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技術 ボールねじ

出願人 日本精工株式会社
発明者 大谷雄志
出願日 2016年4月26日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2017-519097
公開日 2018年2月22日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 WO2016-185885
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置 密封装置 弾性リップ型 流体シール,非接触シール,油切り
主要キーワード インロー式 循環径路 相対直線移動 循環コマ 両貫通孔 連続方向 日本国特許公開 相対回転運動
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題・解決手段

異物粒径が非常に小さい場合でも、ナットの内部への異物の侵入を防止することが可能なボールねじを提供する。ボールねじは、ねじ軸(1)の外周面とナット(2)の内周面との間に形成される内部空間(S)にガスを供給するガス供給部と、ナット(2)の内周面の軸方向両端部にそれぞれ取り付けられ、内部空間(S)の軸方向端部の開口を密封するシール(5)と、を備えている。シール(5)は、ガス供給部から供給されたガスにより内部空間(S)の圧力が外部の圧力よりも高圧となるような密封性を有している。

概要

背景

塵埃摩耗粉等の異物ナットの内部に侵入することを防止するために、ボールねじにはシールが備えられている(例えば特許文献1、2を参照)。しかしながら、異物の粒径が非常に小さい場合には、シールによって侵入を防止できないおそれがあった。

概要

異物の粒径が非常に小さい場合でも、ナットの内部への異物の侵入を防止することが可能なボールねじを提供する。ボールねじは、ねじ軸(1)の外周面とナット(2)の内周面との間に形成される内部空間(S)にガスを供給するガス供給部と、ナット(2)の内周面の軸方向両端部にそれぞれ取り付けられ、内部空間(S)の軸方向端部の開口を密封するシール(5)と、を備えている。シール(5)は、ガス供給部から供給されたガスにより内部空間(S)の圧力が外部の圧力よりも高圧となるような密封性を有している。

目的

本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、異物の粒径が非常に小さい場合でも、ナットの内部への異物の侵入を防止することが可能なボールねじを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ねじ軸と、ナットと、複数のボールと、を有し、前記ねじ軸は前記ナットを貫通し、前記ねじ軸の外周面に形成された螺旋溝と前記ナットの内周面に形成された螺旋溝とが対向して、前記ボールが転動するボール転動路が形成され、前記ボールは前記ボール転動路内に配置され、前記ねじ軸と前記ナットとを相対回転運動させることにより、前記ボール転動路内での前記ボールの転動を介して、前記ねじ軸と前記ナットとが軸方向に相対移動するようになっており、前記ねじ軸の外周面と前記ナットの内周面との間に形成される内部空間にガスを供給するガス供給部と、前記ナットの内周面の軸方向両端部にそれぞれ取り付けられ、前記内部空間の軸方向端部の開口を密封するシールと、をさらに備え、前記シールは、前記ガス供給部から供給されたガスにより前記内部空間の圧力が外部の圧力よりも高圧となるような密封性を有しているボールねじ

請求項2

前記ガス供給部は、前記内部空間にガスを吐出する吐出口を有し、前記吐出口は前記ナットの内周面の軸方向中央部及び軸方向端部の少なくとも一方に配されている請求項1に記載のボールねじ。

請求項3

ねじ軸と、ナットと、複数のボールと、を有し、前記ねじ軸は前記ナットを貫通し、前記ねじ軸の外周面に形成された螺旋溝と前記ナットの内周面に形成された螺旋溝とが対向して、前記ボールが転動するボール転動路が形成され、前記ボールは前記ボール転動路内に配置され、前記ナットは、前記ボールを前記ボール転動路の終点から始点に戻すボール戻し路を備え、前記ねじ軸と前記ナットとを相対回転運動させることにより、前記ボール転動路と前記ボール戻し路とからなる循環経路循環し前記ボール転動路内で転動する前記ボールを介して、前記ねじ軸と前記ナットとが軸方向に相対移動するようになっており、前記ねじ軸の外周面と前記ナットの内周面との間に形成される内部空間にガスを供給するガス供給部と、前記ナットの内周面の軸方向両端部にそれぞれ取り付けられ、前記内部空間の軸方向端部の開口を密封するシールと、前記ナットに取り付けられて前記ボール戻し路を形成する循環部品と、をさらに備え、前記ナットと前記循環部品との間の隙間がシーリング材シーリングされており、前記シールは、前記ガス供給部から供給されたガスにより前記内部空間の圧力が外部の圧力よりも高圧となるような密封性を有しているボールねじ。

