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技術 パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 二橋亘土橋徹椿英明
出願日 2016年6月24日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2017-526327
公開日 2018年4月12日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 WO2017-002737
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 有機不純物濃度 メタル不純物 燐酸亜鉛皮膜 鋼製ドラム缶 フッ素樹脂ライニング ニッケルクロム鋼 錆止め油 カルボン酸金属
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課題・解決手段

本発明によれば、(A)極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位を有し、酸又は塩基の作用により上記極性相互作用が解除されて、極性が低下する樹脂を含有する組成物、又は、(A’)極性基を有する繰り返し単位を有する樹脂と、(B)樹脂(A’)の極性基と極性相互作用を形成する化合物を含有する組成物を用い、有機溶剤を含む現像液を用いて現像するポジ型パターン形成方法、及びこのパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法が提供される。

概要

背景

KrFエキシマレーザー(248nm)用レジスト以降、光吸収による感度低下を補うべく、化学増幅を利用したパターン形成方法が用いられている。例えば、ポジ型の化学増幅法では、まず、露光部に含まれる光酸発生剤が、光照射により分解して酸を発生する。そして、露光後のベーク(PEB:Post Exposure Bake)過程等において、発生した酸の触媒作用により、感光性組成物に含まれるアルカリ不溶性の基をアルカリ可溶性の基に変化させる。その後、例えばアルカリ現像液を用いて現像を行う。これにより、露光部を除去して、所望のパターンを得る。
上記方法において、アルカリ現像液としては、種々のものが提案されている。例えば、このアルカリ現像液として、2.38質量%TMAHテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)の水系アルカリ現像液汎用的に用いられている。

半導体素子微細化のために、露光光源短波長化及び投影レンズ高開口数(高NA)化が進み、193nmの波長を有するArFエキシマレーザー電子線などを用いたパターン形成方法や、投影レンズと試料との間に高屈折率液体(以下、「液浸液」ともいう)を満たす方法(即ち、液浸法)、また、更に短い波長(13.5nm)の極紫外線(Extreme Ultra Violet、EUV)で露光を行なう方法も提唱されている。

たとえば特許文献1及び2には、保護基により保護されたアルカリ可溶性基が、酸の作用により保護基が脱離してアルカリ可溶となる酸分解性繰り返し単位を有する樹脂(「酸分解性樹脂」ともいう)と、光酸発生剤と、有機アンモニウム塩とを含有する化学増幅型レジスト組成物を、アルカリ現像液で現像するパターン形成方法が記載されている。

概要

本発明によれば、(A)極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位を有し、酸又は塩基の作用により上記極性相互作用が解除されて、極性が低下する樹脂を含有する組成物、又は、(A’)極性基を有する繰り返し単位を有する樹脂と、(B)樹脂(A’)の極性基と極性相互作用を形成する化合物を含有する組成物を用い、有機溶剤を含む現像液を用いて現像するポジ型のパターン形成方法、及びこのパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法が提供される。

目的

本発明は、特に極微細(例えば線幅20nm以下のラインアンドスペースパターンや、孔径30nm以下のコンタクトホールパターンなど)のパターン形成において、感度解像性ラインウィドゥスラフネス(LWR)性能、局所的なパターン寸法の均一性(Local−CDU性能)に優れたパターンを形成することができるポジ型のパターン形成方法を提供する

効果

実績

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請求項1

(A)極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位を有し、酸又は塩基の作用により前記極性相互作用が解除されて、極性が低下する樹脂(C)活性光線又は放射線照射により酸又は塩基を発生する化合物、及び(D)溶剤を含み、露光の作用により有機溶剤に対する溶解度が増大する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1)と、前記膜を露光する工程(2)と、露光後に有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(3)と、をこの順で有する、ポジ型パターン形成方法

請求項2

(A’)極性基を有する繰り返し単位を有する樹脂、(B)樹脂(A’)の極性基と極性相互作用を形成する化合物、(C)活性光線又は放射線の照射により酸又は塩基を発生する化合物、及び(D)溶剤を含み、酸又は塩基の作用により、前記樹脂(A’)の極性基と前記化合物(B)とで形成された極性相互作用が解除されて、極性が低下し、有機溶剤に対する溶解度が増大する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1’)と、前記膜を露光する工程(2)と、露光後に有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(3)と、をこの順で有する、ポジ型のパターン形成方法。

請求項3

前記現像液に含まれる有機溶剤がエステル系溶剤である、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。

請求項4

前記樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基の酸解離定数pKa(A)、又は前記樹脂(A’)の極性基の酸解離定数pKa(A’)が3.0以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項5

前記樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基又は前記樹脂(A’)の極性基が、カルボキシル基又はヒドロキシル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項6

前記樹脂(A)の極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位の含有量、又は前記樹脂(A’)の極性基を有する繰り返し単位の含有量が、樹脂(A)又は樹脂(A’)の全繰り返し単位に対して5〜50モル%である請求項1〜5のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項7

前記化合物(B)が、イオン性塩基性化合物である、請求項2に記載のパターン形成方法。

請求項8

前記化合物(B)が、下記一般式(B1)で表される、請求項2又は7に記載のパターン形成方法。上記一般式(B1)中、A−は有機酸アニオンを表す。X+は窒素カチオン硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表す。Ryは水素原子アルキル基シクロアルキル基アリール基アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。Rxは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。複数のRxは同じでも異なっていてもよい。また、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される環は環員として窒素原子酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。n2はX+が窒素カチオンの場合は4を表し、X+が硫黄カチオンの場合は3を表し、X+がヨウ素カチオンの場合は2を表す。

請求項9

前記化合物(B)がテトラアルキルアンモニウム塩である請求項2、7又は8に記載のパターン形成方法。

請求項10

前記化合物(B)の含有量が、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分中3.0質量%以上である請求項2、7〜9のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項11

前記化合物(C)が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項12

前記化合物(C)の露光により発生する酸の酸解離定数pKa(C)が3.0未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項13

前記化合物(C)の含有量が、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分中5.0質量%以上である請求項1〜12のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項14

前記樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基の酸解離定数pKa(A)と前記化合物(C)の露光により発生する酸又は塩基の酸解離定数pKa(C)との差pKa(A)−pKa(C)の絶対値、又は、前記樹脂(A’)の極性基の酸解離定数pKa(A’)と前記化合物(C)の露光により発生する酸又は塩基の酸解離定数pKa(C)との差pKa(A’)−pKa(C)の絶対値が、6.0以上である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項15

前記溶剤(D)における水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との質量比が、40/60〜100/0である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項16

前記工程(2)の後に、加熱工程を含まない、請求項1〜15のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項17

請求項1〜16のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、パターン形成方法電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスに関する。より詳細には、本発明は、IC(IntegratedCircuit、集積回路)等の半導体製造工程、液晶及びサーマルヘッド等の回路基板の製造、更にはその他のフォトファブリケーションリソグラフィー工程に好適なポジ型のパターン形成方法、電子デバイスの製造方法及び電子デバイスに関する。

背景技術

0002

KrFエキシマレーザー(248nm)用レジスト以降、光吸収による感度低下を補うべく、化学増幅を利用したパターン形成方法が用いられている。例えば、ポジ型の化学増幅法では、まず、露光部に含まれる光酸発生剤が、光照射により分解して酸を発生する。そして、露光後のベーク(PEB:Post Exposure Bake)過程等において、発生した酸の触媒作用により、感光性組成物に含まれるアルカリ不溶性の基をアルカリ可溶性の基に変化させる。その後、例えばアルカリ現像液を用いて現像を行う。これにより、露光部を除去して、所望のパターンを得る。
上記方法において、アルカリ現像液としては、種々のものが提案されている。例えば、このアルカリ現像液として、2.38質量%TMAHテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)の水系アルカリ現像液汎用的に用いられている。

0003

半導体素子微細化のために、露光光源短波長化及び投影レンズ高開口数(高NA)化が進み、193nmの波長を有するArFエキシマレーザー電子線などを用いたパターン形成方法や、投影レンズと試料との間に高屈折率液体(以下、「液浸液」ともいう)を満たす方法(即ち、液浸法)、また、更に短い波長(13.5nm)の極紫外線(Extreme Ultra Violet、EUV)で露光を行なう方法も提唱されている。

0004

たとえば特許文献1及び2には、保護基により保護されたアルカリ可溶性基が、酸の作用により保護基が脱離してアルカリ可溶となる酸分解性繰り返し単位を有する樹脂(「酸分解性樹脂」ともいう)と、光酸発生剤と、有機アンモニウム塩とを含有する化学増幅型レジスト組成物を、アルカリ現像液で現像するパターン形成方法が記載されている。

先行技術

0005

日本国特開2000−330284号公報
日本国特開2014−123105号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献1及び2のような従来の化学増幅型レジスト組成物を用いたポジ型パターン形成方法では、特に極微細(例えば線幅20nm以下のラインアンドスペースパターンや、孔径30nm以下のコンタクトホールパターンなど)のパターン形成において、感度解像性ラインウィドゥスラフネス(LWR)性能、局所的なパターン寸法の均一性(Local−CDU性能)の更なる向上が求められている。

0007

本発明は、特に極微細(例えば線幅20nm以下のラインアンドスペースパターンや、孔径30nm以下のコンタクトホールパターンなど)のパターン形成において、感度、解像性、ラインウィドゥスラフネス(LWR)性能、局所的なパターン寸法の均一性(Local−CDU性能)に優れたパターンを形成することができるポジ型のパターン形成方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法、及びこの製造方法により製造された電子デバイスを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

即ち、上記課題は下記手段により解決できる。

0009

<1>
(A)極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位を有し、酸又は塩基の作用により上記極性相互作用が解除されて、極性が低下する樹脂
(C)活性光線又は放射線照射により酸又は塩基を発生する化合物、及び
(D)溶剤
を含み、露光の作用により有機溶剤に対する溶解度が増大する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1)と、
上記膜を露光する工程(2)と、
露光後に有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(3)と、
をこの順で有する、ポジ型のパターン形成方法。
<2>
(A’)極性基を有する繰り返し単位を有する樹脂、
(B)樹脂(A’)の極性基と極性相互作用を形成する化合物、
(C)活性光線又は放射線の照射により酸又は塩基を発生する化合物、及び
(D)溶剤
を含み、酸又は塩基の作用により、上記樹脂(A’)の極性基と上記化合物(B)とで形成された極性相互作用が解除されて、極性が低下し、有機溶剤に対する溶解度が増大する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1’)と、
上記膜を露光する工程(2)と、
露光後に有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(3)と、
をこの順で有する、ポジ型のパターン形成方法。
<3>
上記現像液に含まれる有機溶剤がエステル系溶剤である、<1>又は<2>に記載のパターン形成方法。
<4>
上記樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基の酸解離定数pKa(A)、又は上記樹脂(A’)の極性基の酸解離定数pKa(A’)が3.0以上である、<1>〜<3>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<5>
上記樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基又は上記樹脂(A’)の極性基が、カルボキシル基又はヒドロキシル基である、<1>〜<4>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<6>
上記樹脂(A)の極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位の含有量、又は上記樹脂(A’)の極性基を有する繰り返し単位の含有量が、樹脂(A)又は樹脂(A’)の全繰り返し単位に対して5〜50モル%である<1>〜<5>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<7>
上記化合物(B)が、イオン性塩基性化合物である、<2>に記載のパターン形成方法。
<8>
上記化合物(B)が、下記一般式(B1)で表される、<2>又は<7>に記載のパターン形成方法。

