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技術 スクエアエンドミル

出願人 三菱日立ツール株式会社
発明者 前田勝俊
出願日 2016年3月14日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2017-508236
公開日 2018年1月18日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 WO2016-152611
状態 特許登録済
技術分野 フライス加工
主要キーワード 仮想境界線 不等分割 各連結点 中心角α 分割角度 積層皮膜 半径方向外周 湾曲度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月18日)のものです。
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図面 (15)

課題・解決手段

切れ刃部に複数のギャッシュを形成することによりすくい面に存在する切屑切屑排出溝誘導する上で、各ギャッシュでの切屑の収容能力を高め、切屑排出性を向上させる。切れ刃部(2)を端面側から見たときの半径方向外周側の端部から半径方向中心寄りまで連続する少なくとも1本の親底刃(4a(4c))と、半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する少なくとも2本の子底刃(4b、4d)から底刃を構成し、子底刃の半径方向中心側の端部と半径方向中心付近までを結ぶ線(第一境界線(30a、30b))から回転方向後方側の親底刃までの領域に第一ギャッシュ(7a、7b)を、第一ギャッシュの回転方向後方側と前方側に第二ギャッシュ(8a、8b)と第三ギャッシュ(10a、10b)をそれぞれ形成し、これらの全ギャッシュを切れ刃部(2)の軸方向反対側のシャンク部(3)側へ向かって凹曲面状に形成する。

概要

背景

スクエアエンドミルは主に金型加工側面切削や溝切削等に使用されるが、ステンレス鋼等の難削材(被削材)の部品加工では、切屑刃先への溶着が生じ易いために工具寿命が短くなる傾向がある。この点から、工具の寿命を長引かせる上で、スクエアエンドミルには加工能率を高め、加工時間を短縮させるための機能を持たせることが要請される。

刃先への切屑の溶着は、切れ刃が切削した直後の切屑がすくい面から直ちに排出されないことにも起因するため、切れ刃すくい面からの切屑の排出性が十分に確保されれば、切屑の溶着を回避することは可能と考えられる。

切れ刃すくい面からの切屑の排出性を良好にする手段として、すくい面と切屑排出溝に連続するギャッシュを構成するギャッシュ面を複数、形成することによりすくい面に存在する切屑を切屑排出溝に誘導する方法がある(特許文献1〜5参照)。

特許文献1〜5ではいずれも底刃すくい面と共に、底刃すくい面に回転方向前方側に対向する複数のギャッシュ面からギャッシュを構成し、また切屑をギャッシュから切屑排出溝へ誘導できるよう、底刃すくい面に対向する複数のギャッシュ面を半径方向中心側から外周側へかけ、工具本体の回転軸に近い角度に傾斜させている。

概要

切れ刃部に複数のギャッシュを形成することによりすくい面に存在する切屑を切屑排出溝に誘導する上で、各ギャッシュでの切屑の収容能力を高め、切屑排出性を向上させる。切れ刃部(2)を端面側から見たときの半径方向外周側の端部から半径方向中心寄りまで連続する少なくとも1本の親底刃(4a(4c))と、半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する少なくとも2本の子底刃(4b、4d)から底刃を構成し、子底刃の半径方向中心側の端部と半径方向中心付近までを結ぶ線(第一境界線(30a、30b))から回転方向後方側の親底刃までの領域に第一ギャッシュ(7a、7b)を、第一ギャッシュの回転方向後方側と前方側に第二ギャッシュ(8a、8b)と第三ギャッシュ(10a、10b)をそれぞれ形成し、これらの全ギャッシュを切れ刃部(2)の軸方向反対側のシャンク部(3)側へ向かって凹曲面状に形成する。

目的

「第三ギャッシュ10a、10bと第一ギャッシュ7a、7bとの境界線(第一境界線30a、30b)が凸の稜線をなす」とは、境界線が切れ刃部2の端面側へ向かって凸状に突出することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

工具本体の軸方向先端部側に、半径方向中心側から外周側へかけて底刃と、この底刃に連続する外周刃を有する切れ刃部を備え、前記底刃は前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の端部から半径方向中心寄りまで連続する少なくとも1本の親底刃と、前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する少なくとも2本の子底刃を持ち、前記各子底刃の半径方向中心側の端部と半径方向中心付近までを結ぶ線から回転方向後方側の前記各親底刃までの領域に第一ギャッシュが形成され、この第一ギャッシュの回転方向後方側と回転方向前方側にそれぞれ第二ギャッシュと第三ギャッシュが形成され、これらの第一ギャッシュと第二ギャッシュ、及び第三ギャッシュは前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たときに、前記切れ刃部の軸方向反対側のシャンク部側へ向かって凹の曲面状に形成されていることを特徴とするスクエアエンドミル

請求項2

前記第三ギャッシュと前記第二ギャッシュは前記第一ギャッシュを挟み、前記親底刃に沿って配列していることを特徴とする請求項1に記載のスクエアエンドミル。

請求項3

前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たとき、前記子底刃の半径方向中心側の端部から連続する、前記第一ギャッシュの回転方向前方側境界線が一旦、半径方向中心側へ向かってから、前記第三ギャッシュ側へ突出して前記第二ギャッシュ側へ戻り、前記親底刃の半径方向中心側の端部にまで連続していることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載のスクエアエンドミル。

請求項4

前記第三ギャッシュと前記第一ギャッシュとの境界線は前記切れ刃部の端面側へ向かって凸の稜線をなしていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスクエアエンドミル。

請求項5

前記第二ギャッシュと前記第一ギャッシュとの境界線は前記切れ刃部の端面側へ向かって凸の稜線をなしていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスクエアエンドミル。

請求項6

前記第三ギャッシュの、前記第一ギャッシュとの境界線以外の面は前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たとき、前記第一ギャッシュとの境界線より深く、この境界線より凹んでいることを特徴とする請求項4、もしくは請求項5に記載のスクエアエンドミル。

請求項7

前記第三ギャッシュの回転方向後方側に連続する刃溝との境界線が前記子底刃、もしくは前記子底刃のすくい面に連続し、前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たときに前記子底刃の半径方向中心側の端部が、前記第三ギャッシュと前記刃溝との前記境界線と、前記子底刃、もしくは前記のすくい面との交点より半径方向中心側に位置していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスクエアエンドミル。

請求項8

前記第一ギャッシュと前記第三ギャッシュとの境界線の回転方向前方寄り、もしくは半径方向中心寄りの端部から、その回転方向前方側に位置する前記親底刃の回転方向後方側までの領域に第四ギャッシュが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のスクエアエンドミル。

請求項9

前記第三ギャッシュの半径方向外周側の端部Qは前記第二ギャッシュの半径方向外周側の端部Pより前記底刃寄りに位置していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のスクエアエンドミル。

技術分野

0001

本発明は例えばステンレス鋼等の難削材の切削加工に好適なスクエアエンドミルに関するものである。

背景技術

0002

スクエアエンドミルは主に金型加工側面切削や溝切削等に使用されるが、ステンレス鋼等の難削材(被削材)の部品加工では、切屑刃先への溶着が生じ易いために工具寿命が短くなる傾向がある。この点から、工具の寿命を長引かせる上で、スクエアエンドミルには加工能率を高め、加工時間を短縮させるための機能を持たせることが要請される。

0003

刃先への切屑の溶着は、切れ刃が切削した直後の切屑がすくい面から直ちに排出されないことにも起因するため、切れ刃すくい面からの切屑の排出性が十分に確保されれば、切屑の溶着を回避することは可能と考えられる。

0004

切れ刃すくい面からの切屑の排出性を良好にする手段として、すくい面と切屑排出溝に連続するギャッシュを構成するギャッシュ面を複数、形成することによりすくい面に存在する切屑を切屑排出溝に誘導する方法がある(特許文献1〜5参照)。

0005

特許文献1〜5ではいずれも底刃すくい面と共に、底刃すくい面に回転方向前方側に対向する複数のギャッシュ面からギャッシュを構成し、また切屑をギャッシュから切屑排出溝へ誘導できるよう、底刃すくい面に対向する複数のギャッシュ面を半径方向中心側から外周側へかけ、工具本体の回転軸に近い角度に傾斜させている。

