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課題・解決手段
概要
背景
近年、インクジェット印刷により、多種多様な柄模様が簡便、安価に基材に形成することが可能であるため、インクジェット印刷は様々な分野で利用されている。 例えば、特許文献1及び2では、金属系基材、ポリエステルを含むインキ層及びインキ層を有する塗装鋼板が開示されている。これらの塗装鋼板を製造する際には、金属基材上に形成されたインキ受理層の表面に、溶剤系インキをインクジェット印刷することでインキ層を形成する。このとき、溶剤系インキに含まれる有機溶媒がインキ受理層表面の一部を溶解させて粗面化するため、溶剤系インキは、インキ受理層に対して濡れ広がり、かつ密着することができる。
また、特許文献3,4には、金属系基材と、ちぢみ塗料を塗布して硬化させたインキ受理層と、インキ層とを有する建築板に使用する塗装鋼板が記載されている。これらの塗装鋼板を製造する際には、基材上に形成されたインキ受理層の表面に、溶剤系または水系インキをインクジェット印刷することでインキ層を形成する。このとき、インキは、インキ受理層表面の溝を毛細管現象により広がるため、十分に濡れ広がることができる。
インクジェット印刷について、上記の溶剤系インキに加えて、特許文献5では、様々な記録材料に高精細な画像を安定に再現できる活性光線硬化型インキを用いた画像形成方法が開示されている。そして、引用文献6では、金属系サイディング材に活性光線硬化型インキを用いてインクジェット印刷を行う、化粧建築板の製造方法が開示されている。
一方、また、特許文献7は外装材等の化粧建築板の製造方法が開示され、具体的には、火炎処理により基材に設けられた水性エナメル塗膜表面に極性基を導入して、水系インクジェットインキと水性塗膜の濡れ性を向上させている。
概要
本発明は、金属サイディング材(1)に、活性光線硬化型インキを用いてインクジェット印刷を行う場合に、該インキの均一な濡れ広がりが認められる、意匠性の高い化粧建築板の製造方法を提供することを目的とする。 上記目的を達成するため、本発明は、金属サイディング材(1)を特定条件下で火炎処理した後、活性光線硬化型インキを用いてインクジェット印刷を行うことを含む化粧建築板の製造方法を提供する。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
高低差が0.5mm以上の凹凸模様を形成する金属系基材、芯材および裏面材を含み、該基材上には樹脂組成物で形成されるインキ受理層が配置された金属サイディング材を、バーナーの炎口の幅10mmあたり250kJ/時〜12000kJ/時の出力で火炎を照射して、該基材の表面温度が300℃を超えないように火炎処理した後、活性光線硬化型インキでインクジェット印刷することを含む、化粧建築板の製造方法。
請求項2
前記インキ受理層は活性光線硬化型インキに対して非浸透性である、請求項1に記載の化粧建築板の製造方法。
請求項3
請求項4
前記凹凸模様の高低差が7.0mm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧建築板の製造方法。
請求項5
前記金属サイディング材の搬送速度が5.0m/分〜70m/分である、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧建築板の製造方法。
請求項6
前記芯材はポリイソシアヌレートフォームである、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧建築板の製造方法。
技術分野
背景技術
0002
近年、インクジェット印刷により、多種多様な柄模様が簡便、安価に基材に形成することが可能であるため、インクジェット印刷は様々な分野で利用されている。 例えば、特許文献1及び2では、金属系基材、ポリエステルを含むインキ層及びインキ層を有する塗装鋼板が開示されている。これらの塗装鋼板を製造する際には、金属基材上に形成されたインキ受理層の表面に、溶剤系インキをインクジェット印刷することでインキ層を形成する。このとき、溶剤系インキに含まれる有機溶媒がインキ受理層表面の一部を溶解させて粗面化するため、溶剤系インキは、インキ受理層に対して濡れ広がり、かつ密着することができる。
0003
また、特許文献3,4には、金属系基材と、ちぢみ塗料を塗布して硬化させたインキ受理層と、インキ層とを有する建築板に使用する塗装鋼板が記載されている。これらの塗装鋼板を製造する際には、基材上に形成されたインキ受理層の表面に、溶剤系または水系インキをインクジェット印刷することでインキ層を形成する。このとき、インキは、インキ受理層表面の溝を毛細管現象により広がるため、十分に濡れ広がることができる。
0004
インクジェット印刷について、上記の溶剤系インキに加えて、特許文献5では、様々な記録材料に高精細な画像を安定に再現できる活性光線硬化型インキを用いた画像形成方法が開示されている。そして、引用文献6では、金属系サイディング材に活性光線硬化型インキを用いてインクジェット印刷を行う、化粧建築板の製造方法が開示されている。
