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技術 強化ガラス

出願人 日本電気硝子株式会社
発明者 深田睦木下清貴
出願日 2016年3月29日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2017-514037
公開日 2018年2月15日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 WO2016-170931
状態 特許登録済
技術分野 ガラス組成物(第三版) 要素組合せによる可変情報用表示装置1 ガラスの表面処理
主要キーワード 端面割れ 応力プロファイル 破壊確率 ワイドレンジ モバイル端末用 鋼球落下試験 成分バランス 圧縮応力値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月15日)のものです。
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図面 (4)

課題・解決手段

鋭い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破る傷が発生して割れるモード及び鈍い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破らない傷が発生して割れるモードの何れに対しても耐性があり、しかも生産性のよい強化ガラスを提供する。本発明の強化ガラスは、板厚が0.6mm以下であり、化学強化による圧縮応力層を表面に有する強化ガラスであって、圧縮応力層の圧縮応力値をCS[MPa]、圧縮応力層の深さをDOL[μm]、板厚をt[μm]としたときに、CS×(DOL−20)/DOL>360、且つDOL/t≦0.20の条件を満たすことを特徴とする。

概要

背景

携帯電話スマートフォンタブレット端末等のモバイル端末は、益々普及する傾向にある。これらの用途には、イオン交換処理等で強化処理した強化ガラスが用いられている。

ところでスマートフォン等に搭載された強化ガラスが割れる場合、割れの発生箇所の違いから、表面に起点のある「面割れ」と、端面に起点のある「端面割れ」とに大別できる。

面割れは、ガラス表面にガラスより硬い、或いは同等の硬度突起物が当たることにより生じることが多く、端面割れは、端部に衝撃が加わった時や局所的な曲げ応力が加わった時に生じることが多い。端面割れに関してはスマートフォン等の筺体材質剛性などが支配的であるが、面割れは、ガラスの特性によって割れ易さが決まる。それゆえ強化ガラスの応力設計がより重要となる。

面割れについて詳述すると、その割れ方は大きく分けて二つのモードがある。つまり鋭い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破る傷が発生して割れるモード(モード1)と、鈍い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破らない傷が発生して割れるモード(モード2)がある。カバーガラスの割れは、スマートフォン等の落下が原因で生じることが多いが、落下のパターンは様々であり、何れの割れモードに対しても耐性が高いことが求められる。

例えば特許文献2では、モード1の割れをスロークラック割れと称し、この割れに対する耐性が高い強化ガラスが得られるように、熱処理工程を挟んで化学強化処理工程を2回行うことを提案している。このようにして作製された強化ガラスは、圧縮応力値半値となる位置(HW)が圧縮応力層の表面近傍に存在する。

概要

鋭い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破る傷が発生して割れるモード及び鈍い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破らない傷が発生して割れるモードの何れに対しても耐性があり、しかも生産性のよい強化ガラスを提供する。本発明の強化ガラスは、板厚が0.6mm以下であり、化学強化による圧縮応力層を表面に有する強化ガラスであって、圧縮応力層の圧縮応力値をCS[MPa]、圧縮応力層の深さをDOL[μm]、板厚をt[μm]としたときに、CS×(DOL−20)/DOL>360、且つDOL/t≦0.20の条件を満たすことを特徴とする。

目的

本発明の目的は、何れのモードの表面割れに対しても耐性があり、しかも生産性のよい強化ガラスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

板厚が0.6mm以下であり、化学強化による圧縮応力層を表面に有する強化ガラスであって、圧縮応力層の圧縮応力値をCS[MPa]、圧縮応力層の深さをDOL[μm]、板厚をt[μm]としたときに、CS×(DOL−20)/DOL>360、且つDOL/t≦0.20の条件を満たすことを特徴とする強化ガラス。

請求項2

板厚が0.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス。

請求項3

圧縮応力値が500〜1200MPa、圧縮応力層の深さが25〜60μmであることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の強化ガラス。

請求項4

1回の化学強化処理で化学強化されてなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の強化ガラス。

請求項5

表面に圧縮応力層を有する強化ガラスであって、ガラス組成として、質量%で、SiO250〜80%、Al2O38〜30%、B2O30〜6%、Li2O0〜2%、Na2O5〜25%、MgO0〜10%、P2O50〜15%を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の強化ガラス。

