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技術 1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法

出願人 三菱瓦斯化学株式会社
発明者 清水裕子山本良亮
出願日 2016年2月25日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2017-504966
公開日 2017年12月21日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 WO2016-143538
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード トランス比率 トランス体比率 最高発熱温度 無溶媒条件 アルカリ金属含有化合物 アルカリ土類金属含有化合物 ベンゼン溶媒中 異性体組成
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この項目の情報は公開日時点(2017年12月21日)のものです。
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課題・解決手段

本発明は、特定の化合物異性化反応を、高圧反応や複雑な多段階工程を経ることなく、簡便にかつ高活性に実現できる異性化方法を提供する。その異性化方法は、下記式(1)で表される化合物と、アルカリ金属アルカリ金属含有化合物アルカリ土類金属、及びアルカリ土類金属含有化合物からなる群より選ばれる1種以上との存在下、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチルアミノシクロヘキサン異性化する工程を有する。上記式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示し(R1及びR2は相互に結合して環を形成してもよい)、R3は、水素原子、及び置換又は無置換の炭化水素基からなる群より選ばれるn価の基を示し、nは1〜10の整数を示す。

概要

背景

1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)−5−アミノシクロヘキサン(以下、「イソホロンジアミン」又は「IPDA」と記す。)は、エポキシ硬化剤及びポリウレタンなどの原料として使用される工業的に重要な化合物である。イソホロンジアミンはシクロヘキサン環由来するシス体トランス体の2種類の異性体が存在する。イソホロンジアミンを使用したポリマーはシス体とトランス体の異性体比により物性が変化することが知られている。

例えば、トランス体の含有率の高いイソホロンジアミンを硬化剤として用いたエポキシ樹脂では、ポットライフ延長および最高発熱温度の低下が見られるのに対し、シス体の含有率の高いイソホロンジアミンを硬化剤として用いたエポキシ樹脂では、極めて高い反応速度となることが示されている(特許文献1)。

このような理由から、イソホロンジアミンの異性体比を制御することは極めて重要である。イソホロンジアミンの異性体比を制御する方法として、様々な方法が提案されている。

例えば、異性体比の制御法として、イソホロンジアミンの前駆体である3−シアノ−3、5、5−トリメチルシクロヘキサノン水素化条件を調整することで、得られるイソホロンジアミンのシス/トランス比を制御する方法が示されている(特許文献2、特許文献3)。

また、トランス−イソホロンジアミンはシス−イソホロンジアミンよりも低沸点であるため、蒸留により異性体比を変化させることが可能である(特許文献4)。

さらに、イソホロンジアミンの異性化方法として、トランスイソホロンジアミン又はシス−イソホロンジアミンを金属触媒存在下で異性化する方法が示されている(特許文献5)。

概要

本発明は、特定の化合物の異性化反応を、高圧反応や複雑な多段階工程を経ることなく、簡便にかつ高活性に実現できる異性化方法を提供する。その異性化方法は、下記式(1)で表される化合物と、アルカリ金属アルカリ金属含有化合物アルカリ土類金属、及びアルカリ土類金属含有化合物からなる群より選ばれる1種以上との存在下、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを異性化する工程を有する。上記式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示し(R1及びR2は相互に結合して環を形成してもよい)、R3は、水素原子、及び置換又は無置換の炭化水素基からなる群より選ばれるn価の基を示し、nは1〜10の整数を示す。

目的

したがって、イソホロンジアミンのような1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化反応を容易に実施できる方法が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(1)で表されるイミン化合物と、アルカリ金属アルカリ金属含有化合物アルカリ土類金属、及び、アルカリ土類金属含有化合物からなる群より選ばれる1種以上と、の存在下、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチルアミノシクロヘキサン異性化する異性化工程を有する、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。(上記一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示し(R1及びR2は相互に結合して環を形成してもよい。)、R3は、水素原子、及び、置換又は無置換の炭化水素基からなる群より選ばれるn価の基を示し、nは1〜10の整数を示す。)

請求項2

前記R1及びR2で示される置換又は無置換の炭化水素基が、置換又は無置換の脂肪族炭化水素基、置換又は無置換の脂環族炭化水素基、及び、置換又は無置換の芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる1価の基を含み、前記R3で示される置換又は無置換の炭化水素基が、置換又は無置換の脂肪族炭化水素基、置換又は無置換の脂環族炭化水素基、及び、置換又は無置換の芳香族炭化水素基からなる群より選ばれるn価の基を含む、請求項1に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

請求項3

前記イミン化合物が、下記一般式(2)で表される化合物、及び/又は、下記一般式(3)で表される化合物を含む、請求項1又は2に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。(上記一般式(2)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)(上記一般式(3)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)

請求項4

前記イミン化合物が、下記一般式(2a)で表される化合物、及び/又は、下記一般式(3a)で表される化合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。(上記一般式(2a)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)(上記一般式(3a)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)

請求項5

前記イミン化合物が、1級アミンと、アルデヒド及び/又はケトンと、の脱水縮合により得られるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

請求項6

前記イミン化合物が、前記1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンと、アルデヒド及び/又はケトンと、の脱水縮合により得られるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

請求項7

前記1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンは、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)−5−アミノシクロヘキサンである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

請求項8

前記アルカリ金属含有化合物が、アルカリ金属水素化物及びアルカリ金属アミドからなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

請求項9

前記異性化工程において、及び/又は、前記異性化工程の後に、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンうちのトランス体シス体とを蒸留により分離する異性体分離工程を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