0005
一方、また、特許文献7は外装材等の化粧建築板の製造方法が開示され、具体的には、火炎処理により基材に設けられた水性エナメル塗膜表面に極性基を導入して、水系インクジェットインキと水性塗膜の濡れ性を向上させている。
先行技術
0006
特開2000−107683号公報
特開2008−272953号公報
特開2008−036549号公報
特開2008−068453号公報
特許第4539104号公報
特許第5597296号公報
特開2009−107298号公報
発明が解決しようとする課題
0007
本発明の金属サイディング材1は図1に示すように、0.5mm以上の高低差dの凹凸模様を有し、金属系基材11、芯材12及び裏面材13から構成されている。さらに、金属系基材11上にインキ受理層14が形成されている。なお、金属系基材11上に化成処理皮膜もしくは下塗り塗膜を設け、その上にインキ受理層14が形成されてもよい。
0008
インキ受理層14は、金属系基材に、樹脂および顔料を含む樹脂組成物を塗料として塗布し、乾燥(または硬化)させることにより形成される。その後、この金属系基材には、エンボス加工や絞り成形加工などが行われて、タイル調、レンガ調、木目調などの凹凸加工が施される。さらに、断熱性や防音性を高める目的で、合成樹脂発泡体などが芯材12として用いられ、アルミラミネートクラフト紙などの裏面材13で金属系基材の裏面が被覆される。
0009
このように形成された金属サイディング材1に溶剤系インキを用いてインクジェット印刷を行った場合にその意匠性に問題は認められなかった。しかしながら、活性光線硬化型インキを用いてインクジェット印刷を行った場合に、該インキの均一な濡れ広がりが認められず、印刷画像の意匠性に問題が生じた。
0010
本発明者らは、上記問題について鋭意検討した結果、活性光線硬化型インキの均一な濡れ広がりを妨げているのは、金属サイディング材1を製造する際の汚れ(異物)がインキ受理層14に付着することが原因であることが分かった。金属サイディング1の金属系基材11は、インキ受理層14を塗装した後に成形加工され、芯材12の合成樹脂発泡体などで裏面被覆される。これら複数の加工工程で、製造機器と金属サイディング材1が接触し、製造・加工機器にインキ受理層および芯材由来の樹脂および添加剤が付着し、この樹脂および添加剤が後続ロットのインキ受理層14に付着して、インキ受理層14の汚れとなる。
0011
溶剤系インキを使用したインクジェット印刷では溶剤系インキに含まれる有機溶媒がインキ受理層表面の一部を溶解させて粗面化するため、インキ受理層に多少の汚れが付着していても影響は少ない。しかしながら、活性光線硬化型インキの場合はインキ受理層に対して非浸透性のため、汚れによるインキ濡れ性低下が大きい。なお、インキ受理層がインキに対して非浸透性であることは、インキ受理層およびインキ層の断面を100〜200倍の倍率で顕微鏡観察することにより、確認することができる。
課題を解決するための手段
0012
そこで、本発明者らは、金属サイディング材1を特定条件下で火炎処理して、インキ受理層14に付着した汚れを焼却除去することで、活性光線硬化型インキの均一な濡れ広がりを実現した。 具体的には、本発明は、高低差が0.5mm以上の凹凸模様を形成する金属系基材、芯材および裏面材を含み、該基材上には樹脂組成物で形成されるインキ受理層が配置された金属サイディング材を、バーナーの幅10mmあたり250kJ/時〜12000kJ/時の出力で炎を照射して、該基材の表面温度が300℃を超えないように火炎処理した後、活性光線硬化型インキでインクジェット印刷することを含む、化粧建築板の製造方法である。
発明の効果
0013
本発明では、金属サイディング材の表面をインクジェット印刷前に火炎処理して汚れを除去することで、活性光線硬化型インキの均質な濡れ広がりが得られ、意匠性が高い化粧建築板が得られる。さらに、火炎処理の条件を調整し、金属サイディング材の金属系基材の火炎処理時の温度を300℃以下とすることで、芯材と金属系基材の界面の熱歪みによる剥離を防ぐことができる。
図面の簡単な説明
0014
本発明で用いる金属サイディング材1が火炎処理されている一態様を表す図である。
本発明で用いる金属サイディング材1の断面を表す図である。
本発明の実施に使用するライン型インクジェット記録装置の一例を表す。
本発明の実施に使用するバーナーのバーナーヘッドの正面概略図である。
実施例における、金属系基材と芯材(合成樹脂発泡体)の接着強度測定方法の概略図である。
0015
本発明により製造される化粧建築板は、図1で示される金属サイディング材1の表面を、特定条件下で火炎処理した後、活性光線硬化型インキでインクジェット印刷されることで得られる。 ここで、図2で示されるとおり、金属サイディング材1は、金属系基材11、芯材12、裏面材13及びインキ受理層14を含む。
0016
