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技術 太陽電池バックシート用フィルムおよびそれを用いてなる太陽電池バックシート並びに太陽電池

出願人 東レ株式会社
発明者 巽規行堀江将人千代敏弘柴田優
出願日 2016年5月16日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-537583
公開日 2018年4月12日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 WO2016-190146
状態 特許登録済
技術分野 光起電力装置
主要キーワード 無機粒子濃度 工程ロール 熱処理ガラス 密着保持性 白色ビーズ 評価用シート 白色ポリエチレンフィルム アクリル系コーティング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月12日)のものです。
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図面 (6)

課題・解決手段

フィルム全体の空隙率が10%以上の空洞含有ポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの厚み方向断面において、フィルムの一方の表面からもう一方の表面に面方向に垂直な線を引き、該一方の表面からもう一方の表面をつなぐ線を厚み方向に4等分する3点(フィルム厚方向中心点(C1点)、フィルム厚み方向中心点とフィルム表面との中間点(C2−1点)、(C2−2点))のそれぞれを通るフィルムの面方向に平行な線(分割水平線)のそれぞれにおいて、C1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たり平均面積をSc(μm2)、C2−1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs(μm2)、C2−2点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs’(μm2)としたとき、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のうち少なくとも一方が1.1以上35以下であり、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂末端カルボキシル基量が35当量トン以下である太陽電池バックシート用フィルム。優れた出力向上効果と密着性両立する太陽電池バックシート用フィルム、およびそれを用いてなる太陽電池バックシート並びに太陽電池を提供する。

概要

背景

近年、半永久的で無公害の次世代のエネルギー源としてクリーンエネルギーである太陽光発電が注目を浴びており、太陽電池は急速に普及しつつある。

一般的な太陽電池の代表構成を図1に示す。太陽電池は、発電素子3をEVA(エチレンビニルアセテート共重合体)などの透明な封止材2により封止したものに、ガラスなどの透明基板4と、太陽電池バックシート1と呼ばれる樹脂シート張り合わせて構成される。太陽光は透明基板4を通じて太陽電池内に導入される。太陽電池内に導入された太陽光は、発電素子3にて吸収され、吸収された光エネルギーは、電気エネルギーに変換される。変換された電気エネルギーは発電素子3に接続したリード線(図1には示していない)にて取り出されて、各種電気機器に使用される。ここで、太陽電池バックシート1とは太陽に対して、発電素子3よりも背面側に設置され、発電素子3とは直接接していないシート部材のことである。この太陽電池のシステムや各部材について、種々の提案がなされているが、太陽電池バックシート1については、ポリエチレン系やポリエステル系、フッ素系の樹脂製のフィルムが主に用いられている。(特許文献1〜3参照)
従来の太陽電池バックシートにおいては、太陽電池セル同士の間を通過した光を太陽電池バックシートで反射させ、セルに取り込むことにより太陽電池モジュールの効率を向上させる技術が開発されている。具体的に、基材表面に白色ビーズ白色バインダーにより反射層を形成し、モジュール効率を向上させる技術や、空洞を含む層を形成することにより高反射の太陽電池バックシートを提供する技術(特許文献4、5参照)が提案されている。

概要

フィルム全体の空隙率が10%以上の空洞含有ポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの厚み方向断面において、フィルムの一方の表面からもう一方の表面に面方向に垂直な線を引き、該一方の表面からもう一方の表面をつなぐ線を厚み方向に4等分する3点(フィルム厚方向中心点(C1点)、フィルム厚み方向中心点とフィルム表面との中間点(C2−1点)、(C2−2点))のそれぞれを通るフィルムの面方向に平行な線(分割水平線)のそれぞれにおいて、C1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たり平均面積をSc(μm2)、C2−1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs(μm2)、C2−2点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs’(μm2)としたとき、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のうち少なくとも一方が1.1以上35以下であり、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂末端カルボキシル基量が35当量トン以下である太陽電池バックシート用フィルム。優れた出力向上効果と密着性両立する太陽電池バックシート用フィルム、およびそれを用いてなる太陽電池バックシート並びに太陽電池を提供する。なし

目的

具体的に、基材表面に白色ビーズと白色バインダーにより反射層を形成し、モジュール効率を向上させる技術や、空洞を含む層を形成することにより高反射の太陽電池バックシートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

空洞含有ポリエステルフィルムであって、フィルム全体の空隙率が10%以上であり、該ポリエステルフィルムの厚み方向断面において、フィルムの一方の表面からもう一方の表面に面方向に垂直な線を引き、該一方の表面からもう一方の表面をつなぐ線を厚み方向に4等分する3点(フィルム厚方向中心点(C1点)、フィルム厚み方向中心点とフィルム表面との中間点(C2−1点)、(C2−2点))のそれぞれを通るフィルムの面方向に平行な線(分割水平線)のそれぞれにおいて、C1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たり平均面積をSc(μm2)、C2−1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs(μm2)、C2−2点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs’(μm2)としたとき、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のうち少なくとも一方が1.1以上35以下であり、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂末端カルボキシル基量が35当量トン以下である太陽電池バックシート用フィルム。(なお、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)は、ポリエステルフィルムの任意の5箇所にける、フィルムの長手方向に平行にフィルムを切断したフィルムの厚み方向断面、フィルムの幅方向に平行にフィルムを切断したフィルムの厚み方向断面から得られる値の平均値として求める。)

請求項2

ポリエステルフィルムの全体厚みが45μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池バックシート用フィルム。

請求項3

前記ポリエステルフィルムが、3層以上の積層構成を有しており、両表層(一方の表層をP2層、もう一方の表層をP2’層とする)を構成する樹脂組成物のうち少なくとも一方の樹脂組成物が無機粒子を含有しており、表層を有さない層(当該層をP1層とする)が空洞を含有する請求項1または2の太陽電池バックシート用フィルム。

請求項4

P1層の厚みをT1(μm)、P2層の厚みをT2(μm)、P2’層の厚みをT2’(μm)、P2層を構成する樹脂組成物に含まれる無機粒子濃度をW2(質量%)、P2’層を構成する樹脂組成物に含まれる無機粒子濃度をW2’(質量%)としたとき、(T1/T2)×W2、(T1/T2’)×W2’のうち少なくとも一方が0.35以上1.50以下であることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池バックシート用フィルム。

請求項5

P1層の厚みをT1(μm)、P2層の厚みをT2(μm)、P2’層の厚みをT2’(μm)としたとき、T1/(T1+T2+T2’)が0.6以上0.99以下であり、T2/(T1+T2+T2’)およびT2’/(T1+T2+T2’)が0.01以上0.2以下である請求項3または4に記載の太陽電池バックシート用フィルム。

請求項6

P2層の空隙率(Ps)およびP2’層の空隙率(Ps’)が5.0%以下である請求項3〜5のいずれかに記載の太陽電池バックシート用フィルム。

請求項7

熱伝導率が0.9W/m・K以下である請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池バックシート用フィルム。

請求項8

請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池バックシート用フィルムと少なくとも1層以上の機能層を有する太陽電池バックシートであって、前記太陽電池バックシート用フィルムのヤング率が4.0GPa以下、前記太陽電池バックシートのヤング率が4.0GPa以下である太陽電池バックシート。

請求項9

前記機能層が次の群1から少なくとも1つ、あるいは複数の組み合わせを含む請求項8に記載の太陽電池バックシート。群1:ポリエチレンポリプロピレンエチレンビニルアセテート共重合体

請求項10

前記機能層が次の群2から少なくとも1つ、あるいは複数の組み合わせを含む請求項8に記載の太陽電池バックシート。群2:ポリフッ化ビニルPVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)

請求項11

前記機能層がポリウレタンを含む請求項8に記載の太陽電池バックシート。

請求項12

前記機能層が無機化合物を含む請求項8に記載の太陽電池バックシート。

請求項13

前記機能層がポリエステルを含み、前記太陽電池バックシート用フィルムと前記機能層が接着層を介して積層される請求項8に記載の太陽電池バックシート。

請求項14

請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池バックシート用フィルムまたは、請求項8〜13のいずれかに記載の太陽電池バックシートを使用した太陽電池

技術分野

0001

本発明は太陽電池バックシート用フィルム、およびそれを用いてなる太陽電池バックシート並びに太陽電池に関するものである。

背景技術

0002

近年、半永久的で無公害の次世代のエネルギー源としてクリーンエネルギーである太陽光発電が注目を浴びており、太陽電池は急速に普及しつつある。

0003

一般的な太陽電池の代表構成を図1に示す。太陽電池は、発電素子3をEVA(エチレンビニルアセテート共重合体)などの透明な封止材2により封止したものに、ガラスなどの透明基板4と、太陽電池バックシート1と呼ばれる樹脂シート張り合わせて構成される。太陽光は透明基板4を通じて太陽電池内に導入される。太陽電池内に導入された太陽光は、発電素子3にて吸収され、吸収された光エネルギーは、電気エネルギーに変換される。変換された電気エネルギーは発電素子3に接続したリード線図1には示していない)にて取り出されて、各種電気機器に使用される。ここで、太陽電池バックシート1とは太陽に対して、発電素子3よりも背面側に設置され、発電素子3とは直接接していないシート部材のことである。この太陽電池のシステムや各部材について、種々の提案がなされているが、太陽電池バックシート1については、ポリエチレン系やポリエステル系、フッ素系の樹脂製のフィルムが主に用いられている。(特許文献1〜3参照)
従来の太陽電池バックシートにおいては、太陽電池セル同士の間を通過した光を太陽電池バックシートで反射させ、セルに取り込むことにより太陽電池モジュールの効率を向上させる技術が開発されている。具体的に、基材表面に白色ビーズ白色バインダーにより反射層を形成し、モジュール効率を向上させる技術や、空洞を含む層を形成することにより高反射の太陽電池バックシートを提供する技術(特許文献4、5参照)が提案されている。

先行技術

0004

特開平11−261085号公報
特開平11−186575号公報
特開2006−270025号公報
特開2012−84670号公報
特許第4766192号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献4のように、基材表面に白色ビーズと白色バインダーにより反射層を形成する提案では、白色ビーズを使用することにより太陽電池セルの封止材であるEVAやバックシート作製時に張り合わせる他の部材フィルムとの密着性が低下する課題がある。また特許文献5のように、空洞を含む層を形成することにより高反射のバックシートとする提案では、一定の発電効率向上効果は得られるものの、太陽電池モジュールの発電効率向上にはなお不十分であるという課題があった。

課題を解決するための手段

0006

そこで、本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、優れた出力向上効果と密着性を両立する太陽電池バックシート用フィルム、およびそれを用いてなる太陽電池バックシート並びに太陽電池を提供せんとするものである。

0007

すなわち、本発明はフィルム全体の空隙率が10%以上の空洞含有ポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの厚み方向断面において、フィルムの一方の表面からもう一方の表面に面方向に垂直な線を引き、該一方の表面からもう一方の表面をつなぐ線を厚み方向に4等分する3点(フィルム厚方向中心点(C1点)、フィルム厚み方向中心点とフィルム表面との中間点(C2−1点)、(C2−2点))のそれぞれを通るフィルムの面方向に平行な線(分割水平線)のそれぞれにおいて、C1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たり平均面積をSc(μm2)、C2−1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs(μm2)、C2−2点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs’(μm2)としたとき、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のうち少なくとも一方が1.1以上35以下であり、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂末端カルボキシル基量が35当量トン以下の太陽電池バックシート用フィルムである。

発明の効果

0008

本発明によれば従来の太陽電池バックシート用フィルムおよび太陽電池バックシートに比べて、太陽電池セルの封止材であるEVA樹脂やバックシート加工時に貼り合わせる他の部材フィルムとの密着保持性(以下、密着性と称する)に優れ、さらに本発明の太陽電池バックシートを搭載することによって従来よりも高い発電効率(以下、出力向上性と称する)の太陽電池を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の太陽電池バックシート用フィルムを用いた太陽電池の構成の一例を模式的に示す断面図である。
太陽電池バックシート用フィルムの厚み方向断面を模式的に示したものである。
両面に機能層を有する本発明の太陽電池バックシート用フィルムの構成の一例を模式的に示す断面図である。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムを用いた、片面に接着層を介して機能層を有する太陽電池バックシートの構成の一例を模式的に示す断面図である。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムを用いた、両面に接着層を介して機能層を有する太陽電池バックシートの構成の一例を模式的に示す断面図である。

