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技術 結晶配向セラミックスおよびその製造方法、放熱材料

出願人 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所国立大学法人横浜国立大学
発明者 高橋拓実多々見純一杉本奈菜子
出願日 2016年3月4日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2017-503740
公開日 2018年1月11日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 WO2016-140359
状態 特許登録済
技術分野 セラミック製品 セラミック製品3 酸化物セラミックスの組成1
主要キーワード イオンスパッタ装置 酸化アルミニウムセラミックス 典型金属酸化物 磁化エネルギー 計算密度 反磁性体 磁気分極 窒化ケイ素セラミックス
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重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法は、磁化率の異方性を有する磁気異方性粒子(A)と、前記磁気異方性粒子(A)の1/10以下の磁化率の異方性を有し、配向させたい結晶軸短軸または長軸に相当する異方的な形状の無機化合物からなる種粒子(B)とからなる複合粒子(C)を形成する第1の工程と、前記複合粒子(C)を含む原料粉(D)を溶媒に加えて、前記原料粉(D)および前記溶媒を含むスラリーを調製する第2の工程と、前記スラリーを0.1テスラ(T)以上の静磁場中に配置して、前記種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させた状態で、前記スラリーを乾燥し、成形体成形する第3の工程と、前記成形体を焼結する第4の工程と、を有する。

概要

背景

近年、セラミックス結晶を一定の向きに配向させることにより、セラミックスに異方性を持たせたり、セラミックスの特性を大幅に向上させたりすることが検討されている。
結晶が一定の向きに配向したセラミックスを製造する方法としては、例えば、次の方法が知られている。α型アルミナ粒子溶媒とを混合してなるα型アルミナスラリーに1テスラ(T)以上、好ましくは3テスラ(T)以上の強磁場印加して、α型アルミナ粒子の磁化容易軸を磁場方向に配向させる。磁化容易軸とは、反磁性磁化率の小さい結晶軸、α型アルミナの場合はc軸のことである。その後、磁場方向にc軸配向したα型アルミナ粒子からなるα型アルミナ成形体を作製し、α型アルミナ成形体を焼結する。これにより、磁場方向にc軸配向したα型アルミナ粒子からなる配向性アルミナセラミックスを作製する。この方法によれば、α型アルミナ粒子が配向してなる任意形状の配向性アルミナセラミックスを容易に製造することができる。
このような磁場を用いた配向法では、磁場中に置かれた材料(粒子)に生じる磁化エネルギーの異方性が配向の駆動力となり、磁化エネルギーの異方性が熱振動エネルギーよりも大きい場合に、粒子の配向が可能となる。磁化エネルギーは、粒子体積に比例するため、大きい粒子ほど配向しやすい。

概要

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法は、磁化率の異方性を有する磁気異方性粒子(A)と、前記磁気異方性粒子(A)の1/10以下の磁化率の異方性を有し、配向させたい結晶軸が短軸または長軸に相当する異方的な形状の無機化合物からなる種粒子(B)とからなる複合粒子(C)を形成する第1の工程と、前記複合粒子(C)を含む原料粉(D)を溶媒に加えて、前記原料粉(D)および前記溶媒を含むスラリーを調製する第2の工程と、前記スラリーを0.1テスラ(T)以上の静磁場中に配置して、前記種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させた状態で、前記スラリーを乾燥し、成形体成形する第3の工程と、前記成形体を焼結する第4の工程と、を有する。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、静磁場かつ低磁場で結晶配向セラミックスを製造することができる結晶配向セラミックスおよびその製造方法、放熱材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

磁化率の異方性を有する磁気異方性粒子(A)と、前記磁気異方性粒子(A)の1/10以下の磁化率の異方性を有し、配向させたい結晶軸短軸または長軸に相当する異方的な形状の無機化合物からなる種粒子(B)とからなる複合粒子(C)を形成する第1の工程と、前記複合粒子(C)を含む原料粉(D)を溶媒に加えて、前記原料粉(D)および前記溶媒を含むスラリーを調製する第2の工程と、前記スラリーを0.1テスラ(T)以上の静磁場中に配置して、前記種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させた状態で、前記スラリーを乾燥し、成形体成形する第3の工程と、前記成形体を焼結する第4の工程と、を有することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。

