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技術 トナー用バインダー樹脂、トナーおよびその製造方法

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 小澤匡弘田村陽子舩橋嘉奈子
出願日 2016年6月1日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-540706
公開日 2018年3月22日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 WO2016-194949
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における現像剤 ポリエステル、ポリカーボネート 高分子組成物
主要キーワード 年代測定 バイオマス比率 チタニウムアルコキサイド 多価アルコール由来 植物原料由来 性能改質 吸引瓶 粉砕性指数
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明のトナー用樹脂は、イソソルバイド由来構成単位を含み軟化温度が120℃超であるポリエステル樹脂(A)と、前記ポリエステル樹脂(A)とは異なるポリエステル樹脂(B)とを含み、粉砕性指数が25以上である。

概要

背景

電子写真印刷法や静電荷現像法により画像を得る方法においては、感光体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現像したのち、定着が行われる。当該プロセスにおいて、トナーは、まず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が要求される。
また、電子写真印刷法や静電荷現像法により画像を得るために用いられる装置は、加熱体である定着部を有し、装置内での温度が上昇するため、トナーは、ブロッキングしないこと、つまり保存安定性が必要である。
特にヒートローラーを用いる定着方式においては、省エネ化の観点から定着部の低温化が進み、トナーには、低温定着性が強く求められるようになってきた。加えて、装置のコンパクト化が進み、オイルを塗布しないローラーが用いられるようになってきており、トナーにはヒートローラーとの剥離性、つまり非オフセット性への要求が高まっている。
また、連続印刷時においても装置の汚れ印刷時へのカブリなどが見られないこと、すなわちトナーの耐久性が必要である。

トナー用バインダー樹脂は、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂スチレンアクリル樹脂ポリエステル樹脂エポキシ樹脂ポリアミド樹脂等が知られている。最近では、保存安定性、低温定着性、非オフセット性、耐久性、トナー製造時の粉砕性等に優れ、性能バランスが良いことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。
例えば特許文献1には、低温定着性、耐ホットオフセット性光沢性、耐久性および貯蔵安定性に優れたトナーが提案されている。

一方で、近年、地球温暖化抑制等の環境保護の観点から、カーボンニュートラルが特に注目され、従来の石油原料由来プラスチックから環境負荷の少ない植物原料由来のプラスチックへの転換が積極的に図られている。トナーについても、植物原料由来成分の使用が検討されている。
例えば特許文献2〜3には、植物由来原料成分を含むトナー用バインダー樹脂を用いたトナーが提案されている。

概要

本発明のトナー用樹脂は、イソソルバイド由来の構成単位を含み軟化温度が120℃超であるポリエステル樹脂(A)と、前記ポリエステル樹脂(A)とは異なるポリエステル樹脂(B)とを含み、粉砕性指数が25以上である。

目的

本発明は、粉砕性が良好で、保存安定性、低温定着性、非オフセット性および耐久性に優れたトナーが得られるトナー用バインダー樹脂、ならびにこれを用いたトナーおよびトナーの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

イソソルバイド由来構成単位を含み軟化温度が120℃超であるポリエステル樹脂(A)と、前記ポリエステル樹脂(A)とは異なるポリエステル樹脂(B)とを含み、粉砕性指数が25以上である、トナー用バインダー樹脂

請求項2

前記ポリエステル樹脂(A)に含まれる全炭素原子数に対するイソソルバイド由来の構成単位に含まれる炭素原子数比率が0.1〜30%である、請求項1記載のトナー用バインダー樹脂。

請求項3

前記ポリエステル樹脂(A)が、三価以上の多価カルボン酸および三価以上の多価アルコールのいずれか一方または両方を、全酸成分総モル数に対して0.1〜80モル%の範囲で含む単量体混合物重縮合物である、請求項1または2に記載のトナー用バインダー樹脂。

請求項4

前記ポリエステル樹脂(B)の軟化温度が120℃超である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー用バインダー樹脂。

請求項5

前記ポリエステル樹脂(B)の軟化温度が120℃以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー用バインダー樹脂。

請求項6

前記ポリエステル樹脂(B)に含まれる全炭素原子数に対するイソソルバイド由来の構成単位に含まれる炭素原子数の比率が1%未満である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー用バインダー樹脂。

請求項7

前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)との質量比が5:95〜95:5である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー用バインダー樹脂。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー用バインダー樹脂を含むトナー

請求項9

請求項8に記載のトナーの製造方法であって、前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)とを含む混合物溶融混練し、得られた混練物粉砕する工程を含む、トナーの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、トナー用バインダー樹脂トナーおよびその製造方法に関する。
本願は、2015年6月1日に、日本に出願された特願2015−111332号、2015年12月22日に、日本に出願された特願2015−249773号、および2015年12月22日に、日本に出願された特願2015−249774号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0002

電子写真印刷法や静電荷現像法により画像を得る方法においては、感光体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現像したのち、定着が行われる。当該プロセスにおいて、トナーは、まず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が要求される。
また、電子写真印刷法や静電荷現像法により画像を得るために用いられる装置は、加熱体である定着部を有し、装置内での温度が上昇するため、トナーは、ブロッキングしないこと、つまり保存安定性が必要である。
特にヒートローラーを用いる定着方式においては、省エネ化の観点から定着部の低温化が進み、トナーには、低温定着性が強く求められるようになってきた。加えて、装置のコンパクト化が進み、オイルを塗布しないローラーが用いられるようになってきており、トナーにはヒートローラーとの剥離性、つまり非オフセット性への要求が高まっている。
また、連続印刷時においても装置の汚れ印刷時へのカブリなどが見られないこと、すなわちトナーの耐久性が必要である。

0003

トナー用バインダー樹脂は、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂スチレンアクリル樹脂ポリエステル樹脂エポキシ樹脂ポリアミド樹脂等が知られている。最近では、保存安定性、低温定着性、非オフセット性、耐久性、トナー製造時の粉砕性等に優れ、性能バランスが良いことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。
例えば特許文献1には、低温定着性、耐ホットオフセット性光沢性、耐久性および貯蔵安定性に優れたトナーが提案されている。

0004

一方で、近年、地球温暖化抑制等の環境保護の観点から、カーボンニュートラルが特に注目され、従来の石油原料由来プラスチックから環境負荷の少ない植物原料由来のプラスチックへの転換が積極的に図られている。トナーについても、植物原料由来成分の使用が検討されている。
例えば特許文献2〜3には、植物由来原料成分を含むトナー用バインダー樹脂を用いたトナーが提案されている。

先行技術

0005

特開2011−75960号公報
特開2010−285555号公報
特許4740313号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1のトナー用樹脂は、粉砕時に割れにくく、粉砕性が不十分である。特許文献2〜3に記載のトナー用樹脂は、トナーに用いた場合、トナーの耐久性が不十分である。

