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技術 波長変換部材及びそれを備えたバックライトユニット、液晶表示装置

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 佐竹亮大場達也伊藤英明米山博之
出願日 2016年5月27日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2017-521687
公開日 2018年1月11日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 WO2016-194351
状態 特許登録済
技術分野 液晶4(光学部材との組合せ) 照明装置の配光に係わる部品細部及び防護 面状発光モジュール 発光性組成物
主要キーワード 網点模様 支柱状 ケイ素炭化物 カール変形 立体領域 平面視パターン 導光器 ラミネート位置
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この項目の情報は公開日時点(2018年1月11日)のものです。
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図面 (20)

課題

励起光照射により蛍光を発する量子ドットを含む波長変換層を有する波長変換部材において、発光強度が低下しにくく、耐久性の高い波長変換部材を提供すること、発光強度が低下しにくく、耐久性の高いバックライトユニット及び液晶表示装置を提供すること。

解決手段

波長変換部材(1D)は、励起光により励起されて蛍光を発光する少なくとも1種の量子ドット(30A,30B)を含む波長変換層(30)と、波長変換層(30)に隣接して形成されてなる少なくとも1層の介在層(40)と、波長変換層(30)の少なくとも一方の面側に形成されてなるバリア層(12,22)と、を備え、介在層(40)の少なくとも1層と波長変換層(30)が、少なくとも1種の酸化防止剤を含有する。

概要

背景

液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)などのフラットパネルディスプレイは、消費電力が小さく、省スペース画像表示装置として年々その用途が広がっている。液晶表示装置は、少なくともバックライト液晶セルとから構成され、通常、更に、バックライト側偏光板視認側偏光板などの部材が含まれる。

近年、LCDの色再現性の向上を目的として、バックライトユニット波長変換部材に、量子ドット(Quantum Dot、QD、量子点とも呼ばれる。)を発光材料として含んだ波長変換層を備えた構成が注目されている(特許文献1参照)。波長変換部材は、光源から入射された光の波長を変換して白色光として出射させる部材であり、上記量子ドットを発光材料として含んだ波長変換層では、発光特性の異なる2種又は3種の量子ドットが光源から入射された光により励起されて発光する蛍光を利用して白色光を具現化することができる。

量子ドットによる蛍光は高輝度であり、しかも半値幅が小さいため、量子ドットを用いたLCDは色再現性に優れる。このような量子ドットを用いた3波長光源化技術の進行により、LCDの色再現域は、現行TV規格(FHD(Full High Density)、NTSC(National Television System Committee))比72%から100%へと拡大している。

量子ドットを含む層(以下、QD層と称することがある。)は、酸素侵入を抑制する必要があることが知られている。QD層へ酸素が侵入すると、量子ドットが酸素との接触により光酸化されて発光強度が低下するという問題がある。

かかる問題を解決するために、量子ドットを外部から侵入した酸素から保護するために、波長変換部材において、QD層の外側に、酸素の侵入を抑制するバリアフィルムを備えることが提案されている(特許文献1等)。

バリアフィルムは、通常、QD層を挟持する支持体として、酸素バリア性を有する基材を用いることにより基材自体をバリアフィルムとして用いる態様や、支持体の表面に酸素バリア性を有する無機バリア層有機バリア層を備える態様等が知られている。酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有する無機バリア層としては、無機酸化物無機窒化物無機酸化窒化物、金属等の無機層が好適に使用される。

しかしながら、特許文献1のように、波長変換部材において、QD層の外側にバリアフィルムを備えるだけでは、QD層への酸素の侵入をある程度抑制することができるが充分とはいえない。特に長尺フィルム形状の波長変換部材とした後に所望の大きさに切断して波長変換部材を製造する場合等は、切断側面においてQD層が外気曝露されるため、切断側面からの酸素の侵入に対する対策も必要である。

特許文献2及び3には、QD層に発光安定化剤が含まれる構成が開示されており、QD層中に発光安定化剤が存在するため、バリアフィルムを透過してきた酸素や側面から侵入した酸素の侵入等の影響を低減することができることが記載されている。また、特許文献4には、アスコルビン酸パルミチン酸アルファトコフェロールビタミンE)等の還元剤を含む量子ドット含有ビーズが記載されている。

概要

励起光照射により蛍光を発する量子ドットを含む波長変換層を有する波長変換部材において、発光強度が低下しにくく、耐久性の高い波長変換部材を提供すること、発光強度が低下しにくく、耐久性の高いバックライトユニット及び液晶表示装置を提供すること。波長変換部材(1D)は、励起光により励起されて蛍光を発光する少なくとも1種の量子ドット(30A,30B)を含む波長変換層(30)と、波長変換層(30)に隣接して形成されてなる少なくとも1層の介在層(40)と、波長変換層(30)の少なくとも一方の面側に形成されてなるバリア層(12,22)と、を備え、介在層(40)の少なくとも1層と波長変換層(30)が、少なくとも1種の酸化防止剤を含有する。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、励起光照射により蛍光を発する量子ドットを含む波長変換層を有する波長変換部材において、波長変換層内の低重合度成分の含有量が少なく、発光強度が低下しにくく、耐久性の高い波長変換部材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

励起光により励起されて蛍光発光する少なくとも1種の量子ドット酸化防止剤を含む波長変換層と、該波長変換層に隣接して形成されてなる少なくとも1層の介在層と、前記波長変換層の少なくとも一方の面側に形成されてなるバリア層と、を備えた波長変換部材であって、前記介在層の少なくとも1層が、前記酸化防止剤を含有する酸化防止剤含有介在層である波長変換部材。

請求項2

前記波長変換層が、重合度が2以上4以下の低重合度成分を含み、該低重合度成分の前記波長変換層中の含有量5質量%以下である請求項1記載の波長変換部材。

請求項3

前記酸化防止剤が、ラジカル阻害剤金属不活性化剤一重項酸素消去剤スーパーオキシド消去剤、およびヒドロキシラジカル消去剤のうち少なくとも1種である請求項1または2記載の波長変換部材。

請求項4

前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール化合物ヒンダードアミン化合物キノン化合物ヒドロキノン化合物トリフェロール化合物、アスパラギン酸化合物、およびチオール化合物のうち少なくとも1種である請求項1〜3いずれか1項記載の波長変換部材。

請求項5

前記酸化防止剤が、クエン酸化合物アスコルビン酸化合物、およびトコフェロール化合物のうち少なくとも1種である請求項3または4記載の波長変換部材。

請求項6

前記酸化防止剤含有介在層が、前記バリア層と前記波長変換層との間に形成されてなる請求項1記載の波長変換部材。

請求項7

前記波長変換層と前記酸化防止剤含有介在層とが同一平面上に存在する領域を少なくとも一部備え、この領域内において、前記波長変換層が前記介在層によって区画されて散在するか、または、前記介在層が前記波長変換層によって区画されて散在するかのいずれかである、請求項1記載の波長変換部材。

請求項8

前記波長変換層と前記酸化防止剤含有介在層とのうち、区画されて散在する側の層のドット平均幅が、0.05〜1.0mmの範囲であり、かつ、波長変換層を少なくとも含む立体領域における前記波長変換層の体積Vwと前記介在層の体積Voで計算される体積率Vw/(Vw+Vo)が0.2〜0.8の範囲である請求項7記載の波長変換部材。

請求項9

前記バリア層が、ケイ素酸化物ケイ素窒化物ケイ素炭化物、またはアルミニウム酸化物を含む請求項1〜8いずれか1項記載の波長変換部材。

請求項10

前記バリア層の酸素透過率が0.1cm3/(m2・Day・atm)以下である請求項1〜9いずれか1項記載の波長変換部材。

請求項11

前記バリア層が、前記波長変換層の両面に備えられてなる請求項1〜10いずれか1項記載の波長変換部材。

請求項12

前記酸化防止剤含有介在層が、前記波長変換層の両面に隣接して形成されてなる請求項1〜11いずれか1項記載の波長変換部材。

請求項13

請求項1〜12いずれか1項記載の波長変換部材と、該波長変換部材に入射させる一次光出射する光源とを備えるバックライトユニット

請求項14

請求項13に記載のバックライトユニットと、該バックライトユニットから出射された光が入射される液晶セルユニットとを備えてなる液晶表示装置

請求項15

請求項1〜12いずれか1項記載の波長変換部材の製造方法であって、前記酸化防止剤含有介在層を表面に備えた基板を用意し、前記表面に、前記少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる前記波長変換層の前駆体層を隣接させて配置し、該前駆体層を硬化させる波長変換部材の製造方法。

請求項16

請求項1〜12いずれか1項記載の波長変換部材の製造方法であって、基板上に、前記少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる前記波長変換層の前駆体層を配置し、該前駆体層を硬化させて硬化層とし、前記酸化防止剤含有介在層を前記硬化層と隣接させて配置する波長変換部材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、励起光照射により蛍光を発する量子ドットを含む波長変換層を有する波長変換部材及びそれを備えたバックライトユニット液晶表示装置に関する。

背景技術

0002

液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)などのフラットパネルディスプレイは、消費電力が小さく、省スペース画像表示装置として年々その用途が広がっている。液晶表示装置は、少なくともバックライト液晶セルとから構成され、通常、更に、バックライト側偏光板視認側偏光板などの部材が含まれる。

0003

近年、LCDの色再現性の向上を目的として、バックライトユニットの波長変換部材に、量子ドット(Quantum Dot、QD、量子点とも呼ばれる。)を発光材料として含んだ波長変換層を備えた構成が注目されている(特許文献1参照)。波長変換部材は、光源から入射された光の波長を変換して白色光として出射させる部材であり、上記量子ドットを発光材料として含んだ波長変換層では、発光特性の異なる2種又は3種の量子ドットが光源から入射された光により励起されて発光する蛍光を利用して白色光を具現化することができる。

0004

量子ドットによる蛍光は高輝度であり、しかも半値幅が小さいため、量子ドットを用いたLCDは色再現性に優れる。このような量子ドットを用いた3波長光源化技術の進行により、LCDの色再現域は、現行TV規格(FHD(Full High Density)、NTSC(National Television System Committee))比72%から100%へと拡大している。

0005

量子ドットを含む層(以下、QD層と称することがある。)は、酸素侵入を抑制する必要があることが知られている。QD層へ酸素が侵入すると、量子ドットが酸素との接触により光酸化されて発光強度が低下するという問題がある。

0006

かかる問題を解決するために、量子ドットを外部から侵入した酸素から保護するために、波長変換部材において、QD層の外側に、酸素の侵入を抑制するバリアフィルムを備えることが提案されている(特許文献1等)。

0007

バリアフィルムは、通常、QD層を挟持する支持体として、酸素バリア性を有する基材を用いることにより基材自体をバリアフィルムとして用いる態様や、支持体の表面に酸素バリア性を有する無機バリア層有機バリア層を備える態様等が知られている。酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有する無機バリア層としては、無機酸化物無機窒化物無機酸化窒化物、金属等の無機層が好適に使用される。

0008

しかしながら、特許文献1のように、波長変換部材において、QD層の外側にバリアフィルムを備えるだけでは、QD層への酸素の侵入をある程度抑制することができるが充分とはいえない。特に長尺フィルム形状の波長変換部材とした後に所望の大きさに切断して波長変換部材を製造する場合等は、切断側面においてQD層が外気曝露されるため、切断側面からの酸素の侵入に対する対策も必要である。

0009

特許文献2及び3には、QD層に発光安定化剤が含まれる構成が開示されており、QD層中に発光安定化剤が存在するため、バリアフィルムを透過してきた酸素や側面から侵入した酸素の侵入等の影響を低減することができることが記載されている。また、特許文献4には、アスコルビン酸パルミチン酸アルファトコフェロールビタミンE)等の還元剤を含む量子ドット含有ビーズが記載されている。

先行技術

0010

米国特許出願公開第2012/0113672号明細書
国際公開第2011/031876号
国際公開第2013/078252号
米国特許出願公開第2013/0313595号明細書

発明が解決しようとする課題

0011

一方、QD層の形成に用いられる量子ドット含有重合性組成物中に発光安定化剤や還元剤が多く含まれると、QD含有重合性組成物からなる前駆体層硬化反応に影響を及ぼして硬化阻害を引き起こし、QD層やQDビーズに、低重合度成分が多く含まれる可能性がある。低重合度成分は、ポリマーの物性の経時劣化を引き起こすため、耐久性の観点において少ないことが好ましい。

0012

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、励起光照射により蛍光を発する量子ドットを含む波長変換層を有する波長変換部材において、波長変換層内の低重合度成分の含有量が少なく、発光強度が低下しにくく、耐久性の高い波長変換部材を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、発光強度が低下しにくく、耐久性の高い高輝度なバックライトユニット及び液晶表示装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0013

本発明の波長変換部材は、励起光により励起されて蛍光を発光する少なくとも1種の量子ドットと酸化防止剤を含む波長変換層と、波長変換層に隣接して形成されてなる少なくとも1層の介在層と、波長変換層の少なくとも一方の面側に形成されてなるバリア層と、を備えた波長変換部材であって、介在層の少なくとも1層が、酸化防止剤を含有する酸化防止剤含有介在層である。

0014

波長変換層に重合度が2以上4以下の低重合度成分を含む場合、低重合度成分の波長変換層中の含有量は、5質量%以下であることが好ましい。

0015

酸化防止剤は、ラジカル阻害剤金属不活性化剤一重項酸素消去剤スーパーオキシド消去剤、およびヒドロキシラジカル消去剤のうち少なくとも1種であることが好ましく、ヒンダードフェノール化合物ヒンダードアミン化合物キノン化合物ヒドロキノン化合物トリフェロール化合物、アスパラギン酸化合物、およびチオール化合物のうち少なくとも1種であることがより好ましく、クエン酸化合物アスコルビン酸化合物、およびトコフェロール化合物のうち少なくとも1種であることが更に好ましい。