請求項2

前記原料粉(D)が、前記種粒子(B)と化学組成が等しい粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。

請求項3

前記種粒子(B)は、平均粒子径が0.5μm以上、短軸径に対する長軸径の比(長軸径/短軸径)が1.6以上であることを特徴とする請求項1に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。

請求項4

前記磁気異方性粒子(A)は、平均粒子径が、前記種粒子(B)の平均粒子径の1/10以下であることを特徴とする請求項1に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。

請求項5

前記第1の工程において、前記種粒子(B)に対する前記磁気異方性粒子(A)の配合割合は、前記種粒子(B)の全量の0.1体積%以上であることを特徴とする請求項1に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。

請求項6

前記成形体を焼結することにより、セラミックス中の粒子が、前記種粒子(B)の長軸方向の結晶軸と同一方向に配向し、セラミックス中の粒子の、前記種粒子(B)の長軸方向と同一の結晶軸の配向度が0.2以上である結晶配向セラミックスを得ることを特徴とする請求項1に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法によって得られたことを特徴とする結晶配向セラミックス。

請求項8

粒子の長軸方向の結晶軸が一方向に配向した結晶配向セラミックスを含むことを特徴とする放熱材料

技術分野

0001

本発明は、結晶配向セラミックスおよびその製造方法、放熱材料に関する。
本願は、2015年3月5日に、日本に出願された特願2015−043862号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0002

近年、セラミックス結晶を一定の向きに配向させることにより、セラミックスに異方性を持たせたり、セラミックスの特性を大幅に向上させたりすることが検討されている。
結晶が一定の向きに配向したセラミックスを製造する方法としては、例えば、次の方法が知られている。α型アルミナ粒子溶媒とを混合してなるα型アルミナスラリーに1テスラ(T)以上、好ましくは3テスラ(T)以上の強磁場印加して、α型アルミナ粒子の磁化容易軸を磁場方向に配向させる。磁化容易軸とは、反磁性磁化率の小さい結晶軸、α型アルミナの場合はc軸のことである。その後、磁場方向にc軸配向したα型アルミナ粒子からなるα型アルミナ成形体を作製し、α型アルミナ成形体を焼結する。これにより、磁場方向にc軸配向したα型アルミナ粒子からなる配向性アルミナセラミックスを作製する。この方法によれば、α型アルミナ粒子が配向してなる任意形状の配向性アルミナセラミックスを容易に製造することができる。
このような磁場を用いた配向法では、磁場中に置かれた材料(粒子)に生じる磁化エネルギーの異方性が配向の駆動力となり、磁化エネルギーの異方性が熱振動エネルギーよりも大きい場合に、粒子の配向が可能となる。磁化エネルギーは、粒子体積に比例するため、大きい粒子ほど配向しやすい。

先行技術

0003

特開2002−53367号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1の方法では、1テスラ(T)以上の磁場で配向できるとされているが、アルミナを含む多くのセラミックス材料の反磁性磁化率の異方性は非常に小さい。そのため、特許文献1の方法では、磁気トルクが非常に小さく、配向に時間がかかりすぎることが課題であった。

0005

また、対象材料の配向させたい結晶軸が、磁化困難軸(反磁性磁化率が最も大きい結晶軸)である場合、静磁場では一方向に配向できない。磁化困難軸を配向させる場合、磁場を面で印加する回転磁場を用いる。しかしながら、回転磁場中にて、セラミックスを成形する場合、材料を磁場中で回転させながら成形する必要がある。そのため、この成形方法は、バッチ式であり、大量生産には不向きである。

0006

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、静磁場かつ低磁場で結晶配向セラミックスを製造することができる結晶配向セラミックスおよびその製造方法、放熱材料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法は、磁化率の異方性を有する磁気異方性粒子(A)と、前記磁気異方性粒子(A)の1/10以下の磁化率の異方性を有し、配向させたい結晶軸が短軸または長軸に相当する異方的な形状の無機化合物からなる種粒子(B)とからなる複合粒子(C)を形成する第1の工程と、前記複合粒子(C)を含む原料粉(D)を溶媒に加えて、前記原料粉(D)および前記溶媒を含むスラリーを調製する第2の工程と、前記スラリーを0.1テスラ(T)以上の静磁場中に配置して、前記種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させた状態で、前記スラリーを乾燥し、成形体を成形する第3の工程と、前記成形体を焼結する第4の工程と、を有することを特徴とする。