0007

本発明は、粉砕性が良好で、保存安定性、低温定着性、非オフセット性および耐久性に優れたトナーが得られるトナー用バインダー樹脂、ならびにこれを用いたトナーおよびトナーの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、以下の態様を有する。
[1]イソソルバイド由来の構成単位を含み軟化温度が120℃超であるポリエステル樹脂(A)と、前記ポリエステル樹脂(A)とは異なるポリエステル樹脂(B)とを含み、粉砕性指数が25以上である、トナー用バインダー樹脂。
[2]前記ポリエステル樹脂(A)に含まれる全炭素原子数に対するイソソルバイド由来の構成単位に含まれる炭素原子数比率が0.1〜30%である、[1]記載のトナー用バインダー樹脂。
[3]前記ポリエステル樹脂(A)が、三価以上の多価カルボン酸および三価以上の多価アルコールのいずれか一方または両方を、全酸成分総モル数に対して0.1〜80モル%の範囲で含む単量体混合物重縮合物である、[1]または[2]に記載のトナー用バインダー樹脂。
[4]前記ポリエステル樹脂(B)の軟化温度が120℃超である、[1]〜[3]のいずれかに記載のトナー用バインダー樹脂。
[5]前記ポリエステル樹脂(B)の軟化温度が120℃以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のトナー用バインダー樹脂。
[6]前記ポリエステル樹脂(B)に含まれる全炭素原子数に対するイソソルバイド由来の構成単位に含まれる炭素原子数の比率が1%未満である、[1]〜[5]のいずれかに記載のトナー用バインダー樹脂。
[7]前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)との質量比が5:95〜95:5である、[1]〜[6]のいずれかに記載のトナー用バインダー樹脂。
[8]前記[1]〜[7]のいずれかに記載のトナー用バインダー樹脂を含むトナー。
[9]前記[8]に記載のトナーの製造方法であって、
前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)とを含む混合物溶融混練し、得られた混練物を粉砕する工程を含む、トナーの製造方法。

発明の効果

0009

本発明によれば、粉砕性が良好で、保存安定性、低温定着性、非オフセット性および耐久性に優れたトナーが得られるトナー用バインダー樹脂、ならびにこれを用いたトナーおよびトナーの製造方法を提供できる。

0010

≪トナー用バインダー樹脂≫
本発明のトナー用バインダー樹脂は、ポリエステル樹脂(A)と、ポリエステル樹脂(B)とを含む。
本発明のトナー用バインダー樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)以外の他のバインダー樹脂をさらに含んでもよい。

0011

<ポリエステル樹脂(A)>
「ポリエステル樹脂」は、多価カルボン酸と多価アルコールとを含む単量体混合物の重縮合物であり、多価カルボン酸由来の構成単位と、多価アルコール由来の構成単位とを含む。
ポリエステル樹脂(A)は、多価アルコール由来の構成単位として、少なくともイソソルバイド由来の構成単位を含む。これにより、粉砕性が良好となる。

0012

多価カルボン酸由来の構成単位における多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸イソフタル酸フタル酸テレフタル酸ジメチルイソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチルイソフタル酸ジエチルテレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル、これらのエステルおよび酸無水物等の芳香族ジカルボン酸セバシン酸イソデシルコハク酸ドデセニルコハク酸マレイン酸フマル酸アジピン酸、コハク酸、これらのエステルおよび酸無水物等の脂肪族ジカルボン酸トリメリット酸ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、これらのエステルおよび酸無水物等の三価以上の多価カルボン酸;等が挙げられる。これらは植物由来物質石油由来物質のいずれでもよく、いずれか1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、三価以上の多価カルボン酸が好ましい。三価以上の多価カルボン酸としてはトリメリット酸またはその酸無水物が好ましい。

0013

ポリエステル樹脂(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、イソソルバイド由来の構成単位以外の他の多価アルコール由来の構成単位を含んでもよい。
他の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコールネオペンチルグリコールポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコールトリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールエリスリタン等の脂肪族ジオールポリオキシプロピレン(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパンポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオールソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロール、1,4−ソルビタンペンタエリスリトールジペンタエリスリトールトリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオールグリセロール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上のアルコール;等が挙げられる。これらは植物由来物質、石油由来物質のいずれでもよく、いずれか1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ポリオキシエチレンまたはポリプロピレンの後に付された括弧内の数値は、オキシエチレン基またはオキシプロピレン基平均付加モル数を示す。
他の多価アルコールとしては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、三価以上のアルコールが好ましい。三価以上のアルコールとしてはグリセリン、トリメチロールプロパンが好ましい。

0014

ポリエステル樹脂(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、一価アルコール由来の構成単位、一価カルボン酸由来の構成単位等をさらに含んでもよい。これらの一価の構成単位を含む場合、これらの一価の構成単位は、ポリエステル樹脂の分子鎖末端に存在しやすい。ポリマー末端に一価のアルコール由来の構成単位または一価のカルボン酸由来の構成単位を含むことは、トナー部材との分散性を向上させ、カルボン酸価水酸基価の調整にて、樹脂耐吸湿性を向上させ、それによってトナーの帯電性を安定化させるのに有効である。
一価アルコールとしては、ベンジルアルコール等の炭素数30以下の芳香族モノアルコールオレイルアルコールラウリルアルコールセチルアルコールステアリルアルコールベヘニルアルコール等の炭素数30以下の脂肪族モノアルコール;等が挙げられる。
一価のカルボン酸としては、安息香酸、p−メチル安息香酸桂皮酸等の炭素数30以下の芳香族モノカルボン酸ステアリン酸ベヘン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸等の炭素数30以下の脂肪族カルボン酸;等が挙げられる。

0015

ポリエステル樹脂(A)中、イソソルバイド由来の構成単位の含有量は、ポリエステル樹脂(A)に含まれる全炭素原子数に対するイソソルバイド由来の構成単位に含まれる炭素原子数の比率(以下「イソソルバイド由来炭素原子比率」ともいう)が、0.1〜30%となる範囲内であることが好ましい。イソソルバイド由来炭素原子比率は、0.1〜20%がより好ましく、0.5〜15%が特に好ましい。イソソルバイド由来炭素原子比率が前記下限値以上であれば、トナー用バインダー樹脂の粉砕性、トナーの保存安定性がより優れる。イソソルバイド炭素原子比率が前記上限値以下であれば、トナー用バインダー樹脂の耐久性、トナーの定着性がより優れる。

0016

ポリエステル樹脂(A)中のイソソルバイド由来の構成単位の含有量は、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数に対して0.1モル%以上であることが好ましく、0.1〜50モル%がより好ましく、3〜40モル%がさらに好ましく、5〜30モル%が特に好ましい。イソソルバイド由来の構成単位の含有量が前記下限値以上であれば、トナー用バインダー樹脂の粉砕性、保存安定性がより優れる。イソソルバイド由来の構成単位の含有量が前記上限値以下であれば、トナー用バインダー樹脂の耐久性、トナーの定着性がより優れる。

0017

ポリエステル樹脂(A)は、三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位および三価以上の多価アルコール由来の構成単位のいずれか一方または両方を含むことが好ましい。この場合、ポリエステル樹脂(A)中の三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位および三価以上の多価アルコール由来の構成単位(以下、これらをまとめて「三価以上の単量体由来の構成単位」ともいう)の含有量は、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数(100モル%)に対して0.1〜80モル%の範囲であることが好ましく、1〜60モル%がより好ましく、1〜50モル%が特に好ましい。三価以上の単量体由来の構成単位の含有量が前記下限値以上であれば、トナーの高温側の耐オフセット性がより優れる。三価以上の単量体由来の構成単位の含有量が前記上限値以下であれば、樹脂重合時の反応が制御しやすく、樹脂の製造安定性が良好となり、またトナーの保存安定性が良好となる。またカラートナーに用いた場合の光沢性も良好となる。