請求項6

以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の強化ガラス。SUS定盤からなる基台上に、板厚4mmのアクリル板、P320のサンドペーパー、強化ガラス、板厚4mmのアクリル板の順序積層配置し、110gの鋼球を前記積層体上に落下させ、強化ガラスが破壊する高さを評価する試験において、強化ガラスの破壊時の平均高さが43cm以上となること。ここでサンドペーパーは擦り面が強化ガラスと接触するように配置する。

請求項7

以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の強化ガラス。花崗岩からなる基台上に強化ガラス、P100のサンドペーパーの順序で配置し、4gの鋼球を5cmの高さからサンドペーパー上に落下させ、破壊した強化ガラスの破片数を評価する試験において、破壊した強化ガラスの破片数が平均で80個以下となること。ここでサンドペーパーは擦り面が強化ガラスと接触するように配置する。

請求項8

請求項1〜7の何れかの強化ガラスからなることを特徴とするモバイル端末用カバーガラス

技術分野

0001

本発明は、強化ガラス係り、特に、携帯電話スマートフォンタブレット端末等のモバイル端末カバーガラス等に好適な強化ガラスに関する。

背景技術

0002

携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等のモバイル端末は、益々普及する傾向にある。これらの用途には、イオン交換処理等で強化処理した強化ガラスが用いられている。

0003

ところでスマートフォン等に搭載された強化ガラスが割れる場合、割れの発生箇所の違いから、表面に起点のある「面割れ」と、端面に起点のある「端面割れ」とに大別できる。

0004

面割れは、ガラス表面にガラスより硬い、或いは同等の硬度突起物が当たることにより生じることが多く、端面割れは、端部に衝撃が加わった時や局所的な曲げ応力が加わった時に生じることが多い。端面割れに関してはスマートフォン等の筺体材質剛性などが支配的であるが、面割れは、ガラスの特性によって割れ易さが決まる。それゆえ強化ガラスの応力設計がより重要となる。

0005

面割れについて詳述すると、その割れ方は大きく分けて二つのモードがある。つまり鋭い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破る傷が発生して割れるモード(モード1)と、鈍い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破らない傷が発生して割れるモード(モード2)がある。カバーガラスの割れは、スマートフォン等の落下が原因で生じることが多いが、落下のパターンは様々であり、何れの割れモードに対しても耐性が高いことが求められる。

0006

例えば特許文献2では、モード1の割れをスロークラック割れと称し、この割れに対する耐性が高い強化ガラスが得られるように、熱処理工程を挟んで化学強化処理工程を2回行うことを提案している。このようにして作製された強化ガラスは、圧縮応力値半値となる位置(HW)が圧縮応力層の表面近傍に存在する。

先行技術

0007

特許5293908号

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1で提案された方法では、モード1の割れの発生防止を主眼としており、モード2の割れについては十分に考慮されていない。また2回の化学強化工程と1回の熱処理工程を必要とすることから、高コストであり、また手間がかかる上、品質を安定させることが困難である。

0009

また近年のスマートフォンの薄型化の要求に伴うカバーガラスの薄型化への要求から、モード2の割れが益々発生し易くなる傾向にある。

0010

本発明の目的は、何れのモードの表面割れに対しても耐性があり、しかも生産性のよい強化ガラスを提供することである。

課題を解決するための手段

0011

本発明者等は種々の検討を行った結果、表面から20μm程度の深さにおける圧縮応力値が十分に高くなるように応力設計すれば、1回の化学強化工程であっても、モード2の割れに対して十分な耐性が得られることを見出した。ところがモード1の割れは、強化ガラスの内部引張応力値(CT)が大きいほど発生しやすくなることから、モード2の割れ耐性を高めると内部引張応力値が大きくなり、モード1の割れが発生し易くなる。この傾向は板厚が小さくなるほど顕著になる。そこで本発明者等はさらなる検討を行い、圧縮応力層の深さを板厚の一定割合以下に管理することにより、両モードの割れ耐性を高いレベル両立できることを見出し、本発明を提案するに至った。なお内部引張応力値は、圧縮応力値CS[MPa]、圧縮応力層の深さDOL[μm]及び板厚t[μm]を用いて、下記の式1から求めた値である。

