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技術 熱処理装置

出願人 光洋サーモシステム株式会社
発明者 山本亮介佐藤学
出願日 2016年6月13日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2017-535729
公開日 2017年11月24日 (4ヶ月経過) 公開番号 WO2017-043137
状態 特許登録済
技術分野 トンネル炉(炉3) 熱処理一般;主に搬送、冷却 炉の装入、排出(炉一般2)
主要キーワード 整流ダクト 冷媒貯蔵タンク チェーンユニット 搬送支持部材 入口壁 出口壁 雄ねじ軸 出力伝達部材

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図面 (18)

課題・解決手段

簡易な構成で、被処理品をより確実に所望搬送経路に沿って搬送することのできる熱処理装置を提供する。 熱処理装置1は、加熱室7と、加熱室7に隣接して配置された冷却室8と、被処理物100を支持するための搬送トレイ2と、加熱室7の外部から加熱室7および冷却室8を経由して冷却室8の外部へ向かう搬送経路B1沿って搬送トレイ2を搬送するための第1搬送機構3と、を備えている。

概要

背景

たとえば、歯車を一例とする金属部品など(被処理物)に熱処理を施すための熱処理装置が知られている(たとえば、特許文献1,2参照)。特許文献1に記載の熱処理装置としての連続真空浸炭炉は、複数の処理室を有している。金属部品は、複数の処理室の間を、搬送部によって搬送される。

概要

簡易な構成で、被処理品をより確実に所望搬送経路に沿って搬送することのできる熱処理装置を提供する。 熱処理装置1は、加熱室7と、加熱室7に隣接して配置された冷却室8と、被処理物100を支持するための搬送トレイ2と、加熱室7の外部から加熱室7および冷却室8を経由して冷却室8の外部へ向かう搬送経路B1沿って搬送トレイ2を搬送するための第1搬送機構3と、を備えている。

目的

本発明は、上記事情に鑑みることにより、簡易な構成で、被処理品をより確実に所望の搬送経路に沿って搬送することのできる熱処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被処理物熱エネルギーを与えるための加熱室と、前記熱エネルギーを与えられた前記被処理物を冷却するために前記加熱室に隣接して配置された冷却室と、前記被処理物を支持するための搬送トレイと、前記加熱室の外部から前記加熱室および前記冷却室を経由して前記冷却室の外部へ向かう所定の搬送経路に沿って前記搬送トレイを搬送するための第1搬送機構と、を備えていることを特徴とする、熱処理装置

請求項2

請求項1に記載の熱処理装置であって、前記加熱室における前記被処理物の搬送方向とは交差する方向に沿って前記搬送経路と離隔して配置された、前記被処理物を前記加熱するための加熱用部材と、前記加熱室において前記被処理物を前記搬送トレイと前記加熱用部材との間に移動させるための第2搬送機構と、をさらに備えていることを特徴とする、熱処理装置。

請求項3

請求項2に記載の熱処理装置であって、前記搬送方向は水平方向に沿って延びており、前記加熱用部材は、前記搬送経路の上方に配置されていることを特徴とする、熱処理装置。

請求項4

請求項3に記載の熱処理装置であって、前記第2搬送機構は、前記加熱室において、前記搬送トレイに形成された孔部を通して前記被処理物を持ち上げるための支持部を有していることを特徴とする、熱処理装置。

請求項5

請求項3または請求項4に記載の熱処理装置であって、前記冷却室内において前記被処理物に冷媒を供給するための冷媒通路を備え、前記冷媒通路は、鉛直方向に沿って延びていることを特徴とする、熱処理装置。

請求項6

請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の熱処理装置であって、前記加熱室と前記冷却室との間を閉じた状態と開いた状態とに切替可能に前記搬送経路に設けられる中間扉をさらに備え、前記第1搬送機構は、前記加熱室に配置され前記搬送トレイを前記搬送経路に沿って搬送するための加熱室側搬送部と、この加熱室側搬送部とは離隔して前記冷却室に配置され前記搬送トレイを前記搬送経路に沿って搬送するための冷却室側搬送部と、を有していることを特徴とする、熱処理装置。

請求項7

請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の熱処理装置であって、前記第1搬送機構は、前記搬送トレイを、前記加熱室の外部、前記加熱室、前記冷却室、および、前記冷却室の外部に循環させるように構成されていることを特徴とする、熱処理装置。

請求項8

請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の熱処理装置であって、前記第1搬送機構は、前記加熱室の外部に配置された駆動源と、この駆動源の出力を所定の一定位置において前記加熱室の外部から前記加熱室の内部へ伝達する出力伝達部材と、前記加熱室の内部に配置された駆動部材であって前記出力伝達部材からの動力を受けて前記搬送トレイを所定の搬送方向に変位させるための駆動部材と、を有していることを特徴とする、熱処理装置。

技術分野

0001

本発明は、被処理物加熱処理および冷却処理を施すための、熱処理装置に関する。

背景技術

0002

たとえば、歯車を一例とする金属部品など(被処理物)に熱処理を施すための熱処理装置が知られている(たとえば、特許文献1,2参照)。特許文献1に記載の熱処理装置としての連続真空浸炭炉は、複数の処理室を有している。金属部品は、複数の処理室の間を、搬送部によって搬送される。

先行技術

0003

特開2014−231637号公報
特開2014−70251号公報

発明が解決しようとする課題

0004

搬送部は、複数の水平搬送部を有しており、隣接する水平搬送部が金属部品を直接受け渡しすることで、金属部品を水平方向に搬送する。しかしながら、このような構成では、隣接する水平搬送部が金属部品を受け渡す際、金属部品を変位させる精度を高くしておかなければ、金属部品を受け取る側の水平搬送部において、金属部品を所望の位置に配置できない。その結果、金属部品がバランスを崩して落下してしまうおそれがある。特に、金属部品が小さい部品である場合にこのような不具合が生じやすい。

0005

本発明は、上記事情に鑑みることにより、簡易な構成で、被処理品をより確実に所望の搬送経路に沿って搬送することのできる熱処理装置を提供することを、目的とする。

課題を解決するための手段

0006

(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる熱処理装置は、被処理物に熱エネルギーを与えるための加熱室と、前記熱エネルギーを与えられた前記被処理物を冷却するために前記加熱室に隣接して配置された冷却室と、前記被処理物を支持するための搬送トレイと、前記加熱室の外部から前記加熱室および前記冷却室を経由して前記冷却室の外部へ向かう所定の搬送経路に沿って前記搬送トレイを搬送するための第1搬送機構と、を備えている。

0007

この構成によると、被処理物は搬送トレイによって支持され、この搬送トレイが第1搬送機構によって搬送経路を搬送される。これにより、第1搬送機構は、被処理物を直接搬送するのではなく、搬送トレイを介して被処理物を搬送することとなる。このため、第1搬送機構は、被処理物の形状の影響を受けずに、搬送トレイを安定した姿勢で搬送することができる。その結果、被処理物は、より安定した姿勢で搬送される。しかも、被処理物の搬送に搬送トレイを用いるという簡易な構成で、被処理物が安定した姿勢で搬送される。以上の次第で、簡易な構成で、被処理品をより確実に所望の搬送経路に沿って搬送することのできる熱処理装置を実現できる。

0008

(2)好ましくは、前記熱処理装置は、前記加熱室における前記被処理物の搬送方向とは交差する方向に沿って前記搬送経路と離隔して配置された、前記被処理物を前記加熱するための加熱用部材と、前記加熱室において前記被処理物を前記搬送トレイと前記加熱用部材との間に移動させるための第2搬送機構と、をさらに備えている。

0009

この構成によると、被処理物を加熱用部材によって加熱することができる。この加熱の際、被処理物は、搬送トレイから離隔した状態にある。このため、搬送トレイは、加熱用部材および被処理物によって加熱されることを抑制される。このため、熱歪みなどに起因する搬送トレイの不具合の発生をより確実に抑制できる。よって、搬送トレイの寿命(再利用可能な回数)をより長くできる。さらに、加熱が不要な搬送トレイの加熱を抑制できるので、エネルギー効率の向上を通じて熱処理装置の更なる省エネルギー化を達成できる。