0010

本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、フィルム全体の空隙率が10%以上の空洞含有ポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの厚み方向断面において、フィルムの一方の表面からもう一方の表面に面方向に垂直な線を引き、該一方の表面からもう一方の表面をつなぐ線を厚み方向に4等分する3点(フィルム厚み方向中心点(C1点)、フィルム厚み方向中心点とフィルム表面との中間点(C2−1点)、(C2−2点))のそれぞれを通るフィルムの面方向に平行な線(分割水平線)のそれぞれにおいて、C1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をSc(μm2)、C2−1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs(μm2)、C2−2点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs’(μm2)としたとき、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のうち少なくとも一方が1.1以上35以下であり、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量が35当量/トン以下であることを満たすことを特徴とする。
以下本発明の太陽電池バックシート用フィルムについて説明する。

0011

本発明の太陽電池バックシート用フィルムはフィルム全体の空隙率が10%以上である空洞含有ポリエステルフィルムであり、ポリエステル樹脂を主成分とする。ここでポリエステル樹脂を主成分とするとは、本発明のポリエステルフィルムを構成する樹脂に対してポリエステル樹脂が50質量%を超えて含有されていることをいう。

0012

本発明に用いられるポリエステル樹脂は、1)ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体(以下、「ジカルボン酸成分」と総称する)とジオール成分の重縮合、2)一分子内にカルボン酸もしくはカルボン酸誘導体水酸基を有する化合物の重縮合、および1)2)の組み合わせにより得ることができる。また、ポリエステル樹脂の重合は常法により行うことができる。

0013

1)において、ジカルボン酸成分としては、マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸スベリン酸セバシン酸ドデカンジオン酸ダイマー酸エイコサンジオン酸ピメリン酸アゼライン酸メチルマロン酸エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸デカリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸テレフタル酸イソフタル酸フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニルフルオレン酸などの芳香族ジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体などが代表例としてあげられる。また、これらは単独で用いても、複数種類用いても構わない。

0014

また上述のジカルボン酸成分の少なくとも一方のカルボキシ末端に、l-ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類およびその誘導体や該オキシ酸類が複数個連なったもの等を縮合させたジカルボキシ化合物も用いることができる。

0015

次にジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールなどの脂肪族ジオールシクロヘキサンジメタノールスピログリコールイソソルビドなどの脂環式ジオールビスフェノールA、1,3−ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香族ジオールが代表例としてあげられる。また、これらは単独で用いても、必要に応じて、複数種類用いても構わない。また、上述のジオール成分の少なくとも一方のヒドロキシ末端ジオール類を縮合させて形成されるジヒドロキシ化合物も用いることができる。

0016

2)において、一分子内にカルボン酸もしくはカルボン酸誘導体と水酸基を有する化合物の例としては、l-ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸、およびその誘導体、オキシ酸類のオリゴマー、ジカルボン酸の一方のカルボキシル基にオキシ酸が縮合したもの等があげられる。

0017

前記の2成分から得られるポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートポリプロピレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリ−1,4−シクロキシレンジメチレンテレフタレートおよびこれら混合物からなるものが好適に用いられ、より好ましくは製膜性が良好という点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましく、密着性がより優れる太陽電池バックシート用フィルムとできる点からポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。

0018

本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおいて、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂は末端カルボキシル基量が35当量/トン以下である必要がある。30当量/トン以下であることが好ましく、25当量/トン以下であることがより好ましく、20当量/トン以下であることが更に好ましく、17当量/トン以下であることが特に好ましい。

0019

従来、接着剤などの被着体との密着性が要求される用途では、密着表面の極性を高めることで接着剤などの被着体とのエネルギー的親和性をより高めることができることが知られている。すなわち、太陽電池バックシート用フィルムにおいて、フィルムを構成するポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量を高くすると、フィルムを構成するポリエステル樹脂の極性が高くなり、EVAなどの封止剤との密着性は高まる傾向にあった。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、前記の末端カルボキシル基量が35当量/トンを越えると、初期密着性には優れるものの、ポリエステルフィルムの耐湿熱性が低下した結果、長期間屋外で置かれた場合、フィルムが脆化し、密着面破壊され結果的にEVAや他の部材フィルムとの密着性が低下することを見出した。また湿熱劣化によってフィルムが変色し、反射性が損なわれることによって出力向上性も低下する場合があることを見出した。本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、後述するようにフィルム中に含有する空洞の大きさを特定の大きさに制御することで、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量を35当量/トン以下であっても密着性を向上させることが可能となり、従来では両立が困難であった、優れた密着性と耐湿熱性、更には出力向上特性を両立することができる。

0020

なお、末端カルボキシル基量の下限については本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定するものでは無いが、7当量/トン以上がより好ましく、11量/トン以上が更に好ましい。末端カルボキシル基量が7当量/トン未満の場合、表面の極性末端基不足し、密着強度の絶対値が小さくなり、本発明の密着性向上効果が不足する場合がある。

0021

またポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の固有粘度IVは0.63dl/g以上0.80dl/g以下が好ましく、より好ましくは0.65dl/g以上、更に好ましくは0.67dl/g以上である。前記の固有粘度IVが0.63dl/g未満の場合、空洞を形成する核剤分散性が低下した結果、密着性が低下する場合がある。またポリエステルフィルムの耐湿熱性も低下する場合がある。一方で固有粘度IVが0.80dl/gを超える場合、ポリエステル樹脂の押出性が悪くなる場合がある。よってポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の固有粘度IVを0.63dl/g以上0.80dl/g以下とすることで、密着性と耐湿熱性、加工性を両立した太陽電池バックシート用フィルムとすることができる。

0022

更にポリエステル樹脂の数平均分子量Mnは8000〜40000が好ましく、より好ましくは数平均分子量Mnが9000〜30000、更に好ましくは10000〜20000である。前記の数平均分子量Mnが8000に満たない場合、耐湿熱性や耐熱性などの耐久性が低下する場合がある。一方で数平均分子量Mnが40000を超えると、重合が困難であり重合できたとしてもポリエステル樹脂の押出性が悪くなる場合がある。

0023

更にポリエステル樹脂には金属元素としてMnまたはNaが含まれていることが好ましい。Mnは50〜200ppmの範囲で、Naは10〜80ppmの範囲で含まれていることが好ましい。Mn及びNaが上記の範囲で含まれていることがより好ましい。ポリエステル樹脂にMnまたはNaが前記の範囲で含まれていると、フィルムの加水分解が抑制され、優れた耐湿熱性と密着性、出力向上性を両立した太陽電池バックシート用フィルムとすることができる。

0024

本発明のポリエステルフィルムは、空洞を内部に有する。本発明において「空洞」とは、ミクロトームを用いて、フィルムを厚み方向に潰すことなくフィルム面方向に対して垂直に切断し、電子顕微鏡を用いてフィルムの切断面を観察した時、得られた観察画像内に観察される断面積が0.1μm2以上の空隙をあらわす。本発明のポリエステルフィルムは、空隙率(フィルム断面における空洞の占める割合)が10%以上あることが必要である。より好ましくは空隙率が15%以上、さらに好ましくは20%以上である。フィルム全体の空隙率は観察画像内の空洞部分面積から求めることができる。空隙率の測定方法の詳細は後述する。空隙率が10%未満であると反射性が不足し出力向上性が低化する。また空隙が少なすぎると、他の部材フィルムとの密着界面応力が集中し、太陽電池バックシート用フィルムの密着性が低下する。

0025

ポリエステルフィルムの内部に空洞を形成させる方法は、特に限定されるものではないが、ポリエステルフィルム中に空洞核剤を含有させた後に延伸することによって形成されるものが好ましい。発泡剤等によって形成される空洞は構造の制御が困難であり、太陽電池バックシート用フィルムの密着性が低下する場合がある。

0026

ここで空洞核剤としてはポリエステル樹脂と非相溶であるオレフィン系樹脂などの有機系核剤や、無機粒子ガラスビーズなどの無機系核剤が挙げられる。後述する製造方法によって、空洞の形状を厚み方向に傾斜をもたせることが容易である点から、空洞核剤としては有機系核剤が好ましい。空洞の形状を厚み方向に傾斜をもたせることによって、太陽電池バックシート用フィルムの密着性を高めることができる。

0027

有機系核剤としてはオレフィン系樹脂、ナイロン6ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11ナイロン12ナイロン46、ナイロンMXD6、ナイロン6Tなどのポリアミド系樹脂ポリスチレンアクリロニトリル−スチレンコポリマーアクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマーなどのスチレン系樹脂ポリメタクリル酸メチルポリメタクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂ポリテトラフロロエチレンポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂ポリフェニレンサルファイドポリスルホンポリエーテルスルホンポリアリレートポリエーテルイミドなどのスーパーエンプラ、あるいは本発明のポリエステルフィルムの構成するポリエステル樹脂と非相溶である異なる種類のポリエステル樹脂なども用いることができる。オレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン低密度ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーポリメチルペンテンなどの脂肪族ポリオレフィン樹脂、シクロオレフィンポリマーシクロオレフィンコポリマーなど環状ポリオレフィン樹脂などが挙げられ、中でも微細な空洞を形成し反射性をより高めることで太陽電池バックシート用フィルムの出力向上性に優れる点から、有機系核剤としてはビカット軟化点が140℃以上のオレフィン系樹脂が好ましく、180℃以上のオレフィン系樹脂がより好ましい。有機系核剤としてビカット軟化点が140℃未満のオレフィン系樹脂を用いた場合、空洞の形状が粗大化し過ぎて、太陽電池バックシート用フィルム密着性や出力向上性が低下する場合がある。

0028

またポリエステルフィルム中に含まれる有機系核剤量としては、ポリエステルフィルムの全質量に対して1質量%以上、30質量%以下が好ましく、より好ましくは4質量%以上、15質量%以下、更に好ましくは8質量%以上、13質量%以下である。ここでポリエステルフィルム中に含まれる有機系核剤量が1質量%未満の場合、太陽電池バックシート用フィルムは密着性には優れるものの、反射性が低下することで出力向上性に劣る場合がある。一方で有機系核剤量が30質量%を超える場合、出力向上性には優れるものの、空洞が多すぎて密着性に劣る場合がある。

0029

更に有機系核剤を用いる場合、分散助剤を同時に併用することが好ましい。分散助剤としてはポリエーテル構造屈曲骨格構造、嵩高いシクロヘキサン骨格構造などが共重合されたポリエステル系エラストマー非晶性ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。より分散性を向上させられる点からは分散助剤を2種以上併用する形態も好ましく用いられる。またポリエステルフィルム中に含まれる分散助剤量としては、ポリエステルフィルムの全質量に対して1質量%以上、10質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上、8質量%以下、更に好ましくは3質量%以上、6質量%以下である。ここでポリエステルフィルム中に含まれる分散助剤量が1質量%未満の場合、分散助剤としての効果が不足し、密着性が低下する場合がある。一方で分散助剤量が10質量%を超える場合、分散性が過分に向上することでかえって密着性が低下する場合がある。更には結晶性の低下によってポリエステルフィルムの耐湿熱性も低下する恐れがある。

0030

本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、ポリエステルフィルムの厚み方向断面の観察画像内の空洞が、フィルムの一方の表面からもう一方の表面に面方向に垂直な線を引き、一方の表面からもう一方の表面をつなぐ線を厚み方向に4等分する3点(フィルム厚み方向中心点(C1点)、フィルム厚み方向中心点とフィルム表面との中間点(C2−1点)、(C2−2点))を通るフィルムの面方向に平行な線(分割水平線)において、C1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をSc(μm2)、C2−1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs(μm2)、C2−2点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs’(μm2)としたとき、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のうち少なくとも一方が1.1以上35以下のポリエステルフィルムである。好ましくは1.5以上20以下であり、より好ましくは2.0以上15以下であり、更に好ましくは2.5以上10以下である。なお、Sc(μm2)、Scs(μm2)、Scs’(μm2)の求め方の詳細については後述する。