0012

式1: CT=(CS・DOL)/(t−2・DOL)
即ち、本発明の強化ガラスは、板厚が0.6mm以下であり、化学強化による圧縮応力層を表面に有する強化ガラスであって、圧縮応力層の圧縮応力値をCS[MPa]、圧縮応力層の深さをDOL[μm] 、板厚をt[μm]としたときに、CS×(DOL−20)/DOL>360[MPa]、且つDOL/t≦0.20の条件を満たすことを特徴とする。なお本発明において圧縮応力値CS及び圧縮応力層の深さDOLは、折原製作所製ガラス表面応力FMS−6000LEで測定した値を指す。「CS×(DOL−20)/DOL」とは、CSに、DOLから20引いた値を乗じた上で、これによって得られた値をDOLで除した値を意味する。

0013

本発明においては、板厚が0.5mm以下であることが好ましい。

0014

板厚が薄いほど、内部応力値が大きくなりやすくなってモード1の割れが生じる可能性が高くなることから、上記構成を採用すれば、本発明を適用することによる効果を享受し易い。

0015

本発明においては、圧縮応力値が500〜1200MPa、圧縮応力層の深さが25〜60μmであることが好ましい。

0016

上記構成を採用すれば、モード1及びモード2に対する割れ耐性をより高いレベルで両立し易くなる。

0017

本発明においては、化学強化ガラスが1回の化学強化処理で化学強化されてなることが好ましい。

0018

上記構成を採用すれば、製造コストが安価であり、また工程や品質の管理が容易になる。

0019

本発明においては、ガラス組成として、質量%で、SiO2 50〜80%、Al2O3 8〜30%、B2O3 0〜6%、Li2O 0〜2%、Na2O 5〜25%、MgO 0〜10%、P2O5 0〜15%を含有することが好ましい。

0020

上記構成を採用すれば、所望の応力分布を持つ強化ガラスを作製しやすくなる。

0021

本発明においては、強化ガラスが以下の条件を満たすことが好ましい。

0022

SUS定盤からなる基台上に、板厚4mmのアクリル板、P320のサンドペーパー(サンドペーパーは擦り面が強化ガラスと接触するように配置)、強化ガラス、板厚4mmのアクリル板の順序積層配置し、110gの鋼球を前記積層体上に落下させ、強化ガラスが破壊する高さを評価する試験をした場合に、強化ガラスの破壊時の平均高さが43cm以上となること。ここで「P320のサンドペーパー」とは、JIS R6252で規定されたものを意味する。また「平均高さ」とは、サンプル数30個での平均高さを意味する。

0023

上記条件を満たすようにすれば、モード2の割れ耐性が極めて高い強化ガラスとなる。

0024

本発明においては、強化ガラスが以下の条件を満たすことが好ましい。

0025

花崗岩からなる基台上に強化ガラス、P100のサンドペーパー(サンドペーパーは擦り面が強化ガラスと接触するように配置)の順序で配置し、4gの鋼球を5cmの高さからサンドペーパー上に落下させ、破壊した強化ガラスの破片数を評価する試験において、破壊した強化ガラスの破片数が平均で80個以下となること。ここで「P100のサンドペーパー」とは、JIS R6252で規定されたものを意味する。また「破片数の平均」とは、破損したサンプル数での平均破片数を意味する。

0026

上記条件を満たすようにすれば、モード1の割れ耐性が高い強化ガラスとなる。

0027

また本発明のモバイル端末用カバーガラスは、上記した強化ガラスからなることを特徴とする。

発明の効果

0028

本発明の強化ガラスは、鋭い突起を有するものがガラス表面に当たって圧縮応力層を突き破る傷が発生して割れるモード(モード1)、及び鈍い突起を有するものガラス表面に当たって圧縮応力層を突き破らない傷が発生して割れるモード(モード2)の両モードの割れ耐性を高いレベルで両立できる。それゆえ様々な原因でガラスが破損し易いスマートフォン等のカバーガラスとして好適である。

0029

また、本発明の強化ガラスは、一回の強化処理でも作製可能であることから、製造コストの低減や、工程の簡略化や品質管理の負担を軽減することが可能である。

図面の簡単な説明

0030

モード2の割れを評価する試験方法を説明する概略図である。
モード1の割れを評価する試験方法を説明する概略図である。
実施例の評価結果を示すグラフである。

0031

本発明の強化ガラスは、その表面に圧縮応力層を有する。表面に圧縮応力層を形成する方法として、物理強化法と化学強化法があるが、本発明の強化ガラスは化学強化法で形成される。

0032

化学強化法は、ガラスの歪点以下の温度でイオン交換処理によりガラスの表面にイオン半径が大きいアルカリイオンを導入する方法である。化学強化法で圧縮応力層を形成すれば、ガラスの板厚が小さい場合でも、圧縮応力層を適正に形成し得ると共に、圧縮応力層を形成した後に、強化ガラスを切断しても、風冷強化法等の物理強化法のように、強化ガラスが容易に破壊しないという特徴がある。

