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技術 光ファイバ走査システム、および内視鏡システム

出願人 オリンパス株式会社
発明者 登坂裕司緒方雅紀
出願日 2016年1月28日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2017-563474
公開日 2018年10月4日 (2ヶ月経過) 公開番号 WO2017-130352
状態 未査定
技術分野 内視鏡 孔内観察装置 機械的光走査系
主要キーワード 磁界発生ユニット ラスター走査方式 軸磁石 組コイル 回転対称位置 軸駆動ユニット 磁石磁界 巻き線数
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図面 (19)

課題・解決手段

光ファイバ走査システム1は、磁石12が配設されている光ファイバ13と、駆動電力信号により発生する駆動磁界を前記磁石12に印加する駆動コイル30と、磁界変化に応じた検出信号を出力する検出コイル20と、を有する光ファイバ走査装置10と、検出信号にもとづいて駆動電力信号をフィードバック制御する制御部53と、を具備し、駆動信号を出力する信号出力部51と、駆動信号を駆動電力信号に変換する電圧電流変換部52と、検出信号から駆動磁界変化に応じた駆動磁界信号を除去し、磁石移動に応じた磁石磁界信号を出力する補正部54と、を更に具備し、駆動コイル30および検出コイル20が平面スパイラルコイルであり、制御部53が磁石磁界信号にもとづいて信号出力部51を制御する。

概要

背景

CCD、またはCMOSイメージセンサ等の撮像素子を用いた撮像装置は、被検体からの反射光マトリックス状に配置された多数の受光素子により同時に受光し、被写体画像を取得する。暗い体内撮影する内視鏡の場合には、光源からの光により照明された範囲の画像が取得される。

これに対して、光ファイバ走査装置具備する撮像装置では、被写体を光スポットによりスキャン照射しながら、その反射光を1つの受光素子で順に受光し、その受光データをもとに被写体画像が作成される。

日本国特開2008−116922号公報には、磁力を用いた光ファイバ走査装置が開示されている。この光ファイバ走査装置では、円筒内に対向配置された駆動コイルセンサコイルとを含む磁界発生ユニット中心軸に沿って、磁石が配設された光ファイバが配置されている。センサコイルが検出した磁界変化にもとづき、磁石の振動状態、すなわち光ファイバの走査状態を検出し、駆動コイルへの駆動信号フィードバック制御される。

しかし、上記従来の光ファイバ走査装置では、駆動コイルおよびセンサコイルは、塊状のバルクの磁性体コアにバルクの導線巻回しソレノイド型コイルであるため、細径化は容易ではなかった。また、駆動コイルは光ファイバの一方の側面側にしか配置できない。このため、駆動に必要な磁界を磁石に印加するには、駆動コイルに大きな駆動電力を供給する必要があった。

なお、日本国特開2014−81484号公報には、基板上に形成された平面スパイラルコイルからなる駆動コイルを有する光ファイバ走査装置が開示されている。

概要

光ファイバ走査システム1は、磁石12が配設されている光ファイバ13と、駆動電力信号により発生する駆動磁界を前記磁石12に印加する駆動コイル30と、磁界変化に応じた検出信号を出力する検出コイル20と、を有する光ファイバ走査装置10と、検出信号にもとづいて駆動電力信号をフィードバック制御する制御部53と、を具備し、駆動信号を出力する信号出力部51と、駆動信号を駆動電力信号に変換する電圧電流変換部52と、検出信号から駆動磁界変化に応じた駆動磁界信号を除去し、磁石移動に応じた磁石磁界信号を出力する補正部54と、を更に具備し、駆動コイル30および検出コイル20が平面スパイラルコイルであり、制御部53が磁石磁界信号にもとづいて信号出力部51を制御する。

目的

本発明の実施形態は、細径の光ファイバ走査装置を具備する効率的で安定したスキャン照射を行う光ファイバ走査システム、および細径の光ファイバ走査装置を挿入部の先端硬性部に具備する内視鏡を含む、効率的で安定したスキャン照射を行う内視鏡システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

筒状の筐体中心軸に沿って配置されており、自由端から光を出射する、磁石が配設されている光ファイバと、入力された駆動電力信号により発生する駆動磁界を前記磁石に印加し、前記光ファイバの前記自由端を駆動する駆動コイルと、磁界の変化に応じた誘導起電力信号である検出信号を出力する検出コイルと、を有する光ファイバ走査装置と、電圧制御された駆動信号を出力する信号出力部と、前記検出信号にもとづいて、前記駆動電力信号をフィードバック制御する制御部と、を具備する光ファイバ走査システムであって、前記駆動信号を、電流制御された前記駆動電力信号に変換し出力する電圧電流変換部と、前記検出信号から、前記駆動磁界の変化に応じた駆動磁界信号を除去し、前記磁石の移動による磁石磁界の変化に応じた磁石磁界信号を出力する補正部と、を更に具備し、前記駆動コイルおよび前記検出コイルが、平面スパイラルコイルであり、前記制御部が、前記磁石磁界信号にもとづいて、前記信号出力部を制御することを特徴とする光ファイバ走査システム。

請求項2

前記駆動コイルと前記検出コイルとを含む組コイルが、前記光ファイバをはさん回転対称位置に4組配設されており、対向配置されている2組の組コイルの前記駆動コイルが直列接続されており、前記対向配置されている2組の組コイルの前記検出コイルが直列接続されており、2つの前記検出コイルが出力する前記検出信号が加算されて出力され、前記補正部が、加算された前記検出信号から前記駆動磁界信号を除去し前記磁石磁界信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ走査システム。

請求項3

前記補正部が前記駆動信号をキャンセル信号に変換し出力するキャンセル信号発生部を有し、前記補正部が前記加算された検出信号と前記キャンセル信号とから前記磁石磁界信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ走査システム。

請求項4

前記キャンセル信号発生部が、前記磁石が移動しない状態において前記磁石磁界信号がゼロになるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ走査システム。

請求項5

前記補正部が、位相が調整された前記キャンセル信号を発生する位相調整部を含むことを特徴とする請求項2または請求項4に記載の光ファイバ走査システム。

請求項6

前記補正部が、前記磁石磁界信号を積分して、前記磁石の位置を示す位置信号を出力する積分部を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光ファイバ走査システム。

