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技術 モデル動物の機能改善評価装置および神経細胞培養装置

出願人 CYBERDYNE株式会社国立大学法人筑波大学
発明者 山海嘉之
出願日 2016年4月26日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2017-516598
公開日 2018年2月22日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 WO2016-178393
状態 特許登録済
技術分野 家畜、動物の飼育(3)(その他の飼育) 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 擬似直線 障害度合い 硬質ボール 監視測定 伝達具 動作伝達機構 回転角度γ 重心線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月22日)のものです。
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図面 (20)

課題

哺乳類モデル動物に対しても、比較的簡易な構成で人間と同様に生体信号に基づくフィードバック制御を行い得るモデル動物の機能改善評価装置および神経細胞培養装置を提案する。

解決手段

哺乳類のモデル動物の所望の体内部位よりも上位の中枢側および下位の末梢側のいずれか一方または両方に取り付けられ、当該モデル動物の生体活動に起因する生体信号を検出する生体信号検出部と、生体信号検出部により検出された生体信号に基づいて、モデル動物の意思に従った動力駆動源に発生させる制御部と、モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部に連結され、当該保持部がモデル動物の自然な歩行動作パターンと同一または近似する軌道揺動するように、駆動源の動力を当該保持部に伝達する動作伝達機構部とを設け、制御部が、動作伝達機構部に連結された保持部の揺動状態に基づいて、駆動源の動力を制御するようにした。

概要

背景

心電位脳波眼電位筋電位等の生体電位信号計測することで取得される心電図、脳電図眼電図筋電図等は、医療において被験者患者(以下「被計測者」と総称する)の容態を把握する上で重要な生体情報である。

例えば、運動系の機能疾患の主たる原因は、脳卒中などの脳血管障害であり、その症状に応じて様々な運動機能障害が現れる。近年、このような脳・神経系の疾患状態にある被計測者のニューロリハビリテーションを行う訓練システムとして、装着式動作補助装置を用いて被計測者の運動機能回復のための訓練を行うものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。

この装着式動作補助装置は、当該被計測者が筋肉を動かす際に発生する生体電位信号を検出し、この検出された生体電位信号に基づいてモータ駆動トルクを制御して当該被計測者の腕あるいは脚に伝達するように構成されている。

そのため、腕あるいは脚が麻痺している被計測者の場合でも、当該被計測者から生体電位信号が検出できれば、本人の意思に基づいて装着式動作補助装置を動作させて麻痺した腕や脚のニューロ・リハビリテーションを効果的に行うことが可能になる。

概要

哺乳類モデル動物に対しても、比較的簡易な構成で人間と同様に生体信号に基づくフィードバック制御を行い得るモデル動物の機能改善評価装置および神経細胞培養装置を提案する。 哺乳類のモデル動物の所望の体内部位よりも上位の中枢側および下位の末梢側のいずれか一方または両方に取り付けられ、当該モデル動物の生体活動に起因する生体信号を検出する生体信号検出部と、生体信号検出部により検出された生体信号に基づいて、モデル動物の意思に従った動力駆動源に発生させる制御部と、モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部に連結され、当該保持部がモデル動物の自然な歩行動作パターンと同一または近似する軌道揺動するように、駆動源の動力を当該保持部に伝達する動作伝達機構部とを設け、制御部が、動作伝達機構部に連結された保持部の揺動状態に基づいて、駆動源の動力を制御するようにした。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

哺乳類モデル動物の所望の体内部位よりも上位の中枢側および下位の末梢側のいずれか一方または両方に取り付けられ、当該モデル動物の生体活動に起因する生体信号を検出する生体信号検出部と、上記生体信号検出部により検出された上記生体信号に基づいて、上記モデル動物の意思に従った動力駆動源に発生させる制御部と、上記モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部に連結され、当該保持部が上記モデル動物の自然な歩行動作パターンと同一または近似する軌道揺動するように、上記駆動源の動力を当該保持部に伝達する動作伝達機構部とを備え、上記制御部は、上記動作伝達機構部に連結された上記保持部の揺動状態に基づいて、上記駆動源の動力を制御することを特徴とするモデル動物の機能改善評価装置

請求項2

上記生体信号検出部に代えてまたは同一部位に設けられ、上記制御部からの信号に基づいて上記モデル動物に対して物理的な刺激を与える生体刺激付与部を備え、上記制御部は、上記生体信号に基づいて、上記生体刺激付与部に与える信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のモデル動物の機能改善評価装置。

請求項3

上記モデル動物の膀胱カテーテルを挿入しておき、当該モデル動物の歩行動作に伴って検出される上記生体信号に基づいて、上記カテーテルを介して膀胱および尿道の両方または一方の活動をモニタリングする監視測定部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のモデル動物の機能改善評価装置。

請求項4

ロールの回転に応じて歩行ベルト循環するように移動するトレッドミルを備え、上記動作伝達機構部は、上記モデル動物の各脚部の足先を保持する上記保持部を、上記歩行ベルト上に接触可能に位置合わせしておき、上記制御部は、上記モデル動物の歩行動作に合わせて、上記歩行ベルトの移動速度を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモデル動物の機能改善評価装置。

請求項5

上記モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部に設けられ、当該モデル動物の歩行動作に応じた重心位置を検知する重心位置検知部と、上記モデル動物を昇降自在に吊り上げて、当該モデル動物の各脚部の足先への荷重免荷する免荷装置とを備え、上記制御部は、上記モデル動物の重心位置に基づいて、上記免荷装置による免荷量を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモデル動物の機能改善評価装置。

請求項6

上記動作伝達機構は、自由度1の多節リンク機構を有し、上記駆動源の回転運動の全部または一部を擬似直線運動または真性直線運動に変換することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のモデル動物の機能改善評価装置。

請求項7

上記動作伝達機構は、上記モデル動物のに装着される腰フレームと、上記腰フレームの右側部及び左側部からそれぞれ下方に設けられ、上記モデル動物の股関節に対応する位置で回動自在に連結された第1フレームと、各上記第1フレームから下方に設けられ、上記モデル動物の膝関節に対応する位置で回動自在に連結された第2フレームとを備え、上記駆動源の出力が、上記第腰フレーム及び上記第1フレームの連結部位と、上記第1フレーム及び上記第2フレームの連結部位とにそれぞれ伝達されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のモデル動物の機能改善評価装置。

請求項8

哺乳類のモデル動物の所望の体内部位に移植され、培養基材上に神経細胞と当該神経細胞の神経突起伸長方向をガイドするガイド部材とを配置する移植用モジュールと、上記移植用モジュールよりも上位の中枢側および下位の末梢側のいずれか一方または両方に取り付けられ、上記モデル動物の生体活動に起因する生体信号を検出する生体信号検出部と、上記生体信号検出部により検出された上記生体信号に基づいて、上記モデル動物の意思に従った動力を駆動源に発生させる制御部と、上記モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部に連結され、当該保持部が上記モデル動物の自然な歩行動作パターンと同一または近似する軌道を揺動するように、上記駆動源の動力を当該保持部に伝達する動作伝達機構部とを備え、上記制御部は、上記動作伝達機構部に連結された上記保持部の揺動状態に基づいて、上記駆動源の動力を制御することを特徴とする神経細胞培養装置。

請求項9

上記生体信号検出部に代えてまたは同一部位に設けられ、上記制御部からの信号に基づいて上記モデル動物に対して物理的な刺激を与える生体刺激付与部を備え、上記制御部は、上記生体信号に基づいて、上記生体刺激付与部に与える信号を生成することを特徴とする請求項8に記載の神経細胞培養装置。

請求項10

ロールの回転に応じて歩行ベルトを循環するように移動するトレッドミルを備え、上記動作伝達機構部は、上記モデル動物の各脚部の足先を保持する上記保持部を、上記歩行ベルト上に接触可能に位置合わせしておき、上記制御部は、上記モデル動物の歩行動作に合わせて、上記歩行ベルトの移動速度を制御することを特徴とする請求項8または9に記載の神経細胞培養装置。

請求項11

上記モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部に設けられ、当該モデル動物の歩行動作に応じた重心位置を検知する重心位置検知部と、上記モデル動物を昇降自在に吊り上げて、当該モデル動物の各脚部の足先への荷重を免荷する免荷装置とを備え、上記制御部は、上記モデル動物の重心位置に基づいて、上記免荷装置による免荷量を制御することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の神経細胞培養装置。

請求項12

上記動作伝達機構は、自由度1の多節リンク機構を有し、上記駆動源の回転運動の全部または一部を擬似直線運動または真性直線運動に変換することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の神経細胞培養装置。

請求項13

上記動作伝達機構は、上記モデル動物の腰に装着される腰フレームと、上記腰フレームの右側部及び左側部からそれぞれ下方に設けられ、上記モデル動物の股関節に対応する位置で回動自在に連結された第1フレームと、各上記第1フレームから下方に設けられ、上記モデル動物の膝関節に対応する位置で回動自在に連結された第2フレームとを備え、上記駆動源の出力が、上記第腰フレーム及び上記第1フレームの連結部位と、上記第1フレーム及び上記第2フレームの連結部位とにそれぞれ伝達されることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の神経細胞培養装置。

技術分野

0001

本発明は、モデル動物機能改善評価装置および神経細胞培養装置に関し、例えばラット歩行運動に伴う生理機能および運動機能の評価装置に適用して好適なるものである。

背景技術

0002

心電位脳波眼電位筋電位等の生体電位信号計測することで取得される心電図、脳電図眼電図筋電図等は、医療において被験者患者(以下「被計測者」と総称する)の容態を把握する上で重要な生体情報である。

0003

例えば、運動系の機能疾患の主たる原因は、脳卒中などの脳血管障害であり、その症状に応じて様々な運動機能障害が現れる。近年、このような脳・神経系の疾患状態にある被計測者のニューロリハビリテーションを行う訓練システムとして、装着式動作補助装置を用いて被計測者の運動機能回復のための訓練を行うものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。

0004

この装着式動作補助装置は、当該被計測者が筋肉を動かす際に発生する生体電位信号を検出し、この検出された生体電位信号に基づいてモータ駆動トルクを制御して当該被計測者の腕あるいは脚に伝達するように構成されている。