請求項10

前記異性化工程における異性化反応温度が、100〜140℃である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

請求項11

前記異性化工程において、沸点が前記異性化反応温度以下の溶媒を用いる、請求項10に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

請求項12

前記異性化工程において、不活性ガスバブリングする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

技術分野

0001

本発明は、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチルアミノシクロヘキサン異性化方法に関する。

背景技術

0002

1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)−5−アミノシクロヘキサン(以下、「イソホロンジアミン」又は「IPDA」と記す。)は、エポキシ硬化剤及びポリウレタンなどの原料として使用される工業的に重要な化合物である。イソホロンジアミンはシクロヘキサン環由来するシス体トランス体の2種類の異性体が存在する。イソホロンジアミンを使用したポリマーはシス体とトランス体の異性体比により物性が変化することが知られている。

0003

例えば、トランス体の含有率の高いイソホロンジアミンを硬化剤として用いたエポキシ樹脂では、ポットライフ延長および最高発熱温度の低下が見られるのに対し、シス体の含有率の高いイソホロンジアミンを硬化剤として用いたエポキシ樹脂では、極めて高い反応速度となることが示されている(特許文献1)。

0004

このような理由から、イソホロンジアミンの異性体比を制御することは極めて重要である。イソホロンジアミンの異性体比を制御する方法として、様々な方法が提案されている。

0005

例えば、異性体比の制御法として、イソホロンジアミンの前駆体である3−シアノ−3、5、5−トリメチルシクロヘキサノン水素化条件を調整することで、得られるイソホロンジアミンのシス/トランス比を制御する方法が示されている(特許文献2、特許文献3)。

0006

また、トランス−イソホロンジアミンはシス−イソホロンジアミンよりも低沸点であるため、蒸留により異性体比を変化させることが可能である(特許文献4)。

0007

さらに、イソホロンジアミンの異性化方法として、トランスイソホロンジアミン又はシス−イソホロンジアミンを金属触媒存在下で異性化する方法が示されている(特許文献5)。

先行技術

0008

独国特許出願公開第4211454号明細書
特開平7−206787号公報
特表平2005−501893号公報
特表2005−535728号公報
特表2005−535725号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特許文献2〜4に記載の方法は、イソホロンジアミンを異性化する方法ではない。また、特許文献5に記載の異性化方法では、液体アンモニアを使用し、高圧反応となるため、実施することは容易でない。

0010

したがって、イソホロンジアミンのような1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化反応を容易に実施できる方法が望まれている。

0011

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、工業的に重要な化合物である1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化反応を、高圧反応や複雑な多段階工程を経ることなく、簡便にかつ高活性に実現することができる1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定の異性化工程を有する異性化方法であれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0013

すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]下記一般式(1)で表されるイミン化合物と、アルカリ金属アルカリ金属含有化合物アルカリ土類金属、及び、アルカリ土類金属含有化合物からなる群より選ばれる1種以上と、の存在下、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを異性化する異性化工程を有する、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。



(上記一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示し(R1及びR2は相互に結合して環を形成してもよい。)、R3は、水素原子、及び、置換又は無置換の炭化水素基からなる群より選ばれるn価の基を示し、nは1〜10の整数を示す。)
[2]前記R1及びR2で示される置換又は無置換の炭化水素基が、置換又は無置換の脂肪族炭化水素基、置換又は無置換の脂環族炭化水素基、及び、置換又は無置換の芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる1価の基を含み、前記R3で示される置換又は無置換の炭化水素基が、置換又は無置換の脂肪族炭化水素基、置換又は無置換の脂環族炭化水素基、及び、置換又は無置換の芳香族炭化水素基からなる群より選ばれるn価の基を含む、[1]に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。
[3]前記イミン化合物が、下記一般式(2)で表される化合物、及び/又は、下記一般式(3)で表される化合物を含む、[1]又は[2]に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。



(上記一般式(2)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)



(上記一般式(3)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)
[4]前記イミン化合物が、下記一般式(2a)で表される化合物、及び/又は、下記一般式(3a)で表される化合物を含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。



(上記一般式(2a)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)



(上記一般式(3a)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)
[5]前記イミン化合物が、1級アミンと、アルデヒド及び/又はケトンと、の脱水縮合により得られるものである、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。
[6]前記イミン化合物が、前記1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンと、アルデヒド及び/又はケトンと、の脱水縮合により得られるものである、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。
[7]前記1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンは、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)−5−アミノシクロヘキサンである、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。
[8]前記アルカリ金属含有化合物が、アルカリ金属水素化物及びアルカリ金属アミドからなる群より選ばれる1種以上を含む、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。
[9]前記異性化工程において、及び/又は、前記異性化工程の後に、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンうちのトランス体とシス体とを蒸留により分離する異性体分離工程を有する、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。
[10]前記異性化工程における異性化反応温度が、100〜140℃である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。
[11]前記異性化工程において、沸点が前記異性化反応温度以下の溶媒を用いる、[10]に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。
[12]前記異性化工程において、不活性ガスバブリングする、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法。

発明の効果

0014

本発明によれば、従来の技術と比較して、工業的に重要な化合物である1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化反応を、高圧反応や複雑な多段階工程を経ることなく、簡便かつ高活性に実施することができる1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0015