0016

本発明の波長変換部材の好ましい態様としては、酸化防止剤含有介在層が、バリア層と波長変換層との間に形成されてなる態様が挙げられる。かかる態様の酸化防止剤含有介在層としては、バリア層と波長変換層との間に形成されてなる粘着剤層が挙げられる。
また、波長変換層が、第1の波長の蛍光を発光する第1の量子ドットを含む第1の波長変換層と、第1の波長と異なる第2の波長の蛍光を発光する第2の量子ドットを含む第2の波長変換層とを含み、酸化防止剤含有介在層が、第1の波長変換層と第2の波長変換層とに隣接してなる態様が挙げられる。
酸化防止剤含有介在層は、波長変換層の両面に隣接して形成されてなる態様であることも好ましい。

0017

また、本発明の波長変換部材の好ましいもう一つの態様としては、前記波長変換層と前記酸化防止剤含有介在層とが同一平面上に存在する領域を少なくとも一部備え、この領域内において、前記波長変換層が前記介在層によって区画されて散在するか、または、前記介在層が前記波長変換層によって区画されて散在するかのいずれかである態様が挙げられる。中でも、区画されて散在する側の層のドット平均幅が、0.05〜1.0mmの範囲であり、かつ、波長変換層を少なくとも含む立体領域における前記波長変換層の体積Vwと前記介在層の体積Voで計算される体積率Vw/(Vw+Vo)が0.2〜0.8の範囲である態様は、より好ましいひとつの態様である。任意のかかる態様の酸化防止剤含有介在層としては、2つのバリア層間に形成されてなる支柱状スペーサー構造物、もしくは2つのバリア層間に空間を形成する隔壁構造物等が挙げられる。
酸化防止剤含有介在層が、波長変換層の両面に隣接して形成され、かつ、その2つの介在層同士が連結するような構造を有してなる態様であることもより好ましい。

0018

バリア層は、ケイ素酸化物ケイ素窒化物ケイ素炭化物、またはアルミニウム酸化物を含むものが好ましい。バリア層の酸素透過率は、0.1cm3/(m2・Day・atm)以下であることが好ましい。
本明細書において、酸素透過率は、測定温度23℃、相対湿度90%RHの条件下における測定値であり、酸素透過率が0.1cm3/(m2・day・atm)以下であるとは、SI単位では1.14×10−2fm/(s・Pa)以下であることを意味する。
バリア層は、波長変換層の両面に備えられてなることが好ましい。

0019

本発明のバックライトユニットは、上記本発明の波長変換部材と、
波長変換部材に入射させる一次光を出射する光源とを備えるものである。

0020

本発明の液晶表示装置は、上記本発明のバックライトユニットと、
バックライトユニットから出射された光が入射される液晶セルとを備えてなるものである。

0021

本発明の波長変換部材の第1の製造方法は、上記本発明の波長変換部材の製造方法であって、
酸化防止剤含有介在層を表面に備えた基板を用意し、
酸化防止剤含有介在層表面に、少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる波長変換層の前駆体層を隣接させて配置し、前駆体層を硬化させるものである。

0022

本発明の波長変換部材の第2の製造方法は、上記本発明の波長変換部材の製造方法であって、
基板上に、少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる波長変換層の前駆体層を配置し、前駆体層を硬化させて硬化層とし、酸化防止剤含有介在層を硬化層と隣接させて配置する。

0023

本発明の波長変換部材の第3の製造方法は、上記本発明の波長変換部材の製造方法であって、
基板上に、少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる波長変換層の前駆体層をパターン状に配置し、前駆体層を硬化させて硬化層とし、酸化防止剤含有介在層を波長変換層のパターン間を充填するように配置する。

0024

本発明の波長変換部材の第4の製造方法は、上記本発明の波長変換部材の製造方法であって、
基板上に、酸化防止剤含有介在層をパターン状に配置し、少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる波長変換層の前駆体層を前記酸化防止剤含有介在層のパターン間を充填するように配置した後、前駆体層を硬化させて硬化層とする。

0025

明細書中ピークの「半値幅」とは、ピーク高さ1/2でのピークの幅のことを言う。また、430〜480nmの波長帯域発光中心波長を有する光を青色光と呼び、520〜560nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を緑色光と呼び、600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を赤色光と呼ぶ。

0026

加えて、波長変換層を少なくとも含む立体領域とは、波長変換層と酸化防止剤含有介在層とが面内で混在する場合において、膜厚方向には波長変換層の最下端から最上端まで、面内方向においては波長変換層が存在する領域の辺縁部までの領域で区切られる立体領域を指す。また、酸化防止剤含有介在層および波長変換層の区画されたドットの「平均幅」とは、区画されたドット1個における最大幅複数個のドットについて平均した値のことを言う。平均を取るべきドット数は、統計上信頼できる数であればよい。

発明の効果

0027

本発明の波長変換部材は、励起光により励起されて蛍光を発光する少なくとも1種の量子ドットと酸化防止剤を含む波長変換層と、波長変換層に隣接して形成されてなる少なくとも1層の介在層と、波長変換層の少なくとも一方の面側に形成されてなるバリア層とを備え、介在層の少なくとも1層が、酸化防止剤を含有する酸化防止剤含有介在層である。かかる構成の波長変換部材は、波長変換層内に酸化防止剤を含有するため、波長変換層内に存在する酸素による量子ドットの光酸化を効果的に防止することができる。また、かかる構成の波長変換部材は、介在層内に酸化防止剤を含有するため、介在層から波長変換層へ徐放される酸化防止剤が経時にて侵入した酸素による量子ドットの光酸化を継続的に防止することができる。更に、かかる構成の波長変換部材は、波長変換層内の低重合度成分の含有量が少なく、低重合度成分の存在による波長変換層の物性の経時劣化が少ない。従って、本発明によれば、発光強度が低下しにくく、耐久性の高い波長変換部材を提供することができる。

図面の簡単な説明

0028

本発明にかかる一実施形態の波長変換部材を備えたバックライトユニットの概略構成断面図である。
本発明にかかる第1実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。
本発明にかかる第2実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。
本発明にかかる第3実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。
本発明にかかる第4実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。
本発明にかかる第5実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。
本発明にかかる第6実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。
本発明にかかる第7実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。
本発明にかかる第8実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。
本発明にかかる第9実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。
本発明にかかる一実施形態の波長変換部材の製造装置の一例を示す概略構成図である。
図11に示す製造装置の部分拡大図である。
本発明にかかる一実施形態のバックライトユニットを備えた液晶表示装置の概略構成断面図である。
第10実施形態の波長変換部材1D−10の概略構成を示す斜視図である。
第10実施形態の波長変換部材1D−10および第11実施形態1D−11の概略構成を示す平面図である。
第10実施様態の波長変換部材の詳細な構成の一例を示す断面図である。
ドットの平面視パターンの一例を示す平面図である。
ドットの平面視パターンの他の一例を示す平面図である。
ドットの偏在の一例を示す断面図である。
ドットの偏在の他の一例を示す断面図である。

0029

図面を参照して、本発明にかかる一実施形態の波長変換部材及びそれを備えたバックライトユニットについて説明する。図1は、本実施形態の波長変換部材を備えたバックライトユニットの概略構成断面図であり、図2は、本発明の波長変換部材の第1実施形態の概略構成断面図、図3図10は、本発明の波長変換部材の第2〜第9実施形態の概略構成断面図である。本明細書の図面において、視認しやすくするために各部の縮尺を適宜変更して示してある。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。

0030

図1に示されるように、バックライトユニット2は、一次光(青色光LB)を出射する光源1Aと光源1Aから出射された一次光を導光させて出射させる導光板1Bとからなる面状光源1Cと、面状光源1C上に備えられてなる波長変換部材1Dと、面状光源1Cを挟んで波長変換部材1Dと対向配置される反射板2Aとを備えており、波長変換部材1Dは、面状光源1Cから出射された一次光LBの少なくとも一部を励起光として、蛍光を発光し、この蛍光からなる二次光(LG,LR)及び波長変換部材1Dを透過した一次光LBを出射するものである。
波長変換部材1Dの形状は特に限定されるものではなく、シート状、バー状等の任意の形状であることができる。

0031

図1において、波長変換部材1Dから出射されたLBが量子ドット30A、30B(図示せず)によって吸収され、必要な量の蛍光(LG,LR)が発光し、白色光LWが具現化されて出射される。

0032

励起光として紫外光を用いた場合は、量子ドット30A,30B,30C(図示せず)を含む波長変換部材1Dに励起光として紫外光を入射させることにより、量子ドット30A(図示せず)により発光される緑色光、量子ドット30B(図示せず)により発光される赤色光、及び量子ドット30C(図示せず)により発光される青色光により、白色光を具現化することができる。

0033

「波長変換部材」
波長変換部材1Dは、励起光(LB)により励起されて蛍光(LG,LR)を発光する量子ドット30A,30Bを含む波長変換層30と、波長変換層30の表面に形成された、バリア層12,22を備えてなる(図2図3〜10)。

0034

図2図3〜10に示される第1実施形態から第9実施形態において、波長変換部材1D−1〜1D−9は、波長変換層30と、その両主面(表面)に、バリアフィルム10と20とを備えてなり、バリアフィルム10,20は、それぞれ、支持体11,21と、その表面に支持されてなるバリア層12,22を有する構成としている。

0035

図2図3〜10において、波長変換部材1D−1〜1D−9は、上側(バリアフィルム20側)が、バックライトユニット2における出射側であり、下側(バリアフィルム10側)が面状光源1C側である。波長変換部材1D−1〜1D−9に侵入した酸素は、出射側及び面状光源1C側においても、バリアフィルム10及び20により波長変換層30への侵入が抑制される構成を有している。

0036

「発明が解決しようとする課題」の項目において述べたように、波長変換部材において、量子ドットを含む波長変換層に発光安定化剤や還元剤等を含有する構成とすることにより、バリアフィルムを透過してきた酸素や側面から侵入した酸素による量子ドットの光酸化を低減することができるが、発光安定化剤や還元剤が波長変換層の前駆体層である量子ドット含有重合性組成物中に多く含まれると、波長変換層の前駆体層の硬化阻害を引き起こす可能性があることを述べた。本発明者は、波長変換層内の低重合度成分の存在量を抑制して製造可能であり、バリアフィルムを透過してきた酸素や側面から進入した酸素の進入の影響を低減することができる構成について検討を行った。

0037

すなわち、本発明にかかる実施形態の波長変換部材1D−1〜1D−9は、励起光(LB)により励起されて蛍光(LG,LR)を発光する少なくとも1種の量子ドット(30A,30B)と酸化防止剤AOを含む波長変換層30と、波長変換層30に隣接して形成されてなる少なくとも1層の介在層(12c,22c,50,60)と、波長変換層30の少なくとも一方の面側に形成されてなるバリア層(12,22)と、を備えた波長変換部材であって、介在層(12c,22c,50,60)のうち少なくとも1層が、酸化防止剤AOを含有する酸化防止剤含有介在層40である。

0038

図2に示される第1実施形態の波長変換部材1D−1は、バリア層12のバリオーバーコート層12cが酸化防止剤含有介在層40である態様,図3に示される第2実施形態の波長変換部材1D−2は、バリア層22のバリアオーバーコート層22cが酸化防止剤含有介在層40である態様,図4に示される第3実施形態の波長変換部材1D−3は、バリアオーバーコート層12c及び22cが酸化防止剤含有介在層40である態様である。

0039

また、図5に示される第4実施形態の波長変換部材1D−4、及び、図6に示される第5実施形態の波長変換部材1D−5は、第3実施形態の波長変換部材1D−3において、波長変換層30が、蛍光LGを発光する量子ドット30Aを含む波長変換層30Gと、蛍光LRを発光する量子ドット30Bを含む波長変換層30Rの2層からなる態様である。

0040

図7に示される第6実施形態の波長変換部材1D−6は、波長変換層30とバリアフィルム20との貼りあわせに用いる接着剤に酸化防止剤AOを含有させた態様であり、粘着剤層50が酸化防止剤含有介在層40である態様である。

0041

図8に示される第7実施形態の波長変換部材1D−7と図9に示される第8実施形態の波長変換部材1D−8は、それぞれ、図5に示される第4実施形態の波長変換部材1D−4及び図6に示される第5実施形態の波長変換部材1D−5において、バリアオーバーコート層(12c、22c)に酸化防止剤AOを含有させずに、蛍光LGを発光する量子ドット30Aを含む波長変換層30Gと、蛍光LRを発光する量子ドット30Bを含む波長変換層30Rとの間に、酸化防止剤含有介在層40として中間層60を設けた態様である。
図10に示される第9実施形態の波長変換部材1D−9は、図2に示させる第1実施形態の波長変換部材1D−1において、バリアオーバーコート層12cに酸化防止剤AOを含有させずに、波長変換層30中に酸化防止剤含有介在層40を中間層60として設けた態様である。

0042

上記した第1〜第9実施形態の波長変換部材1D−1〜1D−9は、
酸化防止剤含有介在層40を表面に備えた基板を用意し、表面に、少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる波長変換層(30,30G,30R)の前駆体層を隣接させて配置し、前駆体層を硬化させる本発明の波長変換部材の第1の製造方法、
基板上に、少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる波長変換層(30,30G,30R)の前駆体層30Mを配置し、前駆体層30Mを硬化させて硬化層とし、酸化防止剤含有介在層40を硬化層と隣接させて配置する第2の製造方法、または、これらの組み合わせにより製造することができる。ここで、基板とは、基材自身であってもよいし、基材上に各種機能層が積層された積層基板であってもよく、上記各実施形態によって基板の態様が異なるため符号は省略して記載してある。

0043

代表的な構成のひとつとして、図2に示される第1実施形態の波長変換部材1D−1について説明する。波長変換部材1D−1は、支持体11上に有機バリア層12aと無機バリア層12bからなるバリア層12と、酸化防止剤AOを含み、バリア層12の表面を被覆するバリアオーバーコート層12c(酸化防止剤含有介在層40)とを備えたバリアフィルム10と、バリアオーバーコート層12c(酸化防止剤含有介在層40)と隣接して形成されてなり、励起光(LB)により励起されて蛍光(LG,LR)を発光する少なくとも1種の量子ドット(30A,30B)と酸化防止剤AOを含む波長変換層30と、支持体21上に有機バリア層22aと無機バリア層22bからなるバリア層22と、バリア層22の表面を被覆するバリアオーバーコート層22cとを備えたバリアフィルム20とを備えている。波長変換部材1D−1において、バリアフィルム10は、波長変換層30側の面と反対側の面に、凹凸構造を付与する凹凸付与層マット層)13を備えている。本実施形態において、凹凸付与層13は、光拡散層としての機能も有している。