0008

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法では、前記原料粉(D)が、前記種粒子(B)と化学組成が等しい粒子を含むことが好ましい。

0009

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法では、前記種粒子(B)は、平均粒子径が0.5μm以上、短軸径に対する長軸径の比(長軸径/短軸径)が1.6以上であることが好ましい。

0010

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法では、前記磁気異方性粒子(A)は、平均粒子径が、前記種粒子(B)の短軸径の1/10以下であることが好ましい。

0011

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法では、前記第1の工程において、前記種粒子(B)に対する前記磁気異方性粒子(A)の配合割合は、前記種粒子(B)の全量の0.1体積%以上であることが好ましい。

0012

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法では、前記成形体を焼結することにより、セラミックス中の粒子が、前記種粒子(B)の長軸方向の結晶軸と同一方向に配向し、セラミックス中の粒子の、前記種粒子(B)の長軸方向と同一の結晶軸の配向度が0.2以上である結晶配向セラミックスを得ることが好ましい。

0013

本発明の結晶配向セラミックスは、本発明の結晶配向セラミックスの製造方法によって得られたことを特徴とする。

0014

本発明の放熱材料は、粒子の長軸方向の結晶軸が一方向に配向した結晶配向セラミックスを含むことを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明によれば、静磁場かつ低磁場を用いて、結晶軸が一方向に配向し、緻密な結晶配向セラミックスが得られる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法における複合粒子の一例を示し、柱状粒子(種粒子)の側面に磁気異方性粒子が付着した状態を示す模式図である。
本発明の結晶配向セラミックスの製造方法における複合粒子の他の例を示し、板状粒子(種粒子)の側面に磁気異方性粒子が付着した状態を示す模式図である。
種粒子や磁気異方性粒子を走査型電子顕微鏡で観察した画像データをもとにして、種粒子や磁気異方性粒子の粒子形状を線画で抽出した画像データを示す図である。
図3に示す画像データを、画像データを解析ソフトにて2値化した後、抽出した粒子を対象として、絶対最大長AB、パターン幅CDを計測する方法を説明する図である。
本発明の結晶配向セラミックスの製造方法において、種粒子と磁気異方性粒子とからなる複合粒子を静磁場中に配置したとき、静磁場の向きに沿って、種粒子の長軸方向の結晶軸が配向する様子の一例を示す模式図である。
本発明の結晶配向セラミックスの製造方法において、種粒子と磁気異方性粒子とからなる複合粒子を静磁場中に配置したとき、静磁場の向きに沿って、種粒子の長軸方向の結晶軸が配向する様子の他の例を示す模式図である。
本発明の結晶配向セラミックスの製造方法によって得られる結晶配向セラミックスの一実施形態を示し、板状の結晶配向セラミックスの厚み方向に沿う断面を示す模式図である。
実施例において、β窒化ケイ素粒子グラフェン粒子機械的処理前の状態を示す走査型電子顕微鏡像である。
β窒化ケイ素粒子とグラフェン粒子からなる、機械的処理後の複合粒子を示す走査型電子顕微鏡像である。
実施例1の窒化ケイ素セラミックスにおいて、前駆体である成形体を成形したときの磁場に対して垂直な面のX線回折パターンを示す図である。
実施例1の窒化ケイ素セラミックスの厚み方向と平行な断面を示す走査型電子顕微鏡像である。
比較例1の窒化ケイ素セラミックスにおいて、前駆体である成形体を成形したときの厚さ方向に対して平行な面のX線回折パターンを示す図である。
比較例2の窒化ケイ素セラミックスにおいて、前駆体である成形体を成形したときの磁場に対して垂直な面のX線回折パターンを示す図である。

0017

本発明の結晶配向セラミックスおよびその製造方法、放熱材料の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。

