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技術 繊維強化熱可塑性樹脂組成物

出願人 三菱瓦斯化学株式会社
発明者 松本隆宏掛谷文彰福永泰隆香取亜季
出願日 2016年4月14日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2017-514086
公開日 2018年2月15日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 WO2016-171060
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 強化プラスチック材料
主要キーワード 織物シート 土木建築材 最大曲げ シアノ基含有ビニルモノマー FRTP 熱可塑性複合材料 電子機器部材 連続強化繊維
関連する未来課題
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課題・解決手段

本発明は、連続強化繊維(A)及び熱可塑性樹脂(B)を含有する繊維強化熱可塑性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(B)が、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)及び芳香族系ビニルモノマー(c2)の共重合体(C)を含み、かつ前記共重合体(C)100質量%中の共役ジエン成分の割合が10質量%以下である、繊維強化熱可塑性樹脂組成物を提供する。

概要

背景

炭素繊維ガラス繊維アラミド繊維は、金属と比較して低比重でありながら、弾性率及び強度に優れるため、それらと種々のマトリックス樹脂とを組み合わせた複合材料は、航空機部材宇宙機部材、自動車部材船舶部材、土木建築材電子機器部材及びスポーツ用品等の多くの分野に用いられている。特に炭素繊維とエポキシ樹脂不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂とを組み合わせた熱硬化性炭素繊維強化複合材料が広く用いられている。

従来の熱硬化性炭素繊維強化複合材料は熱硬化に多大な時間を要する欠点があった。そこで近年では、熱可塑性樹脂マトリックスとする炭素繊維強化熱可塑性複合材料(以下“CFRTP”と称する場合がある)がハイサイクル成形可能な複合材料として期待され開発がなされている。
複雑形状の成形が可能な短繊維強化熱可塑性複合材料は既に実用化されているが、強化繊維繊維長が短いため、軽金属と比較すると著しく低弾性率になってしまう問題がある。この為、連続繊維で強化した熱可塑性樹脂組成物が強く望まれている。

このCFRTPに用いるマトリックス樹脂として安価な汎用プラスチック、例えばポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)が期待されているが、これら熱可塑性樹脂と特に炭素繊維との複合材料の機械的特性、特に曲げ強度は充分と言えるものではなかった。

機械的特性の改善を目的として、炭素繊維に気相酸化液相酸化等の酸化処理を施し、炭素繊維表面酸素含有官能基を導入し炭素繊維とマトリックス樹脂との界面密着性を向上させる提案が行われている。
例えば、特許文献1には炭素繊維に電解処理を施すことにより、界面接着性指標である層間剪断強度を向上させる方法が提案されているが、該炭素繊維で強化された熱可塑性樹脂複合材料の機械的特性は、充分とは言えないものであった。

更に、炭素繊維自体の問題としては脆く、集束性及び耐摩擦性に乏しいことが挙げられ、高次工工程において毛羽糸切れが発生しやすい。この問題改善を目的として、特許文献2及び3には炭素繊維にサイジング剤を塗布する方法が提案されているが、サイジング剤により、熱硬化性樹脂に対する炭素繊維の接着性は充分に付与することができるものの、依然として熱可塑性樹脂との界面接着性は低く、またサイジング処理された強化繊維で強化された熱可塑性樹脂複合材料の機械的特性は充分とは言えなかった。

上述の通り、曲げ強度などの機械的特性を改善するためには、炭素繊維側の処理だけでは充分ではなく、十分な曲げ強度を持つ熱可塑性炭素繊維複合材料を既存技術で達成することはできなかった。

概要

本発明は、連続強化繊維(A)及び熱可塑性樹脂(B)を含有する繊維強化熱可塑性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(B)が、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)及び芳香族系ビニルモノマー(c2)の共重合体(C)を含み、かつ前記共重合体(C)100質量%中の共役ジエン成分の割合が10質量%以下である、繊維強化熱可塑性樹脂組成物を提供する。

目的

本発明の目的は、上記の従来技術における問題点に鑑み、機械的特性に優れた繊維強化熱可塑性樹脂組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

連続強化繊維(A)及び熱可塑性樹脂(B)を含有する繊維強化熱可塑性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(B)が、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)及び芳香族系ビニルモノマー(c2)の共重合体(C)を含み、かつ前記共重合体(C)100質量%中の共役ジエン成分の割合が10質量%以下である、繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