0033

本発明の強化ガラスは、圧縮応力値CSと圧縮応力層の深さDOLが、CS×(DOL−20)/DOL>360の関係にある。ここでCS×(DOL−20)/DOLは、表面から20μmの深さにおける圧縮応力の大きさを表している。ここで表面から20μmの深さにおける圧縮応力の大きさを限定した理由は次の通りである。カバーガラスが破損していないスマートフォン180個について、カバーガラス表面の傷の深さを調査したところ、傷の深さは最大で20μmであった。また確認された傷は何れも圧縮応力層を突き抜けるものではなかった。よってモード2の割れ耐性を高めるには、表面から20μmの
深さにおける圧縮応力の大きさを十分に高くすればよいとの知見を得た。そしてCS×(DOL−20)/DOLの値が360を超えれば、後述するP360のサンドペーパーを用いた鋼球落下試験において、市販されている化学強化を2回施したカバーガラスよりも割れにくくなることが明らかになった。これらの事実から、モード2の割れ耐性は、CS×(DOL−20)/DOLの値が360を超えることが重要であると結論付けた。

0034

CS×(DOL−20)/DOLの値の好ましい範囲は、370以上、380以上、特に390以上である。この値が小さすぎるとモード2の割れ耐性が低下する。一方、この値が大きくなると、CSやDOLが大きくなるため、式1から理解されるように内部引張応力CTが大きくなってしまう。特に板厚tが小さい場合にはCTが著しく大きくなり、モード1の割れが生じる危険性が高まる。このような事情から、CS×(DOL−20)/DOLの値の上限は、500以下、450以下、440以下、430以下、425以下、特に420以下であることが好ましい。

0035

本発明の強化ガラスは、DOL/t≦0.20の関係にある。ここでDOL/tは、板厚に占める圧縮応力層(片側)の深さの割合を示している。既述の通り、CSやDOLが大きくなるとCTが大きくなる。特に板厚tが小さい場合にはCTが著しく大きくなり、モード1の割れが生じる危険性が高まる。そこでCTが大きくなり過ぎないように、本発明では板厚に対するDOLの割合を厳密に規制している。DOL/tの好ましい範囲は、0.17以下、0.15以下、特に0.13以下である。なおDOLが薄すぎる場合、モード2の割れが生じやすくなるため、DOL/tの下限は、0.04以上、0.05以上、特に0.05以上であることが好ましい。

0036

本発明の強化ガラスは、板厚が0.6mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.5mm未満、さらに好ましくは0.45mm以下、特に好ましくは0.4mm以下である。板厚が薄くなるほど、モバイル端末等の軽量化や薄型化が容易になる。また板厚が薄くなれば、既述の通り、CTが大きくなってモード1の割れが発生しやすくなる傾向があることから、モード1の割れ耐性を高めることができる本発明の効果を享受し易くなる。ただし板厚が薄くなり過ぎると材料自体機械的強度が不十分となることから、板厚の下限は0.1mm以上、特に0.2mm以上とすることが好ましい。

0037

本発明の強化ガラスは、圧縮応力層の圧縮応力値CSが、500MPa以上、540MPa以上、600MPa以上、特に670MPa以上であることが好ましい。圧縮応力値が大きい程、強化ガラスの機械的強度が高くなる。特にモード2の割れ耐性が高くなる。一方、表面に極端に大きな圧縮応力が形成されると、強化ガラスに内在する引張応力CTが高くなり、自己破壊するおそれがある。またモード1の割れ耐性が低下する。このため、圧縮応力層の圧縮応力値は1200MPa以上、1000MPa以下、900MPa以下、特に850MPa以下であることが好ましい。なお、ガラス組成中のAl2O3、TiO2、ZrO2、MgO、ZnOの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すれば、圧縮応力値が大きくなる傾向がある。また、イオン交換時間を短くしたり、イオン交換溶液の温度を下げれば、圧縮応力値が大きくなる傾向がある。

