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技術 整流素子、その製造方法および無線通信装置

出願人 東レ株式会社
発明者 清水浩二村瀬清一郎
出願日 2016年3月28日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2016-518780
公開日 2018年2月22日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 WO2016-158862
状態 特許登録済
技術分野 ポリオキシメチレン、炭素-炭素結合重合体 ダイオード 有機半導体材料 薄膜トランジスタ 高分子組成物
主要キーワード 酸化膜被覆 無線電源 CNT構造体 有機低分子材料 順方向抵抗 カーボンナノチューブ複合体 大きさの程度 ハロゲン化チオフェン
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図面 (8)

課題・解決手段

絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に設けられた、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、(b)前記一対の電極間に設けられた半導体層とを備える整流素子であって、前記(b)半導体層が、カーボンナノチューブ表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む整流素子。簡便なプロセスで、優れた整流作用を示す整流素子を提供する。

概要

背景

近年、非接触型のタグとしてRFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた無線通信システムの開発が進められている。RFIDタグ低コストであることが要求されるため、タグ上に電源を設けないのが一般的である。タグ内に設置されたアンテナが、外部のリーダライタのアンテナから送信される搬送波を受信し、電磁誘導により起電力誘起し、タグ内の整流回路が、そこで誘起された交流電流から直流電流を生成することにより、無線電源を得る。

RFIDタグに搭載される整流回路は、できるだけ小さい交流入力電圧信号振幅によって、できるだけ大きい直流出力電圧を得ることが重要である。そのためには、整流回路を構成する整流素子の高い電力変換効率、すなわち低電力損失が求められる。

整流素子の電力損失の根本的な原因は、整流素子の電気抵抗による損失である。したがって、電力損失を低減するためには、整流素子の順方向抵抗を小さくすることが重要である。これを実現できる部材を整流素子の半導体層として利用することが広く検討されている。

一方、カーボンナノチューブ(以下、CNT)に代表される先鋭な先端形状と高アスペクト比を持つカーボンナノ材料は、高い導電性を有しており、半導体材料燃料電池用材料として多くの開発がなされ、整流素子への利用もなされている。CNTは、その良好な電気特性応答性の速さなどから、高周波での動作が可能な整流素子としての用途が期待される。また、小型化や高密度実装も期待されている。

しかしながら、CNTを使用した整流素子の順方向抵抗の低下および素子の安定性向上のためには、整流素子の半導体層が複数のCNTが均一に分散されたものであることが重要である。そこで、複数のCNTが架橋部位を介して網目構造の状態となったCNT構造体を用いて安定した整流素子を得る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に設けられた、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、(b)前記一対の電極間に設けられた半導体層とを備える整流素子であって、前記(b)半導体層が、カーボンナノチューブ表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む整流素子。簡便なプロセスで、優れた整流作用を示す整流素子を提供する。

目的

本発明は上記課題に着目し、簡便なプロセスで優れた整流作用を示す整流素子を提供する

効果

実績

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請求項1

絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に設けられた、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、(b)前記一対の電極間に設けられた半導体層とを備える整流素子であって、前記(b)半導体層が、カーボンナノチューブ表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む整流素子。

請求項2

絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、前記(a)一対の電極間に設けられた(b)半導体層と、(c)絶縁層と、(d)第三の電極とを備えた整流素子であって、前記(a)一対の電極のいずれか一方と前記(d)第三の電極が電気的に接続され、前記(d)第三の電極は前記(c)絶縁層により前記(b)半導体層と電気的に絶縁されている請求項1記載の整流素子。

請求項3

前記(a)一対の電極間の間隔が1μm以上100μm以下である請求項1または2記載の整流素子。

請求項4

前記共役系重合体が、環中含窒素二重結合を有する縮合テロアリールユニットチオフェンユニット繰り返し単位中に含む請求項1〜3のいずれか記載の整流素子。

請求項5

前記共役系重合体が一般式(1)で表される構造を有する請求項1〜4いずれか記載の整流素子:ここで、R1〜R6は同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素アルキル基シクロアルキル基複素環基アルケニル基シクロアルケニル基アルキニル基アルコキシ基アルキルチオ基アリールエーテル基アリールチオエーテル基アリール基ヘテロアリール基ハロゲン原子シアノ基ホルミル基カルバモイル基アミノ基、アルキルカルボニル基アリールカルボニル基カルボキシル基アルコキシカルボニル基アリールオキシカルボニル基アルキルカルボニルオキシ基アリールカルボニルオキシ基またはシリル基を示す;また、R1〜R6は隣接する基同士で環構造を形成してもかまわない;Aは単結合アリーレン基チエニレン基を除くヘテロアリーレン基エテニレン基エチニレン基の中から選ばれる;lおよびmは0〜10の整数を示し、l+m≧1である;nは2〜1000の範囲を示す;l、mおよびnが2以上の場合、それぞれのR1〜R6およびAは同じでも異なっていてもよい。

請求項6

前記絶縁層が、ケイ素炭素の結合を含む有機化合物と、金属原子および酸素原子の結合を含む金属化合物を含み、前記絶縁層は、炭素原子ケイ素原子の合計100質量部に対して前記金属原子が10〜180質量部含まれる請求項2〜5いずれか記載の整流素子。

請求項7

前記半導体層に対して前記(c)絶縁層と反対側に形成された第2の絶縁層を有する請求項2〜6いずれか記載の整流素子。

請求項8

前記第2の絶縁層がポリシロキサンポリスチレンポリビニルフェノールおよびポリメチルメタクリレートからなる群より選ばれた有機高分子材料を含有する請求項7記載の整流素子。

請求項9

前記電極のうち少なくとも一つの電極が、導電体バインダーを含有する請求項1〜8いずれか記載の整流素子。

請求項10

前記半導体層1μm2当たりに存在する前記CNT複合体の総長さが10μm〜50μmである請求項1〜9いずれか記載の整流素子

請求項11

絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に設けられた、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、(b)前記一対の電極間に設けられた半導体層とを備える整流素子であって、前記(b)半導体層がカーボンナノチューブを含み、前記(b)半導体層1μm2当たりに存在する前記カーボンナノチューブの総長さが10μm〜50μmである整流素子。

請求項12

絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、前記(a)一対の電極間に設けられた(b)半導体層と、(c)絶縁層と、(d)第三の電極とを備えた整流素子であって、前記(a)一対の電極のいずれか一方と前記(d)第三の電極が電気的に接続され、前記(d)第三の電極は前記(c)絶縁層により前記(b)半導体層と電気的に絶縁されている請求項11記載の整流素子。

請求項13

請求項1〜12いずれか記載の整流素子の製造方法であって、カーボンナノチューブ表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含有する組成物基材上に塗布することにより半導体層を形成する工程を含む整流素子の製造方法。

請求項14

請求項1〜12いずれか記載の整流素子と、コンデンサとを少なくとも有する整流回路

請求項15

請求項14記載の整流回路と、アンテナとを少なくとも有する無線通信装置

請求項16

請求項15記載の無線通信装置を用いた商品タグ

技術分野

0001

本発明は、整流素子、その製造方法および無線通信装置に関する。

背景技術

0002

近年、非接触型のタグとしてRFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた無線通信システムの開発が進められている。RFIDタグ低コストであることが要求されるため、タグ上に電源を設けないのが一般的である。タグ内に設置されたアンテナが、外部のリーダライタのアンテナから送信される搬送波を受信し、電磁誘導により起電力誘起し、タグ内の整流回路が、そこで誘起された交流電流から直流電流を生成することにより、無線電源を得る。

0003

RFIDタグに搭載される整流回路は、できるだけ小さい交流入力電圧信号振幅によって、できるだけ大きい直流出力電圧を得ることが重要である。そのためには、整流回路を構成する整流素子の高い電力変換効率、すなわち低電力損失が求められる。

0004

整流素子の電力損失の根本的な原因は、整流素子の電気抵抗による損失である。したがって、電力損失を低減するためには、整流素子の順方向抵抗を小さくすることが重要である。これを実現できる部材を整流素子の半導体層として利用することが広く検討されている。

0005

一方、カーボンナノチューブ(以下、CNT)に代表される先鋭な先端形状と高アスペクト比を持つカーボンナノ材料は、高い導電性を有しており、半導体材料燃料電池用材料として多くの開発がなされ、整流素子への利用もなされている。CNTは、その良好な電気特性応答性の速さなどから、高周波での動作が可能な整流素子としての用途が期待される。また、小型化や高密度実装も期待されている。

0006

しかしながら、CNTを使用した整流素子の順方向抵抗の低下および素子の安定性向上のためには、整流素子の半導体層が複数のCNTが均一に分散されたものであることが重要である。そこで、複数のCNTが架橋部位を介して網目構造の状態となったCNT構造体を用いて安定した整流素子を得る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0007

国際公開第2005/067059号

発明が解決しようとする課題

0008

整流素子の半導体層に複数のCNTを均一に分散させることで、整流素子に流れる電流が大きくなり、整流素子の抵抗低下および安定性の向上が可能である。しかし、単に複数のCNTを用いるだけでは、CNT同士の接触やCNTの配置状態のばらつきにより、整流素子の抵抗は増加し、動作が不安定となる。

0009

特許文献1に開示された技術では、CNTに官能基を導入し、架橋剤または官能基間化学結合により架橋部位を形成することが検討されている。しかしながら、この方法ではCNTの分散が不十分で整流素子に流れる電流は小さく、加えてCNTへの官能基導入および架橋部位の形成が必要となることから、製造工程数が多くなる課題を有している。

0010

本発明は上記課題に着目し、簡便なプロセスで優れた整流作用を示す整流素子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明は、絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に設けられた、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、前記(a)一対の電極間に設けられた(b)半導体層とを備える整流素子であって、前記(b)半導体層が、表面の少なくとも一部に、共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む整流素子である。

0012

また上記の整流素子において、絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、前記(a)一対の電極間に設けられた(b)半導体層と、(c)絶縁層と、(d)第三の電極とを備えた整流素子であって、前記(a)一対の電極のいずれか一方と前記(d)第三の電極が電気的に接続され、前記(d)第三の電極は前記(c)絶縁層により前記(b)半導体層と電気的に絶縁されている態様も好ましい。

0013

また、本発明の別の態様は、絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に設けられた、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、(b)前記一対の電極間に設けられた半導体層とを備える整流素子であって、前記(b)半導体層がカーボンナノチューブを含み、前記(b)半導体層1μm2当たりに存在する前記カーボンナノチューブの総長さが10μm〜50μmである整流素子である。

0014

また、本発明は、上記の整流素子の製造方法であって、カーボンナノチューブ表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含有する組成物基材上に塗布することにより半導体層を形成する工程を含む整流素子の製造方法を含む。

0015

また、本発明は、上記の整流素子と、コンデンサとを少なくとも有する整流回路を含む。

0016

また、本発明は、上記の整流回路と、アンテナとを少なくとも有する無線通信装置を含む。

0017

また、本発明は、上記の無線通信装置を用いた商品タグを含む。

発明の効果

0018

本発明によれば、優れた整流作用を示す整流素子を簡便なプロセスで作製することができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一態様である整流素子を示した模式断面図
本発明の一態様である整流素子を示した模式断面図
本発明の一態様である整流素子を示した模式断面図
整流素子を用いた整流回路の一例を示すブロック回路
本発明の整流素子を用いた無線通信装置の一例を示すブロック図
折り曲げ時の電極の密着耐性の評価を行う際の模式斜視図
折り曲げ時の電極の密着耐性の評価を行う際の模式斜視図

0020

<整流素子>
本発明の整流素子は、絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に設けられた(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、前記(a)一対の電極間に設けられた(b)半導体層を備える整流素子であって、前記(b)半導体層が、カーボンナノチューブ(以下、CNTと呼ぶ)の表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体(以下、CNT複合体と呼ぶ)を含むものである。ここで、絶縁性基材の第1表面とは、絶縁性基材のいずれか一方の表面のことである。

0021

図1は、本発明の整流素子の第1の実施態様の例を示す模式断面図である。図1では、絶縁性基材1の第1表面上に一対の電極である第一の電極2および第二の電極3が存在し、それらの間にCNT複合体を含有する半導体層4が形成されている。