請求項7

前記4組の組コイルが、対向配置されている第1の組コイルと第2の組コイルと、対向配置されている第3の組コイルと第4の組コイルと、により構成されており、前記補正部が、前記第1の組コイルおよび前記第2の組コイルの前記検出コイルが出力する前記検出信号から、前記第3の組コイルおよび前記第4の組コイルの前記駆動コイルが発生する前記駆動磁界の変化に応じた第2の駆動磁界信号を除去することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の光ファイバ走査システム。

請求項8

前記補正部が、前記第3の組コイルおよび前記第4の組コイルが発生する前記駆動磁界による前記磁石の移動による前記磁石磁界の変化に応じた第2の磁石磁界信号を除去することを特徴とする請求項7に記載の光ファイバ走査システム。

請求項9

前記駆動信号が、正弦波信号であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光ファイバ走査システム。

請求項10

請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光ファイバ走査装置を、内視鏡の挿入部の先端硬性部に具備することを特徴とする内視鏡システム

技術分野

0001

本発明は、自由端から光を出射する、磁石が配設されている光ファイバと、駆動電力信号により発生する駆動磁界を前記磁石に印加する駆動コイルと、磁界の変化に応じた検出信号を出力する検出コイルと、を有する光ファイバ走査装置と、検出信号にもとづいて前記駆動電力信号をフィードバック制御する制御部と、を具備する光ファイバ走査システム、および前記光ファイバ走査装置を内視鏡の挿入部の硬性先端部に具備する内視鏡システムに関する。

背景技術

0002

CCD、またはCMOSイメージセンサ等の撮像素子を用いた撮像装置は、被検体からの反射光マトリックス状に配置された多数の受光素子により同時に受光し、被写体画像を取得する。暗い体内撮影する内視鏡の場合には、光源からの光により照明された範囲の画像が取得される。

0003

これに対して、光ファイバ走査装置を具備する撮像装置では、被写体を光スポットによりスキャン照射しながら、その反射光を1つの受光素子で順に受光し、その受光データをもとに被写体画像が作成される。

0004

日本国特開2008−116922号公報には、磁力を用いた光ファイバ走査装置が開示されている。この光ファイバ走査装置では、円筒内に対向配置された駆動コイルとセンサコイルとを含む磁界発生ユニット中心軸に沿って、磁石が配設された光ファイバが配置されている。センサコイルが検出した磁界変化にもとづき、磁石の振動状態、すなわち光ファイバの走査状態を検出し、駆動コイルへの駆動信号がフィードバック制御される。

0005

しかし、上記従来の光ファイバ走査装置では、駆動コイルおよびセンサコイルは、塊状のバルクの磁性体コアにバルクの導線巻回しソレノイド型コイルであるため、細径化は容易ではなかった。また、駆動コイルは光ファイバの一方の側面側にしか配置できない。このため、駆動に必要な磁界を磁石に印加するには、駆動コイルに大きな駆動電力を供給する必要があった。

0006

なお、日本国特開2014−81484号公報には、基板上に形成された平面スパイラルコイルからなる駆動コイルを有する光ファイバ走査装置が開示されている。

先行技術

0007

特開2008−116922号公報
特開2014−81484号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の実施形態は、細径の光ファイバ走査装置を具備する効率的で安定したスキャン照射を行う光ファイバ走査システム、および細径の光ファイバ走査装置を挿入部の先端硬性部に具備する内視鏡を含む、効率的で安定したスキャン照射を行う内視鏡システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

実施形態の光ファイバ走査システムは、筒状の筐体の中心軸に沿って配置されており、自由端から光を出射する、磁石が配設されている光ファイバと、入力された駆動電力信号により発生する駆動磁界を前記磁石に印加し、前記光ファイバの前記自由端を駆動する駆動コイルと、磁界の変化に応じた誘導起電力信号である検出信号を出力する検出コイルと、を有する光ファイバ走査装置と、電圧制御された駆動信号を出力する信号出力部と、前記検出信号にもとづいて、前記駆動電力信号をフィードバック制御する制御部と、を具備する光ファイバ走査システムであって、前記駆動信号を、電流制御された前記駆動電力信号に変換し出力する電圧電流変換部と、前記検出信号から、前記駆動磁界の変化に応じた駆動磁界信号を除去し、前記磁石の移動による磁石磁界の変化に応じた磁石磁界信号を出力する補正部と、を更に具備し、前記駆動コイルおよび前記検出コイルが、平面スパイラルコイルであり、前記制御部が、前記磁石磁界信号にもとづいて、前記信号出力部を制御する。

0010

また、別の実施形態の内視鏡システムは、光ファイバ走査システムの光ファイバ走査装置を内視鏡の挿入部の先端硬性部に具備し、前記光ファイバ走査システムは筒状の筐体の中心軸に沿って配置されており、自由端から光を出射する、磁石が配設されている光ファイバと、入力された駆動電力信号により発生する駆動磁界を前記磁石に印加し、前記光ファイバの前記自由端を駆動する駆動コイルと、磁界の変化に応じた誘導起電力信号である検出信号を出力する検出コイルと、を有する光ファイバ走査装置と、電圧制御された駆動信号を出力する信号出力部と、前記検出信号にもとづいて、前記駆動電力信号をフィードバック制御する制御部と、を具備する光ファイバ走査システムであって、前記駆動信号を、電流制御された前記駆動電力信号に変換し出力する電圧−電流変換部と、前記検出信号から、前記駆動磁界の変化に応じた駆動磁界信号を除去し、前記磁石の移動による磁石磁界の変化に応じた磁石磁界信号を出力する補正部と、を更に具備し、前記駆動コイルおよび前記検出コイルが、平面スパイラルコイルであり、前記制御部が、前記磁石磁界信号にもとづいて、前記信号出力部を制御する。

発明の効果

0011

本発明の実施形態によれば、細径の光ファイバ走査装置を具備する効率的で安定したスキャン照射を行う光ファイバ走査システム、および細径の光ファイバ走査装置を挿入部の先端硬性部に具備する内視鏡を含む、効率的で安定したスキャン照射を行う内視鏡システムを提供できる。