先行技術

0006

特開2012−91306号公報(請求項1、段落0041〜0042、図5
特開2011−67928号公報(請求項2、段落0048、図8
特開2006−110683号公報(段落0015〜0032、図2図4
特開2007−296588号公報(請求項1、段落0006、図1
特開2006−15418号公報(請求項1、段落0016〜0018、図1

発明が解決しようとする課題

0007

ギャッシュを利用した切屑の排出性に着目すれば、ギャッシュ自体の容積を確保することが有効であると考えられるが、特許文献1〜5のいずれにおいてもギャッシュ面自体は平面であるため、ギャッシュの容積を増す形にはなっていない。その上、複数のギャッシュ面を工具先端部側からシャンク部側へかけて2段階に傾斜させることで、ギャッシュ自体が工具本体の半径方向外周側へ向かって凸の多角形状になっているため、ギャッシュの容積を大きく取ることができていない。

0008

ギャッシュ自体が凸の多角形状であることは、工具本体の剛性を高めることには寄与するものの、ギャッシュ自体の容積を稼ぐ(増す)ことにはならないため、複数のギャッシュ面を形成することによる切屑排出性向上の利点を生かせていない。

0009

本発明は上記背景より、切れ刃部に複数のギャッシュ(ギャッシュ面)を形成することによりすくい面に存在する切屑を切屑排出溝に誘導する上で、各ギャッシュでの切屑の収容能力を高め、切屑排出性を向上させることを可能にするスクエアエンドミルを提案するものである。

課題を解決するための手段

0010

請求項1に記載の発明のスクエアエンドミルは、工具本体の軸方向先端部側に、半径方向中心側から外周側へかけて底刃と、この底刃に連続する外周刃を有する切れ刃部を備え、前記底刃が前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の端部から半径方向中心寄りまで連続する少なくとも1本の親底刃と、前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する少なくとも2本の子底刃を持ち、 前記各の半径方向中心側の端部と半径方向中心付近までを結ぶ線から回転方向後方側の前記各親底刃までの領域に第一ギャッシュが形成され、この第一ギャッシュの回転方向後方側と回転方向前方側にそれぞれ第二ギャッシュと第三ギャッシュが形成され、これらの第一ギャッシュと第二ギャッシュ、及び第三ギャッシュは前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たときに、前記切れ刃部の軸方向反対側のシャンク部側へ向かって凹の曲面状に形成されていることを特徴とする。

0011

親底刃4a(4c)は図2に示すように切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときに、底刃の半径方向中心側の端部が工具本体(スクエアエンドミル1)の回転軸Oの付近にまで到達する底刃を指し、子底刃4b、4dは底刃の半径方向中心側の端部が回転軸Oの付近にまで到達しない底刃を指す。ここで、「回転軸Oの付近にまで到達する底刃(親底刃4a、4c)の半径方向中心側の端部」は後述の「親底刃4a、4cの開始点(起点)a2、c2」であり、「回転軸Oの付近にまで到達しない底刃(4b、4d)の半径方向中心側の端部」は「子底刃4b、4dの開始点(起点)b2、d2」である。

0012

本発明のスクエアエンドミル1の親底刃4a(4c)は少なくとも1本であり、子底刃4b、4dは少なくとも2本であるから、スクエアエンドミル1は刃数で言えば、3枚刃以上の形態になる。図面では親底刃4a、4cと子底刃4b、4dが共に2枚ある4枚刃のスクエアエンドミル1の例を示している。「底刃の半径方向中心側の端部が回転軸の付近にまで到達する」とは、底刃(親底刃4a、4c)がチゼルエッジ35に交わるまで半径方向外周側の端部から半径方向中心寄りまで連続することを言う。

0013

子底刃4b、4dの開始点(起点)を特定する「半径方向外周側の他の端部b2、d2」は親底刃4a、4cの「半径方向外周側の端部」以外の端部を指しているが、親底刃4a、4cと子底刃4b、4dは共に底刃であり、複数本の底刃は工具本体の周方向(回転方向R)に均等に、またはほぼ均等に配列する。このことから、半径方向外周側の端部は周方向には「親底刃の半径方向外周側の端部」以外で、親底刃4a、4cと共に周方向に均等に、もしくはほぼ均等に配列する位置になる。「周方向に均等」とは、親底刃4a、4cと子底刃4b、4dの区別なく、周方向に隣接する底刃4a、4b(4b、4c)、もしくは外周刃15a、15b(15b、15c)のなす中心角が一定であることを言い、「周方向にほぼ均等」とは、図12に示すように周方向に隣接する底刃、もしくは外周刃のなす中心角α、βが一定でないことを言う。

0014

請求項1において「凹の曲面状に形成される第一ギャッシュ7a、7bと第二ギャッシュ8a、8b、及び第三ギャッシュ10a、10b」は図2に表れている、切れ刃部2の端面(先端)側を向いた各ギャッシュの表面を指している。「シャンク部側」は工具本体を軸方向に見たときの切れ刃部2とは反対側を指し、「シャンク部側へ向かって凹の曲面状」とは、各ギャッシュの表面が切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときに、シャンク部3側へ向かって凹んでいることを言う。

0015

図2に示すように親底刃4a、4cの半径方向中心側の端部(親底刃4a、4cの開始点a2、c2)は工具本体の回転軸Oの付近に位置するが、子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部(子底刃4b、4dの開始点b2、d2)は回転軸Oの付近にまで到達しない。この子底刃4b、4dの開始点b2、d2は子底刃4b、4dの回転方向後方側に連続して形成される子底刃逃げ面(子底刃二番面5b、5d)を区画する点になる。

0016

子底刃逃げ面(子底刃二番面5b、5d)は第一ギャッシュ7a、7bの半径方向外周側に位置する。「子底刃逃げ面」は子底刃4b、4dの回転方向R後方側に連続して形成される子底刃二番面5b、5dのみを指す場合と、子底刃二番面5b、5dの回転方向後方側に連続して形成される子底刃三番面6b、6dを含めて指す場合がある。

0017

切れ刃部2を軸方向の端面側から見たとき、子底刃4b、4dの開始点b2、d2からは、第一ギャッシュ7a、7bの回転方向R前方側境界線(第一境界線30a、30b)が連続する。この境界線(第一境界線30a、30b)は一旦、半径方向中心側へ向かい、途中で回転方向前方側の第三ギャッシュ10a、10b側へ突出してから、回転方向後方側の第二ギャッシュ8a、8b側へ戻り、親底刃4a、4cの半径方向中心側の端部である開始点a2、c2にまで連続する(請求項3)。親底刃4a、4cはこの開始点a2、c2から半径方向外周側に向かって形成される。第一境界線30a、30bは第一ギャッシュ7a、7bと第三ギャッシュ10a、10bとの境界線である。

0018

このように第一ギャッシュ7a、7bと第三ギャッシュ10a、10bの境界線(第一境界線30a、30b)の一部が第三ギャッシュ10a、10b側へ突出した形をした場合には(請求項3)、第一ギャッシュ7a、7b内に存在する切屑の一部が直接、第三ギャッシュ10a、10b内に入り込み易くなるため、第三ギャッシュ10a、10bへの切屑の誘導効果が期待される。

0019

但し、特許文献2(図3)のように第一境界線30a、30bが子底刃4b、4dの開始点b2、d2から直接、第三ギャッシュ10a、10b側へ突出した形をした場合、切屑の第三ギャッシュ10a、10bへの誘導効果は特に高まると言える。反面、第三ギャッシュ10a、10bの容積を減少させるため、子底刃4b、4dが切削し、第三ギャッシュ10a、10bに入り込んだ切屑の収容能力を低下させ、第三ギャッシュ10a、10b内での切屑の停滞を誘発させ易くもなる。

0020

そこで、子底刃4b、4dの開始点b2、d2からの第一境界線30a、30bが一旦、半径方向中心側へ向かってから、第三ギャッシュ10a、10b側へ突出して第二ギャッシュ8a、8b側へ戻ることで(請求項3)、第三ギャッシュ10a、10bの容積の減少への影響を低減させることができるため、第三ギャッシュ10a、10bにおける切屑の収容能力を特許文献2より高めることが可能になる。この結果、子底刃4b、4dが切削した切屑の第三ギャッシュ10a、10bにおける収容能力を低下させず、ある程度維持しながらも、第一ギャッシュ7a、7b内の切屑の第三ギャッシュ10a、10bへの誘導効果を高めることが可能になる。