請求項2

前記繊維強化熱可塑性樹脂組成物100質量%において、連続強化繊維(A)を1質量%〜80質量%、及び熱可塑性樹脂(B)を20質量%〜99質量%含有する、請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

請求項3

前記連続強化繊維(A)の繊維長の平均が10mm以上である、請求項1又は2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

請求項4

前記連続強化繊維が、炭素繊維ガラス繊維及びアラミド繊維からなる群より選択される何れかの1を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

請求項5

前記熱可塑性樹脂(B)100質量%における共重合体(C)の割合が50〜100質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

請求項6

前記共重合体(C)100質量%におけるシアノ基含有ビニルモノマー(c1)の割合が15質量%〜45質量%、かつ芳香族系ビニルモノマー(c2)の割合が55質量%〜85質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

請求項7

前記共重合体(C)が、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)及び芳香族系ビニルモノマー(c2)からなる共重合体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

請求項8

前記共重合体(C)がアクリロニトリル−スチレンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

請求項9

請求項1〜8のいずれかの一に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物を用いた成形体

請求項10

最大曲げ強度が300MPa以上である、請求項9に記載の成形体。

技術分野

0001

本発明は、航空機部材宇宙機部材、自動車部材船舶部材、土木建築材電子機器部材及びスポーツ関連部材などに好適に用いられる繊維強化熱可塑性樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

炭素繊維ガラス繊維アラミド繊維は、金属と比較して低比重でありながら、弾性率及び強度に優れるため、それらと種々のマトリックス樹脂とを組み合わせた複合材料は、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材、土木建築材、電子機器部材及びスポーツ用品等の多くの分野に用いられている。特に炭素繊維とエポキシ樹脂不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂とを組み合わせた熱硬化性炭素繊維強化複合材料が広く用いられている。

0003

従来の熱硬化性炭素繊維強化複合材料は熱硬化に多大な時間を要する欠点があった。そこで近年では、熱可塑性樹脂マトリックスとする炭素繊維強化熱可塑性複合材料(以下“CFRTP”と称する場合がある)がハイサイクル成形可能な複合材料として期待され開発がなされている。
複雑形状の成形が可能な短繊維強化熱可塑性複合材料は既に実用化されているが、強化繊維繊維長が短いため、軽金属と比較すると著しく低弾性率になってしまう問題がある。この為、連続繊維で強化した熱可塑性樹脂組成物が強く望まれている。

0004

このCFRTPに用いるマトリックス樹脂として安価な汎用プラスチック、例えばポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)が期待されているが、これら熱可塑性樹脂と特に炭素繊維との複合材料の機械的特性、特に曲げ強度は充分と言えるものではなかった。

0005

機械的特性の改善を目的として、炭素繊維に気相酸化液相酸化等の酸化処理を施し、炭素繊維表面酸素含有官能基を導入し炭素繊維とマトリックス樹脂との界面密着性を向上させる提案が行われている。
例えば、特許文献1には炭素繊維に電解処理を施すことにより、界面接着性指標である層間剪断強度を向上させる方法が提案されているが、該炭素繊維で強化された熱可塑性樹脂複合材料の機械的特性は、充分とは言えないものであった。

0006

更に、炭素繊維自体の問題としては脆く、集束性及び耐摩擦性に乏しいことが挙げられ、高次工工程において毛羽糸切れが発生しやすい。この問題改善を目的として、特許文献2及び3には炭素繊維にサイジング剤を塗布する方法が提案されているが、サイジング剤により、熱硬化性樹脂に対する炭素繊維の接着性は充分に付与することができるものの、依然として熱可塑性樹脂との界面接着性は低く、またサイジング処理された強化繊維で強化された熱可塑性樹脂複合材料の機械的特性は充分とは言えなかった。

0007

上述の通り、曲げ強度などの機械的特性を改善するためには、炭素繊維側の処理だけでは充分ではなく、十分な曲げ強度を持つ熱可塑性炭素繊維複合材料を既存技術で達成することはできなかった。

先行技術

0008

特開平04−361619号公報
米国特許第3,957,716号明細書
特公昭62−056266公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、上記の従来技術における問題点に鑑み、機械的特性に優れた繊維強化熱可塑性樹脂組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含有する繊維強化熱可塑性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂が、シアノ基含有ビニルモノマー及び芳香族系ビニルモノマー共重合体を含み、かつ共役ジエン成分含有量を一定以下にすることにより、上記の目的を達成できることを見出した。
すなわち本発明は、以下に示すものである。