0038

圧縮応力層の深さDOLは、25μm以上、28μm以上、30μm以上、特に35μm以上であることが好ましい。圧縮応力層の深さが大きい程、表面に形成された傷が圧縮応力層を突き抜け難くなることから、モード1の割れ耐性が向上する。一方、圧縮応力層の深さが大きい程、強化ガラスに内在する引張応力CTが高くなり、自己破壊するおそれがある。また強化ガラスを切断し難くなる。このため、圧縮応力層の深さは60μm以下、55μm以下、特に50μm以下であることが好ましい。なお、ガラス組成中のK2O、P2O5の含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すれば、圧縮応力層の深さが大きくなる傾向がある。また、イオン交換時間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を上げれば、圧縮応力層の深さが大きくなる傾向がある。

0039

式1で求められる内部引張応力値CTは、200MPa以下、150MPa以下、130MPa以下、特に108MPa以下であることが好ましい。内部引張応力値が低いほど、自己破壊やモード1の割れに対する耐性は高くなる。一方、モード2の割れ耐性を高めるためには、圧縮応力値や圧縮応力層の深さを大きくすることが好ましい。圧縮応力値や圧縮応力層の深さを大きくすると内部引張応力値が大きくなる傾向があることから、本発明では内部引張応力値の下限を60MPa以上、80MPa以上、特に85MPa以上とすることが好ましい。

0040

本発明の強化ガラスは、1回の化学強化処理で強化されたものであることが好ましい。本発明においては、2回以上の化学強化処理工程を経た強化ガラスを排除するものではないが、化学強化処理工程を2回以上行う場合、製造コストが高騰する。また工程や品質の管理が難しくなる。なお本発明において、化学強化処理が複数回行われたかどうかは、化学強化ガラスの断面を顕微鏡タイプワイドレンジ複屈折評価システムフォトニックラティス製WPA−micro)又は複屈折率イメージングシステム(東京インスツルメンツ製Abrio)で観察し、応力プロファイル屈曲点が存在するかどうかで判定すればよい。

0041

本発明の強化ガラスにおいては、ガラス組成は特に制限されるものではないが、質量%で、SiO2 50〜80%、Al2O3 8〜30%、B2O3 0〜6%、Li2O 0〜2%、Na2O 5〜25%、MgO 0〜10%、P2O5 0〜15%を含有するガラス組成であることが好ましい。各成分の含有範囲をこのように限定した理由を下記に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、特に断りがない限り、質量%を指す。

0042

SiO2は、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiO2の含有量は50〜80%であり、好ましくは55〜75%、好ましくは56〜72%、好ましくは56〜70%、特に好ましくは57〜67%である。SiO2の含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなる。一方、SiO2の含有量が多過ぎると、溶融性成形性が低下し易くなり、また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。

0043

Al2O3は、イオン交換性能を高める成分であり、また歪点やヤング率を高める成分である。Al2O3の含有量は8〜30%であり、好ましくは10〜28%、好ましくは14〜25%、特に好ましくは16〜22%である。Al2O3の含有量が少な過ぎると、イオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。一方、Al2O3の含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等でガラス板を成形し難くなる。特に、アルミナ成形体を用いて、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形する場合、アルミナの成形体との界面にスピネルの失透結晶が析出し易くなる。また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また耐酸性も低下し、酸処理工程に適用し難くなる。更には高温粘性が高くなり、溶融性が低下し易くなる。

0044

B2O3は、高温粘度や密度を低下させると共に、ガラスを安定化させて結晶を析出させ難くし、また液相温度を低下させる成分である。B2O3の含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%、好ましくは0.05〜6%、特に好ましくは0.1〜3%である。B2O3の含有量が多過ぎると、イオン交換によって、ヤケと呼ばれるガラス表面の着色が発生したり、耐水性が低下したり、圧縮応力層の厚みが小さくなり易い。

0045

Li2Oは、イオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分であると共に、ヤング率を高める成分である。更にLi2Oは、アルカリ金属酸化物の中では圧縮応力値を高める効果が大きいが、Na2Oを7%以上含むガラス系において、Li2Oの含有量が極端に多くなると、かえって圧縮応力値が低下する傾向がある。また、Li2Oの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下して、ガラスが失透し易くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。更に、低温粘性が低下し過ぎて、応力緩和が起こり易くなり、かえって圧縮応力値が低下する場合がある。よって、Li2Oの含有量は0〜2%であり、好ましくは0〜1.5%、好ましくは0〜1%、好ましくは0〜0.5%、好ましくは0〜0.1%、特に好ましくは0〜0.05%である。