請求項4

前記循環部品は固定部品を介して前記ナットに固定されており、前記固定部品と前記ナットとの間の隙間がシーリング材でシーリングされている請求項3に記載のボールねじ。

請求項5

前記ガス供給部は、前記内部空間に潤滑油油滴とガスとを供給してオイルエア潤滑又はオイルミスト潤滑を行うものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のボールねじ。

技術分野

0001

本発明はボールねじに関する。

背景技術

0002

塵埃摩耗粉等の異物ナットの内部に侵入することを防止するために、ボールねじにはシールが備えられている(例えば特許文献1、2を参照)。しかしながら、異物の粒径が非常に小さい場合には、シールによって侵入を防止できないおそれがあった。

先行技術

0003

日本国特許公開公報 2008年第133944号
日本国特許公開公報 2004年第68988号

発明が解決しようとする課題

0004

そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、異物の粒径が非常に小さい場合でも、ナットの内部への異物の侵入を防止することが可能なボールねじを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

前記課題を解決するため、本発明の一態様に係るボールねじは、ねじ軸と、ナットと、複数のボールと、を有し、ねじ軸はナットを貫通し、ねじ軸の外周面に形成された螺旋溝とナットの内周面に形成された螺旋溝とが対向して、ボールが転動するボール転動路が形成され、ボールはボール転動路内に配置され、ねじ軸とナットとを相対回転運動させることにより、ボール転動路内でのボールの転動を介して、ねじ軸とナットとが軸方向に相対移動するようになっており、ねじ軸の外周面とナットの内周面との間に形成される内部空間にガスを供給するガス供給部と、ナットの内周面の軸方向両端部にそれぞれ取り付けられ、内部空間の軸方向端部の開口を密封するシールと、をさらに備え、シールは、ガス供給部から供給されたガスにより内部空間の圧力が外部の圧力よりも高圧となるような密封性を有していることを要旨とする。
上記一態様に係るボールねじにおいては、ガス供給部は、内部空間にガスを吐出する吐出口を有し、吐出口はナットの内周面の軸方向中央部及び軸方向端部の少なくとも一方に配されていてもよい。

0006

また、前記課題を解決するため、本発明の他の態様に係るボールねじは、ねじ軸と、ナットと、複数のボールと、を有し、ねじ軸はナットを貫通し、ねじ軸の外周面に形成された螺旋溝とナットの内周面に形成された螺旋溝とが対向して、ボールが転動するボール転動路が形成され、ボールはボール転動路内に配置され、ナットは、ボールをボール転動路の終点から始点に戻すボール戻し路を備え、ねじ軸とナットとを相対回転運動させることにより、ボール転動路とボール戻し路とからなる循環経路循環しボール転動路内で転動するボールを介して、ねじ軸とナットとが軸方向に相対移動するようになっており、ねじ軸の外周面とナットの内周面との間に形成される内部空間にガスを供給するガス供給部と、ナットの内周面の軸方向両端部にそれぞれ取り付けられ、内部空間の軸方向端部の開口を密封するシールと、ナットに取り付けられてボール戻し路を形成する循環部品と、をさらに備え、ナットと循環部品との間の隙間がシーリング材シーリングされており、シールは、ガス供給部から供給されたガスにより内部空間の圧力が外部の圧力よりも高圧となるような密封性を有していることを要旨とする。

0007

上記他の態様に係るボールねじにおいては、循環部品は固定部品を介してナットに固定されており、固定部品とナットとの間の隙間がシーリング材でシーリングされていてもよい。
さらに、上記一態様に係るボールねじ及び上記他の態様に係るボールねじにおいては、ガス供給部は、内部空間に潤滑油油滴とガスとを供給してオイルエア潤滑又はオイルミスト潤滑を行うものであってもよい。

発明の効果

0008

本発明のボールねじは、異物の粒径が非常に小さい場合でも、ナットの内部への異物の侵入を防止することが可能である。

図面の簡単な説明

0009

本発明の第一実施形態に係るボールねじの断面図である。
第一実施形態に係るボールねじの第一変形例を説明する断面図である。
第一実施形態に係るボールねじの第二変形例を説明する断面図である。
第一実施形態に係るボールねじの第三変形例を説明する断面図である。
本発明の第二実施形態に係るボールねじの平面図である。
第二実施形態に係るボールねじの第一変形例を説明する平面図である。
第二実施形態に係るボールねじの第二変形例を説明する平面図である。

