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技術 異方性焼結磁石の解析方法及びそれを用いた異方性焼結磁石の製造方法

出願人 日立金属株式会社
発明者 棗田充俊南坂拓也久村剛之
出願日 2016年12月16日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2017-556458
公開日 2018年10月11日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 WO2017-104788
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 円処理 高調波歪率 非円筒状 収縮度合い 環状スリーブ 収縮比 解析用データベース ブロック形
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図面 (20)

課題・解決手段

方性焼結磁石の作製工程でのシミュレーション確立できて、合理的で適正な作製条件を得ることができる異方性焼結磁石の解析方法及び製造方法を提供する。磁粉磁界配向させつつ成形し、成形体を得る工程と、作製した成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程とを経て製造される異方性焼結磁石解析する方法において、前記焼結工程では、応力がかからない無応力過程と、応力がかかる応力過程との2段階に分けて、解析を行う。

概要

背景

ステッピングモータ等の回転機多極着磁円筒状永久磁石が広く用いられている。このような円筒状の異方性リング磁石としては、半径方向に異方性を有するラジアル異方性リング磁石と、表面に多極異方性を有する極異方性リング磁石とが実用に供与されている。

図21は、そのうちの極異方性リング磁石の磁化方向を示す図であって、10極着磁の例を示している。円筒状の極異方性リング磁石11は、その外周縁にN極12,S極13が交互に等ピッチで5個ずつ存在する。磁化方向は、図21に矢印で示すように、S極13からN極12に向かう円弧状の方向である。

このような極異方性リング磁石では、隣り合う磁極間の磁束が磁石内を円弧状に流れるようにハルバッハ配列に近い方向に配向されているため、表面の磁束密度が高く、正弦波状の磁束密度分布となる。このため、モータに組み込まれた場合に、高い出力トルクを得るだけでなく、低いコギングトルクを得ることができる。以上のように、極異方性リング磁石は、ラジアル異方性リング磁石と比べて利点が多く、その利用が積極的に進められている。

円筒状の異方性リング磁石について、その構造及びその製造方法に関する種々の技術が従来から提案されている(特許文献1−4)。特許文献1−3には、極異方性リング磁石についての構造及び製造方法が開示され、特許文献4には、ラジアル異方性リング磁石についての構造及び製造方法が開示されている。

概要

方性焼結磁石の作製工程でのシミュレーション確立できて、合理的で適正な作製条件を得ることができる異方性焼結磁石の解析方法及び製造方法を提供する。磁粉磁界配向させつつ成形し、成形体を得る工程と、作製した成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程とを経て製造される異方性の焼結磁石解析する方法において、前記焼結工程では、応力がかからない無応力過程と、応力がかかる応力過程との2段階に分けて、解析を行う。

目的

本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、異方性焼結磁石の作製工程、特に焼結工程でのシミュレーションを確立し、合理的で適正な作製条件を得ることができる異方性焼結磁石の解析方法及びそれを用いた異方性焼結磁石の製造方法を提供する

効果

実績

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請求項1

磁粉磁界配向させつつ成形し、成形体を得る工程と、作製した成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程とを経て製造される異方性焼結磁石解析する方法において、前記焼結工程では、応力がかからない無応力過程と、応力がかかる応力過程との2段階に分けて、解析を行うことを特徴とする異方性焼結磁石の解析方法

請求項2

前記無応力過程での解析に、磁化容易軸方向磁化困難軸方向の収縮率を使用し、前記応力過程での解析に、磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の線膨張係数を使用することを特徴とする請求項1に記載の異方性焼結磁石の解析方法。

請求項3

前記収縮率及び線膨張係数を、前記成形体の配向磁界に応じて変化させることを特徴とする請求項2に記載の異方性焼結磁石の解析方法。

請求項4

前記焼結工程における解析は、成形体を焼結する工程において、無応力過程では応力がかかる応力過程前の形状を解析し、応力過程では前記解析した応力過程前の形状から焼結完了時の形状及び応力を解析することを含むことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の異方性焼結磁石の解析方法。

請求項5

前記成形体の配向磁界に応じて、前記焼結体の磁気特性分布を求めることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の異方性焼結磁石の解析方法。

請求項6

前記焼結工程後、成形体の形状から焼結体の形状に変形した変形量の解析結果に基づいて配向磁界ベクトルを回転させ、前記焼結体の配向磁界ベクトルの分布を求めることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の異方性焼結磁石の解析方法。

請求項7

前記異方性焼結磁石の磁界解析及び/または減磁解析を行うことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の異方性焼結磁石の解析方法。

請求項8

磁粉を磁界配向させつつ成形し、成形体を得る工程と、作製した成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程とを経て製造される異方性焼結磁石を解析する方法において、予め種々に配向磁界を変化させて焼結体を作製し、寸法及び熱機械特性を測定し、収縮率及び線膨張係数を磁化容易軸方向と磁化困難軸方向とでそれぞれ測定し、測定結果より解析用データベースを作成して記憶しておくステップと、成形工程における成形体の三次元配向磁界分布を解析するステップと、前記三次元配向磁界分布から二次元配向磁界分布を抽出するステップと、焼結工程中、応力がかからない無応力過程において、前記二次元配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の収縮率を用いて変形量を解析し、応力がかかる応力過程前の形状を求めるステップと、焼結工程中、応力がかかる応力過程において、前記応力過程前の形状を初期形状とし、前記二次元配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の線膨張係数を用いて変形量及び応力を解析し、形状及び応力分布を求めるステップと、焼結工程後、成形体の形状から焼結体の形状に変形した変形量の解析結果に基づいて配向磁界ベクトルを回転させ、焼結体の配向磁界ベクトルの分布を求めるステップと、焼結体を加工した形状での磁気特性分布を焼結体の磁気特性分布からマッピングするステップと、を有することを特徴とする異方性焼結磁石の解析方法。

請求項9

さらに前記異方性焼結磁石の磁界解析を行うステップ及び/または減磁解析を行うステップを有することを特徴とする請求項8に記載の異方性焼結磁石の解析方法。

請求項10

予め種々に配向磁界を変化させて焼結体を作製し、収縮率及び線膨張係数を磁化容易軸方向と磁化困難軸方向とでそれぞれ測定し、測定結果より解析用データベースを作成して記憶しておくステップと、成形工程における成形体の三次元配向磁界分布を解析するステップと、焼結工程中、応力がかからない無応力過程において、配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の収縮率を用いて変形量を解析し、応力がかかる応力過程前の形状を求めるステップと、焼結工程中、応力がかかる応力過程において、前記応力過程前の形状を初期形状とし、配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の線膨張係数を用いて変形量及び応力を解析し、形状及び応力分布を求めるステップと、焼結工程後、成形体の形状から焼結体の形状に変形した変形量の解析結果に基づいて配向磁界ベクトルを回転させ、焼結体の配向磁界ベクトルの分布を求めるステップと、焼結体を加工した形状での磁気特性分布を焼結体の磁気特性分布からマッピングするステップとによる異方性焼結磁石の解析結果に応じて、焼結体の内部応力基準設計値よりも小さくなる条件で設計したダイスキャビティの形状を有するダイスと、磁場発生コイルとを含む磁場成形プレス装置を準備する工程と、磁石合金粉末を準備する工程と、前記磁石合金の粉末を前記磁場成形用プレス装置にて磁場中成形する工程と、前記磁場中成形により作製された成形体を焼結する工程と、を有することを特徴とする異方性焼結磁石の製造方法。