0021

この効果は特に第一境界線30a、30bが切れ刃部2の端面側へ向かって凸の稜線をなしている場合(請求項4)、または第三ギャッシュ10a、10bの、第一境界線30a、30b以外の面(表面)が第一境界線30a、30bより凹んでいる場合(請求項6)に、第一ギャッシュ7a、7b内の切屑が第三ギャッシュ10a、10b内に落下し易くなるため、顕著に発揮される。「第一境界線30a、30bが切れ刃部2の端面側へ向かって凸の稜線をなす」とは、切れ刃部2を端面側から見たとき、第一境界線30a、30bがそれを挟んだ両側の第三ギャッシュ10a、10bと第一ギャッシュ7a、7bの表面より相対的に端面側へ突出した線をなしていることを言う。但し、第一境界線30a、30b自体に着目すれば、第一境界線30a、30b自体は切れ刃部2の端面側から見たとき、凹の曲線を描いている。

0022

子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部(子底刃4b、4dの開始点b2、d2)からは、回転方向後方側へ、子底刃逃げ面(子底刃二番面5b、5d、または子底刃二番面5b、5d及び子底刃三番面6b、6d)と第一ギャッシュ7a、7bとの境界線である第六境界線37a、37bが連続する。このことから、第一ギャッシュ7a、7bは「親底刃4a、4cのすくい面11a、11cの半径方向中心寄りの区間から回転方向前方側の、子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部(b2、d2)を含み、各子底刃4b、4dの回転方向後方側に連続する子底刃逃げ面までの領域に形成される」と言い換えられる。

0023

第六境界線37a、37bと、子底刃逃げ面(子底刃二番面5b、5d、または子底刃三番面6b、6d)の回転方向後方側の境界線(刃溝17aとの境界線)との交点b3、d3からは、(親底刃4a、4cの)すくい面11a、11cに向かい、第一ギャッシュ7a、7bと第二ギャッシュ8a、8bとの境界線である第二境界線31a、31bが半径方向中心付近にまで連続する。その先は親底刃4a、4cに、またはすくい面11a、11cに連続する。第二ギャッシュ8a、8bは第二境界線31a、31bの回転方向後方側に、親底刃4a、4cのすくい面11a、11cの半径方向外周寄りの区間の、刃溝17aとの境界線(第三境界線32a、32b)にまで形成される。

0024

このことから、第二ギャッシュ8a、8bは「第一ギャッシュ7a、7bの回転方向後方側で、親底刃すくい面11a、11cまでの領域に、または子底刃逃げ面(子底刃二番面5b、5d、または子底刃三番面6b、6d)の回転方向後方側の(交点b3、d3を通る)境界線(第二境界線31a、31b)から回転方向後方側の親底刃4a、4c、もしくは親底刃すくい面11a、11c(第三境界線32a、32b)までの領域に形成される」と言い換えられる。また第一ギャッシュ7a、7bは「子底刃4b、4dの半径方向中心寄りの端部(b2、d2)を通る第一境界線30a、30bから子底刃逃げ面の回転方向後方側の(交点b3、d3を通る)第二境界線31a、31bまでの領域に亘って形成される」とも言い換えられる。

0025

第三ギャッシュ10a、10bは子底刃4b、4dの半径方向中心寄りの区間(子底刃4b、4dの開始点b2、d2を含む)とこれに連続する第一境界線30a、30bの回転方向前方側に、その側に位置する親底刃4a、4cの回転方向後方側に連続する親底刃逃げ面(親底刃二番面5a、5c、または親底刃三番面6a、6c)との境界(第四境界線36a、36b)にまで形成される。このことから、第三ギャッシュ10a、10bは「子底刃4b、4dのすくい面11b、11dの半径方向中心寄りの区間から第一ギャッシュ7a、7bの回転方向前方側までの領域に、または親底刃逃げ面の第三ギャッシュ10a、10b側の境界線(第四境界線36a、36b)から回転方向後方側の子底刃4b、4dと第一ギャッシュ7a、7bまでの領域に形成される」と言い換えられる。

0026

第二ギャッシュ8a、8bは第一ギャッシュ7a、7bの回転方向後方側に位置しながら、図3に示すように第一ギャッシュ7a、7bと共に親底刃すくい面11a、11cに連続するように形成される。このため、第二ギャッシュ8a、8bは第一ギャッシュ7a、7bと共に親底刃4a、4cの稜線、もしくは親底刃すくい面11a、11cの面に沿って配置される。

0027

また図示するようにスクエアエンドミルが親子形の4枚刃の場合、切れ刃部2を軸方向の端面側から見たとき、親底刃4a、4cに子底刃4b、4dが垂直、もしくはそれに近い角度で交差する形になる。このため、図2に示すように第三ギャッシュ10a、10bは第一ギャッシュ7a、7bの回転方向前方側に位置しながら、親底刃4a、4c、もしくは親底刃すくい面11a、11cに沿い、第二ギャッシュ8a、8bと共に第一ギャッシュ7a、7bを親底刃4a、4cの稜線方向に、あるいは半径方向に挟むように配置される。

0028

結果的に第三ギャッシュ10a、10bと第二ギャッシュ8a、8bは第一ギャッシュ7a、7bを親底刃4a、4cの稜線方向に挟み、親底刃4a、4cの稜線に沿って配列する形になる(請求項2)。請求項2における「親底刃4a、4cに沿って」とは、「親底刃4a、4cの稜線に沿って」の意味である。第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bの回転方向後方側にはそれぞれ刃溝(切屑排出溝)17a、17b、17c、17dが連続する。

0029

第三ギャッシュ10a、10bと第二ギャッシュ8a、8bが第一ギャッシュ7a、7bを挟んで親底刃4a、4cの稜線に沿って配列し(請求項2)、第三ギャッシュ10a、10bと第二ギャッシュ8a、8bが親底刃4a、4cの稜線に沿って第一ギャッシュ7a、7bの両側に位置することで、親底刃4a、4cが切削し、第一ギャッシュ7a、7bに入り込んだ切屑は第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bに分散しようとする。第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bに分散した切屑はそれぞれの回転方向後方側に連続する刃溝17d、17b、17a、17cへ排出される。

0030

親底刃4a、4cが切削し、第二ギャッシュ8b、8aに入り込んだ切屑はその回転方向後方側に連続する刃溝17d、17bへ排出される。子底刃4b、4dが切削し、第三ギャッシュ10a、10bに入り込んだ切屑はその回転方向後方側に連続する刃溝17d、17bへ排出される。第一ギャッシュ7a、7bと第三ギャッシュ10a、10bの表面は図3図4に示すように凹曲面をなした状態で、回転方向後方側の刃溝17b、17aへの切屑排出のために両ギャッシュの境界線(第一境界線30a、30b)から各ギャッシュの回転方向後方側の刃溝17b、17aへかけ、切れ刃部2からシャンク部3へ向かって傾斜している。

0031

ここで、第一ギャッシュ7a、7bの表面と第三ギャッシュ10a、10bの表面との間に格別の段差がなければ、第一ギャッシュ7a、7bに入り込んだ切屑は回転方向後方側に形成された第二ギャッシュ8a、8bを経由してその回転方向後方側の刃溝17b、17dへ排出されようとする傾向が強いと考えられる。そこで、第三ギャッシュ10a、10bと第一ギャッシュ7a、7bとの境界線(第一境界線30a、30b)を切れ刃部2の端面側へ向かって凸の稜線をなすように形成することで(請求項4)、第一ギャッシュ7a、7b内に入り込んだ切屑の一部がそのまま第三ギャッシュ10a、10bまで入り込み(落ち込み)易くすることができる。

0032

「第三ギャッシュ10a、10bと第一ギャッシュ7a、7bとの境界線(第一境界線30a、30b)が凸の稜線をなす」とは、境界線が切れ刃部2の端面側へ向かって凸状に突出することである。このことは前記のように相対的には「第三ギャッシュ10a、10bの、第一ギャッシュ7a、7bとの境界線(第一境界線30a、30b)以外の面(表面(凹曲面))が切れ刃部2を軸方向の端面側から見たとき、第一ギャッシュ7a、7bとの境界線より深く、この境界線より凹んでいる(奥に位置する)」(請求項6)と言い換えることができる。