0046

Na2Oは、イオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、Na2Oは、耐失透性を改善する成分でもある。Na2Oの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下したり、熱膨張係数が低下したり、イオン交換性能が低下し易くなる。よって、Na2Oの含有量は5〜25%、好ましくは7〜20%、好ましくは10〜18%、特に好ましくは12〜18%である。一方、Na2Oの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する場合がある。

0047

MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を高める効果が大きい成分である。よって、MgOの含有量は0〜10%であり、好ましくは0.1〜8%、好ましくは1〜6%、好ましくは1.2〜4%、特に好ましくは2〜3.5%である。MgOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなり易く、またガラスが失透し易くなる傾向がある。特に、アルミナの成形体を用いて、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形する場合、アルミナの成形体との界面にスピネルの失透結晶が析出し易くなる。

0048

P2O5は、イオン交換性能を高める成分であり、特に圧縮応力層の厚みを大きくする成分である。しかし、P2O5の含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐水性が低下し易くなる。よって、P2O5の含有量は、0〜15%、好ましくは0〜10%、好ましくは0〜3%、好ましくは0〜1%、特に好ましくは0〜0.5%である。

0049

上記成分以外にも、例えば以下の成分を添加してもよい。

0050

K2Oは、イオン交換を促進する成分であり、アルカリ金属酸化物の中では圧縮応力層の厚みを大きくし易い成分である。また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。更には、耐失透性を改善する成分でもある。しかし、K2Oの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。よって、K2Oの含有量は、好ましくは0〜10%、好ましくは0〜8%、好ましくは0〜5%、特に好ましくは0〜3%である。

0051

CaOは、他の成分と比較して、耐失透性の低下を伴うことなく、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める効果が大きい。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなり、またガラス組成の成分バランスを欠いて、かえってガラスが失透し易くなったり、イオン交換性能が低下したり、イオン交換溶液を劣化させ易くなる傾向がある。よって、CaOの含有量は、好ましくは0〜6%、好ましくは0〜4%、好ましくは0〜2%、好ましくは0〜1%、好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0〜0.1%である。

0052

SrOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、イオン交換反応阻害され易くなることに加えて、密度や熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透し易くなる。よって、SrOの含有量は、好ましくは0〜2%、好ましくは0〜1%、好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0〜0.1%である。

0053

BaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分である。しかし、BaOの含有量が多過ぎると、イオン交換反応が阻害され易くなること加えて、密度や熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透し易くなる。よって、BaOの含有量は、好ましくは0〜6%、好ましくは0〜3%、好ましくは0〜1.5%、好ましくは0〜1%、好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0〜0.1%である。

0054

TiO2は、イオン交換性能を高める成分であり、また高温粘度を低下させる成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラスが着色したり、失透し易くなる。よって、TiO2の含有量は、好ましくは0〜4.5%、より好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0〜0.3%である。

0055

ZrO2は、イオン交換性能を顕著に高める成分であると共に、液相粘度付近の粘性や歪点を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、耐失透性が著しく低下する虞があり、また密度が高くなり過ぎる虞もある。よって、ZrO2の含有量は、好ましくは0〜5%、好ましくは0〜4%、好ましくは0〜3%、特に好ましくは0.001〜2%である。

0056

ZnOは、イオン交換性能を高める成分であり、特に圧縮応力値を高める効果が大きい成分である。また低温粘性を低下させずに、高温粘性を低下させる成分である。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐失透性が低下したり、密度が高くなったり、圧縮応力層の厚みが小さくなる傾向がある。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0〜6%、好ましくは0〜5%、好ましくは0〜3%、特に好ましくは0〜1%である。

0057

清澄剤として、Cl、SO3、CeO2の群(好ましくはCl、SO3の群)から選択された一種又は二種以上を0〜3%添加してもよい。

0058

SnO2は、イオン交換性能を高める効果を有する。よって、SnO2の含有量は、好ましくは0〜3%、好ましくは0.01〜3%、好ましくは0.05〜3%、好ましくは0.1〜3%、特に好ましくは0.2〜3%である。

0059

Fe2O3の含有量は、好ましくは1000ppm未満(0.1%未満)、好ましくは800ppm未満、好ましくは600ppm未満、好ましくは400ppm未満、特に好ましくは300ppm未満である。

0060

Nd2O3、La2O3等の希土類酸化物は、ヤング率を高める成分である。しかし、原料自体のコストが高く、また多量に添加すると、耐失透性が低下し易くなる。よって、希土類酸化物の含有量は、好ましくは3%以下、好ましくは2%以下、好ましくは1%以下、好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.1%以下である。

