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技術 パワーステアリング装置及びパワーステアリング装置の制御装置

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 後藤信佐々木光雄
出願日 2016年5月16日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2017-527109
公開日 2018年4月19日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 WO2017-006623
状態 特許登録済
技術分野 パワーステアリング機構 走行状態に応じる操向制御
主要キーワード 周波数範囲毎 水検出信号 水検出センサ 破損部位 相対角度差 フェイルセーフ回路 点灯指令信号 軸方向移動力
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

ステアリングホイールの回転を転舵輪に伝達する操舵機構1と、操舵機構に操舵力を付与する電動モータ26と、モータ回転力を操舵機構に伝達する伝達機構25と、操舵機構の少なくとも一部、伝達機構、およびモータを収容するハウジング3と、ハウジング内の水分を検知する水検出センサ37と、操舵トルクを検出するトルクセンサ10と、を有するパワーステアリング装置制御装置において、操舵トルク信号Tr等に基づきパワーステアリング装置の異常と判断する第1異常判断部71と、水検出センサが水分を検知したときパワーステアリング装置の異常と判断する第2異常判断部72と、を備えた。これによって、多面的な観点からパワーステアリング装置の異常を判断することが可能となる。

概要

背景

従来のパワーステアリング装置としては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。

このパワーステアリング装置は、電動モータ回転力ラックバーの軸方向の移動力に変換して該ラックバーに伝達する動力伝達機構を備えている。また、前記パワーステアリング装置は、前記ラックバー及び動力伝達機構の外周がハウジングによって液密的に覆われており、前記ハウジング内に水が浸入してしまった場合は、これをハウジング内部に配設された水検出センサにより検知することでパワーステアリング装置の異常と判断するようになっている。

しかしながら、前記従来のパワーステアリング装置にあっては、前記水検出センサによって前記ハウジング内への水の浸入は検知できるものの、例えば砂や埃といった水以外の異物が前記ハウジング内に侵入した場合には、これらを検知することができず、十分な異常判断を行えないという問題があった。

概要

ステアリングホイールの回転を転舵輪に伝達する操舵機構1と、操舵機構に操舵力を付与する電動モータ26と、モータの回転力を操舵機構に伝達する伝達機構25と、操舵機構の少なくとも一部、伝達機構、およびモータを収容するハウジング3と、ハウジング内の水分を検知する水検出センサ37と、操舵トルクを検出するトルクセンサ10と、を有するパワーステアリング装置の制御装置において、操舵トルク信号Tr等に基づきパワーステアリング装置の異常と判断する第1異常判断部71と、水検出センサが水分を検知したときパワーステアリング装置の異常と判断する第2異常判断部72と、を備えた。これによって、多面的な観点からパワーステアリング装置の異常を判断することが可能となる。

目的

本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたもので、多面的な観点からパワーステアリング装置の異常を判断可能なパワーステアリング装置及びパワーステアリング装置の制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ステアリングホイールの回転を転舵輪に伝達する操舵機構と、前記操舵機構に操舵力を付与する電動モータと、前記操舵機構と前記電動モータの間に設けられ、該電動モータの回転力を前記操舵機構に伝達する伝達機構と、前記操舵機構の少なくとも一部、前記伝達機構、および前記電動モータを収容するハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、該ハウジング内の水分を検知する水分検知素子と、前記操舵機構に発生する操舵トルクを検出するトルクセンサと、を備えたパワーステアリング装置制御装置であって、前記操舵トルクに基づき、前記電動モータを駆動制御するモータ指令信号演算するモータ指令信号演算部と、前記操舵トルクの信号が入力されるトルク信号受信部と、前記電動モータの回転数の信号が入力されるモータ回転数信号受信部と、前記ステアリングホイールの操舵速度の信号が入力される操舵速度信号受信部と、操舵操作が行われているときの前記操舵トルク、前記電動モータの回転数、または前記操舵速度の信号に基づき前記パワーステアリング装置の異常と判断する第1異常判断部と、前記水分検知素子が水分を検知したとき前記パワーステアリング装置の異常と判断する第2異常判断部と、を有することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項2

請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、前記第1異常判断部は、前記ステアリングホイールを切り込み方向に操舵操作するときの前記操舵トルク、前記モータの回転数、または前記操舵速度の信号が所定周波数範囲内において周期的な変化を有するか否かを判断する切り込み時判断部と、前記ステアリングホイールを切り込み方向から切り戻し方向へ操舵方向切り換えたときの領域を含む所定領域における前記操舵トルクの変化を検出する切り戻し時判断部と、を備え、前記切り込み時判断部または前記切り戻し時判断部の判断結果に基づき前記パワーステアリング装置の異常と判断することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項3

請求項2に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、前記第1異常判断部は、前記切り込み時判断部が前記周期的な変化を検出し、かつ前記切り戻し判断部が前記操舵トルクの変化が所定値以上であると判断したとき、前記パワーステアリング装置の異常と判断することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項4

請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、車両の警告灯点灯させる指令信号を出力する警告灯点灯指令信号出力部と、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断するとき、前記電動モータに流れる電流値が減少するように通電量の制限を行う通電量制限部と、を有することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項5

請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置は、前記モータ指令信号を制限する指令信号制限部を備え、前記第1異常判断部は、前記指令信号制限部が前記モータ指令信号の制限を行っているとき、前記パワーステアリング装置の異常の判断を行わないことを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項6

請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、前記第1異常判断部は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、前記パワーステアリング装置の異常と判断するための判断閾値下げることを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項7

請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置は、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第1異常判断部用記憶部と、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第2異常判断部用記憶部を備え、前記第2異常判断部用記憶部に異常が生じたとき、前記第2異常判断部用記憶部に記憶された情報を消去し前記第1異常判断部用記憶部に記憶された情報は消去しないことを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項8

請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、前記モータ指令信号演算部は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、前記パワーステアリング装置の正常時に車両速度および前記操舵トルクから演算される前記モータ指令信号よりも実際に前記電動モータに出力される前記モータ指令信号が上回らないようにモータ指令信号を演算することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項9

請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置は、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断するとき、前記電動モータに流れる電流値が減少するように通電量の制限を行う通電量制限部を備え、前記通電量制限部は、前記第1異常判断部および前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したときの通電量の制限値よりも前記第1異常判断部のみで前記パワーステアリング装置の異常と判断したときの通電量の制限値が大きくなるように通電量の制限を行うことを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項10

請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置は、前記第2異常判断部で前記パワーステアリング装置の異常と判断された後、所定時間経過または車両の停止および始動所定回数繰り返された後においても前記第1異常判断部において前記パワーステアリング装置の異常と判断されないとき、前記第2異常判断部による判断が誤判断であると判断することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。

請求項11

ステアリングホイールの回転を転舵輪に伝達する操舵機構と、前記操舵機構に操舵力を付与する電動モータと、前記操舵機構と前記電動モータの間に設けられ、該電動モータの回転力を前記操舵機構に伝達する伝達機構と、前記操舵機構の少なくとも一部、前記伝達機構、および前記電動モータを収容するハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、該ハウジング内の水分を検知する水分検知素子と、前記操舵機構に発生する操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記電動モータを駆動制御する制御装置と、を備えたパワーステアリング装置であって、前記制御装置は、前記操舵トルクに基づき、前記電動モータを駆動制御するモータ指令信号を演算するモータ指令信号演算部と、前記操舵トルクの信号が入力されるトルク信号受信部と、前記電動モータの回転数の信号が入力されるモータ回転数信号受信部と、前記ステアリングホイールの操舵速度の信号が入力される操舵速度信号受信部と、操舵操作が行われているときの前記操舵トルク、前記電動モータの回転数、または前記操舵速度の信号に基づき前記パワーステアリング装置の異常と判断する第1異常判断部と、前記水分検知素子が水分を検知したとき前記パワーステアリング装置の異常と判断する第2異常判断部と、を有することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項12

請求項11に記載のパワーステアリング装置において、前記第1異常判断部は、前記ステアリングホイールを切り込み方向に操舵操作するときの前記操舵トルク、前記モータの回転数、または前記操舵速度の信号が所定周波数範囲内において周期的な変化を有するか否かを判断する切り込み時判断部と、前記ステアリングホイールを切り込み方向から切り戻し方向へ操舵方向を切り換えたときの領域を含む所定領域における前記操舵トルクの変化を検出する切り戻し時判断部と、を備え、前記切り込み時判断部または前記切り戻し時判断部の判断結果に基づき前記パワーステアリング装置の異常と判断することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項13

請求項12に記載のパワーステアリング装置において、前記第1異常判断部は、前記切り込み時判断部が前記周期的な変化を検出し、かつ前記切り戻し判断部が前記操舵トルクの変化が所定値以上であると判断したとき、前記パワーステアリング装置の異常と判断することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項14

請求項11に記載のパワーステアリング装置は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、車両の警告灯を点灯させる指令信号を出力する警告灯点灯指令信号出力部と、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断するとき、前記電動モータに流れる電流値が減少するように通電量の制限を行う通電量制限部と、を有することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項15

請求項11に記載のパワーステアリング装置は、前記モータ指令信号を制限する指令信号制限部を備え、前記第1異常判断部は、前記指令信号制限部が前記モータ指令信号の制限を行っているとき、前記パワーステアリング装置の異常の判断を行わないことを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項16

請求項11に記載のパワーステアリング装置において、前記第1異常判断部は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、前記パワーステアリング装置の異常と判断するための判断閾値を下げることを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項17

請求項11に記載のパワーステアリング装置は、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第1異常判断部用記憶部と、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第2異常判断部用記憶部を備え、前記第2異常判断部用記憶部に異常が生じたとき、前記第2異常判断部用記憶部に記憶された情報を消去し前記第1異常判断部用記憶部に記憶された情報は消去しないことを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項18