0010

(3)より好ましくは、前記搬送方向は水平方向に沿って延びており、前記加熱用部材は、前記搬送経路の上方に配置されている。

0011

この構成によると、加熱用部材を搬送方向から離隔した箇所に配置することで、熱処理装置が搬送方向に長い形状になることを抑制できる。また、加熱用部材が搬送経路の上方に配置されることで、加熱用部材からの熱は、加熱用部材の上方に伝わり、搬送経路側に伝わることが抑制される。これにより、搬送トレイが加熱されてしまうことを、より確実に抑制できる。

0012

(4)より好ましくは、前記第2搬送機構は、前記加熱室において、前記搬送トレイに形成された孔部を通して前記被処理物を持ち上げるための支持部を有している。

0013

この構成によると、支持部は、搬送トレイに対して上方に変位する簡易な動作で、被処理物を持ち上げることができる。よって、第2搬送機構の構成をより簡素にできる。

0014

(5)好ましくは、前記熱処理装置は、前記冷却室内において前記被処理物に冷媒を供給するための冷媒通路を備え、前記冷媒通路は、鉛直方向に沿って延びている。

0015

この構成によると、冷却室を、縦長の形状に形成できるので、水平方向における熱処理装置のサイズをより小さくできる。また、冷媒通路が延びる方向と搬送方向とが直交しているので、熱処理装置は、水平方向および垂直方向の何れにも過度に大きくなる形状とならずに済む。よって、熱処理装置をよりコンパクトにすることができる。

0016

(6)好ましくは、前記熱処理装置は、前記加熱室と前記冷却室との間を閉じた状態と開いた状態とに切替可能に前記搬送経路に設けられる中間扉をさらに備え、前記第1搬送機構は、前記加熱室に配置され前記搬送トレイを前記搬送経路に沿って搬送するための加熱室側搬送部と、この加熱室側搬送部とは離隔して前記冷却室に配置され前記搬送トレイを前記搬送経路に沿って搬送するための冷却室側搬送部と、を有している。

0017

この構成によると、中間扉によって、加熱室と冷却室との間の空間を塞ぐことができる。これにより、加熱室における雰囲気をより安定させることができる。また、冷却室内の冷媒が加熱室に飛散することを、より確実に抑制できる。

0018

(7)好ましくは、前記第1搬送機構は、前記搬送トレイを、前記加熱室の外部、前記加熱室、前記冷却室、および、前記冷却室の外部に循環させるように構成されている。

0019

この構成によると、搬送トレイを、熱処理装置における被処理物の搬送に繰り返し使用することができる。よって、熱処理装置において多数の被処理物を熱処理するために必要な搬送トレイの数を、より少なくできる。搬送トレイを繰返し使用可能な回数は、搬送トレイが加熱することを抑制されることで、格段に多くなる。

0020

(8)好ましくは、前記第1搬送機構は、前記加熱室の外部に配置された駆動源と、この駆動源の出力を所定の一定位置において前記加熱室の外部から前記加熱室の内部へ伝達する出力伝達部材と、前記加熱室の内部に配置された駆動部材であって前記出力伝達部材からの動力を受けて前記搬送トレイを所定の搬送方向に変位させるための駆動部材と、を有している。

0021

この構成によると、駆動源が加熱室の外部に配置されるので、加熱室をよりコンパクトにできる。しかも、出力伝達部材は、一定の位置から移動しないよう構成されている。このため、加熱室の内側と外側との間をシールする必要のある部分、すなわち、出力伝達部材と加熱室との間の部分を、より小さくできる。これにより、簡易な構成で第1搬送機構を実現できる。

発明の効果

0022

本発明によると、簡易な構成で、被処理品をより確実に所望の搬送経路に沿って搬送することのできる熱処理装置を実現できる。

図面の簡単な説明

0023

熱処理装置の模式的且つ概念的な斜視図であり、一部を切断して示している。
熱処理装置の加熱装置の正面図である。
加熱装置の入口側側面図である。
加熱装置の出口側側面図である。
加熱装置の背面図である。
加熱装置の主要部を正面側から見た一部断面図である。
加熱装置の主要部を平面視した状態の断面図である。
熱処理装置の中間扉ユニットの出口側の側面図である。
熱処理装置の冷却装置の正面図である。
冷却装置の出口側の側面図である。
冷却装置の背面図である。
図11のXII−XII線に沿う断面図であり、被処理物の搬送方向と直交する断面を示している。
図12の主要部の拡大図である。
図10のXIV−XIV線に沿う、冷却装置を正面側から見た断面図である。
冷却装置における冷却処理動作を説明するための図である。
冷却装置における冷却処理動作を説明するための図である。
熱処理装置の効果を説明するための熱処理装置の模式的な構成図である。

実施例

0024

以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、被処理物を熱処理するための熱処理装置として広く適用することができる。

0025

図1は、熱処理装置1の模式的且つ概念的な斜視図であり、一部を切断して示している。図2は、熱処理装置1の加熱装置4の正面図である。図3は、加熱装置4の入口側側面図である。図4は、加熱装置4の出口側側面図である。図5は、加熱装置4の背面図である。図6は、加熱装置4の主要部を正面側から見た一部断面図である。図7は、加熱装置4の主要部を平面視した状態の断面図である。図8は、熱処理装置1の中間扉ユニット5の出口側の側面図である。

0026

図9は、熱処理装置1の冷却装置6の正面図である。図10は、冷却装置6の出口側の側面図である。図11は、冷却装置6の背面図である。図12は、図11のXII−XII線に沿う断面図であり、被処理物100の搬送方向A1と直交する断面を示している。図13は、図12の主要部の拡大図である。図14は、図10のXIV−XIV線に沿う、冷却装置6を正面側から見た断面図である。図15および図16は、冷却装置6における冷却処理動作を説明するための図である。

0027

なお、以下では、熱処理装置1を正面から見た状態を基準として、左右方向X1(搬送方向A1)、前後方向Y1、および、上下方向Z1を規定する。

0028

図1および図2を参照して、熱処理装置1は、被処理物100に熱処理を施すために設けられている。この熱処理は、加熱処理および冷却処理である。加熱処理の一例として、浸炭加熱処理、均熱処理などを例示することができる。また、冷却処理として、焼入処理などを例示することができる。なお、熱処理装置1で行われる加熱処理および冷却処理の具体例は、特に限定されない。また、本実施形態では、被処理物100は、金属部品であり、たとえば、歯車である。

0029

熱処理装置1は、搬送トレイ2と、第1搬送機構3と、加熱装置4と、中間扉ユニット5と、冷却装置6と、を有している。

0030

搬送トレイ2は、被処理物100を支持するための搬送支持部材である。搬送トレイ2は、本実施形態では、金属製またはカーボン製の部材であり、熱処理装置1における被処理物100の熱処理において繰り返し用いられる。搬送トレイ2は、被処理物100を水平方向に沿って延びる所定の搬送方向A1に沿って搬送する。本実施形態では、搬送トレイ2は、加熱装置4における被処理物100の加熱処理の際、被処理物100から離隔しており、加熱装置4から高熱を受けることを抑制されている。

0031

搬送トレイ2は、枠部2aと、支持部2bと、を有している。

0032

枠部2aは、第1搬送機構3によって支持される部分として設けられている。枠部2aは、たとえば、矩形状の外形を有し、且つ、所定の厚みを有する板状に形成されている。枠部2aは、加熱装置4内に収容可能で、且つ、冷却装置6内に収容可能な大きさに形成されている。枠部2aの中央部には、孔部2c(開口部)が形成されている。この孔部2cは、たとえば、円形に形成されており、枠部2aを当該枠部2aの厚み方向に貫通している。この孔部2cは、加熱装置4において被処理物100を昇降させるために設けられており、且つ、冷却装置6において、冷媒を通過させるために設けられている。

0033

孔部2cのたとえば、内周部から孔部2cの中央に向けて、複数の支持部2bが延びている。支持部2bは、被処理物100を支持する部分として設けられている。この支持部2bは、たとえば、孔部2cの周方向に等間隔に複数(本実施形態では、3つ)設けられている。各支持部2bは、孔部2cの縁部から孔部2cの中心部に向けて延びている。これらの支持部2bの先端は、互いに離隔しており、後述する第2搬送機構18による被処理物100の持ち上げ動作阻害しないように構成されている。