図面の簡単な説明

0012

第1実施形態の光ファイバ走査システムの光ファイバ走査装置の中心軸に沿った断面図である。
第1実施形態の光ファイバ走査システムの光ファイバ走査装置の図1のII−II線に沿った断面図である。
第1実施形態の光ファイバ走査システムの組コイルの分解図である。
第1実施形態の光ファイバ走査システムの組コイルの分解図である。
第1実施形態の光ファイバ走査システムの組コイルの断面図である。
第1実施形態の光ファイバ走査システムの駆動コイル(検出コイル)の上面図である。
第1実施形態の光ファイバ走査システムの組コイルの接続図である。
第1実施形態の光ファイバ走査システムの構成図である。
第1実施形態の光ファイバ走査システムの信号波形等を示す図である。
第1実施形態の変形例1の光ファイバ走査システムの補正部の構成図である。
第1実施形態の変形例2の光ファイバ走査システムの補正部の構成図である。
第1実施形態の変形例3の光ファイバ走査システムの補正部の構成図である。
第2実施形態の光ファイバ走査システムの構成図である。
第2実施形態の光ファイバ走査システムの信号波形等を示す図である。
第3実施形態の光ファイバ走査システムの構成図である。
第3実施形態の光ファイバ走査システムの信号波形等を示す図である。
第4実施形態の光ファイバ走査システムを含む内視鏡システムの斜視図である。
第4実施形態の光ファイバ走査システムを含む内視鏡システムの構成図である。

実施例

0013

<第1実施形態>
最初に本実施形態の光ファイバ走査システム1の光ファイバ走査装置10について説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、一部の構成要素の図示、符号の付与は省略する場合がある。

0014

図1および図2に示すように、光ファイバ走査装置10は、筒状の筐体11と、光ファイバ13と、光ファイバ13に配設されている磁石12と、組コイル41〜44と、照明光学系14と、を具備する。光ファイバ13は筐体11の中心軸O(Z軸方向)に沿って配置されている。

0015

筐体11はアルミニウム等の非磁性金属または樹脂からなる。筒状の筐体11には、中心軸Oに直交する断面(XY面)が正方形中空部がある。例えば、筐体11は外径が1mm以上10mm以下で、壁の厚さは、10μm以上1000μm以下である。筐体は、外面の角部が曲面加工面取り加工されている直方体、または、円筒形であってもよい。

0016

光ファイバ13は、光源ユニット(不図示)からの光を導光し、自由端13T2から照明光を出射する。照明光は、複数のレンズからなる照明光学系14を介して、被写体をスポット照射する。

0017

例えば、SmCo合金からなる磁石12は筒型長軸方向(光軸方向:Z軸方向)に着磁されている。光ファイバ13は、保持部材フェルール)15の貫通孔H15を挿通接合されている。保持部材15との接合部(固定端13T1)が固定されている片持ち状態の光ファイバ13の自由端13T2は、固定端13T1を基点上下左右にXY平面内を移動可能である。

0018

4組の組コイル41〜44は、筐体11の内部の、光ファイバ13をはさん回転対称位置に配設されている。なお、以下、組コイル41〜44のそれぞれを組コイル40という。

0019

図3図4A図4Bに示すように、組コイル40は、積層されている検出コイル(detection coil)20と駆動コイル(drive coil)30とを含む。検出コイル20および駆動コイル30は、平面状に巻回された薄膜導体により構成されている平面スパイラルコイルである。

0020

図5に示すように、第1のコイル基板31に配設されている駆動コイル30は巻線部32の両端部に、それぞれ電極パッド32Sを有する。

0021

平面スパイラルコイルは、例えば、フォトレジストおよびフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法により作製した精度の高いレジストマスクを用いて、アディテイブ法またはサブトラクト法等によりパターニングすることで作製される。アディテイブ法では、例えば、銅めっき法により薄膜導体がパターン成膜される。サブトラクト法では、導体膜エッチングによりパターニングされる。

0022

例えば、シリコンからなる第1のコイル基板31の上に酸化シリコン等からなる絶縁層(不図示)を介して配設されたスパイラル形状の駆動コイル30の巻線部32は、ポリイミドまたはエポキシ等の樹脂からなる絶縁層32Rで覆われている。電極パッド32Sの上の絶縁層32Rにはコンタクトホールがある。

0023

なお、駆動コイル30では巻線部32の中央部にも電極パッド32Sが配置されている。駆動コイル30は、電極パッド32Sを巻線部32の周辺に設けるために、更に1層の絶縁層/引き出し配線を有していてもよいし、後述するように絶縁層を介して複数の平面コイルが積層された多層コイルであってもよい。

0024

駆動コイル30の電極パッド32Sは、第1の配線板33のバンプ33Bと半田接合されている。

0025

図4Bに示すように、駆動コイル30は、第1の配線板33を介して駆動電力信号を受電すると、コイルの平面に対して垂直方向の磁界M(図4B参照)を発生する。スパイラルコイルである駆動コイル30が発生する磁界Mは、巻線部32の中心C30において最大となる。

0026

検出コイル20は、駆動コイル30と同様の構成である。すなわち、第2のコイル基板21に配設されている検出コイル20は両端部に、それぞれ電極パッド22Sを有する。検出コイル20の電極パッド22Sは、第2の配線板23のバンプ23Bと半田接合されている。

0027

検出コイル20は、磁界が変化すると、それに応じて誘導起電力信号を出力する。誘導起電力信号は第2の配線板23を介して伝送される。

0028

なお、検出コイル20は駆動コイル30と異なる構成でもよい。すなわち、検出コイル20は、駆動コイル30のような大電力を受電することはない。このため、検出コイル20は、例えば、銅めっき膜からなる駆動コイル30よりも電気抵抗の大きな、例えば、スパッタ法により配設されたアルミニウム薄膜パターンであってもよい。また、検出コイル20の巻き線数ターン数)は、駆動コイル30の巻き線数よりも多いことが検出感度向上のために好ましい。

0029

そして、光ファイバ走査装置10では、第1の配線板33、駆動コイル30、第1のコイル基板31、第2のコイル基板21、検出コイル20、第2の配線板23、が順に積層され組コイル40を構成している。