0018

ポリエステル樹脂(A)中の三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位の含有量は、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数(100モル%)に対し0.1モル%以上であることが好ましく、0.1〜80モル%がより好ましく、1〜60モル%がさらに好ましく、1〜50モル%が特に好ましい。三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位の含有量が前記下限値以上であれば、トナーの高温側の耐オフセット性がより優れる。三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位の含有量が前記上限値以下であれば、樹脂重合時の反応が制御しやすく、樹脂の製造安定性が良好となり、またトナーの保存安定性が良好となる。またカラートナーに用いた場合の光沢性も良好となる。

0019

ポリエステル樹脂(A)中の三価以上の多価アルコール由来の構成単位の含有量は、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数(100モル%)に対し0.1モル%以上であることが好ましく、0.1〜80モル%がより好ましく、1〜60モル%がさらに好ましく、1〜50モル%が特に好ましい。三価以上の多価アルコール由来の構成単位の含有量が前記下限値以上であれば、トナーの高温側の耐オフセット性がより優れる。三価以上の多価アルコール由来の構成単位の含有量が前記上限値以下であれば、樹脂重合時の反応が制御しやすく、樹脂の製造安定性が良好となり、またトナーの保存安定性が良好となる。またカラートナーに用いた場合の光沢性も良好となる。

0020

ポリエステル樹脂(A)の軟化温度は120℃超である。ポリエステル樹脂(A)の軟化温度が120℃超であれば、トナーの耐ホットオフセット性が優れる。
トナーの耐ホットオフセット性の観点から、ポリエステル樹脂(A)の軟化温度は、122℃以上が好ましく、125℃以上がさらに好ましい。
また、トナーの低温定着性の観点から、ポリエステル樹脂(A)の軟化温度は、165℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。
したがって、ポリエステル樹脂(A)の軟化温度は、120℃超165℃以下が好ましく、122℃以上160℃以下がより好ましく、125℃以上160℃以下がさらに好ましく、125℃以上150℃以下が特に好ましい。
ポリエステル樹脂の軟化温度は、後述する実施例に記載の方法により測定される。ポリエステル樹脂の軟化温度は、重合度原料組成物やその比率等により調整できる。例えば、重合度を高める方が、軟化温度が高い傾向がある。

0021

ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、40〜85℃であることが好ましく、40〜82℃がより好ましい。Tgが前記範囲の下限値以上であれば、トナーの保存安定性がより優れ、前記範囲の上限値以下であれば、トナーの低温定着性がより優れる。
ポリエステル樹脂のTgは、後述する実施例に記載の方法により測定される。ポリエステル樹脂のTgは、原料組成物やその比率、重合度等により調整できる。例えば、イソソルバイド由来の構成単位を多く含むほうが、Tgが高い傾向がある。

0022

ポリエステル樹脂(A)の酸価は、0.1〜60mgKOH/gであることが好ましく、0.1〜50mgKOH/gがより好ましい。ポリエステル樹脂(A)の酸価が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂の生産性が向上する傾向にあり、前記範囲の上限値以下であれば、耐湿性に優れる樹脂となり、トナーが使用環境の影響を受けづらくなる。
ポリエステル樹脂の酸価は、後述する実施例に記載の方法により測定される。

0023

ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、500〜1,000,000であることが好ましく、500〜800,000がより好ましい。ポリエステル樹脂(A)のMwが前記範囲の下限値以上であれば、トナーの耐久性がより優れ、前記範囲の上限値以下であれば、トナーの低温定着性がより優れる。
ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量(Mn)は、500〜100,000であることが好ましく、500〜50,000がより好ましい。
ポリエステル樹脂(A)のピークトップ分子量(Mp)は、500〜100,000であることが好ましく、500〜50,000がより好ましい。
ポリエステル樹脂のMw、Mn、Mpはそれぞれ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定される標準ポリスチレン換算の値である。詳しくは、後述する実施例に記載の方法により測定される。

0024

ポリエステル樹脂(A)は、ゲル分率が0.1〜60質量%であることが好ましく、0.1〜40質量%がより好ましい。ポリエステル樹脂(A)のゲル分率が前記範囲の下限値以上であれば、トナーの耐ホットオフセット性がより優れ、前記範囲の上限値以下であれば、トナーの低温定着性がより優れる。
ポリエステル樹脂のゲル分率は、後述する実施例に記載の方法により測定される。ポリエステル樹脂のゲル分率は、原料組成物やその比率、重合度、重縮合重合時のゲル化反応速度のコントロール等により調整できる。例えば、三価以上の単量体由来の構成単位の含有量が多いほど、ゲル分率が高くなる傾向がある。

0025

ポリエステル樹脂(A)は、多価カルボン酸と多価アルコールとを含む単量体混合物を重縮合することで得ることができる。多価アルコールは少なくともイソソルバイド由来の構成単位を含む物質を含み、イソソルバイド由来の構成単位を含む物質以外の多価アルコールを含んでいてもよい。イソソルバイド由来の構成単位を含む物質とは、式1に示す構造を含む二価のアルコールであって、例えばイソソルバイド、イソソルバイドのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。前記単量体混合物は、必要に応じて、一価アルコール、一価カルボン酸等をさらに含んでいてもよい。

0026

0027

単量体混合物中の各単量体の含有量は、ポリエステル樹脂(A)の各単量体由来の構成単位の含有量等に応じて設定される。単量体混合物の組成(全ての単量体の合計量に対する各単量体の割合)と、この単量体混合物から得られるポリエステル樹脂の組成(全ての構成単位の合計量に対する各構成単位の割合)とはほぼ同等である。
例えば単量体混合物中の全酸成分の総モル数に対するイソソルバイド由来の構成単位を含む物質の割合を0.1モル%以上とすれば、イソソルバイド由来の構成単位を、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数に対して0.1モル%以上含むポリエステル樹脂が得られる。単量体混合物に含まれる全炭素原子数に対するイソソルバイド由来の構成単位を含む物質に含まれる炭素原子数の比率を0.1〜30%とすれば、イソソルバイド由来炭素原子比率が0.1〜30%であるポリエステル樹脂が得られる。
単量体混合物における全酸成分の総モル数(100モル%)に対する三価以上の単量体成分の含有量(モル%)は、得られるポリエステル樹脂における全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数(100モル%)に対する三価以上の単量体由来の構成単位の含有量(モル%)とほぼ同等である。
「全酸成分」とは、全ての多価カルボン酸の合計である。

0028

前記単量体混合物の重縮合は、公知の方法で行うことができ、特に制限されない。重縮合の方法としては、例えば、前記単量体混合物を反応容器内に投入して、エステル化反応またはエステル交換反応、および縮重合反応を経て重合する方法が挙げられる。
重合温度は、特に制限されないが、180℃〜280℃の範囲とするのが好ましい。重合温度が180℃以上の場合に、生産性が良好となる傾向にあり、280℃以下の場合に、樹脂の分解や、臭気要因となる揮発分の副生成を抑制できる傾向にある。重合温度の下限値は200℃以上がより好ましく、220℃以上が特に好ましい。重合温度の上限値は270℃以下がより好ましい。

