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課題
解決手段
概要
背景
近年、マルチキャリア変調技術(即ち、多重技術又はマルチアクセス技術)の代表として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)、及びOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)が、多様な無線システムで実用化されている。実用例としては、ディジタル放送、無線LAN、及びセルラーシステムが挙げられる。OFDMは、マルチパス伝搬路に対する耐性があり、CP(Cyclic Prefix:サイクリックプリフィックス)を採用することで、マルチパス遅延波に起因するシンボル間干渉の発生を回避することが可能である。一方で、OFDMの欠点として、帯域外輻射のレベルが大きい点が挙げられる。また、PAPR(Peak-to-Average Power Ratio:ピーク対平均電力比)が高くなる傾向があり、送受信装置で発生する歪に弱いことも、欠点として挙げられる。
このようなOFDMの欠点であるPAPRを低減し、且つ、マルチパス伝搬路への耐性を持たせる方法として、SC(Single-Carrier:シングルキャリア)変調とFDE(Frequency
Domain Equalization:周波数領域等化)とを組み合わせたSC−FDEの採用が挙げられる。
他に、OFDMの欠点である帯域外輻射を抑制可能な、新たな変調技術が登場している。本変調技術は、OFDMにおけるS/P(Serial-to-Parallel)変換後のシンボルに対して、パルス整形フィルタ(Pulse Shape Filter)を適用することで、帯域外輻射の抑制を図るものである。フィルタリングの対象は、帯域全体、所定の数のサブキャリア単位(例えば、LTEにおけるリソースブロック単位等)、サブキャリアごと、などが考えられる。本変調技術の呼び名については、UF−OFDM(Universal Filtered-OFDM)、UFMC(Universal Filtered Multi-Carrier)、FBMC(Filter Bank Multi-Carrier)、GOFDM(Generalized OFDM)、GFDM(Generalized Frequency Division Multiplexing)など、多様に存在する。本明細書では、本変調技術をGFDMと称するが、もちろんその呼称は狭義の意味を持たない。GFDMに関する基本的な技術については、例えば下記特許文献1及び非特許文献1に開示されている。
概要
GFDMの導入に際して、GFDMに対応する端末だけでなく、GFDMに非対応なレガシ端末をも収容可能な仕組みを提供する。ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定する設定部と、所定の数のサブキャリアごとにフィルタリングを行う送信処理部と、を備える装置。
目的
(5)処理部150
処理部150は、基地局100の様々な機能を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定する設定部と、所定の数のサブキャリアごとにフィルタリングを行う送信処理部と、を備える装置。
請求項2
前記送信処理部は、前記設定部による設定に基づいてフィルタリングを行う、請求項1に記載の装置。
請求項3
請求項4
前記送信処理部は、間隔が狭いサブキャリアほど帯域制限が急峻な特徴を有するフィルタ係数を設定したフィルタを適用し、間隔が広いサブキャリアほど帯域制限が緩やかな特徴を有するフィルタ係数を設定したフィルタを適用する、請求項2に記載の装置。
請求項5
前記帯域制限が急峻な特徴を有するフィルタ係数は、Raised−Cosineフィルタに対応するフィルタ係数であり、前記帯域制限が緩やかな特徴を有するフィルタ係数は、Root−Raised−Cosineフィルタに対応するフィルタ係数である、請求項4に記載の装置。
請求項6
前記帯域制限が急峻な特徴を有するフィルタ係数ほどロールオフ率(Roll-OffFactor)が小さく、前記帯域制限が緩やかな特徴を有するフィルタ係数ほどロールオフ率が大きい、請求項4に記載の装置。
請求項7
請求項8
前記設定部は、前記単位リソース内では、サブキャリアの間隔及びサブシンボルの時間長を同一に設定する、請求項1に記載の装置。
請求項9
前記送信処理部は、付加対象のひとつ以上の前記単位リソースに同一の時間長のサイクリックプリフィクスを付加する、請求項1に記載の装置。
請求項10
異なる前記単位リソース間で、サブキャリア数とサブシンボル数との積の値が同一である、請求項1に記載の装置。
請求項11
請求項12
請求項13
前記設定部は、サブキャリアの間隔を、設定可能な最小値の整数倍に設定する、請求項1に記載の装置。
請求項14
前記設定部は、サブキャリアの間隔を、前記単位リソースの帯域幅を割り切れる値に設定する、請求項1に記載の装置。
請求項15
前記送信処理部は、フィルタリングよりも前段で、サブキャリアごとにオーバーサンプリングを行う、請求項1に記載の装置。
請求項16
請求項17
前記設定部は、サブキャリア数又はサブシンボル数の少なくともいずれかが奇数となるよう設定する、請求項1に記載の装置。
請求項18
前記所定の数は、1である、請求項1に記載の装置。
請求項19
前記所定の数は、前記単位リソースに含まれるサブキャリアの数である、請求項1に記載の装置。
請求項20
前記設定部は、受信装置の移動速度に応じてサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを設定する、請求項1に記載の装置。
請求項21
請求項22
請求項23
前記複数の前記単位リソースは、複数の周波数チャネルに含まれる、請求項21に記載の装置。
請求項24
複数の周波数チャネルにおいてはパラメータの候補の数が前記所定の数に制限され、ひとつの周波数チャネルにおいてはパラメータの候補の数が前記所定の数マイナス1に制限される、請求項21に記載の装置。
請求項25
前記所定の数は、1である、請求項21に記載の装置。
請求項26
請求項27
設定されたパラメータを示す情報は、設定されたパラメータがデフォルトのパラメータと異なる場合に制御情報に含まれて前記端末装置に通知される、請求項26に記載の装置。
請求項28
前記デフォルトのパラメータは、とり得る最小値又は最大値のいずれかでもないパラメータである、請求項27に記載の装置。
請求項29
前記制御情報は、サブフレームごとに送信される、請求項26に記載の装置。
請求項30
前記制御情報は、1又は複数のスケジューリング単位時間ごとに送信される、請求項26に記載の装置。
請求項31
請求項32
請求項33
ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに、不使用の周波数領域を設定し、その他の使用の周波数領域においてサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定する設定部、を備える装置。
請求項34
前記設定部は、前記単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定し、同一の時間リソース上の複数の前記単位リソースにおいてサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長が同一であるか否かに応じて、前記不使用の周波数領域を設定するか否かを切り替える、請求項33に記載の装置。
請求項35
前記設定部は、同一の時間リソース上の複数の前記単位リソースにおいてサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長が異なる場合に前記不使用の周波数領域を設定する、請求項34に記載の装置。
請求項36
複数の前記単位リソースは、ひとつの周波数チャネルに含まれる、請求項34に記載の装置。
請求項37
複数の前記単位リソースは、複数の周波数チャネルに含まれる、請求項34に記載の装置。
請求項38
複数の前記単位リソースの各々の帯域幅は同一の時間リソース上で同一である、請求項34に記載の装置。
請求項39
請求項40
前記設定部は、前記不使用の領域を設定する前記単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔を、前記不使用の領域を設定しない前記単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔以下に設定する、請求項33に記載の装置。
請求項41
前記設定部は、前記不使用の領域を設定する前記単位リソースに含まれるサブキャリアの数を、前記不使用の領域を設定しない前記単位リソースに含まれるサブキャリアの数以下に設定する、請求項33に記載の装置。
請求項42
前記設定部は、前記不使用の領域を設定する前記単位リソースに含まれるサブキャリアの数が奇数である場合、前記単位リソースに含まれる少なくともいずれかのサブキャリアの中心周波数が前記単位リソースの中心周波数と一致又は略一致するよう設定する、請求項33に記載の装置。
請求項43
前記設定部は、前記不使用の領域を設定する前記単位リソースに含まれるサブキャリアの数が偶数である場合、前記単位リソースに含まれるいずれのサブキャリアの中心周波数も前記単位リソースの中心周波数と一致又は略一致しないよう設定する、請求項33に記載の装置。
請求項44
前記設定部は、前記単位リソースの周波数方向の両端に前記不使用の周波数領域を設定する、請求項33に記載の装置。
請求項45
前記設定部は、前記単位リソースの周波数方向の両端に設定される2つの前記不使用の周波数領域の帯域幅を同一に設定する、請求項33に記載の装置。
請求項46
前記装置は、前記設定部による設定内容を示す情報を制御情報に含めて送信する送信処理部をさらに備える、請求項33に記載の装置。
請求項47
ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定することと、所定の数のサブキャリアごとにプロセッサによりフィルタリングを行うことと、を含む方法。
請求項48
技術分野
0001
本開示は、装置、方法及びプログラムに関する。
背景技術
0002
近年、マルチキャリア変調技術(即ち、多重技術又はマルチアクセス技術)の代表として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)、及びOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)が、多様な無線システムで実用化されている。実用例としては、ディジタル放送、無線LAN、及びセルラーシステムが挙げられる。OFDMは、マルチパス伝搬路に対する耐性があり、CP(Cyclic Prefix:サイクリックプリフィックス)を採用することで、マルチパス遅延波に起因するシンボル間干渉の発生を回避することが可能である。一方で、OFDMの欠点として、帯域外輻射のレベルが大きい点が挙げられる。また、PAPR(Peak-to-Average Power Ratio:ピーク対平均電力比)が高くなる傾向があり、送受信装置で発生する歪に弱いことも、欠点として挙げられる。
0003
このようなOFDMの欠点であるPAPRを低減し、且つ、マルチパス伝搬路への耐性を持たせる方法として、SC(Single-Carrier:シングルキャリア)変調とFDE(Frequency
Domain Equalization:周波数領域等化)とを組み合わせたSC−FDEの採用が挙げられる。
0004
他に、OFDMの欠点である帯域外輻射を抑制可能な、新たな変調技術が登場している。本変調技術は、OFDMにおけるS/P(Serial-to-Parallel)変換後のシンボルに対して、パルス整形フィルタ(Pulse Shape Filter)を適用することで、帯域外輻射の抑制を図るものである。フィルタリングの対象は、帯域全体、所定の数のサブキャリア単位(例えば、LTEにおけるリソースブロック単位等)、サブキャリアごと、などが考えられる。本変調技術の呼び名については、UF−OFDM(Universal Filtered-OFDM)、UFMC(Universal Filtered Multi-Carrier)、FBMC(Filter Bank Multi-Carrier)、GOFDM(Generalized OFDM)、GFDM(Generalized Frequency Division Multiplexing)など、多様に存在する。本明細書では、本変調技術をGFDMと称するが、もちろんその呼称は狭義の意味を持たない。GFDMに関する基本的な技術については、例えば下記特許文献1及び非特許文献1に開示されている。
0005
米国特許出願公開第2010/0189132号明細書
先行技術
0006
N. Michailow, et al., “Generalized Frequency Division Multiplexing for 5th Generation Cellular Networks,”IEEE Trans. Commun., vol.62, no.9, Sept. 2014.
