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技術 多器官連関システムを基盤とした予測装置、及び予測プログラム

出願人 株式会社国際電気通信基礎技術研究所
発明者 佐藤匠徳
出願日 2016年6月24日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2017-525482
公開日 2017年11月24日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 WO2016-208776
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 酵素、微生物を含む測定、試験 自動分析、そのための試料等の取扱い 医療・福祉事務 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード インデックスタグ 品質検定 既存物 適用年 検出器電圧 積率相関 ケンドール 存在パターン
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課題・解決手段

装置1は、特定器官以外の各器官における器官連関指標因子被験データM4を取得する被験データ取得部11、被験データM4と器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターン類似度を算出するパターン類似度算出部12、及び前記類似度を指標にして、特定疾患の存在、及び/又は病期予測する予測部13を有する。

概要

背景

疾患には、可逆的に治療できる状態とそうでない状態(つまり不可逆的な状態)がある。可逆的な状態中に、異常をいち早く検出し治療する、あるいはそのような状態にすらならないように予防することが健康を維持することに不可欠である。また、可逆的な状態であっても、疾患の早期発見は、より軽度な治療方法、より短期の治療期間、またより良い予後の健康状態直結する。また、心臓疾患脳疾患がん糖尿病に代表されるように、一つの器官組織の異常が他の器官の疾患を招く(一般に合併症と呼ばれている)ことはよく知られており、そのような疾患においては、ひとつの器官・組織の異常から他の器官・組織の疾患が引き起こされるのを出来るだけ早い段階で防ぐことが必須となる。
人をふくめた全ての動物において、個々の器官や組織は個別の部品ではなく、それぞれが機能的なネットワークを形成することにより、個体レベルでの品質管理がなされている。全身張り巡らされている血管ネットワークによるホルモンなどの内分泌因子運搬神経ネットワークによる各器官機能協調的な調整は「多器官連関ステム」の代表的な例であり、生理学内分泌学として体系づけられている。
一方、製薬分野では、現在、新薬ディスカバリーフェーズから臨床試験フェーズ3を経て承認に至る薬は、1.6%程度である。つまり、ディスカバリーフェーズで候補として研究開発された薬の98.4%は日の目を見ないことになる。この理由の多くは、細胞レベルでは効果が認められた薬を生体投与しても生体(動物モデル)では効果が見られなかったケース、細胞や動物モデルでは薬の効果が認められたがヒトでは顕著な効果を示さなかったケース、生体(動物モデルやヒト)で被験薬の効果が認められるものの副作用が強く使用できないケース等が挙げられる。したがって、これらの研究開発から実用化までの間に大量にドロップアウトする薬について「薬を蘇らせる」あるいは「別の新規用途を発掘する」(このことは「ドラッグリポジショニング(Drug Repositioning)」と一般に呼ばれる)ことができれば、医療また経済発展に大きく貢献すると考えられる。
ディスカバリーフェーズにおいて選抜された薬の半分以上は、細胞で効果を示す。そこからさらに進んだフェーズでドロップアウトする原因のひとつには、生体特有に存在する「多器官連関システムネットワーク」がある。生体内では多様な機能ももった細胞により構築された各器官が「多器官連関システム」を形成することで、個体全体の恒常性生理機能が成り立っている。したがって、ひとつの器官に異常が起こる(疾病)と、「多器官連関システム」を介して他の器官へのその異常シグナル伝播され、多器官連関システムの「ネットワーク全体」が変化しており、最初に異常をきたした器官のある細胞のみを薬でターゲットにしても(特許文献1〜8)、多器官連関システムの「ネットワーク全体」をもとに戻すことは不可能である。

概要

装置1は、特定器官以外の各器官における器官連関指標因子被験データM4を取得する被験データ取得部11、被験データM4と器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターン類似度を算出するパターン類似度算出部12、及び前記類似度を指標にして、特定疾患の存在、及び/又は病期予測する予測部13を有する。

目的

本発明は、1つの器官の細胞又は組織から他の器官の疾患をできるだけ早い段階で検出する装置及びプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

下記の演算手段を有する、被験体特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期予測する装置:前記特定器官以外の1種以上の器官由来細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子被験データを取得する被験データ取得手段、前記被験データ取得手段が取得した被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターン類似度を算出するパターン類似度算出手段、及び前記パターン類似度算出手段で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段;ここで、前記被験データは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「被験量」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量」と称する)」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンであり、前記標準データ1は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量1」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量1」と称する)」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。

請求項2

前記器官連関指標因子がRNAを含む、請求項1に記載の装置。

請求項3

前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、請求項1又は2に記載の装置。

請求項4

請求項1に記載の前記標準データ1の陽性対照量1と陰性対照量1との関係が、陽性対照量1と陰性対照量1との比率である、請求項1、2、及び3のいずれか一項に記載の装置。

請求項5

前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。

請求項6

前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。

請求項7

前記特定疾患が腫瘍である、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。

請求項8

コンピュータに実行させたときに、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測するための下記の処理を当該コンピュータに実施させるプログラム:前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを取得する被験データ取得処理、前記被験データ取得処理で取得された被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出処理、及び前記パターン類似度算出処理で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理;ここで、前記被験データは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「被験量」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量」と称する)」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンであり、前記標準データ1は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量1」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量1」と称する)」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。

請求項9

前記器官連関指標因子がRNAを含む、請求項8に記載のプログラム。

請求項10

前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、請求項8、又は9に記載のプログラム。

請求項11

請求項8に記載の前記標準データ1の陽性対照量1と陰性対照量1との前記関係が、陽性対照量と陰性対照量との比率である、請求項8、9、及び10のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項12

前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、請求項8から11のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項13

前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、請求項8から11のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項14

前記特定疾患が腫瘍である、請求項8から11のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項15

下記の工程を含む、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測する方法:(1)前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する工程、及び(2)前記工程(1)において算出された器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記被験体が前記標準データに対応する特定疾患であると決定する工程、及び/又は前記工程(1)において算出された器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記標準データ1に対応する特定疾患の病期であると決定する工程;ここで、前記被験データは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「被験量」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量」と称する)」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンであり、前記標準データ1は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量1」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量1」と称する)」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。

請求項16

前記工程(1)の前に、さらに下記の工程を含む、請求項15に記載の方法:(i)被験体の特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する工程、(ii)(i)で抽出した器官連関指標因子を同定及び定量する工程、並びに(iii)前記工程(ii)で定量した当該器官連関指標因子の量から、器官連関指標因子の被験データを決定する工程。

請求項17

前記器官連関指標因子がRNAを含む、請求項15、又は16に記載の方法。

請求項18

前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、請求項15、16、及び17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

請求項15に記載の前記標準データ1の陽性対照量1と陰性対照量1との前記関係が、陽性対照量1と陰性対照量1との比率である、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。

請求項22

前記特定疾患が腫瘍である、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

下記の工程を含む、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測するために使用される、器官連関指標因子のパターンの標準データ1の作成方法:(A)ゴールデンスタンダードの陽性対照の前記特定疾患の病期毎の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;(B)ゴールデンスタンダードの陰性対照の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;(C)前記工程(A)で得られた「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量」と前記工程(B)で得られた「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係(好ましくは比率)から、器官連関指標因子のパターンを決定する工程;及び(D)前記器官連関指標因子のパターンを、前記特定疾患の各病期に対応付ける工程。

請求項24

請求項23に記載の方法により作成される、被験体の特定器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するために使用される、器官連関指標因子のパターンの標準データ1。

請求項25

下記の演算手段を有する、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する装置:前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する病期情報取得手段、前記病期情報取得手段が取得した病期の情報と、標準データ2とを照合する病期情報照合手段、前記病期情報照合手段で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出手段、及び前記パターン抽出手段で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段;ここで、前記標準データ2は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量2」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量2」と称する)」との関係から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。

請求項26

前記器官連関指標因子がRNAを含む、請求項25に記載の装置。

請求項27

前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、請求項25、又は26に記載の装置。

請求項28

請求項25に記載の前記標準データ2の陽性対照量2と陰性対照量2との前記関係が、陽性対照量2と陰性対照量2との比率である、請求項25から27のいずれか一項に記載の装置。

請求項29

前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、請求項25から28のいずれか一項に記載の装置。

請求項30

前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、請求項25から28のいずれか一項に記載の装置。

請求項31

前記特定疾患が腫瘍である、請求項25から28のいずれか一項に記載の装置。

請求項32

コンピュータに実行させたときに、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するための下記の処理を当該コンピュータに実施させるプログラム:前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する病期情報取得処理、前記病期情報取得処理で取得された病期の情報と、標準データ2とを照合する病期情報照合処理、前記病期情報照合処理で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出処理、及び前記パターン抽出処理で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理;ここで、前記標準データ2は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量2」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量2」と称する)」との関係から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。

請求項33

前記器官連関指標因子がRNAを含む、請求項32に記載のプログラム。

請求項34

前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、請求項32、又は33に記載のプログラム。

請求項35

請求項32に記載の前記標準データ2の陽性対照量2と陰性対照量2との前記関係が、陽性対照量2と陰性対照量2との比率である、請求項32、33、及び34のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項36

前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、請求項32から35のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項37

前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、請求項32から35のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項38

前記特定疾患が腫瘍である、請求項32から35のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項39

下記の工程を含む、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する方法:(i)前記被験体の診断結果から、前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する工程、(ii)前記工程(i)で取得された前記病期の情報と、標準データ2を照合する工程、(iii)前記工程(ii)で取得された照合結果に基づいて、標準データ2の中から前記病期の情報と対応する特定疾患の病期の標準データαを決定し、前記被験体の病期に対応する前記被験体における特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを標準データαの中から抽出する工程、(iv)前記工程(iii)で抽出された器官連関指標因子のパターンを公知の疾患、及び/又は前記疾患の病期における器官連関指標因子の情報と照合して、前記被験体の特定器官以外の器官の器官連関指標因子のパターンに対応する前記特定器官以外の器官の疾患の存在及び/又は当該疾患の病期を決定する工程、及び(v)前記工程(iv)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患を、前記被験体が罹患している可能性のある疾患であると、さらに決定する工程、及び/又は前記工程(iv)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患の病期を、前記被験体が罹患している疾患の病期であるとさらに決定する工程;ここで、前記標準データ2は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量2」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量2」と称する)」との関係から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。

請求項40

前記器官連関指標因子がRNAを含む、請求項39に記載の方法。

請求項41

前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、請求項39、又は40に記載の方法。

請求項42

請求項39に記載の前記標準データ2の陽性対照量2と陰性対照量2との関係が、陽性対照量2と陰性対照量2との比率である、請求項39、40、及び41のいずれか一項に記載の方法。

請求項43

前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、請求項39から42のいずれか一項に記載の方法。

請求項44

前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、請求項39から42のいずれか一項に記載の方法。

請求項45

前記特定疾患が腫瘍である、請求項39から42のいずれか一項に記載の方法。

請求項46

下記の工程を含む、特定器官に疾患を有する被験体において当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するために使用される、器官連関指標因子のパターンの標準データ2の作成方法:(A’)ゴールデンスタンダードの陽性対照の前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期毎の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;(B’)ゴールデンスタンダードの陰性対照の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;(C’)前記工程(A’)で得られた「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量」と前記工程(B’)で得られた「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係(好ましくは比率)から、器官連関指標因子のパターンを決定する工程;及び(D’)前記器官連関指標因子のパターンを、前記特定疾患の各病期に対応付ける工程。

請求項47

請求項46に記載の方法により作成される、特定器官に疾患を有する被験体において当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するために用いる、器官連関指標因子のパターンの標準データ2。

請求項48

下記の演算手段を有する、被験物質効能又は副作用を予測する装置:前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出手段、及び前記パターン類似度算出手段で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測手段。

請求項49

前記被験データXが、「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンである、請求項48に記載の装置。

請求項50

前記標準データYが、Y1:「既に機能が知られている器官連関指標因子の量」からあらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンの標準データである、請求項48又は49に記載の装置。

請求項51

前記標準データYが、Y2:「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、請求項48又は49に記載の装置。

請求項52

前記標準データYが、Y3:「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、請求項48又は49に記載の装置。

請求項53

前記器官連関指標因子がRNAを含む、請求項48から52のいずれか一項に記載の装置。

請求項54

前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、請求項48から52のいずれか一項に記載の装置。

請求項55

コンピュータに実行させたときに、被験物質の効能又は副作用を予測するための下記の処理を当該コンピュータに実施させるプログラム:前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出処理、及び前記パターン類似度算出処理で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測処理。

請求項56

前記被験データXが、「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンである、請求項55に記載のプログラム。

請求項57

前記標準データYが、Y1:「既に機能が知られている器官連関指標因子の量」からあらかじめ決定されたパターンである、請求項55又は56に記載のプログラム。

請求項58

前記標準データYが、Y2:「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、請求項55又は56に記載のプログラム。

請求項59

前記標準データYが、Y3:「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、請求項55又は56に記載のプログラム。

請求項60

前記器官連関指標因子がRNAを含む、請求項55から59のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項61

前記器官連関指標因子が代謝物質の存在を含む、請求項55から59のいずれか一項に記載のプログラム。

請求項62

請求項48から54のいずれか一項に記載の前記パターン類似度算出手段及び前記予測手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

請求項63

下記の工程を含む、被験物質の効能又は副作用を予測する方法:(1)前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する工程、及び(2)前記工程(1)で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する工程。

請求項64

前記被験データXが、「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンである、請求項63に記載の方法。

請求項65

前記標準データYが、Y1:「既に機能が知られている器官連関指標因子の量」からあらかじめ決定されたパターンである、請求項63又は64に記載の方法。

請求項66

前記標準データYが、Y2:「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、請求項63又は64に記載の方法。

請求項67

前記標準データYが、Y3:「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、請求項63又は64に記載の方法。

請求項68

前記工程(1)の前に、さらに(i)被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXの情報を取得する工程を含む、請求項63から67に記載の方法。

請求項69

前記工程(i)が、前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の量から、器官連関指標因子の被験データXを決定する工程を含む、請求項68に記載の方法。

請求項70

前記工程(i)が、前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織より抽出された当該器官連関指標因子を同定、又は定量する工程を含む、請求項69に記載の方法。

請求項71

前記工程(i)の前に、さらに下記の工程を含む、請求項68から70のいずれか一項に記載の方法:(ii)前記被験物質を用意する工程、(iii)前記個体を用意する工程、(iv)前記工程(iii)で用意された前記個体に、前記工程(ii)で用意された前記被験物質を投与する工程、(v)前記工程(iv)で前記被験物質が投与された前記個体から前記器官を摘出する工程、(vi)前記工程(v)で摘出された前記器官より前記細胞又は組織を採取する工程。

請求項72

前記器官連関指標因子がRNAを含む、請求項68から71のいずれか一項に記載の方法。

請求項73

前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、請求項68から71のいずれか一項に記載の方法。

請求項74

下記の工程を含む、被験物質の効能又は副作用を予測するために用いられる、器官連関指標因子のパターンの標準データYの作成方法:(1)既存物質が投与された個体の器官由来の細胞又は組織から、及び/又は、陰性対照の器官由来の細胞又は組織から、及び/又は、疾患を有する陽性対照の個体の器官由来の細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する工程、(2)前記工程(1)で抽出した器官連関指標因子を同定及び定量する工程、並びに(3)前記工程(2)で定量した当該器官連関指標因子の量から、器官連関指標因子の標準データYを決定する工程。

請求項75

被験体の特定器官の疾患の存在、並びに/又は病期を予測する方法、及び/若しくは被験物質の効能又は副作用を予測する方法において、前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを得るために使用される、明細書中「1.用語の説明」及び「8.マイクロアレイ及びキット」の項に記載の1〜8群からなる群より選択される少なくとも1つの群を検索可能なプローブを搭載したマイクロアレイ。

請求項76

請求項2、4、5、6、7、26、28、29、30、31のいずれか一項に記載の装置に組み込まれるものである、請求項75に記載のマイクロアレイ。

請求項77

被験体の特定器官の疾患の存在、並びに/又は病期を予測する方法、及び/若しくは被験物質の効能又は副作用を予測する方法において、前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを得るために使用される、明細書中「1.用語の説明」及び「8.マイクロアレイ及びキット」の項に記載の1〜8群からなる群より選択される少なくとも1つの群を検索可能なプローブを搭載したマイクロアレイを含むキット。

技術分野

0001

本発明は、被験体特定器官の疾患の存在、及び/又は病期予測する装置、並びにプログラムに関する。また、本発明は、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官における疾患の存在、及び/又は病期を予測する装置及びプログラムに関する。

背景技術

0002

疾患には、可逆的に治療できる状態とそうでない状態(つまり不可逆的な状態)がある。可逆的な状態中に、異常をいち早く検出し治療する、あるいはそのような状態にすらならないように予防することが健康を維持することに不可欠である。また、可逆的な状態であっても、疾患の早期発見は、より軽度な治療方法、より短期の治療期間、またより良い予後の健康状態直結する。また、心臓疾患脳疾患がん糖尿病に代表されるように、一つの器官や組織の異常が他の器官の疾患を招く(一般に合併症と呼ばれている)ことはよく知られており、そのような疾患においては、ひとつの器官・組織の異常から他の器官・組織の疾患が引き起こされるのを出来るだけ早い段階で防ぐことが必須となる。
人をふくめた全ての動物において、個々の器官や組織は個別の部品ではなく、それぞれが機能的なネットワークを形成することにより、個体レベルでの品質管理がなされている。全身張り巡らされている血管ネットワークによるホルモンなどの内分泌因子運搬神経ネットワークによる各器官機能協調的な調整は「多器官連関ステム」の代表的な例であり、生理学内分泌学として体系づけられている。
一方、製薬分野では、現在、新薬ディスカバリーフェーズから臨床試験フェーズ3を経て承認に至る薬は、1.6%程度である。つまり、ディスカバリーフェーズで候補として研究開発された薬の98.4%は日の目を見ないことになる。この理由の多くは、細胞レベルでは効果が認められた薬を生体投与しても生体(動物モデル)では効果が見られなかったケース、細胞や動物モデルでは薬の効果が認められたがヒトでは顕著な効果を示さなかったケース、生体(動物モデルやヒト)で被験薬の効果が認められるものの副作用が強く使用できないケース等が挙げられる。したがって、これらの研究開発から実用化までの間に大量にドロップアウトする薬について「薬を蘇らせる」あるいは「別の新規用途を発掘する」(このことは「ドラッグリポジショニング(Drug Repositioning)」と一般に呼ばれる)ことができれば、医療また経済発展に大きく貢献すると考えられる。
ディスカバリーフェーズにおいて選抜された薬の半分以上は、細胞で効果を示す。そこからさらに進んだフェーズでドロップアウトする原因のひとつには、生体特有に存在する「多器官連関システムネットワーク」がある。生体内では多様な機能ももった細胞により構築された各器官が「多器官連関システム」を形成することで、個体全体の恒常性生理機能が成り立っている。したがって、ひとつの器官に異常が起こる(疾病)と、「多器官連関システム」を介して他の器官へのその異常シグナル伝播され、多器官連関システムの「ネットワーク全体」が変化しており、最初に異常をきたした器官のある細胞のみを薬でターゲットにしても(特許文献1〜8)、多器官連関システムの「ネットワーク全体」をもとに戻すことは不可能である。

先行技術

0003

特表2005−508505号公報
特表2008−518626号公報
特表2002−516107号公報
特表2005−518810号公報
特表2007−521799号公報
特表2013−538565号公報
特表2013541323号公報
国際公開2003/085548号

