素を直接投入するバッチ式とすることができ、円筒状の容器カラム)に脂肪分解酵素を充填し、加水分解に供する動植物油脂を液体の状態で通液するカラム式とすることもできるが、酵素を充填したカラムへの液体状態の基質の送液量を調節することにより、加水分解反応の反応率の調整及び加水分解反応の停止を容易に行うことができる点や、循環等によりこれらの操作を連続的に行うことができる点から、酵素分解法としてはカラム式が好ましく選択される。

0030

前述の油脂群から選択された動植物油脂を部分的に加水分解するにあたり、本発明では、加水分解工程中、基質となる油脂中に一定量の水分を含有させることが必要である。本発明では加水分解の開始時において、好ましくは基質となる油脂中に水分を500〜30000ppm、より好ましくは650〜15000ppm、最も好ましくは800〜4000ppm含有させる。
基質となる油脂中の水分含有量が500ppm未満である場合、油脂の分解反応平衡の関係にある油脂のエステル交換反応が、目的の動植物油脂の分解反応よりも優位に進む傾向が見出されており、風味改良材としての効果が得られにくくなるおそれがある。油脂中の水分含有量が30000ppm超である場合、後述する脱水処理の際に時間を要するため、部分的加水分解物中の揮発し易い風味成分が多く失われてしまうおそれがある。

0031

油脂中に水分を含有させる方法としては、予め水分調整された動植物油脂を用いることもできるが、脂肪分解酵素での加水分解反応により、含有された水分は漸次減少していくため、反応容器中の油脂100質量%に対して30質量%以下程度の水を加え十分に静置し、動植物油脂と水の二相分離を確認した後、油水界面から撹拌羽根を動植物油脂側に浮かせ、油水界面を乱さないように動植物油脂を撹拌し、上記の好ましい水分含有量とした後、そのまま加水分解反応を開始する方法をとることが、加水分解の工程中に動植物油脂へ水分を供給し続けることができ、且つ基質の加水分解を効率よく進行させる上で好ましい。
動植物油脂の撹拌は、撹拌羽根等を用いて好ましくは300rpm以下、より好ましくは5〜150rpmの任意の撹拌速度で行うことが好ましい。

0032

尚、基質となる油脂の加水分解の途中、油相酸価測定値が50未満の範囲においては水分の含有量が10000ppm以下、50以上の範囲においては20000ppm以下となるように適宜調整することが好ましい。

0033

上記の脂肪分解酵素の量は、基質として加水分解に供する油脂の量や、脂肪分解酵素の力価や種類等によって異なり、それぞれの系において適宜設定される。通常、基質となる油脂の重量を基準とし、例えばバッチ式の場合であれば、対油脂0.01〜10.0質量%、好ましくは対油脂0.01〜5質量%、より好ましくは対油脂0.01〜1.0質量%の酵素を含有させる。また、動植物油脂の加水分解をカラム式で行う場合、カラムに充填される酵素としては固定化酵素を用いることが好ましく、固定化酵素の充填量は油脂の重量を基準に設定され、対油脂0.1〜10質量%、特に対油脂0.5〜5質量%使用することが、効率的に動植物油脂の部分的加水分解物を製造する上で好ましい。

0034

カラムに通液する油脂の流量は、酵素量との関係から適宜設定されることが好ましく、具体的には、動植物油脂の流量とカラムに充填された固定化酵素量の比(動植物油脂流量/固定化酵素重量、単位[/時間])を調節する。
風味に大きく影響する動植物油脂の分解の度合コントロールする点や、固定化酵素量に対して油脂流量が多すぎると反応が十分に進まず時間を要する上に反応が不完全なものとなってしまいやすい点、及び長時間の加温状況下での劣化を避ける点から、15〜150/時間であることが好ましく、40〜125/時間であることがより好ましい。

0035

油脂を酵素分解する際の反応温度、即ち油脂温度は、選択した酵素の活性最大化する至適温度に応じて適宜設定されるが、一例として、35〜75℃であることが好ましく、40〜70℃であることがより好ましく、45〜65℃であることが最も好ましい。
油脂温度が35℃未満では、酵素の活性が十分にあがらないおそれがある上、常温固体性状を示す油脂等、基質として選択される油脂によっては流動性を有しないおそれがあり、酵素により分解することが困難となる場合がある。また75℃超では、酵素を構成する蛋白質が変性を起こすおそれがある上、基質の油脂が熱劣化することにより、得られる風味改良材の風味を損ねるおそれがある。

0036

油脂の部分的加水分解物を得るための加水分解反応の終点は、酸価(AV)により決定することができ、AV=10〜120に到達した時点で反応を終了することが好ましく、AV=30〜100に到達した時点で反応を終了することがより好ましい。
酸価が10未満の場合、得られる風味改良材そのものの風味が弱く、同時に風味改良効果が乏しくなりやすい。また酸価が120超の場合、得られる風味改良材そのものの風味が酸味や金属味のようなえぐ味の強いものとなってしまい、含有させた飲食品に対して異味異臭を付与してしまうおそれがある。

0037

反応を終了した後、脱水処理を行うことが好ましい。脱水処理の方法については特に限定されないが、例えば、得られた部分的加水分解物のみを常法によって系中から取り出した後、0.01MPa以下まで減圧し70〜100℃、好ましくは80〜100℃で0.5〜1.0時間程度加熱することで、動植物油脂の部分的加水分解物中の脱水処理を行うことができる。
脱水処理を経ない場合、下述する吸着剤との接触工程において、吸着剤の活性が低下し、得られた動植物油脂の部分的加水分解物自体の風味やコク味付与効果が低下するおそれがある。

0038

脱水処理の後、更に酵素を失活・除去する工程を経ることもできる。酵素の失活条件については、酵素を構成する蛋白質が変性する条件であれば特に限定されず、加熱やpHを変化させる等の方法を採り得るが、好ましくは加熱による失活処理が選択され、例えば、撹拌しながら90℃で30分処理することにより、系中に加えた酵素を失活することができる。

0039

また固定化酵素を用いた場合、脂肪分解酵素は担体表面に担持されているため、濾別することにより除去することができる。尚、上記の失活処理と、濾別による除去処理を併せて行うこともできる。酵素の失活・除去工程については、後述する吸着剤との接触処理の前に行うことも、後に行うこともできる。

0040

次に、動植物油脂の部分的加水分解物を、吸着剤と接触させる工程について述べる。
本発明においては、以上に詳述した動植物油脂の部分的加水分解物を、吸着剤と接触させて、風味改良材の有効成分として用いるのが好ましい。
原理は現段階で不明であるが、吸着剤と接触させる工程を経ることにより、分解直後の動植物油脂の部分的加水分解物が有する異味異臭や刺激味を低減除去することができ、且つ好ましい香気が付与される。