0033

第三ギャッシュ10a、10bの面(凹曲面)が第一ギャッシュ7a、7bとの境界線(第一境界線30a、30b)より深く、凹んでいることで、第一ギャッシュ7a、7b内に存在する切屑の一部が第三ギャッシュ10a、10b内に入り込み(落ち込み)易くなるため、第一ギャッシュ7a、7bに入り込んだ切屑が第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bに分散しようとする傾向が強まる。この結果、第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bのいずれかに切屑が集中し、停滞することが回避される。

0034

第三ギャッシュ10a、10bと第一ギャッシュ7a、7bとの境界線(第一境界線30a、30b)から見たとき、上記の通り、図3に示すように第一ギャッシュ7a、7bの面(表面)と第三ギャッシュ10a、10bの面(表面)はこの稜線としての境界線から各ギャッシュの回転方向後方側の刃溝17b、17aへかけ、切れ刃部2からシャンク部3へ向かって傾斜している。この結果として、第一ギャッシュ7a、7b内の境界線(第一境界線30a、30b)付近に存在する切屑は回転方向前方側でありながらも、第三ギャッシュ10a、10bへも、回転方向後方側の第二ギャッシュ8a、8bと同等程度に入り込み易い状況にあるため、第一ギャッシュ7a、7b内の切屑は第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bに分散し易くなっている。

0035

各ギャッシュは切屑を刃溝17a〜17dへ誘導する働きを持つことから、各ギャッシュの表面は回転方向後方側へ向かって全体的に切れ刃部2側からシャンク部3側へ傾斜するため、切れ刃部2を端面側から見たときには、相対的に回転方向前方側の表面より後方側の表面が深くなる。この関係で、切れ刃部2を端面側から見たときの各ギャッシュの表面の深さを直接、比較することはできないが、隣接するギャッシュ間の境界線とギャッシュ表面との深さの相対的な差により、第三ギャッシュ10a、10bの表面が第一ギャッシュ7a、7bとの境界線(第一境界線30a、30b)より深いことで、境界線(第一境界線30a、30b)上に存在する切屑の第三ギャッシュ10a、10bへの落下を誘発し易くなることが言える。

0036

前記のように第一ギャッシュ7a、7bと第三ギャッシュ10a、10bの境界線(第一境界線30a、30b)の一部が第三ギャッシュ10a、10b側へ突出した形をした場合(請求項3)、第一ギャッシュ7a、7b内に存在する切屑の第三ギャッシュ10a、10bへの誘導効果が期待される。このことから、請求項4乃至請求項6のいずれかにおいて請求項3の要件が満たされれば、第一ギャッシュ7a、7b内に存在する切屑の第三ギャッシュ10a、10bへの誘導効果が顕著になると言える。

0037

第一ギャッシュ7a、7bに入り込んだ切屑が第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bに分散し易くなることで、第一ギャッシュ7a、7b、または第二ギャッシュ8a、8bに切屑が集中し、停滞することが生じにくくなり、第一ギャッシュ7a、7bからは刃溝17a〜17dへ切屑が円滑に排出され易くなる。この結果、第一ギャッシュ7a、7bからの切屑の排出性が向上し、切屑の停滞に起因する刃先への溶着が回避され易くなり、工具の寿命を長期化させることが可能になる。

0038

第二ギャッシュ8a、8bは第一ギャッシュ7a、7b内に入り込んだ切屑を受け入れ、回転方向後方側の刃溝17d、17bへ誘導する働きをするため、第二ギャッシュ8a、8bと第一ギャッシュ7a、7bとの境界線(第二境界線31a、31b)を切れ刃部2の端面側へ向かって凸の稜線をなすように形成すること、すなわち第二ギャッシュ8a、8bの、第一ギャッシュ7a、7bとの境界線(第二境界線31a、31b)以外の表面が第一ギャッシュ7a、7bとの境界線より深くなるように第二ギャッシュ8a、8bを形成することが合理的である(請求項5)。第二境界線31a、31bが切れ刃部2の端面側へ向かって凸の稜線をなすことで、第一ギャッシュ7a、7bから第二ギャッシュ8a、8b内に入り込んだ切屑の一部がそのまま刃溝17d、17bまで入り込み(落ち込み)易くすることが可能になる。

0039

「第二境界線31a、31bが切れ刃部2の端面側へ向かって凸の稜線をなす」とは、切れ刃部2を端面側から見たとき、第二境界線31a、31bがそれを挟んだ両側の第一ギャッシュ7a、7bと第二ギャッシュ8a、8bの表面より相対的に端面側へ突出した線をなしていることを言う。但し、第二境界線31a、31b自体に着目すれば、第二境界線31a、31b自体は切れ刃部2の端面側から見たとき、凹の曲線を描いている。

0040

また切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときに、第一ギャッシュ7a、7b、第二ギャッシュ8a、8b、第三ギャッシュ10a、10bの面(表面)がシャンク部3側へ向かって凹の曲面状に形成されていることで(請求項1)、面(表面)が平坦な場合より各ギャッシュ自体の容積が大きくなるため、スクエアエンドミルに複数のギャッシュ(ギャッシュ面)を形成したときの各ギャッシュ内での切屑の収容能力が高められている。このことも各ギャッシュ内での切屑の停滞を回避し、各ギャッシュから刃溝17a〜17dへの排出効率の向上に寄与しているため、ギャッシュを利用した切屑の排出性能が改善され、切屑の刃先への溶着の可能性がより低下する。

0041

本発明では前記のように子底刃4b、4dが切削した切屑が一旦、第三ギャッシュ10a、10bに入り込むことを想定している。但し、第三ギャッシュ10a、10bの回転方向後方側に連続する刃溝17a、17cとの境界線(第五境界線34a、34b)と子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部b2、d2との関係で、必ずしも想定通りにならないこともあり得る。

0042

そこで、第三ギャッシュ10a、10bと刃溝17a、17cとの境界線(第五境界線34a、34b)を子底刃4b、4d、もしくは子底刃4b、4dのすくい面11b、11dに連続させ、切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときに子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部b2、d2を、第三ギャッシュ10a、10bと刃溝17c、17dとの境界線(第五境界線34a、34b)と、子底刃4b、4d、もしくは子底刃すくい面11b、11dとの交点b4、d4より半径方向中心側に位置させることで(請求項7)、子底刃4b、4dが切削した切屑が一旦、第三ギャッシュ10a、10bに入り込む状況を発生させ易くなる。

0043

この場合、図2に示すように子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部b2、d2が第三ギャッシュ10a、10bと刃溝17a、17cとの境界線(第五境界線34a、34b)より半径方向中心側に位置していることで、子底刃4b、4dと第三ギャッシュ10a、10bが半径方向に重複するため、子底刃4b、4dが切削した切屑が第三ギャッシュ10a、10b内に入り込み易くなる。子底刃4b、4dが切削した切屑の半数は第三ギャッシュ10a、10bの回転方向後方側に連続する刃溝17a、17cに直接、入り込むが、切屑が刃溝17a、17cに直接、入り込む分と第三ギャッシュ10a、10bに入り込む分とに分散することで、刃溝17a、17cにおける切屑の集中と停滞が回避され、刃先への溶着の可能性の低下に寄与する。

0044

第一ギャッシュ7a、7b、第二ギャッシュ8a、8b、第三ギャッシュ10a、10bの各面(表面)はいずれも切れ刃部2を端面側から見たときに、シャンク部3側へ向かって凹の曲面状に形成されているため(請求項1)、第一ギャッシュ7a、7bと第三ギャッシュ10a、10bの境界線(第一境界線30a、30b)と、第三ギャッシュ10a、10bとその回転方向前方側に位置する親底刃逃げ面との境界線(第四境界線36a、36b)は切れ刃部2の端面側へ向かって凸の稜線になる。

0045

本発明では第一境界線30a、30bと第四境界線36a、36bが凸の稜線であり、これらの両境界線の交点には第一ギャッシュ7a、7bの半径方向中心側を区画する凸の稜線である親底刃4a、4cの延長線(開始点a2、c2から連続する稜線)が交わる。このため、これら3本の凸の稜線の交点、または交点を含む突出部zは図11−(b)に示すように切れ刃部2の端面側へ向かって凸にった領域になる。この関係で、スクエアエンドミル1が掘り込み加工をする際に、突出部zが被削材に接触し易くなるため、接触により欠損する可能性が生じる。