0034

また、各支持部2bには、被処理物100を位置決め(センタリング)するための位置決め凸部2dが設けられている。凸部2dは、被処理物100の外周面を受けるように配置されており、上方に延びている。この支持部2bに、被処理物100が、点接触または線接触となるように載せられることが好ましい。この支持部2bは、後述するように、冷媒通路48において、冷媒を整流するための整流部材として機能する。なお、搬送トレイ2に複数の被処理物100が積層されることで、バッチ処理が行われてもよい。

0035

上記の構成を有する搬送トレイ2は、第1搬送機構3によって、搬送方向A1に沿って加熱装置4および冷却装置6に搬送される。第1搬送機構3は、搬送トレイ2を、加熱装置4の外部から加熱装置4の加熱室7および冷却装置6の冷却室8を経由して冷却室8の外部へ向かう所定の搬送経路B1に沿って搬送トレイ2を搬送するために設けられている。この第1搬送機構3は、搬送トレイ2を、搬送経路B1に沿って加熱装置4の外部、加熱装置4の加熱室7の内部、冷却装置6の冷却室8の内部、および、この冷却室8の外部に循環させるように構成されている。

0036

図1図7を参照して、第1搬送機構3は、加熱室7に配置され搬送トレイ2を搬送経路B1に沿って搬送するための加熱室側搬送部11と、この加熱室側搬送部11とは離隔して冷却室8に配置され搬送トレイ2を搬送経路B1沿って搬送するための冷却室側搬送部12と、加熱室側搬送部11および冷却室側搬送部12の間に配置された中間搬送部13と、を有している。

0037

加熱室側搬送部11は、搬送トレイ2を加熱室7内で搬送するために設けられている。また、冷却室側搬送部12は、加熱室7を通過した搬送トレイ2を冷却室8内で搬送するために設けられている。中間搬送部13は、中間扉ユニット5において、搬送トレイ2を搬送方向A1に沿って配置するために設けられている。第1搬送機構3の詳細は、後述する。

0038

加熱装置4は、加熱室7と、底部14と、支柱15と、入口扉ユニット16と、加熱用部材17と、第2搬送機構18と、を有している。

0039

底部14は、加熱装置4のベース部材として設けられている。底部14は、平面視において矩形状に形成されており、底部14から、複数の支柱15が上方に延びている。支柱15は、加熱室7を支持している。

0040

加熱室7は、被処理物100に熱エネルギーを与えるために設けられている。加熱室7は、略直方体状の箱状に形成されている。たとえば、加熱室7は、図示しない真空ポンプによって真空にされた状態で、被処理物100に加熱処理を施すように構成されている。加熱室7は、入口壁7aと、出口壁7bと、前壁7cと、後壁7dと、天壁7eと、底壁7fと、を有している。

0041

入口壁7aには、被処理物100を加熱室7に導入するための入口7g(開口部)が形成されている。入口7gは、入口壁7aの下部寄りに配置されており、前壁7c側から後壁7d側にかけて細長く延びており、被処理物100を通過させることが可能である。この入口7gは、入口扉ユニット16によって開閉される。

0042

入口扉ユニット16は、入口扉19と、入口扉開閉機構20と、を有している。

0043

入口扉19は、入口壁7aの外側面に沿うように配置された、板状部材である。入口扉19は、閉位置に配置されることで、入口7gを塞ぐ。また、入口扉19は、開位置に配置されることで、入口7gを開く。入口扉19には、NBR(天然ゴム)、フッ素ゴムなどのシール構造が設けられており、熱処理装置1における雰囲気ガスおよび冷媒をシールするように構成されている。入口扉19は、入口扉開閉機構20によって開閉動作される。

0044

入口扉開閉機構20は、本実施形態では、流体圧シリンダを用いて形成されており、底部14に支持されたシリンダと、このシリンダから突出し入口扉19に連結されたロッドと、を有している。このシリンダからのロッドの突出量が変化することで、入口扉19が開閉する。入口扉19は、入口壁7aの外側面に設けられ上下に延びる前後一対ガイド21によって挟まれており、当該入口扉19の上下方向Z1への変位が案内される。入口扉19が開かれている状態で、加熱室7の入口7gを通過した被処理物100は、加熱室側搬送部11によって、加熱室7内に配置される。

0045

加熱室側搬送部11は、加熱室7内に配置されている。この加熱室側搬送部11は、ベルトコンベア式の搬送部である。

0046

加熱室側搬送部11は、加熱室7の外部に配置された駆動源としての加熱室側モータ22と、加熱室側モータ22の出力を所定の一定位置において加熱室7の外部から加熱室7の内部へ伝達する出力伝達部材23と、出力伝達部材23によって回転される駆動軸25および従動軸26と、加熱室7の内部に配置され、出力伝達部材23からの動力を受けて搬送トレイ2を搬送方向A1に変位させる一対チェーン27(駆動部材)と、を有している。

0047

加熱室側モータ22は、たとえば、電動モータである。加熱室側モータ22は、加熱室7の後壁7dの後方(外側面側)において、加熱室7における搬送方向A1の下流側に配置されている。加熱室側モータ22のハウジング22aは、後壁7dにボルトなどの固定部材を用いて固定されている。このハウジング22aと後壁7dとの間には、シール部材(図示せず)が配置されており、ハウジング22aと後壁7dとの間が気密的にシールされている。

0048

加熱室側モータ22の出力軸(図示せず)には、出力伝達部材23の一端部が連動回転可能に連結されている。具体的には、加熱室側モータ22の出力軸は、上下方向Z1のうちの上方を向いており、出力伝達部材23は、前後方向Y1(水平方向)を向いている。そして、これら出力軸と出力伝達部材23は、かさ歯車などの交差軸歯車機構を介して連動回転可能に連結されている。

0049

出力伝達部材23は、加熱室7の下部寄りの一定位置において、後壁7dに形成された孔部7iを通して加熱室7内に延びている。出力伝達部材23の他端部には、スプロケット一体回転可能に連結されている。また、出力伝達部材23に隣接して、駆動軸25が配置されている。駆動軸25は、搬送方向A1における加熱室7の下流側に配置されている。駆動軸25は、搬送方向A1と直交する前後方向に沿って延びている。駆動軸25の一端部には、スプロケットが一体回転可能に連結されている。そして、出力伝達部材23のスプロケットと駆動軸25のスプロケットには、チェーン29が巻き掛けられている。これにより、加熱室側モータ22の出力を駆動軸25に伝達可能である。

0050

駆動軸25と平行に、従動軸26が配置されている。従動軸26は、加熱室7の入口7gの近傍に配置されている。駆動軸25および従動軸26は、それぞれ、軸受などを有する支持部材28,28を介して、底壁7fに回転自在に支持されている。前後方向Y1における駆動軸25の一対の端部、および、前後方向Y1における従動軸26の一対の端部には、それぞれ、スプロケットが一体回転可能に連結されている。そして、搬送方向A1に並ぶこれら一対のスプロケットに、チェーン27,27が巻き掛けられている。一対のチェーン27,27は、前後方向Y1に離隔して配置されており、搬送トレイ2の枠部2aを載せることが可能に構成されている。

0051

本実施形態では、前後方向Y1において、チェーン27,27の間隔は、被処理物100の全長以上に設定されている。上記の構成により、加熱室側モータ22の駆動に伴い、出力伝達部材23が回転し、この回転が一方の駆動軸25に伝わる。そして、この駆動軸25は、チェーン27,27を駆動するとともに従動軸26を回転させる。すなわち、加熱室側モータ22の駆動によって、一対のチェーン27,27が回転する。これにより、一対のチェーン27,27上の搬送トレイ2は、搬送方向A1に変位する。

0052

搬送方向A1における加熱室7の中間部に加熱用部材17が配置され、さらに、加熱室7の下端部および加熱室7の下方に、第2搬送機構18が配置されている。すなわち、第1搬送機構3(水平搬送機構)の下方に第2搬送機構18が配置されている。また、後述するように、冷却装置6の冷媒通路48の一部が、加熱室7の高さ位置よりも低い高さ位置に配置されている。これにより、熱処理装置1をよりコンパクトにすることができる。