0005

そのため、腕あるいは脚が麻痺している被計測者の場合でも、当該被計測者から生体電位信号が検出できれば、本人の意思に基づいて装着式動作補助装置を動作させて麻痺した腕や脚のニューロ・リハビリテーションを効果的に行うことが可能になる。

先行技術

0006

特開2008−264509号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、ヒト疾患発症機構解明し、その治療方法及び治療薬剤を開発するにあたって、そのヒト疾患と酷似した病態を示すモデル動物を利用した動物実験が重要な役割を果たす。このようなモデル動物としては、一般的に用いられている哺乳動物である限り、特に限定されるものではないが、例えば、ラット、マウスハムスターまたはモルモット等を用いることが望ましい。

0008

上述の生体電位信号に基づく訓練システムについても、モデル動物を使用することによって神経や筋疾患の発症機構の解明、さらにその治療方法及び治療薬剤の開発ができれば非常に望ましい。

0009

しかし、モデル動物は哺乳動物という点では人間と共通するものの、身体のサイズが数分の1倍から約200分の1倍までと非常に小さい。これに加えて、モデル動物と人間とは脊柱椎骨連結体)の力学的負荷に対する機能が全く異なる。すなわち人間は二足歩行で脊柱が直立するのに対して、モデル動物は大半が四足歩行で脊柱も水平に向いている。

0010

このような相違に起因して、人間向けに開発された装着式動作補助装置を単に縮小サイズ設計変更するだけでは、モータの駆動トルクの伝達機構や生体電位信号の取得方法などがモデル動物に適合しないため、独自かつ特有の構成等が必要となる。

0011

このため、人間向けの生体電位信号に基づく支援ステムを単純に改良設計しただけで、小型四足の哺乳動物であるモデル動物に適用することは非常に困難となる問題があった。

0012

本発明は以上の点を考慮してなされたもので、哺乳類のモデル動物に対しても、比較的簡易な構成で人間と同様に生体信号に基づくフィードバック制御を行い得るモデル動物の機能改善評価装置および神経細胞培養装置を提案しようとするものである。

課題を解決するための手段

0013

かかる課題を解決するために本発明においては、哺乳類のモデル動物の所望の体内部位よりも上位の中枢側および下位の末梢側のいずれか一方または両方に取り付けられ、当該モデル動物の生体活動に起因する生体信号を検出する生体信号検出部と、生体信号検出部により検出された生体信号に基づいて、モデル動物の意思に従った動力駆動源に発生させる制御部と、モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部に連結され、当該保持部がモデル動物の自然な歩行動作パターンと同一または近似する軌道揺動するように、駆動源の動力を当該保持部に伝達する動作伝達機構部とを有し、制御部は、動作伝達機構部に連結された保持部の揺動状態に基づいて、駆動源の動力を制御する、モデル動物の機能改善評価装置が提供される。

0014

かかる構成によれば、モデル動物の脚骨格と動作伝達機構部の伝達機構とを組み合わせて、駆動源の動力の作用端点をモデル動物の足先に連結させて、当該モデル動物の歩行動作を補助アシスト)することができる。この結果、モデル動物に駆動源を外骨格として装着させることなく、モデル動物の体内部位(脊髄脳神経の損傷または断裂箇所)を基準に検出される生体信号に基づいて、モデル動物の意思に応じた随意制御と歩行動作を実現する自律制御フィードバックさせることができる。

0015

さらに本発明においては、生体信号検出部に代えてまたは同一部位に設けられ、制御部からの信号に基づいてモデル動物に対して物理的な刺激を与える生体刺激付与部を有し、制御部は、生体信号に基づいて、生体刺激付与部に与える信号を生成するようにした。この結果、体内部位(例えば脊髄)が断裂している場合でも、その断裂部位よりも末梢側の部位を動作させたり、感覚を取得することができる。

0016

さらに本発明においては、モデル動物の膀胱カテーテルを挿入しておき、当該モデル動物の歩行動作に伴って検出される生体信号に基づいて、カテーテルを介して膀胱および尿道の両方または一方の活動をモニタリングする監視測定部を設けるようにした。この結果、このモニタリング結果に基づいて膀胱排泄障害の機能改善の解明に役立てることが可能となる。

0017

さらに本発明においては、ロールの回転に応じて歩行ベルト循環するように移動するトレッドミルを有し、動作伝達機構部は、モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部を、歩行ベルト上に接触可能に位置合わせしておき、制御部は、モデル動物の歩行動作に合わせて、歩行ベルトの移動速度を制御するようにした。この結果、モデル動物が実際に歩行動作する際に、歩行ベルト上を自然に踏みしめる感覚を与えることができる。

0018

さらに本発明においては、モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部に設けられ、当該モデル動物の歩行動作に応じた重心位置を検知する重心位置検知部と、モデル動物を昇降自在に吊り上げて、当該モデル動物の各脚部の足先への荷重免荷する免荷装置とを有し、制御部は、モデル動物の重心位置に基づいて、免荷装置による免荷量を制御するようにした。この結果、歩行ベルト上の床反力から重心位置を検知して、モデル動物が脚部に力が入らない場合でも自然な状態で歩行動作することができる。

0019

さらに本発明においては、哺乳類のモデル動物の所望の体内部位に移植され、培養基材上に神経細胞と当該神経細胞の神経突起伸長方向をガイドするガイド部材とを配置する移植用モジュールと、移植用モジュールよりも上位の中枢側および下位の末梢側のいずれか一方または両方に取り付けられ、モデル動物の生体活動に起因する生体信号を検出する生体信号検出部と、生体信号検出部により検出された生体信号に基づいて、モデル動物の意思に従った動力を駆動源に発生させる制御部と、モデル動物の各脚部の足先を保持する保持部に連結され、当該保持部がモデル動物の自然な歩行動作パターンと同一または近似する軌道を描くように、駆動源の動力を当該保持部に伝達する動作伝達機構部とを有することを特徴とする、神経細胞培養装置が提供される。

0020

かかる構成によれば、モデル動物の脚骨格と動作伝達機構部の伝達機構とを組み合わせて、駆動源の動力の作用端点をモデル動物の足先に連結させて、当該モデル動物の歩行動作を補助(アシスト)することができる。この結果、モデル動物に駆動源を外骨格として装着させることなく、モデル動物の体内部位(脊髄や脳神経の損傷または断裂箇所)を基準に検出される生体信号に基づいて、当該部位に埋め込んだ移植用モジュールにおいて神経細胞を培養させることができる。

発明の効果

0021

本発明によれば、哺乳類のモデル動物に対しても、比較的簡易な構成で人間と同様に、生体信号に基づく随意的および自律的なフィードバック制御を行うことができ、モデル動物を用いた運動機能や生理機能などの改善のための評価装置を構築することが可能となる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の実施形態に係るラットの機能改善評価装置の外観斜視図である。
同実施形態に係る機能改善評価装置にラットをセッティングした状態の説明に供する概念図である。
同実施形態に係る機能改善評価装置の制御系統の構成を示すブロック図である。
同実施形態に係るラットの脚骨格の機能構成を示す概念図である。
同実施形態に係る4節リンク機構を示す概念図である。
同実施形態に係るチェビシェフの第1近似直線運動機構の説明に供する概念図である。
他の実施形態に係るポースリエ機構の説明に供する概念図である。
本実施形態に係る神経細胞の培養方法を説明するための概略図である。
本実施形態に係る培養方法によって培養された神経細胞を、神経細胞損傷箇所に適用する方法の一例を説明するための概略図である。
本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真の一例である。
本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真および蛍光顕微鏡写真の他の例である。
本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真および蛍光顕微鏡写真の他の例である。
本実施形態に係る神経細胞の培養方法の第1変形例を説明するための概念図である。
本実施形態に係る神経細胞の培養方法の第2変形例を説明するための概念図である。
本実施形態に係る神経細胞の培養方法の第3変形例を説明するための概念図である。
本実施形態に係る培養方法によって培養された神経細胞を、神経細胞損傷箇所に適用する方法の第2変形理を説明するための概略図である。
他の実施形態に係るラットの機能改善評価装置の外観斜視図である。
同実施形態に係る機能改善評価装置にラットをセッティングした状態の説明に供する概念図である。
同実施形態に係る機能改善評価装置の制御系統の構成を示すブロック図である。

実施例

0023

下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。

0024

(1)機能改善評価方法原理
本発明の機能改善評価方法は、トレッドミル上で脊髄損傷があるラットを歩行させながら、後述する歩行動作補助装置を用いて、当該ラットが筋肉を動かす際に発生する生体電位信号を検出し、この検出された生体電位信号に基づいて当該ラットの歩行動作を補助(アシスト)する。

0025

そのため、脊髄損傷により脚が麻痺しているラットの場合でも、当該ラットから生体電位信号が検出できれば、ラット自身の意思に基づいて動作補助装置を動作させて麻痺した脚のニューロ・リハビリテーションを効果的に行うことが可能になる。

0026

また、ラットの脊髄が損傷した場合のみならず、ラットの脊髄が断裂し、脚まで神経がつながっていない場合でも、断裂部よりも上位側に電位検出用センサ電極)を埋め込み、脳からの指令に基づく生体電位神経活動電位)信号を検出すれば、動作補助装置により歩行動作を補助することができる。

0027

具体的には、筋紡錘は、骨格筋伸縮感知しており、筋線維と呼ばれる筋と、それに巻きついた数本の感覚神経終末、錘内筋線維を運動神経支配するガンマ運動ニューロンとから構成されている。また、筋紡錘は、骨格筋線維の間に散在し、それらと平行に並んでいるが、例えば眼球や指など細かくコントロールされた動きをする筋には多く存在する。そして、骨格筋に合わせて錘内筋線維が伸張すると、それに巻きついた感覚神経終末が刺激され固有感覚インパルスを生じ、筋紡錘による神経活動電位信号が検出される。

