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技術 変性共役ジエン系重合体及びその製造方法、ゴム組成物、並びにタイヤ

出願人 旭化成株式会社
発明者 京美紀関川新一
出願日 2016年6月7日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2017-523653
公開日 2018年3月15日 (1年11ヶ月経過) 公開番号 WO2016-199779
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 実添加量 不純物処理 無機繊維状物質 珪素含有官能基 共役ジエン量 溶液セル ランダム化効果 有機ストロンチウム化合物
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重要な関連分野

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図面 (5)

課題・解決手段

ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(GPC)によるカップリング重合体の割合が、変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、かつ吸着GPCによる変性率が、前記変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、 100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)をMLで表し、GPCによる重量平均分子量をMwで表したとき、ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5であり、 100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)が30〜150である、変性共役ジエン系重合体。

概要

背景

従来から、自動車に対する低燃費化要求が高まり、自動車用タイヤ、特に地面と接するタイヤトレッドに用いられる材料の改良が求められている。
近年、転がり抵抗が小さい、すなわち低ヒステリシスロス性を有する材料の開発が求められてきている。
また、タイヤを軽量化するため、タイヤのトレッド部の厚みを減らす必要があり、さらに耐摩耗性の高い材料も求められている。
一方で、タイヤトレッド用に用いられる材料は、安全性の観点から、ウェットスキッド抵抗性に優れることが要求される。

上述したような要求に応える材料として、ゴムカーボンブラックシリカ等の補強性充填剤とを含む材料が挙げられる。例えば、シリカを含む材料を用いると、低ヒステリシスロス性及びウェットスキッド抵抗性とのバランス向上を図ることができる。また、運動性の高いゴムの分子末端部に、シリカとの親和性又は反応性を有する官能基を導入することによって、材料中におけるシリカの分散性を改良して、さらには、シリカ粒子との結合でゴム分子末端部の運動性を低減して、ヒステリシスロスを低減化する試みがなされている。

例えば、特許文献1には、グリシジルアミノ基を有する変性剤重合体活性末端に反応させて得られる変性ジエン系ゴムが提案されている。
また、特許文献2〜4には、アミノ基を含有するアルコキシシラン類を重合体活性末端に反応させて得られる変性ジエン系ゴム、及びこれとシリカとの組成物が提案されている。
さらに、特許文献5及び6には、環式アザシラサイクル化合物を重合体活性末端と反応させて官能化したポリマーが提案されている。
さらにまた、特許文献7には、重合体活性末端と多官能性シラン化合物カップリング反応させて得られるジエン系ゴムが提案されている。

概要

ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(GPC)によるカップリング重合体の割合が、変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、かつ吸着GPCによる変性率が、前記変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、 100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)をMLで表し、GPCによる重量平均分子量をMwで表したとき、ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5であり、 100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)が30〜150である、変性共役ジエン系重合体。

目的

本発明は、加硫物とする際の加工性に優れ、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスが良好で、かつ耐摩耗性にも優れる、変性共役ジエン系重合体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(GPC)によるカップリング重合体の割合が、変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、かつ吸着GPCによる変性率が、前記変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)をMLで表し、GPCによる重量平均分子量をMwで表したとき、ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5であり、100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)が30〜150である、変性共役ジエン系重合体。

請求項2

窒素原子及び/又は珪素原子を有している、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。

請求項3

珪素原子を有しており、前記珪素原子の少なくとも1個が、炭素数1〜20のアルコキシシリル基又はシラノール基を構成する珪素原子である、請求項1又は2に記載の変性共役ジエン系重合体。

請求項4

前記変性共役ジエン系重合体のGPCによるカップリング重合体のピークトップ分子量をMp1で表し、前記変性共役ジエン系重合体を構成する共役ジエン系重合体鎖の非カップリング重合体のピークトップ分子量をMp2で表したとき、(Mp1/Mp2)≧3.4である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体。

請求項5

分岐以上の分岐構造を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体。

請求項6

ML≦1.8(Mw×10-4)−44.2である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体。

請求項7

前記変性共役ジエン系重合体のGPCによるカップリング重合体のピークトップ分子量をMp1で表し、前記変性共役ジエン系重合体を構成する共役ジエン系重合体鎖の非カップリング重合体のピークトップ分子量をMp2で表したとき、(Mp1/Mp2)≧3.8である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体。

請求項8

下記一般式(I)で表される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体。 (式(I)中、D1は共役ジエン系重合体鎖を表し、R1〜R3は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R4及びR7は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を表し、R5、R8、及びR9は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R6及びR10は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R11は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。m及びxは、1〜3の整数を表し、x≦mであり、pは、1又は2を表し、yは1〜3の整数を表し、y≦(p+1)であり、zは、1又は2の整数を表す。複数存在する場合のD1、R1〜R11、m、p、x、y、及びzは、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。iは、0〜6の整数を表し、jは0〜6の整数を表し、kは0〜6の整数を表し、(i+j+k)は3〜10の整数であり、((x×i)+(y×j)+(z×k))は、6〜30の整数である。Aは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を表す。)

請求項9

前記式(I)において、Aが、下記一般式(II)〜(V)のいずれかを表す、請求項8に記載の変性共役ジエン系重合体。 (式(II)中、B1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B1が複数存在する場合には各々独立しているおり、同一であっても異なっていてもよい。) (式(III)中、B2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、B3は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B2及びB3がそれぞれ複数存在する場合には各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。) (式(IV)中、B4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B4が複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。) (式(V)中、B5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B5が複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。)

請求項10

請求項1乃至9のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法であって、有機モノリチウム化合物重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程と、前記共役ジエン系重合体と、6官能以上の官能基を有するカップリング剤と、を反応させる反応工程であって、前記重合工程に使用した有機モノリチウム化合物1モルに対して、前記カップリング剤の官能基のモル数が0.8モル以上1.2モル以下となるように反応させる、反応工程と、を、有する、変性共役ジエン系重合体の製造方法。

請求項11

前記カップリング剤として、下記一般式(VI)に表される化合物を用いる、請求項10に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。 (式(VI)中、R12〜R14は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R15〜R18、及びR20は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を表し、R19及びR22は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R21は、炭素数1〜20のアルキル基又はトリアルキルシリル基を表す。mは、1〜3の整数を表し、pは、1又は2を表す。複数存在する場合のR12〜R22、m、及びpは、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。iは、0〜6の整数を表し、jは、0〜6の整数を表し、kは、0〜6の整数を表し、(i+j+k)は、3〜10の整数であり、((m−1)×i+p×j+k)は、6〜30の整数を表す。Aは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ活性水素を有しない有機基を表す。)

請求項12

前記式(VI)において、Aが下記一般式(II)〜(V)のいずれかを表す、請求項11に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。 (式(II)中、B1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表し、B1が、複数存在する場合には、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。) (式(III)中、B2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、B3は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、aは、1〜10の整数を表し、B2及びB3は、それぞれ複数存在する場合には、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。) (式(IV)中、B4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表し、B4は、複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。) (式(V)中、B5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表し、B5は、複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。)

請求項13

前記式(VI)において、Aは、前記式(II)又は前記式(III)を表し、kは0を表す、請求項12に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。

請求項14

請求項1乃至9のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体を10質量%以上含むゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して5.0質量部以上150質量部のシリカ充填剤と、を含む、ゴム組成物

請求項15

請求項14に記載のゴム組成物を含有するタイヤ

技術分野

0001

本発明は、変性共役ジエン系重合体及びその製造方法、ゴム組成物、並びにタイヤに関する。

背景技術

0002

従来から、自動車に対する低燃費化要求が高まり、自動車用タイヤ、特に地面と接するタイヤトレッドに用いられる材料の改良が求められている。
近年、転がり抵抗が小さい、すなわち低ヒステリシスロス性を有する材料の開発が求められてきている。
また、タイヤを軽量化するため、タイヤのトレッド部の厚みを減らす必要があり、さらに耐摩耗性の高い材料も求められている。
一方で、タイヤトレッド用に用いられる材料は、安全性の観点から、ウェットスキッド抵抗性に優れることが要求される。

0003

上述したような要求に応える材料として、ゴムカーボンブラックシリカ等の補強性充填剤とを含む材料が挙げられる。例えば、シリカを含む材料を用いると、低ヒステリシスロス性及びウェットスキッド抵抗性とのバランス向上を図ることができる。また、運動性の高いゴムの分子末端部に、シリカとの親和性又は反応性を有する官能基を導入することによって、材料中におけるシリカの分散性を改良して、さらには、シリカ粒子との結合でゴム分子末端部の運動性を低減して、ヒステリシスロスを低減化する試みがなされている。

0004

例えば、特許文献1には、グリシジルアミノ基を有する変性剤重合体活性末端に反応させて得られる変性ジエン系ゴムが提案されている。
また、特許文献2〜4には、アミノ基を含有するアルコキシシラン類を重合体活性末端に反応させて得られる変性ジエン系ゴム、及びこれとシリカとの組成物が提案されている。
さらに、特許文献5及び6には、環式アザシラサイクル化合物を重合体活性末端と反応させて官能化したポリマーが提案されている。
さらにまた、特許文献7には、重合体活性末端と多官能性シラン化合物カップリング反応させて得られるジエン系ゴムが提案されている。

先行技術

0005

国際公開第01/23467号パンフレット
特開2005−290355号公報
特開平11−189616号公報
特開2003−171418号公報
特表2008−527150号公報
国際公開第11/129425号パンフレット
国際公開第07/114203号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、シリカを含む材料は、疎水性の表面を有するカーボンブラックに対して、親水性の表面を有しているため共役ジエン系ゴムとの親和性が低く、カーボンブラックと比較し、分散性が悪いという欠点を有している。そのため、シリカを含む材料は、シリカとゴムとの間の結合を付与し、分散性を改良するために、別途シランカップリング剤等を含有させる必要がある。
また、ゴムの分子末端にシリカとの反応性の高い官能基を導入した材料は、混練工程中にシリカ粒子との反応が進行して、組成物の粘度が上昇してしまい、練り難くなったり、又は、混練り後シートにする際に肌荒れが生じたり、シート切れが生じやすくなったりするといった、加工性が悪化する傾向があるという問題を有している。加えて、このような材料を加硫物としたとき、特にシリカ等の無機充填剤を含む加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、及び耐摩耗性が十分ではないという問題も有している。

0007

そこで、本発明は、加硫物とする際の加工性に優れ、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスが良好で、かつ耐摩耗性にも優れる、変性共役ジエン系重合体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意研究検討した結果、所定の割合のカップリング重合体を含有し、かつ、変性率が所定の値以上であり、ムーニー粘度重量平均分子量との間に所定の関係を有する変性共役ジエン系重合体が、上記従来技術の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。

0009

〔1〕
ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(GPC)によるカップリング重合体の割合が、変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、かつ吸着GPCによる変性率が、前記変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、
100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)をMLで表し、GPCによる重量平均分子量をMwで表したとき、ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5であり、
100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)が30〜150である、
変性共役ジエン系重合体。
〔2〕
窒素原子及び/又は珪素原子を有している、前記〔1〕に記載の変性共役ジエン系重合体。
〔3〕
珪素原子を有しており、前記珪素原子の少なくとも1個が、炭素数1〜20のアルコキシシリル基又はシラノール基を構成する珪素原子である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の変性共役ジエン系重合体。
〔4〕
前記変性共役ジエン系重合体のGPCによるカップリング重合体のピークトップ分子量をMp1で表し、前記変性共役ジエン系重合体を構成する共役ジエン系重合体鎖の非カップリング重合体のピークトップ分子量をMp2で表したとき、(Mp1/Mp2)≧3.4である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体。
〔5〕
分岐以上の分岐構造を有する、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体。
〔6〕
ML≦1.8(Mw×10-4)−44.2である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体。
〔7〕
前記変性共役ジエン系重合体のGPCによるカップリング重合体のピークトップ分子量をMp1で表し、前記変性共役ジエン系重合体を構成する共役ジエン系重合体鎖の非カップリング重合体のピークトップ分子量をMp2で表したとき、(Mp1/Mp2)≧3.8である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体。
〔8〕
下記一般式(I)で表される、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体。