0018

[結晶配向セラミックスの製造方法]
本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法は、磁化率の異方性を有する磁気異方性粒子(A)と、前記磁気異方性粒子(A)の1/10以下の磁化率の異方性を有し、配向させたい結晶軸が短軸または長軸に相当する異方的な形状の無機化合物からなる種粒子(B)とからなる複合粒子(C)を形成する第1の工程と、前記複合粒子(C)を含む原料粉(D)を溶媒に加えて、前記原料粉(D)および前記溶媒を含むスラリーを調製する第2の工程と、前記スラリーを0.1テスラ(T)以上の静磁場中に配置して、前記種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させた状態で、前記スラリーを乾燥し、成形体を形成する第3の工程と、前記成形体を焼結する第4の工程と、を有する。

0019

「第1の工程」
第1の工程では、磁気異方性粒子(A)と種粒子(B)を粒子複合化装置内で予備混合した後、装置内のブレード高速で回転させることで、ブレードと容器壁の間の狭い隙間に入り込んだ磁気異方性粒子(A)と種粒子(B)の間に圧密せん断力を作用させる機械的処理により、磁気異方性粒子(A)と種粒子(B)からなる複合粒子を形成する。
第1の工程で得られる複合粒子(C)は、種粒子(B)の一次粒子と磁気異方性粒子(A)の一次粒子とからなる。

0020

第1の工程では、例えば、図1に示すように、柱状(図1では、六角柱状)の種粒子10の表面(主に側面10a)に、板状(図1では、六角板状)の磁気異方性粒子20を付着させて、種粒子10と、その表面に付着した磁気異方性粒子20とからなる複合粒子30を形成する。詳細には、種粒子10の側面10aに磁気異方性粒子20の表面(主に一面(厚み方向に対して垂直な面)20a)が接するように、種粒子10に対して磁気異方性粒子20を付着させる。

0021

また、第1の工程では、例えば、図2に示すように、板状(図2では、六角板状)の種粒子40の表面(主に一面(厚み方向に対して垂直な面)40a)に、板状(図2では、六角板状)の磁気異方性粒子50を付着させて、種粒子40と、その表面に付着した磁気異方性粒子50とからなる複合粒子50を形成する。詳細には、種粒子40の一面40aに磁気異方性粒子50の表面(主に一面(厚み方向に対して垂直な面)50a)が接するように、種粒子40に対して磁気異方性粒子50を付着させる。

0022

この他にも、溶液中で種粒子(B)の表面を改質して、化学的あるいは静電的に磁気異方性粒子(A)を複合化する手法や、スパッタ装置を用いて、種粒子(B)の表面に磁気異方性粒子(A)となる物質被覆させる手法などを用いることができる。

0023

種粒子(B)に対する磁気異方性粒子(A)の配合割合は、種粒子(B)の全量の0.1体積%以上であることが好ましく、1体積%以上であることがより好ましく、1体積%〜100体積%であることがさらに好ましい。
種粒子(B)に対する磁気異方性粒子(A)の配合割合が種粒子(B)の全量の0.1体積%以上であれば、本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によって得られる結晶配向セラミックスにおいて、種粒子(B)の長軸方向の結晶軸の配向度を0.2以上とすることができる。

0024

種粒子(B)は、本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によって得られる結晶配向セラミックスの原料となる粒子である。
種粒子(B)は、配向させたい結晶軸が短軸または長軸に相当する異方的な形状を有する粒子である。
種粒子(B)の形状としては、特に限定されないが、楕円球状、柱状、板状などが挙げられる。

0025

種粒子(B)としては、例えば、窒化ケイ素(Si3N4)、水酸化アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化ホウ素(BN)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、炭酸カルシウム(CaCO3)などの無機化合物の粒子が挙げられる。

0026

種粒子(B)は、レーザー回折法で測定した一次粒子を球状と仮定した場合の平均粒子径が0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm〜5.0μmであることがより好ましい。
種粒子(B)の平均粒子径を0.5μm以上とすることにより、本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によって得られる結晶配向セラミックスの結晶軸方向に沿うように、種粒子(B)の長軸を配向させることができる。

