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技術 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

出願人 京セラドキュメントソリューションズ株式会社
発明者 清水智文岡田英樹
出願日 2017年3月17日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-514194
公開日 2019年3月14日 (5ヶ月経過) 公開番号 WO2017-187838
状態 未査定
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 高温乾燥機 減圧溶媒 付着成分 内部標準試料 芳香族単環炭化水素 中間層用樹脂 アルミパイプ 総電気量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年3月14日)のものです。
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図面 (7)

課題・解決手段

電子写真感光体(1)は、導電性基体(2)と、感光層(3)とを備える。感光層(3)は、電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する単層型感光層である。電子輸送剤は、一般式(1)で表されるナフトキノン誘導体を含む。感光層(3)と炭酸カルシウムとを摩擦させたときの炭酸カルシウムの摩擦帯電量は、+7μC/g以上である。一般式(1)中、R11及びR12は、それぞれ明細書に記載のR11及びR12と同義であり、少なくともいずれかはハロゲン原子置換されている。

概要

背景

電子写真感光体は、電子写真方式画像形成装置に用いられる。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体又は積層型電子写真感光体が用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。単層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能と電荷輸送の機能とを有する単層型感光層を備える。積層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。

電子写真方式の画像形成装置で画像を形成すると、白点現象と呼ばれる画像不良が発生する場合があった。白点現象とは、例えば、トナー像記録媒体上に転写されて形成される領域(画像領域)に、微小画像欠陥(より具体的には、直径が0.5mm以上2.5mm以下の円状の画像欠陥)が生じる現象である。

従来の電子写真感光体が備える感光層には、例えば、下記化学式(E−1)で表される化合物(以下、化合物(E−1)と記載することがある)又は下記化学式(E−2)で表される化合物(以下、化合物(E−2)と記載することがある)が含有されている。

また、特許文献1に記載の電子写真感光体が備える感光層は、例えば、下記化学式(E−3)で表される化合物(以下、化合物(E−3)と記載することがある)を含有する。

概要

電子写真感光体(1)は、導電性基体(2)と、感光層(3)とを備える。感光層(3)は、電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する単層型感光層である。電子輸送剤は、一般式(1)で表されるナフトキノン誘導体を含む。感光層(3)と炭酸カルシウムとを摩擦させたときの炭酸カルシウムの摩擦帯電量は、+7μC/g以上である。一般式(1)中、R11及びR12は、それぞれ明細書に記載のR11及びR12と同義であり、少なくともいずれかはハロゲン原子置換されている。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、白点現象の発生を抑制する電子写真感光体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

導電性基体と、感光層とを備える電子写真感光体であって、前記感光層は、電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する単層型感光層であり、前記電子輸送剤は、一般式(1)で表されるナフトキノン誘導体を含み、前記感光層と炭酸カルシウムとを摩擦させたときの前記炭酸カルシウムの摩擦帯電量は、+7μC/g以上である、電子写真感光体。前記一般式(1)中、R11及びR12は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基及び置換基を有してもよい炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基からなる群より選択される基を表し、R11及びR12の少なくとも何れか一方が表す前記基は、1又は複数のハロゲン原子置換されている。

請求項2

前記一般式(1)中、前記炭素原子数6以上14以下のアリール基が有する前記置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であり、前記炭素原子数7以上20以下のアラルキル基が有する前記置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であり、前記炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基が有する前記置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基である、請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項3

前記一般式(1)中、R11及びR12の表す前記基が有する前記ハロゲン原子の総数は、1以上3以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項4

前記一般式(1)中、R11とR12とは互いに異なる、請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項5

前記一般式(1)中、R11及びR12の何れか一方は、1若しくは複数のハロゲン原子で置換されている炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は1若しくは複数のハロゲン原子で置換されているフェニル基を表し、R11及びR12の他方は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよいフェニル基又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、前記ハロゲン原子は、塩素原子又はフッ素原子である、請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項6

前記一般式(1)中、R11及びR12の何れか一方は、1又は複数のハロゲン原子で置換されているフェニル基を表し、R11及びR12の他方は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す、請求項5に記載の電子写真感光体。

請求項7

前記ナフトキノン誘導体は、化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)又は(1−5)で表される、請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項8

前記正孔輸送剤は、一般式(2)で表される化合物を含む、請求項1に記載の電子写真感光体。前記一般式(2)中、R21、R22、R23、R24、R25及びR26は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表し、r、s、v及びwは、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、t及びuは、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。

請求項9

前記バインダー樹脂は、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂を含む、請求項1に記載の電子写真感光体。前記一般式(3)中、R31、R32、R33及びR34は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R32とR33とは、互いに結合して形成される炭素原子数3以上10以下のシクロアルキリデン基を表してもよく、n及びmは、0以上の整数であり、n+m=100を満たし、nは、60以上100以下の整数を表す。

請求項10

請求項1に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ

請求項11

像担持体と、前記像担持体の表面を正極性帯電する帯電部と、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光部と、前記静電潜像をトナー像として現像する現像部と、前記像担持体の前記表面と接触しながら、前記トナー像を前記像担持体の前記表面から記録媒体転写する転写部とを備え、前記像担持体は、請求項1に記載の電子写真感光体である、画像形成装置

請求項12

前記帯電部は、帯電ローラーである、請求項11に記載の画像形成装置。

請求項13

前記現像部は、前記像担持体の前記表面と接触しながら、前記静電潜像を前記トナー像として現像する、請求項11に記載の画像形成装置。

請求項14

前記現像部は、前記像担持体の前記表面を清掃する、請求項11に記載の画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、電子写真感光体プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。

背景技術

0002

電子写真感光体は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体又は積層型電子写真感光体が用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。単層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能と電荷輸送の機能とを有する単層型感光層を備える。積層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。

0003

電子写真方式の画像形成装置で画像を形成すると、白点現象と呼ばれる画像不良が発生する場合があった。白点現象とは、例えば、トナー像記録媒体上に転写されて形成される領域(画像領域)に、微小画像欠陥(より具体的には、直径が0.5mm以上2.5mm以下の円状の画像欠陥)が生じる現象である。

0004

従来の電子写真感光体が備える感光層には、例えば、下記化学式(E−1)で表される化合物(以下、化合物(E−1)と記載することがある)又は下記化学式(E−2)で表される化合物(以下、化合物(E−2)と記載することがある)が含有されている。

0005

0006

また、特許文献1に記載の電子写真感光体が備える感光層は、例えば、下記化学式(E−3)で表される化合物(以下、化合物(E−3)と記載することがある)を含有する。

先行技術

0007

特開平10−324682号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、上述した従来の電子写真感光体及び特許文献1に記載の電子写真感光体は、白点現象の発生を十分に抑制することができなかった。

0009

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、白点現象の発生を抑制する電子写真感光体を提供することである。また、本発明の別の目的は、白点現象の発生を抑制するプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する単層型感光層である。前記電子輸送剤は、一般式(1)で表されるナフトキノン誘導体を含む。前記感光層と炭酸カルシウムとを摩擦させたときの前記炭酸カルシウムの摩擦帯電量は、+7μC/g以上である。

0011

0012

前記一般式(1)中、R11及びR12は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基及び置換基を有してもよい炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基からなる群より選択される基を表す。R11及びR12の少なくとも何れか一方が表す前記基は、1又は複数のハロゲン原子置換されている。