0010

0011

(式(I)中、D1は共役ジエン系重合体鎖を表し、R1〜R3は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R4及びR7は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を表し、R5、R8、及びR9は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R6及びR10は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R11は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
m及びxは、1〜3の整数を表し、x≦mであり、pは、1又は2を表し、yは1〜3の整数を表し、y≦(p+1)であり、zは、1又は2の整数を表す。
複数存在する場合のD1、R1〜R11、m、p、x、y、及びzは、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。
iは、0〜6の整数を表し、jは0〜6の整数を表し、kは0〜6の整数を表し、(i+j+k)は3〜10の整数であり、((x×i)+(y×j)+(z×k))は、6〜30の整数である。
Aは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を表す。)

0012

〔9〕
前記式(I)において、Aが、下記一般式(II)〜(V)のいずれかを表す、
前記〔8〕に記載の変性共役ジエン系重合体。

0013

0014

(式(II)中、B1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B1が複数存在する場合には各々独立しているおり、同一であっても異なっていてもよい。)

0015

0016

(式(III)中、B2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、B3は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B2及びB3がそれぞれ複数存在する場合には各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。)

0017

0018

(式(IV)中、B4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B4が複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。)

0019

0020

(式(V)中、B5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B5が複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。)

0021

〔10〕
前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法であって、
有機モノリチウム化合物重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程と、
前記共役ジエン系重合体と、6官能以上の官能基を有するカップリング剤と、を反応させる反応工程であって、前記重合工程に使用した有機モノリチウム化合物1モルに対して、前記カップリング剤の官能基のモル数が0.8モル以上1.2モル以下となるように反応させる、反応工程と、
を、有する、
変性共役ジエン系重合体の製造方法。
〔11〕
前記カップリング剤として、下記一般式(VI)に表される化合物を用いる、
前記〔10〕に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。

0022

0023

(式(VI)中、R12〜R14は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R15〜R18、及びR20は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を表し、R19及びR22は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R21は、炭素数1〜20のアルキル基又はトリアルキルシリル基を表す。
mは、1〜3の整数を表し、pは、1又は2を表す。
複数存在する場合のR12〜R22、m、及びpは、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。
iは、0〜6の整数を表し、jは、0〜6の整数を表し、kは、0〜6の整数を表し、(i+j+k)は、3〜10の整数であり、((m−1)×i+p×j+k)は、6〜30の整数を表す。
Aは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ活性水素を有しない有機基を表す。)

0024

〔12〕
前記式(VI)において、Aが下記一般式(II)〜(V)のいずれかを表す、
前記〔11〕に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。

0025

0026

(式(II)中、B1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表し、B1が、複数存在する場合には、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。)

0027

0028

(式(III)中、B2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、B3は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、aは、1〜10の整数を表し、B2及びB3は、それぞれ複数存在する場合には、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。)

0029

0030

(式(IV)中、B4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表し、B4は、複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。)

0031

0032

(式(V)中、B5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表し、B5は、複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。)

0033

〔13〕
前記式(VI)において、Aは、前記式(II)又は前記式(III)を表し、kは0を表す、前記〔12〕に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
〔14〕
前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体を10質量%以上含むゴム成分と、
前記ゴム成分100質量部に対して5.0質量部以上150質量部のシリカ充填剤と、を含む、ゴム組成物。
〔15〕
前記〔14〕に記載のゴム組成物を含有するタイヤ。

発明の効果

0034

本発明によれば、加硫物とする際の加工性に優れ、加硫物としたときに優れた低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスを有し、かつ優れた耐摩耗性を有する変性共役ジエン系重合体が得られる。

図面の簡単な説明

0035

100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)をMLで表し、GPCによる重量平均分子量をMwで表したときの、MLとMwの関係式を説明するためのグラフである。
実施例1の変性共役ジエン系共重合体Aの、ポリスチレン系カラムを用いたGPCによる分子量分布曲線の模式図である。
比較例3の変性共役ジエン系共重合体Hの、ポリスチレン系カラムを用いたGPCによる分子量分布曲線の模式図である。
比較例4の変性共役ジエン系共重合体Iの、ポリスチレン系カラムを用いたGPCによる分子量分布曲線の模式図である。

0036

以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。

0037

〔変性共役ジエン系重合体〕
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、単にGPCと記載する場合がある。)によるカップリング重合体の割合が、前記変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、かつ吸着GPCによる変性率が、前記変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、
100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)をMLで表し、GPCによる重量平均分子量をMwで表したとき、
ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5であり、
100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)が30〜150である。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、上記構成を有することにより、加硫物とする際の加工性に優れ、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスに優れ、かつ耐摩耗性に優れる。

0038

<共役ジエン系重合体鎖>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、カップリング残基と、当該カップリング残基と結合した共役ジエン系重合体鎖を有することが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体における「共役ジエン系重合体鎖」とは、カップリング残基に結合した、変性共役ジエン系重合体の構成単位であり、例えば、後述する共役ジエン系重合体とカップリング剤とを反応させることによって生じる、共役ジエン系重合体由来構造単位である。

0039

<カップリング残基>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体における「カップリング残基」とは、共役ジエン系重合体鎖に結合された、変性共役ジエン系重合体の構成単位であり、例えば、後述する共役ジエン系重合体とカップリング剤とを反応させることによって生じる、カップリング剤由来の構造単位である。

0040

カップリング率
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるカップリング重合体の割合(以下、「カップリング率」ともいう。)が、前記変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上である。

0041

本実施形態の変性共役ジエン系重合体のカップリング率は、以下のようにして求めることができる。
まず、本実施形態の変性共役ジエン系重合体のGPCによる分子量分布曲線を用い、カップリング剤と反応しておらず最も低分子量の成分である共役ジエン系重合体ピーク、及びカップリング剤と共役ジエン系重合体とが1分子ずつ反応した変性共役ジエン系重合体ピークの合計(以下、「非カップリング重合体ピーク」という。)と、2分子以上の共役ジエン系重合体鎖がカップリング残基を介して結合したより高分子量成分である「カップリング重合体ピーク」とに分ける。
ここで、前記「カップリング重合体ピーク」が複数のピークからなる場合は、それらのピークの合計を「カップリング重合体ピーク」とする。
全質量に対する「カップリング重合体ピーク」の割合をパーセントで表したものがカップリング率(質量%)である。

0042

本実施形態の変性共役ジエン系重合体のカップリング率は、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
カップリング率が70質量%以上であると、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、並びに耐摩耗性により優れたものとなる。
GPCの測定は、後述する実施例に記載する方法により行うことができる。
変性共役ジエン系重合体のカップリング率は、本実施形態の変性共役ジエン系重合体を製造する際、カップリング剤の官能基数添加量等を調整することにより制御することができる。

0043

<変性率>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、吸着GPCによる変性率(以下、単に「変性率」ともいう。)が、前記変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上である。

0044

吸着GPCによる変性率は、以下のように測定することができる。
まず、変性共役ジエン系重合体が吸着されるカラムを用いる吸着GPC、及び、変性共役ジエン系重合体が吸着しないカラムを用いる非吸着GPCを測定する。これらのGPCの差をもって、吸着された重合体の質量を、全質量に対するパーセントで表したものが変性率(質量%)である。
吸着GPCによる変性率は、具体的には、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。

0045

本実施形態の変性共役ジエン系重合体の変性率は、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体が、例えば、分子中にアミン構造または塩基性の窒素原子を有する変性共役ジエン系重合体の場合、吸着GPCとしては、シリカ系カラムを使用することができ、非吸着GPCとしては、ポリスチレン系カラムを使用することができる。この場合、吸着GPCによる変性率は、アミン構造または塩基性の窒素原子を有する重合体の含有割合を測定することを意味する。

0046

変性率が70質量%以上であると、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスに優れ、並びに耐摩耗性により優れたものとなる。
変性共役ジエン系重合体の変性率は、本実施形態の変性共役ジエン系重合体を製造する際の、カップリング剤を反応させる反応工程において、カップリング剤の添加量、反応温度、反応時間等の反応条件を調整することにより制御することができる。

0047

本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、窒素原子及び/又は珪素原子を有していることが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体が窒素原子及び/又は珪素原子を有していることにより、加硫物とする際の加工性に優れ、加硫物としたときの、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスと、耐摩耗性とに優れたものとなる。
珪素原子は、例えば、共役ジエン系重合体と珪素原子を有するカップリング剤とを反応させることによって、カップリング剤残基として変性共役ジエン系重合体中に導入することができる。変性共役ジエン系重合体中に珪素原子があることは、後述する実施例に記載する金属分析による方法によって確認することができる。
窒素原子は、例えば、後述する共役ジエン系重合体の重合開始剤として窒素原子を有するものを用いること、共役ジエン系重合体と窒素原子を有するカップリング剤とを反応させることによって、カップリング剤残基として変性共役ジエン系重合体中に導入することができる。変性共役ジエン系重合体中に窒素原子があることは、後述する実施例に記載する特定のカラムへの吸着の有無を検出する方法によって確認することができる。

0048

<ムーニー粘度と重量平均分子量との関係式>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)をMLで表し、GPCによる重量平均分子量をMwで表したとき、ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5の関係式を満足するものである。
以下、この関係式について詳述する。

0049

図1は、変性共役ジエン系重合体のMwとMLとの関係を表すグラフである。
図1によれば、1個のカップリング残基に対して6個の共役ジエン系重合体鎖が結合した6分岐の変性共役ジエン系重合体では、(Mw×10-4)とMLとが、傾き約1.8、切片約−34.7の直線1で表される関係にあることが分かった。
同様に、4分岐の変性共役ジエン系重合体の場合、傾き約1.8、切片約−15.8の直線2で表される関係を有することが分かった。
したがって、5分岐の変性共役ジエン系重合体の場合、直線1及び2と同じ傾きで、直線1と2との中間に位置する、傾き約1.8、切片約−25.2の直線3で表される関係を有すると考えられる。

0050

発明者らの鋭意検討の結果、直線3から見た直線1までの距離を1とした場合、2/3の距離に位置する、傾き約1.8、切片約−31.5の直線4以下にプロットされる変性共役ジエン系重合体、すなわち、ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5の関係式を満足する変性共役ジエン系重合体は、6分岐の重合体の割合が高く、これに起因して、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスに優れ、かつ耐摩耗性に優れる傾向にあることが分かった。したがって、本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5を満足するものとする。
図1に、後述する〔実施例〕における、実施例1、比較例3、比較例4の変性共役ジエン系重合体のMwとMLの関係を示した。これによると、実施例1及び比較例3が上記関係式を満足している。

0051

変性共役ジエン系重合体において、6分岐以上の重合体の割合が少ないと、前記カップリング率が70質量%以上であっても、前記関係式を満たさない。6分岐以上の重合体を主成分とする変性共役ジエン系重合体の場合、この関係式を満たす傾向にある。
なお、本明細書中、「主成分」とは、50質量%以上であることを言う。
また、前記関係式を満たす変性共役ジエン系重合体であっても、70質量%以上のカップリング率、及び70質量%以上の変性率の要件を満たさなければ、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、並びに耐摩耗性に優れるという本発明の効果が得られない。このことは、後述する実施例と比較例とを対比することにより明らかである。

0052

本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、好ましくは、ML≦1.8Mw−33.0の関係式を満足するものであり、より好ましくは、ML≦1.8Mw−36.7、さらに好ましくは、ML≦1.8Mw−40.4、さらにより好ましくは、ML≦1.8Mw−44.2の関係式を満足するものである。
切片の数値が小さくなるに従い、重合体の分岐数が大きくなる傾向にあり、ML≦1.8Mw−44.2の関係を満たす場合、8分岐以上の重合体の割合が高くなる。これに起因して、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスが優れたものとなり、かつ耐摩耗性により優れる傾向にある。中でも加硫物とする際の加工性に優れる傾向にある。
8分岐以上の重合体を主成分とする変性共役ジエン系重合体の場合、変性率やカップリング率を適切に設定することにより、この関係式を満たす傾向にある。
変性共役ジエン系重合体においては、重合体の分岐数や6分岐以上の重合体の含有量を調整することにより、ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5を満足するものに制御し易い傾向がある。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、上述したように、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスの観点から、6分岐以上の分岐構造を有するものであることが好ましく、7分岐以上の分岐構造を有することが好ましく、8分岐以上の分岐構造を有することが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体における分岐構造の数は、共役ジエン系重合体の活性末端と変性剤の添加量の化学量論比を合わせることにより制御することができる。