請求項11

前記磁場成形用プレス装置を準備する工程において、前記磁場発生コイルは、ポールピース形状にあって、コイル間の距離が前記磁場成形用プレス装置のダイスキャビティに最も近接する部位が、最も遠隔な部位よりも狭くなっていることを特徴とする請求項10に記載の異方性焼結磁石の製造方法。

請求項12

前記磁場成形用プレス装置を準備する工程において、前記磁場発生コイルは4つ以上あり、前記磁場成形用プレス装置のダイスキャビティ側面にて隣り合う前記磁場発生コイルの極が異なるように設置されていることを特徴とする請求項10または11に記載の異方性焼結磁石の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、磁界中で配向した磁石焼結して作製する異方性焼結磁石焼結過程解析方法及びそれを用いた異方性焼結磁石の製造方法に関する。

背景技術

0002

ステッピングモータ等の回転機多極着磁円筒状永久磁石が広く用いられている。このような円筒状の異方性リング磁石としては、半径方向に異方性を有するラジアル異方性リング磁石と、表面に多極異方性を有する極異方性リング磁石とが実用に供与されている。

0003

図21は、そのうちの極異方性リング磁石の磁化方向を示す図であって、10極着磁の例を示している。円筒状の極異方性リング磁石11は、その外周縁にN極12,S極13が交互に等ピッチで5個ずつ存在する。磁化方向は、図21に矢印で示すように、S極13からN極12に向かう円弧状の方向である。

0004

このような極異方性リング磁石では、隣り合う磁極間の磁束が磁石内を円弧状に流れるようにハルバッハ配列に近い方向に配向されているため、表面の磁束密度が高く、正弦波状の磁束密度分布となる。このため、モータに組み込まれた場合に、高い出力トルクを得るだけでなく、低いコギングトルクを得ることができる。以上のように、極異方性リング磁石は、ラジアル異方性リング磁石と比べて利点が多く、その利用が積極的に進められている。

0005

円筒状の異方性リング磁石について、その構造及びその製造方法に関する種々の技術が従来から提案されている(特許文献1−4)。特許文献1−3には、極異方性リング磁石についての構造及び製造方法が開示され、特許文献4には、ラジアル異方性リング磁石についての構造及び製造方法が開示されている。

先行技術

0006

特開昭64−27208号公報
特開2003−257762号公報
特開2005−44820号公報
特開平8−306519号公報

発明が解決しようとする課題

0007

例えば極異方性リング磁石を作製する際には、以下のような工程を経ることが一般的である。

0008

まず、例えばR−Fe−B系合金(RはNd,Pr,Dyなどの希土類元素)を粉砕して磁粉を得る。径方向中心に設置した軸方向に延在するコア外周面側にコイルを備える所定寸法の金型成形型)との内部空間に、この磁粉を充填する。そして、コイルにコンデンサ放電によるパルス電流通電して磁粉に所望の磁界を印加させるとともに、軸方向にプレス加工することにより、着磁された(配向磁界を印加された)円筒状の成形体を得る。この工程が成形工程である。

0009

その後、得られた成形体を、不活性ガス中において、1000〜1100℃程度で所定時間焼結することにより、焼結体を得る。この工程が焼結工程である。得られた焼結体に対して、使用する製品の形状に合わせた加工処理(特に、真円処理)を施し、極異方性リング磁石を作製する。

0010

上述した焼結工程において、配向された成形体は焼結によって変形するが、異方性配向であるので、磁化に平行な方向(磁化容易軸方向)と垂直な方向(磁化困難軸方向)とでその変形量は異なっており、変形量を予測することは難しく金型設計や焼結工程での処理条件の設定は容易でない。また、円筒状形状であるため、非円筒状形状(例えば、矩形ブロック形状)に比して応力が溜まり易く割れ易いので、この点でも金型設計や焼結工程での処理条件の設定は容易でない。

0011

以上のような異方性焼結磁石を作製する場合に、成形工程及び焼結工程にあってどのような作製条件であれば最終的にどのような形状、磁気特性の異方性焼結磁石が作製されるのかを判断できるシミュレーションは、確立されておらず、試作結果に基づいた経験則により、各工程での処理条件が決定されていた。

0012

例えば、成形体を得るための金型を設計する場合に、焼結工程での収縮比を考慮して、金型の寸法を決定することが必要となるが、これまでは過去の試作結果に基づいた経験則によりその決定がなされていた。また、成形工程にてパルス電流の通電により着磁する際に、充電すべき電圧の大きさは、焼結工程での割れ、クラックが発生しないような最適値に設定する必要があるが、これも生じた割れ、クラックの発生頻度の結果(経験則)に基づいて決定されていた。

0013

よって、従来では、それまでの経験に基づいて、種々の作製条件を設定しており、合理的で適正な作製条件になっていないという問題がある。

0014

このような問題は、極異方性リング磁石だけでなく、焼結工程を経て作製されるラジアル異方性リング磁石、極異方性配向のセグメント磁石ブロック形状、弓形形状の磁石)、異方性セグメント磁石(ブロック形状、弓形形状の磁石)を含めた他の種類の異方性磁石にもあてはまる。特に極異方性リング磁石では部分的に配向度及び配向磁界ベクトルが異なっているため、焼結時の変形やクラック発生頻度に影響が及んで、これらを予測(解析)することは困難であった。

0015

また、完全配向となる配向磁界未満では、配向磁界の大きさが異なると残留磁束密度Br 、固有保磁力HCJ、リコイル比透磁率μrといった磁気特性が変わることが知られている。特に極異方性リング磁石においては、リング磁石内部に均一な配向磁界を印加することができない。このため、磁石内部の各部において磁気特性は異なるが、これを正確に予測(解析)することは困難であった。

0016

本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、異方性焼結磁石の作製工程、特に焼結工程でのシミュレーションを確立し、合理的で適正な作製条件を得ることができる異方性焼結磁石の解析方法及びそれを用いた異方性焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法は、磁粉を磁界配向させつつ成形し、成形体を得る工程と、作製した成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程とを経て製造される異方性焼結磁石を解析する方法において、前記焼結工程では、応力がかからない無応力過程と、応力がかかる応力過程との2段階に分けて解析を行うことを特徴とする。

0018

本発明の異方性焼結磁石の解析方法にあっては、着磁により配向させた磁粉の成形体を焼結させる焼結工程において、前記焼結工程を応力がかからない無応力過程と応力がかかる応力過程とに分けて異なる解析を行う。応力の有無に応じて異なる種類の解析を行うため、正確な解析結果が得られる。

0019

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法は、前記無応力過程での解析に、磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の収縮率を使用し、前記応力過程での解析に、磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の線膨張係数を使用することを特徴とする。