0027

種粒子(B)は、短軸径に対する長軸径の比(長軸径/短軸径)、すなわち、アスペクト比は、1.6以上であることが好ましい。
種粒子(B)のアスペクト比を1.6以上とすることにより、本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によって得られる結晶配向セラミックスの結晶軸方向に沿うように、種粒子(B)の長軸を配向させることができる。

0028

なお、種粒子(B)の形状が図1に示すような六角柱状である場合、種粒子10の短軸径は、種粒子10の六角形の底面(上面)10bの対角線の長さD1であり、種粒子10の長軸径は、種粒子10の長さ(高さ)L1である。また、種粒子(B)の形状が図2に示すような六角板状である場合、種粒子40の短軸径は、種粒子40の厚みT2であり、種粒子40の長軸径は、種粒子40の一面40aの対角線の長さD2である。

0029

種粒子(B)は、後述する磁気異方性粒子(A)の1/10以下の磁化率の異方性を有する。
種粒子(B)の磁化率の異方性が、磁気異方性粒子(A)の1/10以下であることにより、磁気異方性粒子(A)と種粒子(B)からなる複合粒子(C)に、磁場による磁気力を印加したときに、主に磁気異方性粒子(A)に対して磁気力が作用するようにすることができる。これにより、印加した磁場による磁気力で種粒子(B)(複合粒子(C))を回転させることができる。
磁化率とは、外部磁場を印加したときの磁気分極の起こりやすさを表わす物性値である。また、磁化率の異方性とは、異方性結晶において、各結晶軸方向間の磁化率の大きさが異なることである。

0030

磁気異方性粒子(A)は、印加した磁場による磁気力で種粒子(B)を回転させる役割を担うものである。磁気異方性粒子(A)は、磁化率の絶対値とその異方性が、種粒子(B)よりも大きい粒子である。

0031

本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法では、磁気異方性粒子(A)の磁化率の異方性が、20(×10−9emu/g)以上であることが好ましい。
磁気異方性粒子(A)の磁化率の異方性が、20(×10−9emu/g)以上であることにより、公知の範囲における無機材料の反磁性磁化率の異方性と比べて10倍以上の大きさとなる。一方、磁気異方性粒子(A)の磁化率の異方性が、20(×10−9emu/g)未満であることにより、公知の範囲における一部の無機材料では、反磁性磁化率の異方性の差が小さく、配向に十分な磁気トルクが得られない場合が想定される。

0032

磁気異方性粒子(A)としては、例えば、グラフェン粒子、グラファイト粒子カーボンナノチューブチオフェン粒子、シリセン粒子、硫酸カルシウム二水和物粒子などが挙げられる。ただし、複合粒子(C)を含む成形体の焼結前に容易に除去可能か、あるいは、その成形体の焼結時に緻密化を阻害しない物質でなければならない。

0033

なお、磁気異方性粒子(A)の形状が図1に示すような六角板状である場合、磁気異方性粒子20の短軸径は、磁気異方性粒子20の厚みt1であり、磁気異方性粒子20の長軸径は、磁気異方性粒子20の一面20aの対角線の長さd1である。また、磁気異方性粒子(A)の形状が図2に示すような六角板状である場合、磁気異方性粒子50の短軸径は、磁気異方性粒子50の厚みt2であり、磁気異方性粒子50の長軸径は、磁気異方性粒子50の一面50aの対角線の長さd2である。

0034

磁気異方性粒子(A)は、平均粒子径が、種粒子(B)の平均粒子径よりも小さいことが好ましく、種粒子(B)の平均粒子径の1/10以下であることが好ましい。
なお、種粒子(B)や磁気異方性粒子(A)の粒子径は、以下のようにして求める。
走査型電子顕微鏡で観察した画像データをもとにして、図3に示すように、粒子形状を線画で抽出した画像データを作成する。
この画像データを解析ソフト(デジタル・ビーイング・キッズ社製のPopImaging)にて2値化した後、抽出した全粒子を対象として、図4に示す絶対最大長AB、パターン幅CDを計測する。絶対最大長ABは、パターン領域の輪郭線上の任意の2点間の距離の最大値である。パターン幅CDは、絶対最大長ABの方向にパターン領域をはさむ2直線間の距離である、アスペクト比は、パターン幅CDに対する絶対最大長ABの比(AB/CD)である。粒子の測定数は100個以上とする。このうち、全粒子のアスペクト比AB/CDのなかで、上位10%の粒子に対して絶対最大長ABの平均値を粒子の長軸径、パターン幅CDの平均値を粒子の短軸径とする。