0013

本発明のプロセスカートリッジは、上述の電子写真感光体を備える。

0014

本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記像担持体は、上述の電子写真感光体である。前記帯電部は、前記像担持体の表面を正極性に帯電する。前記露光部は、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記像担持体の前記表面と接触しながら、前記トナー像を前記像担持体の前記表面から記録媒体に転写する。

発明の効果

0015

本発明の電子写真感光体は、白点現象の発生を抑制することができる。また、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、白点現象の発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。
本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。
本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。
本発明の第二実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。
ナフトキノン誘導体(1−4)の1H−NMRスペクトルである。
摩擦帯電量の測定装置概要を示す図である。

0017

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。

0018

以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。

0019

以下、ハロゲン原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上10以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、炭素原子数7以上14以下のアラルキル基、炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル基、炭素原子数3以上10以下のシクロアルキリデン基及び炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基は、何ら規定していなければ、それぞれ次の意味である。

0020

ハロゲン原子(ハロゲン基)としては、例えば、フッ素原子フルオロ基)、塩素原子クロロ基)、臭素原子ブロモ基)又はヨウ素原子ヨード基)が挙げられる。

0021

炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基又はn−オクチル基が挙げられる。

0022

炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基又はヘキシル基が挙げられる。

0023

炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基又はt−ブチル基が挙げられる。

0024

炭素原子数1以上3以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はイソプロピル基が挙げられる。

0025

炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基又はヘキシルオキシ基が挙げられる。

0026

炭素原子数6以上14以下のアリール基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基ナフチル基アントリル基又はフェナントリル基が挙げられる。

0027

炭素原子数6以上10以下のアリール基は、非置換である。炭素原子数6以上10以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上10以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上10以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は炭素原子数6以上10以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上10以下のアリール基としては、例えば、フェニル基又はナフチル基が挙げられる。

0028

炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、非置換である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基フェニルエチル基フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、9−アントラセンメチル基又は9−フェナントリルメチル基が挙げられる。

0029

炭素原子数7以上14以下のアラルキル基は、非置換である。炭素原子数7以上14以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、1−ナフチルメチル基又は2−ナフチルメチル基が挙げられる。

0030

炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基は、非置換である。炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基又はシクロデシル基が挙げられる。

0031

炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル基は、非置換である。炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロへプチル基が挙げられる。

0032

炭素原子数3以上10以下のシクロアルキリデン基は、非置換である。炭素原子数3以上10以下のシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロプロピリデン基、シクロブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロへプチリデン基、シクロオクチリデン基、シクロノニリデン基又はシクロデキリデン基が挙げられる。

0033

炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基は、非置換である。炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基又はシクロへプチリデン基が挙げられる。

0034

<第一実施形態:電子写真感光体>
本発明の第一実施形態は、電子写真感光体に関する。以下、図1A図1Cを参照して、電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)の構造を説明する。図1A図1Cは、第一実施形態に係る感光体1の一例を示す。

0035

図1Aに示すように、感光体1は、例えば、導電性基体2と感光層3とを備える。感光層3は、導電性基体2上に直接又は間接に設けられる。例えば、図1Aに示すように、導電性基体2上に感光層3を直接設けてもよい。感光体1は、更に中間層を備えてもよい。図1Bに示すように、中間層4は、導電性基体2と感光層3との間に設けられてもよい。また、図1A及び図1Bに示すように、感光層3が最外層として露出してもよい。感光体1は、更に保護層を備えてもよい。図1Cに示すように、感光層3上に保護層5が備えられてもよい。

0036

感光層は、電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する単層型感光層である。電子輸送剤は、一般式(1)で表されるナフトキノン誘導体(以下、ナフトキノン誘導体(1)と記載することがある)を含む。感光層と炭酸カルシウムとを摩擦させたときの炭酸カルシウムの摩擦帯電量は、+7μC/g以上である。第一実施形態に係る感光体は、白点現象の発生を抑制することができる。その理由は、以下のように推測される。

0037

ここで、便宜上、白点現象について説明する。電子写真方式の画像形成装置は、像担持体(感光体)と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。画像形成装置が直接転写方式を採用する場合、転写部は、現像部により現像されたトナー像を記録媒体(例えば、記録紙)に転写する。より詳細には、転写部は、感光体の表面に現像されたトナー像を記録媒体に転写する。その結果、記録媒体上にトナー像が形成される。

0038

トナー像の転写において、記録媒体は感光体の表面で摺擦され、記録媒体が帯電(いわゆる摩擦帯電)することがある。かかる場合、記録媒体が感光体の帯電極性(正極性)に対して同極性に帯電して帯電性が低下する傾向又は逆極性負極性)に帯電(いわゆる逆帯電)する傾向がある。記録媒体がこのように帯電すると、記録媒体が有する微小な成分(例えば、紙粉)が感光体の表面に移動して付着することがある。そして、微小な成分が感光体の表面の画像領域に付着すると、記録媒体上に形成された画像に欠陥白点)が生じることがある。このような画像欠陥が生じる現象を白点現象という。白点現象の発生の評価方法は、実施例にて詳細に説明する。

0039

第一実施形態に係る感光体では、感光層がナフトキノン誘導体(1)を含有する。ナフトキノン誘導体(1)は、ハロゲン原子を有し、感光層と炭酸カルシウムとを摩擦したときの炭酸カルシウムの摩擦帯電量は、+7μC/g以上である。このため、第一実施形態に係る感光体は、転写部において記録媒体が感光体の表面と摺擦しても、記録媒体は感光体の帯電極性に対して同極性で帯電性が低下しにくい傾向及び逆帯電しにくい傾向にある。よって、感光体の表面に微小な成分(例えば、紙粉)が付着しにくくなり、白点現象の発生が抑制されると考えられる。

0040

炭酸カルシウムの摩擦帯電量の測定は、実施例で詳細に説明する。炭酸カルシウムの摩擦帯電量は、+7μC/g以上であり、+7μC/g以上+15μC/g以下であることが好ましい。炭酸カルシウムは、紙粉の主成分である。炭酸カルシウムの摩擦帯電量が+7μC/g未満であると、感光体と紙粉との間に作用する斥力が十分に大きくないため、紙粉が感光体の表面に付着し易くなり、白点現象が発生する。

0041

感光層の厚さは、感光層として充分に作用できる限り、特に限定されない。感光層の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。

0042

感光層は、添加剤を更に含有してもよい。以下、感光体の各要素として導電性基体、電荷発生剤、電子輸送剤、正孔輸送剤、バインダー樹脂、添加剤及び中間層を説明する。また、感光体の製造方法も説明する。

0043

[1.導電性基体]
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で形成されていればよい。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で形成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウムモリブデンクロムカドミウムチタンニッケルパラジウム又はインジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金ステンレス鋼又は真鍮等)が挙げられる。これらの導電性を有する材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。

0044

導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜選択される。導電性基体の形状としては、例えば、シート状又はドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚さは、導電性基体の形状に応じて適宜選択される。

0045

[2.電荷発生剤]
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料ペリレン系顔料ビスアゾ顔料トリスアゾ顔料ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(より具体的には、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素硫化カドミウム又はアモルファスシリコン等)の粉末ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料トリフェニルメタン系顔料スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料又はキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0046

フタロシアニン系顔料としては、例えば、化学式(C−1)で表される無金属フタロシアニン(以下、化合物(C−1)と記載することがある)又は金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、化学式(C−2)で表されるチタニルフタロシアニン(以下、化合物(C−2)と記載することがある)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン又はクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン系顔料の結晶形状(例えば、X型、α型、β型、Y型、V型又はII型)については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。

