図面 (/)

技術 二軸配向ポリエステルフィルム

出願人 東レ株式会社
発明者 鈴木維允東大路卓司真鍋功
出願日 2016年6月2日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2016-543101
公開日 2018年4月5日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 WO2016-199675
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の延伸成形、応力解放成形 積層体(2) 高分子成形体の製造
主要キーワード 製膜基板 乾熱条件 hr処理 フィルム巻き取りロール 合流装置 後口金 積層比率 ヘイズ変化
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題・解決手段

フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける、150℃から50℃の降温時の寸法安定性が、それぞれ50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、かつ面配向係数(fn)が0.111以上0.145以下である二軸配向ポリエステルフィルムにより、機械特性加工性に優れたフィルムを提供する。

概要

背景

ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(以下PETと略すことがある)や、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下PENを略すことがある)などは機械特性熱特性耐薬品性電気特性成形性に優れ、様々な用途に用いられている。そのポリエステルフィルム化したポリエステルフィルム、中でも二軸配向ポリエステルフィルムは、その優れた機械的特性加工性から、透明電極基板を加工工程中に傷つきなどから保護する工程フィルムとして使用されている。

一般的に、ディスプレイなどで用いられる透明導電膜製膜基板(ITO(Indium Tin Oxide)蒸着基板など)においては、ITO膜導電性を上げるために一定温度での基板のキュア工程が必要となる。この工程では、該基板を保護フィルムにも同時に熱がかかる。そのため、透明導電膜の製膜基板と保護フィルムの熱特性、とくに150℃から50℃の降温時の寸法変化率線膨張係数(CTE))に差があると、透明導電膜の製膜基板の平面性が悪化したり、保護フィルムが剥がれて保護機能が低下する場合があるため、透明導電膜の製膜基板と保護フィルムの寸法変化率は近しい値をとることが好ましい。そのため、従来、透明導電膜の製膜基板には二軸配向したPETフィルムが用いられていたため(特許文献1)、保護フィルムもPETフィルムが用いられていることが多かった。

しかしながら、近年では、ディスプレイの性能向上、薄膜化の観点から、透明導電膜の製膜基板にシクロオレフィンポリマーCOP)などの非晶性樹脂からなるフィルムが用いられる検討がなされている(特許文献2、3)。

概要

フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける、150℃から50℃の降温時の寸法安定性が、それぞれ50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、かつ面配向係数(fn)が0.111以上0.145以下である二軸配向ポリエステルフィルムにより、機械特性、加工性に優れたフィルムを提供する。

目的

本発明の課題は、かかる従来技術の背景に鑑み、透明導電膜の製膜基板などの用途に用いられるCOPの保護フィルムとして好適に用いられる二軸配向ポリエステルフィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける、150℃から50℃の降温時の寸法変化率が、それぞれ50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、かつ面配向係数(fn)が0.111以上0.145以下である二軸配向ポリエステルフィルム

請求項2

フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける、150℃から50℃の降温時の寸法変化率が、それぞれ50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、かつ、フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける130℃30分間での熱収縮率がそれぞれ1.0%以下である二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項3

面配向係数(fn)が0.120以上0.140以下である請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項4

フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)と、およびフィルム幅方向から45°をなす方向の130℃30分間での熱収縮率をそれぞれの方向で比較したとき、それらの差の絶対値がいずれも0%以上0.5%以下であり、かつそれらの平均値が0.5%以下であり、かつ、フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)と、およびフィルム幅方向から45°をなす方向の150℃から50℃の降温時の寸法変化率をそれぞれの方向で比較したとき、それらの差の絶対値がいずれも0ppm/℃以上10ppm/℃以下である、請求項1から3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項5

前記ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂結晶融解熱量が30J/g以下である請求項1から4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項6

前記ポリエステルフィルムが、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、フィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂の結晶融解熱量(ΔHmA)がいずれも30J/g以上であり、フィルムの両側の表層以外の層を構成するポリエステル樹脂の結晶融解熱量(ΔHmB)が30J/g以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項7

フィルムの両側の表層以外の層を構成するポリエステル樹脂が、テレフタル酸エチレングリコールを主たる構成成分とする樹脂であって、それ以外の構成単位としてイソフタル酸シクロヘキシレンジメタノールのうちいずれか1種類のみ、または2種類のみを含有する請求項6に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項8

前記ポリエステルフィルムが、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、フィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂の融点TmAがいずれも250℃以上280℃以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項9

ポリエステルフィルムの両側の表層の厚みの和と、表層以外の層の厚みの和の比(両側の表層の厚みの和/表層以外の層の厚みの和)が、1/9〜1/2である請求項6から8のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項10

非晶性樹脂からなるフィルムに貼り合わせる用途に用いられる1から9のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項11

シクロオレフィンポリマーCOP)からなるフィルムに貼り合わせる用途に用いられる請求項1から10のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

技術分野

0001

本発明は、機械特性加工性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関する。

背景技術

0002

ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(以下PETと略すことがある)や、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下PENを略すことがある)などは機械特性、熱特性耐薬品性電気特性成形性に優れ、様々な用途に用いられている。そのポリエステルフィルム化したポリエステルフィルム、中でも二軸配向ポリエステルフィルムは、その優れた機械的特性、加工性から、透明電極基板を加工工程中に傷つきなどから保護する工程フィルムとして使用されている。

0003

一般的に、ディスプレイなどで用いられる透明導電膜製膜基板(ITO(Indium Tin Oxide)蒸着基板など)においては、ITO膜導電性を上げるために一定温度での基板のキュア工程が必要となる。この工程では、該基板を保護フィルムにも同時に熱がかかる。そのため、透明導電膜の製膜基板と保護フィルムの熱特性、とくに150℃から50℃の降温時の寸法変化率線膨張係数(CTE))に差があると、透明導電膜の製膜基板の平面性が悪化したり、保護フィルムが剥がれて保護機能が低下する場合があるため、透明導電膜の製膜基板と保護フィルムの寸法変化率は近しい値をとることが好ましい。そのため、従来、透明導電膜の製膜基板には二軸配向したPETフィルムが用いられていたため(特許文献1)、保護フィルムもPETフィルムが用いられていることが多かった。