発明が解決しようとする課題
0007
しかし、GFDMの導入の過渡期には、GFDMに対応する端末以外にも、GFDMに非対応なレガシ端末も存在し得る。そこで、GFDMの導入に際して、GFDMに対応する端末だけでなく、GFDMに非対応なレガシ端末をも収容可能な仕組みが提供されることが望ましい。
課題を解決するための手段
0008
本開示によれば、ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定する設定部と、所定の数のサブキャリアごとにフィルタリングを行う送信処理部と、を備える装置が提供される。
0009
また、本開示によれば、ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定することと、所定の数のサブキャリアごとにプロセッサによりフィルタリングを行うことと、を含む方法が提供される。
0010
また、本開示によれば、コンピュータを、ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定する設定部と、所定の数のサブキャリアごとにフィルタリングを行う送信処理部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
発明の効果
0011
以上説明したように本開示によれば、GFDMの導入に際して、GFDMに対応する端末だけでなく、GFDMに非対応なレガシ端末をも収容可能な仕組みが提供される。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
0012
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて端末装置200A、200B及び200Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、端末装置200A、200B及び200Cを特に区別する必要が無い場合には、単に端末装置200と称する。
図面の簡単な説明
0013
GFDMをサポートする送信装置の構成の一例を説明するための説明図である。
OFDMをサポートする送信装置の構成の一例を説明するための説明図である。
SC−FDEをサポートする送信装置の構成の一例を説明するための説明図である。
本開示の一実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す説明図である。
同実施形態に係る基地局の構成の一例を示すブロック図である。
同実施形態に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
同実施形態に係るシステムの技術的特徴を説明するための説明図である。
eNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。
eNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。
スマートフォンの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
カーナビゲーション装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
実施例
0014
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
0015
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.各変調方式について
2.システムの概略的な構成
3.各装置の構成
3.1.基地局の構成
3.2.端末装置の構成
4.技術的特徴
5.応用例
6.まとめ
0017
(GFDM)
図1は、GFDMをサポートする送信装置の構成の一例を説明するための説明図である。図1を参照すると、上位層からのビット列(例えば、トランスポートブロック)が処理されて、RF(radio frequency)信号が出力される。ビット列について、図1に示されるように、FEC(Forward Error Correction)符号化、レートマッチング、スクランブリング、インタリービング及びビット列からシンボル(例えば、複素シンボルであってもよく、信号点とも称され得る)へのマッピング(Bit-to-Complex Constellation Mapping)が行われ、その後変調が行われる。ビット列からシンボルへのマッピングでは、BPSK、QPSK、8PSK、16QAM、64QAM、又は256QAM等の多様なコンスタレーションが用いられ得る。変調においては、まずS/P変換が行われ、分割された複数の信号の各々に対して、リソースエレメントマッピング、オーバーサンプリング、及びパルス整形が行われ、その後行われる周波数から時間への変換(例えば、IDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)又はIFFT(Inverse Fast Fourier Transform))により一つの時間領域の信号(即ち、時間波形)に合成される。変調の後、CP(Cyclic Prefix)付加、並びにアナログ処理及びRF処理が行われる。
0018
GFDMでは、所定の単位でフィルタリング(即ち、パルス整形)を施すために、サブキャリア上のシンボルに対してオーバーサンプリングが実施される。そして、オーバーサンプリング後のシンボルに対して、フィルタリングが実施される。周波数から時間への変換は、このフィルタリング後のシンボルに対して実施されることとなる。GFDMは、フィルタリングにより、OFDMの欠点であった帯域外輻射を抑制することが可能である。また、GFDMは、MIMO(multiple-input and multiple-output)等と組み合わされた場合でも、受信装置側がすべての処理を周波数領域で行うことを可能にする。ただし、フィルタリングの影響によって、エレメントごとにシンボル間干渉が発生するために、干渉キャンセラが受信装置側で用いられる。この点、OFDM及びSC−FDEでは、シンプルなFDEにより干渉の抑制が実現されていた。
0019
このように、GFDMは、帯域外輻射の欠点を克服する代償として、受信装置が複雑化する問題がある。MTC(Machine Type Communication)装置及びIoT(Internet of Things)装置等の、低コスト及び低消費電力での通信が望ましい装置に関しては、このような問題は致命的になり兼ねない。
0020
(OFDM)
図2は、OFDMをサポートする送信装置の構成の一例を説明するための説明図である。図2を参照すると、図1を参照して説明したGFDMをサポートする送信装置とは、破線で囲った変調部分について相違する。本相違点について説明すると、まずS/P変換が行われ、分割された複数の信号の各々に対してリソースエレメントマッピングが行われる。これにより、シンボルが所定のサブキャリアへと配置される。そして、所定数のサブキャリアに対して周波数から時間への変換(例えば、IDFT又はIFFT)が行われることで、一つの時間領域の信号に合成される。
0021
上述したように、OFDMは、マルチパス伝搬路に対する耐性があり、マルチパス遅延波に起因するシンボル間干渉の発生を回避することが可能である。一方で、OFDMの欠点として、帯域外輻射のレベルが大きい点が挙げられる。また、PAPRが高くなる傾向があり、送受信装置で発生する歪に弱いことも、欠点として挙げられる。
0022
(SC−FDE)
図3は、SC−FDEをサポートする送信装置の構成の一例を説明するための説明図である。図3を参照すると、図1を参照して説明したGFDMをサポートする送信装置とは、破線で囲った変調部分について相違する。本相違点について説明すると、まず、時間から周波数への変換(例えば、DFT(Discrete Fourier Transform)又はFFT(Inverse Fast Fourier Transform))が実施される。その後、周波数領域でのリソースエレメントマッピングが行われ、周波数から時間への変換により一つの時間領域の信号に合成される。その後、CPが付加されるので、受信装置は、FDEを実施することが容易になる。
0023
上述したように、SC−FDEは、PAPRを低減しつつ、マルチパス伝搬路にも耐性を持たせることができる。その一方で、SC−FDEは、MIMOと組み合わされた場合に、受信装置側での復号処理が複雑になる(例えば、ターボ等化、及び繰り返し干渉除去を行う)などの欠点もある。
0024
<<2.システムの概略的な構成>>
続いて、図4を参照して、本開示の一実施形態に係るシステム1の概略的な構成を説明する。図4は、本開示の一実施形態に係るシステム1の概略的な構成の一例を示す説明図である。図4を参照すると、システム1は、基地局100及び端末装置200を含む。ここでは、端末装置200は、ユーザとも呼ばれる。当該ユーザは、ユーザ機器(User Equipment:UE)とも呼ばれ得る。ここでのUEは、LTE又はLTE−Aにおいて定義されているUEであってもよく、より一般的に通信機器を意味してもよい。
0025
(1)基地局100
基地局100は、セルラーシステム(又は移動体通信システム)の基地局である。基地局100は、基地局100のセル10内に位置する端末装置(例えば、端末装置200)との無線通信を行う。例えば、基地局100は、端末装置へのダウンリンク信号を送信し、端末装置からのアップリンク信号を受信する。
0026
(2)端末装置200
端末装置200は、セルラーシステム(又は移動体通信システム)において通信可能である。端末装置200は、セルラーシステムの基地局(例えば、基地局100)との無線通信を行う。例えば、端末装置200は、基地局からのダウンリンク信号を受信し、基地局へのアップリンク信号を送信する。
0027
(3)多重化/多元接続
とりわけ本開示の一実施形態では、基地局100は、直交多元接続/非直交多元接続により、複数の端末装置との無線通信を行う。より具体的には、基地局100は、GFDMを用いた多重化/多元接続により、複数の端末装置200との無線通信を行う。
0028
例えば、基地局100は、ダウンリンクにおいて、GFDMを用いた多重化/多元接続により、複数の端末装置200との無線通信を行う。より具体的には、例えば、基地局100は、複数の端末装置200への信号を、GFDMを用いて多重化する。この場合に、例えば、端末装置200は、所望信号(即ち、端末装置200への信号)を含む多重化信号から、干渉として1つ以上の他の信号を除去し、上記所望信号を復号する。
0029
なお、基地局100は、ダウンリンクの代わりに、又はダウンリンクとともに、アップリンクにおいて、GFDMを用いた多重化/多元接続により、複数の端末装置との無線通信を行ってもよい。この場合に、基地局100は、当該複数の端末装置により送信される信号を含む多重化信号から、当該信号の各々を復号してもよい。
0030
(4)補足
本技術は、HetNet(Heterogeneous Network)又はSCE(Small Cell Enhancement)などのマルチセルシステムにおいても適用可能である。また、本技術は、MTC装置及びIoT装置等に関しても適用可能である。
0032
<3.1.基地局の構成>
まず、図5を参照して、本開示の一実施形態に係る基地局100の構成の一例を説明する。図5は、本開示の一実施形態に係る基地局100の構成の一例を示すブロック図である。図5を参照すると、基地局100は、アンテナ部110、無線通信部120、ネットワーク通信部130、記憶部140及び処理部150を備える。
0033
(1)アンテナ部110
アンテナ部110は、無線通信部120により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部110は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部120へ出力する。
0034
(2)無線通信部120
無線通信部120は、信号を送受信する。例えば、無線通信部120は、端末装置へのダウンリンク信号を送信し、端末装置からのアップリンク信号を受信する。
0035
(3)ネットワーク通信部130
ネットワーク通信部130は、情報を送受信する。例えば、ネットワーク通信部130は、他のノードへの情報を送信し、他のノードからの情報を受信する。例えば、上記他のノードは、他の基地局及びコアネットワークノードを含む。
0036
(4)記憶部140
記憶部140は、基地局100の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
0037
(5)処理部150
処理部150は、基地局100の様々な機能を提供する。処理部150は、設定部151及び送信処理部153を含む。なお、処理部150は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部150は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。
0038
設定部151及び送信処理部153の動作は、後に詳細に説明する。
0039
<3.2.端末装置の構成>
まず、図6を参照して、本開示の一実施形態に係る端末装置200の構成の一例を説明する。図6は、本開示の一実施形態に係る端末装置200の構成の一例を示すブロック図である。図6を参照すると、端末装置200は、アンテナ部210、無線通信部220、記憶部230及び処理部240を備える。
0040
(1)アンテナ部210
アンテナ部210は、無線通信部220により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部210は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部220へ出力する。
0041
(2)無線通信部220
無線通信部220は、信号を送受信する。例えば、無線通信部220は、基地局からのダウンリンク信号を受信し、基地局へのアップリンク信号を送信する。
0042
(3)記憶部230
記憶部230は、端末装置200の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
0043
(4)処理部240
処理部240は、端末装置200の様々な機能を提供する。処理部240は、受信処理部241を含む。なお、処理部240は、この構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部240は、この構成要素の動作以外の動作も行い得る。
0044
受信処理部241の動作は、後に詳細に説明する。
0045
<<4.技術的特徴>>
続いて、システム1の技術的特徴を説明する。詳しくは、システム1に含まれる送信装置及び受信装置に関する技術的特徴を説明する。以下では、ダウンリンクを想定して、送信装置が基地局100であり受信装置が端末装置200であるものとして説明するが、アップリンクにおいても同様の説明が成り立つ。
0046
(1)概要
図7は、本実施形態に係るGFDMにおける周波数リソース及び時間リソースの構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係るシステム1に、図7に示すコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)が割り当てられるものとする。コンポーネントキャリアの帯域幅をBCCとする。ここでのコンポーネントキャリアは、LTE又はLTE−Aにおいて定義されているコンポーネントキャリアであってもよく、より一般的に単位周波数帯域を意味していてもよい。このコンポーネントキャリアの中で、周波数リソースは、さらにNRB個のリソースブロック(RB:Resource Block)と呼ばれる、所定の帯域幅BRBのブロックに分割されている。マルチアクセスを実現する場合には、このリソースブロックを単位としてユーザへの周波数リソースの割当てが行われることが望ましい。リソースブロックの中は、さらにサブキャリアという単位に分割される。
0047
ここで、一般的なGFDM(あるいはOFDM)では、このサブキャリアの間隔(以下では、サブキャリア間隔(Subcarrier Spacing)とも称する)については対象のシステム内で固定の値が設定されていた。例えば、LTEのOFDMでは、15kHzがサブキャリア間隔として固定的に設定される。サブキャリア帯域幅が、サブキャリア間隔として捉えられてもよい。詳細な定義は、後に詳しく説明する。
0048