0053

加熱用部材17は、加熱室7における搬送方向A1とは交差する方向(上下方向Z1)に沿って搬送経路B1と離隔して配置された、被処理物100を加熱するための部材である。加熱用部材17は、本実施形態では、搬送経路B1の上方に配置されている。加熱用部材17は、本実施形態では、誘導加熱コイルであり、被処理物100に誘導加熱による加熱を行うように構成されている。

0054

加熱用部材17は、銅などの導電部材螺旋状に形成することで構成されている。加熱用部材17のうち螺旋状の部分は、被処理物100を取り囲むことが可能な大きさに形成されている。加熱用部材17の一端部および他端部は、後方に向けて直線状に延びており、後壁7dに支持されている。加熱用部材17の一端部および他端部は、図示しない電源電気的に接続されており、この電源から電力を供給される。加熱用部材17の下方に、第2搬送機構18が配置されている。

0055

第2搬送機構18は、加熱室7において被処理物100を、搬送トレイ2と加熱用部材17との間に上下移動させるために設けられている。

0056

第2搬送機構18は、被処理物100を支持するための支持部18aと、この支持部18aを搬送トレイ2と加熱用部材17との間に変位させるための支持部駆動機構30と、を有している。

0057

第2搬送機構18の支持部18aは、加熱室7において、搬送トレイ2に形成された孔部2cを通して被処理物100を持ち上げるために設けられている。支持部18aは、所定の待機位置P1と、加熱位置P2との間を上下に移動可能に構成されている。支持部18aは、たとえば、カーボン、金属またはセラミックなど、耐熱性に優れた材料を用いて形成されている。支持部18aは、待機位置P1において、加熱室側搬送部11の一対のチェーン27,27の間に配置されている。本実施形態では、支持部18aは、搬送方向A1における加熱室7の略中央に配置されている。

0058

支持部18aは、搬送トレイ2に支持された被処理物100を、搬送トレイ2と接触すること無く持ち上げることが可能な形状に形成されている。具体的には、支持部18aは、軸状の支持部本体18bと、この支持部本体18bから放射状に延びる支持部アーム18cと、を有している。支持部本体18bは、待機位置P1において、加熱室7の底壁7f近傍に配置されている。

0059

支持部アーム18cは、たとえば、支持部本体18bの周方向に等間隔に配置されており、待機位置P1の上方に到達した搬送トレイ2の支持部2bとは支持部本体18bの周方向に交互に並ぶように配置される。また、搬送トレイ2の孔部2cの中央には、搬送トレイ2の部品は配置されておらず、支持部本体18bが搬送トレイ2に接触しないように構成されている。支持部本体18bは、支持部駆動機構30に連結されている。

0060

支持部駆動機構30は、支持部18aを待機位置P1と加熱位置P2との間に変位させるために設けられている。本実施形態では、支持部駆動機構30は、ねじ機構を用いて形成されている。このねじ機構として、雄ねじ軸外周ベアリングナットとして用いることで構成された、いわゆるベアリングナット機構、および、ボールねじ機構などを例示することができる。

0061

さらに、支持部駆動機構30は、支持部18aを当該支持部18aの中心軸線回りに回転させるための回転機構を含んでいる。なお、支持部駆動機構30は、支持部18aを上下方向Z1に変位させることが可能で、且つ、支持部18aを待機位置P1および加熱位置P2に保持させることが可能で、且つ、加熱位置P2において支持部18a(被処理物100)を回転可能な構成であれば、具体的な構成は限定されない。

0062

支持部駆動機構30は、本体部30aと、可動部30bと、駆動源30cと、を有している。

0063

本体部30aは、加熱室7の下方の空間に配置されており、底部14に支持されている。本体部30aは、電動モータなどの駆動源30cに隣接して配置されている。駆動源30cは、底部14に支持されている。本体部30aは、駆動源30cから出力を受けることで、可動部30bを上下方向Z1に変位させる。可動部30bは、本体部30aに支持されており、本体部30aから上方に延びている。可動部30bは、加熱室7の底壁7fに固定された円筒部31を貫通し、且つ、底壁7fを貫通するように配置されている。なお、円筒部31の底部は、可動部30bを取り囲むように配置されている。

0064

上記の構成により、第1搬送機構3の加熱室側搬送部11によって待機位置P1の上方(加熱用部材17の下方)に搬送トレイ2および被処理物100が搬送された後、支持部駆動機構30の可動部30bは、上方に移動する。これに伴い、支持部18aは、待機位置P1から上方に移動し、被処理物100を持ち上げ、さらに、加熱位置P2に移動する。そして、加熱用部材17による誘導加熱によって、被処理物100は、所定の浸炭温度まで加熱される。

0065

この際、可動部30bは、支持部18aおよび被処理物100を、支持部18aの中心軸線回りに回転させることで、被処理物100をより均等に誘導加熱させることができる。被処理物100の加熱動作が完了すると、可動部30bは、支持部18aおよび被処理物100を、所定の回転位置(支持部18aの中心軸線回りの位置)に静止させる。この際の位置制御は、図示しないセンサ、および、制御装置によって行われる。

0066

その後、支持部駆動機構30の可動部30bが下方に移動されることにより、支持部18a、および、被処理物100は、加熱位置P2から下方へ移動する。そして、被処理物100は、搬送トレイ2の支持部2bに載せられる。その後、支持部18aは、待機位置P1までさらに下方に変位する。たとえば、搬送トレイ2に設置された検知部と、この検知部の状態を検出するセンサとによって、上下方向Z1における支持部18aの位置制御が行われる。これにより、搬送トレイ2を加熱用部材17によって加熱させることなく、被処理物100の加熱処理を行うことができる。

0067

搬送トレイ2、および、加熱処理がされた後の被処理物100は、加熱室側搬送部11によって、中間扉ユニット5側に搬送される。

0068

中間扉ユニット5は、加熱室7の出口壁7bに形成された出口7hと、冷却室8の入口壁8aに形成された入口8gとの間を気密的且つ液密的に封止した状態で閉じることが可能に構成され、且つ、これらの出口7hおよび入口8gを開いた状態にすることが可能に構成されている。

0069

図6図8を参照して、中間扉ユニット5は、枠部5aと、中間扉33と、中間扉開閉機構34と、を有している。

0070

枠部5aは、加熱装置4と冷却装置6との間に配置される、全体として略矩形の枠部分であり、搬送方向A1に沿って延びている。枠部5aは、加熱室7の出口壁7bに固定されているとともに、冷却室8の入口壁8aに固定されている。

0071

加熱室7の出口壁7bは、加熱室7と冷却室8とを区切る壁部分として設けられている。加熱室7の出口壁7bは、たとえば、矩形の板状に形成されている。加熱室7の出口壁7bの下部寄り部分に、出口7hが形成されている。この出口7hは、矩形の開口部として設けられており、加熱室7内の空間および冷却室8内の空間の双方に連続している。この出口7hは、中間扉33によって開閉される。

0072

中間扉33は、出口壁7bのうち冷却室8側の側面に沿うように配置された、板状部材である。中間扉33は、閉位置に配置されることで、出口壁7bの出口7hを塞ぐ。また、中間扉33は、開位置に配置されることで、出口壁7bの出口7hを開く。これにより、中間扉33は、加熱室7と冷却室8との間を、閉じた状態と開いた状態とに切替可能に搬送経路に設けられている。中間扉33には、NBR(ニトリルゴム)、フッ素ゴムなどを含むシール構造が設けられており、加熱室7と冷却室8との間において、雰囲気ガスおよび冷媒をシールするように構成されている。中間扉33は、中間扉開閉機構34によって開閉動作される。

0073

中間扉開閉機構34は、本実施形態では、流体圧シリンダを用いて形成されており、枠部5aの上部に支持されたシリンダ34aと、シリンダ34aから突出し中間扉33に連結されたロッド34bと、を有している。シリンダ34aからのロッド34bの突出量が変化することで、中間扉33が開閉する。中間扉33は、出口壁7bのうち冷却室8側の一側面に設けられ上下に延びる前後一対のガイド35によって挟まれており、当該中間扉33の上下方向Z1への変位が案内される。中間扉33が開かれている状態で、加熱室7を通過した被処理物100は、中間搬送部13によって、冷却室8内に搬送される。

