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技術 電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置及び電力システム

出願人 株式会社村田製作所
発明者 高橋秀俊三田和隆西山祥一
出願日 2016年6月2日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2017-501051
公開日 2017年6月22日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 WO2016-199384
状態 特許登録済
技術分野 電池の接続・端子 電池の電槽・外装及び封口 二次電池(鉛及びアルカリ蓄電池)
主要キーワード 周側片 カットバリ Vカット 部材厚み 箔構造 リード抵抗 導出位置 カット端
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

電極合材がひと続きでそれぞれ塗布された正極及び負極を捲回し外装部材に収容した電池において、正極及び負極のそれぞれの巻外側片面塗布部の箔露出面側同士が、絶縁体を介して対向する部分を有する電池である。図7

概要

背景

充放電関与しない部材の電池パック内に占める割合を下げることで、電池エネルギー密度を向上することができる。しかしながら、箔やセパレータの厚みを薄くすると刺し安全性が低下するため、安全性の確保された電池にするためにはこれらの部材の厚みを一定以上に保つ必要があった。

これまでに、捲回構造の電池の最外周に、活物質含有塗膜の形成されていない正極集電体負極集電体をセパレータを介して配置する構造(以下「箔巻構造」とする)が提案されている(例えば特許文献1参照)。

概要

電極合材がひと続きでそれぞれ塗布された正極及び負極を捲回し外装部材に収容した電池において、正極及び負極のそれぞれの巻外側片面塗布部の箔露出面側同士が、絶縁体を介して対向する部分を有する電池である。

目的

本技術は、従来の箔巻構造に比して、安全性を確保したままよりエネルギー密度を向上することができる電池、電池パック電子機器電動車両蓄電装置及び電力システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極回体を有する電池において、前記正極は、前記電極捲回体の外周部において、正極集電体の一面に正極活物質層が形成されるとともに、前記正極集電体の他面に正極活物質層が形成されていない第1の露出面を有し、前記負極は、前記電極捲回体の外周部において、負極集電体の一面に負極活物質層が形成されるとともに、前記負極集電体の他面に負極活物質層が形成されていない第2の露出面を有し、前記第1及び第2の露出面が、前記セパレータを介して対向している電池。

請求項2

前記捲回電極体の外周部において、前記第1の露出面又は前記第2の露出面の少なくとも一部に第1の被覆材が配置された請求項1に記載の電池。

請求項3

前記第1の被覆材は少なくとも第1の基材を有し、前記第1の基材の融点と前記第1の基材の厚みとを掛け合わせた値は、4.6[℃・mm]未満である請求項2に記載の電池。

請求項4

前記正極は、前記電極捲回体の内周部において、正極集電体の少なくとも一面に正極活物質層が形成されていない第3の露出面を有し、前記負極は、前記電極捲回体の内周部において、負極集電体の少なくとも一面に負極活物質層が形成されていない第4の露出面を有し、前記第3及び第4の露出面が、前記セパレータを介して対向している請求項1に記載の電池。

請求項5

前記第3の露出面又は前記第4の露出面の少なくとも一部に第2の被覆材が配置された請求項4に記載の電池。

請求項6

前記第2の被覆材は少なくとも第2の基材を有し、前記第2の基材の融点と前記第2の基材の厚みとを掛け合わせた値は、14.0[℃・mm]未満である請求項5に記載の電池。

請求項7

前記第1及び第2の露出面の対向部分は屈曲部を備え、前記捲回方向に向かって見たときの、前記対向部分の開始部の電極素子幅方向の位置から、前記屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置までの長さをXと定義し、前記屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置から、前記対向部分の終端部の電極素子幅方向の位置までの長さをYと定義したとき、X≧Yの関係を満たすようにした請求項1に記載の電池。

請求項8

前記電池は外装部材を備え、前記外装部材がラミネートフィルムである請求項1に記載の電池。

請求項9

前記正極及び前記負極がそれぞれ電極リードを備え、少なくとも一方の前記電極リードの前記捲回電極体内の長さが、前記捲回電極体の高さの半分を超えている請求項1に記載の電池。

請求項10

前記正極及び前記負極がそれぞれ電極リードを備え、前記第1又は第2の露出面の対向部分は屈曲部を備え、少なくとも一方の前記電極リードの電極素子幅方向の位置が、前記対向部分の一方の端の電極素子幅方向の位置と、他方の端の電極素子幅方向の位置との間になるように、前記少なくとも一方の電極リードを配置した請求項1に記載の電池。

請求項11

正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極捲回体を有する電池において、前記正極は、前記電極捲回体の外周部において、正極集電体の一面に正極活物質層が形成されるとともに、前記正極集電体の他面に正極活物質層が形成されていない第1の露出面を有し、前記第1の露出面は、前記負極集電体のうち、両面に負極活物質層が設けられていない領域に、前記セパレータを介して対向している電池。

請求項12

正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極捲回体を有する電池において、前記負極は、前記電極捲回体の外周部において、負極集電体の一面に負極活物質層が形成されるとともに、前記負極集電体の他面に負極活物質層が形成されていない第2の露出面を有し、前記第2の露出面は、前記正極集電体のうち、両面に正極活物質層が設けられていない領域に、前記セパレータを介して対向している電池。

請求項13

請求項1に記載の電池と、前記電池を制御する制御部と、前記電池を内包する外装とを有する電池パック

請求項14

請求項1に記載の電池から電力の供給を受ける電子機器

請求項15

請求項1に記載の電池と、前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、前記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する電動車両

請求項16

請求項1に記載の電池を有し、前記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置

請求項17

他の機器ネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を有し、前記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、前記電池の充放電制御を行う請求項16に記載の蓄電装置。

請求項18

請求項1に記載の電池から電力の供給を受ける電力システム

請求項19

発電装置又は電力網から前記電池に電力が供給される請求項18に記載の電力システム。

技術分野

0001

本技術は、電極合材が塗布された電極を捲回してラミネート外装に収容した電池電池パック電子機器電動車両蓄電装置及び電力システムに関する。

背景技術

0002

充放電関与しない部材の電池パック内に占める割合を下げることで、電池のエネルギー密度を向上することができる。しかしながら、箔やセパレータの厚みを薄くすると刺し安全性が低下するため、安全性の確保された電池にするためにはこれらの部材の厚みを一定以上に保つ必要があった。

0003

これまでに、捲回構造の電池の最外周に、活物質含有塗膜の形成されていない正極集電体負極集電体をセパレータを介して配置する構造(以下「箔巻構造」とする)が提案されている(例えば特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開平11−176478号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載のものは、円筒型電池であり、ラミネートフィルムのような外装材被覆する電池とは異なる構造のものである。さらに、実際に箔巻構造の電池を作製した場合、最外周に正負極集電体を配置しない場合と比べ安全性は向上するものの、最外周に充放電に寄与しない集電体体積が増えることになるので、エネルギー密度が低下する問題があった。

0006

本技術は、従来の箔巻構造に比して、安全性を確保したままよりエネルギー密度を向上することができる電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置及び電力システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上述した課題を解決するために、本技術は、正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極捲回体を有する電池において、
正極は、電極捲回体の外周部において、正極集電体の一面に正極活物質層が形成されるとともに、正極集電体の他面に正極活物質層が形成されていない第1の露出面を有し、
負極は、電極捲回体の外周部において、負極集電体の一面に負極活物質層が形成されるとともに、負極集電体の他面に負極活物質層が形成されていない第2の露出面を有し、
第1及び第2の露出面が、セパレータを介して対向している電池である。
本技術は、正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極捲回体を有する電池において、
正極は、電極捲回体の外周部において、正極集電体の一面に正極活物質層が形成されるとともに、正極集電体の他面に正極活物質層が形成されていない第1の露出面を有し、
第1の露出面は、負極集電体のうち、両面に負極活物質層が設けられていない領域に、セパレータを介して対向している電池である。
本技術は、正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極捲回体を有する電池において、
負極は、電極捲回体の外周部において、負極集電体の一面に負極活物質層が形成されるとともに、負極集電体の他面に負極活物質層が形成されていない第2の露出面を有し、
第2の露出面は、正極集電体のうち、両面に正極活物質層が設けられていない領域に、セパレータを介して対向している電池である。
本技術の電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置及び電力システムは、上述の電池を備えるものである。

発明の効果

0008

少なくとも一つの実施形態によれば、集電体露出面の裏面は電極活物質層が塗布してあるため電池としての機能を有するので、安全性を確保しつつ、エネルギー密度を高くすることができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であっても良い。

図面の簡単な説明

0009

本技術を適用できる電池の説明に使用する斜視図である。
捲回電極体の説明に使用する断面図である。
捲回電極体の一部の拡大断面図である。
従来の捲回電極体の一例の説明に使用する断面図である。
従来の捲回電極体の他の例の説明に使用する断面図である。
本技術が適用された捲回電極体の一例の断面図である。
本技術が適用された捲回電極体の他の例の断面図である。
エネルギー密度に関する実験結果のグラフである。
釘刺しOK電圧に関する実験結果のグラフである。
本技術が適用された捲回電極体の他の例のより詳細な断面図である。
本技術が適用された捲回電極体の他の例のより詳細な断面図である。
箔巻構造に関する説明のための断面図である。
本技術が適用された捲回電極体の説明のための断面図である。
従来の捲回電極体(通常構造)の厚みに関する説明に使用する略線図である。
従来の捲回電極体(箔巻構造)の厚みに関する説明に使用する略線図である。
本技術が適用された捲回電極体の厚みに関する説明に使用する略線図である。
本技術が適用された捲回電極体の厚みに関する説明に使用する略線図である。
電池パックの電極リードを説明するための斜視図である。
電極リードの捲回電極体内長さについて説明するための略線図である。
電極リードを設ける位置について説明するための略線図である。
電極リードの捲回電極体内長さについて説明するための略線図である。
実施例の捲回電極体の説明のための断面図である。
実施例の捲回電極体の説明のための断面図である。
釘刺しに対する安全性を高めるための構成例を示す略線図である。
短絡解除を抑制するための構成例を示す略線図である。
2個の捲回電極体を共通の外装部材収納した構成を説明するための略線図である。
リード接続方法の複数の例を示す略線図である。
実施例中のセル間のリード抵抗を説明するのに使用する略線図である。
実施例中のセル間のリード抵抗を説明するのに使用する略線図である。
本技術が適用された電池パックの回路構成例を示すブロック図である。
本技術が適用された住宅用の蓄電システムを示す概略図である。
本技術が適用されたシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す概略図である。

実施例

0010

以下、本技術の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本技術の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本技術の範囲は、以下の説明において、特に本技術を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
本技術の説明は、以下の順序にしたがってなされる。
<1.電池の一例>
<2.本技術の一実施の形態>
<3.応用例>
<4.変形例>