0028

このようにラットが自身の身体部位を動かしたり外部刺激に反応したりする際に、末梢系から中枢系へとフィードバックされる生体信号(例えば生体電位信号など)を検出してもよい。脳を含む中枢神経系と、脊髄、運動神経を通じて末梢系につながる神経回路とを通る生体信号等を、中枢系から末梢系に至る方向と、末梢系から中枢系に至る方向の両方で計測することができる。

0029

この結果、脳から発せられた信号が正しく末梢系に届いたか、また末梢系からの情報が正しく脳へフィードバックされているか、確認することができる。このようにラットの歩行動作のアシストを介在させることによって、人工的に神経系ループを構築し、脳・神経系(中枢系)と筋骨格系(末梢系・身体)との間で体内・体外を通じたインタラクティブバイオフィードバックが促されることにより機能改善を促進する技術を構築することが可能となる。

0030

なお、ラットに埋設するセンサ(生体信号検出部)は、例えば、シリコーン基板と、シリコーン基板上に形成された金属材料とを有するマイクロセンサマイクロ電極)であり、金属材料には金、プラチナ等の耐腐食性貴金属や又はこれらの合金が用いられる。センサは複数設けられ、グランド電位を検出するセンサや参照電位を検出するセンサを含む。

0031

センサを、神経繊維が配置される空間部(貫通孔)を有する円筒型又はクランプ型センサとし、貫通孔の側面にセンサ部(金属部)を設けることで、センサと神経繊維との間の電気的接触を安定化し、神経繊維から神経活動電位を安定的に検出することができる。また、センサを、ニードル型センサとし、神経繊維に突き刺すようにしてもよい。

0032

配線は、銅や金等の導体部と、導体部を覆う絶縁性樹脂材料とを有する。絶縁性樹脂材料には、シリコーン樹脂ポリウレタン樹脂等の柔軟性があり、生体適合性の高い材料を用いることができる。

0033

センサは外科手術により体内に埋め込まれる。例えばセンサは中枢系または末梢系の軸索樹状突起と接触するように配置される。

0034

上記実施形態では、センサ(生体信号検出部)が神経活動電位を検出する例について説明したが、センサから生体組織に対して電気刺激を行ってもよい。また、歩行動作補助装置は、神経活動電位を検出するセンサと、生体組織に対して電気刺激を行うセンサとを備えていてもよい。例えば、電位検出用のセンサは、上行して上位の中枢(例えば脳)へ向かう経路(例えば脊髄上行路)において神経活動電位を検出する。電気刺激用のセンサ(生体刺激付与部)は、上位の中枢から下行する経路(例えば脊髄下行路)にて電気刺激を行う。これにより、脊髄が断裂している場合でも、断裂部よりも末端側の部位を動かしたり、感覚を取得したりすることができる。上行路において検出した神経活動電位に基づいて生体組織に与える電気刺激を決定し、刺激用センサから電気刺激を行ってもよい。

0035

また本発明に用いることのできるモデル動物は、ヒトの疾患に対するモデル動物として一般的に用いられている哺乳類である限り、特に限定されるものではなく、ラット以外にも、例えば、マウスやハムスター、モルモット等を用いることができる。

0036

(2)機能改善評価装置の全体構成
図1は、本発明の実施の形態にかかるラットの機能改善評価装置1の外観斜視図である。機能改善評価装置1は、基台2上にトレッドミル3および球状転動部4が並設され、当該トレッドミル3を基準として、基台2の下側に歩行動作補助装置5(図3)が内蔵されている。

0037

トレッドミル3は、ローラ6a,6bの回転により循環するように移動する歩行ベルト7を有する。歩行ベルト7は水平に設置されている。モータ3a(図3)は伝達機構を介してローラ6a,6bを回転させることができる。ローラ6a,6bの回転速度を変化させることにより、歩行ベルト7の循環速度を変えることができる。また歩行ベルト7は、のように前後方向に傾斜させることができ、坂を急勾配にして歩行運動の負荷を大きくする一方、水平に近づけるほど負荷を小さく調整することができる。

0038

また球状転動部4は、基台2内に形成された保持空間(図示せず)に、支持球またはボールベアリングからなる軸受が3箇所設置され、硬質ボール4aがこれら軸受の3点支持により3次元的にあらゆる方向に滑らかかつ自在に回転するように取り付けられている。

0039

また基台2の上面の四隅にそれぞれ支柱8a〜8dが植立され、これら支柱8a〜8dの上端には装置全体として略直方体枠体を構成するように支持フレーム9が連結されている。そして支持フレーム9には、免荷装置10が橋架されており、トレッドミル3および球状転動体4の並設方向に沿って自由にスライド移動し得るようになされている。

0040

免荷装置10は、歩行動作補助装置5と導通接続されたサーボモータ10a(図3)を有し、例えば吊り上げ用のハーネス10b,10cの一端と連結されている。このハーネス10b,10cの他端には、ラットの胴体包み込むように保持するためのハンモック状の保持部10dが取り付けられている。

0041

サーボモータ10aがどの程度ハーネス10b,10cを持ち上げるかによって、ラットの足にかかる荷重の免荷量が決定される。ハーネス10b,10cの持ち上げ量が大きいほど、免荷量が大きくなり、ラットの足にかかる荷重が小さくなる。

0042

また機能改善評価装置1には、トレッドミル3内のモータ3aによるローラ6a,6bの回転速度や、免荷装置10による免荷量を調節できる入力部11(図3)が設けられている。この入力部11により、外部操作者は歩行ベルト7の速度や、一対の専用靴12a,12bにかかる荷重を調節することができる。例えば、入力部11を用いて、歩行ベルト7の速度をラットの歩行速度と同程度に設定することができる。

0043

このような構成の機能改善評価装置1にラットをセッティングする場合を図2に示す。まずラットの胴体にハンモック状の保持部10dにて保持しながら、一対の足先にそれぞれ専用靴12a,12bを装着する。続いて免荷装置10により一対の専用靴12a,12bがトレッドミル3の歩行ベルト7にかかる荷重を調整しながら、ラットの一対の前脚の足先を球状転動部4の硬質ボール4a表面に接触させる。

0044

この状態において、ラットの前方の視野内に嗜好物(好物のなど)や映像モニタなどを配置しておき、トレッドミル3の歩行ベルト7を最適な速度で走行移動させると、ラットは自ら歩行動作を開始して、一対の前脚の足先にて球状転動部4の硬質ボール4aを所望方向に回転させると同時に、一対の後脚の足先を装着した専用靴12a,12bにてトレッドミルの歩行ベルト7上を一歩ずつ踏み出す。

0045

そして機能改善評価装置1は、ラットが筋肉を動かす際に発生する生体電位信号を検出し、この検出された生体電位信号に基づいて駆動源21(図3)による駆動トルクを制御して一対の専用靴12a,12bを伝達してアシスト力(動力)をラットの各脚部に付与する。

0046

(3)機能改善評価装置の制御系統の構成
図3に本実施形態に係る機能改善評価装置1の制御系統の構成を示すブロック図を示す。機能改善評価装置1は、歩行動作補助装置5、免荷装置10、トレッドミル3、送受信部13を備える。

0047

歩行動作補助装置5において、生体信号検出部15は、ラットの体内に埋め込まれたセンサ16から当該ラットが関節まわりの筋肉を動かすときに発生する生体電位信号を検出する。例えば、ラットの脊髄が断裂または損傷しており、脚部まで神経が十分につながっていない場合、断裂部または損傷部より上位側(脳に近い側)にセンサ16を埋め込み、神経線維から神経活動電位を検出する。

0048

生体信号検出部15は、センサ16により検出された生体電位信号を制御装置17へ送信する。

0049

関節角度検出部18は、ラットの動作に応じた後述する動作伝達機構部20(図6)の作用端点の揺動角度を、当該ラットの脚部の関節角度として検出し、制御装置17へ出力する。関節角度検出部18には角度センサ(図示せず)が用いられる。角度センサは、例えば、動作伝達機構部20の作用端点の揺動角度に比例したパルス数カウントするロータリエンコーダ等からなり、揺動角度に応じたパルス数に対応した電気信号センサ出力として出力する。角度センサは、具体的には、駆動源の出力軸に連結されている動作伝達機構部の作用端点(エンドエフェクタ)である専用靴12a,12bの揺動角度を検出する。

0050

重心位置検出部19は、ラットの動作に応じた重心位置を検出し、制御装置17へ出力する。制御装置17は、随意制御部17a、自律制御部17b、データ格納部17cおよび指令信号合成部17dを有する。随意制御部17aは、生体信号検出部15により検出された生体電位信号を用いて、ラットの意思に従った動力を動作伝達機構部20を介してサーボモータからなる駆動源21に発生させるための随意指令信号を生成する。

0051

データ格納部17cは、ラットの歩行動作のタスクと、当該タスクに応じてラットの動きをアシストするためのアシストパラメータとを基準パラメータデータベースに格納する。またデータ格納部17cは、生体信号検出部15により検出された生体電位信号を一時的に格納する。

0052

ラットの一般的な歩行動作を分析すると、各関節の角度や重心の移動等の典型的な動作パターンが決まっていることが分かる。そこで、ラットの歩行動作に関して、典型的な関節角度の変位重心移動の状態等を経験的に求め、それらを基準パラメータデータベースに格納しておく。またラットは体の大きさや、筋力の状態などにより、また、歩行速度などによって、異なる歩行パターンを有している。対象となるラットの障害度合いや、リハビリの進み具合によって、適した動作パターンは異なる。このため同じタスクでも対応するアシストパターンも異なる。

0053

自律制御部17bは、関節角度検出部18により検出された関節角度および重心位置検出部19により検出された重心位置等のラットの動作の状態を表すパラメータと、データ格納部17cに格納された基準パラメータとを比較して、ラットの動作のタスクを特定した後、当該タスクに対応する最適なアシストパターンを選択し、このアシストパターンに応じた動力を駆動源21に発生させるための自律指令信号を生成する。

0054

指令信号合成部17dは、随意制御部17aにより生成された随意指令信号と、自律制御部17bにより生成された自律指令信号とを合成し、合成指令信号を駆動信号生成部22へ出力する。指令信号合成部17dは、動作の開始から終了まで変化する随意的制御による動力と、自律的制御による動力とを合成した動力を駆動源21に発生させる波形を有する。