0020

本発明の異方性焼結磁石の解析方法にあっては、磁化容易軸/困難軸方向の異方性の収縮率及び線膨張係数を使用して、成形体を焼結して得られる焼結体の形状を解析する。よって、焼結体の正確な形状の解析が可能である。

0021

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法は、前記収縮率及び線膨張係数を、前記成形体の配向磁界に応じて変化させることを特徴とする。

0022

本発明の異方性焼結磁石の解析方法にあっては、成形体の配向磁界に応じて変化させた収縮率及び線膨張係数を、焼結工程での解析に使用する。よって、焼結体のより正確な形状の解析結果が得られる。

0023

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法は、前記焼結工程における解析が、成形体を焼結する工程において、無応力過程では応力がかかる応力過程前の形状を解析し、応力過程では前記解析した応力過程前の形状から焼結完了時の形状及び応力を解析することを含むことを特徴とする。

0024

本発明の異方性焼結磁石の解析方法にあっては、無応力過程では応力がかかる応力過程前の形状の解析、応力過程では解析した応力過程前の形状から焼結完了時の形状及び応力を解析する。

0025

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法は、前記成形体の配向磁界に応じて、前記焼結体の磁気特性分布を求めることを特徴とする。

0026

本発明の異方性焼結磁石の解析方法にあっては、成形体の配向磁界を考慮して焼結体の磁気特性分布を解析する。よって、焼結体の正確な磁気特性分布の解析結果が得られる。

0027

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法は、前記焼結工程後、成形体の形状から焼結体の形状に変形した変形量の解析結果に基づいて配向磁界ベクトルを回転させ、前記焼結体の配向磁界ベクトルの分布を求めることを特徴とする。

0028

本発明の異方性焼結磁石の解析方法にあっては、焼結工程における変形の解析結果に応じて配向磁界ベクトルを回転させて、焼結体の配向磁界ベクトルの分布を解析する。よって、焼結体の正確な配向磁界ベクトルの分布の解析結果が得られる。

0029

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法は、前記異方性焼結磁石の磁界解析及び/または減磁解析を行うことを特徴とする。

0030

本発明の異方性焼結磁石の解析方法にあっては、作製される異方性焼結磁石の磁気特性分布を考慮して、磁界解析及び/または減磁解析を行える。

0031

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法は、磁粉を磁界配向させつつ成形し、成形体を得る工程と、作製した成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程とを経て製造される異方性焼結磁石を解析する方法において、予め種々に配向磁界を変化させて焼結体を作製し、寸法及び熱機械特性を測定し、収縮率及び線膨張係数を磁化容易軸方向と磁化困難軸方向とでそれぞれ測定し、測定結果より解析用データベースを作成して記憶しておくステップと、成形工程における成形体の三次元配向磁界分布を解析するステップと、前記三次元配向磁界分布から二次元配向磁界分布を抽出するステップと、焼結工程中、応力がかからない無応力過程において、前記二次元配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の収縮率を用いて変形量を解析し、応力がかかる応力過程前の形状を求めるステップと、焼結工程中、応力がかかる応力過程において、前記応力過程前の形状を初期形状とし、前記二次元配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の線膨張係数を用いて変形量及び応力を解析し、形状及び応力分布を求めるステップと、焼結工程後、成形体の形状から焼結体の形状に変形した変形量の解析結果に基づいて配向磁界ベクトルを回転させ、焼結体の配向磁界ベクトルの分布を求めるステップと、焼結体を加工した形状での磁気特性分布を焼結体の磁気特性分布からマッピングするステップと、を有することを特徴とする。

0032

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法は、さらに前記異方性焼結磁石の磁界解析を行うステップ及び/または減磁解析を行うステップを有することを特徴とする。

0033

本発明に係る異方性焼結磁石の製造方法は、予め種々に配向磁界を変化させて焼結体を作製し、収縮率及び線膨張係数を磁化容易軸方向と磁化困難軸方向とでそれぞれ測定し、測定結果より解析用データベースを作成して記憶しておくステップと、成形工程における成形体の三次元配向磁界分布を解析するステップと、焼結工程中、応力がかからない無応力過程において、配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の収縮率を用いて変形量を解析し、応力がかかる応力過程前の形状を求めるステップと、焼結工程中、応力がかかる応力過程において、前記応力過程前の形状を初期形状とし、配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の線膨張係数を用いて変形量及び応力を解析し、形状及び応力分布を求めるステップと、焼結工程後、成形体の形状から焼結体の形状に変形した変形量の解析結果に基づいて配向磁界ベクトルを回転させ、焼結体の配向磁界ベクトルの分布を求めるステップと、焼結体を加工した形状での磁気特性分布を焼結体の磁気特性分布からマッピングするステップとによる異方性焼結磁石の解析結果に応じて、焼結体の内部応力基準設計値よりも小さくなる条件で設計したダイスキャビティの形状を有するダイスと、磁場発生コイルとを含む磁場成形プレス装置を準備する工程と、磁石合金粉末を準備する工程と、前記磁石合金の粉末を前記磁場成形用プレス装置にて磁場中成形する工程と、前記磁場中成形により作製された成形体を焼結する工程と、を有することを特徴とする。

0034

本発明の異方性焼結磁石の製造方法にあっては、上述したような異方性焼結磁石の解析結果に応じて、焼結体の内部応力が基準設計値よりも小さくなる条件で設計したダイスキャビティの形状を有するダイスを備えた磁場成形用プレス装置を用いる。よって、クラックの発生が起こらない異方性焼結磁石を製造できる最適なダイスを容易に提供できる。

0035

本発明に係る異方性焼結磁石の製造方法は、前記磁場成形用プレス装置を準備する工程において、前記磁場発生コイルは、ポールピース形状にあって、コイル間の距離が前記磁場成形用プレス装置のダイスキャビティに最も近接する部位が、最も遠隔な部位よりも狭くなっていることを特徴とする。

0036

本発明の異方性焼結磁石の製造方法にあっては、このような磁場発生コイルを用いることにより、成形体の応力が小さくなり、厚さが薄くても焼結後の異方性焼結磁石に割れ、クラックが生じない。

0037

本発明に係る異方性焼結磁石の製造方法は、前記磁場成形用プレス装置を準備する工程において、前記磁場発生コイルは4つ以上あり、前記磁場成形用プレス装置のダイスキャビティ側面にて隣り合う前記磁場発生コイルの極が異なるように設置されていることを特徴とする。

0038

本発明の異方性焼結磁石の製造方法にあっては、4極以上着磁の極異方リング磁石が製造される。

発明の効果

0039

本発明の異方性焼結磁石の解析方法によれば、焼結工程を経て得られる異方性焼結磁石の作製工程、特にその焼結工程での正確な解析を行うことができる。その解析結果に基づいて、合理的で適正な作製条件を得ることができ、作製コストの低減などの作製時の効率化を図ることができ、減磁解析を含む磁界解析を行うことも可能となる。

0040

また、本発明の異方性焼結磁石の製造方法によれば、異方性焼結磁石を製造するための装置を製作する前に、クラックが発生しない異方性磁石が製造できるかを解析で検討することが可能となり、少ない実測回数で最適なダイスを製作することが可能となる。