0053

<ムーニー粘度>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)が30〜150である。
ムーニー粘度が前記範囲であると、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスに優れ、かつ耐摩耗性に優れる傾向にある。
ムーニー粘度ML1+4(100℃)は、好ましくは40以上120以下、より好ましくは45以上100以下である。
ムーニー粘度の測定は、非油展の変性共役ジエン系重合体を用いて測定する。
ムーニー粘度の測定は、後述する実施例に記載の方法により行うことができる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度は、重合工程において、重合開始剤や単量体の量、重合温度や重合時間を調整することにより制御することができる。

0054

<重量平均分子量(Mw)>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、重量平均分子量(Mw)が20万以上200万以下であることが好ましい。また、本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、加工性の観点から、当該変性共役ジエン系重合体の総量に対して分子量が200万以上の変性共役ジエン系重合体が0.3質量%未満であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましく、0.15質量%以下であることがさらに好ましい。重量平均分子量が上記範囲である場合、加硫物とする際の加工性により優れる傾向がある。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量は、より好ましくは40万以上180万以下、さらに好ましくは40万以上100万以下、さらにより好ましくは50万以上100万以下である。

0055

分子量分布
本実施形態の変性共役ジエン系重合体においては、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、1.10〜1.80が好ましく、1.15〜1.70がより好ましく、1.18〜1.55がさらにより好ましい。この範囲の分子量分布である変性共役ジエン系重合体は、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスにより優れる傾向にある。
また、本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスの観点から、GPCにおいて二つ以上の分子量ピークを有し、高分子側の分子量ピークの分子量分布が1.0〜1.3であることが好ましく、1.0〜1.2であることがより好ましく、1.0〜1.1であることがさらに好ましい。ここで、高分子側の分子量ピークはカップリングされた重合体の分子量ピークである。
上記範囲に制御する方法は限定されるものではないが、例えば、後述するバッチ式で重合することによりGPCにおける分子量ピーク数を二つ以上に制御することができ、かつ、高分子量側の分子量ピークの分子量分布を上記範囲に制御することができる。
本明細書において「分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって得られる、標準ポリスチレン換算分子量である。
変性共役ジエン系重合体及び後述する共役ジエン系重合体に対する、数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布、特定の高分子量成分の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。

0056

本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、GPCによる分子量曲線において、非カップリング重合体ピークと、単一のカップリング重合体ピークとが検出されるものであることが好ましい。
この場合、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスに優れる傾向にある。

0057

本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、当該変性共役ジエン系重合体のGPCによるカップリング重合体のピークトップ分子量をMp1、共役ジエン系重合体鎖の非カップリング重合体のピークトップ分子量をMp2とした場合、以下の関係式が成り立つことが好ましい。
(Mp1/Mp2)≧3.4
また、以下の関係式が成り立つことがより好ましい。
(Mp1/Mp2)≧3.8
上記関係式が成り立つ場合、加硫物とする際の優れた加工性、加硫物としたときの優れた低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、並びに耐摩耗性により優れる傾向にある。

0058

なお、Mp2は10万以上80万であることが好ましく、12万以上70万以下であることがより好ましく、15万以上50万以下であることがさらに好ましい。
また、Mp1は20万以上150万以下であることが好ましく、30万以上130万以下であることがより好ましく、40万以上120万以下であることがさらに好ましい。
Mp1及びMp2は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
また、6官能基以上の官能基を有するカップリング剤を用い、かつ共役ジエン系重合体の活性末端とカップリング剤の添加量を化学量論的に合わせることにより、上記(Mp1/Mp2)の値を制御することができる。

0059

なお、(Mp1/Mp2)≧3.4の場合、変性共役ジエン系重合体中の主成分が1個のカップリング残基に6分子以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している傾向がある。
また、(Mp1/Mp2)≧3.8の場合、変性共役ジエン系重合体中の主成分が1個のカップリング残基に8分子以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している傾向がある。

0060

本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、珪素原子を有しており、前記珪素原子の少なくとも1個が、炭素数1〜20のアルコキシシリル基又はシラノール基を構成する珪素原子であることが好ましい。このことにより、シリカとの組成物にした際に、アルコキシシリル基又はシラノール基がシリカと反応し、シリカの分散性が良くなり、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスに優れる傾向にある。
ここで珪素原子は、変性共役ジエン系重合体中のカップリング残基に由来するものであることが好ましい。
上記のような変性共役ジエン系重合体を製造する工程においては、カップリング反応工程で用いるカップリング剤は、珪素原子を有する化合物であって、珪素原子は炭素数1〜20のアルコキシシリル基、ハロゲン化シリル基、又はアザシリル基を形成する化合物であることが好ましい。
カップリング残基は、アミン構造または塩基性の窒素原子を有する化合物であることがより好ましい。

0061

本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、上記のように、カップリング残基と、当該カップリング残基と結合した共役ジエン系重合体鎖とを有するものであることが好ましく、当該カップリング残基が珪素原子を有しており、共役ジエン系重合体鎖は、カップリング残基の珪素原子と結合していることが好ましい。
これによって、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、並びに耐摩耗性により優れる傾向にある。
この場合、1個の珪素原子に対して、複数の共役ジエン系重合体鎖が結合していてもよい。また、共役ジエン系重合体鎖と、アルコキシ基又は水酸基とが、一つの珪素原子に結合し、その結果として、珪素原子の少なくとも1つが、共役ジエン系重合体鎖に結合すると共にアルコキシシリル基又はシラノール基を構成する珪素原子となっていてもよい。

0062

本実施形態の変性共役ジエン系重合体又は後述する変性前の共役ジエン系重合体を、不活性溶剤中でさらに水素化することによって、二重結合の全部又は一部を飽和炭化水素に変換することができる。
その場合、耐熱性耐候性が向上し、高温で加工する場合の製品劣化を防止することができ、ゴムとしての運動性能が向上する傾向にある。その結果、自動車用途等種々の用途で一層優れた性能を発揮する。
共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合水素化率は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。加硫物として用いる場合には、共役ジエン部の二重結合が部分的に残存していることが好ましい。かかる観点から、共役ジエン系重合体中の共役ジエン部の水添率は、3.0%以上70%以下であることが好ましく、5.0%以上65%以下であることがより好ましく、10%以上60%以下であることがさらに好ましい。特に、ビニル基を選択的に水素化することで、耐熱性及び運動性能が向上する傾向にある。
水素化率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。

0063

本実施形態の変性共役ジエン系共重合体は、伸展油を加えた油展重合体とすることができる。
本実施形態の変性共役ジエン系共重合体は、非油展であっても、油展であっても、ゴム加硫物とする際の加工性と加硫物としたときの耐摩耗性との観点から、100℃で測定されるムーニー粘度ML1+4が、30以上150以下であることが好ましく、20以上100以下であることがより好ましく、30以上80以下であることがさらに好ましい。
ムーニー粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。

0064

<一般式(I)の変性共役ジエン系重合体>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、下記一般式(I)で表される構造であることが好ましい。

0065

0066

式(I)中、D1は共役ジエン系重合体鎖を表し、R1〜R3は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R4及びR7は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を表し、R5、R8、及びR9は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R6及びR10は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R11は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
m及びxは、1〜3の整数を表し、x≦mであり、pは、1又は2を表し、yは1〜3の整数を表し、y≦(p+1)であり、zは、1又は2の整数を表す。
複数存在する場合のD1、R1〜R11、m、p、x、y、及びzは、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。
iは、0〜6の整数を表し、jは0〜6の整数を表し、kは0〜6の整数を表し、(i+j+k)は3〜10の整数であり、((x×i)+(y×j)+(z×k))は、6〜30の整数である。
Aは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を表す。

0067

Aが表す炭素数1〜20の炭化水素基としては、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を含む。
活性水素を有しない有機基とは、共役ジエン系重合体が有する活性末端を不活性化させる有機基である。活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(−OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(−NH2)、及びスルフヒドリル基(−SH)の活性水素を有する官能基がない、有機基である。
当該有機基としては、例えば、第3級アミノ基、シロキサン基が挙げられる。
これによって、変性共役ジエン系重合体は、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、並びに耐摩耗性により優れる傾向にある。

0068

より好ましくは、m−x=1であり、yは1〜2の整数であってy=pであり、z=1である。
また、(i+j+k)は、3〜6の整数であることがより好ましく、3又は4であることがさらに好ましい。
R1〜R3は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましく、単結合又は炭素数1〜3のアルキレン基であることがさらに好ましい。
R5、R8、及びR9は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル又はエチルであることがさらにより好ましい。

0069

本実施形態の変性共役ジエン系重合体が前記一般式(I)で表される化合物である場合、一般式(I)中のAは、下記一般式(II)〜(V)のいずれかを表すものであることが好ましい。

0070

0071

式(II)中、B1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B1が複数存在する場合には、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。
B1は、好ましくは、炭素数1〜8の炭化水素基である。
aは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2〜4の整数、さらに好ましくは2である。

0072

0073

前記式(III)中、B2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、B3は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B2及びB3がそれぞれ複数存在する場合には、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。

0074

0075

前記式(IV)中、B4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B4が複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。

0076

0077

前記式(V)中、B5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B5が複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。

0078

本実施形態の変性共役ジエン系重合体が、上述した構成を有することにより、本実施形態の効果である、加硫物とする際の加工性により優れる傾向にあり、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス及び耐摩耗性により優れる傾向にある。また、実用上入手が容易となる傾向にある。

0079

一般式(I)において、Aは、式(II)又は(III)を表し、kが0であることがより好ましい。
一般式(I)中、Aは、式(II)又は(III)を表し、kが0であり、かつ、式(II)又は(III)において、aが2〜10の整数であることが好ましい。
一般式(I)中、Aは、式(II)を表し、jが0、kが0であり、かつ、式(II)において、aが2〜4の整数であることがより好ましい。
一般式(I)中、Aは、式(II)を表し、jが0、kが0であり、かつ、式(II)において、aが2であることがよりさらに好ましい。

0080

変性共役ジエン共重合体の製造方法〕
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、有機モノリチウム化合物を重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程と、前記共役ジエン系重合体と、6官能以上の官能基を有するカップリング剤とを反応させる反応工程であって、前記重合工程において使用した有機モノリチウム化合物1モルに対して、前記カップリング剤の官能基のモル数が0.8モル以上1.2モル以下となるように反応させる、反応工程とを有する。

0081

本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法によれば、GPCによるカップリング重合体の割合が、前記変性共役ジエン系重合体全体の70質量%以上であり、100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)をMLで表し、GPCによる重量平均分子量をMwで表したとき、ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5であり、100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)が30〜150である変性共役ジエン系重合体を製造することができる。

0082

<重合工程>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法における重合工程では、有機モノリチウム化合物を重合開始剤とし、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る。
重合工程は、リビングアニオン重合反応による成長反応による重合が好ましく、これにより、活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることができ、高変性率の変性ジエン系重合体を得ることができる傾向にある。

0083

本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法における<重合工程>で製造される共役ジエン系重合体は、少なくとも共役ジエン化合物を重合して得られ、必要に応じて共役ジエン化合物とビニル置換芳香族化合物との両方を共重合して得られる。
共役ジエン化合物としては、重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば、1分子当り4〜12の炭素原子を含む共役ジエン化合物が好ましく、より好ましくは4〜8の炭素原子を含む共役ジエン化合物である。
このような共役ジエン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエンイソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエンが挙げられる。
これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0084