0074

中間搬送部13は、中間扉ユニット5の枠部5aの下部に支持されており、冷却室8内に配置されている。この中間搬送部13は、たとえば、ベルトコンベア式の搬送部である。

0075

中間搬送部13は、駆動軸36と、駆動軸36に対して搬送方向A1の上流側に配置された従動軸37と、駆動軸36からの動力を受けて搬送トレイ2を搬送方向A1に変位させる一対のチェーン38,38(駆動部材)と、を有している。

0076

従動軸37および駆動軸36は、搬送方向A1と直交する前後方向に沿って延びている。駆動軸36および従動軸37は、それぞれ、軸受などを有する支持部材を介して、枠部5aの底部に回転自在に支持されている。前後方向Y1における駆動軸36の一対の端部、および、前後方向における従動軸37の一対の端部には、それぞれ、スプロケットが一体回転可能に連結されている。そして、搬送方向A1に並ぶこれら一対のスプロケットに、チェーン38,38が巻き掛けられている。チェーン38,38は、前後方向Y1に離隔して配置されており、搬送トレイ2の枠部2aを載せることが可能に構成されている。なお、駆動軸36は、後述する駆動軸63(図12参照)とチェーン44を介して連結されており、駆動時期右63の回転に伴い回転駆動する。

0077

上記の構成を有する中間搬送部13によって冷却室8内に搬送された被処理物100は、冷却装置6によって冷却処理を施される。

0078

図1および図9図14を参照して、冷却装置6は、冷却室8と、出口扉ユニット41と、冷媒通路形成体42と、上下変位機構43と、を有している。

0079

冷却室8は、加熱室7において熱エネルギーを与えられた被処理物100を冷却するために、加熱室7に隣接して配置されている。冷却室8は、縦長の略直方体状の箱状に形成されている。冷却室8は、入口壁8aと、出口壁8bと、前壁8cと、後壁8dと、天壁8eと、底壁8fと、を有している。

0080

入口壁8aは、中間扉33と向かい合うように配置された、上下に延びる壁部である。この入口壁8aの上部には、入口8gが形成されており、この入口8gに中間扉ユニット5の枠部5aが固定されている。これにより、中間扉ユニット5の枠部5aを通過した被処理物100は、搬送方向A1における冷却室8の下流側へ向けて進む。

0081

出口壁8bには、被処理物100を冷却室8から搬出するための出口8hが形成されている。出口8hは、上下方向Z1における出口壁8bの中間部寄りに配置されており、前壁8c側から後壁8d側にかけて細長く延びており、被処理物100を通過させることが可能である。この出口8hは、出口扉ユニット41によって開閉される。

0082

出口扉ユニット41は、出口扉45と、出口扉開閉機構46と、を有している。

0083

出口扉45は、出口壁8bの外側面に沿うように配置された、板状部材である。出口扉45は、閉位置に配置されることで、出口8hを塞ぐ。また、出口扉45は、開位置に配置されることで、出口8hを開く。出口扉45には、NBR、フッ素ゴムなどのシール構造が設けられており、冷却室8内における雰囲気ガスおよび冷媒をシールするように構成されている。出口扉45は、出口扉開閉機構46によって開閉動作される。

0084

出口扉開閉機構46は、本実施形態では、流体圧シリンダを用いて形成されており、出口壁8bの外側面において冷却室8に支持されたシリンダ46aと、シリンダ46aから突出し出口扉45に連結されたロッド46bと、を有している。シリンダ46aからのロッド46bの突出量が変化することで、出口扉45が開閉する。出口扉45は、出口壁8bの外側面に設けられ上下に延びる前後一対のガイド47によって挟まれており、当該出口扉45の上下方向への変位が案内される。出口扉45が開かれている状態で、冷却室8の出口8hを通過した被処理物100は、冷却室8の外部へ搬送される。

0085

なお、出口8hを通過した後の搬送トレイ2からは、被処理物100が取り出される。被処理物100が取り出された後の搬送トレイ2は、第1搬送機構3に備えられる図示しないベルトコンベアなどの戻し機構によって、加熱装置4の加熱室7の入口7g側に搬送される。これにより、搬送トレイ2は、加熱装置4と冷却装置6とを循環するように搬送される。

0086

冷却室8内に、冷媒通路形成体42が設けられている。冷媒通路形成体42は、搬送方向A1に沿う搬送経路B1を通る被処理物100に所定の冷媒を供給する冷媒通路48を形成するためのユニットである。本実施形態では、冷媒として冷却水が用いられるけれども、油などが用いられてもよい。

0087

冷媒通路形成体42は、複数の冷媒通路形成部材としての下側部材49および上側部材50と、導入管51と、搬送トレイ2と、を含んでいる。搬送トレイ2は、複数の冷媒通路形成部材としての下側部材49および上側部材50の間に配置されている。すなわち、本実施形態では、搬送トレイ2は、被処理物100を搬送する機能と、冷媒通路48の一部を形成する機能の双方を有しており、下側部材49および上側部材50と協働して冷媒通路48を形成するように構成されている。

0088

本実施形態では、下側部材49、搬送トレイ2、および、上側部材50は、搬送方向A1と交差する上下方向Z1(交差方向)に沿って互いに接近するように変位することで、被処理物100を収容した状態で冷媒通路48を形成するように構成され、且つ、上下方向Z1に沿って互いに離隔するように変位することで、冷媒通路48に対する搬送方向A1に沿った被処理物100の出し入れ許容するように構成されている。冷媒通路48は、冷却室8内において被処理物100に冷媒を供給するために設けられ、上下方向Z1(鉛直方向)に沿って延びている。

0089

下側部材49は、冷却室8の底壁8fから上方に延びる円筒状の管として設けられている。下側部材49は、平面視における冷却室8の略中央に配置されている。下側部材49の上端部は、冷却室側搬送部12の近傍に配置されており、搬送トレイ2の下方に位置するように構成されている。下側部材49には、導入管51が接続されている。

0090

導入管51は、冷媒を冷却室8の外部から下側部材49に導入するために設けられている。導入管51は、前後方向Y1に延びている。下側部材49の一端は、後壁8dの下端部に接続されている。また、下側部材49は、冷却室8の後壁8dを貫通しており、下側部材49の他端は、図示しない冷媒タンクに接続されている。これにより、冷媒タンクからポンプ(図示せず)によって導入管51に圧送された冷媒は、下側部材49内に導入され、上方に向けて噴射される。導入管51に隣接して、排出管52が設けられている。

0091

排出管52は、冷却室8内において、冷媒通路48の内側から外側へ排出された冷媒を、冷却室8の外部へ排出するために設けられている。排出管52は、導入管51に隣接した位置において、冷却室8の後壁8dの下端部に形成されており、冷却室8の内部と外部とに連続している。排出管52は、図示しない冷媒タンクに接続されており、この冷媒タンクに貯蔵される。排出管52に隣接する下側部材49の上方に、上側部材50が配置されている。

0092

上側部材50は、冷却室8内において浮動支持された部材として設けられている。上側部材50は、上下方向Z1に延びる円筒状の管として設けられている。上側部材50の下端部には、フランジ部50aが設けられている。この上側部材50は、上下変位機構43によって、上下方向Z1に変位可能に支持されている。

0093

上下変位機構43は、上側部材50と、冷却室側搬送部12の一部(後述するチェーンユニット66)と、を下側部材49に対して上下方向Z1に変位可能に支持するために設けられている。上下変位機構43は、上側部材50とチェーンユニット66とを上下方向Z1に相対移動可能に構成されている。また、上下変位機構43は、搬送トレイ2が冷却位置P4に配置されているときにおいて、上側部材50を搬送トレイ2に接触させるために上側部材50を下方に変位させるように構成されている。上下変位機構43は、冷却室8の天壁8eに支持されており、この天壁8eから下方に延びるように配置されている。