図面の簡単な説明

0041

本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法を実施する装置のハードウェアの構成図である。
本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法の動作手順を示すフローチャートである。
極異方性リング磁石の成形体における半極分の二次元配向磁界分布を示す図である。
磁化容易軸方向において、焼結工程での解析に利用する温度と成形体・焼結体の寸法との関係を示すイメージ図である。
焼結工程での解析に使用するデータベースの内容(収縮率及び線膨張係数)を示すグラフである。
磁気特性のパラメータを表すJ−Hカーブのグラフである。
焼結工程での解析に使用するデータベースの内容(各種の磁気特性)を示すグラフである。
極異方性リング磁石の焼結工程での解析結果(配向磁界分布)を示す図である。
極異方性リング磁石の焼結工程での解析結果(形状)を示す図である。
極異方性リング磁石の焼結工程での解析結果(応力分布)を示す図である。
配向磁界ベクトルの回転を説明するための図である。
マッピングされた三次元モデル(焼結後に加工した極異方性リング磁石)の特性(Brの磁気特性分布)を示す図である。
マッピングされた三次元モデル(焼結後に加工した極異方性リング磁石)の特性(HcJの磁気特性分布)を示す図である。
マッピングされた三次元モデル(焼結後に加工した極異方性リング磁石)の特性(Br、HcJ、μrの最大値最小値及び体積平均値)を示す図である。
極異方性リング磁石の焼結体を加工した後の磁石単体形状における常温(20℃)での磁石表面の磁束密度分布の解析結果(着磁時の充電電圧:250V)を示す図である。
極異方性リング磁石の焼結体を加工した後の磁石単体形状における常温(20℃)での磁石表面の磁束密度分布の解析結果(着磁時の充電電圧:400V)を示す図である。
極異方性リング磁石の焼結体を加工した後の磁石単体形状における減磁特性の解析結果を示すグラフである。
極異方性リング磁石の焼結体を加工した後の磁石単体形状におけるBr値減少率分布の解析結果を示す図である。
磁場成形用プレス装置のダイスの構成を示す横断面図である。
磁場成形用プレス装置のダイスの構成を示す縦断面図である。
内部応力の解析結果を示すグラフである。
極異方性リング磁石の表面磁束密度波形を示すグラフである。
極異方性リング磁石の表面磁束密度波形を示すグラフである。
極異方性リング磁石の磁化方向を示す図である。

実施例

0042

以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。

0043

なお、以下の実施の形態では、前述したような成形工程、焼結工程を経て作製される極異方性リング磁石について説明する。具体的には、材質がR−Fe−B系合金(組成:Nd24.0質量%、Pr7.0質量%、Dy1.16質量%、Nb0.15質量%、Al0.1質量%、Co2.0質量%、Ga0.1質量%、Cu0.1質量%、B0.95質量%、残部Fe、密度:2.5g/cm3 )である。前記合金は粉砕され微粉末を得る。得た微粉末を10極の磁極がある極異方性リング磁石用金型に充填し、磁界配向させつつ成形し成形体を得る。得た成形体を1090℃で焼結し、常温(20℃)まで冷却して極異方性リング磁石が作製される。作製された極異方性リング磁石は図21に示すような周方向10極着磁であって、加工された最終形状が外径27mm、内径20mm、長さ38mmのサイズを有する円筒状の極異方性リング磁石である。上記極異方性リング磁石の解析について説明する。

0044

図1は、本発明に係る焼結磁石の解析方法を実施する装置のハードウェアの構成図である。図1において、1はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などにて構成される解析部であり、解析部1には、記憶部2、一時記憶部3、入力部4、表示部5、及び出力部6が、バス7を介して接続されている。

0045

解析部1により、異方性焼結磁石における各種の解析処理を行う。記憶部2は、ハードディスク(Hard Disk)またはSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置を用いることができ、解析部1による動作処理を行うためのプログラムを格納するとともに、解析処理を行うために必要な各種のデータベースを収納している。一時記憶部3は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)などの揮発性ランダムアクセスメモリを用いることができ、解析部1での解析処理にて生じるデータを一時的に格納する。

0046

入力部4は、キーボードテンキーなどの入力装置を有しており、動作指示データ入力などを行う。表示部5は、液晶パネルなどのディスプレイ装置を有しており、解析結果などを表示する。出力部6は、プリンタなどの出力装置を有しており、解析結果などを出力する。

0047

以下、本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法について、その動作手順を示す図2フロ−チャートを参照して説明する。

0048

<解析用データベースの準備>
本発明に係る異方性焼結磁石の解析方法に使用する解析用データベース(収縮率及び線膨張係数のデータ)を準備する(ステップS1)。予め種々に配向磁界を変化させた異方性焼結磁石の試料を作製し、焼結体寸法及びTMA(Thermomechanical Analyzer:熱機械分析器)により、熱機械特性を測定する。ここでは、熱機械特性として線膨張係数を測定する。線膨張係数の測定を磁化容易軸方向と磁化困難軸方向とで行い、得られた測定結果より解析用データベースを作成し、記憶部2に記憶しておく。さらに、B−Hトレーサガウスメーター等の磁気特性測定装置により磁気特性を測定し、測定結果より解析用データベースを作成し、記憶部2に記憶しておく。

0049

<配向磁界の解析処理>
着磁により配向させた磁粉の成形体を作製する成形工程において、着磁電源定数金型構造部材に発生する渦電流を考慮して、成形体の部位毎の配向磁界を解析し、成形体の三次元配向磁界分布を解析する(ステップS2)。

0050

<配向磁界分布の抽出>
得られた三次元配向磁界分布から二次元配向磁界分布を抽出する(ステップS3)。例えば、円筒形状の成形体の軸方向の中央の断面における配向磁界分布を二次元のデータへ変換する。この際、メッシュ内の各要素について時間に対する最大磁界ベクトルを抽出する。

0051

図3は、具体例の極異方性リング磁石の成形体における半極分の二次元配向磁界分布を示す図である。図3は、対称性を考慮した解析モデルでの配向磁界ベクトルの分布である。実機ではリング状に成形され、配向磁界ベクトルの分布は、図3極位置径方向面対称となり、それが極間位置の径方向面で半周期的に繰り返され、外周面側がN−S交互の10極に成形されている(図21参照)。矢印の向きが磁界の方向を表しており、また、矢印の長さは磁界の大きさを表していて、長いほど磁界が大きいことを示している。成形体の外周面側では内周面側に比べて磁界が大きく、特に外周面側の極間位置では最大磁界となっている。

0052

<焼結工程での解析処理>
図4は、磁化容易軸方向において、焼結工程での解析に利用する温度と成形体・焼結体の寸法との関係を示すイメージ図である。図4では、横軸に温度、縦軸に成形体・焼結体の寸法をとって、焼結工程での温度に対する寸法変化を一次元(例えば磁化容易軸方向)で表している。焼結工程にあって、常温(20℃:図4のA点)から成形体への加熱を開始し、焼結温度(1090℃:図4B点)まで加熱し、その後、キュリー温度(340℃:図4のC点)を経て、常温(20℃:図4のD点)まで戻って焼結体が得られる。