ビニル置換芳香族化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であれば特に限定されないが、モノビニル芳香族化合物が好ましい。
モノビニル芳香族化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレンα−メチルスチレンビニルエチルベンゼンビニルキシレンビニルナフタレンジフェニルエチレンが挙げられる。
これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0085

前記共役ジエン化合物及び/又はビニル置換芳香族化合物中に、アレン類アセチレン類等が不純物として含有されていると、後述する反応工程の反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましい。
アレン類としては、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエンが挙げられる。
アセチレン類としては、例えば、エチルアセチレンビニルアセチレンが挙げられる。

0086

共役ジエン系重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。共役ジエン系重合体をゴム状重合体とするためには、共役ジエン系重合体の単量体全体に対して、共役ジエン化合物を40質量%以上用いることが好ましく、55質量%以上用いることがより好ましい。

0087

ランダム共重合体としては、以下ものに限定されないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体等の2種以上の共役ジエン化合物からなるランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体の共役ジエンとビニル置換芳香族化合物からなるランダム共重合体が挙げられる。
共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、特に限定されず、例えば、統計的ランダム組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体が挙げられる。
共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。

0088

ブロック共重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体(ジブロック)、3個からなる3型ブロック共重合体(トリブロック)、4個からなる4型ブロック共重合体(テトラブロック)が挙げられる。
1つのブロックを構成する重合体としては、1つの種類の単量体からなる重合体であっても、2種以上の単量体からなる共重合体であってもよい。例えば、1,3−ブタジエンからなる重合体ブロックを「B」で表し、1,3−ブタジエンとイソプレンの共重合体を「B/I」で表し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合体を「B/S」で表し、スチレンからなる重合体ブロックを「S」で表すと、B−B/I2型ブロック共重合体、B−B/S2型ブロック共重合体、S−B2型ブロック共重合体、B−B/S−S3型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、S−B−S−B4型ブロック共重合体等で表される。

0089

上記式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。また、1つの重合体ブロックが2種類の単量体A及びBからなる共重合体である場合、ブロック中のA及びBは均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。

0090

本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法の<重合工程>においては、重合開始剤として、少なくとも有機モノリチウム化合物を用いる。
有機モノリチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、低分子化合物可溶化したオリゴマーの有機モノリチウム化合物が挙げられる。
また、有機モノリチウム化合物としては、その有機基とそのリチウムの結合様式において、例えば、炭素−リチウム結合を有する化合物、窒素−リチウム結合を有する化合物、錫−リチウム結合を有する化合物が挙げられる。

0091

有機モノリチウム化合物の重合開始剤としての使用量は、目標とする共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体の分子量によって決めることが好ましい。重合開始剤の使用量に対する、共役ジエン化合物等の単量体の使用量は、重合度に関係し、すなわち、数平均分子量及び重量平均分子量に関係する傾向にある。したがって、分子量を増大させるためには、重合開始剤を減らす方向に調整するとよく、分子量を低下させるためには、重合開始剤量を増やす方向に調整するとよい。

0092

有機モノリチウム化合物は、好ましくは、置換アミノ基を有するアルキルリチウム化合物、又はジアルキルアミノリチウムである。この場合、重合開始末端にアミノ基の構成要素である窒素原子を有する、共役ジエン系重合体が得られる。

0093

置換アミノ基とは、活性水素を有しない、又は、活性水素を保護した構造の、アミノ基である。
活性水素を有しないアミノ基を有するアルキルリチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3−ジメチルアミノプロピルリチウム、3−ジエチルアミノプロピルリチウム、4−(メチルプロピルアミノ)ブチルリチウム、4−ヘキサメチレンイミノブチルリチウムが挙げられる。
活性水素を保護した構造のアミノ基を有するアルキルリチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3−ビストリメチルシリルアミノプロピルリチウム、4−トリメチルシリルメチルアミノブチルリチウムが挙げられる。

0094

ジアルキルアミノリチウムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジ−n−ヘキシルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウム−ジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムモルホリド、1−リチオアザシクロオクタン、6−リチオ−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−リチオ−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンが挙げられる。

0095

これらの置換アミノ基を有する有機モノリチウム化合物は、重合可能な単量体、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、スチレン等の単量体を少量反応させて、可溶化したオリゴマーの有機モノリチウム化合物として用いることもできる。

0096

有機モノリチウム化合物は、好ましくは、アルキルリチウム化合物である。この場合、重合開始末端にアルキル基を有する、共役ジエン系重合体が得られる。
アルキルリチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムが挙げられる。アルキルリチウム化合物としては、工業的入手の容易さ及び重合反応コントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。

0097

これらの有機モノリチウム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、他の有機金属化合物と併用してもよい。
前記他の有機金属化合物としては、例えば、アルカリ土類金属化合物、他のアルカリ金属化合物、その他の有機金属化合物が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、有機マグネシウム化合物有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物が挙げられる。
また、アルカリ土類金属アルコキサイドスルフォネートカーボネート、アミドの化合物も挙げられる。
有機マグネシウム化合物としては、例えば、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムが挙げられる。
その他の有機金属化合物としては、例えば、有機アルミニウム化合物が挙げられる。

0098

重合工程における重合反応様式としては、以下に限定されるものではないが、例えば、回分式(「バッチ式」ともいう。)、連続式の重合反応様式が挙げられる。
回分式の反応器は、例えば、攪拌機付の槽型のものが用いられる。
回分式においては、好ましくは、単量体、不活性溶媒、及び重合開始剤が初めに反応器にフィードされ、必要により単量体が重合中に連続的又は断続的に追加され、当該反応器内で重合体を含む重合体溶液が得られ、重合終了後に重合体溶液が排出される。
連続式においては、好ましくは、プラグフロー型反応器を用いることができる。連続式においては、好ましくは、連続的に単量体、不活性溶媒、及び重合開始剤が反応器にフィードされ、当該反応器内で重合体を含む重合体溶液が得られ、連続的に重合体溶液が排出される。

0099

重合工程は、不活性溶媒中で重合を実施することが好ましい。
不活性溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的な炭化水素系溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタンペンタンヘキサンヘプタン等の脂肪族炭化水素シクロペンタンシクロヘキサンメチルシクロペンタンメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
重合反応に供する前に、不純物であるアレン類、及びアセチレン類を有機金属化合物で処理することで、高濃度の活性末端を有する共役ジエン系重合体が得られる傾向にあり、高い変性率の変性共役ジエン系重合体が得られる傾向にあるため好ましい。

0100

重合工程においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物を添加することにより芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。
また、重合の開始反応及び成長反応の促進等にも効果がある。

0101

極性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフランジエチルエーテルジオキサンエチレングリコールジメチルエーテルエチレングリコールジブチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジブチルエーテルジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類テトラメチルエチレンジアミンジピペリジノエタントリメチルアミントリエチルアミンピリジンキヌクリジン等の第3級アミン化合物カリウム−tert−アミラート、カリウム−tert−ブチラートナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等が挙げられる。
これらの極性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0102

極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができるが、重合開始剤1モルに対して、0.01モル以上100モル以下であることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は重合体共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる傾向にある。共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、スチレンの全量と1,3−ブタジエンの一部とで共重合反応を開始させ、共重合反応の途中に残りの1,3−ブタジエンを断続的に添加する方法を用いてもよい。

0103

重合工程において、重合温度は、リビングアニオン重合が進行する温度であることが好ましく、生産性の観点から、0℃以上120℃以下であることが好ましい。このような範囲にあることで、重合終了後の活性末端に対するカップリング剤の反応量を充分に確保することができる傾向にある。より好ましくは50℃以上100℃以下である。

0104

重合工程において得られる、後述する<反応工程>前の共役ジエン系重合体は、好ましくは100℃で測定されるムーニー粘度が10以上60以下であり、より好ましくは15以上50以下であり、よりさらに好ましくは20以上45以下である。共役ジエン系重合体のムーニー粘度が前記範囲であると、本実施形態の変性共役ジエン系重合体は加工性及び耐摩耗性が優れる傾向にある。

0105

本実施形態の変性共役ジエン系重合体、又は後述する<反応工程>前の共役ジエン系重合体中の結合共役ジエン量は、特に限定されないが、40質量%以上100質量%以下であることが好ましく、55質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の変性共役ジエン系重合体又は後述する<反応工程>前の共役ジエン系重合体中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスと、耐摩耗性が、より優れる傾向にある。
ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。

0106

本実施形態の変性共役ジエン系重合体又は後述する<反応工程>前の共役ジエン系重合体において、共役ジエン結合単位中のビニル結合量は、特に限定されないが、10モル%以上75モル%以下であることが好ましく、20モル%以上65モル%以下であることがより好ましい。
ビニル結合量が上記範囲であると、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスと、耐摩耗性がより優れる傾向にある。ここで、分岐変性ジエン系重合体がブタジエンとスチレンの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。
具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。

0107

本実施形態の変性共役ジエン系重合体のミクロ構造については、上記変性共役ジエン系重合体中の各結合量が上記範囲にあり、さらに、変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度(Tg)が−45℃以上−15℃以下の範囲にあるときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスにより一層優れた加硫物を得ることができる傾向にある。ガラス転移温度については、ISO 22768:2006に従い、所定の温度範囲昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線ピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。
具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。

0108

本実施形態の変性共役ジエン系重合体が、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体である場合、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が、少ないか又はないものであることが好ましい。より具体的には、共重合体がブタジエン−スチレン共重合体の場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により共重合体を分解し、メタノール不溶ポリスチレン量分析する公知の方法において、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックが、変性共役ジエン系共重合体の総量に対して、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。

0109

本実施形態の変性共役ジエン系重合体の後述する<反応工程>前の共役ジエン系重合体が共役ジエン−芳香族ビニル共重合体である場合、芳香族ビニル単位が単独で存在する割合が多いことが好ましい。
具体的には、共重合体がブタジエン−スチレン共重合体の場合、田中らの方法(Polymer,22,1721(1981))として知られているオゾン分解による方法で、前記共重合体を分解し、GPCによりスチレン連鎖分布を分析した場合、全結合スチレン量に対し、単離スチレン量が40質量%以上であり、スチレンの連鎖が8個以上の連鎖スチレン構造が5質量%以下であることが好ましい。この場合、得られる加硫ゴムが特に低いヒステリシスロスである優れた性能となる傾向にある。

0110

<分子量及び分子量分布の調整>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の分子量は、例えば、上述したように重合開始剤としての有機モノリチウム化合物の使用量を調整することにより制御することができる。
また、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の分子量分布は、連続式、回分式のいずれの重合様式においても、滞留時間分布を調整すればよい。例えば、滞留時間分布を小さくする、すなわち、成長反応の時間分布を狭くすると、分子量分布が小さくなる傾向にある。回分式においては、好ましくは反応器内の組成が均一になる程度に十分な攪拌が行われる攪拌機付槽型反応器を用いる方法、連続式ではバックミックスがほとんどない管型反応器を用いる方法が好ましい。いずれの方法でも、重合開始剤を好ましくは単量体と同時に、又は単量体を加えてから短時間の間に加え、重合開始速度が速くなるように、重合開始温度を、例えば30℃以上で、より好ましくは40℃以上で開始する方法が好ましい。また、開始速度を早くするために、極性化合物を反応系に加える方法が好ましい。

0111

<反応工程>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、上述した<重合工程>で得られた共役ジエン系重合体と、6官能以上の官能基を有するカップリング剤とを反応させる反応工程であって、重合工程において使用した有機モノリチウム化合物1モルに対して、カップリング剤の官能基のモル数が0.8モル以上1.2モル以下となるように反応させる、反応工程を有する。
カップリング剤の官能基のモル数を前記範囲とすることにより、本実施形態の変性共役ジエン系重合体が、本実施形態におけるカップリング率、所望の変性率、及び上述したムーニー粘度と重量平均分子量との関係式を満足するものとなる傾向がある。