0031

本発明者らが鋭意検討した結果、空洞含有ポリエステルフィルムにおいて、フィルム中に含有する空洞の大きさを、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のうち少なくとも一方が1.1以上35以下となるように厚み方向に傾斜を持たせると、驚くべきことに密着性が向上することを見出した。この効果がいかなる理由によって起こるかは完全に明らかではないが、発明者らは以下のように推定している。(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のいずれも1.1未満である(フィルム中に含有する空洞の大きさの厚み方向の傾斜が小さい)と、ポリエステルフィルム内部に微細な空洞を形成していたとしても、本発明の太陽電池バックシート用フィルムを太陽電池セルの封止材であるEVAやバックシート作製時に張り合わせる他の部材フィルムと密着させた時、密着面を剥がそうとする力がフィルム面内に均一にかかりすぎるため太陽電池バックシート用フィルムの密着性が低下する。一方で(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のいずれも35を超える(フィルム中に含有する空洞の大きさの厚み方向の傾斜が大きい)と、厚み断面内の空洞面積の偏りが大きくなり過ぎて、粗大な空洞部分から剥離が進行しやくなり結果的に密着性が低下する。また空洞による光の反射性が低下するため、本発明の太陽電池バックシート用フィルムの出力向上性も低下し、搭載した太陽電池の発電出力を高めることが出来ない。

0032

本発明において(Sc/Scs)や(Sc/Scs’)は空洞の形状を前記の空洞核剤の種類や、空洞核剤量、分散剤量、またはフィルム製造時における溶融押出後のポリエステル樹脂の冷却速度によって調整することができる。例えばビカット軟化点が140℃以上のオレフィン系樹脂を有機系核剤として用いて、空洞核剤量と分散助剤量を好ましい範囲内で大きくすることでより空洞が均一に微細化してフィルム中の空洞量が多くなり、(Sc/Scs)や(Sc/Scs’)が小さくなる。一方で空洞核剤量と分散助剤量を好ましい範囲内で小さくすることで、厚み断面内の空洞面積の偏りが大きくなり、(Sc/Scs)や(Sc/Scs’)が大きくなる。また、フィルム製造時における溶融押出後のポリエステル樹脂の冷却速度が早いとフィルム中に含有する空洞の大きさの厚み方向の傾斜は小さくなる傾向にあり、(Sc/Scs)や(Sc/Scs’)は小さくなる。また、冷却速度が遅いとフィルム中に含有する空洞の大きさの厚み方向の傾斜は小さくなる傾向にあり、(Sc/Scs)や(Sc/Scs’)は大きくなる。

0033

すなわち、本発明の太陽電池バックシート用フィルムは内部の空洞核剤の種類や、空洞核剤量、分散剤量、またはフィルム製造時における溶融押出後のポリエステル樹脂の冷却速度を好ましい範囲内で調整することでポリエステルフィルム内部の空洞の(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)のうち少なくとも一方が1.1以上35以下となり、優れた密着性と出力向上性を両立した太陽電池バックシート用フィルムとすることができる。

0034

尚、(Sc/Scs)と(Sc/Scs’)の値が異なり、一方のみが1.1以上35以下の範囲にある場合、本発明の効果を期待する面側に(Sc/Scs)あるいは(Sc/Scs’)が好ましい範囲となる面を位置させることにより、密着性と出力向上性をより高めることができる。例えば、(Sc/Scs)のみが1.1以上35以下である場合は、Scsに近いフィルム表面側に封止材が位置するように配置した太陽電池バックシートフィルムは、密着性と出力向上性を両立させることができる。
ここで(Sc/Scs)と(Sc/Scs’)のいずれもが、1.1以上35以下の範囲にあると、太陽電池バックシート用フィルムの両表面で密着性が優れるため、例えば本発明の太陽電池バックシート用フィルムの片面を他の部材フィルムと張り合わせて、もう片面を太陽電池セルに直接、張り合わせるような構成においても、フィルム両表面で優れた密着性が得られることからより好ましい。

0035

本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、太陽電池セル間を通過した光を太陽電池バックシートで拡散しながら反射させることで光を再利用して発電出力を高めることが可能である。ここで光の拡散性を高める観点からポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物に無機粒子を含有させる形態が好ましい。
ここで用いる無機粒子としては、例えば、炭酸カルシウム炭酸マグネシウム炭酸亜鉛酸化チタン酸化亜鉛酸化セリウム酸化マグネシウム硫酸バリウム硫化亜鉛リン酸カルシウムアルミナマイカ雲母タルククレーカオリン、フッ化リチウム、およびフッ化カルシウムなどが挙げられる。更にこれらの中でもポリエステル樹脂との加工が容易な観点から、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムが好ましく、太陽電池バックシート用フィルムの耐紫外線性を同時に高められる観点から酸化チタンがより好ましい。また酸化チタンとしては、例えばアナタース型酸化チタンおよびルチル型酸化チタンのような結晶型の酸化チタンを挙げることができる。用いられるポリエステルとの屈折率の差を大きくするという観点からは、屈折率が2.7以上の酸化チタンであることが好ましく、同時に耐紫外線性により優れる観点から、ルチル型酸化チタンを用いることが更に好ましい。
すなわち、本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、前記の空洞を有するポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物に無機粒子を含有させることで、出力向上性をより高めることができる。

0036

ここでポリエステルフィルムを構成する樹脂組成物に無機粒子を含有させる形態としては、特に制限されるものではないが、3層以上の積層構成を有しており、両表層(一方の表層をP2層、もう一方の表層をP2’層とする)を構成する樹脂組成物のうち少なくとも一方の樹脂組成物が無機粒子を含有しており、表層を有さない層(当該層をP1層とする)が前記の空洞核剤を含有する構成であることが好ましく、P2層/P1層/P2’層からなる3層の積層構成であることがより好ましい。

0037

またP2層およびP2’層に無機粒子を含有させると、それらが空洞核剤となり表層にも少量の空洞を含有する場合がある。この時、P2層の空隙率(Ps)およびP2’層の空隙率(Ps’)は5.0%以下であることが好ましく、より好ましくは4.0%以下、更に好ましくは3.5%以下である。P2層およびP2’層の空隙率(Ps)および(Ps’)のいずれかが5.0%を超える場合、その表層側は空洞面積の偏りが不安定となり密着性が低化する場合がある。本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおいて、P2層の空隙率(Ps)およびP2’層の空隙率(Ps’)は5.0%以下とすることで、密着性を低化させること無く、P1層の反射性とP2層あるいはP2’層の拡散性をそれぞれ相殺すること無く活用することが可能となり出力向上性をより高めることができる。更にはポリエステルフィルムの製膜時において空洞核剤による工程汚染も防止することができる。
なお、P2層の空隙率(Ps)およびP2’層の空隙率(Ps’)のいずれか一方のみが5.0%以下を満たすフィルムである場合は、本発明の効果を期待する太陽電池セル側に上記範囲をみたすP2層あるいはP2’層を位置させることにより、より密着性を高めることができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムの表層に前記の耐紫外線性を有する無機粒子を含有するP2層あるいはP2’層を有する構成は出力向上効果と、太陽電池セルに当たる紫外線による太陽電池バックシート用フィルムの変色を抑制するといった耐紫外線性を両立することができるためより好ましい形態といえる。またP2層とP2’層を構成する樹脂組成物の両方に無機粒子を有する積層構成は、前記の太陽電池セル側の耐紫外線性の効果を、太陽電池の背面に当たる紫外線の反射光に対しても発揮することが可能となり、更に好ましい形態といえる。

0038

P2層およびP2’層(以下、P2層と統一して表現する場合がある)の主成分は、本発明の効果を損なわない範囲であれば自由に選択することができる。例えばP2層の主成分をP1層と同じポリエステル樹脂とすることで、P1層とP2層界面の密着性が優れる太陽電池バックシート用フィルムとすることができる。またP2層の主成分にアクリル系樹脂などを用いることで、P1層上に無機粒子をより高充填したP2層をコーティング法によって設けることが可能となり、優れた密着性と出力向上を両立する太陽電池バックシート用フィルムとすることができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムが前記のP2層および/またはP2’層を有する構成をとる場合、P1層の厚みをT1(μm)、P2層の厚みをT2(μm)、P2’層の厚みをT2’(μm)、P2層を構成する樹脂組成物に含まれる無機粒子濃度をW2(質量%)、P2’層を構成する樹脂組成物に含まれる無機粒子濃度をW2’(質量%)としたとき、(T2/T1)×W2、(T2‘/T1)×W2’のうち少なくとも一方が0.35以上1.50以下を満たすことが好ましい。より好ましくは、0.75以上1.40以下であり、さらに好ましくは0.90以上1.20以下である。

0039

ここで(T2/T1)×W2、(T2‘/T1)×W2’のいずれもが0.35未満の場合、P2層およびP2’層の拡散性が不足し、どちらの層を太陽電池セル側に設置しても太陽電池バックシート用フィルムの出力向上性が低下する場合がある。一方で(T2/T1)×W2、(T2‘/T1)×W2’のいずれもが1.50を超える場合、P2層、P2’層の拡散性が強くなり過ぎて、P1層に届く光の量が減ってしまうため、かえって出力向上性を低下させる場合がある。

0040

尚、(T2/T1)×W2、(T2‘/T1)×W2’のいずれか一方のみが0.35以上1.50以下を満たすフィルムである場合は、本発明の効果を期待する太陽電池セル側に上記範囲をみたすP2層あるいはP2’層を位置させることにより、より出力向上性を高めることができる。例えば、(T2/T1)×W2のみが0.35以上1.50以下である場合は、P2層側に発電セルの封止材が位置するように配した太陽電池バックシートフィルムは、密着性、出力向上性を両立させることができる。(T2/T1)×W2、(T2‘/T1)×W2’のいずれもが、0.35以上1.50以下であると、出力向上性が特に優れるため好ましい。

0041

また、前記のP1層にも無機粒子を含む場合、太陽電池バックシート用フィルムの優れた密着性を維持する観点から無機粒子濃度はP1層の総質量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3量%以下が更に好ましい。P1層の無機粒子含有量が10質量%を越えると、ポリエステルフィルムの(Sc/Scs)あるいは(Sc/Scs’)が小さくなり、太陽電池バックシート用フィルムの密着性が低下する場合がある。

0042

更に、フィルム全体厚みに対してP1層が占める割合を示す、T1/(T1+T2+T2’)は0.6以上0.99以下の範囲であることが好ましく、フィルム全体厚みに対してP2層、P2’層が占める割合を示す、T2/(T1+T2+T2’)、T2’/(T1+T2+T2’)は0.01以上0.2以下であることが好ましい。上記範囲を満たすことにより、優れた密着性と出力向上を両立することができる。

0043

本発明の太陽電池バックシート用フィルムには、前記の空洞核剤や無機粒子以外にも、本発明の効果が損なわれない範囲で必要に応じて、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤紫外線安定剤有機系/無機系の易滑剤、有機系/無機系の微粒子充填剤、核剤、染料カップリング剤等の添加剤が配合されていてもよい。例えば、添加剤として紫外線吸収剤を選択した場合には、本発明の太陽電池バックシート用フィルムの耐紫外線性をより高めることが可能となる。また帯電防止剤などを添加して電気絶縁性を向上させることもできる。

0044

本発明の太陽電池バックシート用フィルム全体の厚みは25μm以上350μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以上300μm以下であり、さらに好ましくは50μm以上260μm以下である。本発明の太陽電池バックシート用フィルムの厚みが25μm未満の場合、他の部材フィルムと貼り合わせ加工時にシワが発生することがある。一方で厚みが350μmより厚いと巻取り性が悪化する場合がある。なお、フィルム全体の厚みを45μm以上とすると、前述した厚み方向の空洞面積の偏りによる密着性の向上効果が顕著に得られ、また光の反射性が良好であるため出力向上効果が得られるため好ましい。より好ましくは48μm、さらに好ましくは50μm以上である。

0045

更に、本発明の太陽電池バックシート用フィルムは熱伝導率が0.9W/m・K以下であることが好ましく、0.75W/m・K以下であることがより好ましい。本発明の太陽電池バックシート用フィルムを太陽電池バックシートとする際、封止材と密着する面の反対面(以降、空気側面と称す)に他のフィルムを積層することがあるが、熱伝導率を0.9W/m・K以下とすることでセルの発熱遮断し、空気側面に積層したフィルムとの密着性の低下を抑制することができる。太陽電池バックシート用フィルムの熱伝導率は、太陽電池バックシート用フィルムの空隙率を高くすることで低くすることができる。