0047

0048

無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型又はY型結晶(以下、それぞれα型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン及びY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニンのV型結晶が挙げられる。クロロガリウムフタロシアニンの結晶としては、クロロガリウムフタロシアニンのII型結晶が挙げられる。

0049

例えば、デジタル光学式の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。デジタル光学式の画像形成装置としては、例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター又はファクシミリが挙げられる。700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニンがより好ましい。ナフトキノン誘導体(1)を含有する感光層を備える感光体において、白点現象をより抑制するためには、電荷発生剤は、X型無金属フタロシアニンを含むことが好ましい。

0050

Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。

0051

短波長レーザー光源を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料が好適に用いられる。短波長レーザー光の波長は、例えば、350nm以上550nm以下である。

0052

電荷発生剤の含有量は、感光層に含有されるバインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。

0053

[3.電子輸送剤]
電子輸送剤は、ナフトキノン誘導体(1)を含む。ナフトキノン誘導体(1)は、一般式(1)で表される。

0054

0055

一般式(1)中、R11及びR12は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基及び置換基を有してもよい炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基からなる群より選択される基を表す。R11及びR12の少なくとも何れか一方が表す基は、1又は複数のハロゲン原子で置換されている。

0056

一般式(1)中、R11及びR12の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基の中でも、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はイソブチル基がより好ましい。炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、1又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい。1又は複数のハロゲン原子で置換された炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、クロロメチル基が挙げられる。

0057

一般式(1)中、R11及びR12の表す置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基の中でも、置換基を有してもよい炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましく、置換基を有してもよいフェニル基がより好ましい。置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基は、1又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい。炭素原子数6以上14以下のアリール基が有する置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。炭素原子数1以上6以下のアルキル基を有する炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、4−メチルフェニル基が好ましい。

0058

一般式(1)中、R11及びR12の表す置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基の中でも、置換基を有してもよい炭素原子数7以上14以下のアラルキル基が好ましい。置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、1又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基が有する置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましい。

0059

一般式(1)中、R11及びR12の表す置換基を有してもよい炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基の中でも、置換基を有してもよい炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル基が好ましい。置換基を有してもよい炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基は、1又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい。炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基が有する置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましい。

0060

一般式(1)中、R11及びR12の表す基(炭素原子数1以上8以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基及び置換基を有してもよい炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基からなる群より選択される基)が有するハロゲン原子の総数は、1以上3以下であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。R11及びR12の表す基が有するハロゲン原子の総数が1以上3以下であると、ナフトキノン誘導体(1)による白点現象を抑制する効果が更に大きい。また、R11及びR12の表す基が有するハロゲン原子としては、塩素原子又はフッ素原子が好ましい。

0061

一般式(1)中、R11とR12とは互いに異なることが好ましい。R11とR12とが互いに異なるナフトキノン誘導体(1)、すなわち、非対称構造のナフトキノン誘導体(1)は、溶剤への溶解性が高いため、感光体の感光層を形成するための塗布液を調製し易い。

0062

一般式(1)中、R11及びR12の何れか一方は、1若しくは複数のハロゲン原子で置換されている炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は1若しくは複数のハロゲン原子で置換されているフェニル基を表すことが好ましい。同時に、R11及びR12の他方は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよいフェニル基又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことが好ましい。ハロゲン原子は、塩素原子又はフッ素原子であることが好ましい。

0063

一般式(1)中、R11及びR12の何れか一方は、1又は複数のハロゲン原子で置換されているフェニル基を表し、R11及びR12の他方は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことが好ましい。R11及びR12の何れか一方が、1又は複数のハロゲン原子で置換されているフェニル基を表し、R11及びR12の他方が、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す場合、ナフトキノン誘導体(1)は、白点現象を抑制する効果が更に大きい。R11及びR12の何れか一方が、1又は複数のハロゲン原子で置換されているフェニル基を表す場合、フェニル基におけるハロゲン原子の置換位置は、オルト位(o位)、メタ位(m位)、パラ位(p位)又はこれらの少なくとも1つが挙げられ、メタ位が好ましい。1又は複数のハロゲン原子で置換されているフェニル基としては、例えば、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基又は3,5−ジクロロフェニル基が挙げられ、これらの中でも、3,5−ジクロロフェニル基が特に好ましい。

0064

ナフトキノン誘導体(1)の具体例としては、化学式(1−1)〜(1−5)で表されるナフトキノン誘導体(以下、それぞれナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−5)と記載することがある)が挙げられる。

0065

0066

ナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−5)の中では、上述のとおり、一般式(1)において、R11及びR12の何れか一方が1又は複数のハロゲン原子で置換されているフェニル基を表し、R11及びR12の他方が炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すナフトキノン誘導体、すなわち、ナフトキノン誘導体(1−5)が、白点現象を抑制する効果が更に大きい点で好ましい。これは、ナフトキノン誘導体(1−5)中に電気陰性度の高いハロゲン原子(ハロゲン置換基)が2個含まれるため、ナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−4)の構造の化合物に比べ、紙粉と接触したときに紙粉を正帯電させる効果が大きいためであると考えられる。

0067

(ナフトキノン誘導体(1)の製造方法)
ナフトキノン誘導体(1)は、例えば、反応式(R−1)で表す反応(以下、反応(R−1)と記載することがある)及び反応式(R−2)で表す反応(以下、反応(R−2)と記載することがある)に従って又はこれに準ずる方法によって製造される。ナフトキノン誘導体(1)の製造方法は、例えば、反応(R−1)と、反応(R−2)とを含む。

0068

0069

反応(R−1)では、まず、1当量の一般式(a1)で表される化合物(2,3−ジハロゲノ−1,4−ナフトキノン。以下、ジハロゲノナフトキノン(a1)と記載することがある)と、2当量の化学式(a2)で表される化合物(フタルイミドカリウム。以下、フタルイミドカリウム(a2)と記載することがある)とを、溶媒中、加温して攪拌還流した後、反応系を室温(約25℃)まで放冷することにより、反応中間体を生成する。次いで、ヒドラジン(NH2NH2)の存在下にて加熱攪拌して、反応中間体を反応させ(ヒドラジン分解)、1当量の化学式(A)で表される化合物(2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノン。以下、ジアミノナフトキノン(A)と記載することがある)を生成する。

0070

一般式(a1)中、Xは、ハロゲン原子(ハロゲン基)を表す。Xの表すハロゲン原子(ハロゲン基)は、塩素原子(クロロ基)であることが好ましい。

0071

反応(R−1)では、1モルのジハロゲノナフトキノン(a1)に対して、2モル以上4モル以下のフタルイミドカリウム(a2)を添加することが好ましい。1モルのジハロゲノナフトキノン(a1)に対して2モル以上のフタルイミドカリウム(a2)を添加すると、ジアミノナフトキノン(A)の収率を向上させ易い。一方、1モルのジハロゲノナフトキノン(a1)に対して4モル以下のフタルイミドカリウム(a2)を添加すると、反応(R−1)後に未反応のフタルイミドカリウム(a2)が残留し難く、ジアミノナフトキノン(A)の精製が容易となる。

0072

反応(R−1)において、ジハロゲノナフトキノン(a1)とフタルイミドカリウム(a2)とを溶媒中で攪拌還流する際、還流温度は、50℃以上100℃以下であることが好ましく、還流時間は、2時間以上8時間以下であることが好ましい。溶媒としては、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドDMF)、テトラヒドロフラン又はジメチルスルホキシドが挙げられる。