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、1つの器官の細胞又は組織から他の器官の疾患をできるだけ早い段階で検出する装置及びプログラムを提供することを課題とする。具体的には、特定器官の疾患の存在、及び/又は病期を、特定器官以外の器官連関指標因子から予測することを課題とする。また、特定器官以外の器官の疾患の存在、及び/又は病期を、特定器官の疾患状態から予測することを課題とする。
さらに、本発明は、被験物質の影響を器官連関指標因子から予測することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者は、上記課題を解決するために「多器官連関システム」に着目した。本発明者は、鋭意研究を重ねたところ、この「多器官連関システム」を利用することで、ある器官の状態の計測から他の器官の現在の状態を診断し、また将来の状態を予測する装置及びプログラムを提供することが可能となることを見出した。
さらに、被験物質を投与された個体において「器官連関指標因子」を測定し、評価することにより、網羅的、且つ定量的に被験物質の効能及び副作用を予測できることを見出した。
本発明は、当該知見に基づいて完成されたものであり、以下の態様を含む。
(項1)
下記の演算手段を有する、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測する装置:
前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを取得する被験データ取得手段、
前記被験データ取得手段が取得した被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターン類似度を算出するパターン類似度算出手段、及び
前記パターン類似度算出手段で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段;
ここで、
前記被験データは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「被験量」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量」と称する)」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンであり、
前記標準データ1は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量1」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量1」と称する)」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。
(項1−1)
下記の演算手段を有する、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測する装置:
前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データAを取得する被験データ取得手段、
前記被験データ取得手段が取得した被験データAと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1aとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出手段、及び
前記パターン類似度算出手段で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段;
ここで、
前記器官連関指標因子がRNAであり、
前記被験データAは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官におけるRNAの発現量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官におけるRNAの発現量」の比率によって示されるRNAの発現パターンであり、
前記標準データ1aは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官におけるRNAの発現量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官におけるRNAの発現量」の比率から、あらかじめ決定されたRNAの発現パターンである。
(項1−2)
下記の演算手段を有する、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測する装置:
前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データBを取得する被験データ取得手段、
前記被験データ取得手段が取得した被験データBと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1bとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出手段、及び
前記パターン類似度算出手段で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段;
ここで、
前記器官連関指標因子が代謝物質であり、
前記被験データBは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における代謝物質の存在量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における代謝物質の存在量」の比率によって示される代謝物質の存在パターンであり、
前記標準データ1bは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における代謝物質の存在量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における代謝物質の存在量」の比率から、あらかじめ決定された代謝物質の存在パターンである。
(項1−3)
前記特定器官以外の器官が、血液以外の器官である、項1、1−1、及び1−2のいずれか一項に記載の装置。
(項2)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項1に記載の装置。
(項3)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項1又は2に記載の装置。
(項4)
項1に記載の前記標準データ1の陽性対照量1と陰性対照量1との関係が、陽性対照量1と陰性対照量1との比率である、項1、2、及び3のいずれか一項に記載の装置。
(項4−1)
項1に記載の前記被験データの被験量と陰性対照量との前記関係が、被験量と陰性対照量との比率である、項1、2、3及び4のいずれか一項に記載の装置。
(項5)
前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、項1、1−1、1−2、2から4、及び4−1のいずれか一項に記載の装置。
(項5−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項5に記載の装置。
(項5−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項5に記載の装置。
(項6)
前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、項1、1−1、1−2、2から4、及び4−1のいずれか一項に記載の装置。
(項6−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項6に記載の装置。
(項6−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項6に記載の装置。
(項7)
前記特定疾患が腫瘍である、項1、1−1、1−2、2から4、及び4−1のいずれか一項に記載の装置。
(項7−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項7に記載の装置。
(項7−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項7に記載の装置。
(項8)
コンピュータに実行させたときに、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測するための下記の処理を当該コンピュータに実施させるプログラム:
前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを取得する被験データ取得処理
前記被験データ取得処理で取得された被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出処理、及び
前記パターン類似度算出処理で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理
ここで、
前記被験データは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「被験量」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量」と称する)」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンであり、
前記標準データ1は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量1」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量1」と称する)」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。
(項8−1)
コンピュータに実行させたときに、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測するための下記演算処理を当該コンピュータに実現させるプログラム:
前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データAを取得する被験データ取得処理、
前記被験データ取得処理で取得された被験データAと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1aとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出処理、及び
前記パターン類似度算出処理で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理;
ここで、
前記器官連関指標因子がRNAであり、
前記被験データAは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官におけるRNAの発現量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官におけるRNAの発現量」の比率によって示されるRNAの発現パターンであり、
前記標準データ1aは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官におけるRNAの発現量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官におけるRNAの発現量」の比率から、あらかじめ決定されたRNAの発現パターンである。
(項8−2)
コンピュータに実行させたときに、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測するための下記演算処理を当該コンピュータに実現させるプログラム:
前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データBを取得する被験データ取得処理、
前記被験データ取得処理で取得された被験データBと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1bとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出処理、及び
前記パターン類似度算出処理で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理;
ここで、
前記器官連関指標因子が代謝物質であり、
前記被験データBは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における代謝物質の存在量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における代謝物質の存在量」の比率によって示される代謝物質の存在パターンであり、
前記標準データ1bは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における代謝物質の存在量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における代謝物質の存在量」の比率から、あらかじめ決定された代謝物質の存在パターンである。
(項8−3)
項1から4及び4−1のいずれか一項に記載の前記被験データ取得手段、前記パターン類似度算出手段及び前記予測手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
(項8−4)
前記特定器官以外の器官が、血液以外の器官である、項8、8−1、8−2、及び8−3のいずれか一項に記載のプログラム。
(項9)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項8に記載のプログラム。
(項10)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項8、又は項9に記載のプログラム。
(項11)
項8に記載の前記標準データ1の陽性対照量1と陰性対照量1との前記関係が、陽性対照量と陰性対照量との比率である、項8、9、及び10のいずれか一項に記載のプログラム。
(項11−1)
項8に記載の前記被験データ1の被験量と陰性対照量との前記関係が、被験量と陰性対照量との比率である、項8、9、10及び11のいずれか一項に記載のプログラム。
(項12)
前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、項8、8−1、8−2、9から11、及び11−1のいずれか一項に記載のプログラム。
(項12−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項12に記載のプログラム。
(項12−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項12に記載のプログラム。
(項13)
前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、項8、8−1、8−2、9から11、及び11−1のいずれか一項に記載のプログラム。
(項13−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項13に記載のプログラム。
(項13−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項13に記載のプログラム。
(項14)
前記特定疾患が腫瘍である、項8、8−1、8−2、9から11、及び11−1のいずれか一項に記載のプログラム。
(項14−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項14に記載のプログラム。
(項14−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項14に記載のプログラム。
(項15)
下記の工程を含む、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測する方法:
(1)前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する工程、及び
(2)前記工程(1)において算出された器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記被験体が前記標準データ1に対応する特定疾患であると決定する工程、及び/又は
前記工程(1)において算出された器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記標準データ1に対応する特定疾患の病期であると決定する工程;
ここで、
前記被験データは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「被験量」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量」と称する)」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンであり、
前記標準データ1は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量1」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量1」と称する)」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。
(項15−1)
下記の工程を含む、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測する方法:
(a)前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データAと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1aとを比較して、器官連関指標因子パターンの類似度を算出する工程、及び
(b)前記工程(a)において算出された器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記被験体が前記標準データ1aに対応する特定疾患であると決定する工程、及び/又は
前記工程(a)において算出された器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記標準データ1aに対応する特定疾患の病期であると決定する工程;
ここで、
前記器官連関指標因子がRNAであり、
前記被験データAは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官におけるRNAの発現量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官におけるRNAの発現量」の比率によって示されるRNAの発現パターンであり、
前記標準データ1aは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官におけるRNAの発現量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官におけるRNAの発現量」の比率から、あらかじめ決定されたRNAの発現パターンである。
(項15−2)
下記工程を含む、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測する方法:
(a)特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データBと、あらかじめ決定された器官連関指標因子の標準データ1bとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する工程、及び
(b)前記工程(a)において算出された器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記被験体が前記標準データ1bに対応する特定疾患であると決定する工程、及び/又は
前記工程(a)において算出された器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記標準データ1bに対応する特定疾患の病期であると決定する工程;
ここで、
前記器官連関指標因子が代謝物質であり、
前記被験データBは、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における代謝物質の存在量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における代謝物質の存在量」の比率によって示される代謝物質の存在パターンであり、
前記標準データ1bは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における代謝物質の存在量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における代謝物質の存在量」の比率から、あらかじめ決定された代謝物質の存在パターンである。
(項15−3)
前記特定器官以外の器官が、血液以外の器官である、項15、15−1、及び15−2のいずれか一項に記載の方法。
(項16)
前記工程(1)の前に、さらに下記の工程を含む、項15に記載の方法:
(i)被験体の特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する工程、
(ii)(i)で抽出した器官連関指標因子を同定及び定量する工程、並びに
(iii)前記工程(ii)で定量した当該器官連関指標因子の量から、器官連関指標因子の被験データを決定する工程。
(項16−1)
前記工程(1)の前に、さらに下記の工程を含む、項15−1に記載の方法:
(i)被験体の特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から、RNAを抽出する工程、
(ii)前記工程(i)で抽出したRNAの発現から、発現している遺伝子を同定及びその発現量を定量する工程、及び
(iii)前記工程(ii)で定量した当該RNAの発現量から、遺伝子の被験データ1を決定する工程。
(項16−2)
前記工程(1)の前に、さらに下記の工程を含む、項15−2に記載の方法:
(i)被験体の特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から代謝物質を抽出する工程、
(ii)前記工程(i)で抽出した代謝物質を同定及び存在量を定量する工程、及び
(iii)前記工程(ii)で定量した当該代謝物質の存在量から、代謝物質の被験データ2を決定する工程。
(項17)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項15、又は16に記載の方法。
(項18)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項15、16、及び17のいずれか一項に記載の方法。
(項19)
項15に記載の前記標準データ1の陽性対照量1と陰性対照量1との前記関係が、陽性対照量1と陰性対照量1との比率である、項15、16、17、及び18のいずれか一項に記載の方法。
(項19−1)
項15に記載の前記被験データの被験量と陰性対照量との関係が、被験量と陰性対照量との比率である、項15、16、17、18、及び19のいずれか一項に記載の方法。
(項20)
前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、項15、15−1、15−2、16から19、及び19−1のいずれか一項に記載の方法。
(項20−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項20に記載の方法。
(項20−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項20に記載の方法。
(項21)
前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、項15、15−1、15−2、16から19、及び19−1のいずれか一項に記載の方法。
(項21−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、遺伝子が図25又は26に記載の遺伝子である項21に記載の方法。
(項21−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項21に記載の方法。
(項22)
前記特定疾患が腫瘍である、項15、15−1、15−2、16から19、及び19−1のいずれか一項に記載の方法。
(項22−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、遺伝子が図25又は26に記載の遺伝子である項22に記載の方法。
(項22−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項22に記載の方法。
(項23)
下記の工程を含む、被験体の特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の存在、及び/又は病期を予測するために使用される、器官連関指標因子のパターンの標準データ1の作成方法
(A)ゴールデンスタンダードの陽性対照の前記特定疾患の病期毎の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;
(B)ゴールデンスタンダードの陰性対照の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;
(C)前記工程(A)で得られた「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量」と前記工程(B)で得られた「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係(好ましくは比率)から、器官連関指標因子のパターンを決定する工程;及び
(D)前記器官連関指標因子のパターンを、前記特定疾患の各病期に対応付ける工程。
(項23−1)
前記工程(A)が、
ゴールデンスタンダードの陽性対照の前記特定疾患の病期毎の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する工程;及び
前記器官連関指標因子を同定及び定量する工程;を含み、
前工程(B)が、
ゴールデンスタンダードの陰性対照の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から器官連関指標因子を抽出する工程;及び
前記器官連関指標因子を同定及び定量する工程;を含む、
項23に記載の方法。
(項23−2)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項23又は23−1に記載の方法。
(項23−3)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項23又は23−1に記載の方法。
(項23−4)
前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、項23、23−1、23−2、及び23−3のいずれか一項に記載の方法。
(項23−4−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項23−4に記載の方法。
(項23−4−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項23−4に記載の方法。
(項23−5)
前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、項23、23−1、23−2、及び23−3のいずれか一項に記載の方法。
(項23−5−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項23−5に記載の方法。
(項23−5−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項23−5に記載の方法。
(項23−6)
前記特定疾患が腫瘍である、項23、23−1、23−2、及び23−3のいずれか一項に記載の方法。
(項23−6−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項23−6に記載の方法。
(項23−6−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項23−6に記載の方法。
(項24)
項23、23−1、23−2、及び23−3のいずれか一項に記載の方法により作成される、被験体の特定器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するために使用される、器官連関指標因子のパターンの標準データ1。
(項25)
下記の演算手段を有する、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する装置:
前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する病期情報取得手段、
前記病期情報取得手段が取得した病期の情報と、標準データ2とを照合する病期情報照合手段、
前記病期情報照合手段で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出手段、及び
前記パターン抽出手段で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段;
ここで、
前記標準データ2は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量2」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量2」と称する)」との関係から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。
(項25−1)
下記の演算手段を有する、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する装置:
前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する病期情報取得手段、
前記病期情報取得手段が取得した病期の情報と、標準データ2aとを照合する病期情報照合手段、
前記病期情報照合手段で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出手段、及び
前記パターン抽出手段で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段;
ここで、
前記器官連関指標因子がRNAであり、
前記標準データ2aは、「前記特定疾患を有する陽性対照の当該特定器官以外の器官におけるRNAの発現量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官におけるRNAの発現量」との比率から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定されたRNAの発現パターンである。
(項25−2)
下記の演算手段を有する、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する装置:
前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する病期情報取得手段、
前記病期情報取得手段が取得した病期の情報と、標準データ2bとを照合する病期情報照合手段、
前記病期情報照合手段で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出手段、及び
前記パターン抽出手段で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段;
ここで、
前記器官連関指標因子が代謝物質であり、
前記標準データ2bは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における代謝物質の存在量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における代謝物質の存在量」との比率から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された代謝物質の存在パターンである。
(項26)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項25に記載の装置。
(項27)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項25、又は26に記載の装置。
(項28)
項25に記載の前記標準データ2の陽性対照量2と陰性対照量2との前記関係が、陽性対照量2と陰性対照量2との比率である、項25から27のいずれか一項に記載の装置。
(項29)
前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、項25、25−1、25−2、及び26から28のいずれか一項に記載の装置。
(項29−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項29に記載の装置。
(項29−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項29に記載の装置。
(項30)
前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、項25、25−1、25−2、及び26から28のいずれか一項に記載の装置。
(項30−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項30に記載の装置。
(項30−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項30に記載の装置。
(項31)
前記特定疾患が腫瘍である、項25、25−1、25−2、及び26から28のいずれか一項に記載の装置。
(項31−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項31に記載の装置。
(項31−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項31に記載の装置。
(項32)
コンピュータに実行させたときに、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するための下記の処理を当該コンピュータに実施させるプログラム:
前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する病期情報取得処理
前記病期情報取得処理で取得された病期の情報と、標準データ2とを照合する病期情報照合処理
前記病期情報照合処理で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出処理、及び
前記パターン抽出処理で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理;
ここで、
前記標準データ2は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量2」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量2」と称する)」との関係から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。
(項32−1)
コンピュータに実行させたときに、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するための下記の演算処理を当該コンピュータに実現させるプログラム:
前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する病期情報取得処理、
前記病期情報取得処理で取得された病期の情報と、標準データ2aとを照合する病期情報照合処理、
前記病期情報照合処理で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出処理、及び
前記パターン抽出処理で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理;
ここで、
前記器官連関指標因子がRNAであり、
前記標準データ2aは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官におけるRNAの発現量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官におけるRNAの発現量」との比率から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定されたRNAの発現パターンである。
(項32−2)
コンピュータに実行させたときに、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するための下記の演算処理を当該コンピュータに実現させるプログラム:
前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する病期情報取得処理、
前記病期情報取得処理で取得された病期の情報と、標準データ2bとを照合する病期情報照合処理、
前記病期情報照合処理で得られた結果から、前記被験体における特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出処理、及び
前記パターン抽出処理で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理;
ここで、
前記器官連関指標因子が代謝物質であり、
前記標準データ2bは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における代謝物質の存在量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における代謝物質の存在量」との比率から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された代謝物質の存在パターンである。
(項32−3)
項24から28のいずれか一項に記載の前記病期情報取得手段、前記病期情報照合手段、前記パターン抽出手段及び前記予測手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
(項33)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項32に記載のプログラム。
(項34)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項32、又は33に記載のプログラム。
(項35)
項32に記載の前記標準データ2の陽性対照量2と陰性対照量2との前記関係が、陽性対照量2と陰性対照量2との比率である、項32、33、及び34のいずれか一項に記載のプログラム。
(項36)
前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、項32、32−1、32−2、及び33から35のいずれか一項に記載のプログラム。
(項36−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項36に記載のプログラム。
(項36−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項36に記載のプログラム。
(項37)
前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、項32、32−1、32−2、及び33から35のいずれか一項に記載のプログラム。
(項37−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項37に記載のプログラム。
(項37−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項37に記載のプログラム。
(項38)
前記特定疾患が腫瘍である、項32、32−1、32−2、及び33から35のいずれか一項に記載のプログラム。
(項38−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項38に記載のプログラム。
(項38−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項38に記載のプログラム。
(項39)
下記の工程を含む、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する方法:
(i)前記被験体の診断結果から、前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する工程、
(ii)前記工程(i)で取得された前記病期の情報と、標凖データ2を照合する工程、
(iii)前記工程(ii)で取得された照合結果に基づいて、標準データ2の中から前記病期の情報と対応する特定疾患の病期の標準データαを決定し、前記被験体の病期に対応する前記被験体における特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを標準データαの中から抽出する工程、
(iv)前記工程(iii)で抽出された器官連関指標因子のパターンを公知の疾患、及び/又は前記疾患の病期における器官連関指標因子の情報と照合して、前記被験体の特定器官以外の器官の器官連関指標因子のパターンに対応する前記特定器官以外の器官の疾患の存在及び/又は当該疾患の病期を決定する工程、及び
(v)前記工程(iv)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患を、前記被験体が罹患している可能性のある疾患であると、さらに決定する工程、及び/又は
前記工程(iv)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患の病期を、前記被験体が罹患している疾患の病期であるとさらに決定する工程;
ここで、
前記標準データ2は、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量2」と称する)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量2」と称する)」との関係から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである。
(項39−1)
下記の工程を含む、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する方法:
(a)前記被験体の診断結果から、前記被験体における前記特定疾患の病期の情報を取得する工程、
(b)前記工程(a)で取得された前記病期の情報と、標準データ2aを照合する工程、
(c)前記工程(b)で取得された照合結果に基づいて、標準データ2aの中から前記病期の情報と対応する特定疾患の病期の標準データα1を決定し、前記被験体の病期に対応する前記被験体における特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを標準データα1の中から抽出する工程、
(d)前記工程(c)で抽出された器官連関指標因子のパターンを公知の疾患、及び/又は前記疾患の病期における器官連関指標因子の情報と照合して、前記被験体の特定器官以外の器官の器官連関指標因子のパターンに対応する前記特定器官以外の器官の疾患の存在及び/又は当該疾患の病期を決定する工程、及び
(e)前記工程(d)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患を、前記被験体が罹患している可能性のある疾患であると、さらに決定する工程、及び/又は
前記工程(d)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患の病期を、前記被験体が罹患している疾患の病期であるとさらに決定する工程;
ここで、
前記器官連関指標因子がRNAであり、
前記標準データ2aは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官におけるRNAの発現量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官におけるRNAの発現量」との比率から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定されたRNAの発現パターンである。
(項39−2)
下記の工程を含む、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する方法:
(a)前記被験体の診断結果から、前記被験体における前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期の情報を取得する工程、
(b)前記工程(a)で取得された前記病期の情報と、標準データ2bを照合する工程、
(c)前記工程(b)で取得された照合結果に基づいて、標準データ2bの中から前記病期の情報と対応する特定疾患の病期の標準データα2を決定し、前記被験体の病期に対応する前記被験体における特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを標準データα2の中から抽出する工程、
(d)前記工程(c)で抽出された器官連関指標因子のパターンを公知の疾患、及び/又は前記疾患の病期における器官連関指標因子の情報と照合して、前記被験体の特定器官以外の器官の器官連関指標因子のパターンに対応する前記特定器官以外の器官の疾患の存在及び/又は当該疾患の病期を決定する工程、及び
(e)前記工程(d)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患を、前記被験体が罹患している可能性のある疾患であると、さらに決定する工程、及び/又は
前記工程(d)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患の病期を、前記被験体が罹患している疾患の病期であるとさらに決定する工程;
ここで、
前記器官連関指標因子が代謝物質であり、
前記標準データ2bは、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における代謝物質の存在量」と、「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における代謝物質の存在量」との比率から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された代謝物質の存在パターンである。
(項40)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項39に記載の方法。
(項41)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項39、又は40に記載の方法。
(項42)
項39に記載の前記標準データ2の陽性対照量2と陰性対照量2との関係が、陽性対照量2と陰性対照量2との比率である、項39、40、及び41のいずれか一項に記載の方法。
(項43)
前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、項39、39−1、39−2、及び40から42のいずれか一項に記載の方法。
(項43−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項43に記載の方法。
(項43−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項43に記載の方法。
(項44)
前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、項39、39−1、39−2、及び40から42のいずれか一項に記載の方法。
(項44−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項44に記載の方法。
(項44−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項44に記載の方法。
(項45)
前記特定疾患が腫瘍である、項39、39−1、39−2、及び40から42のいずれか一項に記載の方法。
(項45−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項45に記載の方法。
(項45−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項45に記載の方法。
(項46)
下記の工程を含む、特定器官に疾患を有する被験体において当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するために使用される、器官連関指標因子のパターンの標準データ2の作成方法:
(A’)ゴールデンスタンダードの陽性対照の前記特定器官の疾患(以下、「特定疾患」と称する)の病期毎の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;
(B’)ゴールデンスタンダードの陰性対照の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;
(C’)前記工程(A’)で得られた「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量」と前記工程(B’)で得られた「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係(好ましくは比率)から、器官連関指標因子のパターンを決定する工程;及び
(D’)前記器官連関指標因子のパターンを、前記特定疾患の各病期に対応付ける工程。
(項46−1)
前記工程(A’)が、
ゴールデンスタンダードの陽性対照の前記特定疾患の病期毎の特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する工程;及び
前記器官連関指標因子を同定及び定量する工程;を含み、
前記工程(B’)が、
ゴールデンスタンダードの陰性対照の特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から器官連関指標因子を抽出する工程;及び
前記器官連関指標因子を同定及び定量する工程;を含む、
項46に記載の方法。
(項46−2)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項46又は46−1に記載の方法。
(項46−3)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項46又は46−1に記載の方法。
(項46−4)
前記特定器官が心臓であり、前記特定疾患が心筋梗塞である、項46、46−1、46−2、及び46−3のいずれか一項に記載の方法。
(項46−4−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項46−4に記載の方法。
(項46−4−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項46−4に記載の方法。
(項46−5)
前記特定器官が脳であり、前記特定疾患が認知症である、項46、46−1、46−2、及び46−3のいずれか一項に記載の方法。
(項46−5−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項46−5に記載の方法。
(項46−5−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項46−5に記載の方法。
(項46−6)
前記特定疾患が腫瘍である、項46、46−1、46−2、及び46−3のいずれか一項に記載の方法。
(項46−6−1)
前記器官連関指標因子がRNAである場合、RNAが図25又は26に記載の遺伝子から転写されるものである項46−6に記載の方法。
(項46−6−2)
前記器官連関指標因子が代謝物質である場合、代謝物質が図27に記載の代謝物質である項46−6に記載の方法。
(項47)
項46、46−1、46−2、及び46−3のいずれか一項に記載の方法により作成される、特定器官に疾患を有する被験体において当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するために用いる、器官連関指標因子のパターンの標準データ2。
(項48)
下記の演算手段を有する、被験物質の効能又は副作用を予測する装置:
前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出手段、及び
前記パターン類似度算出手段で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測手段。
(項49)
前記被験データXが、「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンである、項48に記載の装置。
(項50)
前記標準データYが、
Y1:「既に機能が知られている器官連関指標因子の量」からあらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンの標準データである、項48又は49に記載の装置。
(項51)
前記標準データYが、
Y2:「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、項48又は49に記載の装置。
(項52)
前記標準データYが、
Y3:「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、項48又は49に記載の装置。
(項53)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項48から52のいずれか一項に記載の装置。
(項54)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項48から52のいずれか一項に記載の装置。
(項55)
コンピュータに実行させたときに、被験物質の効能又は副作用を予測するための下記の処理を当該コンピュータに実施させるプログラム:
前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出処理、及び
前記パターン類似度算出処理で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測処理。
(項56)
前記被験データXが、「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンである、項55に記載のプログラム。
(項57)
前記標準データYが、
Y1:「既に機能が知られている器官連関指標因子の量」からあらかじめ決定されたパターンである、項55又は56に記載のプログラム。
(項58)
前記標準データYが、
Y2:「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、項55又は56に記載のプログラム。
(項59)
前記標準データYが、
Y3:「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、項55又は56に記載のプログラム。
(項60)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項55から59のいずれか一項に記載のプログラム。
(項61)
前記器官連関指標因子が代謝物質の存在を含む、項55から59のいずれか一項に記載のプログラム。
(項62)
項48から54のいずれか一項に記載の前記パターン類似度算出手段及び前記予測手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
(項63)
下記の工程を含む、被験物質の効能又は副作用を予測する方法:
(1)前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する工程、及び
(2)前記工程(1)で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する工程。
(項64)
前記被験データXが、「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係を表している、器官連関指標因子のパターンである、項63に記載の方法。
(項65)
前記標準データYが、
Y1:「既に機能が知られている器官連関指標因子の量」からあらかじめ決定されたパターンである、項63又は64に記載の方法。
(項66)
前記標準データYが、
Y2:「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、項63又は64に記載の方法。
(項67)
前記標準データYが、
Y3:「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンである、項63又は64に記載の方法。
(項68)
前記工程(1)の前に、さらに(i)被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXの情報を取得する工程を含む、項63から67に記載の方法。
(項69)
前記工程(i)が、前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の量から、器官連関指標因子の被験データXを決定する工程を含む、項68に記載の方法。
(項70)
前記工程(i)が、前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織より抽出された当該器官連関指標因子を同定、又は定量する工程を含む、項69に記載の方法。
(項71)
前記工程(i)の前に、さらに下記の工程を含む、項68から70のいずれか一項に記載の方法:
(ii)前記被験物質を用意する工程、
(iii)前記個体を用意する工程、
(iv)前記工程(iii)で用意された前記個体に、前記工程(ii)で用意された前記被験物質を投与する工程、
(v)前記工程(iv)で前記被験物質が投与された前記個体から前記器官を摘出する工程、
(vi)前記工程(v)で摘出された前記器官より前記細胞又は組織を採取する工程。
(項72)
前記器官連関指標因子がRNAを含む、項68から71のいずれか一項に記載の方法。
(項73)
前記器官連関指標因子が代謝物質を含む、項68から71のいずれか一項に記載の方法。
(項74)
下記の工程を含む、被験物質の効能又は副作用を予測するために用いられる、器官連関指標因子のパターンの標準データYの作成方法:
(1)既存物質が投与された個体の器官由来の細胞又は組織から、及び/又は、陰性対照の器官由来の細胞又は組織から、及び/又は、疾患を有する陽性対照の個体の器官由来の細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する工程、
(2)前記工程(1)で抽出した器官連関指標因子を同定及び定量する工程、並びに
(3)前記工程(2)で定量した当該器官連関指標因子の量から、器官連関指標因子の標準データYを決定する工程。
(項75)
被験体の特定器官の疾患の存在、並びに/又は病期を予測する方法、及び/若しくは被験物質の効能又は副作用を予測する方法において、前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを得るために使用される、明細書中「1.用語の説明」及び「8.マイクロアレイ及びキット」の項に記載の1〜8群からなる群より選択される少なくとも1つの群を検索可能なプローブを搭載したマイクロアレイ。
(項76)
項1−1、2、4、4−1、5、5−1、6、6−1、7、7−1、25−1、26、28、29、29−1、30、30−1、31、及び31−1のいずれか一項に記載の装置に組み込まれるものである、項75に記載のマイクロアレイ。
(項77)
被験体の特定器官の疾患の存在、並びに/又は病期を予測する方法、及び/若しくは被験物質の効能又は副作用を予測する方法において、前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを得るために使用される、明細書中「1.用語の説明」及び「8.マイクロアレイ及びキット」の項に記載の1〜8群からなる群より選択される少なくとも1つの群を検索可能なプローブを搭載したマイクロアレイを含むキット。

発明の効果

0006

本発明(Reverse iOrgans)によれば、ある器官の状態の微妙な変化と、他の器官の微妙な変化を関連づけることにより、1つの器官または組織のその微妙な変化を捉え、通常の診断方法よりも早期に他の器官や組織の異常を検出できる。さらに、複数の器官や組織でこのような関連性を評価する装置、又はプログラムを用いることにより、1つの器官や組織の診断で複数の器官や組織の診断が可能になり、診断効率飛躍的に向上する。また、本発明(Forward iOrgans)によれば、通常の診断方法ですでに異常をきたしていることが確認されている器官の状態から、通常の検査ではまだ異常をきたしていると診断できていない器官の状態を推測することにより、心疾患、脳疾患、がん等が原因で引き起こされる、他の器官や組織の異常が早期に発見でき、二次、三次疾患(腎不全肝障害、がんの転移など)を予防、あるいは治療することが可能となる。さらに、被験物質の効能及び副作用を予測することができる。