金属系基材11としては、一般に金属サイディング材として使用されている金属板を使用することができる。具体的な金属板として、溶融Zn−55%Al合金めっき鋼板などのめっき鋼板、普通鋼板やステンレス鋼板などの鋼板、アルミニウム板および銅板が挙げられる。これらの金属板は、当該技術分野で汎用されているエンボス加工や絞り成型加工などを行って、タイル調、レンガ調、木目調などの凹凸加工を施される。 なお、本発明で使用する金属系基材は、発明の効果を阻害しない範囲で、その表面に化成処理皮膜や下塗り塗膜などが形成されていてもよい。 また、金属系基材11の厚さは特に限定されないが、通常、0.15〜0.5mmである。
0017
また、図1に示すように、本発明の金属系基材11は高低差が0.5mm以上の凹凸模様を形成する。ここで、「高低差が0.5mm以上の凹凸模様」とは、金属系基材1が高低差dが0.5mm以上である凹凸を少なくとも1つ以上形成し、その凹凸が模様を構成していることを意味する。従って、高低差が0.5mm未満の凹凸が存在してもよく、これらの凹凸が組み合わされて、タイル調や木目調などの模様を金属系基材が形成することができる。 なお、高低差dが0.5mm未満の凹凸でのみ模様を形成しても、意匠性の高い模様を形成することが難しい。また、高低差dに関し、インキ受理層14の厚さも考慮されるべきであるが、下記の通り、インキ受理層14の厚みは通常3〜30μmの範囲内であるため、インキ受理層14の厚みは考慮しなくてもよい。 また、より意匠性の高い模様を形成するため、金属サイディング材1には高低差dが1.0mm以上の凹凸が形成されることが好ましく、1.5mm以上であることがさらに好ましい。
0018
また、本発明の効果が奏される限り、金属系基材の高低差の上限は特に規定されないが、通常、金属系基材の凹凸の高低差dは7mm以下であり、5mm以下が好ましい。金属系基材の凹凸の高低差が最大7mmであれば、金属サイディング材として十分な意匠性を有する模様を形成することができるためである。また、金属系基材の凹凸の高低差が7mmを超えると、火炎を凹部に存在する異物にあてることができず除去することが難しい場合がある。 一方、凹凸の高低差dが最大1.5mmであっても模様を形成することは可能であるので、高低差dの最大値は1.5mm以下であってもよい。
0019
芯材12は、合成樹脂発泡体で形成される。合成樹脂発泡体として、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノール樹脂フォーム、塩化ビニル樹脂フォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリア樹脂フォームなどを例示することができる。また、芯材12は、ロックウール、グラスウール、セラミックウールなどの無機質材を利用することもできる。
0020
裏面材13は、アルミニウム蒸着紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu等の箔)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミニウム紙、ガラス繊維布、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート状物からなるものを利用することもできる。
0022
本発明で使用するインキ受理層14は、樹脂組成物を硬化させて形成される塗膜であり得る。ここでは、上記基材に塗膜を形成できる塗料として一般的に使用されている高分子化合物の樹脂を使用することができる。例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フェノール樹脂等の高分子化合物が挙げられる。中でも本発明に用いられる高分子化合物としては、高耐候性で、インキとの密着性に優れることからポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。 なお、従来の水性インキのインキ受理層として使用されてきた多孔質なインキ受理層を形成するような塗料は使用しないことが好ましい。このような多孔質なインキ受理層は耐水性、耐候性に問題がある場合があり、建築材の使用に適さない場合がある。
0023
上記の高分子化合物の樹脂において、その性状や物性を調整するために、硬化剤を使用することができる。ポリエステル樹脂を使用する場合は、メラミン系硬化剤(メラミン樹脂硬化剤)を用いることが望ましい。例えば、メチル化メラミン(メチロールメラミンメチルエーテル)、n−ブチル化メラミン(メチロールメラミンブチルエーテル)、およびメチルとn−ブチルとの混合エーテル化メラミン等が挙げられる。このように硬化剤を用いて架橋密度を高めたインキ受理層は、非水性インキが浸透しないことから耐水性、および耐候性に優れるため特に好ましい。インキ受理層が活性光線硬化型インキに対して非浸透性であることは、インキ受理層およびインキ層の断面を100〜200倍の倍率で顕微鏡観察することにより、確認することができる。インキ受理層が非浸透性の場合は、インキ受理層とインキ層との界面を明確に識別することができるが、浸透性の場合は、界面が不明確となり識別することが困難である。
0024