0053

ここで、常温からキュリー温度まで温度が変化する範囲(図4でA点からB点を経てC点に至る範囲)では、粒界が液相である中で各粒子が縮んでいく状態であって応力が生じない範囲(無応力過程)である。一方、キュリー温度から常温まで温度が下降する範囲(図4でC点からD点までの範囲)では、粒界が固まって各粒子の自由度がなくなり応力が生じる範囲(応力過程)である。

0054

本実施の形態では、この無応力過程と応力過程との2段階に分けて焼結に対する解析を行う(ステップS4及びステップS5)。具体的には、焼結工程中、応力がかからない無応力過程において、前記二次元配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の収縮率を用いて変形量を解析し、応力がかかる応力過程前の形状を求める(ステップS4)。ここで使用する収縮率とは、ステップS1において作成した解析用データベースから各配向磁界強度と各方向(磁化容易軸方向と磁化困難軸方向)において、焼結工程での温度と成形体・焼結体の寸法との関係を示す図4に示したグラフを作成し、A点及びC点を直線で結び、その直線の傾きより求めたものである。その後、焼結工程中、応力がかかる応力過程において、前記応力過程前の形状を初期形状とし、前記二次元配向磁界分布に応じて変化させた磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の線膨張係数を用いて変形量及び応力を解析し、形状及び応力分布を求める(ステップS5)。ここで使用する線膨張係数とは、ステップS1において作成した解析用データベースから各配向磁界強度と各方向(磁化容易軸方向と磁化困難軸方向)において、焼結工程での温度と成形体・焼結体の寸法との関係を示す図4に示したグラフを作成し、C点及びD点を直線で結び、その直線の傾きより求めたものである。

0055

図5は、焼結工程での解析に使用するデータベースの内容(収縮率及び線膨張係数)を示すグラフである。図5では、配向磁界に対する温度履歴が20℃から1090℃に加熱し、その後340℃に冷却したときの収縮率と温度履歴が340℃から20℃に冷却したときの線膨張係数との変化を、磁化容易軸方向及び磁化困難軸方向それぞれについて表している。

0056

このように、無応力過程と応力過程との2段階に分けて焼結に関する解析を行うので、焼結工程で作製される焼結体の正確な形状、応力を解析することができる。また、配向磁界分布に応じて、使用する収縮率及び線膨張係数を変化させているので、正確な解析結果を得ることができる。

0057

ステップS3で抽出された配向磁界分布に応じて、得られる焼結体の磁気特性分布を求める。求める磁気特性は、Br:残留磁束密度、HcJ:保磁力、μr:リコイル比透磁率、μk:垂下比透磁率、α:Brの温度係数、β:HcJの温度係数、R:クニック曲率である。図6は、これらの磁気特性のパラメータを表すJ−Hカーブのグラフである。

0058

この磁気特性分布の解析処理に使用する各種の磁気特性のデータは、ステップS1で予め種々に配向磁界を変化させた焼結体を作製し、B−Hトレーサ等の磁気特性測定装置により磁気特性を測定し、測定結果より解析用データベースを作成し,記憶部2に記憶されている。

0059

図7は、焼結工程での解析に使用するデータベースの内容(各種の磁気特性)を示すグラフである。図7では、上記7種の磁気特性(Br、HcJ、μr、μk、α、β、R)の配向磁界に応じた値を表している。

0060

図8は、極異方性リング磁石の焼結工程での解析結果(配向磁界分布)を示す図であり、コンデンサ放電による磁界配向時の充電電圧を250Vとした場合と400Vとした場合との2例における配向磁界分布を表している。コンデンサ容量は5000μFである。配向磁界は、外周面側の極間位置で最大となって極位置に対向する内周面側で最小となっており、配向磁界の大きさは充電電圧を上げると増加する結果となっている。

0061

図9は、極異方性リング磁石の焼結工程での解析結果(形状)を示す図であり、成形体の形状、解析処理により求めた焼結体の形状、実測による焼結体の形状の詳細な寸法を表している。図9で形状を示す数値の単位はmmである。実測による焼結体の形状は、焼結体を複数測定して得た寸法の平均値である。解析結果は、内径が平均値で19.26mm、外径が平均値で27.91mmであった。実測による焼結体の形状は、内径が平均値で19.23mm、外径が27.95mmであった。解析結果を実測結果と比較した場合、内径の誤差は+0.03mm(誤差+0.16%)であり、外径の誤差は−0.04mm(誤差−0.14%)であり、焼結工程における変形を高精度に解析できていることが分かる。

0062

図10は、極異方性リング磁石の焼結工程での解析結果(応力分布)を示す図であり、コンデンサ放電による磁界配向時の充電電圧を250Vとした場合と400Vとした場合との2例における周方向成分の応力分布を表している。コンデンサ容量は5000μFである。引張り応力は、極間位置に対向する内周面側で最大となっており、圧縮応力は、外周面側の極位置で最大となっており、充電電圧を上げると応力が増加する結果となっている。これらにより焼結工程における正確な応力分布を解析できるので、解析結果より金型設計変更や成形条件変更等による割れ、クラックの対策を行うことが可能となる。

0063

<変形後の配向磁界ベクトルの算出>
焼結工程において変形した後の焼結体の配向磁界ベクトルの分布を求める(ステップS6)。

0064

焼結工程にあっては異方性収縮により変形するため、焼結前の成形体の配向磁界ベクトルと焼結後の焼結体の配向磁界ベクトルとは異なると考えられる。そこで、ステップS4及びS5での変形量の解析結果に基づいて配向磁界ベクトルをメッシュごとに回転させる。

0065

図11は、この配向磁界ベクトルの回転を説明するための図であり、図11Aは要素のモデルを表し、図11Bは変形前の配向磁界ベクトルを表し、図11Cは変形後の配向磁界ベクトルを表している。図11Aに示すように、要素は4個の節点で取り囲まれた構成とする。変形前の要素において、図11Bに示すように、配向磁界ベクトルの延長線要素辺と交差する点を記憶する。この例では、始点は節点3と節点4で構成される辺をc:dに内分する点となり、終点は節点1と節点2で構成される辺をa:bに内分する点となる。そして、焼結によって変形した要素に対してこの定義を適用することにより、図11Cに示すように、変形後の配向磁界ベクトルを求めることができる。本発明者は、材質、配向磁界の大きさ、得ようとする磁石の形状、磁石の種類(極異方性リング磁石、ラジアル異方性リング磁石)、磁石の磁極数等さまざまな条件を組合せた実験を行い、上記の定義を発見した。

0066

<三次元モデルへの磁気特性マッピング>
一般的に、極異方性リング磁石は、焼結体の外径、内径及び軸方向端面を加工して最終製品形状となる。最終製品形状で減磁解析を含む磁界解析を行うには、最終製品形状における磁気特性分布を求める必要がある。そこで、焼結体を加工した形状での磁気特性分布を焼結体の磁気特性分布からマッピングする(ステップS7)。