0004

しかしながら、近年では、ディスプレイの性能向上、薄膜化の観点から、透明導電膜の製膜基板にシクロオレフィンポリマーCOP)などの非晶性樹脂からなるフィルムが用いられる検討がなされている(特許文献2、3)。

先行技術

0005

特開2013−093310号公報
特開2013−114344号公報
特開2014−112510号公報

発明が解決しようとする課題

0006

透明導電膜の製膜基板に二軸配向したPETフィルムが用いられる場合、該基板の保護フィルムには二軸配向したPETを好適に使用することができる。しかしながら、透明導電膜の製膜基板にCOPからなるシートが用いられる場合、COPは一般的に非晶性樹脂であり、寸法変化率が二軸配向PETに比べて2〜3倍程度大きいため、二軸配向PETフィルムを保護フィルムとして用いると、透明導電膜の製膜基板の平面性が悪化したり、保護フィルムに剥がれが発生するという問題が発生する。

0007

一方、透明導電膜の製膜基板と保護フィルムの寸法変化率の差を小さくすることを考慮すると、COPからなるフィルムを保護フィルムとして用いることが考えられる。しかしながら、COPからなるフィルムを保護フィルムとして用いた場合、COPは非晶性樹脂であるため、二軸配向PETフィルムに比べて、靱性が低く可撓性に劣るため、加工工程中に割れが発生するという問題がある。

0008

本発明の課題は、かかる従来技術の背景に鑑み、透明導電膜の製膜基板などの用途に用いられるCOPの保護フィルムとして好適に用いられる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、[I]フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける、150℃から50℃の降温時の寸法変化率が、それぞれ50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、かつ面配向係数(fn)が0.111以上0.145以下である二軸配向ポリエステルフィルム。[II]フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける、150℃から50℃の降温時の寸法変化率が、それぞれ50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、かつ、フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける130℃30分間での熱収縮率がそれぞれ1.0%以下である二軸配向ポリエステルフィルム。[III]面配向係数(fn)が0.120以上0.140以下である[I]または[II]に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。[IV]フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)と、およびフィルム幅方向から45°をなす方向の130℃30分間での熱収縮率をそれぞれの方向で比較したとき、それらの差の絶対値がいずれも0%以上0.5%以下であり、かつそれらの平均値が0.5%以下であり、かつ、フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)と、およびフィルム幅方向から45°をなす方向の150℃から50℃の降温時の寸法変化率をそれぞれの方向で比較したとき、それらの差の絶対値がいずれも0ppm/℃以上10ppm/℃以下である、[I]〜[III]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。[V]前記ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の結晶融解熱量が30J/g以下である[I]〜[IV]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。[VI]前記ポリエステルフィルムが、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、フィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂の結晶融解熱量(ΔHmA)がいずれも30J/g以上であり、フィルムの両側の表層以外の層を構成するポリエステル樹脂の結晶融解熱量(ΔHmB)が30J/g以下であることを特徴とする[I]〜[V]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。[VII]フィルムの両側の表層以外の層を構成するポリエステル樹脂が、テレフタル酸エチレングリコールを主たる構成成分とする樹脂であって、それ以外の構成単位としてイソフタル酸シクロヘキシレンジメタノールのうちいずれか1種類のみ、または2種類のみを含有する[VI]に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。[VIII]前記ポリエステルフィルムが、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、フィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂の融点TmAがいずれも250℃以上280℃以下であることを特徴とする[I]〜[V]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。[IX]ポリエステルフィルムの両側の表層の厚みの和と、表層以外の層の厚みの和の比(両側の表層の厚みの和/表層以外の層の厚みの和)が、1/9〜1/2である[IV]〜[VIII]に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。[X]非晶性樹脂からなるフィルムに貼り合わせる用途に用いられる[I]〜[IX]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。[XI]シクロオレフィンポリマー(COP)からなるフィルムに貼り合わせる用途に用いられる[I]〜[IX]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。[XII]シクロオレフィンポリマー(COP)からなるフィルムを保護する用途に用いられる[I]〜[XI]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

発明の効果

0010

本発明によれば、COPやPC(ポリカーボネート)など非晶性樹脂からなるフィルムに近しい寸法変化率をもち、機械特性に優れ、加工性が良好な二軸配向ポリエステルフィルムが得られる。

0011

以下に具体例を挙げつつ、本発明について詳細に説明する。本発明のポリエステルフィルムは、機械特性の観点から、二軸配向ポリエステルフィルムであることが必要である。ここでいうポリエステルは、ジカルボン酸構成成分とジオール構成成分を有してなるものである。なお、本明細書内において、構成成分とはポリエステルを加水分解することで得ることが可能な最小単位のことを示す。本発明のポリエステルフィルムは、機械特性の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートの共重合体からなることが好ましい。

0012

本発明の1つの態様は、フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける、150℃から50℃の降温時の寸法変化率が、それぞれ50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、かつ面配向係数(fn)が0.111以上0.145以下である二軸配向ポリエステルフィルムである。

0013

一般的に、透明導電膜は、室温よりも温度が高い状態で基板上に製膜され、その後室温よりも温度が高い状態でキュアする工程を経て、室温まで冷却される降温過程を経る。つまり、透明導電膜の製膜後に、該基板の平面性を保つことが、透明導電膜が欠損して導電性が損なわれることを防ぐために重要である。該基板の保護用フィルムも、該工程を経ることになる。つまり、該基板の平面性を良好に保つためには、該基板の保護用フィルムの降温時の寸法変化率を、該基板に近しい値とすることが重要となる。

