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技術 熱電変換材料及び熱電変換デバイス

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 佐々木拓石丸維敏
出願日 2017年1月10日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2017-505670
公開日 2018年11月1日 (2ヶ月経過) 公開番号 WO2017-122627
状態 未査定
技術分野 熱電素子 ナノ構造物 炭素・炭素化合物 有機半導体材料
主要キーワード 熱電変換層 スケール効果 低炭素社会 クロスセクションポリッシャー 温度差発電 熱電変換デバイス n型半導体 観察場所
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重要な関連分野

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図面 (4)

課題・解決手段

応力緩和性を高くし、かつ断熱性も高くすることができる、熱電変換材料を提供する。 本発明に係る熱電変換材料1は、カーボンナノチューブを含み、最長径が500nm以下である複数の第1の空隙と、最長径が2.5μm以上である複数の第2の空隙とを有する。

概要

背景

近年、エネルギー問題への取り組みが活発化しており、熱エネルギー回収技術への期待が高まっている。熱は、体温太陽熱エンジン及び工業排熱等様々な場面から回収することができ、最も一般的なエネルギー源である。また、エネルギー効率の高い低炭素社会を実現するために、熱エネルギーの回収技術の必要性は増大している。

熱エネルギーの回収技術としては、ゼーベック効果(又はペルチェ効果)に基づく熱電変換デバイスが、温度差発電熱センサ及び冷却等の様々な場面で既に活用されている。熱電変換デバイスは、例えば、p型半導体n型半導体との組み合わせである熱電対を多数直列に接続したモジュール構造を有する。このような熱電変換デバイスは、可動部がないことから騒音及び振動が無く、スケール効果が無く、小さな温度差でも発電でき、様々な機器及び環境に組み込めるという多くの利点を有する。

上記のような熱電変換デバイスの一例が、下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の熱電変換デバイスは、応力緩和層と、フレキシブル基材と、熱電変換素子とをこの積層順で備える。上記熱電変換素子は、第1の電極と、有機材料を含む熱電変換層と、第2の電極とをこの積層順で有する。上記応力緩和層は、上記フレキシブル基材の反りを調整する。上記熱電変換層では、例えば、上記有機材料として、導電性高分子導電性ナノ材料(特に、CNT)とを組み合わせて用いてもよい。

概要

応力緩和性を高くし、かつ断熱性も高くすることができる、熱電変換材料を提供する。 本発明に係る熱電変換材料1は、カーボンナノチューブを含み、最長径が500nm以下である複数の第1の空隙と、最長径が2.5μm以上である複数の第2の空隙とを有する。

目的

本発明の目的は、応力緩和性を高くし、かつ断熱性も高くすることができる熱電変換材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

カーボンナノチューブを含み、最長径が500nm以下である複数の第1の空隙と、最長径が2.5μm以上である複数の第2の空隙とを有する、熱電変換材料

請求項2

前記複数の第1の空隙の最長径の平均が25nm以上、500nm以下である、請求項1に記載の熱電変換材料。

請求項3

前記複数の第2の空隙の最長径の平均が2.5μm以上、50μm以下である、請求項1又は2に記載の熱電変換材料。

請求項4

前記複数の第2の空隙のアスペクト比の平均が2以上、50以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換材料。

請求項5

シート状の熱電変換材料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換材料。

請求項6

前記複数の第2の空隙の全ての長さ方向を平均した方向が、シート状の熱電変換材料の厚み方向と直交する面方向と平行であるか、又は、シート状の熱電変換材料の厚み方向と直交する面方向に対して30°以下で傾斜した方向である、請求項5に記載の熱電変換材料。

請求項7

平均厚みが1μm以上、10cm以下である、請求項5又は6に記載の熱電変換材料。

請求項8

前記複数の第1の空隙による熱電変換材料の空隙率が、5%以上、40%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱電変換材料。