0067

焼結体の磁気特性分布(Br 、HcJ、μr、μk、α、β、R)は、ステップS3で求めた配向磁界分布に応じて、前述した図7に示すデータベースの内容(予め測定しておいた各種の磁気特性)に基づいて各要素に配置する。焼結体の配向磁界ベクトルの分布はステップS6で求めたものである。

0068

焼結体を加工した形状のメッシュは焼結体を解析したメッシュとは形状及びサイズが異なるため、有限要素法補間関数を使用して、異なるメッシュ間で配向磁界ベクトルを含む磁気特性分布のマッピングを行う。本例の場合、焼結体を解析したメッシュは二次元であり、加工後の焼結体形状を三次元で磁界解析するため、軸方向には分布を持たないとして三次元の焼結体加工後形状のメッシュへマッピングを行う。

0069

図12A−Cは、マッピングされた三次元モデル(コンデンサ放電による着磁時の充電電圧を250Vとして配向処理して焼結した後に加工した極異方性リング磁石でシュミレーションした三次元モデル)の特性を示す図であり、図12AはBrの磁気特性分布を表し、図12BはHcJの磁気特性分布を表し、図12CはBr、HcJ、μrの最大値、最小値及び体積平均値を表している。外周面側では配向磁界が大きいためBrが大きくてHcJは小さくなっており、内周面側では外周面側より配向磁界が小さいのでBrが小さくてHcJは大きくなっている。

0070

<磁界解析>
焼結体を加工した形状で磁界解析を行う(ステップS8)。図13A,Bは、異方性リング磁石の焼結体を加工した後の磁石単体形状(外径27mm、内径20mm、長さ38mmのサイズを有する円筒状の極異方性リング磁石)における常温(20℃)での磁石表面の磁束密度分布の解析結果を示す図である。図13A,Bでは、コンデンサ放電による着磁時の充電電圧を250Vとした場合(図13A)と400Vとした場合(図13B)との2例における解析結果を表しており、また、実測結果も併せて示している。ここで、実測した焼結体の表面磁束密度はガウスメーターにて測定した結果である。

0071

解析結果と実測結果とはほぼ一致していることが分かる。また、本実施の形態によれば、低いTHD(Total Harmonic Distortion:高調波歪み率)となっており、精度良く極異方性リング磁石が解析できていることが分かる。

0072

<減磁解析>
作製された異方性焼結磁石の減磁特性を解析する(ステップS9)。図14は、極異方性リング磁石の焼結体を加工した後の磁石単体形状(外径27mm、内径20mm、長さ38mmのサイズを有する円筒状の極異方性リング磁石)における減磁特性の解析結果を示すグラフであり、減磁評価温度に加熱した前後の常温(20℃)における磁束密度の低下率減磁率として表している。図14では、コンデンサ放電による着磁時の充電電圧を250Vとした場合(実線)と400Vとした場合(破線)との2例における解析結果を表しており、また、実測結果も併せて示している。

0073

実測結果と解析結果とを比較すると、減磁率の解析精度は約10〜20℃程度であり、充電電圧を上げて配向磁界を大きくすると、HcJが減少し、減磁率が大きくなる傾向も、解析結果と実測結果とで一致しており、十分な精度で減磁解析が行えていることが確認できる。なお、磁界解析ステップ、減磁解析ステップは異方性焼結磁石の解析の目的に応じて選択的に行われる。本発明では、作製される焼結磁石の磁気特性分布を考慮した、磁界解析、減磁解析を行うことができる。

0074

図15は、極異方性リング磁石の焼結体を加工した後の磁石単体形状(外径27mm、内径20mm、長さ38mmのサイズを有する円筒状の極異方性リング磁石)におけるBr値の減少率分布の解析結果を示す図であり、コンデンサ放電による着磁時の充電電圧を250Vとして配向処理して焼結した後に加工した極異方性リング磁石の解析結果を示している。図15では、減磁評価温度が100℃である場合(図15A)と減磁評価温度が120℃である場合(図15B)との解析結果を表している。

0075

外周面側において極間位置のBr値の減少が極位置に比べて大きく、また、軸方向中央部では端部に比べてBr値の減少率が大きくなるという結果となっている。

0076

本実施の形態によれば、高い精度の解析結果を得ることができるため、この解析結果を利用して以下に述べるような効果を奏する。焼結工程における変形量を正確に解析できるので、成形体を作製するための金型の形状を最適なものにすることができ、歩留まりが良い金型の設計が可能である。また、成形工程での配向磁界生成条件等の各種の作製条件を最適にすることができるため、効率良く低コストでの異方性焼結磁石の作製を実現できる。さらに、実際に作製または測定した結果を用いるのではなく、シミュレーションによる解析結果を用いるため、多数種にわたる異方性焼結磁石に関する検討を短時間で済ますことができ、異方性焼結磁石の生産性の向上を図れる。

0077

なお、上述した解析方法の動作手順は一例である。ステップS2にあって、着磁電源定数、金型構造部材に発生する渦電流を考慮して、成形体の部位毎の配向磁界を解析し、成形体の二次元配向磁界分布を解析するようにしても、同様の効果が得られる。また、ステップS3にあって、ステップS2で得られた三次元配向磁界分布から三次元配向磁界分布を抽出するようにしても、同様の効果が得られる。

0078

以下、上述したような解析方法を利用して異方性焼結磁石を製造する方法について、極異方性リング磁石の製造方法を一例として説明する。

0079

<磁場成形用プレス装置のダイスキャビティの形状の設計工程と磁場成形用プレス装置の準備工程
上述した異方性焼結磁石の解析方法により得られた解析結果に応じて、所望の形状の極異方性リング磁石を成形する磁場成形用プレス装置のダイスキャビティ形状を設計する。

0080

極異方性磁界配向となるダイスにおいて、所定の外径に対して、内径が変化したとき、成形体の内部応力がどのように変化するかを、応力がかからない無応力過程と、応力がかかる応力過程との2段階に分けて本発明の解析方法にて解析する。この解析結果より、2段階のうちの応力がかかる応力過程により割れやクラックを起こす焼結体の内部応力の値を基準設定値として、この基準設定値未満になるように完成品の極異方性リング磁石の形状、磁場発生コイル、電流値成形密度等の成形条件を考慮して、ダイスキャビティの形状を設定し、所望の成形体の形状を得られるように磁場成形用プレス装置のダイスを作製する。

0081

図16及び図17は、磁場成形用プレス装置のダイスの構成を示す横断面図及び縦断面図である。図16及び図17にあって、21はダイス、22はコア、23は磁場発生コイル、24はダイスキャビティ、25は上パンチ、26は下パンチ、27は環状スリーブである。

