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技術 感光性繊維及び繊維パターンの形成方法

出願人 日産化学株式会社富山県
発明者 岸岡高広横山義之
出願日 2016年4月22日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2017-514193
公開日 2018年2月22日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 WO2016-171233
状態 特許登録済
技術分野 合成繊維 不織物 フォトリソグラフィー用材料
主要キーワード 金属製ニードル 薬剤シート 三次元状態 ステンシル法 化粧用材料 繊維パターン 吐出距離 医用高分子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題・解決手段

本発明の目的は、複雑で微細レジストパターンを簡便に作製し得る方法を提供することである。 本発明は、ポジ型又はネガ型感光性材料を含む繊維に関する。

概要

背景

半導体素子等の製造において、従来、レジストを用いたフォトリソグラフィーによる微細加工が行われている。かかる微細加工は、被加工基板上にレジスト膜を形成した後、フォトマスクを介して露光し、現像することによりレジストパターンを作製し、得られたレジストパターンをエッチングマスクとして基板エッチング処理することにより、レジストパターンに対応する微細凹凸を、基板表面に形成する加工方法である。

近年、半導体素子の高集積度化等にともなって、より複雑で高精度の微細加工が求められているが、そのような微細加工を実施するためのレジストパターンを作製するには、複雑で微細なパターンが描画されたフォトマスクが必要となる等の問題がある。

また従来より、ナノメートルオーダーの直径を持つ極細繊維が注目されており、電池・情報、環境・エネルギー医療福祉のようなさまざまな分野に活用されることが期待されている。特に、細胞を扱う医療あるいは研究分野等において、例えば、ナノファイバーナノ繊維)やその不織布を細胞の足場となる基材に利用することが提案されている。特許文献1には、所定パターンスタンプを用いるスタンプ法、所定パターンの穴を有する型板ステンシル)を用いるステンシル法スプレーを使用して所定パターンを形成するスプレー法等によって、表面にナノ繊維による繊維パターンを形成させた基材が提案されている。また、特許文献2には、細胞の三次元培養二層培養系の培養基材等として利用するために、電界紡糸装置の一部である、生成された繊維(ナノマイクロファイバー)を捕集するための基材(コレクタ部)に、所定の凹凸を有する鋳型を用いることにより、平面の所定位置微小凹凸パターンを形成させた、ナノ・マイクロファイバーの不織布が提案されている。また、特許文献3には、温度によって水溶性が変化する温度応答性高分子溶媒に溶解させ、エレクトロスピニング法、又は湿式法のいずれかの方法で、前記温度応答性高分子が溶解した高分子溶液からなる直径が数十ナノメートルから数百マイクロメートルの範囲にある温度応答性ファイバーやそれを用いた不織布を製造することが提案されている。また、非特許文献1には、所定の刺激応答性ポリマーUV架橋剤を導入した後、電界紡糸法によりナノファイバーを作製すること、また当該ナノファイバーを架橋して、細胞の捕獲・放出用のナノファイバーマットを作製することが記載されている。

極細繊維を上記の用途に供するために、より複雑で微細な繊維パターンを形成することが必要である。特に感光性を有する繊維を用いて、リソグラフィー法により直接繊維を加工し、繊維パターンを作製することは、従来の極細繊維(ナノ・マイクロファイバー)では実現できていない。

概要

本発明の目的は、複雑で微細なレジストパターンを簡便に作製し得る方法を提供することである。 本発明は、ポジ型又はネガ型感光性材料を含む繊維に関する。

目的

本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、複雑で微細なレジストパターンを簡便に作製し得る方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポジ型又はネガ型感光性材料を含む繊維。

請求項2

ポジ型感光性材料が、(i)ノボラック樹脂及び溶解抑制剤を含むか、(ii)ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂、及び光酸発生剤を含むか、あるいは(iii)光酸発生基を側鎖に有する構造単位を含むポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂を含む、請求項1記載の繊維。

請求項3

ネガ型感光性材料が、(A)ヒドロキシ基ヒドロキシメチル基及び炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基を側鎖に有する構造単位を含む高分子化合物、及び(B)光酸発生剤を含む、請求項1又は2記載の繊維。

請求項4

感光性繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維。

請求項5

ナノ繊維及び/又はマイクロ繊維である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維。

請求項6

ポジ型又はネガ型感光性材料、並びに、溶剤を含有する、感光性繊維製造用組成物

請求項7

ポジ型感光性材料が、(i)ノボラック樹脂及び溶解抑制剤を含むか、(ii)ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂、及び光酸発生剤を含むか、あるいは(iii)光酸発生基を側鎖に有する構造単位を含むポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂を含む、請求項6記載の組成物

請求項8

ネガ型感光性材料が、(A)ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基及び炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基を側鎖に有する構造単位を含む高分子化合物、及び(B)光酸発生剤を含む、請求項6又は7記載の組成物。

請求項9

請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物を紡糸する工程を含む、感光性繊維の製造方法。

請求項10

上記紡糸が、電界紡糸である、請求項9記載の方法。

請求項11

紡糸した繊維を、70〜300℃の範囲で加熱する工程を含む、請求項9又は10記載の方法。

請求項12

基材上に、感光性繊維による繊維層を形成する第1工程、該繊維層を、マスクを介して露光する第2工程、及び該繊維層を、現像液により現像する第3工程を含む、繊維パターン形成方法

請求項13

上記感光性繊維が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維である、請求項12に記載の方法。

請求項14

第2工程において、露光した後に繊維を加熱する、請求項12又は13記載の方法。

請求項15

上記現像液が、水又は有機溶媒を含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維を用いて形成された繊維パターン。

請求項17

表面に請求項16記載の繊維パターンを有する基材。

請求項18

基材上に、感光性繊維による繊維層を形成する第1工程、該繊維層を、マスクを介して露光する第2工程、及び該繊維層を、現像液により現像する第3工程を含む、繊維パターンの製造方法。

請求項19

基材上に、感光性繊維による繊維層を形成する第1工程、該繊維層を、マスクを介して露光する第2工程、及び該繊維層を、現像液により現像する第3工程を含む、繊維パターン付き基材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ポジ型又はネガ型感光性繊維およびその製造方法、該感光性繊維を用いた繊維パターンおよびその製造方法、並び該繊維パターンを表面に有する基材に関する。

背景技術

0002

半導体素子等の製造において、従来、レジストを用いたフォトリソグラフィーによる微細加工が行われている。かかる微細加工は、被加工基板上にレジスト膜を形成した後、フォトマスクを介して露光し、現像することによりレジストパターンを作製し、得られたレジストパターンをエッチングマスクとして基板エッチング処理することにより、レジストパターンに対応する微細凹凸を、基板表面に形成する加工方法である。