0011

[1]連続強化繊維(A)及び熱可塑性樹脂(B)を含有する繊維強化熱可塑性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(B)が、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)及び芳香族系ビニルモノマー(c2)の共重合体(C)を含み、かつ前記共重合体(C)100質量%中の共役ジエン成分の割合が10質量%以下である、繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

0012

[2] 前記繊維強化熱可塑性樹脂組成物100質量%において、連続強化繊維(A)を1質量%〜80質量%、及び熱可塑性樹脂(B)を20質量%〜99質量%含有する、[1]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

0013

[3] 前記連続強化繊維(A)の繊維長の平均が10mm以上である、[1]又は[2]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

0014

[4] 前記連続強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維からなる群より選択される何れかの1を含有する、[1]〜[3]のいずれかの一に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

0015

[5] 前記熱可塑性樹脂(B)100質量%における共重合体(C)の割合が50〜100質量%である、[1]〜[4]のいずれかの一に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

0016

[6] 前記共重合体(C)100質量%におけるシアノ基含有ビニルモノマー(c1)の割合が15質量%〜45質量%、かつ芳香族系ビニルモノマー(c2)の割合が55質量%〜85質量%である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

0017

[7] 前記共重合体(C)が、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)及び芳香族系ビニルモノマー(c2)からなる共重合体である、[1]〜[6]のいずれかの一に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

0018

[8] 前記共重合体(C)がアクリロニトリル−スチレンである、[1]〜[7]のいずれかの一に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。

0019

[9] [1]〜[8]のいずれかの一に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物を用いた成形体

0020

[10]最大曲げ強度が300MPa以上である、[9]に記載の成形体。

発明の効果

0021

シアノ基に起因する複合材料の曲げ強度向上の効果及び連続繊維による補強効果により、機械的特性の優れた繊維強化熱可塑性樹脂組成物が得られる。

0022

本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含有する繊維強化熱可塑性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂が、シアノ基含有ビニルモノマー及び芳香族系ビニルモノマーの共重合体を含む繊維強化熱可塑性樹脂組成物である。

0023

<連続強化繊維(A)>
本発明で使用される、連続強化繊維(A)には、ガラス繊維、炭素繊維(例えば、PAN系炭素繊維ピッチ系炭素繊維など)又はアラミド繊維等が挙げられ、弾性率の点から炭素繊維が好ましい。
連続強化繊維(A)の繊維長は平均10mm以上であるものが好ましく、成形後の成形品よりも長い繊維を使用することがより好ましい。
また、連続強化繊維の形態としては、一方向シート織物シート多軸積層シート等が挙げられ、具体例としては以下に示されるが、本発明を限定するものではない。

0024

ガラス繊維:(日東紡績社製)WF 350 100BS6
アラミド繊維:(帝人社製)トワロン
炭素繊維:(有沢製作所社製)CFP3113

0025

本発明の連続強化繊維(A)の割合は、繊維強化熱可塑性樹脂組成物100質量%において、1質量%〜80質量%であってよく、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の機械的特性の観点から好ましくは40質量%〜75質量%、より好ましくは50質量%〜75質量%である。

0026

<熱可塑性樹脂(B)>
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(B)は、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)及び芳香族系ビニルモノマー(c2)の共重合体(C)を含有する。ここで、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)及び芳香族系ビニルモノマー(c2)の共重合体(C)とは、モノマー(c1)及びモノマー(c2)を含むモノマー混合物より生成する共重合体を意味し、そのモノマーの配列には、特に限定はなく、ランダムブロック、グラフト、交互などであってよい。

0027

シアノ基含有ビニルモノマー(c1)とは、シアノ基を有するビニルモノマーであり、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。機械的特性の観点からアクリロニトリルが好ましい。
共重合体(C)100質量%において、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)の割合は、15質量%〜45質量%であってよく、機械的特性の理由から20質量%〜40質量%であることが好ましい。すなわち、共重合体(C)を生成するモノマー混合物中のモノマー成分の合計に対して、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)の割合が、15質量%〜45質量%であってよく、20質量%〜40質量%であることが好ましい。