請求項11に記載のパワーステアリング装置において、前記モータ指令信号演算部は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、前記パワーステアリング装置の正常時に車両速度および前記操舵トルクから演算される前記モータ指令信号よりも実際に前記電動モータに出力される前記モータ指令信号が上回らないように前記電動モータを駆動制御することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項19

請求項11に記載のパワーステアリング装置は、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断するとき、前記電動モータに流れる電流値が減少するように通電量の制限を行う通電量制限部を備え、前記通電量制限部は、前記第1異常判断部および前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したときの通電量の制限値よりも前記第1異常判断部のみで前記パワーステアリング装置の異常と判断したときの通電量の制限値が大きくなるように通電量の制限を行うことを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項20

請求項1に記載のパワーステアリング装置は、前記第2異常判断部で前記パワーステアリング装置の異常と判断された後、所定時間経過または車両の停止および始動が所定回数繰り返された後においても前記第1異常判断部において前記パワーステアリング装置の異常と判断されないとき、前記第2異常判断部による判断が誤判断であると判断することを特徴とするパワーステアリング装置。

技術分野

0001

本発明は、車両に適用されるパワーステアリング装置及びパワーステアリング装置の制御装置に関する。

背景技術

0002

従来のパワーステアリング装置としては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。

0003

このパワーステアリング装置は、電動モータ回転力ラックバーの軸方向の移動力に変換して該ラックバーに伝達する動力伝達機構を備えている。また、前記パワーステアリング装置は、前記ラックバー及び動力伝達機構の外周がハウジングによって液密的に覆われており、前記ハウジング内に水が浸入してしまった場合は、これをハウジング内部に配設された水検出センサにより検知することでパワーステアリング装置の異常と判断するようになっている。

0004

しかしながら、前記従来のパワーステアリング装置にあっては、前記水検出センサによって前記ハウジング内への水の浸入は検知できるものの、例えば砂や埃といった水以外の異物が前記ハウジング内に侵入した場合には、これらを検知することができず、十分な異常判断を行えないという問題があった。

先行技術

0005

特開2014−234102号公報

0006

本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたもので、多面的な観点からパワーステアリング装置の異常を判断可能なパワーステアリング装置及びパワーステアリング装置の制御装置を提供することを目的としている。

0007

本発明は、とりわけ、ステアリングホイールの回転を転舵輪に伝達する操舵機構と、前記操舵機構に操舵力を付与する電動モータと、前記操舵機構と前記電動モータの間に設けられ、該電動モータの回転力を前記操舵機構に伝達する伝達機構と、前記操舵機構の少なくとも一部、前記伝達機構、および前記電動モータを収容するハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、該ハウジング内の水分を検知する水分検知素子と、前記操舵機構に発生する操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記操舵トルク、前記電動モータの回転数、または操舵速度の信号に基づきパワーステアリング装置の異常と判断する第1異常判断部と、前記水分検知素子が水分を検知したとき前記パワーステアリング装置の異常と判断する第2異常判断部と、を有することを特徴としている。

0008

本発明によれば、多面的な観点からパワーステアリング装置の異常を判断することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の第1実施形態にかかるパワーステアリング装置を示す斜視図である。
同パワーステアリング装置の縦断面図である。
本実施形態に係るトルクセンサの部分断面図である。
本実施形態に係る舵角センサの内部構成を示す斜視図である。
図2のA−A線断面図である。
本実施形態のECUに係る電気システムの構成を示すブロック図である。
ECUとトルクセンサ、舵角センサ及び回転角センサとの接続関係を示すセンサブロック図である。
本実施形態に係るECUの演算回路構成を示す制御ブロック図である。
(a)は新品ボールねじ機構を有するパワーステアリング装置を台上に設置して実験したときのデータを示すグラフであり、(b)は錆が生じたボールねじ機構を有するパワーステアリング装置を台上に設置して実験したときのデータを示すグラフである。
(a)〜(c)は、それぞれ舗装路面上で実験したときのデータを示すグラフであり、(d)〜(f)は、それぞれ砂利を有する路面上で実験したときのデータを示すグラフである。
第1実施形態におけるパワーステアリング装置の異常判断処理制御を示すフローチャートである。
図11中の切り込み判断ロジックの詳細を示すフローチャートである。
図11中の切り戻し時判断ロジックの詳細を示すフローチャートである。
第2実施形態におけるパワーステアリング装置の異常判断処理制御を示すフローチャートである。
図14中の切り込み時判断ロジックの詳細を示すフローチャートである。
図14中の切り戻し時判断ロジックの詳細を示すフローチャートである。
第3実施形態におけるパワーステアリング装置の異常判断処理制御を示すフローチャートである。
第4実施形態に係るECUの演算回路構成を示す制御ブロック図である。
第4実施形態におけるパワーステアリング装置の異常判断処理制御を示すフローチャートである。
第5実施形態におけるパワーステアリング装置の異常判断処理制御を示すフローチャートである。
第6実施形態におけるパワーステアリング装置の異常判断処理制御を示すフローチャートである。
第7実施形態におけるパワーステアリング装置の異常判断処理制御を示すフローチャートである。
第8実施形態におけるパワーステアリング装置の異常判断処理制御を示すフローチャートである。

実施例

0010

以下、本発明に係るパワーステアリング装置及びパワーステアリング装置の制御装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。
〔第1実施形態〕
まず、図1図5に基づいて前記パワーステアリング装置のシステム構成について説明する。

0011

前記パワーステアリング装置は、図1及び図2に示すように、図示外のステアリングホイールの回転を図示外の転舵輪に伝達する操舵機構1と、操舵情報等に基づき前記操舵機構1に操舵アシスト力を付与して運転者ステアリング操作補助する操舵アシスト機構2と、を備えていると共に、これら両機構1,2のそれぞれ一部が、ハウジング3の内部に収容されている。

0012

前記操舵機構1は、特に図2に示すように、一端側が前記ステアリングホイールと一体回転可能に連係された入力軸4と、一端側がトーションバー5(図3参照)を介して前記入力軸4に相対回転可能に連結された出力軸6と、外周に形成された図示外のラック歯が前記出力軸6の他端部外周ピニオン歯6a(図3及び図4参照)と噛合して軸方向に移動するラックバー7と、から主として構成されている。そして、前記ラックバー7の両端部には、それぞれタイロッド8,8及び図示外のナックルアーム等を介して前記転舵輪が連係されており、前記ラックバー7の軸方向移動に伴い前記各ナックルアームが引っ張られることにより、前記各転舵輪の向きが変更されるようになっている。

0013

また、前記入力軸4及び出力軸6を収容するセンサハウジング9の内部には、運転者の操舵操作によって前記操舵機構1に発生する操舵トルクを検出するトルクセンサ10と、前記ステアリングホイールの中立位置からの回転量である操舵角を検出する舵角センサ11と、が設けられている。

0014

前記トルクセンサ10は、図3に示すように、前記出力軸6に一体回転可能に設けられ、円周方向に異なる磁極が交互に配置された円環状の永久磁石12と、下部に前記永久磁石12の外周面と対向する複数の爪部13a,14aがそれぞれ形成された内外一対の円環状のヨーク部材13,14と、これら両ヨーク部材13,14間に設けられ、前記各爪部13a,14aを跨いで隣接する磁極間を流れる前記永久磁石12の磁界に基づき内部に磁界を生じさせる内外一対の第1,第2集磁リング15,16と、これら両集磁リング15,16間に配設され、該両集磁リング15,16間の内部磁界の変化を検出するメイン、サブ一対のホール素子17a,17b(図6及び図7参照)からなる磁気センサ17と、を備えている。

0015

ここで、前記永久磁石12は、前記各ヨーク部材13,14との相対角度差が大きくなるにつれて、つまり前記トーションバー5の捩れ角が大きくなるにつれて前記各爪部13a,14aを跨いで隣接する磁極間を流れる磁界の磁束密度が大きくなるように設定されている。そして、この磁束密度が大きくなると、前記両集磁リング15,16間の内部磁界の磁束密度も大きくなる。前記トルクセンサ10は、前記両集磁リング15,16間の内部磁界の磁束密度の変化を前記磁気センサ17のホール素子によるホール効果を利用して検出することにより、操舵トルクを検出できるようになっている。

0016

前記舵角センサ11は、図4に示すように、前記センサハウジング9の一部を構成するケーシング18内に設けられ、前記入力軸4の外周に一体回転可能に設けられた大歯車19と、該大歯車19と噛合して回転する第1小歯車20と、該第1小歯車20と噛合して回転すると共に、歯数が前記第1の歯車と異なるように設定された第2小歯車21と、を備えている。

0017

また、前記第1小歯車20の上方には、該第1小歯車20の回転角(第1回転角)を検出するメイン、サブ一対の第1MR素子22a,23a(図7参照)が付設され、前記第2小歯車21の上方には、該第2小歯車21の回転角(第2回転角)を検出するメイン、サブ一対の第2MR素子22b,23b(図7参照)が付設されている。そして、前記各メインのMR素子22a,22bによってメインの舵角検出素子22(図6参照)が構成されると共に、前記各サブのMR素子23a,23bによってサブの舵角検出素子23(図6参照)が構成されている。

0018

前記各舵角検出素子22,23は、それぞれ対応するMR素子22a,22b、23a,23bにより検出された第1,第2回転角の角度差に基づいて、前記ステアリングホイールの中立位置からの回転量である操舵角を検出するようになっている。

0019

前記操舵アシスト機構2は、図2に示すように、前記トルクセンサ10や舵角センサ11の検出結果等に基づき操舵アシスト力を出力するモータユニット24と、該モータユニット24が出力した操舵アシスト力(回転力)を減速しつつ前記ラックバー7の軸方向移動力に変換して該ラックバー7に伝達する伝達機構(減速機)25と、を備えている。