0035

「第2の工程」
第2の工程では、第1の工程で形成した複合粒子(C)を含む原料粉(D)を溶媒に加えて、原料粉(D)および溶媒を含むスラリーを調製する。
原料粉(D)は、第1の工程で用いた種粒子(B)と化学組成が等しい粒子(種粒子粉)を含んでいてもよい。

0036

第2の工程では、詳細には、複合粒子(C)を含む原料粉(D)と溶媒を、マグネチックスターラー攪拌翼などの攪拌装置攪拌、混合し、さらに、超音波ホモジナイザーなどの超音波発生装置によるキャビテーション超音波照射により、液中気泡が発生する現象)や、ボールミルビーズミルを用いた機械的処理を利用することによって、溶媒に、原料粉(D)を分散させて、スラリーを調製する。

0037

これにより、上述のように、原料粉(D)が複合粒子(C)と種粒子粉を含む場合、種粒子粉に含まれる粒子の二次粒子がばらばらになり、複合粒子(C)と種粒子(B)の一次粒子として溶媒に分散する。なお、複合粒子(C)を構成している種粒子(B)と磁気異方性粒子(A)は強固に付着しているため、上述のような分散処理によって、複合粒子(C)を構成している種粒子(B)と磁気異方性粒子(A)が分離することはなく、磁場による磁気力を印加したときに、その磁気力で容易に所定の向きに配向させることができる。

0038

このとき、必要に応じて、原料粉(D)に焼結助剤を添加してもよい。

0039

なお、本実施形態では、原料粉(D)および溶媒に超音波による振動を加える場合を例示したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。本実施形態にあっては、超音波以外の手段を用いて、原料粉(D)および溶媒を分散させてもよい。

0040

原料粉(D)と溶媒を攪拌することと、原料粉(D)および溶媒に超音波による振動を加える(超音波処理)こととは、繰り返して行われるが、超音波処理時間は、5分以上であることが好ましく、25分〜30分であることがより好ましい。
超音波処理時間を上記の範囲内とすることにより、原料粉(D)に含まれる粒子の二次粒子をばらばらにして、複合粒子(C)同士の凝集体解砕するとともに、種粒子の一次粒子とすることができる。

0041

溶媒としては、主に水や、キシレントルエンエタノールなどの有機溶媒が用いられる。

0042

焼結助剤としては、一般的にセラミックスの焼結に用いられるものが挙げられる。
種粒子(B)が窒化ケイ素である場合、焼結助剤としては、酸化イットリウムなどの希土類酸化物酸化ハフニウムなどの遷移金属酸化物、酸化アルミニウムを除く酸化マグネシウム二酸化ケイ素などの典型金属酸化物が用いられる。
焼結助剤は、種粒子(B)の結晶粒成長を促し、結晶配向セラミックスの相対密度を高くするために用いられる。また、これらの焼結助剤は、種粒子(B)に固溶しない。

0043

また、スラリーの調製では、必要に応じて、溶媒に分散剤を添加してもよい。
分散剤としては、ポリカルボン酸ポリアクリル酸ポリエチレンイミン高級脂肪酸エステルなどが用いられる。

0044

複合粒子(C)を構成する種粒子(B)がβ窒化ケイ素である場合、β窒化ケイ素と、α窒化ケイ素からなる種粒子粉と、焼結助剤との配合割合は、複合粒子(C)(β窒化ケイ素):種粒子粉(α窒化ケイ素):酸化ハフニウム(焼結助剤):酸化イットリウム(焼結助剤):二酸化ケイ素(焼結助剤)=0.1質量%〜10質量%:82質量%〜87質量%:2.5質量%〜10質量%:2.5質量%〜5質量%:0.2質量%〜1.0質量%、または、複合粒子(C)(β窒化ケイ素):種粒子粉(α窒化ケイ素):酸化イットリウム(焼結助剤):酸化マグネシウム(焼結助剤)=0.1質量%〜10質量%:82質量%〜95質量%:1質量%〜10質量%:1質量%〜10質量%であることが好ましい。
複合粒子(C)と、種粒子粉と、焼結助剤との配合割合を上記の範囲内とすることにより、複合粒子(C)の長軸方向を一方向に配向させることができ、結果として、相対密度が高い結晶配向セラミックスが得られる。