0073

反応(R−1)において、上述の攪拌還流後に、ヒドラジン(NH2NH2)の存在下で加熱攪拌する際、加熱温度は、50℃以上100℃以下であることが好ましく、加熱時間は、0.5時間以上2時間以下であることが好ましい。

0074

0075

反応(R−2)では、1当量のジアミノナフトキノン(A)と、1当量の一般式(B)で表される化合物(ジケトン誘導体、以下、ジケトン誘導体(B)と記載することがある)とを、溶媒中、酸触媒の存在下にて加温して攪拌還流した後、反応系から溶媒を留去して、1当量のナフトキノン誘導体(1)を生成する。

0076

一般式(B)中、R11及びR12は、それぞれ一般式(1)中のR11及びR12と同義である。

0077

反応(R−2)は、ジアミノナフトキノン(A)のジケトン誘導体(B)への付加反応に続く脱水反応であるので、1モルのジアミノナフトキノン(A)に対して、ほぼ当モルのジケトン誘導体(B)を添加することが好ましい。

0078

反応(R−2)において、ジアミノナフトキノン(A)とジケトン誘導体(B)とを溶媒中で攪拌還流する際、還流温度は、50℃以上100℃以下であることが好ましく、還流時間は、2時間以上6時間以下であることが好ましい。溶媒としては、例えば、メタノールエタノールイソプロパノール又はブタノールが挙げられる。酸触媒としては、例えば、酢酸濃硫酸又はパラトルエンスルホン酸が挙げられる。酸触媒の量は、ジアミノナフトキノン(A)1モルに対して0.2モル以上0.8モル以下であることが好ましい。酸触媒は、溶媒として機能してもよい。

0079

ナフトキノン誘導体(1)の製造では、必要に応じて他の工程(例えば、溶媒留去工程又は精製工程)を含んでもよい。溶媒留去工程を行う場合、例えば公知の方法(より具体的には、減圧溶媒留去等)が挙げられる。精製工程を行う場合、例えば、公知の方法(より具体的には、ろ過、クロマトグラフィー又は晶折等)が挙げられる。

0080

電子輸送剤は、ナフトキノン誘導体(1)に加えて、ナフトキノン誘導体(1)以外の別の電子輸送剤を更に含んでもよい。別の電子輸送剤は、公知の電子輸送剤から適宜選択される。

0081

別の電子輸送剤としては、例えば、キノン系化合物(ナフトキノン誘導体(1)以外のキノン系化合物)、ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントンジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸無水マレイン酸又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ニトロアトラキノン系化合物又はジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。これらの電子輸送剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0082

電子輸送剤の含有量は、感光層に含有されるバインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。

0083

電子輸送剤中のナフトキノン誘導体(1)の含有率は、電子輸送剤の合計質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。

0084

[4.正孔輸送剤]
正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、ジアミン誘導体(より具体的には、ベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体又はN,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体等)、オキサジアゾール系化合物(より具体的には、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等)、スチリル化合物(より具体的には、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等)、カルバゾール化合物(より具体的には、ポリビニルカルバゾール等)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(より具体的には、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物オキサゾール系化合物イソオキサゾール系化合物チアゾール系化合物チアジアゾール系化合物イミダゾール系化合物ピラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物が挙げられる。これらの正孔輸送剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの正孔輸送剤のうち、一般式(2)で表される化合物(ベンジジン誘導体)が好ましい。

0085

0086

一般式(2)中、R21、R22、R23、R24、R25及びR26は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表す。r、s、v及びwは、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。t及びuは、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。

0087

一般式(2)中、R21〜R26は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基を表すことが更に好ましい。r、s、v及びwは、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。t及びuは、0を表すことが好ましい。

0088

一般式(2)で表される化合物の中でも、化学式(H−1)で表される化合物(以下、化合物(H−1)と記載することがある)が好ましい。

0089

0090

正孔輸送剤の含有量は、感光層に含有されるバインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。

0091

[5.バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、電荷発生剤等を感光層中に分散させ、固定させる。バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂ポリアリレート樹脂スチレンブタジエン樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂アクリル酸系樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂ポリエチレン樹脂エチレン酢酸ビニル樹脂塩素化ポリエチレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリプロピレン樹脂アイオノマー樹脂塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、アルキド樹脂ポリアミド樹脂ウレタン樹脂ポリスルホン樹脂ジアリルフタレート樹脂ケトン樹脂ポリビニルブチラール樹脂ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂エポキシ樹脂フェノール樹脂尿素樹脂又はメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ−アクリル酸系樹脂(より具体的には、エポキシ化合物アクリル酸誘導体付加物等)又はウレタン−アクリル酸系樹脂(より具体的には、ウレタン化合物のアクリル酸誘導体付加物等)が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0092

これらの樹脂の中では、加工性機械的強度光学的特性及び耐摩耗性バランスに優れた感光層が得られることから、ポリカーボネート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂としては、例えば、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂(以下、ポリカーボネート樹脂(3)と記載することがある)が好ましい。

0093

0094

一般式(3)中、R31、R32、R33及びR34は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R32とR33とは、互いに結合して形成される炭素原子数3以上10以下のシクロアルキリデン基を表してもよい。n及びmは、0以上の整数である。n+m=100を満たす。nは、60以上100以下の整数を表す。

0095

一般式(3)中、R31及びR34は、水素原子を表すことが好ましい。R32とR33とは、互いに結合して形成される炭素原子数3以上10以下のシクロアルキリデン基を表すことが好ましく、互いに結合して形成される炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基を表すことがより好ましく、互いに結合して形成されるシクロヘキシリデン基を表すことが特に好ましい。

0096

ポリカーボネート樹脂(3)としては、例えば、化学式(R−1)〜(R−2)で表されるポリカーボネート樹脂(以下、それぞれポリカーボネート樹脂(R−1)〜(R−2)と記載することがある)が挙げられる。

0097

0098

バインダー樹脂の粘度平均分子量は、40000以上であることが好ましく、40000以上52500以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が40000以上であると、感光体の耐摩耗性を向上させ易い。バインダー樹脂の粘度平均分子量が52500以下であると、感光層の形成時にバインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、感光層用塗布液の粘度が高くなり過ぎない。その結果、感光層を形成し易くなる。

0099

[6.添加剤]
感光体の電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、感光層は、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤ラジカル捕捉剤消光剤又は紫外線吸収剤等)、軟化剤表面改質剤増量剤増粘剤、分散安定剤、ワックスアクセプタードナー界面活性剤可塑剤増感剤又はレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノールヒンダードアミンパラフェニレンジアミンアリールアルカンハイドロキノンスピロクロマン、スピロインダノン若しくはこれらの誘導体、有機硫黄化合物又は有機燐化合物が挙げられる。

0100

[7.中間層]
中間層は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層の存在により、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇を抑制し易くなる。

0101

無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄又は銅等)の粒子金属酸化物(より具体的には、酸化チタンアルミナ酸化ジルコニウム酸化スズ又は酸化亜鉛等)の粒子又は非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0102