0020

前記モータユニット24は、後述する入力プーリ29を回転駆動することによって前記伝達機構25を介して前記ラックバー7へ操舵アシスト力を付与する電動モータ26と、該電動モータ26に付設され、前記操舵トルクや車両速度等のパラメータに応じて前記電動モータ26を駆動制御する制御装置であるECU27と、が一体的に構成されたものである。

0021

前記電動モータ26は、いわゆるブラシレスDCモータであって、前記ECU27に設けられたメイン、サブ一対の角度検出素子28a,28bを有するモータ回転角センサ28(図6及び図7参照)により図示外の回転子の回転角が検出されるようになっている。

0022

前記伝達機構25は、図2及び図5に示すように、前記電動モータ26の出力軸26aの外周側に一体回転可能に設けられ、該出力軸26aの軸線を中心に回転する入力プーリ29と、前記ラックバー7の外周側に相対回転可能に設けられ、前記入力プーリ29の回転力に基づき前記ラックバー7の軸線を中心に回転する出力プーリ30と、該出力プーリ30とラックバー7との間に介装され、前記出力プーリ30の回転を減速しつつ前記ラックバー7の軸方向運動へと変換するボールねじ機構31と、前記両プーリ29,30間に跨って巻回され、前記入力プーリ29の回転を出力プーリ30へと伝達することによって前記両プーリ29,30の同期回転に供するベルト32と、から主として構成されている。

0023

前記ハウジング3は、図1及び図2に示すように、車両左右方向に2分割された第1,第2ギアハウジング構成部33a,33bからなり、内部に前記操舵機構1の一部であるラックバー7及び前記伝達機構25を収容するギアハウジング33と、内部に前記電動モータ26を収容するモータハウジング34と、内部に前記ECU27を収容するECUハウジング35と、から主として構成されている。これら各ハウジング33〜35は、隣接するハウジングとの結合箇所が互いに開口形成されており、該各開口部を介して内部空間がそれぞれ連通した状態となっている。

0024

前記ギアハウジング33は、前記ラックバー7の軸方向における両端部がそれぞれ開口形成されていると共に、該各開口部に蛇腹状のブーツ36,36がそれぞれ設けられている。この各ブーツ36,36は、それぞれ一端部36aが前記タイロッド8,8の外周面に取り付けられている一方、他端部36bが前記ギアハウジング33の外周面に取り付けられ、前記ハウジング3の内部へ水や埃等が侵入するのを規制するようになっている。

0025

そして、前記ハウジング3の内部には、該ハウジング3内に水分が浸入した際にこれを検知する水分検知素子である水検出センサ37が設けられている。

0026

この水検出センサ37は、図2に示すように、前記電動モータ26の内部下方位置に前記出力軸24aとほぼ並行に配置された一対の電極38,39を備えている。これら両電極38,39は、僅かに離間した状態に設けられ、それぞれ前記入力プーリ29側の一端部38a,39aが前記モータハウジング34内に突出していると共に、他端側が前記ECU27と電気的に接続されている。

0027

ここで、前記ECU27は、常時あるいは一定の周期をもって両電極38,39のうち一方の電極38に電圧印加すると共に他方の電極39を監視し、該他方の電極39に電圧が印加されたことをもって前記ハウジング3の内部に水が浸入したものと判断するようになっている。

0028

具体的には、前記ブーツ36が破損して該破損部位から水分が前記ハウジング3内に浸入すると、この水分が前記ベルト32の回転により掻き上げられて前記モータハウジング34内の水検出センサ37に到達することで、水分を介して電気的に接続され、前記一方の電極38から他方の電極39に電圧が印加される。この電圧を前記ECU27が検知することにより、前記ハウジング3内への水の浸入を判断している。

0029

次に、図6図8に基づいて、本実施形態に係るECU27の具体的な構成について説明する。

0030

図6は、前記ECU27に係る電気システムの構成を示すブロック図である。 図示のように、前記ECU27は、該ECU27における電源役割を有する電源回路41と、該電源回路41から電力が供給されることにより起動して種々の演算処理を行うMPU(マイクロプロセッサ)42と、該MPU42から指令信号が入力される集積回路(IC)であるプリドライバ43と、該プリドライバ43からの指令信号に基づいて駆動制御されるインバータ回路44と、を備えている。

0031

前記電源回路41は、車両のイグニッションスイッチオン動作に伴いバッテリVBから電力が供給されると、この電力を適宜降圧させつつ前記MPU42や、トルクセンサ10、舵角センサ11,モータ回転角センサ28,水検出センサ37及びプリドライバ43に供給する。

0032

前記MPU42には、前記水検出センサ37と、図示外のディファレンシャルギア等に設置された車速センサ45と、が電気的に接続され、前記水検出センサ37からの水検出信号Sig、前記車速センサ45からの車速信号Vsが入力される。前記水検出信号Sigは、前記水検出センサ37による水検出の有無に伴いオンオフ的に切り替わるものであって、水が検出されない場合には前記MPU42へ「0」が入力される一方、水が検出された場合には前記MPU42へ「1」が入力される。

0033

また、前記MPU42は、前記トルクセンサ10と、舵角センサ11及びモータ回転角センサ28とも電気的に接続され、前記トルクセンサ10からのメイン、サブの操舵トルク信号Tr(Main),Tr(Sub)、前記舵角センサ11からのメイン、サブの舵角信号θs(Main),θs(Sub)、前記モータ回転角センサ28からのメイン、サブのモータ回転角信号θm(Main),θm(Sub)が入力される。前記MPU42は、これらメイン、サブの各種信号を受信すると、このうちの一方の信号をそれぞれ操舵トルク信号Tr,舵角信号θs及びモータ回転角信号θmとして各種演算処理に利用するようになっている(図8参照)。

0034

なお、前記MPU42に対する前記トルクセンサ10と、舵角センサ11及びモータ回転角センサ28の具体的な接続関係は後述する。

0035

前記インバータ回路44は、前記プリドライバ43から指令信号を受けると、該指令信号に応じて前記バッテリVBからの電力を直流から交流に変換して前記電動モータ26へ供給する。なお、前記バッテリVBとインバータ回路44との間には、前記パワーステアリング装置に故障等が生じた場合に前記MPU42からの指令に基づき前記バッテリVBからインバータ回路44へ送られる電力を遮断するフェイルセーフ回路56が介装されている。

0036

また、前記インバータ回路44の下流側には、前記電動モータ26に流れる実電流であるモータ実電流Imを検出するためのモータ電流検出部57が設けられている。このモータ電流検出部57が検出したモータ実電流Imは、前記ECU27に設けられた電流監視回路58に入力された後、モータ制御用のメイン、サブ一対の電流検出回路59a,59bによって高応答フィルタ処理が行われた状態で前記MPU42にフィードバックされると共に、過電流検知用のメイン、サブ一対の電流検出回路59c,59dによって低応答フィルタ処理が行われた状態で同じく前記MPU42にフィードバックされる。

0037

図7は、前記MPU42と、前記トルクセンサ10,舵角センサ11及び回転角センサ28との具体的な接続関係を示すセンサブロック図である。

0038

図示のように、前記MPU42には、前記ECU27に設けられた操舵トルク信号受信部49a,49bを介して前記トルクセンサ10のメイン、サブのホール素子17a,17bが接続され、該各ホール素子17a,17bが検出したメイン、サブの操舵トルク信号Tr(Main),Tr(Sub)が入力される。

0039

また、前記MPU42には、前記ECU27に設けられた第1舵角信号受信部50aを介して前記舵角センサ11のメインの第1,第2MR素子22a,22bが接続され、該両MR素子が検出した前記第1,第2回転角の角度差に基づき算出された舵角信号θs(Main)が入力されると共に、同じく前記ECU27に設けられた第2舵角信号受信部50bを介して前記舵角センサ11のサブの第1,第2MR素子23a,23bが接続され、該両MR素子23a,23bの角度差に基づき算出された舵角信号θs(Sub)が入力される。

0040

さらに、MPU42には、前記回転角センサ28のメイン、サブの角度検出素子28a,28bが接続され、該各角度検出素子28a,28bからメイン、サブのモータ回転角信号θm(Main),θm(Sub)が入力される。

0041

図8は、前記ECU27の演算回路構成を示す制御ブロック図である。

0042

前記ECU27は、前記操舵トルク信号Trや、車速信号受信部51に入力された車速信号Vs及び舵角信号θsに基づき、前記電動モータ26を駆動制御させるモータ指令信号Ioを演算し、これを前記電動モータ26に出力するアシスト電流指令部61と、前記操舵トルク信号Tr等に基づき前記パワーステアリング装置の異常を判断する異常判断部62と、該異常判断部62の判断結果に基づき各種フェイルセーフ処理を行うフェイルセーフ処理部63と、を備えている。

0043

前記アシスト電流指令部61は、前記操舵トルク信号Trや、車速信号Vs及び舵角信号θsに基づき、モータ指令信号Ioを演算するモータ指令信号演算部64と、該モータ指令信号演算部64によって演算されたモータ指令信号Ioが所定上限値以下となるように制限する指令信号制限部であるリミッタ処理部65と、該リミッタ処理部65によって補正されたモータ指令信号Ioに基づき、前記電動モータ26に駆動電流通電させて駆動制御するモータ制御部66と、から主として構成されている。

0044

前記モータ指令信号演算部64は、前記操舵トルク信号Trについて内部の信号処理部67によってノイズ除去位相補償等の処理を施す。そして、車速信号Vsと処理後の操舵トルク信号Trとから、予め用意されたアシストMap68に基づき基本信号Ibを算出する。また、前記モータ指令信号演算部64は、これと併行して前記舵角信号θsに基づき、操舵補助制御部69で補正信号Icを算出しており、加算器70によって前記基本信号Ibに補正信号Icを加算することでモータ指令信号Ioを演算する。