0029

前記単量体混合物の重縮合は、重合触媒の存在下で行ってもよい。
重合触媒としては、例えば、チタンテトラアルコキシド酸化チタンジブチルスズオキシド酢酸スズ、酢酸亜鉛二硫化スズ三酸化アンチモン二酸化ゲルマニウム酢酸マグネシウム酢酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち、チタンテトラアルコキシドは、特に反応速度を速める効果が大きいため、好ましい。
重縮合時における重合触媒の添加量は、全原料100質量部に対して0〜0.2質量部が好ましい。

0030

前記単量体混合物の重縮合は、離型剤の存在下で行ってもよい。離型剤の存在下で重縮合を行うことにより、トナーの定着性、ワックス分散性が向上する傾向にある。
離型剤としては、後述する他の成分として挙げるものと同様のものが挙げられ、いずれか1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
重縮合時における離型剤の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定できる。
重合終了後、内容物は装置から塊状で排出され、必要に応じて粉砕工程を経る。これにより、ポリエステル樹脂(A)が得られる。本発明におけるポリエステル樹脂(A)は粉砕性が良いため、効率よく細粒径まで粉砕することができる。

0031

ポリエステル樹脂(A)ならびにそれを含有するトナー用バインダー樹脂およびトナーが、イソソルバイド(バイオマス由来化合物)から合成されたものか否かを判定する方法として、C14(放射性炭素年代測定原理に基づいたASTMD6866が挙げられる。具体的には、試料(樹脂)を乾燥して水分を除去した後、量し、前記試料を燃焼させて発生したCO2を、化学操作を経て吸着剤吸着させ、液体シンチレーションカウンターにて測定を行う方法、前記試料を燃焼させて発生したCO2をカーボングラファイトにした後、加速器質量分析計で測定を行う方法、前記試料を燃焼させて発生したCO2からベンゼンを合成し、液体シンチレーションカウンターにて測定を行う方法、等によって、バイオマス比率の濃度を特定することができる。

0032

<ポリエステル樹脂(B)>
ポリエステル樹脂(B)は、ポリエステル樹脂(A)とは異なるポリエステル樹脂である。
ポリエステル樹脂(B)は、典型的には、軟化温度、イソソルバイド由来の構成単位の含有量、三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位および/または三価以上の多価アルコール由来の構成単位の含有量のうち少なくとも1つがポリエステル樹脂(A)とは異なる。

0033

ポリエステル樹脂(B)は、多価カルボン酸由来の構成単位と多価アルコール由来の構成単位とを含む。ポリエステル樹脂(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で、一価アルコール由来の構成単位、一価カルボン酸由来の構成単位等をさらに含んでもよい。
多価カルボン酸、多価アルコール、一価アルコール、一価カルボン酸はそれぞれポリエステル樹脂(A)で挙げたものと同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。ただしポリエステル樹脂(B)は、多価アルコール由来の構成単位として、イソソルバイド由来の構成単位を含んでもよく、含まなくてもよい。

0034

ポリエステル樹脂(B)中、イソソルバイド由来の構成単位の含有量は、イソソルバイド由来炭素原子比率、すなわちポリエステル樹脂(B)に含まれる全炭素原子数に対するイソソルバイド由来の構成単位に含まれる炭素原子数の比率が、1%未満となる範囲内であることが好ましい。ポリエステル樹脂(B)のイソソルバイド由来炭素原子比率は、0.3%未満がより好ましく、0%であってもよい。イソソルバイド炭素原子比率が前記上限値以下であれば、トナーの耐久性がより優れる。
したがって、ポリエステル樹脂(B)は、イソソルバイド由来の構成単位を含まない、またはイソソルバイド由来炭素原子比率が0%超1%未満(より好ましくは0%超0.3%未満)となる範囲でイソソルバイド由来の構成単位を含むものであることが好ましい。

0035

ポリエステル樹脂(B)中のイソソルバイド由来の構成単位の含有量は、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数に対して0.1モル%未満であることが好ましく、0モル%であってもよい。すなわち、ポリエステル樹脂(B)は、イソソルバイド由来の構成単位を含まない、またはイソソルバイド由来の構成単位を、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数に対して0モル%超0.1モル%未満含むものであることが好ましい。これにより、トナーの耐久性の低下を抑制することができる。

0036

ポリエステル樹脂(B)が、三価以上の単量体由来の構成単位、すなわち三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位および三価以上の多価アルコール由来の構成単位のいずれか一方または両方を含む場合、ポリエステル樹脂(B)中の三価以上の単量体由来の構成単位の含有量は、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数(100モル%)に対して0.1〜80モル%の範囲であることが好ましく、1〜45モル%がより好ましく、1〜40モル%が特に好ましい。三価以上の単量体由来の構成単位の含有量が前記下限値以上であれば、トナーの高温側の耐オフセット性がより優れる。三価以上の単量体由来の構成単位の含有量が前記上限値以下であれば、樹脂重合時の反応が制御しやすく、樹脂の製造安定性が良好となり、またトナーの保存安定性が良好となる。またカラートナーに用いた場合の光沢性も良好となる。

0037

ポリエステル樹脂(B)中の三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位の含有量は、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数(100モル%)に対し0.1モル%以上であることが好ましく、0.1〜80モル%がより好ましく、1〜45モル%がさらに好ましく、1〜40モル%が特に好ましい。三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位の含有量が前記下限値以上であれば、トナーの高温側の耐オフセット性がより優れる。三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位の含有量が前記上限値以下であれば、樹脂重合時の反応が制御しやすく、樹脂の製造安定性が良好となり、またトナーの保存安定性が良好となる。またカラートナーに用いた場合の光沢性も良好となる。

0038

ポリエステル樹脂(B)中の三価以上の多価アルコール由来の構成単位の含有量は、全ての多価カルボン酸由来の構成単位の総モル数(100モル%)に対し0.1モル%以上であることが好ましく、0.1〜80モル%がより好ましく、1〜45モル%がさらに好ましく、1〜40モル%が特に好ましい。三価以上の多価アルコール由来の構成単位の含有量が前記下限値以上であれば、トナーの高温側の耐オフセット性がより優れる。三価以上の多価アルコール由来の構成単位の含有量が前記上限値以下であれば、樹脂重合時の反応が制御しやすく、樹脂の製造安定性が良好となり、またトナーの保存安定性が良好となる。またカラートナーに用いた場合の光沢性も良好となる。

0039

低温定着性と非オフセット性(特に耐ホットオフセット性)の両立に寄与する分子量分布拡幅の観点から、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とは、三価以上の多価カルボン酸由来の構成単位および/または三価以上の多価アルコール由来の構成単位の含有量が異なることが好ましい。

0040

ポリエステル樹脂(B)の軟化温度は、特に限定されず、120℃超であってもよく120℃以下であってもよい。
ポリエステル樹脂(B)の軟化温度は、トナーの低温定着性の観点から、165℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。
ポリエステル樹脂(B)の軟化温度は、保存安定性の観点から、75℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。

0041

トナー特性における機能分離の観点から、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とは、軟化温度が異なることが好ましい。

0042

本発明の好ましい一態様において、ポリエステル樹脂(B)の軟化温度は、120℃超であり、122℃以上が好ましい。ポリエステル樹脂(B)の軟化温度が前記下限値以上であれば、トナーの耐久性、耐ホットオフセット性が特に優れる。
本態様におけるポリエステル樹脂(B)の軟化温度の上限は、特に限定されないが、トナーの低温定着性の観点から、165℃が好ましく、160℃がより好ましく、150℃がさらに好ましい。
したがって、本態様におけるポリエステル樹脂(B)の軟化温度は、120℃超165℃以下が好ましく、122℃以上160℃以下がより好ましく、125℃以上160℃以下がさらに好ましい。
ポリエステル樹脂(B)の軟化温度は、前述のように、ポリエステル樹脂(A)の軟化温度とは異なることが好ましい。