中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができる限り、特に限定されない。

0103

中間層は、感光体の電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤は、感光層の添加剤と同様である。

0104

[8.感光体の製造方法]
図1Aを参照して、感光体1の製造方法の一例について説明する。感光体1の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。感光層形成工程では、感光層用塗布液を、導電性基体2上に塗布し、塗布した感光層用塗布液に含まれる溶剤を除去して感光層3を形成する。感光層用塗布液は、電荷発生剤と、電子輸送剤としてのナフトキノン誘導体(1)と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを少なくとも含む。感光層用塗布液は、電荷発生剤と、電子輸送剤としてのナフトキノン誘導体(1)と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。感光層用塗布液には、必要に応じて添加剤を加えてもよい。

0105

感光層用塗布液に含まれる溶剤は、感光層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサンオクタン又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼントルエン又はキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタンジクロロエタン四塩化炭素又はクロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテルジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトンメチルエチルケトン又はシクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル又は酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、感光体1の製造時の作業性を向上させるためには、ハロゲン化炭化水素以外の溶剤が好ましい。

0106

感光層用塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミルロールミルボールミルアトライター、ペイントシェーカー又は超音波分散器が用いられる。

0107

感光層用塗布液は、各成分の分散性又は形成される感光層3の表面平滑性を向上させるために、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。

0108

感光層用塗布液を塗布する方法としては、例えば、導電性基体2上に均一に感光層用塗布液を塗布できる方法である限り、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法スプレーコート法スピンコート法又はバーコート法が挙げられる。

0109

感光層用塗布液に含まれる溶剤を除去する方法は、感光層用塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法である限り、特に限定されない。溶剤を除去する方法としては、例えば、加熱、減圧又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機又は減圧乾燥機を用いて、熱処理熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間であることが好ましい。

0110

なお、感光体1の製造方法は、必要に応じて、中間層4を形成する工程及び保護層5を形成する工程の一方又は両方を更に含んでいてもよい。中間層4を形成する工程及び保護層5を形成する工程では、公知の方法が適宜選択される。

0111

感光体1は、例えば、画像形成装置において像担持体として使用される。

0112

以上、第一実施形態に係る感光体を説明した。第一実施形態に係る感光体は、白点現象の発生を抑制することができる。

0113

<第二実施形態:画像形成装置>
本発明の第二実施形態は、画像形成装置に関する。第二実施形態に係る画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。帯電部は、像担持体の表面を正極性に帯電する。露光部は、帯電された像担持体の表面を露光して、像担持体の表面に静電潜像を形成する。現像部は、静電潜像をトナー像として現像する。転写部は、像担持体の表面と接触しながら、トナー像を像担持体の表面から記録媒体に転写する。像担持体は、第一実施形態に係る感光体である。

0114

第二実施形態に係る画像形成装置は、白点現象の発生を抑制することができる。その理由は、以下のように推測される。直接転写方式を採用する第二実施形態に係る画像形成装置では、転写部において像担持体と記録媒体とが接触すると、記録媒体は摩擦されて正極性に帯電する傾向がある。帯電部において像担持体の表面は正極性に帯電される。このため、像担持体の表面と、摩擦帯電された記録媒体との間で静電的斥力が作用する。その結果、記録媒体(例えば、紙)に由来する微小成分(例えば、紙粉)が像担持体の表面に付着し難く、白点現象の発生が抑制されると考えられる。

0115

以下、図2を参照して、画像形成装置100を説明する。図2は、画像形成装置100の構成の一例を示す。

0116

画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成装置である限り、特に限定されない。画像形成装置100は、例えば、モノクロ画像形成装置であってもよいし、カラー画像形成装置であってもよい。画像形成装置100がカラー画像形成装置である場合、画像形成装置100は、例えば、タンデム方式を採用する。以下、タンデム方式の画像形成装置100を例に挙げて説明する。

0117

画像形成装置100は、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dと、転写ベルト50と、定着部52とを備える。以下、区別する必要がない場合には、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dの各々を、画像形成ユニット40と記載する。

0118

画像形成ユニット40は、像担持体1と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とを備える。画像形成ユニット40の中央位置に、像担持体1が設けられる。像担持体1は、矢符方向(反時計回り)に回転可能に設けられる。像担持体1の周囲には、帯電部42を基準として像担持体1の回転方向上流側から順に、帯電部42、露光部44、現像部46及び転写部48が設けられる。なお、画像形成ユニット40には、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。

0119

帯電部42は、像担持体1の表面を正極性に帯電する。帯電部42は、非接触方式又は接触方式の帯電部である。非接触方式の帯電部42としては、例えば、コロトロン帯電器又はスコロトロン帯電器が挙げられる。接触方式の帯電部42としては、例えば、帯電ローラー又は帯電ブラシが挙げられる。

0120

画像形成装置100は、帯電部42として帯電ローラーを備えることができる。像担持体1の表面を帯電するときに、帯電ローラーは像担持体1の表面と接触する。像担持体1の表面に微小成分が付着している場合には、接触した帯電ローラーによって微小成分が像担持体1の表面に押圧される。これにより、像担持体1の表面に微小成分が固着し易い。しかし、画像形成装置100は、記録媒体Pに由来する微小成分の付着により引き起こされる白点現象の発生を抑制可能な像担持体1を備えている。このため、画像形成装置100は、帯電部42として帯電ローラーを備える場合であっても、微小成分が像担持体1の表面に固着しにくく、白点現象の発生を抑制することができる。

0121

露光部44は、帯電された像担持体1の表面を露光する。これにより、像担持体1の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、画像形成装置100に入力された画像データに基づいて形成される。

0122

現像部46は、像担持体1の表面にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。

0123

現像部46は、像担持体1の表面を清掃することができる。すなわち、画像形成装置100は、いわゆるブレードクリーナーレス方式を採用することができる。現像部46は、像担持体1の表面に残留する成分(以下、残留成分と記載することがある)を除去することができる。残留成分の一例は、トナー成分であり、より具体的には、トナー又は遊離した外添剤である。残留成分の別の例は、非トナー成分(微小成分)であり、より具体的には、紙粉である。ブレードクリーナーレス方式を採用する画像形成装置100では、クリーニング部(例えば、クリーニングブレード)によって像担持体1の表面の残留成分が掻き取られない。そのため、ブレードクリーナーレス方式を採用する画像形成装置100では、通常、像担持体1の表面に残留成分が残り易い。しかし、像担持体1は、記録媒体Pに由来する微小成分の付着により引き起こされる白点現象の発生を抑制することができる。従って、このような像担持体1を備える画像形成装置100は、ブレードクリーナーレス方式を採用したとしても、像担持体1の表面に微小成分、特に紙粉が残りにくい。その結果、画像形成装置100は、白点現象の発生を抑制することができる。

0124

現像部46が像担持体1の表面を効率的に清掃するためには、以下に示す条件(a)及び条件(b)を満たすことが好ましい。
条件(a):接触現像方式を採用し、像担持体1と現像部46との間に周速(回転速度)差が設けられる。
条件(b):像担持体1の表面電位と、現像バイアス電位とが以下の数式(b−1)及び数式(b−2)を満たす。
0(V)<現像バイアスの電位(V)<像担持体1の未露光領域の表面電位(V)・・・(b−1)
現像バイアスの電位(V)>像担持体1の露光領域の表面電位(V)>0(V)・・・(b−2)

0125

条件(a)に示す接触現像方式を採用し、像担持体1と現像部46との間に周速差が設けられていると、像担持体1の表面は現像部46と接触し、像担持体1の表面の付着成分が現像部46との摩擦により除去される。現像部46の周速は、像担持体1の周速よりも速いことが好ましい。