0003

近年、半導体素子の高集積度化等にともなって、より複雑で高精度の微細加工が求められているが、そのような微細加工を実施するためのレジストパターンを作製するには、複雑で微細なパターンが描画されたフォトマスクが必要となる等の問題がある。

0004

また従来より、ナノメートルオーダーの直径を持つ極細繊維が注目されており、電池・情報、環境・エネルギー医療福祉のようなさまざまな分野に活用されることが期待されている。特に、細胞を扱う医療あるいは研究分野等において、例えば、ナノファイバーナノ繊維)やその不織布を細胞の足場となる基材に利用することが提案されている。特許文献1には、所定パターンスタンプを用いるスタンプ法、所定パターンの穴を有する型板ステンシル)を用いるステンシル法スプレーを使用して所定パターンを形成するスプレー法等によって、表面にナノ繊維による繊維パターンを形成させた基材が提案されている。また、特許文献2には、細胞の三次元培養二層培養系の培養基材等として利用するために、電界紡糸装置の一部である、生成された繊維(ナノマイクロファイバー)を捕集するための基材(コレクタ部)に、所定の凹凸を有する鋳型を用いることにより、平面の所定位置微小凹凸パターンを形成させた、ナノ・マイクロファイバーの不織布が提案されている。また、特許文献3には、温度によって水溶性が変化する温度応答性高分子溶媒に溶解させ、エレクトロスピニング法、又は湿式法のいずれかの方法で、前記温度応答性高分子が溶解した高分子溶液からなる直径が数十ナノメートルから数百マイクロメートルの範囲にある温度応答性ファイバーやそれを用いた不織布を製造することが提案されている。また、非特許文献1には、所定の刺激応答性ポリマーUV架橋剤を導入した後、電界紡糸法によりナノファイバーを作製すること、また当該ナノファイバーを架橋して、細胞の捕獲・放出用のナノファイバーマットを作製することが記載されている。

0005

極細繊維を上記の用途に供するために、より複雑で微細な繊維パターンを形成することが必要である。特に感光性を有する繊維を用いて、リソグラフィー法により直接繊維を加工し、繊維パターンを作製することは、従来の極細繊維(ナノ・マイクロファイバー)では実現できていない。

0006

特開2007−44149号公報
特開2006−328562号公報
特開2009−57522号公報

先行技術

0007

第40回医用高分子シンポジウム予稿集p53−54、2011年

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、複雑で微細なレジストパターンを簡便に作製し得る方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、ポジ型又はネガ型感光性材料を少なくとも含む原料組成物紡糸(好ましくは、電界紡糸)して感光性繊維とし、かかる繊維を用いて形成した繊維層を、露光及び現像することにより、複雑で微細なレジストパターン(繊維パターン)を簡便に作製し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。

0010

[1]ポジ型又はネガ型感光性材料を含む繊維。
[2]ポジ型感光性材料が、(i)ノボラック樹脂及び溶解抑制剤を含むか、(ii)ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂、及び光酸発生剤を含むか、あるいは(iii)光酸発生基を側鎖に有する構造単位を含むポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂を含む、[1]記載の繊維。
[3]ネガ型感光性材料が、(A)ヒドロキシ基ヒドロキシメチル基及び炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基を側鎖に有する構造単位を含む高分子化合物、及び(B)光酸発生剤を含む、[1]又は[2]記載の繊維。
[4]感光性繊維である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の繊維。
[5]ナノ繊維及び/又はマイクロ繊維である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の繊維。
[6]ポジ型又はネガ型感光性材料、並びに、溶剤を含有する、感光性繊維製造用組成物
[7]ポジ型感光性材料が、(i)ノボラック樹脂及び溶解抑制剤を含むか、(ii)ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂、及び光酸発生剤を含むか、あるいは(iii)光酸発生基を側鎖に有する構造単位を含むポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂を含む、[6]記載の組成物
[8]ネガ型感光性材料が、(A)ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基及び炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基を側鎖に有する構造単位を含む高分子化合物、及び(B)光酸発生剤を含む、[6]又は[7]記載の組成物。
[9][6]〜[8]のいずれか1つに記載の組成物を紡糸する工程を含む、感光性繊維の製造方法。
[10]上記紡糸が、電界紡糸である、[9]記載の方法。
[11]紡糸した繊維を、70〜300℃の範囲で加熱する工程を含む、[9]又は[10]記載の方法。
[12]基材上に、感光性繊維による繊維層を形成する第1工程、
該繊維層を、マスクを介して露光する第2工程、及び
該繊維層を、現像液により現像する第3工程
を含む、繊維パターンの形成方法
[13]上記感光性繊維が、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の繊維である、[12]に記載の方法。
[14]第2工程において、露光した後に繊維を加熱する、[12]又は[13]記載の方法。
[15]上記現像液が、水又は有機溶媒を含む、[12]〜[14]のいずれか1つに記載の方法。
[16][1]〜[5]のいずれか1つに記載の繊維を用いて形成された繊維パターン。
[17]表面に[16]記載の繊維パターンを有する基材。
[18]基材上に、感光性繊維による繊維層を形成する第1工程、
該繊維層を、マスクを介して露光する第2工程、及び
該繊維層を、現像液により現像する第3工程
を含む、繊維パターンの製造方法。
[19]上記感光性繊維が、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の繊維である、[18]に記載の方法。
[20]第2工程において、露光した後に繊維を加熱する、[18]又は[19]記載の方法。
[21]上記現像液が、水又は有機溶媒を含む、[18]〜[20]のいずれか1つに記載の方法。
[22]基材上に、感光性繊維による繊維層を形成する第1工程、
該繊維層を、マスクを介して露光する第2工程、及び
該繊維層を、現像液により現像する第3工程
を含む、繊維パターン付き基材の製造方法。
[23]上記感光性繊維が、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の繊維である、[22]に記載の方法。
[24]第2工程において、露光した後に繊維を加熱する、[22]又は[23]記載の方法。
[25]上記現像液が、水又は有機溶媒を含む、[22]〜[24]のいずれか1つに記載の方法。

発明の効果

0011

本発明によれば、複雑で微細なレジストパターンを簡便に作製し得る感光性繊維及び該感光性繊維を用いて形成された繊維パターン、並びにそれらの製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、上記の感光性繊維を製造するための組成物(感光性繊維製造用組成物)を提供できる。
また本発明によれば、上記の繊維パターンを有する基材を提供できる。