0061

本発明の強化ガラスは、環境的配慮から、ガラス組成として、実質的にAs2O3、Sb2O3、PbO、F及びBi2O3を含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にAs2O3を含有しない」とは、ガラス成分として積極的にAs2O3を添加しないものの、不純物レベル混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、As2O3の含有量が0.1質量%未満であることを指す。「実質的にSb2O3を含有しない」とは、ガラス成分として積極的にSb2O3を添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Sb2O3の含有量が0.1質量%未満であることを指す。「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にPbOを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、PbOの含有量が0.1質量%未満であることを指す。「実質的にFを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にFを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Fの含有量が0.1質量%未満であることを指す。「実質的にBi2O3を含有しない」とは、ガラス成分として積極的にBi2O3を添加しないものの、不純物として混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Bi2O3の含有量が0.05%未満であることを指す。

0062

本発明の強化ガラスは、以下の条件を満たすことが好ましい。

0063

図1に示すように、SUS定盤からなる基台11上に、板厚4mmのアクリル板12、P320のサンドペーパー13(サンドペーパー13は擦り面が強化ガラスGと接触するように配置)、強化ガラスG、板厚4mmのアクリル板14の順序で積層配置し、110gの鋼球B1をアクリル板5上に落下させる。鋼球B1を落下させる高さを徐々に上げ、強化ガラスGが破壊する高さを評価する。この試験をした場合に、強化ガラスGの破壊時の平均高さが43cm以上となること。

0064

この試験は、モード2(鈍い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破らない傷が発生して割れるモード)の割れ耐性の評価に向いている。0.6mm以下の板厚を有する強化ガラスにおいてCS×(DOL−20)/DOL>360の条件を満たせば、モード2の割れに対して実用上使用可能な耐性を確保できるが、上記条件を満たす場合にはさらに高い耐性を有していると判断できる。

0065

試験方法を詳述すると、まず15cmの高さから鋼球を落下し、強化ガラスが割れない場合に5cm刻みで鋼球の落下高さを高くする。このようにして強化ガラスが割れるまで高さを変えて試験を行う。強化ガラスが破損した高さを記録し、破損した高さをワイブルプロットし、破壊確率が63%になる値を平均値として算出する。サンプル数は30個である。なお未強化のガラスや、強化の程度が小さいガラスは、亀裂が入っても分断しない場合がある。この場合、垂直方向に入った亀裂が板厚の半分以上の深さまで達した場合に破損したと判断する。

0066

また本発明の強化ガラスは、以下の条件を満たすことが好ましい。

0067

図2に示すように、花崗岩からなる基台上21に強化ガラスG、P100のサンドペーパー22(サンドペーパー22は擦り面が強化ガラスGと接触するように配置)の順序で配置し、4gの鋼球B2を5cmの高さからサンドペーパー22上に落下させ、破壊した強化ガラスGの破片数を評価する。この試験において、破壊した強化ガラスGの破片数が平均で80個以下(好ましくは50個以下、特に20個以下)となること。ここで「P100のサンドペーパー」は、JIS R6252で規定されたものを意味する。また強化ガラスGは、65mm×130mmの大きさのものを使用する。サンプル数は30個である。

0068

この試験は、モード1(鋭い突起を有するものがガラス表面に当たり、圧縮応力層を突き破る傷が発生して割れるモード)の割れ耐性の評価に向いている。0.6mm以下の板厚を有する強化ガラスにおいてDOL/t≦0.20の条件を満たせば、モード1の割れに対して実用上使用可能な耐性を確保できるが、上記条件を満たす場合にはさらに高い耐性を有していると判断できる。

0069

次に本発明の強化ガラスを作製する方法を説明する。ただし本発明のガラスの製造方法はこれに限定されるものではない。

0070

まず上記のガラス組成になるように調合したガラス原料連続溶融炉投入して、1500〜1600℃で加熱溶融し、清澄した後、成形装置に供給した上で板状等に成形し、徐冷することにより、ガラス板等を作製することができる。

0071

ガラス板を成形する方法として、オーバーフローダウンドロー法を採用することが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、大量に高品位なガラス板を作製できると共に、大型のガラス板も容易に作製できる方法であり、またガラス板の仮想温度Tfを高め易い。更に、オーバーフローダウンドロー法では、成形体として、アルミナやデンスジルコンが使用される。本発明の強化用ガラスは、アルミナやデンスジルコン、特に、アルミナとの適合性が良好である(成形体と反応して泡やブツ等を発生させ難い)。