0046

そこで、第一ギャッシュ7a、7bと第三ギャッシュ10a、10bとの境界線(第一境界線30a、30b)の回転方向前方寄り、もしくは半径方向中心寄りの端部から、その回転方向前方側に位置する親底刃4a、4cの回転方向後方側(親底刃二番面5a、5c)までの領域に第四ギャッシュ9a、9bを形成することが考えられる(請求項8)。この場合、図11−(a)に示すように切れ刃部2の端面側へ向かって凸に尖った突出部zを不在にすることができるため、突出部zが被削材に接触することによる欠損の可能性が解消される。「第一ギャッシュ7a、7bと第三ギャッシュ10a、10bとの境界線(第一境界線30a、30b)の回転方向前方寄り、もしくは半径方向中心寄りの端部」は第一境界線30a、30bと第四境界線36a、36b、及び親底刃4a、4cからの延長線の交点であり、「親底刃4a、4cの回転方向後方側」は親底刃逃げ面(親底刃二番面5a、5c、または親底刃三番面6a、6c)の第三ギャッシュ10a、10b側(の境界線)を指す。

0047

また第四ギャッシュ9a、9bも第一〜第三ギャッシュと同様に切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときに、シャンク部3側へ向かって凹の曲面状に形成すれば、第四ギャッシュ9a、9bにも切屑の停滞を抑制する機能を持たせることができるため、第四ギャッシュ9a、9bにおける切屑の刃先への溶着の可能性も低下する。

発明の効果

0048

子底刃の半径方向中心側の端部から半径方向中心付近までを結ぶ線から回転方向後方側の親底刃までの領域に形成された第一ギャッシュと、第一ギャッシュの回転方向後方側と回転方向前方側に形成された第二ギャッシュ及び第三ギャッシュをシャンク部側へ向かって凹の曲面状に形成している。このため、スクエアエンドミルに複数のギャッシュを形成したときの各ギャッシュ自体の容積を大きくすることができ、各ギャッシュ内での切屑の収容能力を高めることができる。

0049

結果として各ギャッシュ内での切屑の停滞が回避され、各ギャッシュから刃溝への排出効率が向上するため、切屑の刃先への溶着の可能性を低下させることができ、工具の寿命を長期化させることが可能になる。

図面の簡単な説明

0050

底刃が4枚の場合のスクエアエンドミルを示した側面図である。
図1の切れ刃部側の端面を示した端面図である。
図2の端面を子底刃の半径方向外周側から見たときの様子を示した斜視図である。
図2の端面を親底刃の半径方向外周側から見たときの様子を示した斜視図である。
図2の切れ刃部の側面を子底刃の半径方向外周側から見たときの様子を示した側面図である。
図2の切れ刃部の側面を外周刃の半径方向外周側から見たときの様子を示した側面図である。
図5のe−e線断面図である。
図5のf−f線断面図である。
図2のb−b線断面図である。
図2のc−c線断面図である。
図2のd−d線矢視図(斜視図)である。
第四ギャッシュが形成されていない場合の図2のd−d線矢視図(斜視図)である。
図1のa−a線断面図である。
図7における破線円部分の拡大図である。

実施例

0051

図1図2は工具本体の軸方向先端部側に、半径方向中心側から外周側へかけて底刃と底刃に連続する外周刃15a〜15dを有する切れ刃部2を備えたスクエアエンドミル1の製作例を示す。切れ刃部2は切れ刃部2を軸方向の端面側から見たとき、半径方向外周側の端部から半径方向中心寄りまで連続する少なくとも1本の親底刃4a、4cと、切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する少なくとも2本の子底刃4b、4dを持つ。

0052

図面では底刃が2本の親底刃4a、4cと2本の子底刃4b、4dからなる4枚刃の例を示しているが、切れ刃の刃数は3〜8枚が妥当である。切れ刃の枚数が2枚以下では高能率加工が困難であり、9枚以上では十分な容積のギャッシュを確保できないために、切削加工の初期切り屑詰まりを発生させ易くなる。

0053

本発明のスクエアエンドミル1が対象とする高能率加工とは、切り屑排出量Qrが0.2×D2(D:工具径)cm3/min以上となるように送り速度Vf、軸方向切込み量ap及び径方向切込み量aeの条件を設定した加工を意味する。切り屑排出量Qrは条件式(1):Qr=(ap×ae)D×Vf/1000より求められる。例えばD=10mmの4枚刃スクエアエンドミrルでは、送り速度Vfを450mm/min、軸方向切込み量apを1mm、径方向切込み量aeを0.5mmに設定することで、切り屑排出量Qrは22.5)cm3/minとなり、0.2×102=20cm3/min以上の切り屑排出量を示し、高能率加工条件となる。

0054

実用性の面からは、本発明のスクエアエンドミル1の基材WC基超硬合金セラミックス又は高速度鋼から成形されることが好ましい。必要に応じ、前記基材の切れ刃2部の表面には耐摩耗性硬質皮膜被覆される。硬質皮膜としては、例えば、TiSiN、TiAlN、TiAlSiN、CrSiN、またはAlCrSiN等が挙げられる。具体的には、周期律表4A、5A、6A族金属のAl、Si及びBの元素から選択される少なくとも1種の元素を含有する窒化物炭窒化物及び酸窒化物の内から選択される単層皮膜又は2種以上の積層皮膜を3〜5μmの厚さに被覆することが好ましい。

0055

図2に示すように各子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部(子底刃4b、4dの開始点b2、d2)から半径方向中心付近までを結ぶ線(第一境界線30a、30b)から回転方向後方側の各親底刃4a、4cまでの領域には第一ギャッシュ7a、7bが形成される。第一ギャッシュ7a、7bの回転方向後方側と回転方向前方側にはそれぞれ第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bが形成される。第一ギャッシュ7a、7bと第二ギャッシュ8a、8b、及び第三ギャッシュ10a、10bは切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときに、シャンク部3側へ向かって凹の曲面状に形成される。

0056

図2に示す各親底刃4a、4cの半径方向外周側の端部(a1、c1)からは図4に示すように外周刃15a、15cが連続し、各子底刃4b、4dの半径方向外周側の端部(b1、d1)からは図3に示すように外周刃15b、15dが連続する。以下、親底刃4a、4cの半径方向外周側の端部と外周刃15a、15cとの交点を連結点a1、c1と、子底刃4b、4dの半径方向外周側の端部と外周刃15b、15dとの交点を連結点b1、d1と言う。

0057

切れ刃部2を軸方向の端面側から見たとき、親底刃4a、4cは図2に示すように切れ刃部2の半径方向中心付近の親底刃4a、4cの開始点a2、c2を通り、子底刃4b、4dに連続する。親底刃4a、4cの半径方向中心付近(親底刃4a、4cの開始点a2、c2)から子底刃4b、4dまで連続する線は第一ギャッシュ7a、7bと第三ギャッシュ10a、10bとの境界線(第一境界線30a、30b)である。

0058

親底刃4a、4cの開始点a2、c2は親底刃4a、4cとチゼルエッジ35との交点でもあり、第一境界線30a、30bは親底刃4a、4cの開始点a2、c2から子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部b2、d2まで連続し、凸の稜線をなす。第一境界線30a、30bが凸の稜線をなすことで、第一境界線30a、30bで区画され、相対的に刃溝17a、17cに近いギャッシュである第三ギャッシュ10a、10bは第一境界線30a、30bよりシャンク部3側へ凹になって(凹んで)おり、相対的に第一ギャッシュ7a、7bより低く(深く)なっている。

0059

この結果、第一ギャッシュ7a、7b内の第一境界線30a、30b付近に存在する切屑は回転方向後方側の第二ギャッシュ8a、8bへ回り込み易いと同時に、回転方向前方側の第三ギャッシュ10a、10bへも入り込み(落ち込み)易い状態にある。このため、第一ギャッシュ7a、7b内の切屑は第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bに分散し易い。第一ギャッシュ7a、7bの表面(凹曲面)も第一境界線30a、30bよりシャンク部3側へ凹になることもある。

0060

ここで、切れ刃部2を軸方向の端面側から見たとき、各親底刃4a、4cの連結点a1、c1と切れ刃部2の半径方向中心である回転軸Oを結ぶ、図2に破線で示す直線と、親底刃4a、4cが描く直線とのなす角度θa、θcは0〜4°、好ましくは0〜2°が適切である。同様に各子底刃4b、4dの連結点b1、d1と回転軸Oを結ぶ、破線で示す直線と、子底刃4b、4dが描く直線とのなす角度θb、θdも0〜4°、好ましくは0〜2°が適切である。θa〜θdが0°未満(負角)であれば刃先の剛性が低下し、4°を超えればギャッシュの形成が難しくなることによる。