実施例1及び2における異性体比率経時変化を示す図である。

0016

以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。

0017

〔1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法〕
本実施形態の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法は、下記一般式(1)で表されるイミン化合物と、アルカリ金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属、及び、アルカリ土類金属含有化合物(以下、まとめて「アルカリ金属等」ともいう。)からなる群より選ばれる1種以上と、の存在下、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを異性化する異性化工程を有する。



(上記一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示し(R1及びR2は相互に結合して環を形成してもよい。)、R3は、水素原子、及び置換又は無置換の炭化水素基からなる群より選ばれるn価の基を示し、nは1〜10の整数を示す。)

0018

本実施形態の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化方法は、上記構成を有することにより、異性化工程において異性化触媒活性種を生成させることができる。これにより、従来の技術と比較して、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化反応を、高圧反応や複雑な多段階工程を経ることなく、簡便かつ高活性に実施することができる。

0019

〔異性化工程〕
異性化工程は、上記一般式(1)で表されるイミン化合物と、アルカリ金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属、及びアルカリ土類金属含有化合物からなる群より選ばれる1種以上と、の存在下、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを異性化する工程である。

0020

「異性化する」とは、トランス体の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンをシス体にすること、又は、シス体の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンをトランス体にすることをいう。

0021

異性化工程における異性化反応温度は、好ましくは10〜200℃であり、より好ましくは80〜150℃であり、さらに好ましくは100〜140℃である。異性化反応温度が10℃以上であることにより、異性化反応をより効率よく進行させることができる傾向にある。異性化反応温度が200℃以下であることにより、分解反応及び重合反応等の副反応を抑制でき、低沸点生成物及び高沸点生成物の副生を低減できるため、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの回収率がより向上する傾向にある。特に、異性化反応温度を100〜140℃とするにより、良好な収率と反応速度を得ることができる傾向にある。

0022

異性化反応時間は、各成分の使用量、反応条件、目的とする異性体組成等により異なるが、好ましくは0.50〜6.0時間であり、より好ましくは1.0〜5.0時間であり、さらに好ましくは2.0〜4.0時間である。

0023

異性化反応は、無溶媒条件でも溶媒存在下でも実施可能である。使用し得る溶媒としては、特に限定されないが、例えば、1級アミン、アルデヒド、及びケトンに不活性である溶媒が挙げられる。このような溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼントルエン又はキシレン等の芳香族系溶媒ジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒ヘキサン又はヘプタン等の炭化水素系溶媒が挙げられる。このなかでも、異性化反応をより効率的に促進する観点から、沸点が異性化反応温度以下の溶媒が好ましい。

0024

異性化反応雰囲気としては、特に限定されないが、例えば、空気、水又はアルコールのような活性水素を含まない雰囲気が好ましい。このような雰囲気とすることにより、式(1)で表されるイミン化合物と、アルカリ金属等からなる群より選ばれる1種以上とを添加することにより生成する異性化触媒の活性種が失活しにくく、反応効率がより向上する傾向にある。特に、反応系中に存在し得る水分と触媒活性種との反応による失活を抑制する観点から、反応系中の水分量を1000ppm以下とすることが好ましい。水分や空気などの混入を防ぐための簡便な方法として、異性化反応を窒素アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気で実施することが好ましい。

0025

異性化工程においては、系中に不活性ガスをバブリングすることが好ましい。これにより、異性化反応をより効率的に促進できる傾向にある。

0026

〔1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン〕
本明細書において、「1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン」とは、下記式(9)で表される化合物を指す。



1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンとしては、特に限定されず、例えば、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)−5−アミノシクロヘキサン、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)−4−アミノシクロヘキサン、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)−6−アミノシクロヘキサン、及び1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)−2−アミノシクロヘキサンが挙げられる。なお、これらの化合物におけるアミノ基は、2つの水素原子をそれぞれ置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、又はアシル基で置換されてもよいが、それらの水素原子を置換しないものがより好ましい。これらのなかでも、本発明による効果をより有効かつ確実に奏する観点から、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)−5−アミノシクロヘキサン(すなわちイソホロンジアミン)が好ましい。本実施形態の方法によれば、いずれの1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンも異性化することができる。1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンは、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

0027

〔イミン化合物〕
イミン化合物は、上記一般式(1)で表される化合物である。イミン化合物は、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化触媒の活性種を形成させるために用いられる。上記一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は相互に結合して環を形成してもよい。)。イミン化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。

0028

R1及びR2で表される置換又は無置換の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基アルケニル基アルキニル基、又はこれらの1又は2以上の水素原子が置換基で置換された置換又は無置換の脂肪族炭化水素基;シクロアルキル基、又はこれらの1又は2以上の水素原子が置換基で置換された置換又は無置換の脂環族炭化水素基;及び、アルキルアリール基アリールアルキル基、又はこれらの1又は2以上の水素原子が置換基で置換された置換又は無置換の芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる1価の基が挙げられる。脂肪族炭化水素基は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。

0029

R1及びR2で表される直鎖の脂肪族炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基、及びデシル基が挙げられる。また、直鎖の脂肪族炭化水素基は、上記の脂肪族炭化水素基が有する単結合を、二重結合、及び/又は、三重結合に代えたものであってもよい。

0030

R1及びR2で表される分岐鎖の脂肪族炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピル基イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−ヘキシル基、2−オクチル基、及び2−デシル等が挙げられる。また、分岐鎖の脂肪族炭化水素基は、上記の脂肪族炭化水素基が有する単結合を、二重結合、及び/又は、三重結合に代えたものであってもよい。