実施例

0010

本発明の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
〔第一実施形態〕
図1は、本発明の第一実施形態に係るボールねじを、軸方向に沿う平面で切断して示した断面図である。
図1に示すように、ボールねじは、略円柱状のねじ軸1と、略円筒状のナット2と、複数のボール3と、を有しており、ねじ軸1はナット2を貫通している。

0011

ねじ軸1の外周面には螺旋状に連続する螺旋溝1aが形成され、また、ナット2の内周面には螺旋状に連続する螺旋溝2aが形成されており、これら両螺旋溝1a、2aが対向して、ボール3が転動する螺旋状のボール転動路11が形成されている。そして、ボール転動路11内には複数のボール3が転動自在に配置されている。
なお、図1には図示されていないが、第一実施形態のボールねじは、ボール3をボール転動路11の終点から始点へ戻し循環させるボール戻し路を備えている。そして、ボール転動路11とボール戻し路により無端状の循環径路が形成される。

0012

第一実施形態のボールねじにおいてボール3は、ボール転動路11内を移動しつつねじ軸1の回りを回ってボール転動路11の終点に至り、そこでボール転動路11から掬い上げられてボール戻し路の一方の端部に入る。ボール戻し路に入ったボール3はボール戻し路内を通ってボール戻し路の他方の端部に達し、そこからボール転動路11の始点に戻されるようになっている。

0013

よって、第一実施形態のボールねじは、ねじ軸1とナット2を相対回転運動させると、ボール転動路11内でのボール3の転動を介して、ねじ軸1とナット2とが軸方向に相対直線移動するようになっている。そして、ボール3は、無端状の循環径路内を無限に循環するようになっているため、ねじ軸1とナット2とは継続的に相対直線移動することができる。

0014

また、第一実施形態のボールねじは、図1に示すように、ナット2の軸方向両端部に略環状接触シール5、5を備えている。詳述すると、接触シール5、5の外径部がナット2の内周面の軸方向両端部にそれぞれ取り付けられ、接触シール5、5の内径部がねじ軸1の外周面に摺接して、ねじ軸1の外周面とナット2の内周面との間に形成される内部空間Sの軸方向両端部の開口を密封している。

0015

接触シール5、5により、ナット2の内部(内部空間S)への異物の侵入を防止することができるので、ボール3の表面や螺旋溝1a、2aの表面が異物によって損傷することが抑制され、第一実施形態のボールねじは長寿命である。
なお、接触シール5とナット2との取付形式は特に限定されるものではないが、接触シール5の外径部とナット2の内周面とをインロー式で取り付けてもよい。

0016

さらに、第一実施形態のボールねじは、内部空間Sにガスを供給するガス供給部を備えている。ガス供給部は、内部空間Sに潤滑油の油滴とガスとを供給してボールねじのオイルエア潤滑又はオイルミスト潤滑を行う潤滑機構である。ただし、内部空間Sにグリースを配してボールねじの潤滑をグリース潤滑とする場合には、ガス供給部は内部空間Sにガスのみを供給するガス供給機構であればよい。

0017

ガス供給部の構成は、内部空間Sにガスを供給することが可能であれば特に限定されるものではないが、図1の例では、内部空間Sに潤滑油の油滴とガスとの混合気体を吐出する吐出口21が、ナット2の内周面の軸方向端部に開口している。そして、潤滑油の油滴とガスとの混合気体を製造し該混合気体を送気する送気部(図示せず)から、ナット2の軸方向端面(ナット2の外周面から径方向外方に突出するフランジの端面)に開口する導入口23に潤滑油の油滴とガスとの混合気体が導入され、ナット2を貫通し導入口23と吐出口21とを連通する屈曲状の導入路25を通って、吐出口21から内部空間Sに吐出されるようになっている。吐出口21から吐出された混合気体中の潤滑剤は、ボール3と螺旋溝1a、2aとの潤滑に使用される。