0045

さらに、前記モータ指令信号演算部64は、後述する第2異常判断部72によって前記パワーステアリング装置の異常が判断された場合に、前記パワーステアリング装置の正常時において車速信号Vs及び操舵トルク信号Trから演算されるモータ指令信号を上回らない範囲でモータ指令信号Ioを出力するようになっている。

0046

前記リミッタ処理部65は、前記モータ指令信号Ioの上限値を可変制御するもので、例えば前記電動モータ26の過熱等が生じた際や、所定のフェイルセーフ処理において前記モータ指令信号Ioの上限値を通常時よりも低く設定する。

0047

前記モータ制御部66は、前記モータ指令信号演算部64(リミッタ処理部65)から入力されたモータ指令信号Ioと前記モータ回転角センサ28から入力されたモータ回転角信号θmに基づき前記電動モータ26を駆動制御する。

0048

前記異常判断部62は、後述する判断ロジックによって前記パワーステアリング装置の異常を判断する第1異常判断部71と、前記水検出センサ37からの水検出信号Sigに基づいて前記パワーステアリング装置の異常と判断する第2異常判断部72と、を備えている。

0049

前記第1異常判断部71には、前記トルクセンサ10が検出した操舵トルク信号Trや、舵角センサ11が検出した舵角信号θs及び車速センサ45が検出した車速信号Vsが入力される。また、この他にも、操舵速度信号受信部52を介して前記舵角信号θsを時間微分して得られる操舵速度信号ωsが入力されると共に、モータ回転数信号受信部53を介して前記モータ回転角信号θmに基づき演算されたモータ回転数Nが入力されるようになっている。

0050

さらに、前記第1異常判断部71は、前記ステアリングホイールを切り込み方向に操舵操作するときの前記操舵トルク信号Tr等の信号に基づき前記パワーステアリング装置の異常を判断する切り込み時判断部77と、前記ステアリングホイールを切り込み方向から切り戻し方向へ操舵方向切り換えたときの領域を含む所定領域における前記操舵トルク信号Trの変化に基づき前記パワーステアリング装置の異常を判断する切り戻し時判断部78と、を備えている。

0051

前記切り込み時判断部77は、前記パワーステアリング装置に異常が発生すると、前記操舵トルク信号Trの所定の周波数範囲内にのみにおいて周期的な変化が生じるといった特性を利用して異常判断を行うものである。

0052

図9は、前記特性を立証する実験を行った際の実験結果を示すグラフである。

0053

この実験では、新品のラックバー7及びボールねじ機構31を有する正常状態のパワーステアリング装置(以下、「正常状態の装置」という。)と、塩水に9日間浸して錆を生じさせた異常状態のパワーステアリング装置(以下、「異常状態の装置」という。)を、それぞれ台上に設置して操舵速度30度/秒で操舵を行い、その際に生じた操舵トルク信号Trの特定の周波数範囲におけるピークレベルTrplの値を比較した。

0054

ここで、前記ピークレベルTrplとは、操舵トルク信号Trの特定の周波数範囲でバンドパスフィルタ処理してトルク変動に係る周波数成分を抽出し、この周波数成分のピーク値の平均を取ったもので、ピークレベルTrplの値が高いほど前記特定の周波数範囲内の周波数成分が多く含まれていることになる。

0055

なお、本実験では、前記特定の周波数範囲として、8〜12Hz、20〜25Hz及び、40〜50Hzの3つの周波数範囲を選定した。

0056

そして、この実験を行った結果、前記3つの周波数範囲のうち、8〜12Hz及び40〜50Hzの周波数範囲においては、正常状態の装置と異常状態の装置との間に周波数成分のピークレベルTrplの差がほとんどないものの、20〜25Hzの周波数範囲においては、異常状態の装置のピークレベルTrplの値(図9(b)参照)が、正常状態の装置のピークレベルTrplの値(図9(a))よりも高くなるということが分かった。逆に言うと、この実験結果は、20〜25Hzの周波数範囲におけるピークレベルTrplの値が所定値以上であればパワーステアリング装置の異常と判断できることを示している。

0057

しかしながら、この実験は、前述したように、正常状態の装置と異常状態の装置を卓上、すなわち良路条件下で操舵操作した場合の比較を行ったものであって、悪路を走行した場合のことは何ら考慮されていない。

0058

そこで、もう一つの実験として、良路走行時及び悪路走行時における操舵トルク信号Trの周波数成分のピークレベルTrplの周波数範囲毎の比較を行った。

0059

図10(a)〜(c)は、前記正常状態の装置を車両に搭載し、舗装路面(良路)上で操舵したときのピークレベルTrplを時間t毎にプロットして示したグラフであり、図10(a)は8〜12Hzの周波数範囲、図10(b)は20〜25Hzの周波数範囲、図10(c)は40〜50Hzの周波数範囲を示している。

0060

また、図10(d)〜(f)は、前記正常状態の装置を車両に搭載し、砂利が敷かれた路面(悪路)上で操舵したときのピークレベルTrplを時間t毎にプロットして示したグラフであり、図10(d)は8〜12Hzの周波数範囲、図10(e)は20〜25Hzの周波数範囲、図10(f)は40〜50Hzの周波数範囲を示している。

0061

この結果、図示から明らかなように、砂利が敷かれた路面上で操舵した場合には、路面の凹凸から受ける振動の影響により、全ての周波数範囲において舗装路面上で操舵する場合よりもピークレベルTrplが高くなることが分かった。逆に言うと、この実験結果は、悪路走行中においてはパワーステアリング装置の異常の判断が困難であることを示している。

0062

以上の実験結果を踏まえ、本実施形態の前記切り込み時判断部77には、8〜12Hz,20〜25Hz及び40〜50Hzの周波数範囲でバンドパスフィルタ処理をかけてトルク変動に係る周波数成分を抽出する第1〜第3のバンドパスフィルタ処理部79a〜79cを備えた。そして、前記各バンドパスフィルタ処理部79a〜79cがそれぞれ抽出した8〜12Hz,20〜25Hz及び40〜50Hzの周波数範囲の各ピークレベルTrpl1,Trpl2,Trpl3に基づいて路面の判断を行った後、良路走行中と判断された場合にのみ操舵時の各ピークレベルTrpl1〜Trpl3の変化に基づいて前記パワーステアリング装置の異常判断を行う。

0063

前記切り戻し時判断部78は、セルフアライニングトルクが作用する状態、すなわち前記ステアリングホイールに先行して前記両転舵輪が直進走行に戻ろうとしている状態における切り戻し時の操舵トルクの引っかかりから前記パワーステアリング装置の異常を判断するもので、前記ステアリングホイールが切り込まれて保舵状態にあるときの操舵トルク信号Trを保舵時操舵トルク信号Tsとして取り込み、これを保持する保舵時操舵トルク信号保持部80と、保舵状態から切り戻し状態に移行した直後の操舵トルク信号Trを保舵解除時操舵トルク信号Tdとして取り込み、これを保持する保舵解除時操舵トルク信号保持部81と、を備えている。

0064

そして、前記保舵時操舵トルク信号Tsの絶対値から保舵解除時操舵トルク信号Tdの絶対値を減算して得られる後述の差分ΔTtの絶対値が異常判断閾値Tx以上である場合には、前記ステアリングホイールの切り戻し時において何らかの異物との引っかかりが生じているものとして、前記パワーステアリング装置に異常が生じていると判断する。

0065

前記第2異常判断部72は、水検出信号受信部54を介して入力される前記水検出信号Sigの値が「0」である場合には前記パワーステアリング装置は正常であると判断し、「1」の場合には前記パワーステアリング装置の異常と判断する。

0066

また、前記異常判断部62には、前記第1異常判断部71が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第1異常判断部用記憶部82と、前記第2異常判断部72が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第2異常判断部用記憶部83と、が設けられている。

0067

前記第1異常判断部用記憶部82は、後述する異常検出カウンタCntrのカウンタ値を記憶するようになっている一方、前記第2異常判断部用記憶部83は、前記水検出センサ37が水を検出した際に、これを記憶すると共に、前記第2異常判断部72が継続して前記パワーステアリング装置の異常が判断されている場合にあっては、継続時間を記憶するようになっている。

0068

また、前記第1異常判断部用記憶部82と第2異常判断部用記憶部83は、それぞれ別個独立したものであり、例えば、一方の記憶部である前記第2異常判断部用記憶部83に異常が発生した場合であっても、リセット記憶情報消去)されるのは該第2異常判断部用記憶部83のみであり、他方の記憶部である前記第1異常判断部用記憶部82に記憶された情報は消去されないようになっている。

0069

前記フェイルセーフ処理部63は、警告灯点灯指令信号出力部84を有している。この警告灯点灯指令信号出力部84は、前記第1異常判断部71における切り込み時判断部77および切り戻し時判断部78、並びに前記第2異常判断部72のうち、少なくともいずれか一つにおいて前記パワーステアリング装置の異常が判断された場合に、車両のインストルメントパネルに設けられた図示外の警告灯を点灯させる指令信号を出力し、これによって運転者に注意喚起するようになっている。

0070

次に、図11〜13に示すフローチャートに基づいて、本実施形態に係るECU27での前記パワーステアリング装置の異常判断の具体的な処理について説明する。

0071

なお、以下の説明においては、前記操舵トルク信号Tr、舵角信号θs及び操舵速度信号ωsは、前記ステアリングホイールを右方向へ操舵した場合にそれぞれ正の値が出力される一方、前記ステアリングホイールを左方向へ操舵した場合にそれぞれ負の値が出力されるものとする。