図面の簡単な説明

0007

本発明に係る「Reverse iOrgans」の概念を説明するための模式図である。
本発明に係る「Reverse iOrgans」の概念を説明するための模式図である。(a)は、心筋梗塞の各病期の標準データ1の例である。(b)脂肪組織の被験データの例である。
本発明に係る「Forward iOrgans」の概念を説明するための模式図である。
本発明に係る「Forward iOrgans」の概念を説明するための模式図である。(a)は、標準データ2の例である。(b)標準データ2から抽出された心筋梗塞初期の器官連関指標因子のデータの例である。(c)前記心筋梗塞初期の器官連関指標因子のデータから抽出された腎臓の器官連関指標因子のデータ(標準データα)の例である。
本発明に係る「Drug iOrgans」の概念を説明するための模式図である。(a)は、被験物質の副作用を予測するためのD−iOrgansのモデルである。また(b)は、被験物質の効能を予測するためのD−iOrgansのモデルである。
本発明に係る「Drug iOrgans」の概念を説明するための模式図である。
本発明に係る「Drug iOrgans」の概念を説明するための模式図である。
本発明の第1の態様に係るシステム100の概観図である。
本発明の第1の態様に係るシステム100のハードウェア構成を示すブロック図である。
本発明の第1の態様に係る予測装置1の機能を説明するためのブロック図である。
本発明の第1の態様に係る予測装置1が予測方法を実行するために行うデータ処理順序を示すフローチャートである。
本発明の第2の態様に係るシステム110の概観図である。
本発明の第2の態様に係るシステム110のハードウェア構成を示すブロック図である。
本発明の第2の態様に係る予測装置2の機能を説明するためのブロック図である。
本発明の第2の態様に係る予測装置2が予測方法を実行するために行うデータ処理の順序を示すフローチャートである。
標準データ1を用いたD−iOrgansの概要を示す。(a)標準データ1を示す。(b)被験物質投与後の器官Aにおける被験データXのパターンを示す。(c)被験物質投与後の器官Bにおける被験データXを示す。(d)被験物質投与後の器官Bにおける被験データXを示す。ハッチングは器官連関指標因子のパターンを示す。
標準データ1を用いたD−iOrgansの概要を示す。(a)標準データ1を示す。(b)被験物質投与後の器官Aにおける被験データXのパターンを示す。(c)被験物質投与後の器官Bにおける被験データXを示す。ハッチングは器官連関指標因子のパターンを示す。
標準データY3−MAPを用いたD−iOrgansの概要(ヒト臨床試験の例)を示す。各ハッチングは器官連関指標因子のパターンを示す。また、16個のハッチングされた各ブロック(白を含む)は、相関マップを示す。
標準データY3−MAPを用いたD−iOrgansの概要(前臨床試験における効果の予測例)を示す。各ハッチングは器官連関指標因子のパターンを示す。また、16個のハッチングされた各ブロック(白を含む)は、相関マップを示す。
標準データY3−MAPを用いたD−iOrgansの概要(前臨床試験における効果の予測例)を示す。各ハッチングは器官連関指標因子のパターンを示す。また、16個のハッチングされた各ブロック(白を含む)は、相関マップを示す。
本発明の第3の態様に係るシステム120の概観図である。
本発明の第3の態様に係るシステム120のハードウェア構成を示すブロック図である。
本発明の第3の態様に係る予測装置3の機能を説明するためのブロック図である。
本発明の第3の態様に係る予測装置3が予測方法を実行するために行うデータ処理の順序を示すフローチャートである。
RNA−Seq等で検出され得るマウスのRNAの一覧である。図中「Line No」は表の行番号を示し、「Gene Name」は米国National Center for Biotechnology Information(NCBI)に登録の遺伝子名を、「Reference Seq.ID」はNCBIに登録のReferense Sequence ID番号を示す。また、「Choromosome Locus」はmm9に登録の染色体の座を示す。
RNA−Seq等で検出され得るマウスのRNAの一覧である。図中「Line No」は表の行番号を示し、「Gene Name」は米国National Center for Biotechnology Information(NCBI)に登録の遺伝子名を、「Reference Seq.ID」はNCBIに登録のReferense Sequence ID番号を示す。また、「Choromosome Locus」はmm10に登録の染色体の座を示す。
B群の代謝物質の一覧である。
C群の代謝物質の一覧である。
GCMS解析における[MI/Sham]の値が1より大きいか又は1より小さい値を示した代謝物質の組織毎の経時的変化を示す。図内の記号は1d:冠動脈結紮後1日、1w:冠動脈結紮後1週間、8w:冠動脈結紮後8週間である。
発現量を検討したRNAについて、[MI/Sham]が1より大きいか1より小さいRNAを4群、1.5より大きいか0.67より小さいRNAを5群、2より大きいか0.5より小さいRNAを6群、5より大きいか0.2より小さいRNAを7群に分類した。8群はリアルタイムPCRでも検討を行った、特に本発明に有用なRNAである。図中「Line No.」は表の行番号を、Groupsは[MI/Sham]の値により分類した各群の番号を、「Gene Name」は、NCBIに登録の遺伝子名を、「Human Gene ID」は、前記遺伝子名に対応するNCBIに登録のヒトの遺伝子番号を、「Updated」は、前記Human Gene IDのNCBIでの更新日を示す。また「Sub−Group」において「VIII」は8群を表し、「VII−1」は、7群のRNAの中で[MI/Sham]が5より大きくかつ8群に含まれないRNAであり、「VII−2」は、7群のRNAの中で[MI/Sham]が0.2より小さくかつ8群に含まれないRNAである。「VI−1」は、6群のRNAの中で[MI/Sham]が2より大きくかつ7群及び8群に含まれないRNAであり、「VI−2」は、6群のRNAの中で[MI/Sham]が0.5より小さくかつ7群及び8群に含まれないRNAである。「V−1」は、5群のRNAの中で[MI/Sham]が1.5より大きくかつ6〜8群に含まれないRNAであり、「V−2」は、5群のRNAの中で[MI/Sham]が0.67より小さくかつ6〜8群に含まれないRNAである。「IV−1」は、4群のRNAの中で[MI/Sham]が1より大きくかつ5〜8群に含まれないRNAであり、「IV−2」は、4群のRNAの中で[MI/Sham]が1より小さくかつ5〜8群に含まれないRNAである。3群のRNAは、心筋梗塞モデルマウスにおいて、左冠動脈結紮後8週間以内に、被験器官において発現が認められる、すなわちFPKMの値が1以上となる遺伝子である。
図30に示されるMI/Shamが5より大きいRNA及び0.2より小さいRNAについて、器官毎のRNA発現の経時的変化を示す。図内の記号は1d:冠動脈結紮後1日、1w:冠動脈結紮後1週間、8w:冠動脈結紮後8週間である。
リアルタイムPCR解析の結果を示す。図内の記号は1h:冠動脈結紮後1時間、6h:冠動脈結紮後6時間、1d:冠動脈結紮後1日、1w:冠動脈結紮後1週間、8w:冠動脈結紮後8週間である。「Gene Name」は、NCBIに登録の遺伝子名を示す。
EMS解析における[SAMP8/Control]の値が1より大きいか又は1より小さい値を示した代謝物質の組織毎の経時的変化を示す。図内の記号はE:若年性認知症早期、M:若年性認知症中期である。
発現量を検討したRNAについて、[SAMP8/Control]が1より大きいか1より小さいRNAを4群、1.5より大きいか0.67より小さいRNAを5群、2より大きいか0.5より小さいRNAを6群、5より大きいか0.2より小さいRNAを7群に分類した。「Sub−Group」において、「VII−1」は、7群のRNAの中で[SAMP8/Control]が5より大きいRNAであり、「VII−2」は、7群のRNAの中で[SAMP8/Control]が0.2より小さいRNAである。「VI−1」は、6群のRNAの中で[SAMP8/Control]が2より大きくかつ7群に含まれないRNAであり、「VI−2」は、6群のRNAの中で[SAMP8/Control]が0.5より小さくかつ7群に含まれないRNAである。「V−1」は、5群のRNAの中で[SAMP8/Control]が1.5より大きくかつ6及び7群に含まれないRNAであり、「V−2」は、5群のRNAの中で[SAMP8/Control]が0.67より小さくかつ6及び7群に含まれないRNAである。「IV−1」は、4群のRNAの中で[SAMP8/Control]が1より大きくかつ5〜7群に含まれないRNAであり、「IV−2」は、4群のRNAの中で[SAMP8/Control]が1より小さくかつ5〜7群に含まれないRNAである。3群のRNAは、若年性認知症モデルマウスにおいて、後期までに、被験器官において発現が認められる、すなわちFPKMの値が1以上となる遺伝子である。図内の記号はE:若年性認知症早期、M:若年性認知症中期、L:若年性認知症後期である。
図34に示される7群のRNAについて、器官毎のRNA発現の経時的変化を示す。図内の記号はE:若年性認知症早期、M:若年性認知症中期、L:若年性認知症後期である。
発現量を検討したRNAについて、[Glioma/Control]が1より大きいか1より小さいRNAを4群、1.5より大きいか0.67より小さいRNAを5群、2より大きいか0.5より小さいRNAを6群、5より大きいか0.2より小さいRNAを7群に分類した。図中「Line No.」は表の行番号を、Groupsは[Glioma/Control]の値により分類した各群の番号を、「Gene Name」は、NCBIに登録の遺伝子名を示す。「Sub−Group」において、「VII−1」は、7群のRNAの中で[Glioma/Control]が5より大きいRNAであり、「VII−2」は、7群のRNAの中で[Glioma/Control]が0.2より小さいRNAである。「VI−1」は、6群のRNAの中で[Glioma/Control]が2より大きくかつ7群に含まれないRNAであり、「VI−2」は、6群のRNAの中で[Glioma/Control]が0.5より小さくかつ7群に含まれないRNAである。「V−1」は、5群のRNAの中で[Glioma/Control]が1.5より大きくかつ6及び7群に含まれないRNAであり、「V−2」は、5群のRNAの中で[Glioma/Control]が0.67より小さくかつ6及び7群に含まれないRNAである。「IV−1」は、4群のRNAの中で[Glioma/Control]が1より大きくかつ5〜7群に含まれないRNAであり、「IV−2」は、4群のRNAの中で[Glioma/Control]が1より小さくかつ5〜7群に含まれないRNAである。3群のRNAは、神経膠腫移植してから7日目までに、被験器官において発現が認められる、すなわちFPKMの値が1以上となる遺伝子である。
図36に示される7群のRNAについて、器官毎のRNA発現の経時的変化を示す。図内の記号は3d:腫瘍移植後3日目、7d:腫瘍移植後7日目である。
ヒト乳がん保有患者における皮膚のRNAの発現を示す。発現量を検討したRNAについて、[BC/Control]が1より大きいか1より小さいRNAを4群、1.5より大きいか0.67より小さいRNAを5群、2より大きいか0.5より小さいRNAを6群、5より大きいか0.2より小さいRNAを7群に分類した。図中「Line No.」は表の行番号を、Groupsは[BC/Control]の値により分類した各群の番号を、「Gene Name」は、NCBIに登録の遺伝子名を示す。「Sub−Group」において、「VII−1」は、7群のRNAの中で[BC/Control]が5より大きいRNAであり、「VII−2」は、7群のRNAの中で[BC/Control]が0.2より小さいRNAである。「VI−1」は、6群のRNAの中で[BC/Control]が2より大きくかつ7群に含まれないRNAであり、「VI−2」は、6群のRNAの中で[BC/Control]が0.5より小さくかつ7群に含まれないRNAである。「V−1」は、5群のRNAの中で[BC/Control]が1.5より大きくかつ6及び7群に含まれないRNAであり、「V−2」は、5群のRNAの中で[BC/Control]が0.67より小さくかつ6及び7群に含まれないRNAである。「IV−1」は、4群のRNAの中で[BC/Control]が1より大きくかつ5〜7群に含まれないRNAであり、「IV−2」は、4群のRNAの中で[BC/Control]が1より小さくかつ5〜7群に含まれないRNAである。3群のRNAは、被験器官において発現が認められる、すなわちFPKMの値が1以上となる遺伝子である。
ヒト肺がん保有患者における皮膚のRNAの発現を示す。発現量を検討したRNAについて、[LC/Control]が1より大きいか1より小さいRNAを4群、1.5より大きいか0.67より小さいRNAを5群、2より大きいか0.5より小さいRNAを6群、5より大きいか0.2より小さいRNAを7群に分類した。図中「Line No.」は表の行番号を、Groupsは[LC/Control]の値により分類した各群の番号を、「Gene Name」は、NCBIに登録の遺伝子名を示す。「Sub−Group」において、「VII−1」は、7群のRNAの中で[LC/Control]が5より大きいRNAであり、「VII−2」は、7群のRNAの中で[LC/Control]が0.2より小さいRNAである。「VI−1」は、6群のRNAの中で[LC/Control]が2より大きくかつ7群に含まれないRNAであり、「VI−2」は、6群のRNAの中で[LC/Control]が0.5より小さくかつ7群に含まれないRNAである。「V−1」は、5群のRNAの中で[LC/Control]が1.5より大きくかつ6及び7群に含まれないRNAであり、「V−2」は、5群のRNAの中で[LC/Control]が0.67より小さくかつ6及び7群に含まれないRNAである。「IV−1」は、4群のRNAの中で[LC/Control]が1より大きくかつ5〜7群に含まれないRNAであり、「IV−2」は、4群のRNAの中で[LC/Control]が1より小さくかつ5〜7群に含まれないRNAである。3群のRNAは、被験器官において発現が認められる、すなわちFPKMの値が1以上となる遺伝子である。
ヒト乳がん保有患者における血液のRNAの発現を示す。発現量を検討したRNAについて、[BC/Control]が1より大きいか1より小さいRNAを4群、1.5より大きいか0.67より小さいRNAを5群、2より大きいか0.5より小さいRNAを6群、5より大きいか0.2より小さいRNAを7群に分類した。図中「Line No.」は表の行番号を、Groupsは[BC/Control]の値により分類した各群の番号を、「Gene Name」は、NCBIに登録の遺伝子名を示す。「Sub−Group」において、「VII−1」は、7群のRNAの中で[BC/Control]が5より大きいRNAであり、「VII−2」は、7群のRNAの中で[BC/Control]が0.2より小さいRNAである。「VI−1」は、6群のRNAの中で[BC/Control]が2より大きくかつ7群に含まれないRNAであり、「VI−2」は、6群のRNAの中で[BC/Control]が0.5より小さくかつ7群に含まれないRNAである。「V−1」は、5群のRNAの中で[BC/Control]が1.5より大きくかつ6及び7群に含まれないRNAであり、「V−2」は、5群のRNAの中で[BC/Control]が0.67より小さくかつ6及び7群に含まれないRNAである。「IV−1」は、4群のRNAの中で[BC/Control]が1より大きくかつ5〜7群に含まれないRNAであり、「IV−2」は、4群のRNAの中で[BC/Control]が1より小さくかつ5〜7群に含まれないRNAである。3群のRNAは、被験器官において発現が認められる、すなわちFPKMの値が1以上となる遺伝子である。
ヒト肺がん保有患者における血液のRNAの発現を示す。発現量を検討したRNAについて、[LC/Control]が1より大きいか1より小さいRNAを4群、1.5より大きいか0.67より小さいRNAを5群、2より大きいか0.5より小さいRNAを6群、5より大きいか0.2より小さいRNAを7群に分類した。図中「Line No.」は表の行番号を、Groupsは[LC/Control]の値により分類した各群の番号を、「Gene Name」は、NCBIに登録の遺伝子名を示す。「Sub−Group」において、「VII−1」は、7群のRNAの中で[LC/Control]が5より大きいRNAであり、「VII−2」は、7群のRNAの中で[LC/Control]が0.2より小さいRNAである。「VI−1」は、6群のRNAの中で[LC/Control]が2より大きくかつ7群に含まれないRNAであり、「VI−2」は、6群のRNAの中で[LC/Control]が0.5より小さくかつ7群に含まれないRNAである。「V−1」は、5群のRNAの中で[LC/Control]が1.5より大きくかつ6及び7群に含まれないRNAであり、「V−2」は、5群のRNAの中で[LC/Control]が0.67より小さくかつ6及び7群に含まれないRNAである。「IV−1」は、4群のRNAの中で[LC/Control]が1より大きくかつ5〜7群に含まれないRNAであり、「IV−2」は、4群のRNAの中で[LC/Control]が1より小さくかつ5〜7群に含まれないRNAである。3群のRNAは、被験器官において発現が認められる、すなわちFPKMの値が1以上となる遺伝子である。
CEMS解析における[STZ/Control]の値が1より大きいか又は1より小さい値を示した代謝物質の組織毎の経時的変化を示す。
D−iOrgansで発現量を検討したRNAについて、[STZ/Control]が1より大きいか1より小さいRNAを4群、1.5より大きいか0.67より小さいRNAを5群、2より大きいか0.5より小さいRNAを6群、5より大きいか0.2より小さいRNAを7群に分類した。8群はリアルタイムPCRでも検討を行った、特に本発明に有用なRNAである。図中「Line No.」は表の行番号を、Groupsは[STZ/Control]の値により分類した各群の番号を、「Gene Name」は、NCBIに登録の遺伝子名を示す。また「Sub−Group」において「VIII」は8群を表し、「VII−1」は、7群のRNAの中で[STZ/Control]が5より大きくかつ8群に含まれないRNAであり、「VII−2」は、7群のRNAの中で[STZ/Control]が0.2より小さくかつ8群に含まれないRNAである。「VI−1」は、6群のRNAの中で[STZ/Control]が2より大きくかつ7群及び8群に含まれないRNAであり、「VI−2」は、6群のRNAの中で[STZ/Control]が0.5より小さくかつ7群及び8群に含まれないRNAである。「V−1」は、5群のRNAの中で[STZ/Control]が1.5より大きくかつ6〜8群に含まれないRNAであり、「V−2」は、5群のRNAの中で[STZ/Control]が0.67より小さくかつ6〜8群に含まれないRNAである。「IV−1」は、4群のRNAの中で[STZ/Control]が1より大きくかつ5〜8群に含まれないRNAであり、「IV−2」は、4群のRNAの中で[STZ/Control]が1より小さくかつ5〜8群に含まれないRNAである。3群のRNAは、被験器官において発現が認められる、すなわちFPKMの値が1以上となる遺伝子である。
D−iOrgansのリアルタイムPCR解析の結果を示す。
STZを投与したマウスから摘出した胎児を使用したD−iOrgansの結果を示す。発現量を検討したRNAについて、[STZ/Control]が1より大きいか1より小さいRNAを4群、1.5より大きいか0.67より小さいRNAを5群、2より大きいか0.5より小さいRNAを6群、5より大きいか0.2より小さいRNAを7群に分類した。図中「Line No.」は表の行番号を、Groupsは[STZ/Control]の値により分類した各群の番号を、「Gene Name」は、NCBIに登録の遺伝子名を示す。「Sub−Group」において、「VII−1」は、7群のRNAの中で[STZ/Control]が5より大きいRNAであり、「VII−2」は、7群のRNAの中で[STZ/Control]が0.2より小さいRNAである。「VI−1」は、6群のRNAの中で[STZ/Control]が2より大きくかつ7群に含まれないRNAであり、「VI−2」は、6群のRNAの中で[STZ/Control]が0.5より小さくかつ7群に含まれないRNAである。「V−1」は、5群のRNAの中で[STZ/Control]が1.5より大きくかつ6及び7群に含まれないRNAであり、「V−2」は、5群のRNAの中で[STZ/Control]が0.67より小さくかつ6及び7群に含まれないRNAである。「IV−1」は、4群のRNAの中で[STZ/Control]が1より大きくかつ5〜7群に含まれないRNAであり、「IV−2」は、4群のRNAの中で[STZ/Control]が1より小さくかつ5〜7群に含まれないRNAである。3群のRNAは、被験器官において発現が認められる、すなわちFPKMの値が1以上となる遺伝子である。