この点、本実施形態では、送信装置(例えば、設定部151)が、サブキャリア間隔を可変に設定可能であることを特徴のひとつとする。さらに、本実施形態では、サブキャリア間隔を、コンポーネントキャリア内のリソースブロックごとに異なる値、あるいはリソースブロック内でさらに異なる値を設定可能であることを特徴とする。このようにすることで、伝搬路状態に対して適切なサブキャリア間隔を設定することが可能となる。また、送信装置は、複数の受信装置との間で通信する場合に、受信装置ごとの性能及び要求に応じて適切なサブキャリア間隔を設定することが可能となる。そのため、システム1は、幅広いタイプの受信装置を収容することが可能となる。
0049
また、時間方向のリソースについては、まず基準となる単位として、サブフレームという単位がある。ここでのサブフレームは、LTE又はLTE−Aにおいて定義されているサブフレームであってもよく、より一般的に単位時間を意味していてもよい。このサブフレーム長は、基本的には固定的に設定されることが望ましい。サブフレームの中は、さらにGFDMシンボルという単位に区切られる。このGFDMシンボルごとにCPが付加されることとなる。GFDMシンボル長も、基本的には固定的に設定されることが望ましい。そして、GFDMシンボルは、さらにサブシンボルと呼ばれる単位に区切られる。このサブシンボルの時間長(以下では、サブシンボル長(Subsymbol period)とも称する)は、一般的なGFDMでは固定的に設定されていた。
0050
この点、本実施形態では、送信装置(例えば、設定部151)が、サブシンボル長を可変に設定可能であることを特徴のひとつとする。また、サブキャリアの場合と同様に、本実施形態では、サブシンボル長を、リソースブロックごとに異なる値、あるいはリソースブロック内でさらに異なる値を設定可能であることを特徴とする。
0051
下記の表に、本実施形態に係るGFDMの周波数リソース及び時間リソースに関するパラメータの一覧を示す。表内のハッチング部分は、本実施形態に係るGFDMに特徴的な、一般的なGFDMとの差異を示している。
0052
0053
ここで、送信装置(例えば、設定部151)は、OFDM又はSC−FDEとの互換性が確保されるよう、パラメータを設定することが可能である。例えば、送信装置は、サブキャリア間隔及びサブシンボル長の設定を、OFDMにおける設定と同様にする、又はSC−FDEにおける設定と同様にすることで、後方互換性を確保することができる。これにより、システム1は、GFDMに非対応なレガシ端末も収容可能となる。
0055
図8に示すように、まず、送信装置(例えば、設定部151)は、サブキャリア間隔又はサブシンボル長の少なくともいずれかを可変に設定する(ステップS102)。次いで、送信装置(例えば、設定部151)は、その他のパラメータを設定する(ステップS104)。その他のパラメータとしては、例えばフィルタ係数、オーバーサンプリングのパラメータ、及びサブキャリア数並びにサブシンボル数等が挙げられる。これらのパラメータ設定に関しては、後に詳しく説明する。次に、送信装置(例えば、送信処理部153及び無線通信部120)は、上記設定に基づく送信信号処理を実施してRF信号を生成する(ステップS106)。実施される送信信号処理としては、例えばフィルタリング及びオーバーサンプリング等が挙げられる。ここでの送信信号処理に関しては、後に詳しく説明する。そして、送信装置(例えば、アンテナ部110)は、生成されたRF信号を送信する(ステップS108)。以上により、処理は終了する。
0056
以下では、まず送信信号処理(ステップS106に相当)について詳しく説明し、続いてパラメータ設定(ステップS102及びS104に相当)について詳しく説明する。
0057
(2)送信信号処理
サブキャリア間隔及びサブシンボル時間長を可変に設定した場合の送信信号処理について説明する。ここでの送信装置とは、例えば、送信処理部153による制御に基づき動作する無線通信部120を指す。また、ここでの受信装置とは、例えば、受信処理部241による制御に基づき動作する無線通信部220を指す。また、ここでは、HetNet又はSCEなどのマルチセルシステムを想定する。
0058
なお、以下の説明では、サブフレームに相当するインデックスは、断りがないかぎり省略している点に注意されたい。また、送信装置i又は受信装置uのインデックスi及びuは、その装置が属するセルのID、あるいはその装置が管理するセルのIDを示すものであってもよい。
0059
あるサブフレームtにおいて、送信装置iから受信装置uへ送信するビット列をbi,uとする。ビット列bi,uは、一のトランスポートブロックを構成するものであってもよい。また、以下では、送信装置iが受信装置uへ一のビット列を送信する場合について説明するが、送信装置iが受信装置uへ複数のビット列を送信してもよく、その際にビット列が複数のトランスポートブロックを構成してもよい。
0060
(2.1)第1の例
図9〜図11は、本実施形態に係るGFDMをサポートする第1の送信装置の構成の一例を説明するための説明図である。まず、送信装置は、ユーザごとに、図9に示した処理を行い、続いて図10に示した処理を行う。その後、送信装置は、送信アンテナポート毎に、図11に示した処理を行う。これらの図では、1以上のユーザに対してGFDM信号をマルチアンテナ送信することを想定した場合の構成例を示している。即ち、ユーザ数(あるいは受信装置数)NU≧1であり、送信アンテナポート数(あるいは送信アンテナ数)NAP≧1である。なお、図中では、ユーザ数をUとし、送信アンテナポート数をPとしている。
0062
図9に示すように、まず、送信装置は、送信するビット列に、CRCのための符号化、FEC符号化(例えば、畳み込み符号、ターボ符号、又はLDPC符号など)、符号化率を調整するためのレートマッチング、ビットスクランブル、及びビットインタリーブなどを実施する。これらの処理は、次式の通り表現される。
0063
0064
それぞれの処理は、受信装置u、送信装置i、又はサブフレームtごとに処理構成が変化してもよい。なお、上記数式(1)では、処理を関数に見立てて、前段の処理結果を後段の処理の引数として扱っている。
0066
0067
ここで、複素シンボルsへのマッピングには、BPSK、QPSK、8PSK、16QAM、64QAM、又は256QAM等の多様なコンスタレーションが用いられ得る。また、NSL,i,uは、受信装置uに対する空間レイヤ数である。
0069
0070
0071
0072
0073
ここで、NAP,iは、送信装置iの送信アンテナポート数(あるいは送信アンテナ数)であり、基本的にNSL,i,u≦NAP,iの関係であることが望ましい。NEL,TLLは、後述するエレメント数である。Wは、プリコーディング行列であり、その要素は複素数又は実数であることが望ましい。Pは、電力割当て行列であり、その要素は実数であることが望ましく、次式に示すように対角行列であることが望ましい。
0074
0075
送信装置は、電力割当て及びプリコーディングの後に、次式で示すように、送信アンテナポートごとに信号を多重する。信号の多重には、例えば重畳多重、SPC(Superposition Coding)、MUST(Multiuser Superposition Transmission)、又はNOMA(Non-Orthogonal Multiple Access)等が採用され得る。
0076
0078
以降の処理は、送信アンテナポートpごと、及びGFDMシンボルgごとの信号処理となる。図11に示すように、まず、送信装置は、S/P変換によって、シンボルを周波数方向に展開した後、リソースエレメントマッピングによって、所定のサブキャリア及び所定のサブシンボルのエレメント上にシンボルを配置する。この配置のルールは、送信装置iが決めてもよく、また、多重されている受信装置uに対して決められるものであってもよい。
0079
リソースエレメントマッピングの結果、リソースブロックr(0≦r<NRB)内のサブキャリアに配置されたエレメントについて説明する。
0080
対象とするリソースブロック及びGFDMシンボルにおける、サブキャリア数をNSC,r,gとし、サブシンボル数をNSS,r,gとする。この場合、対象とするGFDMシンボル内のエレメント数はNEL,r,g=NSC,r,g×NSS,r,gとなる。
0081
サブキャリアkr,g及びサブシンボルmr,gに配置されたエレメントをxp,kr,g,mr,gとする。送信装置は、各々のエレメントを(即ち、サブキャリア及びサブシンボルごとに)、まずサンプリングレートNSR,r,gでオーバーサンプリングし、次いでフィルタ係数hp,kr,g,mr,g(n)によってフィルタリングする。nはサンプルのインデクスである。なお、図中のkは、サブキャリアのインデクスであり、Kは、サブキャリアの総数である。
0082
フィルタリング後のサンプルは、次式の通りとなる。なお、オーバーサンプリングの効果は、フィルタ係数の項に含まれている。
0083
0084
送信装置は、フィルタリング後に、サブキャリアごとの周波数f(k)で変調して多重する。リソースブロックr、GFDMシンボルgが含むサブキャリアインデクスの集合をKr,gとすると、多重後のGFDMシンボルをc(n)は、次式の通りに表現される。
0085
0086
送信装置は、多重後のGFDMシンボルごとにCP及びCS(Cyclic Sufix)を付加する。CP及びCS付加後のGFDMシンボルは、次式の通りに表現される。
0087
0089
(2.2)第2の例
図12は、本実施形態に係るGFDMをサポートする第2の送信装置の構成の一例を説明するための説明図である。第2の例に係る送信装置は、第1の例と同様に、まず、ユーザごとに、図9に示した処理を行い、続いて図10に示した処理を行う。その後、第2の例に係る送信装置は、送信アンテナポート毎に、図12に示した処理を行う。第1の例との相違点は、第2の例では、信号処理の領域が、時間、周波数、時間という順序を経ている点である。具体的には、第1の例ではユーザごとの処理とされていた部分が、第2の例では時間領域での処理となっている。
0090
第2の例は、図3に示したSC−FDEの送信信号処理を拡張して、GFDMの送信信号処理を実現するものである。本送信信号処理では、特に、オーバーサンプリングよりも前段で、処理対象の時間領域の信号を周波数変換する処理が行われることが特徴である。以下、図12を参照しながら、送信処理を説明する。
0091
図12に示すように、送信装置は、まず、時間シンボル系列に対して、時間から周波数への変換(例えば、DFT又はFFT等)を実施して、周波数成分に変換する。リソースブロックrの、サブキャリアk及びGFDMシンボルgに割当てられる時間シンボル系列をxp,r,gとすると、周波数変換後の周波数成分
は、次式の通りに表現される。
0092
0093
0094
0096
送信装置は、周波数成分へ変換後、サブキャリアごとにオーバーサンプリングを実施する。オーバーサンプリング処理は、周波数領域では周波数成分の繰り返しに相当するため、次式のように表現される。
0097
0098
0099
ここで、行列INは、サイズNの単位行列である。つまり、IOS,N,Mは、INをM個並べた行列となっている。
0100
送信装置は、オーバーサンプリング後に、所定の数のサブキャリアごとにフィルタリングを実施する。例えば、送信装置は、周波数成分ごとに、周波数フィルタ係数を乗算することでフィルタリングを実現する。なお、この所定の数は、1であってもよいし、1以上の任意の数であってもよい。1以上の任意の数としては、例えば後述する単位リソースに含まれるサブキャリアの数であってもよい。フィルタリング後の信号は、次式の通りに表現される。
0101
0102
ここで、行列Γは、フィルタリング係数である。この行列は、一般に対角行列とすることができる。つまり、行列Γは、次式の通りとされてもよい。
0103
0104
送信装置は、フィルタリング後に、周波数成分を所定のルールにしたがってマッピングして、周波数から時間への変換(例えば、IDFT又はIFFT、など)を実施する。各々の処理は、次式の通りに表現される。
0105
0106
0107
ここで、FHは、Fのエルミート行列である。また、Aは、サイズNIDFT×NSS,r,k,g×NSR,r,k,gの周波数マッピング行列である。サブキャリアごとのフィルタリング後の周波数成分k’が最終的な周波数成分kに配置される場合、周波数マッピング行列Aの(k,k’)成分は1となる。サブキャリアごとのフィルタリング後の周波数成分k’が最終的な周波数成分kに配置されない場合、周波数マッピング行列Aの(k,k’)成分は0となる。周波数マッピング行列Aは、各行の要素の和が1以下であること、及び各列の要素の和が1以下であることが望ましい。
0108
送信装置は、周波数から時間への変換後のGFDMシンボルごとにCPを付加する。CP付加後のGFDMシンボルは、次式の通りに表現される。
0109
0110
ここで、NCP,gは、GFDMシンボルgに付加されるCPのサンプル数である。
0111
(2.3)第1の例と第2の例との比較
第1の例に係る送信装置と第2の例に係る送信装置とは、理論上は同一の波形を生成するものであると言える。ただし、以下に説明するような、異なる長さのサブシンボル及び/又は異なる間隔のサブキャリアを多重する場合においては、実装の簡易性に差が出てくる。
0112
具体的には、第1の例の場合には、間隔が異なるサブキャリアが混在する場合、サブキャリアの多重にIDFT又はIFFTなどの高速演算を用いることが困難である。これは、IDFT及びIFFTでは、分解能が一定でない信号を入力とすることが困難であることに起因する。
0113
一方で、第2の例の場合には、パラメータを適切に設定することで、周波数から時間への変換にIDFT又はIFFTなどの高速演算を用いることが可能である。即ち、第2の例に係る送信装置の方が、第1の例に係る送信装置と比較して、実装の簡易性の観点から有用である。
0114
(3)パラメータ設定
以下では、本実施形態に係る送信装置(例えば、設定部151)によるパラメータ設定について説明する。
0115
(3.1)フィルタリングのパラメータ設定
本実施形態に係る送信装置(例えば、設定部151)は、ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定する。ここでの単位リソースとは、周波数リソースの単位(例えば、リソースブロック又はコンポーネントキャリア等)であってもよいし、時間リソースの単位(例えば、GFDMシンボル又はサブフレーム等)であってもよいし、周波数リソースと時間リソースとの組み合わせの単位であってもよい。そして、送信装置(例えば、送信処理部153)は、この設定に基づいてフィルタリングを行う。具体的には、送信装置(例えば、送信処理部153)は、設定されたサブキャリアの間隔に基づいてフィルタの帯域幅を可変に設定する。上記説明した第1又は第2の構成では、所定の数のサブキャリアごとにフィルタリングを行うことが可能であるので、可変に設定されたサブキャリアの間隔及び可変に設定されたサブシンボルの時間長を実現するリソース構成を実現することが可能となる。例えば、本実施形態に係る送信装置は、異なる時間長のサブシンボル及び/又は異なる間隔のサブキャリアを、同一のGFDMシンボル期間内で多重することができる。そのようなGFDMシンボルの構成の一例を、図13に示す。
0116
図13に示すように、送信装置(例えば、設定部151)は、サブシンボル長及びサブキャリア間隔に関し、単位リソースごとに異なる値を設定可能である。ただし、送信装置は、単位リソース内では、サブキャリア間隔及びサブシンボル長を同一に設定する。例えば、図13に示した例では、一のリソースブロック内ではサブキャリア間隔及びサブシンボル長が同一である。マルチユーザシステムにおいて、リソースブロックが周波数リソースの割当て単位とされる場合、このような設定により、一のユーザに対してはサブシンボル長及びサブキャリア間隔を所定値とすることが可能となる。これにより、送信処理及び受信処理をシンプルにすることが可能となる。また、送信装置(例えば、設定部151)は、サブシンボル長及びサブキャリア間隔に関し、GFDMシンボル単位で又はサブフレーム単位で異なる値を設定可能である。
0117
また、異なる単位リソース間で、サブキャリア数とサブシンボル数との積の値が同一であることが望ましい。例えば、図13に示した例では、同一のGFDMシンボル期間内で多重される複数のリソースブロックのサブキャリア数とサブシンボル数との積は全て8である。このようにすることで、可変パラメータを導入した場合の送信装置の構成及び受信装置の構成(即ち、送信処理及び受信処理)が簡素化され得る。