0010

0011

上記一般式(B1)中、
A−は有機酸アニオンを表す。
X+は窒素カチオン硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表す。
Ryは水素原子アルキル基シクロアルキル基アリール基アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。
Rxは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。複数のRxは同じでも異なっていてもよい。また、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される環は環員として窒素原子酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
n2はX+が窒素カチオンの場合は4を表し、X+が硫黄カチオンの場合は3を表し、X+がヨウ素カチオンの場合は2を表す。
<9>
上記化合物(B)がテトラアルキルアンモニウム塩である<2>、<7>又は<8>に記載のパターン形成方法。
<10>
上記化合物(B)の含有量が、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分中3.0質量%以上である<2>、<7>〜<9>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<11>
上記化合物(C)が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である、<1>〜<10>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<12>
上記化合物(C)の露光により発生する酸の酸解離定数pKa(C)が3.0未満である、<1>〜<11>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<13>
上記化合物(C)の含有量が、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分中5.0質量%以上である<1>〜<12>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<14>
上記樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基の酸解離定数pKa(A)と上記化合物(C)の露光により発生する酸又は塩基の酸解離定数pKa(C)との差pKa(A)−pKa(C)の絶対値、又は、上記樹脂(A’)の極性基の酸解離定数pKa(A’)と上記化合物(C)の露光により発生する酸又は塩基の酸解離定数pKa(C)との差pKa(A’)−pKa(C)の絶対値が、6.0以上である、<1>〜<13>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<15>
上記溶剤(D)における水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との質量比が、40/60〜100/0である、<1>〜<14>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<16>
上記工程(2)の後に、加熱工程を含まない、<1>〜<15>のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
<17>
<1>〜<16>のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。

発明の効果

0012

本発明によれば、特に極微細(例えば線幅20nm以下のラインアンドスペースパターンや、孔径30nm以下のコンタクトホールパターンなど)のパターン形成において、感度、解像性、ラインウィドゥスラフネス(LWR)性能、局所的なパターン寸法の均一性(Local−CDU性能)に優れたパターンを形成することができるポジ型のパターン形成方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法、及びこの製造方法により製造された電子デバイスを提供することができる。

0013

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯輝線スペクトルエキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV)、X線、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、EUVなどによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書では、「(メタアクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により測定したポリスチレン換算値である。GPCは、HLC−8120(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Multipore HXL−M (東ソー(株)製、7.8mmID×30.0cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)あるいはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いた方法に準ずる事ができる。

0014

以下、本発明のパターン形成方法について詳細に説明する。

0015

<パターン形成方法>
本発明のパターン形成方法としては、以下の第一の態様及び第二の態様がある。

0016

(第一の態様)
本発明のパターン形成方法の第一の態様は、
(A)極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位を有し、酸又は塩基の作用により上記極性相互作用が解除されて、極性が低下する樹脂
(C)活性光線又は放射線の照射により酸又は塩基を発生する化合物、及び
(D)溶剤
を含み、露光の作用により有機溶剤に対する溶解度が増大する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1)と、
上記膜を露光する工程(2)と、
露光後に有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(3)と、
をこの順で有する、ポジ型のパターン形成方法である。

0017

(第二の態様)
本発明のパターン形成方法の第二の態様は、
(A’)極性基を有する繰り返し単位を有する樹脂、
(B)樹脂(A’)の極性基と極性相互作用を形成する化合物、
(C)活性光線又は放射線の照射により酸又は塩基を発生する化合物、及び
(D)溶剤
を含み、酸又は塩基の作用により、上記樹脂(A’)の極性基と上記化合物(B)とで形成された極性相互作用が解除されて、極性が低下し、有機溶剤に対する溶解度が増大する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1’)と、
上記膜を露光する工程(2)と、
露光後に有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(3)と、
をこの順で有する、ポジ型のパターン形成方法である。

0018

本発明によれば、特に極微細(例えば線幅20nm以下のラインアンドスペースパターンや、孔径30nm以下のコンタクトホールパターンなど)のパターン形成において、感度、解像性、LWR性能、Local−CDU性能に優れたパターンを形成することができるポジ型のパターン形成方法を提供することができる。
その理由は定かではないが、以下のように推定される。

0019

従来のポジ型のパターン形成方法では、露光により生じた酸の作用により、酸分解性の繰り返し単位を有する樹脂のアルカリ現像液への溶解度を増大させることで、パターンを形成するが、この場合、露光により発生した酸による酸分解反応過程がパターン形成の律速段階になると考えられる。
それに対して、本発明のパターン形成方法では、露光により生じた酸又は塩基の作用により、樹脂(A)における極性相互作用又は樹脂(A’)と化合物(B)との極性相互作用が解除され、極性が低下することで、有機溶剤を含む現像液に対する溶解度を増大させてポジ型のパターンを形成するものであり、露光による酸又は塩基の発生過程がパターン形成の律速段階になるため、高い感度を達成できると考えられる。

0020

また、たとえば従来の化学増幅型機構を利用してパターン形成をする場合、特に微細なパターンにおいては酸の拡散により、解像性、LWR性能、Local−CDU性能の低下を引き起こしてしまう。
これに対して、本発明では、露光により生じた酸又は塩基の作用により、樹脂(A)における極性相互作用又は樹脂(A’)と化合物(B)との極性相互作用が解除する機構は、中和反応と同じものであり、すなわち非化学増幅型である。本発明ではこのような非化学増幅型の機構を利用してパターン形成を行うため、酸の拡散を必要とせずにパターン形成を行うことができるため、良好な解像性、LWR性能、Local−CDU性能を達成できると考えられる。
上記理由により、本発明は、感度、解像性、LWR性能、Local−CDU性能を極めて高次元のレベルで達成できるものと考えられる。

0021

[感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物]
本発明のパターン形成方法で用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物について説明する。
本発明において、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、ポジ型の現像(露光されると現像液に対して溶解性が増大し、未露光部がパターンとして残り、露光部が除去される現像)に用いられる。本発明における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、有機溶剤を含む現像液を使用する有機溶剤現像用の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物である。ここで、有機溶剤現像用とは、少なくとも、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味する。また、本発明における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は典型的には非化学増幅型のポジ型レジスト組成物である。
本発明における感放射線性又は感活性光線性樹脂組成物は、電子線又は極紫外線露光用であることが好ましく、極紫外線露光用であることがより好ましい。

0022

本発明における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及び、本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、レジスト溶剤、現像液、リンス液反射防止膜形成用組成物トップコート形成用組成物など)は、金属、ハロゲンを含む金属塩、酸、アルカリ等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる不純物の含有量としては、1ppm以下が好ましく、1ppb以下がより好ましく、100ppt以下が更に好ましく、10ppt以下が特に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置検出限界以下であること)が最も好ましい。
各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過を挙げることができる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製ポリエチレン製、ナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用しても良い。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であっても良い。
また、各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、装置内をテフロン登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法を挙げることができる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
フィルター濾過の他、吸着材による不純物の除去を行っても良く、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用しても良い。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲルゼオライトなどの無機系吸着材活性炭などの有機系吸着材を使用することができる。

0023

〔(A)極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位を有し、酸又は塩基の作用により上記極性相互作用が解除されて、極性が低下する樹脂〕
本発明の第一の態様の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(A)極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位を有し、酸又は塩基の作用により上記極性相互作用が解除されて、極性が低下する樹脂(「樹脂(A)」ともいう)を含有する。
樹脂(A)は、極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位を有し、酸又は塩基の作用により上記極性相互作用が解除されて、極性が低下する樹脂である。
樹脂(A)と化合物(C)を含む感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、露光により化合物(C)から発生する酸又は塩基の作用により樹脂(A)における極性相互作用が解除され、有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が増大するため、ポジ型のパターンを形成することができる。

0024

樹脂(A)は、極性相互作用が解除された際に基を生じるが、樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基の酸解離定数pKa(A)は3.0以上であることが好ましく、3.5以上であることがより好ましく、4.0以上であることが更に好ましい。pKa(A)は3.0以上であると感度及び解像性の観点で好ましい。
ここで、樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基の酸解離定数pKa(A)は、極性相互作用が解除されて生じた基を有する繰り返し単位に対応するモノマーについて、ACD/LABs pKaDB(Version8.0)(株)富士通)により計算される。

0025

樹脂(A)において、極性相互作用が解除された際に生じる基としては、極性基であることが好ましく、カルボキシル基又はヒドロキシル基であることがより好ましい。

0026

樹脂(A)における極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位は、下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。

0027

0028

上記一般式(1−1)中、
R11〜R13は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
X+は窒素カチオン、硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表す。
Rxは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。Rxが複数存在する場合、複数のRxは同じでも異なっていてもよい。また、Rxが複数存在する場合、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される環は環員として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
n2はX+が窒素カチオンの場合は4を表し、X+が硫黄カチオンの場合は3を表し、X+がヨウ素カチオンの場合は2を表す。
Lは非金属原子からなる2価の連結基を表す。
R13とLは結合して環を形成してもよい。
*は結合手を表す。

0029

Lは、アルキレン基シクロアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基エステル結合スルホニル基アリーレン基、−NH−、及びこれらを組み合わせて得られる2価の連結基が挙げられ、具体的には、下記構造の連結基、及びこれらを組み合わせて得られる2価の連結基が挙げられる。

0030

0031

上記一般式(1−1)におけるLとしては、カルボニル基又はアリーレン基が特に好ましい。Lがアリーレン基を表す場合、フェニレン基であることが好ましい。Lがアリーレン基を表す場合、アリーレン基は置換基を有していてもよい。

0032

R11〜R13としてのアルキル基は、例えば、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基及びドデシル基等の炭素数20以下のアルキル基であり、好ましくは、炭素数8以下のアルキル基である。これらアルキル基は、置換基を有していてもよい。

0033

R11〜R13としてのアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基は、例えば、先にR11〜R13としてのアルキル基として挙げたのと同様のものである。

0034

R11〜R13としてのシクロアルキル基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。このシクロアルキル基としては、好ましくは、シクロプロピル基シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数3〜8の単環型のシクロアルキル基が挙げられる。これらシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。

0035

R11〜R13は、水素原子又はアルキル基を表すことが好ましく、水素原子又はメチル基を表すことがより好ましい。R11及びR13は水素原子を表すことが最も好ましい。

0036

R13とLは結合してもよく、R13とLが結合する場合には、R13は単結合又はアルキレン基を表し、Lは非金属原子からなる3価の連結基を表すことが好ましい。R13がアルキレン基を表す場合は、前述のアルキル基から水素原子を1つ除して得られるアルキレン基が好ましい。また、Lが非金属原子からなる3価の連結基を表す場合は、前述の2価の連結基から水素原子を1つ除して得られる3価の連結基が好ましい。