0094

上下変位機構43は、ベース板55と、吊下げステー56,56と、昇降機構57と、ガイド軸58,58と、を有している。

0095

ベース板55は、本実施形態では、金属板を用いて形成されている。このベース板55は、上側部材50の上端の開口部とは上下方向Z1に所定距離だけ離隔して配置されている。これにより、上側部材50の内部を上方へ向けて噴射された冷媒がベース板55によって跳ね返されて冷媒通路48内に戻されることを、抑制できる。ベース板55の上端の外周縁部には、吊下げステー56,56が固定されている。

0096

吊下げステー56,56は、本実施形態では、金属板を用いて形成されている。吊下げステー56,56は、たとえば、前後方向Y1に離隔して配置されている。各吊下げステー56,56の上端部は、ベース板55に固定されている。各吊下げステー56,56の下端部は、上側部材50の上端部に固定されている。これにより、上側部材50、吊下げステー56,56およびベース板55は、ユニットとして一体的に移動するように構成されている。これらのユニットは、昇降機構57によって上下方向Z1に変位される。

0097

昇降機構57は、本実施形態では、流体圧シリンダを用いて形成されており、冷却室8の天壁8eに支持されたシリンダ57aと、シリンダ57aから下方に突出しベース板55の中央に連結されたロッド57bと、を有している。シリンダ57aは、冷却室8の外部に配置されており、天壁8eに形成された孔部からロッド57bが冷却室8内に延びている。

0098

シリンダ57aからのロッド57bの突出量が変化することで、上側部材50などが上下方向Z1に変位する。ガイド軸58は、たとえば、2つ設けられており、ベース板55に固定されるとともに、天壁8eに形成されたガイド軸案内部59によって上下方向Z1にスライド可能に支持されている。これにより、ロッド57bのよりスムーズな変位が実現されている。

0099

また、搬送トレイ2は、冷却室側搬送部12によって、中間搬送部13から所定の搬送位置P3に搬送されるように構成されている。

0100

図12図14を参照して、冷却室側搬送部12は、冷却室8内に配置されている。この冷却室側搬送部12は、ベルトコンベア式の搬送部である。

0101

冷却室側搬送部12は、冷却室8の外部に配置された駆動源としての冷却室側モータ61と、冷却室側モータ61の出力を所定の一定位置において冷却室8の外部から冷却室8の内部へ伝達する出力伝達部材62と、出力伝達部材62によって回転される駆動軸63および従動軸64と、冷却室8の内部に配置され、出力伝達部材62からの動力を受けて搬送トレイ2を搬送方向A1に変位させる一対のチェーン65,65と、駆動軸63、従動軸64およびチェーン65,65を含むチェーンユニット66を上側部材50に対して上下方向Z1に相対変位可能に連結するための可動連結部67と、を有している。

0102

冷却室側モータ61は、たとえば、電動モータである。冷却室側モータ61は、冷却室8の後壁8dの後方(外側面側)において、冷却室8における搬送方向A1の下流側に配置されている。冷却室側モータ61のハウジング61aは、円筒状のモータブラケット68にボルトなどの固定部材を用いて固定されている。このモータブラケット68は、後壁8dにボルトなどの固定部材を用いて固定されている。

0103

このモータブラケット68のうち後壁8dと対向する部分と、後壁8dとの間には、シール部材(図示せず)が配置されており、その結果、ハウジング61aと後壁8dとの間が気密的にシールされている。冷却室側モータ61の出力軸(図示せず)には、出力伝達部材62の一端部が連動回転可能に連結されている。

0104

具体的には、冷却室側モータ61の出力軸は、上下方向Z1を向いており、出力伝達部材62は、前後方向Y1(水平方向)を向いている。そして、これら出力軸と出力伝達部材62は、かさ歯車などの交差軸歯車機構を介して連動回転可能に連結されている。

0105

出力伝達部材62は、冷却室8のうち搬送方向A1の下流側の位置において、後壁8dに形成された孔部8iを通して冷却室8内に延びている。出力伝達部材62は、一端部62aと、自在継手62bと、中間軸62cと、自在継手62dと、他端部62eと、を有しており、一端部62a、自在継手62b、中間軸62c、自在継手62d、他端部62eがこの順に並んでいる。このように、出力伝達部材62は、自在継手62b,62dを有していることにより、一端部62aと他端部62eの相対位置を変更可能である。特に、本実施形態では、他端部62eは、一端部62aに対して上下方向Z1に変位可能である。

0106

出力伝達部材62の他端部62eには、駆動軸63が一体回転可能に連結されている。駆動軸63は、搬送方向A1における冷却室8の下流側に配置されている。駆動軸63は、搬送方向A1と直交する前後方向Y1に沿って延びている。これにより、冷却室側モータ61の出力を駆動軸63に伝達可能である。

0107

駆動軸63と平行に、従動軸64が配置されている。従動軸64は、冷却室8の入口8gの近傍に配置されている。駆動軸63と従動軸64の間に、下側部材49が配置されている。前後方向Y1における駆動軸63の一対の端部、および、前後方向Y1における従動軸64の一対の端部には、それぞれ、スプロケットが一体回転可能に連結されている。そして、搬送方向A1に並ぶ一対のスプロケットに、チェーン65,65が巻き掛けられている。チェーン65,65は、前後方向Y1に離隔して配置されており、搬送トレイ2の枠部2aを載せることが可能に構成されている。また、チェーン65,65の間に、下側部材49の上端部が配置されている。このように、下側部材49の上端部は、駆動軸63、従動軸64および一対のチェーン65,65に取り囲まれている。

0108

本実施形態では、前後方向Y1において、チェーン65,65の間隔は、被処理物100の全長以上に設定されている。上記の構成により、冷却室側モータ61の駆動に伴い、出力伝達部材62が回転し、この回転が駆動軸63に伝わる。そして、この駆動軸63は、チェーン65,65を駆動し、従動軸64を回転させる。すなわち、冷却室側モータ61の駆動によって、一対のチェーン65,65が回転する。これにより、一対のチェーン65,65上の搬送トレイ2は、搬送方向A1に移動する。

0109

前述したように、上記の駆動軸63、従動軸64、および一対のチェーン65,65は、チェーンユニット66を構成している。このチェーンユニット66は、可動連結部67によって上下方向Z1に変位可能に支持されている。チェーンユニット66は、可動連結部67および上側部材50を介して上下変位機構43に連結可能に構成されており、搬送位置P3および冷却位置P4に変位可能である。

0110

また、チェーンユニット66は、搬送位置P3において、搬送トレイ2が上側部材50および下側部材49から離隔するように搬送トレイ2を支持し、且つ、冷却位置P4において、搬送トレイ2が下側部材49と接触するように搬送トレイ2を配意させる。

0111

可動連結部67は、一対の梁部69,70と、複数のブラケット71と、複数のガイド受け部72と、を有している。

0112

一対の梁部69,70は、搬送方向A1に沿って延びる梁状の部分として設けられている。一方の梁部69は、チェーン65の後方(後壁8d側)においてチェーン65と平行に配置されており、駆動軸63の一端部および従動軸64の一端部を回転可能に支持している。他方の梁部70は、チェーン65の前方(前壁8c側)においてチェーン65と平行に配置されており、駆動軸63の他端部および従動軸64の他端部を回転可能に支持している。

0113

一対の梁部69,70は、複数のブラケット71に固定されている。複数のブラケット71は、一対の梁部69,70を上側部材50に連結するために設けられている。各ブラケット71は、たとえばL字状に形成されている。一方の梁部69のうち搬送方向A1の両端部にブラケット71,71が固定されており、一方の梁部69が両端支持されている。また、他方の梁部70のうち搬送方向A1の両端部にブラケット71,71が固定されており、他方の梁部70が両端支持されている。

0114

ブラケット71の下端部が、対応する梁部69,70に固定されている。そして、各ブラケット71のうち、水平に延びる部分の下面71aが、上側部材50のフランジ部50aの上面に受けられている。これらのブラケット71は、フランジ部50aに対して上方に変位することが可能である。

0115

また、各梁部69,70の下端部には、ガイド受け部72が固定されている。このガイド受け部72は、たとえば、搬送方向A1において各梁部69,70の複数箇所(本実施形態では、2箇所)に配置されている。各ガイド受け部72には、上下に延びるガイド孔部72aが形成されている。また、このガイド孔部72aに嵌合可能なガイド軸73が設けられている。