0112

前記「6官能以上」とは、共役ジエン系重合体の活性末端と反応する官能基を6個以上有することを意味する。
例えば、ハロゲン化シリル基はハロゲンの数と同数をその官能基数とし、アザシリル基は1官能基、カルボニル基は1官能基、エポキシ基は1官能基、エステル基は2官能基として、化合物の合計の官能基数を求める。

0113

ただし、カップリング剤がアルコキシシリル基を有する場合、一般的に、珪素原子に結合したアルコキシ基は全て反応することなく、珪素原子1個につき1個のアルコキシ基が残る傾向にある。これにより、重合体粘度の経時変化が小さく、加硫物としたときに、特に優れた低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスを得ることができる。したがって、アルコキシシリル基の官能基数は、同じ珪素原子に結合したアルコキシ基の数から1を引いた数とする。より具体的には、トリアルコキシシリル基は2官能基、ジアルコキシシリル基は1官能基、モノアルコキシシリル基は0官能基として、カップリング剤の官能基数を算出する。カップリング剤の添加量を正しく算出するためにも、官能基の数え方は重要である。

0114

カップリング剤の官能基数は、6官能基以上30官能基以下であることが好ましく、より好ましくは6官能基以上20官能基以下、さらに好ましくは6官能基以上12官能基以下、さらにより好ましくは8官能以上12官能以下である。

0115

また、カップリング剤として用いる化合物は、活性水素を持たないことが好ましい。カップリング剤が活性水素を有しない場合、副反応が抑えられ、カップリング率、変性率、上述したムーニー粘度と重量平均分子量の関係式を調整しやすい。

0116

本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、変性共役ジエン系重合体の変性率を調整する観点から、重合工程において、重合開始剤として用いる化合物の分子中にアミン構造または塩基性の窒素原子を有する共役ジエン系重合体とする方法、又は、反応工程において、カップリング剤として用いる化合物の分子中にアミン構造または塩基性の窒素原子を有する構造とする方法のいずれか一方、または両方の方法を用いることが好ましい。

0117

重合開始剤として用いる化合物が、分子中にアミン構造または塩基性の窒素原子を有する場合、分子中にアミン構造または塩基性の窒素原子を有しないカップリング剤を使用することができる。
分子中にアミン構造または塩基性の窒素原子を有しないカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、6官能である1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)シクロヘキサン、6官能である1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、6官能であるテトラデカン−2,4,6,8,10,12−ヘキサオン、8官能であるビス(3−トリクロルシリルプロピル)ジクロルシラン等が挙げられる。

0118

分子中にアミン構造または塩基性の窒素原子を有するカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、6官能であるトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、6官能であるビス(3−トリメトキシシリルプロピル)—[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、6官能であるビス(3−トリクロロシリルプロピルメチルアミン、6官能である1,3,5−トリス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、8官能であるテトラキス(3−トリメトキシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン等が挙げられる。

0119

反応工程における反応温度は、好ましくは共役ジエン系重合体の重合温度と同様の温度であるものとし、0℃以上120℃以下であることがより好ましく、さらに好ましくは50℃以上100℃以下である。
反応工程における反応時間は、好ましくは10秒以上、より好ましくは30秒以上して反応させるものとする。
反応工程における混合は、機械的な攪拌、スタティックミキサーによる攪拌等のいずれでもよい。
重合工程が連続式である場合は、反応工程も連続式であることが好ましい。
反応工程における反応器は、例えば、撹拌機付きの槽型、管型のものが用いられる。
カップリング剤は、不活性溶媒により希釈して反応器に連続的に供給してもよい。重合工程が回分式の場合は、重合反応器にカップリング剤を投入する方法でも、別の反応器に移送して反応工程を行ってもよい。
重合工程から反応工程への時間は短い方がよく、好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内である。その場合、高いカップリング率、高い変性率が得られる傾向にある。
重合工程から反応工程への時間とは、例えば、重合工程が回分式の場合、重合のピーク温度を迎えてからカップリング剤を添加するまでの時間、重合工程が連続式の場合、反応器を出た共役ジエン系重合体を含む溶液に、カップリング剤が添加するまでの時間のことを指す。

0120

前記反応工程で用いる6官能以上の官能基を有するカップリング剤としては、下記一般式(VI)に示す化合物が好ましい。

0121

0122

式(VI)中、R12〜R14は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R15〜R18、及びR20は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を表し、R19及びR22は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R21は、炭素数1〜20のアルキル基又はトリアルキルシリル基を表す。
mは、1〜3の整数を表し、pは、1又は2を表す。複数存在する場合のR12〜R22、m、及びpは、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。
iは、0〜6の整数を表し、jは、0〜6の整数を表し、kは、0〜6の整数を表し、(i+j+k)は、3〜10の整数であり、((m−1)×i+p×j+k)は、6〜30の整数を表す。
Aは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、リン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を表す。

0123

Aが表す炭素数1〜20の炭化水素基としては、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を含む。
酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、リン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ活性水素を有しない有機基とは、共役ジエン系重合体が有する活性末端を不活性化させる有機基である。当該活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(−OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(−NH2)、及びスルフヒドリル基(−SH)の活性水素を有する官能基がない、有機基である。
当該有機基としては、例えば、第3級アミノ基、シロキサン基が挙げられる。

0124

上記式(VI)において、(i+j+k)は、3〜6の整数であることが好ましく、3又は4であることがより好ましい。
R12〜R14は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましく、単結合又は炭素数1〜3のアルキレン基であることがさらに好ましい。R16、R18、及びR20は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがさらに好ましく、メチル又はエチルであることがさらにより好ましい。

0125

上記一般式(VI)で表されるカップリング剤は、少なくとも3個の珪素含有官能基を有しているが、その珪素含有官能基の種類は、上記のように1種〜3種である。すなわち一つのカップリング剤が含有し得る珪素含有官能基の種類は1〜3種である。

0126

上記一般式(VI)で表されるカップリング剤が有するアルコキシシリル基は、共役ジエン系重合体が有する活性末端と反応して、アルコキシリチウムが解離し、共役ジエン系重合体鎖の末端とカップリング残基の珪素との結合を形成する傾向にある。
カップリング剤1分子が有するSiORの総数から、反応により減じたSiOR数を差し引いた値が、カップリング残基が有するアルコキシシリル基の数となる。未反応で残存したアルコキシシリル基は、仕上げ時の水等により容易にシラノール(Si−OH基)となり得る。

0127

また、上記一般式(VI)で表されるカップリング剤は、j≠0及び/又はk≠0のとき、アザシラサイクル基を有する。
アザシラサイクル基は、>N−Li結合及び共役ジエン系重合体末端とカップリング残基の珪素との結合を形成する。なお、>N−Li結合は、仕上げ時の水等により容易に>NH及びLiOHとなる傾向にある。

0128

反応工程において、1個の珪素原子に対し3個のアルコキシ基を有する、すなわちトリアルコキシシラン基1モルに対し、3モルの共役ジエン系重合体の活性末端を反応させると、2モルまでの共役ジエン系重合体との反応は起こるが、1モルのアルコキシ基は未反応で残存する傾向にある。
なお、アルコキシ基がカップリング残基中に多く残存すると、仕上げ時、貯蔵時に縮合反応を起こすことに起因して、重合体粘度が大きく変わる傾向にある。
本実施形態において、1つの珪素原子当たり1個のアルコキシシリル基を未反応で残すことが好ましい。その場合、重合体粘度の変化が小さく、加硫物としたときに、特に優れた低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスを得ることができる。

0129

上記一般式(VI)で表されるカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリプロポキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)—[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−メチル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンペンタキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ジエチレントリアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]シラン、3−トリス[2−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)エトキシ]シリル−1−トリメトキシシリルプロパン、1−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−3,4,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−シクロヘキサン、1−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−3,4,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−シクロヘキサン、3,4,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−シクロヘキシル−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]エーテル、(3−トリメトキシシリルプロピル)ホスフェイト、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)—[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]ホスフェイト、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホスフェイト、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]ホスフェイト、トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート、及びトリス(トリエトキシシリル)イソシアヌレート等が挙げられる。

0130

前記式(VI)において、Aは、好ましくは、下記一般式(II)〜(V)のいずれかを表す。

0131

0132

式(II)中、B1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B1が複数存在する場合には、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。
B1は、好ましくは、炭素数1〜8の炭化水素基である。
aは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2〜4の整数、さらに好ましくは2である。

0133

0134

式(III)中、B2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、B3は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、aは、1〜10の整数を表す。
B2及びB3がそれぞれ複数存在する場合には、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。

0135

0136

式(IV)中、B4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B4が複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。

0137

0138

式(V)中、B5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、aは、1〜10の整数を表す。B5が複数存在する場合は、各々独立しており、同一であっても異なっていてもよい。これにより、本実施形態のより優れた性能を有する変性共役ジエン系重合体を得ることができる傾向にある。

0139

式(VI)において、Aが式(II)で表される場合のカップリング剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)—[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3−エトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)—[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ペンタキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ジエチレントリアミンが挙げられる。

0140

式(VI)において、Aが式(III)で表される場合のカップリング剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス(2−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、N1,N1'−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(N1−メチル−N3,N3−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,3−プロパンジアミン)、N1−(3−(ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N1−メチル−N3−(3−(メチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。

0141

式(VI)において、Aが式(IV)で表される場合のカップリング剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、(3−トリメトキシシリル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(1−メトキシ−2−メチル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]シランが挙げられる。

0142

式(VI)において、Aが式(V)で表される場合のカップリング剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、3−トリス[2−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)エトキシ]シリル−1−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロパン、3−トリス[2−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)エトキシ]シリル−1−トリメトキシシリルプロパンが挙げられる。

0143

式(VI)において、Aは、好ましくは式(II)又は式(III)を表し、kは0を表す。これにより、入手が容易なカップリング剤となる傾向にあり、しかも、変性共役ジエン系重合体を加硫物としたときに、耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性能がより優れるものとなる傾向にある。
このようなカップリング剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリスメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。

0144

一実施形態において、式(VI)中、Aは、より好ましくは式(II)又は式(III)を表し、kは0を表し、式(II)又は式(III)において、aは2〜10の整数を表す。
この場合、aは、より好ましくは2〜4の整数を表す。
これにより、加硫したときに、耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性能がより優れるものとなる傾向にある。
このようなカップリング剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、N1−(3−(ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N1−メチル−N3−(3−(メチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。

0145

一実施形態において、式(VI)中、Aは、さらに好ましくは式(II)を表し、jは0を表し、kは0を表し、かつ、式(II)においてaは2〜4の整数を表す。
さらにより好ましくは、式(VI)中、Aは式(II)を表し、jは0を表し、kは0を表し、かつ、式(II)においてaは2を表す。
これにより、加硫したときに、耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性能がより優れるものとなる傾向にある。
このようなカップリング剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンが挙げられる。

0146

式(VI)において、カップリング剤の官能基数((m−1)×i+p×j+k)は、6〜30の整数であり、6〜10の整数であることが好ましく、7〜10の整数であることがより好ましい。