0055

駆動信号生成部22は、合成指令信号に応じた駆動信号駆動電流)を生成し、駆動源21に供給することにより、駆動源21を駆動する。駆動源21は、動作伝達機構部20を介して駆動信号に応じたアシスト力(動力)を一対の専用靴12a,12bを媒介としてラットの各脚部に付与する。

0056

送受信部13は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標シリアル通信などの短距離無線通信技術により送受信可能な通信機である。この送受信部13は、制御装置17の制御の下、データ格納部17cに格納している基準パラメータと、関節角度検出部18により検出された関節角度および重心位置検出部19により検出された重心位置等のラットの動作の状態を表すパラメータと、生体信号検出部15から検出された生体電位信号とを、所定の通信方式変調してアンテナを介して外部機器25に送出する。

0057

外部機器25は、例えば、診断用コンピュータであり、心電図や脳電図を作成してディスプレイ部26に表示するとともに、機能改善評価装置1から送信される各種データを送受信部27において受信し、データベース28に格納する。これにより外部機器25は、ラットの運動状態生理状態を常時モニタリングするのみならず、データベース28に蓄積をしながら時系列的に管理することができる。

0058

このように機能改善評価装置1では、免荷装置10によりラットを吊り下げ姿勢を安定化させつつ、歩行動作補助装置5によりラットに対してアシスト力を付与し歩行動作を補助する。歩行動作補助装置5の制御装置17は、ラットの歩行速度に基づいてトレッドミル3の歩行ベルト7の速度を制御するとともに、ラットの重心位置や体の傾きに基づいて免荷装置10の免荷量を制御することができる。そのためラットの脚部の自力動作が困難な場合であっても、転倒や歩行ベルト7からのはみ出しの心配をせずに、安全に歩行動作を行うことができる。

0059

(4)歩行動作制御装置の構成
歩行動作補助装置5は、ラットが脚の筋肉を動かす際に発生する生体電位信号を検出し、この検出された生体電位信号に基づいて駆動源21の駆動トルクを制御して動作伝達機構部20を介して当該ラットの歩行を補助(アシスト)する。

0060

動作伝達機構部20は、サーボモータからなる一対の駆動源21の出力軸とラットの足先にそれぞれ装着される専用靴12a,12bとを連結する多節リンク機構を有し、当該駆動源21の出力軸の回転運動を、ラットの足先の歩行パターンに合わせた擬似直線揺動運動に変換するようになされている。

0061

本発明においては、一対の駆動源21をそのままラットの脚部にそれぞれ取り付けることなく、動作伝達機構部20を間に介するとともに、そのラットの足先に装着された専用靴12a,12bにのみ動力を作用させるようにした。

0062

その理由は、ラットの脚部に適合させるサイズにて駆動源21であるサーボモータを設計実装するのは非常に困難であり、また、駆動源21の出力軸の回転運動を擬似直線運動に変換する必要があるためである。そして本発明を実現可能にした理由は、ラットの脚骨格に基づく歩容(タイミングに着目した脚移動の繰り返しパターン)がほぼ一定パターンの繰り返しであり、人間の下肢骨格に基づく歩容と比較して、非常に単純だからである。

0063

図4に示すように、ラットの脚部は、大腿骨下腿骨、足根骨からなり、骨盤大腿部との股関節可動範囲回転角度α)と、大腿部と下腿部との膝関節の可動範囲(回転角度β)と、下腿部と足根骨との足関節の可動範囲(回転角度γ)とが、歩容の際にはそれぞれ所定範囲でほぼ限定される。

0064

すなわちラットの歩容は、脚部の姿勢と運動形態がある程度決まったパターンで収まるため、人間のように股関節と膝関節の両方を駆動する必要がなくて済み、ラットの足先のみ歩行に合うパターンで揺動させれば、脚部全体を歩行動作につなげることが可能である。

0065

実際に一対の専用靴12a,12bは、動作伝達機構部20における動力伝達の作用端点(エンドエフェクト)として連結されるとともに、ラットの足先にそれぞれ装着し得るようになされている。また、これら専用靴12a,12bは、トレッドミル3を基準に、当該歩行ベルト7の表面に沿って擬似直線状に揺動運動するように動作伝達機構部20において位置合わせされている。

0066

さらに一対の専用靴12a,12bは、靴底に例えば歪みセンサストレインゲージ)のような重心センサ(図示せず)が設けられ、ラットの足の裏面に作用する荷重を測定し、測定された荷重変化により、重心位置の移動を検出する。

0067

動作伝達機構部20には、駆動源21の回転運動を擬似直線運動に変換する機構であり、例えば4節リンク機構を含む自由度1の多節リンク機構を備えている。

0068

一般的に4節リンク機構は、図5に示すように、ABCDの4節の少なくとも一つの節は固定されており、節AでリンクABが駆動源と連係していて回転運動するとした場合、リンク棒の長さにAB<BC<CD<ADの関係があり、かつリンク棒ABがθ1度回転することにより、リンク棒CDがθ2度回転したとすれば、θ1>θ2の関係が成り立つ。すなわち、小さな力で大きな物を動かす場合などに利用できる。

0069

本発明による多節リンク機構は、例えば、いわゆるチェビシェフの第1近似直線運動機構を有する自由度1の4節リンク機構を用いている。図6に示すように、点Aと点Dは固定され、点Bは点Aの周りを円回転できるものとする。さらにリンク棒BCの延長上の点Eとしたとき、以下の(1)式および(2)式の関係式が成り立っているとする。

0070

これら(1)式および(2)式の条件下で点Bが円運動すると、図6に示すように点Eの軌跡の一部分が近似直線になる。なお、図示しないが、駆動源21の回転運動を擬似直線運動に変換する他の機構としては、いわゆるテオ・ヤンセン機構のような複合4節リンク機構を適用するようにしても良い。

0071

ここで事前処理として、ラットの足先にマーカを取り付け、トレッドミル3上を歩行する当該ラットの動作を、カメラ撮影を用いたモーションキャプチャにより計測することにより、歩行動作に伴う足先の動きを解析する。そしてラットの足先の動作解析結果に基づいて、足先の2次元動作を可視化したリサージュ図形(直角2方向の単振動を組み合わせたときに描かれる図形)を演算しておく。

0072

動作伝達機構部20において、作用端点である一対の専用靴12a,12bが所望のリサージュ図形を描いて循環的に移動するように、4節リンク機構を含む多節リンク機構のリンク数や各リンクの長さ、各節の設定位置など自由度1を保つ範囲内で調節しておく。

0073

従って歩行動作補助装置5は、一対の駆動源21の出力軸をそれぞれ動作伝達機構部20を介して対応する専用靴12a,12bに連結させることにより、ラットの足先の軌跡に類似した軌道を描かせ、トレッドミル3上を歩行する動作を実現している。

0074

なお、本発明による多節リンク機構は、駆動源21の回転運動を擬似直線運動に変換するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、駆動源21の回転運動を真性直線運動に変換するようにしても良い。

0075

例えば、いわゆるポースリエ機構を有する自由度1の4節リンク機構を用いた場合について、図7に示す。この図7において、点Aと点Bは固定され、点Bを基準として点Cを揺動させるように駆動源21の回転運動を所定のクランク機構(図示せず)を介して伝達するものとする。さらに以下の(3)式〜(5)式の関係式が成り立っているものとする。

0076

これら(3)式〜(5)式の条件下で点Cが揺動運動すると、図7に示すように、点Eは、線分ABに垂直な方向に直線往復運動をする。なお、図示しないが、駆動源21の回転運動または揺動運動を真性な直線運動に変換する他の機構としては、いわゆるスコッチヨーク機構を適用するようにしても良い。

0077

このように動作伝達機構部20としては、駆動源21の回転運動の全部または一部を擬似直線運動または真性直線運動に変換する機構であれば、種々の機構のものを適用することができ、特に自由度1の多節リンク機構を含むのが構造設計上望ましい。

0078

(5)本発明による適用対象別の機能改善評価方法
(5−1)運動機能改善評価方法
本実施の形態においては、ラットの脊髄が損傷や断裂した場合(評価実験用に意図的に損傷や断裂をさせた場合)に、その損傷や断裂箇所の上位の中枢(脳)側にセンサ16を埋め込んでおき、トレッドミル3上で脊髄損傷があるラットを歩行させながら、脳からの指令に基づく生体信号(神経活動電位)を検出することで、歩行動作を補助(アシスト)する。

0079

本発明において生体電位信号とは、ラットの生体活動に起因する信号であり、神経活動電位信号に限定されず、ラットの身体から計測可能な信号であると共に時系列で変化する信号である。具体的には、生体電位信号は、例えば筋電位信号神経伝達信号、脳波、心電位、さらにモーションアーティアファクト(動作の影響)によって生じる電位等、生化学反応により生じる電位、心臓拍動によって生じる脈波等の振動等、生体の活動によって生じる信号等が含まれる。

0080

他の実施の形態として、ラットの脊髄の損傷や断裂箇所の上位側のみならず、下位側にも電位検出用のセンサ(電極)を埋め込んでおき、ラットが歩行動作をする際に、末梢系から中枢系へとフィードバックされる生体信号(例えば生体電位信号など)を検出してもよい。脳を含む中枢神経系と、脊髄、運動神経を通じて末梢系につながる神経回路とを通る生体電位信号等を、中枢系から末梢系に至る方向と、末梢系から中枢系に至る方向の両方で計測することができる。この結果、脳から発せられた信号が正しく末梢系に届いたか、また末梢系からの情報が正しく脳へフィードバックされているか、確認することができる。

0081

また他の実施の形態として、電位検出用のセンサ16が神経活動電位を検出する例について説明したが、かかる電位検出用のセンサ16に代えて、または一体として、生体組織に対して電気刺激を行うための電気刺激用のセンサを設けるようにしても良い。例えば、電位検出用のセンサは、上行して上位の中枢(脳)へ向かう経路(例えば脊髄上行路)において神経活動電位を検出する。電気刺激用のセンサは、上位の中枢から下行する経路(例えば脊髄下行路)にて電気刺激を行う。これにより、脊髄が断裂している場合でも、断裂部よりも末端側の部位を動かしたり、感覚を取得したりすることができる。上行路において検出した神経活動電位に基づいて生体組織に与える電気刺激を決定し、電気刺激用センサから電気刺激を行ってもよい。