0037

上記R11〜R13、及びLで表される各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基ウレイド基ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基チオエーテル基アシル基アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。これら置換基は、炭素数が8以下であることが好ましい。

0038

X+は窒素カチオン、硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表し、窒素カチオン又は硫黄カチオンであることが好ましく、窒素カチオンであることがより好ましい。

0039

Rxはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。溶剤溶解性向上及び欠陥性能向上の観点から、(n2)個のRxのうちの少なくとも1つの炭素数が3以上であることが好ましく、炭素数5以上であることがより好ましく、炭素数6以上であることが更に好ましい。また、解像性向上の観点から、Rxは炭素数10以下であることが好ましい。また、LWR性能向上の観点から、Rxはアルキル基を表すことが好ましい。

0040

Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などの炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。

0041

Rxのシクロアルキル基は、単環型であっても、多環型であってもよく、炭素数3〜15のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数3〜10のシクロアルキル基であることがより好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキル基であることが更に好ましい。Rxのシクロアルキル基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、デカヒドロナフチル基、シクロデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、及び、2−ノルボルニル基などを挙げることができる。Rxのシクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロペンチル基、又は、シクロヘキシル基であることが好ましい。

0042

Rxのアリール基は、フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。

0043

Rxのアラルキル基は、炭素数6〜20のアラルキル基であることが好ましく、炭素数7〜12のアラルキル基であることより好ましい。Rxのアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基フェネチル基、ナフチルメチル基ナフチルエチル基等が挙げられる。

0044

Rxのヘテロ環基は、炭素数2〜20のヘテロ環基であることが好ましく、炭素数2〜12のヘテロ環基であることがより好ましい。Rxのヘテロ環基の具体例としては、例えば、トリアゾリル基、イミダゾリル基ピロリル基ピリジル基、ピラジル基、テトラヒドロフラニル基テトラヒドロピラニル基テトラヒドロチオフェン基、ピペリジル基、ピペラジル基、フラニル基、ピラニル基、クロマニル基等が挙げられる。

0045

Rxとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びヘテロ環基は、置換基を更に有していてもよい。
Rxとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びヘテロ環基が更に有し得る置換基の具体例、好ましい例としては、上記R11〜R13、及びLで表される各基が有し得る置換基として前述した具体例、好ましい例と同様の基が挙げられる。

0046

Rxが複数存在する場合、複数のRxは同じでも異なっていてもよい。
Rxが複数存在する場合、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される環は環員として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
形成される環としては、例えばシクロペンタン環シクロヘキサン環アダマンタン環ノルボルネン環ノルボルナン環などのシクロアルカン環イミダゾール環ピペリジン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロチオピラン環、ジベンゾチオフェン環などのヘテロ環が挙げられる。これらの環は置換基を有しても良く、有し得る置換基としては、上記R11〜R13、及びLで表される各基が有し得る置換基として前述した具体例、好ましい例と同様の基が挙げられる。

0047

X+が硫黄カチオンの場合に、2つのRxが互いに結合して環を形成する場合としては、以下のいずれかの構造となった場合を挙げることができる。

0048

0049

これらの式においては、
RS1、RS2、RS3及びRS4は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12)又は脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数3〜12)を表す。また、t1は、0〜4の整数、t2は、0〜5の整数、t3は、0〜8の整数、t4は、0〜8の整数をそれぞれ表す。*は結合手を表す。なお、ここでいうアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などの炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく挙げられ、アルコキシ基としては、アルコキシ基に含まれるアルキル基が、例えば、先にアルキル基として挙げたのと同様のものが好ましく挙げられ、脂環式炭化水素基は、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を含み、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、デカヒドロナフチル基、シクロデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、及び、2−ノルボルニル基などの炭素数3〜10の単環型又は多環型のシクロアルキル基が好ましく挙げられ、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜18のアリール基が好ましく挙げられ、アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基などの炭素数6〜20のアラルキル基であることが好ましく挙げられる。また、これらのうちの以下の構造を有するものについては、環を構成するメチレン基の1つ乃至2つが、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。

0050

0051

X+が窒素カチオンの場合に、2つのRxが互いに結合して環を形成する場合としては、以下のいずれかの構造となった場合を挙げることができる。

0052

0053

これらの式においては、RS1及びRS2は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12)又は脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数3〜12)を表す。また、t1は0〜4の整数、t2は0〜5の整数、t3は0〜3の整数をそれぞれ表す。Rxはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ環基を表す。なお、ここでいうアルキル基、アルコキシ基及び脂環式炭化水素基のそれぞれの具体例は、炭素数が各々の範囲において、すでに例示したものを含む。また、これらのうちの以下の構造を有するものについては、環を構成するメチレン基の1つ乃至2つが、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。

0054

0055

上記一般式(1−1)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。

0056

0057

0058

樹脂(A)の極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して5〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%であることがより好ましく、10〜40モル%であることが更に好ましい。極性相互作用を形成する部位を含む繰り返し単位の含有量が5モル%以上であるとパターン膜減り及び解像性の観点で好ましく、50モル%以下であると感度及び解像性の観点で好ましい。

0059

〔(A’)極性基を有する繰り返し単位を有する樹脂〕
本発明の第二の態様の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(A’)極性基を有する繰り返し単位を有する樹脂(「樹脂(A’)」ともいう)を含有する。
樹脂(A’)の極性基は極性相互作用を形成することが可能であるため、樹脂(A’)と化合物(B)とを含む感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物において、樹脂(A’)の極性基と化合物(B)とは極性相互作用を形成している。そして、露光により化合物(C)から発生する酸又は塩基の作用により、この極性相互作用が解除され、極性が低下し、有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が増大するため、ポジ型のパターンを形成することができる。

0060

樹脂(A’)の極性基の酸解離定数pKa(A’)は3.0以上であることが好ましく、3.5以上であることがより好ましく、4.0以上であることが更に好ましい。pKa(A’)は3.0以上であると感度/解像性の観点で好ましい。
ここで、樹脂(A’)の極性基の酸解離定数pKa(A’)は樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基の酸解離定数pKa(A)と同様にして測定される。

0061

樹脂(A’)が有する極性基は、化合物(B)と極性相互作用を形成することが可能であれば特に制限はないが、酸性又は塩基性の基であることが好ましく、上記一般式(1−1)のO−がH+で中和されたものがより好ましく、カルボキシル基又はヒドロキシル基であることが更に好ましい。

0062

樹脂(A’)は、下記一般式(1−2)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。

0063

0064

上記一般式(1−2)中、
R11〜R13は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
Lは非金属原子からなる2価の連結基を表す。
R13とLは結合してもよい。
*は結合手を表す。

0065

上記一般式(1−2)において、R11〜R13、及びLは上記一般式(1−1)で説明したものと同義であり、各基の具体例及び好ましい範囲も上記一般式(1−1)で示したものと同じである。
上記一般式(1−2)におけるLとしては、カルボニル基又はアリーレン基が特に好ましい。Lがアリーレン基を表す場合、フェニレン基であることが好ましい。Lがアリーレン基を表す場合、アリーレン基は置換基を有していてもよく、置換基を有する場合の置換基としては上記一般式(1−1)で示したものの中でもヒドロキシル基が好ましい。
上記一般式(1−2)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
なお、下記具体例中、RxはH、CH3、CH2OH又はCF3を表す。

0066

0067

0068

0069

0070

樹脂(A’)の極性基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A’)の全繰り返し単位に対して5〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%であることがより好ましく、10〜40モル%であることが更に好ましい。極性基を有する繰り返し単位の含有量が5モル%以上であるとパターン膜減り/解像性の観点で好ましく、50モル%以下であると感度/解像性の観点で好ましい。

0071

樹脂(A)及び(A’)は、ラクトン構造及びスルトン構造の少なくともいずれか一方を有する繰り返し単位を有していてもよい。

0072

ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AII)で表される繰り返し単位がより好ましい。

0073

0074

一般式(AII)中、
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子沃素原子を挙げることができる。Rb0として、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。

0075

Abは、単結合、アルキレン基、単環又は多環のシクロアルキル構造を有する2価の連結基、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。Abは、好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される2価の連結基である。
Ab1は、直鎖又は分岐アルキレン基、単環又は多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基シクロヘキシレン基アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、ラクトン構造を有する基を表す。

0076

ラクトン構造を有する基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造スピロ構造を形成する形で他の環構造縮環しているものが好ましい。即ち、樹脂(A)及び(A’)は、下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を含む繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が樹脂(A)又は(A’)の主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−8)、(LC1−13)、(LC1−14)である。

0077

0078

ラクトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。n2は、0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。

0079

ラクトン構造を有する繰り返し単位は、通常光異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90%以上のものが好ましく、より好ましくは95%以上である。

0080

樹脂(A)及び(A’)はラクトン構造を有する繰り返し単位を含有しても含有しなくてもよいが、ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有する場合、樹脂(A)又は(A’)中の上記繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、1〜70モル%の範囲が好ましく、より好ましくは3〜50モル%の範囲であり、更に好ましくは5〜45モル%の範囲である。
以下に、樹脂(A)及び(A’)中のラクトン構造を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、式中、Rxは、H、CH3、CH2OH、又はCF3を表す。

0081

0082

0083

また、樹脂(A)及び(A’)が有してもよいスルトン構造としては、下記一般式(SL1−1)、(SL1−2)が好ましい。式中のRb2、n2は、上述した一般式(LC1−1)〜(LC1−17)と同義である。

0084

0085

樹脂(A)又は(A’)が有してもよいスルトン構造を含む繰り返し単位としては、前述したラクトン構造を有する繰り返し単位におけるラクトン構造を、スルトン構造に置換したものが好ましい。

0086

樹脂(A)及び(A’)は、上記繰り返し単位以外の繰り返し単位として、下記のような繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」ともいう)を更に有することも好ましい。
これら他の繰り返し単位を形成するための重合性モノマーの例としてはスチレンアルキル置換スチレンアルコキシ置換スチレンハロゲン置換スチレン、O−アルキル化スチレン、O−アシル化スチレン、水素ヒドロキシスチレン無水マレイン酸アクリル酸誘導体(アクリル酸、アクリル酸エステル等)、メタクリル酸誘導体(メタクリル酸、メタクリル酸エステル等)、N−置換マレイミドアクリロニトリルメタクリロニトリルビニルナフタレンビニルアントラセン、置換基を有しても良いインデン等を挙げることができる。
樹脂(A)及び(A’)は、これら他の繰り返し単位を含有してもしなくても良いが、含有する場合、これら他の繰り返し単位の樹脂(A)又は(A’)中の含有量は、樹脂(A)又は(A’)を構成する全繰り返し単位に対して、一般的に1〜30モル%、好ましくは1〜20モル%、より好ましくは5〜10モル%である。

0087

樹脂(A)及び(A’)は、下記一般式(IV)又は下記一般式(V)で表される繰り返し単位を含有してもよい。

0088

0089

式中、
R6は水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(−OCOR又は−COOR:Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又はカルボキシル基を表す。
n3は0〜6の整数を表す。