0022

また、本発明の整流素子として、絶縁性基材と、前記絶縁性基材の第1表面に、(a)第一の電極と第二の電極からなる一対の電極と、前記(a)一対の電極間に設けられた(b)半導体層と、(c)絶縁層と、(d)第三の電極とを備えた整流素子であって、前記(a)一対の電極のいずれか一方と前記(d)第三の電極が電気的に接続され、前記(d)第三の電極は前記(c)絶縁層により前記(b)半導体層と電気的に絶縁されて配置され、前記(b)半導体層が、表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む態様も好ましい。

0023

この態様には、以下のような実施態様が含まれる。図2に、本発明の整流素子の第2の実施態様の例の模式断面図を示す。絶縁性基材1の第1表面上に、一対の電極である第一の電極2および第二の電極3が設けられ、それらの間にCNT複合体を有する半導体層4が形成されている。半導体層4の上に絶縁層5が設けられ、さらに絶縁層5の上に第三の電極6が形成されている。第二の電極3および第三の電極6は配線7で電気的に接続されている。また、第三の電極6は、絶縁層5によって、半導体層4と電気的に絶縁されている。

0024

また、図3に、本発明の整流素子の第3の実施態様の例の模式断面図を示す。絶縁性基材1の第1表面上に、第三の電極6が設けられ、その上が絶縁層5で覆われている。絶縁層5の上に一対の電極である第一の電極2および第二の電極3が設けられ、それらの間にCNT複合体を含有する半導体層4が形成されている。第二の電極3および第三の電極6は、図示しない配線により電気的に接続されている。また、第三の電極6は、絶縁層5によって、半導体層4と電気的に絶縁されている。

0025

以下の説明は、特に断りのない限り全ての実施態様に共通する。

0026

(絶縁性基材)
絶縁性基材は、少なくとも電極が配置される面が絶縁性であればいかなる材質のものでもよい。例えば、ガラスサファイアアルミナ焼結体シリコンウエハの表面を酸化膜被覆したもの等の無機材料ポリエチレンテレフタレートポリイミドポリエステルポリカーボネートポリスルホンポリエーテルスルホンポリエチレンポリフェニレンスルフィドポリパラキシレン等の有機材料などの平滑な基材が好適に用いられる。

0027

(電極)
一対の電極および第三の電極に用いられる材料は、電極として使用されうる導電材料であればいかなるものでもよい。具体的には、例えば、酸化錫酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛アルミニウム、インジウム、クロムリチウムナトリウムカリウムセシウムカルシウムマグネシウムパラジウムモリブデンアモルファスシリコンポリシリコンなどの金属やこれらの合金ヨウ化銅硫化銅などの無機導電性化合物ポリチオフェンポリピロールポリアニリンポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸錯体などの導電性ポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。導電性ポリマーは、ヨウ素などのドーピングなどで導電率を向上させることが好ましい。これらの電極材料は、単独で用いてもよいし、複数の材料を積層または混合して用いてもよい。

0028

中でも、電極の柔軟性が増し屈曲時にも密着性が良く電気的接続が良好となる点から、導電体バインダーとを含有する電極材料が好ましい。

0029

バインダーとしては、特に制限はないが、モノマーオリゴマーポリマー光重合開始剤可塑剤レベリング剤界面活性剤シランカップリング剤消泡剤顔料などから選ばれる成分を含むことが好ましい。電極の折り曲げ耐性向上の観点からは、少なくともオリゴマーもしくはポリマーを含むことが好ましい。

0030

オリゴマーもしくはポリマーとしては、特に限定されないが、アクリル樹脂エポキシ樹脂ノボラック樹脂フェノール樹脂ポリイミド前駆体、ポリイミドなどを好ましく用いることができる。屈曲時の耐クラック性の観点からは、アクリル樹脂が好ましい。これは、アクリル樹脂のガラス転移温度は100℃以下であり、電極の熱硬化時軟化し、導電体粒子間の結着が高まるためと推定される。

0031

アクリル樹脂とは、繰返し単位に少なくともアクリルモノマー由来する構造を含む樹脂である。アクリルモノマーの具体例としては、特に限定されないが、好ましくは、メチルアクリレートアクリル酸アクリル酸2−エチルヘキシルメタクリル酸エチルn−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、i−プロパンアクリレートグリシジルアクリレート、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートイソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレートメトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレートフェノキシエチルアクリレートステアリルアクリレートトリフロロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレートなどのアクリルモノマーおよびこれらのアクリレートをメタクリレートに代えたものなどが挙げられる。これらアクリルモノマーは、単独あるいは2種以上用いてもよい。また、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンクロロメチルスチレンヒドロキシメチルスチレンなどのスチレン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル2−ピロリドンなどの他のモノマーを共重合しても良い。

0032

導電体としては、電極として使用されうる導電材料であればいかなるものでもよいが、金属粒子が好ましい。

0033

金属粒子としては、具体的には、金、銀、銅、白金、鉛、錫、ニッケル、アルミニウム、タングステン、モリブデン、酸化ルテニウム、クロム、チタンカーボンおよびインジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属粒子が好ましい。これらの金属粒子を単独で用いても、混合して用いても、これらの複数の金属からなる合金を含む金属粒子を用いても良い。

0034

これらの中でも導電性の観点から、金、銀、銅または白金の粒子が好ましい。中でも、コストおよび安定性の観点から銀の粒子がより好ましい。また、電極の電気抵抗率低減の観点から、金属粒子に加えてカーボンブラックを含むことがさらに好ましい。

0035

電極表面の凹凸指標としては、電極表面の算術平均粗さ(Ra)が挙げられる。Raは5〜200nmが好ましい。Raが5nm以上であることでアンカー効果が効果的に発現する。また、Raが200nm以下であることで、ピンホール欠陥の無い強誘電体膜製膜することができる。ピンホール欠陥が発生しないことで、強誘電体記憶素子短絡を防ぐことができる。

0036

なお、表面粗さは、表面形状測定装置原子間力顕微鏡AFM)で測定することができる。表面形状測定装置を用いる場合、電極上の任意の5箇所でRaの測定を行い、それらの平均値を採用する。AFMを用いる場合も、電極上の任意の5箇所でRaの測定を行い、それらの平均値を採用する。これらの測定方法は電極のサイズに応じて使い分けられる。いずれの方法でも測定可能な場合は、表面形状測定装置で測定した値を採用する。

0037

電極中の金属粒子の平均粒子径は0.01〜5μmが好ましく、0.01〜2μmがより好ましい。平均粒子径が0.01μm以上であれば、電極表面の凹凸が形成されやすく、電極と強誘電体膜の密着性がより向上する。平均粒子径が5μm以下であれば、折り曲げ耐性の高い電極となる。また、平均粒子径が2μm以下であれば、製造時の素子の短絡をより低減することができ、歩留まりが向上する。

0038

なお、本発明において電極中の金属粒子の平均粒子径は、例えば下記のように求めることができる。電極の破断面電子顕微鏡で観察し、粒子の有無を確認する。粒子が観察された場合、エネルギー分散型X線分光法(EDX)測定でその粒子が金属粒子であるか確認する。その後、それらの中から無作為に選択した金属粒子100個の粒子径を電子顕微鏡でそれぞれ観察して、それらの粒子径の数平均の値を求めることにより平均粒子径を算出する。

0039

金属粒子の形状が球形の場合は、その直径が粒子径である。形状が球形以外の場合は、ある1個の粒子について電子顕微鏡で観察される最大の幅と最小の幅の平均値をその粒子の粒子径として算定する。

0040

電極中の導電体の含有量は、電極の70〜95質量%の範囲内であることが好ましい。含有量の下限としては80質量%以上が好ましい。含有量の上限としては90質量%以下が好ましい。導電体の含有量がこの範囲にあることで、電極の比抵抗値、および断線確率を低くすることができる。

0041

第1の実施態様においては、第一の電極2および第二の電極3への電圧印加の程度を適宜調整することにより整流作用が生ずる。整流作用の効率を良くするには、第一の電極2および第二の電極3のうち、一方の電極と半導体層4との界面における電位障壁と、他方の電極と半導体層4との界面における電位障壁とが非対称となるようにすることが好ましい。その具体的な方法としては、例えば第一の電極と第二の電極の材料を異ならせることが挙げられる。また、第一の電極2および第二の電極3のうち一方の電極表面を酸化させ、第一の電極2および第二の電極3と半導体層4とのそれぞれの界面の接続構成を異ならせることでも可能である。

0042

ここで述べている電位障壁とは、電極と半導体層間との界面におけるエネルギー障壁大きさの程度を表す。これは、電極と半導体層に用いられる材料の仕事関数の差で表される。仕事関数は公知のケルビン法、光電子法などで測定することができる。本発明における仕事関数は、ケルビン法を用いたケルビンプローブ装置を用いて大気下で測定を行った値を用いる。

0043

電位障壁が非対称とは、第一の電極2および第二の電極3ならびに半導体層4の仕事関数について、(第一の電極の仕事関数−半導体層の仕事関数)で表される仕事関数差1と、(第二の電極の仕事関数−半導体層の仕事関数)で表される仕事関数差2について、仕事関数差1と仕事関数差2の正負が逆である関係にあることを表す。この関係は、すなわち、上記仕事関数1、半導体層の仕事関数および上記仕事関数2が、この順に大きいか、またはこの順に小さいことを表す。上述のように電位障壁が非対称になることで、電圧印加時により効率よく整流作用が生ずる。

0044

第2の実施態様においては、第一の電極2、第二の電極3および第三の電極6に用いられる材料は同一でも異なっていてもよい。

0045

また電極の幅、厚みならびに電極2および電極3の間隔は任意である。電極パターンの形成容易性の観点から、電極幅は10μm〜10mm、厚みは0.01μm〜100μm、電極2および電極3の間隔は1μm〜100μmが好ましいが、これに限らない。

0046

電極の形成方法としては、抵抗加熱蒸着電子線ビームスパッタリングメッキCVD、イオンプレーティングコーティングインクジェットおよび印刷などが挙げられる。また、電極材料としてバインダーおよび導電体を含むペーストを用いた場合は、スピンコート法ブレードコート法スリットダイコート法スクリーン印刷法バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法などの公知の技術を用いて、ペーストを基板上に塗布し、オーブンホットプレート赤外線などを用いて乾燥を行う方法なども挙げられる。また電極パターンの形成方法としては、上記方法で作製した電極薄膜を公知のフォトリソグラフィー法などで所望の形状にパターン形成してもよいし、電極物質蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターン形成してもよい。

0047

第2の実施態様において、第二の電極3および第三の電極6を電気的に接続する材料は、上記電極同様、一般的に使用されうる導電材料であればいかなるものでもよい。接続方法は上記電極の形成方法同様、電気的に導通を取ることができれば、いかなる方法でもよく、接続部の幅および厚みは任意である。

0048

(絶縁層)
絶縁層5に用いられる材料は、特に限定されないが、酸化シリコンアルミナ等の無機材料;ポリイミド、ポリビニルアルコールポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデンポリシロキサンポリビニルフェノールPVP)等の有機高材料;あるいは無機材料粉末と有機材料の混合物を挙げることができる。中でもケイ素炭素の結合を含む有機化合物と、金属原子および酸素原子の結合を含む金属化合物を含むものが好ましい。有機化合物としては、下記一般式(2)で表されるシラン化合物、下記一般式(3)で表されるエポキシ基含有シラン化合物、またはこれらの縮合物、またはこれらを重合成分として含むポリシロキサン等が挙げられる。これらの中でもポリシロキサンは絶縁性が高く、低温硬化が可能であるためより好ましい。

0049

R7mSi(OR8)4−m (2)
ここで、R7は水素アルキル基複素環基アリール基またはアルケニル基を示す。R7が複数存在する場合、それぞれのR7は同じでも異なっていてもよい。R8は水素、アルキル基、アシル基またはアリール基を示す。R8が複数存在する場合、それぞれのR8は同じでも異なっていてもよい。mは1〜3の整数を示す。

0050

R9nR10lSi(OR11)4−n−l (3)
ここで、R9は1つ以上のエポキシ基を鎖の一部に有するアルキル基を示す。R9が複数存在する場合、それぞれのR9は同じでも異なっていてもよい。R10は水素、アルキル基、複素環基、アリール基またはアルケニル基を示す。R10が複数存在する場合、それぞれのR10は同じでも異なっていてもよい。R11は水素、アルキル基、アシル基またはアリール基を示す。R11が複数存在する場合、それぞれのR11は同じでも異なっていてもよい。lは0〜2の整数、nは1または2を示す。ただし、l+n≦3である。

