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技術 パターン形成方法及び電子デバイスの製造方法

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 金子明弘土村智孝平野修史椿英明二橋亘
出願日 2016年12月8日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2017-558915
公開日 2018年9月13日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 WO2017-115629
状態 特許登録済
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 半導体の露光(電子、イオン線露光を除く)
主要キーワード 膜厚減少速度 許容含有量 シャワー型 膜厚減少率 リンス特性 飽和炭化水素溶剤 無機系吸着材 ジフェニルアミン系酸化防止剤
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この項目の情報は公開日時点(2018年9月13日)のものです。
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課題・解決手段

エッチング耐性に優れ、かつ、パターン倒れの発生を抑制できるパターンが得られるパターン形成方法、及び、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供する。上記パターン形成方法は、特定の一般式(I)で表される繰り返し単位と、特定の一般式(BII)で表される繰り返し単位とを有する樹脂Aを含有する感活性光線又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程、上記膜を露光する工程、及び、上記露光された膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してパターンを形成する工程を有する。

概要

背景

従来、IC(IntegratedCircuit、集積回路)及びLSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)などの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行なわれている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域又はクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。更には、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線、X線、又はEUV光(Extreme Ultra Violet、極紫外線)を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。

このようなリソグラフィーにおいては、感活性光線又は感放射線性樹脂組成物(フォトレジスト組成物、又は、化学増幅型レジスト組成物とも呼ばれる)を用いて膜を形成した後、得られた膜を露光し、露光された膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像して、パターンを形成することが行なわれている(例えば、特許文献1を参照)。

概要

エッチング耐性に優れ、かつ、パターン倒れの発生を抑制できるパターンが得られるパターン形成方法、及び、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供する。上記パターン形成方法は、特定の一般式(I)で表される繰り返し単位と、特定の一般式(BII)で表される繰り返し単位とを有する樹脂Aを含有する感活性光線又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程、上記膜を露光する工程、及び、上記露光された膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してパターンを形成する工程を有する。

目的

本発明は、エッチング耐性に優れ、かつ、パターン倒れの発生を抑制できるパターンが得られるパターン形成方法、及び、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(BII)で表される繰り返し単位とを有する樹脂Aを含有する感活性光線又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程、前記膜を露光する工程、及び、前記露光された膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してパターンを形成する工程を有するパターン形成方法。ただし、前記一般式(I)中、R41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子アルキル基シクロアルキル基ハロゲン原子シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はAr4と結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。X4は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。L4は、単結合又はアルキレン基を表す。Ar4は、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。nは、1以上の整数を表す。また、前記一般式(BII)中、R61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はAr6と結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。X6は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。L6は、単結合又はアルキレン基を表す。Ar6は、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。Y2は、n=1の場合には酸の作用により脱離する基を表し、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Y2の少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。nは、1以上の整数を表す。

請求項2

前記一般式(I)におけるAr4及び前記一般式(BII)におけるAr6が、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基である、請求項1に記載のパターン形成方法。

請求項3

前記一般式(I)におけるX4及び前記一般式(BII)におけるX6が、それぞれ独立に、単結合である、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。

請求項4

前記樹脂A中の全繰り返し単位に対する、前記一般式(BII)で表される繰り返し単位の含有量が、10モル%以上80モル%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項5

前記樹脂A中の全繰り返し単位に対する、前記一般式(BII)で表される繰り返し単位の含有量が、25モル%以上65モル%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項6

前記樹脂A中の全繰り返し単位に対する、前記一般式(I)で表される繰り返し単位の含有量が、10モル%以上80モル%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項7

前記一般式(BII)におけるY2が、下記式(Y1)で表される基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパターン形成方法。(Y1):−C(Rx1)(Rx2)(Rx3)式(Y1)中、Rx1〜Rx3は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Rx1〜Rx3の2つが結合して環を形成してもよい。

請求項8

前記式(Y1)において、Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して環を形成している、請求項7に記載のパターン形成方法。

請求項9

前記樹脂Aが、芳香環基を有する繰り返し単位をさらに有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項10

前記樹脂Aが、ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位をさらに有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項11

前記感活性光線又は感放射線性樹脂組成物が、活性光線又は放射線により酸を発生する化合物をさらに含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項12

前記現像液が、ケトン系溶剤及びエステル系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項13

前記露光された膜を、前記現像液を用いて現像した後、リンス液を用いて洗浄する工程をさらに有し、前記リンス液が、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、及び、炭化水素系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項14

請求項1〜13のいずれか一項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、パターン形成方法及び電子デバイスの製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、IC(IntegratedCircuit、集積回路)等の半導体製造工程、液晶及びサーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにはその他のフォトファブリケーションリソグラフィー工程などに使用されるパターン形成方法、及び、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、IC(IntegratedCircuit、集積回路)及びLSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)などの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行なわれている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域又はクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。更には、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線、X線、又はEUV光(Extreme Ultra Violet、極紫外線)を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。

0003

このようなリソグラフィーにおいては、感活性光線又は感放射線性樹脂組成物(フォトレジスト組成物、又は、化学増幅型レジスト組成物とも呼ばれる)を用いて膜を形成した後、得られた膜を露光し、露光された膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像して、パターンを形成することが行なわれている(例えば、特許文献1を参照)。

先行技術

0004

特許第5557550号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明者らが、特許文献1の[実施例]に具体的に開示された感活性光線又は感放射線性樹脂組成物を用いてパターンを形成したところ、エッチング耐性が不十分であったり、パターン倒れが発生したりする場合があることが分かった。

0006

そこで、本発明は、エッチング耐性に優れ、かつ、パターン倒れの発生を抑制できるパターンが得られるパターン形成方法、及び、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、用いる感活性光線又は感放射線性樹脂組成物に含有される樹脂が、特定の繰り返し単位の組み合わせを有することで、所望の効果が得られることを見出した。
より具体的には、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。

0008

[1]後述する一般式(I)で表される繰り返し単位と、後述する一般式(BII)で表される繰り返し単位とを有する樹脂Aを含有する感活性光線又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程、上記膜を露光する工程、及び、上記露光された膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してパターンを形成する工程を有するパターン形成方法。
[2]上記一般式(I)におけるAr4及び上記一般式(BII)におけるAr6が、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基である、上記[1]に記載のパターン形成方法。
[3]上記一般式(I)におけるX4及び上記一般式(BII)におけるX6が、それぞれ独立に、単結合である、上記[1]又は[2]に記載のパターン形成方法。
[4]上記樹脂A中の全繰り返し単位に対する、上記一般式(BII)で表される繰り返し単位の含有量が、10モル%以上80モル%以下である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[5]上記樹脂A中の全繰り返し単位に対する、上記一般式(BII)で表される繰り返し単位の含有量が、25モル%以上65モル%以下である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[6]上記樹脂A中の全繰り返し単位に対する、上記一般式(I)で表される繰り返し単位の含有量が、10モル%以上80モル%以下である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[7]上記一般式(BII)におけるY2が、後述する式(Y1)で表される基である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[8]上記式(Y1)において、Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して環を形成している、上記[7]に記載のパターン形成方法。
[9]上記樹脂Aが、芳香環基を有する繰り返し単位をさらに有する、上記[1]〜[8]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[10]上記樹脂Aが、ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位をさらに有する、上記[1]〜[9]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[11]上記感活性光線又は感放射線性樹脂組成物が、活性光線又は放射線により酸を発生する化合物をさらに含有する、上記[1]〜[10]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[12]上記現像液が、ケトン系溶剤及びエステル系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含む、上記[1]〜[11]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[13]上記露光された膜を、上記現像液を用いて現像した後、リンス液を用いて洗浄する工程をさらに有し、上記リンス液が、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、及び、炭化水素系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含む、上記[1]〜[12]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[14]上記[1]〜[13]のいずれかに記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。

発明の効果

0009

本発明によれば、エッチング耐性に優れ、かつ、パターン倒れの発生を抑制できるパターンが得られるパターン形成方法、及び、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供できる。

0010

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯輝線スペクトルエキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。

0011

なお、本発明において、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、下記条件のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)から求められる標準ポリスチレン換算値である。
装置:東ソー社製 HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製 TSK−GEL G3000PWXL
展開溶媒:THF(テトラヒドロフラン

0012

[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、後述する感活性光線又は感放射線性樹脂組成物(以下「レジスト組成物」ともいう)を用いて膜を形成する工程、上記膜を露光する工程、及び、上記露光された膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してパターンを形成する工程を有するパターン形成方法である。

0013

本発明のパターン形成方法によれば、エッチング耐性に優れ、かつ、パターン倒れの発生を抑制できるパターンが得られる。
その理由は、以下のように推測される。すなわち、レジスト組成物に含有される後述する樹脂Aが、芳香環基を有する後述する一般式(I)で表される繰り返し単位と、同じく芳香環基を有する後述する一般式(BII)で表される繰り返し単位とを有することで、このようなレジスト組成物を用いて形成されるパターンのエッチング耐性が向上すると考えられる。
また、パターンが上記樹脂Aを含有することで、現像液に対する膨潤が抑制され、その結果、パターン倒れの発生が抑制できると考えられる。膨潤が抑制された理由は定かではないが、一般式(I)及び一般式(BII)がともに芳香環基を有するため、それら芳香族環基の間の相互作用が強固となり、現像液の浸透が抑制されたと推定している。なお、パターンのエッチング耐性が良好になるので、膜厚を薄くすることができ、このような薄膜化によっても、パターン倒れの発生を抑制できる。