0041

本発明において用いられる吸着剤としては、食品添加物としても用いられる吸着剤、例えば、ゼオライト、シリカゲル、タルクカオリン等のケイ酸塩活性アルミナ無水炭酸カルシウム無水硫酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの中でもケイ酸塩が好ましく選択され、シリカゲル及びゼオライトがより好ましく選択され、シリカゲルが最も好ましく選択される。

0042

用いる吸着剤は接触効率を向上させるために微粒であることが好ましく、その形状は、粉末状であっても球状であっても構わないが、分解物の刺激臭や異味の軽減効果が特に高いことから粉末状であることが好ましい。

0043

用いる吸着剤の平均粒子径は、3〜60μmであることが好ましく、10〜40μmであることがより好ましい。
平均粒子径が3μm未満である場合、濾過時に目が詰まり易く濾過効率が低下しやすい。また平均粒子径が60μmよりも大きい場合、粒子表面積が小さくなるために、分解物の刺激臭や異味の軽減効果が低くなりやすく、本発明により得られる風味改良材の効果を得にくくなってしまうおそれがある。

0044

用いる吸着剤の比表面積は、250m2/g以上であることが好ましく、300m2/g以上であることがより好ましく、400〜800m2/gであることが最も好ましい。
用いる吸着剤の比表面積が250m2/g未満である場合には、動植物油脂の部分的加水分解物と吸着剤との接触効率が低く、本発明の風味改良材を飲食品に対して含有させた際に得られるコク味が乏しくなるおそれがある。

0045

動植物油脂の部分的加水分解物に接触させる吸着剤としてシリカゲルを用いる場合には、シリカゲルは、表面が未修飾のもの及び化学修飾されているもののいずれを用いることも可能であり、また表面に化学的・物理的な変性を受けたものを用いることもできる。

0046

また用いるシリカゲルのpHは、3.0〜8.0であることが好ましく、5.0〜8.0であることがより好ましく、6.5〜8.0であることが最も好ましい。
シリカゲルのpHが3.0よりも酸性側であっても異味異臭の低減は十分に図られるが、シリカゲルの酸性に起因して風味成分の分解が生じてしまい、本発明の目的であるコク味付与効果や風味改良効果が弱くなってしまうおそれがある。
また、pHが8.0超のシリカゲルとしてはアミノ化シリカゲル等が挙げられるが、それらのシリカゲル自体が高価である上に、風味に寄与するアルデヒド類、ケトン類及び脂肪酸類を特に強く引き付けてしまい、動植物油脂の部分的加水分解物の風味改良効果が乏しくなってしまうおそれがある。

0047

動植物油脂の部分的加水分解物を吸着剤と接触させる工程は、バッチ式で行うことも、吸着剤をカラムに充填し通液する方式で行うこともできるが、工業生産の観点から、バッチ式で行うと、一度に精製できる動植物油脂の部分的加水分解物の量が多くなるため好ましい。また油脂の加水分解前後で比較すると、油脂の加水分解後では粘度が上昇しやすく、それに伴って、カラム式では圧力が上昇しやすいため効率よく接触処理を行うことが難しいという理由からもバッチ式が好ましい。

0048

動植物油脂の部分的加水分解物に接触させる吸着剤の量は、吸着剤の種類や、風味改良材に対して求める風味強度によって適宜選択されるが、動植物油脂の部分的加水分解物100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、1〜18質量部がより好ましく、3〜10質量部が最も好ましい。
吸着剤の量が部分的加水分解物100質量部に対して1質量部未満である場合、部分的加水分解物が有する刺激味や異味異臭を低減できないおそれがある。また吸着剤の量が部分的加水分解物100質量部に対して20質量部超であると、強いえぐ味や雑味が生じるおそれがある。
また、吸着剤は、接触工程の前に加熱等により水分を放出させ、その活性を高めてから使用することが好ましい。

0049

吸着剤と動植物油脂の部分的加水分解物を接触させる際、吸着剤と部分的加水分解物との接触面積を増加させる目的から、部分的加水分解物の性状は流動状〜液状である必要があり、液状であることが好ましい。
このため、吸着剤と部分的加水分解物を接触させる際、部分的加水分解物の性状が流動状〜液状となる温度に調温する必要があるが、好ましい風味成分の逸失・変質を防ぐために100℃未満に調温することが好ましい。

0050

吸着剤との接触中は部分的加水分解物を均一な状態にする必要があるが、均一な状態であれば、接触の手法は震盪や撹拌等どのような手法も可能である。特にバッチ式での吸着剤との接触では、吸着剤が沈降するおそれがあるため、例えば、撹拌羽根を用いて350rpm程度で撹拌することが好ましい。

0051

また、部分的加水分解物と吸着剤とは、減圧状態で接触させることが好ましく、より好ましくは0.01MPa以下で接触させる。これにより、得られる風味改質材の異味異臭が特に低減される。

0052

吸着剤との接触工程の終点については、本発明の効果が得られる任意の時点を終点として判断することができるが、下述する「(1)吸着剤との接触時間」又は「(2)吸着剤との接触による分析値の変化量」のいずれか1つ以上を基準として判断することにより、異味異臭やえぐ味が十分に低減され、且つコク味の付与効果が高い風味改良材が得られるため好ましい。

0053

(1)吸着剤との接触時間
接触時間については、5分〜5時間が好ましく、15分〜2時間がより好ましい。接触時間が5分未満である場合、吸着剤との接触による異味異臭や刺激味を低減する効果が得られないおそれがある。また接触時間が5時間超の場合、過度な加熱により好ましくない風味変化が生じるおそれがある。

0054

(2)吸着剤との接触による分析値の変化量
吸着剤との接触による分析値の変化量を終点の基準として判断する場合には、適宜、部分的加水分解物を常法により分析し、部分的加水分解物の(i)モノグリセリド(MG)含量及び(ii)水分含量のいずれか一方、又は両方を基準として判断することが、異味異臭がより低減された風味改良材を得る観点から好ましい。

0055

(i)モノグリセリド(MG)含量を基準とする場合、接触工程を経る前の部分的加水分解物のMG含量を基準として、接触工程を経た部分的加水分解物のMG含量が75%以下、特に30〜70%の範囲となる点を終点として判断することが、異味異臭の低減された風味改良材を得る上で好ましい。MG含量が75%超である場合には、異臭やえぐ味が十分に低減されず、添加した飲食品の風味を悪化させるおそれがある。

0056

また、(ii)水分含量を基準とする場合は、接触工程を経た部分的加水分解物中の水分含量が1500ppm以下となった点を終点として判断することが好ましく、50〜300ppmとなった点を終点として判断することがより好ましい。部分的加水分解物中の水分が1500ppmよりも大きい場合には、得られる風味改良材の異味異臭が十分に低減されない上、保管時に経時的な風味の劣化が促進されるおそれがある。尚、接触工程を経た部分的加水分解物中の水分含量は、上記観点から、本発明の効果が得られる範囲内で十分に低減されることが好ましい。