0011

<1.電池の一例>
本技術を適用できるラミネートフィルム型の電池の一例について以下に説明する(例えば特開2001−266946号公報参照)。本技術は、電極活物質層がひと続きで塗布された正負極を捲回し外装部材に収容した電池に関するものである。図1は、かかる非水電解質電池21の構成を表すものである。この非水電解質電池21は、捲回電極体10を図示しない電解質と共にフィルム状の外装部材22の内部に収容したものである。

0012

外装部材22は、例えば、金属層の両面に樹脂層が形成されたラミネートフィルムからなる。ラミネートフィルムは、金属層のうち電池外側に露出する面に外側樹脂層が形成され、捲回電極体10等の発電要素に対向する電池内側面に内側樹脂層が形成される。金属層は、水分、酸素、光の進入を防ぎ内容物を守る最も重要な役割を担っており、軽さ、伸び性、価格、加工のしやすさからアルミニウム(Al)もしくはステンレスが好ましい。外側樹脂層は、外観の美しさや強靱さ、柔軟性等を有し、ナイロン又はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂材料が用いられる。内側樹脂層は、熱や超音波溶け、互いに融着する部分であるため、ポリオレフィン樹脂が適切であり、無延伸ポリプロピレンCPP)が多用される。金属層と外側樹脂層及び内側樹脂層との間には、必要に応じて接着剤層を設けてもよい。

0013

外装部材22は、例えば深絞りにより内側樹脂層側から外側樹脂層の方向に向けて形成された、捲回電極体10を収容する凹部が設けられており、内側樹脂層が捲回電極体10と対向するように配設されている。外装部材22の対向する内側樹脂層同士は、凹部の外縁部において融着等により互いに密着されている。外装部材22と正極リード16及び負極リード17との間には、外装部材22の内側樹脂層と、金属材料からなる正極リード16及び負極リード17との接着性を向上させるための密着フィルム23が配置されている。

0014

図2を参照して捲回電極体10の一例について以下に説明する。図2は、図1に示した捲回電極体10のI−I線に沿った断面構造を表すものである。捲回電極体10は、正極11と負極12とをセパレータ15を介して積層し、捲回したものであり、最外周部は必要に応じて保護テープにより保護されている。捲回電極体10は、正極11と、セパレータ15と、負極12とを積層し、その占有面積が小型になるように複数回捲回した後に圧縮して形成された構造を有している。さらには、正極側の電極リード(正極リード)16及び負極側の電極リード(負極リード)17と、被覆材18a,18b,18cとを、その内部の主要構造として有している。

0015

正極11は、正極集電体11aの両面に正極活物質層11bが形成されたものである。なお、正極11は、正極集電体11aの片面のみに正極活物質層11bが形成された部分を有していてもよい。正極11は、電極としての良好な導電性及び化学的性質、捲回加工する際の良好な加工性の良さ、軽量かつ安価であることといった、正電極として好適な特質を有していることからアルミニウム圧延箔を所定の外形寸法にカッティングして得た箔状の金属電極上に正極活物質コーティングして形成されたものである。

0016

負極12は、負極集電体12aの両面に負極活物質層12bが形成されたものである。なお、負極12は、負極集電体12aの片面のみに負極活物質層12bが形成された部分を有していてもよい。負極12は、上記の正極11とほぼ同様の理由から、銅圧延箔を所定の外形寸法にカッティングして成型された金属電極上に負極活物質をコーティングして形成されたものである。

0017

正極側の電極リード16及び負極側の電極リード17は、共に積層構造で発生した起電力を外部に取り出すためのものである。導電性が良好でかつ積層構造内部の化学反応に対して耐久性を備えたアルミニウム合金薄板などを用いて形成されたものである。

0018

電解質としては、液状の電解質(すなわち、電解液)、ゲル電解質又は固体電解質を用いることができる。電解質が電解液である場合、外装部材22内に電解液が充填され、捲回電極体10は外装部材22内に充填された電解液に含浸される。電解質がゲル電解質又は固体電解質である場合、正極11及び負極12の少なくとも一方とセパレータ15との間に電解質が配置される。この場合、捲回電極体10は、正極11と負極12とをセパレータ15及び電解質の層を介して積層し、捲回した構造を有する。この場合、セパレータ15を省略した構成としてもよい。

0019

電解液は、例えば、非水溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含む非水電解液などである。ゲル電解質は、それぞれの極ごとで電解質層として好適な電気化学的特性を有すると共に、電解質が液状になって漏洩することなく、かつ折り曲げや撓みに対して許容性のあるゲル状のものである。このような特質を満たすものとしては、例えば高分子マトリックス中に電解液を均質に分散させたものなどが好適である。固体電解質は、例えば、イオン伝導性高分子を利用した高分子固体電解質、又はイオン伝導性無機材料を利用した無機固体電解質などである。

0020

セパレータ15は、正極11と負極12を電気的に接触させないようにするものであって、かつ正極11と負極12との間でイオンを実用上十分自由に移動させることができるような材質のもので、例えば微多孔性ポリプロピレンなどが好適である。

0021

各位置に配設された被覆材18a,18b,18cはいずれも、外部から積層構造に対して押圧力印加されて一方の電極と他方の電極とが近接した状態となった場合や、正極集電体11aあるいは負極集電体12aの端部にカットバリが生じている場合等でも、それらの間を電気的に絶縁する絶縁性を備えた材質(例えば、絶縁性の高分子材料等)から形成されており、またそのような押圧力の印加によって一方の電極が変形して他方の電極に接触しても、破れたり破損したりすることのない力学的強度を備えた材質や厚さを有するもので、例えばポリイミドあるいはポリプロピレン製テープなどの絶縁テープを該当箇所に接着して形成されたものである。

0022

ここで、負極12側の電極リード17が接合された端部については、被覆材が省略されている。これは、図1に示すようにこの部分ではセパレータ15を介して負極12どうしが対向しているだけなので、このような無視できる程度の短距離に亘って短絡しても、電池としての起電容量には実質的にほとんど悪影響がないからである。

0023

上述した電池の構成要素の材料の例についてより詳細に説明する。
[正極活物質]
リチウム吸蔵及び放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム含有化合物が好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。このリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物や、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物等が挙げられる。中でも、遷移金属元素としてコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及び鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧が得られるからである。

0024

リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1-zCozO2(0<z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi(1-v-w)CovMnwO2(0<v+w<1、v>0、w>0))、又はスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2O4)あるいはリチウムマンガンニッケル複合酸化物(LiMn2-tNitO4(0<t<2))等が挙げられる。中でも、コバルトを含む複合酸化物が好ましい。高い容量が得られると共に、優れたサイクル特性も得られるからである。また、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4)あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-uMnuPO4(0<u<1))、LixFe1-yM2yPO4(式中、M2は、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。xは、0.9≦x≦1.1の範囲内の値である。)などが挙げられる。

0025

この他、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極材料としては、例えば、酸化バナジウム(V2O5)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化マンガン(MnO2)等の酸化物二硫化鉄(FeS2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化モリブデン(MoS2)等の二硫化物、二セレン化ニオブ(NbSe2)等のリチウムを含有しないカルコゲン化物(特に層状化合物スピネル型化合物)、リチウムを含有するリチウム含有化合物、ならびに、硫黄ポリアニリンポリチオフェンポリアセチレンあるいはポリピロール等の導電性高分子も挙げられる。もちろん、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記した一連の正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。

0026

[負極活物質]
負極活物質層は、負極活物質として、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料のいずれか1種又は2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。この際、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料における充電可能な容量は、正極の放電容量よりも大きくなっていることが好ましい。リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料が挙げられる。この炭素材料とは、例えば、易黒鉛化性炭素や、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素や、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などである。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体活性炭又はカーボンブラック類などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークスニードルコークス又は石油コークスなどが含まれる。有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂フラン樹脂などを適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。炭素材料は、リチウムの吸蔵及び放出に伴う結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られ、さらに導電剤としても機能するので好ましい。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状又は鱗片状のいずれでもよい。

0027

上述の炭素材料の他、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵及び放出することが可能であると共に金属元素及び半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が挙げられる。高いエネルギー密度が得られるからである。このような負極材料は、金属元素又は半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、それらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、この発明における「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。また、「合金」は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体共晶共融混合物)、金属間化合物、又はそれらの2種以上が共存するものがある。

0028

上記した金属元素又は半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素又は半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)又は白金(Pt)などである。中でも、ケイ素及びスズのうちの少なくとも1種が好ましく、ケイ素がより好ましい。リチウムを吸蔵及び放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。

0029

ケイ素(Si)及びスズ(Sn)のうちの少なくとも1種を有する負極材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金又は化合物や、スズの単体、合金又は化合物や、それらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。

0030

ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)及びクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。

0031

スズの合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)及びクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。

0032

スズの化合物又はケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)又は炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)又はケイ素(Si)に加えて、上記した第2の構成元素を含んでいてもよい。

0033

特に、ケイ素(Si)及びスズ(Sn)のうちの少なくとも1種を含む負極材料としては、例えば、スズ(Sn)を第1の構成元素とし、そのスズ(Sn)に加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。勿論、この負極材料を上記した負極材料と共に用いてもよい。第2の構成元素は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、インジウム(In)、セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)及びケイ素(Si)からなる群のうちの少なくとも1種である。第3の構成元素は、ホウ素(B)、炭素(C)、アルミニウム(Al)及びリン(P)からなる群のうちの少なくとも1種である。第2の元素及び第3の元素を含むことにより、サイクル特性が向上するからである。

0034

中でも、スズ(Sn)、コバルト(Co)及び炭素(C)を構成元素として含み、炭素(C)の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下の範囲内、スズ(Sn)及びコバルト(Co)の合計に対するコバルト(Co)の割合(Co/(Sn+Co))が30質量%以上70質量%以下の範囲内であるCoSnC含有材料が好ましい。このような組成範囲において、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られるからである。このSnCoC含有材料は、必要に応じて、さらに他の構成元素を含んでいてもよい。

0035

他の構成元素としては、例えば、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ガリウム(Ga)又はビスマス(Bi)などが好ましく、それらの2種以上を含んでいてもよい。容量特性又はサイクル特性がさらに向上するからである。なお、SnCoC含有材料は、スズ(Sn)、コバルト(Co)及び炭素(C)を含む相を有しており、この相は結晶性の低い又は非晶質な構造を有していることが好ましい。また、SnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素あるいは半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下は、スズ(Sn)などが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集又は結晶化が抑制されるからである。