0061

各親底刃4a、4cの回転方向後方側には親底刃逃げ面としての親底刃二番面5a、5cが連続して形成され、各子底刃4b、4dの回転方向後方側には子底刃逃げ面としての子底刃二番面5b、5dが連続して形成される。これら親底刃二番面5a、5c、子底刃二番面5b、5dの回転方向後方側には刃溝17a〜17dが連続することもあるが、図面では親底刃二番面5a、5cと子底刃二番面5b、5dから刃溝17a〜17dへの移行が段階的になるよう、各親底刃二番面5a、5cの回転方向後方側に連続して親底刃三番面6a、6cを形成し、子底刃二番面5b、5dの回転方向後方側に連続して子底刃三番面6b、6dを形成している。

0062

親底刃逃げ面(親底刃二番面5a、5cと親底刃三番面6a、6c)と第三ギャッシュ10a、10bとの境界線(第四境界線36a、36b)は切れ刃部2の端面側へ向かって凸の稜線をなし、半径方向中心付近(後述の第四ギャッシュ9a、9b)を経由して第一境界線30a、30bに連続し、同一位置で分岐して親底刃4a、4cの延長線にも連続する。第四境界線36a、36bが凸の稜線をなすことで、第四境界線36a、36bで区画されるギャッシュである第三ギャッシュ10a、10bは第四境界線36a、36bよりシャンク部3側へ凹になって(凹んで)いる。

0063

各外周刃15a〜15dの回転方向後方側には図3図4に示すように外周刃逃げ面としての外周刃二番面16a〜16dが連続して形成され、その回転方向後方側に刃溝17a〜17dが存在する。刃溝17a〜17dは各外周刃二番面16a〜16dとそれぞれの回転方向後方側に隣接する外周刃15b〜15aとの間に形成される。各外周刃15a〜15dの回転方向前方側には図12に示すように外周刃すくい面20a〜20dが形成される。この外周刃すくい面20a〜20dは図3図4に示すようにそれぞれが面する刃溝17d〜17aを構成するか、あるいは刃溝17d〜17aに連続するため、刃溝17d〜17aとの間には必ずしも明確な境界線は表れない。図4では刃溝17dと外周刃すくい面20aとの境界線を破線で示しているが、ここの破線は必ずしも見えるとは限らない。

0064

外周刃二番面16a(〜16d)は詳細には、図7における破線円部分の拡大図である図13に示すように外周刃15a(〜15d)から回転方向後方側へ、周方向に微小な幅Kを持つ微小二番面16a1(〜16d1)と、その後方から刃溝17a(〜17d)まで連続し、回転方向後方側へかけて被削材からの距離が拡大する主二番面16a2(〜16d2)とに区分される。ここで、図12に示す回転軸Oと外周刃15a(〜15d)を結ぶ直線に垂直な、図13に一点鎖線で示す直線と、外周刃15a(〜15d)における微小二番面16a1(〜16d1)の接線とのなす角度をη、主二番面16a2(〜16d2)の接線とのなす角度をλとすると、目安としては3.5°≦η≦5.0°、8°≦λ≦15°程度が妥当である。微小二番面16a1(〜16d1)と主二番面16a2(〜16d2)は平面の場合と半径方向外周側へ凸の曲面の場合がある。

0065

図3図4に示すように親底刃4a、4cの回転方向前方側と子底刃4b、4dの回転方向前方側にはそれぞれ親底刃すくい面11a、11c、子底刃すくい面11b、11dが形成される。親底刃すくい面11a、11cの回転方向前方側には図3に示すように第一ギャッシュ7b、7aと第二ギャッシュ8b、8aが連続し、子底刃すくい面11b、11dの回転方向前方側には図4に示すように第三ギャッシュ10b、10aが連続する。親底刃4a、4cは半径方向中心付近(開始点a2、c2)を通ることから、親底刃すくい面11a、11cは半径方向中心寄りの区間において第一ギャッシュ7b、7aに連続し、外周寄りの区間において第二ギャッシュ8b、8aに連続する。

0066

図3では親底刃すくい面11a、11cの半径方向中心寄りの区間と第一ギャッシュ7b、7aが連続した凹曲面をなしている。これに対し、親底刃すくい面11a、11cの半径方向外周寄りの区間と第二ギャッシュ8b、8aが不連続な凹曲面をなし、両面間に明確な境界線が表れているが、親底刃すくい面11a、11cと両ギャッシュは連続した曲面をなす場合と不連続な曲面をなす場合がある。図3では親底刃すくい面11a、11cと第一ギャッシュ7b、7aの、明確に表れない仮想境界線110を破線で示している。図4では子底刃すくい面11b、11dと第三ギャッシュ10b、10aが不連続な凹曲面をなしているが、両面は連続した曲面をなす場合もある。

0067

図2に示すように子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部b2、d2からは第一境界線30a、30bが一旦、半径方向中心側へ向かって直線状に連続した後、途中で回転方向前方側の第三ギャッシュ10a、10b側へ突出してから第二ギャッシュ8a、8b側へ戻る屈曲した曲線を描く。第三ギャッシュ10a、10b側へ向かった第一境界線30a、30bは後述の第四ギャッシュ9a、9bを経由し、チゼルエッジ35と交わる点c2、a2を通過して親底刃4c、4aに連続する。

0068

子底刃4b、4dの開始点b2、d2を起点とする第一境界線30a、30bは一旦、半径方向中心側へ向かって直線を描くことで、開始点b2、d2から直接、回転方向前方側へ突出する場合より、第三ギャッシュ10a、10b内での切屑の収容能力の低下を回避している。また第一境界線30a、30bは直線の半径方向中心側の点から、回転方向前方側へ突出した後に、親底刃4c、4aの開始点a2、c2に繋がる屈曲した曲線を描くことで、第一ギャッシュ7a、7b内にある切屑の第三ギャッシュ10a、10bへの誘導効果を高めることも可能にしている。

0069

子底刃4b、4dの半径方向中心側の端部b2、d2からはまた、回転方向後方側へ子底刃逃げ面(子底刃二番面5b、5d及び子底刃三番面6b、6d)と第一ギャッシュ7b、7aを区画し、凸の稜線をなす第六境界線37a、37bが連続する。この第六境界線37a、37bは、子底刃逃げ面(子底刃三番面6b、6d)とその回転方向後方側の刃溝17b、17dとの境界線と交点b3、d3において交わり、この交点b3、d3には後述の第二境界線31a、31bと第三境界線32a、32bが交わる。

0070

第六境界線37a、37bの刃溝17b、17d寄りの交点b3、d3には、第一ギャッシュ7b、7aと第二ギャッシュ8b、8aを区画し、凸の稜線をなす第二境界線31a、31bが交わり、第二境界線31a、31bは親底刃すくい面11a、11c、もしくは親底刃4c、4aに連続する。第六境界線37a、37bが凸の稜線をなすことで、第六境界線37a、37bで区画されるギャッシュである第一ギャッシュ7a、7bは第六境界線37a、37bよりシャンク部3側へ凹になって(凹んで)いる。同様に第二境界線31a、31bが凸の稜線をなすことで、第二境界線31a、31bで区画され、相対的に刃溝17b、17dに近いギャッシュである第二ギャッシュ8b、8aも第二境界線31a、31bよりシャンク部3側へ凹になって(凹んで)いる。

0071

子底刃逃げ面の回転方向後方側の、親底刃4a、4c寄りの交点b3、d3からはまた、親底刃4a、4cへ向かい、第二ギャッシュ8a、8bと刃溝17b、17dを区画し、凸の稜線をなす第三境界線32a、32bが開始し、図2図3に示すように親底刃すくい面11a、11c、もしくは親底刃4a、4cまで連続する。第二ギャッシュ8a、8bは第二境界線31a、31bと第三境界線32a、32bと親底刃すくい面11a、11c、もしくは親底刃4a、4cとで区画される。第三境界線32a、32bが凸の稜線をなすことで、第三境界線32a、32bで区画される刃溝17b、17dは第三境界線32a、32bよりシャンク部3側へ凹になって(凹んで)いる。