0014

近年、透明導電膜の製膜基板として、非晶性樹脂であるCOPからなるフィルムが広く用いられている。このCOPからなるフィルムの150℃から50℃の降温時の寸法変化率は、COPの分子骨格にもよるが、50ppm/℃以上150ppm/℃以下である。本発明のポリエステルフィルムの150℃から50℃の降温時の寸法変化率を上記COPからなるフィルムの寸法変化率と近しい範囲とすることによって、導電膜の製膜加工後に透明導電膜の製膜基板の平面性を損なうことなく、導電性を良好に保つことができる。特に好ましくは60ppm/℃以上110ppm/℃以下、さらに好ましくは80ppm/℃以上100ppm/℃以下である。

0015

なお、二軸配向ポリエステルフィルムの寸法変化率は、フィルムを構成するポリエステルの分子鎖配向によって決まる。すなわち、分子鎖が配向している場合には、分子鎖が熱によって自由に動くことができない結果、寸法変化率の値は低くなる。すなわち、一般的な二軸配向ポリエステルフィルムである場合、fnが0.145を超えるような分子鎖の配向度が高い場合には、寸法変化率の値は低く(50ppm/℃未満)なる。一方、fnが0.111未満であるようなフィルムの配向が十分でない場合は、機械特性、とくに破断伸度に劣る結果、加工性に劣る。また、フィルムの配向が十分でなく、分子鎖が非晶状態に近いため、フィルムに熱がかかった場合にランダムな粗大結晶が生じることでフィルムの透明性が損なわれるだけでなく、ランダムな粗大結晶によってその周囲に存在する分子鎖が固定される結果、寸法変化率の値も低くなる。したがって、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける、150℃から50℃の降温時の寸法変化率が、それぞれ50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、かつ面配向係数(fn)が0.111以上0.145以下である二軸配向ポリエステルフィルムとすることで、機械特性、加工性に優れ、かつ、加熱時においても高い透明性を維持したフィルムとすることができる。fnは、より好ましくは0.120以上0.140以下である。

0016

本発明のもう1つの態様は、フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける、150℃から50℃の降温時の寸法変化率が、それぞれ50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、かつ、フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)それぞれにおける130℃30分間での熱収縮率がそれぞれ1.0%以下である二軸配向ポリエステルフィルムである。上述のように、透明導電膜の製膜工程には、室温よりも温度が高い状態で透明導電膜を基板上に製膜する工程が含まれる。そのため、基板の保護フィルムの熱収縮率が大きい場合、基板の平面性が損なわれる場合がある。150℃から50℃の降温時の寸法変化率が上述の範囲にあり、かつ、130℃30分間での熱収縮率が上述の範囲にあるポリエステルフィルムをCOPフィルムの保護フィルムとして用いた場合、COPフィルムの平滑性が良好となり、またCOPとの貼り合わせが良好となる。はMD方向、TD方向の130℃30分間での熱収縮率がそれぞれ0.5%以下であるとより好ましい。熱収縮率の下限は、−0.2%であることが好ましい。−とは、膨張することを意味する。−0.2%を超えて膨張する場合には、基材と保護フィルムが剥がれる場合がある。

0017

本発明のポリエステルフィルムの寸法変化率および熱収縮率は、以下の要件を満たすことが好ましい。即ち、フィルム幅方向(TD方向)と、それと直角をなす方向(MD方向)と、およびフィルム幅方向から45°をなす方向の130℃30分間での熱収縮率をそれぞれの方向で比較したとき、それらの差の絶対値がいずれも(TD方向とMD方向の熱収縮率の差の絶対値、TD方向とTD方向から45°をなす方向の熱収縮率の差の絶対値、MD方向とTD方向から45°をなす方向の熱収縮率の差の絶対値)0%以上0.5%以下であり、かつそれらの平均値が0.5%以下であり、かつ150℃から50℃の降温時の寸法変化率をそれぞれの方向で比較したとき、それらの差の絶対値がいずれも(TD方向とMD方向の寸法変化率の差の絶対値、TD方向とTD方向から45°をなす方向の寸法変化率の差の絶対値、MD方向とTD方向から45°をなす方向の寸法変化率の差の絶対値)0ppm/℃以上10ppm/℃以下であることが好ましい。

0018

非晶性樹脂からなるシートを透明導電膜の製膜基板に用いる場合、通常は延伸しない状態で用いるため、非晶性樹脂からなるシートの熱に対する応答性(寸法変化率、熱収縮率)は等方的である。一方、二軸配向ポリエステルフィルムは、延伸方向であるフィルム幅方向(TD方向)、それと直角をなす方向(MD方向)と、その中間であるフィルム幅方向から45°をなす方向との間に、熱に対する応答性(寸法変化率、熱収縮率)に差が生じる。この差が大きいポリエステルフィルムを非晶性樹脂からなるシートとフィルムを貼り合わせて積層体として用いると、積層体にカールが生じる場合がある。上述の範囲を満たす二軸配向ポリエステルフィルムとすることで、非晶性樹脂からなるシートと貼りあわせて積層体としても、熱に対する応答性が近しいため、積層体のカールが抑制されるため、好ましい。

0019

また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの150℃30分間の熱収縮率は、MD、TD方向とも1.5%以下であることが好ましい。さらに好ましくは、150℃30分間の熱収縮率は、MD、TD方向とも−0.2%以上0.5%以下である。

0020

二軸配向ポリエステルフィルムの寸法変化率、面配向係数(fn)、熱収縮率を上述の範囲とするためには、例えば、以下(イ)の方法をとることができる。

0021

(イ)本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の結晶融解熱量を30J/g以下とし、後述の方法で二軸延伸する方法。