0036

[結着剤]
結着剤は、例えば、合成ゴム及び高分子材料などのうちのいずれか1種類又は2種類以上を含んでいる。合成ゴムは、例えば、スチレンブタジエン系ゴムフッ素系ゴム及びエチレンプロピレンジエンなどである。高分子材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデン及びポリイミドなどである。

0037

[導電剤]
導電剤は、例えば、炭素材料などのうちのいずれか1種類又は2種類以上を含んでいる。この炭素材料は、例えば、黒鉛、カーボンブラックアセチレンブラック及びケチェンブラックなどである。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料及び導電性高分子などでもよい。

0038

[セパレータ]
セパレータは、正極と負極とを隔離しつつ、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させる機能を有しており、例えば合成樹脂セラミックなどからなる多孔質膜で作製することができる。さらに、リチウムイオン電池の安全性確保のために、セパレーターにはシャットダウン機能を持たせることができる。ここでいうシャットダウン機能とは、電池の温度が上昇したときに、微多孔膜の孔が閉塞し、電流を遮断する機能のことを言い、電池の熱暴走を食い止める働きがある。これら機能を併せ持つ材料として、ポリオレフィンポリエチレン微多孔膜等が挙げられる。
また、電池の設計によっては、シャットダウン後に電池がさらに高温になりセパレーターが溶融し、電池内部で短絡が生じ、発煙発火等につながることがある。そこで、ポリエチレン微多孔膜の片面又は両面に耐熱性多孔質層を被覆させたり、耐熱性繊維からなる不織布を積層させたり、これらの層にセラミック粉末を含ませたりする技術が提案されている。例えば、ポリエチレン微多孔膜の片面又は両面に、湿式塗工法により芳香族アラミドやポリイミド、ポリフッ化ビニリデン等の耐熱性高分子からなる耐熱性多孔質層を積層した非水電解質電池セパレータが知られており、これらを用いてもよい。この高分子化合物層を形成する場合には、例えば、高分子材料が溶解された溶液基材層に塗布したのち基材層を乾燥させてもよいし、溶液中に基材層を浸漬させたのち、その基材層を乾燥させてもよい。

0039

[電解液]
電解液は、溶媒と、電解質塩とを含む。
溶媒としては、例えば、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ブチレン炭酸ジメチル炭酸ジエチル炭酸エチルメチル炭酸メチルプロピルγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタンテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランテトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル酢酸エチルプロピオン酸メチルプロピオン酸エチル酪酸メチルイソ酪酸メチルトリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチルアセトニトリルグルタロニトリルアジポニトリルメトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノンニトロメタンニトロエタンスルホランリン酸トリメチル又はジメチルスルホキシドなどを用いることができる。この電解液を電池などの電気化学デバイスに用いた場合において、優れた容量、サイクル特性及び保存特性が得られるからである。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。中でも、溶媒としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル及び炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。十分な効果が得られるからである。この場合には、特に、高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率εr≧30)である炭酸エチレン又は炭酸プロピレンと、低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)である炭酸ジメチル、炭酸ジエチル又は炭酸エチルメチルとを混合して含むものを用いることが好ましい。電解質塩の解離性及びイオンの移動度が向上するため、より高い効果が得られるからである。ただし、溶媒は、上記以外の材料でもよい。

0040

電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩の1種あるいは2種以上を含有している。このリチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C6H5)4)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4 )、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)などが挙げられる。中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム及び六フッ化ヒ酸リチウムからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、六フッ化リン酸リチウムがより好ましい。電解液の抵抗が低下するからである。ただし電解質塩は、上記以外の材料でもよい。

0041

また、上述の電解液をマトリクスポリマーでゲル化して用いてもよい。マトリクスポリマーは、上記溶媒に上記電解質塩が溶解されてなる電解液に相溶可能であり、ゲル化できるものであればよい。このようなマトリクスポリマーとしては、フッ化ビニリデン(VdF)、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、アクリロニトリル(AN)、メタクリロニトリルMAN)を繰り返し単位に含むポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。ゲル状電解質は、高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に漏液が防止されるので好ましい。また、電解液の中に金属酸化物を含有していてもよい。

0042

次に、このリチウムイオン2次電池の製造方法の概要を、特にその被覆材の形成工程と積層構造に対して押圧力を印加する工程とを中心として説明する。

0043

上記のように電極塗布部にゲル電解質を塗布した正極11と、セパレータ15と、電極塗布部にゲル電解質を塗布した負極12とを積層し、正極11には正極側の電極リード16を接合し負極12には負極側の電極リード17を接合して、未だ捲回していない平坦な形状の積層構造を形成する。

0044

そしてその積層構造を渦巻き状に捲回する前に、正極11の端部の集電体露出面のうち負極集電体と対向する部分に、正極側の電極リード16の表面を含んで被覆するポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)テープなどの絶縁テープからなる絶縁性及び力学的強度を備えた被覆材18aを接着する。また一方、負極12の端部の正極内周側の集電体露出部が対向する部分の集電体露出面を被覆するポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)テープなどの絶縁テープからなる被覆材18bを接着する。尚、本技術における内周とは、電極長手方向の端部のうち捲回電極体の中心付近に位置する電極端部に近い領域を指し、外周とは、電極長手方向の端部のうち外装部材寄りに位置する電極端部に近い領域を指す。

0045

このようにして各被覆材18a,18b,18cを接着した後、積層構造を、やや偏平な渦巻き状に捲回し、さらにそれに対して外部から押圧力を印加してさらに偏平にして薄型化する。このとき、押圧力の印加に起因して、正極11の端部と負極12とが近接したり、また負極12の端部と正極11とが近接した場合でも、それら両電極が接触して電気的短絡を発生することを各被覆材18a,18b,18cによって防ぐことができる。ゲル電解質を用いた場合は、このあと正負極電極及びセパレータに電解液をしみこませるためのプロセスとして、加熱プレスを行ってもよい。液状の電解液を用いた場合は、扁平に薄型化した素子ラミネートに挿入したのち、電解液を注入することができる。

0046

<2.本技術の一実施の形態>
本技術は、エネルギー密度を下げずに安全性を向上させるものである。以下、図面を参照して本技術について説明するが、簡単のため、捲回電極体の図面については、構造の異なる外周側の集電体を示し、図3に示すように、正極集電体11aに対して正極活物質層11bが塗布された正極11と、負極集電体12aに対して負極活物質層12bが塗布された負極12とを示すことにする。セパレータ、保護テープ、内周側の構造は、一部の図面を除いて省略する。

0047

図4は、比較のための捲回構造の一例(通常構造)を示す。負極のうち活物質層が片面のみに形成されている部分は内周側のみであり、正極のうち活物質層が片面のみに形成されている部分は外周側のみであり、電極リード接続に必要な一部を除いて、正極及び負極の集電体露出面同士がセパレータ等を介して対向する部分を持たない構造である。電池内に占める集電体の割合は、基本的にはこの通常構造をとった場合に最小になる。

0048

図5A及び図5Bは、比較のための捲回構造の他の例(箔巻構造)を示す。箔巻構造は、例えば冒頭に記載した特許文献1の構成をラミネートフィルムの外装材の電池に構成した場合の構造である。図5Bは、特許文献1の図2の構造の一部である。箔巻構造は、活物質層が両面とも存在しない正極集電体11aと負極集電体12aを最外周で隣接するように配置した構造である。この構造の場合、最外周に正負極集電体を配置しない場合と比べ安全性は向上するものの、最外周に充放電に寄与しない集電体の体積が増えることから、エネルギー密度が低下する問題があった。

0049

図5Bは、捲回構造の電極体の最外周部及びその近傍の詳細を示すものである。図5Bにおいて、1は、シート状の正極で、2はシート状の負極である。正極1は、正極集電体1aの両面に活物質層1bを形成することによって作製されている。負極2は、負極集電体2aの両面に活物質層2bを形成することによって作製されている。そして、これらの正極1と負極2はセパレータ3を介して渦巻状に巻回され、渦巻状の巻回構造の電極体として電解液と共に電池缶5内に収容されている。正極1の最外周部においては両面に活物質層1bを形成せず正極集電体1aのみの部分が設けられている。同様に、その最外周部では活物質層2bを形成せず負極集電体2aのみの部分が設けられている。この図5Bに示す構造は、正極集電体1aに対向する負極2の外側にも活物質層2bが存在しており、この部分は電池として機能しない。よって図5Aで示した箔巻構造と比べてさらにエネルギー密度が低い構造となっている。

0050

図6は、本技術の捲回構造の第1の例(片面箔箔構造(1)と称する)を示す。片面箔箔構造(1)は、破線円部分に示すように、負極12の片面塗布部集電体露出部と正極11の正極集電体11aとが対向する構造である。すなわち、片面箔箔構造(1)は、正負極いずれかの巻外側片面塗布部の集電体露出面と対極側の集電体が、絶縁体(セパレータ)を介して対向する部分を有する電池である。

0051

図7は、本技術の捲回構造の第2の例(片面箔箔構造(2)と称する)を示す。片面箔箔構造(2)は、破線円部分に示すように、正極11の片面塗布部箔集電体露出部と負極12の片面塗布部集電体露出部とが対向する構造である。すなわち、片面箔箔構造(2)は、正負極の巻外側片面塗布部の集電体露出面側同士が対向する部分を有する電池である。

0052

そこで、箔巻構造をとることにより、通常構造に比して釘刺し時の安全性が向上するメカニズム解析した。その結果、以下のことが判った。
1.正負極集電体が対向する部分では低抵抗のショートが起こるため、電極塗布部が対向する部分の発熱量が低減すること
2.最外周にそれを配置した場合、釘刺し初期から電極塗布部が対向する部分の発熱量が低減すること
以上2点の効果が掛け合わさることにより、電池が熱暴走しにくくなる。
また、正負極集電体が対向する部分の電流経路は、正極集電体と負極集電体が釘を介して短絡する経路よりも、正負極集電体が直接接触している経路の方が主な電流経路であることが判った。

0053

これらの結果から、正負極集電体がともに両面とも金属面が露出している必要はなく、金属面が対向する面を外周側に設ければよいということが判った。
そこで、集電体の金属面が電池の外周側で対向する構造としてどのような構造が考えられるかを検討し、実際に電池を作製し厚みと安全性の関係を明らかにした。

0054

図4図7にそれぞれ示す通常構造、箔巻構造、片面箔箔構造(1)及び片面箔箔構造(2)のそれぞれについて実験を行った結果を図8及び図9のグラフに示す。グラフ中の各プロットは、下記の表1に示す実験結果に基づくものである。一例として、正極集電体11aとしてアルミニウム(Al)使用され、負極集電体12aとして銅(Cu)が使用される。