0057

バッチ式で部分的加水分解物と吸着剤との接触を行う場合には、吸着剤との接触工程を経た後、濾過により吸着剤を除去する。濾過方法としては、自然濾過、吸引濾過加圧濾過遠心分離等を用いることができ、メンブレンフィルターろ布を用いたフィルタープレス等が好ましく選択される。

0058

本発明の風味改良材は、以上のようにして得られた、吸着剤と接触させた動植物油脂の部分的加水分解物を有効成分とするものであり、これをそのまま本発明の風味改良材とすることもできるが、必要に応じて、水、食用の動植物油脂、乳化剤酸化防止剤、糖類及び糖アルコール増粘剤澱粉小麦粉無機塩及び有機酸塩ゲル化剤乳製品卵製品着香料調味料着色料保存料pH調整剤等のその他食品素材と混合して、本発明の風味改良材とすることもできる。本発明の風味改良材において、その他食品素材の含有量は、吸着剤と接触させた、動植物油脂の部分的加水分解物のコク味付与効果及び風味改良効果を損ねない範囲である限り、特に限定されるものではないが、通常、部分的加水分解物100質量部に対して20質量部以下である。

0059

上記のようにして得られた本発明の風味改良材を飲食品へ配合した場合、従来の油脂分解物を含む風味改良材を飲食品へ配合した場合と比べ、異味異臭の発生が抑えられ、且つ、コク味付与効果や風味改良効果が良好であるという特徴を有する。そのため、飲食品に対して、コク味を付与する食品素材として優れている。

0060

ここで、飲食品の製品設計上、その他成分との兼ね合いから僅少量のみしか風味改良材が添加できない場合や、飲食品に対してより強い風味を求める場合があることから、同一の量の風味改良材を添加したときに、コク味付与効果や濃厚感を付与する効果がより強い風味改良材が望まれる。

0061

そこで、上記の方法で得られる、吸着剤と接触させた動植物油脂の部分的加水分解物を有効成分とする風味改良材が有するコク味や濃厚感を付与する効果が、好ましく強化された風味改良材、及びそれを得る方法について述べる。
具体的には、動植物油脂の部分的加水分解物が吸着剤と接触する前、又は、吸着剤と接触した後に、下記の工程(A)を施すことによって、コク味や濃厚感を付与する効果が好ましく強化された風味改良材を得ることが可能になる。
また、工程(A)を経た動植物油脂の部分的加水分解物が下記の工程(B)を施すことで、より一層コク味や濃厚感を付与する効果が強化された風味改良材を得ることが可能になる。
尚、以下、吸着剤と接触させた部分的加水分解物のことを吸着処理品として記載する場合がある。
(A)上記動植物油脂の部分的加水分解物の過酸化物価が5〜60となるよう酸化処理を行う工程
(B)上記工程(A)を経た動植物油脂の部分的加水分解物が含有する過酸化物水素還元する工程

0062

後述する酸化処理、好ましくは酸化処理後還元処理を施すことで、動物油脂及びその加工油脂を基質とする吸着処理品だけでなく、比較的風味の弱い、植物油脂及びその加工油脂を基質とする吸着処理品においても、好ましい強度のコク味や濃厚感を有する風味改良材を得ることができる。
尚、植物油脂を本発明の風味改良剤の基質として選択する際、上述のとおり、その種類については特に限定されるものではないが、液状油又はパーム系油脂を用いることで、油性感を付与することなくコク味や濃厚感を飲食品に付与することができるため好ましい。

0063

まず、(A)過酸化物価が5〜60となるよう酸化処理を行う工程(以下、酸化処理と記載する場合があり、吸着剤と接触する前か接触した後かにかかわらず、酸化処理を経た動植物油脂の部分的加水分解物を酸化処理品として記載する場合がある)について詳述する。
本発明において酸化処理の方法及びその条件については特に限定されず公知の方法及び条件を採用することができる。具体的には、酸化処理は、熱酸化光酸化等により行うごとができる。また、上記動植物油脂の部分的加水分解物は、自然に酸化される場合があり、人為的に酸化される場合がある。
尚、上記動植物油脂の部分的加水分解物を人為的に酸化させる場合においては、その油脂を酸化処理する方法には特に制限はないが、効率よく酸化させることができる上、過酸化物価の値を下述する特定範囲に調整することが容易である点から、加熱処理による熱酸化を行うことが好ましい。
尚、いずれの方法においても、均一に酸化処理が施されるように、撹拌を行いながら酸化処理を行うことが望ましい。

0064

尚、熱酸化の際の加熱条件については、酸化処理品の過酸化物価が後述の範囲を満たすことができれば特に限定されないが、加熱温度は、好ましくは80〜180℃、より好ましくは80〜160℃、更に好ましく80〜140℃である。加熱時間は加熱温度によって異なり、適宜選択すれば良いが、例えば、加熱温度が180℃では5分〜30分、80℃では6〜48時間の範囲が望ましい。

0065

動植物油脂の部分的加水分解物が酸化処理を経る場合、酸化処理品の過酸化物価が5〜60の範囲となるように酸化させることが、コク味付与効果や濃厚感を付与する効果を十分に強める観点から必要である。
ここで、酸化処理品の過酸化物価が10〜40となるまで酸化させることが好ましく、20〜35となるまで酸化させることがより好ましい。
酸化処理品の過酸化物価の値が60超となるまで酸化させた場合、得られる風味改良材を飲食品に使用した際に、コク味付与効果や濃厚感を付与する効果が得られる一方で、酸化に伴う異味が強く発現するおそれがある。
また、酸化処理品の過酸化物価の値が5未満となるように酸化させた場合、得られる風味改良材を飲食品に使用した際に、酸化処理前後を比較して、得られるコク味付与効果や濃厚感を付与する効果に差異がみられにくく、有意な効果が得られないおそれがある。
本発明において油脂の過酸化物価は、例えば、[日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.5.2.1−2013]に準拠して測定することができる。

0066

また、酸化処理の終点において、上記の過酸化物価の範囲を満たし、且つアニシジン価が35以下であると好ましく、30以下であることがより好ましく、25以下であることが最も好ましい。尚、アニシジン価の下限については10以上であることが好ましく15以上であることがより好ましく、18以上であることが最も好ましい。
酸化処理品のアニシジン価が35超であった場合、得られる風味改良材を用いた飲食品の風味に、異味が生じやすくなってしまう。また、酸化処理品のアニシジン価が10未満であった場合、酸化処理が十分でなく、コク味付与効果や濃厚感を付与する効果の強化が乏しくなる恐れがある。
本発明において油脂のアニシジン価は、例えば、[日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.5.3−2013]に準拠して測定することができる。