0008

本発明は、「iOrgans(Inter−Organ Cross−Talks)(アイオーガンズ)テクノロジー」という新しい方法論に基づき、被験体において特定の器官の機能および組織学的変化付随する該特定器官以外の器官の遺伝子発現、代謝物質等の量の変動の網羅的データベースの構築を行い、「Reverse iOrgans(リバース・アイ・オーガンズ)」と「Forward iOrgans(フォワード・アイ・オーガンズ)」という二つの新規の疾患判定方法に関する。「iOrgans」とは、あるひとつの器官の状態とその他の器官の関連性を指標に疾患の診断、予防、治療を行うテクノロジーである。ある特定疾患が、心筋梗塞であるものとしてReverse iOrgans(「R−iOrgans」ともいう)、Forward iOrgans(「F−iOrgans」ともいう)、及びDrug iOrgans(「D−iOrgans」ともいう)の概要を説明する。
図1および図2は、本発明に係る「Reverse iOrgans」の概念を説明するための模式図である。
「Reverse iOrgans」は、その同じ時点の同一被験体の他の器官の遺伝子発現パターン等の情報から予測する方法である。この方法を利用して、特定の潜在的な疾患の存在や特定の器官の状態を予測することができる。図1に示す例では、特定の器官(例えば心臓)の疾患(例えば心筋梗塞)を、他の器官(例えば脂肪組織又は細胞)の遺伝子発現パターン等の情報から予測する。他の器官を「脂肪組織」、及び特定器官の疾患を「心筋梗塞」とした場合を一例として、図2を参照して、Reverse iOrgansによる予測方法の概要を説明する。図2のA〜Fは、それぞれ器官連関指標因子を示す。
まず、脂肪組織における遺伝子発現パターン(すなわち、器官連関指標因子のパターン)を、心臓の状態毎つまり心筋梗塞の病期毎に、標準データとして予め取得しておく。標準データ1の一例を図2(a)に示す。図2(a)に示す標準データには、脂肪組織における器官連関指標因子A〜Fのパターンが、心筋梗塞の病期(正常の状態、心筋梗塞の急性期虚血状態]、回復期線維化状態]、および維持期[心肥大状態])毎に示されている。心筋梗塞の急性期から維持期の器官連関指標因子のパターンにおいて、グレー塗り潰しで示す器官連関指標因子は、正常に対して変動が無かった器官連関指標因子を示し、斜線のハッチングで示す器官連関指標因子は、正常に対して変動があった器官連関指標因子を示す。
次に、被験体から脂肪組織を採取して、当該脂肪組織についての器官連関指標因子のパターンを決定し、被験データとする(例えば、図2(b))。次に、脂肪組織における標準データと被験データとを比較して、両者の類似度を算出する。被験データに類似するパターンが標準データ中に存在する場合、標準データ中のその類似するパターンに対応付けられている心臓の状態が、被験体の心臓の状態(心臓の病期)であると予測することができる。図2に示す例では、(b)に示す被験データのパターンは、標準データ中の上から2番目のパターンに類似する。この2番目のパターンは、心臓が心筋梗塞急性期の状態である場合に取得されたパターンである。よって、被験体の心臓は、心筋梗塞急性期の状態(虚血状態)であると予測することができる。
図3および図4は、本発明に係る「Forward iOrgans」の概念を説明するための模式図である。
「Forward iOrgans」は、被験体について、通常の検査法等で、特定器官における特定疾患の病期を決定した後に、当該特定疾患の病期と、あらかじめ取得されたデータとを比較することにより、当該被験体の特定器官以外の器官における遺伝子発現パターン等を決定し、それに基づいて、合併症を含む当該特定器官以外の器官の疾患の存在、又は病期を予測する方法である。当該被験体の特定器官以外の器官における遺伝子発現パターン等と、従来報告されている当該特定器官以外の器官の疾患の遺伝子発現の情報を照らし合わせることにより、合併症を含む当該特定器官以外の器官の疾患の存在、又は病期を予測することができる。図3に示す例では、特定の器官(例えば心臓)における疾患(例えば心筋梗塞)の病期が通常の検査法等により予め把握されており、当該特定器官の疾患の病期から他の器官(例えば腎臓)の状態を予測する。この場合を一例として、図4を参照して、Forward iOrgansによる予測方法の概要を説明する。
まず、例えば血清生化学的検査等の結果から、被験体の心筋梗塞の病期が急性期、回復期、又は維持期であるとの情報が得られる。次に、心筋梗塞の病期毎に保存されている心臓も含めた各器官の器官連関指標因子のパターンである標準データ2(例えば図4(a))と前記被験体の病期を照らし合わせることにより図4(a)の中から、当該被験体の心筋梗塞の病期(例えば急性期)に対応する器官連関指標因子のパターン図4(b)を抽出する。さらに図4(b)の中から腎臓の器官連関指標因子のパターン図4(c)を抽出する。これらの手順により、当該腎臓の器官連関指標因子のパターン図4(c)が、前記被験体の病期における腎臓の器官連関指標因子のパターンであると推定することができる。そして、推定されたパターンに示された器官連関指標因子について、これまでに報告されている疾患、合併症の情報から、腎臓の状態を予測することができる。
図5及び6は、本発明に係る被験物質の副作用及び効用を予測するための「Drug iOrgans」の概念を説明するための模式図である。「多器官連関システムネットワーク」によれば、多くの薬剤の副作用は、薬剤が器官Aに働き、(a1,a2,a3,a4,etc.)といった器官連関指標因子が変化(上昇あるいは減少)し、Δ(a1,a2,a3,a4,etc.)という状態になることで副作用が現れる(図5(a))。ここに「多器官連関システムネットワーク」を考慮すると、薬剤が器官Aにはたらくことで、器官B、器官C、器官Dに副作用が出る。また、薬剤の効能についても図5(b)に示すように副作用の場合と同様のことがいえる。
従来の副作用の検出方法や効能の確認方法では、器官Aのみでの変化を観察しているため、器官B、器官C、器官Dでの影響は見逃されていた。D−iOrgansは、薬剤の投与による、器官Aにおける(a1,a2,a3,a4,etc.)からΔ(a1,a2,a3,a4,etc.)への器官連関指標因子の変化のみを評価するのではなく、器官B、器官C、器官Dでの(b1,b2,b3,b4,etc.)からΔ(b1,b2,b3,b4,etc.)へ、(c1,c2,c3,c4,etc.)からΔ(c1,c2,c3,c4,etc.)へ、(d1,d2,d3,d4,etc.)からΔ(d1,d2,d3,d4,etc.)へといった他器官での器官連関指標因子の変化も網羅的に解析することができる。
図6を参照して、D−iOrgansによる予測方法の一例を説明する。まず、1種以上の器官における遺伝子発現パターン(すなわち、器官連関指標因子のパターン)を、1又は複数の疾患の病期毎に、標準データYとして予め取得しておく。標準データYの一例を図6(a)に示す。図6(a)に示す標準データYは、「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターンであり、この標準データYには、脂肪組織における器官連関指標因子A〜Fのパターンが、心筋梗塞、認知症、神経膠腫の各疾患の病期(正常の状態、初期、中期、および後期)毎に示されている。各疾患の初期から後期の器官連関指標因子のパターンにおいて、グレーの塗り潰しで示す器官連関指標因子は、正常に対して変動が無かった器官連関指標因子を示し、斜線のハッチングで示す器官連関指標因子は、正常に対して変動があった器官連関指標因子を示す。
次に、被験物質が投与された被験体から脂肪組織を採取して、当該脂肪組織についての器官連関指標因子のパターンを決定し、被験データXとする(例えば、図6(b))。次に、脂肪組織における標準データYと被験データXとを比較して、両者の類似度を算出する。被験データXに類似するパターンが標準データY中に存在する場合、被験体が、被験物質の投与により標準データY中の当該類似するパターンに対応付けられている病期の疾患を発症したと同様の状態になっていると予測することができる。図6に示す例では、(b)に示す被験データXのパターンは、標準データY中の認知症の初期のパターンに類似する。つまり、被験体は、被験物質を投与されたことにより、初期の認知症に相当する疾患を発症した可能性が示唆される。よって、被験物質は、初期の認知症に相当する副作用を有する可能性があると予測することができる。
また、図6(a)に示す標準データYを取得するために用いた「疾患を有する陽性対照の個体」が何らかの治療(既存物質の投与)を受けている場合であって、被験データXが図6(b)に示すパターンである場合、被験物質が、当該既存物質に相当する効能を有すると予測することができる。
疾患の初期段階では、自覚症状が出ないことが多いため、従来の方法では、自覚症状を伴わない被験物質の効能又は副作用を予測することができなかった。これに対し、D−iOrgansによる予測方法では、器官連関指標因子のパターンを疾患の初期を含む病期毎に対応付けた標準データYと被験データXとを比較して、その類似度を指標にして、被験物質の効能又は副作用を予測している。そのため、自覚症状を伴わない被験物質の効能又は副作用も予測することができる。
図7を用いて、大腸癌を例に挙げてD−iOrgansの態様を説明する。例えば、被験物質を投与される個体(例えば、マウス)が、健常状態である場合、大腸癌の前癌病変を有している場合、又は大腸癌を発症している場合において、それぞれの病期の精巣、腎臓、皮膚、大腸における被験物質が投与されていない標準データ1が図7(a)であるとする。被験物質を投与された個体が健常な個体であり、被験物質を投与された被験体の大腸から採取された組織における器官連関指標因子のパターンが図7(b)に示す被験データXであった場合、被験データXと図7(a)の標準データ1の大腸のデータと比較する。この場合、被験データXは標準データ1の大腸前癌病変のパターンと類似しているので、当該被験物質は、健常個体に投与すると、大腸癌の前癌病変を引き起こすと予測することができる。さらに当該被験物質は今後大腸癌を引き起こす可能性があると予測することができる。また、被験物質を投与された個体が大腸癌を有していた場合、被験物質を投与した後の病変部の器官連関指標因子のパターンが図7(b)に示す被験データXであった場合、標準データ1の大腸癌前癌病変のパターンと類似しているので、当該被験物質は、大腸癌の治療に有効であると予測することができる。
さらに、本発明によれは、多器官連関システムネットワークを考慮することにより、例えば、大腸組織そのものでなくても、標準データ1に含まれる皮膚の遺伝子の発現パターン(図7(a))から、大腸の状態を予測することができる。例えば、被験物質を投与された個体が健常な個体であった場合であって、被験物質を投与された被験者の皮膚から採取された組織における器官連関指標因子のパターンが図7(c)に示す被験データXであった場合、被験データXと図7(a)の標準データ1の皮膚のデータと比較する。この場合、被験データXは標準データ1の大腸前癌病変のパターンと類似しているので、当該被験物質が大腸に前癌病変を引き起こすと予測することができる。また、例えば、被験物質を投与された個体が大腸癌を有していた場合であって、被験物質を投与した後の皮膚の器官連関指標因子のパターンが図7(c)に示す被験データXであった場合、標準データ1の皮膚のデータと比較する。この場合、被験データXは標準データ1の大腸前癌病変のパターンと類似しているので、当該被験物質は、大腸癌に有効であると予測することができる。つまり、例えば観察したい組織が、腹腔内等にあり、組織の採取のために開腹しなければならない場合等は、当該組織に代えて、組織を採取しやすい皮膚等を用いて皮膚以外の複数の器官における被験物質の効能、又は副作用を予測することができる。さらに、D−iOrgansは、R−iOgans又はF−iOrgansとリンクさせることにより、効能や副作用をより早い段階で、複数の器官について同時に発見することが可能となる。
1.用語の説明
はじめに、本明細書、請求の範囲、要約で使用される用語について説明する。
本発明において、「個体」とは、特に制限されず、ヒト、マウス、ラットイヌネコウサギウシウマヤギヒツジブタ等の哺乳動物ニワトリ等の鳥類等が挙げられる。好ましくはヒト、マウス、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ等の哺乳動物であり、より好ましくはヒト、マウス、イヌ、又はネコ等であり、さらに好ましくはヒト又はマウスであり、最も好ましくはヒトである。また、個体には疾患を有する個体と有さない個体の両方が含まれる。個体の年齢性別(雄又は雌)は問わないが、後述する被験体と同種、同年齢及び/又は同一性別であることが好ましい。ただし、下記「6.D−iOrgans」の態様において、個体に被験物質を投与する場合には、「個体」からは「ヒト」が除かれる。
また、「個体」には懐胎している個体も含まれる。
本発明における個体の年齢層は、ヒトであれば7未満、7歳以上15歳未満、15歳以上30歳未満、30歳以上60歳未満、及び60歳以上に分類することができる。本発明の適用年齢は特に制限されないが、好ましくは、15歳以上30歳未満、30歳以上60歳未満、又は60歳以上、より好ましくは、30歳以上60歳未満、又は60歳以上である。マウスであれば、年齢層は、6週齢未満、6週齢以上24週齢未満、24週齢以上48週齢未満、及び48週齢以上に分類することができる。
ここで、後述する特定疾患を有する個体を「陽性対照」と呼び、後述する特定疾患を有さない個体を「陰性対照」と呼ぶ。本発明において、「組織」とは、似た機能及び似た形態を有する細胞の集まりをいう。
本発明において、「器官」とは、被験体に存在する、いくつかの組織の集まりで,一定の独立した形態および特定の機能を有するものを意味するが、具体的には、循環器系器官(心臓、動脈静脈リンパ管等)、呼吸器系器官鼻腔副鼻腔喉頭気管気管支等)、消化器系器官(口唇頬部口蓋、歯、歯肉唾液腺咽頭食道十二指腸空腸回腸盲腸虫垂上行結腸横行結腸S状結腸直腸肛門肝臓胆嚢胆管胆道膵臓膵管等)、泌尿器系器官(尿道膀胱尿管、腎臓)、神経系器官(大脳小脳中脳脳幹脊髄末梢神経自律神経等)、女性生殖器系器官(卵巣卵管子宮等)、乳房男性生殖器系器官(陰茎前立腺、精巣、精巣上体精管)、内分泌系器官(視床下部下垂体松果体甲状腺副甲状腺副腎等)、外皮系器官(皮膚、毛、爪等)、造血器系器官(血液、骨髄脾臓等)、免疫系器官(リンパ節扁桃胸腺等)、骨軟部器官(骨、軟骨骨格筋結合組織靱帯横隔膜腹膜胸膜、脂肪組織(褐色脂肪白色脂肪)等)、感覚器系器官(眼球眼瞼涙腺外耳中耳内耳蝸牛等)が挙げられる。本発明において、対象とする組織としては、好ましくは心臓、大脳、肺、腎臓、脂肪組織、肝臓、骨格筋、精巣、脾臓、胸腺、骨髄、膵臓、皮膚(例えば、皮下組織より上層表皮乳頭層網状層を含む。好ましくは脂肪組織、軟骨組織等を含まない)等であり、より好ましくは心臓、大脳、肺、腎臓、脂肪組織、肝臓、骨格筋、脾臓、骨髄、膵臓、皮膚等である。
さらに、懐胎した「個体」(好ましくは、ヒト以外の個体)を対象とする場合には、本発明の「器官」の中には、胎児の全身又は胎児の上記器官が含まれてもよい。
また本発明において、血清、血漿、尿、髄液腹水胸水唾液胃液膵液胆汁乳汁等の体液、特に好ましくは血漿を上記器官に替えて使用してもよい。
本発明において、「特定器官」とは、後述する特定疾患を有する器官をいう。「特定器官以外の器官」は、前記特定器官以外の上記器官である。特定器官以外の器官は、1種であっても、複数であっても良い。好ましくは、血液以外の器官であり、より好ましくは体液を含まない。特に好ましくは、皮膚、脂肪組織等である。
本明細書において、「器官由来」とは、例えば、器官から採取されたこと、採取された器官の細胞、若しくは組織、又は体液から培養されたことを意味する。
本発明において、「器官連関指標因子(Inter−Organ Cross−talk Indicator)」とは、生体内に存在している生体内物質であり、生体内において器官同士のコミュニケーション(つまり器官連関)によって、お互いの器官の状態を表す指標となる因子(分子)である。言い換えれば、特定疾患を有する個体において、その疾患の存否に依存して、各器官の細胞若しくは組織、及び/又は体液で変動しうる生体内物質をいう。器官連関指標因子となりうる生体内物質は、核酸糖質;脂質;糖タンパク質糖脂質リポタンパク質アミノ酸ペプチドタンパク質ポリフェノール類ケモカイン;前記物質終末代謝産物中間代謝産物、及び合成原料物質からなる群から選択される少なくとも一種の代謝物質;又は金属イオン等であり、より好ましくは、核酸である。
本発明において、核酸として好ましくはmRNA非翻訳RNA、microRNA等のRNAであり、より好ましくはmRNAである。RNAとして好ましくは、上記器官の細胞若しくは組織、又は体液中の細胞において発現され得るmRNA、非翻訳RNA及びmicroRNAからなる群から選択される少なくとも1種のRNAであり(本明細書において、「1群」ともいう)、より好ましくは、RNA−Seq等で検出され得る図25又は26に示される遺伝子から転写されるRNA(本明細書において、「2群」ともいう)、及びその遺伝子のオーソログから転写されるRNAである。各動物腫のオーソログは、図25又は26に記載のReference Seq. IDからNCBIが提供するウェブサイトHomoloGene(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/homologene)等を使って検索することができる。例えば、ヒトであれば、図30に記載のHuman Gene IDで表されるオーソログを挙げることができる。これらの中でも、ポリA配列を有するものが特に好ましい。ただし、図25又は26に記載の遺伝子に対応するオーソログが存在しない個体においては、当該オーソログは解析対象から除外される。より好ましくは、マウス以外の個体においては、非翻訳RNA及びmicroRNA(これらは、NCBIのReference SeqIDが“NR”から始まる)は、解析対象から除外される。
例えば特定器官が心臓であり、特定疾患が心筋梗塞である場合、RNAとして、好ましくは図30に記載された遺伝子から転写される3群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。3群よりもさらに好ましくは図30に記載された4群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。4群よりもさらに好ましくは図30に記載された遺伝子から転写される5群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。5群よりもさらに好ましくは図30に記載された遺伝子から転写される6群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNA選択される少なくとも1種である。6群よりもさらに好ましくは図30に記載された7群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。最も好ましくは図31に記載された8群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する8群のオーソログより選択される少なくとも1種である。ただし、マウス以外の個体においては、8群の遺伝子のオーソログからは、Sult5a1のオーソログは除外される。
例えば特定器官が脳であり、特定疾患が認知症である場合、RNAとして好ましくは図34に記載された遺伝子から転写される3群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。3群よりもさらに好ましくは図34に記載された遺伝子から転写される4群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。4群よりもさらに好ましくは図34に記載された遺伝子から転写される5群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。5群よりもさらに好ましくは図34に記載された遺伝子から転写される6群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。6群よりもさらに好ましくは図34に記載された7群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。
例えば、特定疾患が腫瘍である場合、RNAとして好ましくは図36、38又は39に記載された遺伝子から転写される3群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。3群よりもさらに好ましくは図36、38又は39に記載された遺伝子から転写される4群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。4群よりもさらに好ましくは図36、38又は39に記載された遺伝子から転写される5群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。5群よりもさらに好ましくは図36、38又は39に記載された遺伝子から転写される6群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。6群よりもさらに好ましくは図36、38又は39に記載された7群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。
疾患が腫瘍である場合であって、特定器官以外の器官が皮膚である場合、好ましくは、図38又は39に記載された遺伝子から転写される3群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。3群よりもさらに好ましくは図38又は39に記載された遺伝子から転写される4群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。4群よりもさらに好ましくは図38又は39に記載された遺伝子から転写される5群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。5群よりもさらに好ましくは図38又は39に記載された遺伝子から転写される6群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。6群よりもさらに好ましくは図38又は39に記載された7群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。特に好ましくは、FCGR3B、FPR1、HLADQA1、LINC00260、LOC286437、MALAT1、MIR1184−1、MIR1247、PRG4、RPL21P44、RPPH1、RPS15AP10、SCARNA4、SNORA31、SNORA77、及びZBTB20、並びにこれらのオーソログからなる群から選択される少なくとも一種の遺伝子発現されるRNAである。
疾患が乳がんである場合であって、特定器官以外の器官が皮膚である場合、好ましくは、図38に記載された遺伝子から転写される3群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。3群よりもさらに好ましくは図38に記載された遺伝子から転写される4群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。4群よりもさらに好ましくは図38に記載された遺伝子から転写される5群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。5群よりもさらに好ましくは図38に記載された遺伝子から転写される6群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。6群よりもさらに好ましくは図38に記載された7群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。特に好ましくは、PRG4、HLA−DQA1、LOC100302650、MIR1184−1、MIR1248、MIR203、MIR205、MIR570、RPPH1、SCARNA4、SNORA31、SNORA4並びにこれらのオーソログからなる群から選択される少なくとも一種の遺伝子発現されるRNAである。
疾患が肺がんである場合であって、特定器官以外の器官が皮膚である場合、好ましくは、図39に記載された遺伝子から転写される3群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。3群よりもさらに好ましくは図39に記載された遺伝子から転写される4群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。4群よりもさらに好ましくは図39に記載された遺伝子から転写される5群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。5群よりもさらに好ましくは図39に記載された遺伝子から転写される6群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。6群よりもさらに好ましくは図39に記載された7群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。特に好ましくは、AGSK1、CYP2E1、KRT6C、RPL21、RPL9、TPPP、DCD、DDX3Y、FCGR3B、HBA2、HIST1H4C、HLA−DQA1、LOC286437、MALAT1、MIR1184−1、RPPH1、RPS15AP10、RPS4Y1、SCARNA4、SCGB2A1、SFTPA1、SFTPA2、SNORA31、SNORA77、ZBTB20、並びにこれらのオーソログからなる群から選択される少なくとも一種の遺伝子発現されるRNAである。
疾患が腫瘍である場合であって、特定器官以外の器官が血液である場合、好ましくは、図40又は41に記載された遺伝子から転写される3群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。3群よりもさらに好ましくは図40又は41に記載された遺伝子から転写される4群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。4群よりもさらに好ましくは図40又は41に記載された遺伝子から転写される5群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。5群よりもさらに好ましくは図40又は41に記載された遺伝子から転写される6群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。6群よりもさらに好ましくは図40又は41に記載された7群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。特に好ましくは、HNRNPH2、HP、LOC283663、SNORA40、TCN2、並びにこれらのオーソログからなる群から選択される少なくとも一種の遺伝子発現されるRNAである。
疾患が乳がんである場合であって、特定器官以外の器官が血液である場合、好ましくは、図40に記載された遺伝子から転写される3群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。3群よりもさらに好ましくは図40に記載された遺伝子から転写される4群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。4群よりもさらに好ましくは図40に記載された遺伝子から転写される5群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。5群よりもさらに好ましくは図40に記載された遺伝子から転写される6群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。6群よりもさらに好ましくは図40に記載された7群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。
疾患が肺がんである場合であって、特定器官以外の器官が血液である場合、好ましくは、図41に記載された遺伝子から転写される3群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。3群よりもさらに好ましくは図41に記載された遺伝子から転写される4群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。4群よりもさらに好ましくは図41に記載された遺伝子から転写される5群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。5群よりもさらに好ましくは図41に記載された遺伝子から転写される6群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。6群よりもさらに好ましくは図41に記載された7群の遺伝子より転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種である。
また、上記器官の細胞又は組織に存在している代謝物質としては、核酸、糖質、脂質、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリフェノール類、ケモカイン及びこれらの終末代謝産物、これらの中間代謝産物若しくはこれらの合成原料物質(本明細書において、A群ともいう)のすべてが対象となる。好ましくは、公知の方法によって検出されうる少なくとも1種の図27に示す代謝産物が挙げられる(本明細書において、B群ともいう)。より具体的には、図28に記載の代謝物質の少なくとも1種である(本明細書において、C群ともいう)。
例えば特定器官が心臓であり、特定疾患が心筋梗塞である場合、代謝物質として好ましくは、図29に記載の代謝物質である。
例えば特定器官が脳であり、特定疾患が認知症である場合、代謝物質として好ましくは、図33に記載の代謝物質である。
本書において、「器官連関指標因子の量」は、定量的な値として表されても、「増加」、「変化なし」及び「減少」等の半定量的に表されてもよく、「器官連関指標因子の量」は各器官連関指標因子の測定値であってもよい。
本発明において検出する対象の特定器官の疾患を「特定疾患」と呼ぶ。特定疾患には、上記被個体の上記器官で発症しうるあらゆる疾患、異常を含みうる(但し、場合によっては、糖尿病及び慢性腎不全は本発明の対象からは除かれる)。つまり、特定疾患には、当該疾患に至る前に起こる当該特定疾患特有の異常(「前病変」ともいう)を含む。好ましくは、血栓症塞栓症狭窄症等の虚血性疾患(特に心臓、脳、肺、大腸等);動脈瘤静脈瘤うっ血出血等の循環障害大動脈、静脈、肺、肝臓、脾臓、網膜等);アレルギー性気管支炎糸球体腎炎等のアレルギー性疾患;認知症、パーキンソン病筋萎縮性側索硬化症重症筋無力症、等の変性疾患(神経、骨格筋等);腫瘍(良性上皮性腫瘍、良性非上皮性腫瘍、悪性上皮性腫瘍、悪性非上皮性腫瘍);代謝性疾患糖質代謝異常、脂質代謝異常電解質異常);感染症(細菌、ウイルスリケッチアクラミジア真菌等、原虫寄生虫等)等が挙げられ、より好ましくは心臓又は脳の虚血性疾患;アルツハイマー型(若年性)認知症及び脳血管性認知症を含む神経変性疾患;悪性上皮性又は悪性非上皮性腫瘍;脂肪肝肥満等の代謝性疾患である。特に好ましくは、心虚血性疾患(心筋梗塞、狭心症)、悪性上皮性腫瘍(肺、胃、十二指腸、結腸、直腸、乳腺、子宮、前立腺、膀胱等由来)、悪性非上皮性腫瘍(星細胞腫乏突起神経膠腫上衣腫等の神経膠腫)又はアルツハイマー型認知症等の神経変性疾患である。好ましくは、特定疾患からは、全身症状を引き起こす疾患は除かれる。全身症状を引き起こす疾患としては、例えば、全身性エリテマトーデス多発性硬化症等の自己免疫疾患遺伝性ムコ多糖症等の代謝異常インフルエンザウイルスアデノウイルス等の感染症を挙げることができる。
病期の決定は、上記疾患で既に用いられている内視鏡検査X線検査MRI検査、超音波検査心機能検査、呼吸器検査、組織学的検査血液学的検査、生化学的検査、免疫学的検査尿検査等によって病期を決定することができる。また、当該病期には、前病変が現れている時期(「前病期」ともいう)も含まれる。
例えば、心筋梗塞の場合には、表1にしたがって、病期を分類することができる。表1はJack P.M.Cleutjens等(Cardiovascular Research,1999,vol.44,p232−241)に基づいて作成している。なお、Cleutjens等はヒトに比べてマウス及びラット等の小型動物では心筋梗塞後心臓組織修復が早いと述べているが、本発明者の検討では、マウスとヒトにおいて病期の進行に大きな差は認められていない(例えば、Motoaki Murakoshi等:PLOS ONE,2013,vol.8,issue 11,e79374参照)。したがって、マウスについても表1に示される心筋梗塞の病期分類が適用可能である。



さらに、ヒトにおける別の心筋梗塞の病期分類として、梗塞発生日を0日目とした場合、0日目から1又は2週間までの間を急性期、3週間目〜2又は3ヶ月目までを回復期、その後生涯にわたる期間を維持期とする分類を例示することができる。
特に心筋梗塞の急性期の検査は下表2(診療群別臨床検査ガイドライン2003;10.急性心筋梗塞;山崎力著より引用)に示す検査項目によって、経過を観察することができる。



特定疾患がアルツハイマー型認知症である場合には、例えば病期の分類は、以下の分類を使用することができる(日本老年医学雑誌49巻4号;2012年;419〜424ページ;神崎恒一著から引用)。



また、特定疾患が悪性上皮性腫瘍(癌)の場合には、病期はUICCのTNM分類(第7版)等を用いることができる。
例えば、UICCのTNM分類(第7版)大腸癌の場合は以下の表4−1〜表4−3のように分類される。









特定疾患が、神経膠腫の場合には、病期は、日本脳神経外科学会が2011年1月11日にWebページ(http://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/204.html)に掲載の、下記のグレードによって分類される。