0082

極異方性リング磁石の製造に用いられる磁場成形用プレス装置は、ダイス21の環状空間には同心状に配置された断面円形非磁性体からなるコア22を有し、ダイス21は支柱により支持され、コア22及び支柱はいずれも下部フレームにより支えられている。ダイス21とコア22との間の空間内に筒状の非磁性体からなる上パンチ25と下パンチ26とがそれぞれ嵌入される。上パンチ25及び下パンチ26は外周面側が多角形であり、内周面側はコア22の形状に対応する円形となっている。下パンチ26は基板に固着され、一方、上パンチ25は上部フレームに固定されている。上部フレームは上部油圧シリンダーと連結している。ダイス21は円筒状をなしており、円筒状のダイス21の内面には複数のスロットが形成されて、各スロットには磁場発生コイル23が埋設されている。ダイス21の内面にはスロットを覆うように非磁性体製の環状スリーブ27が設けられている。環状スリーブ27及びコア22と上パンチ25及び下パンチ26との間が成型空間となっている。

0083

なお、上パンチ25及び下パンチ26は、外周面側が多角形であって、内周面側がコア22の形状に対応する円形となっていることとしたが、これに限定されず、外周面側が円形であって、内周面側は多角形となっていてもよい。この場合、非磁性体からなるコア22は多角形となっている。

0084

各スロット内の磁場発生コイル23は、電流がダイス21上面に対して垂直な方向に流れるように配置され、周方向に隣り合うコイルの電流の向きが交互に逆向きになるように接続されている。磁場発生コイル23に電流を流すと、成形空間に磁束の流れが生じ、磁束が環状スリーブ27にあたる点に、円周方向に順にS,N,S,N・・・と磁性が交互に変わる磁極が形成される。このとき、磁場発生コイル23によって形成される磁極の位置と、外周部側の多角形の辺の位置とが周方向でほぼ一致するように、磁場発生コイル23を配置する。

0085

異方性焼結磁石は、磁粉の配向方向により焼結時の収縮度合いが異なる。極異方性リング磁石の場合、内径及び外径とも円形のダイスキャビティを使用して磁石を製造すると、焼結後に外径側は極の位置が平坦になり、極間が相対的に出っ張る形(極間に頂点を有する多角形)となり、内径側は外径側の変形に対応した多角形、又は外径側で出っ張った部分にくぼみを有する円形となる。しかしながら、このような焼結時の変形は、極異方性配向時の配向を邪魔することがない効率のよい内径形状とは相反するものであり、従って、本発明の実施においては、コア22の多角形の頂点は磁極の位置と一致するように配置する。

0086

なお、コイルの形状には特に限定はないが、磁場発生コイルは、ポールピース形状にあって、コイル間の距離がプレス装置のダイスキャビティに最も近接する部位が、最も遠隔な部位よりも狭くなっていることが好ましい。このような磁場発生コイルを用いることで、成形体の内部応力が小さくなる。成形体の内部応力が小さくなることで、外径から内径を除した極異方性リング磁石の厚さをより薄くしても、焼結後に極異方性リング磁石に割れ、クラックが入らなくなる。さらに好ましくは、ポールピース先端の形状は横断面からみて、三角形状である。

0087

<磁粉の準備工程>
磁粉の粉砕は、粗粉砕と微粉砕とに分けて行うことが好ましい。例えば、R(RはNd,Pr,Dyなどの希土類元素),Fe,Bから実質的になる原料合金の粗粉砕は、スタンプミルジョークラッシャーブラウンミルディスクミル水素粉砕等で行うことが好ましく、微粉砕は、ジェットミル振動ミルボールミル等で行うことが好ましい。いずれも酸化を防ぐために、有機溶媒や不活性ガスを用いて非酸化雰囲気で行うことが好ましい。粉砕粒度は2〜8μm(F.S.S.S)が好ましい。2μm未満では磁粉の活性が高く酸化が激しく起こるため焼結時の変形が大であり、磁気特性も悪化する。8μm超では焼結後の結晶粒径が大きくなり容易に磁化反転が起こり、保磁力の低下を招く。

0088

<成形工程>
極異方性焼結リング磁石の成形は、前述した磁場成形用プレス装置を用いて行う。作製した前記磁粉を給粉フィーダにより、前述した磁場成形用プレス装置のダイスキャビティ24に充填した後、上パンチ25を降下し、上パンチ25、下パンチ26、ダイス21及びコア22にて成形空間を形成した後、磁場を印加しつつ、所定密度まで成形する。ここで、磁粉を配向させるために成形空間に印加する磁場の強さは、好ましくは、159kA/m以上であり、より好ましくは239kA/m以上である。配向磁場の強さが159kA/m未満では、磁粉の配向が不十分であって良好な磁気特性が得られない。成形圧力は0.5〜2ton/cm2が望ましい。0.5ton/cm2未満では成形体の強度が弱くなってこわれやすい。また2ton/cm2超では磁粉の配向が乱れ、磁気特性が低下する。

0089

<焼結工程>
成形してできた成形体を焼結する。焼結は、真空又はアルゴン雰囲気中で1000〜1150℃で行うことが好ましい。1000℃未満では焼結不足により、必要とされる密度が得られず、磁気特性が低下する。1150℃超では過焼結により、変形や磁気特性の低下が発生する。

0090

焼結工程では、一般的に用いられているMo板を用いても良い。Moを用いた耐熱容器中にMo板を入れ、その上に成形体を置いて焼結を行う。Mo板への焼結体の焼き付きを防止するために、Mo板の表面粗さを機械加工等により高め、成形体との接触面積を減らすことが望ましい。Mo板が圧延材であって表面粗さが低い場合、焼結体とMo板との焼き付きが発生しやすく、さらに焼結に伴う収縮の過程で焼結磁石に変形が生じる場合がある。前記機械加工としては、ブラスト処理が好ましい。ブラスト後のMo板の表面粗さ(JISR6001−1983)はRmaxで5μm〜100μmが好ましく、7μm〜50μmがより好ましく、10μm〜30μmがさらに好ましい。5μm未満では、焼結体とMo板との焼き付きが発生しやすく、焼結後の磁石が変形する。100μm超では、収縮の過程でMo板に焼結体が引っかかり変形が発生する。Mo板に酸化ネオジム等を塗布して、焼結時の焼結体とMo板との焼き付きを防止することもできる。

0091

<その他の工程>
得られた焼結体は、必要に応じて要求される寸法に外周面、内周面及び端面が加工される。この加工処理には、外径研磨機、内径研磨機、平面研磨機又は姿加工機等の既存の設備を適宜使用できる。加工後のメッキ塗装アルミニウム真空蒸着化成処理等の表面処理を必要に応じて行うことができる。なお、焼結体に熱処理を施すことが好ましい。熱処理は、上述した加工処理前に行ってもよいし加工処理後に行ってもよい。

0092

次に、本発明の解析方法を用いて具体的に極異方性リング磁石を作製した例について説明する。

0093

解析の前提条件として、作製する極異方性リング磁石の外径は8.25mm、極数は4極であって、周方向に隣り合うコイルの電流の向きが交互に逆向きになるように磁場発生コイルは接続されており、電流値は3kA、密度は2.5g/cm3、焼結温度は1090℃とした。極異方性磁界配向となるダイスにおいて、所定の外径に対して、内径が変化したとき、成形体の内部応力がどのように変化するかを、本発明の解析方法を用いて解析した。