0045

また、原料粉(D)と溶媒との配合割合は、原料粉(D):溶媒=10体積%〜30体積%:70体積%〜90体積%であることが好ましい。
原料粉(D)と溶媒との配合割合を上記の範囲内とすることにより、原料粉(D)に含まれる複合粒子(C)と種粒子粉を溶媒に分散することができる。

0046

さらに、複合粒子(C)と種粒子粉を含む原料粉(D)に対する分散剤の添加量は、原料粉(D)100質量%に対して、0.5質量%〜3.0質量%であることが好ましい。

0047

「第3の工程」
第3の工程では、第2の工程で調製したスラリーを0.1テスラ(T)以上の静磁場中に配置して、種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させた状態で、スラリーを乾燥し、成形体を成形する。

0048

第3の工程では、例えば、第2の工程で調製したスラリーを成形用の型に容れて、0.1テスラ(T)以上の静磁場中で、複合粒子(C)を構成する種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させた状態で、スラリーを乾燥し、複合粒子(C)を含む成形体を形成する。
このとき、静磁場の向きを、例えば、成形用の型の一方向(幅方向、長さ方向、高さ方向など)とする。

0049

また、スラリーを乾燥して成形体を成形するとともに、静磁場により、例えば、スラリーに含まれる複合粒子(C)を構成する種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を成形用の型の一方向に配向させる。
なお、成形用の型に対する静磁場の方向を変えることにより、複合粒子(C)を構成する種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を任意の方向に設定することができる。

0050

また、第3の工程では、例えば、第2の工程で調製したスラリーを基板の一面に塗布して塗膜を形成し、0.1テスラ(T)以上の静磁場中で、複合粒子(C)を構成する種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させた状態で、スラリーからなる塗膜を乾燥し、複合粒子(C)を含む薄膜(成形体)を形成する。
このとき、静磁場の向きを、例えば、基板の一方向(基板の一面に沿う方向、基板の厚み方向など)とする。

0051

また、スラリーを乾燥して薄膜(成形体)を形成するとともに、静磁場により、例えば、スラリーに含まれる複合粒子(C)を構成する種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を成形用の型の一方向に配向させる。
なお、基板に対する静磁場の方向を変えることにより、複合粒子(C)を構成する種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を任意の方向に設定することができる。

0052

第3の工程では、例えば、図5に示すように、柱状の種粒子10と板状の磁気異方性粒子20とからなる複合粒子30を含むスラリーを静磁場中に配置して、複合粒子30に、静磁場による磁気力を印加することにより、磁気異方性粒子20に対して磁気力が作用する。すると、図5の(A)に示す静磁場による磁気力を印加していない状態では、種粒子10の向きがばらばらであったが、図5の(B)に示す静磁場による磁気力を印加した状態では、矢印で示す静磁場の向き70に沿って、種粒子10の長軸方向の結晶軸が配向する。
この例では、種粒子10の長さ(長軸径)L1が配向させたい結晶軸方向に相当し、磁気異方性粒子20の磁化困難軸は、その厚み(短軸径)t1に相当する。したがって、図5に示すような複合粒子30を形成すれば、磁気異方性粒子20の厚み(短軸径)t1が静磁場の向き70に対して垂直方向で安定化するので、種粒子10の長軸方向の結晶軸が静磁場の向き70と平行方向に配向する。これにより、静磁場の向き70に沿って、複合粒子30の長軸方向が配向する。なお、磁化困難軸とは、外部磁場印加によって磁気分極する際、磁場に対して反発する結晶軸である。例えば、反磁性体の場合、反磁性磁化率の絶対値が大きい結晶軸である。