特定疾患が乳がんの場合には、病期は、例えば大阪大学のWebページ(http://www.med.osaka−cu.ac.jp/surgical−oncology/detail/nyugan.html)にしたがって、以下のように0期から4期に分類することができる。
0期:非浸潤癌癌細胞乳管腺房にとどまっているもの。転移をおこすことはほとんどない。
1期:しこりの大きさが2cm以下で,リンパ節への転移がないもの。
2A期:しこりの大きさが2cm以下でのリンパ節の転移がみられるもの。
またはしこりの大きさが2.1〜5cmでリンパ節への転移がないもの。
2B期:しこりの大きさが2.1〜5cmで腋のリンパ節の転移がみられるもの。または5cm以上のしこりでリンパ節への転移がないもの。
3A期:しこりの大きさが5cm以下で腋のリンパ節が周囲の組織やリンパ節に強く癒着した状態のもの。しこりの大きさが5cmより大きく腋または胸骨の裏側のリンパ節に転移がみられるもの。
3B期:しこりの大きさやリンパ節の転移にかかわらず、しこりが皮膚に出てきていたり、胸壁にがっちりとひっついている状態。
3C期:しこりの大きさにかかわらず,鎖骨上下のリンパ節に転移がある場合。または、腋と胸骨の裏側のリンパ節の両方に転移がみられるもの。
4期:骨、肺、肝臓等の遠隔臓器に転移がみられる場合。
特定疾患が肺がんの場合には、病期は、国立病院機構大阪医療センターにWebページ
(http://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/haig.html#haig_02)に記載の基準に従って、以下のようにステージI、II、III、IVに分類することができる。
ステージI:肺内に癌が限局しておりリンパ節に転移がないこと。
ステージII:肺内に癌が限局し肺内のリンパ節にのみ転移があるか、
リンパ節に転移ないが癌が直接肺外切除できる周囲に
拡がっていること。
ステージIII:他の臓器に転移はしていないが、ステージIIより進んだ状態。
ステージIV:他の臓器に転移している場合。
「被験物質」は、本発明において効能及び副作用を評価する対象となる物質である。
また「既存物質」は、本発明実施時に存在している物質である。
「物質」は、特に制限されないが、新規のものであっても公知のものであってもよい。物質には、例えば化合物;核酸;糖質;脂質;糖タンパク質;糖脂質;リポタンパク質;アミノ酸;ペプチド;タンパク質;ポリフェノール類;ケモカイン;前記物質の終末代謝産物、中間代謝産物、及び合成原料物質からなる群から選択される少なくとも一種の代謝物質;金属イオン;又は微生物等が含まれうる。また、当該物質は、単体でもよいが複数種の物質が混合した物であってもよい。別の態様としては、医薬品、医薬部外品薬用化粧品食品特定保健用食品、機能性表示食品及びこれらの候補品等が含まれる。また、薬事承認のための臨床試験に供されたものの、製品化されなかった物も前記物質に含まれる。
本発明において、「標準データ1」とは、被験体の特定疾患の存在、及び/又は病期を予測するための基準となる器官連関指標因子のデータ群である。より具体的には、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量1」ともいう)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量1」ともいう)」との関係から、あらかじめ決定された「器官連関指標因子のパターン」の群であり、好ましくは「陽性対照量1」と「陰性対照量1」との比率(例えば「陽性対照量1」の値を「陰性対照量1」の値で除した値)から、あらかじめ決定された「器官連関指標因子のパターン」の群である。より好ましくは前記「器官連関指標因子の量」が「RNAの発現量」であり、かつ前記「器官連関指標因子のパターン」が「RNAの発現パターン」の群(本明細書において、「標準データ1a」ともいう)である。また、別の態様として、より好ましくは、前記「器官連関指標因子の量」が「代謝物質の存在量」であり、かつ前記「器官連関指標因子のパターン」は「代謝物質の存在パターン」の群(本明細書において、「標準データ1b」ともいう)である。
また、複数種の器官から得られた標準データ1について、それぞれ疾患、又は病期毎に各器官の間で器官連関指標因子のパターンの相関関係を求め作製された相関マップ(標準データ1−Map)を標準データ1に代えて使用することもできる。相関マップの作成方法は、後述する。
また、本発明において、「標準データ2」とは、特定疾患を有する被験体における特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するための基準となる器官連関指標因子のデータ群である。より具体的には、「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陽性対照量2」ともいう)」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量(以下、「陰性対照量2」ともいう)」との関係から、前記の病期毎に、あらかじめ決定された「器官連関指標因子のパターン」の群であり、好ましくは「陽性対照量2」と「陰性対照量2」の比率(例えば「陽性対照量2」の値を、「陰性対照量2」の値で除した値)から、前記特定疾患の病期毎に、あらかじめ決定された「器官連関指標因子のパターン」の群である。より好ましくは前記「器官連関指標因子の量」が「RNAの発現量」であり、好ましくは前記「器官連関指標因子のパターン」は「RNAの発現パターン」の群(本明細書において、「標準データ2a」ともいう)である。また、別の態様として、より好ましくは、前記「器官連関指標因子の量」が「代謝物質の存在量」であり、かつ前記「器官連関指標因子のパターン」は「代謝物質の存在パターン」の群(本明細書において、「標準データ2b」ともいう)である。
標準データ1又は2は、特定疾患の病期毎、各器官又は体液毎、必要に応じて、性別毎、年齢層毎に取得される。また、各器官連関指標因子のパターンは、特定疾患の病期の情報、各器官名若しくは体液名、並びに被験体の性別及び年齢等の情報と対応づけられている。
「被験体」とは、本発明の予測方法の適用対象であって、好ましくは上記標準データ1又は2のパターンを決定した個体と同種である。例えば、標準データのパターンを決定した個体がマウスである場合には、被験体としてマウス、ラット又はヒト等を選択しうる。また、被験体の年齢及び性別を問わないが、標準データ1又は2のパターンを決定した個体と同じ年齢層及び/又は性別と同じであってもよい。
本発明において、「被験データ」は、被験体から採取された器官の全部又は一部から取得された各器官連関指標因子のデータである。より具体的には、「前記被験体の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係を表す器官連関指標因子のパターンである。好ましくは「前記被験体の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量」と「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量」との比率(例えば「前記被験体の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量」の値を「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量」の値で除した値)によって示される器官連関指標因子のパターンである。より好ましくは前記「器官連関指標因子の量」が、「遺伝子の発現量」であり、かつ「器官連関指標因子のパターン」は「遺伝子の発現パターン」(本明細書において「被験データAともいう」)である。また、別の態様として、より好ましくは前記「器官連関指標因子の量」が、「代謝物質の存在量」であり、かつ「器官連関指標因子のパターン」は「代謝物質の存在パターン」(本明細書において「被験データBともいう」)である。
標準データYとは、被験物質の効能又は副作用を予測するための基準となる器官連関指標因子のデータ群であり、あらかじめ被験データXが取得された器官に対応する器官におい取得された器官連関指標因子のデータ群である。標準データYは予め決定されていてもよく、また、被験データを取得する際に同時に取得してもよい。
標準データYの一態様は、「既に機能が知られている器官連関指標因子の量」からあらかじめ決定された器官連関指標因子のパターン(標準データY1)である。標準データYの他の態様は、「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係からあらかじめ決定された器官連関指標因子のパターン(標準データY2)である。標準データY2として好ましくは「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との比(例えば、「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」の値を「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」の値で除した値である。また、別の態様として、「標準データY」は、「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係から、あらかじめ決定された器官連関指標因子のパターン(標準データY3)である。標準データY3として好ましくは「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との比(例えば、「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」の値を「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」の値で除した値)である。
また、標準データYは、複数種の器官から得られた標準データY2について、各器官の間で器官連関指標因子のパターンの相関関係を求め作成された相関マップ(標準データY2−Map)、又は標準データYは、複数種の器官から得られた標準データY3について、各器官の間で器官連関指標因子のパターンの相関関係を求め作製された相関マップ(標準データY3−Map)であっても良い。相関マップの求め方は後述する。
被験データXは、被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子のデータ群である。ここで、被験データXは「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」であってもよいが、好ましくは、「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係であり、「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」の比率として求めてもよく、さらに好ましくは「前記被験物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」を「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」で除した値として求めてもよい。
「パターン」には、器官連関指標因子の有無、量、若しくは量の経時的な変化、及び量とその経時的変化の組み合わせ、好ましくは病期毎の器官連関指標因子の有無、量、若しくは量の経時的な変化、及び量とその経時的変化の組み合わせが含まれる。好ましくは、遺伝子の発現の有無、発現量、若しくは発現量の経時的な変化、及び発現量とその経時的変化の組み合わせである。
本発明において、「ゴールデンスタンダード」とは、公知の検査方法及び/又は診断方法によって上記特定疾患を有すると、または上記特定疾患を有さないと既に決定されている個体である。ゴールデンスタンダードには、健常個体も含まれる。
本発明において「類似度」とは、被験データと標準データ1とを比較して、又は被験データXと標準データYを比較して、器官連関指標因子のパターンが類似している度合いを示す。より具体的には、目視又は統計学的解析等によって求めることができる。
類似度を算出する統計学的解析としては、類似度を算出できる限り特に制限されない。例えば、被験データと標準データ1をそれぞれ独立した変数として、2群間相関係数等の定量化された指標を求めることにより類似度を算出することができる。
具体的には、(1)被験データ、及び標準データ1をそれぞれ一つのベクトルとしたとき、2つのベクトルが向いている方向の近さを求める方法、(2)被験データに含まれる器官連関指標因子と、標準データ1に含まれる器官連関指標因子をそれぞれ量の高い方から並べ、その順番相関を求める方法、(3)被験データの確率分布と標準データ1のそれぞれの確率分布を求め、2つの確率分布の擬距離を測る方法、(4)高次元データである被験データ1及び標準データ1を低次元化し、低次元化したデータ間でその距離、相関を求める方法、(5)標準データ1のガウス分布を求め、得られた被験データのガウス分布との一致度を定量する方法等を挙げることができる。また、(6)標準データ1をあらかじめ学習させておくことにより、標準データ1のどのパターンに最も一致するか自動的に導き出すこともできる。
さらに、前記相係数等の指標は、被験データの個別の器官連関指標因子と対応する標準データ1内の個別の器官連関指標因子との間で求めてもよい。
より具体的な態様として、上記(1)の方法としては、例えばピアソン積率相関を挙げることができる。この場合、相関係数は、1〜−1の範囲をとり、1に近いほど被験データと、標準データ1が類似しているということができる。上記(2)の方法としては、例えば、スピアマン順位相関、及びケンドールの順位相関を挙げることができる。この場合、相関係数は、1〜−1の範囲をとり、1に近いほど被験データと、標準データ1が類似しているということができる。上記(3)の方法としては、例えば、カルバックライブラー情報量を挙げることができる。この場合、被験データの確率分布と標準データ1の確率分布の擬距離が0に近いほど、被験データと標準データ1が類似しているということができる。上記(4)の方法としては、主成分分析PCA)、カーネル主成分分析等を挙げることができる。類似度の指標を被験データと標準データ1の距離で評価する場合には、その距離が0に近づくほど被験データと標準データ1は類似しているということができる。また、被験データと標準データ1の相関係数で評価する場合には、相関係数が1に近づくほど、被験データと標準データ1は類似しているということができる。上記(5)の方法として、例えばZ−スコア(Z−score)を挙げることができる。この場合、zスコアが0に近いほど新しい被験データと標準データ1は類似しているということができる。上記(6)の方法として、サポートベクターマシン、k近傍法ニューラルネットワーク等を挙げることができる。上記方法は、必要に応じて定法を一部改変してもよい。
また上記方法によって求められた相関係数は、カイ二乗検定クラスカルウォリス検定等でさらに解析してもよい。
例えば、スピアマンのペアワイズ相関を用いてρ値を求めた場合、ρ値が1の時には被験データと標準データ1が一致していると決定することができ、またρ値が0.55より大きく1より小さい場合、好ましくは0.65より大きく1より小さい場合、より好ましくは0.75より大きく1より小さい場合、さらに好ましくは0.85より大きく1より小さい場合に被験データと標準データ1が類似していると決定することができる。一方、ρ値が0.8以下の場合、好ましくは0.65以下の場合、さらに好ましくは0.55以下の場合に標準データ1と被験データが類似していないと決定することができる。
より具体的には、被験体において特定疾患の有無を予測する場合には、ρ値が0.55より大きく1より小さい場合、好ましくは0.65より大きく1より小さい場合、より好ましくは0.75より大きく1より小さい場合、さらに好ましくは0.85より大きく1より小さい場合に被験データと標準データ1が類似していると決定することができる。また、被験体において特定疾患の病期を予測する場合には、ρ値が0.75より大きく1より小さい場合、好ましくは0.85より大きく1より小さい場合に被験データと標準データ1が類似していると決定することができる。
例えば、Z−スコアを用いてz値を求めた場合、z値が0の時には被験データと標準データ1が一致していると決定することができ、またz値が0±0.5の範囲(但し0をのぞく)の場合、好ましくは0±0.35の範囲(但し0をのぞく)の場合、より好ましくは0±0.2の範囲(但し0をのぞく)の場合、さらに好ましくは0±0.15の範囲(但し0をのぞく)の場合に被験データと標準データ1が類似していると決定することができる。一方、z値が0±0.15の範囲外の場合、好ましくは0±0.2の範囲外の場合、より好ましくは0±0.35の範囲外の場合、さらに好ましくは0±0.4の範囲外の場合、被験データと標準データ1が類似していないと決定することができる。
より具体的には、被験体において特定疾患の有無を予測する場合には、z値が0±0.35の範囲(但し0をのぞく)の場合、より好ましくは0±0.2の範囲(但し0をのぞく)の場合、さらに好ましくは0±0.15の範囲(但し0をのぞく)の場合に被験データと標準データ1が類似していると決定することができる。また、被験体において特定疾患の病期を予測する場合には、z値が0±0.2の範囲(但し0をのぞく)の場合、好ましくは0±0.15の範囲(但し0をのぞく)の場合に被験データと標準データ1が類似していると決定することができる。
ただし、Zスコアを用いて類似度を求める場合、好ましくは器官から脳、膵臓、精巣、肺、肝臓、骨格筋は除かれる。また、好ましくは類似度の求め方からはZスコアは除かれる。
さらに検討した器官連関指標因子の項目の50%以上が、好ましくは70%以上が、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上が、標準データ1と被験データの間で一致又は類似している場合に、標準データ1のパターンと被験データのパターンが類似していると決定することができる。一方、検討した器官連関指標因子の項目の50%以上が、好ましくは70%以上が、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上が、標準データ1と被験データの間で一致又は類似していない場合に、標準データ1のパターンと被験データのパターンが非類似であると決定することができる。
被験データX及び被験データYの類似度についても、被験データXと標準データYとの相関係数をそれぞれ独立した変数として、上記の方法に従って、2群間の相関係数等の指標を求めることにより、算出することができる。
標準データ1−Map、標準データY2−Map、標準データY3−Mapの求め方は以下の通りである。標準データ1−Mapを求める場合には、特定疾患、又はその病期毎に複数の器官を採取し各器官の器官連関指標因子のパターンを求める(例えば、器官連関因がRNAである場合、発現量が多い順に遺伝子を並べる)。この各器官のパターン間で、例えばスピアマンの順位相関を用いて相関係数を求め、各器官間のマップを作成する。標準データY2−Mapを求める場合には、投与した既存物質毎に複数の器官を採取し各器官の器官連関指標因子のパターンを求める(例えば、器官連関因がRNAである場合、発現量が多い順に遺伝子を並べる)。この各器官のパターンを例えばスピアマンの順位相関を用いて相関係数を求め、各器官間の相関マップを作成する。標準データY3−Mapを求める場合には、各疾患、又はその病期毎に複数の器官を採取し各器官の器官連関指標因子のパターンを求める(例えば、器官連関因がRNAである場合、発現量が多い順に遺伝子を並べる)。この各器官のパターン間で、例えばスピアマンの順位相関等を用いて相関係数を求め、各器官間のマップを作成する。
より具体的には、例えば、疾患モデルiの器官連関指標因子jの器官mと器官lの間の器官連関指標因子のパターンの相関係数をγijmlとする。また疾患モデルiの個体数をnとす。
このときの疾患モデルiの器官mと器官l間の相関係数は確率モデルp(下式)で表すことができる。




散である。)
被験データと標準データ1−Mapの間の比較、被験データXと標準データY2−Mapの間の比較、及び被験データXと標準データY3−Mapの間の比較は、ベイズ推定機械学習メソッド等を使用して行うことができる。
例えば、被験体の複数の器官の器官連関指標因子のパターンを取得し、被験データ、又は被験データXを取得した被験体の各器官の間の器官連関指標因子のパターンの相関係数を上記と同様に求める。この値を、