0044

波長変換部材1D−1は、バリアフィルム10を基板として用意し、バリアオーバーコート層12c(酸化防止剤含有介在層40)の表面に、蛍光LGを発光する量子ドット30Aと蛍光LRを発光する量子ドット30Bを含む重合性組成物からなる波長変換層30の前駆体層を隣接させて配置し、前駆体層を硬化させることにより製造することができる(第1の製造方法)。

0045

第1の製造方法において、酸化防止剤含有介在層40の表面に波長変換層30の前駆体層(後記実施例を参照)を隣接配置し、前駆体層を硬化させる方法は特に制限されない。好ましい方法としては、バリアフィルム10の酸化防止剤含有介在層40の表面に、波長変換層30の原料となる重合性組成物を塗布して前駆体層を形成し、前駆体層上に、バリアフィルム20を、バリアオーバーコート層22cが前駆体層と隣接するように載置した後に、前駆体層を硬化させる方法、バリアフィルム10の酸化防止剤含有介在層40の表面に、波長変換層30の原料となる重合性組成物を塗布して前駆体層30Mを形成し、前駆体層30Mを硬化させて硬化層とした後に、バリアフィルム20を、バリアオーバーコート層22cが粘着剤層(図示せず)を介して硬化層と隣接するように載置する方法、バリアフィルム20のバリアオーバーコート層22c上に波長変換層30の原料となる重合性組成物を塗布して前駆体層30Mを形成し、前駆体層30M上に、バリアフィルム10を、バリアオーバーコート層12c(酸化防止剤含有介在層40)が前駆体層と隣接するように載置した後に、前駆体層30Mを硬化させる方法等が挙げられる。

0046

また、波長変換部材1D−1は、バリアフィルム20を基材として用意し、バリアフィルム20のバリアオーバーコート層22c上に波長変換層30の原料となる重合性組成物を塗布して前駆体層30Mを形成し、前駆体層30Mを硬化させて硬化層とし、バリアオーバーコート層12c(酸化防止剤含有介在層40)を硬化層と隣接させて配置することにより製造することができる(第2の製造方法)。

0047

第2の製造方法において、酸化防止剤含有介在層40を硬化層と隣接させて配置する方法としては特に制限されないが、酸化防止剤含有介在層40が形成されてなるバリアフィルム10をバリアオーバーコート層12c(酸化防止剤含有介在層40)が粘着剤層(図示せず)を介して硬化層と隣接するように載置する方法、バリアオーバーコート層12c(酸化防止剤含有介在層40)の前駆体層30Mが形成されてなるバリアフィルム10に、硬化層が形成されてなるバリアフィルム20を、硬化層とバリアオーバーコート層12cの前駆体層30Mとが隣接するように載置した後に、前駆体層30Mを硬化させる方法等が挙げられる。

0048

第1の製造方法において、酸化防止剤含有介在層40と波長変換層(30,30G,30R)の前駆体層を隣接させて配置し、その後前駆体層30Mを硬化させると、酸化防止剤含有介在層40中に含まれる酸化防止剤AOが硬化層中に拡散して、酸化防止剤含有介在層40中に含まれていた酸化防止剤AOを含む波長変換層(30,30G,30R)となる。第2の製造方法においても、酸化防止剤含有介在層40を前駆体層30Mの硬化層と隣接させて配置して得られた層は酸化防止剤含有介在層40中に含まれていた酸化防止剤AOを含む波長変換層(30,30G,30R)となっている。

0049

第1の製造方法及び第2の製造方法において、波長変換層(30,30G,30R)中における酸化防止剤AOによる量子ドットの光酸化防止効果をより効果的に得るためには、酸化防止剤AOが充分に硬化層中に拡散しうる時間を経過させることが好ましい。充分に拡散させうる経過時間は、波長変換層(30,30G,30R)のマトリックス材の種類や、酸化防止剤AOによって最も好適な経過時間は異なるが、室温では、24時間以上経過させることが好ましい。また、経過時間が72時間を超えるとその酸化防止剤AOの拡散はほぼ観察されなくなり、酸化防止剤含有介在層40と波長変換層(30,30G,30R)における酸化防止剤AOの分布はほぼ一定の形状となると考えられる。

0050

上記第1の製造方法及び第2の製造方法において、未硬化の前駆体層30Mを基材(バリアフィルム)で挟持した状態で硬化させて製造する場合は、以下のようにして製造することが好ましい。
以下では、支持体11,21上にバリア層12,22を備えた基材10,20(以下、バリアフィルム10,20とする)により未硬化の波長変換層の前駆体層30Mを挟持した状態で硬化させて波長変換部材1D−1を製造する場合を一例として説明する。
図11図12を参照して以下に説明する。ただし、本発明は、下記態様に限定されるものではない。

0051

図11は、波長変換部材1D−1の製造装置の一例の概略構成図であり、図12は、図11に示す製造装置の部分拡大図である。図11、12に示す製造装置を用いる波長変換部材の製造工程は、連続搬送される第一のバリアフィルム10(以下、「第一のフィルム」という。)の表面に量子ドット含有重合性組成物を塗布し塗膜を形成する工程と、塗膜の上に、連続搬送される第二のバリアフィルム20(以下、「第二のフィルム」ともいう。)をラミネートし(重ねあわせ)、第一のフィルムと第二のフィルムとで塗膜を挟持する工程と、第一のフィルムと第二のフィルムとで塗膜を挟持した状態で、第一のフィルム、及び第二のフィルムの何れかをバックアップローラに巻きかけて、連続搬送しながら光照射し、塗膜を重合硬化させて硬化層を形成する工程とを少なくとも含む。本実施形態では、第一のフィルム、第二のフィルムの双方に、酸素や水分に対するバリア性を有するバリアフィルムを用いている。かかる態様とすることにより、波長変換層の両面がバリアフィルムにより保護された波長変換部材1D−1を得ることができる。片面がバリアフィルムにより保護された波長変換部材としてもよく、その場合は、バリアフィルム側を外気に近い側として用いることが好ましい。

0052

第1実施形態のように、バリア層12の表面にバリアオーバーコート層12c(酸化防止剤含有介在層40)を設けた態様では、バリア層12の表面にバリアオーバーコート層12c(酸化防止剤含有介在層40)を備えたバリアフィルムを第二のフィルムとして用いて製造する。

0053

より詳しくは、まず、図示しない送出機から第一のフィルム10が塗布部120へと連続搬送される。送出機から、例えば、第一のフィルム10が1〜50m/分の搬送速度で送出される。但し、この搬送速度に限定されない。送出される際、例えば、第一のフィルム10には、20〜150N/mの張力、好ましくは30〜100N/mの張力が加えられる。

0054

塗布部120では、連続搬送される第一のフィルム10の表面に量子ドット含有重合性組成物(以下、「塗布液」とも記載する。)が塗布され、前駆体層30M(図3参照)が形成される。塗布部120では、例えば、ダイコーター124と、ダイコーター124に対向配置されたバックアップローラ126とが設置されている。第一のフィルム10の前駆体層30Mの形成される表面と反対の表面をバックアップローラ126に巻きかけて、連続搬送される第一のフィルム10の表面にダイコーター124の吐出口から塗布液が塗布され、前駆体層30Mが形成される。ここで前駆体層30Mとは、第一のフィルム10上に塗布された硬化前の量子ドット含有重合性組成物をいう。

0055

本実施形態では、塗布装置としてエクストルージョンコーティング法を適用したダイコーター124を示したが、これに限定されない。例えば、カーテンコーティング法ロッドコーティング法又はロールコーティング法等、種々の方法を適用した塗布装置を用いることができる。

0056

塗布部120を通過し、その上に前駆体層30Mが形成された第一のフィルム10は、ラミネート部130に連続搬送される。ラミネート部130では、前駆体層30Mの上に、連続搬送される第二のフィルム20がラミネートされ、第一のフィルム10と第二のフィルム20とで前駆体層30Mが挟持される。

0057

ラミネート部130には、ラミネートローラ132と、ラミネートローラ132を囲う加熱チャンバー134とが設置されている。加熱チャンバー134には第一のフィルム10を通過させるための開口部136、及び第二のフィルム20を通過させるための開口部138が設けられている。

0058

ラミネートローラ132に対向する位置には、バックアップローラ162が配置されている。前駆体層30Mの形成された第一のフィルム10は、前駆体層30Mの形成面と反対の表面がバックアップローラ162に巻きかけられ、ラミネート位置Pへと連続搬送される。ラミネート位置Pは第二のフィルム20と前駆体層30Mとの接触が開始する位置を意味する。第一のフィルム10はラミネート位置Pに到達する前にバックアップローラ162に巻きかけられることが好ましい。仮に第一のフィルム10にシワが発生した場合でも、バックアップローラ162によりシワがラミネート位置Pに達するまでに矯正され、除去できるからである。したがって、第一のフィルム10がバックアップローラ162に巻きかけられた位置(接触位置)と、ラミネート位置Pまでの距離L1は長いことが好ましく、例えば、30mm以上が好ましく、その上限値は、通常、バックアップローラ162の直径とパスラインとにより決定される。

0059

本実施の形態では硬化部160で使用されるバックアップローラ162とラミネートローラ132とにより第二のフィルム20のラミネートが行われる。即ち、硬化部160で使用されるバックアップローラ162が、ラミネート部130で使用するローラとして兼用される。ただし、上記形態に限定されるものではなく、ラミネート部130に、バックアップローラ162と別に、ラミネート用のローラを設置し、バックアップローラ162を兼用しないようにすることもできる。

0060

硬化部160で使用されるバックアップローラ162をラミネート部130で使用することで、ローラの数を減らすことができる。また、バックアップローラ162は、第一のフィルム10に対するヒートローラとしても使用できる。

0061

図示しない送出機から送出された第二のフィルム20は、ラミネートローラ132に巻きかけられ、ラミネートローラ132とバックアップローラ162との間に連続搬送される。第二のフィルム20は、ラミネート位置Pで、第一のフィルム10に形成された前駆体層30Mの上にラミネートされる。これにより、第一のフィルム10と第二のフィルム20とにより前駆体層30Mが挟持される。ラミネートとは、第二のフィルム20を前駆体層30Mの上に重ねあわせ、積層することをいう。

0062

ラミネートローラ132とバックアップローラ162との距離L2は、第一のフィルム10と、前駆体層30Mを重合硬化させた硬化層と、第二のフィルム20と、の合計厚みの値以上であることが好ましい。また、L2は第一のフィルム10と前駆体層30Mと第二のフィルム20との合計厚みに5mmを加えた長さ以下であることが好ましい。距離L2を合計厚みに5mmを加えた長さ以下にすることより、第二のフィルム20と前駆体層30Mとの間に泡が侵入することを防止することができる。ここでラミネートローラ132とバックアップローラ162との距離L2とは、ラミネートローラ132の外周面とバックアップローラ162の外周面との最短距離をいう。

0063

ラミネートローラ132とバックアップローラ162の回転精度は、ラジアル振れで0.05mm以下、好ましくは0.01mm以下である。ラジアル振れが小さいほど、前駆体層30Mの厚み分布を小さくすることができる。

0064

また、第一のフィルム10と第二のフィルム20とで前駆体層30Mを挟持した後の熱変形を抑制するため、硬化部160のバックアップローラ162の温度と第一のフィルム10の温度との差、及びバックアップローラ162の温度と第二のフィルム20の温度との差は30℃以下であることが好ましく、より好ましくは15℃以下、最も好ましくは同じである。

0065

バックアップローラ162の温度との差を小さくするため、加熱チャンバー134が設けられている場合には、第一のフィルム10、及び第二のフィルム20を加熱チャンバー134内で加熱することが好ましい。例えば、加熱チャンバー134には、図示しない熱風発生装置により熱風が供給され、第一のフィルム10、及び第二のフィルム20を加熱することができる。

0066

第一のフィルム10が、温度調整されたバックアップローラ162に巻きかけられることにより、バックアップローラ162によって第一のフィルム10を加熱してもよい。

0067

一方、第二のフィルム20については、ラミネートローラ132をヒートローラとすることにより、第二のフィルム20をラミネートローラ132で加熱することができる。ただし、加熱チャンバー134、及びヒートローラは必須ではなく、必要に応じで設けることができる。

0068

次に、第一のフィルム10と第二のフィルム20とにより前駆体層30Mが挟持された状態で、硬化部160に連続搬送される。図面に示す態様では、硬化部160における硬化は光照射により行われるが、量子ドット含有重合性組成物に含まれる重合性化合物が加熱により重合するものである場合には、温風の吹き付け等の加熱により、硬化を行うことができる。

0069

バックアップローラ162と、バックアップローラ162に対向する位置には、光照射装置164が設けられている。バックアップローラ162と光照射装置164との間を、前駆体層30Mを挟持した第一のフィルム10と第二のフィルム20とが連続搬送される。光照射装置により照射される光は、量子ドット含有重合性組成物に含まれる光重合性化合物の種類に応じて決定すればよく、一例としては、紫外線が挙げられる。ここで紫外線とは、波長280〜400nmの光をいうものとする。紫外線を発生する光源として、例えば、低圧水銀灯中圧水銀灯高圧水銀灯超高圧水銀灯カーボンアーク灯メタルハライドランプキセノンランプ等を用いることができる。光照射量は塗膜の重合硬化を進行させ得る範囲に設定すればよく、例えば、一例として100〜10000mJ/cm2の照射量の紫外線を前駆体層30Mに向けて照射することができる。

0070

硬化部160では、第一のフィルム10と第二のフィルム20とにより前駆体層30Mを挟持した状態で、第一のフィルム10をバックアップローラ162に巻きかけて、連続搬送しながら光照射装置164から光照射を行い、前駆体層30Mを硬化させて硬化層(波長変換層)30とすることができる。