0067

尚、酸化処理後において、酸化処理品にトコフェロール等の抗酸化剤を含有させることで、工程間における更なる酸化や保存時の酸化劣化を抑制することができるため好ましい。ここで、吸着剤と接触させる前に動植物油脂の部分的加水分解物に酸化処理を施す場合、抗酸化剤は、吸着剤と接触する前の部分的加水分解物に含有させる場合があり、吸着剤と接触した後の部分的加水分解物に含有させる場合がある。また、酸化処理品に対して後述する水素による還元処理(工程(B))を施す場合、抗酸化剤は下記のタイミングで含有させることができる。即ち、吸着剤と接触させた動植物油脂の部分的加水分解物に対して工程(A)及び(B)を施す場合、工程(A)を施した後、工程(B)を施す前に抗酸化剤を含有させる場合があり、工程(A)及び工程(B)を施した後に抗酸化剤を含有させる場合がある。吸着剤と接触させる前の動植物油脂の部分的加水分解物に対して工程(A)及び(B)を施す場合、工程(A)を施した後、工程(B)を施す前に抗酸化剤を添加する場合があり、工程(A)及び工程(B)を施した後で、且つ吸着剤と接触させる前に抗酸化剤を添加する場合があり、工程(A)及び工程(B)を施した後で、且つ吸着剤と接触させた後に抗酸化剤を添加する場合がある。吸着剤と接触させる前に動植物油脂の部分的加水分解物に対して工程(A)を施し、工程(A)を施した部分的加水分解物を吸着剤と接触させ、吸着剤と接触させた部分的加水分解物に工程(B)を施す場合、吸着剤と接触させる前に抗酸化剤を含有させる場合があり、吸着剤と接触させた後工程(B)を施す前に抗酸化剤を含有させる場合があり、工程(B)を施した後に抗酸化剤を含有させる場合がある。
酸化処理品中の抗酸化剤の含有量は50ppm以上、好ましくは100ppm以上であればよいが、酸化処理品中1000ppm以下であることが好ましく、700ppm以下であることがより好ましく、500ppm以下であることが最も好ましい。

0068

本発明においては、動植物油脂の部分的加水分解物と吸着剤とを接触させる前に上記工程(A)を施す場合があり、吸着剤と接触させた部分的加水分解物に上記工程(A)を施す場合がある。吸着剤と接触させる前に上記工程(A)を施すか、又は吸着剤と接触させた後に上記工程(A)を施すかのいずれを選択するかは、求める風味の強度や質によって異なるが、特に後味を強めたい場合は吸着剤と接触させる前に工程(A)を施すことが好ましく、特に先味を強化したい場合には吸着剤と接触させた後に工程(A)を施すことが好ましい。

0069

次に、(B)含有される過酸化物を水素で還元する工程(以下、還元処理と記載する場合があり、還元処理を経たものを還元処理品として記載する場合がある)について述べる。
動植物油脂の部分的加水分解物に工程(A)を施すことで、得られる風味改良材が有するコク味や濃厚感を付与する効果が強化されるが、工程(A)を経た酸化処理品が工程(B)を経ることで、より一層コク味や濃厚感を付与する効果が強化された風味改良材を得ることが可能になる。
尚、吸着剤処理の前の動植物油脂の部分的加水分解物に工程(A)を施す場合には、吸着剤処理よりも前に工程(B)を施す場合があり、吸着剤処理の後に工程(B)を施す場合がある。吸着剤処理よりも前に工程(B)を施すことが、コク味や濃厚感を付与する効果が一層得られ易くなるため好ましい。

0070

本発明における還元処理は、具体的には、酸化処理品を、水素ガス存在下で水素化触媒と共に60〜130℃で加熱することにより行われる。本発明における還元処理は、沃素価の変動なく、工程(A)を経て部分的加水分解物中に産生した過酸化物を還元し、風味成分を好ましく得ることを目的とする。
尚、本発明において、「沃素価の変動なく」とは還元工程前の沃素価と、還元工程後の沃素価とを比較して、沃素価の変動率が好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下であることを指す。

0071

ここで、還元処理に用いられる水素化触媒について述べる。
本発明に用いられる水素化触媒は、酸化処理品中の過酸化物を水素によって還元することができるものであれば特に限定されず、ニッケル触媒プラチナ触媒パラジウム触媒等を選択することができる。これらの水素化触媒の中でも特に、安価であり、且つ低温域においても安定的に過酸化物の還元を行うことができるため、ニッケル触媒を選択することが好ましい。尚、ニッケル触媒は、選択性を有するニッケル触媒である場合があり、非選択性を有するニッケル触媒である場合もある。
また、水素化触媒の形状は、粉末状である場合があり、フレーク状である場合があるが、フレーク状であると、油脂に対して飛散することなく添加できるため好ましい。

0072

水素化触媒の添加量は、工程(A)を経た油脂分解物に対して0.01〜0.5質量%添加されるのが好ましく、0.05〜0.3質量%添加されるのがより好ましい。水素化触媒が0.01質量%未満添加されると、酸化処理品に含有される過酸化物を効率よく還元できないおそれがある。また、水素化触媒が0.5質量%超添加されると、酸化処理品に含有されるグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の多重結合を還元し、トランス脂肪酸が産生しやすくなってしまう。

0073

また、本発明中の還元工程は水素ガス存在下で行われるが、この時水素ガスは0.5〜2.5kg/cm2の圧力範囲加圧され注入されることが、本発明において沃素価の変動を最も小さくし、酸化処理品中の過酸化物のみが還元されやすくなるため好ましい。尚、水素ガスは、より好ましくは0.5〜1.7kg/cm2、最も好ましくは0.6〜1.5kg/cm2の圧力範囲で加圧され注入される。
尚、還元反応を行う容器内のヘッドスペースの空気を水素ガスで十分置換し、上記圧力範囲とした後で加熱を開始することが、還元処理前後の沃素価の変動を抑制する観点から好ましい。

0074

ニッケル触媒による還元工程中、酸化処理品の温度が60〜130℃の温度範囲となるように加熱され、70〜120℃の温度範囲となるように加熱されることが好ましく、80〜115℃の温度範囲となるように加熱されることがより好ましい。酸化処理品の温度が60℃未満の場合、十分に酸化処理品中の過酸化物やカルボニル化合物の還元を行うことができない上、吸着処理品の原料として選択した油脂種によっては油脂結晶が生じてしまうおそれがある。また酸化処理品の温度が130℃超の場合、沃素価が変動しないように制御しながら過酸化物やカルボニル化合物の還元を行うことができなくなるおそれがある。

0075

尚、本発明においては、還元工程の加熱時に撹拌を行うことにより、過酸化物やカルボニル化合物を効率よく還元することができるため好ましい。
還元工程の加熱時の撹拌については、撹拌羽根等を用い、100〜750rpmの速度で撹拌することが好ましく、150〜600rpmの速度で撹拌することがより好ましく、200〜500rpmの速度で撹拌することが最も好ましい。加熱時の撹拌速度が100rpmを下回ると、酸化処理品中に水素ガスが十分に包含されず、過酸化物やカルボニル化合物の還元反応の進行が極めて遅くなるおそれがある。また、加熱時の撹拌速度が750rpmを上回ると、水素ガスが過剰に包含され、還元反応を制御することが困難になるおそれがある。