0147

反応工程では、重合工程において使用した有機モノリチウム化合物1モルに対して、カップリング剤の官能基のモル数が0.8モル以上1.2モル以下となるように反応させればよく、好ましくは0.8モル以上1.0モル以下、より好ましくは0.8モル以上0.9モル以下である。重合工程において添加した有機モノリチウム化合物のうち、一部はカップリング反応に関与しない傾向にある。すなわち、共役ジエン系重合体の活性末端は、重合工程中または重合工程から反応工程までの間に一部は失活してしまうため、添加するカップリング剤は、重合工程において使用した有機モノリチウム化合物1モルに対して、カップリング剤の官能基のモル数が、1.0以上では過剰になる傾向にある。過剰になると、ムーニー粘度と重量平均分子量との関係式(ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5)を満たさない傾向にある。
重合工程において使用した有機モノリチウム化合物1モルに対するカップリング剤の官能基のモル数との関係を、上記数値範囲となるように、カップリング剤の使用量を調整することにより、加硫物とする際の加工性、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、並びに耐摩耗性により優れる傾向にある。
所望のカップリング率になるように反応工程を実施するには、有機モノリチウム化合物1モルに対し、添加するカップリング剤の官能基のモル数をコントロールするが、これが過剰であると、6分岐よりも少ない5分岐以下の重合体の割合が増加し、ムーニー粘度と重量平均分子量の関係式:ML≦1.8(Mw×10−4)−31.5を満足しにくい傾向にある。したがって、カップリング剤の添加量をカップリング率に対して大きく乖離しない量にしつつ、開始剤の失活を防ぐのが好ましい。好ましくは、カップリング剤添加量に対する、カップリング率の乖離が、10%以内、より好ましくは、8%以内、さらに好ましくは、5%以内である。これに加え、変性率及びカップリング率が70質量%以上であるとき、ムーニー粘度と重量平均分子量との関係式:ML≦1.8(Mw×10-4)−31.5を満足し易い傾向にある。

0148

上述した反応工程においては、本実施形態のカップリング率、所望の変性率、及び上述したムーニー粘度と重量平均分子量との関係式を満足させるためには、特定の分岐構造を有する重合体を選択的に製造するためにカップリング剤の添加量を所定の範囲に精密に制御する必要がある。しかし、分岐数が大きい重合体を得るためには、6官能以上の官能基を有するカップリング剤を用いる必要があり、カップリング剤の官能数が大きくなるほど反応比の制御が困難になってくる。
カップリング剤の添加量は、有機モノリチウム化合物の添加量1モルに対して、カップリング剤の官能基のモル数が0.8モル以上1.2モル以下の範囲になるように制御し、さらに添加量に誤差が生じないようにする方法を適用することが必要である。このような方法としては、例えば、カップリング剤を希釈せずに温度管理し、粘度を抑制して添加する方法や、重合前の単量体や重合溶媒、及び反応器の不純物処理を行う方法が挙げられる。

0149

前者の方法は、カップリング剤の官能基数が増加するに従って、カップリング剤の分子量が大きくなり、粘度が増すため、反応器にカップリング剤を添加する際に配管中にカップリング剤が残存してしまい、実添加量と所望の添加量に乖離が生じる傾向にある。一方で、カップリング剤を希釈してしまうと、希釈溶媒中に含まれる水分等の不純物とカップリング剤とが反応してしまい、本実施形態の変性共役ジエン系重合体において、本実施形態のカップリング率、所望の変性率、及びムーニー粘度と重量平均分子量との関係式を満足させることが困難な傾向にある。カップリング剤の粘度を低下させるには、カップリング剤を添加する前に予め40℃以上100℃以下、好ましくは、45℃以上90℃以下、より好ましくは、50℃以上80℃以下に温めておくことが好ましい。

0150

後者の方法は、反応器の不純物処理を行う方法としては、例えば、重合反応前に反応器に存在する、重合反応の妨げになり得る水分等の不純物を重合開始剤で中和させる方法が挙げられる。
また、カップリング反応が均等に進行するためにも、添加したカップリング剤が反応器内に均一に分散させることが重要である。例えば、反応器のL(反応器の高さ)/D(反応器の内径)が、好ましくは1.5以上6.5以下、より好ましくは2.0以上5.0以下、さらに好ましくは2.1以上4.2以下であり、撹拌数は、50rpm以上300rpm以下、より好ましくは55rpm以上250rpm以下、さらに好ましくは60rpm以上200rpm以下である。カップリング反応が均等に進行すると、上述したムーニー粘度と重量平均分子量との関係式を満足しやすい傾向にある。

0151

本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、共役ジエン部を適宜水素化してもよい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の共役ジエン部を水素化する方法は、特に限定されず、公知の方法が利用できる。
好適な水素化の方法としては、触媒の存在下、重合体溶液に気体状水素を吹き込む方法で水素化する方法が挙げられる。
触媒としては、例えば、貴金属多孔質無機物質担持させた触媒等の不均一系触媒ニッケルコバルト等の塩を可溶化し有機アルミニウム等と反応させた触媒、チタノセン等のメタロセンを用いた触媒等の均一系触媒が挙げられる。これら中でも、マイルド水素化条件を選択できる観点から、チタノセン触媒が好ましい。また、芳香族基の水素化は、貴金属の担持触媒を用いることによって行うことができる。

0152

水素化触媒の具体例としては、以下のものに限定されないが、例えば、(1)Ni,Pt,Pd,Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni,Co,Fe,Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti,Ru,Rh,Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等が挙げられる。さらに、水素化触媒として、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報、特開平8−109219号公報に記載された公知の水素化触媒も挙げられる。好ましい水素化触媒としては、チタノセン化合物還元性有機金属化合物との反応混合物が挙げられる。

0153

本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、反応工程の後、共重合体溶液に、必要に応じて、失活剤中和剤等を添加してもよい。
失活剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水;メタノール、エタノールイソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。
中和剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸オレイン酸バーサチック酸(炭素数9〜11個で、10個を中心とする、分岐の多いカルボン酸混合物)等のカルボン酸無機酸の水溶液炭酸ガスが挙げられる。

0154

本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、重合後のゲル生成を防止する観点、及び加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤としては、以下のものに限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノールプロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましい。

0155

本実施形態の変性共役ジエン系重合体の加工性をより改善するために、必要に応じて、伸展油を変性共役ジエン系共重合体に添加することができる。
伸展油を変性共役ジエン系重合体に添加する方法としては、以下に限定されないが、伸展油を変性共役ジエン系重合体溶液に加え、混合して、油展共重合体溶液としたものを脱溶媒する方法が好ましい。
伸展油としては、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。これらの中でも、環境安全上の観点、並びにオイルブリード防止及びウェットグリップ特性の観点から、IP346法による多環芳香族PCA)成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe52(12)799(1999)に示されるTDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)、MES(Mild Extraction Solvate)等の他、RAE(Residual Aromatic Extracts)が挙げられる。
伸展油の添加量は、特に限定されないが、変性共役ジエン系重合体100質量部に対し、1質量部以上50質量部以下が好ましく、2質量部以上37.5質量部以下がより好ましい。

0156

本実施形態の変性共役ジエン系重合体を、重合体溶液から取得する方法としては、公知の方法を用いることができる。その方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水及び乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンク濃縮し、さらにベント押出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法が挙げられる。

0157

本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、加硫物として好適に用いられる。加硫物としては、例えば、タイヤ、ホース靴底防振ゴム自動車部品、免振ゴムが挙げられ、また、耐衝撃性ポリスチレンABS樹脂等の樹脂強化用ゴムも挙げられる。特に、変性共役ジエン系重合体は、タイヤ用のトレッドゴムの組成物に好適に用いられる。加硫物は、例えば、本実施形態の変性共役ジエン系重合体を、必要に応じて、シリカ系無機充填剤、カーボンブラック等の無機充填剤、本実施形態の変性共役ジエン系重合体以外のゴム状重合体、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤加硫剤加硫促進剤加硫助剤等と混練して、変性共役ジエン系重合体組成物とした後、加熱して加硫することにより得ることができる。

0158

〔ゴム組成物〕
本実施形態のゴム組成物は、ゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して5.0質量部以上150質量部以下のシリカ系充填剤とを含む。
前記ゴム成分は、当該ゴム成分100質量%に対して、上述した本実施形態の変性共役ジエン系重合体を10質量%以上含む。

0159

ゴム組成物は、シリカ系充填剤を分散させることで、加硫物とする際の加工性により優れる傾向にあり、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスと、耐摩耗性がより優れる傾向にある。
本実施形態のゴム組成物が、タイヤ、防振ゴム等の自動車部品、等の加硫ゴム用途に用いられる場合にも、シリカ系充填剤を含むことが好ましい。

0160

ゴム組成物においては、本実施形態の変性共役ジエン系重合体以外のゴム状重合体(以下、単に「ゴム状重合体」という。)を、本実施形態の変性共役ジエン系重合体と組み合わせて使用できる。
このようなゴム状重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、共役ジエン系重合体又はその水素添加物共役ジエン系化合物ビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物、非ジエン系重合体、天然ゴムが挙げられる。
具体的なゴム状重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタジエンゴム又はその水素添加物、イソプレンゴム又はその水素添加物、スチレン−ブタジエンゴム又はその水素添加物、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水素添加物等のスチレン系エラストマーアクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素添加物が挙げられる。

0161

非ジエン系重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン−プロピレンゴムエチレンプロピレンジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム等のオレフィン系エラストマーブチルゴム臭素化ブチルゴムアクリルゴムフッ素ゴムシリコーンゴム塩素化ポリエチレンゴムエピクロルヒドリンゴム、α,β−不飽和ニトリルアクリル酸エステル共役ジエン共重合ゴムウレタンゴム多硫化ゴムが挙げられる。

0162

天然ゴムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、スモークドシートであるRSS3〜5号、SMR、エポキシ化天然ゴムが挙げられる。

0163

上述した各種ゴム状重合体は、水酸基、アミノ基等の極性を有する官能基を付与した変性ゴムであってもよい。タイヤ用に用いる場合、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴムが好ましく用いられる。

0164

ゴム状重合体の重量平均分子量は、性能と加工特性のバランスの観点から、2,000以上2,000,000以下であることが好ましく、5,000以上1,500,000以下であることがより好ましい。また、低分子量のゴム状重合体、いわゆる液状ゴムを用いることもできる。これらのゴム状重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0165

本実施形態の変性共役ジエン系重合体とゴム状重合体とを含むゴム組成物とする場合において、ゴム状重合体に対する変性共役ジエン系重合体の含有比率質量比)は、(変性共役ジエン系重合体/ゴム状重合体)として、10/90以上100/0以下が好ましく、20/80以上90/10以下がより好ましく、50/50以上80/20以下がさらに好ましい。
したがって、ゴム成分は、該ゴム成分の総量(100質量部)に対して、本実施形態の変性共役ジエン系重合体を、好ましくは10質量部以上100質量部以下含み、より好ましくは20質量部以上90質量部以下含み、さらに好ましくは50質量部以上80質量部以下含む。
(変性共役ジエン系重合体/ゴム状重合体)の含有比率が上記範囲であると、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスが優れ、耐摩耗性に優れる。

0166

ゴム組成物中のシリカ系充填剤の含有量は、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して、5.0質量部以上150質量部であり、20質量部以上100質量部以下であることが好ましく、25質量部以上60質量部以下がより好ましい。
シリカ系充填剤の含有量は、充填剤添加効果発現する観点から、5.0質量部以上であり、充填剤を十分に分散させ、組成物の加工性及び機械強度を実用的に十分なものとする観点から、150質量部以下である。

0167

シリカ系無機充填剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、SiO2又はSi3Alを構成単位として含む固体粒子が好ましく、SiO2又はSi3Alを構成単位の主成分として含む固体粒子がより好ましい。ここで、主成分とは、シリカ系無機充填剤中に50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有される成分をいう。

0168

具体的なシリカ系無機充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シリカ、クレイタルクマイカ珪藻土ウォラストナイトモンモリロナイトゼオライトガラス繊維等の無機繊維状物質が挙げられる。
また、表面を疎水化したシリカ系無機充填剤、シリカ系無機充填剤とシリカ系以外の無機充填剤との混合物も挙げられる。
これらの中でも、強度及び耐摩耗性等の観点から、シリカ及びガラス繊維が好ましく、シリカがより好ましい。シリカとしては、例えば、乾式シリカ湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカが挙げられる。これらのシリカの中でも、ウェットスキッド抵抗性のバランスに優れる観点から、湿式シリカが好ましい。