0126

条件(b)では、トナーの帯電極性、像担持体1の未露光領域の表面電位、像担持体1の露光領域の表面電位及び現像バイアスの電位は、何れも正極性である場合を想定している。つまり、現像方式反転現像方式である場合を想定している。なお、像担持体1の未露光領域の表面電位及び露光領域の表面電位は、転写部48がトナー像を像担持体1から記録媒体Pへ転写した後、帯電部42が次周回の像担持体1の表面を帯電する前に測定される。

0127

条件(b)の数式(b−1)を満たすと、像担持体1に残留したトナー(以下、残留トナーと記載することがある)と像担持体1の未露光領域との間に作用する静電的斥力が、残留トナーと現像部46との間に作用する静電的斥力に比べ大きくなる。このため、像担持体1の未露光領域の残留トナーは、像担持体1の表面から現像部46へと移動し、回収される。

0128

条件(b)の数式(b−2)を満たすと、残留トナーと像担持体1の露光領域との間に作用する静電的斥力が、残留トナーと現像部46との間に作用する静電的斥力に比べ小さくなる。このため、像担持体1の露光領域の残留トナーは、像担持体1の表面に保持される。像担持体1の露光領域に保持されたトナーは、そのまま画像形成に使用される。

0129

転写ベルト50は、像担持体1と転写部48との間に記録媒体Pを搬送する。転写ベルト50は、無端状のベルトである。転写ベルト50は、矢符方向(時計回り)に回転可能に設けられる。

0130

転写部48は、現像部46によって現像されたトナー像を、像担持体1の表面から記録媒体Pへ転写する。像担持体1から記録媒体Pにトナー像が転写されるときに、像担持体1は記録媒体Pと接触している。すなわち、画像形成装置100は、いわゆる直接転写方式を採用する。転写部48としては、例えば、転写ローラーが挙げられる。

0131

画像形成ユニット40a〜40dの各々によって、転写ベルト50上の記録媒体Pに、複数色(例えば、ブラックシアンマゼンタ及びイエローの4色)のトナー像が順に重ねられる。なお、画像形成装置100がモノクロ画像形成装置である場合には、画像形成装置100は、画像形成ユニット40aを備え、画像形成ユニット40b〜40dは省略される。

0132

定着部52は、転写部48によって記録媒体Pに転写された未定着のトナー像を、加熱及び/又は加圧する。定着部52は、例えば、加熱ローラー及び/又は加圧ローラーである。トナー像を加熱及び/又は加圧することにより、記録媒体Pにトナー像が定着する。その結果、記録媒体Pに画像が形成される。

0133

以上、第二実施形態に係る画像形成装置を説明した。第二実施形態に係る画像形成装置は、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備えることで、白点現象の発生を抑制することができる。

0134

<第三実施形態:プロセスカートリッジ>
本発明の第三実施形態は、プロセスカートリッジに関する。第三実施形態に係るプロセスカートリッジは、第一実施形態に係る感光体を備える。

0135

引き続き図2を参照して、第三実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。プロセスカートリッジは、ユニット化された像担持体1を備える。プロセスカートリッジは、像担持体1に加えて、帯電部42、露光部44、現像部46及び転写部48からなる群より選択される少なくとも1つをユニット化した構成が採用される。プロセスカートリッジは、例えば、画像形成ユニット40a〜40dの各々に相当する。プロセスカートリッジには、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。プロセスカートリッジは、画像形成装置100に対して着脱自在に設計される。そのため、プロセスカートリッジは取り扱いが容易であり、像担持体1の感度特性等が劣化した場合に、像担持体1を含めて容易かつ迅速に交換することができる。

0136

以上、第三実施形態に係るプロセスカートリッジを説明した。第三実施形態に係るプロセスカートリッジは、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備えることで、白点現象の発生を抑制することができる。

0137

以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。

0138

<1.感光体の材料>
感光体の感光層を形成するための材料として、以下の電子輸送剤、正孔輸送剤、電荷発生剤及びバインダー樹脂を準備した。

0139

[1−1.電子輸送剤]
電子輸送剤として、ナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−5)を準備した。ナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−5)は、それぞれ以下の方法で製造した。

0140

[1−1−1.ナフトキノン誘導体(1−1)の製造]
反応式(r−1)及び反応式(r−2)で表される反応(以下、それぞれ反応(r−1)及び(r−2)と記載することがある)に従ってナフトキノン誘導体(1−1)を製造した。

0141

0142

反応(r−1)では、化学式(a1−1)で表される2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノンと、フタルイミドカリウム(a2)とを反応させて、2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノン(ジアミノナフトキノン(A))を得た。

0143

詳しくは、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン4.54g(0.020モル)と、フタルイミドカリウム7.40g(0.040モル)と、アセトニトリル100mLとをフラスコ投入し、アセトニトリル溶液を調製した。アセトニトリル溶液を加温し、80℃で5時間攪拌還流した。還流後の反応系を室温(約25℃)まで放冷し、生じた黄色固体(反応中間体)をろ取した。

0144

次いで、黄色固体に20質量%ヒドラジン水溶液200mLを加え、反応系を室温(約25℃)で30分間攪拌した。反応系を加温し、80℃付近で1時間攪拌した。熱時ろ過を行い、固体をろ取した。得られた固体を水洗後乾燥させて、2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノンを得た。2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノンの収量は、2.80gであり、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノンからの2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノンの収率は、74モル%であった。

0145

0146

反応(r−2)では、2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノン(ジアミノナフトキノン(A))と、化学式(B−1)で表されるジケトン誘導体(ジケトン誘導体(B−1))とを反応させて、ナフトキノン誘導体(1−1)を得た。

0147

詳しくは、2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノン1.88g(0.010モル)と、ジケトン誘導体(B−1)2.58g(0.010モル)と、エタノール100mLとをフラスコに投入し、エタノール溶液を調製した。エタノール溶液に酢酸0.30g(0.005モル)を加え、反応系を加温し、80℃で4時間攪拌還流した。還流後の反応系からエタノールを留去し、残渣を得た。展開溶媒としてクロロホルムを用い、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得られた残渣を精製して、ナフトキノン誘導体(1−1)を得た。ナフトキノン誘導体(1−1)の収量は、2.46gであり、2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノンからのナフトキノン誘導体(1−1)の収率は、60モル%であった。

0148

[1−1−2.ナフトキノン誘導体(1−2)〜(1−5)の製造]
反応(r−2)において以下の点を変更した以外は、ナフトキノン誘導体(1−1)の製造と同様の方法で、ナフトキノン誘導体(1−2)〜(1−5)をそれぞれ製造した。なお、ナフトキノン誘導体(1−2)〜(1−5)の製造において、反応(r−1)は、ナフトキノン誘導体(1−1)の製造における反応(r−1)と全く同一である。また、ナフトキノン誘導体(1−2)〜(1−5)の製造において、各原料は、ナフトキノン誘導体(1−1)の製造において対応する原料のモル数と同じモル数で添加した。

0149

表1に、反応(r−2)における2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノン(ジアミノナフトキノン(A))、ジケトン誘導体(B)及びナフトキノン誘導体(1)を示す。表1中、ナフトキノン誘導体(1)欄の1−1〜1−5は、それぞれナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−5)を示す。反応(r−2)で使用するジケトン誘導体(B−1)を、ジケトン誘導体(B−2)〜(B−5)の何れかに変更した。これらの結果、反応(r−2)において、ナフトキノン誘導体(1−1)の代わりに、それぞれナフトキノン誘導体(1−2)〜(1−5)が得られた。