0076

還元工程の終点は、還元工程を経る前の酸化処理品の沃素価を基準に、好ましくは沃素価の変動率が5%以下、より好ましくは3%以下となる範囲のうち、過酸化物価が15以下となる点を終点とすることが好ましく、10以下となる点を終点とすることがより好ましく、1以下となる点を終点とすることが最も好ましい。沃素価の変動率が5%超となる範囲を終点とする場合、得られる還元処理品、更には風味改良材の物性が変化し、固化しやすくなるおそれがある。また、このために、飲食品に加えた際に、局在化するおそれがある。また、沃素価の変動率が5%以下の範囲の内であるが、過酸化物価が5超である点を終点とする場合、得られる還元処理品、更には風味改良材の劣化が早まるおそれがある。
尚、好ましい還元処理品を得る観点から、過酸化物価によって判断される還元工程の終点において、アニシジン価は20以下となっていることが好ましく、15以下となっていることが、より好ましい。尚、沃素価の変動率は、還元工程後に吸着処理が行われる場合、吸着処理された部分的加水分解物の沃素価に基づいて算出する。同様に、還元工程を経た部分的加水分解物の過酸化物価及びアニシジン価は、還元工程後に吸着処理が行われる場合、吸着処理された部分的加水分解物の過酸化物価及びアニシジン価である。

0077

還元工程の後、系中から水素化触媒を除去する必要がある。水素化触媒の除去法は、特に限定されず、そのまま濾布等で濾別してもよく、またシリカゲルやセライト、活性炭等の濾過助剤を用いてもよい。
尚、水素化触媒を除去するためにシリカゲルやセライト、活性炭等の濾過助剤を用いる場合、その使用量は、水素化触媒が除去されるのであれば特に限定されるものではないが、例えば、還元処理品に対して0.5〜5質量%を用いることにより、水素化触媒を系中から十分好ましく除くことができる。

0078

このように得られた吸着処理品、酸化処理品、還元処理品に対して、脱色や脱臭等の精製、及び、分別処理やエステル交換等の加工の内、1つ以上を更に施す場合がある。これらの処理は常法に従って実施することができる。
特に、脱色や脱臭については、風味成分や香気成分の散逸を防ぐ観点から、温和な温度条件下で行われることが好ましく、具体的には脱色については測定温度が80〜100℃となるように行われ、脱臭については測定温度が180〜220℃となるように行われることが好ましい。

0079

本発明の風味改良材について、具体的な実施例等を基に更に詳述する。尚、本発明は下述する実施例に何ら限定されない。

0080

〔実施例1〕
融解した精製乳脂3000gを容量5000mLの四つ口フラスコ量した後、イオン交換水を300g加え、油相と水相二相に分離し油水界面が落ち着くまで静置した。次に、アンカー型の撹拌羽根を、油水界面を乱さぬように界面から僅かに浮かせて設置し、100rpmで90分間撹拌し、油脂に1000ppmとなるように水分を含有させた。この間、油脂の温度が60℃程度となるように加熱を続けた。

0081

次に、油脂流量とカラムに充填された固定化酵素量の比が50/時間となるように、油脂流量及び充填する固定化酵素の量を調整した状態で、四つ口フラスコ中の油脂部分のみがカラムを通過し、その後フラスコ内に戻るようにラインを接続して、ポンプで循環させ、連続的に油脂を酵素で加水分解できる系を組んだ。尚、油脂が通液する全てのラインは油脂温度が60℃程度に維持できるように保温できるよう処置をとった。また、固定化されている酵素はリゾムコール属由来の脂肪分解酵素(リゾムコール・ミーヘイ)であった。

0082

この系を循環させながら、適宜油脂部分の酸価を測定し、酸価が70を超えた時点で通液をストップさせ、部分的加水分解物のみを別のフラスコに移した。
次に部分的加水分解物を入れたフラスコ内の気圧が0.01MPa以下となるように減圧しながらフラスコ内の液温度を90℃に調整し、250rpmで撹拌し、60分間脱水処理を施した。
この後、一旦常圧に戻し、吸着剤としてpH7.5のシリカゲル(富士シリシア製サイロピュート130)を250g加え、再度0.01MPa以下になるまで減圧し、撹拌速度350rpm、油脂温度90℃でシリカゲルとの接触を行った。接触を行いながら、部分的加水分解物中のモノグリセリド含量を適宜測定し、接触前の部分的加水分解物のモノグリセリド含量を基準として、接触工程を経た部分的加水分解物のモノグリセリド含量が60%以下となった時点で終点とし、減圧を解除し降温せずにそのままシリカゲル(吸着剤)を濾別した。このようにして、乳脂を部分的に酵素分解した部分的加水分解物(以下、乳脂分解物)を得た。

0083

〔実施例1−2〕
実施例1で製造した乳脂分解物を、容量5000mLの四つ口フラスコに、2000g量りとり、口を閉じずに乾燥空気を3.0L/minで吹き込みながら、マントルヒーターで油脂温度が90℃になるように加熱し、更にアンカー型撹拌羽根を用いて、300rpmで撹拌し、過酸化物価が6に到達するまで酸化させた。酸化させた乳脂分解物に抗酸化剤としてトコフェロールを300ppm加え、乳脂分解物(Ox)を得た。
尚、乳脂分解物(Ox)の沃素価は35.5、過酸化物価は6.3、アニシジン価は3.1、トランス脂肪酸含量は2.5質量%であった。

0084

〔実施例2〕
精製した豚脂3000gを用いて、実施例1と同様の操作を行い、豚脂を部分的に酵素分解した部分的加水分解物(以下、豚脂分解物)を得た。

0085

〔実施例2−2〕
実施例2で製造した豚脂分解物を、実施例1−2と同様の手法で、過酸化物価が6に到達するまで酸化させ、豚脂分解物(Ox)を得た。
尚、豚脂分解物(Ox)の沃素価は65.0、過酸化物価は6.5、アニシジン価は2.5、トランス脂肪酸含量は2.1質量%であった。

0086

〔実施例3〕
IV=57.0のパーム分別軟部油パームオレイン)をランダムエステル交換した油脂900gと乳脂2100gを均一に混合した後に精製した混合油脂に対して、実施例1と同様の操作を行い部分的加水分解物(以下、混合油脂分解物A)を得た。