0071

本実施の形態では、第一のフィルム10側をバックアップローラ162に巻きかけて、連続搬送したが、第二のフィルム20をバックアップローラ162に巻きかけて、連続搬送させることもできる。

0072

バックアップローラ162に巻きかけるとは、第一のフィルム10及び第二のフィルム20の何れかが、あるラップ角でバックアップローラ162の表面に接触している状態をいう。したがって、連続搬送される間、第一のフィルム10及び第二のフィルム20はバックアップローラ162の回転と同期して移動する。バックアップローラ162へ巻きかけは、少なくとも紫外線が照射されている間であればよい。

0073

バックアップローラ162は、円柱状の形状の本体と、本体の両端部に配置された回転軸とを備えている。バックアップローラ162の本体は、例えば、φ200〜1000mmの直径を有している。バックアップローラ162の直径φについて制限はない。積層フィルムカール変形と、設備コストと、回転精度とを考慮すると直径φ300〜500mmであることが好ましい。バックアップローラ162の本体に温度調節器を取り付けることにより、バックアップローラ162の温度を調整することができる。

0074

バックアップローラ162の温度は、光照射時の発熱と、前駆体層30Mの硬化効率と、第一のフィルム10と第二のフィルム20のバックアップローラ162上でのシワ変形の発生を考慮して、決定することができる。バックアップローラ162は、例えば、10〜95℃の温度範囲に設定することが好ましく、15〜85℃であることがより好ましい。ここでローラに関する温度とは、ローラの表面温度をいうものとする。

0075

ラミネート位置Pと光照射装置164との距離L3は、例えば30mm以上とすることができる。

0076

光照射により前駆体層30Mは硬化層30(波長変換層30)となり、第一のフィルム10と波長変換層30と第二のフィルム20とを含む波長変換部材1D−1が製造される。波長変換部材1D−1は、剥離ローラ180によりバックアップローラ162から剥離される。波長変換部材1D−1は、図示しない巻き取り機に連続搬送され、次いで巻き取り機により波長変換部材1D−1はロール状に巻き取られる。

0077

第2実施形態から第9実施形態についても、上記した第1の製造方法と第2の製造方法、及びこれらの組み合わせにより製造することができる。

0078

上記したように、波長変換部材1D−1〜1D−9は、波長変換層30内に酸化防止剤AOを含有するため、波長変換層30内に存在する酸素による量子ドット30A,30Bの光酸化を効果的に防止することができる。また、介在層内に酸化防止剤AOを含有するため、介在層40から波長変換層30へ徐放される酸化防止剤AOが経時にて侵入した酸素による量子ドット30A,30Bの光酸化を継続的に防止することができる。更に、波長変換層30内の低重合度成分の存在量を抑制して製造することができるため、波長変換層30内の重合度が2以上4以下の低重合度成分の含有量が少なく、低重合度成分の存在による波長変換層の物性の経時劣化が少ない(後記実施例を参照)。

0079

従って、本実施形態の波長変換部材1D−1〜1D−9は、発光強度が低下しにくく、耐久性の高い波長変換部材となる。
以下に、波長変換部材1Dの各構成要素について説明する。
なお、各実施形態において、バリア層12,22は、支持体11,21上に形成されてなる態様について示してあるが、かかる態様に制限されるものではなく、支持体に形成されていないバリア層からなる態様等であってもよい。

0080

また、図14は、第10実施形態の波長変換部材1D−10の概略構成を示す斜視図であり(上部バリア層は記載を略している)、図15は第10実施形態の波長変換部材1D−10および第11実施形態の波長変換部材1D−11の概略構成を示す平面図であり、図16は第10実施様態の波長変換部材1D−10の詳細な構成の一例を示す断面図である。第10実施形態の波長変換部材1D−10は、波長変換層30と酸化防止剤含有介在層40とが同一平面内にあって、波長変換層30がドット状に離散配置されてなる構成である。この構成においては、酸化防止剤介在層40として波長変換層30より酸素透過性もしくは水蒸気透過性の低い材料を用いれば、隔壁として作用して波長変換部材30の側面から浸入する酸素や水蒸気を原因とする劣化をさらに抑制する効果が期待でき、好ましい。図16においては波長変換介在層40であるところの中間層60の断面形態は厚み方向にその幅が等しく描かれているが、厚み方向に幅が変化するような形態を取ってもかまわない。

0081

図14では波長変換層30を円柱状のドットとしたが、ドットの形状は図17に示すように角状であってもよいし、図18に示すような多角形状でもよい。また、図14図17図18はドットが規則正しく密に充填されるように描かれているが、本発明の趣旨からすれば必ずしも規則正しい配列でなくてもよいし、また、必ずしも密に充填されるように配置する必要はない。また、図19に示すように(上部バリア層、および、酸化防止剤AOは省略している)、酸化防止剤含有介在層40の厚みが一方に偏っていてもよいし、酸化防止剤含有介在層40中に厚み方向に互い違いになるように波長変換層30が離散して存在していてもよい。こうした様態においては、波長変換層30と酸化防止剤含有介在層40とが混在する立体領域の厚みは、例えば図19図20においては線Bから線B´で規定される部分Dとすることができる。なお、図19図20において酸化防止剤含有介在層40と中間層60とは連続していてもよいし、別個に設けて界面を生じていてもよい。

0082

また、第11の実施様態として、第10の実施様態を示す各図において、例えば図15に対比して示すように、波長変換層30に代えて酸化防止剤含有介在層40、酸化防止剤含有介在層40に代えて波長変換層30とし、酸化防止剤含有介在層40がドット状に離散配置され、その間隙を波長変換層30が充填している構成を取ることもできる。

0083

波長変換層30を少なくとも含む立体領域における波長変換層30の体積Vwと酸化防止剤含有介在層40の体積Voで計算される体積率Vw/(Vw+Vo)が0.2〜0.8の範囲であることが好ましい。この範囲であると、層間の接触面積が大きくなり、酸化防止剤含有介在層40から波長変換層30への酸化防止剤の拡散がより効率的に進んで耐久性に優れ、かつ、光源から照射される励起光を十分波長変換層で変換でき高輝度を得ることができる。
ドットの平均幅は、好ましくは0.01mmから10mmの範囲であり、より好ましくは0.02mmから5mmの範囲である。この範囲であると、酸化防止剤が波長変換層に移行し機能を発現するのに必要な移動距離が少なく済み、輝度低下抑制効果の面内ムラが少ない波長変換部材を実現できる。

0084

かかる第10実施様態の波長変換部材は、少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる波長変換層の前駆体組成物と、酸化防止剤含有介在層の前駆体組成物を調整し、基板上に、少なくとも1種の量子ドットを含む重合性組成物からなる波長変換層の前駆体層を印刷法転写法インクジェット法等でパターン状に配置した後、前駆体層を硬化させて硬化層とし、その後、波長変換層のパターン間を、塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷等公知の方法を用いて酸化防止剤含有介在層前駆体組成物で充填し必要に応じ硬膜させて得ることができる。酸化防止剤含有介在層前駆体組成物の硬膜に先んじて、もう一方の基板で上面を覆った後に硬膜処理を行うと、酸化防止剤含有介在層が接着性を持つ場合は封止工程を兼ねることができる。

0085

上述の方法において、酸化防止剤含有介在層前駆体をパターン状に形成し、波長変換層前駆体組成物をその間隙に充填して第10実施様態の波長変換部材を得てもよい。また、これらの製造方法を、先に形成された波長変換層上等に反復して行うことにより三次元的に積層されたパターンを有する波長変換層と酸化防止剤含有介在層との構造体(例えば図20、上部バリア層と酸化防止剤AOは省略)を製造することもできる。

0086

これらの製造方法で用いるドットの配置パターンは、格子状や網点模様などの幾何学的な模様としてもよいし、ランダムパターンを含む人工的な模様を繰り返し配置するようにしてもよい。

0087

「酸化防止剤含有介在層」
まず、酸化防止剤含有介在層40について説明する。酸化防止剤含有介在層40は、上記第1〜第9実施形態に示されるように、バリアオーバーコート層12c及び/または22c、粘着剤層50、波長変換層30内に形成されてなる中間層60等であり、波長変換層(30,30R,30G)に隣接して形成されていれば特に制限されない。

0088

酸化防止剤AOとしては、「抗酸化剤の理論と実際(三ゆう書房)」に記載されているように、自動酸化連鎖反応を抑制するラジカル阻害剤、過酸化物を非ラジカル分解して不活性化する過酸化物分解剤、金属の酸化促進作用を抑制する金属不活性化剤、ラジカル阻害剤と共存しその作用を増加させる相乗剤活性酸素を不活性化する一重項酸素消去剤,スーパーオキシド消去剤,ヒドロキシラジカル消去剤等がある。いずれのメカニズムの酸化防止剤であっても、波長変換層30内に存在させることにより、波長変換層30に侵入した酸素による量子ドットの光酸化を抑制することができる。

0089

上記したように、本実施形態の波長変換部材は、波長変換層30の隣接層に酸化防止剤AOを含有する酸化防止剤含有介在層40を設け、この層からの経時拡散により波長変換層30に酸化防止剤AOを含有させるが、経時拡散後の酸化防止剤含有介在層40中にも、酸化防止剤AOは残っている。酸化防止剤含有介在層40内に酸化防止剤AOを含むことで、バリア層(12及び/または22)を透過した酸素が波長変換層30への酸素の侵入を低減させることができる。

0090

また、酸化防止剤含有介在層40や波長変換層30内に存在する酸化防止剤AOは、散乱子としても機能して波長変換効率を高めるという効果を奏し、発光輝度向上効果をも奏する。

0091

更に、酸化防止剤AOとして無機材料からなる微粒子を用いた場合は、酸化防止剤AOを含有層において、無機フィラーとしての機能(形状安定性力学的強度向上効果、耐熱性向上効果等)を有することになる。従って、本実施形態の波長変換部材1Dによれば、無機フィラーによる寸法安定性向上効果を得ることができる。

0092

酸化防止剤含有介在層40における、酸化防止剤AO以外の構成は、バリアオーバーコート層(12c、22c)である場合、粘着剤層50である場合、波長変換層30内に形成されてなる中間層60である場合など、その機能に応じて様々である。各機能層については後述する。

0093

(酸化防止剤)
酸化防止剤含有介在層40において、酸化防止剤AOは、酸化防止剤含有介在層40の全質量に対し、0.2質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることがさらに好ましい。一方、酸化防止剤は酸素との間での相互作用により変質することがある。変質した酸化防止剤は量子ドット含有重合性組成物の分解を誘引することがあり、密着性低下、脆性悪化、量子ドット発光効率低下をもたらす。これらを防止する観点から20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。

0094

酸化防止剤AOとしては、ラジカル阻害剤、金属不活性化剤、一重項酸素消去剤、スーパーオキシド消去剤、およびヒドロキシラジカル消去剤のうち少なくとも1種であることが好ましい。かかる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤ヒンダードアミン系酸化防止剤キノン系酸化防止剤リン系酸化防止剤チオール系酸化防止剤等が例示される。

0095

フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6—ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニルブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジルイソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートテトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルメタンアデカスタブAO−60 (株)ADEKA製)、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッドグリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニルテレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカントリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。

0096

リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイトオクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシルモノフェニルホスファイト、ジ(トリデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト;トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イルオキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコール及び2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。これらのリン系酸化防止剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましく、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。

0098

ヒンダードアミン系酸化防止剤は、HALS(Hidered amine light stabilizers)とも称され、ピペリジンの2位及び6位の炭素上の全ての水素原子メチル基置換された構造、好ましくは式1で表わされる基を有する。ただし、式1中Xは水素原子又はアルキル基を表す。式1で表わされる基のなかでも、Xが水素原子である2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル基、又はXがメチル基である1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基を有するHALSが特に好ましく採用される。なお、式1で表わされる基が−COO−基に結合している構造、すなわち式2で表わされる基を有するHALSが数多く市販されているがこれらは好ましく使用できる。

0099

0100

具体的に本発明で好ましく使用できるHALSを挙げると、例えば以下の式で表わされるものが挙げられる。なお、ここで2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル基をR、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基をR’で表す。
ROC(=O)(CH2)8C(=O)OR、ROC(=O)C(CH3)=CH2、R’OC(=O)C(CH3)=CH2、CH2(COOR)CH(COOR)CH(COOR)CH2COOR、CH2(COOR’)CH(COOR’)CH(COOR’)CH2COOR’、式3で表わされる化合物等。

0101

0102

具体的には、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。

0103

また、具体的な商品としては、チヌビン123、チヌビン144、チヌビン765、チヌビン770、チヌビン622、チマソーブ944、チマソーブ119(以上はいずれも、チバ・スペシャリティケミカルズ社商品名)、アデカスタブLA52、アデカスタブLA57、アデカスタブLA62、アデカスタブLA67、アデカスタブLA82、アデカスタプLA87、アデカスタブLX335(以上はいずれも旭電化工業社商品名)等を挙げることができるが、これらに限定されない。

0104

HALSのなかでも分子が比較的小さいものは酸化防止剤含有介在層から波長変換層へと拡散しやすく好ましい。この観点で好ましいHALSとしては、ROC(=O)(CH2)8C(=O)OR、R’OC(=O)C(CH3)=CH2で表わされる化合物等である。

0105

上記した酸化防止剤AOのうち、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、キノン化合物、ヒドロキノン化合物、トリフェロール化合物、アスパラギン酸化合物、およびチオール化合物のうち少なくとも1種であることがより好ましく、クエン酸化合物、アスコルビン酸化合物、およびトコフェロール化合物のうち少なくとも1種であることが更に好ましい。これらの化合物としては特に制限されないが、ヒンダードフェノールヒンダードアミン、キノン、ヒドロキノン、トリフェロール、アスパラギン酸、チオール、クエン酸トコフェリル酢酸、及びトコフェリルリン酸それ自体、またはそれらの塩やエステル化合物等が好ましく挙げられる。