0018

接触シール5は高密封性であるため、ガス供給部から内部空間Sに混合気体が供給されると、内部空間Sの圧力がボールねじ(ナット2)の外部の圧力よりも高圧となる。その結果、内部空間Sの圧力とボールねじの外部の圧力とが同じ場合よりも、ナット2の内部(内部空間S)への異物の侵入がより生じにくくなる。よって、異物の粒径が非常に小さい場合でもナット2の内部への異物の侵入を防止することが可能であり、第一実施形態のボールねじは極めて長寿命となる。

0019

内部空間Sに供給するガスの種類は特に限定されるものではないが、例えば空気、窒素アルゴンがあげられる。また、接触シール5の設置数は、ナット2の内周面の軸方向端部の1箇所につき1個であってもよいが、2個以上であってもよい。図1には、ナット2の内周面の軸方向端部の1箇所につき接触シール5を2個(ボールねじ全体では合計4個)取り付けたボールねじの例が示してある。

0020

図1のように1箇所に2個の接触シール5を取り付ける場合には、一方の接触シール5(例えば軸方向外側の接触シール5)を異物の侵入を防ぐ性能に優れたシールとし、他方の接触シール5(例えば軸方向内側の接触シール5)を気密性に優れたシールとしてもよい。

0021

このような第一実施形態のボールねじは、異物の粒径が非常に小さい場合であってもナット2の内部(内部空間S)への異物の侵入が生じにくく極めて長寿命であるので、異物が多い環境下での使用に好適である。例えば、工作機械を使用して加工を行った際には多量の切削粉が発生するので、工作機械に組み込まれたボールねじは、切削粉がナット2の内部に侵入しやすく短寿命となりやすい。しかしながら、第一実施形態のボールねじであれば、内部空間Sの圧力がボールねじ(ナット2)の外部の圧力よりも高圧となっているため、異物の粒径が非常に小さい場合であってもナット2の内部(内部空間S)への異物の侵入が生じにくい。よって、第一実施形態のボールねじは、例えば送り機構を構成する部材として工作機械に組み込まれて使用されても長寿命である。

0022

なお、第一実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は第一実施形態に限定されるものではない。また、第一実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。例えば、螺旋溝1a,2aの断面形状(螺旋溝1a,2aの連続方向に直交する平面で切断した場合の断面の形状)は、曲率中心の異なる2つの円弧組合せた略V字状をなすゴシックアーク状でもよいし、単一の円弧からなる曲線状でもよい。

0023

また、第一実施形態においては、吐出口21はナット2の内周面の軸方向端部に開口していたが、図2の第一変形例に示すように、吐出口21はナット2の内周面の軸方向中央部に開口していてもよい。導入口23は、図2に示すように、ナット2の外周面の軸方向中央部に開口しており、ナット2の径方向に沿って直線状に延びる導入路25によって、ナット2の内周面の軸方向中央部に開口する吐出口21と連通されている。ただし、導入口23をナット2の軸方向端面(フランジの端面)に開口させ、ナット2の内周面の軸方向中央部に開口する吐出口21と屈曲状の導入路25で連通させてもよい。

0024

さらに、第一実施形態のボールねじ及び第一変形例のボールねじにおいては、ナット2の内周面に開口する吐出口21の個数は1個であったが、2個以上であってもよい。例えば、図示はしないが、ナット2の内周面の軸方向中央部と軸方向端部との両方に吐出口21が開口していてもよい。また、図3の第二変形例に示すように、2個の吐出口21がナット2の内周面の軸方向両端部にそれぞれ開口していてもよい。

0025

ボール転動路11のうちボール3が掬い上げられる位置を重点的に潤滑することが好ましいので、該位置に潤滑油が供給されやすいように、ナット2の内周面の軸方向両端部に吐出口21を開口させることが好ましい。
なお、図3の第二変形例においては、導入口23の個数は1個であり、ナット2の軸方向端面(フランジの端面)に開口する導入口23と、ナット2の内周面の軸方向両端部に開口する2個の吐出口21とを、分岐状の導入路25で連通している。

0026

ただし、導入口23の個数は複数個としてもよい。すなわち、図4の第三変形例に示すように、2個の吐出口21それぞれに対応する導入口23を設けてもよい。詳述すると、ナット2の軸方向端面(フランジの端面)に開口する導入口23と一方の吐出口21とが、屈曲状の導入路25で連通されているとともに、ナット2の外周面の軸方向端部に開口する導入口23と他方の吐出口21とが、ナット2の径方向に沿って直線状に延びる導入路25で連通されている。