0118
送信装置(例えば、設定部151)は、サブキャリアの間隔を可変に設定可能である。例えば、送信装置は、サブキャリアの間隔を、システム1で定められる設定可能な最小値の整数倍に設定し得る。また、送信装置は、サブキャリア間隔を、単位リソースの帯域幅を割り切れる値に設定し得る。これらの設定により、送信装置は、利用可能な全周波数リソースを無駄なく使い切ることが可能になる。なお、サブキャリア間隔の最小値は、GFDMシンボル内のサブシンボル数が1である場合のサブキャリア間隔に等しいことが望ましい。
0119
送信装置(例えば、設定部151)は、サブシンボル長を可変に設定可能である。例えば、送信装置は、サブシンボル長を、システム1で定められる設定可能な最小値の整数倍に設定し得る。また、送信装置は、サブシンボル長を、単位リソースの時間長を割り切れる値に設定し得る。これらの設定により、送信装置は、利用可能な全時間リソースを無駄なく使い切ることが可能になる。なお、サブシンボル長の最小値は、リソースブロック内のサブキャリア数が1である場合のサブシンボル長に等しいことが望ましい。
0120
下記の表に、本実施形態に係るシステム1において取り得る、リソースに関するパラメータの範囲の一例を示した。
0121
0122
なお、図13では、CPを付加する前段階の様子が図示されている。送信装置(例えば、送信処理部153)は、付加対象のひとつ以上の単位リソースに同一の時間長のCPを付加する。CPが付加された後の様子の一例を図14に示した。図14に示した例では、コンポーネントキャリアの全域に渡るGFDMシンボルの、後半の所定長部分のコピーが、GFDMシンボルの先頭に付加されている。
0123
(3.2)サブキャリア間隔及びサブシンボル長の設定
図15は、本実施形態に係る送信装置(例えば、設定部151)において実行されるパラメータ設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは、一例として、サブシンボル長及びサブキャリア間隔の取り得る値は離散値であるものとする。そして、送信装置は、システム1において予め定められた複数のサブシンボル長及びサブキャリア間隔の組み合わせの中から、設定するサブシンボル長及びサブキャリア間隔を選択するものとする。
0124
図15に示すように、送信装置は、対象の信号が割り当てられているリソースブロックを識別する(ステップS202)。次いで、送信装置は、識別したリソースブロックで利用可能なパラメータの組み合わせを取得する(ステップS204)。
0125
次に、送信装置は、対象の信号の受信装置を識別する(ステップS206)。本ステップに代えて、又は本ステップと共に、送信装置は、対象の信号の受信装置の種類を識別してもよい。次いで、送信装置は、識別した受信装置(及び/又は受信装置の種類)に対応するパラメータ(即ち、サブシンボル長及びサブキャリア間隔)の条件を取得する(ステップS208)。受信装置に対応するパラメータの条件については後述する。
0126
次に、送信装置は、対象の信号が運ぶ情報の種類を識別する(ステップS210)。本ステップに代えて、又は本ステップと共に、送信装置は、対象の信号が運ぶ情報に関するアプリケーションの種類を識別してもよい。次いで、送信装置は、識別した情報の種類(及び/又はアプリケーションの種類)に対応するパラメータの条件を取得する(ステップS212)。情報の種類に対応するパラメータの条件については後述する。
0127
そして、送信装置は、上記ステップS204において取得したパラメータの組み合わせ及び上記ステップS208において取得した条件に基づいて、サブシンボル長を設定する(ステップS214)。また、送信装置は、上記ステップS204において取得したパラメータの組み合わせ及び上記ステップS212において取得した条件に基づいて、サブキャリア間隔を設定する(ステップS216)。
0128
以上により、処理は終了する。
0129
続いて、受信装置に対応するパラメータの条件について説明する。条件の一例を、下記の表に示した。
0130
0131
上記表に示すように、受信装置の種類に応じて、サブキャリア間隔、フィルタ係数、及びサブシンボル長が設定されてもよい。具体的には、送信装置(例えば、設定部151)は、送信対象の受信装置の干渉除去能力に応じたフィルタを設定してもよい。この設定に従い、例えば、送信装置(例えば、送信処理部153)は、受信装置に干渉除去能力がある又は干渉除去能力が高い場合に、帯域制限が急峻なフィルタ係数を設定したフィルタを適用してもよい。また、送信装置(例えば、送信処理部153)は、受信装置に干渉除去能力がない又は干渉除去能力が低い場合に、帯域制限が緩いフィルタ係数を設定したフィルタを適用してもよい。これにより、受信装置に干渉除去能力が無い又は低い場合には、受信装置側で干渉除去が不要となる又は干渉除去処理の負荷が軽減されることが可能となる。このことは、特にMTC装置及びIoT装置のような、小型且つ低消費電力が要求される装置をシステム1内に収容する場合に利点となる。帯域制限が緩やかなフィルタ係数は、RRCフィルタに対応するフィルタ係数であってもよい。また、帯域制限が急峻なフィルタ係数は、RCフィルタに対応するフィルタ係数であってもよい。また、帯域制限が緩やかなフィルタ係数が設定される場合、そうでない場合に比べて広いサブキャリア間隔が設定されてもよい。また、他の観点から言えば、帯域制限が急峻な特徴を有するフィルタ係数ほどロールオフ率(Roll-Off Factor)が小さく、帯域制限が緩やかな特徴を有するフィルタ係数ほどロールオフ率が大きい、とも言える。
0132
また、送信装置は、MTC装置及びIoT装置のような信号処理能力が低い受信装置に対して、サブキャリア間隔を広く設定してもよい。これにより、サブシンボル間干渉及びサブキャリア間干渉の影響を小さくすることが可能となり、受信装置での干渉除去処理の負荷を軽減することができる。
0134
続いて、対象の信号が運ぶ情報の種類(例えば、アプリケーション)に対応するパラメータの条件について説明する。条件の一例を、下記の表に示した。
0135
0136
上記表では、QoS(Quality of Service)をクラス化したQCI(QoS Class Identifier)ごとの、対応するアプリケーション(即ち、サービス)及び対応するパラメータの条件の一例が示されている。例えば、送信装置(例えば、設定部151)は、上記表を参照して、受信装置の処理能力、アプリケーション種別(例えば、QCI)に応じてサブシンボル長又はサブキャリア間隔の少なくともいずれかを設定し得る。
0137
設定方法の一例として、遅延耐性(上記表におけるPacket Delay Budget)に基づく設定例を説明する。例えば、送信装置は、遅延耐性が低い程、短いサブシンボル長を設定してもよい。また、送信装置は、遅延耐性が低い程、広いサブキャリア間隔を設定してもよい。遅延耐性が低い程、短い遅延時間が要求されることを意味しており、受信装置側で順序良く早急に受信及び復調可能となることが望ましいためである。以上から、送信装置は、サブシンボル長及びサブキャリア間隔が、次式の関係を満たすよう設定し得る。
0138
0139
設定方法の他の一例として、優先度(上記表におけるPriority)に基づく設定例を説明する。例えば、送信装置は、優先度が高い程、短いサブシンボル長を設定してもよい。また、送信装置は、優先度が高い程、広いサブキャリア間隔を設定してもよい。以上から、送信装置は、サブシンボル長及びサブキャリア間隔が、次式の関係を満たすよう設定し得る。
0140
0141
また、送信装置は、受信装置の移動速度に応じたパラメータの設定を行ってもよい。以下、受信装置の移動速度に対応するパラメータの条件について説明する。条件の一例を、下記の表に示した。送信装置(例えば、設定部151)は、上記表を参照して、受信装置の移動速度に応じてサブシンボル長又は及びサブキャリア間隔の少なくともいずれかを設定し得る。
0142
0144
GFDMでは、移動によって生じるドップラー効果(Doppler Effect)及びドップラー広がり(Doppler Spread)によるサブキャリア干渉の発生が考えられる。そのため、送信装置は、移動速度又はモビリティカテゴリインデクスに対応するサブシンボル長及びサブキャリア間隔を設定する。これにより、伝送品質の劣化を回避することが可能となる。具体的には、送信装置は、サブシンボル長及びサブキャリア間隔が、次式の関係を満たすよう設定し得る。
0145
0146
つまり、移動速度が速いほど、サブキャリア間隔を相対的に広くする、あるいはサブシンボル長を相対的に短くすることが望ましい。
0147
(3.3)サブキャリア数及びサブシンボル数の設定
送信装置(例えば、設定部151)は、サブキャリア間隔及びサブシンボル長を可変に設定する。言い換えれば、送信装置は、サブキャリア数及びサブシンボル数を可変に設定可能である。送信装置は、より動作の安定性を高めるべく、サブキャリア数とサブシンボル数との間に所定の関係が成り立つよう、パラメータを設定し得る。
0149
ここでのサブシンボル数の数え方としては、システム1におけるGFDMシンボルあたりのサブシンボル数が数えられることが望ましい。また、ここでのサブキャリア数の数え方としては、システム1の全帯域幅におけるサブキャリア数が数えられることが望ましい。ただし、リソースブロックのような所定の周波数帯域幅の単位が導入される場合、サブキャリア数の数え方としては、リソースブロック当たりのサブキャリア数が数えられてもよい。
0150
また、サブキャリア数及びサブシンボル数の数え方に関し、実際に情報が乗っているサブキャリア及びサブシンボルがカウントされることが望ましい。即ち、ヌルサブキャリアのように、システム上存在はするが、実際には情報が乗っていないサブキャリアについては、カウント対象外とされることが望ましい。
0151
以上を踏まえて、下記の表に、サブキャリア数及びサブシンボル数の関係をまとめた。安定性が「OK」であるパラメータは、受信装置の動作が安定する設定(即ち、望ましいシステム構成)であることを示している。表中でハッチングが付された、安定性が「NG」であるパラメータは、受信装置の動作が不安定になる設定(即ち、望ましくないシステム構成)であることを示している。
0152
0153
(3.4)フィルタ係数の設定
(送信装置側)
上記説明したように、送信装置(例えば、送信処理部153)は、サブキャリアごとにフィルタリングを実施する。このフィルタの種類は、サブキャリア間隔によらず同一であってもよいし、サブキャリア間隔に応じて異なってもよい。
0154
例えば、送信装置は、サブキャリア間隔に応じたフィルタを選択してもよい。これにより、送信装置は、サブシンボル間及びサブキャリア間の干渉の影響を制御することが可能となる。具体的には、送信装置は、間隔が狭いサブキャリアほど帯域制限が急峻な特徴を有するフィルタ係数を設定したフィルタを適用し間隔が広いサブキャリアほど帯域制限が緩やかな特徴を有するフィルタ係数を設定したフィルタを適用してもよい。これにより、対応する受信装置における干渉除去処理の負荷を軽減することができる。送信装置は、フィルタ以外にも、サブキャリア間隔に応じてフィルタのロールオフ係数を設定してもよい。
0156
図16に示すように、まず、送信装置は、サブキャリア間隔を設定する(ステップS302)。例えば、送信装置は、図15を参照して上記説明したように、受信装置及び信号が運ぶ情報の種類に応じてサブキャリア間隔を設定してもよい。
0157
次いで、送信装置は、サブキャリア間隔が閾値以上か否かを判定する(ステップS304)。サブキャリア間隔が閾値以上であると判定された場合(ステップS304/YES)、送信装置は、帯域制限が緩やかなフィルタ係数を設定する(ステップS306)。具体的には、送信装置は、RRCフィルタに対応するフィルタ係数を設定し得る。一方で、サブキャリア間隔が閾値未満であると判定された場合(ステップS304/NO)、送信装置は、帯域制限が急峻なフィルタ係数を設定する(ステップS308)。具体的には、送信装置は、RCフィルタに対応するフィルタ係数を設定し得る。
0158
以上により、処理は終了する。
0159
(受信装置側)
上述したように、送信装置は、サブキャリア間隔及びサブシンボル長を可変に設定する。そのため、受信装置(例えば、受信処理部241)は、送信装置において設定されたパラメータに応じた受信処理を行う。
0162
図17に示すように、まず、受信装置は、サブキャリア間隔を確認する(ステップS402)。例えば、受信装置は、システム情報(System Information)又は制御情報(Control Information)から、サブキャリア間隔を示す情報を取得する。
0163
次いで、受信装置は、サブキャリア間隔が閾値以上か否かを判定する(ステップS404)。サブキャリア間隔が閾値以上であると判定された場合(ステップS404/YES)、受信装置は、干渉除去機能を無効化する(ステップS406)。ここで、干渉除去機能を無効化する場合の受信方式として、例えばマッチトフィルタ(Matched Filter)の採用が挙げられる。フィルタによる帯域制限が緩く、且つサブシンボル間干渉及びサブキャリア間干渉の影響が抑制されているためである。一方で、サブキャリア間隔が閾値未満であると判定された場合(ステップS404/NO)、受信装置は、干渉除去機能を有効化する(ステップS408)。ここで、干渉除去機能を有効化する場合の受信方式として、ゼロフォーシング(ZF:Zero-Forcing)、最小二乗誤差法(MMSE:Minimum Mean Squared Error)、逐次干渉除去(SIC:Successive Interference Cancellation)、並列干渉除去(PIC:Parallel Interference Cancellation)、繰り返し干渉除去(Iterative Cancellation)、又はターボ干渉除去(Turbo Cancellation)の採用が挙げられる。
0164
以上により、処理は終了する。
0166
図18は、本実施形態に係るサブキャリア間隔に応じたフィルタ係数を説明するための図である。図18では、横軸がロールオフ率、縦軸がGFDMの等価チャネル行列の条件数であるグラフが示されている。線種の違いはサブキャリア間隔の違いに対応する。C=1は、従来のOFDMにおけるサブキャリア間隔に対応し、C=3は、従来のOFDMにおけるサブキャリア間隔の3倍のサブキャリア間隔に対応し、C=7は、従来のOFDMにおけるサブキャリア間隔の7倍のサブキャリア間隔に対応する。
0167
受信装置は、基本的にはGFDMの等価チャネル行列を補正する処理(例えば、逆行列、ゼロフォーシング、又は最小二乗誤差法等による等化)によって信号の復号を実施する。等価チャネル行列の条件数が小さいほど、その逆行列の精度がよくなるので、受信処理性能の劣化回避も期待することができる。即ち、条件数が最小となるフィルタ係数が、最適なフィルタ係数となる。図18を参照すると、条件数が最小となる最適なロールオフ率は、サブキャリア間隔によって異なり、サブキャリア間隔が広いほど小さい値となる。例えば、図中で最もサブキャリア間隔が狭いC=1の場合、最適なロールオフ率は0.1付近である。図中でサブキャリア間隔が中間のC=3の場合、最適なロールオフ率は0.04736になっている。図中でサブキャリア間隔が最も広いC=7の場合、最適なロールオフ率は0.02になっている。従って、サブキャリア間隔が広いほど小さいロールオフ率が採用されることが望ましい。
0169
図19は、本実施形態に係るサブキャリア間隔に応じたフィルタ係数を説明するための図である。図19では、ロールオフ率をパラメータとした、Eb/N0対ビット誤り率(BER)特性のシミュレーション結果が示されている。図19には、基準となるサブキャリア間隔の信号のBER(RCn、C=1)と、基準の3倍のサブキャリア間隔の信号のBER(RCw、C=3)がプロットされている。また、ロールオフ率αは、0.9、0.04736(図18におけるC=3の場合のロールオフ率の最適値)、および0がプロットされている。受信方式としてはゼロフォーシングが採用されている。図19に示すように、RCwについてロールオフ率が0の場合と最適値である0.4736の場合とを比較すると、ロールオフ率の最適化によるBERの改善効果が確認される。つまり、ロールオフ率の最適化は、図18に示した等価チャネル行列の条件数の最適化のみではなく、受信性能(BER特性)の面でも改善に繋がることが確認される。
0170