0030

なお、図4Bは、図4Aと同じ構成の組コイル40の構成を簡略して図示した例を示している。例えば、巻線部32等を簡略化するとともに、巻線部32の中心C30を、駆動コイル30の中心に図示している。なお、すでに説明に用いた図1図3においても簡略して図示している。

0031

駆動コイル30と検出コイル20とは、それぞれの中心C30、C20が略一致するように積層され、コイル基板21とコイル基板21とが接着されて、組コイル40を構成している、すなわち、駆動コイル30と検出コイル20とが重畳するように積層されている。

0032

なお、光ファイバ走査装置10では、駆動電力信号の強度を小さくするために、筐体11の中心側(内側)に駆動コイル30が位置するように組コイル40が配置されている。しかし、筐体11の中心側に検出コイル20が位置するように組コイル40が配置されていてもよい。

0033

すでに説明したように、駆動コイル30は駆動電力信号を受電すると、コイルの平面に垂直方向の磁界Mを発生する。磁界Mの強度は、駆動電力信号の電流値およびスパイラルコイルの巻数(ターン数)等により設定される。コイル内を流れる駆動電力信号の方向が反転すると、発生する磁界の方向は反転する。

0034

図2に示すように、光ファイバ走査装置10では、4組の組コイル41〜44が回転対称位置に配置されている。すなわち、第1の組コイル41と第2の組コイル42とは対向位置に、第3の組コイル43と第4の組コイル44とは対向位置に配置されている。

0035

このため、組コイル41および組コイル42の駆動コイル30は、Y軸方向の磁界を発生し、組コイル43および組コイル44の駆動コイル30は、X軸方向の磁界を発生する。

0036

光ファイバ13(磁石12)は、4つの駆動コイル30から等距離、すなわち筐体11の中空部の中心に配置されている。

0037

次に、光ファイバ走査装置10の駆動方法について簡単に説明する。

0038

組コイル41(駆動コイル30)に駆動電力信号が供給されると、例えば、内面側がN極の磁界が発生する。同時に、組コイル42に駆動電力信号が供給されると、例えば、内面側がS極の磁界が発生する。すなわち、対向配置されている組コイル41と組コイル42とは、内面側に異なる磁極の磁界を発生する。

0039

このため、磁界内に配置されている磁石12の例えば前方のN極端は、Y軸上方向引き上げられる。このため、光ファイバ13の自由端13T2もY軸上方向に移動する。

0040

一方、組コイル41、42に逆方向の駆動電力信号が供給されると、内面側がS極の磁界が発生する。すると、磁石12のN極端は、Y軸下方向に引き下げられる。このため、光ファイバ13の自由端もY軸下方向に移動する。

0041

組コイル41、42に供給する駆動電力信号の方向を制御する、すなわち、電流制御された交流信号である駆動電力信号Iyを供給することにより、光ファイバ13の自由端は、Y軸方向に振動走査される。同様に、組コイル43、44に供給する駆動電力信号Ixの方向を制御することにより、光ファイバ13の自由端は、Y軸方向と直交するX軸方向に走査される。

0042

4組の組コイル41〜44に供給する駆動電力信号の方向を制御することにより、光ファイバ13の自由端は、XY平面内を2次元走査される。その結果、光ファイバ13の自由端から出射された光スポットは、2次元走査される。走査幅は駆動電力信号強度により制御される。

0043

2次元走査方式としては、スパイラル走査方式、ラスター走査方式、またはリサージュ方式が、画像処理が容易であるため好ましい。

0044

なお、磁石12の後側に駆動磁界が印加されるように、磁石12および組コイル40を配置してもよい。

0045

そして、図6に示すように、対向配置されている2組の組コイルの駆動コイルは直列接続されている。例えば、第1の組コイル41の駆動コイル30Aと第2の組コイル42の駆動コイル30Bとは直列接続されている。また。対向配置されている2組の組コイルの検出コイルは直列接続されている。例えば、第1の組コイル41の検出コイル20Aと第2の組コイル42の検出コイル20Bとは直列接続されている。

0046

なお、対向配置されている駆動コイル30Aと駆動コイル30Bとの直列接続では、発生する磁界の方向が同じになるように、例えば駆動コイル30Aの外周部の電極パッド32Sと、駆動コイル30Bの中央部の電極パッド32Sとが接続されている。電圧−電流変換部52(図7参照)から、駆動コイル30Aの内周部の電極パッド32Sに駆動電力信号が入力される。

0047

これに対して、対向配置されている検出コイル20Aと検出コイル20Bとの直列接続では、2つの検出コイル20が出力する検出信号が加算されて出力されるように、例えば検出コイル20Aの外周部の電極パッド22Sと、検出コイル20Bの外周部の電極パッド22Sとが接続されている。検出コイル20Aの外周部の電極パッド22Sから出力される加算された検出信号は、補正部54の演算部55(図7参照)に入力する。

0048

第3の組コイル43の駆動コイル30Cと第4の組コイル44の駆動コイル30Dは直列接続されている。また、第3の組コイル43の検出コイル20Cと第4の組コイル44の検出コイル20Dも直列接続されている。駆動コイル30Cには電圧−電流変換部52X(図7参照)から駆動電力信号が入力され、検出コイル20Cは補正部54Xの演算部55X(図7参照)に検出信号を出力する。

0049

図7に示すように実施形態の光ファイバ走査システム1は、磁石12が配設されている光ファイバ13と、駆動コイル30A〜30Dと、検出コイル20A〜20Dと、を含む光ファイバ走査装置10と、信号出力部51、51Xと、電圧−電流変換部52、52Xと、制御部53、53Xと、補正部54、54Xと、を具備する。

0050

なお、以下、Y軸方向の駆動磁界Myを発生する第1の組コイル41および第2の組コイル42の制御(Y軸駆動ユニット59)等を主として説明するが、X軸方向の駆動磁界Mxを発生する第3の組コイル43および第4の組コイル44の制御(X軸駆動ユニット59X)も同様である。