0031

R1及びR2で表される脂環族炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロヘキシル基シクロペンチル基、シクロオクチル基、及びシクロデシル基が挙げられる。また、脂環族炭化水素基は、上記の脂環族炭化水素基が有する単結合を、二重結合、及び/又は、三重結合に代えたものであってもよい。特に、脂環族炭化水素基としては、アミノ基を有する脂環族炭化水素基が好ましい。

0032

R1及びR2で表される芳香族炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、フェニル基ナフチル基ベンジル基メチルフェニル基エチルフェニル基、メチルナフチル基、及びジメチルナフチル基が挙げられる。このなかでも、芳香族炭化水素基としては、置換又は無置換のベンジル基、置換又は無置換のベンザル基、置換又は無置換の一価のフェニル基、及び置換又は無置換の一価のナフチル基からなる群より選ばれる1価の基が好ましい。

0033

置換又は無置換のフェニル基としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(4)で表される基が挙げられる。また、置換又は無置換の1価のナフチル基としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(5)で表される基が挙げられる。



(上記一般式(4)中、R10、R11、R12、R13、及びR14は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基又はアミノ基を示す。)



(上記一般式(5)中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基又はアミノ基を示す。)

0034

R1及びR2で表される置換又は無置換の炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜12であり、さらに好ましくは1〜10である。

0035

R1及びR2で表される置換又は無置換のアルコキシ基としては、特に限定されないが、例えば、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、ブトキシ基ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、及びデシルオキシ基が挙げられる。また、アルコキシ基は、上記のアルコキシ基が有する単結合を、二重結合、及び/又は、三重結合に代えたものであってもよい。

0036

R1及びR2で表される置換又は無置換のアルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜10である。

0037

R1及びR2で表される置換又は無置換のアリールオキシ基としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾイルオキシ基、及びナフチルオキシ基が挙げられる。

0038

R1及びR2で表される置換又は無置換のアリールオキシ基の炭素原子数は、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜12であり、さらに好ましくは6〜10である。

0039

R1及びR2で表される炭化水素基及びアルコキシ基の置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、カルボニル基、アミノ基、イミノ基シアノ基アゾ基アジ基、ニトロ基、アシル基、アルデヒド基、シクロアルキル基、及びアリール基が挙げられる。

0040

R1及びR2で表されるアシル基としては、特に限定されないが、例えば、ホルミル基アセチル基プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、及びベンゾイル基が挙げられる。アシル基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。

0041

R1及びR2で表されるアシル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10である。

0042

R1及びR2が相互に結合して環を形成している場合としては、特に限定されないが、例えば、R1及びR2が相互に結合して脂肪族環を形成する場合、及び、R1及びR2が相互に結合して複素環を形成する場合が挙げられる。

0043

R3は、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基からなる群より選ばれるn価の基を示す。nは、1〜20の整数であり、好ましくは1〜12の整数であり、より好ましくは1〜10の整数であり、さらに好ましくは1〜8の整数であり、なおもさらに好ましくは1〜6の整数であり、特に好ましくは1〜4の整数であり、極めて好ましくは1〜2の整数である。

0044

R3で表される置換又は無置換の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はこれらの1又は2以上の水素原子が置換基で置換された置換又は無置換の脂肪族炭化水素基、及び、上記置換又は無置換の脂肪族炭化水素基の水素原子をn−1個除いた脂肪族炭化水素基;シクロアルキル基、又はこれらの1又は2以上の水素原子が置換基で置換された置換又は無置換の脂環族炭化水素基、及び、上記置換又は無置換の脂環族炭化水素基の水素原子をn−1個除いた脂環族炭化水素基;並びに、アルキルアリール基、アリールアルキル基、ベンザル基、又はこれらの1又は2以上の水素原子が置換基で置換された置換又は無置換の芳香族炭化水素基、及び、上記置換又は無置換の芳香族炭化水素基の水素原子をn−1個除いた芳香族炭化水素基からなる群より選ばれるn価の基が挙げられる。脂肪族炭化水素基は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。

0045

R3で表される直鎖の脂肪族炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、及びデシル基、並びに、それらの基から水素原子をn−1個除いた基が挙げられる。また、直鎖の脂肪族炭化水素基は、上記の脂肪族炭化水素基が有する単結合を、二重結合、及び/又は、三重結合に代えたものであってもよい。

0046

R3で表される分岐鎖の脂肪族炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−ヘキシル基、2−オクチル基、及び2−デシル基、並びに、それらの基から水素原子をn−1個除いた基が挙げられる。また、分岐鎖の脂肪族炭化水素基は、上記の脂肪族炭化水素基が有する単結合を、二重結合、及び/又は、三重結合に代えたものであってもよい。

0047

R3で表される脂環族炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、及びシクロヘキサンジメチレン基、並びに、それらの基から水素原子をn−1個除いた基が挙げられる。また、脂環族炭化水素基は、上記の脂環族炭化水素基が有する単結合を、二重結合、及び/又は、三重結合に代えたものであってもよい。特に、脂環族炭化水素基は、アミノ基を有する脂環族炭化水素基が好ましい。

0048

R3で表される芳香族炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、フェニル基、フェニレン基、ナフチル基、ナフチレン基、ベンジル基、メチルフェニル基、メチルフェニレン基、エチルフェニル基、エチルフェニレン基、メチルナフチル基、メチルナフチレン基、ジメチルナフチル基、ジメチルナフチレン基、及びキシリレン基、並びに、それらの基から水素原子をn−1個除いた基が挙げられる。