0072

親底刃逃げ面(親底刃二番面5a、5c及び親底刃三番面6a、6c)の回転方向後方側の、子底刃4b、4d寄りの点、すなわち第四境界線36a、36bと親底刃逃げ面の回転方向後方側の境界線との交点a3、c3からは、子底刃4b、4dへ向かう第五境界線34a、34bが開始する。この第五境界線34a、34bは凸の稜線をなして第三ギャッシュ10a、10bと刃溝17a、17cを区画し、図4に示すように子底刃すくい面11b、11d、もしくは子底刃4b、4dまで連続する。第三ギャッシュ10a、10bは第一境界線30a、30bと第四境界線36a、36b及び第五境界線34a、34bと子底刃すくい面11b、11d、もしくは子底刃4b、4dとで区画される。第五境界線34a、34bが凸の稜線をなすことで、第五境界線34a、34bで区画される刃溝17a、17cは第五境界線34a、34bよりシャンク部3側へ凹になって(凹んで)いる。

0073

第一境界線30a、30bが第四境界線36a、36bと交わる点、すなわち第一境界線30a、30bから親底刃4a、4cの開始点a2、c2に移行(屈曲)する点は本来、図11−(b)に示すように切れ刃部2の表面側に凸に尖った突出部zになる。この突出部zは掘り込み加工時に被削材への接触により欠損する可能性があることから、欠損を防止する目的で、突出部zを含む領域は図11−(a)に示すように研削されて第四ギャッシュ9a、9bが形成され、突出部zは不在化される。

0074

具体的には第一ギャッシュ7a、7bと第三ギャッシュ10a、10bの境界線である第一境界線30a、30bの、回転方向前方寄り、もしくは半径方向中心寄りの端部(屈曲点)から、その回転方向前方側に位置する親底刃4a、4cの回転方向後方側の親底刃二番面5a、5cまでの領域に第四ギャッシュ9a、9bが形成される。「第一境界線30a、30bの屈曲点からの親底刃二番面5a、5cまでの領域」は親底刃二番面5a、5cが第一ギャッシュ7a、7b及び第三ギャッシュ10a、10bと交わる領域になる。

0075

切れ刃部2を軸方向の端面側から見たとき、第四ギャッシュ9a、9bの平面積(領域)は第一〜第三ギャッシュとの対比では小さいため、第四ギャッシュ9a、9bの切屑排出性向上への寄与度は小さいが、第四ギャッシュ9a、9bも第一〜第三ギャッシュと同様に切れ刃部2を端面側から見たときに凹曲面状に形成することで、被削材への接触の可能性を低下させ、また切屑の排出性向上に寄与させることができる。

0076

ここで、シャンク部3側へ凹曲面になっている第一ギャッシュ7a、7b、第二ギャッシュ8b、8a、第三ギャッシュ10a、10b、及び第四ギャッシュ9a、9bの凹曲面の適切な湾曲度を検討する。第一ギャッシュ7aの湾曲度は例えば第一ギャッシュ7aの表面が円筒面をなすとした場合に、図7に示すように切れ刃部2を回転軸Oに直交する平面で切断したときに、第一ギャッシュ7aの回転軸O寄りに凸になった曲線を含む曲面の頂点T1を中心とし、直径0.1D(D:工具径)の円と第一ギャッシュ7aの縁との交点S1、S2とを結ぶ線分の長さm1に対する、T1から線分(中点V1)までの垂線の長さn1の比(n1/m1)として求めることができる。

0077

この場合、m1が一定であれば、n1が小さい程、湾曲度n1/m1(曲率)が小さくなる。第一ギャッシュ7aの湾曲度n1/m1は親底刃4a、4cの剛性確保と第一ギャッシュ7aの容積確保の面から、20〜50%が適切であり、好ましくは25〜45%、特に30〜40%が妥当である。湾曲度n1/m1が20%未満では親底刃4a、4cの剛性低下を招き、50%を超えると第一ギャッシュ7aの容積が小さくなり、切屑の排出能力が低下することによる。

0078

第二ギャッシュ8aの湾曲度も図8に示すように第二ギャッシュ8aの回転軸O寄りに凸になった曲線を含む、回転軸Oに直交する切断面で切れ刃部2を切断したときの曲面の頂点T2を中心とし、直径0.1Dの円と第二ギャッシュ8aの縁との交点S3、S4とを結ぶ線分の長さm2に対する、T2から線分(中点V2)までの垂線の長さn2の比(n2/m2)として求めることができる。第三ギャッシュ10a、10bの湾曲度も同様である。第二ギャッシュ8aの湾曲度n2/m2と第三ギャッシュ10a、10bの湾曲度n3(T3からV3までの長さ)/m3はそれぞれ親底刃4a、4cと子底刃4b、4dの剛性確保と第二ギャッシュ8a及び第三ギャッシュ10aの容積確保の面から、10〜40%が適切であり、好ましくは15〜35%、特に20〜30%が妥当である。

0079

また親底刃4a、4cが切削し、第一ギャッシュ7a、7b内に入り込んだ切屑が第二ギャッシュ8a、8bを経由し、刃溝17b、17dへ円滑に滞りなく排出されるようにする上では、第一ギャッシュ7a、7bから刃溝17b、17dへかけて次第に湾曲度が緩く(小さく)なる方がよい。

0080

第四ギャッシュ9bの湾曲度は図11−(a)に示すように第四ギャッシュ9bと第一ギャッシュ7bとの交点X1と、第四ギャッシュ9bと第三ギャッシュ10bとの交点X2を結ぶ線分の長さm4に対する、回転軸O寄りに凸になった曲線の頂点T4から線分(中点V4)までの垂線の長さn4の比(n4/m4)として求めることができる。第四ギャッシュ9bの湾曲度は親底刃4a、4cの剛性確保と第四ギャッシュ9bにおける被削材への接触回避の面から、7〜37%が適切であり、好ましくは12〜32%、特に17〜27%が妥当である。

0081

第一ギャッシュ7a、7bと第二ギャッシュ8a、8bの、親底刃4a、4cに沿った方向の長さと工具径Dとの詳細な関係、及び第三ギャッシュ10a、10bと第四ギャッシュ9a、9bの、子底刃4b、4dに沿った方向の長さと工具径Dとの詳細な関係は以下の通りである。

0082

図2において第一ギャッシュ7bの第四ギャッシュ9bと接触する点をAとし、点Aから一点鎖線で示す親底刃4aに平行な直線を引き、第二境界線31b、第三境界線32bとの交点をそれぞれB、Cとしたとき、線分AB、BCの長さをそれぞれ第一ギャッシュ7b、第二ギャッシュ8bの長さh1、h2とすれば、h1=0.13〜0.33D、h2=0.07〜0.27D程度が適切である。h1、h2がこの範囲外であれば、各ギャッシュ内での切屑の収容能力が低下するか、第一ギャッシュ7a、7bから第二ギャッシュ8a、8bを通じた刃溝17b、17dへの円滑な切屑排出の流れが阻害される可能性がある。

0083

また図2において第四ギャッシュ9bの回転方向前方側の親底刃4c寄りの点をLとし、点Lから一点鎖線で示す子底刃4dに平行な直線を引き、第七境界線33b、第五境界線34bとの交点をそれぞれM、Nとしたとき、線分LM、MNの長さをそれぞれ第四ギャッシュ9b、第三ギャッシュ10bの長さh4、h3とすれば、h4=0.005〜0.07D、h3=0.13〜0.33D程度が適切である。h3がこの範囲外であれば、第三ギャッシュ10a、10b内での切屑の収容能力が低下するか、第三ギャッシュ10a、10bを通じた刃溝17a、17cへの円滑な切屑排出の流れが阻害される可能性がある。h4が上記の範囲外であれば、第四ギャッシュ9a、9bの周辺が被削材に接触する可能性があるか、第三ギャッシュ10a、10b内での切屑の収容能力が低下する可能性がある。

0084

図2のb−b線断面図である図9に示すように第一ギャッシュ7a、7bの形成角(第一ギャッシュ7a、7bと第二ギャッシュ8a、8bとの境界線(第二境界線31a)付近における第一ギャッシュ7a、7bの表面と回転軸Oに直交する平面とのなす角度)δ1は15〜35°程度が適切である。δ1が15°未満では第一ギャッシュ7a、7b内での切屑の収容能力が低下し、35°を超えれば、親底刃4a、4cの剛性が低下する可能性がある。