0090

0091

式中、
R7は水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(−OCOR又は−COOR:Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又はカルボキシル基を表す。
n4は0〜4の整数を表す。
X4はメチレン基、酸素原子又は硫黄原子である。

0092

一般式(IV)又は下記一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を下記に示すが、これらに限定されない。

0093

0094

上述した樹脂(A)の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。

0095

0096

0097

また、上述した樹脂(A’)の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。

0098

0099

0100

0101

0102

樹脂(A)及び(A’)において、各繰り返し構造単位含有モル比は、レジストのドライエッチング耐性標準現像液適性、基板密着性レジストプロファイル、更にはレジストの一般的な必要性能である解像力耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
樹脂(A)及び(A’)の形態としては、ランダム型、ブロック型クシ型、スター型のいずれの形態でもよい。
樹脂(A)及び(A’)は、例えば、各構造に対応する不飽和モノマーラジカル、カチオン、又はアニオン重合により合成することができる。また各構造の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより目的とする樹脂を得ることも可能である。
例えば、一般的合成方法としては、不飽和モノマー及び重合開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤に不飽和モノマーと重合開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。

0103

重合に使用される溶剤としては、例えば、後述の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製する際に使用することができる溶剤等を挙げることができ、より好ましくは上記組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応窒素アルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤アゾ系開始剤パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルアゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。必要に応じて連鎖移動剤(例えば、アルキルメルカプタンなど)の存在下で重合を行ってもよい。

0104

反応の濃度は通常5〜70質量%であり、好ましくは10〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは40〜100℃である。
反応時間は、通常1〜48時間であり、好ましくは1〜24時間、更に好ましくは1〜12時間である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶剤を組み合わせることにより残留単量体オリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。例えば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶剤(貧溶媒)を、上記反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。

0105

ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶剤(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、上記ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素ハロゲン化炭化水素ニトロ化合物エーテルケトンエステルカーボネートアルコールカルボン酸、水、これらの溶剤を含む混合溶剤等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)又は水を含む溶剤が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、更に好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用混合容器を用い、バッチ式連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。

0106

なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶剤に溶解させ、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶剤と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、上記ポリマーが難溶あるいは不溶の溶剤を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶剤に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、上記樹脂溶液Aに、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶剤を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。

0107

本発明における樹脂(A)及び(A’)の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量が1000〜100000の範囲であることが好ましく、1500〜60000の範囲であることがより好ましく、2000〜30000の範囲であることが特に好ましい。重量平均分子量を1000〜100000の範囲とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、かつ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。

0108

また分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.00〜5.00、より好ましくは1.00〜3.50であり、更に好ましくは、1.00〜2.50である。分子量分布の小さいものほど、解像度レジスト形状が優れ、かつレジストパターン側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。

0109

樹脂(A)及び(A’)は、1種類単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂(A)及び(A’)の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の全固形分を基準にして、20〜99質量%が好ましく、30〜99質量%がより好ましく、40〜99質量%が更に好ましい。

0110

〔樹脂(A’)と極性相互作用を形成する化合物(B)〕
本発明の第二の態様における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、樹脂(A’)の極性基と極性相互作用を形成する化合物(B)(「化合物(B)」ともいう)を含む。化合物(B)は、好ましくは、フェノールと比較して塩基性がより強い化合物である。また、この塩基性化合物は、有機塩基性化合物であることが好ましく、含窒素塩基性化合物であることが更に好ましい。

0111

化合物(B)は、樹脂(A’)と極性相互作用を形成することが可能であれば特に制限はないが、酸性又は塩基性の化合物であることが好ましく、カチオン部位アニオン部位を有する塩構造を有することが更に好ましく、イオン性の塩基性化合物であることが更に好ましい。

0112

化合物(B)としては、下記一般式(B1)で表される化合物が好ましい。

0113

0114

上記一般式(B1)中、
A−は有機酸アニオンを表す。
X+は窒素カチオン、硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表す。
Ryは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。
Rxは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。複数のRxは同じでも異なっていてもよい。また、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される環は環員として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
n2はX+が窒素カチオンの場合は4を表し、X+が硫黄カチオンの場合は3を表し、X+がヨウ素カチオンの場合は2を表す。

0115

一般式(B1)中、有機酸アニオンA−の共役塩基構造は特に制限はなく、カルボン酸基スルホン酸基、水酸基、メルカプト基イミド基スルホンアミド基スルホンイミド基メチレン化合物マロン酸誘導体アセト酢酸誘導体シアノ酢酸誘導体マロノニトリル誘導体、シクロペンタジエン誘導体ビススルホニルメタン誘導体等)、含窒素芳香族化合物イミダゾール誘導体インドール誘導体イソシアヌル酸誘導体等)等の共役塩基構造が挙げられる、このなかでもカルボン酸基又はスルホン酸基であることが好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
有機酸アニオンA−としては、特に制限はなく、カルボン酸アニオン又はスルホン酸アニオンであることが好ましく、カルボン酸アニオンが特に好ましい。

0116

X+は窒素カチオン、硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表し、窒素カチオン又は硫黄カチオンを表すことが好ましく、窒素カチオンを表すことがより好ましい。

0117

Rxはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。溶剤溶解性向上及び欠陥性能向上の観点から、n2個のRxのうちの少なくとも1つの炭素数が3以上であることが好ましく、炭素数5以上であることがより好ましく、炭素数6以上であることが更に好ましい。また、解像性向上の観点から、Rxは炭素数10以下であることが好ましい。また、LWR向上の観点から、Rxはアルキル基を表すことが好ましい。

0118

Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などの炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく挙げられ、炭素数5〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数6〜8のアルキル基が更に好ましい。

0119

Rxのシクロアルキル基は、単環型であっても、多環型であってもよく、炭素数3〜15のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数3〜10のシクロアルキル基であることがより好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキル基であることが更に好ましい。Rxのシクロアルキル基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、デカヒドロナフチル基、シクロデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、及び、2−ノルボルニル基などを挙げることができる。Rxのシクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロペンチル基、又は、シクロヘキシル基であることが好ましい。

0120

Rxのアリール基は、フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。

0121

Rxのアラルキル基は、炭素数6〜20のアラルキル基であることが好ましく、炭素数7〜12のアラルキル基であることより好ましい。Rxのアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。

0122

Rxのヘテロ環基は、炭素数2〜20のヘテロ環基であることが好ましく、炭素数2〜12のヘテロ環基であることがより好ましい。Rxのヘテロ環基の具体例としては、例えば、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ピロリル基、ピリジル基、ピラジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオフェン基、ピペリジル基、ピペラジル基、フラニル基、ピラニル基、クロマニル基等が挙げられる。

0123

Rxとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びヘテロ環基は、置換基を更に有していてもよい。
Rxとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びヘテロ環基が更に有し得る置換基の具体例、好ましい例としては、上記一般式(1−1)におけるR11〜R13、及びLで表される各基が有し得る置換基として前述した置換基の具体例、好ましい例と同様の基が挙げられる。

0124

Rxが複数存在する場合、複数のRxは同じでも異なっていてもよい。
Rxが複数存在する場合、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される上記環は環員として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
形成される環としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、アダマンタン環、ノルボルネン環、ノルボルナン環などのシクロアルカン環、イミダゾール環、ピペリジン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロチオピラン環、ジベンゾチオフェン環などのヘテロ環が挙げられる。これらの環は置換基を有しても良く、有し得る置換基としては、上記一般式(1−1)におけるR11〜R13、及びLで表される各基が有し得る置換基として前述した置換基の具体例と同様の基が挙げられる。

0125

X+が硫黄カチオンの場合に、2つのRxが互いに結合して環を形成する場合としては、以下のいずれかの構造となった場合を挙げることができる。

0126

0127

これらの式においては、
Rs1、Rs2、Rs3及びRs4は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12)又は脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数3〜12)を表す。また、t1は、0〜4の整数、t2は、0〜5の整数、t3は、0〜8の整数、t4は、0〜8の整数をそれぞれ表す。*は結合手を表す。なお、ここでいうアルキル基、アルコキシ基及び脂環式炭化水素基は、炭素数が各々の範囲において、すでに例示したものを含む。また、これらのうちの以下の構造を有するものは、環を構成するメチレン基の1つ乃至2つが、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。

0128

0129

上記一般式(B1)におけるX+が窒素カチオンの場合に、2つのRxが互いに結合して環を形成する場合としては、以下のいずれかの構造となった場合を挙げることができる。

0130

0131

これらの式においては、Rs1及びRs2は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12)又は脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数3〜12)を表す。また、t1は0〜4の整数、t2は0〜5の整数、t3は0〜3の整数をそれぞれ表す。Rxはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ環基を表す。なお、ここでいうアルキル基、アルコキシ基及び脂環式炭化水素基のそれぞれの具体例は、炭素数が各々の範囲において、すでに例示したものを含む。また、これらのうちの以下の構造を有するものは、環を構成するメチレン基の1つ乃至2つが、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。

0132

0133

化合物(B)はテトラアルキルアンモニウム塩であることが好ましい。
化合物(B)の好ましい具体例として以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0134

0135

0136

化合物(B)の分子量は、通常は100〜1500であり、好ましくは150〜1300であり、より好ましくは200〜1000である。

0137

化合物(B)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。

0138

化合物(B)の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分中、0.01質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましく、3.0質量%以上であることが特に好ましい。また、化合物(B)の含有量は、感度及び解像性の観点から、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分中、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。

0139

化合物(B)の光酸発生剤に対するモル比は、好ましくは0.01〜10とし、より好ましくは0.05〜8とし、更に好ましくは0.1〜5とする。このモル比を過度に大きくすると、感度及び解像度が低下する場合がある。このモル比を過度に小さくすると、パターン膜減り又は解像度が低下する可能性がある。

0140

〔活性光線又は放射線により酸又は塩基を発生する化合物(C)〕
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線により酸又は塩基を発生する化合物(C)を含有する。特に、化合物(C)は活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(「光酸発生剤《PAG:Photo Acid Generator》」ともいう)であることが好ましい。
化合物(C)は、低分子化合物の形態であっても良く、重合体の一部に組み込まれた形態であっても良い。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用しても良い。
化合物(C)が、低分子化合物の形態である場合、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
化合物(C)が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、樹脂(A)及び(A’)の一部に組み込まれても良く、樹脂(A)及び(A’)とは異なる樹脂に組み込まれても良い。
本発明において、化合物(C)が、低分子化合物の形態であることが好ましい。

0141

<光酸発生剤>
化合物(C)が光酸発生剤である場合について説明する。
光酸発生剤としては、公知のものであれば特に限定されないが、活性光線又は放射線、好ましくは電子線又は極紫外線の照射により、有機酸、例えば、スルホン酸、ビス(アルキルスルホニルイミド、又はトリス(アルキルスルホニル)メチドの少なくともいずれかを発生する化合物が好ましい。
より好ましくは下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。

0142

0143

上記一般式(ZI)、(ZII)、及び(ZIII)において、
R201〜R207は、各々独立に、有機基を表す。
R201〜R207としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z−は、非求核性アニオン求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。

0144

一般式(ZI)及び(ZII)において、Z−で表される非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオンカンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。