0051

信号出力部51は、例えばファンクションジェネレータであり、電圧制御されたY軸方向の駆動信号Vyを出力する。図8(A)に示すように、光ファイバ走査システム1では駆動信号Vyは正弦波交流信号である。電圧−電流変換部52は、駆動信号Vyを、図8(B)に示す電流制御された駆動電力信号Iyに変換し出力する。駆動信号Vyは、電圧信号である。これに対して駆動電力信号Iyは、電流信号である。

0052

駆動コイル30A、30Bは、電圧−電流変換部52から入力された駆動電力信号Iyにより、図8(C)に示す、Y軸に平行な駆動磁界Myを発生する。駆動磁界Myが印加された磁石12は図8(D)および図8(E)に示すようにY軸方向に振動する。すなわち、磁石12が配設されている光ファイバ13の自由端13T2はY軸方向に駆動され、自由端13T2から出射される光はY軸方向に走査される。

0053

駆動磁界Myの周波数fが、片持ち状態の光ファイバ13の共振周波数fRの場合には、磁石12の振動、すなわち、光ファイバ13の振動は駆動磁界Myの微分信号となる。

0054

検出コイル20A、20Bは、図8(H)に示す検出信号DVyを出力する。検出信号DVは、磁界Mの変化、より正確には磁界Mの変化速度に応じた誘導起電力信号、すなわち磁界Mの信号(磁界信号)の微分信号である。なお、磁界信号が正弦波信号の場合には、検出信号DVは位相が(π/2)、異なる余弦波信号となる。

0055

ここで、図8(H)に示すように、例えば、検出信号DVyには、図8(G)に示すY軸方向の駆動磁界Myの変化速度に応じた駆動磁界信号DVBy1と、図8(F)に示す磁石12のY軸方向の振動による磁石磁界MMyの変化速度に応じた磁石磁界信号DVAyと、が重畳されている。このため、検出信号DVyから、駆動磁界信号DVBy1を除去しなければ、磁石磁界信号DVAyを得ることができない。すなわち、検出信号DVyに含まれる駆動磁界信号DVBy1に相当する図8(I)に示すキャンセル信号CVyが必要である。

0056

すなわち、光ファイバ走査装置1の走査状態を検知するために必要な誘導起電力は光ファイバ13の振動による誘導起電力すなわち磁石磁界信号DVAyであり、駆動コイル30が発生した駆動磁界Myに応じた検出コイル20の誘導起電力すなわち駆動磁界信号DVBy1は不要である。この不要な誘導起電力(駆動磁界信号DVBy1)をキャンセルするために必要なのがキャンセル信号発生部56である。

0057

なお、検出信号DVyは、小電流の電圧信号であり、必要に応じて増幅されてから補正部54に入力される。また、検出信号DVyは、必要に応じて周波数フィルタ(例えば、ローパスフィルタバンドバスフィルタ)等により、高周波ノイズが除去される。

0058

補正部54は、図8(I)に示すキャンセル信号CVyを発生するキャンセル信号発生部56と、検出信号DVyからキャンセル信号CVyを用いて駆動磁界信号DVBy1を除去し、図8(G)に示す磁石磁界信号DVAyを出力する演算部55と、を有する。

0059

キャンセル信号発生部56は、信号出力部51が出力する駆動信号Vyをキャンセル信号CVyに変換する。すでに説明したように、駆動信号Vyが正弦波信号の場合には、その微分信号である駆動磁界信号DVBy1は位相だけが異なる信号である。このため、演算部55は、検出信号DVyに、振幅が調整された駆動信号Vyであるキャンセル信号CVyを加算することで磁石磁界信号DVAyを出力する。

0060

検出信号DVyからキャンセル信号CVyを除去するには、両者が同じレベルの電圧信号である必要がある。駆動信号Vyは低電力の電圧信号であるため、検出信号DVyと同レベルの低電力の電圧信号であるキャンセル信号CVyに容易に変換できる。

0061

なお、光ファイバ走査システムは製造ばらつきにより、最適なキャンセル信号CVyが異なることがある。キャンセル信号発生部56は光ファイバ走査システム1が組み上がった後に、振幅が調整されることが好ましい。具体的には、磁石12が移動しない状態、例えば、光ファイバ13が駆動されないような周波数の駆動電力信号Iyを駆動コイル30に供給した状態、または、治具により磁石12を固定した状態で、検出信号DVyがゼロになるように、キャンセル信号CVyが可変抵抗器等により電圧調整振幅調整)され、設定されている。

0062

次に、X軸制御ユニット59Xの動作について説明する。X軸制御ユニット59Xの動作はY軸制御ユニット59の動作と同じである。

0063

信号出力部51Xは駆動信号Vxを出力する。なお、ラスター走査方式またはリサージュ走査方式で2次元走査されている光ファイバ走査システム1では、Y軸方向の駆動信号Vyに対してX軸方向の駆動信号Vxは、周波数fが異なる。電圧−電流変換部52Xは、駆動信号Vxを駆動電力信号Ixに変換し出力する。駆動コイル30C、30Dは、駆動電力信号IxによりX軸方向の駆動磁界Mxを発生する。駆動磁界Mxが印加された磁石12はX軸方向に振動する。すなわち、磁石12が配設されている光ファイバ13の自由端13T2はX軸方向に駆動され、自由端13T2から出射される光はX軸方向に走査される。

0064

検出コイル20C、20Dは、磁界の変化に応じた誘導起電力信号である検出信号DVxを出力する。ここで、検出信号DVxには、駆動磁界Mxの変化に応じた駆動磁界信号DVBx1と、磁石12の振動による磁石磁界MMxの変化に応じた磁石磁界信号DVAxと、が重畳されている。

0065

補正部54Xは、駆動磁界信号DVBx1に相当するキャンセル信号CVxを発生するキャンセル信号発生部56Xと、検出信号DVxからキャンセル信号CVxを用いて駆動磁界信号DVBx1を除去し磁石磁界信号DVAxを出力する演算部55Xと、を有する。制御部53Xは、磁石磁界信号DVAxにもとづいて、信号出力部51Xを制御する。

0066

なお、制御部53と制御部53Xとは同一の制御部でもよい。また、制御部53、53X、補正部54、54Xは、後述するような電子回路でもよいし、所定のプログラムにより動作するCPUであってもよい。