上記高分子化合物として、ポリエステル樹脂を使用する場合、その分子量はGPCで測定した場合の数平均分子量が2,000〜8,000であることが好ましい。分子量が2,000より小さくなると加工性が低下して塗膜ワレが発生しやすくなる場合がある。また、分子量が8,000より大きくなると架橋密度の低下により耐候性が低下する場合がある。加工性と耐候性のバランスから数平均分子量は3,000〜6,000が特に好ましい。
0025
本発明のインキ受理層14は、有機もしくは無機の固形粒子を含んでいてもよい。当該粒子の平均粒子径が4〜80μm、好ましくは10〜60μmである。 上記無機粒子としては、シリカ、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスビーズ、ガラスフレークが挙げられる。また、有機粒子として、アクリル樹脂ビーズ、ポリアクリロ二トリル樹脂ビーズが挙げられる。これらの樹脂ビーズは、公知の方法を用いて製造したものでもよいし、市販品を利用してもよい。市販のアクリル樹脂ビーズの例には、東洋紡株式会社の「タフチック AR650S(平均粒径18μm)」、「タフチック AR650M(平均粒径30μm)」、「タフチック AR650MX(平均粒径40μm)」、「タフチック AR650MZ(平均粒径60μm)」、「タフチック AR650ML(平均粒径80μm)」、「タフチック AR650L(平均粒径100μm)」および「タフチック AR650LL(平均粒径150μm)」が含まれる。また、市販のポリアクリロニトリルビーズの例には、東洋紡株式会社の「タフチック A−20(平均粒径24μm)」、「タフチック YK−30(平均粒径33μm)」、「タフチック YK−50(平均粒径50μm)」および「タフチック YK−80(平均粒径80μm)」が含まれる。
0026
このときの、有機、無機粒子の含量は、通常、塗膜質量の2〜40質量%、好ましくは、10〜30質量%である。 上記固形粒子や着色顔料の平均粒径は、コールターカウンター法により求められる。
0027
さらに、前記インキ受理層14は着色顔料を含んでいてもよい。このときの着色顔料の平均粒子径は、通常0.2〜2.0μmである。このような着色顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、黄色酸化鉄、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、コバルトブルーなどが挙げられる。着色顔料を加える場合、通常、塗膜質量の40〜60質量%となるように塗料に添加する。
0028
インキ受理層14の膜厚は、特に限定されないが、通常3〜30μmの範囲内である。塗膜が薄すぎる場合、塗膜の耐久性および隠蔽性が不十分となるおそれがある。一方、塗膜が厚すぎる場合、製造コストが増大するとともに、焼付け時にワキが発生しやすくなるおそれがある。
0029
本発明の活性光線硬化型インキは、当該技術分野で一般的に使用しているインキを使用し、これには、ラジカル重合型インキとカチオン重合型インキが存在し、いずれも使用することができる。 活性光線硬化型インキは、通常、モノマーもしくはオリゴマー、光重合開始剤、色材、分散剤、界面活性剤、その他の添加剤を含む。本発明では、当該技術分野で一般的に使用されている材料を用いる。カチオン重合型インキはラジカル重合型インキと比較して体積収縮率が少なく、架橋密度を高めた非浸透性のインキ受理層に対しても高い密着性が得られることから特に好ましい。
0030
本発明の一実施形態を、図3を参照して説明する。この実施形態では、金属サイディング材1にバーナー2を用いて火炎処理を行う。また、使用するインクジェット記録装置は4色のインキ(イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック(黒))の4色のインクジェット印刷が可能なライン式インクジェット記録装置Mである。そして、使用するインキは活性光線硬化型インキである。
0031
図3における、ライン式インクジェット記録装置Mは、インクジェット記録ヘッド6(61〜64)、その記録ヘッドに接続するインキ供給タンク7(71〜74)及び印刷制御システム8を備えたインクジェット式塗装機5、並びに搬送機4を備える。さらに、このライン式インクジェット記録装置Mに、火炎処理を行うためのバーナー2、活性光線照射機9が設置されている。なお、金属サイディング材1は図3の破線矢印の方向に搬送させる。
0032
金属サイディング材1の印刷面(インキ受理面)1−1は、搬送機4の搬送面4−1に接する面と反対側の面である。ここに、インクジェット記録ヘッドから吐出される活性光線硬化型インキで着色され、所望の画像をインキ受理層14の上に形成することができる。
0033
図3に示されるように、金属サイディング材1の印刷面1−1はインクジェット印刷の前にバーナー2から吐出される火炎により火炎処理される。 当該火炎処理の具体的な態様が図1に示されている。バーナー2は、火炎が吐出される炎口21、バーナーヘッド22を備える。なお、前記炎口21は、図1における搬送方向(破線矢印)に平行な向きにその長さLを変更することが可能である。通常、Lは3〜40mmである。なお、金属サイディング材1の搬送速度が大きくなると金属サイディング材1の移動に伴う気流が発生する。Lの値が小さいほどバーナーの火炎3がその気流の影響を受けやすくなるため、火炎3が均一に照射できない場合がある。そのため、最適条件を考慮しながら、Lと搬送速度を調整することが好ましい。