0085

同図に示す第二ギャッシュ8a、8bの形成角(第一ギャッシュ7a、7bと第二ギャッシュ8a、8bとの境界線(第二境界線31a)付近における第二ギャッシュ8a、8bの表面と回転軸Oに直交する平面とのなす角度)ε1は40〜60°程度が適切である。ε1が40°未満では第二ギャッシュ8a、8b内での切屑の収容能力が低下し、60°を超えれば、親底刃4a、4cの剛性が低下する可能性がある。δ1とε1が上記の範囲内にあれば、切削速度が遅く、チッピングが発生し易い回転軸O近傍の親底刃4a、4cの剛性を確保しながら、第一ギャッシュ7a、7bに対して半径方向外周側に位置する第二ギャッシュ8a、8bの領域を広く確保することができるため、両ギャッシュでの切り屑排出性能を向上させることができる。

0086

また図2のc−c線断面図である図10に示すように第四ギャッシュ9a、9bの形成角(第三ギャッシュ10a、10bと第四ギャッシュ9a、9bの境界線(第七境界線33a)付近における第四ギャッシュ9a、9bの表面と回転軸Oに直交する平面とのなす角度)δ2と、第三ギャッシュ10a、10bの形成角(第三ギャッシュ10a、10bと第四ギャッシュ9a、9bの境界線(第七境界線33a)付近における第三ギャッシュ10a、10bの表面と回転軸Oに直交する平面とのなす角度)ε2はそれぞれ15〜35°程度、40〜60°程度が適切である。δ2とε2がこの範囲内にあれば、回転軸O近傍の親底刃4a、4cの剛性を確保しながら、第三ギャッシュ10a、10bの領域を広く確保することができるため、第三ギャッシュ10a、10bでの切り屑排出性能を向上させることができる。

0087

更に図6に示すように刃溝17b〜17aに連続する第二ギャッシュ8a、8bと第三ギャッシュ10a、10bの半径方向外周側の端部P、Qの位置に着目すれば、回転軸Oの方向には、第二ギャッシュ8a、8bの端部Pより第三ギャッシュ10a、10bの端部Qが底刃4a〜4d寄りに位置することが適切である(請求項9)。

0088

切れ刃部2における親底刃4a、4cと子底刃4b、4dの形成位置とそれぞれの働きの相違から、子底刃4b、4dが生成する切屑の大きさは親底刃4a、4cが生成する切屑の大きさより相対的に小さい。このため、親底刃4a、4cの回転方向前方側に形成される第二ギャッシュ8a、8bより、子底刃4b、4dの回転方向前方側に形成される第三ギャッシュ10a、10bの回転軸O方向の長さを小さくしても、第三ギャッシュ10a、10bを経由した切屑の排出性は十分に確保されることが言える。

0089

一方、第三ギャッシュ10a、10bの半径方向外周側の端部Qを第二ギャッシュ8a、8bの半径方向外周側の端部Pより底刃4a〜4d寄りに位置させることで(請求項9)、第三ギャッシュ10a、10bの回転軸O方向の長さを抑えることができ、第三ギャッシュ10a、10bに必要以上の容積を与えずに済むことになる。この結果、スクエアエンドミル1自体の、あるいは切れ刃部2、もしくは子底刃4b、4dの剛性の低下を抑えることが可能になる。

0090

なお、スクエアエンドミル1を半径方向外周側から見た図6において、第二ギャッシュ8a、8bの端部Pと第三ギャッシュ10a、10bの端部Qとの、回転軸O方向の距離Hは0.01〜0.2D(D:工具径)程度であることが適切である。Hが0.01D未満では端部Pと端部Qの位置に実質的な差がないため、スクエアエンドミル1の、もしくはその一部の剛性が低下し易く、0.2Dを超えれば、砥石による子底刃4b、4dの研削時に砥石が親底刃4a、4cに接触する可能性が生じ易くなる。

0091

本発明のスクエアエンドミル1はまた、図1のa−a線の断面図である図12に示すように被削材の切削時の共振によるびびり振動を抑制する上では、周方向(回転方向)に隣接する外周刃15a、15b(15b、15c)を結ぶ中心角が同一でない不等分割型であることが好ましい。図12は回転軸Oに関して点対称位置にある中心角(分割角度)α、βを同一にし、隣接する中心角α、βの和が180°になるようにしているが、全中心角が相違することもある。

0092

切れ刃が4枚の場合を示す図12のように隣接する中心角α、βの和が180°になるように円の中心角360°を切れ刃の数で分割する場合、相対的に大きい中心角βは主に円の中心角を4等分した90°(基準角度)の2〜20%増し程度の範囲内で設定され、好ましくは4〜12%増し程度の範囲内で設定される。2%増しのときの中心角βは約92°、隣接する中心角αは88°になる。20%増しのときの中心角βは108°、隣接する中心角αは88°になる。中心角βが基準角度の2%増し未満ではびびり振動の抑制効果が得られず、20%増し超えでは中心角βをなす刃溝の容積が大きくなり過ぎ、外周刃にチッピングが発生し易くなる。

0093

1……スクエアエンドミル(エンドミル本体)、 2……切れ刃部、3……シャンク部、 4a、4c……親底刃、4b、4d……子底刃、 5a、5c……親底刃二番面、5b、5d……子底刃二番面、 6a、6c……親底刃三番面、6b、6d……子底刃三番面、 7a、7b……第一ギャッシュ、8a、8b……第二ギャッシュ、 9a、9b……第四ギャッシュ、10a、10b……第三ギャッシュ、 11a、11c……親底刃すくい面、11b、11d……子底刃すくい面、 15a、15b、15c、15d……外周刃、 16a、16b、16c、16d……外周刃二番面、 16a1、16b1、16c1、16d1……外周刃の微小二番面、 16a2、16b2、16c2、16d2……外周刃の主二番面、 17a、17b、17c、17d……刃溝、 20a、20b、20c、20d……外周刃すくい面、 30a、30b……第一ギャッシュと第三ギャッシュとの境界線(第一境界線)、 31a、31b……第一ギャッシュと第二ギャッシュとの境界線(第二境界線)、 32a、32b……第二ギャッシュと刃溝との境界線(第三境界線)、 33a、33b……第三ギャッシュと第四ギャッシュとの境界線(第七境界線)、 34a、34b……第三ギャッシュと刃溝との境界線(第五境界線)、 35……チゼルエッジ、 36a、36b……第三ギャッシュと親底刃逃げ面との境界線(第四境界線)、 37a、37b……第一ギャッシュと子底刃逃げ面との境界線(第六境界線)、 110……親底刃のすくい面と第一ギャッシュとの仮想境界線、 a1、c1……親底刃の半径方向外周側の端部(親底刃と外周刃との連結点)、 a2、c2……親底刃の半径方向中心側の端部、 a3、c3……第四境界線と親底刃逃げ面の回転方向後方側の境界線との交点、 b1、d1……子底刃の半径方向外周側の端部(子底刃と外周刃との連結点)、 b2、d2……子底刃の半径方向中心側の端部(第一境界線と子底刃との境界)、 b3、d3……第六境界線と子底刃逃げ面の回転方向後方側の境界線との交点、 b4、d4……第三ギャッシュと刃溝との境界線(第五境界線)と、子底刃、もしくは子底刃すくい面との交点、 D……工具の直径、 H……第二ギャッシュの端部Pと第三ギャッシュの端部Qとの、回転軸方向の距離、 K……微小二番面の周方向の幅、 m1、m2、m3、m4:凸曲面の長さ、 n1、n2、n3、n4……凸曲面の高さ、 O……回転軸、 P……第二ギャッシュの半径方向外周側の端部、 Q……第三ギャッシュの半径方向外周側の端部、 R……回転方向、 S1、S2、S3、S4、S5、S6……仮想円とギャッシュとの交点、 T1、T2、T3、T4……ギャッシュの曲面の頂点、 X1……第四ギャッシュと第一ギャッシュとの交点、X2……第四ギャッシュと第三ギャッシュとの交点、 z……突出部、 α、β……隣接する外周刃間の中心角(分割角度)、 δ1……第一ギャッシュの形成角、δ2……第三ギャッシュの形成角、 ε1……第二ギャッシュの形成角、ε2……第四ギャッシュの形成角、 η……微小二番角、λ……主二番角、 θa、θb、θc、θd……回転軸Oと各連結点とを結ぶ直線に対する底刃の角度。

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