0106

以下に、後記実施形態で使用した酸化防止剤AOを示す。

0107

0108

0109

0110

0111

0112

0113

0114

0115

0116

「波長変換層」
波長変換層30は、有機マトリックス30P中に青色光LBにより励起されて蛍光(赤色光)LRを発光する量子ドット30Aと、青色光LBにより励起されて蛍光(緑色光)LGを発光する量子ドット30Bが分散されてなる。なお、図2において量子ドット30A,30Bは、視認しやすくするために大きく記載してあるが、実際は、例えば、波長変換層30の厚み50〜100μmに対し、量子ドットの直径は2〜7nm程度である。

0117

波長変換層30の厚みは、好ましくは1〜500μmの範囲であり、より好ましくは10〜250μmの範囲であり、さらに好ましくは30〜150μmの範囲である。厚みが1μm以上であると、高い波長変換効果が得られるため、好ましい。また、厚みが500μm以下であると、バックライトユニットに組み込んだ場合に、バックライトユニットを薄くすることができるため、好ましい。

0118

また、波長変換層30は、有機マトリックス30P中に紫外光LUVにより励起されて蛍光(赤色光)LRを発光する量子ドット30Aと、紫外光LUVにより励起されて蛍光(緑色光)LGを発光する量子ドット30Bと、紫外光LUVにより励起されて蛍光(青色光)LBを発光する量子ドット30Cとが分散されてなることもできる。波長変換層の形状は特に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。

0119

波長変換層30は、上記した酸化防止剤AOを含んでなる。酸化防止剤AOの含有量としては、波長変換層30の全質量に対し、0.1〜20質量%の範囲内が好ましい。波長変換層30内において、酸化防止剤AOは略均一に分散されてなる態様であってもよいし、偏在して存在してもかまわない。

0120

第1〜第9実施形態において、有機マトリックス30Pは重合体(ポリマー)を含み、波長変換層30は、量子ドット30A,30B、及び、重合して有機マトリックス30Pとなる重合性化合物を含む重合性組成物(以下、基本的に、量子ドット含有重合性組成物と称する)を硬化後、硬化して得られた波長変換層30内に、隣接する酸化防止剤含有介在層40から酸化防止剤AOが経時拡散することにより形成することができる。従って、波長変換層30において、波長変換層中に含まれる重合度が2以上4以下の低重合度成分の存在量を抑制して製造することができる。本発明によれば、波長変換層30内に含まれる重合度が2以上4以下の低重合度成分を5質量%以下とすることができる。

0121

また、第1〜第9実施形態では記載していないが、波長変換層30は、その表面を被覆する波長変換オーバーコート層を備えた構成としてもよい。波長変換オーバーコート層は、波長変換層表面の平滑化および高硬度化等の役割を担い、一層以上の有機層等により構成することができ、公知の方法により形成することができる。かかる態様の場合は、波長変換オーバーコート層を酸化防止剤含有介在層40としてもよい。

0122

波長変換オーバーコート層としては、特に制限されないが、波長変換層30の有機マトリックス30Pと同様のポリマーを好ましく用いることができる。波長変換層30の有機マトリックス30Pのポリマーを形成しうる好適な重合性化合物は、後記する量子ドット含有重合性組成物の記載において例示されているが、たとえばジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、トリメチルプロパントリアクリレート(TMPTA)、などの多官能アクリレートセロサイド2021P、セロキサイド2000などのエポキシ化合物、各種アクリルポリマー等が好ましく例示される。すなわち、波長変換オーバーコート層を形成する際に用いる重合性組成物としては、後記する量子ドット含有重合性組成物から量子ドットを除いた重合性組成物を好適に用いることができる。

0123

波長変換層30の形成方法は特に制限されないが、上記したように、波長変換層30の原料組成物である量子ドット含有重合性組成物を、バリアフィルム10,20の表面に塗布して前駆体層を形成し、その後に光照射、又は加熱により硬化させる方法が好ましい。塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法印刷コーティング法、スプレーコーティング法スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。

0124

硬化条件は、使用する重合性化合物の種類や重合性組成物の組成に応じて、適宜設定することができる。また、量子ドット含有重合性組成物が溶媒を含む組成物である場合には、硬化を行う前に、溶媒除去のために乾燥処理を施してもよい。

0125

<量子ドット含有重合性組成物>
量子ドット含有重合性組成物は、量子ドット30A,30B、及び、重合して有機マトリックス30Pとなる重合性化合物を含んでいる。量子ドット含有重合性組成物は、上記以外に、重合開始剤シランカップリング剤等の他の成分を含むことができる。

0126

量子ドット含有重合性組成物は、上記した酸化防止剤AOを含んでいてもよいが、その含有量は、硬化後の波長変換層30の耐久性の観点から、波長変換層30において、重合度が2以上4以下の低重合度成分の含有量が5質量%以下となる範囲内であることが好ましい(後記実施例を参照)。

0127

量子ドット含有重合性組成物の調製方法は特に制限されず、一般的な重合性組成物の調製手順により実施すればよい。

0128

(量子ドット)
量子ドットは発光特性の異なる二種以上の量子ドットを含むことができ、本実施形態において、量子ドットは、青色光LBにより励起されて蛍光(赤色光)LRを発光する量子ドット30Aと、青色光LBにより励起されて蛍光(緑色光)LGを発光する量子ドット30Bである。また、紫外光LUVにより励起されて蛍光(赤色光)LRを発光する量子ドット30Aと、紫外光LUVにより励起されて蛍光(緑色光)LGを発光する量子ドット30Bと、紫外光LUVにより励起されて蛍光(青色光)LBを発光する量子ドット30Cを含むこともできる。

0129

公知の量子ドットには、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット30A、520nm〜560nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット30B、400nm〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット30C(青色光を発光)が知られている。

0130

量子ドットについては、上記の記載に加えて、例えば特開2012−169271号公報段落0060〜0066を参照することができるが、ここに記載のものに限定されるものではない。量子ドットとしては、市販品を何ら制限なく用いることができる。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズ、ならびに組成及びサイズにより調整することができる。

0131

量子ドットは、上記重合性組成物に粒子の状態で添加してもよく、溶媒に分散した分散液の状態で添加してもよい。分散液の状態で添加することが量子ドットの粒子の凝集を抑制する観点から好ましい。ここで使用される溶媒は、特に限定されるものではない。量子ドットは、量子ドット含有重合性組成物の全量100質量部に対して、例えば0.01〜10質量部程度添加することができる。

0132

量子ドット含有重合性組成物において、量子ドットの含有量は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全質量に対し0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。

0133

(重合性化合物)
量子ドット含有重合性組成物に含まれる重合性化合物としては特に制限されないが、ラジカル重合性化合物が好ましい。ラジカル重合性化合物としては、硬化後の硬化被膜の透明性、密着性等の観点からは、単官能又は多官能メタアクリレートモノマーが好ましく、重合性を有していれば、かかるモノマープレポリマーやポリマーであってもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、アクリレートとメタクリレートとの少なくとも一方、又は、いずれかの意味で用いるものとする。「(メタ)アクリロイル」等も同様である。

0134

単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸及びメタクリル酸、それらの誘導体、より詳しくは、(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を分子内に1個有するモノマーを挙げることができる。

0135

具体的には、
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル基の炭素数が7〜20であるアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基の炭素数が2〜30であるアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(モノアルキル又はジアルキル)アミノアルキル基総炭素数が1〜20であるアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテルの(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールブチルエーテルの(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜10で末端アルキルエーテルの炭素数が1〜10のポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテルの(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30で末端アリールエーテルの炭素数が6〜20のポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する総炭素数4〜30の(メタ)アクリレート;ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート等の総炭素数4〜30のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールのモノ又はジ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。なお、単官能(メタ)アクリレートモノマーは、これらに限定されるものではない。

0136

単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、炭素数が4〜30のアルキル(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、炭素数12〜22のアルキル(メタ)アクリレートを用いることが、量子ドットの分散性向上の観点から、より好ましい。量子ドットの分散性が向上するほど、波長変換層から出射面に直行する光量が増えるため、正面輝度及び正面コントラストの向上に有効である。具体的には、単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、オレイル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。中でもラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。

0137

上記(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を1分子内に1個有するモノマーと共に、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する多官能(メタ)アクリレートモノマーを併用することもできる。
2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーのうち、2官能の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が好ましい例として挙げられる。

0138

また、2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーのうち、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、エピクロロヒドリン(ECH)変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(EO)変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(PO)変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が好ましい例として挙げられる。

0139

量子ドット含有重合性組成物には、ラジカル重合性化合物として分子量Mwと、1分子当りの(メタ)アクリロイド基の数Fとの比、Mw/Fが200以下である(メタ)アクリレートモノマーが含まれていることも好ましい。Mw/Fは、150以下であることがさらに好ましく、100以下であることが最も好ましい。Mw/Fが小さい(メタ)アクリレートモノマーにより、量子ドット含有重合性組成物の硬化により形成される波長変換層の酸素透過率を低減することができ、その結果波長変換部材の耐光性を向上させることができるためである。また、Mw/Fが小さい(メタ)アクリレートモノマーの利用により、波長変換層内での重合体の架橋密度を高くすることができ、波長変換層の破断を防止することができる点でも、好ましい。
Mw/Fが200以下である(メタ)アクリレートモノマーとしては、具体的には、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート等が挙げられる。

0140

多官能(メタ)アクリレートモノマーの使用量は、量子ドット含有重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量100質量部に対して、塗膜強度の観点からは、5質量部以上とすることが好ましく、組成物のゲル化抑制の観点からは、95質量部以下とすることが好ましい。
また、ラジカル重合性化合物は量子ドット含有重合性組成物の全量100質量部に対して、10〜99.9質量部含まれていることが好ましく、50〜99.9質量部含まれていることがより好ましく、92〜99質量部含まれていることが特に好ましい。

0141

また、量子ドット含有重合性組成物に含まれる重合性化合物としては、脂環式エポキシ化合物も好ましい。量子ドット含有重合性組成物には、脂環式エポキシ化合物を30質量%以上含むことが好ましく、酸素バリア性の観点から、50質量%以上含むことがより好ましく、80質量%以上含むことが更に好ましい。

0142

脂環式エポキシ化合物は、一種のみであってもよく、構造の異なる二種以上であってもよい。なお以下において、脂環式エポキシ化合物に関する含有量とは、構造の異なる二種以上の脂環式エポキシ化合物を用いる場合には、これらの合計含有量をいうものとする。この点は、他の成分についても、構造の異なる二種以上を用いる場合には同様とする。

0143

脂環式エポキシ化合物は、脂肪族エポキシ化合物と比べて光照射による硬化性が良好である。光硬化性に優れる重合性化合物を用いることは、生産性を向上させることに加え、光照射側と非照射側とで均一な物性を有する層を形成できる点でも有利である。これにより、波長変換層のカールの抑制や均一な品質の波長変換部材の提供も可能となる。なおエポキシ化合物は、一般に、光硬化時の硬化収縮が少ない傾向もある。この点は、変形が少なく平滑な波長変換層を形成する上で有利である。

0144

脂環式エポキシ化合物は、少なくとも1つの脂環式エポキシ基を有する。ここで脂環式エポキシ基とは、エポキシ環飽和炭化水素環との縮環を有する1価の置換基をいい、好ましくはエポキシ環とシクロアルカン環との縮環を有する1価の置換基である。より好ましい脂環式エポキシ化合物としては、エポキシ環とシクロヘキサン環が縮環した下記構造:

0145

を1分子中に1つ以上有するものを挙げることができる。上記構造は、1分子中に2つ以上含まれていてもよく、好ましくは1分子中に1つまたは2つ含まれる。

0146

また、上記構造は、1つ以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)、水酸基、アルコキシ基(例えば炭素数1〜6のアルコキシ基)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子塩素原子臭素原子)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基アシル基カルボキシル基等を挙げることができる。上記構造は、かかる置換基を有していてもよいが無置換であることが好ましい。

0147

また、脂環式エポキシ化合物は、脂環式エポキシ基以外の重合性官能基を有していてもよい。重合性官能基とは、ラジカル重合、またはカチオン重合によって重合反応を起こすことができる官能基を指し、例えば(メタ)アクリロイル基を挙げることができる。

0148

脂環式エポキシ化合物として好適に使用できる市販品としては、ダイセル化学工業(株)のセロキサイド(登録商標)2000、セロキサイド2021P、セロキサイド3000、セロキサイド8000、サイクロマー(登録商標)M100、エポリードGT301、エポリードGT401、シグマアルドリッチ社製の4−ビニルシクロヘキセンジオキシド日本テルペン化学(株)のD−リモネンオキサイド、新日本理化(株)のサンサイザー(登録商標)E−PS等を挙げることができる。これらは、一種単独で、または二種以上組み合わせて用いることができる。

0149

波長変換層と隣接する層との密着性向上の観点からは、下記の脂環式エポキシ化合物IまたはIIが特に好ましい。脂環式エポキシ化合物Iは、市販品としてはダイセル化学工業(株)セロキサイド2021Pとして入手することができる。脂環式エポキシ化合物IIは、市販品としてはダイセル化学工業(株)サイクロマーM100として入手することができる。

0150

0151

0152

また、脂環式エポキシ化合物は、公知の合成方法により製造することもできる。その合成方法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜,平成4年、Ed.by Alfred Hasfner, The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes, John & Wiley and Sons, An Interscience Publication, New York,1985、吉,接着, 29巻12号, 32, 1985、吉村, 接着, 30巻5号, 42, 1986、吉村, 接着, 30巻7号, 42, 1986、特開平11−100378号公報、特許第2926262号公報などの文献を参考にして合成できる。

0153

脂環式エポキシ化合物を重合性化合物として用いる場合は、他の重合性化合物を一種以上を含んでもよい。他の重合性化合物としては、単官能(メタ)アクリレート化合物、多官能(メタ)アクリレート化合物等の(メタ)アクリレート化合物、オキシラン化合物オキセタン化合物が好ましい。ここで、本発明および本明細書において、(メタ)アクリレート化合物または(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1つ以上含む化合物をいうものとし、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基とメタリロイル基の一方または両方を示すために用いるものとする。