図面の簡単な説明

0012

実施例1のネガ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維による繊維層(電界紡糸後パターニング前))のSEM写真である。
実施例1のネガ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維を用いて形成された繊維パターンのSEM写真である。
実施例1のネガ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維を用いて形成された繊維パターンのSEM写真(一部断面の拡大図)である。
実施例1のネガ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維を用いて形成された繊維パターンのSEM写真(図3の繊維部の一部の拡大図)である。
実施例2のポジ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維による繊維層の、オーブン加熱前の光学顕微鏡写真である。
実施例2のポジ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維による繊維層の、オーブン加熱後の光学顕微鏡写真である。
実施例2のポジ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維による繊維層の、露光前のSEM写真である。
実施例2のポジ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維を用いて形成された繊維パターンのSEM写真である。
実施例1のネガ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維を、20℃の水に10分間浸漬した後の光学顕微鏡写真である。
実施例1のネガ型感光性繊維製造用組成物から得られた繊維を、40℃の水に10分間浸漬した後の光学顕微鏡写真である。

0013

1.繊維およびその製造方法
本発明の繊維は、ポジ型又はネガ型感光性材料を含むことを主たる特徴とする。
すなわち、本発明の繊維は、好ましくはポジ型又はネガ型感光性材料を少なくとも含む原料組成物を紡糸(より好ましくは電界紡糸)して得られる繊維である。
本発明において、ポジ型感光性材料を含む繊維を「ポジ型感光性繊維」と称し、ネガ型感光性材料を含む繊維を「ネガ型感光性繊維」と称する場合がある。

0014

本発明の繊維の直径は、繊維の用途等に応じて適宜調整でき、特に限定されないが、ディスプレイ半導体で使用される各種基板を加工する時のエッチングマスク、医療用材料化粧用材料等に適用する観点から、本発明の繊維は直径がナノメートルオーダー(例、1〜1000nm)の繊維(ナノ繊維)及び/またはマイクロメートルオーダー(例、1〜1000μm)の繊維(マイクロ繊維)であることが好ましい。本発明において、繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて測定される。

0015

本発明において「ポジ型感光性材料」とは、光の作用により、アルカリ難溶性又は不溶性から、アルカリ易溶性となる材料(例えば、ポジ型フォトレジストポジ型感光性樹脂組成物等)をいい、また「ネガ型感光性材料」とは、光の作用により、アルカリ易溶性から、アルカリ難溶性又は不溶性となる材料(例えば、ネガ型フォトレジストネガ型感光性樹脂組成物等)をいう。

0016

ポジ型感光性材料は、繊維状にし得るものであれば特に制限されず、従来から、ポジ型フォトレジストやポジ型感光性樹脂組成物等として用いられている公知の材料を用いればよいが、化学増幅型のポジ型感光性材料が好ましい。化学増幅型のポジ型感光性材料としては、例えば、(i)ノボラック樹脂及び溶解抑制剤;(ii)ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂及び光酸発生剤;(iii)光酸発生基を側鎖に有する構造単位を含むポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂;等が挙げられる。これらの中でも、(i)ノボラック樹脂及び溶解抑制剤が好ましい。

0017

本発明において用いられるポジ型感光性材料は、上記の(i)を含むか、上記の(ii)を含むか、あるいは上記の(iii)を含んでよい。

0018

ノボラック樹脂は、従来、ポジ型感光性材料において用いられているものを制限なく使用し得るが、例えば、フェノール類アルデヒド類とを酸触媒の存在下で重合させて得られる樹脂等が挙げられる。
上記のフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾールm−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類レゾルシノールカテコールハイドロキノンハイドロキノンモノメチルエーテルピロガロールフロログリシノール等の多価フェノール類アルキルレゾルシンアルキルカテコール、アルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(いずれのアルキル基炭素数1〜4である);α−ナフトールβ−ナフトールヒドロキシジフェニルビスフェノールA等が挙げられる。これらのフェノール類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒドパラホルムアルデヒドフルフラールベンズアルデヒドニトロベンズアルデヒドアセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記酸触媒としては、例えば、塩酸硫酸硝酸リン酸亜リン酸等の無機酸類蟻酸シュウ酸酢酸ジエチル硫酸パラトルエンスルホン酸等の有機酸類酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。

0019

ノボラック樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは500〜50,000であり、解像度および紡糸性の観点から、より好ましくは、1,500〜15,000である。
本発明において「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定される、ポリスチレン換算分子量をいう。

0020

溶解抑制剤は、従来から、ポジ型感光性材料において感光剤として用いられているものを制限なく使用し得るが、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル等のナフトキノンジアジド化合物等が挙げられ、好ましくは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルである。

0021

溶解抑制剤の含有量は、ノボラック樹脂100重量部に対して、通常5〜50重量部であり、好ましくは10〜40重量部である。

0022

ポリビニルフェノール樹脂は、従来から、ポジ型感光性材料において用いられているものを制限なく使用し得るが、例えば、ヒドロキシスチレン類ラジカル重合開始剤の存在下で重合させて得られる樹脂等が挙げられる。
上記のヒドロキシスチレン類としては、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニルプロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等が挙げられる。これらのヒドロキシスチレン類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイドジクミルパーオキサイドジブチルパーオキサイド等の有機過酸化物アゾビスイソブチロニトリルアゾビスバレロニトリル等のアゾビス化合物等が挙げられる。

0023

ポリビニルフェノール樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは500〜50,000であり、解像性および紡糸性の観点から、より好ましくは、1,500〜25,000である。

0024

アクリル樹脂は、従来、ポジ型感光性材料において用いられているものを制限なく使用し得るが、例えば、(メタアクリル基を有する重合性単量体をラジカル重合開始剤の存在下で重合させて得られる樹脂等が挙げられる。
上記の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチルエステル、及び(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピルエステル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、及びβ−スチリル(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル基を有する重合性単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾビス化合物等が挙げられる。
また、上記アクリル樹脂は、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体に加えて、スチレンビニルトルエンα−メチルスチレン等のα−位又は芳香族環において置換されている重合可能スチレン誘導体アクリロニトリルビニルn−ブチルエーテル等のビニルアルコールエステル類マレイン酸マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステルフマール酸ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸クロトン酸等の重合性単量体の1種又は2種以上が共重合されていてもよい。

0025

なお、本明細書中、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の両方を意味する。

0026

アクリル樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは500〜500,000であり、解像性および紡糸性の観点から、より好ましくは、1,500〜100,000である。