0067

例えば、制御部53、53Xは磁石12の移動(振動)の振幅が所定値よりも小さい場合には、駆動電力信号Iy、Ixを増加するように信号出力部51、51Xを制御する。このため、光ファイバ走査システム1は、効率的で安定したスキャン照射を行える。

0068

そして、光ファイバ走査システム1では、キャンセル信号発生部56、56Xは、駆動信号Vy、Vxを変換し、キャンセル信号CVy、CVxを発生する。

0069

なお、駆動電力信号をキャンセル信号に変換することも可能ではある。しかし、駆動電力信号は電流制御された大電力の信号である。このため、駆動電力信号を制御に適した電圧信号に変換しさらに検出信号と同レベル電力のキャンセル信号に変換しなくてはならない。また、大電力の駆動電力信号を低電力のキャンセル信号に変換することは、エネルギーを浪費することになる。

0070

これに対して、すでに説明したように、光ファイバ走査システム1は、駆動信号は低電力の電圧信号であるため、検出信号と同レベルの低電力の電圧信号であるキャンセル信号に直接的に、すなわち、電流/電圧変換しなくて、変換できる。製造工程において、電圧制御された駆動信号の振幅を調整するだけで、効率良く、最適のキャンセル信号を発生することができる。

0071

さらに、検出コイル20および駆動コイル30が平面スパイラルコイルである光ファイバ走査システム1は、対向位置に同じ構成の2つの検出コイル20を配置することができる。直列接続された2つの検出コイル20が出力する検出信号、すなわち誘導起電力信号、は、1つの検出コイル20が出力する検出信号の2倍となる。さらに、1つの検出コイル20が出力する検出信号は、磁石12の移動速度が同じであっても、磁石12と検出コイル20との距離により増減する。これに対して対向配置され直列接続された2つの検出コイル20が出力する検出信号は、それぞれの検出信号が加算されるため、磁石12の移動速度に比例する。このため、光ファイバ走査システム1は制御が容易である。

0072

また、光ファイバ走査システム1は、駆動コイル30および検出コイル20が平面スパイラルコイルである。このため、光ファイバ走査システム1の光ファイバ走査装置10は、バルク磁性体およびバルク導体を有する従来の光ファイバ走査装置よりも細径である。さらに、光ファイバ走査装置10は、駆動コイル30と検出コイル20とを積層した組コイル40を対向位置に配置できる。光ファイバ走査システム1の光ファイバ走査装置10は、磁石12に両側の駆動コイルから磁界を印加できるため、一方にしか駆動コイルを配置できない従来の光ファイバ走査装置よりも、駆動効率がよい。

0073

なお、4組の組コイル41〜44は、光ファイバ走査システム1の必須構成要素ではない。例えば、直交配置されている2組の組コイル41、43を具備する光ファイバ走査システムでも、2次元走査できる。また1組の組コイル41を具備する光ファイバ走査システムでは、1次元走査ができる。

0074

<第1実施形態の変形例>
次に第1実施形態の変形例の光ファイバ走査システム1A〜1Cについて説明する。変形例の光ファイバ走査システム1A〜1Cは、光ファイバ走査システム1と類似し、同じ効果を有するため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。

0075

<第1実施形態の変形例1>
図9に示すように、変形例1の光ファイバ走査システム1Aの補正部54Aは、キャンセル信号発生部56Aと、差動アンプ54A2を含む演算部55Aと、を有する。

0076

キャンセル信号発生部56Aは、コンデンサ56A1と、可変抵抗56A2と、差動アンプ56A2と、を含む。すなわち、キャンセル信号発生部56Aは、微分回路および電圧調整回路を含む。演算部55Aは差動アンプを含む。駆動信号Vyはキャンセル信号発生部56Aにより、微分および電圧(振幅)調整されキャンセル信号CVyに変換される。そして、差動アンプ56A2によりキャンセル信号CVyと検出信号DVyとの差分が、磁石磁界信号DVAxとして演算部55Aから出力される。

0077

光ファイバ走査システム1Aは、光ファイバ走査システム1と同じ効果を有する。さらに、キャンセル信号発生部56Aが微分回路を有するため、駆動信号が正弦波でない場合にも適用可能である。

0078

<第1実施形態の変形例2>
図10に示すように、変形例2の光ファイバ走査システム1Bの補正部54Bは、キャンセル信号発生部56Bと、キャンセル信号CVyと検出信号DVyとを加算する演算部55Bと、を有する。キャンセル信号発生部56Bは位相が調整されたキャンセル信号を発生する位相調整部57を有する。

0079

すでに説明したように、駆動磁界信号DVBx1は駆動信号Vyに対し原理的には位相が(π/2)異なる。ところが、実際のシステムにおいては、配線インダクタンス、浮遊容量、処理速度等により位相ずれが(π/2)にならないことがある。また、駆動磁界Myの周波数fが、片持ち状態の光ファイバ13の共振周波数fRよりも大きい場合には、前記位相は((π/2)+α)、異なり、駆動磁界Myの周波数fが、片持ち状態の光ファイバ13の共振周波数fRよりも小さい場合には、前記位相は((π/2)—β)、異なる。(α、βは正)。すると、フィードバック制御を行っても所望の光ファイバの走査が実現できない。

0080

位相調整部57はコンデンサ57Aにより位相を遅らせる。位相を進めるには、コンデンサ57Aに替えインダクタを含む位相調整部が用いられる。

0081

なお、キャンセル信号CVyは位相調整により振幅が小さくなるため、補正部54Bは、増幅回路を含むことが好ましい。

0082

光ファイバ走査システム1Bでは、駆動磁界信号DVBx1の駆動信号Vyに対する位相ずれが(π/2)でなくても、補正部54Bにより位相が調整されるため、最適のキャンセル信号CVyを発生することができる。

0083

<第1実施形態の変形例3>
図11に示すように、変形例3の光ファイバ走査システム1Cの補正部54Cは、磁石磁界信号を積分して、磁石12の位置を示す位置信号を出力する積分部58を含む。