0145

脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。

0146

芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。

0147

上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。

0148

アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。

0149

スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。

0150

ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。これにより、酸強度が増加する。

0151

その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐(例えば、PF6−)、弗素化硼素(例えば、BF4−)、弗素化アンチモン(例えば、SbF6−)等を挙げることができる。

0152

非求核性アニオンとしては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。

0153

感度及び解像性の観点からは、化合物(C)の露光により発生する酸の酸解離定数pKa(C)が3.0未満であることが感度向上のために好ましく、−1.0以下であることが更に好ましい。
pKa(C)は酸又は塩基となった化合物(C)について、ACD/LABs pKaDB(Version8.0)((株)富士通)により計算される。

0154

また、非求核性アニオンとしては、以下の一般式(AN1)で表されるアニオンも好ましい態様として挙げられる。

0155

0156

式中、
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR1、R2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、二価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。

0157

一般式(AN1)について、更に詳細に説明する。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜4である。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfとして好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。Xfの具体的としては、フッ素原子、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9、CH2CH2C4F9が挙げられ、中でもフッ素原子、CF3が好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。

0158

R1、R2のアルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。更に好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。R1、R2の置換基を有するアルキル基の具体例としては、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、C5F11、C6F13、C7F15、C8F17、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9、CH2CH2C4F9が挙げられ、中でもCF3が好ましい。
R1、R2としては、好ましくはフッ素原子又はCF3である。

0159

xは1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。
zは0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
Lの2価の連結基としては特に限定されず、—COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S—、−SO—、—SO2−、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基又はこれらの複数が連結した連結基などを挙げることができ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。このなかでも—COO−、−OCO−、−CO−、−O−が好ましく、—COO−、−OCO−がより好ましい。

0160

Aの環状の有機基としては、環状構造を有するものであれば特に限定されず、脂環基、アリール基、複素環基芳香族性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含む)等が挙げられる。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF向上の観点から好ましい。
アリール基としては、ベンゼン環ナフタレン環フェナンスレン環アントラセン環が挙げられる。
複素環基としては、フラン環チオフェン環ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環由来のものが挙げられる。中でもフラン環、チオフェン環、ピリジン環由来のものが好ましい。

0161

また、環状の有機基としては、ラクトン構造も挙げることができ、具体例としては、前述の一般式(LC1−1)〜(LC1−17)で表されるラクトン構造を挙げることができる。

0162

環状の有機基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであっても良く、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、スピロ環のいずれであっても良く、炭素数3〜20が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、スルホン酸エステル基等が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であっても良い。

0163

R201〜R207の有機基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基などが挙げられる。
R201、R202及びR203のうち少なくとも1つ、R204若しくはR205、又はR206若しくはR207がアリール基であることが好ましく、全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。R201〜R207のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基等を挙げることができる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0164

一般式(AN1)で表されるアニオンの好ましい例としては、以下が挙げられる。下記例においてAは環状の有機基を表す。
SO3−CF2−CH2−OCO−A、SO3−CF2−CHF−CH2−OCO−A、SO3−CF2−COO−A、SO3−CF2−CF2−CH2−A、SO3−CF2−CH(CF3)−OCO−A

0165

また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成する場合、以下の一般式(A1)で表される構造であることが好ましい。

0166

0167

一般式(A1)中、
R1a〜R13aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。
R1a〜R13aのうち、1〜3つが水素原子でないことが好ましく、R9a〜R13aのいずれか1つが水素原子でないことがより好ましい。
Zaは、単結合又は2価の連結基である。
X−は、一般式(ZI)におけるZ−と同義である。

0168

R1a〜R13aが水素原子でない場合の具体例としては、ハロゲン原子、直鎖、分岐、環状のアルキル基、アルケニル基アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基シリルオキシ基ヘテロ環オキシ基アシルオキシ基カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基スルファモイル基スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基ホスフィニル基ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基シリル基ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が例として挙げられる。
R1a〜R13aが水素原子でない場合としては、水酸基で置換された直鎖、分岐、環状のアルキル基であることが好ましい。

0169

Zaの2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基カルボニルアミノ基スルホニルアミド基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミノ基、ジスルフィド基、−(CH2)n−CO−、−(CH2)n−SO2−、−CH=CH−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基等が挙げられる(nは1〜3の整数)。

0170

なお、R201、R202及びR203のうち少なくとも1つ、R204若しくはR205、又はR206若しくはR207がアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0046〜0048、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、米国特許出願公開第2003/0224288A1号明細書に式(I−1)〜(I−70)として例示されている化合物、米国特許出願公開第2003/0077540A1号明細書に式(IA−1)〜(IA−54)、式(IB−1)〜(IB−24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。

0171

光酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物も挙げられる。

0172

0173

一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Ar3、Ar4、R208、R209及びR210のアリール基の具体例としては、上記一般式(ZI)におけるR201、R202及びR203としてのアリール基の具体例と同様のものを挙げることができる。

0174

R208、R209及びR210のアルキル基及びシクロアルキル基の具体例としては、それぞれ、上記一般式(ZI)におけるR201、R202及びR203としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例と同様のものを挙げることができる。
Aのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基など)を、Aのアルケニレン基としては、炭素数2〜12のアルケニレン基(例えば、エテニレン基プロペニレン基ブテニレン基など)を、Aのアリーレン基としては、炭素数6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)を、それぞれ挙げることができる。

0175

本発明においては、上記光酸発生剤は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性を良好にする観点から、電子線又は極紫外線の照射により、体積130Å3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積190Å3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更に好ましく、体積400Å3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å3以下であることが好ましく、1500Å3以下であることが更に好ましい。上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算することができる。
本発明においては、活性光線又は放射線の照射により以下に例示する酸を発生する光酸発生剤が好ましい。なお、例の一部には、体積の計算値を付記している(単位Å3)。なお、ここで求めた計算値は、アニオン部にプロトンが結合した酸の体積値である。
1Åは1×10−10mである。

0176

0177

0178

0179

光酸発生剤としては、特開2014−41328号公報段落[0368]〜[0377]、特開2013−228681号公報段落[0240]〜[0262](対応する米国特許出願公開第2015/004533号明細書の[0339])が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、好ましい具体例として以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0180

0181

0182

0183

0184

光酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
光酸発生剤の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上である。特に、電子線や極紫外線露光の際に高感度化、高解像性を両立するには光酸発生剤の含有率は高いほうが好ましく、更に好ましくは3.0質量%以上、最も好ましくは5.0質量%以上である。また、光酸発生剤の含有量は、膜減り及び解像性の観点から、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分中、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。

0185

樹脂(A)の極性相互作用が解除されて生じる基の酸解離定数pKa(A)と化合物(C)の露光により発生する酸又は塩基の酸解離定数pKa(C)との差pKa(A)−pKa(C)の絶対値、又は、樹脂(A’)の極性基の酸解離定数pKa(A’)と化合物(C)の露光により発生する酸又は塩基の酸解離定数pKa(C)との差pKa(A’)−pKa(C)の絶対値は、感度の観点から、6.0以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。

0186

光塩基発生剤
化合物(C)が光塩基発生剤である場合について説明する。
光塩基発生剤とは、露光により塩基を発生するものであり、常温常圧の通常の条件下では活性を示さないが、外部刺激として電磁波の照射と加熱が行なわれると、塩基(塩基性物質)を発生するものであれば特に限定されるものではない。

0187

本発明に用いることができる光塩基発生剤は、特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、カルバメート誘導体アミド誘導体イミド誘導体、αコバルト錯体類、イミダゾール誘導体、桂皮酸アミド誘導体、オキシム誘導体等が挙げられる。

0188

光塩基発生剤から発生される塩基性物質としては特に限定されないが、アミノ基を有する化合物、特にモノアミンや、ジアミンなどのポリアミン、また、アミジンなどが挙げられる。
発生される塩基性物質は、より塩基性度の高い(共役酸pKa値が高い)アミノ基を有する化合物が感度及び解像性の観点から好ましい。
光塩基発生剤としては、例えば、特開2009−80452号公報及び国際公開第2009/123122号パンフレットで開示されたような桂皮酸アミド構造を有する塩基発生剤、特開2006−189591号公報及び特開2008−247747号公報で開示されたようなカルバメート構造を有する塩基発生剤、特開2007−249013号公報及び特開2008−003581号公報で開示されたようなオキシム構造カルバモイルオキシム構造を有する塩基発生剤、特開2010−243773号公報に記載の化合物等が挙げられるが、これらに限定されず、その他にも公知の塩基発生剤の構造を用いることができる。

0189

光塩基発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
光塩基発生剤の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の好ましい含有量は、前述の光酸発生剤の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の好ましい含有量と同様である。

0190

〔(D)溶剤〕
本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、溶剤(D)(「レジスト溶剤」ともいう)を含む。この溶剤は、水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との質量比が、40/60〜100/0であることが好ましく、50/50〜100/0であることがより好ましく、60/40〜100/0であることが更に好ましい。
より具体的には、溶剤(D)は、(M1)プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと、(M2)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル酢酸エステルアルコキシプロピオン酸エステル鎖状ケトン環状ケトンラクトン、及びアルキレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つとの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。なお、この溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。

0191

本発明者らは、このような溶剤と上述した樹脂とを組み合わせて用いると、組成物の塗布性が向上すると共に、現像欠陥数の少ないパターンが形成可能となることを見出している。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、これら溶剤は、上述した樹脂の溶解性、沸点、及び粘度のバランスが良いため、組成物膜膜厚ムラスピンコート中の析出物の発生などを抑制できることに起因していると考えている。

0192

成分(M1)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、及び、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。

0193

成分(M2)としては、以下のものが好ましい。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
乳酸エステルとしては、乳酸エチル乳酸ブチル、又は乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルとしては、酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチル酢酸イソブチル酢酸プロピル酢酸イソアミル蟻酸メチル蟻酸エチル蟻酸ブチル蟻酸プロピル、又は酢酸3−メトキシブチルが好ましい。
酪酸ブチルも好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルとしては、3−メトキシプロピオンメチル(MMP)、又は、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)が好ましい。
鎖状ケトンとしては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトンフェニルアセトン、メチルエチルケトンメチルイソブチルケトンアセチルアセトンアセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、又はメチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンとしては、メチルシクロヘキサノンイソホロン、又はシクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンとしては、γ−ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネートが好ましい。

0194

成分(M2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、γ−ブチロラクトン又はプロピレンカーボネートがより好ましい。

0195

上記成分の他、炭素原子数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10が更に好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。

0196

炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ブチルイソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ヘプチルブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。

0197

成分(M2)としては、引火点(以下、fpともいう)が37℃以上であるものを用いることが好ましい。このような成分(M2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(fp:47℃)、乳酸エチル(fp:53℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(fp:49℃)、メチルアミルケトン(fp:42℃)、シクロヘキサノン(fp:44℃)、酢酸ペンチル(fp:45℃)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(fp:45℃)、γ−ブチロラクトン(fp:101℃)又はプロピレンカーボネート(fp:132℃)が好ましい。これらのうち、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、酢酸ペンチル、又はシクロヘキサノンが更に好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル又は乳酸エチルが特に好ましい。なお、ここで「引火点」とは、東京化成工業株式会社又はシグマアルドリッチ社試薬カタログに記載されている値を意味している。