0150

表1に、ナフトキノン誘導体(1)の収量及び収率を示す。なお、表1中、ジアミノナフトキノン(A)欄のAは、2,3−ジアミノ−1,4−ナフトキノンを示す。また、ジケトン誘導体(B)欄のB−1〜B−5は、それぞれジケトン誘導体(B−1)〜(B−5)を示す。ジケトン誘導体(B−2)〜(B−5)は、それぞれ下記化学式(B−2)〜(B−5)で表される。

0151

0152

0153

次に、プロトン核磁気共鳴分光計(日本分光株式会社製、270MHz)を用いて、製造したナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−5)の1H−NMRスペクトルを測定した。溶媒としてCDCl3を用いた。内部標準試料としてテトラメチルシランTMS)を用いた。これらのうち、ナフトキノン誘導体(1−4)を代表例として挙げる。

0154

図3は、ナフトキノン誘導体(1−4)の1H−NMRスペクトルを示す。図3中、縦軸信号強度(単位:任意単位)を示し、横軸化学シフト(単位:ppm)を示す。以下に、ナフトキノン誘導体(1−4)の化学シフト値を示す。
ナフトキノン誘導体(1−4):1H−NMR(270MHz,CDCl3) δ=8.36−8.43(m,2H)、7.83−7.90(m,2H)、3.00(d,2H)、2.86(s,2H)、2.36(m,1H)、1.02(d,6H).

0155

1H−NMRスペクトル及び化学シフト値により、ナフトキノン誘導体(1−4)が得られていることを確認した。他のナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−3)及び(1−5)も同様にして、1H−NMRスペクトル及び化学シフト値により、それぞれナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−3)及び(1−5)が得られていることを確認した。

0156

[1−1−3.化合物(E−1)〜(E−3)の準備]
電子輸送剤として、化合物(E−1)〜(E−3)を準備した。

0157

[1−2.正孔輸送剤]
正孔輸送剤として、第一実施形態で説明した化合物(H−1)を準備した。

0158

[1−3.電荷発生剤]
電荷発生剤として、第一実施形態で説明した化合物(C−1)を準備した。化合物(C−1)は、化学式(C−1)で表される無金属フタロシアニン(X型無金属フタロシアニン)である。また、化合物(C−1)の結晶構造はX型である。

0159

[1−4.バインダー樹脂]
バインダー樹脂として、第一実施形態で説明したポリカーボネート樹脂(R−1)及び(R−2)を準備した。

0160

<2.単層型感光体の製造>
感光層を形成するための材料を用いて、単層型感光体(A−1)〜(A−10)及び単層型感光体(B−1)〜(B−6)を製造した。

0161

[2−1.単層型感光体(A−1)の製造]
容器内に、電荷発生剤としての化合物(C−1)3質量部と、正孔輸送剤としての化合物(H−1)55質量部と、電子輸送剤としてのナフトキノン誘導体(1−1)30質量部と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(R−1)100質量部と、溶剤としてのテトラヒドロフラン600質量部とを投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて12時間混合して、溶剤に材料を分散させた。これにより、感光層用塗布液を得た。感光層用塗布液を、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体上に、ディップコート法を用いて塗布した。塗布した感光層用塗布液を、120℃で80分間熱風乾燥させた。これにより、導電性基体上に、感光層(単層型感光層、膜厚30μm)を形成した。その結果、単層型感光体(A−1)が得られた。

0162

[2−2.単層型感光体(A−2)〜(A−10)及び単層型感光体(B−1)〜(B−6)の製造]
以下の点を変更した以外は、単層型感光体(A−1)の製造と同様の方法で、単層型感光体(A−2)〜(A−10)及び単層型感光体(B−1)〜(B−6)をそれぞれ製造した。導電性基体上に形成した感光層の膜厚は、何れも30μmであった。

0163

単層型感光体(A−1)の製造に用いた電子輸送剤としてのナフトキノン誘導体(1−1)を、表2に示す種類の電子輸送剤に変更した。単層型感光体(A−1)の製造に用いたバインダー樹脂を、表2に示す種類のバインダー樹脂に変更した。なお、表2に感光体(A−1)〜(A−10)及び感光体(B−1)〜(B−6)の構成を示す。表2中、樹脂、CGMHTM及びETMは、それぞれバインダー樹脂、電荷発生剤、正孔輸送剤及び電子輸送剤を示す。表2中、樹脂欄のR−1及びR−2は、それぞれポリカーボネート樹脂(R−1)及び(R−2)を示す。CGM欄のx−H2Pcは、X型無金属フタロシアニン(化合物(C−1))を示す。HTM欄のH−1は、化合物(H−1)を示す。ETM欄の1−1〜1−5及びE−1〜E−3は、それぞれナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−5)及び化合物(E−1)〜(E−3)を示す。

0164

<3.感光体の評価>
[3−1.単層型感光体の電気特性(感度特性)の評価]
製造した単層型感光体(A−1)〜(A−10)及び単層型感光体(B−1)〜(B−6)のそれぞれに対して、電気特性(感度特性)を評価した。電気特性の評価は、温度23℃及び湿度50%RH(相対湿度)の環境下で行った。

0165

ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、単層型感光体の表面を正極性に帯電させた。帯電条件を、単層層型感光体回転数31rpmに設定した。帯電直後の単層型感光体の表面電位を+600Vに設定した。次いで、バンドパスフィルターを用いて、ハロゲンランプ白色光から単色光(波長780nm、半値幅20nm、光エネルギー1.5μJ/cm2)を取り出した。取り出された単色光を、単層型感光体の表面に照射した。照射が終了してから0.5秒経過した時の単層型感光体の表面電位を測定した。測定された表面電位を、露光後電位(VL、単位:V)とした。測定された単層型感光体の露光後電位(VL)を、表2に示す。なお、露光後電位(VL)の絶対値が小さいほど、単層型感光体の感度特性が優れていることを示す。

0166

[3−2.単層型感光体の電気特性(摩擦帯電性)の評価]
感光層と炭酸カルシウムとを摩擦させたときの炭酸カルシウムの帯電量(摩擦帯電量)を測定した。炭酸カルシウムは、紙粉の主成分である。以下、図4を参照して、感光層と炭酸カルシウムとを摩擦させたときの炭酸カルシウムの摩擦帯電量を測定する方法を説明する。図4は、摩擦帯電量の測定装置の概要を示す。炭酸カルシウムの摩擦帯電量は、下記の第一ステップ、第二ステップ、第三ステップ及び第四ステップを行うことにより測定した。炭酸カルシウムの摩擦帯電量の測定には、治具10を使用した。

0167

図4に示すように、治具10は、第一台12と、回転シャフト14と、回転駆動部16(例えば、モーター)と、第二台18とを備えている。回転駆動部16は、回転シャフト14を回転する。回転シャフト14は、回転シャフト14の回転軸Sを中心に回転する。第一台12は、回転シャフト14と一体になって、回転軸Sを中心に回転する。第二台18は、回転することなく固定されている。

0168

(第一ステップ)
第一ステップでは、感光層を2個準備した。以下、感光層の一方を第一感光層30と記載し、感光層の他方を第二感光層32と記載する。上述の単層型感光体(A−1)〜(A−10)及び単層型感光体(B−1)〜(B−6)の何れかを作製する際に調製した単層型感光層用塗布液を、アルミパイプ(直径:78mm)に巻きつけたオーバーヘッドプロジェクタシート(以下、OHPシートと記載することがある)に塗布した。塗布した塗布液を、120℃で80分間乾燥した。これにより、膜厚30μmの感光層が形成された摩擦帯電性評価用のシートを作製した。その結果、第一感光層30(膜厚L1:30μm)と第一OHPシート20とを備える第一シート及び第二感光層32(膜厚L2:30μm)と第二OHPシート22とを備える第二シートを得た。第一OHPシート20及び第二OHPシート22の大きさは、それぞれ、縦5cm及び横5cmであった。