請求項9

前記複数の第2の空隙による熱電変換材料の空隙率が、5%以上、25%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱電変換材料。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱電変換材料と、前記熱電変換材料の表面上に配置された第1の電極と、前記第1の電極と離れた位置において、前記熱電変換材料の表面上に配置された第2の電極とを備える、熱電変換デバイス

請求項11

前記熱電変換材料が、シート状の熱電変換材料であり、前記熱電変換材料の厚み方向の一方側に、前記第1の電極が配置されており、前記熱電変換材料の厚み方向の前記一方側とは反対の他方側に、前記第2の電極が配置されている、請求項10に記載の熱電変換デバイス。

技術分野

0001

本発明は、カーボンナノチューブを含む熱電変換材料に関する。また、本発明は、上記熱電変換材料を用いた熱電変換デバイスに関する。

背景技術

0002

近年、エネルギー問題への取り組みが活発化しており、熱エネルギー回収技術への期待が高まっている。熱は、体温太陽熱エンジン及び工業排熱等様々な場面から回収することができ、最も一般的なエネルギー源である。また、エネルギー効率の高い低炭素社会を実現するために、熱エネルギーの回収技術の必要性は増大している。

0003

熱エネルギーの回収技術としては、ゼーベック効果(又はペルチェ効果)に基づく熱電変換デバイスが、温度差発電熱センサ及び冷却等の様々な場面で既に活用されている。熱電変換デバイスは、例えば、p型半導体n型半導体との組み合わせである熱電対を多数直列に接続したモジュール構造を有する。このような熱電変換デバイスは、可動部がないことから騒音及び振動が無く、スケール効果が無く、小さな温度差でも発電でき、様々な機器及び環境に組み込めるという多くの利点を有する。

0004

上記のような熱電変換デバイスの一例が、下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の熱電変換デバイスは、応力緩和層と、フレキシブル基材と、熱電変換素子とをこの積層順で備える。上記熱電変換素子は、第1の電極と、有機材料を含む熱電変換層と、第2の電極とをこの積層順で有する。上記応力緩和層は、上記フレキシブル基材の反りを調整する。上記熱電変換層では、例えば、上記有機材料として、導電性高分子導電性ナノ材料(特に、CNT)とを組み合わせて用いてもよい。

先行技術

0005

特開2015−092557号公報

発明が解決しようとする課題

0006

熱電変換材料の厚みが薄い場合に、熱電変換材料の断熱性が低くなる傾向がある。このため、厚みが薄い熱電変換材料において、厚み方向の一方の電極側に高温部熱源)を配置し、他方の電極側に低温部を配置した場合に、電極間の温度差を大きくすることが困難である。一方で、熱電変換材料の断熱性を高めるために、断熱性が高い材料を複合化した熱電変換材料が用いられることがある。しかしながら、このような複合化された熱電変換材料では、応力緩和性が低くなりやすい。このような複合化された熱電変換材料に応力が加わると、複合化された界面において、クラックが生じることがある。

0007

このように、従来の熱電変換材料では、高い断熱性と、高い応力緩和性とを両立することは困難である。

0008

本発明の目的は、応力緩和性を高くし、かつ断熱性も高くすることができる熱電変換材料を提供することである。また、本発明は、上記熱電変換材料を用いた熱電変換デバイスを提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明の広い局面によれば、カーボンナノチューブを含み、最長径が500nm以下である複数の第1の空隙と、最長径が2.5μm以上である複数の第2の空隙とを有する、熱電変換材料が提供される。