0055

なお、表1は、サイズが大きいため、上下左右に4分割して記載されている。表1の左上部が表1Aであり、表1の右上部が表1Bであり、表1の左下部が表1Cであり、表1の右下部が表1Dである。さらに、分割された表のそれぞれに対して、各行の最も左側の記載(実施例1〜20、比較例1〜11、構造の名称)、並びに各列の最も上側の記載(「集電体対向部存在箇所」、「正極集電体厚み〔μm〕」、「満充電反り〔μm〕」)が付加されている。

0056

表1における各列の最も上側に記載の下記のパラメータについては、後述する。「電極素子高さ」、「正極リード電極素子内長さ」、「負極リード電極素子内長さ」、「PCL」、「PCR」、「PAL」、「PAR」、「電極素子幅」、「XL 」、「XR 」、「YL 」、「YR 」、「満充電反り」

0057

0058

図8に示すグラフは、実施例1〜実施例5(片面箔箔構造(1))、実施例6〜実施例10(片面箔箔構造(2))、比較例1〜比較例5(通常構造)、並びに比較例6〜比較例10(箔巻構造)のそれぞれについて、正極集電体であるアルミニウム(Al)、負極集電体である銅(Cu)及びセパレータ(セパ)の厚みを薄くした場合の体積エネルギー密度の変化を示している。図8のグラフからは、本技術が適用された片面箔箔構造(1)及び片面箔箔構造(2)は、箔巻構造と通常構造との間の中間のエネルギー密度を有することが判る。

0059

図9に示すグラフは、片面箔箔構造(1)、片面箔箔構造(2)、通常構造、箔巻構造のそれぞれについて、充放電に寄与しない部材の厚みを変えたときの体積エネルギー密度と釘刺しOK電圧の関係を示したものである。なお、片面箔箔構造(1)が実施例1−5に対応、片面箔箔構造(2)が実施例6−10に対応し、通常構造が比較例1−5に対応し、箔巻構造が比較例6−10に対応する。釘刺しOK電圧は、その電圧まで充電して釘刺し試験を行った場合にガス噴出しない電圧のことである。図9のグラフからは、本技術が適用された片面箔箔構造(1)及び片面箔箔構造(2)は、通常構造及び箔巻構造の両者に比して同じ体積エネルギー密度同士で比較したときの釘刺しOK電圧が高く、すなわち、より高いエネルギー密度を保った状態で安全性を高くすることができる。

0060

なお、表1における釘刺しOK電圧は、それぞれの水準に関して充電電圧の異なる電池を準備し、実施例1−実施例10、並びに比較例1−比較例10は、電池のセンター部を直径2.5mmの鉄釘を100mm/sec の速度で突き刺す。その後急激な温度上昇とともにラミネートが破裂しガスが噴出した場合をNG電池とする。ある電圧で両側から5セルずつ上記試験を行い1つもNGにならなかった場合、その電圧をその仕様の釘刺しOK電圧とした。実施例11−14、19、20及び比較例11に関しては、釘を刺す位置を電池センター部ではなく、電池幅方向の位置のみ(YL+YR)/2により算出される位置にずらし、上記同様に釘刺しOK電圧を調べた。例えば実施例12の場合は、YL=−30、YR=−2であるので、電池のセンターから幅方向のみ((−30+(−2)/2=))−16の位置にずらして釘刺しを実施した。

0061

さらに、表1における充電時電池厚みについては、平行を保ちながら面の間隔が変わる2枚の金属プレートではさむことにより計測される厚みを、電池厚みとした。

0062

以上のように、正負極の外周側片面塗布部の集電体露出面側同士(図7に示す片面箔箔構造(2))、あるいは正負極いずれかの外周側片面塗布部の集電体露出面と対極側の集電体が、絶縁体(セパレータ)を介して対向する部分を有する片面箔箔構造(1)(図6)をとることで、通常構造や箔巻構造で得られた安全性とエネルギー密度の関係性を脱し、安全性を確保したままより高いエネルギー密度が得られる構造であることを見出した。なお、図9に示したエネルギー密度と安全性の結果は、あくまで本実施例で用いた材料と、作製した電池サイズの組み合わせにより得られた結果である。したがって、さらに熱安定性の高い材料を用い、温度が上昇しにくい電池サイズで電池を作製した場合は、より厚みの薄い部材を組み合わせて使用することで、高い安全性を保ったまま、より高いエネルギー密度を得ることができる。

0063

中でも、正負極の外周側片面塗布部の集電体露出面側同士が対向する部分のさらに外周側に正負極の電極が1層対向する部分を設けた片面箔箔構造(2)の場合、特に高い安全性が得られることを見出した(実施例6−実施例10)。突き刺し後の電池を解体し観察した結果、片面箔箔構造(2)の安全性が高い理由としては、箔箔対向部(正負極の集電体露出面側同士が対向する部分)の位置と外装との距離が離れていることで外装の巻き込みによる箔箔対向部の短絡阻害が起こりにくいことや、正負ともに片面塗布された箔集電体露出部が対向して箔箔対向部を形成していることから、集電体単独で箔箔対向部を形成する場合と比べ発熱時の集電体溶融による短絡解除が起こりにくいことが理由であると考えられる。

0064

また、箔箔対向部は電池内の面内を必ずしも全て覆う必要はなく、一部に設けるようにしてもよい。この場合の目的を説明する。
まず、箔箔対向部を設ける面に関していえば、外周側に箔箔対向部を設けることが安全性向上に非常に効果的である。そのため、外傷が加わる面が片面からしか想定されないのであれば、その面の外周側に箔箔対向部を設けることで安全性向上が期待できる。さらに、箔箔対向部の数は多いほどその効果を維持しやすいことから、より安全性を高めたい場合は、外傷が加わる側とその反対面側の両面に箔箔対向部を設けることができる。

0065

また、電池を用いる用途、機器内での電池の配置によっては、「電池の左半分」「中央のみ」といったように、ある一部分だけ突き刺し安全性を高めたい場合がある。あるいは、内部構造によっては、釘等が突き刺ささったときの安全性が高い場所と低い場所が存在する場合がある。これらの場合、外周側のある一部分だけに箔箔対向部を設けたいという動機が発生する。

0066

回型電池の場合は、電極部から集電体露出部に切り替わるごとに、信頼性の高い電池を生産するための対策がとられる。第1の対策は、正極活物質層に対して負極活物質層を長めに塗布することであり、第2の対策は、正極塗布端をテープで覆うことである。これらの対策は、余分な体積を消費してしまい、エネルギー密度を低下させる。したがって、エネルギー密度の観点からは、一つの捲回電極体内は正負それぞれひと続きの電極塗布部で構成するのが望ましい。

0067

図10は、片面箔箔構造(2)において、正極活物質含有塗膜11bのはじめ側の塗布端から正極リード16の導出部を含んで被覆するように被覆材(保護テープ)18aが設けられており、正極集電体11aカット端に対向する負極集電体12a上に被覆材(保護テープ)18bが設けられており、正極活物質含有塗膜11bが両面塗布から片面塗布に切り換わる位置に被覆材(保護テープ)18cが設けられている。

0068

図11は、は、片面箔箔構造(2)において、正極活物質含有塗膜11bが両面塗布から片面塗布に切り換わる位置から外周全体にわたって保護テープ18cが設けられた構造である。図10及び図11の何れの構造でもよい。

0069

たとえば、図12に示す箔巻構造において、点線で囲んだAの範囲の突き刺し安全性を高めたい場合、位置Bから箔箔対向部を開始することで、安全性とエネルギー密度を両立することができる。図12において、X'は、電極を内周側から外周側に見た時の、箔箔対向部開始から屈曲部開始位置までの長さである。Y'は、電極を内周側から外周側に見た時の、屈曲部終了位置(平坦部開始位置)から箔箔対向部終了までの長さである。

0070

図13に示す片面箔箔構造(2)の場合でも、点線で囲んだAの範囲の突き刺し安全性を高めたい場合、位置Bから箔箔対向部を開始することで目的を達成することができる。箔露出面の対向部分が電池の両面に存在しており、箔露出面の対向部分のうち、箔箔対向部開始から屈曲部の頂点までの長さをXとし、屈曲部の頂点から箔箔対向部終了までの長さをYと定義する。この場合XとYの長さを変えていった場合、充放電サイクルを行った後の容量維持率に違いが出ることが分かった。これについて以下に説明する。

0071

各構造について、1C充電(CC(定電流)/CV(定電圧) 4.35V (1/20)Cカット)、1C放電(CC放電3Vカット)を200サイクル繰り返した時点での放電容量を比較した結果、表1に示すように、片面箔箔構造で(X≧Y)の寸法にした電池の維持率が最も高くなるという結果となった。

0072

この原因を探るため、サイクル後の状態を解体して確認した結果、サイクル維持率の低い電池は、主に屈曲部等にリチウムが局所的に析出して電池の厚みが増していた。これが引き金となり、サイクル維持率が低下したものと考えられる。

0073

電極を捲きとったのち、電池の形状を安定させるために面方向にプレスを行う工程を入れることもできるが、その場合、屈曲部にリチウム(Li)が析出した構造は、プレス時に面全体に圧力が一定にかかりにくい構造であり、屈曲部への圧力が不均一であった。

0074

図14は、通常構造(比較例2)の場合の電池の厚みを示している。通常構造の場合には、捲回構造における屈曲部付近にかかる圧力が破線の円で示すように均一であるので、プレス後の厚みも均一なものとなる。

0075

図15は、箔巻構造(半周)(比較例7)の場合の電池の厚みを示している。箔巻構造の場合には、捲回構造における屈曲部付近にかかる圧力が破線の円で示すように不均一であるので、プレス後の厚みも不均一なものとなる。

0076

図16は、片面箔箔構造(実施例11、Y<X)の場合の電池の厚みを示している。箔巻構造の場合には、捲回構造における屈曲部付近にかかる圧力が破線の円で示すように均一であるので、プレス後の厚みも均一なものとなる。

0077

図17は、片面箔箔構造(実施例13、Y>X)の場合の電池の厚みを示している。箔巻構造の場合には、捲回構造における屈曲部付近にかかる圧力が破線の円で示すように不均一であるので、プレス後の厚みも不均一なものとなる。

0078

このように、片面箔箔構造で且つ(Y<X)の寸法にした電池は屈曲部付近の厚みが均一であるため、プレス圧力が均一にかかり、屈曲部付近のリチウムLiの析出が抑制され、サイクル維持率が高くなったものと考えられる。また、エネルギー密度の観点でも、(Y<X)の寸法にした方が電池の厚み分布が均一になるため好ましく、さらにYをXになるべく近づけた方が好ましい。