0082

なお、センサ(生体信号検出部)に代えてまたは同一部位に設けられる生体刺激付与部として、電気刺激用センサを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、物理的な刺激をモデル動物に与えることができれば、電気的な刺激以外にも、振動による力学的刺激温度変化による熱的刺激磁気や超音波などの種々の物理的な刺激付与手段を広く適用することが可能である。

0083

さらに他の実施の形態として、ラットの所望の体内部位として、脊髄の損傷または断裂箇所を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ラットの脳神経の損傷や断裂箇所を体内部位として適用するようにしても良い。この場合、脳梗塞等による損傷や断裂箇所は、脳神経内の穴の領域や箇所となり、当該箇所を間に挟むように2つ以上のセンサ(図示)を埋め込むようにすれば良い。

0084

(5−2)生理機能改善評価方法
さらに本発明による機能改善評価装置1をラットの運動機能改善への適用のみならず、膀胱排泄障害のような生理機能改善に適用するようにしても良い。

0085

膀胱は、筋肉組織からなる袋であり、膀胱排尿筋尿道括約筋に対する複雑な神経系統のコントロールによって蓄尿および排尿を調節しているが、脊髄損傷が起きると損傷部位の高さにかかわらず、膀胱排尿筋や尿道括約筋の緊張または弛緩バランス崩れ排尿障害を伴うことが知られている。

0086

このためラットの膀胱にカテーテル(図示せず)を挿入しておき、ラットを歩行動作させながら、所望の体内部位(脊髄、脳神経など)から検出される生体信号に基づいて、歩行動作を補助(アシスト)すると同時に、膀胱排泄障害の機能改善をモニタリングする。

0087

この場合、まずカテーテルを、ラットの排尿口から尿道を経て、膀胱までの間に挿入された状態で体内に留置しておく。続いて、このカテーテルを介して膀胱に注水するか、または自己産生尿によって自然蓄尿させる。次いで、膀胱に蓄積した液体を排出させることで蓄尿期から排出期への排尿現象再現する。

0088

この際に、膀胱および尿道の両方または一方の活動を詳細にモニタリングすることによって排尿機能を評価し、評価結果に基づいて、排尿障害の診断・病態解析を行う。このような排尿機能検査の具体例としては、尿流測定、残尿測定、膀胱内圧測定尿道内圧測定、内圧尿流検査、外括約筋筋電図、膀胱・尿道造影などが挙げられる。

0089

実際のモニタリング手法としては、排尿機能検査の手法に応じた監視測定部(図示せず)を制御装置17(図3)内に設ければよい。また排尿機能の評価は、機能改善評価装置1の制御装置17が送受信部13を介して監視測定部の測定データ送信し、上述した外部機器25(図3)において行うようにしても良い。

0090

なおこの実施例の場合も上述のように生体信号検出用のセンサに代えてまたは同一位置に電気刺激用センサを設けておき、生体信号に基づいて膀胱に与える電気刺激を決定し、電気刺激センサから電気刺激を行っても良い。

0091

(5−3)神経伝達機能改善評価方法(神経細胞培養方法)
(本実施の形態の例)
まず前提としての本実施形態の神経細胞の培養条件について説明する。本実施形態において、神経細胞の培養条件は、使用する神経細胞に対応する公知の培養条件の中から、当業者が適宜適切な条件を選択することができる。なお、本実施形態における神経細胞の培養方法は、評価対象となるラット自身の神経細胞培養に限定されることなく、他のラットやその他種々の哺乳類(人間を含む)の神経細胞培養に広く適用することが可能である。

0092

使用する培地としては、特に限定されず、神経細胞の培養に使用される公知の培養用培地を使用することができる。また、培地は、胎児ウシ血清(FBS)、新生仔ウシ血清ウマ血清等の血清を含んでいても良い。

0093

細胞の培養における、インキュベータとしては、培地中の二酸化炭素(CO2)濃度を所定の値に維持するために、神経細胞における一般的な細胞培養に使用するものと同様のCO2インキュベータを使用することができる。一般的には、CO2濃度が5%〜10%、温度が28℃〜37℃、相対湿度80%程度の培養条件で培養される。また、培地中の酸素(O2)濃度を所定の値に維持するために、O2インキュベータを使用しても良い。

0094

また、神経細胞の培養において、神経細胞から分泌される神経成長因子(以下、Neuro Growth Factor:NGFと呼ぶことがある)を培地中に添加することが好ましい。神経細胞は、神経細胞培養基材上に播種され、CO2インキュベータ内で所定期間静置されることで培養される。神経細胞の定着後は、所定の期間毎に培地を交換しても良い。交換培地としては、血清培地でも良いし、無血清培地でも良いし、サイトカイン等を添加した添加培地でも良い。培養基材としては、特に制限はなく、例えばシャーレ等のプラスチック培養器皿又は時計皿等の従来の培養基材を使用することができる。

0095

図8に、本実施形態に係る神経細胞の培養方法を説明するための概略図を示す。培養基材30上にナノファイバ31と、神経細胞32とが配置される。この際、神経細胞32は、ナノファイバ31の入口付近または内部に配置される。この状態で、神経細胞32を培養することで、神経細胞32の神経突起は、ナノファイバ31の伸長方向(軸方向)に沿って成長する。

0096

すなわち、ナノファイバ31の伸長方向を制御することにより、神経細胞32を所望の方向に伸長させることができる。この際、ナノファイバ31は、神経突起33の成長をガイドするガイド部材としての役割を果たす。

0097

ナノファイバ31の数は図8には1本であるが、本発明はこれに限定せず、2本以上配置するようにしても良い。またナノファイバ31の径としては、特に制限はなく、通常の市販のナノファイバを使用することができる。

0098

ナノファイバ31の材料としては、生体親和性を有していれば、特に制限はなく、無機材料有機材料および/または無機有機複合材料のナノファイバを使用することができる。無機材料としては、例えば、カーボンナノファイバ等の材料を使用することができる。また、有機材料としては、例えば、セルロース系または合成高分子系のナノファイバを使用することができる。

0099

このような神経細胞の培養方法では、上述した培養条件において、約3mm/日のオーダで神経細胞32がナノファイバ31の伸長方向に沿って成長することが確認されている。

0100

ナノファイバ31および神経細胞32は、神経細胞損傷箇所に適用して損傷箇所修復する移植用モジュール34として使用することができる。

0101

図9に本実施形態に係る培養方法によって培養された神経細胞を、神経細胞損傷箇所に適用する方法の一例を説明するための概略図を示す。

0102

本実施形態においては、例えば、損傷箇所35を有する脊髄36に、移植用モジュール34を適用する実施形態について説明するが、本発明はこの点において限定されない。損傷箇所35は、神経細胞32が損傷または断絶した領域、箇所を意味する。この損傷箇所35に、好ましくは複数整列されたナノファイバ31および培養した神経細胞32を含む移植用モジュール34を移植する。

0103

神経細胞32は、損傷箇所35の損傷長さに応じて、前述した培養方法によって所定の長さに培養したものを使用することが好ましい。なお、ナノファイバ31は、生体親和性を有する材料で形成されている。そのため、ナノファイバ31および神経細胞32を含む移植用モジュール34を、直接、損傷箇所35に移植することが可能である。

0104

この際、移植用モジュール34を損傷箇所35に支持する支持部材(図示せず)を配置しても良い。支持部材としては、生体親和性を有するとともに、ナノファイバ31および神経細胞32を損傷箇所35に保持することができれば、特に限定されない。

0105

ナノファイバ31によって移植される神経細胞32は、所定の方向に成長しやすい状態になっており、または所定の方向に成長している。この移植用モジュール34を移植することにより、脊髄36における損傷箇所35を介して対向する2つの端面36a,36bに位置される図示しない神経細胞同士が、移植された神経細胞32を介して接続される可能性を高くすることができる。すなわち損傷箇所35の修復を容易に実現することができる。

0106

移植用モジュール34は、1または2つ以上の電極を有することが好ましい。電極を移植箇所、すなわち損傷箇所35に、好ましくは複数の電極を損傷箇所35の中心に対して放射状に配置する。そして、神経活動電位の変化を測定することにより、神経細胞がどのように細胞活動しているかを調べることができる。さらにこの場合、損傷箇所35に対応する筋肉表面に、皮下埋め込み型電極を配置することが好ましい。損傷箇所35に配置した電極の生体電位と、損傷箇所35に対応する筋肉表面に配置した皮下埋め込み型電極の生体電位との比較から、神経伝達信号の伝達具体、すなわち損傷箇所の修復度合いを推定することができる。また、これらの電極に、例えば矩形波電流等の電気刺激を入力しても良い。

0107

また、電極に、例えば矩形波電流等の電気刺激を入力しても良い、外部からの電気刺激に対して反射した活動電位を計測することにより、神経細胞の細胞活動をさらに詳細にモニタすることができる。さらにモニタリングした活動電位と細胞活動との関係から、電気刺激の刺激頻度を制御することにより、神経細胞の伸長の指向性を制御することも可能である。

0108

例えば、矩形波電流によって電気刺激を入力する場合の電流強度パルス持続時間および波形の傾きは、神経線維を興奮させることもできれば、特に限定されない。また、通電方式は、単極通電法であっても、双極通電法であっても良い。

0109

移植用モジュール34を移植した後は、パイプ等の流路を介して、移植用モジュール34に、NGF、O2またはCO2等を含む培地を、ポンプ等を用いて供給することが好ましい。これにより、移植用モジュール34は、前述した培養条件と同様の、細胞が生物体の中で生存可能な環境と近い条件で培養される。そのため、神経細胞32の成長がさらに促進されるため、より高い確率で損傷箇所35を修復することができる。

0110

移植用モジュール34および後述する移植用モジュール40〜42(図13図15)は、冷凍保存によるストックが可能である。この場合、必要なときに移植用モジュールを解凍して使用することができる。