0051

R7〜R11におけるアルキル基とは、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基シクロヘキシル基ノルボルニル基アダマンチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。置換基としては、特に制限はなく、例えば、アルコキシ基、アリール基等を挙げることができ、これらはさらに置換基を有していてもよい。また、アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、1以上20以下が好ましく、より好ましくは1以上8以下である。また上記で置換基として挙げたアルコキシ基とは、例えば、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基など、エーテル結合の一方を脂肪族炭化水素基置換した官能基を示す。アルコキシ基の炭素数は、特に限定されないが、1以上20以下の範囲が好ましい。

0052

R8、R11におけるアシル基とは、アセチル基ヘキサノイル基、ベンゾイル基など、カルボニル結合の一方を脂肪族炭化水素基または芳香族基で置換した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基または芳香族基は置換基を有していても有していなくてもよい。アシル基の炭素数は、特に限定されないが、2以上40以下の範囲が好ましい。

0053

R7、R8、R10、R11におけるアリール基とは、例えば、フェニル基ナフチル基ビフェニル基アントラセニル基フェナントリル基ターフェニル基ピレニル基などの芳香族炭化水素基、およびフラニル基チオフェニル基ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ピリジル基キノリニル基などの芳香族複素環基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は、特に限定されないが、3〜40の範囲が好ましい。

0054

R7およびR10における複素環基とは、例えば、ピラン環、ピペリジン環アミド環などの炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環から導かれる基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。複素環基の炭素数は、特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。

0055

R7およびR10におけるアルケニル基とは、例えば、ビニル基アリル基ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は、特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。

0056

R9のエポキシ基を鎖の一部に有するアルキル基とは、隣り合う2つの炭素原子が1つの酸素原子と結合して形成される3員環エーテル構造を鎖の一部に有するアルキル基を示す。これは、アルキル基において炭素が最も長く連続する部分である主鎖に含まれる隣り合う2つの炭素原子が利用される場合と、主鎖以外の部分、いわゆる側鎖に含まれる隣り合う2つの炭素原子が利用される場合のいずれも含む。

0057

ポリシロキサンの重合成分として一般式(2)で表されるシラン化合物を導入することにより、可視光領域において高い透明性を保ちつつ、膜の絶縁性、耐薬品性を高め、かつ絶縁膜内トラップが少ない絶縁膜を形成できる。

0058

また、一般式(2)におけるm個のR7の少なくとも1つがアリール基であると、絶縁膜の柔軟性が向上し、クラック発生が防止できるため好ましい。

0059

一般式(2)で表されるシラン化合物としては、具体的に、ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランメチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシランエチルトリメトキシシランエチルトリエトキシシランプロピルトリメトキシシランプロピルトリエトキシシランヘキシルトリメトキシシランオクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシラン、p−トリルトリメトキシシランベンジルトリメトキシシラン、α−ナフチルトリメトキシシラン、β−ナフチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランジメチルジエトキシシランジフェニルジメトキシシランジフェニルジエトキシシランメチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシランシクロヘキシルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリフルオロエチルトリメトキシシラン、トリフルオロエチルトリエトキシシラン、トリフルオロエチルトリイソプロポキシシラントリフルオロプロピルトリメトキシシラントリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラントリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロエチルメチルジメトキシシラン、トリフルオロエチルメチルジエトキシシラン、トリフルオロエチルメチルジイソプロポキシシラントリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジイソプロポキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジイソプロポキシシラン、トリデカフルオロオクチルメチルジメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルメチルジエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルメチルジイソプロポキシシラン、トリフルオロエチルエチルジメトキシシラン、トリフルオロエチルエチルジエトキシシラン、トリフルオロエチルエチルジイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジメトキシシラン、トリルオロプロピルエチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジイソプロポキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルエチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルエチルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルエチルジイソプロポキシシラン、トリデカフルオロオクチルエチルジエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルエチルジメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルエチルジイソプロポキシシラン、p−トリフルオロフェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。

0060

上記シラン化合物のうち、架橋密度を上げ、耐薬品性と絶縁特性を向上させるために、m=1であるビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシシラン、フェニルトリメトキシシラン、p−トリルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、α−ナフチルトリメトキシシラン、β−ナフチルトリメトキシシラン、トリフルオロエチルトリメトキシシラン、トリメトキシシラン、p−トリフルオロフェニルトリエトキシシランを用いることが好ましい。また、量産性の観点から、R8がメチル基であるビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、p−トリルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、α−ナフチルトリメトキシシラン、β−ナフチルトリメトキシシラン、トリフルオロエチルトリメトキシシラン、トリメトキシシランを用いることが特に好ましい。

0061

また、一般式(2)で表されるシラン化合物を2種以上組み合わせることが好ましい例として挙げられる。中でも、アルキル基を有するシラン化合物とアリール基を有するシラン化合物を組み合わせることにより、高い絶縁性とクラック防止のための柔軟性を両立できるため、特に好ましい。

0062

また、一般式(3)で表されるエポキシ基含有シラン化合物としては、具体的に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルエチルジイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−グリドキシエチルトリメトキシシランなどが挙げられる。

0063

これらのうち、架橋密度を上げ、耐薬品性と絶縁特性を向上させるために、n=1、l=0であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシランを用いることが好ましい。また、量産性の観点から、R11がメチル基であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシランを用いることが特に好ましい。

0064

また金属化合物は、金属原子と酸素原子の結合を含むものであれば特に制限はなく、例えば金属酸化物金属水酸化物金属キレート化合物等が例示される。特に、一般式(4)で表される金属キレートが好ましい。金属化合物に含まれる金属原子は、特に限定されないが、マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、マンガンコバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウムジルコニウムルテニウム、パラジウム、インジウム、ハフニウム、白金などが挙げられる。中でも、入手容易性、コスト、金属キレートの安定性の点からアルミニウムが好ましい。
R12xM(OR13)y−x (4)
ここで、R12は1価の2座配位子を示す。R12が複数存在する場合、それぞれのR12は同じでも異なっていてもよい。R13は水素、アルキル基、アシル基またはアリール基を示す。R13が複数存在する場合、それぞれのR13は同じでも異なっていてもよい。Mはy価の金属原子を示す。yは1〜6である。xは1〜yの整数を示す。

0065

R12で表される1価の2座配位子とは、配位の対象となる金属に対して共有結合する基と配位結合する基をそれぞれ一つずつ有する化合物を示す。共有結合する基としては、ヒドロキシル基メルカプト基カルボキシル基などの脱プロトンされることにより金属原子との共有結合が可能になる基が挙げられる。配位結合する基としては、カルボニル基チオカルボニル基ニトリル基アミノ基、イミノ基ホスフィンオキサイド基などが挙げられる。R12の炭素数は、特に限定されないが、膜形成時の熱分解性の観点から、3以上20以下が好ましく、より好ましくは3以上12以下である。

0066

R13におけるアルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。置換基を有している場合の置換基としては特に制限はなく、例えば、アルコキシ基、アリール基等を挙げることができる。これらはさらに置換基を有していてもよい。また、アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、1以上20以下が好ましく、より好ましくは1以上8以下である。

0067

R13におけるアシル基とは、アセチル基、ヘキサノイル基、ベンゾイル基など、カルボニル結合の一方を脂肪族炭化水素基または芳香族基で置換した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基または芳香族基は置換基を有していても有していなくてもよい。アシル基の炭素数は、特に限定されないが、2以上40以下の範囲が好ましい。

0068

R13におけるアリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基;およびフラニル基、チオフェニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ピリジル基、キノリニル基などの芳香族複素環基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は、特に限定されないが、3〜40の範囲が好ましい。

0069

また上記で置換基として挙げたアルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など、エーテル結合の一方を脂肪族炭化水素基で置換した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は、特に限定されないが、1以上20以下の範囲が好ましい。

0070

y価の金属原子としては、金属キレートを形成するものであれば特に限定されないが、マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ルテニウム、パラジウム、インジウム、ハフニウム、白金などが挙げられる。yは1〜6であり、金属原子の種類に応じて定まる値である。中でも、入手容易性やコストの点からアルミニウム、チタン、ジルコニウムおよびインジウムからなる群より選ばれた金属が好ましい。

0071

金属キレートの中でも安定性に優れる下記一般式(5)で表されるアルミニウムキレートが好ましい。

0072

R123Al (5)
ここで、R12は一般式(4)におけるものと同じであり、それぞれのR12は同じでも異なっていてもよい。

0073

一般式(4)および(5)において、R12で表される1価の2座配位子として、低コストで入手でき、安定なキレート形成を可能とすることから、βジケトン由来の基またはβケトエステル由来の基が特に好ましい。

0074

βジケトンとしては、具体的には2,4−ペンタンジオン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−デカンジオン、2,4−ドデカンジオン、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン、2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、3−エチル−3,5−ヘプタンジオン、ベンゾイルアセトン、ジベンソイルメタン、1−(ピリジル−2−イル)−1,3−ブタンジオン、1−(ピリジル−2−イル)−2,5−ペンタンジオン、1−アミノ−2,4−ペンタンジオンなどが挙げられる。

0075

βケトエステルとしては、具体的にはメチルアセトアセテートエチルアセトアセテートイソプロピルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテート、n−ブチルアセトアセテート、フェニルアセトアセテート、エチルプロパノイルアセテート、エチルブタノイルアセテート、エチルペンタノイルアセテート、エチルヘキサノイルアセテート、エチルオクタノイルアセテート、エチルデカノイルアセテート、エチルドデカノイルアセテート、エチル−2−メチルプロパノイルアセテート、エチル−2,2−ジメチルブタノイルアセテート、エチルベンゾイルアセテート、エチル−p−アニイルアセテート、エチル−2−ピリジロイルアセテート、エチルアクリルアセテート、1−アミノブタノイルアセテート、エチル−α−アセチルプロパネートなどが挙げられる。

0076

一般式(5)で表されるアルミニウムキレートにおいて、溶媒中へのキレート溶解性や組成物の安定性を考慮すると、3つのR12のうち少なくとも1つが他の2つとは異なることが好ましい。同様の理由で、R12の少なくとも一つがβケトエステルであることが好ましい。

0077

上記のような金属キレートとして、具体的には以下のような例が挙げられる。アルミニウムキレートとしては、ジエトキシアルミニウム(2,4−ペンタンジオナート)、ジイソプロポキシアルミニウム(2,4−ペンタンジオナート)、ジエトキシアルミニウム(2,4−ヘキサンジオナート)、ジエトキシアルミニウム(3,5−ヘキサンジオナート)、ジエトキシアルミニウム(2,4−オクタンジオナート)、ジエトキシアルミニウムベンゾイルアセトナート、ジエトキシアルミニウム(1−(ピリジル−2−イル)−1,3−ブタンジオナート)、ジエトキシアルミニウムメチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムメチルアセトアセテート、ジエトキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジエトキシアルミニウムイソプロピルアセトアセテート、ジエトキシアルミニウム−t−ブチルアセトアセテート、ジエトキシアルミニウムエチルブタノイルアセテート、ジエトキシアルミニウムエチルベンゾイルアセテート、エトキシアルミニウムビス(2,4−ペンタンジオナート)、イソプロポキシアルミニウムビス(2,4−ペンタンジオナート)、エトキシアルミニウムビス(2,4−ヘキサンジオナート)、エトキシアルミニウムビス(3,5−ヘキサンジオナート)、エトキシアルミニウムビス(2,4−オクタンジオナート)、エトキシアルミニウムビス(ベンゾイルアセトナート)、エトキシアルミニウムビス(1−(ピリジル−2−イル)−1,3−ブタンジオナート)、エトキシアルミニウムビス(エチルアクリリルアセテート)、エトキシアルミニウムビス(メチルアセトアセテート)、イソプロポキシアルミニウムビス(メチルアセトアセテート)、エトキシアルミニウムビス(エチルアセトアセテート)、エトキシアルミニウムビス(イソプロピルアセトアセテート)、エトキシアルミニウムビス(t−ブチルアセトアセテート)、エトキシアルミニウムビス(エチルブタノイルアセテート)、エトキシアルミニウムビス(エチルベンゾイルアセテート)、エトキシアルミニウムビス(エチルアクリリルアセテート)、アルミニウムトリス(2,4−ペンタンジオナート)、アルミニウムトリス(1,1,3−テトラフルオロ−2,4−ペンタンジオナート)、アルミニウムトリス(2,4−ヘキサンジオナート)、アルミニウムトリス(3,5−ヘキサンジオナート)、アルミニウムトリス(2,4−オクタンジオナート)、アルミニウムトリス(ベンゾイルアセトナート)、アルミニウムトリス(1−(ピリジル−2−イル)−1,3−ブタンジオナート)、アルミニウムトリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、アルミニウムトリス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、アルミニウムトリス(2,2,6、6−テトラメチル−3,5−オクタンジオナート)、アルミニウムトリス(1−アミノ−2,4−ペンタンジオナート)、アルミニウムトリス(メチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(イソプロピルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(t−ブチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルブタノイルアセテート)、アルミニウムトリス(エチルペンタノイルアセテート)、アルミニウムトリス(エチル−2−メチルプロパノイルアセテート)、アルミニウムトリス(エチルベンゾイルアセテート)、アルミニウムトリス(エチル−2−ピリジロイルアセテート)、アルミニウムトリス(1−アミノブタノイルアセテート)、アルミニウムトリス(エチル−α−アセチルプロパネート)、アルミニウムトリス(エチルアクリリルアセテート)、エトキシアルミニウムモノ(エチルアセトアセテート)モノ(イソプロピルアセトアセテート)、エトキシアルミニウムモノ(エチルアセトアセテート)モノ(3,5−ヘキサンジオナート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(イソプロピルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(3,5−ヘキサンジオナート)、アルミニウムトリス(ジエチルマロネート)、アルミニウムトリス(ジオクチルマロネート)、アルミニウムトリス(ジエチル(メチルマロネート))、アルミニウムトリス(ジエチル(フェニルマロネート))、アルミニウムトリス(エチルチオアセトアセテート)、アルミニウムトリス(2−アセチルフェノラート)、アルミニウムトリス(2−(ピリジン−2−イル)フェノラート)などが挙げられる。