0043

本発明の好ましい他の一態様において、ポリエステル樹脂(B)の軟化温度は、120℃以下であり、110℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。ポリエステル樹脂(B)の軟化温度が前記上限値以下であれば、トナーの低温定着性が特に優れる。
本態様におけるポリエステル樹脂(B)の軟化温度の下限は、特に限定されないが、トナーの保存安定性の観点から、75℃が好ましく、80℃がより好ましい。
したがって、本態様におけるポリエステル樹脂(B)の軟化温度は、75〜120℃が好ましく、80〜110℃がより好ましい。

0044

ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、35〜85℃であることが好ましく、35〜82℃がより好ましい。Tgが前記範囲の下限値以上であれば、トナーの保存安定性がより優れ、前記範囲の上限値以下であれば、トナーの低温定着性がより優れる。

0045

ポリエステル樹脂(B)の酸価は、0.1〜60mgKOH/gであることが好ましく、0.1〜50mgKOH/gがより好ましい。ポリエステル樹脂(B)の酸価が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂の反応性が向上する傾向にあり、前記範囲の上限値以下であれば、耐湿性がより優れる。

0046

ポリエステル樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、500〜1,000,000であることが好ましく、700〜700,000がより好ましい。ポリエステル樹脂(B)のMwが前記範囲の下限値以上であれば、耐久性がより優れ、前記範囲の上限値以下であれば、トナー用バインダー樹脂の粉砕性がより優れる。
ポリエステル樹脂(B)の数平均分子量(Mn)は、500〜100,000であることが好ましく、500〜50,000がより好ましい。
ポリエステル樹脂(B)のピークトップ分子量(Mp)は、500〜100,000であることが好ましく、500〜50,000がより好ましい。
ポリエステル樹脂(B)のゲル分率は、0〜60質量%であることが好ましく、0〜40質量%がより好ましい。

0047

ポリエステル樹脂(B)は、ポリエステル樹脂(A)と同様の方法で製造できる。

0048

<他のバインダー樹脂>
ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)以外の他のバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)以外の他のポリエステル樹脂、環状オレフィン樹脂スチレン系樹脂スチレンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独でまたは2種以上を混合して使用できる。これらの樹脂とポリエステル樹脂とを併用して使用することにより、定着性を向上させることができる傾向にある。

0049

<各成分の含有量>
本発明のトナー用バインダー樹脂中、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との質量比(ポリエステル樹脂(A):ポリエステル樹脂(B))は、5:95〜95:5であることが好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、25:75〜75:25がさらに好ましく、40:60〜60:40が特に好ましい。
ポリエステル樹脂(A)の比率が、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の合計に対して5質量%以上の場合に、トナー用バインダー樹脂の粉砕性がより良好となる傾向にある。
ポリエステル樹脂(B)の比率が、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の合計に対して5質量%以上であると、ポリエステル樹脂(B)の軟化温度が120℃超である場合には、トナーの耐久性がより良好となる傾向があり、ポリエステル樹脂(B)の軟化温度が120℃以下である場合には、トナーの低温定着性がより良好となる傾向にある。

0050

他のバインダー樹脂の含有量は、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下が特に好ましい。他のバインダー樹脂の含有量が前記上限値以下であれば、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)による効果が充分に発揮される。

0051

<粉砕性指数>
本発明のトナー用バインダー樹脂の粉砕性指数は、25以上であり、30以上が好ましく、40以上が特に好ましい。粉砕性指数が前記下限値以上であれば、トナー用バインダー樹脂の粉砕性が優れる。
トナー用バインダー樹脂の粉砕性指数は、粉砕性の観点では、高いほど好ましく、上限は特に限定されない。トナーの耐久性の観点では、前記粉砕性指数は90以下であることが好ましい。

0052

本発明において、粉砕性指数とは、以下の測定方法により求められる値である。
(粉砕性指数の測定方法)
トナー用バインダー樹脂を二軸押出機で、設定温度120℃にて溶融混練して混練物を得て、前記混練物を粉砕して粉砕物Iを得る。次いで粉砕物Iをいにかけ、16メッシュ(目開き1.0mm)の篩を通過し22メッシュ(目開き0.71mm)の篩を通過しない粒子分取する。この粒子の所定量(G(g))を、トリオブレンダー粉砕機(トリオサイエンス社製)で、目盛り3として10分間粉砕して粉砕物IIを得る。次いで粉砕物IIを篩にかけ、30メッシュ(目開き0.5mm)の篩を通過する粒子の質量(H(g))を測定し、以下の式により通過率(%)を算出する。以上の操作を3回行い、求めた通過率(%)の平均値を粉砕性指数とする。
通過率(%)=H/G×100

0053

トナー用バインダー樹脂の粉砕性指数は、ポリエステル樹脂(A)におけるイソソルバイド由来の構成単位の含有量(イソソルバイド由来炭素原子比率)や三価以上の単量体由来の構成単位の量、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との質量比、組み合わせるポリエステル樹脂(B)の分子量や三価以上の単量体由来の構成単位の含有量等により調整できる。例えばポリエステル樹脂(A)のイソソルバイド由来炭素原子比率が高いほど、または組み合わせるポリエステル樹脂(B)の分子量が小さいほど、粉砕性指数が高くなる傾向がある。

0054

<トナー用バインダー樹脂の作用効果
以上説明した本発明のトナー用バインダー樹脂にあっては、粉砕工程を経てトナーを製造する場合に、粉砕性が良好である。例えばポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とを含む混合物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕したときに、ポリエステル樹脂(A)がイソソルバイド由来の構成単位を含まない場合に比べて、より微細な粉砕物が得られる傾向がある。そのため、粉砕法によりトナーを製造する場合には、微細化のために必要な粉砕エネルギーを低減できる。また、ケミカル法によりトナーを製造する場合にも、溶剤に溶解させるバインダー樹脂等を予め粉砕して微細化しておくことで、その溶解に要する時間を低減できる。そのため、トナーの生産性が向上する。
上記効果を奏することから、本発明のトナー用バインダー樹脂を用いたトナーの製造方法としては、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とを含む混合物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕する工程を含む方法が好適である。
また、本発明のトナー用バインダー樹脂を用いて得られるトナーは、耐久性に優れており、連続印刷時の装置の汚れや印刷面へのカブリ等を抑制できる。本発明のトナー用バインダー樹脂によれば、前記トナーを、保存安定性、低温定着性、非オフセット性および耐久性の全てに優れたものとすることもできる。