0028

芳香族系ビニルモノマー(c2)とは、芳香環を有するビニルモノマーであり、例えばスチレン、ブロモスチレンα−メチルスチレンなどが挙げられる。入手容易性の観点からスチレンが好ましい。
共重合体(C)100質量%において芳香族系ビニルモノマー(c2)の割合は、55質量%〜85質量%であってよく、機械的特性の観点から60質量%〜80質量%であることが好ましい。すなわち、共重合体(C)を生成するモノマー混合物中のモノマー成分の合計に対して、芳香族系ビニルモノマー(c2)の割合が、55質量%〜85質量%であってよく、60質量%〜80質量%であることが好ましい。
共重合体(C)を生成するモノマー混合物には、任意のビニル系モノマーを含んでいてもよい。そのようなビニル系モノマーとして、エチレンプロピレンジエンアクリル酸エステル、2−クロロエチルビニルエーテルなどが挙げられる。好ましくは、共重合体(C)は、シアノ基含有ビニルモノマー(c1)及び芳香族系ビニルモノマー(c2)のみから生成される共重合体である。

0029

このような共重合体(C)しては例えば、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、アクリロニトリルエチレンプロピレンジエンスチレン(AES)樹脂、アクリレートスチレンアクリロニトリル(ASA)樹脂が挙げられる。
より具体的には、日本エイアンドエル社製ライタック−A 100PCF/120PCF、テクポリマー社製サンレックスSAN−C/SAN−R/SAN−H/SAN−L/SAN−T、ダイセルポリマー社製セビアン−N 020/020SF/050/050SF/070SF/080SF、旭化成ケミカルズ社製スラタックAS 767/T8701/769/789/783/T8707/CS747、東レ社製トヨラックA20C−300/A25C−300などのいわゆるAS樹脂もしくはSAN樹脂が挙げられ、市販品を容易に入手することができる。ただし、発明の効果を奏する限りにおいて、これらに限定されない。
熱可塑性樹脂(B)100質量%中の上記共重合体(C)の割合は50質量%〜100質量%であってよく、80質量%〜100質量%のものが安価な複合材料が得られるため好ましい。

0030

熱可塑性樹脂(B)には発明の効果を奏する限りにおいて前記共重合体(C)以外の成分を含んでいてもよく、その他の樹脂及び、離型剤難燃剤酸化防止剤などの各種添加剤を配合することができる。
例えば耐熱性や耐薬性などの改善を目的としたエンジニアリングプラスチックスーパーエンジニアリングプラスチックなど(ポリカーボネートポリアミドポリエステルなど)を加えてAS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂などのアロイとして用いることが出来る。
これらの成分の熱可塑性樹脂(B)100質量%中の割合は0〜50質量%であってよく、0〜20質量%のものが安価な複合材料が得られるため好ましい。

0031

一方、共重合体(C)中の共役ジエン成分は、10質量%以下である。すなわち、共重合体(C)を生成するモノマー混合物中のモノマー成分の合計に対して、共役ジエン成分の割合が、10質量%以下であることを意味する。
共役ジエン成分とはひとつの単結合によって二重結合が隔てられ、共役したジエンを持つモノマーであり、例えばブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
共重合体(C)中の共役ジエン成分が10質量%より多いと、曲げ強度が低下する。

0032

共重合体(C)としては特にAS樹脂が、安価かつ機械的特性に優れる複合材料が得られるため好ましく、AS樹脂中の組成モノマー比)がアクリロニトリル/スチレン=20/80質量%〜40/60質量%の範囲にあると特に好ましい。

0033

<繊維強化熱可塑性樹脂組成物>
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の連続強化繊維(A)と熱可塑性樹脂(B)の割合は、繊維強化熱可塑性樹脂組成物100質量%において、連続強化繊維(A)1質量%〜80質量%、熱可塑性樹脂(B)20質量%〜99質量%であってよく、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の機械的特性の観点から、好ましくは、連続強化繊維(A)40質量%〜75質量%、熱可塑性樹脂(B)25質量%〜60質量%である。
この範囲よりも強化繊維の割合が少ない場合、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の機械的特性は軽金属と同等以下となってしまい、強化繊維割合がこの範囲よりも多い場合では、樹脂量が少なく、マトリックス樹脂による強化繊維の集束作用が機能せず、機械的特性が低下する。

0034

繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂(B)の溶融樹脂押出機のTダイから流し、繰り出された連続繊維シート合流させ含浸させる方法、粉末樹脂を連続繊維上に分散し加熱溶融させる方法、樹脂をフィルム化して熱ラミネートする方法、樹脂を溶剤に溶解させた後に連続繊維に含浸・乾燥させる方法などがある。