0046

(太陽電池バックシート用フィルムの製造方法)
次に、本発明の太陽電池バックシート用フィルムの製造方法について例を挙げて説明する。これは一例であり、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。

0047

まず、本発明の太陽電池バックシート用フィルムの原料となるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体と、ジオールを周知の方法でエステル交換反応、もしくはエステル化反応させることによって得ることができる。従来公知の反応触媒としてはアルカリ金属化合物アルカリ土類金属化合物亜鉛化合物鉛化合物マンガン化合物コバルト化合物アルミニウム化合物アンチモン化合物チタン化合物リン化合物などを挙げることが出来る。好ましくは、通常の製造方法が完結する以前の任意の段階において、重合触媒としてアルカリ金属化合物、マンガン化合物、アンチモン化合物またはゲルマニウム化合物、チタン化合物を添加することが好ましく、太陽電池バックシート用フィルムの密着性をより高める観点からナトリウム化合物、マンガン化合物を添加することがより好ましい。このような方法としては例えば、マンガン化合物を例に取るとマンガン化合物粉体をそのまま添加することが好ましい。

0048

またポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量は、重合時の温度や、ポリエステル樹脂を重合した後、190℃〜ポリエステル樹脂の融点未満の温度で、減圧または窒素ガスのような不活性気体流通下で加熱する、いわゆる固相重合の時間によってコントロールすることができる。具体的には重合時の温度が高くなると末端カルボキシル基量が増加し、固相重合の時間を長くすると末端カルボキシル基量が低くなる。

0049

本発明の太陽電池バックシート用フィルムに空洞核剤や無機粒子などを含有させる方法は、予め原料をベント二軸混練押出機タンデム型押出機を用いて溶融混練して作製したマスターペレットブレンドする方法が好ましい。この際、マスターペレットは熱履歴を受けるため少なからず熱劣化が進行する懸念がある。そのため、より高濃度で空洞核剤や無機粒子を含有するマスターペレットを作製し、それらを混合希釈して用いる方法がより好ましい。具体的には本発明の太陽電池バックシート用フィルムに空洞核剤を添加する際は、ポリエステルフィルム中に含有せしめたい空洞核剤含有量よりも含有量の多いマスターペレットを予め作製し、それをポリエステルフィルムの主成分であるポリエステル樹脂と混合して目的の含有量に調整する。

0050

次に本発明の太陽電池バックシート用フィルムの製膜方法は、ポリエステルフィルムの組成となるように調整した原料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)を使用することができる。
ここで本発明の太陽電池バックシート用フィルムはキャストドラム温度を30以上80℃以下で冷却することが好ましく、より好ましくは40℃以上70℃以下、更に好ましくは45℃以上60℃以下である。キャストドラムの温度を30℃未満の場合、溶融押出されたフィルムの冷却速度が速すぎて、ポリエステルフィルムの(Sc/Scs)あるいは(Sc/Scs’)が小さくなり好ましい範囲を外れる場合がある。一方でキャストドラムの温度が80℃を超えると、ポリエステル樹脂の結晶化が進行しすぎて延伸時に破れが発生する場合がある。

0051

続いて得られたシートを70〜140℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却する。続いて、シートの両端をクリップ把持しながらテンターに導き、80〜150℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に延伸する。この際、延伸倍率面倍率で2倍以上、30倍以下の倍率であることが好ましく、より好ましくは4倍以上、25倍以下、更に好ましくは6倍以上、20倍以下である。前記の倍率で延伸されることで、本発明のポリエステルフィルムに適度な大きさを有する空洞を形成することができる。面倍率が2倍に満たない場合、空洞が小さくなり出力向上性が低下する場合がある。一方で面倍率が30倍を超えると空洞が大きくなり過ぎて密着性が低下する場合がある。また製膜機械への負荷が大きくなりすぎる観点からも好ましくない。

0052

更に長手方向(フィルム製膜時の走行方向)とフィルムの幅方向の延伸倍率の差は4倍以下が好ましく、より好ましくは2倍以下、更に好ましくは1倍以下である。前記の延伸倍率の差が4倍を超えるとポリエステルフィルム内部の空洞の形状が1方向に偏り、密着性が低下する場合がある。

0053

すなわち本発明の太陽電池バックシート用フィルムはポリエステルフィルムを長手方向(フィルム製膜時の走行方向)とフィルムの幅方向の延伸倍率の差は4倍以下とし、面倍率で2倍以上、30倍以下の倍率で延伸することで、優れた密着性や出力向上性、耐湿熱性を両立し、加工性にも優れた太陽電池バックシート用フィルムとすることができる。

0054

続いて延伸後にテンター内熱固定を行う。この時の設定温度は150℃以上250℃以下が好ましく、より好ましくは170℃以上230℃以下、更に好ましくは180℃以上220℃以下である。熱固定を150℃未満で行った場合、太陽電池バックシート用フィルムの熱寸法安定性が低下し、バックシート加工時にカール等の問題が発生する恐れがある。一方で250℃を超える温度で熱固定を行った場合、フィルム内部の空洞核剤が流動し所望の反射性能が得られない恐れがある。

0055

また本発明の太陽電池バックシート用フィルムがP2層を有する場合、例えばP1層を構成する原料とP2層を構成する原料をそれぞれ異なる二台の押出機に投入し溶融してから合流させて、口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)や、P1層を有するポリエステルフィルムを単独で製膜した後に、溶媒中に溶かしたP2層を構成する原料をロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等によって塗布した後、溶媒を乾燥させることでP2層を形成する方法(コーティング法)が好ましく用いられる。

0056

前記の製造方法によって得られた太陽電池バックシート用フィルムは、従来の太陽電池バックシート用フィルムが有する耐湿熱性、耐熱性、耐紫外線性、熱寸法安定性、加工性を維持しつつ、優れた密着性と出力向上性を両立することができる。

0057

(太陽電池バックシート)
次に、本発明の太陽電池バックシートについて説明する。本発明の太陽電池バックシートは、本発明の太陽電池バックシート用フィルムと少なくとも1層以上の機能層を有する太陽電池バックシートであることが重要である。中でも、後述する測定方法により求められる太陽電池バックシートのカール高さが10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。太陽電池バックシートのカール高さを10mm以下とすることで、カールによって発生する位置ずれセル割れ発生率が減少し、太陽電池の生産性を向上することが可能となる。

0058

また、太陽電池バックシートのカール高さを10mm以下とするためには、前記太陽電池バックシート用フィルムのヤング率を4.0GPa以下、太陽電池バックシートのヤング率を4.0GPa以下とすることが好ましい。より好ましくは、太陽電池バックシート用フィルムのヤング率は4.0GPa以下、太陽電池バックシートのヤング率は3.0GPa以下がより好ましい。太陽電池バックシート用フィルム、並びに太陽電池バックシートのヤング率の下限値は、本発明の機能を損なわない限り特に制限されるものではないが、0.5GPa以上あれば十分である。

0059

太陽電池バックシートのヤング率を4.0GPa以下とすることで、太陽電池バックシートをロール状態保管した場合に発生する巻き癖を、太陽電池に積層する際に、太陽電池バックシートの自重によって平らにすることができる。
なお、太陽電池バックシート用フィルムのヤング率を上記の範囲とする方法は特に制限されるものではないが、以下の方法などで調整することができる。例えば、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム中の空隙率を高くしたり、製膜時の延伸倍率を低くすると、太陽電池バックシート用フィルムのヤング率は低くなる傾向にある。また、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム中の空隙率を低くしたり、製膜時の延伸倍率を高くすると、太陽電池バックシート用フィルムのヤング率は高くなる傾向にある。また、太陽電池バックシートのヤング率は、太陽電池バックシートに用いる太陽電池バックシート用フィルムのヤング率が高いと高くなり、低いと低くなる傾向がある。それ以外にも、太陽電池バックシート用フィルムに積層する層のヤング率により調整することができる。

0060

本発明の太陽電池バックシートの機能層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート共重合体のうちの少なくとも1つ、あるいは複数の組み合わせを含む層であると密着性が良好となるため好ましい。特に、本発明の太陽電池バックシートにおいて、太陽電池バックシート用フィルムと封止材の間に前記機能層を有することで、封止材との良好な密着力を有することが可能となる。この中でも特に耐候性水蒸気バリア性の観点からポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート共重合体のうちの少なくとも1つ、あるいは複数の組み合わせを含む層を機能層とする場合、機能層の厚みは30μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。当該層の厚みを30μm以上とすることで水蒸気バリア性や絶縁性が向上し、300μm以下とすることで太陽電池製造時の機能層Bのはみ出しによる工程汚染を抑制することが可能となる。
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート共重合体のうちの少なくとも1つ、あるいは複数の組み合わせを含む層を機能層として本発明の太陽電池バックシート用フィルムと積層する方法は、特に限られるものではないが、本発明の太陽電池バックシート用フィルムに直接積層する方法や、本発明の効果を阻害しない範囲で、本発明の太陽電池バックシート用フィルムと機能層を接着剤などを介して積層する方法が挙げられる。

0061

また、本発明のバックシートの機能層は、ポリフッ化ビニルPVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン−六フッ化ポリプロピレン共重合体(FEP)のうちの少なくとも1つ、あるいは複数の組み合わせを含む層であると、バックシートの耐候性を良好にすることが可能となるため好ましい。特に、前記機能層が、本発明の太陽電池バックシート用フィルムの空気側面に積層されると紫外線による劣化を抑制できるため好ましい。耐候性の観点から、前記機能層は、PVF、PVDFのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
PVF、PVDF、ETFE、FEPのうちの少なくとも1つ、あるいは複数の組み合わせを含む層を機能層とする場合、機能層の厚みは25μm以上、125μm以下であることが好ましく、25μm以上75μm以下であることがより好ましい。当該層の厚みを25μm以上とすることで耐候性が向上し、125μm以下とすることで太陽電池バックシートの加工性が向上する。

0062

PVF、PVDF、PTFE、ETFEのうちの少なくとも1つ、あるいは複数の組み合わせを含む層を機能層として本発明の太陽電池バックシート用フィルムに積層する方法は、特に限られるものではないが、本発明の太陽電池バックシート用フィルムに直接積層する方法や、本発明の効果を阻害しない範囲で、本発明の太陽電池バックシート用フィルムと機能層を接着剤などを介して積層する方法が挙げられる。

0063

本発明の太陽電池バックシートの機能層は、ポリウレタンを含む層であると、密着性が良好となるため好ましい。特に前記機能層が、本発明の太陽電池バックシート用フィルムと封止材の間に位置すると、封止材との密着力が向上する。ここでいうポリウレタンとは、イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する化合物から得られた重合体の総称である。イソシアネート基を有する化合物としては、トリメチレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンビス(4、1−フェニレン)=ジイソシアネート(MDI)、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のジイソシアネートや、これらジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、これらジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート体、これらジイソシアネートのビューレット結合体、ポリメリックジイソシアネートなどがあるが、この中でも色調の観点からHDIが好ましい。水酸基を有する化合物としては、ポリエステルポリオールポリエーテルポリオールポリアクリルポリオールフッ素系ポリオールなどがあるが、耐湿熱性、耐候性の観点からポリアクリルポリオール、フッ素系ポリオールが好ましい。
ポリウレタンを含む層を機能層とする場合、機能層の厚みは1μm以上、20μm以下であることが好ましく、2μm以上10μm以下であることがより好ましい。ポリウレタンを含む層を機能層とした場合、機能層の厚みを1μm以上とすることで耐候性が向上し、20μm以下とすることでバックシートの加工性が向上する。
ポリウレタンを含む層を機能層として本発明の太陽電池バックシート用フィルムと積層する方法は、特に限られるものではないが、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、およびその他のコート法、あるいは印刷法等によって積層する方法が挙げられる。
また、本発明の太陽電池バックシートの機能層は、無機化合物を含むことが好ましい。太陽電池バックシートの機能層が無機化合物を含むことで、太陽電池バックシートの水蒸気バリア性が向上する。機能層が含む無機化合物としては、シリカや、アルミナが好ましく、水蒸気バリア性、耐湿熱性の面で特にシリカをが好ましい。
無機化合物を含む層を機能層として本発明の太陽電池バックシート用フィルムと積層する方法としては特に限られるものではないが、本発明の太陽電池バックシート用フィルムに直接積層する方法や、本発明の太陽電池バックシート用フィルムと異なるポリエステルフィルムに無機化合物を積層し、本発明の効果を阻害しない範囲で、本発明の太陽電池バックシート用フィルムと無機化合物を積層したポリエステルフィルム以外の層(機能層)を接着剤などを介して積層する方法が挙げられる。