0111

以上、本実施形態に係る神経細胞の培養方法では、神経細胞のガイド部材として、ナノファイバ31を使用する。神経細胞32はナノファイバ31の伸長方向に沿って成長するため、所望の伸長方向にナノファイバ31を配置することで、所望の方向に神経細胞32を成長させることができる。

0112

実際に神経細胞を、ガイド部材によって、所定の方向に伸長させることが可能であることを実証した実施例について、説明する。

0113

本実施形態では、モデル細胞として、PC−12細胞を使用した。ラット副腎髄質クロム親和性細胞腫から樹立された細胞株であるPC−12細胞は、NGFを作用させることにより、神経突起を伸長して、交換神経細胞様に分化することが知られている。

0114

PC−12細胞を、BD PuraMatrixペプチドハイドロゲル(株式会社スリー・ディー・マトリックス製)に接着し、全培養条件で突起を伸長させた。なお、細胞密度は、8×104cells/mlとし、NGFを添加後、8日間全培養条件で培養した。

0115

図10に、本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真の一例を示す。図10に示されるように、PC−12細胞は、主として、
パターン1(P1):ゲルの端部に向かってまたはゲルの端部に沿って伸長する:
パターン2(P2):ゲルの凹凸並行に伸長する:
パターン3(P3):他の細胞に向かって伸長する:および
パターン4(P4):放射状に伸長する:
4つのパターンで神経突起が伸長していることがわかる。

0116

この4つのパターンをより詳細に説明するために、図11(a)に、本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真と、図11(b)に、蛍光顕微鏡写真の他の例を示す。また、図12(a)に、本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真と、図12(b)に蛍光顕微鏡写真の他の例を示す。

0117

図11(a)および図11(b)の写真からも、PC−12細胞は、放射状に、かつ、他の細胞に向かって伸長していることが観察された。また図12(a)および図12(b)の写真から、ゲルの端部に向かってまたはゲルの端部に沿って、ゲルの凹凸に並行に伸長していることが観察された。

0118

以上の結果から、PC−12細胞の伸長方向は、配置された足場や、ゲルの凹凸、細胞の凝集等に影響されることがわかった。すなわち規則的または不規則的な所定の方向性を有するガイド部材を使用することで、神経細胞の伸長方向を、所定の方向に制御することがわかった。

0119

以上、本実施形態に係る神経細胞の培養方法は、神経細胞を所望の方向性を有して伸長させることができる。また、この神経細胞およびガイド部材を有する移植用モジュールは、所望の方向性に神経細胞を伸長させることができるため、神経細胞の損傷を有する箇所に、汎用的に適用することができる。

0120

(第1変形例)
本実施の形態の第1変形例として、一般的なナノファイバ31(図8)に代えて、図13に示すように、長手方向に沿って内部空間が形成された中空ナノファイバ50を適用しても、上述と同様の効果を得ることができる。この場合、1つの中空ナノファイバ50には、1つの神経細胞32が配置されても良いし、2つ以上の神経細胞32が配置されていても良い。また、中空ナノファイバ50の直径は、神経細胞32を内部に配置することができれば特に限定されないが、10μm〜100μmとすることが好ましい。

0121

(第2変形例)
また本実施の形態の第2変形例として、図14に示すように、培養基材30上に、外表面から内表面へと連通する微小ホール51を有する中空ナノファイバ50と、神経細胞32を配置するようにしても良い。この中空ナノファイバ50は微小なホール51を複数有するため、成長の過程で中空ナノファイバ50の内表面に到達した神経突起33は、各ホール51を介して中空ナノファイバ50の外表面へと出る。外表面に出た神経突起33は、この外表面に沿って、すなわち中空ナノファイバ50の伸長方向に沿って、さらに成長する。ホール51の径としては、神経突起33が通過することができれば、特に制限されない。

0122

(第3変形例)
さらに本実施の形態の第3変形例として、図15に示すように、培養基材30上に、状(クラウド状)に形成されたナノファイバ52と、神経細胞32とを配置するようにしても良い。ここで、クラウド状に形成されたナノファイバ52とは、1つまたは2つ以上のナノファイバが、規則的または不規則的に伸長することによって形成されたナノファイバまたはナノファイバ群のことを指す。

0123

クラウド状に形成されたナノファイバ52を利用することで、神経細胞32の神経突起33を、規則的または不規則的に伸長するナノファイバの伸長方向に対応して成長させることができる。すなわちクラウド状に形成されたナノファイバ52は、神経突起33の成長を単一方向の場合と比較して自由度を有して所定の方向性に成長させるガイド部材としての役割を果たす。ナノファイバ52の材料としては、上述した中空ナノファイバ50と同様に生体親和性を有する無機およびまたは有機材料を使用することができる。

0124

クラウド状に形成されたナノファイバ52及び神経細胞32は、第1及び第2変形例と同様に、神経細胞損傷箇所に適用して損傷箇所を修復する移植用モジュール42として使用することができる。

0125

図16(a)に第3変形例に係る培養方法によって培養された神経細胞32を、神経細胞損傷箇所に適用する方法の他の例を説明するための概略図を示す。また、図16(b)に、第3変形例に係るクラウド状に形成されたナノファイバ52を含む移植用モジュール42の一例の光学顕微鏡写真を示す。

0126

損傷箇所60を有する脳神経61に、培養された神経細胞32を適用する場合において、当該損傷箇所60は、図16に示されるように、脳梗塞等によって形成された脳神経内の穴の領域、箇所を意味する。この損傷箇所60に、クラウド状に形成されたナノファイバ52および培養した神経細胞32を含む移植用モジュール42を移植する。なお、ナノファイバ52の大きさ、形状は、損傷箇所60の大きさ、形状等に合わせて予め設定しておく。

0127

このような移植用モジュール42としては、神経細胞32の神経突起33が、例えば移植用モジュール42の略表面にまで成長したものを使用することが望ましい。移植用モジュール42を損傷箇所60に移植する場合、移植用モジュール42を損傷箇所60に支持する図示しない支持部材を配置しても良い。

0128

移植用モジュール42における神経細胞32は、この移植用モジュール42の略表面にまで成長している。この移植用モジュール42を移植することにより、脳細胞における損傷箇所60に面する縁部62に位置する神経細胞と接続される可能性を高くすることができる。すなわち、損傷箇所60の修復を、容易に実現することができる。

0129

移植用モジュール42を移植した後は、図示しないパイプ等の流路を介して、NGF、O2またはCO2等を含む培地を供給することが好ましい。これにより、移植用モジュール42は、前述した培養条件と同様の、細胞が生物体の中で生存可能な環境と近い条件で培養される。そのため、神経細胞32の成長がさらに促進されるため、より高い確率で損傷箇所60を修復することができる。

0130

移植用モジュール42は、前述の移植用モジュール40、41と同様に、1または2つ以上の電極を有することが好ましい。電極を移植箇所、すなわち損傷箇所60に、好ましくは複数の電極を損傷箇所60の中心に対して放射状に配置する。そして、神経活動電位の変化を測定することにより、神経細胞32がどのように細胞活動しているかを調べることができる。さらにこの場合においても、損傷箇所60に対応する筋肉表面に、皮下埋め込み型電極を配置することが好ましい。損傷箇所60に配置した電極の生体電位と、損傷箇所60に対応する筋肉表面に配置した皮下埋め込み型電極の生体電位との比較から、神経伝達信号の伝達具合、つまりは損傷箇所60の修復度合いを推定することができる。また、これらの電極に、例えば矩形波電流等の電気刺激を入力しても良い。

0131

以上、本実施形態に係る神経細胞の培養方法では、神経細胞32のガイド部材として、クラウド状に形成されたナノファイバ52を使用する。神経細胞32はクラウド状に形成されたナノファイバ52の伸長方向に対応して成長するため、所定の方向性を有しながらも、高い自由度を有して神経細胞32を成長させることができる。

0132

(6)他の実施の形態による機能改善評価装置
(6−1)モデル動物としての霊長類への拡張適用
上述の実施の形態においては、モデル動物としてラット等の四足歩行の哺乳動物を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、人間以外のサルなどの霊長類にも幅広く適用するようにしても良い。

0133

例えばサルは人間と同じ霊長類であるが、前肢握り拳の状態にして地面を突く「ナックルウォーキング」と呼ばれる四足歩行をすることから、直立二足歩行をする人間とは大きく異なる。サルは、人間のように頭部が身体上の重心線上に位置しておらず、かつ、人間とは頚椎頭蓋骨の接続の角度が大きく異なっている。またサルは脊柱が真っ直ぐであるのに対して、人間は脊柱がS字状の形をなし、下部に行くに従って太く夫な作りになっている。

0134

このようにサルは哺乳動物の霊長類として人間と共通するものの、身体サイズ及び脊柱の力学的負荷に対する機能も異なるため、人間向けの生体電位信号に基づく支援システムを単純に改良しただけでは適用困難であり、モデル動物として適用することが望ましい。

0135

モデル動物としてサルを適用する場合は、ラット等の小型哺乳類と同様に体内にセンサを埋設させるのみならず、サルの皮膚表面に非侵襲でセンサを取り付けるようにしても良い。

0136

なお、サルの皮膚表面に取り付けるセンサ(生体信号検出部)は、ラット等の小型哺乳類と同様に、所望の体内部位(例えば、脊髄損傷部位神経断裂部位など)よりも上位の中枢側および下位の末梢側のいずれか一方または両方に取り付けられ、当該サルの生体活動に起因する生体信号(筋電位信号や神経伝達信号などの生体電位信号)を検出する。

0137

このセンサは、当該センサの周囲を覆う粘着シールによりサルの関節まわり(関節を動かす際に作用する筋肉の周辺)の皮膚表面に貼着するように取り付けられる。

0138

サルにおいても人間と同様に、脳からの指令によって骨格筋を形成する筋肉の表面にシナプス伝達物質アセチルコリンが放出される結果、筋線維膜イオン透過性が変化して活動電位が発生する。そして活動電位によって筋線維の収縮が発生し、筋力を発生させる。このため、骨格筋の電位を検出することにより、動作の際に生じる筋力を推測することが可能となり、この推測された筋力に基づく仮想トルクから動作に必要なアシスト力を求めることが可能となる。