0010

本発明に係る熱電変換材料のある特定の局面では、前記複数の第1の空隙の最長径の平均が25nm以上、500nm以下である。

0011

本発明に係る熱電変換材料のある特定の局面では、前記複数の第2の空隙の最長径の平均が2.5μm以上、50μm以下である。

0012

本発明に係る熱電変換材料のある特定の局面では、前記複数の第2の空隙のアスペクト比の平均が2以上、50以下である。

0013

本発明に係る熱電変換材料は、シート状の熱電変換材料であることが好ましい。

0014

本発明に係る熱電変換材料のある特定の局面では、前記複数の第2の空隙の全ての長さ方向を平均した方向が、シート状の熱電変換材料の厚み方向と直交する面方向と平行であるか、又は、シート状の熱電変換材料の厚み方向と直交する面方向に対して30°以下で傾斜した方向である。

0015

本発明に係る熱電変換材料のある特定の局面では、平均厚みが1μm以上、10cm以下である。

0016

本発明に係る熱電変換材料のある特定の局面では、前記複数の第1の空隙による熱電変換材料の空隙率が、5%以上、40%以下である。

0017

本発明に係る熱電変換材料のある特定の局面では、前記複数の第2の空隙による熱電変換材料の空隙率が、5%以上、25%以下である。

0018

本発明の広い局面によれば、上述した熱電変換材料と、前記熱電変換材料の表面上に配置された第1の電極と、前記第1の電極と離れた位置において、前記熱電変換材料の表面上に配置された第2の電極とを備える、熱電変換デバイスが提供される。

0019

本発明に係る熱電変換デバイスのある特定の局面では、前記熱電変換材料が、シート状の熱電変換材料であり、前記熱電変換材料の厚み方向の一方側に、前記第1の電極が配置されており、前記熱電変換材料の厚み方向の前記一方側とは反対の他方側に、前記第2の電極が配置されている。

発明の効果

0020

本発明に係る熱電変換材料は、カーボンナノチューブを含み、最長径が500nm以下である複数の第1の空隙と、最長径が2.5μm以上である複数の第2の空隙とを有するので、応力緩和性を高くし、かつ断熱性も高くすることができる。

図面の簡単な説明

0021

図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱電変換デバイスの断面図である。
図2は、実施例1の熱電変換材料の厚み方向に沿う断面におけるFE−SEM写真倍率10000倍)である。
図3は、比較例1の熱電変換材料の厚み方向に沿う断面におけるFE−SEM写真(倍率10000倍)である。

実施例

0022

以下、本発明を詳細に説明する。

0023

本発明に係る熱電変換材料は、カーボンナノチューブを含む。本発明に係る熱電変換材料は、最長径が500nm以下である複数の第1の空隙と、最長径が2.5μm以上である複数の第2の空隙とを有する。

0024

上記熱電変換材料は、カーボンナノチューブのみから構成されていてもよく、上記熱電変換材料に、カーボンナノチューブ以外に吸着物質残留溶媒又はドープ材料等が含まれていてもよい。カーボンナノチューブを含む熱電変換材料は、例えば、カーボンナノチューブを好ましくは90重量%以上、好ましくは100重量%以下で含む。

0025

本発明では、熱電変換材料に含まれる空隙のうち、最長径が500nm以下である空隙を第1の空隙と呼ぶ。本発明では、熱電変換材料に含まれる空隙のうち、最長径が2.5μm以上である空隙を第2の空隙と呼ぶ。上記最長径は、空隙1つあたりのの最長径である。本発明に係る熱電変換材料は、最長径が500nmを超え、2.5μm未満である第3の空隙を有していてもよい。

0026

上記熱電変換材料は、特定の上記複数の第1の空隙を有するため、断熱性に優れる。最長径が比較的小さい上記複数の第1の空隙は、断熱性の向上に大きく寄与する。上記熱電変換材料の断熱性の向上によって、上記熱電変換材料の表面上に配置される電極間の温度差を大きくすることができるため、熱起電力を高めることができる。さらに、上記複数の第1の空隙は、応力緩和性をある程度高める役割も果たし、熱電変換材料を破損し難くする。