0169

(第二ステップ)
第二ステップでは、炭酸カルシウム0.007gを第一感光層30上に乗せた。そして、炭酸カルシウムの層24上に第二感光層32を載せた。具体的な手順は以下の通りであった。

0170

まず、両面テープを用いて第一OHPシート20と第一台12とを接着させ、第一シートを第一台12に固定した。両面テープを用いて第二OHPシート22と第二台18とを接着させ、第二シートを第二台18に固定した。第一シートが備える第一感光層30上に、0.007gの炭酸カルシウムを載せ、膜厚が均一になるようにして、炭酸カルシウムの層24を形成した。炭酸カルシウムの量は、第三ステップにおいて回転時間60秒間で、第一感光層30及び第二感光層32との間で炭酸カルシウムが十分にかつ万遍なく摩擦され、炭酸カルシムが十分にかつ万遍なく帯電できる量である。炭酸カルシウムの層24は、第三ステップにおける回転駆動部16の駆動により、第一感光層30と第二感光層32との間から溺れ落ちないように回転軸Sを中心に第一感光層30の内側に形成されている。そして、第一感光層30と第二感光層32とが炭酸カルシウムの層24を介して対向するように、第二感光層32と炭酸カルシウムの層24とを接触させて炭酸カルシウムの層24上に第二感光層32を載せた。これにより、下から順に、第一台12、第一OHPシート20、第一感光層30、炭酸カルシウムの層24、第二感光層32、第二OHPシート22及び第二台18が配置された。第一台12、第一OHPシート20、第一感光層30、炭酸カルシウムの層24、第二感光層32、第二OHPシート22及び第二台18の各中心が、回転軸Sを通るように配置された。

0171

(第三ステップ)
第三ステップでは、温度23℃及び湿度50%RHの環境下で、第二感光層32を固定したまま、回転速度60rpmで60秒間、第一感光層30を回転させた。具体的には、回転シャフト14、第一台12、第一OHPシート20及び第一感光層30を、回転速度60rpmで60秒間、回転軸Sを中心に回転させるように回転駆動部16を駆動させた。これにより、炭酸カルシウムが第一感光層30との間及び第二感光層32との間で摩擦され、炭酸カルシウムが帯電した。

0172

(第四ステップ)
第四ステップでは、第三ステップで帯電させた炭酸カルシウムを治具10から取出し、帯電量測定装置吸引式小型帯電量測定装置、トレック社製「MODEL 212HS」)を用いて吸引した。吸引された炭酸カルシウムの総電気量Q(単位:μC)と質量M(単位:g)とを、帯電量測定装置を用いて測定した。式「摩擦帯電量=Q/M」から、炭酸カルシウムの摩擦帯電量(単位:μC/g)を算出した。

0173

測定された炭酸カルシウムの摩擦帯電量を表2に示す。なお、炭酸カルシウムの摩擦帯電量が大きい正の値であるほど、炭酸カルシウムは第一感光層30及び第二感光層32に対して正帯電し易いことを示す。また、炭酸カルシウムの摩擦帯電量が大きい正の値であるほど、炭酸カルシウムに対して第一感光層30及び第二感光層32は負帯電し易いことを示す。

0174

[3−3.画像特性の評価(白点個数の測定)]
単層型感光体(A−1)〜(A−10)及び単層型感光体(B−1)〜(B−6)のそれぞれに対して、画像特性を評価した。画像特性の評価は、温度32.5℃及び湿度80%RHの環境下で行った。評価機として、画像形成装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「モノクロプリンターFS−1300D」)を用いた。この画像形成装置は、接触現像方式、直接転写方式及びブレードクリーニングレス方式を採用する。この画像形成装置では、帯電部としてスコロトロン帯電器が備えられている。記録媒体として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社販売「京セラドキュメントソリューションズブランド紙VM−A4」(A4サイズ)を使用した。評価機による評価には、一成分現像剤試作品)を使用した。

0175

評価機を用いて、単層型感光体の回転速度168mm/秒の条件で、20000枚の記録媒体に画像I(印字率1%の画像)を連続して印刷した。続いて、1枚の記録媒体に画像II(黒ソリッド画像、縦297mm×横210mm A4サイズ)を印刷した。画像IIが形成された記録媒体を肉眼で観察し、形成画像における画像不良の有無を観察した。画像不良として、黒ソリッド画像内に現れる白点の数を数えた。感光体に紙粉が付着すると、黒ソリッド画像内に白点が現れる傾向がある。黒ソリッド画像内に現れる白点の数を表2に示す。白点の数が少ないほど、紙粉の付着に起因した画像不良の発生(白点現象の発生)が抑制されていることを示す。

0176

0177

表2に示すように、感光体(A−1)〜(A−10)では、感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤としてナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−5)の何れか1種とを含有している。ナフトキノン誘導体(1−1)〜(1−5)は、ナフトキノン誘導体(1)である。感光体(A−1)〜(A−10)では、炭酸カルシウムの摩擦帯電量が+9.0μC/g以上+9.4μC/g以下である。また、感光体(A−1)〜(A−10)では、白点の個数が26個以上34個以下である。

0178

表2に示すように、感光体(B−1)〜(B−6)では、感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤として化合物(E−1)〜(E−3)の何れか1種とを含有している。化合物(E−1)〜(E−3)は、ナフトキノン誘導体(1)ではない。感光体(B−1)〜(B−6)では、炭酸カルシウムの摩擦帯電量が+5.3μC/g以上+6.9μC/g以下、すなわち、+7μC/g未満である。また、感光体(B−1)〜(B−6)では、白点の個数が44個以上100個以下である。

0179

ナフトキノン誘導体(1)を含有する感光層を備えた感光体(A−1)〜(A−10)は、ナフトキノン誘導体(1)ではない化合物(E−1)〜(E−3)を含有する感光層を備えた感光体(B−1)〜(B−6)よりも、白点現象の発生を抑制できることが明らかである。また、感光体(A−1)〜(A−10)を備える画像形成装置は、感光体(B−1)〜(B−6)を備える画像形成装置よりも、白点現象の発生を抑制できることが明らかである。

実施例

0180

表2に示すように、感光体(A−1)〜(A−10)の中でも、感光体(A−9)及び(A−10)では、感光層は、電子輸送剤としてナフトキノン誘導体(1−5)を含有している。ナフトキノン誘導体(1−5)は、複数のハロゲン原子で置換されているフェニル基と、アルキル基とを有するナフトキノン誘導体(1)である。感光体(A−9)及び(A−10)では、白点の個数がそれぞれ28個及び26個である。これにより、感光層が、ハロゲン原子で置換されているフェニル基と、アルキル基とを有するナフトキノン誘導体(1)を電子輸送剤として含有しており、この感光層を備えた感光体(A−9)及び(A−10)は、白点現象の発生を抑制する効果が特に大きいことが明らかである。

0181

本発明に係る感光体及びプロセスカートリッジは、画像形成装置に利用することができる。本発明に係る画像形成装置は、複写機プリンターに利用することができる。

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