0022

二軸延伸する方法は、以下の方法をとることができる。

0023

まず、ポリエステル樹脂を押出機内で加熱溶融した後口金から吐出し、未延伸シートを得る。(1)溶融したポリエステルを口金から吐出して未延伸シートを作製する際に、表面温度10℃以上40℃以下に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸シートを作製する。(2)(1)で得られた未延伸シートを、下記(i)式を満たす温度T1n(℃)にて、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率8.5倍以上16.0倍以下に二軸延伸する。(i)Tg(℃)≦T1n(℃)≦Tg+40(℃)Tg:ポリエステルフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(℃)(3)(2)で得られた二軸延伸フィルムを、下記(ii)式を満足する温度(Th0(℃))で、1秒間以上30秒間以下の熱固定処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却することによって、ポリエステルフィルムを得る。(ii)Tm−60(℃)≦Th0(℃)≦Tm−20(℃)Tm:フィルムを構成する樹脂の融点(℃)(1)を満たす条件によって未延伸シートを得ることにより実質的に非晶のポリエステルフィルムを得ることができ、(2)以降の工程においてフィルムに配向を付与せしめ易くし、機械特性に良好なフィルムを得やすくすることができる。(2)を満たす条件によって二軸延伸フィルムを得ることにより、フィルムに適度な配向を付与せしめ、機械特性の良好なフィルムとすることができる。(3)を満たす条件によって結晶配向を完了させることにより、配向が形成されたポリエステル分子鎖の構造が安定し、機械特性、熱収縮率が良好なフィルムとすることができる。

0024

なお、(2)において、二軸延伸する方法としては、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(フィルムの長手方向に垂直な方向、TD)の延伸とを分離して行う逐次二軸延伸方法、長手方向と幅方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸方法のどちらを用いて行っても良い。また、延伸温度(T1n)(℃)がTg(℃)未満である場合、延伸することが困難である。T1n(℃)がTg+40(℃)を超える場合には、フィルム破れが頻発し、延伸によりフィルムを得ることができない場合がある。より好ましくは、Tg+10(℃)≦T1n(℃)≦Tg+30(℃)である。

0025

(3)の工程において、Th0が、Tm−20℃を超える場合、延伸によって付与したフィルムの配向が崩れ、熱収縮率が大きくなる場合がある。Th0がTm−60℃を下回る場合、分子鎖の構造が安定せず、平面性が悪化したり製膜性が悪化する。さらに、Th0の値を、Tm−30(℃)≦Th0(℃)≦Tm−20(℃)とすることにより、フィルム延伸時の分子鎖の緊張緩和され、熱収縮率を好ましい範囲とすることができる。(3)の工程において、フィルム幅方向の距離を2%から10%縮めるリラックス処理を施すこともできる。

0026

本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の結晶融解熱量は、30J/g以下であることが好ましい。結晶融解熱量が30J/gを超える場合には、樹脂の結晶性が高く、上述の方法で二軸延伸した場合であっても分子鎖の配向が強くなり、fnが大きく、寸法変化率は低くなる傾向となる。結晶融解熱量の下限は、好ましくは2J/g以上である。2J/gに満たない場合、製膜性に劣ったり、fnが好ましい範囲の下限値を下回る場合がある。ポリエステル樹脂の結晶融解熱量を30J/g以下にする方法としては、ポリエステル樹脂がPETである場合、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸を共重合する方法、ジオール成分としてシクロヘキサンジメタノールを共重合する方法などが挙げられる。これらは単独で共重合しても良いし、複数種類共重合しても構わない。単独で共重合する方が、結晶性の制御が容易であるため好ましい。特にイソフタル酸を共重合成分として用いる場合、テレフタル酸と構造が近しいため、延伸によって配向を付与してfnを好ましい範囲とすることが容易であるため、特に好ましい。共重合量としては、共重合成分の合計が、ポリエステルの構成成分の全量に対して7mol%以上20mol%以下であることが好ましい。

0027

さらに好ましい実施形態の方法として、フィルムを以下(ロ)の構成とする方法が挙げられる。

0028

(ロ)ポリエステルフィルムを、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムとし、フィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂の結晶融解熱量(ΔHmA)をいずれも30J/g以上、かつフィルムの両側の表層以外の層を構成するポリエステル樹脂の結晶融解熱量(ΔHmB)を30J/g以下とすること。

0029

該構成とした場合、フィルムの両側の表層は、それ以外の層に比べて結晶性が高く、より配向がつきやすい。そのため、該層に追随してそれ以外の層の配向性も高くなり、フィルム全体の配向性が向上する結果、機械特性が向上して加工性が向上するため好ましい。また、配向性が向上する結果、フィルムに熱がかかった場合の白化が抑えられるため好ましい。ΔHmAは、31J/g以上60J/g以下であることが好ましく、ΔHmBは、2J/g以上30J/g未満であることが好ましい。この構成をとる場合、両側の表層を構成する樹脂の配向性を高めるため、延伸温度は以下(iii)式を満たすことが好ましい。(iii)TgA(℃)≦T1n(℃)≦TgA+40(℃)TgAは、フィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温度をあらわす。なお、本発明のポリエステルフィルムの両側の表層が異なる組成のポリエステル樹脂からなるフィルムである場合(例えば、A/B/C)、両側の表層を構成するポリエステル樹脂のTgのうち、高い方の温度が(iii)式を満たすことが好ましい。さらに、本発明のポリエステルフィルムが、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムである場合、フィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂の融点TmAがいずれも250℃以上280℃以下とすることも好ましい実施形態である。

0030

TmAの値が250℃以下である場合、製膜中の熱処理などで熱を受けた場合、平面性が悪化したり、製膜性が悪化することがある。フィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂の融点TmAがいずれも250℃以上280℃以下である3層積層ポリエステルフィルムとすると、平面性、製膜性が良好となるため、特に好ましい。