0154

オキシラン化合物はエチレンオキシドとも呼ばれ、代表的なものとしてグリシジル基と呼ばれる官能基として表現される。また、オキセタン化合物は4員環環状エーテルである。これらの重合性化合物を併用することにより、例えば、(メタ)アクリレート化合物を併用すると上述の脂環エポキシ化合物の重合体と相互貫入型ポリマーネットワーク(Interpenetrating Polymer Network:IPN)を形成し、好適な力学物性光学物性を示すよう設計することが可能である。また、オキシラン化合物、オキセタン化合物は上述の脂環エポキシ化合物と共重合することができ、重合体の力学物性や光学物性を好適に設計することが可能である。また、これらの化合物を併用することで、硬化前の組成物の粘度や、量子ドットの分散性、後述する光重合開始剤やその他添加剤溶解性を調整することもできる。

0155

また、脂環式エポキシ化合物を含む硬化性化合物は、量子ドット含有硬化性組成物の全量に対して、10〜99.9質量%含まれていることが好ましく、50〜99.9質量%含まれていることがより好ましく、92〜99質量%含まれていることが特に好ましい。

0156

(重合開始剤)
量子ドット含有重合性組成物は、必要に応じて重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤としては、量子ドット含有重合性組成物に含まれる重合性化合物の種類に応じて好適な重合開始剤を用いることが好ましい。重合性化合物がラジカル重合性である場合は、公知のラジカル開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤については、例えば、特開2013−043382号公報段落0037を参照できる。重合開始剤は、量子ドット含有重合性組成物に含まれる重合性化合物の全質量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜2モル%であることがより好ましい。

0157

上述した脂環式エポキシ化合物は、開始剤との組合せにより硬化物がわずかに黄色味を帯びることがあり、波長変換部材に照射される励起光を一部吸収して輝度を低下させる要因となりうる。脂環式エポキシ化合物は、ヨードニウム塩化合物、例えば、下記に示すヨードニウム塩化合物Aを用いるとこの課題を低減することが可能である。

0158

0159

(シランカップリング剤)
量子ドット含有重合性組成物は、更に、シランカップリング剤を含むことができる、シランカップリング剤を含む重合性組成物から形成される波長変換層は、シランカップリング剤により隣接する層との密着性が強固なものとなるため、より一層優れた耐光性を示すことができる。これは主に、波長変換層に含まれるシランカップリング剤が、加水分解反応縮合反応により、隣接する層の表面や当該層の構成成分と共有結合を形成することによるものである。このとき、隣接する層として後述の無機バリア層を設けることも好ましい。また、シランカップリング剤がラジカル重合性基等の反応性官能基を有する場合、波長変換層を構成するモノマー成分と架橋構造を形成することも、波長変換層と隣接する層との密着性向上に寄与し得る。なお本明細書において、波長変換層に含まれるシランカップリング剤とは、上記のような反応後の形態のシランカップリング剤も含む意味で用いるものとする。

0160

シランカップリング剤としては、公知のシランカップリング剤を、何ら制限なく使用することができる。密着性の観点から好ましいシランカップリング剤としては、特開2013−43382号公報に記載の一般式(1)で表されるシランカップリング剤を挙げることができる。詳細については、特開2013−43382号公報段落0011〜0016の記載を参照できる。シランカップリング剤等の添加剤の使用量は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。

0161

(溶媒)
量子ドット重合性組成物は、必要に応じて溶媒を含んでいてもよい。この場合に使用される溶媒の種類及び添加量は、特に限定されない。例えば溶媒として、有機溶媒を一種又は二種以上混合して用いることができる。

0162

<バリアフィルム(基材)>
バリアフィルム10,20は、水分及び/又は酸素の透過を抑制する機能を有するフィルムであり、本実施形態では、支持体11,21上にバリア層12,22をそれぞれ備えた構成を有している。かかる態様では、支持体の存在により、波長変換部材1Dの強度が向上され、且つ、容易に製膜を実施することができる。
なお、本実施形態ではバリア層12,22が支持体11,21により支持されてなるバリアフィルム10,20が、波長変換層30の両主面にバリア層12,22が隣接して備えられている波長変換部材について示してあるが、バリア層12,22は支持体11,21に支持されていなくてもよく、また、支持体11,21がバリア性を充分有している場合は、支持体11,21のみでバリア層を形成してもよい。

0163

また、バリアフィルム10,20は、本実施形態のように、波長変換部材中に2つ含まれる態様、すなわち、バリア層が、波長変換層30の両面に備えられてなる態様が好ましいが、1つだけ含まれる態様であってもよい。

0164

バリアフィルムは、可視光領域における全光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。可視光領域とは、380〜780nmの波長領域をいうものとし、全光線透過率とは、可視光領域にわたる光透過率平均値を示す。

0165

バリアフィルム10,20の酸素透過率は1.00cm3/(m2・day・atm)以下であることが好ましい。ここで、上記酸素透過率は、測定温度23℃、相対湿度90%の条件下で、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値である。バリアフィルム10,20の酸素透過率は、より好ましくは、0.10cm3/(m2・day・atm)以下、さらに好ましくは、0.01cm3/(m2・day・atm)以下である。

0166

バリアフィルム10,20は、酸素を遮断するガスバリア機能に加え、水分(水蒸気)を遮断する機能を有している。波長変換部材1Dにおいて、バリアフィルム10,20の透湿度水蒸気透過率)は0.10g/(m2・day・atm)以下である。バリアフィルム10,20の透湿度は、好ましくは、0.01g/(m2・day・atm)以下である。

0167

(支持体)
波長変換部材1Dにおいて、波長変換層30は、少なくとも一方の主表面が支持体11又は21によって支持されている。ここで「主表面」とは、波長変換部材使用時に視認側又はバックライト側に配置される波長変換層の表面(おもて面、裏面)をいう。他の層や部材についての主表面も、同様である。
波長変換層30は、本実施形態のように、波長変換層30の表裏の主表面を支持体11及び21によって支持されていることが好ましい。

0168

支持体11,21の平均膜厚は、波長変換部材の耐衝撃性等の観点から、10μm以上500μm以下であることが好ましく、20μm以上400μm以下であることがより好ましく、30μm以上300μm以下であることが好ましい。波長変換層30に含まれる量子ドット30A,30Bの濃度を低減した場合や、波長変換層30の厚みを低減した場合のように、光の再帰反射を増加させる態様では、波長450nmの光の吸収率がより低いことが好ましいため、輝度低下を抑制する観点から、支持体11,21の平均膜厚は、40μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがさらに好ましい。

0169

波長変換層30に含まれる量子ドット30A,30Bの濃度をより低減させる、あるいは波長変換層30の厚みをより低減させるには、LCDの表示色を維持するためにバックライトユニットの再帰反射性部材2Bに、プリズムシート複数枚設ける等、光の再帰反射を増加させる手段を設けて更に励起光が波長変換層を通過する回数を増加させる必要がある。従って、支持体は可視光に対して透明である透明支持体であることが好ましい。ここで可視光に対して透明とは、可視光領域における光線透過率が、80%以上、好ましくは85%以上であることをいう。透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率及び散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。支持体については、特開2007−290369号公報段落0046〜0052、特開2005−096108号公報段落0040〜0055を参照できる。

0170

また、支持体11,21は、波長589nmにおける面内リターデーションRe(589)が1000nm以下であることが好ましい。500nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましい。
波長変換部材1Dを作製した後、異物欠陥の有無を検査する際、2枚の偏光板消光位に配置し、その間に波長変換部材を差し込んで観察することで、異物や欠陥を見つけやすい。支持体のRe(589)が上記範囲であると、偏光板を用いた検査の際に、異物や欠陥をより見つけやすくなるため、好ましい。
ここで、Re(589)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長589nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルタマニュアル交換するか、又は測定値をプログラム等で変換して測定することができる。

0171

支持体11,21としては、酸素及び水分に対するバリア性を有する支持体が好ましい。かかる支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム環状オレフィン構造を有するポリマーからなるフィルム、及びポリスチレンフィルム等が、好ましい例として挙げられる。

0172

(バリア層)
支持体11,21は、波長変換層30側の面に接して形成されてなる少なくとも1層の無機バリア層12b,22bを含むバリア層12,22を備えてなることが好ましい。
バリア層12,22は、図2に示されるように、支持体11,21と無機バリア層12b,22bとの間に少なくとも1層の有機バリア層12a,22aを備えていてもよい。有機バリア層12a,22aは、無機バリア層12b,22bと波長変換層30との間に設けられていてもよいし、第1実施形態及び第2実施形態のように、3層目のバリア層として、無機バリア層22bと波長変換層30との間に設けられていてもよく、最も波長変換層30側の有機バリア層は、バリアオーバーコート層と称される。バリア層を複数の層から構成することは、より一層バリア性を高めることができるため、耐光性向上の観点から好ましい。また、バリアオーバーコート層22cを備えた構成では、バリア層の耐擦傷性向上効果、及び、高い剥離性改良効果を更に得ることができる。第1〜第5実施形態に示すように、バリアオーバーコート層12c,22cは、酸化防止剤含有介在層40として好適である。

0173

バリア層12,22は、支持体11,21を支持体としてその表面に成膜されることにより形成される。従って、支持体11,21と、その上に設けられたバリア層12,22とでバリアフィルム10,20を構成している。バリア層12,22を設ける場合は、支持体は高い耐熱性を有していることが好ましい。波長変換部材1Dにおいて、波長変換層30に隣接している、バリアフィルム10,20中の層は、無機バリア層でも有機バリア層でもよく、特に限定されない。

0174

バリア層12,22は、複数の層により構成されてなる方がより一層バリア性を高めることができるため、耐光性向上の観点からは好ましいが、層数が増えるほど、波長変換部材の光透過率は低下する傾向があるため、良好な光透過率とバリア性とを考慮して設計されることが好ましい。

0175

[無機バリア層]
「無機層」とは、無機材料を主成分とする層であり、好ましくは無機材料のみから形成される層である。
バリア層12,22に好適な無機バリア層12b,22bとしては、特に限定されず、金属、無機酸化物、窒化物酸化窒化物等の各種無機化合物を用いることができる。無機材料を構成する元素としては、ケイ素アルミニウムマグネシウムチタン、スズ、インジウム及びセリウムが好ましく、これらを一種又は二種以上含んでいてもよい。無機化合物の具体例としては、酸化ケイ素酸化窒化ケイ素酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化チタン酸化スズ酸化インジウム合金窒化ケイ素窒化アルミニウム窒化チタンを挙げることができる。また、無機バリア層として、金属膜、例えば、アルミニウム膜銀膜錫膜クロム膜ニッケル膜チタン膜を設けてもよい。

0176

上記の材料の中でも、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素炭化物、又はアルミニウム酸化物を含む無機バリア層が特に好ましい。これらの材料からなる無機バリア層は、有機バリア層との密着性が良好であることから、無機バリア層にピンホールがある場合でも、有機バリア層がピンホールを効果的に埋めることができ、バリア性をより一層高くすることができる。
また、バリア層における光の吸収を抑制する観点からは、窒化ケイ素がもっとも好ましい。

0177

無機バリア層の形成方法としては、特に限定されず、例えば成膜材料蒸発ないし飛散させ被蒸着面に堆積させることができる各種成膜方法を用いることができる。

0178

無機バリア層の形成方法の例としては、無機酸化物、無機窒化物、無機酸化窒化物、金属等の無機材料を、加熱して蒸着させる真空蒸着法;無機材料を原料として用い、酸素ガスを導入することにより酸化させて蒸着させる酸化反応蒸着法;無機材料をターゲット原料として用い、アルゴンガス、酸素ガスを導入して、スパッタリングすることにより蒸着させるスパッタリング法;無機材料にプラズマガンで発生させたプラズマビームにより加熱させて蒸着させるイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical VaporDeposition法、PVD法)、酸化ケイ素の蒸着膜を成膜させる場合は、有機ケイ素化合物を原料とするプラズマ化学気相成長(Chemical Vapor Deposition)法等が挙げられる。

0179

無機バリア層の厚さは、1nm〜500nmであればよく、5nm〜300nmであることが好ましく、特に10nm〜150nmであることがより好ましい。隣接無機バリア層の膜厚が、上述した範囲内であることにより、良好なバリア性を実現しつつ、無機バリア層における光の吸収を抑制することができ、光透過率がより高い波長変換部材を提供することができるからである。

0180

[有機バリア層]
有機層とは、有機材料を主成分とする層であって、好ましくは有機材料が50質量%以上、更には80質量%以上、特に90質量%以上を占める層を言うものとする。有機バリア層としては、特開2007−290369号公報段落0020〜0042、特開2005−096108号公報段落0074〜0105を参照できる。なお有機バリア層は、カルドポリマーを含むことが好ましい。これにより、有機バリア層と隣接する層との密着性、特に、無機バリア層とも密着性が良好になり、より一層優れたバリア性を実現することができるからである。カルドポリマーの詳細については、上述の特開2005−096108号公報段落0085〜0095を参照できる。有機バリア層の膜厚は、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。有機バリア層がウェットコーティング法により形成される場合には、有機バリア層の膜厚は、0.5〜10μmの範囲内、中でも1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。また、ドライコーティング法により形成される場合には、0.05μm〜5μmの範囲内、中でも0.05μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。ウェットコーティング法又はドライコーティング法により形成される有機バリア層の膜厚が上述した範囲内であることにより、無機層との密着性をより良好なものとすることができるからである。

0181

無機バリア層、有機バリア層のその他詳細については、上述の特開2007−290369号公報、特開2005−096108号公報、更にUS2012/0113672A1の記載を参照できる。

0182

(バリアフィルムの設計変更
波長変換部材1Dにおいて、波長変換層、無機バリア層、有機バリア層、支持体は、この順に積層されていてもよく、無機バリア層と有機バリア層との間、二層の有機バリア層の間、又は二層の無機バリア層の間に、支持体を配して積層されていてもよい。