0027

さらに、上記熱電変換材料は、特定の上記複数の第2の空隙を有するため、応力をかなり緩和することができ、上記熱電変換材料の破損をかなり抑制することができる。例えば、上記熱電変換材料が曲げられても、上記複数の第2の空隙が、全ての長さ方向を平均した方向が厚み方向と直交する面方向に対して30°以下で傾斜した方向であり、且つ、アスペクト比の平均が2以上、50以下の形状を有している場合には、曲げ時における応力をより一層効果的に緩和することが可能となり、更に上記熱電変換材料にクラックや割れがより一層生じ難くなる。最長径が比較的大きい上記複数の第2の空隙は、応力緩和性の向上に特に大きく寄与する。

0028

本発明では、従来達成困難であった高い断熱性と高い応力緩和性とを両立することができる。

0029

断熱性を効果的に高める観点からは、上記複数の第1の空隙の最長径の平均は好ましくは25nm以上、より好ましくは50nm以上である。断熱性を効果的に高める観点からは、上記複数の第1の空隙の最長径の平均は好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下である。上記複数の第1の空隙の最長径の平均は、複数の第1の空隙の最長径を平均することにより求められる。

0030

応力緩和性を効果的に高める観点からは、上記複数の第2の空隙の最長径の平均は好ましくは2.5μm以上、より好ましくは3.0μm以上である。応力緩和性を効果的に高める観点からは、上記複数の第2の空隙の最長径の平均は好ましくは50μm以下、より好ましくは45μm以下である。上記複数の第2の空隙の最長径の平均は、複数の第2の空隙の最長径を平均することにより求められる。

0031

応力緩和性を効果的に高める観点からは、上記複数の第2の空隙のアスペクト比の平均は好ましくは2以上であり、好ましくは50以下、より好ましくは40以下である。上記アスペクト比は最長径/最短径である。上記アスペクト比の平均は、複数の第2の空隙のアスペクト比を平均することにより求められる。

0032

上記最長径は、熱電変換材料の厚み方向に沿う断面観察において、1つの第1の空隙又は第2の空隙を構成する表面部の最長となる2点間距離である。上記最短径は、熱電変換材料の厚み方向に沿う断面観察において、1つの第2の空隙を構成する表面部の最短となる2点間距離である。断面観察には、クロスセクションポリッシャー等を用いて断面を作製しFE−SEM等を用いて観察することができる。なお、断面観察において、断面部分において空隙が連なっていなくても、断面部分以外の領域で空隙が連なっている場合には、1つの空隙とする。断面部分以外の領域で空隙が連なっているか否かは、断面位置をかえた複数の断面部分の観察、及び空隙の内周面の形状等から認識することができる。

0033

また、複数の第1の空隙又は複数の第2の空隙の最長径の平均は、例えば、上記断面の50μm×50μmの範囲内における複数の第1の空隙又は複数の第2の空隙の最長径の平均を算出することにより求めることができる。なお、複数の断面観察(例えば、20個の断面観察)において、最長径を観察することが好ましい。

0034

断熱性を効果的に高める観点からは、上記複数の第1の空隙による熱電変換材料の空隙率は、好ましくは4.5%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは7.5%以上である。熱電変換材料としてのシートの構造を維持する観点からは、上記複数の第1の空隙による熱電変換材料の空隙率は、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下である。

0035

応力緩和性を効果的に高める観点からは、上記複数の第2の空隙による熱電変換材料の空隙率は、好ましくは4.5%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは7.5%以上である。熱電変換材料としてのシートの構造を維持する観点からは、上記複数の第2の空隙による熱電変換材料の空隙率は、好ましくは26.5%以下、より好ましくは25%以下、更に好ましくは23.5%以下である。

0036

上記空隙率は、熱電変換材料の厚み方向に沿う断面観察において、断面積100%に占める複数の第1の空隙が占める面積の割合、又は複数の第2の空隙が占める面積の割合である。上記断面の50μm×50μmの範囲内における複数の第1の空隙又は複数の第2の空隙が占める面積の割合を求めることが好ましい。断面観察には、FE−SEM等を用いることができる。なお、複数の断面観察(例えば、20個の断面観察)において、空隙が占める割合を観察することが好ましい。