0087

〔実施例3−2〕
下述する比較例3の方法と同様にして製造した混合油脂分解物A(未処理)を、容量5000mLの四つ口フラスコに2000g量りとり、実施例1と同様にフラスコ内の気圧が0.01MPa以下となるように減圧しながらフラスコ内の液温度を90℃に調整し、250rpmで撹拌し、60分間脱水処理を施した。その後、口を閉じずに乾燥空気を3.0L/minで吹き込みながら、マントルヒーターで油脂温度が120℃になるように加熱し過酸化物価が25に到達するまで酸化させた。尚、この間、アンカー型撹拌羽根を用いて、300rpmで撹拌した。
更に、シリカゲル150gを添加し、0.01MPa以下になるまで減圧し、撹拌速度350rpm、油脂温度90℃でシリカゲル(富士シリシア製サイロピュート130)との接触を行いながら、モノグリセリド含量を適宜測定し、接触前の部分的加水分解物のモノグリセリド含量を基準として、接触前の乳脂分解物(未処理)のモノグリセリド含量を基準として、接触工程後のモノグリセリド含量が50%以下となる点を終点とし、減圧を解除し降温せずにそのままシリカゲル(吸着剤)を濾別し、抗酸化剤としてトコフェロールを300ppm加えて、混合油脂分解物A(α1)を得た。
尚、混合油脂分解物A(α1)の沃素価は35.5、過酸化物価は24.5、アニシジン価は17.4、トランス脂肪酸含量は2.5質量%であった。

0088

〔実施例3−3〕
容量5000mLの四つ口フラスコに、実施例3で製造した混合油脂分解物Aを2000g量りとり、口を閉じずに乾燥空気を3.0L/minで吹き込みながら、マントルヒーターで油脂温度が90℃になるように加熱し、更にアンカー型撹拌羽根を用いて、300rpmで撹拌し、過酸化物価が25に到達するまで酸化させた。酸化させた混合油脂分解物Aに抗酸化剤としてトコフェロールを300ppm加え、混合油脂分解物A(α2)を得た。
尚、混合油脂分解物A(α2)の沃素価は35.7、過酸化物価は27.3、アニシジン価は18.1、トランス脂肪酸含量は2.7質量%であった。

0089

〔実施例3−4〕
容量5000mLの四つ口フラスコに、下述の比較例3の方法と同様にして製造した混合油脂分解物A(未処理)を2000g量りとり、実施例3と同様にフラスコ内の気圧が0.01MPa以下となるように減圧しながらフラスコ内の液温度を90℃に調整し、250rpmで撹拌し、60分間脱水処理を施した。その後、口を閉じずに乾燥空気を3.0L/minで吹き込みながら、マントルヒーターで油脂温度が120℃になるように加熱し、更にアンカー型撹拌羽根を用いて、300rpmで撹拌し、過酸化物価が25に到達するまで酸化させた。ここで、酸化させた混合油脂分解物A(未処理)の沃素価は35.5、過酸化物価は25.6、アニシジン価は16.8、トランス脂肪酸含量は2.5質量%であった。
次いで、酸化させた混合油脂分解物A(未処理)を1000gを耐圧容器に移し、水素化触媒として硬化用ニッケル触媒(堺化学製)を0.1質量%加え、ヘッドスペース部分を水素ガスで十分置換した後、90℃に加熱し、耐圧容器内水素圧が1.0kg/cm2で、アンカー型撹拌羽根を用いて300rpmで撹拌した。途中、サンプリングを行い、過酸化物価を分析し、初めて過酸化物価が10以下となった点で、水素化触媒をろ別した。ろ液を3000mlの四つ口フラスコに移して、0.01MPa以下になるまで減圧し、撹拌速度350rpm、油脂温度90℃でシリカゲルとの接触を行いながら、モノグリセリド含量を適宜測定し、接触前の部分的加水分解物のモノグリセリド含量を基準として、接触前の乳脂分解物(未処理)のモノグリセリド含量を基準として、接触工程後のモノグリセリド含量が50%以下となる点を終点とし、減圧を解除し降温せずにそのままシリカゲル(吸着剤)を濾別し、抗酸化剤としてトコフェロールを300ppm加えて、混合油脂分解物A(β1)を得た。尚、混合油脂分解物A(β1)の沃素価は33.2、過酸化物価は4.5、アニシジン価は11.1、トランス脂肪酸含量は3.0質量%であった。

0090

〔実施例3−5〕
耐圧容器に実施例3−3で製造した混合油脂分解物A(α2)を1000g量り取り、水素化触媒として硬化用ニッケル触媒(堺化学製)を0.1質量%加え、ヘッドスペース部分を水素ガスで十分置換した後、90℃に加熱し、耐圧容器内の水素圧が1.0kg/cm2で、アンカー型撹拌羽根を用いて300rpmで撹拌した。途中、サンプリングを行い、過酸化物価を分析し、初めて過酸化物価が10以下となった点で、水素化触媒を濾別して取り除き、抗酸化剤としてトコフェロールを300ppm加えて混合油脂分解物A(β2)を得た。尚、得られた混合油脂分解物A(β2)の沃素価は34.5、過酸化物価4.2、アニシジン価10.0、トランス脂肪酸含量は3.0質量%であった。

0091

〔実施例4〕
ヨウ素価が5以下の大豆硬化油を900gと乳脂2100gを均一に混合した後に精製した混合油脂に対して実施例1と同様の操作を行い、部分的加水分解物(以下、混合油脂分解物B)を得た。

0092

〔実施例5〕
よつ葉乳業製のスイートバター(食塩不使用)3000gに対して、実施例1と同様の操作を行い、部分的加水分解物(以下、バター分解物)を得た。

0093

〔実施例6〕
ヨウ素価が51.0のパーム油3000gに対して、実施例1と同様の操作を行い、部分的加水分解物(以下、パーム油分解物)を得た。

0094

〔実施例6−2〕
下述する比較例6と同様の方法で製造したパーム油分解物(未処理)に対して、実施例3−2と同様の操作を行い、固定化酵素による分解の後、酸化処理を行い、吸着剤と接触させたパーム油分解物(α1)を得た。
尚、パーム油分解物(α1)の沃素価は51.0、過酸化物価は25.3、アニシジン価は17.5、トランス脂肪酸含量は0.8質量%であった。

0095

〔実施例6−3〕
実施例6と同様の方法で製造したパーム油分解物に対して、実施例3−3と同様の操作を行い、固定化酵素による分解の後、吸着剤と接触させ、酸化処理を施したパーム油分解物(α2)を得た。
尚、パーム油分解物(α2)の沃素価は51.0、過酸化物価は26.8、アニシジン価は18.3、トランス脂肪酸含量は0.8質量%であった。

0096

〔実施例6−4〕
下述する比較例6と同様の方法で製造したパーム油分解物(未処理)に対して、実施例3−4と同様の操作を行い、固定化酵素による分解、酸化処理を行い、更に、酸化処理を行って生じた過酸化物を水素で還元した後、吸着剤と接触させてパーム油分解物(β1)を得た。
尚、酸化処理が施されたパーム油分解物(未処理)の沃素価は51.0、過酸化物価は25.3、アニシジン価は17.5、トランス脂肪酸含量は0.8質量%であった。また、パーム油分解物(β1)の沃素価は49.8、過酸化物価は5.8、アニシジン価は12.1、トランス脂肪酸含量は1.3質量%であった。