0055

≪トナー≫
本発明のトナーは、前述の本発明のトナー用バインダー樹脂を含む。
本発明のトナーは、必要に応じて、バインダー樹脂以外の他の成分をさらに含んでもよい。

0056

<他の成分>
バインダー樹脂以外の他の成分としては、例えば、着色剤荷電制御剤、離型剤、それら以外の他の添加剤磁性体等が挙げられる。

0057

着色剤としては、特に制限されないが、カーボンブラックニグロシンアニリンブルーフタロシアニンブルーフタロシアニングリーン、ハンザイエローローダミン系染顔料クロムイエローキナクリドンベンジジンイエロー、ローズベンガルトリアリルメタン系染料モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染料もしくは顔料等が挙げられる。これらの着色剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。フルカラートナーの場合には、イエローとしてベンジジンイエロー、モノアゾ系染顔料、縮合アゾ系染顔料等、マゼンタとしてキナクリドン、ローダミン系染顔料、モノアゾ系染顔料等、シアンとしてフタロシアニンブルー等を使用することができる。

0058

荷電制御剤としては、特に制限されないが、4級アンモニウム塩塩基性もしくは電子供与性有機物質等の正帯電制御剤金属キレート類、含金属染料酸性もしくは電子求引性の有機物質等の負帯電制御剤;等が挙げられる。カラートナーの場合、トナーへの色調障害がない点から、荷電制御剤は無色ないし淡色であることが好ましく、このような荷電制御剤の例としては、サリチル酸またはアルキルサリチル酸クロム亜鉛アルミニウム等との金属塩金属錯体アミド化合物フェノール化合物ナフトール化合物等が挙げられる。さらに、スチレン系、アクリル酸系、メタクリル酸系、スルホン酸基を有するビニル重合体を荷電制御剤として用いてもよい。

0059

離型剤としては、特に制限されず、トナーの離型性保存性、定着性、発色性等を考慮して、公知の離型剤から適宜選択して使用できる。離型剤としては、例えばカルナバワックスライスワックス蜜蝋ポリプロピレン系ワックスポリエチレン系ワックス合成エステル系ワックスパラフィンワックス脂肪酸アミドシリコーン系ワックス等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独でまたは2種以上を組合わせて使用することができる。
離型剤の融点は特に制限されず、上記トナー性能を考慮して適宜選択して使用できる。

0060

他の添加剤としては、特に制限されないが、微粉末シリカアルミナチタニア等の流動性向上剤流動性改質剤);マグネタイトフェライト酸化セリウムチタン酸ストロンチウム導電性チタニア等の無機微粉末スチレン樹脂アクリル樹脂等の抵抗調節剤滑剤;等が挙げられる。これらは内添剤として含まれてもよく、外添剤として含まれてもよい。

0061

本発明のトナーは、磁性1成分現像剤非磁性1成分現像剤、2成分現像剤の何れの現像剤としても使用できる。
磁性1成分現像剤として用いられる場合には、本発明のトナーは、磁性体を含有することが好ましい。
磁性体としては、例えば、フェライト、マグネタイト等をはじめとする、鉄、コバルトニッケル等を含む強磁性合金が挙げられる。また、その他、化合物や強磁性元素を含まないが、適当に熱処理することによって強磁性を表すようになる合金、例えば、マンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズ等のマンガンと銅とを含む所謂ホイスラー合金二酸化クロム等が挙げられる。

0062

<各成分の含有量>
本発明のトナー中、本発明のトナー用バインダー樹脂の含有量は、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との合計量が、トナーの全量(100質量%)に対して20質量%以上となる量であることが好ましい。ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との合計量は、22質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましい。ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との合計量が前記下限値以上であれば、紙にトナーが定着するためのバインダー樹脂としての効果が充分に発揮されるとともに、トナーの粉砕性、保存安定性、低温定着性、非オフセット性、耐久性がより優れたものとなる。
トナーの全量に対する本発明のトナー用バインダー樹脂の含有量の上限は、任意に含まれる他の成分の含有量に応じて適宜設定でき、特に限定されないが、典型的には95質量%である。

0063

本発明のトナーが着色剤を含有する場合、その含有量は、特に制限されないが、トナーの色調や画像濃度熱特性の点から、トナーの全量に対し、2〜10質量%であることが好ましい。

0064

本発明のトナーが荷電制御剤を含有する場合、その含有量は、特に制限されないが、トナーの全量に対し、0.5〜5質量%であることが好ましい。荷電制御剤の含有量が0.5質量%以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり、5質量%以下の場合に荷電制御剤の凝集による帯電量の低下が抑制される傾向にある。

0065

本発明のトナーが離型剤を含有する場合、その含有量は、特に制限されないが、上記のトナー性能の観点から、トナーの全量に対し、0.3〜15質量%であることが好ましい。離型剤の含有量の下限値は、1質量%がより好ましく、2質量%が特に好ましい。また、離型剤の含有量の上限値は、13質量%がより好ましく、12質量%が特に好ましい。したがって、離型剤の含有量は、トナーの全量に対し、1〜13質量%がより好ましく、2〜12質量%が特に好ましい。

0066

本発明のトナーが他の添加剤を含有する場合、その含有量は、特に制限されないが、トナーの全量に対し、0.05〜10質量%であることが好ましい。他の添加剤の含有量が0.05質量%以上の場合にトナーの性能改質効果が充分に得られる傾向にあり、10質量%以下の場合にトナーの画像安定性が良好となる傾向にある。

0067

本発明のトナーが磁性体を含有する場合、その含有量は、特に制限されないが、粉砕性に大きく影響を与えるため、トナーの全量に対し、3〜70質量%であることが好ましい。磁性体の含有量が3質量%以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり、70質量%以下の場合にトナーの定着性や粉砕性が良好となる傾向にある。磁性体の含有量の上限値は、60質量%がより好ましく、50質量%が特に好ましい。したがって、磁性体の含有量は、トナーの全量に対し、3〜60質量%がより好ましく、3〜50質量%が特に好ましい。

0068

本発明のトナーの平均粒子径は、特に限定されないが、1〜10μmが好ましく、3〜8μmがより好ましい。平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、トナーの生産性に優れ、上限値以下であれば、高画質化につながる。なお、本明細書において、平均粒子径とは、後述する測定方法で測定される値である。

0069

<トナーの製造方法>
本発明のトナーの製造方法は、特に限定されず、粉砕法、ケミカル法等の公知の方法を利用できる。
本発明のトナーの製造方法としては、前述のとおり、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とを含む混合物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕する工程を含む方法が好ましい。

0070

粉砕法により本発明のトナーを製造する方法としては、例えば、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とを含む混合物を溶融混練し、得られた混練物(トナー塊)を粉砕する工程を含む製造方法が挙げられる。
前記混合物は、他のバインダー樹脂、着色剤、荷電制御剤、離型剤、他の添加剤、磁性体等を含んでもよい。溶融混練は、2軸押出機等の公知の混練機を用いて行うことができる。溶融混練は、典型的には、設定温度100〜200℃の条件下で行われる。混練物の粉砕は、ジェットミル等の公知の粉砕機を用いて行うことができる。粉砕は、粗粉砕し、次いで微粉砕する等、段階的に行ってもよく、一段階で行ってもよい。粉砕後、得られた粉砕物を分級してもよい。粉砕または分級の後、必要に応じて、無機粒子外添処理等を行ってもよい。これにより、本発明のトナーが得られる。