0014

以下、本発明のパターン形成方法が有する各工程について説明する。

0015

膜形成工程〕
膜形成工程は、後述する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜(以下「レジスト膜」又は「感活性光線性又は感放射線性膜」ともいう)を形成する工程であり、例えば次の方法により行なうことができる。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成するためには、後述する各成分を溶剤に溶解して感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製し、必要に応じてフィルター濾過した後、基板上に塗布する。フィルターとしては、例えば、ポアサイズ0.1ミクロン以下、好ましくは0.05ミクロン以下、より好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製ポリエチレン製、ナイロン製のフィルターである。

0016

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン二酸化シリコン被覆)上に、スピナー等の適当な塗布方法により塗布される。その後、乾燥し、レジスト膜を形成する。必要により、レジスト膜の下層に、各種下地膜無機膜有機膜反射防止膜)を形成してもよい。

0017

乾燥方法としては、加熱して乾燥する方法が一般的に用いられる。加熱は通常の露光機又は現像機に備わっている手段で行なうことができ、ホットプレート等を用いて行なってもよい。
加熱温度は、80〜180℃が好ましく、80〜150℃がより好ましく、80〜140℃が更に好ましく、80〜130℃が特に好ましい。加熱時間は、30〜1000秒が好ましく、60〜800秒がより好ましく、60〜600秒が更に好ましい。

0018

レジスト膜の膜厚は、一般的には200nm以下であり、好ましくは100nm以下である。
例えば30nm以下のサイズの1:1ラインアンドスペースパターン解像させるためには、形成されるレジスト膜の膜厚が50nm以下であることが好ましい。膜厚が50nm以下であれば、後述する現像工程を適用した際に、パターン倒れがより起こりにくくなり、より優れた解像性能が得られる。
膜厚の範囲としてより好ましくは、15nm以上45nm以下の範囲である。膜厚が15nm以上であれば、より良好なエッチング耐性が得られる。膜厚の範囲としてより好ましくは、15nm以上40nm以下である。

0019

なお、本発明のパターン形成方法においては、レジスト膜の上層上層膜トップコート膜)を形成してもよい。上層膜は、例えば、疎水性樹脂酸発生剤塩基性化合物などを含有する上層膜形成用組成物を用いて形成することができる。上層膜及び上層膜形成用組成物については、後述のとおりである。

0020

〔露光工程〕
露光工程は、上記レジスト膜を露光する工程であり、例えば次の方法により行なうことができる。
形成したレジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射する。なお、電子ビームの照射では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
活性光線又は放射線としては特に限定されないが、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV光(Extreme Ultra Violet)、電子線(EB、Electron Beam)等である。露光は液浸露光であってもよい。
後述する樹脂(A)を用いる本発明のパターン形成方法においては、いずれの活性光線又は放射線であっても使用できる。

0021

ベーク(PEB(Post Exposure Bake))〕
本発明のパターン形成方法においては、露光後、現像を行なう前にベーク(加熱)を行なうことが好ましい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度及び/又はパターン形状がより良好となる。
加熱温度は80〜150℃が好ましく、80〜140℃がより好ましく、80〜130℃が更に好ましい。
加熱時間は30〜1000秒が好ましく、60〜800秒がより好ましく、60〜600秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光機又は現像機に備わっている手段で行なうことができ、ホットプレート等を用いて行なってもよい。

0022

〔現像工程〕
現像工程は、露光された上記レジスト膜を、有機溶剤を含む現像液を用いてによって現像してパターンを形成する工程である。現像工程では、レジスト膜における未露光部が現像液によって溶解し、いわゆるネガ型のパターンが形成される。

0023

現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
また、現像を行なう工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像時間は未露光部の樹脂が十分に溶解する時間であれば特に制限はなく、通常は10〜300秒であり、好ましくは20〜120秒である。
現像液の温度は0〜50℃が好ましく、15〜35℃がより好ましい。

0024

現像工程で用いられる現像液としては、後述する現像液(有機系現像液)を用いることが好ましい。なお、有機系現像液を用いた現像に加えて、アルカリ現像液による現像を行なってもよい(いわゆる二重現像)。

0025

リンス工程〕
本発明のパターン形成方法は、上記現像工程の後に、リンス工程をさらに有していてもよい。リンス工程においては、現像を行なったウエハを、後述するリンス液を用いて洗浄(リンス)処理することが好ましい。
洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転吐出法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転吐出方法で洗浄処理を行ない、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。
リンス時間には特に制限はないが、通常は10秒〜300秒であり、好ましくは10秒〜180秒であり、より好ましくは20秒〜120秒である。
リンス液の温度は0〜50℃が好ましく、15〜35℃がより好ましい。

0026

また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行なうことができる。
さらに、現像処理又はリンス処理又は超臨界流体による処理の後、パターン中に残存する溶剤を除去するために加熱処理を行なうことができる。加熱温度は、良好なレジストパターンが得られる限り特に限定されるものではなく、通常40〜160℃である。加熱温度は50〜150℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。加熱時間に関しては良好なレジストパターンが得られる限り特に限定されないが、通常15〜300秒であり、好ましくは、15〜180秒である。

0027

〔現像液及びリンス液〕
本発明のパターン形成方法に使用される現像液およびリンス液は、有機溶剤を含有し、さらに、酸化防止剤及び/又は界面活性剤を含有することが好ましい。
以下、現像液、リンス液の順に、これらに含まれる成分及び含まれ得る成分について、詳細に説明する。

0028

なお、現像液及びリンス液には、以下に記載する例の異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種が含まれていてもよい。

0029

<現像液>
現像液は、上述した現像工程で用いられ、有機溶剤を含有することから有機系現像液ということもできる。

0030

(有機溶剤)
有機溶剤の蒸気圧混合溶媒である場合は全体としての蒸気圧)は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下がより好ましく、2kPa以下が更に好ましい。
有機溶剤の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウエハ面内温度均一性が向上し、結果としてウエハ面内の寸法均一性が良化する。
現像液に用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤が広く使用されるが、たとえば、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤アミド系溶剤、エーテル系溶剤および炭化水素系溶剤等の溶剤を用いることができる。

0031

本発明において、エステル系溶剤とは分子内にエステル基を有する溶剤のことであり、ケトン系溶剤とは分子内にケトン基を有する溶剤のことであり、アルコール系溶剤とは分子内にアルコール性水酸基を有する溶剤のことであり、アミド系溶剤とは分子内にアミド基を有する溶剤のことであり、エーテル系溶剤とは分子内にエーテル結合を有する溶剤のことである。これらの中には、1分子内に上記官能基を複数種有する溶剤も存在するが、その場合は、その溶剤の有する官能基を含むいずれの溶剤種にも該当するものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤いずれにも該当するものとする。
特に、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を含有する現像液であることが好ましい。

0032

エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチル酢酸イソブチル酢酸ペンチル酢酸プロピル酢酸イソプロピル酢酸アミル(酢酸ペンチル)、酢酸イソアミル酢酸イソペンチル又は酢酸3−メチルブチル)、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、酢酸イソヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、メトキシ酢酸エチルエトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートPGMEA;別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテートエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート蟻酸メチル蟻酸エチル蟻酸ブチル蟻酸プロピル乳酸エチル乳酸ブチル乳酸プロピル、炭酸エチル炭酸プロピル、炭酸ブチルピルビン酸メチルピルビン酸エチルピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチルアセト酢酸エチルプロピオン酸メチルプロピオン酸エチルプロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピルプロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチル、ブタン酸イソブチル、ブタン酸ペンチル、ブタン酸ヘキシル、イソブタン酸イソブチル、ペンタン酸プロピル、ペンタン酸イソプロピル、ペンタン酸ブチル、ペンタン酸ペンチル、ヘキサン酸エチルヘキサン酸プロピル、ヘキサン酸ブチル、ヘキサン酸イソブチル、ヘプタン酸メチルヘプタン酸エチルヘプタン酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シクロヘプチル酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸シクロペンチル2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルが好ましく用いられ、酢酸イソアミルがより好ましく用いられる。

0033

ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン2−ヘプタノン4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトンシクロヘキサノンメチルシクロヘキサノンフェニルアセトン、メチルエチルケトンメチルイソブチルケトンアセチルアセトンアセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコールアセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトンイソホロンプロピレンカーボネートおよびγ−ブチロラクトン等を挙げることができ、中でも2−ヘプタノンまたはジイソブチルケトンが好ましい。

0034

アルコール系溶剤としては、例えば、メタノールエタノール1−プロパノールイソプロパノール、1−ブタノール2−ブタノール3−メチル−1−ブタノール、tert—ブチルアルコール、1−ペンタノール2−ペンタノール1−ヘキサノール1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−デカノール、2−ヘキサノール2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール、5−メチル−2−ヘキサノール、4−メチル−2−ヘキサノール、4,5−ジチル−2−ヘキサール、6−メチル−2−ヘプタノール、7−メチル−2−オクタノール、8−メチル−2−ノナール、9−メチル−2−デカノール、3−メトキシ−1−ブタノール等のアルコール(1価のアルコール)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤エチレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;別名1−メトキシ−2−プロパノール)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルメトキシメチルブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等の水酸基を含有するグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。これらの中でもグリコールエーテル系溶剤を用いることが好ましい。

0035

エーテル系溶剤としては、例えば、上記水酸基を含有するグリコールエーテル系溶剤の他、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテル等の水酸基を含有しないグリコールエーテル系溶剤、アニソールフェネトール等の芳香族エーテル溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランパーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、イソプロピルエーテル等が挙げられる。好ましくは、グリコールエーテル系溶剤、又はアニソールなどの芳香族エーテル溶剤を用いる。