0084

積分部58は、可変抵抗58Aと、コンデンサ58Bと差動アンプ58Cとを含む。補正部54Cは、磁石12の移動速度(振動速度)を示す情報である磁石磁界信号DVAyを積分し、制御部53による制御がより容易な磁石12の位置情報信号IVyを出力する。同様に、X軸駆動ユニット59Xも積分部を含み、信号出力部51Xは位置情報信号IVxにより制御される。

0085

なお、積分部58等は、制御部53等に含まれていてもよいし、CPUからなる制御部のプログラムにより実行される機能部であってもよい。

0086

<第2実施形態>
次に、第2実施形態の光ファイバ走査システム1Dについて説明する。光ファイバ走査システム1Dは、光ファイバ走査システム1と類似し、同じ効果を有するため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。また、後述するように、図12においては、Y軸駆動ユニット59の動作と直接関係のない軸駆動ユニット59Xの構成要素の図示は省略している。

0087

図12に示すように、光ファイバ走査システム1Dの検出コイル20A、20Bには、第3の組コイル43および第4の組コイル44の駆動コイル30C、30Dが発生するX軸方向の駆動磁界Mxも印加される。

0088

検出コイル20A、20Bが駆動コイル30C、30Dと完全に直交する位置に配置されていれば、検出コイル20A、20Bが検出する検出信号DVyは、駆動磁界Mxの変化の影響は受けない。しかし、超小型の光ファイバ走査装置10では、製造誤差により、検出信号DVyに駆動磁界Mxの変化に応じた第2の駆動磁界信号(X軸駆動磁界信号)DVx2が含まれるおそれがある。

0089

図13(A)に示すY軸方向の駆動磁界Myに対して、図13(B)に示すX軸方向の駆動磁界Mxは、周波数fが異なる。

0090

図13(C)に、検出信号DVy1に含まれる第2の駆動磁界信号(X軸駆動磁界信号)DVBx2を示す。

0091

光ファイバ走査システム1Dの補正部54Dは、検出信号DVy1から第2の駆動磁界信号(X軸駆動磁界信号)DVx2も除去する。

0092

図12に示すように、光ファイバ走査システム1DのX軸駆動ユニット59Xの信号出力部51Xは、X軸方向の電圧−電流変換部52Xに駆動信号Vxを出力するとともに、Y軸駆動ユニット59のキャンセル信号出力部56Dにも駆動信号Vxを出力する。キャンセル信号出力部56Dは駆動信号Vxを用いて、駆動磁界信号VDx2に対応したキャンセル信号を発生するために、例えば可変抵抗とコンデンンサを有する差動アンプを有する。駆動信号Vxは、磁石12の影響を受けない状態でX軸駆動ユニット59Xに駆動電力信号Ixを供給しながら、検出信号DVy1がゼロになるように調整される。

0093

補正部54Dのキャンセル信号出力部56Dは、Y軸方向駆動磁界信号DVByとX軸方向駆動磁界信号DVBx2とが重畳された駆動磁界信号DVBy1を、キャンセル信号CVy1に変換する。

0094

演算部55は、検出信号DVy1から、駆動磁界Myの変化に応じた駆動磁界信号DVByおよび駆動磁界Mxの変化に応じた第2の駆動磁界信号(X軸駆動磁界信号)DVx2に相当するキャンセル信号CVy1を除去する。

0095

なお、図示しないが、光ファイバ走査システム1Dでは、X軸駆動ユニット59Xにより、第3の組コイル43および第4の組コイル44の検出コイル20C、20Dが出力する検出信号から、第1の組コイル41および第2の組コイル42の駆動コイル30A、20Bが発生する駆動磁界Myの変化に応じた駆動磁界信号DVBy2が除去される。

0096

光ファイバ走査システム1Dでは、検出信号から、駆動磁界の変化に応じた駆動磁界信号および直交する方向に配置された駆動コイルが発生する駆動磁界の変化に応じた第2の駆動磁界信号に相当するキャンセル信号が除去される。

0097

このため、光ファイバ走査システム1Dは、光ファイバ走査システム1よりも、より精度の高い制御が可能である。

0098

<第3実施形態>
次に第3実施形態の光ファイバ走査システム1Eについて説明する。光ファイバ走査システム1Eは、光ファイバ走査システム1Dと類似し、同じ効果を有するため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。また、後述するように、図14においては、Y軸駆動ユニット59の動作と直接関係のない軸駆動ユニット59Xの構成要素の図示は省略している。

0099

図14に示すように、光ファイバ走査システム1Eの第3の組コイル43および第4の組コイル44の駆動コイル30C、30Dが発生する駆動磁界Mxにより、磁石12の移動(振動)による磁石磁界MMxの変化に応じた第2の磁石磁界信号(X軸磁石磁界信号)DVAx2も、検出信号に重畳される。

0100

補正部54Eは、検出信号DVy2から、第2の駆動磁界信号(X軸駆動磁界信号)DVx2および第2の磁石磁界信号(X軸磁石磁界信号)DVAx2を除去して、磁石磁界信号(Y軸磁石磁界信号)DVAyを出力する。

0101

図15(A)に示すY軸方向の駆動磁界Myに対して、図15(B)に示すX軸方向の駆動磁界Mxは、周波数fが異なる。図15(C)に示すように、磁石12は、駆動磁界MxよりX軸方向に振動する。

0102

磁石12が駆動磁界Mxにより、X軸方向に振動した場合の磁石磁界の変化に応じて、検出コイル20A、20Bは磁石磁界信号DVAx2を発生する。図15(E)に示すように磁石磁界信号DVAx2の周期は、駆動磁界Mxの周期の2倍となる。

0103

補正部54Eのキャンセル信号出力部56Eは、例えば周波数フィルタを用いて、検出信号DVy1から第2の磁石磁界信号DVAx2を除去することができる。

0104

同様に、X軸駆動ユニット59Xの補正部は、周波数フィルタを用いて検出信号から第2の磁石磁界信号DVAy2を除去することができる。

0105

すなわち、光ファイバ走査システム1Eでは、検出信号から、駆動磁界の変化に応じた駆動磁界信号、直交方向に配置された駆動コイルが発生する駆動磁界の変化に応じた第2の駆動磁界信号、および、直交方向に配置された駆動コイルが発生する駆動磁界による磁石の振動に応じた第2の磁石磁界信号を除去することができる。