0027

さらに、ボール戻し路の種類は特に限定されるものではなく、リターンチューブ循環コマエンドキャップエンドデフレクタ等の循環部品により構成されるボール戻し路を適用可能である。ただし、内部空間Sの気密性を維持するためには、内部循環方式のボール戻し路を採用することが好ましい。すなわち、ナット2の内周面の一部を凹化させて形成した凹溝(図示せず)でボール戻し路が構成されていることが好ましい。

0028

循環部品により構成されるボール戻し路を採用した場合には、別部材である循環部品をナットに取り付けてボール戻し路をボールねじに設けることとなるため、ナットと循環部品との間の気密性が問題となる。しかしながら、内部循環方式のボール戻し路であれば、循環部品を使用しないため、内部空間Sの気密性を高く保ちやすい。

0029

〔第二実施形態〕
第二実施形態のボールねじの構造は、第一実施形態のボールねじとほぼ同様であるので、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第二実施形態に係るボールねじを、軸方向に沿う平面で切断して示した断面図である。
図1に示すように、ボールねじは、略円柱状のねじ軸1と、略円筒状のナット2と、複数のボール3と、を有しており、ねじ軸1はナット2を貫通している。

0030

ねじ軸1の外周面には螺旋状に連続する螺旋溝1aが形成され、また、ナット2の内周面には螺旋状に連続する螺旋溝2aが形成されており、これら両螺旋溝1a、2aが対向して、ボール3が転動する螺旋状のボール転動路11が形成されている。そして、ボール転動路11内には複数のボール3が転動自在に配置されている。

0031

さらに、第二実施形態のボールねじは、ボール3をボール転動路11の終点から始点へ戻し循環させるボール戻し路を備えている。すなわち、第二実施形態のボールねじは、図5に示すように、循環部品であるリターンチューブ13を備えており、リターンチューブ13がナット2に取り付けられることによりボール戻し路が形成されている(図1にはリターンチューブ13及びボール戻し路は図示されていない)。そして、ボール転動路11とボール戻し路により無端状の循環径路が形成される。

0032

ここで、リターンチューブ13について詳述する。ナット2の外周面の一部は平坦に削られ切り欠かれていて、軸方向に平行な平面部2bが形成されている。また、ナット2には、平面部2bに開口しボール転動路11の始点及び終点においてナット2の螺旋溝2aに連通する一対の貫通孔が設けられていて、略C字状曲げられた管状部材であるリターンチューブ13の両端部が両貫通孔に平面部2b側から挿入されている。そして、両貫通孔の外に位置するリターンチューブ13の中央部分が、平面部2b上に配されており、固定部品14に押さえられることによって平面部2bに固定されている。なお、図5に示すように、1つのナット2に複数のリターンチューブ13を取り付けてもよく、その際には、2対以上の貫通孔を設ける。

0033

ナット2とリターンチューブ13との間の隙間は、シーリング材31でシーリングされている。すなわち、リターンチューブ13の中央部分とナット2の平面部2bとの間の隙間、及び、リターンチューブ13の両端部とナット2の両貫通孔の内面との間の隙間が、シーリング材31でシーリングされている。また、固定部品14とナット2との間の隙間、すなわち、固定部品14とナット2の平面部2bとの間の隙間についても、シーリング材31でシーリングされていてもよい。

0034

シーリング材の種類は特に限定されるものではなく、ナット2とリターンチューブ13との間の隙間を介しての通気遮断し、ナット2の内部の気密性を高めることができるならば、一般的なシーリング材を用いることができる。例えば、樹脂ゴム等を含有するペースト状の不定形シーリング材コーキング材)をナット2とリターンチューブ13との間の隙間に充填した後に硬化させてシーリングを行ってもよいし、樹脂、ゴム等を成形した定形シーリング材をナット2とリターンチューブ13との間の隙間に嵌め込んでシーリングを行ってもよい。

0035

第二実施形態のボールねじにおいてボール3は、ボール転動路11内を移動しつつねじ軸1の回りを回ってボール転動路11の終点に至り、そこでボール転動路11から掬い上げられてボール戻し路の一方の端部に入る。ボール戻し路に入ったボール3はボール戻し路内を通ってボール戻し路の他方の端部に達し、そこからボール転動路11の始点に戻されるようになっている。