0036

アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。

0037

炭化水素系溶剤としては、例えば、ペンタンヘキサンオクタンノナンデカンドデカンウンデカンヘキサデカン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、パーフルオロヘキサンパーフルオロヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤トルエンキシレンエチルベンゼンプロピルベンゼン、1−メチルプロピルベンゼン、2−メチルプロピルベンゼン、ジメチルベンゼンジエチルベンゼン、エチルメチルベンゼントリメチルベンゼンエチルジメチルベンゼン、ジプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
また、炭化水素系溶剤としては、不飽和炭化水素系溶剤も用いることができ、例えば、オクテンノネンデセンウンデセン、ドデセンヘキサデセン等の不飽和炭化水素系溶剤が挙げられる。不飽和炭化水素溶剤が有する二重結合三重結合の数は特に限定されず、また、炭化水素鎖のどの位置に有してもよい。また、不飽和炭化水素溶剤が二重結合を有する場合には、cis体及びtrans体が混在していてもよい。
なお、炭化水素系溶剤である脂肪族炭化水素系溶剤においては、同じ炭素数で異なる構造の化合物の混合物であってもよい。例えば、脂肪族炭化水素系溶媒としてデカンを使用した場合、同じ炭素数で異なる構造の化合物である2−メチルノナン、2,2−ジメチルオクタン、4−エチルオクタン、イソオクタンなどが脂肪族炭化水素系溶媒に含まれていてもよい。
また、上記同じ炭素数で異なる構造の化合物は、1種のみが含まれていてもよいし、上記のように複数種含まれていてもよい。

0038

現像液は、上述した露光工程においてEUV光(Extreme Ultra Violet)及びEB(Electron Beam)を用いる場合において、レジスト膜の膨潤を抑制できるという点から、炭素原子数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
上記エステル系溶剤のヘテロ原子は、炭素原子及び水素原子以外の原子であって、例えば、酸素原子窒素原子硫黄原子等が挙げられる。ヘテロ原子数は、2以下が好ましい。
炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることがより好ましい。

0039

現像液は、上述した露光工程においてEUV光(Extreme Ultra Violet)及びEB(Electron Beam)を用いる場合において、上述した炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤に代えて、上記エステル系溶剤及び上記炭化水素系溶剤の混合溶剤、又は、上記ケトン系溶剤及び上記炭化水素溶剤の混合溶剤を用いてもよい。この場合においても、レジスト膜の膨潤の抑制に効果的である。
エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、エステル系溶剤として酢酸イソアミルを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、レジスト膜の溶解性を調製するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
ケトン系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、ケトン系溶剤として2−ヘプタノンまたはジイソブチルケトンを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、レジスト膜の溶解性を調製するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
また、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合、ケトン系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、炭化水素系溶剤として不飽和炭化水素系溶剤も用いることができ、例えば、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセン等の不飽和炭化水素系溶剤が挙げられる。不飽和炭化水素溶剤が有する二重結合、三重結合の数は特に限定されず、また、炭化水素鎖のどの位置に有してもよい。
また、不飽和炭化水素溶剤が二重結合を有する場合には、cis体及びtrans体が混在していてもよい。
上記の混合溶剤を用いる場合において、炭化水素系溶剤の含有量は、レジスト膜の溶剤溶解性に依存するため、特に限定されず、適宜調製して必要量を決定すればよい。

0040

上記の有機溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤及び/又は水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
現像液における有機溶剤(複数混合の場合は合計)の濃度は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは85〜90質量%以上、特に好ましくは95〜100質量%である。最も好ましくは、実質的に有機溶剤のみからなる場合である。なお、実質的に有機溶剤のみからなる場合とは、微量の界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、消泡剤などを含有する場合を含むものとする。

0041

現像液として用いる有機溶剤としては、エステル系溶剤を好適に挙げることができる。
エステル系溶剤としては、後述する一般式(S1)で表される溶剤又は後述する一般式(S2)で表される溶剤を用いることがより好ましく、一般式(S1)で表される溶剤を用いることが更に好ましく、酢酸アルキルを用いることが特に好ましく、酢酸ブチル、酢酸アミル(酢酸ペンチル)、酢酸イソアミル(酢酸イソペンチル)を用いることが最も好ましい。

0042

R−C(=O)−O−R’・・・(S1)

0043

一般式(S1)に於いて、R及びR’は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基アルコキシル基アルコキシカルボニル基カルボキシル基ヒドロキシル基シアノ基又はハロゲン原子を表す。R及びR’は、互いに結合して環を形成してもよい。
R及びR’についてのアルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基の炭素数は、1〜15の範囲であることが好ましく、シクロアルキル基の炭素数は、3〜15であることが好ましい。
R及びR’としては水素原子又はアルキル基が好ましく、R及びR’についてのアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、及びRとR’とが互いに結合して形成する環は、水酸基、カルボニル基を含む基(例えば、アシル基アルデヒド基アルコキシカルボニル等)、シアノ基などで置換されていてもよい。

0044

一般式(S1)で表される溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等を挙げることができる。

0045

これらの中でも、R及びR’が無置換のアルキル基であることが好ましい。
一般式(S1)で表される溶剤としては、酢酸アルキルであることが好ましく、酢酸ブチル、酢酸アミル(酢酸ペンチル)、酢酸イソアミル(酢酸イソペンチル)であることがより好ましく、酢酸イソアミルであることがさらに好ましい。

0046

一般式(S1)で表される溶剤は他の有機溶剤1種以上と併用して用いてもよい。この場合の併用溶剤としては、一般式(S1)で表される溶剤に分離することなく混合できれば特に制限は無く、一般式(S1)で表される溶剤同士を併用して用いてもよいし、一般式(S1)で表される溶剤を他のエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤から選択される溶剤に混合して用いてもよい。併用溶剤は1種以上用いることができるが、安定した性能を得る上では、1種であることが好ましい。併用溶剤1種を混合して用いる場合の、一般式(S1)で表される溶剤と併用溶剤の混合比は、質量比で通常20:80〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは60:40〜95:5、更に好ましくは60:40〜90:10である。

0047

現像液として用いる有機溶剤としては、グリコールエーテル系溶剤を用いることができる。グリコールエーテル系溶剤としては、下記一般式(S2)で表される溶剤を用いてもよい。

0048

R’’−C(=O)−O−R’’’−O−R’’’’ ・・・(S2)

0049

一般式(S2)に於いて、
R’’及びR’’’’は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。R’’及びR’’’’は、互いに結合して環を形成してもよい。
R’’及びR’’’’は、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。R’’及びR’’’’についてのアルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基の炭素数は、1〜15の範囲であることが好ましく、シクロアルキル基の炭素数は、3〜15であることが好ましい。
R’’’は、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。R’’’は、アルキレン基であることが好ましい。R’’’についてのアルキレン基の炭素数は、1〜10の範囲であることが好ましい。R’’’についてのシクロアルキレン基の炭素数は、3〜10の範囲であることが好ましい。
R’’及びR’’’’についてのアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、R’’’についてのアルキレン基、シクロアルキレン基、及びR’’とR’’’’とが互いに結合して形成する環は、水酸基、カルボニル基を含む基(例えば、アシル基、アルデヒド基、アルコキシカルボニル等)、シアノ基などで置換されていてもよい。

0050

一般式(S2)に於ける、R’’’についてのアルキレン基は、アルキレン鎖中にエーテル結合を有していてもよい。

0051

一般式(S2)で表される溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート等が挙げられ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることが好ましい。
これらの中でも、R’’及びR’’’’が無置換のアルキル基であり、R’’’が無置換のアルキレン基であることが好ましく、R’’及びR’’’’がメチル基及びエチル基のいずれかであることがより好ましく、R’’及びR’’’’がメチル基であることが更により好ましい。

0052

一般式(S2)で表される溶剤は他の有機溶剤1種以上と併用して用いてもよい。この場合の併用溶剤としては、一般式(S2)で表される溶剤に分離することなく混合できれば特に制限は無く、一般式(S2)で表される溶剤同士を併用して用いてもよいし、一般式(S2)で表される溶剤を他のエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤から選択される溶剤に混合して用いてもよい。併用溶剤は1種以上用いることができるが、安定した性能を得る上では、1種であることが好ましい。併用溶剤1種を混合して用いる場合の、一般式(S2)で表される溶剤と併用溶剤の混合比は、質量比で通常20:80〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは60:40〜95:5、更に好ましくは60:40〜90:10である。

0053

また、現像液として用いる有機溶剤としては、エーテル系溶剤も好適に挙げることができる。
用いることができるエーテル系溶剤としては、前述のエーテル系溶剤が挙げられ、このなかでも芳香環を一つ以上含むエーテル系溶剤が好ましく、下記一般式(S3)で表される溶剤がより好ましく、更に好ましくはアニソールである。

0054

0055

一般式(S3)において、
RSは、アルキル基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。

0056

現像液は、一形態において、ケトン系溶剤及びエステル系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含むことが好ましく、ケトン系溶剤を含むことがより好ましい。ケトン系溶剤を使用する場合、上述したように、炭化水素系溶剤を組み合わせて使用できる。

0057

本発明における現像液に含まれる有機溶剤としては、後述する感活性光線又は感放射線性樹脂組成物に用いられる有機溶剤を用いることができる。

0058

(界面活性剤)
現像液は、界面活性剤を含有することが好ましい。これにより、レジスト膜に対する濡れ性が向上して、現像がより効果的に進行する。
界面活性剤としては、後述する感活性光線又は感放射線性樹脂組成物に用いられる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
界面活性剤の含有量は、現像液の全質量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。

0059

(酸化防止剤)
現像液は、酸化防止剤を含有することが好ましい。これにより、経時的な酸化剤の発生を抑制でき、酸化剤の含有量をより低下できる。

0060

酸化防止剤としては、公知のものが使用できるが、半導体用途に用いる場合、アミン系酸化防止剤フェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、特開2013−124266号公報の段落[0038]に記載されたナフチルアミン系酸化防止剤フェニレンジアミン系酸化防止剤、ジフェニルアミン系酸化防止剤、および、フェノチアジン系酸化防止剤を援用することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、特開2013−124266号公報の段落[0038]に記載されたフェノール系酸化防止剤を援用することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。