0183

(凹凸付与層(マット層))
バリアフィルム10,20は、波長変換層30側の面と反対側の面に、凹凸構造を付与する凹凸付与層(マット層)を備えていることが好ましい。バリアフィルムがマット層を有していると、バリアフィルムのブロッキング性滑り性を改良することができるため、好ましい。マット層は粒子を含有する層であることが好ましい。粒子としては、シリカアルミナ酸化金属等の無機粒子、あるいは架橋高分子粒子等の有機粒子等が挙げられる。また、マット層は、バリアフィルムの波長変換層とは反対側の表面に設けられることが好ましいが、両面に設けられていてもよい。

0184

(粘着剤層)
第6実施形態のように、波長変換部材1Dは、粘着剤層50を備えていてもよい。粘着剤層50としては特に制限されないが、接着剤を硬化してなる層を好ましく挙げることができる。接着剤は、硬化性である限りにおいて、従来から偏光板の製造に使用されている各種のものを使用することができるが、耐候性や重合性などの観点から、紫外線等の活性エネルギー線により硬化する接着剤を含むことが好ましい。活性エネルギー線により硬化する接着剤の中でも、カチオン重合性の化合物、たとえばエポキシ化合物、より具体的には、特開2004−245925号公報に記載されるような、分子内に芳香環を有しないエポキシ化合物を、活性エネルギー線硬化性成分の一つとして含有する活性エネルギー線硬化型接着剤が好ましい。また、活性エネルギー線硬化型接着剤には、エポキシ化合物を代表例とするカチオン重合性化合物のほか、通常は重合開始剤、特に活性エネルギー線の照射によりカチオン種またはルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物の重合を開始させるための光カチオン重合開始剤が配合される。さらに、加熱によって重合を開始させる熱カチオン重合開始剤、その他、光増感剤などの各種添加剤が配合されていてもよい。
第6実施形態に示すように、粘着剤層50は、酸化防止剤含有介在層40としても好適である。

0185

光散乱層
波長変換部材1Dは、量子ドットの蛍光を効率よく外部に取り出すために光散乱機能を有することができる。光散乱機能は、波長変換層30内部に設けてもよいし、光散乱層として光散乱機能を有する層を別途設けてもよい。
光散乱層は、バリア層22の波長変換層30側の面に設けられていてもよいし、支持体の波長変換層とは反対側の面に設けられていてもよい。上記マット層を設ける場合は、マット層を、凹凸付与層と光散乱層とを兼用できる層とすることが好ましい。

0186

「バックライトユニット」
既に述べたように、図1に示されるバックライトユニット2は、一次光(青色光LB)を出射する光源1Aと光源1Aから出射された一次光を導光させて出射させる導光板1Bとからなる面状光源1Cと、面状光源1C上に備えられてなる波長変換部材1Dと、波長変換部材1Dを挟んで面状光源1Cと対向配置される再帰反射性部材2Bと、面状光源1Cを挟んで波長変換部材1Dと対向配置される反射板2Aとを備えており、波長変換部材1Dは、面状光源1Cから出射された一次光LBの少なくとも一部を励起光として、蛍光を発光し、この蛍光からなる二次光(LG,LR)及び励起光とならなかった一次光LBを出射するものである。

0187

高輝度かつ高い色再現性の実現の観点からは、バックライトユニットとして、多波長光源化されたものを用いることが好ましい。例えば、430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する青色光と、520〜560nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する緑色光と、600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する赤色光とを発光することが好ましい。

0188

より一層の輝度及び色再現性の向上の観点から、バックライトユニット2が発光する青色光の波長帯域は、430〜480nmであることが好ましく、440〜460nmであることがより好ましい。
同様の観点から、バックライトユニット2が発光する緑色光の波長帯域は、520〜560nmであることが好ましく、520〜545nmであることがより好ましい。
また、同様の観点から、バックライトユニットが発光する赤色光の波長帯域は、600〜680nmであることが好ましく、610〜640nmであることがより好ましい。

0189

また同様の観点から、バックライトユニットが発光する青色光、緑色光及び赤色光の各発光強度の半値幅は、いずれも80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが一層好ましい。これらの中でも、青色光の各発光強度の半値幅が25nm以下であることが、特に好ましい。

0190

バックライトユニット2は、少なくとも、上記波長変換部材1Dとともに、面状光源1Cを含む。光源1Aとしては、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を発光するもの、又は、紫外光を発光するものが挙げられる。光源1Aとしては、発光ダイオードレーザー光源等を使用することができる。

0191

面状光源1Cは、図1に示すように、光源1Aと光源1Aから出射された一次光を導光させて出射させる導光板1Bとからなる面状光源であってもよいし、光源1Aが波長変換部材1Dと平行な平面状に並べて配置され、導光板1Bに替え拡散板1Eを備えた面状光源であってもよい。前者の面状光源は一般にエッジライト方式、後者の面状光源は一般に直下型方式と呼ばれている。
なお、本実施形態では、光源として面状光源を用いた場合を例に説明したが、光源としては面状光源以外の光源も使用することができる。

0192

(バックライトユニットの構成)
バックライトユニットの構成としては、図1では、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式について説明したが、直下型方式であっても構わない。導光板としては、公知のものを何ら制限なく使用することができる。

0193

また、反射板2Aとしては、特に制限は無く、公知のものを用いることができ、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。

0194

再帰反射性部材2Bは、公知の拡散板や拡散シート、プリズムシート(例えば、住友スリエム社製BEFシリーズなど)、導光器等から構成されていてもよい。再帰反射性部材2Bの構成については、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。

0195

「液晶表示装置」
上述のバックライトユニット2は液晶表示装置に応用することができる。図13に示されるように、液晶表示装置4は上記実施形態のバックライトユニット2から出射される光が入射される液晶セルユニット3とを備えてなる。

0196

液晶セルユニット3は、図13に示されるように、液晶セル31を偏光板32と33とで挟持した構成としており、偏光板32,33は、それぞれ、偏光子322、332の両主面を偏光板保護フィルム321と323、331と333で保護された構成としている。

0197

液晶表示装置4を構成する液晶セル31、偏光板32、33及びその構成要素については特に限定はなく、公知の方法で作製されるものや市販品を、何ら制限なく用いることができる。また、各層の間に、粘着剤層等の公知の中間層を設けることも、もちろん可能である。

0198

液晶セル31の駆動モードについては特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレイスイッチング(IPS)、オプティカリコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。液晶セルは、VAモード、OCBモード、IPSモード、又はTNモードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。VAモードの液晶表示装置の構成としては、特開2008−262161号公報の図2に示す構成が一例として挙げられる。ただし、液晶表示装置の具体的構成には特に制限はなく、公知の構成を採用することができる。

0199

液晶表示装置4には、さらに必要に応じて光学補償を行う光学補償部材、粘着剤層などの付随する機能層を有する。また、カラーフィルター基板薄層トランジスタ基板、レンズフィルム、拡散シート、ハードコート層反射防止層低反射層アンチグレア層等とともに(又はそれに替えて)、前方散乱層プライマー層帯電防止層下塗り層等の表面層が配置されていてもよい。

0200

バックライト側偏光板32は、液晶セル31側の偏光板保護フィルム323として、位相差フィルムを有していてもよい。このような位相差フィルムとしては、公知のセルロースアシレートフィルム等を用いることができる。

0201

バックライトユニット2及び液晶表示装置4は、上記本発明の光ロスの少ない波長変換部材を備えてなる。従って、上記本発明の波長変換部材と同様の効果を奏し、量子ドットを含む波長変換層界面の剥離が生じにくく、発光強度が低下しにくい、高輝度なバックライトユニット及び液晶表示装置となる。

0202

以下に実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。

0203

(バリアフィルム1、2の作製)
支持体としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製、商品名「コスシャイン(登録商標)A4300」、厚さ50μm)を用いて、支持体の片面側に以下の手順で有機層および無機層を順次形成した。

0204

(有機層の形成)
トリメチロールプロパントリアクリレート製品名「TMPTA」、ダイセル・オルクス(株)製)および光重合開始剤(商品名「ESACURE(登録商標) KTO46」、ランベルティ社製、)を用意し、質量比率として95:5となるように量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15%の塗布液とした。この塗布液を、ダイコーターを用いてロールトウロールにてPETフィルム上に塗布し、50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、窒素雰囲気下で紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)し、紫外線硬化にて硬化させ、巻き取った。支持体上に形成された有機層の厚さは、1μmであった。

0205

(無機層の形成)
次に、ロールトウロールのCVD装置を用いて、有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。製膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして支持体上に形成された有機層の表面に無機層が積層されたフィルムを作製した。

0206

(バリアオーバーコート層の作製)
ウレタン骨格アクリルポリマー(大成ファインケミカル社製アクリット8BR500)と光重合開始剤(BASF社製、Irgacure184)を質量比率として95:5となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15%の塗布液を調製して第1バリアオーバーコート層用塗布液とした。
また、第1バリアオーバーコート層用塗布液に対し、1.0質量%の濃度で酸化防止剤を添加して第2バリアオーバーコート層用塗布液とした。添加した酸化防止剤は、表1に記載の各例の酸化防止剤とした。
調製した第1バリアオーバーコート層用塗布液を、上記バリアフィルム1の無機層の表面にダイコーターを用いてロールトウロールで塗布し、100℃の乾燥ゾーンを3分間通過させてオーバーコート層を形成した後巻き取り、第1オーバーコート層つきバリアフィルム1を作製した。また、同様にして、調製した第2バリアオーバーコート層用塗布液を用いて第2オーバーコート層(酸化防止剤含有)つきバリアフィルム2を作製した。支持体上に形成されたオーバーコート層の厚さは、1μmであった。

0207

(光散乱層積層バリアフィルム1−A、2−Aの作製)
−光散乱層形成用重合性組成物の調製−
光散乱粒子として、シリコーン樹脂粒子(モメンティブ社製トスパール120、平均粒子サイズ2.0μm)150gおよびポリメチルメタクリレートPMMA)粒子(積水化学社製テクポリマー、平均粒子サイズ8μm)40gをメチルイソブチルケトンMIBK)550gでまず1時間ほど攪拌し、分散させて分散液を得た。得られた分散液に、アクリレート系化合物(大阪有機合成社製 Viscoat700HV)50g、アクリレート系化合物(大成ファインケミカル社製 8BR500)40gを加え、更に攪拌した。光重合開始剤(BASF社製イルガキュア(登録商標)819)1.5gおよびフッ素系界面活性剤(3M社製 FC4430)0.5gを更に添加して塗布液(光散乱層形成用重合性組成物)を調製した。

0208

−光散乱層形成用重合性組成物の塗布および硬化−
上記の第1オーバーコート層つきバリアフィルム1のPETフィルム表面が塗布面になるように、上記塗布液をダイコーターにて塗布した。湿潤(Wet)塗布量を送液ポンプで調整し、塗布量25cc/m2で塗布を行った(乾燥膜で12μm程度になるように厚みを調整した)。60℃の乾燥ゾーンを3分間で通過させた後に30℃に調整したバックアップロール巻き付け600mJ/cm2の紫外線で硬化した後に巻き取った。こうして、光散乱層積層バリアフィルム1−Aを得た。同様にして、第2オーバーコート層(酸化防止剤含有)つきバリアフィルム2を用いて、光散乱層積層バリアフィルム2−Aを得た。

0209

凹凸層積層バリアフィルム1−B,2−Bの作製)
−マット層形成用重合性組成物の調製−
マット層の凹凸を形成する粒子として、シリコーン樹脂粒子(モメンティブ社製トスパール2000b、平均粒子サイズ6.0μm)190gをメチルエチルケトン(MEK)4700gでまず1時間ほど攪拌し、分散させて分散液を得た。得られた分散液に、アクリレート系化合物(新中村化学工業社製A−DPH)430g、アクリレート系化合物(大成ファインケミカル社製 8BR930)800gを加え、更に攪拌した。光重合開始剤(BASF社製イルガキュア(登録商標)184)40gを添加して塗布液を調製した。

0210

−マット層形成用重合性組成物の塗布および硬化−
上記の第1オーバーコート層つきバリアフィルム1のPETフィルム表面が塗布面になるように、上記塗布液をダイコーターにて塗布した。湿潤(Wet)塗布量を送液ポンプで調整し、塗布量10cc/m2 で塗布を行った。80℃の乾燥ゾーンを3分間で通過させた後に30℃に調整したバックアップロールに巻き付け600mJ/cm2の紫外線で硬化した後に巻き取った。硬化後に形成されたマット層の厚さは3〜6μm程度であり、最大断面高さRt(JIS B0601に基づいて測定)が1〜3μm程度の表面粗さを有していた。こうして、凹凸層積層バリアフィルム1−Bを得た。同様にして、第2オーバーコート層(酸化防止剤含有)つきバリアフィルム2を用いて、凹凸層積層バリアフィルム2−Bを得た。

0211

(量子ドット含有重合性組成物の調製)
下記組成の組成物を調製し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過した後、30分間減圧乾燥して量子ドット含有重合性組成物1〜4とした。下記において、発光極大波長535nmの量子ドット1のトルエン分散液として、NNラボズ社製CZ520−100を用い、また、発光極大波長630nmの量子ドット2のトルエン分散液として、NN−ラボズ社製CZ620−100を用いた。これらはいずれもコアとしてCdSe、シェルとしてZnS、及び配位子としてオクタデシルアミンを用いた量子ドットであり、トルエンに3重量%の濃度で分散されている。以下の組成物の組成表において、量子ドット1、2のトルエン分散液の量子ドット濃度は1質量%である。
なお、本実施例及び比較例では、便宜上、量子ドット含有重合性組成物を、酸化防止剤を含まない状態のものとし、酸化防止剤及びその含有量は、表1に記載のように、前駆体層中の成分として示してある。

0212

量子ドット含有重合性組成物1
量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:535nm) 10質量部
量子ドット2のトルエン分散液(発光極大:630nm) 1質量部
ラウリルメタクリレート80.8質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート18.2質量部
光重合開始剤(イルガキュア819(BASF社製)) 1質量部