0049

R3で表される置換又は無置換の炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜12であり、さらに好ましくは1〜10である。

0050

R3で表される炭化水素基の置換基としては、特に限定されないが、例えば、R1及びR2において例示したものと同様のものが挙げられる。

0051

一般式(1)で表されるイミン化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表される化合物、及び/又は、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。このような化合物を用いることにより、異性化後の副生成物の生成が抑制でき、分離すべき副生成物を減少させることができ、高純度の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを容易に得ることができる傾向にある。同様の観点から、一般式(1)で表されるイミン化合物としては、下記一般式(2a)で表される化合物、及び/又は、下記一般式(3a)で表される化合物がより好ましい。



(上記一般式(2)及び(2a)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)



(上記一般式(3)及び(3a)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び、アシル基からなる群より選ばれる1価の基を示す(R1及びR2は、相互に結合して環を形成してもよい。)。)

0052

上記一般式(2)、(2a)、(3)及び(3a)中のR1及びR2は、上記一般式(1)で例示したものと同様のものが例示される。

0053

イミン化合物は、試薬入手できるものも使用可能であり、また有機合成により合成した化合物も使用可能である。試薬としては、特に限定されないが、例えば、ベンジリデンアニリン、及びN−ベンジリデン−ターシャリブチルアミン等が入手可能である。また、有機合成により合成した化合物としては、特に限定されないが、例えば、Chem.Rev.,1963,63(5)、pp489−510 The CHEMISERY OFIMINESのTableIからTabeleVIIに記載されているイミン化合物のうち、アルカリ金属、アルカリ金属アミド、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属又はアルカリ土類金属水素化物に対して不活性な官能基を持つ置換基を有するものが挙げられる。これらは特に精製することなく使用することも可能である。

0054

イミン化合物の使用量は、特に限定されないが、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン1モルに対して、好ましくは0.001〜0.10モルであり、より好ましくは0.005〜0.05モルである。イミン化合物の使用量が1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン1モルに対して0.001モル以上であることにより、異性化反応がより速く円滑に進行する傾向にある。また、イミン化合物の使用量を上記範囲とすることにより、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン同士の重合反応等の副反応が抑制でき、目的とする異性体の収率がより向上し、触媒費も低く抑えることができる傾向にある。また、本実施形態の異性化方法はイミン化合物の使用量が上記触媒量であっても、有効に反応を進行することができる。

0055

(イミン化合物の合成方法
イミン化合物は、1級アミンと、アルデヒド及び/又はケトンと、の脱水縮合により得られるものであることが好ましく、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンと、アルデヒド及び/又はケトンと、の脱水縮合により得られるものであることがより好ましい。このようなイミン化合物は、本実施形態の異性化方法の反応系中に添加されるものであっても、反応系中で作製されるものであってもよい。

0056

特に、イソホロンジアミンの異性化では、イソホロンジアミンとアルデヒド又はケトンとの脱水縮合により得られるイミン化合物を用いることがより好ましい。イソホロンジアミンとアルデヒド又はケトンとの脱水縮合により得られるイミン化合物を用いることで、分離すべき化合物が減少し、イソホロンジアミンの純度を向上することが容易となる。

0057

上記脱水縮合反応は、触媒存在下でも無触媒でも実施可能である。また、上記脱水縮合反応は、無溶媒条件でも溶媒存在下でも実施可能である。使用し得る溶媒としては、特に限定されないが、例えば、1級アミン、アルデヒド、及びケトンに不活性である溶媒が挙げられる。このような溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン又はキシレン等の芳香族系溶媒;ジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;及び、ヘキサン又はヘプタン等の炭化水素系溶媒が挙げられる。

0058

脱水縮合反応方法としては、特に限定されないが、例えば、具体的には、ディーンスターク装置を用いて各成分をベンゼン溶媒中共沸脱水することにより、イミン化合物を容易に得る方法が挙げられる。また、無溶媒で脱水縮合反応を実施する場合は、蒸留操作等により系内から水を除去することで脱水縮合を容易に進行させることが可能である。

0059

イミン化合物を異性化反応系中で作製する場合には、本実施形態の異性化方法は、異性化工程前及び/又は異性化工程後において、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンと、アルデヒド及び/又はケトンと、を混合し、脱水縮合により系中でイミン化合物を得て、イミン化合物を得る脱水縮合工程を有し得る。

0060

当該脱水縮合工程を有することにより、アルデヒド又はケトンと1級アミンを脱水縮合して得られたイミン化合物とを単離することなく、反応系中にアルカリ金属等を添加し、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化を行うことが可能となる。

0061

また、当該脱水縮合工程を有することにより、高価な貴金属触媒等を用いることなく、工業的に容易にかつ安価に入手可能なアルデヒド又はケトンを触媒原料として用いることができる。その結果、工業的に有利に1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性化を実施することが可能となるため、工業的意義が極めて高い。

0062

(1級アミン)
1級アミンとしては、特に限定されないが、例えば、一般的に入手可能であり、得られるイミン化合物がアルカリ金属等に対して不活性な官能基を持つ置換基を有するものとなる化合物が挙げられる。1級アミンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよく、工業的にはプロセスを簡便にするために1種類を単独で用いることが好ましい。