0072

まず、図11に示すように、前記水検出信号Sigのデータを取り込み(ステップS101)、該水検出信号Sigの値が「1」であるか否か、すなわち前記水検出センサ37によって前記パワーステアリング装置の異常が検出されたか否かを判断し(ステップS102)、Yesと判断された場合には、車両側への異常通知、すなわち車両のインストルメントパネル上の警告灯を点灯させることによる運転者への注意喚起を行い(ステップS103)、本プログラムが終了する。

0073

一方、前記ステップS102にてNoと判断された場合には、前記トルクセンサ10により検出された操舵トルク信号Trを取り込み(ステップS104)、さらに前記舵角センサ11により検出された舵角信号θsを取り込む(ステップS105)。続いて、ステップS105で取り込んだ舵角信号θsを時間微分して操舵速度信号ωsを演算し(ステップS106)、前記車速センサ45により検出された車速信号Vsを取り込む(ステップS107)。その後、切り込み時判断ロジックLogic1(図12参照)及び切り戻し時判断ロジックLogic2(図13参照)へと移行する。

0074

前記切り込み時判断ロジックLogic1では、図12に示すように、まず、車速信号Vsが所定値Vx1(本実施形態では15km/h)以上であるか否かを判断し(ステップS201)、Noと判断された場合には、後述する異常検出カウンタCntrが所定値Cntrx(本実施形態では「5」)以上であるか否かを判断する(ステップS210)。前記ステップS210において、Yesと判断された場合には、前記パワーステアリング装置に異常が発生したと確定して、切り込み時判断ロジック異常確定フラグL1をセットした後(ステップS211)、図11に示す後述のステップS108へ移行する。一方、Noと判断された場合には、切り込み時判断ロジックLogic1においては前記パワーステアリング装置の異常が検出されなかったものとして、ステップS108へ移行する。

0075

前記ステップS201においてYes(車速信号Vsが15km/h以上)と判断された場合には、操舵トルク信号Trを8〜12Hzの周波数帯、20〜25Hzの周波数帯及び40〜50Hzの周波数帯でバンドパスフィルタ処理して(ステップS202〜S204)、各周波数帯における周波数成分のピークレベルTrplを算出する(ステップS205)。続いて、車両が直進走行中であるか否かを判断する(ステップS206)。本実施形態では、車速信号Vsが15km/hよりも大きい場合において、操舵トルク信号Trが所定値Tx1(本実施形態では1Nm)よりも小さく、かつ舵角信号θsが所定値θx1(本実施形態では30度)よりも小さく、かつ操舵速度信号ωsが所定値ωx1(本実施形態では5度/秒)よりも小さいことをもって直進走行中と判断する。

0076

前記ステップS206においてYesと判断された場合には、続いて車両が悪路走行中であるか否かを判断する(ステップS207)。なお、本実施形態では、車速信号Vsが15km/h以上の直進走行中において、8〜12Hz,20〜25Hz,40〜50Hzの3つの周波数範囲の周波数成分のピークレベルTrpl1〜Trpl3のうち一つでも所定値Trplx(本実施形態では0.5Nm)以上であれば悪路と判断する。

0077

前記ステップS207において、Yesと判断された場合には、後述する良路カウンタCntgをクリアし(ステップS208)、後述する良路走行タイマーTntgをクリアして(ステップS209)、前記ステップS210へ移行する。一方、No(良路走行中)と判断された場合には、良路走行タイマーTntgをインクリメントした後(ステップS212)、該良路走行タイマーTntgが所定値Tntgx(本実施形態では2秒)以上であるか否かを判断する(ステップS213)。このステップS213において、Noと判断された場合には直接ステップS210に移行する一方、Yesと判断された場合には良路カウンタCntgをインクリメントした後(ステップS214)、ステップS210に移行する。

0078

前記ステップS206においてNo(操舵操作中である)と判断された場合には、続いて操舵速度信号ωsの絶対値が前述した所定値ωx1(30度)以上でかつ、所定値ωy1(本実施形態では90度)以下であるか否かを判断する(ステップS215)。ここで、Noと判断された場合にはステップS210に移行し、Yesと判断された場合には、良路カウンタCntgが所定値Cntgx(本実施形態では「1」)以上であるか否かを判断する(ステップS216)。このステップS216において、Noと判断された場合にはステップS210に移行し、Yesと判断された場合にはステップS217に移行する。

0079

前記ステップS217では、前記各ピークレベルTrpl〜Trpl3のすべてが所定値Trplx(本実施形態では0.5Nm)以下であるか否かを判断する。ここで、Yesと判断された場合には、異常検出カウンタCntrをデクリメントまたはクリアし(ステップS222)、異常検出タイマーTntrをクリアした後(ステップS223)、ステップS210へ移行する。一方、Noと判断された場合には、8〜12Hz,40〜50HzのピークレベルTrpl1,Trpl3がそれぞれ所定値Trplx(0.5Nm)以下で、かつ20〜25HzのピークレベルTrpl2が異常判断閾値Trply(本実施形態では0.8Nm)以上であるか否かを判断する(ステップS218)。

0080

前記ステップS218において、Noと判断された場合には、異常検出タイマーTntrをクリアして(ステップS223)、ステップS210へ移行する一方、Yesと判断された場合には、異常検出タイマーTntrをインクリメントした後(ステップS219)、この異常検出タイマーTntrが所定値Tntrx(本実施形態では0.5秒)以上であるか否かを判断する(ステップS220)。ここで、Noと判断された場合には直接ステップS210へ移行する一方、Yesと判断された場合には異常検出カウンタCntrをインクリメントした後(ステップS221)、ステップS210へ移行する。

0081

図13に示す切り戻し時判断ロジックLogic2では、まず、車速信号Vsが所定値Vx2(本実施形態では15km/h)よりも大きいか否かを判断し(ステップS301)、Noと判断された場合には、後述する保舵時操舵トルク信号Tsをデフォルト値Ds(本実施形態では「0」)に戻すと共に、保舵解除時操舵トルク信号Tdをデフォルト値Dd(本実施形態では「0」)に戻し(ステップS331)、後述する保舵時操舵トルク取り込みフラグFsをリセットした後(ステップS332)、異常検出カウンタCntrが前記所定値Cntrx以上であるか否かを判断する(ステップS307)。ここで、Yesと判断された場合には、前記パワーステアリング装置に異常が発生したと確定し、切り戻し時判断ロジック異常確定フラグL2をセットした後、(ステップS308)、図11に示す後述のステップS108へ移行する。一方、Noと判断された場合には、切り戻し時判断ロジックLogic2においては前記パワーステアリング装置の異常が検出されなかったものとして、ステップS108へと移行する。

0082

一方、前記ステップS301において、Yesと判断された場合には、続いて舵角信号θsの絶対値が所定値θx2(本実施形態では10度)よりも大きいか否かを判断する(ステップS302)。

0083

前記ステップS302において、Noと判断された場合には、保舵時操舵トルク信号Ts及び保舵解除時操舵トルク信号Tdをそれぞれデフォルト値Ds,Ddに戻し(ステップS331)、保舵時操舵トルク取り込みフラグFsをリセットした後(ステップS332)、ステップS307に移行する。一方、Yesと判断された場合には、さらに操舵速度信号ωsの絶対値が所定値ωx2(本実施形態では5度/秒)よりも小さいか否か、すなわち前記ステアリングホイールが保舵状態にあるか転舵状態にあるかを判断する(ステップS303)。

0084

前記ステップS303において、Yes(保舵時)と判断された場合には、保舵時操舵トルク取り込みフラグFsがセットされているか否かを判断する(ステップS304)。ここで、Noと判断された場合には、その時点における操舵トルク信号Trを保舵時操舵トルク信号Tsとして取り込み(ステップS305)、保舵時操舵トルク取り込みフラグFsをセットした後(ステップS306)、ステップS307へ移行する。また、Yesと判断された場合には、既に保舵時操舵トルク信号Tsは取り込まれているものとして、直接ステップS307へ移行する。

0085

一方、前記ステップS303において、No(操舵時)と判断された場合にも、前記ステップS304と同様に保舵時操舵トルク取り込みフラグFsがセットされているか否かを判断する(ステップS309)。ここで、Noと判断された場合にはステップS331へ移行する一方、Yesと判断された場合には、その時点における操舵トルク信号Trを保舵解除時操舵トルク信号Tdとして取り込み(ステップS310)、保舵時操舵トルク取り込みフラグFsをリセットした後(ステップS311)、保舵時操舵トルク信号Tsが0以上であるか否か、すなわち前記ステアリングホイールが右方向に操舵されたか左方向に操舵されたかを判断する(ステップS312)。

0086

前記ステップS312において、Yes(右方向操舵)と判断された場合には、続いて保舵時操舵トルク信号Tsが保舵解除時操舵トルク信号Tdよりも大きいか否か、すなわち保舵状態から前記ステアリングホイールを切り戻したか判断する(ステップS313)。ここで、No(切り込み時)と判断された場合には、保舵時操舵トルク信号Ts及び保舵解除時操舵トルク信号Tdをそれぞれデフォルト値Ds,Ddに戻した後(ステップS321)、ステップS307へ移行する。一方、Yes(切り戻し時)と判断された場合には、保舵時操舵トルク信号Tsから保舵解除時操舵トルク信号Tdを減算して得られる差分ΔTtを算出した後(ステップS314)、該差分ΔTtの絶対値が異常判断閾値Txよりも大きいか否かを判断する(ステップS315)。

0087

ここで、前記ステップS315においてYesと判断された場合においては、前記ステアリングホイールを保舵状態から切り戻す際に引っかかりが生じており、前記パワーステアリング装置に異常がある可能性が高いことから、異常検出カウンタCntrをインクリメントする(ステップS316)。そして、保舵時操舵トルク信号Ts及び保舵解除時操舵トルク信号Tdをそれぞれデフォルト値Ds,Ddに戻した後(ステップS317)、ステップS307へ移行する。