0198

溶剤は、成分(M2)を含んでいることが好ましい。溶剤は、実質的に成分(M2)のみからなるか、又は、成分(M2)と他の成分との混合溶剤であることがより好ましい。後者の場合、溶剤は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいることが更に好ましい。

0199

成分(M1)と成分(M2)との質量比は、90:10乃至0:100の範囲内にあることが好ましく、80:20乃至0:100の範囲内にあることがより好ましく、40:60乃至0:100の範囲内にあることが更に好ましい。即ち、溶剤は、成分(M2)のみからなるか、又は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでおりかつそれらの質量比が以下の通りであることが好ましい。即ち、後者の場合、成分(M1)に対する成分(M2)の質量比は、10/90以上であることが好ましく、20/80以上であることよりが好ましく、60/40以上であることが更に好ましい。このような構成を採用すると、レジスト溶解性を更に向上させることが可能となる。

0200

なお、溶剤が成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいる場合、成分(M2)に対する成分(M1)の質量比は、例えば、1/99以下とする。

0201

上述した通り、溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。この場合、成分(M1)及び(M2)以外の成分の含有量は、溶剤の全量に対して、5質量%乃至30質量%の範囲内にあることが好ましい。

0202

組成物に占める溶剤の含有量は、全成分の固形分濃度が0.5〜30質量%となるように定めることが好ましく、1〜20質量%となるように定めることがより好ましい。こうすると、組成物の塗布性を更に向上させることができる。

0203

疎水性樹脂(E)
本発明における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記樹脂(A)又は(A’)とは異なる疎水性樹脂(E)を含有していてもよい。
疎水性樹脂はレジスト膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂を添加することの効果として、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角の制御、アウトガスの抑制などを挙げることができる。

0204

疎水性樹脂は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、 “樹脂の側鎖部分に含有されたCH3部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することが更に好ましい。また、上記疎水性樹脂は、炭素数5以上の炭化水素基を含有することが好ましい。これらの基は樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。

0205

疎水性樹脂が、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合、疎水性樹脂に於ける上記フッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。

0206

疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948A1の段落0519に例示されたものを挙げることが出来る。

0207

また、上記したように、疎水性樹脂は、側鎖部分にCH3部分構造を含むことも好ましい。
ここで、疎水性樹脂中の側鎖部分が有するCH3部分構造には、エチル基、プロピル基等が有するCH3部分構造を包含するものである。
一方、疎水性樹脂の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα−メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH3部分構造に包含されないものとする。

0208

疎水性樹脂に関しては、特開2014−010245号公報の[0348]〜[0415]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。

0209

なお、疎水性樹脂としてはこの他にも特開2011−248019号公報、特開2010−175859号公報、特開2012−032544号公報記載のものも好ましく用いることができる。

0210

本発明のパターン形成方法では、基板上に上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成し、上記レジスト膜上に上記トップコート組成物を用いてトップコート層を形成してもよい。このレジスト膜の膜厚は、好ましくは10〜100nmであり、トップコート層の膜厚は、好ましくは10〜200nm、更に好ましくは20〜100nm、特に好ましくは40〜80nmである。
基板上に感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
例えば、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を精密集回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン二酸化シリコン被覆)上にスピナーコーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、レジスト膜を形成する。なお、予め公知の反射防止膜を塗設することもできる。また、トップコート層の形成前にレジスト膜を乾燥することが好ましい。
次いで、得られたレジスト膜上に、上記レジスト膜の形成方法と同様の手段によりトップコート組成物を塗布、乾燥し、トップコート層を形成することができる。
トップコート層を上層に有するレジスト膜に、通常はマスクを通して、電子線(EB)、X線又はEUVを照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。

0211

界面活性剤(F)
本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、界面活性剤(F)を更に含んでいてもよい。界面活性剤を含有することにより、波長が250nm以下、特には220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥のより少ないパターンを形成することが可能となる。
界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を用いることが特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。また、エフトップEF301若しくはEF303(新田化成(株)製);フロラードFC430、431若しくは4430(住友スリエム(株)製);メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120若しくはR08(DIC(株)製);サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105若しくは106(旭硝子(株)製);トロゾルS−366(トロイケミカル(株)製);GF−300若しくはGF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製);エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802若しくはEF601((株)ジェムコ製);PF636、PF656、PF6320若しくはPF6520(OMNOVA社製);又は、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D若しくは222D((株)ネオス製)を用いてもよい。なお、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコン系界面活性剤として用いることができる。

0212

また、界面活性剤は、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物を用いて合成してもよい。具体的には、このフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を備えた重合体を、界面活性剤として用いてもよい。このフルオロ脂肪族化合物は、例えば、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載されているフッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。

0213

これら界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。

0214

本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0〜2質量%、より好ましくは0.0001〜2質量%、更に好ましくは0.0005〜1質量%である。

0215

その他の添加剤(G)
本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、溶解阻止化合物染料可塑剤光増感剤光吸収剤、及び/又は現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、又はカルボキシ基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物)を更に含んでいてもよい。

0216

本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、溶解阻止化合物を更に含んでいてもよい。ここで「溶解阻止化合物」とは、酸の作用により分解して有機系現像液中での溶解度が減少する、分子量3000以下の化合物である。

0217

この溶解阻止化合物としては、波長が220nm以下の光に対する透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE,2724,355(1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体等の、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。この酸分解性基及び脂環構造としては、例えば、先に説明したのと同様のものが挙げられる。

0218

<塩基性化合物>
また、本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塩基性化合物を含んでいてもよい。塩基性化合物としては、光分解性塩基性化合物(当初は塩基性窒素原子が塩基として作用して塩基性を示すが、活性光線又は放射線の照射により分解されて、塩基性窒素原子と有機酸部位とを有する両性イオン化合物を発生し、これらが分子内で中和することによって、塩基性が低下又は消失する化合物、例えば、特許第3577743号公報、特開2001−215689号公報、特開2001−166476号公報、特開2008−102383号公報に記載のオニウム塩)も適宜用いられる。
これら塩基性化合物の中でも解像性向上の観点からアンモニウム塩が好ましい。
本発明における塩基性化合物の含有率は、組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.03〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%が特に好ましい。

0219

本発明の一形態において、塩基性化合物は、以下に説明するカチオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物であることがより好ましい。
オニウム塩化合物として、例えば、ジアゾニウム塩化合物ホスホニウム塩化合物スルホニウム塩化合物、及び、ヨードニウム塩化合物などが挙げられる。これらのうち、スルホニウム塩化合物又はヨードニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩化合物がより好ましい。
このオニウム塩化合物は、典型的には、カチオン部に、窒素原子を含んだ塩基性部位を備えている。ここで「塩基性部位」とは、塩基性化合物のカチオン部位の共役酸のpKaが−3以上となるような部位を意味している。このpKaは、−3〜15の範囲内にあることが好ましく、0〜15の範囲内にあることがより好ましい。なお、このpKaは、ACD/ChemSketch(ACD/Labs 8.00 Release Product Version:8.08)により求めた計算値を意味している。
上記塩基性部位は、例えば、アミノ基(アンモニア、1級アミン若しくは2級アミンから水素原子を1つ除いた基;以下同様)及び含窒素複素環基からなる群より選ばれる構造を含んでいる。上記アミノ基は、脂肪族アミノ基であることが好ましい。ここで、脂肪族アミノ基とは、脂肪族アミンから水素原子を1つ除いた基を意味する。
これら構造においては、構造中に含まれる窒素原子に隣接する原子の全てが、炭素原子又は水素原子であることが、塩基性向上の観点から好ましい。また、塩基性向上の観点では、窒素原子に対して、電子吸引性官能基(カルボニル基、スルホニル基、シアノ基、ハロゲン原子など)が直結していないことが好ましい。
オニウム塩化合物は、上記塩基性部位を2つ以上備えていてもよい。
塩基性化合物のカチオン部がアミノ基を含んでいる場合、このカチオン部は、下記一般式(N−I)により表される部分構造を備えていることが好ましい。

0220

0221

式中、
RA及びRBは、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。
Xは、単結合又は連結基を表す。
RA、RB及びXの少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
RA又はRBにより表される有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環式炭化水素基、アルコキシカルボニル基、ラクトン基、及びスルトン基等が挙げられる。
これらの基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基などが挙げられる。
RA又はRBにより表されるアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は、1〜50であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることが更に好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、及び、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
RA又はRBにより表されるシクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このシクロアルキル基としては、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基等が挙げられる。
RA又はRBにより表されるアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルケニル基の炭素数は、2〜50であることが好ましく、2〜30であることがより好ましく、3〜20であることが更に好ましい。このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基アリル基、及びスチリル基等が挙げられる。
RA又はRBにより表されるアリール基としては、炭素数6〜14のものが好ましい。このような基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
RA又はRBにより表される複素環式炭化水素基は、炭素数5〜20のものが好ましく、炭素数6〜15のものがより好ましい。複素環式炭化水素基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。この複素環式炭化水素基は、芳香族性を有していることが好ましい。
上記の基に含まれる複素環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このような複素環としては、例えば、イミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環ピリミジン環ピリダジン環、2H−ピロール環、3H−インドール環、1H−インダゾールプリン環イソキノリン環、4H−キノリジン環、キノリン環フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環フェナジン環、ペリジン環、トリアジン環ベンズイソキノリン環、チアゾール環チアジアジン環、アゼピン環アゾシン環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びベンゾチアゾール環が挙げられる。
RA又はRBにより表されるラクトン基としては、例えば、5〜7員環のラクトン基であり、5〜7員環ラクトン基にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものであってもよい。
RA又はRBにより表されるスルトン基としては、例えば、5〜7員環のスルトン基であり、5〜7員環スルトン基にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものであってもよい。
具体的には、以下に示す構造を有する基であることが好ましい。

0222

0223

0224

ラクトン基及びスルトン基は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、上記でRA及びRBの置換基として記載したものと同様の置換基が挙げられる。n2は、0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
Xにより表される連結基としては、例えば、直鎖若しくは分岐鎖状アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合ウレア結合、及びこれらの2種以上を組み合わせてなる基等が挙げられる。Xは、より好ましくは、単結合、アルキレン基、アルキレン基とエーテル結合とが組み合わされてなる基、又は、アルキレン基とエステル結合とが組み合わされてなる基を表す。Xにより表される連結基の原子数は20以下が好ましく、15以下がより好ましい。上記の直鎖若しくは分岐鎖状アルキレン基、及びシクロアルキレン基は、炭素数8以下が好ましく、置換基を有していてもよい。上記置換基としては、炭素数8以下のものが好ましく、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられる。
RA、RB及びXの少なくとも2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。環を形成する炭素数は4〜20が好ましく、単環式でも多環式でもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、エステル結合、アミド結合、又は、カルボニル基を含んでいてもよい。
塩基性化合物のカチオン部が含窒素複素環基を含んでいる場合、この含窒素複素環基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。また、この含窒素複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。含窒素複素環基としては、好ましくは、ピペリジン環、モルホリン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラジン環、ピロール環、又はピリミジン環を含んだ基が挙げられる。
オニウム塩化合物は、下記一般式(N−II)で表される化合物であることが好ましい。