0037

厚み方向における断熱性を効果的に高める観点からは、上記複数の第2の空隙の全ての長さ方向を平均した方向が、シート状の熱電変換材料の厚み方向と直交する面方向に平行であるか、又は、シート状の熱電変換材料の厚み方向と直交する面方向に対して30°以下で傾斜した方向であることが好ましい。上記複数の第2の空隙の全ての長さ方向を平均した方向がシート状の熱電変換材料の厚み方向と直交する面方向に対して傾斜している場合に、傾斜角度は、好ましくは25°以下、より好ましくは20°以下である。なお、後述する全ての実施例では、上記傾斜角度は、30°以下であった。

0038

上記複数の第2の空隙の長さ方向を上記のように制御する方法としては、熱電変換材料の作製時にカーボンナノチューブを厚み方向へ圧縮する方法、熱電変換材料の作製時にカーボンナノチューブの堆積とともに減圧吸引する方法、並びに熱電変換材料の作製時にカーボンナノチューブをせん断やその他外力により厚み方向と直交する面方向に配向させつつ堆積させる方法等が挙げられる。

0039

上記熱電変換材料は、シート状であることが好ましい。このシート状の熱電変換材料は、折り曲げられて用いられてもよい。上記熱電変換材料は不織布状であってもよい。

0040

断熱性を効果的に高める観点からは、上記シート状の熱電変換材料の平均厚みは、好ましくは0.75μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上である。

0041

上記シート状の熱電変換材料の平均厚みは、好ましくは15cm以下、より好ましくは10cm以下、更に好ましくは7.5cm以下である。

0042

本発明では、熱電変換材料の平均厚みが薄くても、また熱電変換材料の平均厚みが上記下限以下であっても、上記複数の第1の空隙によって断熱性を十分に高めることができる。

0043

また、上記熱電変換材料は、上記複数の第1の空隙及び上記複数の第2の空隙を有するので、上記熱電変換材料に対して湿式処理等の処理を実施する際に、上記熱電変換材料に処理材料含浸されやすい。上記処理の具体例としては、ドープ材料を用いた上記熱電変換材料のn型化処理等が挙げられる。本発明に係る熱電変換材料については、n型化処理された熱電変換材料(n型化熱電変換材料)を効率良く得ることができる。

0044

本発明に係る熱電変換デバイスは、上記熱電変換材料と、上記熱電変換材料の表面上に配置された第1の電極と、上記第1の電極と離れた位置において、上記熱電変換材料の表面上に配置された第2の電極とを備える。

0045

本発明に係る熱電変換デバイスでは、上記の構成が備えられているので、熱起電力を高めることができ、かつ破損し難い。

0046

以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。

0047

図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱電変換デバイスの断面図である。

0048

なお、実施形態において参照する図面は、模式的に記載されており、図面に描画された物体の寸法の比率等は、現実の物体の寸法の比率等とは異なる場合がある。具体的な物体の寸法の比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。

0049

図1に示す熱電変換デバイス10は、シート状の熱電変換材料1と、熱電変換材料1の厚み方向の一方側に配置されている第1の電極2aと、熱電変換材料1の厚み方向の一方側とは反対の他方側に配置されている第2の電極2bとを備える。第2の電極2bは、第1の電極2aと離れている。

0050

1つの第1の電極2aと、1つの熱電変換材料1と、1つの第2の電極2bとで、1つの熱電変換素子が構成されている。

0051

第1の電極2aの熱電変換材料1側とは反対側には、第1の基板3aが設けられている。第2の電極2bの熱電変換材料1側とは反対側には、第2の基板3bが設けられている。第1,第2の基板3a,3bの材料は、ポリイミド等の樹脂材料や、適宜のセラミック材料等である。