0094

図18は、内部応力の解析結果を示すグラフである。図18にあって、横軸は成形体の内径[mm]、縦軸は内周引張応力[MPa]を表し、●印はポールピース形状にあってコイル間の距離が磁場成形用プレス装置のダイスキャビティに最も近接する部位で最も遠隔な部位よりも狭くなっているダイス(図16参照)を用いた場合の解析結果を示し、■印は従来からのダイス(特許文献1に記載のポールピースが直方体形状のコイルに図16のコイルを置き換えたダイス)を用いた場合の解析結果を示している。図16ではポールピース先端の形状は横断面からみて、三角形状となっており、ポールピース内に複数の電線が設置されている。

0095

図18に示すように、従来からのダイスを用いた場合、成形体の内径が大きくなるにつれて、一旦内部応力は増加するが、その後内部応力が減少していることがわかった。また、従来からのダイスから、ポールピース形状にあってコイル間の距離が磁場成形用プレス装置のダイスキャビティに最も近接する部位で最も遠隔な部位よりも狭くなっているダイスに変えると、さらに内部応力が減少していることがわかった。

0096

(実施例1)
上記解析結果に基づき、外径が8.25mm、内径が4.65mm、長さが7.00mmであって、磁極の数が4極となる極異方性リング磁石を作製するための磁場成形用プレス装置用のダイスを作製した。図18に示す解析結果によれば、内径が4.65mmであれば焼結体の内部応力が基準設定値未満となっている。

0097

ダイスキャビティ24の形状は、外径10.5mm、内径5.05mmとした。ダイス21は円筒状をなしており、円筒状のダイス21の内面には複数のスロットが形成されて、各スロットには磁場発生コイル23が埋設されている。各スロット内の磁場発生コイル23は、電流がダイス21上面に対して垂直な方向に流れるように配置され、周方向に隣り合うコイルの電流の向きが交互に逆向きになるように接続されている。磁場成形用プレス装置に4つのコイルを周方向に配置し、ポールピースはコイル間の距離が磁場成形用プレス装置のダイスキャビティに最も近接する部位が、最も遠隔な部位よりも狭くなっている。

0098

次に、磁粉となるR−Fe−B系合金(組成:Nd24.0質量%、Pr7.0質量%、Dy1.16質量%、Nb0.15質量%、Al0.1質量%、Co2.0質量%、Ga0.1質量%、Cu0.1質量%、B0.95質量%、残部Fe)を準備した。R−Fe−B系合金はストリップキャスト法にて作製し、水素化処理による粗粉砕、ジェットミルによる微粉砕を経て、F.S.S.S法で平均粒径3μmの磁粉にした。

0099

作製した磁粉をフィーダにて磁場成形用プレス装置のダイスキャビティ24に充填し、上パンチ25を降下し、上パンチ25、下パンチ26、ダイス21及びコア22にて成形空間を形成した後、850kA/mの磁場を印加しつつ、密度:2.5g/cm3まで成形した。磁場中で成形した成形体をMo板に載せて、アルゴン雰囲気中で1090℃で焼結し、20℃まで冷却した。焼結後、砥石を用いて、外径が8.25mm、内径が4.65mm、長さが7.00mmとなる極異方性リング磁石に加工した。

0100

(実施例2)
上記解析結果に基づき、外径が8.25mm、内径が5.75mm、長さが7.00mmとなる極異方性リング磁石を作製するためにダイスキャビティ24の形状を外径10.5mm、内径6.5mmとしたことを除いて、実施例1と同じ条件にて、極異方性リング磁石を作製した。図18に示す解析結果によれば、内径が5.75mmであれば焼結体の内部応力が基準設定値未満となっている。

0101

(実施例3)
上記解析結果に基づき、ダイスのポールピース形状が直方体状であることを除いて、実施例1と同じ条件にて、外径が8.25mm、内径が4.65mm、長さが7.00mmである極異方性リング磁石を作製した。

0102

実施例1、実施例2、実施例3のいずれにあっても、クラックが発生せずに極異方性リング磁石を作製することができた。特に、焼結体の内部応力の低い磁石は厚みが薄くてもクラックが発生しなかった。本発明の解析結果と同じ結果となった。

0103

また、実施例1、実施例2、実施例3にて作製した各極異方性リング磁石の表面磁束密度、表面磁束密度波形を比較した。表面磁束密度はガウスメーターにて測定し、ガウスメーターによる測定データをアナライザにて計算して表面磁束密度波形を求めた。図19及び図20は、極異方性リング磁石の表面磁束密度波形を示すグラフであって、横軸は角度[deg.]を表し、縦軸は磁石の表面磁束密度(T)を表している。図19には、実施例1による計算結果(実線)と実施例3による計算結果(点線)とを示し、図20には、実施例2による計算結果(実線)と実施例3による計算結果(点線)とを示している。

0104

実施例1と実施例3との表面磁束密度及び表面磁束密度波形を比較したところ(図19参照)、実施例1の方が、ピークBgが13%高かった。また、高調波歪率(THD)を比べたところ、実施例3が8.3%であったのに対して、実施例1は1.0%であり、良好であった。

0105

また、実施例2と実施例3の表面磁束密度及び表面磁束密度波形を比較したところ(図20参照)、ピークBgは同等であった。但し、実施例2の断面積は実施例3と比べて、25%も少ないので、断面積あたりのピークBgを比較すると、実施例2の方が24%高かった。また、高調波歪率(THD)を比べたところ、実施例3が8.3%であったのに対して、実施例2は1.0%であり、良好であった。

0106

実施例1及び実施例2が実施例3に対して高調波歪率が低かった理由は、ポールピースの形状において、コイル間の距離が磁場成形用プレス装置のダイスキャビティに最も近接する部位が、最も遠隔な部位よりも狭くなっているダイスを用いることで、正弦波に近い配向磁界を作り出せたことに起因している。正弦波に近い表面磁束密度分布を得るには、正弦波に近い配向磁界が必要である。ポールピースの形状において、コイル間の距離が磁場成形用プレス装置のダイスキャビティに最も近接する部位が、最も遠隔な部位よりも狭くなっているダイスは、磁界中成形時に、磁粉への配向磁界を正弦波に保つことができる。また、コイルの導体面積を増やすことで起磁力を大きくすることもできる。

0107

なお、上述した実施の形態では、R−Fe−B系の極異方性リング磁石を例として異方性焼結磁石の解析方法及び製造方法について説明したが、フェライト系の材料を用いた異方性焼結磁石についても本発明を適用することができる。

0108

また、上述した実施の形態では、極異方性リング磁石について説明したが、焼結工程を経て作製されるラジアル異方性リング磁石についても本発明を同様に適用することが可能である。また、リング磁石に限らず、ブロック形状や弓形形状の磁石についても本発明を同様に適用することが可能である。

0109

また、上述した実施の形態では、外径側が極異方性磁界配向となっている極異方性リング磁石を例として説明したが、内径側が極異方性磁界配向となっている極異方性リング磁石についても本発明を適用することができる。

0110

開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

0111

1解析部
2 記憶部
3一時記憶部
4 入力部
5 表示部
6 出力部
11極異方性リング磁石
12 N極
13 S極

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