0097

〔実施例6−5〕
実施例6−3で製造したパーム油分解物(α2)に対して、実施例3−5と同様の操作を行い、酸化処理を行って生じた過酸化物を水素で還元した、パーム油分解物(β2)を得た。
尚、パーム油分解物(β2)の沃素価は50.1、過酸化物価は6.2、アニシジン価は13.3、トランス脂肪酸含量は1.2質量%であった。

0098

〔比較例1〕
実施例1と同様の操作で精製乳脂の部分的加水分解を行ったが、シリカゲルとの接触処理を行わなかった部分的加水分解物を、乳脂分解物(未処理)とした。

0099

〔比較例2〕
実施例1と同様の操作で精製豚脂の部分的加水分解を行ったが、シリカゲルとの接触処理を行わなかった部分的加水分解物を、豚脂分解物(未処理)とした。

0100

〔比較例3〕
実施例1と同様の操作で、実施例3と同じ配合の混合油脂の部分的加水分解を行ったが、シリカゲルとの接触処理を行わなかった部分的加水分解物を、混合油脂分解物A(未処理)とした。

0101

〔比較例4〕
実施例1と同様の操作で、実施例4と同じ配合の混合油脂の部分的加水分解を行ったが、シリカゲルとの接触処理を行わなかった部分的加水分解物を、混合油脂分解物B(未処理)とした。

0102

〔比較例5〕
実施例1と同様の操作でバターの加水分解を行ったが、シリカゲルとの接触処理を行わなかった部分的加水分解物を、バター分解物(未処理)とした。

0103

〔比較例6〕
実施例1と同様の操作でパーム油の加水分解を行ったが、シリカゲルとの接触処理を行わなかった部分的加水分解物を、パーム油分解物(未処理)とした。

0104

〔評価例1〕コンパウンドホイップクリームでの風味評価
ミキサーボウルにコンパウンドホイップクリーム(株式会社ADEKA製「ピュアブレンドホイップ20」、乳脂含量20質量%)100質量部及び上白糖7質量部を投入し、ここに実施例1で調製した乳脂分解物を本発明の風味改良材として0.03質量部加えた後、卓上ミキサーにセットし高速で6分ホイップし、乳脂分解物を含有するホイップドクリームAを得た。
同様にして乳脂分解物(未処理)を含有するホイップドクリームB、乳脂分解物(Ox)を含有するホイップドクリームCを得た。
一方、乳脂分解物を含有させず、上記コンパウンドホイップクリームのみでホイップし、ホイップドクリームDを得た。
得られたホイップドクリームA〜Dを、それぞれ星型口金を装着した絞り袋に入れ、ポリカップに絞り、風味評価を行った。その結果、特にホイップドクリームAにおいて、ホイップドクリームDと比較して、濃厚な乳風味が十分に感じられ、またミドルからラストに残る乳のコク味が増強されていた。また、ホイップドクリームBでは、喫食トップからラストに至るまで、刺激的な異味雑味が感じられ不快な風味となっており、また乳風味やコク味の増強効果も乏しかった。また、ホイップドクリームCではホイップドクリームAよりもトップに強い乳風味が感じられ、更にコク味も増していた。

0105

〔評価例2〕ハンバーグでの風味評価
挽き肉(牛比7:3)39.0質量部、塩コショウ0.7質量部、ナツメグ0.1質量部、ソテーオニオン30.8質量部、5.1質量部、水6.1質量部、牛乳3.1質量部、パン粉5.1質量部、及び豚脂9.8質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーを使用して低速で1分混合した後、実施例2で調製した豚脂分解物を、本発明の風味改良材として0.2質量部投入し、更に低速で1分混合して畜肉生地を得た。得られた畜肉生地を固定オーブン設定温度190℃)で10分間焼成し、ハンバーグAを得た。
同様にして、豚脂分解物(未処理)を含有するハンバーグB、豚脂分解物(Ox)を含有するハンバーグCを得た。
一方、豚脂分解物を豚脂で置換し、豚脂を合計10質量部含有し、豚脂分解物を含まないハンバーグDを得た。
得られたハンバーグA〜Dについて風味評価を行ったところ、豚脂分解物を含有するハンバーグAでは、豚脂分解物を含有していないハンバーグCと比較して、ミドルからラストにかけて味の厚みや広がりが更に感じられ、後味に濃厚感やコク味が残り、風味改善効果があることを確認した。ハンバーグBにおいては、特にえぐ味が感じられ、コク味の増強効果も乏しかった。ハンバーグCにおいては、ハンバーグA同様のミドルからラストにかけての味の厚みや後味の濃厚感が感じられる上、先味が好ましく強められていた。

0106

〔評価例3〕ロールパン(バターロール成型)での風味評価
実施例3〜5及び比較例3〜5で得られた部分的加水分解物を風味改良材として用いて、表1に示す配合と下記製法でロールパン(バターロール成型)を製造した。得られたロールパンについて、下記方法で風味評価を行った。評価結果を表2に示す。

0107

0108

0109

<ロールパン(バターロール成型)の製法>
上記の中種生地配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速で3分、中速で2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度26℃)を得た。得られた中種生地は、28℃、相対湿度80%にて120分の中種発酵を取った。
上記中種生地並びに本捏生地配合の強力粉砂糖、食塩、脱脂粉乳、全卵及び水を、縦型ミキサーにて低速で3分、中速で3分ミキシングした後、本捏生地配合のマーガリンに予め各種部分的加水分解物を混合したものを含有させ、更に低速で3分、中速で4分ミキシングし、本捏生地(捏ね上げ温度28℃)を得た。尚、使用したマーガリンは、バターコンパウンド率10%であった。
得られた本捏生地は、30分フロアタイムをとり、分割(45g)、丸めし、30分ベンチタイムを取った後、バターロール成型した。これを天板に乗せ、38℃、相対湿度80%、50分のホイロを取った後、190℃のオーブンで13分焼成して、ロールパンA〜Fを得た。
尚、本捏生地配合中に部分的加水分解物を含有させずに同様の製法でロールパンを製造し、コントロールとした。

0110

<風味評価の方法>
評価項目を「異味雑味の程度」「先味の程度」「コク味の程度」の3項目とし、8名のパネラーにより、上記配合・製法で製造されたロールパンについて下記評価基準に則って評価を実施した。得られた得点平均値を比較した。先味の程度とコク味の程度については、コントロールとした部分的加水分解物無配合品との比較で評価を行った。
尚、先味とは、喫食後すぐに感じられるふくらみのある好ましい風味を意味する。また、コク味とは、咀嚼途中から嚥下直後に口腔鼻腔内に好ましく感じられる濃厚な風味を意味する。