0063

1級アミンとしては、特に限定されないが、例えば、メチルアミンエチルアミンプロピルアミンイソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ターシャリブチルアミン、ベンジルアミンメチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、アニリン、メタキシリレンジアミンパラキシリレンジアミンシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン、o−フェニレンジアミンm−フェニレンジアミンp−フェニレンジアミンフェネチルアミンジアミノジフェニルメタンメタンジアミンエタンジアミンプロパンジアミンブタンジアミンペンタンジアミン、及びヘキサンジアミン等が挙げられる。

0064

このなかでも、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンが好ましい。異性化対象である1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを用いることにより、他のアミンを用いることなく、異性化反応を実施することが可能となり、得られる1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの精製がより簡便になる傾向にある。

0065

(アルデヒド)
アルデヒドとしては、特に限定されないが、例えば、一般的に入手可能であり、アルカリ金属等に対して不活性な官能基を持つ置換基を有する化合物が挙げられる。このようなアルデヒドとしては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(6)で表される脂肪族アルデヒド、下記一般式(7)で表される芳香族アルデヒド、及び、下記一般式(8)で表される芳香族アルデヒドからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。このような化合物を用いることにより、得られる異性体のトランス体率又はシス体率、及び、異性化収率がより向上する傾向にある。



(上記一般式(6)中、R22は、水素原子、置換又は無置換の脂肪族炭化水素基、及び、置換又は無置換の脂環族炭化水素基からなる群より選ばれる1価の置換基を示す。)



(上記一般式(7)中、R10’、R11’、R12’、R13’、及びR14’は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、及びアミノ基からなる群より選ばれる1価の基を示し、X1’は、単結合、又は炭素数1〜10の2価のアルキル基を示す。)



(上記一般式(8)中、R15’、R16’、R17’、R18’、R19’、R20’、及びR21’は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、及びアミノ基からなる群より選ばれる1価の基を示し、X2’は、単結合、又は炭素数1〜10の2価のアルキル基を示す。)

0066

上記アルデヒドとしては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、脂肪族アルデヒド、及び芳香族アルデヒドが挙げられる。このような化合物を用いることにより、得られる異性体のトランス体率又はシス体率、及び、異性化収率がより向上する傾向にある。アルデヒドは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよく、工業的にはプロセスを簡便にするために1種類を単独で用いることが好ましい。

0067

脂肪族アルデヒドとしては、特に限定されないが、例えば、アセトアルデヒドプロピオンアルデヒド、4−イソプロピルアルデヒド、イソブチルアルデヒドn−ブチルアルデヒドn−バレルアルデヒドイソバレルアルデヒド、ピバルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒドn−デシルアルデヒド、アクロレインメタクロレイン、2−メチルペンタナールクロトンアルデヒドシンナムアルデヒドフェニルアセトアルデヒド、p−メチルフェニルアセトアルデヒド、グリオキサールグルタルアルデヒドヒドロキシピバルアルデヒド、(+)−シトロネラール、及び(−)−シトロネラールが挙げられる。このなかでも、アセトアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、メタクロレイン、シンナムアルデヒド、及びグリオキサールからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。このような化合物を用いることにより、異性化収率がより向上する傾向にある。

0068

芳香族アルデヒドとしては、特に限定されないが、例えば、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、2−エチルベンズアルデヒド、3−エチルベンズアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒド、2−プロピルベンズアルデヒド、3−プロピルベンズアルデヒド、4−プロピルベンズアルデヒド、2−イソプロピルベンズアルデヒド、3−イソプロピルベンズアルデヒド、4−イソプロピルベンズアルデヒド、4−ビフェニルアルデヒド、2−ブチルベンズアルデヒド、3−ブチルベンズアルデヒド、4−ブチルベンズアルデヒド、2−ターシャリブチルベンズアルデヒド、3−ターシャリブチルベンズアルデヒド、4−ターシャリブチルベンズアルデヒド、2−フェニルベンズアルデヒド、3−フェニルベンズアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒド、2、3−ジメチルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,5−ジメチルベンズアルデヒド、2,6−ジメチルベンズアルデヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、3,5−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、3−メトキシベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、2−エトキシベンズアルデヒド、3−エトキシベンズアルデヒド、4−エトキシベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、及び3−ナフトアルデヒドが挙げられる。このなかでも、ベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒド、4−イソプロピルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド、4−イソブチルベンズアルデヒド、及び4−ビフェニルアルデヒドからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。このような化合物を用いることにより、得られる異性体のトランス体率又はシス体率、及び、異性化収率がより向上する傾向にある。

0069

アルデヒドの使用量は、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン1モルに対して、好ましくは0.001〜0.10モルであり、より好ましくは0.005〜0.05モルである。アルデヒドの使用量が上記範囲内であることにより、異性化反応がより速く円滑に進行し、また、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン同士の重合反応等の副反応が抑制でき、目的とする異性体の収率がより向上し、触媒費も低く抑えることができる傾向にある。

0070

(ケトン)
ケトンとしては、特に限定されないが、例えば、一般的に入手可能であり、アルカリ金属等に対して不活性な官能基を持つ置換基を有する化合物が挙げられる。このようなケトンとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ケトン芳香族ケトン脂肪族芳香族ケトン、及び環状ケトンからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。このような化合物を用いることにより、得られる異性体のトランス体率又はシス体率、及び、異性化収率がより向上する傾向にある。ケトンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよく、工業的にはプロセスを簡便にするために1種類を単独で用いることが好ましい。