0064

また、本発明の太陽電池バックシートは、ポリエステルを含む機能層を、接着層を介して本発明の太陽電池バックシート用フィルムと積層し、太陽電池バックシートとすると耐候性、加工性に優れるため好ましい。

0065

ポリエステルを含む層を機能層とする場合、機能層の厚みは25μm以上188μm以下であることが好ましく、38μm以上125μm以下であることがより好ましい。前記層の厚みを25μm以上に厚くすることで耐候性を向上し、188μm以下に薄くすることでバックシートの加工性を向上することが可能である。

0066

なお、本発明において、本発明の太陽電池バックシート用フィルムが、接着層を介して機能層が積層されている場合、空隙率や(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)は、接着層や機能層を含めずに求めるものとする。例えば、ポリエステルを含む機能層/接着層/空洞含有ポリエステルフィルムの構成を有する積層フィルムである場合、空洞含有ポリエステルフィルムの厚みの方向の中心点をC1点とし、C1点と空洞含有ポリエステルフィルムのフィルム表面との中間点を(C2−1点)、(C2−2点)とする。

0067

(太陽電池)
次に、本発明の太陽電池について説明する。本発明の太陽電池は、前記の太陽電池バックシート用フィルムをそのまま搭載する。もしくは前記の太陽電池バックシートを搭載することを特徴とする。
本発明の太陽電池の構成例を図1に示す。電気を取り出すリード線(図1には示していない)を接続した発電素子をEVA樹脂などの透明な封止材2で封止したものに、ガラスなどの透明基板4と太陽電池バックシート1として貼り合わせて構成されるが、これに限定されず任意の構成に用いることができる。

0068

ここで、本発明の太陽電池において、太陽電池バックシート1は発電素子を封止した封止材2の背面に設置される発電セルを保護する役目を担う。ここで太陽電池バックシートはP2層が封止材2と接するように配置することが太陽電池の発電効率を高める点で好ましい。この構成とすることによって、本発明の太陽電池バックシート用フィルムの優れた密着性と発電効率を両立した太陽電池とすることができる。

0069

発電素子3は、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、結晶シリコン系、多結晶シリコン系微結晶シリコン系、アモルファスシリコン系、銅インジウムレナイド系、化合物半導体系、色素増感系など、目的に応じて任意の素子を、所望する電圧あるいは電流に応じて複数個を直列または並列に接続して使用することができる。透光性を有する透明基板4は太陽電池の最表層に位置するため、高透過率のほかに、高耐候性、高耐汚染性高機械強度特性を有する透明材料が使用される。本発明の太陽電池において、透光性を有する透明基板4は上記特性と満たせばいずれの材質を用いることができ、その例としてはガラス、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン樹脂などのフッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、およびこれらの混合物などが好ましく挙げられる。ガラスの場合、強化されているものを用いるのがより好ましい。また樹脂製の透光基材を用いる場合は、機械的強度の観点から、上記樹脂を一軸または二軸に延伸したものも好ましく用いられる。また、これら基材には発電素子の封止材料であるEVA樹脂などとの接着性を付与するために、表面に、コロナ処理プラズマ処理オゾン処理易接着処理を施すことも好ましく行われる。

0070

発電素子を封止するための封止材2は、発電素子の表面の凹凸を樹脂で被覆し固定し、外部環境から発電素子保護し、電気絶縁の目的の他、透光性を有する基材やバックシートと発電素子に接着するため、高透明性、高耐候性、高接着性高耐熱性を有する材料が使用される。その例としては、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂ポリビニルブチラール樹脂、およびこれらの混合物などが好ましく用いられる。

0071

以上のように、本発明の太陽電池バックシート用フィルムを太陽電池バックシートとして太陽電池に搭載することにより、従来の太陽電池と比べて長期間屋外に置かれた場合でも太陽電池バックシートとの密着性が保持され、更には発電効率を高めることが可能となる。本発明の太陽電池は、太陽光発電システム小型電子部品電源など、屋外用途屋内用途に限定されず各種用途に好適に用いることができる。

0072

〔特性の測定方法および評価方法
(1)ポリマー特性
(1−1)末端カルボキシル基量(表中ではCOOH量と記載する。)
末端カルボキシル基量については、Mauliceの方法に準じて、以下の方法にて測定した。(文献:M.J. Maulice, F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
測定試料2gをo−クレゾールクロロホルム質量比7/3)50mLに温度80℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基濃度を測定し、当量/ポリエステル1tの値で示した。なお、滴定時の指示薬フェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とした。なお、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、溶液を濾過して不溶物の質量測定を行い、不溶物の質量を測定試料質量から差し引いた値を測定試料質量とする補正を実施した。

0073

(1−2)固有粘度IV
オルトクロロフェノール100mlに、測定試料を溶解させ(溶液濃度C(測定試料質量/溶液体積)=1.2g/ml)、その溶液の25℃での粘度をオストワルド粘度計を用いて測定した。また、同様に溶媒の粘度を測定した。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記式(4)により、[η]を算出し、得られた値をもって固有粘度(IV)とした。
ηsp/C=[η]+K[η]2・C ・・・(4)
(ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)—1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。)
なお、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、以下の方法を用いて測定を行った。
(i)オルトクロロフェノール100mLに測定試料を溶解させ、溶液濃度が1.2g/mLよりも濃い溶液を作成する。ここで、オルトクロロフェノールに供した測定試料の質量を測定試料質量とする。
(ii)次に、不溶物を含む溶液を濾過し、不溶物の質量測定と、濾過後の濾液体積測定を行う。
(iii)濾過後の濾液にオルトクロロフェノールを追加して、(測定試料質量(g)−不溶物の質量(g))/(濾過後の濾液の体積(mL)+追加したオルトクロロフェノールの体積(mL))が、1.2g/100mLとなるように調整する。
(例えば、測定試料質量2.0g/溶液体積100mLの濃厚溶液を作成したときに、該溶液を濾過したときの不溶物の質量が0.2g、濾過後の濾液の体積が99mLであった場合は、オルトクロロフェノールを51mL追加する調整を実施する。((2.0g−0.2g)/(99mL+51mL)=1.2g/mL))
(iv)(iii)で得られた溶液を用いて、25℃での粘度をオストワルド粘度計を用いて測定し、得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、上記式(C)により、[η]を算出し、得られた値をもって固有粘度(IV)とする。

0074

(1−3)金属元素含有量
Mg、Mn、Sb金属元素量については蛍光X線分析法(理学電機(株)製蛍光X線分析装置型番:3270))にて、Na金属元素については原子吸光分析法(曰立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180−80。フレームアセチレンー空気)にて定量を行った。

0075

(2)空洞面積比
(2−1)フィルム断面の観察
ミクロトームやCP(クロスセクションポリッシャ断面加工を用いて、本発明の太陽電池バックシート用フィルムを厚み方向に潰すことなく、フィルム面方向に対して垂直に切断、断面出しを行った。次いで、走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子(株)電界放射走査型電子顕微鏡“JSM−6700F”)を用いてサンプルの切断面を観察した画像を得た。
(2−2)フィルム全体の空隙率の測定
(2−1)の手法を任意でフィルムサンプル中で異なる箇所を計5箇所選択し、フィルムの長手方向、及び幅方向でフィルム断面を切断した計10箇所について、フィルムの厚み方向全体が観察できる最大の倍率で観察した画像を準備する。次いで、それぞれの空洞部分のみ透明なフィルム上にトレースし、イメージアナライザー(ニレコ株式会社製:ルーゼックスIID)を用いて測定した空洞面積と、観察画像内の全体のフィルム断面積との比を算出し、10箇所の平均値をフィルム全体の空隙率とした。
(2−3)フィルム表層の空隙率(Ps)、(Ps’)の測定
3層以上の積層フィルムについては、フィルム表層の空隙率(Ps)、(Ps’)を以下の方法にて測定した。すなわち(2−2)と同様に作製した計10箇所の観察断面について、フィルム表層(P2層およびP2’層)の表層全体を視野内で観察できる最大の倍率で観察した画像を準備し、同様にイメージアナライザーを用いて面積比を算出し、10箇所の平均値をフィルム表層の空隙率とした。
(2−4)各水平線上に存在する空洞の空洞面積の測定
(2−2)と同様に作製した計10箇所の観察断面について、フィルムの厚み方向全体が観察できる最大の倍率で観察した画像を準備する。次いで、それぞれの観察画像についてフィルムの厚み方向に垂直な線を引き、その線を4等分する3点(フィルム厚み方向中心点(C1点)、フィルム厚み方向中心点とフィルム表面との中間点(C2−1点)、(C2−2点)とする)を通るフィルムに厚み方向に平行な線(分割水平線)を引く。次いで、分割水平線上に存在する空洞部分のみ透明なフィルム上にトレースし、イメージアナライザーを用いて各水平線上に存在する空洞の平均面積を求めた。
尚、トレースする空洞の個数については、観察画像内の分割水平線上に存在する空洞が20個未満の場合はすべての空洞についてトレースし、20個以上の空洞が存在する場合は空洞の重心が、C1点、C2−1点、C2−2点に近い空洞20個を選択してトレースを行うこととする。
(2−5)平均空洞面積比(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)の算出
(2−4)によって得られた平均面積について、C1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をSc(μm2)、C2−1点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs(μm2)、C2−2点を通る分割水平線上に存在する空洞1個当たりの平均面積をScs’(μm2)として、空洞面積比(Sc/Scs)あるいは(Sc/Scs’)を算出し、計10箇所の平均値を本発明の平均空洞面積比(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)とした。

0076

(3)密着性評価
(3−1)貼り合わせサンプルの作製
本発明の太陽電池バックシート用フィルム、太陽電池バックシートに、厚さ125μm二軸延伸ポリエステルフィルムルミラー”(登録商標)X10S(東レ(株)製)を接着剤(“タケラック”(登録商標)A310(三井武田ケミカル(株)製)90質量部、“タケネート”(登録商標)A3(三井武田ケミカル(株)製)10質量部を混合したもの)にて貼り合わせた後、40℃に温度調整した恒温槽で48hrエージングを行った。
(3−2)密着性評価
(3−1)で得られたサンプルについて、高度加速寿命試験装置プレッシャークッカーエスペック(株)製)にて、温度120℃、相対湿度100%の条件下にて48時間処理を行った後、本発明の太陽電池バックシート用フィルム側を水平に固定して、貼り合わせた部分を200mm/分の速度で180°剥離にて剥離試験を実施した際の剥離強度を測定し、太陽電池バックシート用フィルムの密着性を以下のように判定を行った。
剥離強度が6N/15mm以上の場合:A
剥離強度が4N/15mm以上、6N/15mm未満の場合:B
剥離強度が2N/15mm以上、4N/15mm未満の場合:C
剥離強度が1N/15mm以上、2N/15mm未満の場合:D
剥離強度が1N/15mm未満の場合:E
密着性はA〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。

0077

(4)耐湿熱性評価
本発明の太陽電池バックシート用フィルム、太陽電池バックシートを測定片の形状10mm×200mmに切り出した後、高度加速寿命試験装置プレッシャークッカー(エスペック(株)製)にて、温度125℃、相対湿度100%RHの条件下にて48時間処理を行い、その後、ASTM−D882(1997)に基づいて破断伸度を測定した。なお、測定はチャック間50mm、引っ張り速度300mm/min、測定回数n=5とし、また、シートの長手方向、幅方向のそれぞれについて測定した後、その平均値を湿熱試験後の破断伸度とした。得られた湿熱試験後の破断伸度から、耐湿熱性を以下のように判定した。
湿熱試験後の破断伸度が湿熱試験前の破断伸度の60%以上の場合:A
湿熱試験後の破断伸度が湿熱試験前の破断伸度の40%以上60%未満の場合:B
湿熱試験後の破断伸度が湿熱試験前の破断伸度の20%以上40%未満の場合:C
湿熱試験後の破断伸度が湿熱試験前の破断伸度の10%以上20%未満の場合:D
湿熱試験後の破断伸度が湿熱試験前の破断伸度の10%未満の場合:E
耐湿熱性はA〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。