0034
バーナー2は、金属サイディング材1の印刷面1−1からの距離Hの位置に設定する。Hは、バーナー2の印刷面1−1からの最短の距離を意味する。つまり、Hは通常バーナーヘッド5と印刷面1−1との距離を示すが、炎口21がバーナーヘッド22から突き出した構造で炎口21と印刷面1−1との距離がバーナーヘッド22と印刷面1−1との距離よりも近い場合、Hは炎口21と印刷面1−1との距離を示す。 通常、距離Hは10〜120mm、好ましくは、25〜100mm、さらに好ましくは30〜90mm、最も好ましくは40〜80mmの範囲になるように設定する。金属サイディング材1の金属系基材11はエンボス加工や絞り成形加工などの成形加工を経る。このため、金属系基材11に反りが生じてしまう場合がある。前記距離Hが10mm未満であると、金属系基材の反りのために、バーナー2と金属サイディング材1が接触してしまう場合がある。なお、金属サイディング材1は建築板として使用するため、金属系基材11の長さが数メートル(3〜4m)に及ぶ場合があり、このときに金属系基材11では反りが10〜20mm生じ得る。そのため、距離Hは、金属系基材11の長さ、すなわち、金属サイディング材1の長さに応じて距離Hを調整する必要がある。 また、距離Hが120mmを超えると、火炎処理の効果を奏するために高いエネルギーの火炎を照射する必要があり、非効率的であり好ましくなく、また、バーナーの炎口の幅10mmあたり12000kJ/時のバーナーの出力でも、十分な異物の除去ができない場合がある。
0035
バーナーの出力は、バーナーの炎口の幅10mmあたり250kJ/時〜12000kJ/時、好ましくは、400kJ/時〜7500kJ/時、さらに好ましくは600kJ/時〜5000kJ/時、なお更に好ましくは1200kJ/時〜5000kJ/時の出力である。バーナーの炎口の幅10mmあたり250kJ/時未満であると、火炎が弱いため、金属サイディング材1の表面に存在する汚れ(異物)の焼却が十分に行われず、汚れの除去が不十分となる。その結果、活性光線硬化型インキのインク受理層での均質な濡れ広がりが得られない。また、バーナーの炎口の幅10mmあたり12000kJ/時を超えると、金属系基材11の表面温度がすぐに300℃を超えてしまうため、芯材12と金属系基材11との界面に熱歪が生じ芯材12と金属系基材11に剥離が生じる。また、金属系基材11の蓄熱性を考慮すると250℃以下が好ましい。
0036
なお、金属系基材11の表面温度は、熱電対温度計(Kタイプ)の熱電対先端を金属サイディング材1のインキ受理層14の一部をヤスリ等で除去した箇所に溶接し、金属サイディング材1の印刷面の任意の場所で測定する。
0037
また、図4は、図2又は図3のバーナー2の正面図である。バーナー2の炎口21の幅をWで表している。このWは金属サイディング材1の幅の大きさを考慮して選択されるが、通常、40〜50cmである。また、炎口の態様について特に限定されないが、通常、リボン形状や丸穴形状のバーナーを用いることができる。 このような構造のバーナーヘッドを有するバーナーは市販されており、例えば、Flynn Burner社(米国)の製品名F−3000、Finecom I&T社(韓国)の製品名FFP250などが存在する。 また、前記の「バーナーの炎口の幅10mmあたり」の記載は、図4のW´が10mmであることを意味する。
0038
搬送機4による金属サイディング材1の搬送速度は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、固定されているバーナー2に対し、通常、5〜70m/分である。好ましくは、10〜40m/分であり、更に好ましくは、15〜30m/分である。搬送速度が5m/分未満であると、バーナーの出力を小さくしても金属系基材1の表面温度が300℃を超えてしまうことがある。また、70m/分を超えると、バーナー2の火炎が金属サイディング材1の移動により生じる気流の影響を受けてしまい、金属サイディング材1の印刷面1−1に均一に火炎を照射することができず、汚れ(異物)の除去が十分にできない場合がある。
0039
バーナー2の燃料ガスとしては、特に制限されないが、通常、水素、液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)、アセチレンガス、プロパンガス、又はブタン等が使用され、またその助燃ガスとしては、空気、又は酸素が使用される。燃焼エネルギーを考慮するとLPGやLNGを使用することが好ましい。
0040
火炎処理された金属サイディング材1は、インクジェット式塗装機5でインクジェット印刷される。インキは4色使用し、インクジェット記録ヘッド61からイエロー、62からシアン、63からマゼンダ、64からブラック(黒色)のインキがそれぞれ吐出される。これらのインクジェット記録ヘッドにそれぞれインキ供給タンク(71〜74)が接続されている。上記インキは市販されている活性光線硬化型インキを使用することが可能である。