0071

脂肪族ケトンとしては、特に限定されないが、例えば、アセトンメチルエチルケトンジエチルケトンメチルプロピルケトンメチルイソブチルケトンエチルプロピルケトン、エチルイソブチルケトン、及びジプロピルケトンが挙げられる。

0072

芳香族ケトンとしては、特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノンが挙げられる。

0073

脂肪族芳香族ケトンとしては、特に限定されないが、例えば、アセトフェノンが挙げられる。

0074

環状ケトンとしては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキサノンが挙げられる。

0075

このなかでも、ケトンが、メチルエチルケトン及びアセトフェノンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。このような化合物を用いることにより、異性化収率がより向上する傾向にある。

0076

ケトンの使用量は、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン1モルに対して、好ましくは0.001〜0.10モルであり、より好ましくは0.005〜0.05モルである。ケトンの使用量が上記範囲内であることにより、異性化反応がより速く円滑に進行し、また、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン同士の重合反応等の副反応が抑制でき、目的とする異性体の収率がより向上し、触媒費も低く抑えることができる傾向にある。

0077

〔アルカリ金属等〕
本実施形態の異性化方法においては、アルカリ金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属、及びアルカリ土類金属含有化合物からなる群より選ばれる1種以上の存在下で1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを異性化する。これらアルカリ金属等は、本実施形態の異性化方法において、異性化反応をより速やかに進行させることができる。これらアルカリ金属等は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。

0078

このなかでも、アルカリ金属等が、アルカリ金属、アルカリ金属水素化物及びアルカリ金属アミドからなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましく、金属ナトリウムナトリウムアミド、及び水素化ナトリウムからなる群より選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。このような物質を用いることにより、異性化収率がより向上する傾向にある。

0079

アルカリ金属としては、特に限定されないが、例えば、金属ナトリウム、金属リチウム、及び金属カリウムが挙げられる。

0080

アルカリ金属含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アミド、塩基性酸化物、及びアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。このような化合物を用いることにより、得られる異性体のトランス体率又はシス体率、及び、異性化収率がより向上する傾向にある。このなかでも、アルカリ金属水素化物及びアルカリ金属アミドからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。このなかで、アルカリ金属水素化物としては、特に限定されないが、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウム水素化カリウムリチウムアルミニウムハイドライド、及びナトリウムボロンハイドライドが挙げられる。また、アルカリ金属アミドとしては、特に限定されないが、例えば、ナトリウムアミド、リチウムアミドカリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドが挙げられる。さらに、塩基性酸化物としては、特に限定されないが、例えば、酸化リチウム酸化ナトリウム酸化カリウム酸化セシウム酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化ストロンチウム、及び酸化バリウムが挙げられる。また、アルカリ金属アルコキシドとしては、特に限定されないが、例えば、カリウム−tert−ブトキシドが挙げられる。

0081

アルカリ土類金属としては、特に限定されないが、例えば、金属マグネシウム、及び金属カルシウムが挙げられる。

0082

アルカリ土類金属含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ土類金属水素化物が挙げられる。アルカリ土類金属水素化物としては、特に限定されないが、例えば、水素化カルシウム、及び水素化マグネシウムが挙げられる。

0083

上記化合物の使用量は、特に限定されないが、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサン1モルに対して、好ましくは0.001〜0.10モルであり、より好ましくは0.005〜0.05モルである。上記化合物の使用量が上記範囲内にあることにより、異性化反応をより効率よく進行できる傾向にある。

0084

〔精製工程〕
本実施形態の異性化方法は、触媒成分を除去する触媒成分除去工程、低沸点成分を除去する低沸点成分除去工程、高沸点成分を除去する高沸点成分除去工程、及び1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性体を蒸留する異性体分離工程等の精製工程を有していてもよい。なお、ここで、「触媒成分」とは、具体的にはイミン化合物及びアルカリ金属等が挙げられる。また、「低沸点成分」とは、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性体よりも沸点の低い成分をいう。さらに、「高沸点成分」とは、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性体よりも沸点の高い成分をいう。

0085

なお、これら触媒成分除去工程、低沸点成分除去工程、高沸点成分除去工程、及び異性体分離工程は順不同で行うことができる。

0086

〔触媒成分除去工程〕
触媒成分除去工程は、異性化工程後において、反応混合物中に存在する触媒成分を除去する工程である。本実施形態の異性化方法が触媒成分除去工程を有することにより、精製工程において副反応が進行することをより抑制することができる。触媒の除去方法としては、特に限定されないが、例えば、薄膜蒸留を用いることができる。このとき分離される触媒成分は、不活性化して分離することも可能であり、また活性な状態で分離することも可能である。活性な状態で分離された触媒成分は異性化反応の触媒として再度使用することも可能である。

0087

〔低沸点成分除去工程〕
低沸点成分除去工程は、異性化工程において、及び/又は、異性化工程の後に、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性体よりも沸点の低い低沸点成分を除去する工程である。本実施形態の異性化方法が低沸点成分除去工程を有することにより、異性体の収率がより向上する傾向にある。低沸点成分の除去方法としては、特に限定されないが、例えば、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性体の沸点以下の蒸留温度で蒸留を行うことにより、反応混合物から低沸点成分を除去する方法が挙げられる。

0088

〔高沸点成分除去工程〕
高沸点成分除去工程は、異性化工程後において、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性体よりも沸点の高い高沸点成分を除去する工程である。高沸点成分の除去方法としては、特に限定されないが、例えば、下記異性体分離工程により、反応混合物から1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性体を蒸留により分離した後、反応混合物中に残存する高沸点成分を除去する方法が挙げられる。