0027

ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂は、酸不安定保護基によって保護されているアルカリ可溶基を側鎖に有する構造単位を含むことが好ましい。
上記の酸不安定保護基としては、例えば、tert−ブチル基、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が挙げられる。
上記のアルカリ可溶基としては、例えば、フェノール性ヒドロキシ基カルボキシ基等が挙げられる。
酸不安定保護基によって保護されているアルカリ可溶基を側鎖に有する構造単位を含むポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂は、例えば、ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂のアルカリ可溶基に、酸不安定保護基を化学反応させて導入することによって製造し得る。また、ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂の原料モノマーに、酸不安定保護基によって保護されているアルカリ可溶基を側鎖に有する構造単位に対応する単量体を混合し、得られたモノマー混合物を共重合することによっても製造し得る。

0028

光酸発生剤は、光の作用により直接若しくは間接的に酸を発生する化合物であれば特に制限はなく、例えば、ジアゾメタン化合物、オニウム塩化合物スルホンイミド化合物ニトロベンジル化合物、鉄アレーン錯体ベンゾイントシラート化合物、ハロゲン含有トリアジン化合物シアノ基含有オキシムスルホナート化合物及びナフタルイミド系化合物等が挙げられる。

0029

光酸発生剤の含有量は、ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂100重量部に対して、通常0.1〜50重量部であり、好ましくは3〜30重量部である。

0030

光酸発生基を側鎖に有する構造単位を含むポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂は、例えば、ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂の原料モノマーに、上記の光酸発生剤をモノマーとして混合し、得られたモノマー混合物を共重合することによって製造し得る。

0031

光酸発生基を側鎖に有する構造単位を含むポリビニルフェノール樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは500〜50,000であり、解像性および紡糸性の観点から、より好ましくは、1,500〜25,000である。

0032

光酸発生基を側鎖に有する構造単位を含むアクリル樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは500〜500,000であり、解像性および紡糸性の観点から、より好ましくは、1,500〜10,000である。

0033

ポジ型感光性材料は、自体公知の方法で製造すればよく、例えば、(i)ノボラック樹脂及び溶解抑制剤を含むポジ型感光性材料(ポジ型フォトレジスト)は、特公平7−66184号公報等に記載の方法で、(ii)ポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂及び光酸発生剤を含むポジ型感光性材料(ポジ型フォトレジスト)は、特公平7−66184号公報、特開2007−79589号公報、又は特開平10−207066号公報等に記載の方法で、(iii)光酸発生基を側鎖に有する構造単位を含むポリビニルフェノール樹脂又はアクリル樹脂を含むポジ型感光性材料(ポジ型フォトレジスト)は、特開平9−189998号公報、特開2002−72483号公報、特開2010−85971号公報、又は特開2010−256856号公報等に記載の方法で製造できる。

0034

ポジ型感光性材料は、市販品を使用してもよい。

0035

本発明において用いられるネガ型感光性材料は、繊維になり得るものであれば特に制限されず、従来、ネガ型フォトレジストやネガ型感光性樹脂組成物等として用いられている公知の材料を用いればよいが、化学増幅型のネガ型感光性材料が好ましい。化学増幅型のネガ型感光性材料としては、例えば、(A)ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基及び炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基を側鎖に有する構造単位を含む高分子化合物(好ましくは、酸を触媒として架橋構造を形成し得る高分子化合物)および(B)光酸発生剤等が挙げられる。

0036

本発明において用いられるネガ型感光性材料は、(A)ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基及び炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基を側鎖に有する構造単位を含む高分子化合物(以下、単に「成分A」とも称する)および(B)光酸発生剤を含んでよい。

0037

[成分A]
成分Aは、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基及び炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基を側鎖に有する構造単位を含み、光酸発生剤により発生した酸(H+)を触媒として、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基及び炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基が反応することにより、ポリマー鎖間が結合して架橋構造が形成される。
これらの有機基の中でも、反応性の観点からヒドロキシ基が特に好ましい。

0038

ここで、「炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基」は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、その具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、n−ペントキシメチル基、イソペントキシメチル基、ネオペントキシメチル基、tert−ペントキシメチル基、1−エチルプロポキシメチル基、2−メチルブトキシメチル基等が挙げられる。該アルコキシメチル基の炭素原子数は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜3である。

0039

成分Aは、好ましくは、(A1)一般式(1):

0040

0041

〔式中、
R1は、水素原子又はメチル基を示し、
Q1は、エステル結合又はアミド結合を示し、
R2は、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基で置換されている炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数6〜10の芳香族炭化水素基を示す。〕
で表される構造単位を含む高分子化合物(以下、単に「成分A1」とも称する)及び/又は(A2)天然高分子(以下、単に「成分A2」とも称する)を含む。より好ましくは、成分Aは、成分A1及び/又は成分A2である。

0042

一般式(1)における各基の定義について、以下に詳述する。

0043

R1は、水素原子又はメチル基を示す。

0044

Q1は、エステル結合又はアミド結合を示す。

0045

R2は、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基で置換されている炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数6〜10の芳香族炭化水素基を示す。
「炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基」は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、その具体例としては、上記と同様のものが挙げられ、好適な炭素原子数も上記と同様である。
「炭素原子数1〜10のアルキル基」は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。該アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜4である。
また、R2における炭素原子数6〜10の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
R2は、ネガ型感光性材料を用いて形成された繊維を露光したときに、成分Bを触媒として反応性を有する架橋反応部位として作用させる観点から、好ましくは、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基(より好ましくはヒドロキシ基)で置換されている炭素原子数1〜10(より好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜4)のアルキル基、又は少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基(より好ましくはヒドロキシ基)で置換されているフェニル基である。

0046

一般式(1)で表される構造単位は、R1が、水素原子又はメチル基であり、Q1が、エステル結合であり、R2が、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基で置換されている炭素原子数1〜10(より好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜4)のアルキル基であることが好ましい。

0047

一般式(1)で表される構造単位は、好ましくは、一般式(1A)で表される構造単位である。

0048

0049

〔式中、R6は上記R1と同義であり、R7は上記R2と同義である。〕

0050

成分A1は、一般式(1)で表される構造単位を1種単独で含んでもよいし、2種以上含んでもよい。

0051

成分A1は、本発明の目的を損なわない限り、一般式(1)で表される構造単位以外の構造単位を含んでもよいが、成分A1の全構造単位に対する、一般式(1)で表される構造単位の含有割合は、架橋反応を効率的に行わせる観点から、5モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましい。

0052

成分A1は、さらに一般式(2):

0053

0054

〔式中、
R3は、水素原子又はメチル基を示し、
R4およびR5は、同一または異なっていてもよく、水素原子又はヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。〕
で表される構造単位を含むことが望ましい。