0061

酸化防止剤の含有量は、特に限定されないが、現像液の全質量に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.0001〜0.1質量%がより好ましく、0.0001〜0.01質量%が更に好ましい。0.0001質量%以上であるとより優れた酸化防止効果が得られ、1質量%以下であることで、現像残渣を抑制できる傾向にある。

0062

(塩基性化合物)
本発明の現像液は、塩基性化合物を含有することが好ましい。塩基性化合物の具体例としては、後に述べる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が含み得る塩基性化合物(E)として例示する化合物が挙げられる。
本発明の現像液に含まれ得る塩基性化合物としては、例えば、特開2013−011858号公報の段落[0009]および[0031]〜[0050]に記載された式(1)で表される化合物を援用することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。

0063

上記した含窒素化合物の内、SP値が18以下の含窒素化合物が現像欠陥抑制の観点から好ましく用いられる。SP値が18以下の含窒素化合物は、上述したリンスプロセスに用いられるリンス液との親和性が良好であり、析出などの現像欠陥の発生を抑制できるためである。

0064

本発明で用いられる含窒素化合物のSP値は、「Propeties of Polymers、第二版、1976出版」に記載のFedors法を用いて計算されたものである。用いた計算式、各置換基のパラメーターを以下に示す。
SP値(Fedors法)=[(各置換基の凝集エネルギーの和)/(各置換基の体積の和)]0.5

0065

0066

上述した条件(SP値)を満足する、(シクロアルキルアミン化合物含窒素脂肪族複素環化合物が好ましく、1−アミノデカン、ジ−n−オクチルアミントリn−オクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンがより好ましい。以下の表に、これらの含窒素脂肪族複素環化合物のSP値等を示す。

0067

0068

現像液中における、塩基性化合物(好ましくは含窒素化合物)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、現像液全量に対して、10質量%以下が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
なお、本発明において、上記の含窒素化合物は、1種のみを使用してもよいし、化学構造が異なる2種以上を併用してもよい。

0069

<リンス液>
リンス液は、上述したリンス工程で用いられ、有機溶剤を含有することから有機系リンス液ということもできる。

0070

リンス液の蒸気圧(混合溶媒である場合は全体としての蒸気圧)は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下がより好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が更に好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウエハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウエハ面内の寸法均一性が良化する。

0071

(有機溶剤)
本発明のリンス液に含まれる有機溶剤としては、種々の有機溶剤が用いられるが、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を用いることが好ましい。
これらの有機溶剤の具体例は、上記現像液で説明した有機溶剤と同様である。

0072

リンス液に含まれる有機溶剤としては、上述した露光工程においてEUV光(Extreme Ultra Violet)又はEB(Electron Beam)を用いる場合において、上記の有機溶剤の中でも炭化水素系溶剤を用いることが好ましく、脂肪族炭化水素系溶剤を用いることがより好ましい。リンス液に用いられる脂肪族炭化水素系溶剤としては、その効果がより向上するという観点から、炭素数5以上の脂肪族炭化水素系溶剤(例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ヘキサデカン等)が好ましく、炭素原子数が8以上の脂肪族炭化水素系溶剤がより好ましく、炭素原子数が10以上の脂肪族炭化水素系溶剤が更に好ましい。
なお、上記脂肪族炭化水素系溶剤の炭素原子数の上限値は特に限定されないが、例えば、16以下が挙げられ、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。
上記脂肪側炭化水素系溶剤の中でも、好ましくは、デカン、ウンデカン、ドデカンであり、より好ましくはウンデカンである。
尚、リンス液に含まれる炭化水素系溶剤として不飽和炭化水素系溶剤も用いることができ、例えば、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセン等の不飽和炭化水素系溶剤が挙げられる。不飽和炭化水素溶剤が有する二重結合、三重結合の数は特に限定されず、また、炭化水素鎖のどの位置に有してもよい。また、不飽和炭化水素溶剤が二重結合を有する場合には、cis体及びtrans体が混在していてもよい。
このようにリンス液に含まれる有機溶剤として炭化水素系溶剤(特に脂肪族炭化水素系溶剤)を用いることで、現像後にわずかにレジスト膜に染み込んでいた現像液が洗い流されて、膨潤がより抑制され、パターン倒れが抑制されるという効果が一層発揮される。

0073

また、リンス液に含まれる有機溶剤として、上記エステル系溶剤及び上記炭化水素系溶剤の混合溶剤、又は、上記ケトン系溶剤及び上記炭化水素溶剤の混合溶剤を用いてもよい。上記のような混合溶剤とする場合には、炭化水素溶剤を主成分とすることが好ましい。
エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、エステル系溶剤として酢酸ブチル、酢酸イソアミルを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、上記効果が一層発揮されるという点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
ケトン系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、ケトン系溶剤として2−ヘプタノンを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、上記効果が一層発揮されるという点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
また、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合、ケトン系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、炭化水素系溶剤として不飽和炭化水素系溶剤も用いることができ、例えば、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセン等の不飽和炭化水素系溶剤が挙げられる。不飽和炭化水素溶剤が有する二重結合、三重結合の数は特に限定されず、また、炭化水素鎖のどの位置に有してもよい。
また、不飽和炭化水素溶剤が二重結合を有する場合には、cis体及びtrans体が混在していてもよい。

0074

さらに、リンス液に含まれる有機溶剤としては、現像後の残渣低減に特に有効であるという観点から、上記エステル系溶剤及び上記ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を用いる態様であってもよい。
リンス液が、エステル系溶剤及びケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する場合、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル(酢酸イソアミル)、酢酸n−ペンチル、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP、エチル−3−エトキシプロピオネート)、及び2−ヘプタノンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を主成分として含有することが好ましく、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を主成分として含有することがより好ましい。
また、リンス液が、エステル系溶剤及びケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する場合、エステル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤からなる群より選択される溶剤を副成分として含有することが好ましく、中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、酢酸エチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン、プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネートからなる群より選択される溶剤がより好ましい。
この中でも、有機溶剤としてエステル系溶剤を用いる場合には、上記効果が一層発揮されるという点から、2種以上のエステル系溶剤を用いることが好ましい。この場合の具体例としては、エステル系溶剤(好ましくは酢酸ブチル)を主成分として、これとは化学構造が異なるエステル系溶剤(好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))を副成分として用いることが挙げられる。
また、有機溶剤としてエステル系溶剤を用いる場合には、上記効果が一層発揮されるという点から、エステル系溶剤(1種又は2種以上)に加えて、グリコールエーテル系溶剤を用いてもよい。この場合の具体例としては、エステル系溶剤(好ましくは、酢酸ブチル)を主成分として、グリコールエーテル系溶剤(好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME))を副成分として用いることが挙げられる。
有機溶剤としてケトン系溶剤を用いる場合には、上記効果が一層発揮されるという点から、ケトン系溶剤(1種又は2種以上)に加えて、エステル系溶剤及び/又はグリコールエーテル系溶剤を用いてもよい。この場合の具体例としては、ケトン系溶剤(好ましくは2−ヘプタノン)を主成分として、エステル系溶剤(好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))及び/又はグリコールエーテル系溶剤(好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME))を副成分として用いることが挙げられる。
ここで、上記の「主成分」とは、有機溶剤の全質量に対する含有量が、50〜100質量%であることをいい、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%、特に好ましくは95〜100質量%であることをいう。
また、副成分を含有する場合には、副成分の含有量は、主成分の全質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることがさらに好ましい。

0075

リンス液としては、エーテル系溶剤も好適に用いることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、水酸基を含有するグリコールエーテル系溶剤の他、ジプロピレングリコールジメチルエーテルジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどの水酸基を含有しないグリコールエーテル系溶剤;アニソール、フェネトールなどの芳香族エーテル溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルイソプロピルエーテル、シクロペンチルsec−ブチルエーテル、シクロペンチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキシルイソプロピルエーテル、シクロヘキシルsec−ブチルエーテル、シクロヘキシルtert−ブチルエーテルなどの環式脂肪族エーテル系溶剤;ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテルなどの直鎖アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤ジイソヘキシルエーテル、メチルイソペンチルエーテル、エチルイソペンチルエーテル、プロピルイソペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル(ジイソペンチルエーテル)、メチルイソブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、プロピルイソブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、ジイソヘキシルエーテルなどの分岐アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤;等が挙げられる。中でも好ましくは、ウェハの面内均一性の観点から、炭素数8〜12の非環式脂肪族エーテル系溶剤であり、より好ましくは、炭素数8〜12の分岐アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤である。更に好ましくは、ジイソブチルエーテル、ジイソアミルエーテル(ジイソペンチルエーテル)又はジイソヘキシルエーテルである。

0076

リンス液は、一形態において、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、及び、炭化水素系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含むことが好ましい。

0077

有機溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。上記溶剤は水と混合してもよいが、リンス液中の含水率は通常60質量%以下であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。含水率を60質量%以下にすることで、良好なリンス特性を得ることができる。

0078

(界面活性剤)
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。これにより、レジスト膜に対する濡れ性が向上して、洗浄効果がより向上する傾向にある。
界面活性剤としては、後述する感活性光線又は感放射線性樹脂組成物に用いられる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
界面活性剤の含有量は、リンス液の全質量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。

0079

(酸化防止剤)
リンス液は、酸化防止剤を含有することが好ましい。これにより、経時的な酸化剤の発生を抑制でき、酸化剤の含有量をより低下できる。酸化防止剤の具体例及び含有量については、上記の現像液で述べた通りである。