0078

(5)耐紫外線性(紫外線処理試験時の色調変化
(5−1)色調(b値)測定
JIS−Z−8722(2000)に基づき、分光式色差計SE−2000(日本電色工業(株)製、光源ハロゲンランプ12V4A、0°〜−45°後分光方式)を用いて反射法により太陽電池バックシート用フィルム、太陽電池バックシートの色調(b値)をn=3で測定し、その平均値として求めた。

0079

(5−2)色調変化Δb
本発明の太陽電池バックシート用フィルム、太陽電池バックシートにアイスーパー紫外線テスターS−W151(岩崎電気(株)製)にて、温度60℃、相対湿度60%、照度100mW/cm2(光源:メタルハライドランプ波長範囲:295〜450nm、ピーク波長:365nm)の条件下で48時間照射した前後の色調(b値)を前記(5−1)項に従い測定し、次の(α)式より紫外線照射後の色調変化(Δb)を算出した。尚、本発明の太陽電池バックシート用フィルムが片面にP2層を有する構成の場合、P2層側の表面に紫外線試験光が当たるように試験を行った。また、太陽電池バックシートの場合、実施例32から37、45から46、50から53においては機能層Bを有する面の反対面に、実施例38から44、47から49においては機能層Bを有する表面に、54から56においては機能層B’を有する表面に紫外線試験光が当たるように試験を行った。
紫外線照射後の色調変化(Δb)=b1—b0 (α)
b0:紫外線照射前の色調(b値)
b1:紫外線照射後の色調(b値)
得られた紫外線処理試験前後の色調変化(Δb)から、耐紫外線性を以下のように判定した。
紫外線照射処理試験前後の色調変化(Δb)が3未満の場合:A
紫外線照射処理試験前後の色調変化(Δb)が3以上6未満の場合:B
紫外線照射処理試験前後の色調変化(Δb)が6以上10未満の場合:C
紫外線照射処理試験前後の色調変化(Δb)が10以上20未満の場合:D
紫外線照射処理試験前後の色調変化(Δb)が20以上の場合:E
耐紫外線性はA〜Dが良好であり、その中で最もAが優れている。

0080

(6)熱伝導率評価
本発明の太陽電池バックシート用フィルムの熱伝導率評価として、ATSM E 1530に基づき試験を行った。下部ヒーターを30℃、上部ヒーターを80℃に設定とし、n=3で測定し、その平均値を熱伝導率とし、得られた熱伝導率から以下のように判定した。
熱伝導率が0.08W/m・K以下:A
熱伝導率が0.08W/m・Kを超えて、0.12W/m・K以下:B
熱伝導率が0.12W/m・Kを超えて、0.14W/m・K以下:C
熱伝導率が0.14W/m・Kを超える:D
熱伝導率はA〜Bが良好で有り、その中で最もAが優れている。

0081

(7)太陽電池特性評価
(7−1)太陽電池の出力向上性評価
多結晶シリコン型太陽電池セル「ジンテック社製G156M3」の表面と裏面の銀電極部分に、フラックス「HOZAN社製H722」をディスペンサーで塗布し、表面と裏面の銀電極の上に、155mmの長さに切断した配線材日立電線社製銅箔SSA−SPS0.2×1.5(20)」を、表面側のセルの片端から10mm離れたところが配線材の端に、そして裏面側は表面側と対称になるように乗せ、半田ごてを用いて、セル裏面側から半田ごてを接触させて表面と裏面を同時に半田溶着し、1セルストリングスを作製した。
次に、作製した1セルストリングスのセルから飛び出している前記の配線材の長手方向と、180mmに切断した取り出し電極「日立電線社製銅箔A−SPS0.23×6.0」の長手方向が垂直になるよう置き、前記の配線材と取り出し電極が重なる部分に前記のフラックスを塗布して半田溶着を行い、取り出し電極付きストリングスを作製した。この時点において、JIS C8914:2005の基準状態に準じて短絡電流の測定を実施し、セル単体発電性能とした。

0082

次に、カバー材として190mm×190mmのガラス(旭硝子社製太陽電池用3.2mm厚白板熱処理ガラス)と、表側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製封止材0.5mm厚)と、セル単体の発電性能評価を実施した取り出し電極付きストリングスと、裏側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製封止材0.5mm厚)と、190mm×190mmに裁断した本発明の太陽電池バックシート用フィルムの順に重ねて固定し、該ガラスを真空ラミネータ熱板と接触するようにセットし、熱板温度145℃、真空引き4分、プレス1分および保持時間10分の条件で、真空ラミネートを行い評価用の太陽電池を作製した。このとき、取り出し電極付きストリングスはガラス面がセル表面側になるようにセットした。尚、本発明の太陽電池バックシート用フィルムが片面にP2層を有する構成の場合、P2層側を発電セル側に向けるように設置した。
得られた太陽電池モジュールを、JIS C8914:2005の基準状態に準じて測定した短絡電流の測定を実施し、本発明の太陽電池バックシートを搭載した太陽電池の発電性能とした。
このようにして得られたセル単体の発電性能と本発明の太陽電池バックシートを搭載した太陽電池の発電性能から、次の(β)式に従い、本発明の太陽電池バックシートを搭載した太陽電池の発電向上率を算出した。
モジュール化による発電向上率(%)=(モジュール化後の発電性能/セル単体の発電性能−1)×100(%) (β)
得られた発電向上率から、出力向上性を以下のように判定した。
発電向上率が8.0%以上の場合:A
発電向上率が7.5%以上、8.0%未満の場合:B
発電向上率が7.0%以上、7.5%未満の場合:C
発電向上率が6.5%以上、7.0%未満の場合:D
発電向上率が6.5%未満の場合:E
太陽電池の出力向上性はA〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。
(7−2)太陽電池の密着性評価
(7−1)項で作製した太陽電池を10個準備し、85℃85%RHに調整した恒温恒湿槽(エスペック(株)製)で4000hr処理した後、ラミネートした太陽電池バックシート用フィルムに剥離が発生していないかを目視で確認を行った。太陽電池の密着性は10個の太陽電池のうち、目視でシートが剥離しているものが何個あるかについて確認し、以下のように判定を行った。
全ての太陽電池で剥離が発生していない場合:A
作製した太陽電池のうち1個以上4個未満の太陽電池からシートが剥離していた場合:B
作製した太陽電池のうち4個以上8個未満の太陽電池からシートが剥離していた場合:C
作製した太陽電池のうち8個以上シートが太陽電池から剥離していた場合:D
全ての太陽電池で剥離が発生している場合:E
太陽電池の密着性はA〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。

0083

(8)ヤング率評価
太陽電池バックシート用フィルム、太陽電池バックシートのヤング率をASTM−D882(1997)に基づいて測定した。なお、測定はチャック間50mm、引っ張り速度300mm/min、測定回数n=5とし、また、シートの長手方向、幅方向のそれぞれについて測定した後、その平均値をヤング率とした。得られたヤング率から、以下のように判定した。
ヤング率が、2.0GPa以下の場合:A
ヤング率が、2.0GPaを超えて、3.0GPa以下の場合:B
ヤング率が、3.0GPaを超えて、4.0GPa以下の場合:C
ヤング率が、4.0GPaを超える場合:D
ヤング率はA〜Cが良好であり、その中で最もAが優れている。

0084

(9)カール高さ評価
太陽電池バックシートの評価として以下の手順でカール高さ(カール性)の評価を行った。
1.外径84.2mmの紙管に、200mm×200mmにカットした太陽電池バックシートを巻いて固定し、40℃50%RHにおいて1週間保管し、得られたフィルムを紙管から外しカール高さ評価用シートを得る。
2.得られたカール高さ評価用シートを、25℃の環境下で、平らな板の上に、カール高さ評価用シートの中央部が板に接触する向きに置く。
3.カール高さ評価用シートの4箇所の角の板からの距離(カール高さ)をノギスで測定する。
4.3.で得られた4箇所のカール高さの平均値を取り、得られたカール高さの平均値からカール高さ評価は以下のように判定した。
カール高さの平均値が5mm未満:A
カール高さの平均値が5mm以上、10mm未満:B
カール高さの平均値が10mm以上、15mm未満:C
カール高さの平均値が15mm以上:D
カール高さはA〜Cが良好で有り、その中で最もAが優れている。

0085

(10)水蒸気バリア性評価
太陽電池バックシートの水蒸気バリア性の評価として、JIS K7129(2008)の赤外線センサ法に準じて、測定面積50cm2、40℃90%RH環境下における水蒸気透過率を測定した。得られた値から、水蒸気バリア性は以下のように判定した。
水蒸気透過率が0.5g/m2/day未満:A
水蒸気透過率が0.5g/m2/day以上、1.0g/m2/day未満:B
水蒸気透過率が1.0g/m2/day以上、2.0g/m2/day未満:C
水蒸気透過率が2.0g/m2/day以上、3.0g/m2/day未満:D
水蒸気透過率が3.0g/m2/day以上:E
水蒸気バリア性はA〜Dが良好で有り、その中で最もAが優れている。

0086

以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。

0087

(P1層に用いるポリエステル系樹脂原料)
1.PET原料A(PET−a)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール57.5質量部、酢酸マンガン水和物0.03質量部、三酸化アンチモン0.03質量部を150℃、窒素雰囲気下で溶融した。この溶融物撹拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応終了後、リン酸0.005質量部とリン酸二水素ナトリウム2水和物0.021質量部をエチレングリコール0.5質量部に溶解したエチレングリコール溶液(pH5.0)を添加した。このときのポリエステル組成物の固有粘度は0.2未満であった。この後、重合反応最終到達温度285℃、真空度0.1Torrで行い、固有粘度0.52、末端カルボキシル基量が15当量/トンのポリエチレンテレフタレートを得た。得られたポリエチレンテレフタレートを160℃で6時間乾燥、結晶化させた。その後、220℃、真空度0.3Torr、8時間の固相重合を行い、固有粘度0.82、末端カルボキシル基量が10当量/トンのポリエチレンテレフタレート(PET−a)を得た。得られたポリエチレンテレフタレート組成物ガラス転移温度は82℃、融点は255℃であった。

0088

2.PET原料B(PET−b)
固相重合の時間を10時間とした以外はPET原料Aと同様に行い、固有粘度0.85、末端カルボキシル基量が6当量/トンのポリエチレンテレフタレート(PET−b)を得た。

0089

3.PET原料C(PET−c)
重合反応の最終到達温度290℃とした以外はPET原料Aと同様に行い、固有粘度0.79、末端カルボキシル基量が15当量/トンのポリエチレンテレフタレート(PET−c)を得た。

0090

4.PET原料D(PET−d)
重合反応の最終到達温度295℃とした以外はPET原料Aと同様に行い、固有粘度0.77、末端カルボキシル基量が20当量/トンのポリエチレンテレフタレート(PET−d)を得た。

0091

5.PET原料E(PET−e)
重合反応の最終到達温度300℃とした以外はPET原料Aと同様に行い、固有粘度0.75、末端カルボキシル基量が28当量/トンのポリエチレンテレフタレート(PET−e)を得た。

0092

6.PET原料F(PET−f)
反応触媒として酢酸マンガンの代わりに酢酸マグネシウム2水和物0.03質量部、エステル交換反応終了後、リン酸0.005質量部のみを添加した以外はPET原料Aと同様に行い、固有粘度0.80、末端カルボキシル基量が10当量/トンのポリエチレンテレフタレート(PET−f)を得た。

0093

7.PET原料G(PET−g)
重合反応の最終到達温度297℃とした以外はPET原料Aと同様に行い、固有粘度0.76、末端カルボキシル基量が24当量/トンのポリエチレンテレフタレート(PET−g)を得た。

0094

8.PET原料H(PET−h)
重合反応の最終到達温度305℃とした以外はPET原料Aと同様に行い、固有粘度0.65、末端カルボキシル基量が34当量/トンのポリエチレンテレフタレート(PET−h)を得た。