0072

オーバーフローダウンドロー法以外にも、種々の成形方法を採用することができる。例えば、フロート法ダウンドロー法スロットダウン法、リドロー法等)、ロールアウト法プレス法等の成形方法を採用することができる。

0073

次に、得られた強化用ガラスを化学強化処理することにより、強化ガラスを作製する。化学強化は、上記した諸条件を満たすように、溶融塩の種類及び塩の混合割合、溶融塩の温度及び処理時間を調整して行えばよい。

0074

なお強化ガラスを所定寸法に切断したい場合は、強化処理の前でもよく、強化処理の後でもよい。

0075

以下、実施例に基づいて、本発明を説明する。なお、以下の実施例は単なる例示であり、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。

0076

表1は、本実施例で使用するガラスの組成例(ガラスa〜h)を示している。

0077

0078

ガラスaの組成になるように、ガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1600℃で8時間溶融した。その後、得られた溶融ガラスカーボン板の上に流し出して、板状に成形し、徐冷した後、板厚0.4mmとなるように両面を研磨した。

0079

このようにして得られたガラスaについて化学強化処理を行い、試料を得た。表2は本発明の実施例(試料No.1〜3)及び比較例(試料No.4〜7)を示している。

0080

0081

各試料は、両表面に光学研磨を施した後、表2の条件でイオン交換処理を行った。なお表中のNaNO3の含有量は、溶融塩中に占める割合を示しており、溶融塩の残部はKNO3である。続いて、表面応力計(折原製作所製FSM−6000LE)を用いて観察される干渉縞の本数とその間隔から表面の圧縮応力層の圧縮応力値(CS)と圧縮応力層の深さ(DOL)を算出した。算出に当たり、各試料の屈折率を1.51、光学弾性定数を30[(nm/cm)/MPa]とした。

0082

次に各試料について、モード2の割れ耐性を以下の試験方法で評価した。まず図1に示すように、SUS定盤からなる基台11上に、板厚4mmのアクリル板12、P320のサンドペーパー13(サンドペーパーは擦り面が強化ガラス試料の表面と接触するように配置)、強化ガラス試料G、板厚4mmのアクリル板14の順序で積層配置し、110gの鋼球B1をアクリル板5上に落下させた。落下高さは15cmから開始し、5cm刻みで高さを上げていき、強化ガラス試料Gが破壊する高さを求めた。同一組成の試料についてこの試験を30回行い、強化ガラス試料の破壊時の平均高さを算出した。結果を表2及び図3に示す。なお破壊時の平均高さが43cm以上となれば、モード2の割れに対して十分な耐性を有していると判断できる。
また各試料について、モード1の割れ耐性を以下の試験方法で評価した。まず図2に示すように、花崗岩からなる基台上21に強化ガラスG、P100のサンドペーパー22(サンドペーパー22は擦り面が強化ガラスGと接触するように配置)の順序で配置し、4gの鋼球B2を5cmの高さからサンドペーパー22上に落下させた。続いて破壊した強化ガラスGの破片数を計数した。同一組成の試料についてこの試験を30回行い、強化ガラス試料の破壊時の平均破片数を算出した。この試験において、破壊した強化ガラスGの破片数が平均で20個以下となれば、モード1の割れに対して十分な耐性を有していると判断できる。

0083

表2及び図3から明らかなように、実施例であるNo.1〜3は、CS×(DOL−20)/DOLの値が360を超えており、平均破壊高さが73cm以上であった。またDOL/tの値が0.20以下であり、平均破片数は80個以下であった。一方、比較例であるNo.4は、DOL/tが0.20を超えており、平均破壊数が1000個以上と多かった。また試料No.5〜7は、CS×(DOL−20)/DOLの値が360以下であり、平均破壊高さが22cm以下と低かった。

実施例

0084

なお本実施例ではガラスaについてのみ評価したが、ガラスb〜hについても同様の結果になると考えられる。

0085

本発明の強化ガラスは、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等のモバイル端末のカバーガラスとして好適である。また、本発明の強化ガラスは、これらの用途以外にも、デジタルカメラ等のカバーガラス、或いはディスプレイ(特にタッチパネルディスプレイ)のガラス基板磁気ディスク用基板固体撮像素子用カバーガラス等への応用が期待できる。

0086

11、21基台
12、14アクリル板
13、22サンドペーパー
B1、B2鋼球
G 強化ガラス

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