0213

量子ドット含有重合性組成物2
量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:535nm) 10質量部
量子ドット2にトルエン分散液(発光極大:630nm) 1質量部
脂環式エポキシ化合物I 99質量部
光カチオン重合開始剤(ヨードニウム塩化合物)A 1質量部

0214

量子ドット含有重合性組成物3
量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:535nm) 10質量部
ラウリルメタクリレート80.8質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート18.2質量部
光重合開始剤(イルガキュア819(BASF社製)) 1質量部

0215

量子ドット含有重合性組成物4
量子ドット2のトルエン分散液(発光極大:630nm) 10質量部
ラウリルメタクリレート80.8質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート18.2質量部
光重合開始剤(イルガキュア819(BASF社製)) 1質量部

0216

(波長変換部材の作製(実施例1〜11,16〜26))
各例の酸化防止剤を含有する第2バリアオーバーコート層つき凹凸層積層バリアフィルム2−Bを用意し、1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、第2バリアオーバーコート層面上に、表1に記載される各例の酸化防止剤含有量子ドット含有重合性組成物をダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成されたバリアフィルムをバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に第1バリアオーバーコート層つき光散乱層積層バリアフィルム1−Aを第1バリアオーバーコート層面が塗膜に接する向きでラミネートし、その後、バリアフィルムで塗膜を挟持した状態でバックアップローラに巻きかけ、連続搬送しながら紫外線を照射した。

0217

バックアップローラの直径はφ300mmであり、バックアップローラの温度は50℃であった。紫外線の照射量は2000mJ/cm2であった。また、L1は50mm、L2は1mm、L3は50mmであった。

0218

紫外線の照射により塗膜を硬化させて硬化層(波長変換層)を形成し、積層フィルム(波長変換部材)を製造した。積層フィルムの硬化層の厚みは50±2μmであった。硬化層の厚み精度は±4%と良好であった。また、積層フィルムにはシワの発生が見られなかった。

0219

(波長変換部材の作製(実施例12))
第1バリアオーバーコート層つき凹凸層積層バリアフィルム1−Bを用意し、1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、第1バリアオーバーコート層面上に、表1に記載の酸化防止剤含有量子ドット含有重合性組成物1をダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成されたバリアフィルムをバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に各例の酸化防止剤を含有する第2バリアオーバーコート層つき光散乱層積層バリアフィルム2−Aを、第2バリアオーバーコート層面が塗膜に接する向きでラミネートし、その後、バリアフィルムで塗膜を挟持した状態でバックアップローラに巻きかけ、連続搬送しながら紫外線を照射した。バックアップローラの直径や温度、紫外線照射量、L1,L2,L3の条件は実施例1と同様とした。積層フィルムの硬化層の厚みは50±2μmであった。硬化層の厚み精度は±4%と良好であった。また、積層フィルムにはシワの発生が見られなかった。

0220

(波長変換部材の作製(実施例13))
第2バリアオーバーコート層つき凹凸層積層バリアフィルム2−Bを用意し、1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、第2バリアオーバーコート層面上に、表1に記載の酸化防止剤含有量子ドット含有重合性組成物1をダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成されたバリアフィルムをバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に各例の酸化防止剤を含有する第2バリアオーバーコート層つき光散乱層積層バリアフィルム2−Aを、第2バリアオーバーコート層面が塗膜に接する向きでラミネートし、その後、バリアフィルムで塗膜を挟持した状態でバックアップローラに巻きかけ、連続搬送しながら紫外線を照射した。バックアップローラの直径や温度、紫外線照射量、L1,L2,L3の条件は実施例1と同様とした。積層フィルムの硬化層の厚みは50±2μmであった。硬化層の厚み精度は±4%と良好であった。また、積層フィルムにはシワの発生が見られなかった。

0221

(波長変換部材の作製(実施例14))
第2バリアオーバーコート層つき凹凸層積層バリアフィルム2−Bを用意し、1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、第2バリアオーバーコート層面上に、表1に記載の酸化防止剤含有量子ドット含有重合性組成物3をダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成されたバリアフィルムをバックアップローラに巻きかけ、連続搬送しながら紫外線を照射して塗膜を硬化させて波長変換層付きバリアフィルムを得た。また、第2バリアオーバーコート層つき光散乱層積層バリアフィルム2−Aを用意し、1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、第2バリアオーバーコート層面上に、表1に記載の酸化防止剤含有量子ドット含有重合性組成物4をダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成されたバリアフィルムをバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に作製した波長変換層付きバリアフィルムを、波長変換層が塗膜に接する向きでラミネートし、その後、バリアフィルムで塗膜を挟持した状態でバックアップローラに巻きかけ、連続搬送しながら紫外線を照射した。バックアップローラの直径や温度、紫外線照射量、L1,L2,L3の条件は実施例1と同様とした。積層フィルムの硬化層の厚みは50±2μmであった。硬化層の厚み精度は±4%と良好であった。また、積層フィルムにはシワの発生が見られなかった。

0222

(波長変換部材の作製(実施例15))
実施例14の作成方法において、量子ドット含有重合性組成物3と4とを入れ換えた以外は実施例14と同様にして波長変換部材を作製した。

0223

(波長変換部材の作製(比較例1〜8))
比較例として、以下の層構成の波長変換部材を作製した。比較例1〜4では量子ドット含有組成物1を使用し、比較例5〜8では量子ドット含有組成物2を使用した。
比較例1〜3および5〜7では酸化防止剤を含まない波長変換層、比較例4および8では酸化防止剤を含む波長変換層を用いた。
C−1:第1バリアオーバーコート層つき光散乱層積層バリアフィルム1−A/波長変換層/第1バリアオーバーコート層つき凹凸層積層バリアフィルム1−B
C—2:第2バリアオーバーコート層つき光散乱層積層バリアフィルム2−A/波長変換層/第1バリアオーバーコート層つき凹凸層積層バリアフィルム1−B
C−3:第2バリアオーバーコート層つき光散乱層積層バリアフィルム2−A/波長変換層/第2バリアオーバーコート層つき凹凸層積層バリアフィルム2−B
C−4:第1バリアオーバーコート層つき光散乱層積層バリアフィルム1−A/波長変換層(酸化防止剤含有)/第1バリアオーバーコート層つき凹凸層積層バリアフィルム1−B

0224

中間層用酸化防止剤含有重合性組成物の調整)
下記組成の組成物を調整し、スタティックミキサーで混合して中間層用酸化防止剤含有重合性組成物を調整した。酸化防止剤は、中間層用酸化防止剤含有重合性組成物の100重量部に対して、表2に記載の材料及び添加量で添加した。

0225

中間層用酸化防止剤含有重合性組成物
トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート50質量部
ポリエチレングリコールジメタクリレート(平均分子量1136) 50質量部
表2に記載の酸化防止剤
重光重合開始剤(イルガキュア819(BASF社製)) 1質量部

0226

(第10実施様態の波長変換部材の作成(実施例27〜49))
前述の光拡散層積層バリアフィルム1−A(オーバーコート層に添加した酸化防止剤は表2の通り)のオーバーコート層上に上記で調整した中間層用酸化防止剤含有重合性組成物をスクリーン印刷により表2に示す直径を有する円柱状のドットパターン図15における1D−11の要領)で設けた。その後光照射して硬化させ、所定の形状を有する中間層(介在層)のパターン構造物を設けた。さらに、パターン間を充填するように、表2に記載の量子ドット含有重合性組成物1および2と酸化防止剤との混合物を塗布し、80℃10分間乾燥させた後、前述の凹凸層積層バリアフィルム2−B(オーバーコート層に添加した酸化防止剤は表2のとおり)をオーバーコート側が波長変換層側となるように積層し、200W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィック製)を用いて1000mJ/cm2の露光量で紫外線照射し、波長変換層の平均厚みが50μmの波長変換部材を得た。各実施例における各層の素材および厚み、幅などの数値を表2に示す。

0227

(第11実施様態の波長変換部材の作成(実施例50〜72))
上述の第10実施様態の波長変換部材の作成において、中間層用酸化防止剤含有重合性組成物の塗設を、表3に記載の直径を有する円柱状の空隙を有するリバース網点パターン図15における1D−10の要領)に代えた以外は同様の工程を経て、第11実施様態の波長変換部材を得た。結果を表3に示す。

0228

(評価)
−低重合度成分の評価−
各実施例における波長変換層の作製方法から、量子ドット組成物を除いた組成物を用意し、各実施例と同様の条件にて、組成物をダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。バックアップローラの直径や温度、紫外線照射量、L1,L2,L3の条件は実施例1と同様とした。
作製した塗膜からバリアフィルムを剥離し、組成物硬化膜0.1gをかき取り、低重合度成分評価のサンプルとした。

0229

上記の低重合度成分評価サンプル0.1gを、テトラヒドロフラン(THF)に濃度0.5%となるように溶解し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて低重合度成分を分画した。ここでは、それぞれの実施例におけるモノマー化合物について、重合度2以上4以下の分子量となる成分を低重合度成分とした。GPCは、昭和電工GPC装置GPC−101に昭和電工製KF806M型カラムを装着し、示差屈折率検出器を用いて検出した。なお、重量平均分子量ポリスチレン換算により求めた。
サンプル中の低重合度成分の質量比をPとし、評価値とした。
評価基準
1質量%≧P :5(Excellent)
3質量%≧P>1質量% :4(Good)
5質量%≧P>3質量% :3(Fair)
10質量%≧P>5質量% :2(No Good)
P>10質量%:1(bad)

0230

初期輝度の評価−
市販のタブレット端末(Amazon社製、Kindle FireHDX7”)を分解し、バックライトユニットを取り出した。取り出したバックライトユニットの導光板上に矩形切り出した各例の波長変換部材を置き、その上に表面凹凸パターンの向きが直交した2枚のプリズムシートを重ね置いた。青色光源から発し、波長変換部材及び2枚のプリズムシートを透過した光の輝度を、導光板の面に対して垂直方向740mmの位置に設置した輝度計(SR3、TOPCON社製)で測定した。なお測定は、波長変換部材の隅から内側5mmの位置を測定し、4隅での測定の平均値(Y0)を評価値とした。
結果を表1〜表3に示す。

0231

<評価基準>
10: 15500≦Y0
9: 15000≦Y0<15500
8: 14500≦Y0<15000
7: 14000≦Y0<14500
6: 13500≦Y0<14000
5: 13000≦Y0<13500
4: 12500≦Y0<13000
3: 12000≦Y0<12500
2: 11500≦Y0<12000
1: Y0<11500

0232

評価基準の10〜9は特に好ましく(Excellent)、8〜7は好ましく(Good)、6〜5であれば実用に耐える(Fair)。4〜3は不足であり(No Good)、2〜1は使用に耐えない(Bad)。

0233

耐久輝度劣化の評価−
25℃60%RHに保たれた部屋で、市販の青色光源(OPTEX−FA株式会社製、OPSM−H150X142B)上に各例の波長変換部材を置き、波長変換部材に対して青色光を100時間連続で照射した。
連続照射後の波長変換部材の4隅の輝度(Y1)を、連続照射前の輝度の評価と同様の方法で測定し、下式記載の連続照射前の輝度Y0との変化率(ΔY)を取って輝度変化指標とした。結果を表1〜表3に示す。
ΔY=(Y0−Y1)÷Y0×100

0234

<評価基準>
10: ΔY<10
9: 10≦ΔY<12
8: 12≦ΔY<14
7: 14≦ΔY<16
6: 16≦ΔY<18
5: 18≦ΔY<21
4: 21≦ΔY<24
3: 24≦ΔY<27
2: 27≦ΔY<30
1: 30≦ΔY

0235

評価基準の10〜9は特に好ましく(Excellent)、8〜7は好ましく(Good)、6〜5であれば実用に耐える(Fair)。4〜3は不足であり(No Good)、2〜1は使用に耐えない(Bad)。

0236

−波長変換部材端部劣化の評価−
上述した耐久輝度劣化の評価の直後、連続照射後の波長変換部材の端部四辺を、青光照射下顕微カメラ撮影し、波長変換部材端面から、波長変換層の発光が確認される領域の最外線までの距離(mm)を計測した。結果を表4に示す。

0237

−膜厚均一性の評価−
得られた実施例および比較例の波長変換部材の四隅に対し、端面から内側に5mm離れた部位で接触式シックネスゲージを用いて、膜厚を測定した。これを10サンプル行って、計40サンプルのデータを得て、それらの標準偏差σを求め、以下指標で判断した。
結果を表2に示す。

0238

<指標>
5: σ≦0.3
4: 0.3<σ≦0.5
3: 0.5<σ≦1.0
2: 1.0<σ≦3.0
1: 3.0<σ

0239

評価2以上であれば実用上問題はないが、評価3〜5と上がるにつれて、バックライトサイズが19インチ以上になると目立つ波長変換部材起因の巨視的な表示ムラ輝度ムラ色ムラ)が改善されるため好ましい様態と言える。

0240

表1は、本発明の実施例1〜26と比較例1〜6について、層構成、波長変換層における量子ドット含有組成物のマトリクス種類、酸化防止剤含有層(層構成及び酸化防止剤の組成)、バリアフィルム透湿度、及び評価結果について示したものである。なお、表1における「質量%」は酸化防止剤添加後の量子ドット含有重合性組成物全質量に対して1質量%であることを意味する。以下の「質量%」についても、同様である。

0241

表1、表2、表3に示されるように、本発明の有効性が示された。

0242

0243

実施例

0244

0245

1C光源
1D−1〜1D−11波長変換部材
2バックライトユニット
2A反射板
3液晶セルユニット
4液晶表示装置
10,20バリアフィルム
11,21支持体
12,22バリア層
12a,22a有機バリア層
12b,22b無機バリア層
12c,22cバリアオーバーコート層
13凹凸付与層(マット層、光拡散層)
30波長変換層
30A,30B量子ドット
30P有機マトリックス
40酸化防止剤含有介在層
AO 酸化防止剤
50粘着剤層
LB励起光(一次光、青色光)
LR赤色光(二次光、蛍光)
LG緑色光(二次光、蛍光)

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