0078

ジルコニウムキレートとしては、トリスエトキシジルコニウム(2,4−ペンタンジオナート)、トリスイソプロポキシジルコニウム(2,4−ペンタンジオナート)、トリスエトキシジルコニウム(2,4−ヘキサンジオナート)、トリスエトキシジルコニウム(3,5−ヘキサンジオナート)、トリスエトキシジルコニウムベンゾイルアセトナート、トリスエトキシジルコニウムメチルアセトアセテート、トリスイソプロポキシジルコニウムメチルアセトアセテート、トリスエトキシジルコニウムエチルアセトアセテート、トリスエトキシジルコニウムイソプロピルアセトアセテート、トリスエトキシジルコニウム−t−ブチルアセトアセテート、トリスエトキシジルコニウムエチルブタノイルアセテート、トリスエトキシジルコニウムエチルベンゾイルアセテート、ジエトキシジルコニウムビス(2,4−ペンタンジオナート)、ジイソプロポキシジルコニウムビス(2,4−ペンタンジオナート)、ジエトキシジルコニウムビス(2,4−ヘキサンジオナート)、ジエトキシジルコニウムビス(3,5−ヘキサンジオナート)、ジエトキシジルコニウムビス(ベンゾイルアセトナート)、ジエトキシジルコニウムビス(メチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシジルコニウムビス(メチルアセトアセテート)、ジエトキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジエトキシジルコニウムビス(イソプロピルアセトアセテート)、ジエトキシジルコニウムビス(t−ブチルアセトアセテート)、ジエトキシジルコニウムビス(エチルブタノイルアセテート)、ジエトキシジルコニウムビス(エチルベンゾイルアセテート)、エトキシジルコニウムトリス(2,4−ペンタンジオナート)、イソプロポキシジルコニウムトリス(2,4−ペンタンジオナート)、エトキシジルコニウムトリス(2,4−ヘキサンジオナート)、エトキシジルコニウムトリス(3,5−ヘキサンジオナート)、エトキシジルコニウムトリス(ベンゾイルアセトナート)、エトキシジルコニウムトリス(メチルアセトアセテート)、イソプロポキシジルコニウムトリス(メチルアセトアセテート)、エトキシジルコニウムトリス(エチルアセトアセテート)、エトキシジルコニウムトリス(イソプロピルアセトアセテート)、エトキシジルコニウムトリス(t−ブチルアセトアセテート)、エトキシジルコニウムトリス(エチルブタノイルアセテート)、エトキシジルコニウムトリス(エチルベンゾイルアセテート)、ジルコニウムテトラキス(2,4−ペンタンジオナート)、ジルコニウムテトラキス(2,4−ヘキサンジオナート)、ジルコニウムテトラキス(3,5−ヘキサンジオナート)、ジルコニウムテトラキス(ベンゾイルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、ジルコニウムテトラキス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、ジルコニウムテトラキス(メチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(イソプロピルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(t−ブチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(エチルブタノイルアセテート)、ジルコニウムテトラキス(エチル−2−メチルプロパノイルアセテート)、ジルコニウムテトラキス(エチルベンゾイルアセテート)、ジルコニウムテトラキス(ジエチルマロネート)、ジルコニウムテトラキス(ジエチル(メチルマロネート))、エトキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(イソプロピルアセトアセテート)、エトキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(3,5−ヘキサンジオナート)、ジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)ビス(イソプロピルアセトアセテート)、ジルコニウムトリス(エチルアセトアセテート)モノ(3,5−ヘキサンジオナート)などが挙げられる。

0079

チタンキレートとしては、トリスエトキシチタン(2,4−ペンタンジオナート)、トリスイソプロポキシチタン(2,4−ペンタンジオナート)、トリスエトキシチタン(2,4−ヘキサンジオナート)、トリスエトキシチタン(3,5−ヘキサンジオナート)、トリスエトキシチタンベンゾイルアセトナート、トリスエトキシチタンメチルアセトアセテート、トリスイソプロポキシチタンメチルアセトアセテート、トリスエトキシチタンエチルアセトアセテート、トリスエトキシチタンイソプロピルアセトアセテート、トリスエトキシチタンt−ブチルアセトアセテート、トリスエトキシチタンエチルブタノイルアセテート、トリスエトキシチタンエチルベンゾイルアセテート、ジエトキシチタンビス(2,4−ペンタンジオナート)、ジイソプロポキシチタンビス(2,4−ペンタンジオナート)、ジエトキシチタンビス(2,4−ヘキサンジオナート)、ジエトキシチタンビス(3,5−ヘキサンジオナート)、ジエトキシチタンビス(ベンゾイルアセトナート)、ジエトキシチタンビス(メチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(メチルアセトアセテート)、ジエトキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジエトキシチタンビス(イソプロピルアセトアセテート)、ジエトキシチタンビス(t−ブチルアセトアセテート)、ジエトキシチタンビス(エチルブタノイルアセテート)、ジエトキシチタンビス(エチルベンゾイルアセテート)、エトキシチタントリス(2,4−ペンタンジオナート)、イソプロポキシチタントリス(2,4−ペンタンジオナート)、エトキシチタントリス(2,4−ヘキサンジオナート)、エトキシチタントリス(3,5−ヘキサンジオナート)、エトキシチタントリス(ベンゾイルアセトナート)、エトキシチタントリス(メチルアセトアセテート)、イソプロポキシチタントリス(メチルアセトアセテート)、エトキシチタントリス(エチルアセトアセテート)、エトキシチタントリス(イソプロピルアセトアセテート)、エトキシチタントリス(t−ブチルアセトアセテート)、エトキシチタントリス(エチルブタノイルアセテート)、エトキシチタントリス(エチルベンゾイルアセテート)、チタンテトラキス(2,4−ペンタンジオナート)、チタンテトラキス(2,4−ヘキサンジオナート)、チタンテトラキス(3,5−ヘキサンジオナート)、チタンテトラキス(ベンゾイルアセトナート)、チタンテトラキス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、チタンテトラキス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、チタンテトラキス(メチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(イソプロピルアセトアセテート)、チタンテトラキス(t−ブチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(エチルブタノイルアセテート)、チタンテトラキス(エチル−2−メチルプロパノイルアセテート)、チタンテトラキス(エチルベンゾイルアセテート)、チタンテトラキス(ジエチルマロネート)、チタンテトラキス(ジオクチルマロネート)、チタンテトラキス(ジエチル(メチルマロネート))、エトキシチタンビス(エチルアセトアセテート)モノ(3,5−ヘキサンジオナート)、チタンビス(エチルアセトアセテート)ビス(イソプロピルアセトアセテート)、チタントリス(エチルアセトアセテート)モノ(3,5−ヘキサンジオナート)などが挙げられる。

0080

インジウムキレートとしては、ジエトキシインジウム(2,4−ペンタンジオナート)、ジイソプロポキシインジウム(2,4−ペンタンジオナート)、ジエトキシインジウム(2,4−ヘキサンジオナート)、ジエトキシインジウム(3,5−ヘキサンジオナート)、ジエトキシインジウムベンゾイルアセトナート、ジエトキシインジウムメチルアセトアセテート、ジイソプロポキシインジウムメチルアセトアセテート、ジエトキシインジウムエチルアセトアセテート、ジエトキシインジウムイソプロピルアセトアセテート、ジエトキシインジウムt−ブチルアセトアセテート、ジエトキシインジウムエチルブタノイルアセテート、ジエトキシインジウムエチルベンゾイルアセテート、エトキシインジウムビス(2,4−ペンタンジオナート)、イソプロポキシインジウムビス(2,4−ペンタンジオナート)、エトキシインジウムビス(2,4−ヘキサンジオナート)、エトキシインジウムビス(3,5−ヘキサンジオナート)、エトキシインジウムビス(ベンゾイルアセトナート)、エトキシインジウムビス(メチルアセトアセテート)、イソプロポキシインジウムビス(メチルアセトアセテート)、エトキシインジウムビス(エチルアセトアセテート)、エトキシインジウムビス(イソプロピルアセトアセテート)、エトキシインジウムビス(t−ブチルアセトアセテート)、エトキシインジウムビス(エチルブタノイルアセテート)、エトキシインジウムビス(エチルベンゾイルアセテート)、インジウムトリス(2,4−ペンタンジオナート)、インジウムトリス(2,4−ヘキサンジオナート)、インジウムトリス(3,5−ヘキサンジオナート)、インジウムトリス(ベンゾイルアセトナート)、インジウムトリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、インジウムトリス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、インジウムトリス(メチルアセトアセテート)、インジウムトリス(エチルアセトアセテート)、インジウムトリス(イソプロピルアセトアセテート)、インジウムトリス(t−ブチルアセトアセテート)、インジウムトリス(エチルブタノイルアセテート)、インジウムトリス(エチル−2−メチルプロパノイルアセテート)、インジウムトリス(エチルベンゾイルアセテート)、インジウムトリス(ジエチルマロネート)、インジウムトリス(ジオクチルマロネート)、インジウムトリス(ジエチル(メチルマロネート))などが挙げられる。

0081

マグネシウムキレートとしては、マグネシウムビス(2,4−ペンタンジオナート)、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0082

クロムキレートとしては、クロムトリス(2,4−ペンタンジオナート)、クロムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0083

マンガンキレートとしては、マンガン(II)ビス(2,4−ペンタンジオナート)、マンガン(II)ビス(エチルアセトアセテート)、マンガン(III)トリス(2,4−ペンタンジオナート)、マンガン(III)トリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0084

コバルトキレートとしては、コバルトトリス(2,4−ペンタンジオナート)、コバルトトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0085

ニッケルキレートとしては、ニッケルビス(2,4−ペンタンジオナート)、ニッケルビス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0086

銅キレートとしては、銅ビス(2,4−ペンタンジオナート)、銅ビス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0087

亜鉛キレートとしては、亜鉛ビス(2,4−ペンタンジオナート)、亜鉛ビス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0088

ガリウムキレートとしては、ガリウムトリス(2,4−ペンタンジオナート)、ガリウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0089

ルテニウムキレートとしては、ルテニウムトリス(2,4−ペンタンジオナート)、ルテニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0090

パラジウムキレートとしては、パラジウムビス(2,4−ペンタンジオナート)、パラジウムビス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0091

ハフニウムキレートとしては、ハフニウムテトラキス(2,4−ペンタンジオナート)、ハフニウムテトラキス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0092