0036

よって、第二実施形態のボールねじは、ねじ軸1とナット2を相対回転運動させると、ボール転動路11とボール戻し路とからなる循環経路を循環しボール転動路11内で転動するボール3を介して、ねじ軸1とナット2とが軸方向に相対直線移動するようになっている。そして、ボール3は、無端状の循環径路内を無限に循環するようになっているため、ねじ軸1とナット2とは継続的に相対直線移動することができる。

0037

また、第二実施形態のボールねじは、図1に示すように、ナット2の軸方向両端部に略環状の接触シール5、5を備えている。詳述すると、接触シール5、5の外径部がナット2の内周面の軸方向両端部にそれぞれ取り付けられ、接触シール5、5の内径部がねじ軸1の外周面に摺接して、ねじ軸1の外周面とナット2の内周面との間に形成される内部空間Sの軸方向両端部の開口を密封している。

0038

接触シール5、5により、ナット2の内部(内部空間S)への異物の侵入を防止することができるので、ボール3の表面や螺旋溝1a、2aの表面が異物によって損傷することが抑制され、第二実施形態のボールねじは長寿命である。
なお、接触シール5とナット2との取付形式は特に限定されるものではないが、接触シール5の外径部とナット2の内周面とをインロー式で取り付けてもよい。

0039

さらに、第二実施形態のボールねじは、内部空間Sにガスを供給するガス供給部を備えている。ガス供給部は、内部空間Sに潤滑油の油滴とガスとを供給してボールねじのオイルエア潤滑又はオイルミスト潤滑を行う潤滑機構である。ただし、内部空間Sにグリースを配してボールねじの潤滑をグリース潤滑とする場合には、ガス供給部は内部空間Sにガスのみを供給するガス供給機構であればよい。

0040

ガス供給部の構成は、内部空間Sにガスを供給することが可能であれば特に限定されるものではないが、図1の例では、内部空間Sに潤滑油の油滴とガスとの混合気体を吐出する吐出口21が、ナット2の内周面の軸方向端部に開口している。そして、潤滑油の油滴とガスとの混合気体を製造し該混合気体を送気する送気部(図示せず)から、ナット2の軸方向端面(ナット2の外周面から径方向外方に突出するフランジの端面)に開口する導入口23に潤滑油の油滴とガスとの混合気体が導入され、ナット2を貫通し導入口23と吐出口21とを連通する屈曲状の導入路25を通って、吐出口21から内部空間Sに吐出されるようになっている。吐出口21から吐出された混合気体中の潤滑剤は、ボール3と螺旋溝1a、2aとの潤滑に使用される。

0041

接触シール5は高密封性であり、且つ、ナット2とリターンチューブ13との間の隙間がシーリング材31でシーリングされているため、ナット2の内部(内部空間S)の気密性が高い。そのため、ガス供給部から内部空間Sに混合気体が供給されると、内部空間Sの圧力がボールねじ(ナット2)の外部の圧力よりも高圧となる。その結果、内部空間Sの圧力とボールねじの外部の圧力とが同じ場合よりも、ナット2の内部(内部空間S)への異物の侵入がより生じにくくなる。よって、異物の粒径が非常に小さい場合でもナット2の内部への異物の侵入を防止することが可能であり、第二実施形態のボールねじは極めて長寿命となる。

0042

内部空間Sに供給するガスの種類は特に限定されるものではないが、例えば空気、窒素、アルゴンがあげられる。また、接触シール5の設置数は、ナット2の内周面の軸方向端部の1箇所につき1個であってもよいが、2個以上であってもよい。図1には、ナット2の内周面の軸方向端部の1箇所につき接触シール5を2個(ボールねじ全体では合計4個)取り付けたボールねじの例が示してある。
図1のように1箇所に2個の接触シール5を取り付ける場合には、一方の接触シール5(例えば軸方向外側の接触シール5)を異物の侵入を防ぐ性能に優れたシールとし、他方の接触シール5(例えば軸方向内側の接触シール5)を気密性に優れたシールとしてもよい。