0031

本発明のフィルムが3層以上の積層ポリエステルフィルムである場合、ポリエステルフィルムの両側の表層の厚みの和と、表層以外の層の厚みの和の比(両側の表層の厚みの和/表層以外の層の厚みの和)が、1/9〜1/2であることが好ましい。

0032

表層の厚みが薄く、両側の表層の厚みの和と表層以外の層の厚みの和の比が1/9を下回る場合、積層による製膜性向上、機械特性向上の効果が得られない場合がある。一方、表層の厚みが厚く、両側の表層の厚みの和と表層以外の層の厚みの和の比が1/2を超える場合、表層の配向性の影響を強く受け、内層が無理に延伸される結果、フィルム製膜性が悪くなる場合がある。

0033

熱収縮率をより好ましい範囲とするため、以下(ハ)の工程を経ることも好ましい実施形態である。

0034

(ハ)(イ)または(ロ)の方法によって得られたフィルムを、下記(iv)式を満たす熱処理温度Th1(℃)にて、70秒以上600秒以下の時間で、アニールする。当該アニール処理を行う方法としては、フィルム巻きだしロールフィルム巻き取りロールの間に設置されたオーブンでフィルムを熱処理する(オフアニール)方法が挙げられる。(iv)120℃≦Th1(℃)≦Th0(熱固定温度)(℃) Th1(℃)がTh0(熱固定温度)(℃)を超える場合、(4)の工程において、(3)の工程で固定化されたフィルム内の分子鎖の構造が破壊される結果、フィルムが大きく収縮することとなり、平面性が悪化する場合がある。一方、Th1(℃)が120℃を下回る場合、130℃での熱収縮率を好ましい範囲とすることができない場合がある。

0035

(ハ)の工程を経ることで、(イ)、(ロ)の工程にてフィルムを構成する分子鎖に残存する応力を取り除くことができ、熱収縮率の低減と等方性、および寸法変化率の等方性が得られるため、本発明の好ましい実施形態である。特に、(ロ)の方法で得られたフィルムである場合、TmAが250℃以上280℃以下となる樹脂を両表層に配されているため、(ハ)の工程で熱を加えた場合において、フィルムの配向が崩れることなく、熱収縮率のみ低減できるため好ましい。

0036

本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは、30μm以上150μm以下であることが好ましい。30μmに満たないと、保護フィルムとして用いた場合に破れが発生しやすくなる場合があり、150μmを超えると、ハンドリング性に劣る場合がある。より好ましくは、50μm以上125μm以下である。

0037

本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、100℃12hr処理前後でのヘイズ変化量(Δヘイズ)が2%以下であることが好ましい。Δヘイズを上記の範囲とすることで、本発明のフィルムと非晶性樹脂からなるシートとを貼り合わせた場合でも、非晶樹脂からなるシートを本発明のフィルムを通しても視認することができるため好ましい。Δヘイズが大きくなる要因としては、加熱によってフィルム非晶部が粗大結晶となることや、加熱によってフィルム表面へオリゴマー析出することが考えられる。前者では、フィルムに配向を付与し、fn0.111以上とする方法や、後者ではフィルムを積層構成とし、最表層を構成する樹脂を、固相重合することでオリゴマー含有量を低減した樹脂を用いることでオリゴマー析出を低減することによって、Δヘイズを小さくすることができる。

0038

以上のようにして得られる本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、機械特性、加工性にすぐれ、150℃から50℃の降温時の寸法変化率の値が非晶性樹脂からなるフィルムに近いことから、非晶性樹脂からなるフィルムに貼りあわせる用途に好ましく用いられる。特にCOPからなるフィルムの保護フィルム用途として好適に用いることができる。また、加熱時においても透明性に優れることから、透明導電膜製膜に用いられるCOPフィルムの保護フィルムの用途として好適に用いることができる。

0039

[特性の評価方法] A.フィルム、各層を構成する樹脂の融点(Tm、TmA、TmB)(℃)試料を、JIS K 7121(1999)に基づいた方法により、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッションSSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。サンプパンに試料を5mgずつ量し、試料を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱し(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷する。直ちに引き続いて、再度25℃から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って測定を行い、2ndRUNの示差走査熱量測定チャート縦軸熱エネルギー横軸を温度とする)を得る。当該2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、吸熱ピークである結晶融解ピークにおけるピークトップの温度を求め、これを融点(℃)とする。2以上の結晶融解ピークが観測される場合は、最もピーク面積の大きいピークトップの温度を融点とする。積層ポリエステルフィルムの各層を構成する樹脂の融点を測定する場合は、積層ポリエステルフィルムからミクロトームを用いて各層を構成する樹脂のみ削りだし、測定に供する。

0040

B.フィルム、各層を構成する樹脂の結晶融解熱量(ΔHm、ΔHmA、ΔHmB)(J/g)試料を、JIS K 7121(1999)に基づいた方法により、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置“ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション“SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。サンプルパンに試料を5mgずつ秤量し、試料を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱し(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷する。直ちに引き続いて、再度25℃から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って測定を行い、2ndRUNの示差走査熱量測定チャート(縦軸を熱エネルギー、横軸を温度とする)を得る。当該2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、吸熱ピークのピーク面積を求め、結晶融解熱量とする。2以上の結晶融解ピークが観測される場合は、最も温度が高いピーク面積を結晶融解熱量とし、2以上のピークを分離できない場合は2つのピークを合わせてピーク面積を求める。積層ポリエステルフィルムの各層を構成する樹脂の結晶融解熱量を測定する場合は、積層ポリエステルフィルムからミクロトームを用いて各層を構成する樹脂のみ削りだし、測定に供する。