0035

以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。尚、発明の効果を奏する限りにおいて、適宜実施形態を変更することが出来る。

0036

[実施例1]
平織炭素繊維クロス(有沢製作所製、CFP−3113:質量200g/m2、厚み0.2mm、繊維長タテ210mm、ヨコ300mm)を、AS樹脂(テクノポリマー社製「SANREX 290FF」(アクリロニトリル/スチレン=24/76質量%))25質量部とメチルエチルケトン(以下、単にMEKと表すこともある。)75質量部を含むワニスに30秒含浸させた後、100℃で1時間の乾燥を行うことにより溶剤を除去し、AS樹脂中に炭素繊維クロスが配されたプリプレグを得た。
このプリプレグ材を6枚準備し、これらを重ねたものを、150℃に加熱された状態の平板形状の金型を用いてプレス時間5分、成形圧力1.0MPaの条件でプレス成形を行い、連続繊維強化AS樹脂シートを得た。
得られたシートをJIS K 7074に従い曲げ特性を評価し、結果を表1に示した。

0037

[比較例1]
平織炭素繊維クロス(有沢製作所製、CFP−3113:質量200g/m2、厚み0.2mm、繊維長タテ210mm、ヨコ300mm)を、ABS樹脂(テクノポリマー社製「テクノABSDP611」(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン=16/40/44質量%))25質量部とMEK75質量部を含むワニスに30秒含浸させた後、100℃で1時間の乾燥を行うことにより溶剤を除去し、ABS樹脂中に炭素繊維クロスが配されたプリプレグを得た。
このプリプレグ材を6枚準備し、これらを重ねたものを、150℃に加熱された状態の平板形状の金型を用いてプレス時間5分、成形圧力1.0MPaの条件でプレス成形を行い、連続繊維強化ABS樹脂シートを得た。
得られたシートをJIS K 7074に従い曲げ特性を評価し、結果を表1に示した。

0038

[比較例2]
平織炭素繊維クロス(有沢製作所製、CFP−3113:質量200g/m2、厚み0.2mm、繊維長タテ210mm、ヨコ300mm)を、PS樹脂(PSジャパン社製、PSJ−ポリスチレン)25質量部とMEK75質量部を含むワニスに30秒含浸させた後、100℃で1時間の乾燥を行うことにより溶剤を除去し、PS樹脂中に炭素繊維クロスが配されたプリプレグを得た。
このプリプレグ材を6枚準備し、これらを重ねたものを、150℃に加熱された状態の平板形状の金型を用いてプレス時間5分、成形圧力1.0MPaの条件でプレス成形を行い、連続繊維強化PS樹脂シートを得た。
得られたシートをJIS K 7074に従い曲げ特性を評価し、結果を表1に示した。

0039

[比較例3]
炭素短繊維強化ポリアミド(PA)66(東レ社製、トレカ短繊維ペレット、3101T40、繊維長1mm以下)を用いて射出成形により厚み1mm、幅15mm、長さ60mmの曲げ試験片を作成し、短繊維強化PA66樹脂シートを得た。シリンダー温度は290℃、金型温度は80℃とした。得られたシートをJIS K 7074に従い曲げ特性を評価し、結果を表1に示した。

0040

0041

上記の実施例1及び比較例1〜3から以下のことが言える。
CFRTPにおいてマトリックス樹脂をAS樹脂にした場合、マトリックス樹脂がPS樹脂である場合と比較して、曲げ強度が向上する(実施例1、比較例2)。これは、AS樹脂に含まれるシアノ基が曲げ強度の向上に寄与していると考えられる。

0042

CFRTPにおいてマトリックス樹脂をAS樹脂にした場合、マトリックス樹脂がABS樹脂である場合と比較して、曲げ強度が向上する(実施例1、比較例1)。これは、ABS樹脂に含まれる共役ジエン成分が、複合材料の曲げ強度を低下させていると考えられる。

実施例

0043

CFRTPにおいて強化繊維を連続繊維とした場合、強化繊維が短繊維である場合と比較して、弾性率が大幅に向上する(実施例1、比較例3)。マトリックス樹脂に、複合材料の曲げ強度が高くなるPA66を使用しても、強化繊維が短繊維の場合に軽金属と同等の弾性率を得ることは困難であり、強化繊維を連続繊維とすることの重要性がわかる。

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