白金キレートとしては、白金ビス(2,4−ペンタンジオナート)、白金ビス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。

0093

このような金属キレートは、例えば次の方法で得ることができる。金属アルコキシド中に規定量の配位子滴下した後、加熱還流によりアルコキシド由来のアルコール成分を留出させることで所望の金属キレートを合成できる。また、2種類以上の配位子を順番に滴下させることで、異なる配位子を有する金属キレートが得られる。

0094

絶縁層5において、炭素原子とケイ素原子の合計100質量部に対して金属原子が10〜180質量部含まれることが好ましい。この範囲とすることで、絶縁特性を向上させられる。絶縁層中の炭素原子とケイ素原子の合計100質量部に対する金属原子の質量比X線光電子分光(XPS)により測定することができる。

0095

絶縁層5の膜厚は0.05〜5μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。この範囲の膜厚にすることにより、均一な薄膜形成が容易になる。膜厚は、原子間力顕微鏡やエリプソメトリ法などにより測定できる。

0096

上記のような絶縁層の作製方法は、特に制限はないが、例えば、原料組成物を基板に塗布し、乾燥することで得られたコーティング膜を必要に応じ熱処理することによって、絶縁層を形成できる。塗布方法としては、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法などの公知の塗布方法が挙げられる。コーティング膜の熱処理の温度としては、100〜300℃の範囲にあることが好ましい。例えば、原料組成物として、アルミニウムキレート、ポリシロキサン、および溶媒を含有し、アルミニウムキレート100質量部に対して、ポリシロキサンが5〜90質量部含まれるものを用いた場合、概ね、炭素原子とケイ素原子の合計100質量部に対して前記アルミニウム原子が10〜180質量部含まれる絶縁層が形成される。

0097

なお、上述の組成物と絶縁層における原子の含有比率の関係は大まかな傾向であり、例えば金属原子の種類等によっては必ず上述の関係が満たされるわけではない。

0098

絶縁層は単層でも複数層でもよい。また、1つの層を複数の絶縁性材料から形成してもよいし、複数の絶縁性材料を積層して複数の絶縁層を形成しても構わない。

0099

(CNT複合体)
CNT複合体は、CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したものである。ここで、共役系重合体とは、繰り返し単位共役構造をとり、重合度が2以上の化合物を指す。CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着した状態とは、CNTの表面の一部、あるいは全部を共役系重合体が被覆した状態を意味する。共役系重合体がCNTを被覆できるのは、両者の共役系構造に由来するπ電子が重なることによって相互作用が生じるためと推測される。CNTが共役系重合体で被覆されているか否かは、被覆されたCNTの反射色が被覆されていないCNTの色から共役系重合体の色に近づくことで判断できる。定量的にはX線光電子分光(XPS)などの元素分析によって、付着物の存在とCNTに対する付着物の質量比を同定することができる。

0100

CNTへの付着のしやすさから、該共役系重合体は、重量平均分子量が1000以上であることが好ましい。

0101

CNT複合体は、CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体を付着させることにより、CNTの保有する高い電気的特性を損なうことなくCNTを溶液中に均一に分散することが可能になる。また、CNTが均一に分散した分散液を用いて塗布法により、均一に分散したCNT膜を形成することが可能になる。これにより、高い半導体特性を実現できる。

0102

CNTに共役系重合体を付着させる方法は、(I)溶融した共役系重合体中にCNTを添加して混合する方法、(II)共役系重合体を溶媒中に溶解させ、この中にCNTを添加して混合する方法、(III)CNTを溶媒中に超音波等で予備分散させておき、そこへ共役系重合体を添加し混合する方法、(IV)溶媒中に共役系重合体とCNTを入れ、この混合系へ超音波を照射して混合する方法などが挙げられる。本発明では、いずれの方法を用いてもよく、複数の方法を組み合わせてもよい。

0103

共役系重合体としては、ポリチオフェン系重合体ポリピロール系重合体ポリアニリン系重合体ポリアセチレン系重合体ポリ−p−フェニレン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体などが挙げられるが、特に限定されない。上記重合体は、単一のモノマーユニットが並んだものが好ましく用いられるが、異なるモノマーユニットをブロック共重合したもの、ランダム共重合したものも用いられる。また、グラフト重合したものも用いることができる。

0104

上記重合体の中でも、CNTへの付着が容易であり、CNT複合体を形成しやすいポリチオフェン系重合体が好ましく使用される。ポリチオフェン系重合体の中でも環中含窒素二重結合を有する縮合テロアリールユニットおよびチオフェンユニットを繰り返し単位中に含むものがより好ましい。環中に含窒素二重結合を有する縮合へテロアリールユニットとしては、チエノピロールピロロチアゾール、ピロロピリダジンベンズイミダゾールベンゾトリアゾールベンゾオキサゾールベンゾチアゾールベンゾチアジアゾールキノリンキノキサリンベンゾトリアジン、チエノオキサゾールチエノピリジン、チエノチアジン、チエノピラジンなどのユニットが挙げられる。これらの中でも特にベンゾチアジアゾールユニットまたはキノキサリンユニットが好ましい。これらのユニットを有することで、CNTと共役系重合体の密着性が増し、CNTを半導体層中により良好に分散することができる。

0105

さらに、上記共役系重合体として、以下の構造を有するものが特に好ましい。

0106

0107

ここで、R1〜R6は同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基アリールエーテル基アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基ハロゲン原子シアノ基ホルミル基カルバモイル基、アミノ基、アルキルカルボニル基アリールカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基アリールオキシカルボニル基アルキルカルボニルオキシ基アリールカルボニルオキシ基またはシリル基を示す。また、R1〜R6は隣接する基同士で環構造を形成してもかまわない。Aは単結合アリーレン基チエニレン基を除くヘテロアリーレン基エテニレン基エチニレン基の中から選ばれる。lおよびmは、それぞれ0〜10の整数を示し、l+m≧1である。nは2〜1000の範囲を示す。l、mおよびnが2以上の場合、それぞれの繰り返し単位において、R1〜R6およびAは同じでも異なっていてもよい。

0108

アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。置換基を有する場合、置換基には特に制限はなく、例えば、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、これら置換基はさらに置換基を有していてもよい。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、1以上20以下が好ましく、より好ましくは1以上8以下である。

0109

シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの飽和脂環式炭化水素基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。置換基を有する場合、置換基には特に制限はなく、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、これら置換基はさらに置換基を有していてもよい。これら置換基に関する説明は、特にことわらない限り、以下の記載にも共通する。シクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、3以上20以下の範囲が好ましい。

0110

複素環基とは、例えば、ピラン環、ピペリジン環、アミド環などの炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環から導かれる基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。複素環基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。

0111

アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリール基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。

0112

シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基シクロヘキセニル基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。シクロアルケニル基の炭素数は特に限定されないが、3以上20以下の範囲が好ましい。

0113

アルキニル基とは、例えば、エチニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。

0114

アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など、エーテル結合の一方を脂肪族炭化水素基で置換した官能基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、1以上20以下の範囲が好ましい。

0115

アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものであり、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルチオ基の炭素数は特に限定されないが、1以上20以下の範囲が好ましい。

0116

アリールエーテル基とは、例えば、フェノキシ基ナフトキシ基など、エーテル結合の一方を芳香族炭化水素基で置換した官能基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、6以上40以下の範囲が好ましい。

0117

アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものであり、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールチオエーテル基の炭素数は特に限定されないが、6以上40以下の範囲が好ましい。

0118

アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は特に限定されないが、6以上40以下の範囲が好ましい。

0119

ヘテロアリール基とは、例えば、フラニル基、チオフェニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ピリジル基、キノリニル基など、炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する芳香族基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリール基の炭素数は特に限定されないが、2以上30以下の範囲が好ましい。

0120

ハロゲン原子とは、フッ素塩素臭素またはヨウ素を示す。

0121

アルキルカルボニル基とは、例えば、アセチル基、ヘキサノイル基など、カルボニル結合の一方を脂肪族炭化水素基で置換した官能基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルカルボニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。

0122

アリールカルボニル基とは、例えば、ベンゾイル基など、カルボニル結合の一方を芳香族炭化水素基で置換した官能基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールカルボニル基の炭素数は特に限定されないが、7以上40以下の範囲が好ましい。

0123

アルコキシカルボニル基とは、例えば、メトキシカルボニル基など、カルボニル結合の一方をアルコキシ基で置換した官能基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシカルボニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。

0124

アリールオキシカルボニル基とは、例えば、フェノキシカルボニル基など、カルボニル結合の一方をアリールオキシ基で置換した官能基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールオキシカルボニル基の炭素数は特に限定されないが、7以上40以下の範囲が好ましい。

0125

アルキルカルボニルオキシ基とは、例えば、アセトキシ基など、エーテル結合の一方をアルキルカルボニル基で置換した官能基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルカルボニルオキシ基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。

0126

アリールカルボニルオキシ基とは、例えば、ベンゾイルオキシ基など、エーテル結合の一方をアリールカルボニル基で置換した官能基を示し、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールカルボニルオキシ基の炭素数は特に限定されないが、7以上40以下の範囲が好ましい。

0127

カルバモイル基、アミノ基およびシリル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。置換基を有する場合、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などを挙げることができ、これら置換基はさらに置換基を有していてもよい。

0128

隣接する基同士で互いに結合して環構造を形成する場合、前記一般式(1)で説明すると、例えば、R1とR2が互いに結合して共役または非共役縮合環を形成する。縮合環の構成元素として、炭素以外にも窒素酸素硫黄リン、ケイ素原子を含んでいてもよいし、さらに別の環と縮合してもよい。

0129

次に、一般式(1)のAについて説明する。アリーレン基とは2価(結合部位が2箇所)の芳香族炭化水素基を示し、無置換でも置換されていてもかまわない。炭素数は、特に限定されないが、1以上50以下の範囲が好ましい。置換される場合の置換基の例としては、上記アルキル基や、ヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。アリーレン基の好ましい具体例としては、フェニレン基ナフチレン基ビフェニレン基、フェナントリレン基、アントリレン基ターフェニレン基、ピレニレン基、フルオレニレン基ペリレニレン基などが挙げられる。

0130

ヘテロアリーレン基とは2価の複素芳香環基を示し、無置換でも置換されていてもかまわない。炭素数は、特に限定されないが、1以上50以下の範囲が好ましい。ヘテロアリーレン基の好ましい具体例しては、ピリジレン基、ピラジレン基、キノリニレン基、イソキノリレン基、キノキサリレン基、アクリジニレン基、インドリレン基、カルバゾリレン基などに加え、ベンゾフランジベンゾフランベンゾチオフェンジベンゾチオフェンベンゾジチオフェン、ベンゾシロールおよびジベンゾシロールなどの複素芳香環から導かれる2価の基などが挙げられる。

0131

一般式(1)のlおよびmは0〜10の整数を示し、l+m≧1である。構造中にチオフェンユニットを含有することでCNTとの密着性が向上し、CNTの分散性が向上することから、好ましくはlおよびmはそれぞれ1以上、さらに好ましくはl+m≧4である。また、モノマーの合成、およびその後の重合の容易さからl+m≦12が好ましい。

0132

nは、共役系重合体の重合度を表しており、2〜1000の範囲である。CNTへの付着のしやすさを考慮して、nは3〜500の範囲が好ましい。本発明において、重合度nは、重量平均分子量から求めた値である。重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定し、ポリスチレン標準試料を用いて換算して求める。

0133

また、CNT複合体の形成のしやすさから、共役系重合体は溶媒に可溶であることが好ましいため、R1〜R6の少なくとも一つがアルキル基であることが好ましい。

0134

このような共役系重合体の例としては、下記のような構造を有するものが挙げられる。

0135

0136

0137

0138

0139

0140

0141

0142

0143

0144

0145

0146

共役系重合体は、公知の方法により合成することができる。例えば、チオフェン同士を連結する方法としては、ハロゲン化チオフェンとチオフェンボロン酸またはチオフェンボロン酸エステルパラジウム触媒下でカップリングする方法、ハロゲン化チオフェンとチオフェングリニヤール試薬をニッケルまたはパラジウム触媒下でカップリングする方法が挙げられる。また、他のユニットとチオフェンユニットを連結する場合も、ハロゲン化した他のユニットとチオフェンユニットとを、同様の方法でカップリングすることができる。また、そのようにして得られたモノマーの末端重合性官能基を導入し、パラジウム触媒やニッケル触媒下で重合を進行させることで共役系重合体を得ることができる。