0055

成分A1は、一般式(2)で表される構造単位を1種単独で含んでもよいし、2種以上含んでもよい。

0056

一般式(2)のR4およびR5における「炭素原子数1〜4のアルキル基」は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基を挙げることができる。
本発明において「ヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよい」とは上記「炭素原子数1〜4のアルキル基」に含まれる水素原子の一部又は全部がヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいことを示す。

0057

一般式(2)で表される構造単位は、R3が、水素原子又はメチル基であり、R4およびR5がともにメチル基であるのがより好ましい。

0058

成分A1の重量平均分子量は、適切な繊維形成の観点から、好ましくは1,000〜1,000,000の範囲であり、より好ましくは5,000〜500,000の範囲であり、特に好ましくは10,000〜200,000の範囲である。

0059

成分A1は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0060

成分A1は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造することができる。例えば、各構造単位に対応する単量体(一般式(1)で表される構造単位に対応する単量体、一般式(1)で表される構造単位以外の構造単位(好ましくは一般式(2)で表される構造単位)に対応する単量体)を、適当な溶媒(例、プロピレングリコールモノエチルエーテル等)中で、適当な重合開始剤(例、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等)を使用して重合することにより製造できるが、これに限定されない。また、市販品を使用してもよい。

0061

一般式(1)で表される構造単位に対応する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、CAS番号:868−77−9の化合物)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(例えば、CAS番号:923−26−2の化合物)、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(例えば、CAS番号:2478−10−6の化合物)、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド(例えば、CAS番号:923−02−4の化合物)、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド(例えば、CAS番号:5238−56−2の化合物)、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド(例えば、CAS番号:26099−09−2の化合物)、p−ヒドロキシ(メタ)アクリルアニリド(例えば、CAS番号:19243−95−9の化合物)、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド又はN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが最も好ましい。
なお、本発明において(メタ)アクリレート化合物とは、アクリレート化合物とメタクリレート化合物の両方をいう。

0062

一般式(2)で表される構造単位に対応する単量体としては、例えば、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(1−メチルプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−エチルプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−プロピルブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−ブチルペンチル)(メタ)アクリルアミド、2−カルボキシイソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−カルボキシイソプロピル(メタ)アクリルアミド又は2−ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリルアミドが最も好ましい。
成分A1が、一般式(2)で表される構造単位を有する場合、後述の実施例に示すように、本発明の繊維は温度応答性を有する。この場合、成分A1の全構造単位に対する、一般式(2)で表される構造単位の含有割合は、60〜95モル%が好ましい。なお、本発明の繊維は、温度応答性を有することで、例えば、温度に応じて大きさが変化する繊維パターンを形成することができ、当該繊維及び繊維パターンは、例えば(i)水や薬剤等を繊維内に留まらせたり、放出したりできるドラッグデリバリーシステムDDS)や薬剤シートへの応用、(ii)繊維径が太くなったり細くなったりすることで、通過する物質を制御できるフィルター等への応用、(iii)表面の疎水親水を制御することで、物質の付着性を制御できるデバイス等への応用等が期待される点で有利である。

0063

成分A1は、一般式(1)で表される構造単位及び一般式(2)で表される構造単位に加え、さらに任意の構造単位を含んでいてもよい。かかる任意の構造単位は、本発明の繊維の性能を損なわず、上記一般式(1)で表される構造単位に対応する単量体及び一般式(2)で表される構造単位に対応する単量体と重合することができる単量体由来の構造単位であれば特に制限は無い。このような単量体としては、例えば、アルキル基の炭素原子数が1〜10の(メタ)アクリル酸エステル類ベンジル(メタ)アクリレート、アクリルアミド類(例、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アリールアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアリールアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(例、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N−アリールメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、N,N−ジアリールメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミド等)が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
例えば疎水性の側鎖を有する、アルキル基の炭素原子数が1〜10の(メタ)アクリル酸エステル類やベンジル(メタ)アクリレート等を使用した場合、成分A1の親疎水バランスを調整することができる。

0064

成分A2は、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基及び炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基を側鎖に有する構造単位を含む天然高分子(好ましくは、酸を触媒として架橋構造を形成し得る天然高分子)であれば特に制限されない。成分A2は、天然高分子に加水分解等の反応を起こさせた変性天然高分子でもあってもよい。また成分A2は、生体高分子(変性生体高分子を含む)であってもよい。本明細書において「生体高分子」とは、生体由来高分子の総称である。

0065

成分A2は、好ましくはデンプン又はグリコーゲン加水分解物であるデキストリン、並びにその誘導体である。ここでデキストリンの誘導体とは、デキストリンのヒドロキシ基の一部又は全部を置換基(例、アセトキシ基ベンゾイル基等)で置換したものをいう。

0066

成分A2の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜5,000,000であり、より好ましくは1,000〜100,000である。

0067

成分A2はいずれか1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0068

[成分B]
成分Bは、光の作用により直接若しくは間接的に酸を発生する化合物であれば特に制限はなく、例えば、ジアゾメタン化合物、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、ニトロベンジル化合物、鉄アレーン錯体、ベンゾイントシラート化合物、ハロゲン含有トリアジン化合物、シアノ基含有オキシムスルホナート化合物及びナフタルイミド系化合物等が挙げられる。

0069

ジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。

0070

オニウム塩化合物としては、例えば、ビス(4−tert−ブチルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。

0071

スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシスクシンイミド、N−(ノナフルオロノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。

0072

ニトロベンジル化合物としては、例えば、p−トルエンスルホン酸2−ニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等が挙げられる。

0073

鉄アレーン錯体としては、例えば、ビスシクロペンタジエニル−(η6−イソプロピルベンゼン)−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。

0074

ベンゾイントシラート化合物としては、例えば、ベンゾイントシラート、α−メチルベンゾイントシラート等が挙げられる。

0075

ハロゲン含有トリアジン化合物としては、例えば、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。

0076

シアノ基含有オキシムスルホナート化合物としては、例えば、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルベンジルシアニド等が挙げられる。

0077

ナフタルイミド系化合物としては、例えば、6−(n−ブチルチオ)−2−(パーフルオロブチルスルホニルオキシ)−2−アザ−2H−フェナレン−1,3−ジオン、6−(n−ブチルチオ)−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−2−アザ−2H−フェナレン−1,3−ジオンおよび6−(イソプロピルチオ)−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−2−アザ−2H−フェナレン−1,3−ジオン等が挙げられる。

0078

成分Bは、好ましくはシアノ基含有オキシムスルホナート化合物であり、特に好ましくはα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニドである。