とする。
そのとき各モデルiに対する相関

尤度Li以下の式で計算される。



この尤度を各モデルiについて計算し、最も尤度が高いモデルiを被験体の状態であると推測することができる。
比較する器官数が3以上の場合には、疾患モデルと被験体間で2つずつの器官間でそれぞれ尤度を求め、算出された尤度の積をとり、この積が最も高いモデルiを被験体の状態であると推測してもよい。
被験データと標準データ1−Mapの間の比較、被験データXと標準データY2−Mapの間の比較、又は被験データXと標準データY3−Mapの間の比較を行う場合に、どの器官連関指標因子を使用するかは特に制限されない。例えば、陽性対照と陰性対照の差が大きい器官連関指標因子を使用することが好ましい。より具体的には、例えば器官連関指標因子がRNAである場合には、陽性対照と陰性対照の比が1.5より大きい、又は0.65未満のRNA、好ましくは2より大きい、又は0.5未満のRNA、より好ましくは5より大きい、又は0.2未満のRNAである。
なお、上記統計学的解析は、例えば、コンピュータで演算用のプログラムを使用して行うこともできる。この場合、後述の本発明に係る予測プログラムが統計学的解析を行うための統計解析プログラムのプログラムコードを含んでもよいし、統計解析プログラムとして市販の統計解析ソフトを使用してもよい。例えば、Stat Flex Ver.6(株式会社アーテック、日本、大阪)、IBMSPSSStatistics(日本アイ・ビー・エム株式会社)等の市販の統計解析ソフトを用いて行うことができる。
本明細書において、「1種以上」とは、1種の場合と、複数の場合とを含む。また「複数」とは、2以上であれば特に制限されないが、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上である。
2.器官連関指標因子を抽出するための細胞、若しくは組織、又は体液の採取方法並びに保存方法、及び器官連関指標因子の抽出方法並びに測定方法
本発明において使用される器官連関指標因子を抽出するための細胞又は組織の採取方法及びそれらの保存方法は、特に制限されず、器官連関指標因子の種類に応じた公知の方法にしたがって行うことができる。また、本発明において使用される器官連関指標因子の抽出方法も、特に制限されず、器官連関指標因子の種類に応じた公知の方法に従って行うことができる。本発明における、器官連関指標因子の測定方法も、器官連関指標因子の量を測定できる限り特に制限されない。
器官連関指標因子の抽出に供される細胞、若しくは組織、又は体液は特に制限されず、被験体より穿刺生検手術等により採取された細胞又は組織等が含まれる(採取された細胞又は組織を「検体」とも呼ぶ)。また、当該細胞又は組織は、採取後の新鮮材料であってもよいが、凍結保存等を行ったものでもよい。
本態様においては、特定疾患の病期毎に、疾患が疑われる特定器官より採取された細胞又は組織、及び特定器官以外の器官より採取された細胞又は組織から行うことができる。また、当該特定疾患を有さない個体の対応する細胞又は組織から採取することができる。
細胞、組織又は体液を採取する時期は、例えば、特定疾患発症前(正常時)、特定疾患の発症時、発症後1ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年、10年等から、病期に応じて適宜選択することができる。
器官連関指標因子としてRNAを使用する場合、細胞、若しくは組織、又は体液からのRNA抽出は、採取後速やかに行うか、細胞又は組織を採取後直ちに液体窒素等で凍結して、運搬、保存した後行うことが好ましい。
RNAの抽出方法は、特に制限されず、公知の方法を用いて抽出することができる。必要に応じてオリゴdTプローブ等を使用して精製してもよく、抽出又は精製したRNAから必要に応じて逆転写反応によってcDNAを合成して測定に使用してもよい。RNAの定性的又は定量的測定(半定量的測定含む)は、遺伝子発現を網羅的に解析可能なマイクロアレイを用いる方法、又は細胞内のRNAの絶対量を数えるRNA−Seqで解析する方法等の公知の方法で行うことができるが、網羅的且つ定量的な解析としては、RNA−Seqが好ましい。
RNA−Seq等で得られたデータは、公知の方法を使用して解析することができる。例えば、Illumina HiSeq(イルミナ社)等を使用して解析を行う場合には、出力されたデータを以下の方法により処理することができる。(1)出力された解析生データ(画像データ)より、塩基配列テキストデータを取得する(ベースコール)。(2)例えば、Chastity等の計算式を用い、クラスターが重なり合い、蛍光純度の低いクラスターをデータから排除する等の所定のフィルタリングによりデータの選別を行う(フィルタリング)。(3)各サンプルに付加されたIndex配列情報(特定の塩基配列情報)により各サンプルデータの振り分けを行う。
RNA−Seq用のシークエンサーから得られたデータファイル(Fastq形式等)をGalaxy (https://usegalaxy.org/)等にアップロードする。その後マウスゲノムマップ情報mm9またはmm10に各配列をマッピングするためにBowtie2(http://bowtie−bio.sourceforge.net/bowtie2/index.shtml)等を用いて解析する。Bowtie2等で得られたBAMファイルをCufflinks (http://cole−trapnell−lab.github.io/cufflinks/)等にて解析することで各遺伝子毎にFPKM(RPKM)を算出する。得られたFPKMのデータはFPKMの値が1未満は全て0として、PythonでPair−wise correlation(ρ=1−(6ΣD2) / (n3−n)を計算し、MeVでヒートマップを作成する。また、FPKM値を目視で解析してもよい。
必要に応じて、リアルタイムPCR等で発現を確認こともできる。また、mRNAの発現量は、必要に応じて、GAPDH、β2ミクログロブリン(β2M)、Maea等のハウスキーピングジーンの発現量で補正して、相対発現量で表すことができる。
器官連関指標因子として代謝物質を使用する場合、代謝物質の解析は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)、キャピラリ電気泳動質量分析(CEMS)、液体クロマトグラフィー/質量分析 (LCMS)、高速液体クロマトグラフィー誘導結合プラズマ質量分析HPLC/ICP−MS)、高速液体クロマトグラフィー/イオントラップ型質量分析/飛行時間型質量分析(LCMS−IT−TOF)等の公知方法によって行うことができる。また、代謝物質は、解析方法に応じて、シリル化トリメチルシリル化メトキシム化、アシル化等の誘導体化を行ってもよい。また、内部標準物質も、公知のものを使用することができる。
例えば、GCMSで解析する場合には、細胞や組織からの代謝物質の抽出は、公知の方法によって行うことができ、特に制限されない。例えば、組織を、水、メタノールエタノールクロロホルム若しくはこれらの混合物等の溶媒に入れ、破砕し、さらに、当該溶媒に内部標準2−イソプロピルリンゴ酸等を加えた溶媒を添加し粗抽出物とする。当該粗抽出物を水及びクロロホルム等の疎水性溶媒を加えて、水相を精製する。精製された水相をさらに限外濾過等で精製したものを代謝物質の抽出液として解析に使用する。
抽出液中の代謝物質をメトキシム化及びトリメチルシリル化した後、例えばGCMS−TQ8030(島津製作所)等を使用し、GC用のキャピラリーカラムとしてDB−5(30m×内径0.25mm×膜厚1.00um) (Agilent Technologies)等を使用することができる。ガスクロマトグラフィー昇温条件は、例えば100℃から320℃までを4℃/分の速度で上昇させる条件が挙げられる。注入口温度は例えば280℃程度とし、キャリアガスにはヘリウム等を用い、これを例えば39.0cm/秒程度の速度で流すことができる。電子イオン化のエネルギーは150eV程度、イオン源温度は200℃程度で、スキャンするm/zの範囲は45〜600程度とすることができる。サンプルは1μl程度をインジェクションし、下記の条件で測定することができる:
心臓_Split1:25_検出器電圧+0.3kV
脳_Split1:25_検出器電圧+0.2kV
腎臓_Split1:25_検出器電圧+0.3kV
肝臓_Split1:25_検出器電圧+0.3kV
膵臓_Split1:25_検出器電圧+0.3kV
骨格筋_Split1:25_検出器電圧+0.2kV
脂肪組織_Split1:3_検出器電圧+0.2kV
血漿_Split1:10_検出器電圧+0.1kV
脾臓_Split1:25_検出器電圧+0.2kV
肺_Split1:25_検出器電圧+0.3kV
精巣_Split1:10_検出器電圧+0.3kV
胸腺_Split1:25_検出器電圧+0.3kV。
GCMS解析によって得られたデータは、例えばデータ解析ソフトであるGCMS solution Ver. 4.20とGCMS代謝成分データベース(島津製作所)等を用いて検索することができる。代謝物の同定のために、保持試料より推測された保持時間と少なくとも2つの特異的ピークターゲットイオン確認イオン)のm/zの存在と比率を確認する。同定された代謝産物はターゲットイオンのピーク面積を計測し、内部標準のピーク面積とサンプル量で補正した。その後、補正した測定結果をZ−score((サンプルデータ−平均値)/標準偏差)にしてMulti Experiment Viewer(MeV)でヒートマップを作成することができる。またPythonでPair−wise correlation(ρ=1−[6ΣD2]/n(n2−1))を計算し、MeVでヒートマップを作成することができる。さらに、多変量解析ソフトウェアSIMCA(Umetrics社)でPCA(Principal component analysis)解析等を行うこともできる。
また、代謝物質をCEMSで解析する場合には、例えば組織を内部標準物質(例えばSolution ID: 304−1002;HMT)を含む50%アセトニトリル内で破砕し、破砕後のサンプルを、遠心し、上清を限外濾過後のサンプルを減圧乾燥し、蒸留水再溶解し、測定用のサンプルとすることができる。
CE−MSは、例えばAgilent CE−TOFMSsystem(Agilent Technologies 社)を、CE用のキャピラリーカラムには、Fused silica capillary i.d. 50 μm ×80 cmを用いることができる。CE−の泳動バッファーには、カチオン用;Cation Buffer Solution (p/n : H3301−1001;HMT)、アニオン用Anion Buffer Solution (p/n : I3302−1023;HMT)等を用いることができる。
<カチオン側測定条件
例えば、サンプル注入条件を Pressure injection 50mbar, 10 sec、CEの泳動電圧を27kVで電気泳動を行う。電子イオン化のエネルギーを4,000Vとし、スキャンする範囲を50〜1000とすることができる。また、サンプルは、5nl程度をインジェクションすることができる。
CE voltage:Positive,27kV
MS ionization:ESI Positive
MS capillary voltage:4,000V
MS scan range:m/z 50−1,000
Sheath liquid:HMT Sheath Liquid(p/n:H3301−1020)
<アニオン側測定条件>
例えばサンプル注入条件を Pressure injection 50 mbar, 25 sec、CEの泳動電圧を30kVで電気泳動を行う。電子イオン化のエネルギーを3,500Vとし、スキャンする範囲を50〜1000とすることができる。サンプルは、5nl程度をインジェクションすることができる。
CE voltage:Positive,30kV
MS ionization:ESI Negative
MS capillary voltage:3,500V
MS scan range:m/z 50−1,000
Sheath liquid:HMT Sheath Liquid(p/n:H3301−1020)
検出されたピークは、自動積分ソフトウェアのMasterHandsver.2.16.0.15(慶應義塾大学開発)を用いて、シグナル/ノイズ(S/N)比が3 以上のピークを自動抽出し、質量電荷比(m/z)、ピーク面積値、泳動時間 (Migration time: MT)を用いて代謝物の同定を行うことができる。同定された代謝産物はターゲットイオンのピーク面積を計測し、内部標準のピーク面積とサンプル量で補正することができる。
上記方法により得られた器官連関指標因子の量は、特定疾患の病期毎、器官若しくは体液毎、個体の種別毎、個体の年齢層毎、及び/又は個体の性別毎に各器官関連指標因子のパターンとして装置の記憶部又は当該装置とは別の記憶部を有する装置に記憶させ使用することができる。
3.データベース
前記標準データ1、2、又はYを記録したものをデータベースと呼ぶ。当該データベースからは、特定疾患の病期の情報、及び/又は各器官名、若しくは体液名から、該当する標準データ1又は2の器官連関指標因子のパターンを検索し器官連関指標因子のパターンを抽出することができる。
標準データ1、2、又はYに使用されるデータとしては、個体の器官より採取された細胞、若しくは組織、又は体液から、器官連関指標因子を抽出し、これらを定性的又は定量的に解析した結果が挙げられる。
器官連関指標因子の抽出は、疾患の病期毎に、疾患が疑われる器官より採取された細胞、若しくは組織、又は体液、及びそれ以外の器官より採取された細胞又は組織から行うことができる。また、当該特定疾患を有さない個体の対応する細胞又は組織から採取することができる。
細胞、組織又は体液を採取する時期は、例えば、特定疾患発症前(正常時)、特定疾患発症時、発症後1時間、6時間、1日、1週間、1ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年、10年等から、疾患に応じて適宜選択することができる。
ここで、上記「2.器官連関指標因子を抽出するための細胞又は組織の採取方法並びに保存方法、及び器官連関指標因子の抽出方法並びに測定方法」の記載は、当項に援用される。上記2.の方法に従って、器官連関指標因子を抽出及び定性的又は定量的に測定し、器官連関指標因子の量をデータとして取得する。
得られたデータは、疾患毎、器官若しくは体液毎、病期毎、個体の種別毎、個体の年齢層毎、及び/又は個体の性別毎に装置の記憶部又は当該装置とは別の記憶部を有する装置に記憶させ使用することができる。
次に、上記で得られたデータから、標準データのパターンを決定し、標準データのパターンを、以下に説明するように本発明(Reverse iOrgans、Forward iOrgans、D−iOgans)に使用する。
4.Reverse iOrgans
4−1.概要
本態様においては、被験体の特定器官以外の器官由来の器官連関指標因子のパターンから、被験体の特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する。具体的には、上記2.に記載の測定方法を実施することによって取得される、特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出し、当該類似度を指標にして、特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する。より具体的には、工程(1):前記被験体の特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを取得する工程、工程(2):前記工程(1)で取得された被験データを、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1と比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する工程、及び工程(3):前記工程(2)において算出された器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記被験体が前記標準データ1に対応する特定疾患を有する、及び/又は前記被験体が特定疾患の前記標準データ1に対応する病期であると決定する工程を含む。ここで前記工程(3)は、前記工程(2)で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、特定器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する工程と読み替えることもできる。また、上記特定器官以外の器官は複数種であってもよい。つまり、(1’)前記被験体の特定器官以外の複数種の器官由来の細胞又は組織から得られた複数種の器官におけるそれぞれの器官連関指標因子の被験データを取得し、(2’)前記(1’)で取得されたそれぞれの被験データを、あらかじめ決定された対応するそれぞれの器官における器官連関指標因子の標準データ1と比較して、それぞれの被験データについてそれぞれの標準データ1との器官連関指標因子のパターンの類似度を算出し、(3’)工程(2’)において算出されたそれぞれの器官連関指標因子のパターンの類似度が「類似している」と決定された場合に、前記被験体が前記標準データ1に対応する特定疾患を有する、及び/又は前記被験体が特定疾患の前記標準データ1に対応する病期であると決定してもよい。この場合、それぞれの器官における被験データと特定器官以外の複数種の器官の標準データ1との類似度の算出は、各器官の標準データ1毎に順次行っても良いが、同時に特定器官以外の複数種器官について同時に特定疾患の存在、及び/又は病期を予測しても良い。好ましくは同時である。
工程(1)は、実際に上記2.に記載の測定方法を実施することによって被験データを取得する態様であっても、既に取得された被験データを、さらに後述する予測装置等に取り込む態様であってもよい。工程(2)における標準データ1と被験データの類似度の算出方法、及び工程(3)における標準データ1と被験データが「類似している」か否かの決定方法は、上記「1.用語の説明」に記載の方法にしたがって行うことができる。ここで、工程(1)と工程(2)は、必ずしも同一機関において連続して行う必要はなく、例えば、工程(1)で取得された被験データを、第三者機関送り工程(2)以降を実施してもよい。
また、本態様は、さらに工程(1)の前に、工程(i)被験体の特定器官以外の器官より採取された細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する工程、及び工程(ii)(i)で抽出した器官連関指標因子の量を測定する工程を含んでもよい。この場合も、工程(i)と工程(ii)を連続して行う必要はなく、例えば、工程(i)で取得された器官連関指標因子を、第三者機関に送り工程(ii)を実施してもよい。また、工程(ii)と工程(1)も専属して行う必要はなく、工程(ii)で取得された器官連関指標因子の測定結果を、第三者機関に送り工程(1)以降を実施してもよい。
ここで、標準データ1と被験データの類似度の算出方法及び、標準データ1と被験データが類似していると決定する方法については、上記「1.用語の説明」に記載したとおりである。
また、本態様は、上記工程(1)から(2)を含み、工程(2)からその情報を取得する工程を含む、被験体の特定疾患の存在、及び/又は病期を予測するために器官連関指標因子のパターンの類似度の情報を取得する方法も別態様として含む。
4−2.システム構成
図8は、本発明の第1の態様に係るシステム100の概観図であり、図9は、システム100のハードウェア構成を示すブロック図である。システム100は予測装置1と、入力部4と、表示部5と、装置6と、を備える。
予測装置1は、例えば汎用パーソナルコンピュータで構成されており、後述するデータ処理を行うCPU101と、データ処理の作業領域に使用するメモリ102と、処理データを記録する記録部103と、各部の間でデータを伝送するバス104と、外部機器とのデータの入出力を行うインタフェース部105(以下、I/F部と記す)とを備えている。入力部4および表示部5は、予測装置1に接続されており、入力部4は、キーボード等で構成され、表示部5は、液晶ディスプレイ等で構成されている。入力部4と表示部5とは、一体化されてタッチパネル付き表示装置として実現されてもよい。なお、予測装置1は一体の装置である必要はなく、CPU101、メモリ102、記録部103等が別所に配置され、これらがネットワークで接続されていてもよい。また、入力部4や表示部5を省略した操作者を必要としない装置であってもよい。
また、予測装置1と、装置6とについても、一カ所に配置される必要は必ずしもなく、別所に設けられた装置間をネットワークで通信可能に接続した構成でもよい。
以下の説明においては、特に断らない限り予測装置1が行う処理は、予測プログラムに基づいて、実際には予測装置1のCPU101が行う処理を意味する。CPU101はメモリ102を作業領域として必要なデータ(処理途中の中間データ等)を一時記憶し、記録部103に演算結果等の長期保存するデータを適宜記録する。
装置6は、RNA−Seq法によってmRNAの発現量を測定するための装置、又は質量分析によって代謝物質の存在量を測定するための装置であり、解析部61を備える。RNA−Seq用の反応を行ったサンプルを解析部61にセットし、解析部61内で、塩基配列の解析をおこなう。
装置6は、有線または無線によって予測装置1に接続されており、mRNAの測定値をA/D変換して、デジタルデータとして予測装置1に送信する。これにより、予測装置1は、mRNAの測定値を、演算処理可能なデジタルデータとして取得することができる。本態様では、装置6からのデジタルデータを「器官連関指標因子の被験データ」または、単に「被験データ」と称する。
4−3.予測装置
本発明は、第1の態様として、下記の演算手段を有する、被験体の特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測装置を含む:
前記被験体の特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを取得する被験データ取得手段、
前記被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出手段、及び
前記パターン類似度算出手段で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段。
ここで、標準データ1と被験データの類似度の算出方法及び、標準データ1と被験データが類似していると決定する方法については、上記「1.用語の説明」に記載したとおりである。
本態様では、上記予測装置として予測装置1を備えたシステム100(図8および図9)によって、被験体において特定疾患の存在、及び/又は病期を予測することができる。
図10は、本発明の第1の態様に係る予測装置1の機能を説明するためのブロック図である。予測装置1は、被験データ取得部11と、パターン類似度算出部12と、予測部13とを備える。これらの機能ブロックは、本発明に係る予測プログラムを予測装置1の記録部103またはメモリ102にインストールし、これらのプログラムをCPU101が実行することにより実現される。これにより、予測装置1は、後述する「4−5.予測方法」に記載の予測方法を実行する。なお、請求の範囲に記載の被験データ取得手段、パターン類似度算出手段および予測手段が、図9に示す被験データ取得部11、パターン類似度算出部12および予測部13にそれぞれ対応する。
言い換えると、予測装置1は、CPU101により下記の演算機能を実行する、被験体の特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測装置である:
前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを取得する被験データ取得機能
前記被験データ取得機能が取得した被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを、比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出機能、及び
前記パターン類似度算出機能で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測機能
本態様では、被験データ取得部11が、装置6において測定された器官連関指標因子の被験データM4を装置6から取得する。また、標準データD1(標準データ1)は予測装置1の外部に記録されており、例えばインターネットを介して予測装置1に取り込まれる。
なお、被験データM4もネットワークを介して第三者機関(図示せず)から予測装置1に取り込まれてもよい。また、前記被験データM4および標準データD1(標準データ1)は、予測装置1の記録部103またはメモリ102に予め記録されていてもよい。
パターン類似度算出部12は、被験データM4と標準データD1(標準データ1)とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する。予測部13は、パターン類似度算出部12で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する。パターン類似度算出部12及び予測部13は、後述する「4−5.予測方法」に記載の本発明の第1の態様に係る予測方法のパターン類似度算出工程及び予測工程をそれぞれ実行する機能ブロックであり、それらの演算処理の具体的内容は、「4−5.予測方法」において図11を参照して説明する。
また、被験データ取得部11、パターン類似度算出部12および予測部13の各機能ブロックは、単一のCPUで実行されることは必ずしも必要なく、複数のCPUで分散して処理されてもよい。たとえば、被験データ取得部11の機能は第1のコンピュータのCPUにより実行され、パターン類似度算出部12および予測部13の機能は別の第2のコンピュータのCPUにより実行されるというような構成であってもよい。
4−4.予測プログラム
また、予測装置1は、以下の図11で説明するステップS11〜S16の処理を行うために、本発明に係る予測プログラムを、例えば実行形式(例えばプログラミング言語からコンパイラにより変換されて生成される)で記録部103に予め記録しており、予測装置1は、記録部103に記録した予測プログラムを使用して処理を行う。
すなわち、本発明の第1の態様に係る予測プログラムは、コンピュータに実行させたときに、被験体における特定疾患の存在、及び/又は病期を予測するための下記の処理を当該コンピュータに実施させる予測プログラムである:
前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データを取得する被験データ取得処理、
前記被験データ取得処理で取得された被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出処理、及び
前記パターン類似度算出処理で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理。
本態様では、図9に示すように、上記予測プログラムは、CD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能であって一時的でない有形記録媒体109に記録されており、記録媒体109から、予測装置1にインストールされる。あるいは、予測装置1をインターネット(図示せず)と接続し、インターネットを介して上記予測プログラムのプログラムコードをダウンロードしてもよい。また、上記の演算処理をコンピュータに実施させるため、本発明に係る予測プログラムを記録部103またはメモリ102に格納された他のプログラムとリンクさせてもよい。例えば、予測プログラムを上記「1.用語の説明」で述べた統計解析ソフトとリンクさせ、当該統計解析ソフトを利用してパターン類似度演算処理を実施してもよい。
上記被験データ取得処理は、予測装置1が上記予測プログラムを実行することによって実現される被験データ取得部11が実施する演算処理に対応する。また、上記予測処理は、予測装置1が上記予測プログラムを実行することによって実現される予測部12が実施する演算処理に対応する。
4−5.予測方法
本発明の第1の態様に係る予測装置1は、本発明の第1の態様に係る予測方法を実行する。本発明の第1の態様に係る予測方法は、下記の工程を有する、被験体において特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する方法である:
前記特定器官以外の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データ1とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出工程、及び
前記パターン類似度算出工程で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、特定疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測工程。
図11は、本発明の第1の態様に係る予測装置1が上記の予測方法を実行するために行うデータ処理の順序を示すフローチャートである。なお、図10に示す被験データ取得部11、パターン類似度算出部12、および予測部13により、図11に示すステップS11からS16の処理がそれぞれ実行される。
ステップS11では、被験データ取得部11が被験データM4を取得する。被験データM4は、被験体の特定器官以外の1種類以上の器官由来の細胞又は組織から得られた、各器官における器官連関指標因子のパターンであり、装置6から予測装置1に送信される。
ステップS12では、パターン類似度算出部12が、取得した被験データM4と標準データD1(標準データ1)とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する。類似度の算出方法及び「類似している」か否かの決定方法は、上記「1.用語の説明」に記載した通りである。なお、上記「4−4.予測プログラム」に記載の予測プログラムは、パターン類似度算出部12による演算処理を予測装置1のCPU101に実施させるプログラムのプログラムコードを含んでもよいし、例えば、上記「1.用語の説明」で述べた統計解析ソフトとリンクすることにより、当該統計解析ソフトを利用してパターン類似度算出部12による演算処理をCPU101に実施させてもよい。
ステップS14では、予測部13が、ステップS12にて得られた類似度を指標にして、特定疾患の存在又は病期を予測する。具体的には、類似度が「類似している」である場合(ステップ13においてYES)、ステップS14において予測部13は、前記被験体が標準データD1(標準データ1)の中で被験データM4に類似するパターンに対応する特定疾患が存在する/又は被験体が標準データD1(標準データ1)に対応する特定疾患の病期であると決定する。
また、ステップS12にて得られた類似度が「類似していない」である場合、(ステップ13においてNO)、ステップS16において予測部13は、前記被験体が標準データD1(標準データ1)に対応する特定疾患が存在しない/又は被験体が標準データD1(標準データ1)に対応する特定疾患の病期ではないと決定する。
ステップS15では、予測部13が前記ステップS14、又は16で決定した結果を予測結果のデータをして出力する。本態様では、予測結果が表示部5に表示されるとともに、予測結果のデータが予測装置1内の記録部103に記録される。なお、予測結果を表示部5に表示する代わりに、インターネットを介して接続された、予測装置1の外部の例えば第三者機関におけるコンピュータ端末の表示部に表示してもよい。
各ステップの具体的な手順は、上記「4−1.概要」の記載に準ずる。
5.Forward iOrgans
5−1.概要
本態様においては、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する。具体的には、被験体の診断結果から得られる、前記被験体における前記特定器官の疾患の病期の情報に基づいて、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する。工程(i)前記被験体の診断結果から、前記被験体における前記特定器官の疾患の病期の情報を取得する工程、工程(ii)前記工程(i)で取得された前記病期の情報と、標準データ2を照合する工程、(iii)前記工程(ii)で取得された照合結果に基づいて、標準データ2の中から前記病期の情報と対応する特定器官の疾患の病期の標準データαを決定し、前記被験体の病期に対応する前記被験体における特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを標準データαの中から抽出する工程、工程(iv)前記工程(iii)で抽出された器官連関指標因子のパターンを公知の疾患、及び/又は前記疾患の病期における器官連関指標因子の情報と照合して、前記被験体の特定器官以外の器官の器官連関指標因子のパターンに対応する前記特定器官以外の器官の疾患及び/又は当該疾患の病期を決定する工程、及び工程(v)前記工程(iv)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患を、前記被験体が罹患している可能性のある疾患であると、さらに決定する工程、及び/又は前記工程(iv)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患の病期を、前記被験体が罹患している疾患の病期であるとさらに決定する工程を含む。ここで、前記工程(iv)及び(v)を合わせて、「工程(iv’)前記工程(iii)で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する工程」とすることもできる。ここで、特定器官以外の器官は複数種であってもよい。つまり、(iv’’)前記工程(iii)において決定された標準データαの中から抽出された前記被験体における特定器官以外の複数種の器官の器官連関指標因子のパターンを、公知の疾患、及び/又は前記疾患の病期における器官連関指標因子の情報と照合して、前記被験体の特定器官以外の複数の器官の器官連関指標因子のパターンに対応する前記特定器官以外の複数種の器官の疾患及び/又は当該疾患の病期を決定し、(v’’)前記工程(iv’’)において決定された前記特定器官以外の複数種の器官の疾患を、前記被験体が罹患している可能性のある疾患であると、さらに決定し、及び/又は前記工程(iv’’)において決定された前記特定器官以外の複数種の器官の疾患の病期を、前記被験体が罹患している疾患の病期であるとさらに決定してもよい。