0043

このような第二実施形態のボールねじは、異物の粒径が非常に小さい場合であってもナット2の内部(内部空間S)への異物の侵入が生じにくく極めて長寿命であるので、異物が多い環境下での使用に好適である。例えば、工作機械を使用して加工を行った際には多量の切削粉が発生するので、工作機械に組み込まれたボールねじは、切削粉がナット2の内部に侵入しやすく短寿命となりやすい。しかしながら、第二実施形態のボールねじであれば、内部空間Sの圧力がボールねじ(ナット2)の外部の圧力よりも高圧となっているため、異物の粒径が非常に小さい場合であってもナット2の内部(内部空間S)への異物の侵入が生じにくい。よって、第二実施形態のボールねじは、例えば送り機構を構成する部材として工作機械に組み込まれて使用されても長寿命である。

0044

なお、第二実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は第二実施形態に限定されるものではない。また、第二実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。例えば、螺旋溝1a,2aの断面形状(螺旋溝1a,2aの連続方向に直交する平面で切断した場合の断面の形状)は、曲率中心の異なる2つの円弧を組合せた略V字状をなすゴシックアーク状でもよいし、単一の円弧からなる曲線状でもよい。

0045

また、第二実施形態においては、吐出口21はナット2の内周面の軸方向端部に開口していたが、図示はしないが、吐出口21はナット2の内周面の軸方向中央部に開口していてもよい。その場合には、導入口23は、ナット2の外周面の軸方向中央部に開口しており、ナット2の径方向に沿って直線状に延びる導入路25によって、ナット2の内周面の軸方向中央部に開口する吐出口21と連通されている。ただし、導入口23をナット2の軸方向端面(フランジの端面)に開口させ、ナット2の内周面の軸方向中央部に開口する吐出口21と屈曲状の導入路25で連通させてもよい。

0046

さらに、第二実施形態のボールねじにおいては、ナット2の内周面に開口する吐出口21の個数は1個であったが、2個以上であってもよい。例えば、図示はしないが、ナット2の内周面の軸方向中央部と軸方向端部との両方に吐出口21が開口していてもよい。また、図示はしないが、2個の吐出口21がナット2の内周面の軸方向両端部にそれぞれ開口していてもよい。

0047

ボール転動路11のうちボール3が掬い上げられる位置を重点的に潤滑することが好ましいので、該位置に潤滑油が供給されやすいように、ナット2の内周面の軸方向両端部に吐出口21を開口させることが好ましい。
なお、吐出口21の個数が2個以上である場合でも、導入口23の個数を1個とすることができる。例えば、ナット2の軸方向端面(フランジの端面)に開口する導入口23と、ナット2の内周面の軸方向両端部に開口する2個の吐出口21とを、分岐状の導入路25で連通すればよい。

0048

ただし、吐出口21の個数が2個以上である場合には、複数個の吐出口21それぞれに対応する導入口23を設けてもよい。吐出口21の個数が2個である場合には、例えば、ナット2の軸方向端面(フランジの端面)に開口する導入口23と一方の吐出口21とを、屈曲状の導入路25で連通するとともに、ナット2の外周面の軸方向端部に開口する導入口23と他方の吐出口21とを、ナット2の径方向に沿って直線状に延びる導入路25で連通してもよい。

0049

さらに、第二実施形態のボールねじにおいては、ボール戻し路を形成する循環部品はリターンチューブ13であったが、循環部品の種類は特に限定されるものではなく、循環コマ、エンドキャップ、エンドデフレクタ等でもよい。
例えば、図6に示すように、ナット2の外周面に開口しナット2の螺旋溝2aに連通するコマ孔をナット2に設け、このコマ孔に循環コマ15を挿入することにより、ボール戻し路を形成してもよい。図6の例では、4個の循環コマ15がナット2に取り付けられている。循環コマ15を用いた場合には、ナット2と循環コマ15との間の隙間、すなわち、コマ孔の内面と循環コマ15の外面との間の隙間をシーリング材31でシーリングするとよい。

0050

また、図7に示すように、ナット2の軸方向両端部にエンドキャップ16、16を装着することにより、ボール戻し路を形成してもよい。エンドキャップ16を用いた場合には、ナット2とエンドキャップ16との間の隙間、すなわち、ナット2の軸方向端面と、これに対向するエンドキャップ16の端面との間の隙間をシーリング材31でシーリングするとよい。

0051

1 ねじ軸
1a螺旋溝
2ナット
2a 螺旋溝
3ボール
5接触シール
11ボール転動路
13リターンチューブ(循環部品)
14固定部品
15循環コマ(循環部品)
16エンドキャップ(循環部品)
21吐出口
23 導入口
25導入路
31シーリング材
S 内部空間

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