0116

ガイド軸73は、ガイド孔部72a毎に設けられており、対応する下側部ステー74,74に固定されている。下側部ステー74,74は、前壁8cまたは後壁8dに固定されている。各ガイド軸73が対応するガイド孔部72aに、上下にスライド可能に嵌合している。これにより、上下方向Z1における一対の梁部69,70の移動が案内される。

0117

また、各下側部ステー74,74には、ストッパ75が固定されている。ストッパ75は、たとえば、ボルトを用いて形成されており、対応する下側部ステー74,74にねじ結合している。これにより、上下方向Z1におけるストッパ75の位置を調整することができる。

0118

図13および図15を参照して、後壁8d側のストッパ75は、後壁8d側の梁部69の下端部と上下方向Z1に向かい合っている。一方、前壁8c側のストッパ75は、前壁8c側の梁部70の下端部と上下方向Z1に向かい合っている。そして、一対の梁部69,70が所定の冷却位置P4に到達したときに、各梁部69,70は、対応するストッパ75に受けられ、それ以上下方に移動することが規制される。

0119

また、前壁8cおよび後壁8dには、それぞれ、上側部ステー76,76が設けられている。各上側部ステー76,76には、ストッパ77が固定されている。ストッパ77は、たとえば、ボルトを用いて形成されており、対応する上側部ステー76,76にねじ結合している。これにより、上下方向Z1におけるストッパ77の位置を調整することができる。

0120

後壁8d側のストッパ77は、後壁8d側の梁部69のブラケット71と上下方向Z1に向かい合っている。一方、前壁8c側のストッパ77は、前壁8c側の梁部70のブラケット71と上下方向Z1に向かい合っている。そして、一対の梁部69,70が所定の搬送位置P3に到達したときに、各ブラケット71は、対応するストッパ77に受けられ、一対の梁部69,70がそれ以上上方に移動することが規制される。

0121

上記の構成により、上側部材50が各ブラケット71を持ち上げているとき、上側部材50とチェーンユニット66は、一体的に上下方向Z1に変位可能である。搬送位置P3に上側部材50が位置しているとき、上側部材50は、一対の梁部69,70を持ち上げている。この状態において、冷却室側搬送部12は、中間搬送部13から搬送トレイ2を受け取り、チェーン65,65の動作により、搬送トレイ2を搬送する。このとき、冷却室側モータ61の駆動により、動力伝達部材62が回転することで、駆動軸63が回転し、その結果、チェーン65,65が回転する。

0122

搬送トレイ2が所定の搬送位置P3に到達すると、チェーン65が停止し、搬送トレイ2が搬送位置P3で停止する。このとき、上下変位機構43の昇降機構57が動作することで、シリンダ57bが下方に変位する。これにより、上側部材50、一対の梁部69,70、および、チェーンユニット66が下方に変位する。そして、図15および図16に示すように、一対の梁部69,70が下側のストッパ75に受けられることで、チェーンユニット66は、冷却位置P4に保持される。このとき、搬送トレイ2の孔部2cの縁部は、下側部材49の上端部49aに受けられている。

0123

そして、昇降機構57のロッド57bがさらに下方に変位することで、上側部材50は、ブラケット71との接触を解除され、上側部材50の下端部が搬送トレイ2を下側へ加圧する。ここで、下側部材49のフランジ部49aの下面に形成された溝に、Oリングなどのシール部材が配置されており、また、上側部材50のフランジ部50aの上面に形成された溝に、Oリングなどのシール部材が配置されている。

0124

そして、下側部材49、および、上側部材50によって搬送トレイ2が挟まれた状態となり、上記のシール部材によって、搬送トレイ2と上側部材50との間、および、搬送トレイ2と下側部材49との間が液密的に封止される。そして、下側部材49、搬送トレイ2、および、上側部材50によって、冷媒通路48が形成される。このように、搬送トレイ2の上下から上側部材50と下側部材49を接触させる構成により、上側部材50のストローク上下移動量)を小さくできるので、熱処理装置1をよりコンパクトにすることができる。

0125

図14図16を参照して、冷媒通路48は、上下方向Z1に沿って延びる通路である。この冷媒通路48は、導入管51の内周面、下側部材49の内周面、搬送トレイ2の孔部2cの内周面、および、上側部材50の内周面によって形成されており、冷却室8内において、上方に開放されている。冷媒通路48内において、被処理物100は、上側部材50に取り囲まれている。この冷媒通路48内において、搬送トレイ2の支持部2bに支持された被処理物100へ向けて、冷媒が下方から上方へ向けて流れる。

0126

この際、冷媒は、搬送トレイ2に支持されている被処理物100を浸し、被処理物100を冷却する。このとき、搬送トレイ2の支持部2bは、冷媒通路48において、冷媒を整流するための整流部材として機能する。この冷媒は、冷媒通路48の上端(上側部材50の上端)まで到達した後、冷媒通路48の外方に到達し、冷却室8の底壁8fに向けて落下する。底壁8fに落下した冷媒は、後壁8dに取り付けられた排出管52を通って、冷却室8の外部の冷媒タンク(図示せず)に戻される。

0127

冷媒通路48への冷媒の流量、流速、および、供給タイミングは、冷媒貯蔵タンク(図示せず)に設けられたポンプの動作によって制御される。これにより、たとえば、被処理物100における蒸気膜の均一消滅と、パーライトおよびベイナイトノーズに接しない冷却と、を行うことも可能である。そして、流速を抑え均一な冷却を行うことで、マルテンサイト変態タイミングを制御することも可能である。その結果、低歪処理が可能となるとともに、被処理物100の熱変形量のばらつきを小さくできる。

0128

冷却処理が完了した後、上下変位機構43の昇降機構57のロッド57bは、図12図15に示すように、上方に変位する。これにより、上側部材50は、上方に変位し、上側部材50のフランジ部50aにブラケット71が接触すると、ブラケット71およびチェーンユニット66が、上方へ変位する。そして、ストッパ77にブラケット71が接触すると、昇降機構57の動作が停止する。

0129

これにより、搬送トレイ2は、チェーンユニット66とともに上方に変位され、搬送位置P3に戻される。この際、上側部材50が搬送トレイ2に対して上方に変位することで、上側部材50内の冷媒は、即座に上側部材50の外側に落下する。これにより、上側部材50に取り囲まれている被処理物100を、冷媒から即座に取り出すことができる。これにより、たとえば、低歪処理に有効なマルクエンチを容易に行うことも可能である。

0130

次いで、冷却室側モータ61が駆動することで、チェーンユニット66のチェーン65,65が回転し、搬送トレイ2が出口扉45側へ移動する。そして、出口扉45が開かれることで、搬送トレイ2および被処理物100は、冷却室8から搬出される。

0131

以上説明したように、熱処理装置1によると、被処理物100は、搬送トレイ2によって支持され、この搬送トレイ2が第1搬送機構3によって搬送経路B1を搬送される。これにより、第1搬送機構3は、被処理物100を直接搬送するのではなく、搬送トレイ2を介して被処理物100を搬送することとなる。このため、第1搬送機構3は、被処理物100の形状の影響を受けずに、搬送トレイ2を安定した姿勢で搬送することができる。その結果、被処理物100は、より安定した姿勢で搬送される。しかも、被処理物100の搬送に搬送トレイ2を用いるという簡易な構成で、被処理物100が安定した姿勢で搬送される。以上の次第で、簡易な構成で、被処理物100をより確実に所望の搬送経路B1沿って搬送することのできる熱処理装置1を実現できる。

0132

また、熱処理装置1によると、加熱室7において被処理物100を搬送トレイ2と加熱用部材17との間に移動させるための第2搬送機構18が設けられている。この構成によると、被処理物100を加熱用部材17によって加熱することができる。この加熱の際、被処理物100は、搬送トレイ2から離隔した状態にある。このため、搬送トレイ2は、加熱用部材17および被処理物100によって加熱されることを抑制される。このため、熱歪みなどに起因する搬送トレイ2の不具合の発生をより確実に抑制できる。よって、搬送トレイ2の寿命(再利用可能な回数)をより長くできる。さらに、加熱が不要な搬送トレイ2の加熱を抑制できるので、エネルギー効率の向上を通じて熱処理装置1の更なる省エネルギー化を達成できる。