0079

成分Bはいずれか1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。成分Bは、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造することができる。また、市販品を用いてもよい。

0080

[成分C]
成分A及び成分Bを含むネガ型感光性材料は、さらに(C)架橋剤(以下、単に「成分C」とも称する)を含有してよい。

0081

成分Cとしては、成分Bにより発生した酸(H+)を触媒にして、成分Aが有する、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基および炭素原子数1〜5のアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1種の有機基と反応し得る有機基を、1分子中に2個以上有する化合物であれば特に制限なく使用することができる。好ましくは当該有機基を1分子中に3〜4個有する化合物、より好ましくは当該有機基を1分子中に4個有する化合物である。
具体的には、例えば、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル等のアミノプラスト架橋剤;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン等のフェノプラスト架橋剤;ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート架橋剤;1,4−ビス(ビニルオキシブタン等のビニルエーテル架橋剤;等が挙げられる。

0082

成分Cは、好ましくはアミノプラスト架橋剤であり、好ましくは1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル又は1,3,4,6−テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリルであり、より好ましくは1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルである。

0083

成分Cはいずれか1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。成分Cは、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造することができ、また、市販品を用いてもよい。

0084

ネガ型感光性材料は、成分Cを含有することで、成分Bが酸(H+)を発生すると、成分Aのポリマー鎖同士の反応による架橋構造だけでなく、成分Aのポリマー鎖が成分Cを介在して3次元的に架橋する反応が進行する。

0085

また、本発明において、ネガ型感光性材料は、市販品を使用してもよい。

0086

本発明の繊維は、好適には、ポジ型又はネガ型感光性材料、並びに、溶剤を含有する感光性繊維製造用組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも称する)を紡糸して、製造される。

0087

溶剤は、ポジ型又はネガ型感光性材料を均一に溶解又は分散し得、且つ、各材料と反応しないものであれば特に制限されないが、極性溶剤が好ましい。
当該極性溶剤としては、例えば、水、メタノールエタノール2−プロパノールプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートアセトンジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、感光性繊維製造用組成物の紡糸し易さの観点から、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。

0088

溶剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0089

本発明の組成物におけるポジ型又はネガ型感光性材料の含有量は、解像性および紡糸性の観点から、溶剤を除く感光性繊維製造用組成物の固形分を基準に、好ましくは60〜100重量%であり、より好ましくは60〜95重量%であり、特に好ましくは70〜90重量%である。

0090

本発明の組成物が成分A及びBを含むネガ型感光性材料を含有する場合、本発明の組成物における成分Aの含有割合は、適度な太さを有する繊維製造や、本発明の組成物の保存安定性の観点から、1〜90重量%が好ましく、5〜70重量%がより好ましい。

0091

本発明の組成物が成分A及びBを含むネガ型感光性材料を含有する場合、本発明の組成物における成分Bの含有割合は、温度応答性樹脂の特性を保つ観点、また解像性および紡糸性の観点から、0.1〜50重量%が好ましく、0.5〜40重量%がより好ましく、1〜20重量%が特に好ましい。

0092

本発明の組成物が成分A及びBを含むネガ型感光性材料を含有する場合、本発明の組成物に含まれる成分Aと成分Bの重量比(成分Aの重量/成分Bの重量)は、成分Aと成分Bとの反応効率の観点から、5〜50が好ましく、10〜40がより好ましい。

0093

本発明の組成物が成分A〜Cを含むネガ型感光性材料を含有する場合、本発明の組成物における成分Cの含有割合は、成分Aとの反応効率の観点から、0.1〜15重量%が好ましく、0.3〜10重量%がより好ましく、0.5〜5重量%が特に好ましい。

0094

本発明の組成物は、本発明の目的を著しく損なわない限り、ポジ型又はネガ型感光性材料以外に、繊維製造用組成物に通常使用される添加剤を必要に応じて含んでもよい。当該添加剤としては、例えば、界面活性剤レオロジー調整剤、薬剤、微粒子等が挙げられる。

0095

本発明の組成物は、ポジ型又はネガ型感光性材料を溶剤に混合するか、或いは、これらに上記の添加剤をさらに混合して調製される。混合方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって混合すればよい。

0096

本発明の組成物を紡糸する方法は、繊維を形成できるものであれば特に制限されず、例えば、メルトブロー法複合溶融紡糸法、電界紡糸法等が挙げられるが、極細繊維(ナノ繊維、マイクロ繊維)の形成能の観点から、電界紡糸法が好ましい。

0097

電界紡糸法は、公知の紡糸方法であり、公知の電界紡糸装置を用いて行うことができる。本発明の組成物をノズル(例、ニードル等)の先端から吐出する速度(吐出速度);印加電圧;本発明の組成物を吐出するノズルの先端から、これを受け取る基板までの距離(吐出距離)等の各種条件は、製造する繊維の直径等に応じて適宜設定できる。吐出速度は、通常0.1〜100μl/minであり、好ましくは0.5〜50μl/minであり、より好ましくは1〜20μl/minである。印加電圧は、通常0.5〜80kVであり、好ましくは1〜60kVであり、より好ましくは3〜40kVである。吐出距離は、通常1〜60cmであり、好ましくは2〜40cmであり、より好ましくは3〜30cmである。
また電界紡糸法は、ドラムコレクター等を用いて行ってもよい。ドラムコレクター等を用いることにより、繊維の配向性を制御することができる。例えば、ドラムを低速回転した場合は不織布等を得ることができ、高速回転した場合は配向性繊維シート等を得ることができる。これは半導体材料(例、基板等)を加工する時のエッチングマスク材料等を作製するときに有効である。

0098

本発明の繊維の製造方法は、上述の紡糸工程に加えて、紡糸した繊維を、特定の温度で加熱する工程を更に含んでもよい。

0099

紡糸した繊維を加熱する温度は、通常70〜300℃の範囲であり、好ましくは80〜250℃であり、より好ましくは90〜200℃である。当該温度が70℃未満であると、例えば本発明の組成物が成分A及びBを含むネガ型感光性材料を含有する場合には、成分A同士の架橋反応が不十分となり、製造した繊維の有機溶剤耐性が低くなる傾向がある。一方、当該温度が300℃を超えると、例えば本発明の組成物が成分A及びBを含むネガ型感光性材料を含有する場合には、成分Aが熱による分解又は溶解等を起こし繊維が形成できない。

0100

紡糸した繊維の加熱方法は、上記の加熱温度で加熱し得るものであれば特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で適宜加熱することができる。該加熱方法の具体例としては、大気下にてホットプレート又はオーブン等を使用する方法等が挙げられる。