0080

現像液及びリンス液は、静電気の帯電、引き続き生じる静電気放電に伴う薬液配管及び/又は各種パーツ(フィルター、O−リングチューブなど)の故障を防止する為、導電性の化合物を添加してもよい。
なお、現像液及びリンス液は、比誘電率が6.0以上の高極性有機溶媒を含有するため、それ自体でも静電気の帯電を抑制する効果があるが、上述の導電性の化合物との併用によってより一層、静電気の帯電を抑制することができる。
導電性の化合物としては特に制限されないが、例えば、メタノールが挙げられる。添加良は特に制限されないが、好ましい現像特性を維持する観点で、10質量%以下が好ましく、より好ましくは、5質量%以下である。薬液配管の部材に関しては、SUS、或いは帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂ポリテトラフルオロエチレンパーフロオロアルコキシ樹脂など)で被膜された各種配管を用いることができる。フィルター及びO−リングに関しても同様に、帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフロオロアルコキシ樹脂など)を用いることができる。

0081

[感活性光線又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)]
次に、本発明のパターン形成方法に使用する感活性光線又は感放射線性樹脂組成物について詳細に説明する。

0082

〔(A)樹脂〕
感活性光線又は感放射線性樹脂組成物は、樹脂A(以下「樹脂(A)」ともいう)を含有する。樹脂(A)は、少なくとも、後述する一般式(I)で表される繰り返し単位と、後述する一般式(BII)で表される繰り返し単位とを有する樹脂である。

0083

<一般式(I)で表される繰り返し単位>
樹脂(A)は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する。

0084

0085

上記一般式(I)中、
R41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はAr4と結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。
X4は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
L4は、単結合又はアルキレン基を表す。
Ar4は、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
nは、1以上の整数を表す。

0086

一般式(I)におけるR41、R42、R43のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、更に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。

0087

一般式(I)におけるR41、R42、R43のシクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよい。好ましくは置換基を有していてもよいシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜8個で単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
一般式(I)におけるR41、R42、R43のハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
一般式(I)におけるR41、R42、R43のアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R41、R42、R43におけるアルキル基と同様のものが好ましい。

0088

一般式(I)におけるR42がアルキレン基を表す場合、アルキレン基としては、好ましくはメチレン基エチレン基プロピレン基ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられる。炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基が更に好ましい。

0089

上記R41、R42、R43は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。

0090

一般式(I)におけるX4のR64が表すアルキル基としては、上記アルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。なお、X4は、単結合であることが好ましい。
一般式(I)におけるL4が表すアルキレン基としては、上記アルキレン基と同様のアルキレン基が挙げられる。

0091

上記各基における好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。

0092

Ar4は、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェンフランピロールベンゾチオフェンベンゾフランベンゾピロール、トリアジンイミダゾールベンゾイミダゾールトリアゾールチアジアゾールチアゾール等のヘテロ環を含む芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
これらのうち、Ar4は、フェニレン基又はナフチレン基であることが好ましい。

0093

nが2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していてもよい。

0094

上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基及び(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、一般式(I)におけるR41、R42、R43で挙げたアルキル基、メトキシ基エトキシ基ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;等が挙げられる。
X4により表わされる−CONR64−(R64は、水素原子、アルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
X4としては、単結合、−COO−、−CONH−が好ましく、単結合、−COO−がより好ましい。

0095

L4におけるアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
Ar4としては、置換基を有していてもよい炭素数6〜18の芳香環基が好ましく、ベンゼン環基ナフタレン環基、ビフェニレン環基がより好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位は、ヒドロキシスチレン構造またはヒドロキシナフタレン構造を備えていることが好ましい。即ち、Ar4は、ベンゼン環基またはナフタレン環基であることが好ましい。

0096

nは1以上の整数を表し、1〜5の整数を表すことが好ましく、1〜3の整数を表すことがより好ましい。

0097

一般式(I)で表される繰り返し単位としては、好ましくは、下記一般式(p1)で表される繰り返し単位が挙げられる。

0098

0099

一般式(p1)におけるRは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。一般式(p1)中のRとしては水素原子が特に好ましい。

0100

一般式(p1)におけるArは芳香族環を表し、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環フルオレン環フェナントレン環などの炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は、例えば、チオフェン環フラン環ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環チアジアゾール環チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香環ヘテロ環を挙げることができる。中でも、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましい。

0101

一般式(p1)におけるmは、1〜5の整数を表し、好ましくは1〜3である。

0102

以下、一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。式中、aは1〜5の整数を表す。

0103

0104

0105

0106

一般式(I)で表わされる繰り返し単位は、樹脂(A)中において、1種類であってもよいし、2種類以上あってもよい。

0107

一般式(I)で表される繰り返し単位の含有量は、電子線又は極紫外線に対する感度が良好となり、また、パターン倒れの発生がより抑制され、エッチング耐性もより優れるという理由から、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、25モル%以上が更に好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位の含有量の上限は、特に限定されないが、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、例えば、80モル%以下であり、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。

0108

<一般式(BII)で表される繰り返し単位>
樹脂(A)は、下記一般式(BII)で表される繰り返し単位を有する。

0109

0110

一般式(BII)中、
R61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はAr6と結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
X6は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
L6は、単結合又はアルキレン基を表す。
Ar6は、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
Y2は、n=1の場合には酸の作用により脱離する基を表し、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Y2の少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1以上の整数を表す。

0111

一般式(BII)におけるR61、R62及びR63のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、更に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。

0112

一般式(BII)におけるR61、R62及びR63のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜8個の単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
一般式(BII)におけるR61、R62及びR63のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
一般式(BII)におけるR61、R62及びR63のアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記アルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。

0113

一般式(BII)におけるR62がアルキレン基を表す場合、アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられる。炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基が更に好ましい。

0114

上記R61、R62、R63は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。

0115

一般式(BII)におけるX6のR64が表すアルキル基としては、上記アルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。なお、X6は、単結合であることが好ましい。
一般式(BII)におけるL6が表すアルキレン基としては、上記アルキレン基と同様のアルキレン基が挙げられる。

0116

Ar6は、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
これらのうち、Ar4は、フェニレン基又はナフチレン基であることが好ましい。

0117

nは1以上の整数を表し、1〜4の整数を表すことが好ましく、1〜3の整数を表すことがより好ましい。

0118

nが2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。

0119

上記各基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。

0120

Y2としての酸の作用により脱離する基は、下記式(Y1)、(Y3)又は(Y4)であることが好ましい。

0121

式(Y1):−C(Rx1)(Rx2)(Rx3)
式(Y3):−C(R36)(R37)(OR38)
式(Y4):−C(Rn)(H)(Ar)

0122

式(Y1)中、Rx1〜Rx3は、各々独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。ただし、Rx1〜Rx3の全てがアルキル基(直鎖若しくは分岐)である場合、Rx1〜Rx3のうち少なくとも2つはメチル基であることが好ましい。
Rx1〜Rx3の2つが結合して、環(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Rx1〜Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx1〜Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1〜Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基がより好ましい。
Rx1〜Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
一般式(Y1)で表される繰り返し単位は、例えば、Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。

0123

式(Y3)中、R36〜R38は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R37とR38とは、互いに結合して環を形成してもよい。1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基等が挙げられる。R36は水素原子であることも好ましい。

0124

好ましい式(Y3)としては下記一般式(Y3−1)で表される構造がより好ましい。

0125

0126

ここで、L1及びL2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアルキレン基とアリール基とを組み合わせた基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
L1及びL2うち少なくとも1つは水素原子であり、少なくとも1つはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアルキレン基とアリール基とを組み合わせた基であることが好ましい。
Q、M、L1の少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員若しくは6員環)を形成してもよい。
パターン倒れ性能の向上にはL2が2級又は3級アルキル基であることが好ましく、3級アルキル基がより好ましい。2級アルキル基は、イソプロピル基、シクロヘキシル基、及び、ノルボルニル基、3級アルキル基は、tert−ブチル基及びアダマンタンを挙げることができる。これらの態様では、Tg及び/又は活性化エネルギーが高くなるため、膜強度の担保に加え、かぶりの抑制ができる。

0127

式(Y4)中、Arは、芳香環基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとArとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。Arは好ましくはアリール基である。

0128

上記一般式(BII)で表される繰り返し単位は、下記一般式(BIII)で表される繰り返し単位であることが好ましい。

0129

0130

一般式(BIII)において、
Ar3は、芳香環基を表す。
Y2は、n=1の場合には酸の作用により脱離する基を表し、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Y2の少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。Y2としての酸の作用により脱離する基は、上記式(Y1)、(Y3)又は(Y4)であることが好ましく、式(Y1)で表されることがより好ましい。

0131

nは、1以上の整数を表し、nは1〜4で表されることが好ましく、1または2であることがより好ましい。

0132

Ar3が表す芳香環基は、ベンゼン環基又はナフタレン環基であることが好ましく、ベンゼン環基であることがより好ましい。

0133

上記式(Y1)のRx1〜Rx3は、少なくとも一つがメチル基またはエチル基であることが好ましく、その他は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、または炭素数4〜8の環状アルキル基であることが好ましい。また、Rx1〜Rx3のうち2つが結合してシクロアルキル基を形成していることがより好ましい。

0134

Rx2とRx3とが結合してシクロアルキル基を形成すると活性化エネルギーが適度に低下して、酸拡散長が短くなり露光ラチチュードの増大及び/又は解像性向上につながる。また、Rx1〜Rx3の合計炭素数が少ないほどアウトガス性能に有利である。

0135

上記一般式(BII)及び(BIII)におけるY2は、パターン倒れ性能がより良好であり、かつ、アウトガス性能も優れるという理由から、上記式(Y3)又は(Y4)である場合よりも上記式(Y1)であることが好ましく、パターン倒れ性能が更に優れるという理由から、上記式(Y1)において、Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して環を形成していることがより好ましい。
また、上記式(Y1)において、Rx1〜Rx3のいずれかがシクロアルキル基である場合よりも、Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して環を形成している場合の方が、アウトガス性能に優れるという理由から、好ましい。