0147

共役系重合体から、合成過程で使用した原料副生成物などの不純物を除去することが好ましい。不純物を除去する方法としては、例えば、シリカゲルカラムグラフィー法、ソクスレー抽出法ろ過法イオン交換法、キレート法などを用いることができる。これらの方法を2種以上組み合わせてもよい。

0148

CNTとしては、1枚の炭素膜グラフェンシート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT、複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNTのいずれを用いてもよい。高い半導体特性を得るためには単層CNTを用いるのが好ましい。CNTは、アーク放電法化学気相成長法CVD法)、レーザーアブレーション法等により得ることができる。

0149

また、CNTは半導体型CNTを、CNT全体の80質量%以上含むことがより好ましい。さらに好ましくは半導体型CNTを95質量%以上含むことである。半導体型CNTを80質量%以上含むCNTを得る方法としては、既知の方法を用いることができる。例えば、密度勾配剤共存下で超遠心する方法、特定の化合物を選択的に半導体型もしくは金属型CNTの表面に付着させ、溶解性の差を利用して分離する方法、電気的性質の差を利用し電気泳動等により分離する方法などが挙げられる。半導体型CNTの含有率を測定する方法としては、可視近赤外吸収スペクトル吸収面積比から算出する方法や、ラマンスペクトル強度比から算出する方法等が挙げられる。

0150

CNT複合体を整流素子の半導体層に用いる場合、CNTの長さは、第一の電極2および第二の電極3間の距離よりも短いことが好ましい。CNTの平均長さは、電極2および電極3間の距離にもよるが、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下である。CNTの平均長さとは、ランダムピックアップした20本のCNTの長さの平均値を言う。CNT平均長さの測定方法としては、原子間力顕微鏡、走査型電子顕微鏡透過型電子顕微鏡等で得た画像の中から、20本のCNTをランダムにピックアップし、それらの長さの平均値を得る方法が挙げられる。一般に市販されているCNTは長さに分布があり、電極間よりも長いCNTが含まれることがあるため、CNTを電極2および電極3間の距離よりも短くする工程を加えることが好ましい。例えば、硝酸硫酸などによる酸処理超音波処理、または凍結粉砕法などにより、CNTを短繊維状カットする方法が有効である。またCNTを溶媒中に均一分散させ、分散液をフィルターによってろ過する工程を設けることが好ましい。フィルター孔径よりも小さいCNTを濾液から得ることで、一対の電極間距離よりも短いCNTを効率よく得られる。この場合、フィルターとしてはメンブレンフィルターが好ましく用いられる。ろ過に用いるフィルターの孔径は、0.5〜10μmが好ましい。フィルターによる分離を併用することは、CNTの純度を向上させる点でさらに好ましい。他にCNTを短小化する方法として、酸処理、凍結粉砕処理などが挙げられる。

0151

CNTの直径は、特に限定されないが、1nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下である。

0152

(半導体層)
半導体層4は、上記CNT複合体を含有する。半導体層4はCNT複合体の電気特性を阻害しない範囲であれば、さらに有機半導体絶縁材料を含んでもよい。また半導体層4中の1μm2当たりに存在する上記CNT複合体の総長さが10μm〜50μmであることが好ましい。総長さがこの範囲内であると、整流素子の整流特性が高くなり、かつ、順方向抵抗が低くなるので好ましい。半導体層4中の1μm2当たりに存在する上記CNT複合体の総長さとは、半導体層4中の任意の1μm2内に存在するCNT複合体の長さの総和を言う。CNT複合体の総長さの測定方法としては、原子間力顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等で得た半導体層の画像の中から任意の1μm2を選択し、その領域に含まれる全てのCNT複合体の長さを測定して合計する方法が挙げられる。

0153

また、半導体層4の膜厚は1nm以上100nm以下が好ましい。膜厚がこの範囲内にあることで、均一な薄膜形成が容易になる。より好ましくは膜厚が1nm以上50nm以下、さらに好ましくは1nm以上20nm以下である。膜厚は、原子間力顕微鏡やエリプソメトリ法などにより測定できる。

0154

半導体層4の形成方法としては、抵抗加熱蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、CVDなど乾式の方法を用いることも可能であるが、製造コストや大面積への適合の観点から塗布法を用いることが好ましい。塗布法とは、具体的には、CNT複合体、すなわち、カーボンナノチューブ表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む組成物を、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法などを用いて、基材上に塗布することにより、半導体層4を形成する方法である。塗膜厚み制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて、適した塗布方法を選択できる。また、基材としては、前記の実施態様に応じて、絶縁性基材1上に一対の電極2、3が設けられたものであっても、絶縁性基材1上に第三の電極6、絶縁層5および一対の電極2、3が設けられたものであってもよい。

0155

このとき、CNT複合体を含有する組成物に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラントルエン、o−メトキシトルエン、m−メトキシトルエン、p−メトキシトルエン、キシレン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,4−イソプロピルベンゼン、1,4−ジプロピルベンゼン、ブチルベンゼンイソブチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼンベンジルアルコールリモネンイソホロンカルボンアニソールN−メチル−2−ピロリドンジクロロメタンジクロロエタンクロロホルムクロロベンゼンジクロロベンゼン、o−クロロトルエン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン安息香酸メチル安息香酸エチル、2,4,6−トリメチル安息香酸エチル、2−エトキシ安息香酸エチル安息香酸プロピル、o−トルイジンm−トルイジンp−トルイジンなどが挙げられる。これらの溶媒を2種以上用いてもよい。また、形成した塗膜に対して、大気下、減圧下または不活性ガス雰囲気下(窒素やアルゴン雰囲気下)でアニーリング処理を行ってもよい。

0156

半導体層に対して前記(c)絶縁層と反対側に第2の絶縁層を形成してもよい。第2の絶縁層を形成することによって、半導体層を酸素や水分などの外部環境から保護することができる。

0157

第2の絶縁層に用いられる材料としては、特に限定されないが、具体的には酸化シリコン、アルミナ等の無機材料;ポリイミドやその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサンやその誘導体、ポリビニルフェノールやその誘導体等などの有機高分子材料;あるいは無機材料粉末と有機高分子材料の混合物や有機低分子材料と有機高分子材料の混合物を挙げることができる。これらの中でも、塗布法で作製できる有機高分子材料を用いることが好ましい。特に、ポリフルオロエチレンポリノルボルネン、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネートおよびこれらの誘導体、ポリアクリル酸誘導体ポリメタクリル酸誘導体、およびこれらを含む共重合体からなる群より選ばれる有機高分子材料を用いることが、絶縁層の均一性の観点から好ましい。ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリビニルフェノールおよびポリメチルメタクリレートからなる群より選ばれた有機高分子材料を用いることで、半導体層の電気抵抗、すなわち整流素子の順方向抵抗を上昇させること無く、半導体層の保護が可能となることから、特に好ましい。

0158

第2の絶縁層の膜厚は、50nm〜10μmが好ましく、より好ましくは100nm〜3μmである。第2の絶縁層は単層でも複数層でもよい。また、1つの層を複数の絶縁性材料から形成してもよいし、複数の絶縁性材料を積層して形成しても構わない。

0159

上記第2の絶縁層の形成方法としては、特に限定されず、抵抗加熱蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、CVDなど乾式の方法を用いることも可能であるが、製造コストや大面積への適合の観点から塗布法を用いることが好ましい。塗布法として、具体的には、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、ドロップキャスト法などを好ましく用いることができる。塗膜厚み制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択できる。

0160

塗布法を用いて第2の絶縁層を形成するに際して、第2の絶縁層に用いられる絶縁材料を溶解させる溶媒としては、特に制限されないが、エチレングリゴールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルエチレングリコールジブチルエーテルジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のエーテル類エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピルアセテートブチルアセテートイソブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル乳酸エチル乳酸ブチル等のエステル類アセトンメチルエチルケトンメチルプロピルケトンメチルブチルケトンメチルイソブチルケトンシクロペンタノン2−ヘプタノン等のケトン類ブチルアルコールイソブチルアルコールペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールジアセトンアルコール等のアルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。中でも、1気圧における沸点が110〜200℃の溶剤を含有することが好ましい。沸点が110℃以上であれば、溶液塗布時に溶剤の揮発が抑制されて、塗布性が良好となる。沸点が200℃以下であれば、絶縁膜中に残存する溶剤が少なく、より良好な耐熱性や耐薬品性を有する絶縁層が得られる。また、形成した塗膜に対して、大気下、減圧下または不活性ガス雰囲気下(窒素やアルゴン雰囲気下)でアニーリング処理を行ってもよい。

0161

上記のようにして形成された整流素子を用いた整流回路の一例を図4に示す。図4の整流回路は、整流素子100と、交流電流が入力される入力端子101と、キャパシタ102と、出力端子103を有した半波整流回路であり、交流半サイクルのみを整流する回路である。入力端子101と整流素子100の一方の電極が電気的に接続され、出力端子103と、整流素子100の他方の電極と、キャパシタ102の一方の電極が電気的に接続されている。キャパシタ102の他方の電極は、接地電位に電気的に接続されている。

0162

整流素子の特性は、例えば上記整流回路に交流電流を入力し、出力される直流電流を測定することから求めることができる。入力する交流電圧に対してできるだけ大きい直流出力電圧を得られる整流素子が、電力損失の少ない特性の良い整流素子となる。

0163

<無線通信装置>
次に、本発明の整流素子を含有する無線通信装置について説明する。この無線通信装置は、例えばRFIDのような、外部のリーダ/ライタに搭載されたアンテナから送信される搬送波をRFIDタグが受信することで電気通信を行う装置である。

0164

具体的な動作は、例えばリーダ/ライタに搭載されたアンテナから送信された無線信号を、RFIDタグのアンテナが受信し、これによってアンテナ内に発生した誘導電流を、整流回路により直流電流に変換し、この電力によってRFIDタグが起動する。次に、起動されたRFIDタグは、無線信号からコマンドを受信し、コマンドに応じた動作を行う。その後、コマンドに応じた結果の回答を無線信号としてRFIDタグのアンテナからリーダ/ライタのアンテナへ送信する。なお、コマンドに応じた動作は、公知の復調回路動作制御ロジック回路、変調回路などで行われる。

0165

本発明の無線通信装置は、上述の整流素子と、アンテナとを少なくとも有するものである。より具体的には、例えば図5のブロック図に示すように、アンテナ50で受信した外部からの変調波信号の整流を行い各部に電源を供給する整流回路500と、アンテナ50で受信した変調波信号を復調して制御回路へ送る復調回路501と、データを保持する記憶回路504と、復調回路で復調されたデータの記憶回路への書込みおよび記憶回路からのデータの読み出しおよびデータの変調回路への送信を行う制御回路503と、制御回路から送られたデータを変調してアンテナに送り出す変調回路502とで構成され、各電子回路が電気的に接続された無線通信装置が挙げられる。

0166

整流回路は、少なくとも上述の整流素子およびコンデンサから構成され、さらに必要に応じてトランジスタ抵抗素子等を含んでいても良い。復調回路、制御回路、変調回路および記憶回路は、トランジスタ、コンデンサ、抵抗素子およびダイオードなどから構成される。記憶回路は、さらにEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、FeRAM(Ferroelectric Randam Access Memory)等の不揮発性書換え可能な記憶部を有している。

0167

これらのアンテナ、トランジスタ、コンデンサ、抵抗素子、ダイオード、不揮発性の書き換え可能な記憶部等は、一般的に使用されるものであればよく、用いられる材料、形状は特に限定はされない。またそれぞれを電気的に接続する材料も、一般的に使用されうる導電材料であればいかなるものでもよい。接続方法も電気的に導通を取ることができれば、いかなる方法でもよく、接続部の幅および厚みは任意である。

0168

<商品タグ>
次に、本発明の無線通信装置を含有する商品タグについて説明する。この商品タグは、例えば基体と、この基体によって被覆された上記無線通信装置を有している。

0169

基体は、例えば、平板状に形成された紙やプラスチックなどの非金属材料によって形成されている。基体を構成する材料としては、電波を透過するものであれば、特に限定されない。例えば、基体の例として、2枚の平板状の紙を貼り合わせたものが挙げられる。この2枚の紙の間に上記無線通信装置が挟みこまれて配置されている。上記無線記憶装置の記憶回路には、例えば商品個体識別する個体識別情報が予め格納されている。