0041

C.フィルム、最表層を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg、TgA)((℃) JIS K 7121(1999)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。

0042

サンプルパンに試料を5mg秤量し、試料を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱し(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷する。直ちに引き続いて、再度25℃から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って測定を行い、2ndRUNの示差走査熱量測定チャート(縦軸を熱エネルギー、横軸を温度とする)を得る。当該2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、ガラス転移階段状の変化部分において、各ベースライン延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状の変化部分の曲線とが交わる点から求める。2以上のガラス転移の階段状の変化部分が観測される場合は、それぞれについて、ガラス転移温度を求め、それらの温度を平均した値を試料のガラス転移温度(Tg)(℃)とする。積層ポリエステルフィルムの最表層を構成する樹脂のガラス転移温度を測定する場合は、積層ポリエステルフィルムからミクロトームを用いて最表層を構成する樹脂のみ削りだし、測定に供する。

0043

D.フィルムの面配向係数(fn)JIS K 7105(1999)に準じて、アタゴ(株)製アッベ式屈折率計を用いて20℃での屈折率を求める。フィルムの表面の長手方向屈折率(Nmd),幅方向屈折率(Nd),厚み方向屈折率(Nz)を測定し、面配向係数(fn)を算出する。測定は、n=5で実施し、その平均値として算出する。(v)fn=(Nmd+Ntd)/2−Nz E.フィルムの熱収縮率(%)JIS C 2318(1997)に準じて、フィルムの熱収縮率を測定する。フィルムを幅10mm、長さ150mmの短冊状に切り出す。測長部分がおおよそ100mmになるようにフィルムに標線をつけて標線の長さを23℃の条件下にて測定し、L0とする。その後、所定の温度(200℃または220℃)に熱した熱風オーブン内に2gのおもりをつけてフィルムを吊し、30分間放置する。フィルムをオーブンから取りだして23℃まで冷却した後、標線の長さを測定し、L1とする。下記(vi)式によりフィルムの収縮率を求める。測定は、フィルム長手方向またはフィルム幅方向が150mmの長さになるようにランダムに5箇所切り出して測定する。長手方向、幅方向それぞれに平均値を算出し、フィルムの熱収縮率とする。(vi)(フィルム熱収縮率)=(L0−L1)/L0×100 F.フィルムの厚み(μm)フィルム厚みは、ダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992年)A−2法に準じて、フィルムを10枚重ねた状態で任意の5ヶ所について厚さを測定した。その平均値を10で除してフィルム厚みとした。

0044

G.積層ポリエステルフィルムの各層の厚み(μm)フィルムが積層フィルムである場合、下記の方法にて、各層の厚みを求めた。フィルム断面を、フィルム幅方向に平行な方向にミクロトームで切り出す。該断面を走査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で観察し、積層各層の厚み比率を求める。求めた積層比率と上記したフィルム厚みから、各層の厚みを算出する。

0045

H.製膜性 製膜中にフィルムが1時間に破れる回数を数え、1回未満であるものをA、1回以上5回未満であるものをB、5回以上であるものをCとして評価する。Aが最も製膜性がよく、Cが最も劣る。

0046

I.150℃から50℃までの降温時の寸法変化率(ppm/℃)JIS K7197(1991)に準じて、熱機械測定装置TMA/SS6000(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、試料幅4mmとして、試料長さ(チャック間距離)20mmのサンプルに対し、荷重3gを負荷する。室温から160℃まで昇温速度10℃/分で昇温させ、10分間保持し、その後、20℃まで10℃/分で降温させ、各温度(℃)における試料の寸法の値を得る。150℃における試料の寸法L(150℃)(mm)と、50℃における試料の寸法L(50℃)(mm)から、下記(vii)式から算出する。なお、寸法変化率は、フィルム幅方向(TD)およびそれに直交する方向(MD)それぞれについて、n=5で実施し、その平均値として算出する。(vii)寸法変化率(ppm/℃)=106×(L(150℃)−L(50℃)))/{20×(150−50)} J.Δヘイズ(100℃12hr処理前後でのヘイズ変化量)(%)フィルムを1辺10cmの正方形状に切り出し、日本電色(株)製ヘイズメーターNDH−5000を用い、ランダムに3カ所のヘイズを測定して平均値を算出し、試験前のヘイズH0(%)とする。該サンプルを23℃65%RHに保たれた部屋に静置したタバイエスペック(株)製オーブンにて、試料の4辺を固定して100℃10%RH以下の乾熱条件下12時間熱処理する。熱処理した後のフィルムのヘイズを同様に測定し、H1(%)を求める。Δヘイズ(ΔH)を下記式(viii)により求める。(viii)Δヘイズ(%)=H1−H0Δヘイズの値で、以下のように判定する。A;Δヘイズ1.5%以下B;Δヘイズ1.5%を超えて2.0%以下C;Δヘイズ2.0%を超えるAが最も優れ、Cが最も劣る。

0047

K.加工性加工性は、フィルムの幅方向(TD)およびそれに直角をなす方向(MD)それぞれの方向の破断伸度(%)をn5にて求め、それらの平均値で以下のように判定する。A;破断伸度120%以上B;破断伸度105%以上120%未満C;破断伸度90%以上105%未満D;破断伸度75%以上90%未満E;破断伸度75%未満Aが最も優れ、Eが最も劣る。

0048

破断伸度保持率は以下のように測定する。フィルムを1cm×15cmの大きさに、長辺がフィルムのMD・TDに平行となるようにそれぞれ切り出し、ASTM−D882(1997)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/分にて引っ張ったときの破断伸度を測定する。なお、サンプル数はn=5とし、また、フィルムの長手方向、幅方向のそれぞれについて測定した後、それらの平均値を求め、これをフィルムの破断伸度とする。L.COPフィルムとの貼り合わせ評価 本発明のフィルムを20cm×20cmの大きさに切り出し、COPフィルムと貼り合わせて積層体を作成した後、120℃のオーブン内に入れ、1時間静置した。その後、オーブンの温度を20℃/分の速度で室温まで冷却した。その後、本発明のフィルムとCOPフィルムを貼り合わせた積層体の、3cm以上の長さを持つシワの数を計測し、以下のように判定する。評価はn=5で実施し、それらの平均値で評価を行った。