GFDMシステムにおいて、サブキャリア間隔及びフィルタ係数は、連続値として設定されてもよいし、複数の離散的な値として設定されてもよい。送信装置と受信装置との間で、サブキャリア間隔及びフィルタ係数の設定を制御情報としてやり取りされることを考慮すれば、後者の方が制御情報のオーバヘッドの削減には適していると言える。一方、前者の場合、電波伝搬環境、送受信されるデータの種類及びサービスの種類に応じた最適設定を事細かに実施することが可能となる。
0171
送信装置(例えば、送信処理部153)は、サブキャリア間隔及びフィルタ係数等の設定内容を示す情報を制御情報に含めて受信装置に送信する。ここで、サブキャリア間隔及びフィルタ係数が複数の離散的な値として設定される場合、例えばインデックスと当該インデックスが示すサブキャリア間隔及びフィルタ係数の設定値との組み合わせがシステム1内の各装置間で予め共通して認識される。そして、送信装置は、設定されたサブキャリア間隔及びフィルタ係数に対応するインデックスを制御情報に含めることで、設定値を受信装置に通知する。サブキャリア間隔及びフィルタ係数に関する、インデックスと当該インデックスが示す設定値との組み合わせの一例を、下記の表7に示した。
0173
0174
サブキャリア間隔及びフィルタ係数以外の設定値に関しても、上記と同様にインデックスにより通知されてもよい。インデックスと当該インデックスが示す設定値との組み合わせの他の例を、下記の表8〜表12に示した。
0175
下記の表8では、サブキャリア数(例えば、リソースブロックあたりのサブキャリア数)及びロールオフ率が、サブキャリア間隔のインデックスごとに定義されている。
0176
0177
下記の表9では、サブシンボル長及びロールオフ率が、サブシンボル長のインデックスごとに定義されている。
0178
0179
下記の表10では、サブシンボル数(例えば、GFDMシンボルあたりのサブキャリア数)及びロールオフ率が、サブシンボル長のインデックスごとに定義されている。
0180
0181
下記の表11では、TTI及びGFDMシンボル長に対するTTIの比が、TTIのインデックスごとに定義されている。
0182
0183
下記の表12では、CP長及びGFDMシンボル長に対するCP長の比が、TTIのインデックスごとに定義されている。
0184
0185
(3.5)オーバーサンプリングのパラメータ設定
オーバーサンプリングのパラメータは、送信処理に応じて設定されてもよい。
0186
例えば、図9〜図11に示した第1の送信装置に関しては、サンプリングレートNSR,r,gは、サブキャリア総数以上であることが望ましい。さらに、サブシンボル長及びサブキャリア間隔が可変の場合、サブキャリア総数には、実際のサブキャリア数が設定されてもよい(即ち、ガードインターバルが考慮しなくてもよい)。これに代えて、サブキャリア総数には、すべてのサブキャリア間隔をシステム1で取り得る最小値とした場合のサブキャリア数(即ち、システム1が取り得る最大のサブキャリア総数)が設定されてもよい。また、サブキャリアの多重がIDFT又はIFFTにより実行される場合、オーバーサンプリングパラメータNSR,r,gには、そのIDFTサイズ又はIFFTサイズが設定されてもよい。
0187
例えば、図12に示した第2の送信装置に関しては、オーバーサンプリングのパラメータは、第1の送信装置の場合と比較して、小さい値を設定可能である。例えば、RCフィルタ(Raised-Cosine Filter)あるいはRRCフィルタ(Root-Raised-Cosine Filter)に対応する送信フィルタ係数が採用される場合、オーバーサンプリング数は高々2であれば足りると言える。もちろん、その場合であってもオーバーサンプリング数は2以上であってもよい。
0188
(3.6)不使用の周波数領域
・割り当て帯域幅と利用帯域幅との差
送信装置(例えば、設定部151)は、ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに、不使用の周波数領域(即ち、帯域幅)を設定して、その他の使用の周波数領域においてサブキャリア間隔又はサブシンボル長の少なくともいずれか可変に設定する。そして、送信装置(例えば、送信処理部153)は、使用の周波数領域(即ち、帯域幅)を利用して、信号を送信する。単位リソースの帯域幅を割り当て帯域幅とも称する。また、割り当て帯域幅から不使用の周波数領域を除いた、実際に利用される帯域幅を、利用帯域幅とも称する。不使用の周波数領域の設定により、下記に説明するように送受信処理を簡素化することが可能となる。なお、ここでの単位リソースの周波数リソースは、典型的にはリソースブロックである。その他、ここでの単位リソースは、サブバンド又はコンポーネントキャリア等の任意の周波数チャネルであってもよい。
0189
送信装置は、同一の時間リソース上の複数の単位リソースにおいてサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長が同一であるか否かに応じて、不使用の周波数領域を設定するか否かを切り替える。具体的には、送信装置は、同一の時間リソース上の複数の単位リソースにおいてサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長が異なる場合に不使用の周波数領域を設定する。これにより、単位リソース間(より正確には、サブキャリア間)の直交性が崩れた状況下で、単位リソース間の干渉を低減することが可能とる。逆に、送信装置は、同一の時間リソース上の複数の単位リソースにおいてサブキャリアの間隔及びサブシンボルの時間長が同一である場合に不使用の周波数領域を設定しない。これにより、単位リソース間の直交性が保たれる状況下では、周波数リソースを無駄なく活用することが可能となる。なお、ここでの複数の単位リソースとは、ひとつの周波数チャネル(例えば、コンポーネントキャリア等)に含まれる単位リソースを指していてもよいし、複数の周波数チャネルに含まれる単位リソースを指していてもよい。また、ここでの複数の単位リソースの各々の帯域幅は、同一の時間リソース上で同一であるものとする。
0190
以下、図20を参照して、サブキャリア間隔の定義を説明する。
0191
図20は、サブキャリア間隔の定義を説明するための図である。左図は、隣接するサブキャリアがオーバーラップする場合の例であり、右図は、隣接するサブキャリアがオーバーラップしない場合の例である。サブキャリアは複数通りに定義可能であり、ここではそのうち3つの定義を説明する。
0192
第1の定義は、サブキャリア間隔を、隣接するサブキャリアの特定の箇所を指す周波数の間隔とする定義である。例えば、図20における符号310Aに示す間隔が、サブキャリア間隔である。符号310Aによれば、サブキャリア間隔は、サブキャリアのピーク箇所同士の間隔であるが、必ずしもピーク箇所同士の間隔である必要はない。例えば、サブキャリア間隔は、サブキャリアの下側の3dB周波数同士の間隔、上側の3dB周波数同士の間隔、下側の(n番目の)ゼロクロス周波数同士の間隔、又は上側の(n番目の)ゼロクロス周波数同士の間隔、等であってもよい。
0193
第2の定義は、サブキャリア間隔を、サブキャリアの特定箇所の周波数の間隔とする定義である。例えば、図20における符号310Bに示す間隔が、サブキャリア間隔である。特定箇所は、ひとつのサブキャリアの下側と上側の3dB周波数の間隔、又は下側と上側の(n番目の)ゼロクロス周波数の間隔、等であってもよい。
0195
以上、サブキャリア間隔の定義を説明した。続いて、図21を参照して、割り当て帯域幅及び利用帯域幅の設定の一例を説明する。
0196
図21は、本実施形態に係る割り当て帯域幅及び利用帯域幅の設定の一例を示す図である。図21では、割り当て帯域幅及び利用帯域幅と設定の6つの例を、符号320〜符号325に示している。Bkは、割り当て帯域幅であり、B’kは、利用帯域幅であり、bkは、サブキャリア間隔又は1サブキャリアの帯域幅である。なお、kは例のインデックスを示す整数である。
0197
なお、図21におけるb0を、基準のサブキャリア間隔とする。また、b0は、システム1において設定可能な最小のサブキャリア間隔であるものとする。図21では、サブキャリアの周波数成分のうちサイドローブ部分が省略されているが、実際にはサイドローブが存在していてもよい。また、図21では、サイドローブ部分はサブキャリアの帯域幅に含まれていない。また、ここでは、サブキャリア同士は非直交であるものとするが、直交していてもよい。
0198
下記の表13に、図21の符号320〜符号325に示した各設定における各種設定値を示した。表中のNkは、割り当てられた帯域幅内のサブキャリア数である。利用帯域幅は、サブキャリア間隔とサブキャリア数とを乗算した値として、B’k=bk×Nkにより算出される。
0199
0200
以下、符号320〜符号325に示した各ケースについて詳しく説明する。
0201
符号320に示したケースは、割り当て帯域幅と利用帯域幅とが同一であり、基準のサブキャリア間隔が採用されるケースである。本ケースは、既存のOFDMA又はLTEにおいて見られる帯域の使い方である。本ケースは、システム1の基準又はデフォルトの設定であると捉えられてもよい。
0202
符号321に示したケースは、割り当て帯域幅より利用帯域幅が狭く、基準のサブキャリア間隔が採用されるケースである。符号321に示したケースでは、割り当て帯域幅の両端が空きとなるので、近隣(例えば、隣接するリソースブロック)からの干渉を緩和することが可能となる。
0203
符号320と符号321とを比較すると分かるように、システム1は、不使用の領域を設定する単位リソースに含まれるサブキャリアの数(例えば、N1)を、不使用の領域を設定しない単位リソースに含まれるサブキャリアの数(例えば、N0)以下に設定してもよい。これにより、不使用の周波数領域が設けられることとなる。
0204
符号322及び符号323に示したケースは、割り当て帯域幅と利用帯域幅とが同一であり、基準のサブキャリア間隔よりも広いサブキャリア間隔が採用されるケースである。符号322に示したケースでは、単位リソースはひとつのサブキャリアにより形成され、符号323に示したケースでは、単位リソースはふたつのサブキャリアにより形成される。システム1では、異なるサブキャリア間隔のサブキャリアを同時にCC内に収容することが可能であり、これらのケースはそのような場合に発生するケースである。
0205
符号324に示したケースは、割り当て帯域幅より利用帯域幅が狭く、単位リソースがひとつのサブキャリアにより形成され、基準のサブキャリア間隔よりも広いサブキャリア間隔が採用されるケースである。間隔を広げたサブキャリアは、簡易な受信アルゴリズムでの復号を可能にし、且つ高速移動環境下でのドップラー効果への強い耐性を実現する。ただし、受信アルゴリズムを簡易にする場合は、近隣のサブキャリア(近隣のリソースブロック内のサブキャリアなど)からの干渉に注意することが望ましい。この点本ケースでは、割り当て帯域幅の両端が空きとなるので、近隣からの干渉を緩和することが可能となり、簡易な受信アルゴリズムの適用が可能となる。
0206
符号325に示したケースは、割り当て帯域幅より利用帯域幅が狭く、単位リソースがふたつのサブキャリアにより形成され、基準のサブキャリア間隔よりも広いサブキャリア間隔が採用されるケースである。本ケースでは、符号324に示したケースと同様に、割り当て帯域幅の両端が空きとなるので、近隣からの干渉を緩和することが可能となり、簡易な受信アルゴリズムの適用が可能となる。ただし、本ケースでは、割り当て帯域幅内でサブキャリア同士がオーバーラップするので、これらのサブキャリア間の干渉を考慮した受信アルゴリズムが採用されることが望ましい。
0207
符号322と符号324とを、及び符号323と符号325とを比較すると分かるように、システム1は、不使用の領域を設定する単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔(例えば、b3又はb5)を、不使用の領域を設定しない単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔(例えば、b2又はb4)以下に設定してもよい。これにより、不使用の周波数領域が設けられることとなる。
0208
以上、符号320〜符号325に示した各ケースについて詳しく説明した。システム1は、符号320〜符号325に一例を示したケースのうち、単一又は複数のケースを、ひとつの周波数チャネル(例えば、CC)に同時に混在させて収容可能である。
0209
なお、割り当て帯域幅Bkは、システムが想定する最小のサブキャリア間隔b0の整数倍であることが望ましい。つまり、Bk=n×b0であることが望ましいと言える。ただし、nは正の整数である。
0210
また、割り当て帯域幅の単位(例えばリソースブロック)について、ひとつの単位内に複数のサブキャリアがある場合には、それらサブキャリアの帯域幅は等しいことが望ましい。つまり、割当て帯域幅Bkの中に配置されるサブキャリアのbkの値はすべて等しいことが望ましい。
0211
・サブキャリアの配置
割り当て帯域幅と利用帯域幅とに差がある場合の、サブキャリアの配置について詳しく説明する。サブキャリアの配置は、少なくとも次のいずれかの条件を満たすことが望ましい。
0212
第1の条件は、割り当て帯域幅Bkの中心とB’kの中心とが一致又は略一致することである。
0213
第2の条件は、割り当て帯域幅Bkの両端に空き(即ち、不使用の周波数領域)が設定されることである。換言すると、第2の条件は、帯域幅Bkの片側のみが空くことがないことである。
0214
第3の条件は、割り当て帯域幅Bkの両端に設定される2つの空きの帯域幅が同一に設定されることである。
0215
第4の条件は、割り当て帯域幅Bk内の空き(両端以外の空きも含む)の帯域幅が同一に設定されることである。
0216
第5の条件は、割り当て帯域幅Bkに含まれるサブキャリア数が奇数である場合、割り当て帯域幅Bkに含まれる少なくともいずれかのサブキャリアの中心周波数が、割り当て帯域幅Bkの中心周波数と一致又は略一致することである。
0217
第6の条件は、割り当て帯域幅Bkに含まれるサブキャリア数が偶数である場合、割り当て帯域幅Bkに含まれるいずれのサブキャリアの中心周波数も、割り当て帯域幅Bkの中心周波数と一致又は略一致しないことである。
0218
なお、上述した周波数の略一致は、絶対的な許容範囲内であることを意味していてもよく、例えば数Hz〜数十Hzのずれを許容することを意味していてもよい。他にも、上述した周波数の略一致は、相対的な許容範囲内であることを意味していてもよく、例えばサブキャリア間隔に対する数%〜十数%のずれを許容することを意味していてもよい。
0220
図22は、本実施形態に係るサブキャリアの配置の一例を説明するための図である。図22では、割り当て帯域幅より利用帯域幅が狭く、単位リソースが3つのサブキャリアにより形成されるケースにおけるサブキャリアの配置例が示されている。符号331に示すように、第1の条件が満たされている。符号332に示すように、第2の条件が満たされている。符号333に示すように、第3の条件が満たされている。符号334に示すように、第4の条件が満たされている。符号335に示すように、第5の条件が満たされている。
0221
図23は、本実施形態に係るサブキャリアの配置の一例を説明するための図である。図23では、割り当て帯域幅より利用帯域幅が狭く、単位リソースが3つのサブキャリアにより形成されるケースにおけるサブキャリアの配置例が示されている。符号341に示すように、第1の条件が満たされている。符号342に示すように、第2の条件が満たされている。符号343に示すように、第3の条件が満たされている。符号344に示すように、第4の条件が満たされている。符号345に示すように、第5の条件が満たされている。
0222
図24は、本実施形態に係るサブキャリアの配置の一例を説明するための図である。図24では、割り当て帯域幅より利用帯域幅が狭く、単位リソースが2つのサブキャリアにより形成されるケースにおけるサブキャリアの配置例が示されている。符号351に示すように、第1の条件が満たされている。符号352に示すように、第2の条件が満たされている。符号353に示すように、第3の条件が満たされている。符号354に示すように、第4の条件が満たされている。符号356に示すように、第6の条件が満たされている。
0223
図25は、本実施形態に係るサブキャリアの配置の一例を説明するための図である。図25では、割り当て帯域幅より利用帯域幅が狭く、単位リソースが2つのサブキャリアにより形成されるケースにおけるサブキャリアの配置例が示されている。符号361に示すように、第1の条件が満たされている。符号362に示すように、第2の条件が満たされている。符号363に示すように、第3の条件が満たされている。符号364に示すように、第4の条件が満たされている。符号366に示すように、第6の条件が満たされている。