0041
各色のインクジェット記録ヘッドから吐出されたインキ滴は、印刷面1−1に向けて鉛直方向に飛翔する。インキ滴の初速は、一般に、3m/sec〜9m/sec、好ましくは4m/sec〜7m/secに設定される。インキ滴の初速とは、記録ヘッドからの吐出時におけるインキ滴の速度である。例えば、インクジェット記録ヘッドから吐出されたインキ滴がインキ吐出部から鉛直方向に1mmの距離と、この1mmの距離を進むのに要する時間とで算出(所定の距離/時間)される。 インキ滴の初速が3m/sec未満では液滴の速度が遅すぎるため、インキ滴の着弾精度が大幅に低下する場合がある。また、9m/secを超える場合は、着弾精度は良いものの、インキのサテライトが発生して画質が低下するという問題が生じる場合がある。
0042
インクジェット記録ヘッドのノズルから印刷面1−1に吐出される一滴のインキ滴の体積は、特に限定されないが、一般には60pl(ピコリットル)未満、好ましくは、10pl以上45pl未満に設定する。
0043
活性光線照射機9は、インクジェット式塗装機5に対して搬送方向下流側の所定の位置に設置されている。ここで、本発明における「活性光線」とは、電子線、紫外線、α線、γ線、エックス線等が挙げられる。本発明において、安全性やハンドリング性を考慮すると電子線、紫外線を用いることが好ましく、紫外線を用いることが最も好ましい。 活性光線照射機9は、搬送機4の搬送面4−1に向けて設置された活性光線を照射するランプを備え、搬送面4−1の方向に活性光線を照射する。印刷面1−1に着弾したインク滴を活性光線照射機9からの活性光線で硬化させる。通常、インク滴が着弾してから1.0秒以上、好ましくは2.0秒以上、さらに好ましくは2.2秒以上経過した後に活性光線を照射するように、搬送機4の搬送速度及びインクジェット式塗装機から活性光線照射機9までの距離を調整する。また、空気中の水分がインキの重合を阻害することがあるため、インキが着弾後30秒以内に活性光線を照射する。
0044
制御部8は、インクジェット記録装置Mで形成される画像の記録による模様付けやインクジェット記録ヘッドの温度調節を含む各種処理を制御する。制御部8は、電子部品が搭載された回路基板及び電気配線等を含む。制御部8に含まれる少なくとも一部の構成は、図3に示すようにインクジェット記録ヘッドの上部に設置されている。
0045
ライン式インクジェット記録装置Mは、ネットワークインターフェース等の所定のインターフェース(図示せず)を備える。インクジェット記録装置Mは、インターフェースを介して、パーソナルコンピュータ等の外部装置と通信可能に接続されている。外部装置は、インクジェット記録装置Mに対し、印刷面1−1への画像の記録指令及び記録する画像を示すデータ等を入力する。記録指令が入力されたインクジェット記録装置Mでは、所定の処理が実行され、上記のインキがインクジェト記録ヘッドから吐出され、所望の画像が印刷面1−1に形成され、本発明の化粧建築板の製造方法が実行される。
0046
以下に実施例および試験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。 1.金属サイディング材の製造(1−1)金属系基材の製造板厚0.27mm、A4サイズの片面当りめっき付着量90g/m2の溶融Zn−55%Al合金めっき鋼板を基材として使用した。このめっき鋼板をアルカリ脱脂した。その後、塗布型クロメート(NRC300NS:日本ペイント株式会社製 Crとして50mg/m2の付着量)、プライマー層として市販のエポキシ樹脂系プライマー塗料(日本ファインコーティングス株式会社製700P)を乾燥膜厚が5μmとなるようにロールコーターで塗装した。そして、最高到達板温215℃となるように焼き付けた。
0047
(1−2)インキ受理層の製造 インキ受理層を形成するための樹脂組成物である塗料の組成は以下の通りである。樹脂としては数平均分子量5,000、ガラス転移温度30℃、水酸基価28mgKOH/gの高分子ポリエステル樹脂(DIC株式会社製)を用いた。架橋剤であるメラミン樹脂としては、メトキシ基90モル%のメチル化メラミン樹脂(三井サイテック製サイメル303)を用いた。ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の配合比は70/30であり、着色顔料としては平均粒径0.28μmの酸化チタン(テイカ製 JR−603) 49質量%、平均粒径10μmのマイカ(株式会社ヤマグチマイカ製SJ−010) 13質量%、平均粒径5.5μmの疎水性シリカ(サイシリア456;富士シリシア株式会社) 6質量%、平均粒径12μmの疎水性シリカ(富士シリシア化学株式会社製サイリシア476) 2質量%を添加した。触媒はドデシルベンゼンスルフォン酸を、樹脂固形分に対して1質量%加えた。またアミンとしてジメチルアミノエタノールをドデシルベンゼンスルフォン酸の酸当量に対してアミン当量として1.25倍の量を加えた。塗料の乾燥膜厚が18μmとなるようにロールコーターで塗装した後、最高到達板温225℃となるように焼き付けた。