0079

次に電池の反り対策について説明する。図18に電池21の外観を示す。外装部材22から正極リード16及び負極リード17が導出されている。これらのリードは、70〔μm〕〜100〔μm〕の厚みを有し、捲回電極体(電極素子と適宜称する)の内周側に設けられた集電体露出部に取り付けられている。外装部材22内に収納されている捲回電極体(電極素子と適宜称する)を構成する負極の電極の幅Hを電極素子高さ〔mm〕と称する(表1参照)。また、リードが導出される面の幅Wを電極素子幅〔mm〕と称する(表1参照)。さらに、正極リード16及び負極リード17の外装部材22に収納された捲回電極体(電極素子と適宜称する)に挿入されているそれぞれの長さLを正極リード電極素子内長さ〔mm〕、負極リード電極素子内長さ〔mm〕と称する(表1参照)。

0080

図19Aに電池21の断面と関連して電極素子高さH及び負極リード電極素子内長さLが示されている。電池21の断面は、概略的に図19Bに示すように、正極11及び負極12とがセパレータ15を介して積層されている。図19は、負極リード17に関する構成を示しているが、正極リード16についても同様の構成となる。

0081

電池21においては、巻きはじめを中心にその上側と下側の層数バランスや、電極素子が外装から受ける反発力などの複合的な要因により反りが発生する。反りの彎曲度合いは電池の中心付近で大きい。図20Aに示すように、正極リード及び負極リードの両方の電極素子内長さが電極素子高さHの半分(H/2)以下であると、反りを抑えることができない。図20Bに示すように、正極リード及び負極リードの少なくともいずれか一方の電極素子内長さが電極素子高さHの半分(H/2)を超えると、反りを抑えることができる。すなわち、電池の中心付近にリードのような剛直な金属板が存在することによって、反りが効果的に抑制されている。

0082

反りの定義について説明する。平行に移動する2枚の平板に電池を挟んで測定したときの厚みをAとし、定盤の上に電池のある一方の面を下にして置き、直径3〔mm〕の半球状の先端を有する厚み測定器を用いて電池の上面中央の厚みを測定した値をB1とする。定盤の上に、B1を測定したときと電池の裏表を逆にして置き、B1と同様の方法で電池の上面中央の厚みを測定した値をB2とする。B1及びB2のうちで小さい値と、Aの値との差を反り量と定義した。測定時は、測定子や平板を1.5Nの力で電池に押し当てて測定した。反りが発生すると、電池の純粋な厚みに加えAの値が大きくなるため、電池を直方体の空間に格納しようと考えた時、直方体の体積が大きくなることに相当するため、同じ容量を有していても、相対的にエネルギー密度が小さくなる。

0083

上述した表1中に「電極素子高さ」、「正極リード電極素子内長さ」、「負極リード電極素子内長さ」、「満充電反り」のデータが記載されている。例えば実施例10は、電極素子高さ(70〔mm〕)に対して正極リード電極素子内長さ及び負極リード電極素子内長さが共に20〔mm〕である。これは、電極素子高さの1/2(35〔mm〕)以下であるので、満充電反り(80〔μm〕)が発生している。

0084

実施例15は、実施例10に対して正極リード電極素子内長さ及び負極リード電極素子内長さが共に30〔mm〕としたものである。この値も電極素子高さの1/2(35〔mm〕)以下であるので、満充電反り(80〔μm〕)が発生している。

0085

実施例16は、実施例10に対して正極リード電極素子内長さ及び負極リード電極素子内長さが共に40〔mm〕としたものである。この値は電極素子高さの1/2(35〔mm〕)を超えているので、満充電反りが(20〔μm〕)に抑えられている。

0086

実施例17は、実施例10に対して正極リード電極素子内長さを20〔mm〕とし、負極リード電極素子内長さを40〔mm〕としたものである。負極リード電極素子内長さが電極素子高さの1/2(35〔mm〕)を超えているので、満充電反りが(20〔μm〕)に抑えられている。

0087

実施例18は、実施例10に対して正極リード電極素子内長さを40〔mm〕とし、負極リード電極素子内長さを20〔mm〕としたものである。正極リード電極素子内長さが電極素子高さの1/2(35〔mm〕)を超えているので、満充電反りが(20〔μm〕)に抑えられている。このように、正極リード電極素子内長さ及び負極リード電極素子内長さの少なくともいずれか一方が電極素子高さの1/2(35〔mm〕)を超えていれば、電池の反りを抑制することができる。

0088

次に、電極リードの導出位置によってエネルギー密度が変化することについて説明する。図21Aは、電池21の断面の概略を示している。電極素子幅Wを有する電極素子(捲回電極体)10に対して正極リード16及び負極リード17が取り付けられている。上述したように、正負極いずれかの外周側片面塗布部の集電体露出面と対極側の集電体が、絶縁体(セパレータ)を介して対向する部分を有する構成の片面箔箔構造(1)と、正負極の外周側片面塗布部の集電体露出面側同士が対向する部分を有する構成の片面箔箔構造(2)とによって、通常構造に比して釘刺し時の安全性を向上することができる。

0089

電極の外周側に設けられた集電体露出面の対向部分が、巻回した電池の両外面に存在しており、集電体露出面の対向部分のうち、電極を内周側から外周側に向かって(捲回方向に向かって)見た時の箔箔対向部開始部の電極素子幅方向の位置(開始位置と称する)から屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置(第1の屈曲位置と称する)までの長さをX、屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置(第2の屈曲位置と称する)から電極を内周側から外周側に向かって(捲回方向に向かって)見た時の箔箔対向部終端部の電極素子幅方向の位置(終端位置と称する)までの長さをYと定義したとき、X≧Yの関係を満たすようになされる。片面箔箔構造(2)において、箔露出面と対極側の箔の対向部分が電池の両面に存在しており、対向部分のうち、電極を内周側から外周側に向かって(捲回方向に向かって)見た時の箔箔対向部開始部の電極素子幅方向の位置(開始位置と称する)から屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置(第1の屈曲位置と称する)までの長さをX、屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置(第2の屈曲位置と称する)から電極を内周側から外周側に向かって(捲回方向に向かって)見た時の箔箔対向部終端部の電極素子幅方向の位置(終端位置と称する)までの長さをYと定義したとき、X≧Yの関係を満たすようになされる。尚、屈曲部の頂点がただ一つ存在する場合は、第1の屈曲位置と第2の屈曲位置は同じ位置となるが、屈曲部の頂点が複数存在する場合は、電極を内周側から外周側へ見た時の最初の屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置が第1の屈曲位置となり、電極を内周側から外周側へ見た時の最後の屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置が第2の屈曲位置となる。

0090

図21Bにおいて、箔箔対向部の開始位置をXR とし、第1の屈曲位置をXL とし、第2の屈曲位置をYL とし、箔箔対向部の終端位置をYR とする。正極リード16が存在する電極素子幅方向の位置PCL(XL 側の位置)と、PCR(XR 側の位置)とが定義される。同様に、負極リード17の電極素子幅方向の位置PAL及びPARが定義される。これらの位置の座標は、電極素子幅Wの中点を0とし、左側(XL )側を−、右側(XR )側を+として〔mm〕で表される。これらの正極リード16及び負極リード17の両方の電極素子幅方向の位置がXRとYRの間に位置するようにすることによって、エネルギー密度を高くすることができる。

0091

上述した表1中に「PCL」、「PCR」、「PAL」、「PAR」、「電極素子幅」、「XL 」、「XR 」、「X」、「YL 」、「YR 」、「Y」のデータが記載されている。例えば実施例19は、正極リード16及び負極リード17のそれぞれの電極素子内長さが電極素子高さ70〔mm〕の半分以下の20〔mm〕の例である。そして、(PCL=−14〔mm〕、PCR=−10〔mm〕、PAL=−6〔mm〕、PAR=−2〔mm〕、電極素子幅=60〔mm〕、XL =−30〔mm〕、XR =0〔mm〕、X=30〔mm〕、YL =−30〔mm〕、YR =−16〔mm〕、Y=14〔mm〕)に設定されている。すなわち、正極リード16及び負極リード17の両方の電極素子幅方向の位置がXRとYRの間に位置する条件を満たしている。この実施例19のエネルギー密度は、558〔Wh/L)であり、安全性も最高(釘刺しOK電圧が4.50V)である。

0092

実施例20は、実施例19に対してリードの位置のみを変えたものである。すなわち、(PCL=−14〔mm〕、PCR=−10〔mm〕、PAL=10〔mm〕、PAR=14〔mm〕、電極素子幅=60〔mm〕、XL =−30〔mm〕、XR =0〔mm〕、X=30〔mm〕、YL =−30〔mm〕、YR =−16〔mm〕、Y=14〔mm〕)に設定されている。この場合、負極リード17がXRから見てYRの反対側に位置する。したがって、正極リード16及び負極リード17の両方の電極素子幅方向の位置がXRとYRの間に位置する条件を満たしていない。実施例20のエネルギー密度は、548〔Wh/L)であり、実施例19に比して少ないものである。

0093

実施例19及び実施例20を比較すると分かるように、両方の電極素子幅方向の位置がXRとYRの間に位置する条件を満たすことによって、エネルギー密度を高くすることができる。

0094

上述したように、本技術の実施の形態において、電池の反りの量を抑えることができ、また、エネルギー密度をより高くすることができる。なお、最内周側に集電体が露出している部分が半周から1周程度存在しているので、この露出部分に電極リードを取り付ける場合に、電極リードの位置を任意に設定することが可能である。また、電極リードの電極素子内長さを長くすることによって、電極素子の厚みが変化することはないので、エネルギー密度が低下する問題は生じない。

0095

次に、本技術の保護テープ(被覆材)の配置及び材料種などの検討を行った。なお、被覆材は基材を備える。また、被覆材の基材の一主面に粘着剤を設けてもよいが必須ではない。既述したとおり、本技術において、箔箔対向部を電池の外周側に設けることにより安全化できる理由は、釘刺し初期から低抵抗のショートが起こり、電極塗布部が対向する部分の発熱量が低減するからであると推定している。箔箔対向部には、セパレータのほか、集電体のカットバリによる短絡防止などを目的として、適宜被覆材を設けることができる。セパレータは一般的に多孔質材料で作られており発熱と同時に収縮するため、箔箔対向部の短絡を阻害する要因にはなりにくいが、被覆材に関しては、発熱時に溶融しにくい材料や、厚みのあるものを用いると、箔箔対向部の短絡が阻害されることが示唆された。そこで、短絡が阻害される条件について、被覆材として種々のテープを用いて調べた。その結果を以下に述べる。