0088

一方、前記ステップS315においてNoと判断された場合においては、保舵時操舵トルク信号Ts及び保舵解除時操舵トルク信号Tdをそれぞれデフォルト値Ds,Ddに戻し(ステップS318)、保舵時操舵トルク取り込みフラグFsをリセットし(ステップS319)、異常検出カウンタCntrをクリアした後(ステップS320)、ステップS307へ移行する。

0089

また、前記ステップS312において、No(左方向操舵)と判断された場合には、続いて保舵解除時操舵トルク信号Tdが保舵時操舵トルク信号Tsよりも大きいか否か、すなわち保舵状態から前記ステアリングホイールを切り戻したか切り込んだかを判断する(ステップS322)。ここで、No(切り込み時)と判断された場合には、保舵時操舵トルク信号Ts及び保舵解除時操舵トルク信号Tdをそれぞれデフォルト値Ds,Ddに戻した後(ステップS330)、ステップS307へ移行する。一方、Yes(切り戻し時)と判断された場合には、保舵解除時操舵トルク信号Tdから保舵時操舵トルク信号Tsを減算して得られる差分ΔTtを算出する(ステップS324)。その後、前記差分ΔTtの数値に基づき異常の判断を行うこととなるが、ステップS324〜S329の処理はそれぞれ前記ステップS315〜S320と同一のものであるから具体的な説明は省略する。

0090

そして、図11で示すステップS108において、前記切り込み時判断ロジックLogic1及び切り戻し時判断ロジックLogic2の少なくともいずれか一方において異常が検出されたか否かを判断する(ステップS108)。

0091

すなわち、前記ステップS108では、前記切り込み時判断ロジック異常確定フラグL1または切り戻し時判断ロジック異常確定フラグL2のいずれかのフラグがセットされているか否かを判断し、Yesと判断された場合には、車両側への異常通知、すなわち車両のインストルメントパネル上の警告灯を点灯させることによる運転者への注意喚起を行い(ステップS109)、本プログラムが終了する。一方、Noと判断された場合には、前記パワーステアリング装置の異常は発生していないものとして、本プログラムが終了する。
〔第1実施形態の作用効果
以上のように構成されたパワーステアリング装置等によれば、前記第2異常判断部72が前記水検出センサ37による前記ハウジング3内の水の検出に基づいて前記パワーステアリング装置の異常判断を行う一方、前記第1異常判断部71が前記水検出センサ37による検出が困難な砂や埃等の異物の侵入を操舵情報に基づき検出して前記パワーステアリング装置の異常判断を行うことによって、多面的にパワーステアリング装置の異常を判断することができる。

0092

また、本実施形態では、前記第1異常判断部71が、切り込み時と切り戻し時といった異なる操舵条件時における操舵情報に基づき、前記パワーステアリング装置の異常判断を行う前記切り込み時判断部77と切り戻し時判断部78とを備えていることから、操舵条件毎により適切な異常判断を行うことができる。

0093

さらに、本実施形態では、前記異常判断部62に前記第1異常判断部用記憶部82と第2異常判断部用記憶部83とをそれぞれ別個独立した状態に設けたことから、前記両記憶部82,83のいずれか一方に異常が生じたとしても、その一方の記憶部のみ記憶情報をリセットすればよく、他方の記憶部の記憶情報に影響を与えることがない。これによって、前記他方の記憶部の記憶情報についてはリセットすることなく、該他方の記憶部側の異常判断部によるパワーステアリング装置の異常判断を継続的に行えることから、該パワーステアリング装置の異常検出の早期化を図ることが可能となる。

0094

ところで、前記第2異常判断部72が前記パワーステアリング装置の異常と判断した場合には、前記ハウジング3内部に水が浸入していることから、時間経過に伴い錆が増えて操舵負荷が増大していく可能性が高い。このような場合において、操舵負荷の増大に伴って前記モータ指令信号Ioを大きく増加補正してしまうと、操舵負荷が軽くなる一方、検出される操舵トルク信号Trの値が小さくなって、前記第1異常判断部71による異常の判断が満足に行えなくなってしまうおそれがある。

0095

そこで、本実施形態では、前記モータ指令信号演算部64において、前記第2異常判断部72によって前記パワーステアリング装置の異常が判断された場合においては、出力するモータ指令信号Ioが前記パワーステアリング装置の正常時において演算されるモータ指令信号の値を超えないようにした。これにより、前記電動モータ26から出力される操舵アシスト力が抑えられて、前記トルクセンサ10によって検出される操舵トルク信号Trが上昇することから、前記第1異常判断部71による前記パワーステアリング装置の異常検出の早期化を図ることができる。
〔第2実施形態〕
図14〜16は、本発明の第2実施形態に係るパワーステアリング装置の異常判断制御のフローチャートであって、前記第1実施形態のパワーステアリング装置の異常判断制御フローにおける前記各ロジックLogic1,Logic2による異常の確定方法を変更したものである。なお、本実施形態では、フローの一部が変わるのみで、基本的には前記第1実施形態と同じ構成であるから、該第1実施形態と同じ構成(処理)については同一の符号を付すことにより、具体的な説明は省略する(以下の各実施形態に同じ)。

0096

すなわち、本実施形態に係るパワーステアリング装置の異常判断制御フローでは、図14に示すように、前記水検出センサ37による前記パワーステアリング装置の異常が検出されたか否かを判断するステップS102でNoと判断された場合に、各種信号を取り込んだ後(ステップS104〜S107)、まず切り込み時判断ロジックLogic1へ移行する。

0097

本実施形態に係る切り込み時判断ロジックLogic1では、図15に示すように、前記第1実施形態の切り込み時判断ロジックLogic1における前記ステップS210,S211が廃止され、代わりに前記ステップS220において異常検出タイマーTntrが所定値以上であると判断された場合に、ロジック診断継続フラグFtをセットしたうえで(ステップS224)、前記ステップS210へ移行するようになっている。さらに、前記ステップS223において異常検出タイマーTntrをクリアした後は、前記ロジック診断継続フラグFtをリセットしてステップS210へ移行する。

0098

そして、前記切り込み時判断ロジックLogic1の処理が終わると、続いて前記ロジック診断継続フラグFtがセットされているか否かの判断を行い(ステップS110)、ここでNoと判断された場合には本プログラムを終了する一方、Yesと判断された場合には、切り戻し時判断ロジックLogic2へ移行する。

0099

本実施形態に係る切り戻し時判断ロジックLogic2では、図16に示すように、前記第1実施形態の切り戻し時判断ロジックLogic2における前記ステップS307,S308を廃止し、代わりに前記ステップS317,S320,S321,S326,S329,S330及びS332の処理後に、前記ステップS224でセットされたロジック診断継続フラグFtをリセットする処理が追加されている(ステップS333〜339)。

0100

そして、前記切り戻し時判断ロジックLogic2の処理が終わると、続いて前記異常検出カウンタCntrが所定値Cntrx以上であるか否かを判断し(ステップS111)、ここでNoと判断された場合には本プログラムを終了する一方、Yesと判断された場合には、前記パワーステアリング装置に異常が生じていると判断して車両側への異常通知を行ったうえで(ステップS112)、本プログラムを終了する。

0101

このように、本実施形態では、第1異常判断部71において、前記切り込み時判断部77が操舵トルク信号Trの周期的な変化の検出に基づき前記パワーステアリング装置が異常状態にあると判断され、かつ前記切り戻し時判断部78が前記ステアリングホイールを切り戻す際の操舵トルク信号Trの変化量に基づき前記パワーステアリング装置が異常状態にあると判断された場合に、該パワーステアリング装置の異常と判断する。これによって、第1異常判断部71による前記パワーステアリング装置の異常判断がより確実なものとなり、誤った判断の抑制を図ることができる。
〔第3実施形態〕
図17は、本発明の第3実施形態に係るパワーステアリング装置の異常判断制御のフローチャートである。

0102

本実施形態は、前記第2実施形態に係る制御内容において、水検出後にフラグをセットし、該フラグの有無により切り込み時判断ロジックLogic1及び切り戻し時判断ロジックLogic2の異常判断を行うこととしたものである。

0103

具体的に説明すると、本実施形態のパワーステアリング装置の異常判断制御のフローでは、前記水検出信号Sigのデータを取り込み(ステップS101)、該水検出信号Sigの値が「1」であるか否か、すなわち前記水検出センサ37による前記パワーステアリング装置の異常が検出されたか否かを判断し(ステップS102)、Yesと判断された場合には、ロジック診断開始フラグFuをセットし(ステップS113)、ステップS114へ移行する一方、Noと判断された場合には、直接ステップS114へ移行する。

0104

そして、前記ステップS114において前記ロジック診断開始フラグFuがセットされているか否かを判断し、Noと判断された場合には本プログラムが終了する。一方、Yesと判断された場合には、ステップS104へ移行する。

0105

なお、以下のステップS104〜S112の処理は前記第2実施形態と同一の内容であるから具体的な説明は省略する。

0106

このように、本実施形態では、前記第2異常判断部72が前記ハウジング3内の水の検出に基づき前記パワーステアリング装置が異常状態にあると判断し、かつ前記切り込み時判断部77が操舵トルク信号Trの周期的な変化の検出に基づき前記パワーステアリング装置が異常状態にあると判断し、かつ前記切り戻し時判断部78が前記ステアリングホイールを切り戻す際の操舵トルク信号Trの変化量に基づき前記パワーステアリング装置が異常状態にあると判断した場合に、前記パワーステアリング装置の異常と判断することとした。これによって、異常判断部71による前記パワーステアリング装置の異常判断がより一層確実なものとなり、誤った判断をさらに抑制することができる。なお、この実施形態は、水の浸入に基づく錆の発生による前記パワーステアリング装置の故障を判断する場合において、特に有効となる。
〔第4実施形態〕
図18及び図19は、本発明に係るパワーステアリング装置等の第4実施形態を示し、前記第1実施形態のフェイルセーフ処理部63に操舵アシスト力の制限機能を追加したものである。