0101

紡糸した繊維を加熱する時間は、加熱温度等に応じて適宜設定し得るが、架橋反応速度生産効率の観点から、1分〜48時間が好ましく、5分〜36時間がより好ましく、10分〜24時間が特に好ましい。

0102

本発明の繊維は感光性を有する。従って、半導体材料(例、基板等)を加工する時のエッチングマスク材料、医療用材料又は化粧用材料等の作製に用いることができる。特に、ナノ繊維、マイクロ繊維は、細孔を有するエッチングマスク、パターンを有する細胞培養基材生体模倣基材、例えば培養細胞劣化を防ぐための、血管細胞等との共培養用基材等)等の作製に好適に用いることができる。

0103

2.繊維パターンおよび繊維パターンを有する基材
本発明の繊維は、感光性を有することから、繊維を集合させた繊維層を形成して、該繊維層に直接リソグラフィー処理を施すことで、本発明の繊維がポジ型感光性繊維である場合は、露光部の繊維が可溶化して除去され、未露光部が残存する繊維パターンが形成され、一方、本発明の繊維がネガ型感光性繊維である場合は、未露光部が除去され、露光部の繊維が架橋により不溶化して残存する繊維パターンが形成される。ナノ繊維及び/又はマイクロ繊維の繊維層にリソグラフィー処理を施すことで、複雑で微細な繊維パターンの形成が可能である。

0104

繊維層における繊維は、一次元、二次元あるいは三次元状態で集合しており、集合状態規則性を持っていても持たなくても良い。また、本発明でいう「パターン」とは、主に直線、曲線及びこれらの組み合わせから構成される、図案模様等の空間的な物の形として認識されるものを指す。また、パターンは任意の形状であれば良く、パターン自体に規則性があっても無くても良い。

0105

本発明は、基材上に感光性繊維(好ましくは、本発明の繊維)による繊維層を形成する第1工程、該繊維層を、マスクを介して露光する第2工程、及び該繊維層を、現像液により現像する第3工程を含む、繊維パターンの形成方法を提供する。当該方法は、繊維パターンの製造方法とも言い得る。また当該方法によれば、繊維パターン付き基材を製造し得ることから、当該方法は、繊維パターン付き基材の製造方法とも言い得る。

0106

[第1工程]
第1工程は、基材上に感光性繊維(好ましくは、本発明の繊維)による繊維層を形成する工程である。
感光性繊維(好ましくは、本発明の繊維)による繊維層を基材上に形成する方法は特に制限されず、例えば、本発明の組成物を基材上に直接紡糸して繊維層を形成してもよい。

0107

当該基材は、リソグラフィー処理に対して変形、変性等を起こさない材質の基材であれば特に限定されず、例えば、ガラスセラミックスプラスチックシリコン等の半導体等からなる、フィルムシート、板、布(織布、編布、不織布)、糸等を用いることができる。

0108

繊維層における繊維のパターン形成後の目付け(基材上の単位面積当たり担持量)は特に制限されないが、例えば、後述の実施例において形成した繊維パターン(図3)のように、厚さ5μm〜50μm程度の繊維層が形成される量であってもよい。

0109

[第2工程]
第2工程は、上記第1工程において基材上に形成した繊維を、マスクを介して露光する工程である。当該露光は、例えば、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)、水銀ランプ、各種レーザー(例、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)等のエキシマレーザー等)、LED等により行うことができる。

0110

感光性繊維を露光した後、必要に応じて該繊維を加熱(Post Exposure Bake:PEB)してもよい。繊維を加熱することにより、例えば繊維がネガ型感光性繊維である場合には、露光によって発生した酸の作用により露光部の高分子量化が未露光部より進行し、未露光部との現像液溶解度差広がり解像コントラストが向上するという効果が得られる。加熱温度は、加熱時間等に応じて適宜設定し得るが、通常80〜200℃である。また、加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜設定し得るが、通常1〜20分間である。

0111

[第3工程]
第3工程は、上記第2工程において露光し、必要に応じて加熱した繊維を、現像液により現像する工程である。当該現像液には、感光性組成物のパターン形成のために通常使用される現像液を適宜用いることができるが、例えば本発明の繊維が成分A〜Cを含むネガ型感光性材料を含有する場合、本発明の繊維に含まれる成分Bや、未架橋の成分C等を溶解できる現像液が好ましい。上記第3工程において使用される現像液は、より好ましくは水又は有機溶媒を含む。
水は、水単独でもよいし、各種アルカリ性水溶液(例、水酸化ナトリウム水酸化カリウム炭酸ナトリウムケイ酸ナトリウムメタケイ酸ナトリウムアンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、N−プロピルアミン等の第一アミン類;ジエチルアミン、ジ−N−ブチルアミン等の第二アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類;ジメチルエタノールアミントリエタノールアミン等のアルコールアミン類テトラメチルアンモニウムヒドロキシドテトラエチルアンモニウムヒドロキシドコリン等の第4級アンモニウム塩ピロールピペリジン等の環状アミン類;等のアルカリ類水溶液)でもよい。
有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例、1−ブタノール2−ブタノールイソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘプタノール2−ヘプタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール2−メチル−1−プロパノール2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−ジエチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、1−ブトキシ−2−プロパノール及びシクロヘキサノール等)及び通常のレジスト組成物等に使用される溶媒(例、エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテートエチルセロソルブアセテートジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエンキシレンメチルエチルケトンシクロペンタノンシクロヘキサノン2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトシキ酢酸エチルヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチルピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル乳酸エチル乳酸ブチル等)等が挙げられる。
第3工程において使用される現像液は、水、乳酸エチル又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が好ましく、水又は乳酸エチルが特に好ましい。現像液のpHは中性付近(例えば、6〜8)又は塩基性(例えば、9〜14)が好ましく、また、現像液は、界面活性剤等の添加剤を含んでもよい。

0112

上記の工程を経て基材上に作製された本発明の繊維パターンは、基材とともに使用されるか、或いは、基材から分離して使用される。

0113

本発明の繊維パターンが基材とともに使用される場合、当該基材(すなわち、本発明の繊維パターンを表面に有する基材)は、本発明の繊維パターンがナノ繊維及び/又はマイクロ繊維で形成されたものであれば、半導体等の基板加工に用いられるエッチングマスク、細胞培養足場材料等として好適に使用できる。なお、本発明の繊維パターンを表面に有する基材を、細胞培養足場材料として使用する場合、基材はガラス又はプラスチックであることが好ましい。