0049

4本未満;S4本以上10本未満;A 10本以上16本未満;B 16本以上;CSが最も優れ、Cが最も劣る。COPフィルムとして、日本ゼオン社製“ゼオノアZF14”、厚み40μmのフィルムを用いる。貼り合わせには、粘着剤として東レコテックス社製“レオコート”R5000を、粘着剤含有量が15%となるように調整したトルエン溶液に、該トルエン溶液100質量部に対して、東レコーテックス社製架橋剤“コロネートL”を3質量部添加したものを、乾燥後の塗布厚みが10μmとなるように塗布したものを用いる。

0050

M.COPフィルムとの積層体のカール性L.項で作製した積層体を、120℃のオーブン内に入れ、1時間静置した。その後、オーブンの温度を20℃/分の速度で室温まで冷却し、1時間放置した。その後、フィルムを水平な面の上に、COPフィルムが上側となるように置き、積層体の4隅の水平な面からの浮きの量を測定し、平均値を求め、カール量(mm)として以下のように判定する。上述の方法で水平な面から積層体の4隅が浮かない場合、カール量は0mmとする。

0051

0mm以上10mm未満;A 10mm以上25mm未満;B 25mm以上40mm未満;C 40mm以上55mm未満;D 55mm以上;E。

0052

なお、上記の測定において、測定するフィルムの長手方向や幅方向が分からない場合は、フィルムにおいて最大の屈折率を有する方向を長手方向、長手方向に直行する方向を幅方向とみなす。また、フィルムにおける最大の屈折率の方向は、フィルムの全ての方向の屈折率を屈折率計で測定して求めてもよく、位相差測定装置複屈折測定装置)などにより遅相軸方向を決定することで求めてもよい。

0053

以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。[PET−1の製造]テレフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモン触媒として、常法により重合を行い、溶融重合PETを得た。得られた溶融重合PETのガラス転移温度は80℃、融点は255℃、固有粘度は0.62であった。[PET−2の製造]PET−1を常法により固相重合せしめ、PET−Aを得た。得られたPET−Aのガラス転移温度は82℃、融点は255℃、固有粘度は0.85であった。[PET−Aの製造]テレフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、イソフタル酸共重合量がジガルボン酸成分全量に対して7mol%となるように常法により重合を行い、共重合PETを得た。得られた共重合PETのガラス転移温度は77℃、融点は243℃、固有粘度は0.62であった。[PET−Bの製造]テレフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、イソフタル酸共重合量がジガルボン酸成分全量に対して10mol%となるように常法により重合を行い、共重合PETを得た。得られた共重合PETのガラス転移温度は76℃、融点は235℃、固有粘度は0.62であった。[PET−Cの製造]テレフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、イソフタル酸共重合量がジガルボン酸成分全量に対して15mol%となるように常法により重合を行い、共重合PETを得た。得られた共重合PETのガラス転移温度は74℃、融点は230℃、固有粘度は0.62であった。[PET−Dの製造]テレフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、イソフタル酸共重合量がジガルボン酸成分全量に対して20mol%となるように常法により重合を行い、共重合PETを得た。得られた共重合PETのガラス転移温度は73℃、融点は220℃、固有粘度は0.62であった。[PET−Eの製造]テレフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、イソフタル酸共重合量がジガルボン酸成分全量に対して25mol%となるように常法により重合を行い、共重合PETを得た。得られた共重合PETのガラス転移温度は70℃、融点は観察されなかった。固有粘度は0.62であった。[PET−Fの製造]テレフタル酸、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、シクロヘキサンジメタノール共重合量がジオール成分全量に対して10mol%となるように常法により重合を行い、共重合PETを得た。得られた共重合PETのガラス転移温度は72℃、融点は235℃、固有粘度は0.62であった。[PET−Gの製造]テレフタル酸、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、シクロヘキサンジメタノール共重合量がジオール成分全量に対して20mol%となるように常法により重合を行い、共重合PETを得た。得られた共重合PETのガラス転移温度は70℃、融点は221℃、固有粘度は0.62であった。

0054

(実施例1) PET−Aを、160℃で2時間真空乾燥した後押出機に投入し、押出機内で溶融させ、表面温度25℃のキャスティングドラム上に押し出し、未延伸シートを作製した。続いて該シートを加熱したロール群予熱した後、90℃の温度で幅方向に直角な方向(MD方向)に3.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップ把持しながらテンター内の100℃の温度の加熱ゾーンでフィルム幅方向(TD方向)に3.6倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで210℃の温度で10秒間の熱固定を施した。熱固定の工程において、フィルム幅方向に2%のリラックス処理を施した。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表に示す。寸法変化率はMD方向、TD方向いずれも50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、COPとの貼り合わせに優れるフィルムであった。また、加工性に優れ、加熱によるヘイズ変化も小さいフィルムであった。

0055

(実施例2−5、比較例1、2)フィルムを構成する樹脂を表の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表に示す。実施例2から5では、fn、寸法変化率が好適な範囲にあり、加工性に優れ、加熱によるヘイズ変化も小さいフィルムであった。比較例1では、樹脂の結晶性が高くΔHmが大きい結果、フィルムのfnが大きくなり、寸法変化率が小さいフィルムであった。比較例2では、ΔHmが観察されないほど樹脂の結晶性が低いため、fnが小さくなり、寸法変化率が小さいフィルムであり、COPとの貼り合わせに劣るフィルムであった。さらに、fnが小さいため加工性に劣り、加熱によるヘイズ変化も大きいフィルムであった。