0096

0097

表2中のOCV不良率は以下のように定義したものである。

0098

(OCV不良率の定義)
電池を組み立てたのち初回充電を行ったのち、満充電状態のまま3日間放置する。3日間放置する前後の電池の開放電圧(OCV)を比較して、0.05V以上低下したものを不良」とカウントし、100セル組み立てたうちの不良数の割合をOCV不良率と定義した。

0099

保護テープ基材の融点測定方法は以下のとおりである。

0100

(融点の測定方法)
テープ基材の融点は、示差走査熱量測定装置DSC;Differential Scanning Calorimetry)を用いて測定した。測定は、厚さ0.1mmの試料を5mg分測定容器形状に合わせて切断し、装置内に封入後、10℃/minで昇温し、DSC曲線を測定し、DSC曲線の基材の融点ピークの頂点の温度を融点とした。このとき、リファレンスとして、試料と同程度の体積分のα−アルミナ粉別容器に封入して使用した。

0101

表2中の各実施例及び各比較例の概要は以下のとおりである。

0102

<実施例21−実施例24>
実施例21−実施例24では、図11に示す断面構造を有する捲回電極体を採用した。正極外周側テープ18cは、実施例10と同様とし、負極内周側テープ18bの厚みを表2に示すとおりに変えた。

0103

<実施例25−実施例27>
実施例25−実施例27では、図11に示す断面構造を有する捲回電極体を採用した。正極外周側テープ18cは、実施例10と同様とし、負極内周側テープ18bの材料種を表2に示すとおりに変えた。

0104

<実施例28−実施例31>
実施例28−実施例31では、図22に示す断面構造を有する捲回電極体を採用した。この捲回電極体では、内周側の電池の中央部に被覆材(正極内周側テープ)18aと被覆材(負極内周側テープ)18bとがセパレータを介して対向している。

0105

<実施例32>
実施例32では、図23に示す断面構造を有する捲回電極体を採用した。この捲回電極体は、活物質が載っていない正極集電体11aが電池の中央部分に到達していない構造を有するものである。

0106

<実施例33、実施例34、比較例12−比較例14>
実施例33、実施例34、比較例12−比較例14では、図11に示す断面構造を有する捲回電極体を採用した。負極内周側テープ18bを15μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)として、正極外周側テープ18cの厚みを表2に示す通りに変えた。

0107

<実施例35−実施例38)>
図11に示す断面構造を有する捲回電極体を採用した。実施例35−実施例37は、負極内周側テープ18b若しくは正極外周側テープ18cがある例、又は、負極内周側テープ18bのみがある例、又は、負極内周側テープ18b及び正極外周側テープ18cの両方がない例である。

0108

<実施例39>
実施例10の捲回電極体の正極及び負極の位置関係入れ替え、これを実施例39の捲回電極体として採用した(図示省略)。

0109

[表2に記載の実施例及び比較例の結果]
表2に示す実施例21−実施例31は、外周側のテープの厚みと材料を一定とし、内周側の基材種と厚みとを変えた例である。実施例21−実施例31の結果から一定の法則を導き出せた。

0110

すなわち、集電体と集電体との間にあるテープ基材の融点(℃)と基材の厚み(mm)とを掛け合わせた値が、14.0(℃・mm)未満であれば、箔箔対向部として機能するのに対し、14.0(℃・mm)以上であると、箔箔対向部として機能しなくなることがわかった。内周側の箔箔対向部が低抵抗短絡部位として機能を失っていることは、この値が14.0(℃・mm)以上である実施例23、実施例24及び実施例26と内周側の箔箔対向部が存在しない実施例32とを比較すると釘刺しOK電圧が同じになっていることから推定される。基材の融点(℃)と基材の厚み(mm)とを掛け合わせた値が被覆材の溶融しやすさと相関があり、この値が大きいほど被覆材基材が溶融しにくくなると考えられる。基材の融点(℃)と基材の厚み(mm)とを掛け合わせた値が大きい場合、発熱時にも被覆材が溶融せずにいることで箔箔ショートを妨げて釘刺し安全性が悪化すると推定される。

0111

なお、内周側の箔箔対向部が存在しなくても釘刺しOK電圧の低下は0.05Vと小さく、比較例5に示した通常構造と比べると十分に高い値であることから、本技術の実施形態に関して、内周側の箔箔対向部の存在が必須の構成であるということを示す結果ではない。

0112

また、一般的に融点が観測されない高耐熱材料であるポリイミド(PI)を基材に用いた場合(実施例27)でも、釘刺しOK電圧が実施例32と同等になっていることから、融点の観測されない高耐熱基材を用いたテープを箔箔対向部に設けた場合も、箔箔対向部としての機能を失うことがわかった。

0113

実施例33、実施例34、比較例12、比較例13及び比較例14は、内周側のテープの厚みと材料を一定とし、外周側の基材種と厚みを変えた例である。実施例33、実施例34、比較例12、比較例13及び比較例14の結果から一定の法則を導き出すことができた。すなわち、箔と箔との間にあるテープ基材の融点(℃)と基材の総厚み(mm)とを掛け合わせた値が4.6(℃・mm)未満であれば、箔箔対向部として機能するのに対し、4.6(℃・mm)以上であると、箔箔対向部として機能しなくなることがわかった。内周側の箔箔対向部が低抵抗短絡部位としての機能を失っていることは、この値が4.6(℃・mm)以上である比較例12、比較例13及び比較例14と外周側の箔箔対向部が存在しない比較例5で、釘刺しOK電圧が同じになっていることから推定される。

0114

なお、内周側と外周側とで、箔箔対向部が低抵抗短絡部位として機能するための条件が異なる原因は明らかではないが、釘の刺さり始めは釘先端の温度が低いため、外周側の箔箔対向部に存在するテープはより溶融しやすいものを使用しないと、低抵抗短絡を起こすのが難しくなるからだと推定している。箔箔対向部が低抵抗短絡部位として機能するための条件を満たしていれば、内周側と外周側で同じテープを用いることも、異なる基材種もしくは厚みを持つテープを用いることもできる。

0115

ここで、箔箔対向部のテープの役割について、以下詳しく述べる。基本的には、既述したように、正負極の短絡を防止するために設けているものである。ただし、箔箔対向部はその間をセパレータのみで隔離している場合、電解液がまだらになっている部分があると局所的に電圧の不均衡が生じ、金属が析出しやすい状態を引き起こす。この金属析出がセパレータを突き破って成長した場合に、電池がショートしてしまう。

0116

実施例35−実施例37は、それぞれ箔箔対向部の保護テープを一部又は全て除いた場合の結果を示している。保護テープを除いていない実施例10と比較してOCV不良率が大きくなっている。なお、本技術の実施例及び比較例では、実施例38以外は正負電極にゲル電解質を直接塗布することにより電解液を電池内に存在させているが、その場合、箔箔対向部にはゲル電解質は存在せず、加熱成形時に電極塗布部から箔箔対向部に電解液が染み出すため、箔箔対向部には上述のように電解液がまだらに存在する状態となっていることを確認している。実際に実施例38に示すように、ラミネートに電極素子を挿入したのち、電解液をラミネートの中に十分追加してから加熱成形を行うと、箔箔対向部にも電解液が満遍なく行き渡り、それに伴いOCV不良率が0%となっていることから、上記メカニズムを合理的に説明できる。

0117

ここで、改めて箔箔対向部のテープ有無の条件に関してまとめると、箔箔対向部のテープは設けなくても、電池作製プロセスによってはOCV低下等の問題を生じることなく、箔箔対向部の低抵抗短絡を起こすことができる。さらに、ある一定条件を満たす材料と厚みのテープを選択すれば、箔箔対向部の低抵抗短絡の機能を阻害することなくテープを設置することができる。実施例38では箔箔対向部にポリマーを含まない電解液を十分浸漬した結果を示しているが、ここに存在する電解液の形態に制限はなく、ポリマーなどを含むゲル電解質であってもよい。

0118

実施例39は、実施例10に対して、正極電極及び負極電極の位置関係を逆転させた例である。表2に示すように、実施例39では、実施例10と同等の釘刺しOK電圧を得られた。本技術では、基本的にはセパレータのみで巻回を開始し、その後負極、正極の順に電極を挿入し巻回する構造を示している。しかし、この正極電極及び負極電極の順番に制限はなく、本技術では、セパレータの次に正極を挿入し、その後負極を巻回する構造を採用してもよい。

0119

(最内周箔箔ショート補強
釘が刺さる状況によっては、箔箔ショートを起こした部分の発熱が大きくなり、結果として短絡が外れ、所望の短絡状態を得られないことがある。箔箔ショートとは、アルミニウム箔(正極集電体11a)と銅箔(負極集電体12a)が低抵抗でショートしていることである。発熱が大きくなると、アルミニウム箔が溶けてしまい、低抵抗でショートしている状態が解除されてしまうことがある。正極の集電体としてはアルミ箔が、負極の集電体としては銅箔が用いられることが多く、この場合アルミ箔の方が融点が低いため、短絡の解除が起きやすい。そのため正極リード16で補強を行うことによって短絡解除を抑制することができる。すなわち、正極リード16を釘刺しに対する安全性を高めたい部分に設置することで、短絡解除を抑制することで高い安全性を得ることができる。仮にセルの中央に釘が刺さることを想定した場合、図24に示すような構造をとると効果的である。

0120

図24A、図24B及び図24Cは、電池21の外観を示し、外装部材22から正極リード16及び負極リード17が導出されている。通常、図24Aに示すように、電池21の中心に対してほぼ対称の位置から正極リード16及び負極リード17が導出される。

0121

これに対して、図24Bに示すように、正極リード16の位置を中心付近とし、外装部材22内の電極素子に挿入されている長さを電池21の中央付近まで延長するようになされる。他の構成として図24Cに示すように、正極リード16の外装部材22内の電極素子に挿入されている部分の先端に矩形領域16aを形成し、電池21の中央付近に矩形領域16aが位置するようになされる。

0122

さらに、短絡解除を抑制するための構成例を図25に示す。図25Aは、捲回電極体の断面構造の一例(例えば図23と同様)を示している。図示の捲回電極体では、内周側の電池の中央部に被覆材(正極内周側テープ)18aと被覆材(負極内周側テープ)18bとがセパレータを介して対向している。図25Bに示す例は、最内周の箔に対して導電性部材31を被覆するようにしたものである。導電性部材31としては箔でもよいし、導電性を有するテープでもよい。導電性部材は元の集電箔導通が取れていればよく、その厚みに制限はない。また所望の位置に設置されればよいため、溶接されていてもよいし、テープ等で固定されていてもよい。