0107

図18は、本発明の第4実施形態に係るECU27の演算回路構成を示す制御ブロック図である。

0108

図示のように、第4実施形態に係るフェイルセーフ処理部63には、前記第1実施形態の構成に加えて、前記電動モータ26に流れる電流値が減少するようにモータ通電量の制限を行う通電量制限部85が設けられている。

0109

この通電量制限部85は、前記第1異常判断部71の切り込み時判断部77と切り戻し時判断部78の少なくともいずれか一方が前記パワーステアリング装置の異常と判断した場合に作動するもので、前記リミッタ処理部65に対してモータ指令信号Ioの上限値を通常時よりもさらに制限するように指令信号を送信するか、あるいは前記モータ指令信号演算部64のアシストMap68を、通常時よりも低いモータ指令信号Ioが算出されるものに変更することで、モータ通電量の制限を行うようになっている。

0110

図19は、本発明の第4実施形態に係るパワーステアリング装置の異常判断制御のフローチャートである。すなわち、本実施形態では、ステップS108においてYesと判断された場合(異常確定判断がされた場合)に、車両側への異常通知を行った後(ステップS109)、前述したような手段でモータ通電量を制限して(ステップS115)、プログラムが終了する。

0111

したがって、本実施形態によれば、操舵操作に直接的に悪影響を及ぼさない水の浸入段階においてはフェイルセーフ処理を車両側への異常通知に留めて通常通り操舵アシストを行い、浸入した水に起因する錆等の影響により操舵操作に悪影響が生じる段階になると、これを検知してモータ通電量を制限するようにしたことから、操舵負荷の低減と安全性の向上との両立を図ることができる。
〔第5実施形態〕
図20は、本発明に係るパワーステアリング装置等の第5実施形態を示し、第4実施形態に係る制御内容において、水検出後にリミッタ処理の有無を判断したうえで切り込み時判断ロジックLogic1及び切り戻し時判断ロジックLogic2の異常判断を行うこととしたものである。

0112

図20は、本発明の第5実施形態に係るパワーステアリング装置の異常判断制御のフローチャートである。すなわち、本実施形態のフローでは、ステップS102でNoと判断された場合(水検出による異常判断がされなかった場合)に、続いて前記リミッタ処理部65によるモータ指令信号Ioの制限が行われているか否かを判断する(ステップS116)。

0113

なお、このステップS116では、前記第1異常判断部71の判断結果に応じて前記通電量制限部85が行うモータ指令信号Ioの制限は考慮せず、前記リミッタ処理部65自身によるモータ指令信号Ioの制限が行われているか否かに基づき判断される。

0114

そして、前記ステップS116において、Noと判断された場合には、前記ステップS104に移行して、以後、前記各ロジックLogic1,Logic2による前記パワーステアリング装置の異常判断が行われる一方、Yesと判断された場合には、そのまま前記各ロジックLogic1,Logic2による前記パワーステアリング装置の異常判断を行うことなく、本プログラムが終了する。

0115

一般に、前記電動モータ26の過熱等の要因によってモータ指令信号Ioの制限が行われている場合には、操舵アシスト力も小さくなることから操舵負荷が増大して、前記ステアリングホイールに入力される操舵トルク信号Trも大きなものとなる。このような場合に前記第1異常判断部71による前記パワーステアリング装置の異常判断を行うと、誤った判断が下されるおそれがある。

0116

これに対し、本実施形態では、前記リミッタ処理部65によるモータ指令信号Ioの制限が行われている場合には、前記第1異常判断部71による前記パワーステアリング装置の異常判断を行わないようにしたことから、前記第1異常判断部71による誤判断を抑制することができる。
〔第6実施形態〕
図21は、本発明に係るパワーステアリング装置等の第6実施形態を示し、前記第4実施形態に係る異常判断の制御内容において、水検出の異常判断後、異常の有無により前記各ロジックLogic1,Logic2の閾値を変更したうえで該各ロジックLogic1,Logic2の異常判断を行うこととしたものである。

0117

図21は、本発明の第6実施形態に係るパワーステアリング装置の異常判断制御のフローチャートである。

0118

図示のように、この実施形態では、前記水検出センサ37によって異常が検出されたか否かを判断する前記ステップS102において、Yesと判断された場合、Noと判断された場合のどちらであってもロジックによる異常判断を行うようになっている。

0119

さらに、本実施形態では、前記ステップS102においてYesと判断された場合、つまり前記水検出センサ37によって水が検出されたと判断された場合に、車両側への異常通知を行い(ステップS103)、前記第1異常判断部71が前記パワーステアリング装置の異常を判断するための判断閾値を下げる処理を行った後(ステップS117)、ステップS104へ移行するようになっている。

0120

ここで、前記判断閾値とは、前記切り込み時判断ロジックLogic1における異常判断閾値Trplyと、前記切り戻し時判断ロジックLogic2における異常判断閾値Txのことを示している。

0121

このように、本実施形態では、前記水検出センサ37によって水が検出された場合、つまり錆の発生が疑わしいとされる場合には、前記各ロジックLogic1,Logic2における異常判断閾値Trply,Txを下げて異常判断を行うようにしたことから、誤判断を抑制しつつ前記パワーステアリング装置の異常検出の早期化を図ることができる。
〔第7実施形態〕
図22は、本発明の第7実施形態に係るパワーステアリング装置の異常判断制御のフローチャートであって、前記第6実施形態に係る異常判断において、ステップS117を廃止し、代わりにモータ通電量を制限するステップS118を追加したものである。

0122

本実施形態に係る通電量制限部85は、前記両判断部71,72が前記パワーステアリング装置の異常と判断したときのモータ通電量の制限値よりも、前記第1異常判断部71のみが前記パワーステアリング装置の異常と判断したときのモータ通電量の制限値が大きくなるように設定されている。

0123

具体的には、通常時のモータ通電量を100%とした場合において、前記両判断部71,72が共に異常と判断した際には、モータ通電量が37.5%となるように制限値を設定するところ、前記第1異常判断部71のみが異常と判断した際には、モータ通電量が50%となるように制限値を設定する。

0124

本実施形態のように、前記水検出センサ37による水の検出と、操舵情報に基づくロジックとを複合させて前記パワーステアリング装置の異常判断を行う場合にあっては、その判断結果から異常の要因を推測することができる。

0125

すなわち、前記第1,第2異常判断部71,72の両方が前記パワーステアリング装置の異常と判断した場合には、前記ハウジング3内に水が浸入して錆が発生したことが異常の要因であると推測する一方、前記第1異常判断部71のみが前記パワーステアリング装置の異常と判断した場合には、前記ハウジング3内に砂や埃等の異物が侵入したと推測することができる。

0126

ここで、前記パワーステアリング装置に錆が発生した場合と砂や埃等の異物が侵入した場合との操舵操作性を比較すると、後者の方が運転者にかかる操舵負荷が上昇しやすい。このため、錆の発生時には、モータ通電量を大きく制限しても操舵負荷が大きく上昇することはないが、砂や埃等の異物が侵入した場合においては、モータ通電量を大きく制限してしまうと、操舵負荷が過剰に上昇してしまうおそれがある。

0127

そこで、本実施形態では、基本的には前記異常判断部71が前記パワーステアリング装置の異常と判断した場合にはモータ通電量を大きく制限するものの、砂や埃等の異物が侵入したと考えられる場合には、モータ通電量の制限を緩くすることで比較的大きな操舵アシスト力を付与するようにした。この結果、砂や埃等の異物が侵入したと考えられる場合における前記操舵負荷の増大を抑制することができる。
〔第8実施形態〕
図23は、本発明の第8実施形態に係るパワーステアリング装置の異常判断制御のフローチャートであって、前記第6実施形態に係る異常判断制御において、ステップS117を廃止すると共に、ステップS108においてNoと判断された場合、すなわちロジックによる異常の確定がなされなかった場合には、ステップS119へ移行して水検出の判断の正誤を判断するようした。

0128

すなわち、このステップS119では、前記第2異常判断部用記憶部83の記憶情報に基づき、前記第2異常判断部72が前記パワーステアリング装置の異常と判断してから所定時間が経過したか否か、あるいは車両の停止及び始動所定回数以上繰り返されているか否かを判断する。ここで、Noと判断された場合には本プログラムが終了する一方、Yesと判断された場合には、水検出センサの異常と判断し(ステップS120)、車両側への異常通知をクリアした後(ステップS121)、本プログラムが終了する。

0129

前記第2異常判断部72によって前記パワーステアリング装置の異常と判断された場合には、前記ハウジング3内に水が浸入し、この浸入した水を要因とする錆が発生することにより、前記第1異常判断部71によっても前記パワーステアリング装置の異常と判断される可能性が高い。

0130

それにも関わらず、所定時間の経過または所定回数以上の車両の停止及び始動が繰り返されても前記第1異常判断部71によって前記パワーステアリング装置の異常と判断されない場合には、前記第2異常判断部72に異常が生じている、または、前記ハウジング3内に浸入した水が微少量であって錆の発生には至らなかった等の状況にあると考えられる。

0131

本実施形態では、このような場合に前記第2異常判断部72に異常が発生したと判断して、前記警告灯点灯指令信号出力部84による車両側への異常通知をクリアするようにしたことで、運転者に対する不要な注意喚起を抑制することができる。