0056

(実施例6) A/B/Aの3層構成とし、表層を構成する樹脂として、PET−2を100質量部とし、160℃で2時間真空乾燥した後押出機1に投入した。また、内層を構成する樹脂としてPET−A100質量部を160℃で2時間真空乾燥した後、押出機2に投入した。押出機内でそれぞれの原料を溶融させ、合流装置で押出機1に投入した樹脂がフィルムの両表層となるように合流させ、表面温度25℃のキャスティングドラム上に押し出し、3層構造をもつ積層シートを作製した。続いて該シートを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で長手方向(MD方向)に3.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の100℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に3.6倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで210℃の温度で10秒間の熱固定を施した。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って、積層ポリエステルフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。寸法変化率はMD方向、TD方向いずれも50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、COPとの貼り合わせに優れるフィルムであった。また、加工性に優れ、加熱によるヘイズ変化も小さいフィルムであった。表層にPET−2を用いることで、より加工性に優れ、加熱によるヘイズ変化も小さいフィルムとすることができることがわかった。

0057

(実施例7−21)樹脂の組成、製膜条件を表の通りに変えた以外は、実施例6と同様に製膜を行った。フィルムの特性を表に示す。寸法変化率はMD方向、TD方向いずれも50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、COPとの貼り合わせに優れるフィルムであった。また、加工性に優れ、加熱によるヘイズ変化も小さいフィルムであった。

0058

(実施例22−24) 実施例22では実施例6で得られたフィルム、実施例23では実施例7で得られたフィルム、実施例24では実施例8で得られたフィルムをそれぞれ用い、それぞれ得られたフィルムをフィルム巻きだしロールとフィルム巻き取りロールの間に設置された熱風オーブンにて、140℃の温度にて、フィルムが熱処理される時間が5分となるようにアニール処理を施し、厚み125μmのフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。寸法変化率はMD方向、TD方向いずれも50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、130℃30分間の熱収縮率も小さいフィルムであり、COPとの貼り合わせに特に優れるフィルムであった。また、加工性に優れ、加熱によるヘイズ変化も小さいフィルムであった。また、MD方向、TD方向、45°方向の熱収縮率平均値が0.5%以下、それぞれの熱収縮率の差の絶対値も0.5%以下、それぞれの方向の寸法変化率の差の絶対値も10以下であり、COPとの積層体のカール性も良好であった。

0059

(比較例3−7)樹脂の組成、製膜条件を表の通りに変えた以外は、実施例6と同様に製膜を行った。フィルムの特性を表に示す。比較例3、7では、樹脂の結晶性が高くΔHmBが大きい結果、フィルムのfnが高くなり、寸法変化率も小さいフィルムであった。比較例4では、ΔHmが観察されないほど結晶性が低くいため、fnが小さくなり、寸法変化率が小さいフィルムであった。さらに、fnが小さいため加工性に劣り、加熱によるヘイズ変化も大きいフィルムであった。比較例5、6では、製膜中の熱処理温度が高く、フィルムの配向が乱される結果fnが極端に低くなり、破断伸度が低下して加工性に劣るだけでなく、加熱によるΔヘイズの大きいフィルムであった。

0060

(実施例26)樹脂の組成、製膜条件を表の通りに変えた以外は、実施例6と同様に製膜を行った。フィルム特性を表に示す。寸法変化率はMD方向、TD方向いずれも50ppm/℃以上130ppm/℃以下であり、COPとの貼り合わせに優れるフィルムであった。また、加工性に優れ、加熱によるヘイズ変化も小さいフィルムであった。

0061

(実施例25、27−36) 実施例25は実施例2のフィルムを、実施例27は実施例26のフィルムを、実施例28は実施例9のフィルムを、実施例29は実施例11のフィルムを、実施例30は実施例12のフィルムを、実施例31は実施例14のフィルムを、実施例32は実施例15のフィルムを、実施例33は実施例16のフィルムを、実施例34は実施例18のフィルムを、実施例35は実施例19のフィルムを、実施例36のフィルムは実施例20のフィルムを用い、それぞれ得られたフィルムをフィルム巻きだしロールとフィルム巻き取りロールの間に設置された熱風オーブンにて、140℃の温度にて、フィルムが熱処理される時間が5分となるようにアニール処理を施した。

0062

実施例29、30、31、34から36では、MD方向、TD方向、45°方向の熱収縮率平均値が0.5%以下、それぞれの熱収縮率の差の絶対値も0.5%以下、それぞれの方向の寸法変化率の差の絶対値も10以下であり、COPとの積層体のカール性も良好であった。

0063

実施例25では、単膜であるため熱収縮率が低減できず、カール性にやや劣ったが実使用上問題の無いレベルであった。実施例27では、共重合成分が複数種類あるため熱収縮率が低減できず、カール性はやや劣ったが実使用上問題の無いレベルであった。実施例28では、fnが小さく非晶性が強いため熱収縮率が低減できず、カール性はやや劣ったが実使用上問題の無いレベルであった。実施例32、33では、各方向における寸法変化率の差が大きく、カール性にやや劣ったが実使用上問題の無いレベルであった。

0064

0065

0066

0067

0068

0069

0070

0071

0072

0073

0074

実施例

0075

0076

本発明のポリエステルフィルムは、機械特性、加工性に優れており、150℃から50℃の降温時の寸法変化率が非晶性樹脂からなるフィルムに近いことから、非晶性樹脂からなるフィルムに貼りあわせる用途に好適に用いることができる。また、加熱時においても透明性に優れることから、特に透明導電膜製膜に用いられるCOPフィルムの保護フィルムの用途として好適に用いることができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