工程(i)において被験体の診断結果は、医師等が検査結果医療面接等に基づいて導き出した診断結果である限り制限されない。当該診断結果は、紙媒体カルテ等から得られる情報であってよいし、電子カルテ等から抽出される電子データであってもよい。工程(i)では、被験体の診断結果に基づいて、被験体の特定器官の疾患の病期の情報を、口頭、書面、又はデジタル情報等として取得する。つまり、被験体の特定器官の疾患の病期の情報は、当該被験体が、特定器官の疾患のいずれの病期であるか、という情報である。
工程(ii)における、工程(i)で取得された病期の情報と標準データ2の照合は、例えば、前記病期の名称と標準データ2の各器官連関指標因子のパターンに付されている特定器官の疾患の病期の名称が一致するか否かを照合する。この照合は、目視で行ってもよく、例えばMicrosoft(登録商標) Excel(マイクロソフト社)、Microsoft(登録商標) Access(マイクロソフト社)等のデータベースソフト上で、当該ソフトの検索機能、又はフィルタリング機能等を使用して行ってもよい。
工程(iii)では、前記工程(ii)で行われた照合により前記被験体の特定器官の疾患の病期の名称に関連づけられた器官連関指標因子のパターンを抽出する。抽出された器官連関指標因子のパターン群を標準データαと決定する。さらに、この標準データαに含まれる各器官連関指標因子のパターンに関連づけられた器官の名称から、特定器官以外の少なくとも一種の器官を選択し、当該器官の器官連関指標因子のパターンを抽出する。特定器官以外の少なくとも一種の器官の選択、及び当該器官の器官連関指標因子のパターンの抽出は、目視で行ってもよいが、前記データベースソフト上で、当該ソフトの検索機能、又はフィルタリング機能等を使用して行ってもよい。ここで抽出された器官連関指標因子のパターン群がRNAの発現パターン群である場合の標準データαを「標準データα1」と称する場合がある。また、ここで抽出された器官連関指標因子のパターン群が代謝物質の存在パターン群である場合の標準データαを「標準データα2」と称する場合がある。
工程(iv)では、抽出された当該器官の器官連関指標因子のパターンと、公知の疾患に関する情報のデータベース(例えば、DPCデータベース(日本厚生労働省提供)、PubMed(National Center for Biotechnology Information提供)、Embase(Elsevier社提供)、コクランライブラリー(Cochrane)等;以下、「疾患情報データベース」ともいう)に記録された疾患、及び/又は前記疾患の病期における器官連関指標因子の情報との類似度を算出して類似度を決定する。続いて疾患情報データベースに記録された器官連関指標因子と当該器官における器官連関指標因子のパターンの全部又は一部とが「類似している」と判定された疾患名又は疾患の病期名を抽出する。当該器官における器官連関指標因子のパターンと前記公知の情報が類似するか否かは、上記「1.用語の説明」に記載の類似度の決定方法に従って、決定することができる。続いて、前記特定器官以外の器官に前記抽出された疾患が存在していると、又は前記特定器官以外の器官が前記抽出された疾患の病期であると決定することができる。また、当該決定工程では、公知の健常個体における器官連関指標因子の情報と当該器官の器官連関指標因子のパターンを照合して、当該器官が正常であると決定することができる。
工程(v)では、工程(iv)において決定された前記特定器官以外の器官の疾患及び/又は当該疾患の病期を、前記被験体が罹患している可能性のある疾患であると、及び/又は当該疾患の病期であるとさらに決定する。上記工程(iv)において、決定された疾患が複数である場合には、当該器官の器官連関指標因子のパターンとの類似度が高い疾患を前記被験体が罹患している可能性のある疾患であると決定することができる。上記工程(iv)において、決定された疾患の病期が複数である場合には、当該器官の器官連関指標因子のパターンとの類似度が高い疾患の病期を前記被験体が罹患している可能性のある疾患の病期であると決定することができる。
また、本態様は、上記工程(i)から(iii)を含み、さらに上記工程(iv)に代えて、工程(iv’)前記工程(iii)で抽出された器官連関指標因子のパターンを公知の疾患、及び/又は前記疾患の病期における器官連関指標因子の情報と照合して、前記被験体の特定器官以外の器官の器官連関指標因子のパターンに対応する前記特定器官以外の器官の疾患の存在及び/又は当該疾患の病期の情報を取得する工程を含む、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するための情報の取得方法とすることもできる。抽出された器官連関指標因子のパターンを公知の疾患、及び/又は前記疾患の病期における器官連関指標因子の情報と照合する工程は上記工程(iv)に準ずる。
5−2.システム構成
図12は、本発明の第2の態様に係るシステム110の概観図であり、図13は、システム110のハードウェア構成を示すブロック図である。システム110は予測装置2と、入力部4と、表示部5と、を備える。
予測装置2は、例えば汎用のパーソナルコンピュータで構成されており、後述するデータ処理を行うCPU101と、データ処理の作業領域に使用するメモリ102と、処理データを記録する記録部103と、各部の間でデータを伝送するバス104と、外部機器とのデータの入出力を行うインタフェース部105(以下、I/F部と記す)とを備えている。入力部4および表示部5は、予測装置2に接続されており、入力部4は、キーボード等で構成され、表示部5は、液晶ディスプレイ等で構成されている。入力部4と表示部5とは、一体化されてタッチパネル付き表示装置として実現されてもよい。なお、予測装置2は一体の装置である必要はなく、CPU101、メモリ102、記録部103等が別所に配置され、これらがネットワークで接続されていてもよい。また、入力部4や表示部5を省略した操作者を必要としない装置であってもよい。
以下の説明においては、特に断らない限り予測装置2が行う処理は、予測プログラムに基づいて、実際には予測装置2のCPU101が行う処理を意味する。CPU101はメモリ102を作業領域として必要なデータ(処理途中の中間データ等)を一時記憶し、記録部103に演算結果等の長期保存するデータを適宜記録する。
以上のように、システム110の予測装置2、入力部4および表示部5の各ハードウェア構成は、図7に示すシステム100の予測装置2、入力部4および表示部5と同一であってもよい。
5−3.予測装置
本発明は、第2の態様として、下記の演算手段を有する、特定疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測装置を含む:
前記被験体における前記特定器官の疾患の病期の情報を取得する病期情報取得手段、
前記病期情報取得手段が取得した病期の情報と、標準データ2とを照合する病期情報照合手段、
前記病期情報照合手段で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出手段、及び
前記パターン抽出手段で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測手段。
本態様では、上記予測装置として上記「5−2.システム構成」に記載の予測装置2を備えたシステム110(図12および図13)によって、被験体の特定器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測することができる。
図14は、本発明の第2の態様に係る予測装置2の機能を説明するためのブロック図である。予測装置2は、病期情報取得部21と、病期情報照合部22と、パターン抽出部23と、予測部24とを備える。これらの機能ブロックは、本発明に係る予測プログラムを予測装置2の記録部103またはメモリ102にインストールし、これらのプログラムをCPU101が実行することにより実現される。これにより、予測装置2は、後述する「5−5.予測方法」に記載の予測方法を実行する。なお、請求の範囲に記載の病期情報取得手段、病期情報照合手段、パターン抽出手段および予測手段が、図14に示す病期情報取得部21、病期情報照合部22、パターン抽出部23および予測部24にそれぞれ対応する。
言い換えると、予測装置2は、CPU101により下記の演算機能を実行する、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測装置である:
前記被験体における前記特定器官の疾患の病期の情報を取得する病期情報取得機能
前記病期情報取得機能が取得した病期の情報と、標準データ2とを照合する病期情報照合機能
前記病期情報照合機能で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出機能、及び
前記パターン抽出機能で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測機能。
本態様では、例えば、ユーザが入力部4を操作することによって、被験体における特定器官の疾患(特定疾患)のいずれの病期であるかという情報を入力する。病期情報取得部21は、入力された前記特定疾患の病期の情報(特定疾患病期情報)を取得する。標準データD1(標準データ2)および疾患情報データベースD2は予測装置2の外部に記録されており、例えばインターネットを介して予測装置2に取り込まれる。
なお、これら標準データD1(標準データ2)および疾患情報データベースD2は予測装置2の記録部103またはメモリ102に予め記録されていてもよい。
病期情報照合部22は、病期情報取得部21が取得した特定疾患病期と、標準データD1(標準データ2)とを照合し、パターン抽出部23は、病期情報照合部22で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出する。予測部24は、パターン抽出部23で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する。病期情報照合部22、パターン抽出部23及び予測部24は、後述する「5−5.予測方法」に記載の本発明の第2の態様に係る予測方法の病期情報照合工程、パターン抽出工程及び予測工程をそれぞれ実行する機能ブロックであり、それらの演算処理の具体的内容は、「5−5.予測方法」において図15を参照して説明する。
また、病期情報取得部21、病期情報照合部22、パターン抽出部23および予測部24の各機能ブロックは、単一のCPUで実行されることは必ずしも必要なく、複数のCPUで分散して処理されてもよい。たとえば、病期情報取得部21の機能は第1のコンピュータのCPUにより実行され、病期情報照合部22、パターン抽出部23および予測部24の機能は別の第2のコンピュータのCPUにより実行されるというような構成であってもよい。
5−4.予測プログラム
また、予測装置2は、以下の図15で説明するステップS21〜S29の処理を行うために、本発明に係る予測プログラムを、例えば実行形式で記録部103に予め記録しており、予測装置2は、記録部103に記録した予測プログラムを使用して処理を行う。
すなわち、本発明の第2の態様に係る予測プログラムは、コンピュータに実行させたときに、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するための下記の処理を当該コンピュータに実施させる予測プログラム:
前記被験体における前記特定器官の疾患の病期の情報を取得する病期情報取得処理、
前記病期情報取得処理で取得された病期の情報と、標準データ2とを照合する病期情報照合処理、
前記病期情報照合処理で得られた結果から、前記被験体における前記特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出処理、及び
前記パターン抽出処理で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、前記特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測処理。
本態様では、図13に示すように、上記予測プログラムは、CD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能であって一時的でない有形の記録媒体109に記録されており、記録媒体109から、予測装置2にインストールされる。あるいは、予測装置2をインターネット(図示せず)と接続し、インターネットを介して上記予測プログラムのプログラムコードをダウンロードしてもよい。また、上記の演算処理をコンピュータに実施させるため、本発明に係る予測プログラムを、記録部103またはメモリ102に格納された他のプログラムとリンクさせてもよい。例えば、予測プログラムを上記「5−1.概要」で述べた市販のデータベースソフトとリンクさせ、当該データベースソフトを利用して病期情報照合処理及びパターン抽出処理を実施してもよい。
上記病期情報取得処理は、予測装置2が上記予測プログラムを実行することによって実現される病期情報取得部21が実施する演算処理に対応する。また、上記病期情報照合処理は、予測装置2が上記予測プログラムを実行することによって実現される病期情報照合部22が実施する演算処理に対応する。また、上記パターン抽出処理は、予測装置2が上記予測プログラムを実行することによって実現されるパターン抽出部23が実施する演算処理に対応する。また、上記予測処理は、予測装置2が上記予測プログラムを実行することによって実現される予測部24が実施する演算処理に対応する。
5−5.予測方法
本発明の第2の態様に係る予測装置2は、本発明の第2の態様に係る予測方法を実行する。本発明の第2の態様に係る予測方法は、下記の工程を有する、特定器官に疾患を有する被験体における当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する方法である:
前記被験体における前記特定器官の疾患の病期の情報を取得する病期情報取得工程、
前記病期情報取得処理で取得された病期と、標準データ2とを照合する病期情報照合工程、
前記病期情報照合工程で得られた照合結果から、前記被験体における特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを抽出するパターン抽出工程、及び
前記パターン抽出処理で得られた器官連関指標因子のパターンを指標にして、特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測する予測工程。
図15は、本発明の第2の態様に係る予測装置2が上記の予測方法を実行するために行うデータ処理の順序を示すフローチャートである。なお、図14に示す病期情報取得部21、病期情報照合部22、パターン抽出部23、および予測部24により、図15に示すステップS21からS29の処理がそれぞれ実行される。
ステップS21では、病期情報取得部21が病期の情報を取得する。病期の情報は、特定器官の疾患のいずれの病期であるかという情報であり、例えば入力部4による操作によって病期情報取得部21が取得する。病期の情報を取得する態様はこれに限らず、病期の情報は、電子カルテから、又は外部とのデータ通信などの任意の方法で予測装置2の記録部103に記録されればよい。
ステップS22では、病期情報照合部22が病期の情報と標準データD1(標準データ2)と照合する。次に、ステップS23において、パターン抽出部23が、ステップS22での照合結果に基づいて、標準データD1(標準データ2)の中から、前記病期の情報と対応する特定器官の疾患の病期の標準データαを決定し、前記被験体の病期に対応する前記被験体における特定器官以外の1種以上の器官の器官連関指標因子のパターンを標準データαの中から抽出する。具体的な抽出手順は、上記「4−1.概要」の記載に準ずる。なお、上記「5−4.予測プログラム」に記載の予測プログラムは、病期情報照合部22及びパターン抽出部23による演算処理を予測装置2のCPU101に実施させるプログラムのプログラムコードを含んでもよいし、例えば、上記の市販のデータベースソフトとリンクすることにより、当該データベースソフトを利用して病期情報照合部22及びパターン抽出部23による演算処理をCPU101に実施させてもよい。
ステップS24では、予測部24は、予測装置2の外部、又はメモリ102若しくは記録部103にダウンロードされた疾患情報データベースD2に適宜アクセスして、ステップS23にて抽出された器官の器官連関指標因子のパターンと、疾患情報データベース内に記録された器官連関指標因子の情報との類似度を算出し類似度を決定する。そして、ステップS26において、特定器官以外の器官に、前記器官における器官連関指標因子のパターンの全部又は一部と「類似している」(ステップS25において「YES」)と判定された疾患が存在すると、又は特定器官以外の器官が、前記器官における器官連関指標因子のパターンの全部又は一部と「類似している」(ステップS25において「YES」)と判定された疾患の病期であると決定する。次にステップS27では、被験体が、ステップS26で決定された疾患に罹患している、又は被験体が、ステップS26で決定された疾患の病期であると予測する。なお、上記「5−4.予測プログラム」に記載の予測プログラムは、予測部24による演算処理を予測装置2のCPU101に実施させるプログラムのプログラムコードを含んでもよいし、例えば、上記「1.用語の説明」で述べた統計解析ソフトとリンクすることにより、当該統計解析ソフトを利用して予測部24による演算処理をCPU101に実施させてもよい。
ステップS28では、予測部24が、ステップS27で予測された結果を出力する。本態様では、予測結果を表示部5に表示するとともに、予測結果が、予測装置2内の記録部103に記録される。なお、予測結果を表示部5に表示する代わりに、インターネットを介して接続された、予測装置2の外部の例えば第三者機関におけるコンピュータ端末の表示部に表示してもよい。
ステップS25において、ステップS24の結果が「類似していない」であった場合は(ステップS25において「NO」)、ステップS29において、予測部24は類似パターンが存在しないと決定する。
各ステップの具体的な手順は、上記「5−1.概要」の記載に準ずる。
6.D−iOrgans
6−1.概要
本態様においては、被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXから、被験物質の効能又は副作用を予測する。具体的には、上記2.に記載の測定方法を実施することによって取得される、前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出し、当該類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測する。より具体的には、(1)前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出工程、及び(2)前記工程(1)で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測工程を含む。好ましくは、前記工程(2)は、前記工程(1)で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測工程である。また、被験物質が公知物質である場合、前記効能又は副作用からは、当該公知の効能又は副作用は除かれる。また、副作用を予測する場合において、好ましくは器官からは肝臓、及び腎臓を除くことができる。効能、又は副作用を予測するために採取される好ましい器官としては、血液を除く体液、皮膚、褐色脂肪、及び白色脂肪組織を挙げることができる。さらに、前記器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する場合、予測の対象となる器官は1種であっても複数種であってもよい。複数種の前記対象について予測を行う場合には、器官毎順次予測を行ってもよいが、同時に行っても良い。好ましくは、同時である。
本態様においては、被験データXの情報を取得するため、前記工程(1)の前に、さらに(i)被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXの情報を取得する工程を含んでもよい。また、前記工程(i)は、被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の量から、器官連関指標因子の被験データXを決定する工程を含んでいてもよく、さらに前記工程(i)は、前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織より抽出された当該器官連関指標因子を同定、又は定量する工程を含んでいてもよい。さらに、前記工程(i)は、被験データXの値を求めるために、(m)前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織に対応する陰性対照の器官より採取された細胞又は組織より器官連関指標因子の量の情報を取得する工程を含んでいてもよい。さらに前記工程(m)は、前記陰性対照の器官由来の細胞又は組織より抽出された器官連関指標因子を同定、又は定量する工程を含んでいてもよい。
また、前記工程(i)は、前記被験物質が投与された個体の器官より採取された細胞又は組織から、(必要に応じて陰性対照の器官より採取された細胞又は組織から、)器官連関指標因子を抽出する工程を含んでいてもよい。
ここで、陰性対照は、疾患を有していない陰性対照と同義に扱われる場合があり、未処置の動物又はシャモデル動物等が含まれる。被験データを取得する個体と陰性対照の個体は、同種であっても異種であってもよいが、同種であることが好ましい。
また、本態様に係る予測方法は、前記工程(i)の前に、さらに下記の工程を含んでいてもよい:
(ii)前記被験物質を用意する工程、
(iii)前記個体を用意する工程、
(iv)前記工程(iii)で用意された前記個体に、前記工程(ii)で用意された前記被験物質を投与する工程、
(v)前記工程(iv)で前記被験物質が投与された前記個体から前記器官を摘出する工程、
(vi)前記工程(v)で摘出された前記器官より前記細胞又は組織を採取する工程。
本法に供される細胞又は組織は特に制限されず、上記「2.器官連関指標因子を抽出するための細胞又は組織の採取方法並びに保存方法、及び器官連関指標因子の抽出方法並びに測定方法」の記載は、ここに援用される。また、個体より採取された細胞又は組織等からの器官連関指標因子の抽出方法についても、上記2.の記載を援用することができる。
RNAの抽出は、上記2.の記載を援用することができる。また、RNAの発現の解析は、公知の方法に従って行えばよく、上記2.の記載を援用することができるが、好ましくはリアルタイムPCR、マイクロアレイ、RNA−Seq等によって行うことができる。マイクロアレイでRNAの発現の定性的又は定量的解析を行う場合には、事前に標準データYに含まれる各RNA種に対応したプローブを搭載したマイクロアレイチップを各既存物質、各疾患及び/又は器官毎に作成しておくこともできる。
また、器官連関指標因子として代謝物質を使用する場合、代謝物質の抽出及び存在量の解析は、上記2.に記載の方法によって、行うことができる。図27、又は28に示される代謝物質を解析する場合には、GCMS解析又はCEMS解析を行うことが好ましい。
前記被験データXと、標準データYとの類似度は、上記1.の類似度の求め方にしたがって求めることができる。
さらに検討した器官連関指標因子の項目の中で、被験データXのいずれか1つの器官連関指標因子と標準データYの対応する器官連関指標因子のパターンが類似している場合には、当該器官連関指標因子から効能又は副作用を予測してもよく、被験データXの2種以上の器官連関指標因子と標準データYの対応する器官連関指標因子のパターンが類似している場合に当該器官連関指標因子から効能又は副作用を予測してもよい。
そして、当該方法によって、被験データXが標準データYと類似していると決定された場合に、当該被験物質を投与された個体が、当該被験物質の投与により、当該標準データYが得られた個体と同じ器官連関指標因子の変化を来したと決定することができる。
特に、被験データXと標準データY1とが類似していた場合には、当該被験物質が、標準データY1で変動が認められる器官連関指標因子が反映する器官及び組織の状態、あるいはそれらに似ている状態、または既存の知識から容易に関連すると推定できる状態を惹起すると予測することができる。また、被験データXと標準データY2とが類似していた場合には、当該被験物質が、標準データY2の取得に使用された既存物質と同じ、あるいはそれらに似ている状態、または既存の知識から容易に関連すると推定できる効能又は副作用を来すと予測することができる。さらに、被験データXと標準データY3とが類似していた場合には、当該被験物質を投与することにより、標準データY3を取得した個体の疾患と同じ状態を引き起こす、又は標準データY3を取得した個体において病巣又は症状を有する器官又は組織と同じ状態を引き起こすと予測することができ、これらの状態が被験物質の副作用であると予測することができる。あるいは被験データXと標準データY3とが類似していた場合には、当該被験物質を投与することにより、標準データY3を取得した個体の疾患に対する既存の知識から容易に関連していると推定できる器官又は組織に効能又は副作用が現れると予測することができる。また、標準データY3を取得した疾患を有する陽性対照の個体が、何らかの治療(既存物質の投与)を受けている場合であり、被験物質を投与する前の個体が、標準データY3を取得した個体と同じ疾患を有する場合、被験物質投与後に取得された被験データXが、当該個体から得られた標準データY3と類似する場合には、被験物質が、当該治療(既存物質の投与)と同じ、あるいはそれらに類似、または既存の知識から容易に関連すると推定できる効能を有すると予測することができる。
さらに、標準データ2及び標準データ3を取得する器官は、複数種であっても良い。
また別の態様として、R−iOrgansで使用される標準データ1を用いて被験物質の効能又は効果を予測することもできる。具体的には、(2−1)被験物質を投与された個体が健常な個体である場合、被験物質を投与された被験体のある器官(例えば、器官A)における被験データX(図16(b))と前記ある器官に対応する器官(例えば、器官A)における標準データ1(図16(a))の器官連関指標因子の類似度を求め、(2−2)前記ある器官(例えば、器官A)における被験データXと類似する標準データ1(図16(a)の器官Aの標準データ1−2)が対応する疾患、及び/又はその病期(例えば疾患W、及び/又は疾患Wのある病期)を決定し、(2−3)当該被験物質が疾患、及び/又は、その特定の病期と同じ状態を引き起こすとさらに決定することにより、前記被験物質が引き起こす病態を予測することができる。ここで、ある器官は、複数の器官であってもよい。つまり、(2−1’)被験物質を投与された個体が健常な個体であった場合、被験物質を投与された被験体の複数の器官(例えば器官A、B)におけるそれぞれの被験データX(図16(b)、及び(c))と複数の器官(例えば器官A、B)おけるそれぞれの標準データ1(図16(a)の器官A、B)の器官連関指標因子の類似度を求め、(2−2’)複数の器官(例えば器官A、B)におけるそれぞれの被験データXと類似するそれぞれの標準データ1が対応する疾患、及び/又はその病期(図16(a)の器官Aの標準データ1−2、器官Bの標準データ1−3)を決定し、(2−3’)当該被験物質がある器官(例えば、器官A)においてある疾患、及び/又はその疾患のある病期(例えば疾患W、及び/又は、疾患Wのある病期)と同じ状態を引き起こすとさらに決定する、及び当該被験物質が他の器官(例えば、器官B)においてある疾患、及び/又はその疾患のある病期(例えば、疾患Z、及び/又は、疾患Zのある病期)と同じ状態を引き起こすとさらに決定することにより、前記被験物質が引き起こす複数の器官での複数の病態を予測することができる。
別の態様として、被験物質を投与された個体が器官Aに疾患を有している場合、(3−1)被験物質投与前に当該個体の病期を決定しておき(例えば、図17(a)において疾患Uの病期2)、(3−2)被験物質を投与した後のある器官(例えば、器官A)の被験データX(図17(b))と当該ある器官(例えば、器官A)における標準データ1(図17(a)の器官A)の器官連関指標因子の類似度を求め、(3−2)ある器官(例えば、器官A)における被験データXと類似する標準データ1(図17(a)の器官Aの標準データ1−2)が対応する病期(疾患Uの病期1)を決定し、(3−3)前記(3−2)で決定された病期(疾患Uの病期1)が、前記(3−1)で決定された病期(疾患Uの病期2)よりも軽くなっていた場合には、当該被験物質が当該個体が患っていた疾患に対して有効であると決定することができる。
さらに、別の態様によれは、多器官連関システムネットワークを考慮することにより、例えば、標準データ1に含まれる器官Bを被験データXとして、器官Aの状態を予測することができる。例えば、被験物質を投与された個体が健常な個体であった場合、(4−1)ある器官(例えば、器官B)における被験データX(図16(d))と前記ある器官に対応する器官(例えば、器官B)の標準データ1(図16(a)の器官B)の器官連関指標因子との類似度を求め、(4−2)前記ある器官(たとえは、器官B)における被験データXと類似する標準データ1(図16(a)の器官Bの標準データ1−2が対応する疾患、及び/又は病期(疾患W、及び/又は疾患Wのある病期)を決定し、(4−3)前記(4−2)で決定された疾患、及び/又は病期(疾患W、及び/又は疾患Wのある病期)が別の器官(例えば、器官A)に主病変を有する疾患/又は病期(疾患W、及び/又は疾患Wのある病期)である場合、当該被験物質が当該別の器官(例えば、器官A)において、前記(4−2)で決定された疾患、及び/又は、病期(疾患W、及び/又は疾患Wのある病期)と同じ状態を引き起こすと予測することができる。
また、被験物質を投与された個体が器官Aに疾患を有している場合、(5−1)被験物質投与前に当該個体の病期を決定しておき(例えば、図17(a)において疾患Uの病期2)、(5−2)被験物質を投与した後のある器官(例えば器官B)の被験データX(図17(c))と前記ある器官に対応する器官(例えば器官B)における標準データ1の器官Bの器官連関指標因子の類似度を求め、(5−3)前記ある器官(例えば器官B)における被験データX(図17(c))と類似する標準データ1(図17(a)の器官Bの標準データ1−2)が対応する病期(例えば図17(a)において疾患Uの病期1)を決定し、(5−4)前記(5−3)で決定された病期(例えば図17(a)において疾患Uの病期1)が別の器官(例えば、器官A)の疾患の病期である場合、当該被験物質が別の器官(例えば、器官A)において、前記(5−2)で決定された病期と同じ状態を引き起こすと決定し、(5−5)前記(5−3)で決定された病期が、前記(5−1)で決定された病期よりも軽くなっていた場合には、当該被験物質が当該個体が患っていた別の器官の疾患に対して有効であると予測することができる。
標準データY3−Mapを使用した具体的な態様を以下に説明する。
例えば、臨床試験において医薬品候補物質Xの治験を行っている場合(図18参照)、医薬品候補物質Xを投与された疾患(例えば、疾患1)を患うヒト(被験物質を投与された個体)から器官A、及びDを採取し、当該それぞれの器官における器官連関指標因子のパターンを求める。上記「1.用語の説明」で述べた方法に従って、器官AとDの間の器官連関指標因子のパターンの相関係数を算出する。算出された相関係数とあらかじめ作成されている標準データY3−Mapの対応する器官間の相関係数との尤度を求め、最も尤度の高い標準データY3−Mapの状態を医薬品候補物質X投与後のヒトの状態と決定することができる。そして、医薬品候補物質X投与前の当該ヒトの状態よりも投与後の状態が改善している(図18において「疾患1ヒト検体」における器官Aと器官Dのパターンの相関係数が、「ヒト健常者検体」器官Aと器官Dのパターンの相関係数に変わる)場合には、当該医薬品候補物質Xが当該疾患(例えば疾患1)に有効であると予測することができる。また、R−iOrgansテクノロジーの原理より標準データ1を使用することにより、前記器官A及びDを採取したヒトの器官Bと器官Cの器官連関指標因子のパターンを予測することができるため、標準データ1−Mapを使用して、器官B及びCの相関係数から、器官A及びDとの相関係数の尤度を求めた方法と同様の方法にしたがって、器官B及びCにおける医薬品候補物質Xの作用を予測することができる。
別の態様として、例えば前臨床試験においてマウス等の実験動物を用いて、ある疾患(例えば疾患1)に対する医薬品候補物質Y及びZの治験を行っている場合(図19参照)、第1の候補医薬品(例えば医薬品候補物質Y)、又は第2の候補医薬品(例えば医薬品候補物質Z)が投与されたある疾患(例えば疾患1)マウスモデル(被験物質を投与された個体)から複数の器官を採取し、当該それぞれの器官における器官連関指標因子のパターンを求める。上記「1.用語の説明」で述べた方法に従って、2つの異なる器官の間の器官連関指標因子のパターンの相関係数を複数の器官全てについて算出する。算出された相関係数とあらかじめ作成されている標準データY3−Mapの対応する器官間の相関係数との尤度を求め、最も尤度の高い標準データY3−Mapの状態を第1の医薬品候補物質、又は第2の医薬品候補物質を投与した後のマウスの状態であると予測することができる。そして、第1の医薬品候補物質、又は第2の医薬品候補物質を投与する前のマウスの状態よりも、投与後の状態が改善している場合には、第1の医薬品候補物質、又は第2の医薬品候補物質が前記ある疾患(例えば、疾患1)に有効であると予測することができる。ここで、図19において疾患1マウスモデルに医薬品候補物質Yを投与した時の器官連関指標因子のパターンの相関関係を「医薬品候補物質Y投与疾患1マウスモデル」として表している。また、疾患1マウスモデルに医薬品候補物質Zを投与した時の器官連関指標因子のパターンの相関関係を「医薬品候補物質Z投与疾患1マウスモデル」として表している。医薬品候補物質Y投与疾患1マウスモデルの器官連関指標因子のパターン相関関係と医薬品候補物質Z投与疾患1マウスモデルの器官連関指標因子のパターンの相関関係は器官A及びBをのぞき一致している。このため、医薬品候補物質Y投与疾患1マウスモデルの器官連関指標因子のパターンの相関マップと医薬品候補物質Z投与疾患1マウスモデルの器官連関指標因子のパターンの相関マップは「類似している」と判定することができる。つまり第1の医薬品候補物質と第2の医薬品候補物質は類似の作用を示すと予測することができる。また、医薬品候補物質Z投与疾患1マウスモデルの器官連関指標因子のパターンの相関マップは、図19における「健常マウス」及び「ヒト健常者検体」の器官連関指標因子のパターンの相関マップと同じであるため、医薬品候補物質Zの方が疾患1に対する治療効果が高いと予測することができる。つまり、ある疾患を治療することを目的とする場合、第1の医薬品候補物質の器官連関指標因子のパターンの相関マップよりも、第2の医薬品候補物質の器官連関指標因子のパターンの相関マップの方が健常個体の器官連関指標因子のパターンの相関マップに近い場合には、第2の医薬品候補物質の方が前記ある疾患の治療に有効であると決定することができる。