0169

本実施形態のゴム組成物において、実用上良好な耐摩耗性を得る観点から、シリカ系無機充填剤のBET吸着法で求められる窒素吸着比表面積は、100m2/g以上300m2/g以下であることが好ましく、170m2/g以上250m2/g以下であることがより好ましい。また必要に応じて、比較的比表面積が小さい(例えば、比表面積が200m2/g以下の)シリカ系無機充填剤と、比較的比表面積の大きい(例えば、200m2/g以上の)シリカ系無機充填剤とを組み合わせて用いることができる。
本実施形態において、特に比較的比表面積の大きい(例えば、200m2/g以上の)シリカ系無機充填剤を用いる場合に、変性共役ジエン系重合体は、シリカの分散性を改善し、特に耐摩耗性と低ヒステリシスロス性が向上する傾向にある。

0170

本実施形態のゴム組成物においては、シリカ系充填剤に加えて他の充填剤を用いてもよい。
他の充填剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、カーボンブラック、金属酸化物金属水酸化物が挙げられる。この中でも、カーボンブラックが好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0171

カーボンブラックとしては、以下のものに限定されないが、例えば、SRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが挙げられる。これらの中でも、窒素吸着比表面積が50m2/g以上、かつ、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100g以下のカーボンブラックが好ましい。

0172

カーボンブラックの含有量は、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上100質量部以下が好ましく、3.0質量部以上100質量部以下がより好ましく、5.0質量部以上50質量部以下がさらに好ましい。カーボンブラックの含有量は、ドライグリップ性能導電性等のタイヤ等の用途に求められる性能を発現する観点から、0.5質量部以上とすることが好ましく、分散性の観点から、100質量部以下とすることが好ましい。

0173

金属酸化物とは、化学式MxOy(Mは、金属原子を表し、x及びyは、各々独立して、1〜6の整数を表す。)を構成単位の主成分とする固体粒子のことをいう。金属酸化物としては、以下のものに限定されないが、例えば、アルミナ、酸化チタン酸化マグネシウム酸化亜鉛が挙げられる。金属水酸化物としては、以下のものに限定されないが、例えば、水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム水酸化ジルコニウムが挙げられる。

0174

ゴム組成物は、シランカップリング剤を含んでもよい。
シランカップリング剤は、ゴム成分と無機充填剤との相互作用を緊密にする機能を有しており、ゴム成分及びシリカ系無機充填剤のそれぞれに対する親和性又は結合性の基を有しており、硫黄結合部分とアルコキシシリル基又はシラノール基部分とを一分子中に有する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィドが挙げられる。

0175

シランカップリング剤の含有量は、上述した無機充填剤100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、0.5質量部以上20質量部以下がより好ましく、1.0質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲であると、シランカップリング剤による上記添加効果を一層顕著なものにできる傾向にある。

0176

本実施形態のゴム組成物は、その加工性の改良を図る観点から、ゴム用軟化剤を含んでもよい。
ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は、液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。
ゴムの軟化増容、及び加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系のゴム用軟化剤は、芳香族環ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が全炭素中30%以上45%以下を占めるものがナフテン系、芳香族炭素数が全炭素中30%を超えて占めるものが芳香族系と呼ばれている。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体の変性物である場合、用いるゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが共重合体との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。

0177

本実施形態のゴム組成物におけるゴム用軟化剤の含有量は、変性共役ジエン系重合体を含有するゴム成分100質量部に対して、0質量部以上100質量部以下が好ましく、5質量部以上60質量部以下がより好ましく、5質量部以上30質量部以下がさらに好ましい。
ゴム用軟化剤の含有量がゴム成分100質量部に対して100質量部以下であることで、ブリードアウトを抑制し、ゴム組成物表面のベタツキを抑制する傾向にある。

0178

本実施形態のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体、シリカ系無機充填材、その他必要に応じてその他のゴム状重合体、カーボンブラックやその他の充填剤、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤等の添加剤を混合することにより得られる。
変性共役ジエン系重合体とその他のゴム状重合体、シリカ系無機充填剤、カーボンブラックやその他の充填剤、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤等の添加剤を混合する方法については、以下に限定されるものではないが、例えば、オープンロールバンバリーミキサーニーダー単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解混合後、溶剤加熱除去する方法が挙げられる。
これらのうち、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好ましい。
また、ゴム成分とその他の充填剤、シランカップリング剤、及び添加剤とを一度に混練する方法、複数の回数に分けて混合する方法のいずれも適用可能である。

0179

本実施形態のゴム組成物は、加硫剤により加硫処理を施した加硫組成物としてもよい。
加硫剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、有機過酸化物及びアゾ化合物等のラジカル発生剤オキシム化合物ニトロソ化合物ポリアミン化合物硫黄硫黄化合物が挙げられる。
硫黄化合物には、一塩化硫黄二塩化硫黄ジスルフィド化合物、高分子多硫化合物等が含まれる。
加硫剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下が好ましく、0.1質量部以上15質量部以下がより好ましい。加硫方法としては、従来公知の方法を適用でき、加硫温度は、120℃以上200℃以下が好ましく、より好ましくは140℃以上180℃以下である。

0180

加硫に際しては、必要に応じて加硫促進剤及び加硫助剤を用いてもよい。
加硫促進剤としては、従来公知の材料を用いることができ、以下のものに限定されないが、例えば、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系チアゾール系、チオ尿素系ジチオカルバメート系の加硫促進剤が挙げられる。
また、加硫助剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、亜鉛華、ステアリン酸が挙げられる。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下が好ましく、0.1質量部以上15質量部以下がより好ましい。

0181

本実施形態のゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内で、上述した以外のその他の軟化剤及び充填剤、耐熱安定剤、帯電防止剤耐候安定剤老化防止剤着色剤滑剤等の各種添加剤を用いてもよい。その他の軟化剤としては、公知の軟化剤を用いることができる。その他の充填剤としては、具体的には、炭酸カルシウム炭酸マグネシウム硫酸アルミニウム硫酸バリウムが挙げられる。上記の耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、潤滑剤としては、それぞれ公知の材料を用いることができる。

0182

本実施形態のゴム組成物は、タイヤ用ゴム組成物として好適に用いられる。本実施形態のタイヤ用ゴム組成物は、以下のものに限定されないが、例えば、省燃費タイヤ、オールシーズンタイヤ高性能タイヤスタッドレスタイヤ等の各種タイヤ:トレッド、カーカスサイドウォールビード部等のタイヤ各部位への利用が可能である。特に、タイヤ用ゴム組成物は、加硫物としたときに低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス及び耐摩耗性に優れているので、省燃費タイヤ、高性能タイヤのトレッド用として、より好適に用いられる。

0183

〔タイヤ〕
本実施形態のタイヤは、本実施形態のゴム組成物を含有する。
本実施形態のタイヤは、以下に限定されるものではないが、例えば、省燃費タイヤ、オールシーズンタイヤ、高性能タイヤ、スタッドレスタイヤ等の各種タイヤであってよい。また、トレッド、カーカス、サイドウォール、及びビード部からなる群から選択されるタイヤ部位の少なくとも一つに本実施形態のゴム組成物を用いてなるタイヤであってよい。
特に、本実施形態のタイヤは、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、及び耐摩耗性に優れているので、省燃費タイヤ、高性能タイヤとして好適に用いられる。

0184

以下、具体的な実施例及び比較例を挙げ、本実施形態について詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例1〜5、並びに、比較例1〜4の重合体の分析は以下に示す方法で行った。

0185

(1)結合スチレン量
試料100mgをクロロホルムで100mLにメスアップ、溶解して測定サンプルとした。
スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製、分光光度計「UV−2450」)。

0186

(2)ブタジエン部位のミクロ構造(1,2−ビニル結合量)
試料50mgを10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。
溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm−1の範囲で測定して所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法の計算式に従いブタジエン部分のミクロ構造を求めた(日本分光社製、フーリエ変換赤外分光光度計「FT−IR230」)。

0187

(3)100℃で測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)
ムーニー粘度計(上島製作所社製、「VR1132」)を用い、JIS K6300(ISO289−1)及びISO289−4に準拠し、ムーニー粘度を測定した。測定温度は、100℃とした。まず、試料を1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML1+4(100℃))とした。

0188

(4)ガラス転移温度(Tg)
ISO 22768:2006に準拠して、マックサイエンス社製、示差走査熱量計「DSC3200S」を用い、ヘリウム50mL/分の流通下、−100℃から20℃/分で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とした。

0189

(5)カップリング率及び分子量
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線に基づいて、カップリング率、重量平均分子量(Mw)、及び数平均分子量(Mn)、ピークトップ分子量(Mp1、Mp2)を求めた。
ただし、Mp1とは、変性共役ジエン系重合体のカップリング重合体のピークトップ分子量を表し、カップリング重合体のピークが複数存在する場合は、ピークの高さが最も高いピークのピークトップ分子量をMp1とする。
Mp2とは、共役ジエン系重合鎖の非カップリング重合体(最も低分子量側ピーク)のピークトップ分子量を表す。
溶離液はテトラヒドロフラン(THF)を使用した。カラムは、ガードカラム:東ソー社製 TSKguardcolumn SuperH−H、カラム:東ソー社製 TSKgel SuperH5000、TSKgel SuperH6000、TSKgel SuperH7000を使用した。オーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で、RI検出器(東ソー社製、「HLC8020」)を用いた。測定用の試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液200μLをGPC測定装置に注入して測定した。

0190

(6)変性率
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに変性した成分が吸着する特性を応用することにより測定した。具体的には、試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系ゲルカラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系カラムで測定したクロマトグラムの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し変性率を求めた。
・試料溶液の調製:
試料10mg及び標準ポリスチレン5mgを20mLのTHFに溶解させて、試料溶液とした。
・ポリスチレン系カラムを用いたGPC測定条件
THFを溶離液として用い、試料溶液20μLを装置に注入して測定した。カラムは、ガードカラム:東ソー社製 TSKguardcolumn SuperH−H、カラム:東ソー社製 TSKgel SuperH5000、TSKgel SuperH6000、TSKgel SuperH7000を使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で、RI検出器(東ソー社製 HLC8020)を用いて測定しクロマトグラムを得た。
・シリカ系カラムを用いたGPC測定条件:
THFを溶離液として用い、試料50μLを装置に注入して測定した。カラムは、ガードカラム:DIOL 4.6×12.5mm 5micron、カラム:Zorbax PSM−1000S、PSM−300S、PSM−60Sを使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5mL/分で、東ソー社製 CCP8020シリーズビルドアップ型PCシステム:AS−8020、SD−8022、CCPS、CO−8020、RI−8021で、RI検出器を用いて測定し、クロマトグラムを得た。
・変性率の計算方法
ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積P1、標準ポリスチレンのピーク面積P2の値を算出した。また、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積P3、標準ポリスチレンのピーク面積P4の値を算出した。これらの値を用い、下記式より変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ただし、P1+P2=P3+P4=100)

0191

(7)窒素原子の有無
前記(6)と同様の測定を行い、算出された変性率が10%以上であった場合、窒素原子を有していると判断した。これにより、実施例1〜5、及び比較例2〜4の変性共役ジエン系重合体が窒素原子を有すること、比較例1の変性共役ジエン系重合体が窒素原子を有しないことを確認した。

0192

(8)珪素原子の有無
変性共役ジエン系重合体0.5gを試料として、JIS K 0101 44.3.1に準拠して、紫外可視分光光度計(島津製作所社製の商品名「UV−1800」)を用いて測定し、モリブデン青吸光光度法により定量した。これにより、珪素原子が検出された場合(検出下限10質量ppm)、珪素原子を有していると判断した。これにより、実施例1〜5、及び比較例1〜4の変性共役ジエン系重合体が珪素原子を有することを確認した。