0095

9.空洞核剤マスターペレット
上記1.項によって得られたPET樹脂A(PET−a)42質量部と、ポリプラスチックス株式会社製シクロオレフィンコポリマー(COC)“TOPAS”(登録商標)6018(ビカット軟化点=188℃)、40質量部、東レデュポン株式会社製ポリエステル系エラストマー(TPE)“ハイトレル”(登録商標)7247 18質量部を、ベントした290℃の押出機内で溶融混練し、空洞核剤マスターペレットAを作製した。

0096

10.空洞核剤マスターペレットB
PET樹脂Aの代わりに上記2.項によって得られたPET樹脂Bを用いた以外は、7.項の空洞核剤マスターペレットAと同様の組成、及び方法で空洞核剤マスターペレットBを作製した。

0097

11.空洞核剤マスターペレットC
PET樹脂Aの代わりに上記3.項によって得られたPET樹脂Cを用いた以外は、7.項の空洞核剤マスターペレットAと同様の組成、及び方法で空洞核剤マスターペレットCを作製した。

0098

12.空洞核剤マスターペレットD
PET樹脂Aの代わりに上記4.項によって得られたPET樹脂Dを用いた以外は、7.項の空洞核剤マスターペレットAと同様の組成、及び方法で空洞核剤マスターペレットDを作製した。

0099

13.空洞核剤マスターペレットF
PET樹脂Aの代わりに上記5.項によって得られたPET樹脂Fを用いた以外は、7.項の空洞核剤マスターペレットAと同様の組成、及び方法で空洞核剤マスターペレットFを作製した。

0100

14.空洞核剤マスターペレットG
上記1.項によって得られたPET樹脂A(PET−a)26.3質量部と、ポリプラスチックス株式会社製シクロオレフィンコポリマー“TOPAS”(登録商標)6018(ビカット軟化点=188℃)、40質量部、東レデュポン株式会社製ポリエステル系エラストマー(TPE)“ハイトレル”(登録商標)7247 18質量部、イーストマンケミカル社製晶性PET樹脂(PET−G)Copolyester GN071 15.3質量部をベントした290℃の押出機内で溶融混練し、空洞核剤マスターペレットGを作製した。

0101

15.空洞核剤マスターペレットH
上記1.項によって得られたPET樹脂A(PET−a)60質量部と、ポリプラスチックス株式会社製シクロオレフィンコポリマー“TOPAS”(登録商標)6018(ビカット軟化点=188℃)、40質量部をベントした290℃の押出機内で溶融混練し、空洞核剤マスターペレットHを作製した。

0102

16.空洞核剤マスターペレットI
上記1.項によって得られたPET樹脂A(PET−a)42質量部と、三井化学株式会社製ポリメチルペンテン(PMP)“TPX”(登録商標)DX820(ビカット軟化点=172℃)、40質量部、東レデュポン株式会社製ポリエステル系エラストマー(TPE)“ハイトレル”(登録商標)7247 18質量部を、ベントした290℃の押出機内で溶融混練し、空洞核剤マスターペレットIを作製した。

0103

17.空洞核剤マスターペレットJ
上記1.項によって得られたPET樹脂A(PET−a)56質量部と、住友化学株式会社製ポリプロピレン(PP)“ノーブレン”(登録商標)FLX80E4(ビカット軟化点=135℃)、40質量部、三洋化成工業株式会社製酸変性ポリプロピレン酸変性PP)“ユーメックス”(登録商標)PP1010 4質量部を、ベントした290℃の押出機内で溶融混練し、空洞核剤マスターペレットJを作製した。

0104

18.酸化チタンマスターペレット
上記1.項によって得られたPET樹脂A(PET−a)100質量部と、平均粒子径210nmのルチル型酸化チタン粒子(TiO2)100質量部を、ベントした290℃の押出機内で溶融混練し、酸化チタンマスターペレットを作製した。

0105

19.硫酸バリウムマスターペレット
上記1.項によって得られたPET樹脂A(PET−a)100質量部と、平均粒子径1.5μmの硫酸バリウム粒子(BaSO4)100質量部を、ベントした290℃の押出機内で溶融混練し、硫酸バリウムマスターペレットを作製した。

0106

(機能層Bに用いるフィルム、コーティング剤
20.ポリエチレンフィルム
レフィルム加工(株)製白色ポリエチレンフィルム“4807W”を使用した。

0107

21.ポリエチレンビニルアセテート共重合体フィルム
ポリエチレンビニルアセテート(ビニルアセテート含有量5質量%)のチップ50質量部と、無機粒子として、数平均二次粒径0.25μmの二酸化チタン30質量%を分散させたポリエチレンマスターチップ(マスターチップ総量に対して二酸化チタン30質量%含有)50質量部とを、190℃の温度に加熱された押出機に供給し、Tダイから押し出されたポリエチレンビニルアセテートフィルムを使用した。

0108

22.ポリプロピレンフィルム
東レフィルム加工(株)製白色ポリプロピレンフィルム“B011W”を使用した。

0109

23.PVFフィルム
デュポン社製“テドラー”(登録商標)を使用した。
24.PVDFフィルム
アルケマ社製“カイナー”(登録商標)を使用した
25.ETFEフィルム
イキン工業(株)製“ネオフロン”(登録商標)EFシリーズを使用した。

0110

26.ウレタンコート用塗剤(塗剤a、塗剤b)
塗剤aの調合として、表9の主剤の欄に示される配合によって、(株)日本触媒製のアクリル系コーティング剤である“ハルハイブリット”(登録商標)ポリマーUV−G301(固形分濃度:40質量%)に、着色顔料テイカ(株)製酸化チタン粒子JR−709、および溶剤一括混合し、ビーズミル機を用いてこれらの混合物を分散させた。その後、可塑剤としてDIC(株)製ポリエステル系可塑剤ポリサイザー”(登録商標)W−220ELを添加して、固形分濃度が51質量%である樹脂層形成用の塗剤aの主剤を得た。

0111

上記のようにして得られた主剤に、表10に示されるヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂である住化バイエルウレタン(株)製“デスモジュール”(登録商標)N3300(固形分濃度:100質量%)を、前記の樹脂層形成用主剤との質量比が100/4の比になるように予め計算した量を配合し、さらに固形分濃度20質量%となるように予め算出した表9に示される希釈剤酢酸n−プロピル量りとり、15分間攪拌することにより固形分濃度20質量%の塗剤aを得た。

0112

塗剤bの調合として、表11に示される水添キシリレンジイソシアネートである三井化学(株)社製“タケネート”(登録商標)D120Nと、ダイキン工業(株)製“ゼッフル”(登録商標)GK570を前記の樹脂層形成用主剤との質量比が65/12になるように予め計算した量を配合し、さらに固形分濃度20質量%となるように予め算出した表10に示される希釈剤:酢酸n−ブチルを量りとり、15分間攪拌することにより固形分濃度20質量%の塗剤bを得た。

0113

27.無機化合物フィルム
三菱化学(株)製“テックバリア”(登録商標)LXを使用した。

0114

28.ポリエステルフィルム
ポリエステルフィルムとして東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)MX11を使用した。

0115

29.積層用接着剤(塗剤c)
積層用接着剤として、DIC(株)製ドライラミネート剤ディックドライ”(登録商標)TAF−300を36質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート系樹脂を主成分とするDIC(株)製TAFハードナーAH−3を3質量部、および酢酸エチルを30質量部量りとり、15分間攪拌することにより固形分濃度30質量%の積層用接着剤である塗剤cを得た。

0116

(実施例1)
表1に示す組成となるように、P1層を構成する原料として180℃で2時間真空乾燥したPET原料A(PET−a)を77.5質量部と空洞核剤マスターペレットAを22.5質量部とを混合し、一方でP2層を構成する原料として180℃で2時間真空乾燥したPET原料A(PET−a)を72質量部と酸化チタンマスターペレットを28質量部とを混合し、それぞれを異なる2台の280℃に昇温した押出機内で溶融させて吐出し、フィードブロックにてP2/P1/P2と積層するように合流させた後、Tダイから共押出した。次いで共押出した溶融シート表面温度50℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて、未延伸シートを得た。続いて、該未延伸シートを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、88℃の温度に加熱したロールと25℃の温度に調整したロール間で3倍の速度差をつけることで長手方向(縦方向)に3倍に延伸した後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸シートを得た。次いで、得られた一軸延伸シートの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃に保たれた加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.5倍に延伸した。更に引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンにて220℃で20秒間の熱処理を施し、さらに4%幅方向に弛緩処理を行いながら均一に徐冷し、ポリエステルフィルムを製膜した。

0117

前記の方法で製膜後のポリエステルフィルムの積層比(P2:P1:P2)が1:13:1となるように押出機の吐出量を調整し、更に全体厚みが150μmになるようにライン速度を調整して、実施例1の太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0118

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空隙率を確認したところ、全体の空隙率は21%、表層の空隙率はPs、Ps′ともに2.5%であり、空洞面積比を確認したところ(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)ともに3.5であった。またポリマー特性を測定したところ固有粘度IVは0.70dl/g、末端カルボキシル基量は14当量/トンであり、金属元素としてMnが69ppm、Sbが241ppm、Naが29ppm含まれていた。

0119

また、得られた太陽電池バックシート用フィルムについて、太陽電池バックシート特性評価を行った結果、非常に優れた密着性と耐湿熱性、耐紫外線性、熱伝導率を有することがわかった。更に太陽電池特性評価を行った結果、非常に優れた出力向上性と密着性を有することがわかった。

0120

(実施例2〜11)
空洞核剤マスターペレット量、及び空洞核剤マスターペレットG〜Iを使用、またはP1層にP2層で使用した酸化チタンマスターペレットを混合して、P1層の組成を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0121

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ、表2に示す通り、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)が空洞核剤量や種類、または分散助剤によって変化した。具体的には空洞核剤量が多くなり、分散助剤の種類が増える実施例2、4〜6は空洞面積比が実施例1の比べて小さくなる。一方で空洞核剤種としてポリメチルペンテンを用いたり、空洞核剤量が少なく、分散助剤を含まない実施例3、7〜9は空洞面積比が実施例1の比べて大きくなることを確認した。またP1層に無機粒子を添加した実施例10、11についても、空洞面積比が実施例1の比べて少し小さくなることを確認した。

0122

得られた太陽電池バックシート用フィルムについて、太陽電池バックシート特性評価を行った結果、表2に示す通り、実施例1に比べて一部密着性と熱伝導率が劣るものの良好な範囲であることがわかった。
更に太陽電池特性評価を行った結果、実施例1に比べて空洞面積比の増加に伴い出力向上性が低下するものの、密着性とともに良好な範囲であることがわかった。

0123

(実施例12〜16)
P1層及びP2層の主成分であるPET樹脂を表3に示す通り、PET−b〜fに変更した以外は実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0124

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ、表4に示す通り、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)ともに実施例1と同様であった。またポリマー特性を測定したところ実施例12〜15は固有粘度IVと末端カルボキシル基量が変化し、実施例16は含有する金属元素の種類と含有量が変化した。

0125

得られた太陽電池バックシート用フィルムについて、太陽電池バックシート特性評価を行った結果、表4に示す通り、実施例12〜15は実施例1に比べて密着性が劣るものの良好な範囲であることがわかった。また耐湿熱性は固有粘度IVの低下、及び末端カルボキシル基量の増加に伴い低下した。また熱伝導率は実施例1と同様に優れたものであることがわかった。
更に太陽電池特性評価を行った結果、実施例1に比べてと末端カルボキシル基量の増加に伴い出力向上性が低下するものの、密着性ともに良好な範囲であることがわかった。また実施例16は実施例1と固有粘度や末端カルボキシル基量と同様にも関わらず、太陽電池バックシートの密着性や太陽電池の出力向上性、密着性を劣るものの、良好な範囲であることがわかった。

0126

(実施例17〜25)
太陽電池バックシートの積層比やフィルム構成、P2層の無機粒子量、キャスト温度を表3に示す通り変更した以外は実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0127

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ、表4に示す通り、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)ともに実施例25は実施例1よりも小さくなった。またポリマー特性については実施例1と同様であった。