0133

また、熱処理装置1によると、加熱用部材17は、搬送経路B1の上方に配置されている。この構成によると、加熱用部材17を搬送経路B1から離隔した箇所に配置することで、熱処理装置1が搬送方向A1に長い形状になることを抑制できる。また、加熱用部材17が搬送経路B1の上方に配置されることで、加熱用部材17からの熱は、加熱用部材17の上方に伝わり、搬送経路B1側に伝わることが抑制される。これにより、搬送トレイ2が加熱されてしまうことを、より確実に抑制できる。

0134

また、熱処理装置1によると、第2搬送機構18は、加熱室7において、搬送トレイ2に形成された孔部2cを通して被処理物100を持ち上げるための支持部18aを有している。この構成によると、第2搬送機構18の支持部18aは、搬送トレイ2に対して上方に変位する簡易な動作で、被処理物100を持ち上げることができる。よって、第2搬送機構18の構成をより簡素にできる。

0135

また、熱処理装置1によると、冷媒通路48は、上下方向Z1(鉛直方向)に沿って延びている。この構成によると、冷却室8を、縦長の形状に形成できるので、水平方向における熱処理装置1のサイズをより小さくできる。また、冷媒通路48が延びる方向と搬送方向A1とが直交しているので、熱処理装置1は、水平方向および垂直方向の何れにも過度に大きくなる形状とならずに済む。よって、熱処理装置1をよりコンパクトにすることができる。

0136

また、熱処理装置1によると、中間扉33によって、加熱室7と冷却室8との間の空間を塞ぐことができる。これにより、加熱室7における雰囲気をより安定させることができる。また、冷却室8内の冷媒が加熱室7に飛散することを、より確実に抑制できる。

0137

また、熱処理装置1によると、第1搬送機構3は、搬送トレイ2を、加熱室7の外部、加熱室7、冷却室8、および、冷却室8の外部に循環させるように構成されている。この構成によると、搬送トレイ2を、熱処理装置1における被処理物100の搬送に繰り返し使用することができる。よって、熱処理装置1において多数の被処理物100を熱処理するために必要な搬送トレイ2の数を、より少なくできる。搬送トレイ2を繰返し使用可能な回数は、搬送トレイ2が加熱することを抑制されることで、格段に多くなる。

0138

また、熱処理装置1によると、第1搬送機構3の加熱室側モータ22が加熱室7の外部に配置されるので、加熱室7をよりコンパクトにできる。しかも、出力伝達部材23は、一定の位置から移動しないよう構成されている。このため、加熱室7の内側と外側との間をシールする必要のある部分、すなわち、出力伝達部材23と加熱室7との間の部分を、より小さくできる。これにより、簡易な構成で第1搬送機構3を実現できる。

0139

また、熱処理装置1によると、冷媒通路48が延びる方向(上下方向Z1)と、被処理物100の搬送方向A1とが、異なっている。これにより、熱処理装置1の形状は、冷媒通路48が延びる方向および搬送方向A1の何れかに過度に長くならずに済む。このため、熱処理装置1をよりコンパクトにできる。また、複数の冷媒通路形成部材としての上側部材50および下側部材49が上下方向Z1に互いに離隔するように相対変位することで、被処理物100を冷媒通路48に対して出し入れすることが可能となる。このため、被処理物100を冷媒通路48に出し入れするためのロボットアームなどを設ける必要がない。これにより、熱処理装置1をよりコンパクトにできる。

0140

また、熱処理装置1によると、冷媒通路48において冷媒としての冷却液が下方から上方へ向けて流れるように構成されている。この構成によると、冷媒通路形成体42を、縦長の形状に形成できるので、水平方向における熱処理装置1のサイズをより小さくできる。また、冷媒通路48が延びる方向と搬送方向A1とが直交しているので、熱処理装置1は、水平方向および垂直方向の何れにも過度に大きくなる形状とならずに済む。よって、熱処理装置1をよりコンパクトにすることができる。さらに、冷媒通路48において、冷媒が下方から上方へ向けて流れるので、冷媒をより均等に上昇させることができる。これにより、被処理物100をより均等に冷却することができる。

0141

また、熱処理装置1によると、搬送トレイ2は、冷媒通路48の一部を形成することとなる。これにより、搬送トレイ2を冷媒通路48内で支持するための専用部材が不要となり、熱処理装置1をよりコンパクトに且つ簡易な構成にすることができる。

0142

また、熱処理装置1によると、冷媒通路48の中間部に被処理物100が配置されることとなる。そして、この被処理物100に、搬送トレイ2の孔部2cを通して冷媒が供給される。これにより、冷媒通路48内において被処理物100を確実に支持しつつ、冷媒によって被処理物100をより確実に冷却することができる。

0143

また、熱処理装置1によると、上下変位機構43によって上側部材50が下側部材49側に変位することで、冷媒通路48が形成されることとなる。また、上下変位機構43によって上側部材50が下側部材49から離隔するように上昇することで、冷媒通路形成体42から被処理物100を露呈させることができる。これにより、搬送方向A1に沿った被処理物100の出し入れが可能となる。

0144

また、熱処理装置1によると、第1搬送機構3のチェーンユニット66は、搬送位置P3において、搬送トレイ2が上側部材50および下側部材49から離隔するように搬送トレイ2を支持し、且つ、冷却位置P4において、搬送トレイ2が下側部材49と接触するように搬送トレイ2を配置させる。この構成によると、チェーンユニット66が搬送位置P3に配置されているとき、チェーンユニット66は、搬送トレイ2が他の部材と衝突しない状態で当該搬送トレイ2を支持できる。これにより、搬送トレイ2をスムーズに搬送することができる。一方、チェーンユニット66が冷却位置P4に配置されているとき、搬送トレイ2が下側部材49と協働して冷媒通路48を形成するように当該搬送トレイ2を配置できる。このように、上下変位機構43は、単に上側部材50を下側部材49に対して上下に変位させるだけではなく、チェーンユニット66および搬送トレイ2を上下に変位させることができる。

0145

また、熱処理装置1によると、上下変位機構43は、搬送トレイ2が冷却位置P4に位置しているときにおいて、上側部材50を搬送トレイ2に接触させるために上側部材50を変位するように構成されている。この構成によると、上下変位機構43が、上側部材50を下方に変位させることで、上側部材50と下側部材49が搬送トレイ2を挟むようにすることができる。その結果、上側部材50、搬送トレイ2、および、下側部材49の協働による冷媒通路48の形成を実現できる。

0146

また、熱処理装置1によると、搬送トレイ2の支持部2bは、冷媒通路48内において冷媒を整流するための整流部材として機能する。この構成によると、単位時間当たりに被処理物100に接触する冷媒の量を、より多く、且つ、均等にできるので、被処理物100の歪みを抑制できる。

0147

また、熱処理装置1の効果を説明するための熱処理装置1の模式的な構成図である図17を参照して、冷媒通路48は、第1搬送機構3を上下に跨ぐように配置されている。そして、冷媒通路48が上下に延びた配置が採用され、且つ、加熱用部材17と第2搬送機構18とが上下に並ぶ配置が採用されている。このような構成により、熱処理装置1において、上下方向Z1についても、コンパクトなレイアウトを実現することができる。

0148

以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は上述の実施の形態に限られない。本発明は、請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。

0149

たとえば、冷媒通路48内に、冷媒を整流するためのフィンまたは整流ダクトなどの整流部材が固定されていてもよい。これにより、被処理物100の周囲における冷媒の流れ方向の更なる均一化を実現できる。

0150

本発明は、熱処理装置として、広く適用することができる。

0151

1熱処理装置
2搬送トレイ
2c 搬送トレイに形成された孔部
3 第1搬送機構
7加熱室
8冷却室
11加熱室側搬送部
12 冷却室側搬送部
17加熱用部材
18 第2搬送機構
18a被処理物を持ち上げるための支持部
22 加熱室側モータ(加熱室の外部に配置された駆動源)
23出力伝達部材
27チェーン(駆動部材)
33中間扉
48冷媒通路
100 被処理物
B1搬送経路
Z1 上下方向(交差方向)

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