0114

本発明の繊維パターンが、成分A及びBを含むネガ型感光性材料を含有し、且つ成分Aの全体又は一部が成分A2(好ましくは、生体高分子)である繊維により形成された繊維パターンである場合、該繊維パターンを表面に有する基材は、創傷被覆材料フェイスマスク美容用衛生管理用)等として好適に使用できる。

0115

本発明によれば、本発明の繊維又は繊維パターン(好ましくは、成分A及びBを含むネガ型感光性材料を含有し、且つ成分Aが成分A1である繊維、或いは当該繊維により形成された繊維パターン;成分A及びBを含むネガ型感光性材料を含有し、且つ成分Aの全体又は一部が成分A2(より好ましくは、生体高分子)である繊維、或いは当該繊維により形成された繊維パターン)を含む細胞培養足場材料も提供される。

0116

以下、本発明に係る具体例を説明するが、これによって本発明は何ら限定されるものではない。

0117

[重量平均分子量の測定]
本実施例において、重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定に用いた装置、測定条件は次の通りである。
装置:TOSOHHLC−8320GPC system
カラム:Shodex(登録商標)KF−803L、KF−802及びKF−801
カラム温度:40℃
溶離液DMF
流量:0.6ml/分
検出器RI
標準試料:ポリスチレン

0118

[電界紡糸法による繊維の製造方法]
本実施例において、電界紡糸法による繊維の製造は、エスプレイヤーES−2000(株式会社フュエンス製)を用いて実施した。繊維製造用組成物は、1mlのロック式ガラス注射筒(アズワン株式会社製)に注入し、針長13mmのロック式金属製ニードル24G(武蔵エンジニアリング株式会社製)を取り付けた。ニードル先端から繊維を受け取る基板までの距離(吐出距離)は20cmとした。印加電圧は25kVとし、吐出速度は10μl/minとした。

0119

<重合体1の合成>
N−イソプロピルアクリルアミド20.0g(0.177mol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.13g(0.044mol)及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業株式会社製)0.25gをプロピレングリコールモノメチルエーテル25.1gに溶解させ、窒素雰囲気下80℃で24時間反応させ、重合体1を含む溶液を得た。仕込み通りに反応が進行しているとすると、重合体1の全構造単位に対する、N−イソプロピルアクリルアミドに由来する構造単位の含有割合は80モル%であり、2−ヒドロキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は20モル%である。重合体1の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で19,000であった。

0120

<重合体2の調製>
重合体2として、東京応化工業株式会社製の厚膜ポジ型レジスト製品名:PMER固形分濃度40%))に含まれるノボラック樹脂をそのまま用いた。
重合体2の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で15,000であった。

0121

<感光性繊維製造用組成物の調製>
(実施例1)
重合体1を含む溶液2gにα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド(商品名:PAI−1001、みどり化学(株)製)0.05g、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル0.015g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル0.597gを加え、実施例1のネガ型感光性繊維製造用組成物を調製した。当該ネガ型感光性繊維製造用組成物における重合体1の含有割合は、約40重量%である。

0122

(比較例1)
α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニドを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のネガ型感光性繊維製造用組成物を調製した。

0123

(実施例2)
重合体2(8g)及び1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(2g)を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(15g)に溶解し、実施例2のポジ型感光性繊維製造用組成物を調製した。実施例2のポジ型感光性繊維製造用組成物における固形分(溶剤以外の成分)の濃度は、40重量%である。

0124

<パターニング試験(1)>
実施例1のネガ型感光性繊維製造用組成物を電界紡糸法にて、シリコンウエハ上に紡糸し、繊維層を形成した(繊維の直径:約1〜5μm)。当該繊維層を、走査型電子顕微鏡(SEM)(S−4800、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を使用して撮影した写真を、図1に示す。次いで該繊維層を、i線アライナーPLA−501((株)キヤノン製、露光量:1000mJ/cm2)を使用し、マスクを介して露光した。露光後、ホットプレート上で、140℃で5分間加熱(PEB)し、水に10分間暴露した。その後、100℃で1分間加熱して乾燥させ、横200μm×縦200μmの繊維パターンを得た。当該繊維パターンのSEM写真を図2に示す。また当該繊維パターンの一部断面の拡大図のSEM写真を図3に、当該繊維パターンの繊維部のSEM写真(図3の繊維部の一部の拡大図)を図4に示す。

0125

比較例1のネガ型感光性繊維製造用組成物を用いて、実施例1と同様にパターニング試験を行ったが、露光後の繊維層を水に暴露した結果、繊維が水に溶解したため、繊維パターンは得られなかった。

0126

<パターニング試験(2)>
実施例2のポジ型感光性繊維製造用組成物を電界紡糸法にて、アルミニウムフィルム(厚み25μm)上に紡糸し、繊維層を形成した(繊維の直径:約1〜5μm)。次いで、該繊維層を140℃のオーブンで2分間加熱し、該繊維層中の残留溶媒を除去するとともに、繊維を熱融解させ、繊維層とアルミニウムフィルムとの密着性を向上させた。オーブン加熱前及び加熱後の繊維層の光学顕微鏡写真を、それぞれ図5及び図6に示す。加熱後の繊維層を、超高圧水銀ランプ光源に用いて、フォトマスクを介してコンタクト露光した。露光波長は、350nm〜450nmまでのブロードバンド露光とした。また露光量は、i線波長にて測定し、1000mJ/cm2とした。露光した繊維層を、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に2分間暴露し、次いで、純水で5分間リンスした。その後、140℃のオーブンで5分間加熱して乾燥させ、横400μm×縦2000μmの繊維パターンを得た。露光前の繊維層のSEM写真を図7に、繊維パターンのSEM写真を図8に示す。

実施例

0127

<繊維の温度応答性>
実施例1のネガ型感光性繊維製造用組成物を電界紡糸法にて、シリコンウエハ上に紡糸し、繊維層を形成した(繊維の直径:約1〜5μm)。次いで該繊維層を20℃及び40℃の水に10分間浸漬させた後、光学顕微鏡にて繊維の状態を観察した(図9及び10)。観察の結果、20℃では繊維が膨潤し、40℃では繊維が収縮していたことから、当該繊維は温度応答性を有することが示された。

0128

本発明によれば、複雑で微細なレジストパターンを簡便に作製し得る感光性繊維及び該感光性繊維を用いて形成された繊維パターン、並びにそれらの製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、表面に複雑で微細な繊維パターンを有する基材を提供できる。

0129

本出願は、日本で出願された特願2015-087963(出願日:2015年4月22日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

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