0224
以上、サブキャリアの配置例を説明した。
0225
図21に示した符号321、324及び325の各ケースにおいては、上記の各条件の少なくともいずれかが満たされる。ただし、図21に示した符号320、322及び323の各ケースにおいても、空き帯域幅をゼロと考えれば、上記の各条件の少なくともいずれかが満たされる。即ち、図21に示した全てのケースにおいて、上記各条件に基づく配置制御は有効である。
0226
システム1は、上記の各条件の少なくともいずれかを満たす配置を行うことで、サブキャリアが受ける干渉の影響を均一化することが可能となる。ここでの干渉とは、ある割り当て帯域幅の中のサブキャリアが、他の帯域幅のサブキャリアから受ける干渉、及びある割り当て帯域幅の中のサブキャリアが、同一の帯域幅の中の他のサブキャリアから受ける干渉の、双方を意味する。
0227
続いて、図26を参照して、不使用の周波数領域の設定に係る処理の流れを説明する。
0228
図26は、本実施形態に係る不使用の周波数領域の設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図26に示すように、まず、送信装置(例えば、設定部151)は、サブキャリア間隔又はサブシンボル長の少なくともいずれかを可変に設定する(ステップS502)。次いで、送信装置(例えば、設定部151)は、同一の時間リソース上の複数の単位リソースにおいてサブキャリア間隔又はサブシンボル長が異なるか否かを判定する(ステップS504)。次に、送信装置(例えば、設定部151)は、異なる場合は不使用の周波数領域を設定し(ステップS506)、同一である場合は不使用の周波数領域を設定しない(ステップS508)。次いで、送信装置(例えば、設定部151)は、その他のパラメータを設定する(ステップS510)。その他のパラメータとしては、例えばフィルタ係数、オーバーサンプリングのパラメータ、及びサブキャリア数並びにサブシンボル数等が挙げられる。次に、送信装置(例えば、送信処理部153及び無線通信部120)は、上記設定に基づく送信信号処理を実施してRF信号を生成する(ステップS512)。そして、送信装置(例えば、アンテナ部110)は、生成されたRF信号を送信する(ステップS514)。以上により、処理は終了する。
0229
(3.6)パラメータの制限
・制限の内容
送信装置及び/又は受信装置のパラメータに制限が課されてもよい。これにより、オーバーヘッドが削減され、実装も容易となる。なお、一般的には端末装置はハードウェア及びソフトウェアの実装上の制限が多いため、端末装置のパラメータに制限が課されることが望ましい。
0230
そこで、基地局100(例えば、設定部151)は、端末装置200(送信装置又は受信装置に相当)が同一の時間リソース上の複数の単位リソースにおいて設定可能なパラメータの候補の数を所定の数に制限する。これにより、端末装置のハードウェア及びソフトウェアの実装上の制限を解決することが可能となる。なお、ここでの複数の単位リソースとは、ひとつの周波数チャネル(例えば、コンポーネントキャリア等)に含まれる単位リソースを指していてもよいし、複数の周波数チャネルに含まれる単位リソースを指していてもよい。即ち、ひとつの単位リソースにおいてパラメータに制限が課されてもよいし、複数の単位リソースにおいてパラメータに制限が課されてもよい。
0231
なお、複数の周波数チャネルにおいてはパラメータの候補の数が所定の数に制限され、ひとつの周波数チャネルにおいてはパラメータの候補の数が所定の数マイナス1に制限されてもよい。
0232
また、上記所定の数は、1であってもよいし、1以上の任意の数であってもよい。
0233
パラメータの制限は、所定の時間リソースごとに課されてもよい。所定の時間リソースとしては、例えばTTI(Transmission Time Interval)、サブフレーム、複数のTTI、複数のサブフレーム、又は無線フレーム(Radio Frame)等が考えられる。例えば、送信装置のパラメータには、同一の時間リソースにおいては同一のパラメータが設定されるよう制限が課される。ただし、異なる時間リソースにおいては異なるパラメータが設定されることが許容される。受信装置のパラメータに関しても同様に、同一の時間リソースにおいては同一のパラメータが設定されるよう制限が課される。ただし、異なる時間リソースにおいては異なるパラメータが設定されることが許容される
0234
ただし、異なる時間リソースにおいては異なるパラメータの制限が課されることが許容される。ひとつの装置が、並行して複数の異なるユースケースにおいて利用され得るためである。ユースケースとしては、例えばブロードバンド通信(eMBB:Enhanced Mobile Broadband)、高信頼性・低遅延通信(URLLC:Ultra Reliable and Low Latency Communications)、及びマシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)等が考えられる。例えば、時間リソースごとに異なるユースケースを想定した異なる制限が課されてもよい。即ち、時間リソースごとに課されるパラメータの制限が切り替えられてもよい。もちろん、複数の時間リソースに渡って切り替えが行われなくてもよい。
0235
また、パラメータの制限は、所定の周波数リソースごとに課されてもよい。所定の周波数リソースとしては、例えばシステムの周波数全体、周波数チャネル(例えば、コンポーネントキャリア)、及び周波数ブロック(例えば、リソースブロック)等が考えられる。例えば、送信装置のパラメータには、同一の周波数リソースにおいては同一のパラメータが設定されるよう制限が課される。受信装置のパラメータも同様である。ただし、異なる周波数リソースにおいては異なるパラメータの制限が課されることが許容されてもよい。
0236
また、パラメータの制限は、受信装置ごとに異なっていてもよいし、複数の受信装置で共通していてもよい。同様に、パラメータの制限は、送信装置ごとに異なっていてもよいし、複数の送信装置で共通していてもよい。
0237
また、パラメータの制限は、パラメータの一部にのみ課されてもよい。例えば、サブキャリア間隔及びサブシンボル長等の一部のパラメータに制限が課されず、CP長及びTTI長等の他のパラメータに制限が課されてもよい。
0238
以下、図27〜図32を参照して、セルラーシステムのダウンリンク通信におけるパラメータの制限について具体的に説明する。もちろん、パラメータの制限は、アップリンク通信、D2D(Device−to−Device)通信におけるサイドリンク通信等においても、同様に行われてもよい。
0239
図27は、本実施形態に係るパラメータの制限の一例を説明するための図である。図27に示すように、基地局100が送信装置であり、端末装置200A及び200Bが受信装置である。リソース400Aは端末装置200Aへの信号に用いられるリソースであり、リソース400Bは端末装置200Bへの信号に用いられるリソースである。図27に示すように、端末装置200ごとに、同一の時間リソース(ここでは、TTI)内に同一のパラメータ(ここでは、サブキャリア間隔及びサブシンボル長)が設定されている。このように、図27に示した例では、パラメータに制限が課されている。
0240
図28は、本実施形態に係るパラメータの制限の一例を説明するための図である。図28に示すように、基地局100が送信装置であり、端末装置200A及び200Bが受信装置である。リソース410A及び412Aは端末装置200Aへの信号に用いられるリソースであり、リソース410B及び412Bは端末装置200Bへの信号に用いられるリソースである。図28に示すように、端末装置200Aへの信号に用いられるリソース410Aと412Aとで、同一の時間リソース(ここでは、TTI)内に異なるパラメータ(ここでは、サブキャリア間隔及びサブシンボル長)が設定されている。また、端末装置200Bへの信号に用いられるリソース410Bと412Bとで、同一の時間リソース内に異なるパラメータが設定されている。このように、一部異なるパラメータの設定が許容されてもよい。ただし、例えばCP長及び/又はTTI長等の他のパラメータに制限が課されてもよい。
0241
ここで、図27及び図28に示した例は、ひとつの周波数チャネル(例えば、コンポーネントキャリア)においてパラメータの制限が課される例である。これに関し、図29及び図30に示すように、複数の周波数チャネルにおいてパラメータの制限が課されてもよい。
0242
図29は、本実施形態に係るパラメータの制限の一例を説明するための図である。図29に示すように、基地局100が送信装置であり、端末装置200A及び200Bが受信装置である。リソース420A及び422Aは端末装置200Aへの信号に用いられるリソースであり、リソース420B及び422Bは端末装置200Bへの信号に用いられるリソースである。図29に示すように、端末装置200ごとに、異なるコンポーネントキャリアにおいても、同一の時間リソース(ここでは、TTI)内に同一のパラメータ(ここでは、サブキャリア間隔及びサブシンボル長)が設定されている。このように、図27に示した例では、複数のコンポーネントキャリアに関しパラメータに制限が課されている。このような制限により、コンポーネントキャリア数が増えた場合においても、信号処理のパラメータを共通化して受信処理を効率的に実施することが可能となる。
0243
図30は、本実施形態に係るパラメータの制限の一例を説明するための図である。図30に示すように、基地局100が送信装置であり、端末装置200A及び200Bが受信装置である。リソース430A及び432Aは端末装置200Aへの信号に用いられるリソースであり、リソース430B及び432Bは端末装置200Bへの信号に用いられるリソースである。図30に示すように、端末装置200Aへの信号に用いられるリソース430Aと432Aとで、異なるコンポーネントキャリアにおいて、同一の時間リソース(ここでは、TTI)内に異なるパラメータ(ここでは、サブキャリア間隔及びサブシンボル長)が設定されている。また、端末装置200Bへの信号に用いられるリソース430Bと432Bとで、異なるコンポーネントキャリアにおいて、同一の時間リソース内に異なるパラメータが設定されている。このように、一部異なるパラメータの設定が許容されてもよい。ただし、例えばCP長及び/又はTTI長等の他のパラメータに制限が課されてもよい。
0244
ここで、図27〜図30においては、同一の時間リソースにおいて課されるパラメータの制限について説明してきた。他方、図31及び図32に示すように、異なる時間リソースにおいては異なるパラメータの制限を課すことが許容されてもよい。
0245
図31は、本実施形態に係るパラメータの制限の一例を説明するための図である。図31に示すように、基地局100が送信装置であり、端末装置200A及び200Bが受信装置である。リソース440A及び442Aは端末装置200Aへの信号に用いられるリソースであり、リソース440B及び442Bは端末装置200Bへの信号に用いられるリソースである。図31に示すように、端末装置200ごとに、異なる時間リソース(ここでは、TTI)においては異なるパラメータ(ここでは、サブキャリア間隔及びサブシンボル長)が設定されている。このように、図31に示した例では、時間リソースごとに異なるパラメータの制限を課すことが許容されている。
0246
図32は、本実施形態に係るパラメータの制限の一例を説明するための図である。図32に示すように、基地局100が送信装置であり、端末装置200A及び200Bが受信装置である。リソース450A及び452Aは端末装置200Aへの信号に用いられるリソースであり、リソース450B及び452Bは端末装置200Bへの信号に用いられるリソースである。図32に示すように、端末装置200ごとに、異なる時間リソース(ここでは、TTI)において同一のパラメータ(ここでは、サブキャリア間隔及びサブシンボル長)が設定されている。このように、図32に示した例では、異なる時間リソースにおいても同一のパラメータの制限が課されている。異なる時間リソースにおいて異なるパラメータの制限を課すことが許容されない場合、実装が容易となる。もちろん、複数TTI、複数サブフレーム、又は1以上の無線フレーム単位等で、パラメータの制限の切り替えが許容されてもよい。
0247
下記の表14に、送信装置のパラメータに関してまとめた表を示す。また、下記の表15に、受信装置のパラメータに関してまとめた表を示す。
0248
0249
0250
・基地局から端末装置へ送信される制御情報
パラメータに制限が課され得る場合に、基地局100(例えば、送信装置)から端末装置200(例えば受信装置)へ送信される制御情報について説明する。
0251
基地局100(例えば、設定部151)は、設定可能なパラメータの候補の中から選択したパラメータを設定する。そして、基地局100(送信処理部153)は、選択したパラメータを示す情報を制御情報に含めて端末装置200に送信し、その後選択したパラメータに従ってデータ信号を送信する。
0252
下記の表16に、同一時間リソース上で設定可能なパラメータの候補の数が1に制限される場合の制御情報の一例を示した。ハッチングが掛けられた部分が、制限が課されるパラメータに関する制御情報である。表16に示すように、制限が課されるパラメータは、サブキャリアの間隔、サブシンボルの時間長、TTI長、又はCP長の少なくともいずれかを含む。これらの制御情報は、設定された値が所定値(例えば、システム1のデフォルト値又は基準値)に相当する場合には送信が省略されてもよい。これにより、制御情報の送受信負荷が軽減される。ここで、デフォルトのパラメータは、システム1内でとり得る最小値又は最大値のいずれでもないパラメータであるものとする。
0253
また、下記の表17に、同一時間リソース上で設定可能なパラメータの候補の数が2以上に制限される場合の制御情報の一例を示した。ハッチングが掛けられた部分が、制限が課されるパラメータに関する制御情報である。例えば、システム1は、制限が課されるパラメータに関する制御情報をリソースブロック単位で用意することで、2以上のパラメータの候補をサポートすることができる。同表では省略されているが、リソースブロック単位以外にも、周波数チャネル(例えば、コンポーネントキャリア)単位でパラメータに関する制御情報が用意されてもよい。
0254
0255
0256
制御情報の送信タイミングは多様に考えられる。例えば、制御情報は常時送信されてもよいし、サブフレームごとに送信されてもよいし、パラメータの設定の度に(例えば、スケジューリング単位時間の度に、又は複数のスケジューリング単位時間の度に)送信されてもよい。後者の場合の処理の流れを、図33及び図34を参照して説明する。
0257
図33は、本実施形態に係る基地局100において実行されるダウンリンク通信に関する制御情報の送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。図33に示すように、まず、基地局100は、一の端末装置200に対するパラメータを設定する(ステップS602)。次いで、基地局100は、制限対象のパラメータの設定値が所定値(例えば、システム1のデフォルト値又は基準値)に相当するか否かを判定する(ステップS604)。ここで、制限対象のパラメータとは、表16及び表17においてハッチングが掛けれらたパラメータである。また、デフォルトの値とは、例えばサブキャリア間隔に関しては表13の(0)に相当するサブキャリア間隔であってもよく、例えばTTIに関してはサブフレームと同一の値(例えば1msec)であってもよい。相当すると判定された場合(ステップS604/YES)、基地局100は、当該制限対象のパラメータに関する制御情報の生成をスキップする(ステップS606)。他方、異なると判定された場合(ステップS604/NO)、基地局100は、当該制限対象のパラメータに関する制御情報を生成する(ステップS608)。次いで、基地局100は、制限対象のパラメータ以外のその他のパラメータに関する制御情報を生成する(ステップS610)。次に、基地局100は、生成した制御情報群を送信する(ステップS612)。そして、基地局100は、実データに対し制御情報群に対応する符号化及び変調等の送信信号処理を行い(ステップS614)、制御情報群に対応する物理チャネル上で送信信号処理された信号を送信する(ステップS616)。以上により、処理は終了する。