0123

図25Cに示す例は、最内周の箔のカット端を折り返して折り返し部32を形成するものである。折り返し部32は集電箔の幅全体でもよいし、一部でもよい。また折り返す回数に特に制限はなく、低抵抗ショートが解除しやすい場合には折り返す回数を増やと効果的である。

0124

外装体による複数の電池素子一体化
より大容量を得るために、複数の電池素子を共通の外装部材の中に収納することが考えられている。このように、より大きな容量の電池を作製した場合、安全性が低下するという問題がある。このような大容量化の場合において、本技術を適用することによって、安全性を高めることができる。すなわち、容量の大きい電池においてもできるだけエネルギー密度を下げずに高い安全性を確保するために、片面箔箔構造の素子を積層しひとつの外装内に挿入する構造をとることもできる。

0125

図26Aは、例えば2個の捲回電極体41A及び41Bを共通の外装部材42に収納した構成の電池40の横断面を示す断面図であり、図26Bは、電池40の縦断面を示す断面図である。捲回電極体41Aから正極リード43A及び負極リード44Aが導出され、捲回電極体41Bから正極リード43B及び負極リード44Bが導出されている。外部で正極リード43A及び43Bが熱可塑性樹脂によって固定されてから共通接続され、負極リード44A及び44Bも同様に共通接続される。捲回電極体41A及び41Bは、外装部材42内において最外周に位置している正極集電箔同士が接触する。

0126

捲回電極体41A及び41Bは、例えば本技術の捲回構造の第2の例(片面箔箔構造(2))(図7参照)である。片面箔箔構造(2)は、破線円部分に示すように、正極11の片面塗布部箔集電体露出部と負極12の片面塗布部集電体露出部とが対向する構造である。すなわち、片面箔箔構造(2)は、正負極の巻外側片面塗布部の集電体露出面側同士が対向する部分を有する電池である。外装部材42内に一つの捲回電極体を収納する場合の層数をnとすると、捲回電極体41A及び41Bの層数をそれぞれn/2にすることで、もとの電池に近い容量を得ることができる。元の層数が積層数割り切れない場合に関しても、挿入するそれぞれの捲回電極体の層数に差を設けることにより、元の電池と電極厚みや容量の変化を最小限に抑えたまま複数素子が一体化された構造をとることができる。表3に示した実験では、元の層数を14層としたときの結果を示す。ここで層数とは、電池の厚み方向に正負極の電極ペアが何層あるかを、負極タブがある位置で数えた。

0127

0128

表3中で、実施例10は表1における実施例10に対応している。実施例47及び実施例48はそれぞれ挿入セル数(捲回電極体数)が1個の場合を示している。比較例15は、通常構造の捲回電極体を1個挿入した例である。通常の構造で容量を増やした場合(比較例15)と比べ、片面箔箔構造を採用した場合は、容量を増やした際の安全性の低下幅を小さくすることができる(実施例47)。部材厚みを厚くすることで、より高い安全性を得ることができる(実施例48)。

0129

例えば図7に示す片面箔箔構造(2)を複数積層させて外装に挿入した場合、どちらの面から釘を刺しても箔箔対向部が外装付近に配置されることになる。つまり箔巻構造による安全化メカニズム(段落〔0052〕参照)や、片面箔箔構造(2)の安全化メカニズム(段落〔0063〕参照)が巻回素子を積層した状態でも保たれることから、高い安全性を得ることができると考えられる(実施例49と比較例16の比較)。

0130

容量の大きな電池を片面箔箔構造(2)の単セル電池で作製すると、釘刺しOK電圧として4.2Vの結果を得るのに、箔厚みを厚くせざるを得ず、結果として充電時セル厚みが6.8mmまで厚くなってしまう。一方片面箔箔構造(2)の2セル積層電池で作製すると、箔厚みを厚くせずとも釘刺しOK電圧として4.3Vの結果を得ることができ、かつその時の充電時セル厚みが6.73mmとなることから、エネルギー密度を考えた場合、2セル積層構造を採用した方が有利であることが分かる(実施例48、実施例49)。

0131

また、2セル積層構造で釘が刺さった場合の電流の流れ方を考察した結果、2セルの間の抵抗が大きいほど、釘がささり始めたときの発熱量が小さくなることが分かった。2セルの間の抵抗を決定づけるのは電極リードの接続方法であるため、ここの接続方法を変えたときの安全性を確認した。その結果、電極リード間の抵抗が大きいほど、釘刺しOK電圧が高くなることが分かった。

0132

図27は、リード接続方法の複数の例を示す。正極リード43A及び43Bについて示すが、負極リード44A及び44Bについても同様に接続される。そして、電極リード間の抵抗は、共通接続された正極リード(43A、43B)と負極リード(44A、44B)間の抵抗を測定して電極リード間の抵抗とした。

0133

図27Aの接続方法は、外装部材42の外で正極リード43A及び43Bの根本を溶接する方法である。負極リード44A及び44Bも同様に接続される。この接続方法を採用するのが実施例49である。
図27Bの接続方法は、外装部材42の外で正極リード43A及び43Bの全体を溶接する方法である。負極リード44A及び44Bも同様に接続される。この接続方法を採用するのが実施例50である。
図27Cの接続方法は、外装部材42の外で正極リード43A及び43Bの先端を溶接する方法である。負極リード44A及び44Bも同様に接続される。この接続方法を採用するのが実施例51である。
図27Dの接続方法は、外装部材42の外で正極リード43A及び43Bの先端を溶接する方法である。負極リード44A及び44Bも同様に接続される。さらに、捲回電極体41A及び41Bを隔離するための絶縁体からなるセパレータ45が設けられている。この接続方法を採用するのが実施例52である。実施例51と52の比較より、素子同士は電気的に隔離されていてもいなくても効果があることが分かる。

0134

リード間の抵抗が大きいことは、装置側からみたときの電池全体の抵抗が上昇することになる。使用目的によっては、図27Eに示すように、電流が流れたときにだけ抵抗が大きくなるPTC正特性サーミスタ)等の感温素子46を正極リード43A及び43B間に挟むことも効果的である。負極リード44A及び44Bも同様に接続される。抵抗を挟んで接続する方法を採用するのが実施例53であり、PTCを挟んで接続する方法を採用するのが実施例54である。

0135

「実施例中の「セル間のリード抵抗(正負極リード合計)」の説明」
図28における黒ドットで示す位置を、集電体と接続された電極リード(例えば正極リード43A)の根本と定義したとき、2個の捲回電極体の正極リード43A及び43Bの根本の間の抵抗(つまり図28におけるA点とB点の間の抵抗)を「正極側のリード間抵抗」とする。2個の捲回電極体の負極側電極リードの根本の間の抵抗を「負極側のリード間抵抗」とする。これらの正負極側のリード間抵抗を合計したものを、「セル間のリード抵抗(正負極リード合計)」と定義する。なお、図28及び図29において、二つのリード電極を外装部材の外に出す際、リード電極と外装部材の間の隙間を埋め捲回電極体を密封するために熱可塑性樹脂47が設けられている。

0136

<3.応用例>
<3−1.電池パックの例>
図30は、本技術の一実施の形態に係る電池(以下、二次電池と適宜称する)を電池パックに適用した場合の回路構成例を示すブロック図である。電池パックは、組電池301、外装、充電制御スイッチ302aと、放電制御スイッチ303a、を備えるスイッチ部304、電流検出抵抗307、温度検出素子308、制御部310を備えている。

0137

また、電池パックは、正極端子321及び負極リード322を備え、充電時には正極端子321及び負極リード322がそれぞれ充電器の正極端子、負極端子に接続され、充電が行われる。また、電子機器使用時には、正極端子321及び負極リード322がそれぞれ電子機器の正極端子、負極端子に接続され、放電が行われる。

0138

組電池301は、複数の二次電池301aを直列及び/又は並列に接続してなる。この二次電池301aは本技術の二次電池である。なお、図30では、6つの二次電池301aが、2並列3直列(2P3S)に接続された場合が例として示されているが、その他、n並列m直列(n,mは整数)のように、どのような接続方法でもよい。

0139

スイッチ部304は、充電制御スイッチ302a及びダイオード302b、ならびに放電制御スイッチ303a及びダイオード303bを備え、制御部310によって制御される。ダイオード302bは、正極端子321から組電池301の方向に流れる充電電流に対して逆方向で、負極リード322から組電池301の方向に流れる放電電流に対して順方向の極性を有する。ダイオード303bは、充電電流に対して順方向で、放電電流に対して逆方向の極性を有する。尚、例では+側にスイッチ部304を設けているが、−側に設けても良い。

0140

充電制御スイッチ302aは、電池電圧過充電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に充電電流が流れないように充放電制御部によって制御される。充電制御スイッチ302aのOFF後は、ダイオード302bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。

0141

放電制御スイッチ303aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に放電電流が流れないように制御部310によって制御される。放電制御スイッチ303aのOFF後は、ダイオード303bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。

0142

温度検出素子308は例えばサーミスタであり、組電池301の近傍に設けられ、組電池301の温度を測定して測定温度を制御部310に供給する。電圧検出部311は、組電池301及びそれを構成する各二次電池301aの電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換して、制御部310に供給する。電流測定部313は、電流検出抵抗307を用いて電流を測定し、この測定電流を制御部310に供給する。

0143

スイッチ制御部314は、電圧検出部311及び電流測定部313から入力された電圧及び電流を基に、スイッチ部304の充電制御スイッチ302a及び放電制御スイッチ303aを制御する。スイッチ制御部314は、二次電池301aのいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったとき、また、大電流が急激に流れたときに、スイッチ部304に制御信号を送ることにより、過充電及び過放電過電流充放電を防止する。

0144

ここで、例えば、二次電池がリチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧が例えば4.20V±0.05Vと定められ、過放電検出電圧が例えば2.4V±0.1Vと定められる。

0145

充放電スイッチは、例えばMOSFETなどの半導体スイッチを使用できる。この場合MOSFETの寄生ダイオードがダイオード302b及び303bとして機能する。充放電スイッチとして、PチャンネルFETを使用した場合は、スイッチ制御部314は、充電制御スイッチ302a及び放電制御スイッチ303aのそれぞれのゲートに対して、制御信号DO及びCOをそれぞれ供給する。充電制御スイッチ302a及び放電制御スイッチ303aはPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電及び放電動作では、制御信号CO及びDOをローレベルとし、充電制御スイッチ302a及び放電制御スイッチ303aをON状態とする。