0170

この商品タグとリーダ/ライタとの間で、無線通信を行う。リーダ/ライタとは、無線により商品タグに対するデータの読み取りおよび書き込みを行う装置であり、商品の流通過程決済時に、商品タグとデータのやり取りを行うものである。例えば、携帯型のものや、レジに設置される固定型のものがある。リーダ/ライタは公知のものが利用できる。

0171

具体的には、この商品タグは、個体識別情報の送信を要求する所定のリーダ/ライタからのコマンドに応じ、記憶している個体識別情報を無線により返信する識別情報返信機能を備えている。これにより、例えば商品の精算レジにおいて、非接触で多数の商品を同時に識別することが可能となり、バーコードでの識別と比較すると決済処理の容易化や迅速化を図ることができる。

0172

例えば、商品の会計の際には、リーダ/ライタが商品タグから読み取った商品情報POS(Point of sale system、販売時点情報管理端末に送信すると、POS端末においてその商品情報によって特定される商品の販売登録がなされるといったことが可能となる。

0173

以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例中における各評価法を以下の(1)〜(3)で説明する。

0174

(1)重量平均分子量測定
ポリマーの重量平均分子量は、サンプル溶液を孔径0.45μmメンブレンフィルターで濾過後、GPC(GEL PERMEATION CHROMATOGRAPHY:ゲル浸透クロマトグラフィー、東ソー(株)製HLC−8220GPC)(展開溶剤:テトラヒドロフラン、展開速度:0.4ml/分)を用いて測定し、ポリスチレン標準試料との比較により、ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。

0175

(2)電極の密着性評価
図6、7を参照して説明する。相補型半導体装置を形成した基板1001について、相補型半導体装置を形成した面上の中央部に直径30mmの金属円柱1000を固定し、この円柱に沿って、円柱の抱き角0°(サンプルが平面の状態)の状態に置き(図6参照)、円柱への抱き角が180°(円柱で折り返した状態)となるまで(図7参照)、折り曲げ動作を行った。耐屈曲性は、曲げ動作前後の相補型半導体装置パターン光学顕微鏡で観察し、剥がれ、欠けの有無を確認した。

0176

(3)CNT複合体の総長さの測定方法
半導体層4中の任意の1μm2を、透過型電子顕微鏡を用いて倍率150万倍で観察し、その領域に含まれる全てのCNT複合体の長さを測定して、総長さを求めた。

0177

合成例1;化合物P1(バインダー)
共重合比率質量基準):エチルアクリレート(以下、「EA」)/メタクリル酸2−エチルヘキシル(以下、「2−EHMA」)/スチレン(以下、「St」)/グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」)/アクリル酸(以下、「AA」)=20/40/20/5/15。

0178

窒素雰囲気反応容器中に、150gのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「DMEA」)を仕込みオイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、20gのEA、40gの2−EHMA、20gのSt、15gのAA、0.8gの2,2’−アゾビスイソブチロニトリルおよび10gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間重合反応を行った。その後、1gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。引き続き、5gのGMA、1gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドおよび10gのDMEAからなる混合物を、0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間付加反応を行った。得られた反応溶液メタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、化合物P1を得た。

0179

合成例2;化合物P2(バインダー)
共重合比率(質量基準):2官能エポキシアクリレートモノマー(エポキシエステル3002A;共栄社化学(株)製)/2官能エポキシアクリレートモノマー(エポキシエステル70PA;共栄社化学(株)製)/GMA/St/AA=20/40/5/20/15。

0180

窒素雰囲気の反応容器中に、150gのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「DMEA」)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、20gのエポキシエステル3002A、40gのエポキシエステル70PA、20gのSt、15gのAA、0.8gの2,2’−アゾビスイソブチロニトリルおよび10gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間重合反応を行った。その後、1gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。引き続き、5gのGMA、1gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドおよび10gのDMEAからなる混合物を、0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、化合物P2を得た。

0181

合成例3;化合物P3(バインダー)
化合物P2のウレタン変性化合物
窒素雰囲気の反応容器中に、100gのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「DMEA」)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、感光性成分P2を10g、3.5gのn−ヘキシルイソシアネートおよび10gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、ウレタン結合を有する化合物P3を得た。

0182

調製例1;導電ペースト
100mlクリーンボトルに、上記により得られた化合物P1を16g、化合物P3を4g、光重合開始剤OXE−01(BASFジャパン株式会社製)4g、酸発生剤SI−110(三新化学工業株式会社製)を0.6g、γ−ブチロラクトン(三菱ガス化学株式会社製)を10g入れ、自転公転真空ミキサー“あわとり練太郎”(登録商標)(ARE−310;(株)シンキー製)で混合し、感光性樹脂溶液46.6g(固形分78.5質量%)を得た。得られた感光性樹脂溶液8.0gと平均粒子径0.2μmのAg粒子42.0gを混ぜ合わせ、3本ローラー“EXAKT M−50”(商品名、EXAKT社製)を用いて混練し、50gの導電ペーストAを得た。

0183

実施例1
(1)半導体溶液の作製
ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)(アルドリッチ(株)製)2.0mgのクロロホルム10ml溶液にCNT1(CNI社製、単層CNT、純度95%)を1.0mg加え、氷冷しながら超音波ホモジナイザー(東京理化器械(株)製VCX−500)を用いて出力20%で4時間超音波撹拌し、CNT複合体分散液A(溶媒に対するCNT複合体濃度0.96g/l)を得た。

0184

次に、半導体層を形成するための半導体溶液の作製を行った。上記CNT複合体分散液Aをメンブレンフィルター(孔径10μm、直径25mm、ミリポア社製オムニポアメンブレン)を用いてろ過を行い、長さ10μm以上のCNT複合体を除去した。得られた濾液にo−DCB(和光純薬工業(株)製)5mlを加えた後、ロータリーエバポレーターを用いて、低沸点溶媒であるクロロホルムを留去し、溶媒をo−DCBで置換し、CNT複合体分散液Bを得た。CNT複合体分散液B1mlにo−DCB3mLを加え、半導体溶液A(溶媒に対するCNT複合体濃度0.03g/l)とした。

0185

(2)整流素子の作製
図1に示す整流素子を作製した。ガラス製の基板1(膜厚0.7mm)上に、抵抗加熱法により、マスクを通してクロムを5nmの厚さおよび金を50nmの厚さで真空蒸着し、第一の電極2を形成した。次に同様に抵抗加熱法により、マスクを通してアルミニウムを50nmの厚さで真空蒸着し、第二の電極3を形成した。

0186

これら一対の電極2、電極3の幅はいずれも100μmであり、両電極間の距離は10μmであった。電極が形成された基板上に、上記(1)に記載の方法で作製した半導体溶液Aをインクジェット装置クラスターテクノロジー(株)製)を用いて400pl滴下して半導体層4を形成し、ホットプレート上で窒素気流下、150℃で30分の熱処理を行い、整流素子を得た。

0187

(3)整流素子の評価
次に、上記整流素子の電流−電圧特性を測定した。測定には半導体特性評価システム4200−SCS型(ケースレーインスツルメンツ(株)製)を用い、2端子法で行った。測定は、大気中(気温20℃、湿度35%)で実施し、整流作用が得られることを確認した。また2Vの電圧印加時に整流素子に流れる電流値は10μAであった。

0188

実施例2
(1)絶縁層溶液の作製
メチルトリメトキシシラン61.29g(0.45モル)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン12.31g(0.05モル)、およびフェニルトリメトキシシラン99.15g(0.5モル)をプロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点170℃)203.36gに溶解し、これに、水54.90g、リン酸0.864gを撹拌しながら加えた。得られた溶液をバス温105℃で2時間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生するメタノールからなる成分を留出せしめた。次いでバス温130℃で2.0時間加熱し、内温を118℃まで上げて、主として水とプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる成分を留出せしめた後、室温まで冷却し、固形分濃度26.0質量%の絶縁層溶液Aを得た。

0189

得られた絶縁層溶液Aを50g量り取り、プロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点170℃)16.6gを混合して、室温にて2時間撹拌し、絶縁層溶液B(固形分濃度19.5質量%)を得た。

0190

(2)整流素子の作製
図3に示す整流素子を作製した。ガラス製の基板1(膜厚0.7mm)上に、抵抗加熱法により、マスクを通してクロムを5nmの厚さおよび金を50nmの厚さで真空蒸着し、電極6を形成した。次に上記(1)に記載の方法で作製した絶縁層溶液Bを上記電極6が形成されたガラス基板上にスピンコート塗布(800rpm×20秒)し、120℃で5分間熱処理後、再度絶縁層溶液Bをスピンコート塗布(800rpm×20秒)し、窒素気流下200℃で30分間熱処理することによって、膜厚400nmの絶縁層5を形成した。絶縁層5の上に、抵抗加熱法により、金を膜厚50nmになるように真空蒸着し、その上にフォトレジスト(商品名「LC100−10cP」、ロームアンドハース(株)製)をスピンコート塗布(1000rpm×20秒)し、100℃で10分間加熱乾燥した。

0191

作製したフォトレジスト膜パラレルライトマスクアライナー(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いて、マスクを介してパターン露光した後、自動現像装置産業(株)製AD−2000)を用いて2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液であるELM−D(商品名、三菱ガス化学(株)製)を用いて70秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間洗浄した。その後、エッチング液AURUM−302(商品名、関東化学(株)製)を用いて5分間エッチング処理した後、水で30秒間洗浄した。AZリムーバ100(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)に5分間浸漬してレジスト剥離し、水で30秒間洗浄後、120℃で20分間加熱乾燥することで第一の電極2および第二の電極3を形成した。

0192

これら一対の電極2および3の幅はいずれも1000μmであり、電極間の距離は10μmであった。電極が形成された基板上に、実施例1と同様にして半導体層4を形成し、ホットプレート上で窒素気流下、150℃で30分の熱処理を行い、図3の態様の整流素子を得た。半導体層4中の1μm2当たりに存在するCNT複合体の総長さは20μmであった。

0193

(3)整流素子の評価
次に、上記整流素子の電流−電圧特性を測定した。電極3および電極6を金線で電気的に接続し、電極2を入力、電極3および電極6を出力とする2端子法で測定した。測定は、大気中(気温20℃、湿度35%)で実施し、整流作用が得られることを確認した。

0194

次に、上記整流素子を用いて図4に示す整流回路を構成した。キャパシタ102の容量値は、300[pF]である。上記整流素子の電極2を、整流素子の入力端子101に接続し、前記整流素子の電極3をキャパシタ102および出力端子103に接続した。キャパシタ102の反対側の電極は、接地電位と電気的に接続した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値2.5[V]、ばらつき0.8[V]であった。

0195

実施例3
(1)整流素子の作製
半導体溶液Aを50pl滴下して半導体層4を形成したこと以外は実施例2と同様に整流素子を作製した。半導体層4中の1μm2当たりに存在するCNT複合体の総長さは5μmであった。

0196

(2)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値1.8[V]、ばらつき0.9[V]であった。

0197

実施例4
(1)整流素子の作製
半導体溶液Aを5000pl滴下して半導体層4を形成したこと以外は実施例2と同様に整流素子を作製した。半導体層4中の1μm2当たりに存在するCNT複合体の総長さは100μmであった。

0198

(2)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値1.5[V]、ばらつき0.3[V]であった。

0199

実施例5
(1)絶縁層溶液の作製
絶縁層溶液Aを10g量り取り、アルミニウムビス(エチルアセチルアセテート)モノ(2,4−ペンタンジオナート)(商品名「アルミキレートD」、川研ファインケミカル(株)製、以下アルミキレートDという)13gとプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、PGMEAという)42gを混合して、室温にて2時間撹拌し、絶縁層溶液C(固形分濃度24質量%)を得た。本溶液中の上記ポリシロキサンの含有量はアルミキレートD 100質量部に対して20質量部であった。

0200

(2)整流素子の作製
絶縁層溶液Bの代わりに、絶縁層溶液Cを用いたこと以外は実施例2と同様に整流素子を作製した。このときの絶縁層をX線光電子分光法により分析したところ、炭素原子とケイ素原子の合計100重量部に対してアルミニウム原子が21.0重量部であった。