さらに、別の態様として、例えば前臨床試験においてマウス等の実験動物を用いて、被験物質(例えば、医薬品候補物質3)の副作用を予測することができる(図20参照)。被験物質を投与された個体(例えば、マウス)から、複数の器官(例えば器官A、B、C、D)を採取し、当該それぞれの器官における器官連関指標因子のパターンを求める。上記「1.用語の説明」で述べた方法に従って、2つの異なる器官の間の器官連関指標因子のパターンの相関係数を複数の器官全てについて算出する(例えば器官AとD)。算出された相関係数とあらかじめ作成されている標準データY3−Mapの対応する器官間の相関係数との尤度を求め、最も尤度の高い標準データY3−Mapの状態を被験物質を投与した後の個体の状態であると予測することができる。最も尤度の高かった標準データY3−Mapに対応する状態がある疾患、又はその疾患の病期である場合、当該被験物質が当該ある疾患、又はその疾患の病期を引き起こすと予測することができる。例えば、図20において医薬品候補物質3投与マウスモデルの相関マップにおける器官AとDの相関係数が、疾患1マウスモデルの相関マップにおける器官AとDの相関係数、又は疾患1ヒト検体の相関マップにおける器官AとDの相関係数と類似しているときには、医薬品候補物質3が疾患1と同じ状態の副作用を起こすと決定することができる。さらに、前記ある疾患が心筋梗塞であり、器官Bが心臓である場合、被験医薬品候補物質3が心臓に直接作用することが知られているが、他の器官(器官A、C、又はD)には直接作用しない場合(すなわち、被験医薬品3が培養系アッセイで心臓の細胞、例えば心筋細胞、には作用するが、他の培養細胞、例えば器官A、C、又はD由来の細胞には遺伝子発現の変化をもたらさないという技術常識がある場合)、医薬品候補物質3を投与することによって起こる器官A及びDの間の相関係数の変化は、医薬品候補物質3が心臓に作用した結果起こる心臓での変化が心臓以外の器官との連関によって起こるの変化であると予測することができる。
6−2.システム構成
図21は、本発明の第3の態様に係るシステム120の概観図であり、図22は、システム120ハードウェア構成を示すブロック図である。システム120は予測装置3と、入力部4と、表示部5と、装置6と、を備える。
予測装置3は、例えば汎用のパーソナルコンピュータで構成されており、後述するデータ処理を行うCPU101と、データ処理の作業領域に使用するメモリ102と、処理データを記録する記録部103と、各部の間でデータを伝送するバス104と、外部機器とのデータの入出力を行うインタフェース部105(以下、I/F部と記す)とを備えている。入力部4および表示部5は、予測装置3に接続されており、入力部4は、キーボード等で構成され、表示部5は、液晶ディスプレイ等で構成されている。入力部4と表示部5とは、一体化されてタッチパネル付き表示装置として実現されてもよい。なお、予測装置3は一体の装置である必要はなく、CPU101、メモリ102、記録部103等が別所に配置され、これらがネットワークで接続されていてもよい。また、入力部4や表示部5を省略した操作者を必要としない装置であってもよい。
また、予測装置3と、装置6とについても、一カ所に配置される必要は必ずしもなく、別所に設けられた装置間をネットワークで通信可能に接続した構成でもよい。
以下の説明においては、特に断らない限り予測装置3が行う処理は、予測プログラムに基づいて、実際には予測装置3のCPU101が行う処理を意味する。CPU101はメモリ102を作業領域として必要なデータ(処理途中の中間データ等)を一時記憶し、記録部103に演算結果等の長期保存するデータを適宜記録する。
装置6は、RNA−Seq法によってmRNAの発現量を測定するための装置、又は質量分析によって代謝物質の存在量を測定するための装置であり、解析部61を備える。RNA−Seq用の反応を行ったサンプルを解析部61にセットし、解析部61内で、塩基配列の解析をおこなう。
装置6は、有線または無線によって予測装置3に接続されており、mRNAの測定値をA/D変換して、デジタルデータとして予測装置3に送信する。これにより、予測装置3は、mRNAの測定値を、演算処理可能なデジタルデータとして取得することができる。本態様では、装置6からのデジタルデータを「器官連関指標因子の被験データ」または、単に「被験データ」と称する。
6−3.予測装置
本発明は、第3の態様として、下記の演算手段を有する、被験物質の効能又は副作用を予測する装置を含む:
前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出手段、及び
前記パターン類似度算出手段で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測手段。
ここで、被験データXと標準データYの類似度の算出方法及び、被験データXと標準データYが類似していると決定する方法については、上記「1.用語の説明」に記載したとおりである。
本態様では、上記予測装置として上記「6−2.システム構成」に記載の予測装置3を備えたシステム120(図22)によって、被験物質の効能又は副作用を予測することができる。
図23は、本発明の第3の態様に係る予測装置3の機能を説明するためのブロック図である。予測装置3は、被験データ取得部31と、パターン類似度算出部32と、予測部33とを備える。これらの機能ブロックは、本発明に係るプログラムを予測装置3の記録部103またはメモリ102にインストールし、このプログラムをCPU101が実行することにより実現される。これにより、予測装置3は、後述する「6−5.予測方法」に記載の予測方法を実行する。なお、請求の範囲に記載のパターン類似度演算手段および予測手段が、図23に示すパターン類似度算出部32および予測部33にそれぞれ対応する。
本態様では、被験データM4(被験データX)および標準データD1(標準データY)は予測装置3の外部に記録されていてもよく、例えばインターネットを介して予測装置3に取り込まれてもよい。
なお、これら被験データM4および標準データD1は、予測装置3の記録部103またはメモリ102に予め記録されていてもよい。
また、被験データ取得部31、パターン類似度算出部32および予測部33の各機能ブロックは、単一のCPUで実行されることは必ずしも必要なく、複数のCPUで分散して処理されてもよい。たとえば、被験データ取得部31の機能は第1のコンピュータのCPUにより実行され、パターン類似度算出部32および予測部33の機能は別の第2のコンピュータのCPUにより実行されるというような構成であってもよい。
言い換えると、予測装置3は、CPU101により下記の演算機能を実行する、被験物質の効能又は副作用を予測する予測装置である:
前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出機能、及び
前記パターン類似度算出機能で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測機能。
本態様では、被験データ取得部31が、装置6において測定された器官連関指標因子の被験データM4(被験データX)を装置6から取得する。また、標準データD1(標準データY)は予測装置3の外部に記録されており、例えばインターネットを介して予測装置3に取り込まれる。
なお、被験データM4(被験データX)もネットワークを介して第三者機関(図示せず)から予測装置3に取り込まれてもよい。また、前記被験データM4(被験データX)および標準データD1(標準データY)は、予測装置3の記録部103またはメモリ102に予め記録されていてもよい。
パターン類似度算出部32は、被験データM4(被験データX)と標準データD1(標準データY)とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する。予測部33は、パターン類似度算出部32で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する。パターン類似度算出部32及び予測部33は、後述する「6−5.予測方法」に記載の本発明の第3の態様に係る予測方法のパターン類似度算出工程及び予測工程をそれぞれ実行する機能ブロックであり、それらの演算処理の具体的内容は、「6−5.予測方法」において図24を参照して説明する。
また、被験データ取得部31、パターン類似度算出部32および予測部33の各機能ブロックは、単一のCPUで実行されることは必ずしも必要なく、複数のCPUで分散して処理されてもよい。たとえば、被験データ取得部31の機能は第1のコンピュータのCPUにより実行され、パターン類似度算出部32および予測部33の機能は別の第2のコンピュータのCPUにより実行されるというような構成であってもよい。
6−4.予測プログラム
また、予測装置3は、以下の図24で説明するステップS31〜S37の処理を行うために、本発明に係る予測プログラムを、例えば実行形式(例えばプログラミング言語からコンパイラにより変換されて生成される)で記録部103に予め記録しており、予測装置3は、記録部103に記録した予測プログラムを使用して処理を行う。
すなわち、本発明の第3の態様に係る予測プログラムは、コンピュータに実行させたときに、被験物質の効能又は副作用を予測するための下記の処理を当該コンピュータに実施させるプログラムである:
前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出処理、及び
前記パターン類似度算出処理で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測処理。
本態様では、図22に示すように、上記予測プログラムは、CD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能であって一時的でない有形の記録媒体109に記録されており、記録媒体109から、予測装置3にインストールされる。あるいは、予測装置3をインターネット(図示せず)と接続し、インターネットを介して上記予測プログラムのプログラムコードをダウンロードしてもよい。また、上記の演算処理をコンピュータに実施させるため、本発明に係る予測プログラムを記録部103またはメモリ102に格納された他のプログラムとリンクさせてもよい。例えば、予測プログラムを上記「1.用語の説明」で述べた統計解析ソフトとリンクさせ、当該統計解析ソフトを利用してパターン類似度演算処理を実施してもよい。
上記パターン類似度算出処理は、予測装置3が上記予測プログラムを実行することによって実現されるパターン類似度算出部32が実施する演算処理に対応する。また、上記予測処理は、予測装置3が上記予測プログラムを実行することによって実現される予測部33が実施する演算処理に対応する。
6−5.予測方法
本発明の第3の態様に係る予測装置3は、本発明の第3の態様に係る予測方法を実行する。本発明の第3の態様に係る予測方法は、以下の工程を含む、被験物質の効能又は副作用を予測する方法である:
前記被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子の被験データXと、あらかじめ決定された対応する器官連関指標因子の標準データYとを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出するパターン類似度算出工程、及び
前記パターン類似度算出工程で得られた器官連関指標因子のパターンの類似度を指標にして、前記1種以上の器官における、及び/又は前記1種以上の器官以外の器官における被験物質の効能又は副作用を予測する予測工程。
図24は、本発明の第3の態様に係る予測装置3が上記の予測方法を実行するために行うデータ処理の順序を示すフローチャートである。なお、図23に示す被験データ取得部31、パターン類似度算出部32、および予測部33により、図24に示すステップS31からS37の処理がそれぞれ実行される。
ステップS31では、被験データ取得部31が被験データM4(被験データX)を取得する。被験データM4(被験データX)は、被験物質が投与された個体の1種以上の器官由来の細胞又は組織から得られた各器官における器官連関指標因子のパターンであり、装置6から予測装置3に送信される。
ステップS32では、パターン類似度算出部32が、取得した被験データM4(被験データX)と標準データD1(標準データY)とを比較して、器官連関指標因子のパターンの類似度を算出する。類似度の算出方法及び「類似している」か否かの決定方法は、上記「1.用語の説明」に記載した通りである。なお、上記「6−4.予測プログラム」に記載の予測プログラムは、パターン類似度算出部32による演算処理を予測装置3のCPU101に実施させるプログラムのプログラムコードを含んでもよいし、例えば、上記「1.用語の説明」で述べた統計解析ソフトとリンクすることにより、当該統計解析ソフトを利用してパターン類似度算出部32による演算処理をCPU101に実施させてもよい。
ステップS33では、予測部33が、ステップS32にて得られた類似度を指標にして、特定疾患の存在又は病期を予測する。具体的には、類似度が「類似している」である場合(ステップ33においてYES)、ステップS34において予測部33は、被験物質を投与された個体が、当該被験物質の投与により、当該標準データYが得られた個体と同じ器官連関指標因子の変化を来したと決定し、さらに、ステップS35において、被験物質が変化を来した器官連関指標因子によって反映される効能、又は副作用を示すと決定する。
また、ステップS32にて得られた類似度が「類似していない」である場合、(ステップ33においてNO)、ステップS37において予測部33は、類似パターンが存在しないと決定する。
ステップS36では、予測部33が前記ステップS35、又はS37で決定した結果を予測結果のデータをして出力する。本態様では、予測結果が表示部5に表示されるとともに、予測結果のデータが予測装置3内の記録部103に記録される。なお、予測結果を表示部5に表示する代わりに、インターネットを介して接続された、予測装置3の外部の例えば第三者機関におけるコンピュータ端末の表示部に表示してもよい。
例えば、STZを被験物質としたときに、提示される遺伝子の候補は、後述する実施例において示す図44におけるHampおよびSaa1である。図44の説明において、予測部33またはオペレータは、疾患情報データベースに適宜アクセスして、遺伝子HampおよびSaa1の疾患に関する情報を取得することにより、被験物質の効能または副作用の存在についての予測結果(疾患に関する公知のデータベースに対する照合の結果)を得ることができる。なお、オペレータに遺伝子の候補を提示する際には、併せて、疾患に関する公知のデータベースに対して照合した結果(効能や副作用の情報を含む)を、候補の遺伝子ごとに対応付けるなど、オペレータが把握しやすい態様で、提示することも可能である。
7.標準データの作成、標準データ
7−1.標準データの作成
本発明は、上記「4.Reverse iOrgans」において使用する標準データ1、及び「5.Forward iOrgans」において使用する標準データ2の作成方法に関する。用語の定義は、上記「1.用語の説明」にしたがう
作成方法は、下記の工程を含む、被験体において特定疾患の存在、及び/又は病期を予測するために用いる、器官連関指標因子のパターンの標準データ1を作成する方法である:
(A)ゴールデンスタンダードの陽性対照の前記特定器官以外の器官から前記特定疾患の病期毎に採取された細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;
(B)ゴールデンスタンダードの陰性対照の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;
(C)前記工程(A)で得られた「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量」と前記工程(B)で得られた「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係(好ましくは比率)から、器官連関指標因子のパターンを決定する工程;及び
(D)前記器官連関指標因子のパターンを、前記特定疾患の各病期に対応付ける工程。
より具体的には、
前記工程(A)が、
ゴールデンスタンダードの陽性対照の前記特定器官以外の器官から前記特定疾患の病期毎に採取された細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する工程;及び
前記器官連関指標因子を同定及び定量する工程;を含み、
前工程(B)が、
ゴールデンスタンダードの陰性対照の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から器官連関指標因子を抽出する工程;及び
前記器官連関指標因子を同定及び定量する工程;を含む。
具体的には、標準データ1を作成する手順は、後述する実施例に沿った手順である。
まず、陰性対照および特定疾患の各病期の陽性対照の特定器官以外の器官(例えば脂肪)から細胞または組織を採取し、器官連関指標因子を抽出する。次に、抽出した器官連関指標因子を同定および定量する。
次に、特定疾患を有する陽性対照の特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量と、特定疾患を有さない陰性対照の特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量との関係(例えば比率、好ましくは特定疾患を有する陽性対照の特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量の値を、特定疾患を有さない陰性対照の特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量の値で除した値)から、器官連関指標因子のパターンを決定する。決定した器官連関指標因子のパターンは、特定疾患に対応付けられ、標準データ1として例えば記録装置に記録しておく。さらに、標準データ1をサーバに記録することもできる。
さらに、本発明は、標準データ2を作成する方法を含む。
作成方法は、下記の工程を含む、特定疾患を有する被験体において当該特定器官以外の1種以上の器官の疾患の存在、及び/又は病期を予測するために用いる、器官連関指標因子のパターンの標準データ2を作成する方法である:
(A’)ゴールデンスタンダードの陽性対照の前記特定器官以外の器官から前記特定疾患の病期毎に採取された細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;
(B’)ゴールデンスタンダードの陰性対照の前記特定器官以外の器官由来の細胞又は組織における器官連関指標因子の量の情報を取得する工程;
(C’)前記工程(A’)で得られた「前記特定疾患を有する陽性対照の前記特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量」と前記工程(B’)で得られた「前記特定疾患を有さない陰性対照の前記特定器官以外の器官と同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係(好ましくは比率)から、器官連関指標因子のパターンを決定する工程;及び
(D’)前記器官連関指標因子のパターンを、前記特定疾患の各病期に対応付ける工程。
より具体的には、
前記工程(A’)が、
ゴールデンスタンダードの陽性対照の特定器官以外の器官から前記特定疾患の病期毎に採取された細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する工程;及び
前記器官連関指標因子を同定及び定量する工程;を含み、
前記工程(B’)が、
ゴールデンスタンダードの陰性対照の特定器官以外の器官由来の細胞又は組織から器官連関指標因子を抽出する工程;及び
前記器官連関指標因子を同定及び定量する工程;を含む。
具体的には、標準データ2を作成する手順は、後述する実施例に沿った手順である。
まず、陰性対照および特定疾患を有する陽性対照の特定器官以外の器官から細胞または組織を採取し、器官連関指標因子を抽出する。次に、抽出した器官連関指標因子を同定および定量する。
次に、特定疾患を有する陽性対照の特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量と、特定疾患を有さない陰性対照の特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量との関係(例えば比率、好ましくは特定疾患を有する陽性対照の特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量の値を、特定疾患を有さない陰性対照の特定器官以外の器官における器官連関指標因子の量の値で除した値)から、特定疾患の病期毎に、器官連関指標因子のパターンを決定する。このように特定疾患の病期毎に決定した器官連関指標因子のパターンは、標準データ2として例えば記録装置に記録しておく。さらに、標準データ2を外部のサーバに記録することもできる。
標準データY1を得るために、公知の疾患データベース、文献、タンパク質及び遺伝子データベース等から、器官連関指標因子の機能の情報や各疾患や症状時の発現量の情報を取得することができる。公共の疾患データベースの一例としては、例えば上記5−1.で述べた疾患情報データベースを挙げることができる。
標準データY2を取得するために、はじめに既存物質を投与された陽性対照の個体から、及び必要に応じて陰性対照の個体の器官より採取された細胞又は組織から、器官連関指標因子を抽出する(抽出工程)。器官関連因子の抽出方法は、特に制限されず公知の方法により行うことができる。器官連関指標因子がRNA又は代謝物質である場合には、例えば上記2.に記載の方法に従って行うことができる。ここで、陰性対照は、疾患を有していない陰性対照と同義に扱われる場合があり、未処置の動物又はシャムモデル動物等が含まれる。既存物質を投与された陽性対照の個体の器官から細胞又は組織を採取するタイミングは、その既存物質の体内動態に応じて、個体においてその物質の効能又は効果が現れる時、その効果が持続している期間内、又は効果が切れる時、効果が切れた後のいずれかにおいて行えばよい。
次に、抽出工程で抽出された器官連関指標因子を同定及び定量する(同定・定量工程)。器官連関指標因子を同定及び定量する方法は、器官連関指標因子を同定又は定量することができる限り制限されない。例えば、器官連関指標因子がRNA又は代謝物質である場合には、上記2.に記載したRNAの解析方法、又は代謝物質の測定方法にしたがって行うことができる。
標準データY3を取得するためには、標準データY2を取得する方法において、上記既存物質を投与された陽性対照の個体に代えて、疾患を有する陽性対照の個体を使用することができる。疾患を有する陽性対照としては、疾患を自然発症した動物、疾患モデル動物遺伝子組換え動物等を使用することができる。
抽出工程、同定・定量工程は、標準データY2を取得する方法にしたがうことができる。ここで、当該疾患を有する陽性対照の個体は、未治療であってもよく、治療(既存物質の投与)が施されていてもよい。
次に、上記同定・定量工程で定量した当該器官連関指標因子の量から、器官連関指標因子の標準データYを決定する(決定工程)。上記同定・定量工程で得られた当該器官連関指標因子の量は、そのまま標準データYとして用いてもよい。好ましくは標準データY2は、「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係を求めてもよく、より好ましくは、「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」の比として求めてもよく、さらに好ましくは「既存物質が投与された個体の器官における器官連関指標因子の量」÷「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」の比として求めてもよい。また別の態様としては、標準データY3は、「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」との関係として求めてもよく、好ましくは「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」と「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」の比として、より好ましくは「疾患を有する陽性対照の個体の器官における器官連関指標因子の量」÷「陰性対照の同一の器官における器官連関指標因子の量」の比を求めてもよい。
標準データYは、あらかじめデータベース化されていてもよく、被験データXを取得する際に、取得してもよい。
7−2.標準データ
本発明は、上述の作成方法により作成される標準データ1を含む。
作成した標準データ1は、予測装置1の記録部103またはメモリ102に格納してもよい。あるいは、作成した標準データ1は、予測装置1にローカルに接続する記憶装置に格納してもよいし、予測装置1がネットワーク経由でアクセス可能外部記憶装置、たとえばサーバ装置の記憶装置などに格納してもよい。
さらに、本発明は、上述した作成方法により作成される標準データ2を含む。
作成した標準データ2は、予測装置2の記録部103またはメモリ102に格納してもよい。あるいは、作成した標準データ2は、予測装置2にローカルに接続する記憶装置に格納してもよいし、予測装置2がネットワーク経由でアクセス可能な外部記憶装置、たとえばサーバ装置の記憶装置などに格納してもよい。
また器官連関指標因子が、RNAである場合には、各既存物質を投与した各動物毎、又は各疾患を有する動物毎に変動するRNAをあらかじめ決定し、対象となるRNAを検出するためのマイクロアレイを作成しておいてもよい。この場合、変動とは前記比が1より大きいか、1より小さい場合;好ましくは1.5より大きいか、0.67より小さい場合;より好ましくは2より大きいか、0.5より小さい場合;さらに好ましくは5より大きいか、0.2より小さい場合をいう。
本態様3によれば、被験物質のより正確で網羅的な効能や副作用の予測が可能になるだけでなく、既存物質の今まで知られていない新たな効能や副作用の同定が可能になる。さらには、得られたデータに基づいて、被験物質の副作用を防止する方法を検討することができ、好ましい効能があるのにも関わらず使用が限定的であった被験物質の新たな用途を見出すことが可能となる。したがって、本態様3においては、被験データXの変動に応じて、当該変動を相殺する、又は増強する薬剤を選択する工程が含まれてもよい。ここで被験データXの変動とは、前記比が1より大きいか、1より小さい場合;好ましくは1.5より大きいか、0.67より小さい場合;より好ましくは2より大きいか、0.5より小さい場合;さらに好ましくは5より大きいか、0.2より小さい場合をいう。
8.マイクロアレイ及びキット
本発明は、上記4.、5.及び/又は上記6.に記載の方法に使用されるマイクロアレイ(DNAチップともいう)を含む。
マイクロアレイに搭載されるプローブは、上記1.に記載の核酸又はその核酸を鋳型として逆転写された及び増幅された核酸を検出することができるものであれば特に制限されない。搭載されるプローブとして好ましくは、前記1.で述べた1群の遺伝子から転写されるRNA又は1群の遺伝子から転写されるRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブであり、より好ましくは2群の遺伝子から転写されるRNA又は2群の遺伝子から転写されるRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。これらの中でも、ポリA配列を有する1群若しくは2群の遺伝子から転写されるRNA又はポリA配列を有する1群若しくは2群の遺伝子から転写されるRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブが特に好ましい。
例えば特定器官が心臓であり、特定疾患が心筋梗塞である場合、より具体的には、図30に記載された3群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図30に記載された4群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図30に記載された5群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図30に記載された6群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図30に記載された7群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。最も好ましくは図30に記載された8群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する8群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。
例えば特定器官が脳であり、特定疾患が認知症である場合、より具体的には、図34に記載された3群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図34に記載された4群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図34に記載された5群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図34に記載された6群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図34に記載された7群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。
例えば特定疾患が腫瘍である場合、より具体的には、図36、38又は39に記載された3群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する3群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図36、38又は39に記載された4群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する4群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図36、38又は39に記載された5群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する5群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図36、38又は39に記載された6群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する6群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。次に好ましくは図36、38又は39に記載された7群の遺伝子から転写されるRNAよりなる群から選択される少なくとも1種若しくは上記個体に存在する7群の遺伝子のオーソログより転写されるRNAより選択される少なくとも1種のRNA又はこのRNAから逆転写によって合成されるcDNAの塩基配列に対して少なくとも一部が相補的な塩基配列からなるプローブである。
マイクロアレイに搭載されるプローブは、DNAであってもRNAであってもよいが、DNAであることが好ましい。プローブの長さは、マイクロアレイのキャプチャープローブとして使用できる長さであれば特に制限されないが、好ましくは100 mer程度であり、より好ましくは60 mer程度であり、さらに好ましくは、20〜30 mer程度である。プローブは、公知のオリゴヌクレオチド合成機等を使用して製造することができる。
マイクロアレイの基板も、核酸プローブ固相化できるものであれば特に制限はないが、例えばガラスポリプロピレン等のポリマーナイロン膜等である。
プローブを基板上に固定する方法も、故知の方法にしたがって行うことができ、例えばプローブを固定するための反応性基を含むスペーサークロスリンカーを使用することができる。
さらに本発明は、上記4.、上記5.及び/又は上記6.に記載の方法で使用される前記マイクロアレイを含むキットを含む。本発明のキットは、前記マイクロアレイの他、マイクロアレイに搭載されたプローブが検出することができる核酸の情報及びそのプローブの位置に関する情報を記録した紙、コンパクトディスク等の媒体、又はこれらの情報にアクセスするための情報を記録した紙、コンパクトディスク等の媒体を含むことが好ましい。
また、キットには、ハイブリダイゼーションに使用されるバッファー等が添付されていてもよい。
9.付記事項
以上のような実施の形態で説明した、多器官連関システムを基盤とした予測装置、及び予測プログラムは、コンピュータの処理により、疾患に対する効能または副作用の存在について、「遺伝子の候補」を基に、疾患に関する公知のデータベースに対する照合の結果を予測結果として出力することが可能である。また、多器官連関システムを基盤とした予測装置、及び予測プログラムは、オペレータに「遺伝子の候補」を提示したり、さらに、当該遺伝子の候補に関連する「効能や副作用」をオペレータが把握しやすい態様で提示することにより、オペレータによる予測を支援する装置、オペレータによる予測を支援するプログラムとしても、機能することが可能である。

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