0132

また、従来の水検出のみに基づき異常判断を行うパワーステアリング装置にあっては、水検出センサに異常が生じているとしても、この異常状態の水検出センサの判断結果に基づいて、不要に操舵アシスト力が制限されてしまうおそれがあった。

0133

これに対して、本実施形態では、前記第2異常判断部72に異常が生じている場合には、前記第1異常判断部71に基づいて前記パワーステアリング装置の異常を判断すると共に、その判断結果に基づき前記通電量制限部85によってモータ通電量の制限を行うようにしたことから、異常の生じた第2異常判断部72の判断に基づいて不要に操舵アシスト力が制限される不都合を回避できる。この結果、操舵アシストの継続性を向上させることができる。

0134

本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で装置の仕様等に合わせて適宜構成を変更することが可能である。

0135

例えば、前記第1異常判断部71による前記パワーステアリング装置の異常判断制御処理は、本実施形態に示したような制御内容に限られず、操舵操作が行われているときの操舵トルク信号Tr、モータ回転数N、または操舵速度信号ωsの信号に基づき前記パワーステアリング装置の異常が判断できるものであればよい。

0136

また、本実施形態では、前記切り込み時判断部77は、操舵トルク信号Trをバンドパスフィルタ処理して、操舵トルク信号Trの所定周波数範囲内における信号が周期的な変化を有しているか否かを判断することにより、前記パワーステアリング装置の異常判断を行うものと説明した。しかしながら、操舵トルク信号Trに周期的な変化が見られる場合には、同様にモータ回転数Nや操舵速度信号ωsにも周期的な変化があらわれることから、該モータ回転数Nや操舵速度信号ωsを前記切り込み時判断部77による前記パワーステアリング装置の異常判断に供することも可能である。

0137

以上説明した実施形態に基づくパワーステアリング装置及びパワーステアリング装置の制御装置としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。

0138

パワーステアリング装置の制御装置は、その一つの態様において、ステアリングホイールの回転を転舵輪に伝達する操舵機構と、前記操舵機構に操舵力を付与する電動モータと、前記操舵機構と前記電動モータの間に設けられ、該電動モータの回転力を前記操舵機構に伝達する伝達機構と、前記操舵機構の少なくとも一部、前記伝達機構、および前記電動モータを収容するハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、該ハウジング内の水分を検知する水分検知素子と、前記操舵機構に発生する操舵トルクを検出するトルクセンサと、を備えたパワーステアリング装置の制御装置であって、前記操舵トルクに基づき、前記電動モータを駆動制御するモータ指令信号を演算するモータ指令信号演算部と、前記操舵トルクの信号が入力されるトルク信号受信部と、前記電動モータの回転数の信号が入力されるモータ回転数信号受信部と、前記ステアリングホイールの操舵速度の信号が入力される操舵速度信号受信部と、操舵操作が行われているときの前記操舵トルク、前記電動モータの回転数、または前記操舵速度の信号に基づき前記パワーステアリング装置の異常と判断する第1異常判断部と、前記水分検知素子が水分を検知したとき前記パワーステアリング装置の異常と判断する第2異常判断部と、を有する。

0139

前記パワーステアリング装置の制御装置の好ましい態様において、前記第1異常判断部は、前記ステアリングホイールを切り込み方向に操舵操作するときの前記操舵トルク、前記モータの回転数、または前記操舵速度の信号が所定周波数範囲内において周期的な変化を有するか否かを判断する切り込み時判断部と、前記ステアリングホイールを切り込み方向から切り戻し方向へ操舵方向を切り換えたときの領域を含む所定領域における前記操舵トルクの変化を検出する切り戻し時判断部と、を備え、前記切り込み時判断部または前記切り戻し時判断部の判断結果に基づき前記パワーステアリング装置の異常と判断する。

0140

別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記第1異常判断部は、前記切り込み時判断部が前記周期的な変化を検出し、かつ前記切り戻し判断部が前記操舵トルクの変化が所定値以上であると判断したとき、前記パワーステアリング装置の異常と判断する。

0141

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、車両の警告灯を点灯させる指令信号を出力する警告灯点灯指令信号出力部と、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断するとき、前記電動モータに流れる電流値が減少するように通電量の制限を行う通電量制限部と、を有する。

0142

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記モータ指令信号を制限する指令信号制限部を備え、前記第1異常判断部は、前記指令信号制限部が前記モータ指令信号の制限を行っているとき、前記パワーステアリング装置の異常の判断を行わない。

0143

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記第1異常判断部は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、前記パワーステアリング装置の異常と判断するための判断閾値を下げる。

0144

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第1異常判断部用記憶部と、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第2異常判断部用記憶部を備え、前記第2異常判断部用記憶部に異常が生じたとき、前記第2異常判断部用記憶部に記憶された情報を消去し前記第1異常判断部用記憶部に記憶された情報は消去しない。

0145

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記モータ指令信号演算部は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、前記パワーステアリング装置の正常時に車両速度および前記操舵トルクから演算される前記モータ指令信号よりも実際に前記電動モータに出力される前記モータ指令信号が上回らないようにモータ指令信号を演算する。

0146

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断するとき、前記電動モータに流れる電流値が減少するように通電量の制限を行う通電量制限部を備え、前記通電量制限部は、前記第1異常判断部および前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したときの通電量の制限値よりも前記第1異常判断部のみで前記パワーステアリング装置の異常と判断したときの通電量の制限値が大きくなるように通電量の制限を行う。

0147

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記第2異常判断部で前記パワーステアリング装置の異常と判断された後、所定時間経過または車両の停止および始動が所定回数繰り返された後においても前記第1異常判断部において前記パワーステアリング装置の異常と判断されないとき、前記第2異常判断部による判断が誤判断であると判断する。

0148

パワーステアリング装置は、その一つの態様において、ステアリングホイールの回転を転舵輪に伝達する操舵機構と、前記操舵機構に操舵力を付与する電動モータと、前記操舵機構と前記電動モータの間に設けられ、該電動モータの回転力を前記操舵機構に伝達する伝達機構と、前記操舵機構の少なくとも一部、前記伝達機構、および前記電動モータを収容するハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、該ハウジング内の水分を検知する水分検知素子と、前記操舵機構に発生する操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記電動モータを駆動制御する制御装置と、を備えたパワーステアリング装置であって、前記制御装置は、前記操舵トルクに基づき、前記電動モータを駆動制御するモータ指令信号を演算するモータ指令信号演算部と、前記操舵トルクの信号が入力されるトルク信号受信部と、前記電動モータの回転数の信号が入力されるモータ回転数信号受信部と、前記ステアリングホイールの操舵速度の信号が入力される操舵速度信号受信部と、操舵操作が行われているときの前記操舵トルク、前記電動モータの回転数、または前記操舵速度の信号に基づき前記パワーステアリング装置の異常と判断する第1異常判断部と、前記水分検知素子が水分を検知したとき前記パワーステアリング装置の異常と判断する第2異常判断部と、を有する。

0149

前記パワーステアリング装置の好ましい態様において、前記第1異常判断部は、前記ステアリングホイールを切り込み方向に操舵操作するときの前記操舵トルク、前記モータの回転数、または前記操舵速度の信号が所定周波数範囲内において周期的な変化を有するか否かを判断する切り込み時判断部と、前記ステアリングホイールを切り込み方向から切り戻し方向へ操舵方向を切り換えたときの領域を含む所定領域における前記操舵トルクの変化を検出する切り戻し時判断部と、を備え、前記切り込み時判断部または前記切り戻し時判断部の判断結果に基づき前記パワーステアリング装置の異常と判断する。

0150

別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記第1異常判断部は、前記切り込み時判断部が前記周期的な変化を検出し、かつ前記切り戻し判断部が前記操舵トルクの変化が所定値以上であると判断したとき、前記パワーステアリング装置の異常と判断する。

0151

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記パワーステアリング装置は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、車両の警告灯を点灯させる指令信号を出力する警告灯点灯指令信号出力部と、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断するとき、前記電動モータに流れる電流値が減少するように通電量の制限を行う通電量制限部と、を有する。

0152

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記パワーステアリング装置は、前記モータ指令信号を制限する指令信号制限部を備え、前記第1異常判断部は、前記指令信号制限部が前記モータ指令信号の制限を行っているとき、前記パワーステアリング装置の異常の判断を行わない。

0153

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記第1異常判断部は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、前記パワーステアリング装置の異常と判断するための判断閾値を下げる。

0154

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記パワーステアリング装置は、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第1異常判断部用記憶部と、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したことを記憶する第2異常判断部用記憶部を備え、前記第2異常判断部用記憶部に異常が生じたとき、前記第2異常判断部用記憶部に記憶された情報を消去し前記第1異常判断部用記憶部に記憶された情報は消去しない。

0155

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記モータ指令信号演算部は、前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したとき、前記パワーステアリング装置の正常時に車両速度および前記操舵トルクから演算される前記モータ指令信号よりも実際に前記電動モータに出力される前記モータ指令信号が上回らないように前記電動モータを駆動制御する。

0156

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記パワーステアリング装置は、前記第1異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断するとき、前記電動モータに流れる電流値が減少するように通電量の制限を行う通電量制限部を備え、前記通電量制限部は、前記第1異常判断部および前記第2異常判断部が前記パワーステアリング装置の異常と判断したときの通電量の制限値よりも前記第1異常判断部のみで前記パワーステアリング装置の異常と判断したときの通電量の制限値が大きくなるように通電量の制限を行う。

0157

さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記パワーステアリング装置は、前記第2異常判断部で前記パワーステアリング装置の異常と判断された後、所定時間経過または車両の停止および始動が所定回数繰り返された後においても前記第1異常判断部において前記パワーステアリング装置の異常と判断されないとき、前記第2異常判断部による判断が誤判断であると判断する。

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