0136

上記式(Y1)において、Rx1〜Rx3の2つが結合して環を形成している場合、形成される環は、シクロアルキル基であることが好ましく、シクロペンチル基またはシクロへキシル基であることがより好ましく、シクロペンチル基であることが更に好ましい。このとき、環を形成していないRx1〜Rx3の1つは、メチル基またはエチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。

0137

一般式(BII)で表される繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rxは、水素原子、CH3、CF3、又はCH2OHを表す。Rxa、Rxbは各々炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。pは0又は正の整数を表す。Zにより表される極性基を含む置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基を有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が好ましい。

0138

0139

0140

0141

0142

0143

上記一般式(BII)で表される繰り返し単位は、1種類であってもよいし、2種以上を併用してもよい。

0144

樹脂(A)における上記一般式(BII)で表される繰り返し単位の含有量(複数種類含有する場合はその合計)は、上記樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、10モル%以上80モル%以下が好ましく、20モル%以上70モル%以下がより好ましく、25モル%以上65モル%以下が更に好ましい。

0145

<極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位(c)>
樹脂(A)は、好ましい一実施形態において、さらに、上述した一般式(BII)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位であって、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位(c)を有する。
極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造(酸分解性基)を有する繰り返し単位(c)における極性基としては、例えば、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、及び、スルホン酸基等が挙げられる。この中でも、極性基は、カルボキシル基、アルコール性水酸基、又は、フェノール性水酸基であることが好ましく、カルボキシル基、又は、フェノール性水酸基であることがより好ましい。
なお、樹脂(A)が、酸分解性基を有する繰り返し単位を有すると、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する。

0146

酸の作用により分解し脱離する脱離基としては、例えば下記式(Y1)〜(Y4)で表される基を挙げることができる。
式(Y1):−C(Rx1)(Rx2)(Rx3)
式(Y2):−C(=O)OC(Rx1)(Rx2)(Rx3)
式(Y3):−C(R36)(R37)(OR38)
式(Y4):−C(Rn)(H)(Ar)
これらのうち、式(Y1)、(Y3)及び(Y4)は、上述した一般式(BII)で表される繰り返し単位におけるY2としての式(Y1)、(Y3)及び(Y4)と同義である。
また、式(Y2)中のRx1〜Rx3は、式(Y1)中のRx1〜Rx3と同義である。

0147

繰り返し単位(c)としては、下記一般式(AI)又は(AII)で表される繰り返し単位が好ましい。

0148

0149

一般式(AI)中、
Xa1は、水素原子、又はアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Yは、酸の作用により脱離する基を表す。Yは、上述した式(Y1)〜(Y4)のいずれかであることが好ましい。
Xa1が表すアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。Xa1は、水素原子又はメチル基が好ましい。
Tが表す2価の連結基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられ、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。Tは、単結合であることが好ましい。

0150

一般式(AII)中のR61〜R63、X6、L6、Ar6、Y2及びnは、上述した一般式(BII)中のR61〜R63、X6、L6、Ar6、Y2及びnと同義である。
一般式(AII)中のY2は、上述した式(Y1)〜(Y4)のいずれかであることが好ましい。

0151

繰り返し単位(c)は、1種類であってもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)における繰り返し単位(c)の含有量(複数種類含有する場合はその合計)は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5モル%以上60モル%以下が好ましく、10モル%以上50モル%以下がより好ましい。

0152

樹脂(A)が、さらに、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位(c)を有する場合、繰り返し単位(c)と一般式(BII)で表わされる繰り返し単位との合計が、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、10モル%以上80モル%以下が好ましく、20モル%以上70モル%以下がより好ましく、25モル%以上65モル%以下が更に好ましい。
この場合において、繰り返し単位(c)は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5モル%以上75モル%以下であることが好ましく、5モル%以上60モル%以下であることがより好ましく、10モル%以上50モル%以下であることが更に好ましく、一般式(BII)で表わされる繰り返し単位は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、10モル%以上75モル%以下であることが好ましく、15モル%以上65モル%以下であることがより好ましく、15モル%以上60モル%以下であることが更に好ましい。

0153

<ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位>
樹脂(A)は、ラクトン基又はスルトン環状スルホン酸エステル)基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。ラクトン基又はスルトン基としては、ラクトン構造又はスルトン構造を含有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造又はスルトン構造を含有する基であり、5〜7員環ラクトン構造又はスルトン構造にビシクロ構造スピロ構造を形成する形で他の環構造縮環しているものが好ましい。
下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造又は下記一般式(SL1−1)〜(SL1−3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造又はスルトン構造としては一般式(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)で表される基である。

0154

0155

0156

ラクトン構造部分又はスルトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。n2は、0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRb2は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRb2同士が結合して環を形成してもよい。

0157

一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造又は一般式(SL1−1)〜(SL1−3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。

0158

0159

一般式(AI)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は、水素原子又はメチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される連結基である。Ab1は、直鎖、分岐アルキレン基、単環又は多環のシクロアルキレン基であり、好ましくは、メチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−17)及び(SL1−1)〜(SL1−3)のうちのいずれかで示される基を表す。

0160

ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位は、通常、光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。

0161

ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。

0162

0163

0164

ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。

0165

<芳香環基を有する繰り返し単位>
樹脂(A)は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位、及び、上記一般式(BII)で表される繰り返し単位とは異なる、芳香環基を有する繰り返し単位をさらに有していてもよい。そのような芳香環基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(VII)で表される繰り返し単位を挙げることができる。

0166

0167

式中、R41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R42はQと結合して環(好ましくは5員又は6員環)を形成していてもよく、その場合のR42はアルキレン基を表す。

0168

Qは芳香環基を含有する基を表す。

0169

一般式(VII)について更に詳細に説明する。
式(VII)におけるR41、R42及びR43のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、特に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。
式(VII)におけるR41、R42及びR43の1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型でも、多環型でもよい1価の脂肪族炭化水素環基が挙げられる。好ましくは置換基を有していてもよいシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個で単環型の1価の脂肪族炭化水素環基が挙げられる。
式(VII)におけるR41、R42及びR43のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
式(VII)におけるR41、R42及びR43のアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記アルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。

0170

またR42がアルキレン基を表す場合、アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられる。炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基が特に好ましい。

0171

式(VII)におけるR41、R43としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF3)、ヒドロキシメチル基(−CH2−OH)、クロロメチル基(−CH2−Cl)、フッ素原子(−F)が特に好ましい。R42としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルキレン基(Qと環を形成)がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF3)、ヒドロキシメチル基(−CH2−OH)、クロロメチル基(−CH2−Cl)、フッ素原子(−F)、メチレン基(Qと環を形成)、エチレン基(Qと環を形成)が特に好ましい。

0172

一般式(VII)において、Qは好ましくは炭素数1〜20の置換又は無置換の芳香族基である。Qで表される芳香族基としては例えば以下のものが挙げられる。

0173

フェニル基、ナフチル基アントラニル基フェナントリル基フルオレニル基トリフェニレニル基ナフタセニル基、ビフェニル基ピロリニル基、フラニル基チオフェニル基イミダゾリル基オキサゾリル基チアゾリル基ピリジル基ピラジニル基、ピリミジル基ピリダジル基、インドリジル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェンニル基、イソベンゾフラニル基、キノリジル基、キノリニル基フタラジル基、ナフチリジル基、キノキサリル基、キノキサゾリル基、イソキノリニル基カルバゾリル基アクリジル基、フェナントロリル基、チアトレニル基、クロメニル基、キサンテニル基フェノキサチリル基、フェノチアジル基、フェナジル基。これらの中で、好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましいものとしては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、カルバゾリル基、フェナントリル基であり、更に好ましくはフェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基である。

0174

一般式(VII)におけるQが置換基を有する場合、置換基としては炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基が好ましい。

0175

一般式(VII)は、一形態において、R41、R42及びR43が水素原子であることが好ましい。

0176

芳香環基を有する繰り返し単位は、1種類であってもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(A)中の芳香環基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、5〜90モル%の範囲で含有することが好ましく、より好ましくは10〜80モル%の範囲であり、更に好ましくは20〜70モル%の範囲である。

0177

<その他の繰り返し単位>
樹脂(A)は、上述した繰り返し単位以外のその他の繰り返し単位を有していてもよい。その他の繰り返し単位としては、特に限定されないが、例えば、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位、特に、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位が挙げられる。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。
極性基で置換された脂環炭化水素構造の脂環炭化水素構造としてはアダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。極性基としては水酸基、シアノ基が好ましい。極性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。

0178

0179

樹脂(A)が、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。

0180

樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行なう一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤;後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンなどの感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を溶解する溶媒;等が挙げられる。より好ましくは感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。

0181

重合反応窒素またはアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行なわれることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤アゾ系開始剤パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルアゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。
反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、より好ましくは60〜100℃である。
精製は、例えば、水洗または適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体およびオリゴマー成分を除去する液液抽出法;特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法樹脂溶液貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈殿法濾別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法;等の通常の方法を適用できる。

0182

樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは3,000〜20,000、更に好ましくは5,000〜15,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性およびドライエッチング耐性劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化したりすることを防ぐことができる。
樹脂(A)の分散度分子量分布)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜3、より好ましくは1.2〜3.0、更に好ましくは1.2〜2.0の範囲である。分散度が小さいほど、解像度レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。

0183

なお、樹脂(A)は、その他の繰り返し単位として、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基(光酸発生基)を有する繰り返し単位を含まないことが好ましい。