0146

そして、例えば過充電もしくは過放電の際には、制御信号CO及びDOをハイレベルとし、充電制御スイッチ302a及び放電制御スイッチ303aをOFF状態とする。

0147

メモリ317は、RAMやROMからなり例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などからなる。メモリ317では、制御部310で演算された数値や、製造工程の段階で測定された各二次電池301aの初期状態における電池の内部抵抗値などが予め記憶され、また適宜、書き換えも可能である。また、二次電池301aの満充電容量を記憶させておくことで、制御部310とともに例えば残容量を算出することができる。

0148

温度検出部318では、温度検出素子308を用いて温度を測定し、異常発熱時に充放電制御を行ったり、残容量の算出における補正を行う。

0149

<3−2.蓄電システムなどの例>
上述した本技術の一実施の形態に係る電池は、例えば電子機器や電動車両、蓄電装置などの機器に搭載又は電力を供給するために使用することができる。

0151

また、電動車両としては鉄道車両ゴルフカート電動カート電気自動車ハイブリッド自動車を含む)などが挙げられ、これらの駆動用電源又は補助用電源として用いられる。

0152

蓄電装置としては、住宅をはじめとする建築物用又は発電設備用の電力貯蔵電源などが挙げられる。

0153

以下では、上述した適用例のうち、上述した本技術の電池を適用した蓄電装置を用いた蓄電システムの具体例を説明する。

0154

この蓄電システムは、例えば下記の様な構成が挙げられる。第1の蓄電システムは、再生可能エネルギーから発電を行う発電装置によって蓄電装置が充電される蓄電システムである。第2の蓄電システムは、蓄電装置を有し、蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。第3の蓄電システムは、蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器である。これらの蓄電システムは、外部の電力供給網協働して電力の効率的な供給を図るシステムとして実施される。

0155

さらに、第4の蓄電システムは、蓄電装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電装置に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。第5の蓄電システムは、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電装置の充放電制御を行う電力システムである。第6の蓄電システムは、上述した蓄電装置から、電力の供給を受け、又は発電装置又は電力網から蓄電装置に電力を供給する電力システムである。以下、蓄電システムについて説明する。

0156

<3−2−1.応用例としての住宅における蓄電システム>
本技術の電池を用いた蓄電装置を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図31を参照して説明する。例えば住宅101用の蓄電システム100においては、火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102cなどの集中型電力系統102から電力網109、情報網112、スマートメータ107、パワーハブ108などを介し、電力が蓄電装置103に供給される。これと共に、家庭内の発電装置104などの独立電源から電力が蓄電装置103に供給される。蓄電装置103に供給された電力が蓄電される。蓄電装置103を使用して、住宅101で使用する電力が給電される。住宅101に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。

0157

住宅101には、発電装置104、電力消費装置105、蓄電装置103、各装置を制御する制御装置110、スマートメータ107、各種情報を取得するセンサ111が設けられている。各装置は、電力網109及び情報網112によって接続されている。発電装置104として、太陽電池燃料電池などが利用され、発電した電力が電力消費装置105及び/又は蓄電装置103に供給される。電力消費装置105は、冷蔵庫105a、空調装置であるエアコン105b、テレビジョン受信機であるテレビ105c、バス風呂)105dなどである。さらに、電力消費装置105には、電動車両106が含まれる。電動車両106は、電気自動車106a、ハイブリッドカー106b、電気バイク106cである。

0158

蓄電装置103に対して、本技術の電池が適用される。本技術の電池は、例えば上述したリチウムイオン二次電池によって構成されていてもよい。スマートメータ107は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網109は、直流給電交流給電非接触給電の何れか一つ又は複数を組み合わせても良い。

0159

各種のセンサ111は、例えば人感センサ照度センサ物体検知センサ消費電力センサ、振動センサ接触センサ温度センサ赤外線センサなどである。各種のセンサ111により取得された情報は、制御装置110に送信される。センサ111からの情報によって、気象の状態、人の状態などが把握されて電力消費装置105を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置110は、住宅101に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社などに送信することができる。

0160

パワーハブ108によって、電力線分岐直流交流変換などの処理がなされる。制御装置110と接続される情報網112の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transmitter:非同期シリアル通信送受信回路)などの通信インターフェースを使う方法、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)などの無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth(登録商標)方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBee(登録商標)は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network)又はW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。

0161

制御装置110は、外部のサーバ113と接続されている。このサーバ113は、住宅101、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ113が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報生活パターン情報電力料金天気情報天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機など)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)などに、表示されても良い。

0162

各部を制御する制御装置110は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置110は、蓄電装置103、家庭内の発電装置104、電力消費装置105、各種のセンサ111、サーバ113と情報網112により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能などを備えていても良い。

0163

以上のように、電力が火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102cなどの集中型電力系統102のみならず、家庭内の発電装置104(太陽光発電風力発電)の発電電力を蓄電装置103に蓄えることができる。したがって、家庭内の発電装置104の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、又は、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置103に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置103に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置103によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。

0164

なお、この例では、制御装置110が蓄電装置103内に格納される例を説明したが、スマートメータ107内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。

0165

<3−2−2.応用例としての車両における蓄電システム>
本技術を車両用の蓄電システムに適用した例について、図32を参照して説明する。図32に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置走行する車である。

0166

このハイブリッド車両200には、エンジン201、発電機202、電力駆動力変換装置203、駆動輪204a、駆動輪204b、車輪205a、車輪205b、バッテリ208、車両制御装置209、各種センサ210、充電口211が搭載されている。バッテリ208に対して、上述した本技術の電池が適用される。

0167

ハイブリッド車両200は、電力駆動力変換装置203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置203の一例は、モータである。バッテリ208の電力によって電力駆動力変換装置203が作動し、この電力駆動力変換装置203の回転力が駆動輪204a、204bに伝達される。なお、必要な個所直流交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ210は、車両制御装置209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブ開度スロットル開度)を制御したりする。各種センサ210には、速度センサ加速度センサエンジン回転数センサなどが含まれる。

0168

エンジン201の回転力は発電機202に伝えられ、その回転力によって発電機202により生成された電力をバッテリ208に蓄積することが可能である。

0169

図示しない制動機構によりハイブリッド車両200が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置203により生成された回生電力がバッテリ208に蓄積される。

0170

バッテリ208は、ハイブリッド車両200の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。

0171

図示しないが、二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。

0172

なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本技術は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。

0173

<4.変形例>
以上、本技術の一実施の形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の一実施の形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料及び数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料及び数値などを用いてもよい。

0174

なお、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1)
正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極捲回体を有する電池において、
前記正極は、前記電極捲回体の外周部において、正極集電体の一面に正極活物質層が形成されるとともに、前記正極集電体の他面に正極活物質層が形成されていない第1の露出面を有し、
前記負極は、前記電極捲回体の外周部において、負極集電体の一面に負極活物質層が形成されるとともに、前記負極集電体の他面に負極活物質層が形成されていない第2の露出面を有し、
前記第1及び第2の露出面が、前記セパレータを介して対向している電池。
(2)
前記捲回電極体の外周部において、前記第1の露出面又は前記第2の露出面の少なくとも一部に第1の被覆材が配置された(1)に記載の電池。
(3)
前記第1の被覆材は少なくとも第1の基材を有し、
前記第1の基材の融点と前記第1の基材の厚みとを掛け合わせた値は、4.6[℃・mm]未満である(1)または(2)に記載の電池。
(4)
前記正極は、前記電極捲回体の内周部において、正極集電体の少なくとも一面に正極活物質層が形成されていない第3の露出面を有し、
前記負極は、前記電極捲回体の内周部において、負極集電体の少なくとも一面に負極活物質層が形成されていない第4の露出面を有し、
前記第3及び第4の露出面が、前記セパレータを介して対向している(1)に記載の電池。
(5)
前記第3の露出面又は前記第4の露出面の少なくとも一部に第2の被覆材が配置された(4)に記載の電池。
(6)
前記第2の被覆材は少なくとも第2の基材を有し、
前記第2の基材の融点と前記第2の基材の厚みとを掛け合わせた値は、14.0[℃・mm]未満である(5)に記載の電池。
(7)
前記第1及び第2の露出面の対向部分は屈曲部を備え、
前記捲回方向に向かって見たときの、前記対向部分の開始部の電極素子幅方向の位置から、前記屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置までの長さをXと定義し、前記屈曲部の頂点の電極素子幅方向の位置から、前記対向部分の終端部の電極素子幅方向の位置までの長さをYと定義したとき、
X≧Yの関係を満たすようにした(1)に記載の電池。
(8)
前記電池は外装部材を備え、
前記外装部材がラミネートフィルムである(1)に記載の電池。
(9)
前記正極及び前記負極がそれぞれ電極リードを備え、
少なくとも一方の前記電極リードの前記捲回電極体内の長さが、前記捲回電極体の高さの半分を超えている(1)に記載の電池。
(10)
前記正極及び前記負極がそれぞれ電極リードを備え、
前記第1又は第2の露出面の対向部分は屈曲部を備え、
少なくとも一方の前記電極リードの電極素子幅方向の位置が、前記対向部分の一方の端の電極素子幅方向の位置と、他方の端の電極素子幅方向の位置との間になるように、前記少なくとも一方の電極リードを配置した(1)に記載の電池。
(11)
正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極捲回体を有する電池において、
前記正極は、前記電極捲回体の外周部において、正極集電体の一面に正極活物質層が形成されるとともに、前記正極集電体の他面に正極活物質層が形成されていない第1の露出面を有し、
前記第1の露出面は、前記負極集電体のうち、両面に負極活物質層が設けられていない領域に、前記セパレータを介して対向している電池。
(12)
正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極捲回体を有する電池において、
前記負極は、前記電極捲回体の外周部において、負極集電体の一面に負極活物質層が形成されるとともに、前記負極集電体の他面に負極活物質層が形成されていない第2の露出面を有し、
前記第2の露出面は、前記正極集電体のうち、両面に正極活物質層が設けられていない領域に、前記セパレータを介して対向している電池。
(13)
(1)に記載の電池と、
前記電池を制御する制御部と、
前記電池を内包する外装と
を有する電池パック。
(14)
(1)に記載の電池から電力の供給を受ける電子機器。
(15)
(1)に記載の電池と、
前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
前記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を有する電動車両。
(16)
(1)に記載の電池を有し、前記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
(17)
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を有し、
前記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、前記電池の充放電制御を行う(16)に記載の蓄電装置。
(18)
(1)に記載の電池から電力の供給を受ける電力システム。
(19)
発電装置又は電力網から前記電池に電力が供給される(18)に記載の電力システム。

0175

10・・・捲回電極体
11・・・正極
11a・・・正極集電体
11b・・・正極活物質含有塗膜
12・・・負極
12a・・・負極集電体
12b・・・負極活物質含有塗膜
15・・・セパレータ
16・・・正極リード
17・・・負極リード
21・・・非水電解質電池
22・・・外装部材

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