0052

なお、熱電変換デバイスでは、複数の熱電変換材料が積層されて用いられても、厚み方向に沿う断面における横方向に連続的に電極を介して接続されてもよい。熱電変換デバイスは、更に複数の熱電変換素子を備えていてもよい。また、上記熱電変換デバイスでは、上記熱電変換材料と、上記熱電変換材料のn型化処理により得られたn型化熱電変換材料とが電極を介して直列に接続されていてもよい。

0053

図1に示す熱電変換デバイス10では、熱電変換材料1の厚み方向の一方側に、第1の電極2aが配置されており、熱電変換材料1の厚み方向の上記一方側とは反対の他方側に、第2の電極2bが配置されている。なお、第1の電極2a及び第2の電極2bの配置は、上記の配置に限定されず、適宜変更することができる。

0054

以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。

0055

(実施例1)
熱電変換材料の作製:
N−メチルピロリドン100mL中に、平均直径2nm、G/D比50のシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)25mgを入れ、マグネチックスターラーを用いて撹拌を行った。その後、湿式高圧衝突ホモジナイザーを用いて、圧力100MPaにて、分散処理を3回(繰り返し処理回数)、繰り返して行い、SWCNT分散液を得た。得られたSWCNT分散液を、孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて減圧ろ過し、SWCNT堆積物を得た。得られたSWCNT堆積物を乾燥させることにより、厚み100μmの熱電変換材料を得た。

0056

熱電変換デバイスの作製:
短辺5cm及び長辺10cmの矩形の平面形状を有し、電極を表面に有するポリイミド基板を2枚用意した。一方のポリイミド基板上の電極部分に銀ペーストを塗布した。銀ペースト上に100枚の熱電変換材料を、ポリイミド基板の主面方向に並べて載置した。各熱電変換材料上に銀ペーストを更に熱電変換材料間短絡しないように塗布した。熱電変換材料上の銀ペースト上に、ポリイミド基板の電極部分が重なるように積層した。2枚のポリイミド基板に、熱電変換材料が挟まれた構成を連続的に100対有する積層体を得た。得られた積層体周辺熱硬化性樹脂によってシーリングし、加熱しながらプレスすることにより、短辺5cm及び長辺10cmの矩形の平面形状を有する熱電変換デバイスを得た。

0057

(実施例2)
熱電変換材料の作製において、湿式高圧衝突式ホモジナイザーの繰り返し処理回数を5回に変更したこと以外は、実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。

0058

(実施例3)
熱電変換材料の作製において、湿式高圧衝突式ホモジナイザーの繰り返し処理回数を1回に変更したこと以外は、実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。

0059

(実施例4)
実施例1と同様にして得られた熱電変換材料をトリフェニルホスフィンの5重量%ジメチルスルホキシド溶液中に20分間浸漬した。その後、上記熱電変換材料を上記溶液から取り出して、真空乾燥機を用いて80℃で24時間乾燥させることで、n型化処理された熱電変換材料(n型化熱電変換材料)を得た。その後、熱電変換デバイスの作製において、銀ペースト上に50枚の熱電変換材料と50枚のn型化熱電変換材料とを交互に一方のポリイミド基板の主面方向に並べて載置したこと以外は、実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。

0060

(比較例1)
熱電変換材料の作製において、SWCNTを平均直径2.5nm、G/D比15のSWCNTに変更し、SWCNTの分散処理を、超音波式ホモジナイザーを用いて、300W、10分間の照射条件で行ったこと以外は、実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。

0061

(比較例2)
熱電変換材料の作製において、SWCNTの分散処理を、超音波式ホモジナイザーを用いて、300W、10分間の照射条件で行ったこと以外は、実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。

0062

(比較例3)
熱電変換材料の作製において、SWCNTを平均直径2.5nm、G/D比15のSWCNTに変更したこと以外は、実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。