0139

このようにサルの歩行動作のアシストを介在させることによって、人工的に神経系ループを構築し、脳・神経系(中枢系)と筋骨格系(末梢系・身体)との間で体内・体外を通じたインタラクティブなバイオフィードバックが促されることにより機能改善を促進する技術を構築することが可能となる。

0140

この実施形態の場合も、センサ(生体信号検出部)が神経活動電位を検出するのみならず、センサから生体組織に対して電気刺激を行ってもよい。すなわち、歩行動作補助装置は、神経活動電位を検出するセンサと、生体組織に対して電気刺激を行うセンサとを備えていてもよい。例えば、電位検出用のセンサは、上行して上位の中枢(例えば脳)へ向かう経路(例えば脊髄上行路)において神経活動電位を検出する。電気刺激用のセンサ(生体刺激付与部)は、上位の中枢から下行する経路(例えば脊髄下行路)にて電気刺激を行う。これにより、脊髄が断裂している場合でも、断裂部よりも末端側の部位を動かしたり、感覚を取得したりすることができる。上行路において検出した神経活動電位に基づいて生体組織に与える電気刺激を決定し、刺激用センサから電気刺激を行ってもよい。

0141

さらにセンサ(生体信号検出部)は、サルの皮膚表面に複数貼着させるのみならず、サルの脚の筋肉の流れに沿うように等間隔に配列されたセンサ群を備えたプラグスーツ(例えば特開2013-179966号公報参照)を装着するようにしても良い。

0142

なお、センサ(生体信号検出部)に代えてまたは同一部位に設けられる生体刺激付与部として、電気刺激用センサを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、物理的な刺激をモデル動物に与えることができれば、電気的な刺激以外にも、振動による力学的刺激や温度変化による熱的刺激、磁気や超音波などの種々の物理的な刺激付与手段を広く適用することが可能である。

0143

(6−2)他の実施の形態による機能改善装置の全体構成
図17は、他の実施の形態にかかるサルの機能改善評価装置100の外観斜視図である。機能改善評価装置100は、基台101上にトレッドミル102が設置され、当該トレッドミル102の下側に制御ユニット120(図19)が内蔵されている。

0144

制御ユニット120は、サルの歩行動作を補助するための装着式動作補助装置110と通信ケーブル103を介して導通接続されている。この制御ユニット120は、後述する制御装置131(図19)及び電源回路を有し、装着式動作補助装置110との間で信号の送受信や電源供給を行うとともに、サルに取り付けられたセンサ122(図19)からの生体電位信号を検出するようになされている。

0145

装着式動作補助装置110は、歩行動作に起因する生体信号(例えば、表面筋電位等のサルの身体から出る信号等)を用いてサルの意思に従った動力を発生させるとともに、当該サルの各動作パターン一連フェイズ最小動作単位)からなるタスクとして分類し、サルの下肢関節回転角や床反力等の物理量を用いてサルのタスクのフェイズを推定し、このフェイズに応じた動力を発生させる。

0146

装着式動作補助装置110は、サルの腰部及び下肢骨格に沿うように形成された複数のフレーム104a〜104dが、サルの各関節に対応する位置で回動自在に連結されており、所定の関節に対応する位置(補助を必要とする関節に対応する位置)に駆動源123(図19)が設けられている。

0147

すなわち装着式動作補助装置110は、サルのに装着される腰フレーム105と、腰フレーム105の右側部から下方に設けられた右脚補助部106Rと、腰フレーム105の左側部から下方に設けられた左脚補助部106Lとからなる動作伝達機構部107を有する。

0148

図18に示すように、右脚補助部106R及び左脚補助部106Lは、互いに対称に配置されており、腰フレーム105より下方に延在し、サルの外側に沿うように形成された第1フレーム108Ra、108Laと、当該第1フレーム108Ra、108Laより下方に延在し、サルの外側に沿うように形成された第2フレーム108Rb、108Lbと、サルの足先に装着するが載置される第3フレーム108Rc、108Lcとを有する。

0149

このうち腰フレーム105及び第1フレーム108Ra、108Laの連結部位と、第1フレーム108Ra、108La及び第2フレーム108Rb、108Lbの連結部位とにそれぞれ対応して駆動源123に相当するアクチュエータ駆動モータ)が設けられている。これらの駆動モータは、制御ユニット120からの制御信号により駆動トルクを制御されるサーボモータからなる駆動源であり、モータ回転を所定の減速比減速する減速機構を有しており、小型ではあるが十分な駆動力を付与することができる。

0150

さらに各駆動モータ(123)は、上述のフレーム105、108R、108L同士の連結部位の回転角度(すなわち関節角度)を検出する角度センサ(図示せず)をそれぞれ有する。角度センサは、例えば関節角度に比例したパルス数をカウントするロータリエンコーダ等からなり、関節角度に応じたパルス数に対応した電気信号をセンサ出力として出力する。各角度センサは、サルの股関節の関節角度に相当する腰フレーム105と第1フレーム108Ra、108Laとの間の回動角度や、サルの膝関節の関節角度に相当する第1フレーム108Ra、108Laの下端と第2フレーム108Rb、108Lbとの間の回動角度を検出する。

0151

なお、上述のフレーム105、108R、108L同士の連結部位は、サルの股関節、膝関節の回動可能な角度範囲でのみ回動される構成からなり、サルの股関節、膝関節に無理な動きを与えないようにストッパ機構(図示せず)が内蔵されている。

0152

さらに一対の専用靴109a、109bは、靴底に例えば歪みセンサ(ストレインゲージ)のような重心センサ(図示せず)が設けられ、サルの足の裏面に作用する荷重を測定し、測定された荷重変化により、重心位置の移動を検出する。

0153

また、装着式動作補助装置110は、サルの背中に装着される駆動バック111を有し、例えばモータドライバ及び表示装置等の機器収納される。また、駆動バック111は、制御ユニット120(図19)が通信ケーブル103を介して外部接続する際に接続される部分である。なお、駆動バック111は動作伝達機構部107の腰フレーム105に支持され、腰ベルト112(図18)にてサルの胴体を保持した際でも、駆動バック111の重量がサルの負担にならないようになされている。

0154

このように装着式動作補助装置110が関節角度検出部132(図19)から送られる生体信号を駆動バック111を介して制御ユニット120に送出すると、制御ユニット120は、取得した生体信号に基づいて、装着式動作補助装置110を含む機能改善評価装置100全体における各モータドライバや電源回路等の機器の動作を制御する。

0155

トレッドミル102(図17)は、ローラ113a、113bの回転により循環するように移動する歩行ベルト114を有する。歩行ベルト114は水平に設置されている。モータ102a(図19)は伝達機構を介してローラ113a、113bを回転させることができる。ローラ113a、113bの回転速度を変化させることにより、歩行ベルトの循環速度を変えることができる。また歩行ベルト114は、坂のように前後方向に傾斜させることができ、坂を急勾配にして歩行運動の負荷を大きくする一方、水平に近づけるほど負荷を小さく調整することができる。

0156

また基台101の上面の四隅にそれぞれ支柱104a〜104dが植立され、これら支柱104a〜104dの上端には装置全体として略直方体の枠体を構成するように支持フレーム115が連結されている。そして支持フレーム115には、免荷装置116が橋架されており、トレッドミル102の歩行ベルト114と平行方向に沿って自由にスライド移動し得るようになされている。

0157

また支持フレーム115には、サルが両手把持するための把持部117が橋架されており、トレッドミル102の歩行ベルト114と平行方向に沿って自由にスライド移動し得るとともに、鉛直方向に自由に高さ調整し得るようになされている。

0158

免荷装置116は、装着式動作補助装置110と導通接続されたサーボモータ116a(図19)を有し、例えば吊り上げ用のハーネス116b、116cの一端と連結されている。このハーネス116b、116cの他端には、動作伝達機構部107の腰フレーム105の左右部位が接続されている。

0159

サーボモータ116a(図19)がどの程度ハーネス116b、116cを持ち上げるかによって、サルの足にかかる荷重の免荷量が決定される。ハーネス116b、116cの持ち上げ量が大きいほど、免荷量が大きくなり、サルの足にかかる荷重が小さくなる。

0160

また機能改善評価装置100には、トレッドミル102内のモータ102aによるローラ113a、113bの回転速度や、免荷装置116による免荷量を調節できる入力部118(図19)が設けられている。この入力部118により、外部操作者は歩行ベルト114の速度や、一対の専用靴109a、109bにかかる荷重を調節することができる。例えば、入力部118を用いて、歩行ベルト114の速度をサルの歩行速度と同程度に設定することができる。

0161

このような構成の機能改善評価装置100にサルをセッティングする場合を図18に示す。まずサルの下肢に装着式動作補助装置110を装着するとともに、サルの一対の足先にそれぞれ専用靴109a、109bを装着する。続いてサルの胴体を腰ベルト112にて保持しながら、サルの腰に相当する腰フレーム105の左右部位をそれぞれハーネス116b、116cに繋いで免荷装置116と接続する。

0162

免荷装置116により一対の専用靴109a、109bがトレッドミル102の歩行ベルト114にかかる荷重を調整しながら、サルの両手を把持部117に捕まらせる。

0163

この状態において、サルの前方の視野内に映像モニタや嗜好物(興味を引く物や、好物の食べ物など)などを配置しておき、トレッドミル102の歩行ベルト114を最適な速度で走行移動させると、サルは自ら歩行動作を開始して、一対の後脚の足先を装着した専用靴109a、109bにてトレッドミル102の歩行ベルト114上を一歩ずつ踏み出す。

0164

そして機能改善評価装置100は、サルが筋肉を動かす際に発生する生体電位信号を検出し、この検出された生体電位信号に基づいて駆動源123(図19)による駆動トルクを制御して一対の専用靴109a、109bを伝達してアシスト力(動力)をサルの各脚部に付与する。