0111

評価基準
(異味雑味の程度)
5点 異味、雑味がなく非常に良好である。
3点 異味、雑味が殆どなく、良好である。
1点 異味、雑味が感じられる。
0点 異味、雑味が強く、不良である。
(先味の程度)
5点コントロールに比べ優れた先味が感じられた。
3点 コントロールに比べ先味が感じられた。
1点 コントロールと同等の先味であった。
0点 コントロールに比べ先味が感じられない。
(コク味の程度)
5点 コントロールに比べ優れたコク味が感じられた。
3点 コントロールに比べコク味が感じられた。
1点 コントロールと同等のコク味であった。
0点 コントロールに比べコク味が感じられない。

0112

得られたロールパンA〜Fについての風味評価の結果、シリカゲル(吸着剤)との接触処理の有無によって、風味そのものや風味の出方が異なっていた。シリカゲル(吸着剤)との接触処理を行っていない部分的加水分解物を使用したロールパンD〜Fでは一様に異味雑味が感じられており、ロールパンの風味を大きく損ねる結果となった。一方、シリカゲル(吸着剤)との接触処理を行った部分的加水分解物を使用したロールパンA〜Cでは、異味雑味は殆ど感じられなかった。また、ロールパンA〜Cでは、コントロールやロールパンD〜Fと比較して、総じて先味とコク味が強化されており、風味が改良されていることを確認した。更に、部分的加水分解物の基質とする油脂種により、風味発現の傾向が異なることを確認した。
評価例1〜3の風味評価から分かるとおり、吸着剤と接触させた動植物油脂の部分的加水分解物を有効成分とする風味改良材を用いることで、濃厚感やコク味が飲食品に付与される。また、吸着剤との接触処理により、異味異臭の低減が認められると同時に、本発明の風味改良材の濃厚感やコク味の付与効果が増強されることが分かった。

0113

〔評価例4〕サブレでの風味評価
実施例3〜3−5及び比較例3で得られた部分的加水分解物、及びその処理品を風味改良材として用いて、表3に示す配合と下記製法でサブレA〜Jを製造した。得られたサブレA〜Jについて、上記評価基準に則り8名のパネラーで風味評価を行い、得られた得点の平均値を比較した。先味の程度とコク味の程度については、コントロールとした部分的加水分解物無配合品との比較で評価を行った。評価結果を表4に示す。

0114

<サブレの製法>
マーガリン(ソシエル、(株)ADEKA)70部に予めバター5部、及び比較例1、実施例3〜3−5、又は比較例3で得られた部分的加水分解物を風味改良剤として、表3に示す量を加えて均質に混ぜたものと粉糖40部とをビーター比重0.8程度まで撹拌し、卵黄10部を加えて混合し、混合物を得た。得られた混合物にふるった薄力粉100部を加え混合し生地を得た。得られた生地を一晩冷蔵庫で休ませ、2.5mmに圧延型抜きし160℃で約15分焼成し、サブレA〜Jを得た。

0115

0116

0117

動植物油脂に単に加水分解を施した部分的加水分解物を用いた場合、すなわちサブレAをみると、コントロールのサブレよりも若干先味やコク味に優れてはいるが、異味雑味が大きく、好ましく喫食されるものではなかった。次に、混合油脂分解物A、混合油脂分解物A(α1)及び混合油脂分解物A(α2)を用いたサブレを比較すると、工程の順を問わず部分的加水分解物に酸化処理を施すことで、酸化処理を施していないものと比較して、先味やコク味が強化されていることが分かった。一方、工程の最後に酸化処理を施した混合油脂分解物A(α2)を用いたサブレは、酸化した後にシリカゲル処理を施した混合油脂分解物A(α1)を用いたサブレと比較すると、異味雑味に関する評点が若干下がっている。これは、酸化処理に伴って先味やコク味の付与に好ましい成分が増加すると共に、異味や雑味として感じられる成分が僅かに生じていることを示唆している。
次に、酸化処理と水素ガスによる還元処理が併せて施された混合油脂分解物A(β1)と混合油脂分解物A(β2)を用いたサブレは、酸化処理のみを施した混合油脂分解物を用いたサブレと比較して、異味雑味は殆ど感じられなくなり、先味の程度やコク味の程度がより強化されていた。これは、水素ガスによる還元処理によって混合油脂分解物A(β1)及び混合油脂分解物A(β2)が複雑な香気成分組成となり、風味が好ましく強められたためであると考えられる。
シリカゲル処理された部分的加水分解物に酸化処理と還元処理を併せて施した混合油脂分解物A(β2)を用いたサブレは、酸化処理と還元処理を併せて施した部分的加水分解物にシリカゲル処理を施した混合油脂分解物A(β1)を用いたサブレと比較して、やや異味雑味が生じる結果となった。これは、シリカゲル処理を施すことで、異味雑味の原因となりうる物質の量を低減することができることを示唆している。
また、サブレD、サブレF、サブレH及びサブレJはそれぞれ、サブレC、サブレE、サブレG及びサブレIよりも風味改良材の添加量を減じてサブレを作成したが、コントロールやサブレBと比較し、良好な先味やコク味が得られている。これは、酸化処理や、酸化処理と還元処理とを組合せて行うことによって、風味強度がより高まることを示唆している。

0118

〔評価例5〕フライ油及びフライドポテトでの風味評価
パーム分別軟部油(沃素価56、(株)ADEKA製)に対して、実施例6〜6−5及び比較例6で製造したパーム油分解物を風味改良剤として、それぞれ加え、これをフライ油とした。(表5参照)
得られたフライ油1kgをそれぞれに入れ、180℃に加熱し、冷凍フライドポテトオレアイダ細切りフライドポテト(シューストリング)、ハインツジャパン)100gを3分間フライした。
得られたフライドポテトについて、上記評価基準に則り8名のパネラーで風味評価を行い、得られた得点の平均値を比較した。コク味の程度については、コントロールとした部分的加水分解物無配合品との比較で評価を行った。評価結果を表6に示す。

0119

0120

実施例

0121

フライドポテトにおいても、工程の順を問わず酸化処理を施したパーム油分解物を含有するフライ油を用いてフライすることで、酸化処理を施していないパーム油分解物を含有するフライ油を用いてフライしたものと比較して、コク味が強化されていることを確認した。また、酸化処理と水素ガスによる還元処理とを併せて施した混合油脂分解物は、酸化処理のみを施した混合油脂分解物よりも、異味雑味は殆ど感じられなくなり、先味の程度やコク味の程度が更に強化されていた。
また油種を問わず、酸化処理や、酸化処理と還元処理とを組合せて行うことによって、風味強度が一層高まることが明らかになった。

0122

本発明の風味改良材により、異味異臭や刺激味を飲食品に付与することなく、コク味や濃厚感を付与することができる。

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