0071

ケミカル法により本発明のトナーを製造する方法としては、例えば、ポリエステル樹脂(A)と、ポリエステル樹脂(B)と、必要に応じて他のバインダー樹脂、着色剤、荷電制御剤、離型剤、他の添加剤、磁性体等を溶剤に溶解または分散させ、水系媒体中にて造粒し、その後、溶剤を除去し、洗浄、乾燥してトナー粒子を得て、必要に応じて無機粒子の外添処理等を行い、トナーを得る方法、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を溶剤に溶解して中和した後、水中にて微分散させて脱溶剤して水形乳化物を得、必要に応じて他のバインダー樹脂、着色剤、荷電制御剤、離型剤、他の添加剤の水系微分散物を用意し、これらと混合し、凝集、合一脱水、洗浄、乾燥してトナー粒子を得て、必要に応じて無機粒子の外添処理を行いトナーを得る方法、等が挙げられる。
溶剤としては、例えばテトラヒドロフラン酢酸エチルメチルエチルケトンイソプロピルアルコール等が挙げられる。水系媒体としては、例えば水が挙げられる。
溶剤への溶解または分散の前に、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とを含む混合物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕する工程を行ってもよい。または溶剤への溶解または分散の前に、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)を別々に溶融混練した後、得られた各々の混練物を混合し、得られた混合物を粉砕する工程を行ってもよい。

0072

<トナーの作用効果>
以上説明した本発明のトナーにあっては、本発明のトナー用バインダー樹脂を含むため、上述したように、保存安定性、低温定着性、非オフセット性および耐久性に優れる。また、ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)等を溶融混練し、得られた混練物を粉砕する工程を経てトナーを製造する場合に、混練物の粉砕性が良好である。そのため、生産性に優れる。

0073

<用途>
本発明のトナーは、電子写真法静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の現像に好適に用いられる。
本発明のトナーは、磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤、2成分現像剤の何れの現像剤としても使用できる。本発明のトナーが磁性体を含有していれば、本発明のトナーをそのまま磁性1成分現像剤として用いることができる。本発明のトナーが磁性体を含有していなければ、本発明のトナーをそのまま非磁性1成分現像剤として用いることができる。また、本発明のトナーとして磁性体を含有していないものと、キャリアとを併用すれば、2成分現像剤として用いることができる。

0074

キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質、それらの表面に樹脂コーティングを施したもの、磁性キャリア等の公知のものを使用することができる。樹脂コーティングキャリアのための被覆樹脂としては、一般に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂シリコーン系樹脂変性シリコーン系樹脂フッ素系樹脂、それらの樹脂の混合物等を使用することができる。

0075

以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
後述の各例で用いた評価方法は以下の通りである。

0076

<ポリエステル樹脂の物性の評価方法>
(ガラス転移温度(Tg))
ポリエステル樹脂について、アルミニウム製セルに10±0.5mgを充填し、100℃のホットプレート上にて10分間加熱させ、セルをドライアイス密着させて0℃以下に急速冷却した後、島津製作所(株)製示差走差熱量計DSC−60を用い、昇温速度5℃/分で測定を行った時のチャートの低温側のベースラインと、ガラス転移温度近傍にある吸熱カーブの接線との交点の温度を求め、その温度をTgとした。

0077

(軟化温度)
ポリエステル樹脂を測定サンプルとし、島津製作所(株)製フローテスターCFT−500を用い、1mmφ×10mmのノズルにより、荷重294N(30kgf)、昇温速度3℃/分の等速昇温下で測定を行う。測定サンプルは1.0g準備する。測定サンプルがベースラインより4mm留出したときの温度を求め、その温度を軟化温度とした。

0078

(酸価)
ポリエステル樹脂約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(A(g))、ベンジルアルコール20mLを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分間加熱してポリエステル樹脂を溶解した。室温まで放冷後、クロロホルム20mL、フェノールフタレイン溶液数滴を加え、0.02規定のKOHベンジルアルコール溶液にて滴定した(滴定量=B(mL)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(mL))、以下の式に従ってポリエステル樹脂の酸価を算出した。
酸価(mgKOH/g)=(B−C)×0.02×56.11×p÷A

0079

(平均分子量)
以下の条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により溶出曲線を得て、得られた溶出曲線のピーク値に相当する保持時間から、標準ポリスチレン換算により平均分子量(Mw、Mn、Mp)および分子量分散度(Mw/Mn)を求めた。
装置:東洋ソーダ工業(株)製、HLC8020。
カラム:東洋ソーダ工業(株)製、TSKgel(登録商標GMHXL(カラムサイズ:7.8mm(内径)×30.0cm(長さ))を3本直列に連結したもの。
オーブン温度:40℃。
溶解液:テトラヒドロフラン(THF)。
試料濃度:4mg/10mL。
濾過条件:0.45μmテフロン(登録商標)メンブレンフィルター試料溶液を濾過。
流速:1mL/分。
注入量:0.1mL。
検出器:示差屈折率RI)検出器。

0080

(ゲル分率)
100mL三角フラスコにポリエステル樹脂を約0.5g秤量し(D(g))、THFを50mL加え、70℃に設定したウォーターバスに3時間浸けてポリエステル樹脂を溶解し、THF溶液を調製した。一方、ガラスフィルター1GP100に6〜7分目までセライト545をきつく充填し、105℃の乾燥機で3時間以上乾燥して秤量した(E(g))。
続いて、この乾燥したガラスフィルター内に、上記のポリエステル樹脂を溶解したTHF溶液を移して吸引ろ過した。アセトンを用いて三角フラスコの壁に残存した内容物をすべてガラスフィルター内に移し、ガラスフィルター内はアセトンを流して可溶分は吸引瓶に落とし、フィルター内に溶剤が残らないよう吸引を続けたのち、80℃の真空乾燥機で3時間以上乾燥して秤量した(F(g))。以下の式にてTHF不溶分(質量%)を算出し、その値をゲル分率とした。
THF不溶分(質量%)=(F−E)/D ×100

0081

<トナー用バインダー樹脂の粉砕性指数>
後述する実施例および比較例におけるトナーの製造において、ポリエステル樹脂(バインダー樹脂)以外の他の成分を配合しない以外は同様にしてバインダー樹脂の混練物を得て、得られた混練物を粉砕して篩いにかけ、16メッシュを通過し22メッシュを通過しない粒子を得た。この分級された粉体を10.00g(G(g))精秤し、トリオブレンダー粉砕機(トリオサイエンス社製)にて10分間粉砕した後、30メッシュの篩いにかけた。30メッシュの篩いを通過した粒子の質量(H(g))を精秤し、次式により通過率を算出した。この操作を3回行い、それらを平均した値を、各例のトナー用バインダー樹脂における粉砕性指数とした。
通過率(%)=(H/G)×100

0082

<粒子の粒子径および粒度分布
粒子の粒子径および粒度分布は、レーザ回折粒径測定機((株)堀場製作所製、商品名:「LA−920」)を用いて測定した。該測定機操作マニュアルに従い、測定用フローセルを用いて、セル内に蒸留水を加え、相対屈折率を1.20に選択設定し、粒径基準を体積基準にし、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を実施した。次に透過率70〜90%の範囲になる濃度まで粒子の水分散液を添加し、超音波処理を強度5で1分間実施し、粒子の粒度分布測定を実施した。測定した粒度分布から、体積分布基準の累積50%に相当する粒子径(メジアン径)を平均粒子径とした。