0258
図34は、本実施形態に係る基地局100において実行されるアップリンク通信に関する制御情報の送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。図34に示すように、まず、基地局100は、一の端末装置200に対するパラメータを設定する(ステップS702)。次いで、基地局100は、制限対象のパラメータの設定値が所定値(例えば、システム1のデフォルト値又は基準値)に相当するか否かを判定する(ステップS704)。相当すると判定された場合(ステップS704/YES)、基地局100は、当該制限対象のパラメータに関する制御情報の生成をスキップする(ステップS706)。他方、相当しないと判定された場合(ステップS704/NO)、基地局100は、当該制限対象のパラメータに関する制御情報を生成する(ステップS708)。次いで、基地局100は、制限対象のパラメータ以外のパラメータに関する制御情報を生成する(ステップS710)。次に、基地局100は、生成した制御情報群を送信する(ステップS712)。次いで、基地局100は、制御情報群に従って端末装置200から送信された信号を受信する(ステップS714)。そして、基地局100は、受信信号に対し、制御情報群に対応する復号化及び復調等の受信信号処理を実施して、データを取得する(ステップS716)。以上により、処理は終了する。
0259
・端末装置から基地局へ送信される制御情報
パラメータに制限が課され得る場合に、端末装置200から基地局100へ送信される制御情報について説明する。
0260
例えば、この制御情報は、端末装置200のケイパビリティを示すUEケイパビリティ情報(UE Capability Information)である。UEケイパビリティ情報は、端末装置200の送信信号処理についての能力、及び受信信号処理についての能力に関する情報を含む。基地局100は、受信したUEケイパビリティ情報に基づいてスケジューリング、並びにパラメータの設定及び通知を行うことが可能となる。下記の表18に、UEケイパビリティ情報の一例を示す。表18に示すように、UEケイパビリティ情報には、送信信号処理及び受信信号処理に関する情報に加えて、送信及び受信の双方に共通する情報(例えば、端末装置200のカテゴリを示すUEカテゴリ)が含まれていてもよい。
0261
0262
UEケイパビリティ情報は、基地局100によるデータチャネルの動的なスケジューリングよりも前に基地局100により受信されることが望ましい。そのタイミングは、RRC接続手続き(RRC Connection Procedure)の中、又はハンドオーバ手続き(Handover Procedure)の中でやり取りされることが望ましい。以下、UEケイパビリティ情報の送信に関する処理の流れを、図35及び図36を参照して説明する。
0263
図35は、本実施形態に係るシステム1において実行されるダウンリンク通信に関するUEケイパビリティ情報の送信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、基地局100及び端末装置200が関与する。図35に示すように、まず、基地局100は、システム情報をPBCH(Physical Broadcast Channel)又はPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を介して端末装置200に送信する(ステップS802)。次いで、端末装置200は、UEケイパビリティ情報をPUCCH(Physical Uplink Control Channel)又はPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)を介して基地局100に送信する(ステップS804)。次に、基地局100は、受信したUEケイパビリティ情報に基づいてスケジューリングを行う(ステップS806)。ここでのスケジューリングにより、対象の端末装置200がPDSCHを受信する際に使用すべきパラメータ(サブフレーム、リソースブロック、サブキャリア間隔、サブキャリア数、CP長、及びTTI等)が設定される。次いで、基地局100は、スケジューリング結果に対応するパラメータを含む制御情報をPDCCH(Physical Downlink Control Channel)(若しくは、EPDCCH(Enhanced EPDCCH))又はPDSCHを介して端末装置200に送信する(ステップS808)。次に、基地局100は、データ信号をPDSCH又はPMCH(Physical Multicast Channel)を介して端末装置200に送信する(ステップS810)。そして、端末装置200は、受信した制御情報に従ってデータ信号の受信処理を行い、応答(ACK/NACK)をPUCCH又はPUSCHを介して基地局100に送信する(ステップS812)。以上により、処理は終了する。
0264
図36は、本実施形態に係るシステム1において実行されるアップリンク通信に関するUEケイパビリティ情報の送信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、基地局100及び端末装置200が関与する。図36に示すように、まず、基地局100は、システム情報をPBCH又はPDSCHを介して端末装置200に送信する(ステップS902)。次いで、端末装置200は、UEケイパビリティ情報をPUCCH又はPUSCHを介して基地局100に送信する(ステップS904)。次に、基地局100は、受信したUEケイパビリティ情報に基づいてスケジューリングを行う(ステップS906)。ここでのスケジューリングにより、対象の端末装置200がPUSCHを送信する際に使用すべきパラメータ(サブフレーム、リソースブロック、サブキャリア間隔、サブキャリア数、CP長、及びTTI等)が設定される。次いで、基地局100は、スケジューリング結果に対応するパラメータを含む制御情報をPDCCH(若しくは、ePDCCH)又はPDSCHを介して端末装置200に送信する(ステップS908)。次に、端末装置200は、受信した制御情報に従いデータ信号をPUSCHを介して基地局100に送信する(ステップS910)。そして、基地局100は、設定したパラメータに従ってデータ信号の受信処理を行い、応答(ACK/NACK)をPDCCHを介して端末装置200に送信する(ステップS912)。以上により、処理は終了する。
0265
<<5.応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、基地局100は、マクロeNB又はスモールeNBなどのいずれかの種類のeNB(evolved Node B)として実現されてもよい。スモールeNBは、ピコeNB、マイクロeNB又はホーム(フェムト)eNBなどの、マクロセルよりも小さいセルをカバーするeNBであってよい。その代わりに、基地局100は、NodeB又はBTS(Base Transceiver Station)などの他の種類の基地局として実現されてもよい。基地局100は、無線通信を制御する本体(基地局装置ともいう)と、本体とは別の場所に配置される1つ以上のRRH(Remote Radio Head)とを含んでもよい。また、後述する様々な種類の端末が一時的に又は半永続的に基地局機能を実行することにより、基地局100として動作してもよい。さらに、基地局100の少なくとも一部の構成要素は、基地局装置又は基地局装置のためのモジュールにおいて実現されてもよい。
0266
また、例えば、端末装置200は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末、携帯型/ドングル型のモバイルルータ若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、端末装置200は、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、端末装置200の少なくとも一部の構成要素は、これら端末に搭載されるモジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)において実現されてもよい。
0267
<5.1.基地局に関する応用例>
(第1の応用例)
図37は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。eNB800は、1つ以上のアンテナ810、及び基地局装置820を有する。各アンテナ810及び基地局装置820は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。
0268
アンテナ810の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、基地局装置820による無線信号の送受信のために使用される。eNB800は、図37に示したように複数のアンテナ810を有し、複数のアンテナ810は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図37にはeNB800が複数のアンテナ810を有する例を示したが、eNB800は単一のアンテナ810を有してもよい。
0269
基地局装置820は、コントローラ821、メモリ822、ネットワークインタフェース823及び無線通信インタフェース825を備える。
0270
コントローラ821は、例えばCPU又はDSPであってよく、基地局装置820の上位レイヤの様々な機能を動作させる。例えば、コントローラ821は、無線通信インタフェース825により処理された信号内のデータからデータパケットを生成し、生成したパケットをネットワークインタフェース823を介して転送する。コントローラ821は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドリングすることによりバンドルドパケットを生成し、生成したバンドルドパケットを転送してもよい。また、コントローラ821は、無線リソース管理(Radio Resource Control)、無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、移動性管理(Mobility Management)、流入制御(Admission Control)又はスケジューリング(Scheduling)などの制御を実行する論理的な機能を有してもよい。また、当該制御は、周辺のeNB又はコアネットワークノードと連携して実行されてもよい。メモリ822は、RAM及びROMを含み、コントローラ821により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、送信電力データ及びスケジューリングデータなど)を記憶する。
0271
ネットワークインタフェース823は、基地局装置820をコアネットワーク824に接続するための通信インタフェースである。コントローラ821は、ネットワークインタフェース823を介して、コアネットワークノード又は他のeNBと通信してもよい。その場合に、eNB800と、コアネットワークノード又は他のeNBとは、論理的なインタフェース(例えば、S1インタフェース又はX2インタフェース)により互いに接続されてもよい。ネットワークインタフェース823は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線バックホールのための無線通信インタフェースであってもよい。ネットワークインタフェース823が無線通信インタフェースである場合、ネットワークインタフェース823は、無線通信インタフェース825により使用される周波数帯域よりもより高い周波数帯域を無線通信に使用してもよい。
0272
無線通信インタフェース825は、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、アンテナ810を介して、eNB800のセル内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース825は、典型的には、ベースバンド(BB)プロセッサ826及びRF回路827などを含み得る。BBプロセッサ826は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、各レイヤ(例えば、L1、MAC(Medium Access Control)、RLC(Radio Link Control)及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol))の様々な信号処理を実行する。BBプロセッサ826は、コントローラ821の代わりに、上述した論理的な機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ826は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を含むモジュールであってもよく、BBプロセッサ826の機能は、上記プログラムのアップデートにより変更可能であってもよい。また、上記モジュールは、基地局装置820のスロットに挿入されるカード若しくはブレードであってもよく、又は上記カード若しくは上記ブレードに搭載されるチップであってもよい。一方、RF回路827は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ810を介して無線信号を送受信する。
0273
無線通信インタフェース825は、図37に示したように複数のBBプロセッサ826を含み、複数のBBプロセッサ826は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。また、無線通信インタフェース825は、図37に示したように複数のRF回路827を含み、複数のRF回路827は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図37には無線通信インタフェース825が複数のBBプロセッサ826及び複数のRF回路827を含む例を示したが、無線通信インタフェース825は単一のBBプロセッサ826又は単一のRF回路827を含んでもよい。
0274
図37に示したeNB800において、図5を参照して説明した基地局100に含まれる1つ以上の構成要素(設定部151及び/又は送信処理部153)は、無線通信インタフェース825において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ821において実装されてもよい。一例として、eNB800は、無線通信インタフェース825の一部(例えば、BBプロセッサ826)若しくは全部、及び/又はコントローラ821を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB800にインストールされ、無線通信インタフェース825(例えば、BBプロセッサ826)及び/又はコントローラ821が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB800、基地局装置820又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
0275
また、図37に示したeNB800において、図5を参照して説明した無線通信部120は、無線通信インタフェース825(例えば、RF回路827)において実装されてもよい。また、アンテナ部110は、アンテナ810において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部130は、コントローラ821及び/又はネットワークインタフェース823において実装されてもよい。また、記憶部140は、メモリ822において実装されてもよい。
0276
(第2の応用例)
図38は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。eNB830は、1つ以上のアンテナ840、基地局装置850、及びRRH860を有する。各アンテナ840及びRRH860は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。また、基地局装置850及びRRH860は、光ファイバケーブルなどの高速回線で互いに接続され得る。
0277