0128

得られた太陽電池バックシート用フィルムについて、太陽電池バックシート特性評価を行った結果、表4に示す通り、実施例17〜23はP1層の厚みをT1(μm)、P2層の厚みをT2(μm)、P2層を構成する樹脂組成物に含まれる無機粒子濃度をW2(質量%)としたときの(T1/T2)×W2が大きくなるほど、実施例1に比べて密着性が劣るものの良好な範囲であることがわかった。また、耐紫外線性はP2層の無機粒子濃度の低化に伴い低化した。熱伝導率は実施例1と同様に優れたものだった。更に太陽電池特性評価を行った結果、(T1/T2)×W2が小さくなるほど実施例1に比べて出力向上性が劣り、(T1/T2)×W2が大きくなるほど、密着性が劣るが良好な範囲であることがわかった。また実施例25は、実施例1と同様に非常に優れる太陽電池バックシートの密着性、及び太陽電池の出力向上性、密着性を有するものの、フィルム製膜時に工程ロール上に空洞核剤が付着することがわかった。

0129

(実施例26)
表3に示す通り、P1層単膜のフィルム構成でP1層中に無機粒子を高濃度添加した以外は実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0130

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ、表4に示す通り、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)ともに実施例1よりも小さくなった。またポリマー特性については実施例1よりも末端カルボキシル基量が多くなった。

0131

得られた太陽電池バックシート用フィルムについて、太陽電池バックシート特性評価を行った結果、実施例1に比べて密着性に劣るものの良好な範囲であり、熱伝導率は実施例1と同様に優れたものであることがわかった。太陽電池特性評価においても出力向上性、密着性に劣るものの良好な範囲であることがわかった。また実施例25と同様にフィルム製膜時に工程ロール上に空洞核剤が付着することがわかった。

0132

(実施例27)
P2層の無機粒子として硫酸バリウム粒子を用いるため硫酸バリウムマスターペレットを用い、ポリエステルフィルムの積層比(P2:P1:P2)が1:1:1となるように押出機の吐出量を調整した以外は実施例3と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ、表4に示す通り、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)ともに実施例3よりも小さくなった。
得られた太陽電池バックシート用フィルムについて、太陽電池バックシート特性評価を行った結果、実施例3に比べて劣るものの良好な密着性を有することがわかった。熱伝導率は実施例1と同様に優れたものであるものだった。更に太陽電池特性評価を行った結果、実施例3に比べて劣るものの良好な密着性を有し、出力向上性については問題ない範囲であることがわかった。

0133

(実施例28)
P1層及びP2層の主成分であるPET樹脂を表3の通り、PET−gに変更した以外は実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0134

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)は実施例1と同程度であった。またポリマー特性を測定したところ、表に示す通り、固有粘度IVと末端カルボキシル基量が変化した。

0135

得られた太陽電池バックシート用フィルムについて、特性評価を行った結果、表に示す通り、密着性が良好であることがわかった。また耐湿熱性は固有粘度IVの低下、及び末端カルボキシル基量の増加に伴いやや低下したが、問題無い範囲であった。また熱伝導率は実施例1と同様に優れたものであることがわかった。
更に太陽電池特性評価を行った結果、表に示す通り、実施例1に比べてと末端カルボキシル基量の増加に伴い出力向上性がやや低下するものの、密着性ともに良好な範囲であることがわかった。

0136

(実施例29〜31)
製膜時にライン速度を変更し、フィルムの全体厚みを表3の通り、変更した以外は実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0137

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)ともに実施例1と同程度であった。
得られた太陽電池バックシート用フィルムについて、太陽電池バックシート特性評価を行った結果、表4に示す通り、フィルム厚みの薄いフィルムでは、密着性がやや低下することがわかった。また熱伝導率も実施例1に比べてやや低下するが良好な範囲であることがわかった。
更に太陽電池特性評価を行った結果、表に示す通り、フィルム厚みの低下に伴い、太陽電池の密着性がやや低下することがわかった。また、出力向上性も実施例1に比べてやや低下するが、良好な範囲であることがわかった。

0138

(実施例32〜44)
実施例1で得られた太陽電池バックシート用フィルムのP2層の一方の面に、積層用接着剤として準備した塗料cを用いて、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃の温度で45秒間乾燥し、乾燥後の塗膜厚みが5.0μmとなるように積層用接着剤層を形成した。
次に、表5に示す機能層Bを接着剤層上に積層し、40℃の温度で3日間エージングし太陽電池バックシートとした。得られた太陽電池バックシートは、密着性、耐湿熱性、耐紫外線性は良好であり、少なくともヤング率、カール高さ、水蒸気バリア性のいずれかが優れていた。また、太陽電池特性に優れていた。

0139

(実施例45〜49)
実施例32〜44と同様にして、表6に示す機能層Bを接着剤層上に積層し、40℃の温度で3日間エージングし太陽電池バックシートとした。得られた実施例45〜49に示す太陽電池バックシートは、密着性、耐湿熱性、耐紫外線性は良好であり、ヤング率、カール高さは大きくなっているが、水蒸気バリア性が優れていた。また、太陽電池特性に優れていた。

0140

(実施例50〜53)
実施例1で得られた太陽電池バックシート用フィルムのP2層の一方の面に、乾燥後の機能層Bの厚みが表6に示す厚みとなるよう、表6に従いワイヤーバーを用いて塗料a、塗料bをそれぞれ塗布し、100℃の温度で60秒間乾燥して太陽電池バックシート用フィルムを作製した(なお、実施例50〜53では、空隙率や(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)は、機能層Bを含めた積層フィルムをもとに求めた)。得られた太陽電池バックシート用フィルムを、太陽電池バックシートとして用いて評価を実施したところ、バックシート特性、太陽電池特性ともに優れていた。

0141

(実施例54、55)
実施例1で得られた太陽電池バックシート用フィルムのP2層の一方の面に、積層用接着剤として準備した塗料cを用いて、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃の温度で45秒間乾燥し、乾燥後の塗膜厚みが5.0μmとなるように積層用接着剤層を形成した。
次に、表6に示す機能層B’を接着剤層上に積層し、40℃の温度で3日間エージングした。更に、機能層B’を積層していないもう一方のP2層に積層用接着剤として準備した塗料cを用いて、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃の温度で45秒間乾燥し、乾燥後の塗膜厚みが5.0μmとなるように積層用接着剤層を形成した。積層用接着剤層上に、表6に示す機能層Bを積層し、40℃の温度で3日間エージングし太陽電池バックシートとした。得られた実施例54、55に示す太陽電池バックシートは、密着性、耐湿熱性、耐紫外線性は良好であり、ヤング率、カール高さ、水蒸気バリア性に優れていた。また、太陽電池特性に優れていた。

0142

(実施例56)
実施例1で得られた太陽電池バックシート用フィルムのP2層の一方の面に、乾燥後の機能層Bの厚みが表6に示す厚みとなるよう、表6に従いワイヤーバーを用いて塗料aを塗布し、100℃の温度で60秒間乾燥して機能層Bを有する太陽電池バックシート用フィルムを得た。更に、機能層Bを積層していない片方のP2層に積層用接着剤として準備した塗料cを用いて、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃の温度で45秒間乾燥し、乾燥後の塗膜厚みが5.0μmとなるように積層用接着剤層を形成した。積層用接着剤層上に、表6に示す機能層B’を積層し、40℃の温度で3日間エージングし太陽電池バックシートとした。得られた実施例56に示す太陽電池バックシートは、ヤング率、カール高さは大きくなっているが、水蒸バリア性に優れていた。また、太陽電池特性も優れていた。

0143

(比較例1)
P1層の空洞核剤量を3質量%とした以外は実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムの空隙率を確認したところ、フィルム全体の空隙率が9%と本発明の範囲から外れることがわかった。
更に比較例1で得られた太陽電池バックシート用フィルムは密着性、熱伝導率が劣る太陽電池バックシートであることがわかった。また太陽電池特性についても出力向上性、及び密着性に劣る太陽電池であることがわかった。

0144

(比較例2〜6)
P1層の組成を表の通りとするために、空洞核剤マスターペレット量、及び空洞核剤マスターペレットG〜Jを使用、またはP1層に空洞核剤として硫酸バリウム粒子を用いるため硫酸バリウムマスターペレットを用いた以外は、実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0145

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)ともに、本発明の範囲から外れることがわかった。

0146

更に比較例1〜4で得られた太陽電池バックシート用フィルムは密着性が劣る太陽電池バックシートであることがわかった。比較例6は熱伝導率が劣る太陽電池バックシートであることがわかった。また太陽電池特性についても出力向上性、及び密着性の少なくともどちらかが劣る太陽電池であることがわかった。

0147

(比較例7)
ポリエステルフィルムの積層比(P2:P1:P2)が1:1:1となるように押出機の吐出量を調整した以外は実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0148

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞を確認したところ、C2−1点及びC2−2点を通る分割水平線上に空洞が存在しないことがわかった。

0149

更に太陽電池バックシート用フィルムは密着性、熱伝導率が劣る太陽電池バックシートであることがわかった。また太陽電池特性についても出力向上性、及び密着性に劣る太陽電池であることがわかった。

0150

(比較例8)
P1層及びP2層の主成分であるPET樹脂をPET−hに変更した以外は実施例1と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。

0151

得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)ともに実施例1と同様であったが、ポリマー特性を測定したところ末端カルボキシル基量が40当量/トンまで低下した。
更に比較例8で得られた太陽電池バックシート用フィルムは密着性と耐湿熱性が劣る太陽電池バックシートであることがわかった。また太陽電池特性についても出力向上性、及び密着性の両方が劣る太陽電池であることがわかった。

0152

(比較例9)
製膜時にP1層の単膜構成でTダイから押出、冷却を行い得られた未延伸シートを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、シートの両表面から15mm離れた位置に設置した赤外線ヒーターにて、50W/cmの出力で0.72秒間加熱して長手方向(縦方向)に3倍に延伸した以外は比較例2と同様に太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムの空洞面積比を確認したところ、比較例2とは異なり、厚み方向の空洞面積に偏りが見られた。しかしながら、フィルム表面から深さ10μmまでの範囲では空洞1個あたりの平均面積は小さくなるのみで、フィルム全体厚みに対して25〜75%の深さにおいては、空洞1個あたりの平均面積に差は無く、(Sc/Scs)、(Sc/Scs’)は1.0であった。
比較例9で得られた太陽電池バックシート用フィルムは比較例2と同様に、密着性が劣る太陽電池バックシートであることがわかった。また太陽電池特性についても出力向上性、及び密着性の両方が劣る太陽電池であることがわかった。

0153

(比較例10)
太陽電池バックシート用フィルムを比較例6のフィルムを使用した以外は実施例32と同様にして、表9に示す機能層Bを積層し、40℃の温度で3日間エージングし太陽電池バックシートとした。得られた太陽電池バックシートは、ヤング率、カール高さは劣るものであった。また、太陽電池特性について、密着性は比較例6から改善されるが、出力向上性は劣る太陽電池であった。

0154

(比較例11)
太陽電池バックシート用フィルムを比較例6のフィルムを使用した以外は実施例42と同様にして、表9に示す機能層Bを積層し、40℃の温度で3日間エージングし太陽電池バックシートとした。得られた太陽電池バックシートは、ヤング率、カール高さは劣るものであった。また、太陽電池特性について、密着性、及び出力向上性が劣る太陽電池であった。

0155

0156

0157

0158

0159

0160

0161

0162

0163

0164

実施例

0165

0166

本発明の本発明の太陽電池バックシート用フィルムを太陽電池バックシートとして太陽電池に搭載することにより、従来の太陽電池と比べて長期間屋外に置かれた場合でも太陽電池バックシートとの密着性が保持され、更には発電効率を高めることが可能となる。本発明の太陽電池は、太陽光発電システム、小型電子部品の電源など、屋外用途、屋内用途に限定されず各種用途に好適に用いることができる。

0167

1:太陽電池バックシート
2:封止材
3:発電素子
4:透明基板
5:太陽電池バックシートの封止材2側の面
6:太陽電池バックシートの封止材2と反対側の面
7:フィルムの厚み方向
8:フィルムの面方向
9:フィルム厚み方向中心点とフィルム表面との中間点(C2−1点)
10:フィルム厚み方向中心点(C1点)
11:フィルム厚み方向中心点とフィルム表面との中間点(C2−2点)
12:C2−1点を通る分割水平線
13:C1点を通る分割水平線
14:C2−2点を通る分割水平線
15:空洞
16:機能層B
17:太陽電池バックシート用フィルム
18:機能層B’
19:接着層

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