0225

0226

式中、
Aは、硫黄原子又はヨウ素原子を表す。
R1は、水素原子又は有機基を表す。R1が複数存在する場合、R1は同一であっても異なっていても良い。
Rは、(o+1)価の有機基を表す。Rが複数存在する場合、Rは同一であっても異なっていても良い。
Xは、単結合又は連結基を表す。Xが複数存在する場合、Xは同一であっても異なっていても良い。
ANは、窒素原子を含んだ塩基性部位を表す。ANが複数存在する場合、ANは同一であっても異なっていても良い。
Aが硫黄原子である場合、nは、1〜3の整数であり、mは、m+n=3なる関係を満たす整数である。
Aがヨウ素原子である場合、nは、1又は2であり、mは、m+n=2なる関係を満たす整数である。
oは、1〜10の整数を表す。
Y−は、アニオンを表す(詳細は、塩基性化合物のアニオン部として後述する通りである)。
R1、X、R、ANの少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
Rにより表される(o+1)価の有機基としては、例えば、鎖状(直鎖状、分岐状)又は環状の脂肪族炭化水素基、複素環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が挙げられるが、好ましくは芳香族炭化水素基が挙げられる。Rが芳香族炭化水素基の場合、芳香族炭化水素基のp−位(1,4−位)で結合しているものが好ましい。
Xにより表される連結基は、上述した一般式(N−I)中のXにより表される連結基と同義であり、同様の具体例が挙げられる。
ANにより表される塩基性部位は、上述した塩基性化合物のカチオン部に含まれる「塩基性部位」と同義であり、例えば、アミノ基又は含窒素複素環基を含み得る。塩基性部位がアミノ基を含む場合、アミノ基としては、例えば、上掲の一般式(N−I)中の−N(RA)(RB)基が挙げられる。
R1により表される有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、及び、複素環式炭化水素基が挙げられる。m=2の場合、2つのR1が互いに結合して、環を形成していてもよい。これら基又は環は、置換基を更に備えていてもよい。
R1により表されるアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は、1〜50であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることが更に好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、及び、2−エチルヘキシル基が挙げられる。
R1により表されるアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルケニル基の炭素数は、2〜50であることが好ましく、2〜30であることがより好ましく、3〜20であることが更に好ましい。このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、及びスチリル基が挙げられる。
R1により表される脂肪族環式基は、例えば、シクロアルキル基である。シクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。この脂肪族環式基としては、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基が挙げられる。
R1により表される芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜14のものが好ましい。このような基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基などのアリール基が挙げられる。R1により表される芳香族炭化水素基は、好ましくは、フェニル基である。
R1により表される複素環式炭化水素基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。この複素環式炭化水素基は、芳香族性を有していることが好ましい。
上記の基に含まれる複素環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このような複素環としては、例えば、イミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、2H−ピロール環、3H−インドール環、1H−インダゾール、プリン環、イソキノリン環、4H−キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ペリミジン環、トリアジン環、ベンズイソキノリン環、チアゾール環、チアジアジン環、アゼピン環、アゾシン環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びベンゾチアゾール環が挙げられる。
R1は、芳香族炭化水素基であるか、又は、2つのR1が結合して環を形成していることが好ましい。
R1、X、R、ANの少なくとも2つが互いに結合して形成してもよい環は、4〜7員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましく、5員環であることが特に好ましい。また、環骨格中に、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含んでいても良い。
R1により表される基又は2つのR1が互いに結合して形成される環が置換基を更に備えている場合、この置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。即ち、この置換基としては、例えば、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、又は−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基スルホナト基と称する)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィモイル基、ホスホノ基(−PO3H2)及びその共役塩基基(ホスホナト基と称する)、ホスホノオキシ基(−OPO3H2)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称する)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シリル基、並びに、アルキル基が挙げられる。
これら置換基のうち、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルキル基等が好ましい。
一般式(N−II)において、oは、1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
一般式(N−II)により表される塩基性化合物は、一態様において、式中のn個のRの内の少なくとも1つが芳香族炭化水素基であることが好ましい。そして、この芳香族炭化水素基の少なくとも1つに結合するo個の−(X−AN)基の内の少なくとも1つにおけるXは、上記芳香族炭化水素基との結合部が炭素原子である連結基であることが好ましい。
即ち、この態様における塩基性化合物では、ANにより表される塩基性部位が、Rにより表される芳香族炭化水素基に直結した炭素原子を介して、上記芳香族炭化水素基に結合している。
Rにより表される芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素基における芳香環として、複素環を含んでいてもよい。また、芳香環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
芳香環基は、炭素数が6〜14であることが好ましい。このような基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基等のアリール基が挙げられる。芳香環基が複素環を含んでいる場合、複素環としては、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環チアジアゾール環、及びチアゾール環が挙げられる。
Rにより表される芳香族炭化水素基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
Rにより表される芳香族炭化水素基は、以下に説明する−(X−AN)により表される基以外に、置換基を更に備えていてもよい。置換基としては、例えば、先にR1における置換基として列挙したものを用いることができる。
また、この態様において、上記の芳香環Rに置換する少なくとも1つの−(X−AN)基におけるXとしての連結基は、Rにより表される芳香族炭化水素基との結合部が炭素原子であれば、特に限定されない。連結基は、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−COO−、−CO−、若しくは、これらの組み合わせを含んでいる。連結基は、これら各基と、−O−、−S−、−OCO−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−OS(=O)2−、及び−NR’−からなる群より選択される少なくとも1つとの組み合わせを含んでいてもよい。ここで、R’は、例えば、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
Xにより表される連結基が含み得るアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキレン基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基が挙げられる。
Xにより表される連結基が含み得るシクロアルキレン基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このシクロアルキレン基の炭素数は、3〜20であることが好ましく、3〜10であることがより好ましい。このようなシクロアルキレン基としては、例えば、1,4−シクロヘキシレン基が挙げられる。
Xにより表される連結基が含み得るアリーレン基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。このようなアリーレン基としては、例えば、フェニレン基及びナフチレン基が挙げられる。
少なくとも1つのXは、下記一般式(N−III)又は(N−IV)により表されることが好ましい。

0227

0228

式中、
R2及びR3は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、又は複素環式炭化水素基を表す。R2とR3とは、互いに結合して、環を形成していてもよい。R2及びR3の少なくとも一方は、Eと互いに結合して、環を形成していてもよい。
Eは、連結基又は単結合を表す。

0229

0230

式中、
Jは、酸素原子、又は、硫黄原子を表す。
Eは、連結基又は単結合を表す。
R2及びR3により表される各基並びにこれらが更に備え得る置換基としては、例えば、先にR1について説明したのと同様のものが挙げられる。R2とR3とが結合して形成し得る環、及び、R2及びR3の少なくとも一方がEと結合して形成し得る環は、4〜7員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。R2及びR3は、各々独立に、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
Eにより表される連結基は、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−COO−、−CO−、−O−、−S−、−OCO−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−OS(=O)2−、−NR−、又はこれらの組み合わせを含んでいる。ここで、Rは、例えば、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
Eにより表される連結基は、アルキレン結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、ウレタン結合

0231

0232

、ウレア結合

0233

0234

、アミド結合、及びスルホンアミド結合からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。Eにより表される連結基は、より好ましくは、アルキレン結合、エステル結合、又はエーテル結合である。
なお、塩基性化合物は、窒素原子を含んだ部位を複数有する化合物であってもよい。例えば、塩基性化合物は、一般式(N−II)におけるR1の少なくとも一つが、一般式(N−I)で表される構造を有する化合物であってもよい。
一般式(N−II)により表される塩基性化合物は、一態様において、下記一般式(N−V)により表される。

0235

0236

式中、X、AN及びY−は、一般式(N−II)における各基と同義であり、具体例及び好ましい例も同様である。
R14、R15、r及びlは、光酸発生剤の一態様を表す一般式(ZI−4)中の各基及び指数と同義であり、具体例及び好ましい例も同様である。
また、一般式(N−II)により表される塩基性化合物は、一態様において、下記一般式(N−VI)により表される。

0237

0238

一般式(N−VI)中、
Aは、硫黄原子又はヨウ素原子を表す。
R11は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、又は複素環式炭化水素基を表す。m=2の場合、2つのR11が互いに結合して、環を形成していてもよい。
Arは、各々独立に、芳香族炭化水素基を表す。
X1は、各々独立に、2価の連結基を表す。
R12は、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。
上記Aが硫黄原子である場合、mは、1〜3の整数であり、nは、m+n=3なる関係を満たす整数である。
上記Aがヨウ素原子である場合、mは、1又は2の整数であり、nは、m+n=2なる関係を満たす整数である。
Y−は、アニオンを表す(詳細は、塩基性化合物のアニオン部として後述する通りである)。
R11としてのアルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、及び、複素環式炭化水素基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(N−II)におけるR1としてのアルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、及び、複素環式炭化水素基の具体例及び好ましい例と同様である。
Arとしての芳香族炭化水素基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(N−II)におけるRとしての芳香族炭化水素基の具体例及び好ましい例と同様である。
X1としての2価の連結基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(N−II)におけるXとしての連結基の具体例及び好ましい例と同様である。
R12としての有機基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(N−I)におけるRA及びRBとしての有機基の具体例及び好ましい例と同様である。
Xがアルキレン基(例えば、メチレン基)であり、2つのR12が互いに結合して環を形成する態様が、露光後加熱(PEB)温度依存性及び露光後線幅(PED)安定性の観点からは特に好ましい。
塩基性化合物のアニオン部は、特に制限はない。塩基性化合物が含んでいるアニオンは、非求核性アニオンであることが好ましい。ここで、非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより、本発明に係る組成物の経時安定性が向上する。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、置換基を有していてもよい。脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおける2つのアルキル基が、互いに結合して環状構造を形成している態様も好ましい。この場合、形成される環状構造は5〜7員環であることが好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくは炭素数4〜8のパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
また、非求核性アニオンは、例えば、下記一般式(LD1)により表されることが好ましい。