アンテナ840の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、RRH860による無線信号の送受信のために使用される。eNB830は、図38に示したように複数のアンテナ840を有し、複数のアンテナ840は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図38にはeNB830が複数のアンテナ840を有する例を示したが、eNB830は単一のアンテナ840を有してもよい。
0278
基地局装置850は、コントローラ851、メモリ852、ネットワークインタフェース853、無線通信インタフェース855及び接続インタフェース857を備える。コントローラ851、メモリ852及びネットワークインタフェース853は、図37を参照して説明したコントローラ821、メモリ822及びネットワークインタフェース823と同様のものである。
0279
無線通信インタフェース855は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、RRH860及びアンテナ840を介して、RRH860に対応するセクタ内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース855は、典型的には、BBプロセッサ856などを含み得る。BBプロセッサ856は、接続インタフェース857を介してRRH860のRF回路864と接続されることを除き、図37を参照して説明したBBプロセッサ826と同様のものである。無線通信インタフェース855は、図38に示したように複数のBBプロセッサ856を含み、複数のBBプロセッサ856は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図38には無線通信インタフェース855が複数のBBプロセッサ856を含む例を示したが、無線通信インタフェース855は単一のBBプロセッサ856を含んでもよい。
0280
接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)をRRH860と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)とRRH860とを接続する上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
0281
また、RRH860は、接続インタフェース861及び無線通信インタフェース863を備える。
0282
接続インタフェース861は、RRH860(無線通信インタフェース863)を基地局装置850と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース861は、上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
0283
無線通信インタフェース863は、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、典型的には、RF回路864などを含み得る。RF回路864は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、図38に示したように複数のRF回路864を含み、複数のRF回路864は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図38には無線通信インタフェース863が複数のRF回路864を含む例を示したが、無線通信インタフェース863は単一のRF回路864を含んでもよい。
0284
図38に示したeNB830において、図5を参照して説明した基地局100に含まれる1つ以上の構成要素(設定部151及び/又は送信処理部153)は、無線通信インタフェース855及び/又は無線通信インタフェース863において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ851において実装されてもよい。一例として、eNB830は、無線通信インタフェース855の一部(例えば、BBプロセッサ856)若しくは全部、及び/又はコントローラ851を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB830にインストールされ、無線通信インタフェース855(例えば、BBプロセッサ856)及び/又はコントローラ851が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB830、基地局装置850又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
0285
また、図38に示したeNB830において、例えば、図5を参照して説明した無線通信部120は、無線通信インタフェース863(例えば、RF回路864)において実装されてもよい。また、アンテナ部110は、アンテナ840において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部130は、コントローラ851及び/又はネットワークインタフェース853において実装されてもよい。また、記憶部140は、メモリ852において実装されてもよい。
0286
<5.2.端末装置に関する応用例>
(第1の応用例)
図39は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912、1つ以上のアンテナスイッチ915、1つ以上のアンテナ916、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
0287
プロセッサ901は、例えばCPU又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM及びROMを含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
0288
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
0289
無線通信インタフェース912は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース912は、典型的には、BBプロセッサ913及びRF回路914などを含み得る。BBプロセッサ913は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路914は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ916を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース912は、BBプロセッサ913及びRF回路914を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース912は、図39に示したように複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含んでもよい。なお、図39には無線通信インタフェース912が複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含む例を示したが、無線通信インタフェース912は単一のBBプロセッサ913又は単一のRF回路914を含んでもよい。
0290
さらに、無線通信インタフェース912は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN(Local Area Network)方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでもよい。
0291
アンテナスイッチ915の各々は、無線通信インタフェース912に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ916の接続先を切り替える。
0292
アンテナ916の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース912による無線信号の送受信のために使用される。スマートフォン900は、図39に示したように複数のアンテナ916を有してもよい。なお、図39にはスマートフォン900が複数のアンテナ916を有する例を示したが、スマートフォン900は単一のアンテナ916を有してもよい。
0293
さらに、スマートフォン900は、無線通信方式ごとにアンテナ916を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ915は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
0294
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図39に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
0295
図39に示したスマートフォン900において、図6を参照して説明した端末装置200に含まれる1つ以上の構成要素(受信処理部241)は、無線通信インタフェース912において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。一例として、スマートフォン900は、無線通信インタフェース912の一部(例えば、BBプロセッサ913)若しくは全部、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがスマートフォン900にインストールされ、無線通信インタフェース912(例えば、BBプロセッサ913)、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてスマートフォン900又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
0296
また、図39に示したスマートフォン900において、例えば、図6を参照して説明した無線通信部220は、無線通信インタフェース912(例えば、RF回路914)において実装されてもよい。また、アンテナ部210は、アンテナ916において実装されてもよい。また、記憶部230は、メモリ902において実装されてもよい。
0297
(第2の応用例)
図40は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、1つ以上のアンテナスイッチ936、1つ以上のアンテナ937及びバッテリー938を備える。
0298
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
0299
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
0300
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
0301
無線通信インタフェース933は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、典型的には、BBプロセッサ934及びRF回路935などを含み得る。BBプロセッサ934は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路935は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ937を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース933は、BBプロセッサ934及びRF回路935を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、図40に示したように複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含んでもよい。なお、図40には無線通信インタフェース933が複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含む例を示したが、無線通信インタフェース933は単一のBBプロセッサ934又は単一のRF回路935を含んでもよい。
0302
さらに、無線通信インタフェース933は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ934及びRF回路935を含んでもよい。
0303
アンテナスイッチ936の各々は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ937の接続先を切り替える。
0304
アンテナ937の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送受信のために使用される。カーナビゲーション装置920は、図40に示したように複数のアンテナ937を有してもよい。なお、図40にはカーナビゲーション装置920が複数のアンテナ937を有する例を示したが、カーナビゲーション装置920は単一のアンテナ937を有してもよい。
0305
さらに、カーナビゲーション装置920は、無線通信方式ごとにアンテナ937を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ936は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
0306
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図40に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
0307
図40に示したカーナビゲーション装置920において、図6を参照して説明した端末装置200に含まれる1つ以上の構成要素(受信処理部241)は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。一例として、カーナビゲーション装置920は、無線通信インタフェース933の一部(例えば、BBプロセッサ934)若しくは全部及び/又はプロセッサ921を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがカーナビゲーション装置920にインストールされ、無線通信インタフェース933(例えば、BBプロセッサ934)及び/又はプロセッサ921が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてカーナビゲーション装置920又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
0308
また、図40に示したカーナビゲーション装置920において、例えば、図6を参照して説明した無線通信部220は、無線通信インタフェース933(例えば、RF回路935)において実装されてもよい。また、アンテナ部210は、アンテナ937において実装されてもよい。また、記憶部230は、メモリ922において実装されてもよい。
0309
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。即ち、受信処理部241を備える装置として車載システム(又は車両)940が提供されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
0310
<<6.まとめ>>
以上、図1〜図40を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明した。上記説明したように、本実施形態に係る送信装置は、ひとつ以上のサブキャリア又はひとつ以上のサブシンボルから成る単位リソースに含まれるサブキャリアの間隔又はサブシンボルの時間長の少なくともいずれかを可変に設定し、サブキャリアごとにフィルタリングを行う。即ち、本実施形態に係る送信装置は、GFDMをサポートしたネットワークにおいて、サブキャリア間隔又はサブシンボル時間長の少なくともいずれかを可変に設定することができる。よって、システム1は、GFDMの導入に際して、GFDMに対応する端末だけでなく、GFDMに非対応なレガシ端末をも収容可能となる。
0311
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
0312
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
0313
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。