0089

〔異性体分離工程〕
異性体分離工程は、異性化工程において、及び/又は、異性化工程の後に、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンのうちのトランス体とシス体とを蒸留により分離する工程である。本実施形態の異性化方法が異性体分離工程を有することにより、異性体の収率がより向上する傾向にある。

0090

このように、本実施形態の方法で得られる1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンの異性体は、蒸留等の一般的な方法で単離することができる。蒸留を行う際は、異性化後の1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを分離しながら異性化を実施することが好ましい。これにより平衡組成以上の高濃度の異性体を含有する1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを製造することができる。

0091

なお、蒸留温度等の蒸留条件は、目的とする異性体に応じて適宜調整することができる。

0092

以下、本実施形態の異性化方法を実施するための手段について記載をするが、本実施形態の異性化方法は以下に限定されない。

0093

第1の態様として、本実施形態の異性化方法は、反応器において、イミン化合物と、アルカリ金属等と、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンと、を混合することにより実施することができる。反応器は、該反応器を加熱するための加熱手段と、反応器内の混合物撹拌するための撹拌手段と、反応器内の混合物をバブリングするための気体供給手段と、を有していてもよい。

0094

また、反応器には、イミン化合物、アルカリ金属等、及び1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンをいずれの順序で添加してもよい。予めイミン化合物、アルカリ金属等、及び1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンのうち2種を混合したものを添加しても、イミン化合物、アルカリ金属等、又は1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンと溶媒を混合したものを添加してもよい。

0095

イミン化合物、アルカリ金属等、及び1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを添加するための添加手段は、反応器内にこれら化合物を一気に添加するものであっても、又は連続的に滴下するものであってもよい。

0096

反応器は、該反応器内の雰囲気を調整するために、給気手段及び排気手段が設けられていてもよい。また、反応器は、溶媒が還流するように構成されていてもよい。さらに、反応器は、バッチ反応用であっても連続反応用であってもよい。

0097

第2の態様として、1級アミンと、アルデヒド及び/又はケトンとを供給してイミン化合物を生成させる第1の反応器と、異性化反応を実施するための第2の反応器を用いてもよい。この場合、第2の反応器は、生成させたイミン化合物が供給されるよう第1の反応器と連通する。第1の反応器及び/又は第2の反応器は、反応系中から水を除く脱水手段(例えば、ディーンスターク装置、又は蒸留装置)を有していてもよい。なお、上記アミンとして1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンを用いた場合、第2の反応器に供給される原料はイミン化合物と1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンとを含みうる。その他の態様について第1の態様と同様の構成とすることができる。

0098

第3の態様として、イミン化合物と、アルカリ金属等と、1,3,3−トリメチル−1−(アミノメチル)アミノシクロヘキサンと、を混合する反応器と、該反応器と連通する蒸留器とを用いてもよい。この際、反応器と蒸留器が一体として構成されていてもよい。その他の態様について第1の態様と同様の構成とすることができる。

0099

以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に制約されるものではない。

0100

〔異性体組成〕
異性体組成(シス/トランス比率)は、Valian社製のキャピラリーカラムであるCP−Volamineを取り付けたガスクロマトグラフィーを用いて分析した。イソホロンジアミンはトランス体の方がシス体よりも低沸点であり、ガスクロマトグラフィーで先に検出される異性体がトランス体、後に検出される異性体がシス体である。シス体比率は、シス体の面積値/(シス体の面積値+トランス体の面積値)×100で、トランス体比率は100−シス体比率で算出を行った。

0101

〔異性化収率〕
異性化収率は、上記ガスクロマトグラフィー分析の内標法により算出した。
異性化収率(%)=(異性化反応後のイソホロンジアミン)/(異性化反応前のイソホロンジアミン)×100

0102

〔原料〕
4−メチルベンズアルデヒド、ナトリウムアミド、及びイソホロンジアミンは試薬として入手できるものを使用した。

0103

<実施例1>
500mLフラスコに、イソホロンジアミン(シス体:77.4%、トランス体:22.6%)200.8gと4−メチルベンズアルデヒド3.4gを測り取り、120℃で0.5時間撹拌した。撹拌後、8torr、130℃で減圧脱水を行った。脱水後、アルゴン雰囲気下でナトリウムアミド3.2gを添加し、常圧、120℃で4時間異性化反応を行った。4時間反応後の異性体比率はシス体:74.0%、トランス体:26.0%であった。また、4時間反応後の異性化収率は89%であった。異性体比率の経時変化について、図1に示した。

実施例

0104

<実施例2>
100mLフラスコに、イソホロンジアミン(シス体:90.9%、トランス体:9.1%)30.2gと4−メチルベンズアルデヒド0.52gを測り取り、120℃で0.5時間撹拌した。撹拌後、8torr、130℃で減圧脱水を行った。脱水後、アルゴン雰囲気下でナトリウムアミド0.59gを添加し、常圧、120℃で5時間異性化反応を行った。5時間反応後の異性体比率はシス体:83.4%、トランス体:16.6%であった。また、5時間反応後の異性化収率は88%であった。異性体比率の経時変化について、図1に示した。

0105

本発明の異性化方法により得られるイソホロンジアミンは、イソホロンジアミンを用いたエポキシ硬化剤、ポリウレタン等を用いたプラスチックレンズプリズム光ファイバー情報記録基板フィルター等の光学材料として産業上の利用可能性を有する。

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