0165

(6−3)機能改善装置の制御系統の構成
図19に他の実施形態に係る機能改善評価装置100の制御系統の構成を示すブロック図を示す。機能改善評価装置100は、装着式動作補助装置110、免荷装置116、トレッドミル102、送受信部121を備える。

0166

制御ユニット120において、生体信号検出部130は、装着式動作補助装置110を装着したサルの皮膚表面に取り付けられたセンサから当該サルが関節まわりの筋肉を動かすときに発生する生体電位信号を検出する。例えば、サルの脊髄が断裂または損傷しており、脚部まで神経が十分につながっていない場合、断裂部または損傷部より上位側(脳に近い側)にセンサを埋め込み、神経線維から神経活動電位を検出する。

0167

生体信号検出部130は、センサ122により検出された生体電位信号を制御装置131へ送信する。関節角度検出部132は、サルの動作に応じた各フレーム間の連結部位の回転角度を、当該サルの脚部における腿関節及び膝関節の関節角度として検出し、制御装置131へ出力する。関節角度検出部132には角度センサ(図示せず)が用いられる。

0168

重心位置検出部133は、一対の専用靴109a、109bに取り付けられた重心センサ(図示せず)からサルの動作に応じた重心位置を検出し、制御装置131へ出力する。制御装置131は、随意制御部131a、自律制御部131b、データ格納部131cおよび指令信号合成部131dを有する。随意制御部131aは、生体信号検出部130により検出された生体電位信号を用いて、サルの意思に従った動力を装着式動作補助装置110におけるサーボモータからなる駆動源123に発生させるための随意指令信号を生成する。

0169

データ格納部131cは、サルの歩行動作のタスクと、当該タスクに応じてサルの動きをアシストするためのアシストパラメータとを基準パラメータデータベースに格納する。またデータ格納部131cは、生体信号検出部130により検出された生体電位信号を一時的に格納する。

0170

サルが両方の前腕固定部位に把持した状態における一般的な歩行動作を分析すると、各関節の角度や重心の移動等の典型的な動作パターンが決まっていることが分かる。そこで、サルの歩行動作に関して、典型的な関節角度の変位や重心移動の状態等を経験的に求め、それらを基準パラメータデータベースに格納しておく。またサルは体の大きさや、筋力の状態などにより、また、歩行速度などによって、異なる歩行パターンを有している。対象となるサルの障害度合いや、リハビリの進み具合によって、適した動作パターンは異なる。このため同じタスクでも対応するアシストパターンも異なる。

0171

自律制御部131bは、関節角度検出部132により検出された関節角度および重心位置検出部133により検出された重心位置等のサルの動作の状態を表すパラメータと、データ格納部131cに格納された基準パラメータとを比較して、サルの動作のタスクを特定した後、当該タスクに対応する最適なアシストパターンを選択し、このアシストパターンに応じた動力を駆動源123に発生させるための自律指令信号を生成する。

0172

指令信号合成部131dは、随意制御部131aにより生成された随意指令信号と、自律制御部131bにより生成された自律指令信号とを合成し、合成指令信号を駆動信号生成部134へ出力する。指令信号合成部131dは、動作の開始から終了まで変化する随意的制御による動力と、自律的制御による動力とを合成した動力を駆動源123に発生させる波形を有する。

0173

駆動信号生成部134は、合成指令信号に応じた駆動信号(駆動電流)を生成し、装着式動作補助装置110における駆動源123に供給することにより、駆動源123を駆動する。駆動源123は、動作伝達機構部107を介して駆動信号に応じたアシスト力(動力)をサルの各脚部に付与する。

0174

送受信部121は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)シリアル通信などの短距離無線通信技術により送受信可能な通信機である。この送受信部121は、制御装置131の制御の下、データ格納部131cに格納している基準パラメータと、関節角度検出部132により検出された関節角度および重心位置検出部133により検出された重心位置等のサルの動作の状態を表すパラメータと、生体信号検出部130から検出された生体電位信号とを、所定の通信方式に変調してアンテナを介して外部機器25に送出する。

0175

外部機器25は、例えば、診断用のコンピュータであり、心電図や脳電図を作成してディスプレイ部26に表示するとともに、機能改善評価装置100から送信される各種データを送受信部27において受信し、データベース28に格納する。これにより外部機器25は、サルの運動状態や生理状態を常時モニタリングするのみならず、データベース28に蓄積をしながら時系列的に管理することができる。

0176

このように機能改善評価装置100では、免荷装置116によりサルを吊り下げて姿勢を安定化させつつ、装着式動作補助装置110によりサルに対してアシスト力を付与し歩行動作を補助する。制御ユニット120内の制御装置131は、サルの歩行速度に基づいてトレッドミル102の歩行ベルト114の速度を制御するとともに、サルの重心位置や体の傾きに基づいて免荷装置116の免荷量を制御することができる。そのためサルの脚部の自力動作が困難な場合であっても、転倒や歩行ベルト114からのはみ出しの心配をせずに、安全に歩行動作を行うことができる。

0177

(6−4)変形例
なお、かかる実施形態においては、装着式動作補助装置110の動作伝達機構部107は、人間に適用する外骨格型の動作補助装置(例えば特開2005-95561号公報参照)とほぼ同等の構成からなるものを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、腰フレーム105及び第1フレーム108Ra、108Laの連結部位と、第1フレーム108Ra、108La及び第2フレーム108Rb、108Lbの連結部位とにそれぞれ駆動源を設けることなく、右脚補助部106R及び左脚補助部106Lをそれぞれワイヤ(図示せず)の緊張又は弛緩による切替え駆動(すなわち腱駆動)により歩行動作させるようにしてもよい。

0178

この変形例による動作伝達機構部では、右脚補助部106R及び左脚補助部106Lにおいて、腰フレーム105に左右一対巻取り部(図示せず)を設けるとともに、腰フレーム105及び第1フレーム108Ra、108Laの連結部位と、第1フレーム108Ra、108La及び第2フレーム108Rb、108Lbの連結部位とに回動中心となるプーリ滑り機構)をそれぞれ設けておく。

0179

巻取り部は、制御ユニット120からの制御信号により駆動トルクを制御されるサーボモータからなる駆動モータを有し、ワイヤの一端が固定され、当該ワイヤを巻き取ることにより又は巻き戻すことにより、ワイヤの張力を調整する。巻取り部から引き出されたワイヤは、腰フレーム105及び第1フレーム108Ra、108Laの連結部位のプーリと、第1フレーム108Ra、108La及び第2フレーム108Rb、108Lbの連結部位のプーリとに掛合巻付け)されるとともに、他端が第3フレーム108Rc、108Lcに固定される。

0180

動力伝達機構部は、サルの脚骨格に基づく歩容(タイミングに着目した脚移動の繰り返しパターン)がほぼ一定となるように、サルの腿関節及び膝関節の可動範囲に対応させて各フレーム同士の連結部位の回動範囲を制限するように設計されている。

0181

このように変形例としての装着式動作補助装置110の動作伝達機構部は、腰フレーム105に取り付けられた左右一対の巻取り部の駆動モータを駆動させてワイヤの張力調整を行うことにより、右脚補助部106R及び左脚補助部106Lの歩行動作につなげることが可能となる。

0182

(6−5)適用対象別の機能改善評価方法
(6−5−1)運動機能改善評価方法
この実施の形態においては、サルの脊髄が損傷や断裂した場合(評価実験用に意図的に損傷や断裂をさせた場合)に、その損傷や断裂箇所の上位の中枢(脳)側にセンサを埋め込んでおき、トレッドミル102上で脊髄損傷があるサルを歩行させながら、脳からの指令に基づく生体信号(神経活動電位)を検出することで、歩行動作を補助(アシスト)する。

0183

この実施の形態においても、サルの脊髄の損傷や断裂箇所の上位側のみならず、下位側にも電位検出用センサ(電極)を埋め込んでおき、サルが歩行動作をする際に、末梢系から中枢系へとフィードバックされる生体信号(例えば生体電位信号など)を検出してもよい。また電位検出用のセンサに代えて、または一体として、生体組織に対して電気刺激等の物理的な刺激を付与するためのセンサを設けるようにしても良い。

0184

(6−5−2)生理機能改善評価方法
さらにこの実施の形態による機能改善評価装置100をサルの運動機能改善への適用のみならず、膀胱排泄障害のような生理機能改善に適用するようにしても良い。この実施形態においても、上述した本実施の形態におけるラットの場合と同様に、サルの膀胱にカテーテルを挿入しておき、サルを歩行動作させながら、所望の体内部位(脊髄、脳神経など)から検出される生体信号に基づいて、歩行動作を補助(アシスト)すると同時に、膀胱排泄障害の機能改善をモニタリングすれば良い。

0185

1、100……機能改善評価装置、2、101……基台、3、102……トレッドミル、4……球状転動部、5……歩行動作補助装置、7、114……歩行ベルト、10、116……免荷装置、11、118……入力部、12a、12b、109a、109b……専用靴、15、130……生体信号検出部、16、122……センサ、17、131……制御装置、18、132……関節角度検出部、19、133……重心位置検出部、20、107……動作伝達機構部、21、123……駆動源、30……培養基材、31,52……ナノファイバ、34,40,41,42……移植用モジュール、50……中空ナノファイバ、110……装着式動作補助装置。

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    【課題】構造が簡単で、操作が便利で、修理が便利で、二つの方式で猫をじゃらし、猫に刻々に遊ぶ興味を維持させ、飼い猫の寂しさを紛らわす猫用玩具を提供する。【解決手段】台座12を含み、台座12の頂端には頂ブ... 詳細

  • 株式会社堀場製作所の「 エクソソーム表面分子を特定する方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】本発明はエクソソーム表面分子に対する結合性分子が固相化された担体をカゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液でブロックおよび洗浄すること、ならびに該担体とエクソソームを含む被験試料の接触前... 詳細

  • 自然免疫制御技術研究組合の「 アルツハイマー症診断装置及び方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】簡便、かつ、高精度にアルツハイマー病の病態指標を提供するため、アルツハイマー病診断装置は、末梢血中の、スーパーオキシド産生活性、ミエロペルオキシダーゼ活性、酸化LDL量、食細胞貪食能... 詳細

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