0106

このため、光ファイバ走査システム1Eは、光ファイバ走査システム1、1Dよりも、より精度の高い制御が可能である。

0107

<第4実施形態>
次に第4実施形態の光ファイバ走査システム1、1A〜1Eを含む内視鏡システム9について説明する。

0108

図16に示す内視鏡2は、すでに説明した光ファイバ走査装置10を挿入部91の硬性先端部94に具備する光走査型内視鏡である。

0109

内視鏡2を含む内視鏡システム9は、内視鏡2と、本体3と、モニタ4と、を具備する。内視鏡2は、光ファイバ走査装置10により照明光を2次元走査させながら被検体に照射し、被検体からの反射光(戻り光)を検出し、本体3でデータ処理を行い、生成した被検体像をモニタ4に表示する。

0110

内視鏡2は、生体内に挿通される細長な挿入部91と、操作部92と、電気ケーブル等が挿通されたユニバーサルケーブル93と、を有する。内視鏡2の挿入部91は硬性先端部94と、湾曲部95と、可撓管部96と、を含む。なお、実施形態の内視鏡2は、いわゆる軟性内視鏡だが、挿入部91が硬質な、いわゆる硬性内視鏡であっても後述する効果を有する。

0111

操作部92には、湾曲部95を湾曲操作するための湾曲操作ノブ97が配設されている。挿入部91と操作部92の連結部は、ユーザー把持する把持部98となっている。

0112

操作部92から延設されたユニバーサルケーブル93が本体3とコネクタ90を介して接続される。本体3は、内視鏡画像を表示するモニタ4と接続されている。

0113

次に、図17に内視鏡システム9の構成を示す。

0114

内視鏡2の挿入部91の内部には、挿入部91の内周に沿って基端側から先端側へ挿通され、被検体からの反射光を導光する検出ファイバ27が設けられている。検出ファイバ27の先端には検出光学系27Aが配設されている。内視鏡2のコネクタ90が本体3に接続されると、検出ファイバ27は分波器86に接続される。

0115

本体3は、駆動ユニット59、59Xと、メモリ72と、総合制御部73と、光源ユニット74と、検出ユニット76とを有する。光源ユニット74は、3つの光源81a、81b、81cと、合波器82と、を有する。

0116

駆動ユニット59、59Xは、図6を用いて説明したように、信号出力部51、51X、電圧−電流変換部52、52X、制御部53、53X、補正部54、54Xと、を有する。

0117

メモリ72には、本体3全体の制御を行うための制御プログラムなどが記憶されている。

0118

総合制御部73は、メモリ72から制御プログラムを読み出し、光源ユニット74、駆動ユニット59、59Xの制御を行う。また総合制御部73は、検出ユニット76が検出した被写体からの反射光の光強度信号をデータ処理し画像をモニタ4に表示する制御を行う。

0119

光源ユニット74の光源81a、81b、81cは、総合制御部73の制御に基づき、それぞれ異なる波長帯域の光、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の波長帯域の光を合波器82に出射する。合波器82は、R、G、Bの波長帯域の光を合波し、光ファイバ13に出射する。

0120

駆動ユニット59、59Xは、総合制御部73の制御に基づいて、光ファイバ走査装置10の光ファイバ13の先端を所望の走査方式で走査させるための駆動電力信号を駆動コイル30に出力する。すなわち、駆動ユニット59、59Xは、光ファイバ13の先端を挿入部91の挿入軸(Z軸)に対して左右方向(X軸方向)および上下方向(Y軸方向)に駆動するように、光ファイバ走査装置10の組コイル40へ所定の駆動電力信号を出力する。

0121

検出ファイバ27は、被検体の表面で反射された反射光を受光し、受光した反射光を分波器86に導光する。分波器86は、例えば、ダイクロイックミラーなどであり、所定の波長帯域毎に反射光を分波する。具体的には、分波器86は、検出ファイバ27により導光された反射光を、R、G、Bの波長帯域の反射光に分波し、それぞれ検出器87a、87b、87cに出力する。

0122

検出器87a、87bおよび87cは、それぞれR、G、Bの波長帯域の反射光の光強度を検出するPD素子等である。検出器87a、87bおよび87cで検出された光強度の信号は、それぞれA/D変換器88a、88b、88cに出力される。A/D変換器88a〜88cは、それぞれ検出器87a〜87cから出力された光強度の信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、総合制御部73に出力する。

0123

総合制御部73は、A/D変換器88a〜88cからのデジタル信号に所定の画像処理を施して被写体像を生成し、モニタ4に表示する。

0124

なお、照射光として単色光を用いてもよいし、レーザー光を用いてもよい。

0125

光走査型内視鏡2は、挿入部91の硬性先端部94に、効率的なスキャン照射を行う細径の光ファイバ走査装置10、10A〜10Kのいずれかを具備するため、硬性先端部94が細径で低侵襲である。また、光ファイバ走査装置10、10A〜10Kは、高精度のスキャン照射を行うため、光走査型内視鏡2は、良好な画像が得られる。また光走査型内視鏡2は、光ファイバ走査装置10、10A〜10Kが効率良く駆動できるため、低消費電力である。

0126

本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、組み合わせ、および応用が可能であることは勿論である。

0127

1、1A〜1E・・・光ファイバ走査システム
2・・・内視鏡
9・・・内視鏡システム
10・・・光ファイバ走査装置
12・・・磁石
13・・・光ファイバ
13T2・・・自由端
20・・・検出コイル
30・・・駆動コイル
40・・・組コイル
51、51X・・・信号出力部
52、52X・・・電圧−電流変換部
53、53X・・・制御部
54、54X・・・補正部
55、55X・・・演算部
56、56X・・・キャンセル信号発生部
57・・・位相調整部
58・・・積分部
59、59X・・・駆動ユニット
91・・・挿入部
94・・・硬性先端部
Ix、Iy・・・駆動電力信号
Vx、Vy駆動信号
MMx、MMy・・・磁石磁界
DVx、DVy・・・検出信号
DVAx、DVAy・・・磁石磁界信号
DVBx、DVBy・・・駆動磁界信号
CVx、CVy・・・キャンセル信号
IVx、IVy・・・位置情報信号

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