0048
なお、上記マイカ、疎水性シリカ及び酸化チタンの平均粒径はコールターカウンター法により求めた。 具体的には以下のように測定した。測定装置として、コールターカウンター(米国コールターエレクトロニクス社製)TA−II型を用いた。試料約0.5gを200mlのビーカーに取り、純水約150mlを加え、超音波(ULTRASONIC CLEANERB-220)で60〜90秒分散させた。付属の電解液(ISOTON II:0.7%高純度NaCl水溶液)150mlに上記分散液をスポイトで数滴加え入れ、上記装置を用いて粒度分布を求めた。 但し、上記JR−603(酸化チタン)及びサイシリア456(疎水性シリカ)は30μmのアパッチャーチューブを使用した。また、SJ−010(マイカ)は50μmのアパッチャーチューブを使用した。平均粒径は累積粒度分布図の50%径を読み取り求めた。
0049
(1−3)金属系基材の凹凸形成上記のインキ受理層を有する金属系基材にエンボス加工による表面加工を行った。アンコイラーに巻かれたインキ受理層を有する金属系基材を連続的に送り出し、ロール式エンボス成形機により、ブリック柄で高さ0.5〜1.5mmのエンボス形状に金属系基材を連続して成形し、御影石擬似柄の外観を施した金属系基材を形成した。
0050
(1−4)芯材及び裏面材の形成 形成された金属系基材の裏面に、芯材となるポリイソシアヌレート原料として、ソフランR−HIPとトーヨーソフランR746−19D(いずれも株式会社ソフランウィズ製)とを、発泡機によって質量比10対7で混合しながら混合押出機により吐出した。また、発泡するポリイソシアヌレート原料層上にアルミクラフト紙(裏面材)を送り出した。そして、エンボス加工された金属系基材とアルミクラフト紙との間にポリイソシアヌレート原料層をサンドイッチした状態で加熱、加圧し、発泡成形することにより、インキ受理層を有する金属系基材、芯材およびアルミクラフト紙をこの順で有する金属サイディング材を製造した。なお、芯材の厚みは、17mmとした。芯材の厚みは、上記加熱、加圧時に金属サイディング原板をその積層方向に挟持するダブルコンベア間の距離によって調整した。
0051
ポリイソシアヌレート原料の詳細な発泡条件は以下の通りである。ラインスピード40m/min 流量 6kg/min液温30℃インキ受理層を有する金属系基材のプレヒート温度35℃オーブンキュアー温度 50℃発泡機低圧型アジテータミキシング発泡機
0052
2.火炎処理のためのバーナー火炎処理を行うためのバーナーとして、FFP200(Finecom I&T(韓国)社製を使用した。燃焼ガスとしてLPガスを用い、バーナーの炎口の幅10mmに対し、LPガス0.04〜2.00L/分、クリーンドライエアー1〜50L/分をガスミキサーで混合した後に、バーナーで燃焼させて火炎処理を行った。また、バーナーの炎口における搬送方向に平行な向きの長さ(図1におけるL)が5mm、20mm、30mm、40mmのものを用いた。 なお、火炎処理時の搬送速度は5〜70m/分で行った。
0053
3.活性光線硬化型インキによるインクジェット印刷(3−1) 活性光線硬化型インキとして、ラジカル重合型紫外線硬化性黒色インキ及びカチオン重合型紫外線硬化性黒色インキを用いた。各インキの具体的な組成は以下の通りである。
0054
(i)ラジカル重合型紫外線硬化性黒色インキラジカル重合型紫外線硬化性黒色インキを、以下の成分を混合することにより調製した。具体的なの組成は以下の通りである。
0056
1)顔料:NIPex 35、カーボンデグサジャパン(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレートサートマージャパン(株)製2)CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88質量%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12質量%の混合物サートマージャパン(株)製3)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート4)イルガキュア184、ヒドロキシケトン類チバ・ジャパン(株)製5)イルガキュア819、アシルフォスフィンオキサイド類 チバ・ジャパン(株)製
0057
(ii)カチオン重合型紫外線硬化性インキ高分子分散剤(味の素ファインテクノ社製 PB821) 9質量部とオキセタン化合物(東亜合成社製 OXT211) 71質量部にブラック:Pigment Black 7を20質量部加えて、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、ブラックの顔料分散体を調整した。 上記分散体14質量部に、以下の光重合性化合物、塩基性化合物、界面活性剤、相溶化剤、光酸発生剤を混合して、カチオン重合型紫外線硬化性インクジェットインキを作製した。
0058
0059