0201

(3)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値4.5[V]、ばらつき0.3[V]であった。

0202

実施例6
(1)半導体溶液の作製
化合物[60]を式1に示す方法で合成した。

0203

0204

化合物(1−a)((株)東京化成工業製)4.3gと臭素((株)和光純薬工業製)10gを48%臭化水素酸150mlに加え、120℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却し、析出した固体グラスフィルターで濾過し、水1000mlとアセトン100mlで洗浄した。得られた固体を60℃で真空乾燥し、化合物(1−b)6.72gを得た。

0205

化合物(1−c)10.2gをジメチルホルムアミド100mlに溶解し、N−ブロモスクシンイミド((株)和光純薬工業製)9.24gを加え、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。得られた溶液に水200ml、n−ヘキサン200mlおよびジクロロメタン200mlを加え、有機層分取した。得られた有機層を水200mlで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液をカラムクロマトグラフィー充填材シリカゲル溶離液ヘキサン)で精製し、化合物(1−d)14.4gを得た。

0206

上記の化合物(1−d)14.2gをテトラヒドロフラン200mlに溶解し、−80℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)((株)和光純薬工業製)35mlを加えた後、−50℃まで昇温し、再度−80℃に冷却した。2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン((株)和光純薬工業製)13.6mlを加え、室温まで昇温し、窒素雰囲気下で4時間撹拌した。得られた溶液に1N塩化アンモニウム水溶液200mlと酢酸エチル200mlを加え、有機層を分取した。得られた有機層を水200mlで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液をカラムクロマトグラフィー(充填材:シリカゲル、溶離液:ヘキサン/ジクロロメタン)で精製し化合物(1−e)14.83gを得た。

0207

上記の化合物(1−e)14.83gと、5,5’−ジブロモ−2,2’−ビチオフェン((株)東京化成工業製)6.78gをジメチルホルムアミド200mlに加え、さらに窒素雰囲気下でリン酸カリウム((株)和光純薬工業製)26.6gおよび[ビス(ジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(アルドリッチ社製)1.7gを加え、100℃で4時間撹拌した。得られた溶液に水500mlと酢酸エチル300mlを加え、有機層を分取した。得られた有機層を水500mlで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液をカラムクロマトグラフィー(充填材:シリカゲル、溶離液:ヘキサン)で精製し、化合物(1−f)を4.53g得た。

0208

上記の化合物(1−f)4.53gをテトラヒドロフラン40mlに溶解し、−80℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)6.1mlを加えた後、−5℃まで昇温し、再度−80℃に冷却した。2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン2.3mlを加え、室温まで昇温し、窒素雰囲気下で2時間撹拌した。得られた溶液に1N塩化アンモニウム水溶液150mlと酢酸エチル200mlを加え、有機層を分取した。得られた有機層を水200mlで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液をカラムクロマトグラフィー(充填材:シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン/ヘキサン)で精製し、化合物(1−g)2.31gを得た。

0209

上記の化合物(1−b)0.498gと、上記の化合物(1−g)2.31gをジメチルホルムアミド17mlに加え、さらに窒素雰囲気下でリン酸カリウム2.17gおよび[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(アルドリッチ社製)0.14gを加え、90℃で7時間撹拌した。得られた溶液に水200mlとクロロホルム100mlを加え、有機層を分取した。得られた有機層を水200mlで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液をカラムクロマトグラフィー(充填材:シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン/ヘキサン)で精製し、化合物(1−h)を1.29g得た。化合物(1−h)の1H−NMR分析結果を示す。
1H−NMR(CD2Cl2,(d=ppm)):8.00(s,2H),7.84(s,2H),7.20—7.15(m,8H),7.04(d,2H),6.95(d,2H),2.88(t,4H),2.79(t,4H),1.77−1.29(m,48H),0.88(m,12H)。

0210

上記の化合物(1−h)0.734gをクロロホルム15mlに溶解し、N−ブロモスクシンイミド0.23g/ジメチルホルムアミド10mlを加え、窒素雰囲気下、室温で9時間撹拌した。得られた溶液に水100mlとクロロホルム100mlを加え、有機層を分取した。得られた有機層を水200mlで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液をカラムクロマトグラフィー(充填材:シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン/ヘキサン)で精製し、化合物(1−i)0.58gを得た。

0211

化合物(1−j)0.5g、ビス(ピナコラト)ジボロン(BASF製)0.85g、酢酸カリウム((株)和光純薬工業製)0.86gを1,4−ジオキサン7mlに加え、さらに窒素雰囲気下で[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム0.21gを加え、80℃で7時間撹拌した。得られた溶液に水100mlと酢酸エチル100mlを加え、有機層を分取した。得られた有機層を水100mlで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液をカラムクロマトグラフィー(充填材:シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン)で精製し、化合物(1−k)を57mg得た。

0212

上記の化合物(1−i)93mgと、上記の化合物(1−k)19.3mgをトルエン6mlに溶解した。ここに水2ml、炭酸カリウム0.18g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)((株)東京化成工業製)7.7mgおよびAliquat(R)336(アルドリッチ社製)1滴を加え、窒素雰囲気下、100℃にて25時間撹拌した。次いで、フェニルボロン酸40mgを加え、100℃にて7時間撹拌した。得られた溶液にメタノール50mlを加え、生成した固体をろ取し、メタノール、水、メタノール、アセトンの順に洗浄した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、シリカゲルショートカラム(溶離液:クロロホルム)を通した後に濃縮乾固し、化合物[60]を30mg得た。重量平均分子量は4367、数平均分子量は3475、重合度nは3.1であった。

0213

P3HTの代わりに、化合物[60]を用いたこと以外は実施例1と同様にして半導体溶液B(溶媒に対するCNT複合体濃度0.03g/l)を得た。

0214

(2)整流素子の作製
半導体溶液Aの代わりに、半導体溶液Bを用いたこと以外は実施例5と同様に整流素子を作製した。半導体層4中の1μm2当たりに存在するCNT複合体の総長さは30μmであった。

0215

(3)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値4.9[V]、ばらつき0.3[V]であった。

0216

実施例7
(1)整流素子の作製
実施例6と同様に作製した整流素子の半導体層4上に、ポリビニルフェノール(アルドリッチ社製、重量平均分子量(Mw):20000、以下PVPという)の5質量%ブタノール溶液を10μLドロップキャストし、第2の絶縁層を形成した。続いて、30℃で5分風乾した後、ホットプレート上で窒素気流下、120℃、30分の熱処理を行い、第2の絶縁層を有する整流素子を作製した。

0217

(2)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値3.8[V]、ばらつき0.4[V]であった。また、1ヶ月後に同様の測定をしても、測定結果は同等であった。

0218

実施例8
(1)整流素子の作製
ポリ(メチルメタクリレート)(アルドリッチ社製、重量平均分子量(Mw):350000、以下PMMAという)の5質量%メチルエチルケトン溶液を用いて、実施例7と同様に第2の絶縁層を形成したこと以外は、実施例7と同様にして整流素子を作製した。

0219

(2)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値5.0[V]、ばらつき0.3[V]であった。また、1ヶ月後に同様の測定をしても、測定結果は同等であった。

0220

実施例9
(1)整流素子の作製
ポリスチレン(アルドリッチ社製、重量平均分子量(Mw):192000、以下PSという)の5質量%プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート溶液を用いて、実施例7と同様に第2の絶縁層を形成したこと以外は、実施例7と同様にして整流素子を作製した。

0221

(2)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値5.3[V]、ばらつき0.3[V]であった。また、1ヶ月後に同様の測定をしても、測定結果は同等であった。

0222

実施例10
(1)整流素子の作製
絶縁層溶液Bを用いて、実施例7と同様に第2の絶縁層を形成したこと以外は、実施例7と同様にして整流素子を作製した。

0223

(2)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値4.6[V]、ばらつき0.3[V]であった。また、1ヶ月後に同様の測定をしても、測定結果は同等であった。

0224

実施例11
(1)整流素子の作製
膜厚50μmのPETフィルム上に、前記導電ペーストAをスクリーン印刷で塗布し、乾燥オーブンで100℃、10分間プリベークを行った。その後、露光装置“PEM−8M”(商品名、ユニオン光学(株)製)を用いて露光した後、0.5%Na-2CO-3溶液で30秒間浸漬現像し、超純水リンス後、乾燥オーブンで140℃、30分間キュアを行い、電極6を形成した。次に絶縁層溶液Cを上記電極6が形成されたPETフィルム上基板上にスピンコート塗布(800rpm×20秒)し、120℃で5分間熱処理後、再度絶縁層溶液Cをスピンコート塗布(800rpm×20秒)し、窒素気流下200℃で30分間熱処理することによって、絶縁層5を形成した。絶縁層5の上に、前記導電ペーストAをスクリーン印刷で塗布し、乾燥オーブンで100℃、10分間プリベークを行った。その後、露光装置“PEM−8M”を用いて露光した後、0.5%Na-2CO-3溶液で30秒間浸漬現像し、超純水でリンス後、乾燥オーブンで140℃、30分間キュアを行い、第一の電極2および第二の電極3を形成した。これら一対の電極2および3の幅はいずれも1000μmであり、電極間の距離は10μmであった。電極が形成された基板上に、実施例2と同様にして半導体層4を形成し、ホットプレート上で窒素気流下、150℃で30分の熱処理を行い、図3の態様の整流素子を得た。

0225

(2)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。入力端子101に交流電圧(電圧振幅10[V])を入力した際、出力端子103に出力された直流電圧は、平均値4.5[V]、ばらつき0.3[V]であった。また、1ヶ月後に同様の測定をしても、測定結果は同等であった。

0226

さらに電極の密着性評価を行ったところ、折り曲げ動作を100回繰り返しても剥がれ、欠けが見られず密着性は良好であった。

0227

比較例1
(1)半導体溶液の作製
CNT1を1.0g、クロロホルム50mLに加え、超音波洗浄機を用いて1時間分散した。さらにこの分散液5mLを分取し100mLに希釈してさらに超音波洗浄機を用いて1時間分散し、CNT分散液Cを得た。得られたCNT分散液Cをメンブレンフィルター(孔径10μm、直径25mm、ミリポア社製オムニポアメンブレン)を用いて濾過を行い、長さ10μm以上のCNTを除去し、半導体溶液Cを得たが、一部CNTが凝集したままであった。

0228

(2)整流素子の作製
半導体溶液Aの代わりに半導体溶液Cを用いたこと以外は、実施例1と同様に整流素子を作製した。

0229

(3)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例1と同様にして電流−電圧特性を測定し整流作用が得られることを確認したが、2Vの電圧印加時に整流素子に流れる電流値は1pAであった。

0230

比較例2
(1)整流素子の作製
比較例1と同様にして、半導体溶液Cを作製した。半導体溶液Aの代わりに半導体溶液Cを用いたこと以外は、実施例5と同様に整流素子を作製した。

0231

(2)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。交流電圧(電圧振幅10[V])を入力したが、直流電圧の出力は得られなかった。

0232

比較例3
(1)半導体溶液の作製
CNT1を1.5mgと、ドデシル硫酸ナトリウム((株)和光純薬工業製)1.5mgを30mlの水中に加え、氷冷しながら超音波ホモジナイザーを用いて出力250Wで3時間超音波撹拌し、CNT複合体分散液D(溶媒に対するCNT複合体濃度0.05g/l)を得た。得られたCNT複合体分散液Dを遠心分離機日立工機(株)製CT15E)を用いて、21000Gで30分間遠心分離した後、上澄みの80体積%を取り出すことにより半導体溶液Dを得た。

0233

(2)整流素子の作製
半導体溶液Aの代わりに半導体溶液Dを用いたこと以外は、実施例5と同様に整流素子を作製した。

0234

(3)整流素子の評価
上記で作製した整流素子を評価するため実施例2と同様にして整流回路を構成した。交流電圧(電圧振幅10[V])を入力したが、出力端子103に出力された電圧は、平均値2.0[V]、ばらつき2.0[V]であり、安定した直流電圧が得られなかった。

実施例

0235

0236

1基材
2 第一の電極
3 第二の電極
4半導体層
5絶縁層
6 第三の電極
7配線
100整流素子
101入力端子
102キャパシタ
103出力端子
50アンテナ
500整流回路(電源生成部)
501復調回路
502変調回路
503制御回路
504 記憶回路

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