0184

〔(B)活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(光酸発生剤)〕
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤《PAG:Photo Acid Generator》」ともいう)を含有することが好ましい。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。

0185

本発明において、光酸発生剤が、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤としては、公知のものであれば特に限定されないが、活性光線又は放射線、好ましくは電子線又は極紫外線の照射により、有機酸、例えば、スルホン酸ビスアルキルスルホニルイミド、又はトリス(アルキルスルホニル)メチドの少なくともいずれかを発生する化合物が好ましい。
より好ましくは下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。

0186

0187

上記一般式(ZI)において、
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z−は、非求核性アニオン求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。

0188

非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオンカンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。

0189

脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。

0190

芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。

0191

上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。
各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。

0192

アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。

0193

スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。

0194

ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。これにより、酸強度が増加する。

0195

その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐(例えば、PF6−)、弗素化硼素(例えば、BF4−)、弗素化アンチモン(例えば、SbF6−)等を挙げることができる。

0196

非求核性アニオンとしては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。

0197

酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。

0198

また、非求核性アニオンとしては、例えば、特開2015−172767号公報の段落[0243]〜[0251]に記載された一般式(AN1)で表されるアニオンを援用することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
なお、一般式(AN1)は、以下のとおりである。

0199

0200

式中、
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR1、R2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、二価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。

0201

上記一般式(ANI)において、A以外の部分構造の組み合わせとして、SO3−−CF2−CH2−OCO−、SO3−−CF2−CHF−CH2−OCO−、SO3−−CF2−COO−、SO3−−CF2−CF2−CH2−、SO3−−CF2−CH(CF3)−OCO−が好ましいものとして挙げられる。

0202

一般式(ZI)において、R201、R202及びR203の有機基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基などが挙げられる。
R201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。R201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基等を挙げることができる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0203

次に、一般式(ZII)、(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)、(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204〜R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等を挙げることができる。
R204〜R207におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。

0204

R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。

0205

また、一般式(ZII)において、Z−は非求核性アニオンを表す。具体的には、一般式(ZI)においてZ−として説明したものと同じであり、好ましい形態も同じである。

0206

以下、一般式(ZI)〜(ZIII)の具体例を示すが、これに限定されない。

0207

0208

なお、光酸発生剤が有するフッ素原子の数は、パターン断面形状調整を目的に、適宜調整される。フッ素原子を調整することで、レジスト膜中における光酸発生剤の表面偏在性の制御が可能になる。
光酸発生剤は、光酸発生剤が有するフッ素原子が多いほど、レジスト膜の表面に偏在する。

0209

本発明においては、上記光酸発生剤は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性を良好にする観点から、電子線又は極紫外線の照射により、体積130Å3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であって、体積190Å3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更に好ましく、体積400Å3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。ただし、感度及び/又は塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å3以下であることが好ましく、1500Å3以下であることが更に好ましい。上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行なうことにより、各酸の「accessible volume」を計算することができる。

0210

なお、1Å(オングストローム)は、0.1nm(ナノメートル)である。

0211

光酸発生剤としては、特開2014−41328号公報段落[0368]〜[0377]、特開2013−228681号公報段落[0240]〜[0262](対応する米国特許出願公開第2015/004533号明細書の[0339])が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、好ましい具体例として以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0212

0213

0214

0215

0216

0217

0218

0219

光酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
光酸発生剤の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは8〜40質量%である。特に、電子線又は極紫外線露光の際に高感度化、高解像性を両立するには光酸発生剤の含有率は高いほうが好ましく、更に好ましくは10〜40質量%、最も好ましくは10〜35質量%である。

0220

〔(C)溶剤〕
上述した各成分を溶解させて感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製する際には、溶剤を使用できる。使用できる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、炭素数4〜10の環状ラクトン、炭素数4〜10の、環を含有してもよいモノケトン化合物アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。

0221

アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。

0222

乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。

0223

炭素数4〜10の環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイクラクトン、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが好ましく挙げられる。

0224

炭素数4〜10の、環を含有してもよいモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノンピナコロン2−ペンタノン3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンシクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノンが好ましく挙げられる。

0225

アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートエチレンカーボネートブチレンカーボネートが好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、常温常圧下で、沸点130℃以上の溶剤が挙げられる。具体的には、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。

0226

本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。

0227

溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。

0228

溶剤としては、例えば特開2014−219664号公報の段落0013〜0029に記載の溶媒も使用できる。

0229

なお、溶剤には、上述した例の異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種が含まれていてもよい。

0230

〔(E)塩基性化合物〕
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、(E)塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。

0231

0232

一般式(A)及び(E)中、 R200 、R201及びR202 は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。

0233

上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
R203、R204、R205及びR206 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。

0234

好ましい化合物として、グアニジンアミノピロリジンピラゾールピラゾリンピペラジン、アミノモルホリンアミノアルキルモルフォリンピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。

0235

イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。

0236

好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。

0237

アミン化合物は、1級、2級、3級のアミン化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアミン化合物が好ましい。アミン化合物は、3級アミン化合物であることがより好ましい。アミン化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
また、アミン化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−)が好ましく、更に好ましくはオキシエチレン基である。

0238

アンモニウム塩化合物は、1級、2級、3級、4級のアンモニウム塩化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアンモニウム塩化合物が好ましい。アンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
アンモニウム塩化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−)が好ましく、更に好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物のアニオンとしては、ハロゲン原子、スルホネートボレートフォスフェート等が挙げられるが、中でもハロゲン原子、スルホネートが好ましい。ハロゲン原子としてはクロライドブロマイドアイオダイドが特に好ましく、スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、炭素数1〜20のアルキルスルホネート、アリールスルホネートが挙げられる。アルキルスルホネートのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えばフッ素塩素臭素、アルコキシ基、アシル基、アリール基等が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的にはメタンスルホネートエタンスルホネートブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネートベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネートペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。アリールスルホネートのアリール基としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が挙げられる。ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。直鎖若しくは分岐アルキル基、シクロアルキル基として、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル等が挙げられる。他の置換基としては炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基、アシルオキシ基等が挙げられる。

0239

フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物とは、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、置換基を有していてもよい。フェノキシ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。置換基の置換位は、2〜6位のいずれであってもよい。置換基の数は、1〜5の範囲で何れであってもよい。

0240

フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−)が好ましく、更に好ましくはオキシエチレン基である。

0241

フェノキシ基を有するアミン化合物は、フェノキシ基を有する1又は2級アミンとハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム水酸化カリウムテトラアルキルアンモニウム等の強塩基水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。又は、1又は2級アミンと末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。

0242

プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA))
本発明に係る組成物は、塩基性化合物として、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物〔以下、化合物(PA)ともいう〕を更に含んでいてもよい。

0243

プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。

0244

0245

プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテルアザクラウンエーテル、1〜3級アミン、ピリジン、イミダゾール、ピラジン構造などを挙げることができる。

0246

化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここで、プロトンアクセプター性の低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)とプロトンからプロトン付加体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。

0247

化合物(PA)の具体例としては、例えば、下記化合物を挙げることができる。更に、化合物(PA)の具体例としては、例えば、特開2014−41328号公報の段落0421〜0428、特開2014−134686号公報の段落0108〜0116に記載されたものを援用することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。

0248

0249

0250

0251

これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。

0252

塩基性化合物の使用量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。

0253

光酸発生剤と塩基性化合物の組成物中の使用割合は、光酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。光酸発生剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。

0254

塩基性化合物としては、例えば、特開2013−11833号公報の段落0140〜0144に記載の化合物(アミン化合物、アミド基含有化合物ウレア化合物含窒素複素環化合物等)を用いることができる。

0255

〔(A’)疎水性樹脂〕
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記樹脂(A)とは別に疎水性樹脂(A’)を有していてもよい。
疎水性樹脂はレジスト膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂を添加することの効果として、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角の制御、アウトガスの抑制などを挙げることができる。

0256

疎水性樹脂は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含有されたCH3部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することがより好ましい。また、上記疎水性樹脂は、炭素数5以上の炭化水素基を含有することが好ましい。これらの基は樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。

0257

疎水性樹脂が、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合、疎水性樹脂に於ける上記フッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。

0258

疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948A1の段落0519に例示されたものを挙げることが出来る。

0259

また、上記したように、疎水性樹脂は、側鎖部分にCH3部分構造を含むことも好ましい。
ここで、疎水性樹脂中の側鎖部分が有するCH3部分構造には、エチル基、プロピル基等が有するCH3部分構造を包含するものである。
一方、疎水性樹脂の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα−メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH3部分構造に包含されないものとする。

0260

疎水性樹脂に関しては、特開2014−010245号公報の[0348]〜[0415]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。

0261

なお、疎水性樹脂としてはこの他にも特開2011−248019号公報、特開2010−175859号公報、特開2012−032544号公報記載のものも好ましく用いることができる。

0262

〔(F)界面活性剤〕
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、界面活性剤(F)を更に含んでいてもよい。界面活性剤を含有することにより、波長が250nm以下、特には220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥のより少ないパターンを形成することが可能となる。
界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を用いることが特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。また、エフトップEF301若しくはEF303(新化成(株)製);フロラードFC430、431若しくは4430(住友スリエム(株)製);メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120若しくはR08(DIC(株)製);サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105若しくは106(旭硝子(株)製);トロゾルS−366(トロイケミカル(株)製);GF−300若しくはGF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製);エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802若しくはEF601((株)ジェムコ製);PF636、PF656、PF6320若しくはPF6520(OMNOVA社製);又は、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D若しくは222D((株)ネオス製)を用いてもよい。なお、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコン系界面活性剤として用いることができる。