0193

〔実施例1〕
内容積5L(L/D:3.4)で、攪拌機及びジャケット具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、ノルマルヘキサン1995gと反応器内に存在する重合反応の妨げになり得る不純物の中和用としてn−ブチルリチウムを反応器に入れ、70℃で5分撹拌した後、室温まで冷却して溶液を抜出し、反応器内を空にした。次に、予め不純物を除去した、ノルマルヘキサン1670g、スチレン83g、1,3−ブタジエン236g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン2.73mmolを反応器に入れ、反応器内が56℃のときに重合開始剤としてn−ブチルリチウム(表中、「NBL」と記載する。)2.92mmolを添加し重合を開始した。
重合開始直後から、反応器内の温度は上昇していき、ピーク温度を迎え、その温度は79℃であった。温度の低下が確認されたところで、カップリング剤として50℃に調整したトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中、「a」と略す。)を0.41mmol添加し、さらに10分撹拌した。このときの撹拌速度は、200rpmであった。カップリング剤を添加したのは、ピーク温度に達した2分後であった。
重合停止剤としてエタノールを2.92mmol加え、反応を停止させ、変性共役ジエン系重合体含有ポリマー溶液を得た。

0194

得られた重合溶液に、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.64g添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、真空乾燥を経て、変性共役ジエン系共重合体Aを得た。
変性共役ジエン系共重合体Aの分析結果を表1に示す。
また、ポリスチレン系カラムを用いたGPCによる分子量分布曲線の模式図を図2に示す。
図2中、符号1は、カップリング重合体ピークを示し、符号2は、非カップリング重合体ピークを示す。

0195

〔実施例2〕
カップリング剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンからトリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン(表中、「b」と略す。)に変更した。
反応開始温度は55℃、反応ピーク温度は77℃であった。
その他は実施例1と同様にして、変性共役ジエン系重合体Bを得た。
変性共役ジエン系共重合体Bの分析結果を表1に示す。

0196

〔実施例3〕
重合開始剤の添加量を2.92mmolから3.59mmolに変更した。
カップリング剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンからテトラキス(3−トリメトキシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中、「c」と略す。)に、添加量を0.41mmolから0.38mmolに変更した。
反応開始温度は50℃、反応ピーク温度は81℃であった。
また、極性物質の添加量を3.50mmolに変更した。
その他は実施例1と同様にして、変性共役ジエン系重合体Cを得た。変性共役ジエン系共重合体Cの分析結果を表1に示す。

0197

〔実施例4〕
重合開始剤の添加量を2.92mmolから3.59mmolに変更した。
カップリング剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンからテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(表中、「d」と略す。)に変更し、かつ添加量を0.41mmolから0.38mmolに変更した。
反応開始温度は50℃、反応ピーク温度は82℃であった。
また、極性物質の添加量を3.50mmolに変更した。
その他は実施例1と同様にして、変性共役ジエン系重合体Dを得た。
変性共役ジエン系共重合体Dの分析結果を表1に示す。

0198

〔実施例5〕
重合開始剤をヘキサメチレンイミン2.92mmolとn−ブチルリチウム2.92mmolを予め反応させたヘキサメチレンイミノリチウム(表中、「HMI+NBL」と記載する。)のシクロヘキサン溶液に、カップリング剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンから1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン(表中、「e」と略す。)に変更した。
反応開始温度は55℃、反応ピーク温度は77℃であった。
その他は実施例1と同様にして、変性共役ジエン系重合体Eを得た。
変性共役ジエン系共重合体Eの分析結果を表1に示す。

0199

〔比較例1〕
内容積5Lで、攪拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、ノルマルヘキサン1670g、スチレン83g、1,3−ブタジエン236g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン1.91mmolを反応器に入れ、反応器内が58℃のときに重合開始剤n−ブチルリチウム2.55mmolを添加し重合を開始した。
重合開始直後から、反応器内の温度は上昇していき、ピーク温度を迎え温度の低下が確認されたところで、カップリング剤としてビス(トリメトキシシリル)エタン(表中、「f」と略す。)を0.56mmol添加し、さらに10分撹拌した。重合停止剤としてエタノール2.55mmol加え、反応を停止させ、変性共役ジエン系重合体含有ポリマー溶液を得た。

0200

得られた重合溶液に、安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンをそれぞれ0.64g添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、真空乾燥を経て、変性共役ジエン系共重合体Fを得た。
変性共役ジエン系共重合体Fの分析結果を表1に示した。

0201

〔比較例2〕
カップリング剤をビス(トリメトキシシリル)エタンからビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−N−メチルアミン(表中、「g」と略す。)に変更した。
反応開始温度は56℃、反応ピーク温度は82℃であった。
その他は実施例1と同様にして、変性共役ジエン系重合体Gを得た。
変性共役ジエン系共重合体Gの分析結果を表1に示す。

0202

〔比較例3〕
カップリング剤添加量を0.41mmolから0.28mmolに変更した。
反応開始温度は55℃、反応ピーク温度は78℃であった。
その他は実施例1と同様にして、変性共役ジエン系重合体Hを得た。
変性共役ジエン系重合体Hの分析結果を表1に示す。
また、ポリスチレン系カラムを用いたGPCによる分子量分布曲線の模式図を図3に示す。
図3中、符号1は、カップリング重合体ピークを示し、符号2は、非カップリング重合体ピークを示す。

0203

〔比較例4〕
カップリング剤添加量を0.41mmolから0.72mmolに変更した。
反応開始温度は54℃、反応ピーク温度は75℃であった。その他は実施例1と同様にして、変性共役ジエン系重合体Iを得た。変性共役ジエン系重合体Iの分析結果を表1に示す。
また、ポリスチレン系カラムを用いたGPCによる分子量分布曲線の模式図を図4に示す。
図4中、符号1は、カップリング重合体ピークを示し、符号2は、非カップリング重合体ピークを示す。

0204

0205

表1中の符号の意味について、以下に示す。
*1
NBL:ノルマルブチルリチウム
HMI:ヘキサメチレンイミン
*2
2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを使用
*3
a:トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン:(6官能)
b:トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン:(6官能)
c:テトラキス(3−トリメトキシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン:(8官能)
d:テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(8官能)
e:1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン:(6官能)
f:ビス(トリメトキシシリル)エタン:(4官能)
g:ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−N−メチルアミン:(4官能)
*4
カップリング剤分子中のトリアルコキシシリル基は2官能基、ジアルコキシシリル基は1官能基、モノアルコキシシリル基は0官能基、ハロゲン化シリル基はハロゲンの数と同数を官能基数とし、アザシリル基は1官能基としてカップリング剤の官能基数を計算し、その官能基数を重合開始剤のモル数で割った値をリチウム当量比として表した。

0206

〔実施例6〜10〕、〔比較例5〜8〕
実施例1〜5、並びに、比較例1〜4で得られた変性共役ジエン系重合体(試料A〜I)を原料ゴムとして、以下に示す配合に従い、それぞれの原料ゴムを含有するゴム組成物を製造した。
変性共役ジエン系重合体(試料A〜I):100.0質量部
シリカ(エボニックデグサ社製、「Ultrasil 7000 GR」、窒素吸着比表面積170m2/g):75.0質量部
カーボンブラック(東海カーボン社製、「シーストKH(N339)」):5.0質量部
シランカップリング剤(エボニック デグサ社製、「Si75」、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド):6.0質量部
S−RAEオイル(JX日鉱日石エネルギー社製、「プロセスNC140」):30.0質量部
亜鉛華:2.5質量部
ステアリン酸:2.0質量部
老化防止剤(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン):2.0質量部
硫黄:1.7質量部
加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド):1.7質量部
加硫促進剤(ジフェニルグアニジン):2.0質量部
合計:227.9質量部

0207

上記した材料を下記の方法により混練してゴム組成物を得た。
温度制御装置を具備する密閉混練機(内容量0.3L)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数30〜50rpmの条件で、原料ゴム(試料A〜I)、充填剤(シリカ、カーボンブラック)、シランカップリング剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。このとき、密閉混合機の温度を制御し、排出温度155〜160℃でゴム組成物(配合物)を得た。

0208

次に、第一の混練で得た配合物を室温まで冷却後、第二段の混練として、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度制御により、配合物の排出温度を155〜160℃に調整した。

0209

第二の混練で得た配合物を室温まで冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を加えて混練した。その後、成型し、160℃で20分間、加硫プレスにて加硫した。加硫後、ゴム組成物の物性を測定した。物性測定結果を表2に示す。

0210

ゴム組成物の物性については、下記の方法により測定した。
(1)ゴム組成物のムーニー粘度(130℃)
ムーニー粘度計を使用し、JIS K6300−1に準拠して、130℃、1分間の予熱を行った後に、ローターを毎分2回転で4分間回転させた後の粘度を測定した。値が小さいほど加工性に優れることを示す。

0211

(2)粘弾性パラメータ(0℃tanδ、50℃tanδ)
レオメトリックス・サイエンティフィック社製の粘弾性試験機「ARES」を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。各々の測定値は比較例5のゴム組成物の値を100として指数化した。0℃において周波数10Hz、ひずみ1%で測定したtanδをウェットスキッド抵抗性の指標とした。値が大きいほどウェットスキッド抵抗性が良好であることを示す。
また、50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを省燃費性の指標とした。値が小さいほど省燃費性が良好であり、低ヒステリシスロス性に優れていることを示す。

0212

(3)耐摩耗性
アクロン摩耗試験機(安田精機製作所社製)を使用し、JIS K6264−2に準拠して、荷重44.4N、1000回転の摩耗量を測定し、比較例5の結果を100として指数化した。指数が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示す。

0213

0214

表2より、実施例6〜10のゴム組成物(変性共役ジエン系重合体組成物)は、比較例5、6のゴム組成物と比較して、配合前のムーニー粘度が同程度にも関わらず、加硫物とする際の配合物ムーニー粘度が同等もしくは低く、良好な加工性を示し、加硫物としたときのウェットスキッド抵抗性と低ヒステリシスロス性のバランスに優れ、耐摩耗性にも優れることが確認された。これらの結果から、実施例6〜10の変性共役ジエン系重合体組成物は、省燃費性と加工性、そして耐摩耗性のバランスに優れていることが確認された。

0215

また、実施例6で使用した変性共役ジエン系共重合体Aは、図2に示すように、カップリング重合体ピーク(1)が単一ピークで、そのほとんどが6分岐の重合体であり、また、非カップリング重合体ピーク(2)に対して、カップリング重合体ピーク(1)の割合が多く、本発明に規定するMLとMwの関係式、カップリング率の要件、及び変性率の要件を全て満たすものであった。
これに対して、比較例7で使用した変性共役ジエン系共重合体Hは、図3に示すように、本発明に規定するMLとMwの関係式を満たす程度に6分岐の重合体の割合が高いものであったが、非カップリング重合体ピーク(2)に対して、カップリング重合体ピーク(1)の割合が少ないため、カップリング率及び変性率の要件を満たさないものであった。
比較例8で使用した変性共役ジエン系共重合体Iは、図4に示すように、本発明に規定するカップリング率の要件を満たし、変性率の要件を満たす程度に、非カップリング重合体ピーク(2)に対して、カップリング重合体ピーク(1)の割合が多いものであったが、カップリング重合体ピーク(1)が単一のピークではなく、5分岐以下の重合体の割合が多いため、MLとMwとの関係式を満たさないものであった。
そして、上記表2より、実施例6のゴム組成物(変性共役ジエン系重合体組成物)は、比較例7、8のゴム組成物と比較して、配合前のムーニー粘度が高いにも関わらず、加硫物とする際の配合物ムーニー粘度が低く、良好な加工性を示し、加硫物としたときのウェットスキッド抵抗性と低ヒステリシスロス性のバランスに優れ、耐摩耗性にも優れることが示された。
これらの結果から、同じカップリング剤を使用しても、本発明の要件を満たさないと、顕著な効果が得られないことが確認された。

実施例

0216

本出願は、2015年6月12日に日本国特許庁に出願された日本特許出願(特願2015−119504)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

0217

本発明に係る変性共役ジエン系重合体は、加硫ゴムとしたときに優れた省燃費性と耐摩耗性を示し、かつ他の成分と混合して組成物とする際や加硫ゴムにする際の加工性にも優れており、タイヤトレッド、履物工業用品等の各種部材の材料として好適に用いることができる。

0218

1カップリング重合体ピーク
2 非カップリング重合体ピーク

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