0083

<トナーの評価方法>
(保存安定性)
トナーを約5g秤量してサンプル瓶に投入し、これを45℃に保温された乾燥機に約24時間放置し、トナーの凝集程度を評価して保存安定性(耐ブロッキング性)の指標とした。評価基準を以下の通りとした。
◎(非常に良好):サンプル瓶を逆さにするだけで分散する。
○(良好) :サンプル瓶を逆さにし、2〜3回叩くと分散する。
△(使用可能) :サンプル瓶を逆さにし、4〜5回叩くと分散する。
×(劣る) :サンプル瓶を逆さにし、5回叩いた際に分散しない。

0084

(低温定着性)
シリコーンオイルが塗布されていない定着ローラーを有し、ローラー速度100mm/秒に設定した温度変更可能であるプリンター(カシオ計算機(株)製SPEEDIA(登録商標)N4−614)を用いて印刷を行い、低温定着性の評価を行った。具体的には、トナーを紙に定着させたときに、トナーが紙に定着し始めるときの最終温度定着温度とし、次の基準で判定した。
◎(非常に良好):定着温度が140℃未満。
〇(良好) :定着温度が140℃以上150℃未満。
△(使用可能) :定着温度が150℃以上160℃未満。
×(劣る) :定着温度が160℃以上。

0085

(耐ホットオフセット性)
シリコーンオイルが塗布されていない定着ローラーを有し、ローラー速度30mm/sに設定したローラー温度変更可能であるプリンターを用いて、テストパターンとして0.5mg/cm2のトナー濃度にて縦4.5cm×横15cmのベタ画像を、ローラー温度5℃毎に印刷した。その際、定着時にホットオフセット現象により定着ローラーにトナーが移行するときの最低温度ホットオフセット発生温度と定め、以下の基準を用いて耐ホットオフセット性(非オフセット性)を判断した。
◎(非常に良好):ホットオフセット発生温度が200℃以上。
○(良好) :ホットオフセット発生温度が180℃以上200℃未満。
△(使用可能) :ホットオフセット発生温度が170℃以上180℃未満。
×(劣る) :ホットオフセット発生温度が170℃未満。

0086

(耐久性)
耐ホットオフセット性の評価と同様の方法にてテストパターンの印刷を三万枚行った後、ブレード癒着印字面のカブリにより、以下の基準を用いて耐久性を評価した。
◎(非常に良好):ブレード癒着やカブリは認められない。
〇(良好) :ブレード癒着やカブリはごくわずかに見られる程度。
△(使用可能) :ブレード癒着やカブリは若干認められるが添加剤などにより改良可能。
×(劣る) :ブレード癒着やカブリが大いに見られる。

0087

<製造例1〜9:ポリエステル樹脂の製造>
表1に示す多価カルボン酸、多価アルコール、および全酸成分に対して500ppmのチタニウムアルコキサイドを、蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。
次いで、反応容器中の攪拌翼回転数を120rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱し、この温度を保持してエステル化反応を行った。エステル化反応が終了し反応系からの水の留出がなくなった後、反応系内の温度を下げて245℃に保ち、反応容器内を約40分かけて減圧し、真空度を133Paとし、反応系からジオール成分を留出させながら縮合反応を行った。
反応とともに反応系の粘度が上昇し、粘度上昇とともに真空度を上昇させ、攪拌翼のトルクが所望の軟化温度を示す値となるまで縮合反応を実施した。そして、所定のトルクを示した時点で撹拌を停止し、反応系を常圧に戻し、窒素により加圧して反応物を取り出し、ポリエステル樹脂A〜Iを得た。得られたポリエステル樹脂A〜Iの物性値を表1に示す。

0088

なお、表1に示す多価カルボン酸、多価アルコールの仕込み組成は、全酸成分(全ての多価カルボン酸)の総モル数を100モル部としたときの各単量体成分のモル部である。
ビスフェノールPO付加物」としては、ポリオキシプロピレン(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用した。
イソソルバイド由来炭素原子比率は、ポリエステル樹脂に含まれる全炭素原子数に対するイソソルバイド由来の構成単位に含まれる炭素原子数の比率(%)である。
イソソルバイド由来炭素原子比率、全酸成分の総モル数に対する三価以上の単量体成分の含有量はそれぞれ、仕込み組成から算出した。

0089

0090

<実施例1>
ポリエステル樹脂89質量部と、キナクリドン顔料クラリアント社製HOSTAPARM PINK E、C.I.番号:Pigment Red 122)7質量部と、カルナバワックス1号(東洋アドレ社製)3質量部と、負帯電性の荷電制御剤(日本カーリット社製LR−147)1質量部とを、ヘンシェルミキサーで5分間混合して混合物を得た。ポリエステル樹脂としては、上記で製造したポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Fとを、A:F=50:50の質量比で使用した。すなわち、トナー用バインダー樹脂の総質量に対するポリエステル樹脂Aの比率を50質量%、ポリエステル樹脂Fの比率を50質量%とした。

0091

次いで、得られた混合物を2軸押出機((株)池製、PCM−29)で溶融混練した。溶融混練は、バレル1を30℃、バレル2を60℃、バレル3を100℃、バレル4以降を120℃に外温設定して行った。混練後、冷却してトナー魂を得た。得られたトナー塊を、ジェットミル微粉砕機で粒子径10μm以下に微粉砕して粉砕物を得た。得られた粉砕物について、分級機にて粒子径3μm以下の微粒子カットして平均粒子径を4μm以上9μm以下に整えた。得られた微粉末100質量部に対して、0.25質量部のシリカ(日本アエロジル社製R−972)を加え、ヘンシェルミキサーで混合して付着させ、トナーを得た。
得られたトナーについて、前述の評価方法による評価を行った。結果を表2に示す。

0092

<実施例2〜6、比較例1〜6>
トナー用バインダー樹脂の組成(ポリエステル樹脂の種類と総質量に対する比率(質量%))を表2〜3に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法でトナーを得た。
得られたトナーについて、前述の評価方法による評価を行った。結果を表2〜3に示す。表2〜3中、TMAは無水トリメリット酸、TMPはトリメチロールプロパンを示す。

0093

0094

実施例

0095

上記結果に示すとおり、実施例1〜6のトナーに用いたトナー用バインダー樹脂は、粉砕性指数が25以上であり、粉砕性に優れていた。また、実施例1〜6のトナーは、保存安定性、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐久性に優れていた。
これに対し、比較例1〜2のトナーは、イソソルバイド由来の構成単位を含み軟化温度が120℃以下のポリエステル樹脂Eを使用したため、耐久性が不良であった。
比較例3〜4のトナーに用いたトナー用バインダー樹脂は、共にイソソルバイド由来の構成単位を含まないポリエステル樹脂を組み合わせたため、粉砕性が不良であった。
比較例5のトナーは、イソソルバイド由来の構成単位を含み軟化温度が120℃超のポリエステル樹脂Aを単独で用いたため、耐久性が不良であった。
比較例6のトナーに用いたトナー用バインダー樹脂は、イソソルバイド由来の構成単位を含まないポリエステル樹脂Fを単独で用いたため、粉砕性が不良であった。

0096

本発明のトナー用バインダー樹脂は、トナーの製造に用いられる。本発明のトナー用バインダー樹脂によれば、保存安定性、低温定着性、非オフセット性、耐久性に優れたトナーが得られる。また、トナー用バインダー樹脂等のトナー用材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕する工程を経てトナーを製造する場合に、混練物の粉砕を良好に行うことができ、トナーの生産性を高めることができる。
本発明のトナーは、電子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の現像に用いることができる。

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