0263

また、界面活性剤は、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物を用いて合成してもよい。具体的には、このフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を備えた重合体を、界面活性剤として用いてもよい。このフルオロ脂肪族化合物は、例えば、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載されているフッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。

0264

これら界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。

0265

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0〜2質量%、より好ましくは0.0001〜2質量%、更に好ましくは0.0005〜1質量%である。

0266

〔(G)その他の添加剤
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、溶解阻止化合物染料可塑剤光増感剤光吸収剤、及び/又は現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、又はカルボキシ基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物)を更に含んでいてもよい。

0267

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、溶解阻止化合物を更に含んでいてもよい。
ここで「溶解阻止化合物」とは、酸の作用により分解して有機系現像液中での溶解度が減少する、分子量3000以下の化合物である。

0268

また、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物には、国際公開第2015/151759号の段落[0040]〜[0043]に記載された有機カルボン酸を添加してもよい。添加された有機カルボン酸が、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の塩基性化合物を中和し、樹脂(A)及び疎水性樹脂(A’)の経時アルカリ分解を防ぎ、経時安定性が向上する。

0269

[上層膜(トップコート膜)]
本発明のパターン形成方法においては、レジスト膜の上層に上層膜(トップコート膜)を形成してもよい。
上層膜は、レジスト膜と混合せず、更にレジスト膜上層に均一に塗布できることが好ましい。
上層膜については、特に限定されず、従来公知の上層膜を、従来公知の方法によって形成でき、例えば、特開2014−059543号公報の段落0072〜0082の記載に基づいて上層膜を形成できる。上層膜の形成材料は、特開2014−059543号公報の段落0072に記載されるポリマーの他に、疎水性樹脂等も用いることができる。疎水性樹脂は、例えば、上述した疎水性樹脂(A’)を用いることができる。
現像工程において、有機溶剤を含有する現像液を使用する場合は、例えば、特開2013−61648号公報に記載されたような塩基性化合物を含有する上層膜をレジスト膜上に形成することが好ましい。上層膜が含み得る塩基性化合物の具体的な例は、塩基性化合物(E)が挙げられる。
また、上層膜は、エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシル基、チオール基カルボニル結合及びエステル結合からなる群より選択される基又は結合を少なくとも一つ含む化合物を含むことが好ましい。
更に、上層膜は、光酸発生剤を含んでいてもよい。光酸発生剤としては、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含まれ得る光酸発生剤(例えば、上述した光酸発生剤(B))と同様のものを使用することができる。
以下、上層膜(トップコート膜)に使用されることが好ましい樹脂について説明する。

0270

〔樹脂〕
上層膜形成用組成物は樹脂を含有することが好ましい。上層膜形成用組成物が含有することができる樹脂としては、特に限定されないが、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含まれ得る疎水性樹脂(例えば、上述した疎水性樹脂(A’))と同様のものを使用することができる。
疎水性樹脂に関しては、特開2013−61647号公報の[0017]〜[0023](対応する米国公開特許公報2013/244438号の[0017]〜[0023])、及び特開2014−56194号公報の[0016]〜[0165]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明において、上層膜形成用組成物は、芳香環を有する繰り返し単位を含有する樹脂を含むことが好ましい。芳香環を有する繰り返し単位を含有することで、特に電子線またはEUV露光の際に、二次電子発生効率、及び活性光線又は放射線により酸を発生する化合物からの酸発生効率が高くなり、パターン形成時に高感度化、高解像化の効果が期待できる。

0271

樹脂の重量平均分子量は好ましくは3000〜100000であり、より好ましくは3000〜30000であり、更に好ましくは5000〜20000である。上層膜形成用組成物中の樹脂の配合量は、全固形分中、50〜99.9質量%が好ましく、60〜99.0質量%がより好ましく、70〜99.7質量%が更に好ましく、80〜99.5質量%が特に好ましい。

0272

上層膜形成用組成物(トップコート組成物)が複数の樹脂を含む場合、フッ素原子及び/又は珪素原子を有する樹脂(XA)を少なくとも1種含むことが好ましい。
樹脂(XA)に含有されるフッ素原子及び珪素原子の含有量の好ましい範囲は、フッ素原子及び又はケイ素原子を含む繰り返し単位が、樹脂(XA)中10〜100質量%であることが好ましく、10〜99モル%であることが好ましく、20〜80モル%であることがより好ましい。

0273

また、フッ素原子及び/又は珪素原子を有する樹脂(XA)を少なくとも1種、及び、フッ素原子及び/又は珪素原子の含有率が樹脂(XA)より小さい樹脂(XB)を上層膜形成用組成物が含むことがより好ましい。これにより、上層膜を形成した際に、樹脂(XA)が上層膜の表面に偏在するため、現像特性及び/又は液浸液追随性などの性能を改良させることができる。

0274

樹脂(XA)の含有量は、上層膜形成用組成物に含まれる全固形分を基準として、0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.1〜8質量%が更に好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。樹脂(XB)の含有量は、上層膜形成用組成物に含まれる全固形分を基準として、50.0〜99.9質量%が好ましく、60〜99.9質量%がより好ましく、70〜99.9質量%が更に好ましく、80〜99.9質量%が特に好ましい。

0275

樹脂(XB)としては、フッ素原子及び珪素原子を実質的に含有しない形態が好ましく、この場合、具体的には、フッ素原子を有する繰り返し単位及び珪素原子を有する繰り返し単位の合計の含有量が、樹脂(XB)中の全繰り返し単位に対して0〜20モル%が好ましく、0〜10モル%がより好ましく、0〜5モル%が更に好ましく、0〜3モル%が特に好ましく、理想的には0モル%、すなわち、フッ素原子及び珪素原子を含有しない。

0276

〔上層膜形成用組成物(トップコート組成物)の調製方法
上層膜形成用組成物は、各成分を溶剤に溶解し、フィルター濾過することが好ましい。フィルターとしては、例えば、ポアサイズ0.1μm以下、好ましくは0.05μm以下、より好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。なお、フィルターは、複数種類を直列又は並列に接続して用いてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であってもよい。さらに、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行なってもよい。上層膜形成用組成物は、金属等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる金属成分の含有量としては、10ppm以下が好ましく、5ppm以下がより好ましく、1ppm以下が更に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置検出限界以下であること)が特に好ましい。

0277

上述した露光工程において、露光を液浸露光とする場合、上層膜は、感活性光線性又は感放射線性膜と液浸液との間に配置され、感活性光線性又は感放射線性膜を直接、液浸液に接触させない層としても機能する。この場合、上層膜(上層膜形成用組成物)が有することが好ましい特性としては、感活性光線性又は感放射線性膜への塗布適性、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液(好ましくは水)に対する難溶性である。また、上層膜は、感活性光線性又は感放射線性膜と混合せず、さらに感活性光線性又は感放射線性膜の表面に均一に塗布できることが好ましい。
なお、上層膜形成用組成物を、感活性光線性又は感放射線性膜の表面に、感活性光線性又は感放射線性膜を溶解せずに均一に塗布するために、上層膜形成用組成物は、感活性光線性又は感放射線性膜を溶解しない溶剤を含有することが好ましい。感活性光線性又は感放射線性膜を溶解しない溶剤としては、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)とは異なる成分の溶剤を用いることがさらに好ましい。

0278

上層膜形成用組成物の塗布方法は、特に限定されず、従来公知のスピンコート法、スプレー法、ローラーコート法浸漬法などを用いることができる。

0279

上層膜の膜厚は特に制限されないが、露光光源に対する透明性の観点から、通常5nm〜300nm、好ましくは10nm〜300nm、より好ましくは20nm〜200nm、更に好ましくは30nm〜100nmの厚みで形成される。
上層膜を形成後、必要に応じて基板を加熱(PB)する。
上層膜の屈折率は、解像性の観点から、感活性光線性又は感放射線性膜の屈折率に近いことが好ましい。
上層膜は液浸液に不溶であることが好ましく、水に不溶であることがより好ましい。
上層膜の後退接触角は、液浸液追随性の観点から、上層膜に対する液浸液の後退接触角(23℃)が50〜100度であることが好ましく、80〜100度であることがより好ましい。
液浸露光においては、露光ヘッド高速でウエハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハ上を動く必要があることから、動的な状態における感活性光線性又は感放射線性膜に対する液浸液の接触角が重要になり、より良好なレジスト性能を得るためには、上記範囲の後退接触角を有することが好ましい。

0280

上層膜を剥離する際は、有機系現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、感活性光線性又は感放射線性膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。上層膜の剥離が感活性光線性又は感放射線性膜の現像と同時にできるという点では、上層膜は、有機系現像液により剥離できることが好ましい。剥離に用いる有機系現像液としては、感活性光線性又は感放射線性膜の低露光部を溶解除去できるものであれば特に制限されない。

0281

有機系現像液で剥離するという観点からは、上層膜は有機系現像液に対する溶解速度が1〜300nm/secが好ましく、10〜100nm/secがより好ましい。
ここで、上層膜の有機系現像液に対する溶解速度とは、上層膜を成膜した後に現像液に暴露した際の膜厚減少速度であり、本発明においては23℃の酢酸ブチルに浸漬させた際の速度とする。
上層膜の有機系現像液に対する溶解速度を1nm/sec秒以上、好ましくは10nm/sec以上とすることによって、感活性光線性又は感放射線性膜を現像した後の現像欠陥発生が低減する効果がある。また、300nm/sec以下、好ましくは100nm/secとすることによって、おそらくは、液浸露光時の露光ムラが低減した影響で、感活性光線性又は感放射線性膜を現像した後のパターンのラインエッジラフネスがより良好になるという効果がある。
上層膜はその他の公知の現像液、例えば、アルカリ水溶液などを用いて除去してもよい。使用できるアルカリ水溶液として具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が挙げられる。

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