0063

(比較例4)
比較例1と同様にして得られた熱電変換材料をトリフェニルホスフィンの5重量%ジメチルスルホキシド溶液中に20分間浸漬した。その後、上記熱電変換材料を上記溶液から取り出して、真空乾燥機を用いて80℃で24時間乾燥させることで、n型化処理された熱電変換材料(n型化熱電変換材料)を得た。その後、熱電変換デバイスの作製において、銀ペースト上に50枚の熱電変換材料と50枚のn型化熱電変換材料とを交互に一方のポリイミド基板の主面方向に並べて載置したこと以外は、実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。

0064

(評価)
空隙の最長径の平均及びアスペクト比の平均並びに空隙率:
熱電変換材料をクロスセクションポリッシャーにより厚み方向に切断し、断面をFE−SEMにより観察した。また観察場所をそれぞれ変更して合計20枚の断面観察の写真を得た。それぞれの断面の写真を用いて、50μm×50μmの範囲内における各空隙の最長径及びアスペクト比を計測し、空隙の最長径の平均及びアスペクト比の平均を算出した。空隙の最長径により、上記第1,第2の空隙の選別を行った。また、50μm×50μmの範囲内における第1の空隙による空隙率及び第2の空隙による空隙率も同じく算出した。

0065

図2は、実施例1の熱電変換材料の厚み方向に沿う断面におけるFE−SEM写真(倍率10000倍)である。図3は、比較例1の熱電変換材料の厚み方向に沿う断面におけるFE−SEM写真(倍率10000倍)である。

0066

図3に示すように、比較例1では、最長径が比較的大きい第2の空隙をほぼ有しないことがわかる。図2に示すように、実施例1においては、第1,第2の空隙が混在しており、かついずれによる空隙率も好ましい範囲内にある。

0067

断熱性:
室温(25℃)の熱電変換材料を厚み方向の一方側から、100℃のホットプレート上に載置した。載置してから10秒間経過後に、熱電変換材料のホットプレート側とは反対の表面温度を測定した。

0068

熱電性能
室温(25℃)の熱電変換デバイスを一方のポリイミド基板側から、100℃のホットプレート上に載置した。熱電変換デバイスをホットプレートにより100℃に加熱し、かつ熱電変換デバイスの上面の温度をペルチェ素子により冷却して25℃とし、上面と下面との間に75℃の温度差を付与した。温度差を付与してから10秒後に、デジタルマルチメータヒューレットパッカード社製「3680A」)を用いて、熱電変換デバイスの熱起電力を測定した。比較例1において得られた熱電変換デバイスの熱起電力を「1(STD)」として、実施例及び他の比較例の熱起電力を相対評価した。

0069

応力緩和性/曲げ試験劣化率
上記方法により熱電変換デバイスの熱起電力を測定した後に、熱電変換デバイスを直径5cmの金属棒巻き付ける操作を10回繰り返し、曲げ試験を行った。その後、再度上記方法により熱電変換デバイスの熱起電力を測定した。曲げ試験前の熱起電力の曲げ試験後劣化率を求めた。

0070

評価の結果を下記の表1に示す。

0071

0072

表1に示すように、比較例1〜4ではいずれも、断熱性は低く、熱電変換材料の温度が75℃よりも高くなっていることがわかる。さらに、曲げ試験後劣化率は高く、いずれも50%よりも高いことがわかる。第2の空隙をほぼ有しない比較例1では、断熱性が特に低い。

0073

実施例1〜4では、いずれも熱電変換材料の温度が72℃未満となっており、断熱性が高いことがわかる。熱電性能は、いずれも比較例1の2倍を超えている。さらに、曲げ試験後劣化率はいずれも20%未満となっており、曲げ試験後劣化率が低いことがわかる。

0074

1…熱電変換材料
2a,2b…第1,第2の電極
3a,3b…第1,第2の基板
10…熱電変換デバイス

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