インキ液滴の体積を42plとし、インクジェット印刷機(株式会社トライテック製、パターニングジェット)を用いて黒色インキでドット印刷を行った。この時の印刷条件は以下のとおりである。ドット同士が重ならないようにドット間の距離は500μmとして金属サイディング材全体にブラックインキによるドット印刷を行った。ドット径はオリンパス株式会社製走査型共焦点レーザ顕微鏡LEXT OLS3000を用いて測定した。1ドットのみが見える範囲に拡大して(200倍)、8個のドットのドット径を測定し、その平均値を示した。ドットの広がりが楕円に近い場合は、長径と短径の平均値をドット径とした。火炎処理する前の金属系サイディングのドット径は汚れの付着度合いによって変化し、汚れ付着が多い箇所のドット径が約130μmであるのに対して、汚れ付着がほとんどのない箇所は約180μmと約50μmの差があった。
0060
ラジカル重合型紫外線硬化インキのインクジェット印刷条件(a)ノズル径:35μm(b)印加電圧:11.5V(c)パルス幅:10.0μs(d)駆動周波数:3,483Hz(e)解像度:360dpi(f)インキ液滴の体積:42pl(g)ヘッド加熱温度:45℃(h)インキ塗布量 :8.4g/m2(i)ヘッドと記録面の距離 :5.0mm(j)インキ滴の初速:5.9m/sec
0061
カチオン重合型紫外線硬化インキのインクジェット印刷条件(a)ノズル径:35μm(b)印加電圧:13.2V(c)パルス幅:10.0μs(d)駆動周波数:3,483Hz(e)解像度:360dpi(f)インキ液滴の体積:42pl(g)ヘッド加熱温度:45℃(h)インキ塗布量 :8.4g/m2(i)ヘッドと記録面の距離 :5.0mm(j)インキ滴の初速:6.1m/sec
0062
本実施例では、活性光線として紫外線を用いた。インクジェット印刷後の以下の条件でインキの紫外線硬化を行った。紫外線照射はインク滴が着弾した5秒後に行った。(1)ランプの種類:高圧水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製 Hバルブ)(2)ランプの出力:200W/cm(3)積算光量:600mJ/cm2(オーク製作所製紫外線光量計UV−351−25を使用して測定)
0063
金属サイディング材表面の汚れ付着の多少にかかわらず、特定条件で火炎処理することにより、均質かつ十分なインキの濡れ広がりを見せる。本実施例では、火炎処理によりラジカル重合型紫外線硬化性インキのドット径が190〜210μmとなったものを○と評価した。また、カチオン重合型紫外線硬化性インキに関し、そのドット径が200〜220μmとなったものを○と評価した。
0064
4.金属系基材の温度の測定熱電対温度計(Kタイプ)(日置電機株式会社・温度ロガーLR5021)とセンサー(安立計器株式会社・テープ型多目的温度センサー)を金属サイディング材の金属系基材表面に取り付け測定した。
0065
5.金属系基材と芯材(合成樹脂発泡体)の接着強度測定方法金属系基材と芯材の接着強度測定方法を図5に示すように行った。まず、裏面材を除去した50mm×50mmの金属サイディング材の表裏をホットメルト接着剤101(商品名:ホットメルトスティック多用途白色 HSW−01K、ヘンケルジャパン株式会社製)で木片102(9mm×65mm×70mm)を貼り付けた。次に、引張用治具103を用いて、上下の矢印方向に引っ張り速度5mm/分で引っ張り、最大剥離強度(kg/cm2)を測定した。サイディングオス側嵌合部、中央部、メス側嵌合部の3箇所の最大剥離強度を平均して金属系基材と合成樹脂発泡体の接着強度とした。接着強度が0.3g/cm2以上であれば合格とした。
0066
上記サイディング材を、上記のバーナーを用いて火炎処理し、上記印刷条件で印刷を行った。このサンプルの黒色インキのドット径及び金属系基材と芯材との接着強度を測定した。試験の結果を以下に示す。
0067
実施例
0068
なお、バーナー出力は炎口の幅10mmに対する出力を示している。このため、炎口の進行方向の長さが異なっても、バーナーから放射される火炎のエネルギーは同じである。例えば、実施例7及び8はバーナー出力が同じで、炎口の進行方向長さが異なるが、バーナーから放出される火炎によって金属サイディング材の金属系基材が受けるエネルギーは同じである。
0069
1:金属サイディング材、11:金属系基材、12:芯材、13:裏面剤、14:インキ受理層、 2:バーナー、21:炎口、22:バーナーヘッド、3:火炎、d:金属系基材の凹凸の高低差、H:バーナー2と印刷面1−1との間の最短の距離 4:搬送機、1−1:搬送面、5:インクジェット式塗装機、61:インクジェット記録ヘッド(イエロー)、62:インクジェット記録ヘッド(シアン)、63:インクジェット記録ヘッド(マゼンダ)、64:インクジェット記録ヘッド(ブラック)、71:インキ供給タンク(イエロー)、72:インク供給タンク(シアン)、73:インク供給タンク(マゼンダ)、74:インク供給タンク(ブラック)、8:制御部、9:活性光線照射機、1−1:印刷面、M:ライン式インクジェット記録装置101:ホットメルト接着剤、102:木片、103:引張用治具
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