0239

0240

式中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R1及びR2は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表す。
Lは、各々独立に、2価の連結基を表す。
Cyは、環状の有機基を表す。
xは、1〜20の整数を表す。
yは、0〜10の整数を表す。
zは、0〜10の整数を表す。
Xfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。このアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。より具体的には、Xfは、フッ素原子、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、C5F11、C6F13、C7F15、C8F17、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9、又はCH2CH2C4F9であることが好ましい。
R1及びR2は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基である。このアルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。更に好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。R1及びR2としての置換基を有するアルキル基の具体的としては、例えば、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、C5F11、C6F13、C7F15、C8F17、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9、及びCH2CH2C4F9が挙げられ、中でもCF3が好ましい。
Lは、2価の連結基を表す。この2価の連結基としては、例えば、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、アルキレン基、シクロアルキレン基、及びアルケニレン基が挙げられる。これらの中でも、−CONH−、−CO−、又は−SO2−が好ましく、−CONH−又は−SO2−がより好ましい。
Cyは、環状の有機基を表す。環状の有機基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性の抑制及びMEEF(MaskErrorEnhancementFactor)の向上の観点から好ましい。
アリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基及びアントリル基が挙げられる。中でも、193nmにおける光吸光度が比較的低いナフチル基が好ましい。
複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよいが、多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環ラクトン環、及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。複素環基における複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又はデカヒドロイソキノリン環が特に好ましい。また、ラクトン環の例としては、上記一般式(N−1)におけるRA及びRBに関して例示したラクトン環が挙げられる。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及びスルホン酸エステル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、アルキル基は、炭素数が1〜12であることが好ましい。シクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。また、シクロアルキル基は、炭素数が3〜12であることが好ましい。アリール基は、炭素数が6〜14であることが好ましい。
xは1〜8が好ましく、中でも1〜4が好ましく、1が特に好ましい。yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。zは0〜8が好ましく、中でも0〜4が好ましい。
また、非求核性アニオンは、例えば、下記一般式(LD2)により表されることも好ましい。

0241

0242

一般式(LD2)中、Xf、R1、R2、L、Cy、x、y及びzは、一般式(LD1)における各々と同義である。Rfは、フッ素原子を含んだ基である。
Rfによる表されるフッ素原子を含んだ基としては、例えば、少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基、少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基、及び少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基が挙げられる。
これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、フッ素原子により置換されていてもよく、フッ素原子を含んだ他の置換基により置換されていてもよい。Rfが少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基又は少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基である場合、フッ素原子を含んだ他の置換基としては、例えば、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基が挙げられる。
また、これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、フッ素原子を含んでいない置換基によって更に置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、先にCyについて説明したもののうち、フッ素原子を含んでいないものを挙げることができる。
Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基としては、例えば、Xfにより表される少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基として先に説明したのと同様のものが挙げられる。Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基としては、例えば、パーフルオロシクロペンチル基、及びパーフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基としては、例えば、パーフルオロフェニル基が挙げられる。
塩基性化合物のアニオン部分の好ましい態様としては、上述した一般式(LD1)及び(LD2)で表される構造の他に、光酸発生剤の好ましいアニオン構造として例示する構造を挙げることができる。
また、塩基性化合物は、(化合物中に含まれる全フッ素原子の質量の合計)/(化合物中に含まれる全原子の質量の合計)により表されるフッ素含有率が0.30以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましく、0.20以下であることが更に好ましく、0.15以下であることが特に好ましく、0.10以下であることが最も好ましい。
塩基性化合物の具体例としては特開2014−134686号公報段落[0108]〜[0116]が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。

0243

塩基性化合物としてはアニオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物も好ましい。
アニオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物としては、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物が好ましい。
アニオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物は、塩基性官能基又はアンモニウム基と、活性光線又は放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有する化合物(E−1)であることが好ましい。すなわち、アニオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物は、塩基性官能基と活性光線若しくは放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有する塩基性化合物、又は、アンモニウム基と活性光線若しくは放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有するアンモニウム塩化合物であることが好ましい。
アニオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物が、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する、塩基性が低下した化合物として、下記一般式(PA−I)、(PA−II)又は(PAIII)で表される化合物を挙げることができ、LWR、局所的なパターン寸法の均一性及びDOFに関して優れた効果を高次元で両立できるという観点から、特に、一般式(PA−II)又は(PA−III)で表される化合物が好ましい。
まず、一般式(PA−I)で表される化合物について説明する。
Q−A1−(X)n−B−R (PA−I)
一般式(PA−I)中、
A1は、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、−SO3H、又は−CO2Hを表す。Qは、活性光線又は放射線の照射により発生する酸性官能基に相当する。
Xは、−SO2−又は−CO−を表す。
nは、0又は1を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Rx)−を表す。
Rxは、水素原子又は1価の有機基を表す。
Rは、塩基性官能基を有する1価の有機基又はアンモニウム基を有する1価の有機基を表す。
次に、一般式(PA−II)で表される化合物について説明する。
Q1−X1−NH−X2−Q2(PA−II)
一般式(PA−II)中、
Q1及びQ2は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ2のいずれか一方は、塩基性官能基を有する。Q1とQ2は、結合して環を形成し、形成された環が塩基性官能基を有してもよい。
X1及びX2は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
なお、−NH−は、活性光線又は放射線の照射により発生する酸性官能基に相当する。
次に、一般式(PA−III)で表される化合物を説明する。
Q1−X1−NH−X2−A2−(X3)m−B−Q3 (PA−III)
一般式(PA−III)中、
Q1及びQ3は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ3のいずれか一方は、塩基性官能基を有する。Q1とQ3は、結合して環を形成し、形成された環が塩基性官能基を有していてもよい。
X1、X2及びX3は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
A2は、2価の連結基を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Qx)−を表す。
Qxは、水素原子又は1価の有機基を表す。
Bが、−N(Qx)−の時、Q3とQxが結合して環を形成してもよい。
mは、0又は1を表す。
なお、−NH−は、活性光線又は放射線の照射により発生する酸性官能基に相当する。

0244

アニオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物としては特開2014−41328号公報の段落[0421]〜[0428]が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。

0245

カチオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物、又はアニオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物の具体例としては以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。

0246

0247

0248

酸増殖剤
本発明における感活性光線性又は感放射線性組成物は、更に、酸の作用により分解して酸を発生する化合物(以下、酸増殖剤とも表記する)を1種又は2種以上含んでいてもよい。酸増殖剤が発生する酸は、スルホン酸、メチド酸又はイミド酸であることが好ましい。酸増殖剤の含有量としては、組成物の全固形分を基準として、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1.0〜20質量%であることが更に好ましい。
酸増殖剤と酸発生剤との量比(組成物中の全固形分を基準にした酸増殖剤の固形分量/組成物中の全固形分を基準にした酸発生剤の固形分量)としては、特に制限されないが、0.01〜50が好ましく、0.1〜20がより好ましく、0.2〜1.0が特に好ましい。
酸増殖剤としては、特開2014−41328号公報の[0381]の記載を援用でき、これらの内容は本明細書に取り込まれる。

0249

以下、本発明のパターン形成方法について、更に詳細に説明する。

0250

《工程(1)及び(1’)》
本発明のパターン形成方法の第一の態様における工程(1)、又は第二の態様における工程(1’)では、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する。一般的には、基板上に上記膜を形成する。
上記組成物による膜を基板上に形成する工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。

0251

基板には、特に制限はない。この基板としては、IC等の半導体製造工程、液晶及びサーマルヘッド等の回路基板の製造工程、並びにその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板を用いることができる。このような基板としては、例えば、シリコン、SiN及びSiO2等の無機基板、並びに、SOG等の塗布系無機基板が挙げられる。更に、必要に応じて、膜と基板との間に、有機反射防止膜を形成させてもよい。

0252

製膜後、露光工程の前に、前加熱(PB;Prebake)工程を含むことも好ましい。
PB工程の加熱温度は、40〜130℃で行うことが好ましく、50〜120℃で行うことがより好ましく、60〜120℃で行うことが更に好ましい。
また、加熱時間は、30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。

0253

《工程(2)》
上記形成された膜に対して、活性光線又は放射線を用いて露光する。膜を露光する工程についても、一般的に知られている方法により行うことができる。
露光に用いられる光源は、X線、極紫外線(EUV)又は電子線(EB)であることが好ましい。
本発明では、非化学増幅型の機構を利用してパターン形成を行っているため、露光後加熱(PEB;Post Exposure Bake)工程を行うことなく、酸の拡散を完全に抑制することができ、良好な解像性を得ることができる。
なお、上述の通り、本発明では製造工程を簡略化するために、工程(2)の後にPEB工程を含まないことが好ましいが、PEB工程を含んでいてもよく、PEB工程を含む場合、加熱温度は60〜90℃で行うことが好ましい。

0254

本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成した膜に対しては、液浸露光を行ってもよい。これにより解像性を更に向上させることができる。用いる液浸媒体としては、空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが、好ましくは純水である。
この場合、疎水性樹脂を組成物に予め添加しておいてもよく、膜を形成した後、その上にトップコートを設けてもよい。なお、トップコートに求められる性能及びその使用法などについては、シーエムシー出版「液浸リソグラフィのプロセスと材料」の第7章に解説されている。

0255

露光後にトップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、現像液により剥離できることが好ましい。

0256

《工程(3)》
上記露光工程(2)の後に、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してポジ型のパターンを形成する。上記現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。

0257

現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、及び、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)が挙げられる。

0258

上記各種の現像方法が、現像装置現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は、好ましくは2mL/sec/mm2以下であり、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下であり、更に好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると、0.2mL/sec/mm2以上であることが好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。

0259

このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、組成物膜及び/又はパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。

0260

現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法、及び、加圧タンクからの供給で圧力を調整する方法が挙げられる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶剤に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。

0261

<現像液>
現像液は、上記現像工程(3)で用いられ、有機溶剤を含有することから有機系現像液ということもできる。

0262

(有機溶剤)
有機溶剤の蒸気圧(混合溶剤である場合は全体としての蒸気圧)は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機溶剤の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウエハ面内温度均一性が向上し、結果としてウエハ面内の寸法均一性が良化する。
現像液に用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤が広く使用されるが、たとえば、エステル系溶剤、ケトン系溶剤アルコール系溶剤アミド系溶剤エーテル系溶剤炭化水素系溶剤等の溶剤を用いることができる。

0263

本発明において、エステル系溶剤とは分子内にエステル結合を有する溶剤のことであり、ケトン系溶剤とは分子内にケトン基を有する溶剤のことであり、アルコール系溶剤とは分子内にアルコール性水酸基を有する溶剤のことであり、アミド系溶剤とは分子内にアミド基を有する溶剤のことであり、エーテル系溶剤とは分子内にエーテル結合を有する溶剤のことである。これらの中には、1分子内に上記官能基を複数種有する溶剤も存在するが、その場合は、その溶剤の有する官能基を含むいずれの溶剤種にも相当するものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤いずれにも相当するものとする。また、炭化水素系溶剤とは置換基を有さない炭化水素溶剤のことである。
特に、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を含有する現像液であることが好ましい。

0264

エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル(酢酸ペンチル)、酢酸イソアミル(酢酸イソペンチル、酢酸3−メチルブチル)、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、酪酸ブチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテートエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチルピルビン酸エチルピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチルアセト酢酸エチルプロピオン酸メチルプロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチル、ブタン酸イソブチル、ブタン酸ペンチル、ブタン酸ヘキシル、イソブタン酸イソブチル、ペンタン酸プロピル、ペンタン酸イソプロピル、ペンタン酸ブチル、ペンタン酸ペンチル、ヘキサン酸エチルヘキサン酸プロピル、ヘキサン酸ブチル、ヘキサン酸イソブチル、ヘプタン酸メチルヘプタン酸エチルヘプタン酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シクロヘプチル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸シクロペンチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルが好ましく用いられ、酢酸イソアミルが特に好ましく用いられる。

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