0053

また、第3の工程では、例えば、図6に示すように、板状の種粒子40と板状の磁気異方性粒子50とからなる複合粒子60を含むスラリーを静磁場中に配置して、複合粒子60に、静磁場による磁気力を印加することにより、磁気異方性粒子50に対して磁気力が作用する。すると、図6の(A)に示す静磁場による磁気力を印加していない状態では、種粒子40の向きがばらばらであったが、図6の(B)に示す静磁場による磁気力を印加した状態では、矢印で示す静磁場の向き80に沿って、種粒子40の長軸方向の結晶軸が配向する。
この例では、種粒子40の厚み(短軸径)T2が配向させたい結晶軸方向に相当し、磁気異方性粒子50の磁化困難軸は、その厚み(短軸径)t2に相当する。したがって、図6に示すような複合粒子60を形成すれば、磁気異方性粒子50の厚み(短軸径)t2が静磁場の向き80に対して垂直方向で安定化するので、種粒子40の長軸方向の結晶軸が静磁場の向き80と平行方向に配向する。これにより、静磁場の向き80に沿って、複合粒子60の長軸方向が配向する。

0054

静磁場を発生する磁石としては、例えば、ネオジム磁石などの永久磁石が用いられる。

0055

第3の工程において、静磁場の強さは、0.1テスラ(T)以上であり、0.5テスラ(T)以上であることが好ましい。
静磁場の強さを上記の範囲とすることにより、スラリーに含まれる複合粒子(C)を構成する種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させることができる。

0056

また、第3の工程において、スラリーを乾燥する温度は、15℃〜30℃であることが好ましく、15℃〜20℃であることがより好ましい。
また、スラリーを乾燥する時間は、20分以上であることが好ましく、1時間以上であることがより好ましい。
スラリーを乾燥する温度および時間を上記の範囲内とすることにより、静磁場により、スラリーに含まれる複合粒子(C)を構成する種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を、例えば、成形用の型の一方向に配向させながら、型の形状に沿った形状をなす成形体を成形することができる。なお、得られた成形体では、複合粒子(C)を構成する種粒子(B)の長軸方向の結晶軸を成形用の型の一方向(例えば、成形体の厚み方向)に配向した状態が維持される。

0057

「第4の工程」
第4の工程では、第3の工程で成形した成形体を焼結する。これにより、結晶配向セラミックスが得られる。

0058

第4の工程では、例えば、第3の工程で成形した成形体を型から離型し、その成形体を焼結し、異方的な形状の無機化合物の種粒子(B)の長軸方向の結晶軸が一方向、例えば、厚み方向に配向した板状の結晶配向セラミックス(焼結体)を得る。
また、第4の工程では、例えば、第3の工程で基板の一面に形成した薄膜(成形体)を焼結し、基板上において、異方的な形状の無機化合物の種粒子(B)の長軸方向の結晶軸が一方向、例えば、厚み方向に配向した薄膜状の結晶配向セラミックス(焼結体)を得る。

0059

第4の工程では、例えば、種粒子(B)が窒化ケイ素である場合、ガス圧焼結法により、成形体を焼結することが好ましい。また、ガス圧焼結法による成形体の焼結は、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。成形体の焼結を窒素雰囲気下で行うことにより、単結晶の種粒子(B)の粒成長を促すことができる。

0060

第4の工程では、成形体の焼結温度は、例えば、種粒子(B)が窒化ケイ素である場合、1850℃〜1950℃であることが好ましい。
成形体を焼結する時間は、例えば、0.5時間〜60時間であることが好ましい。
窒素雰囲気の圧力は、例えば、種粒子(B)が窒化ケイ素である場合、0.2MPa〜10MPaであることが好ましい。
成形体の焼結温度、焼結時間、および、窒素雰囲気の圧力を、例えば、上記の範囲内とすることにより、上記のように、種粒子(B)のアスペクト比が1.6以上であり、種粒子(B)の長軸方向の結晶軸が一方向、例えば、厚み方向に配向した板状の結晶配向セラミックス(焼結体)が得られる。

0061

第4の工程では、第3の工程で成形した成形体を焼結することにより、スラリーに含まれていた、アスペクト比が1.6以上の種粒子(B)の一次粒子が成長して、アスペクト比が1.6以上の種粒子(B)となり、この種粒子(B)が多数密集して、緻密な構造をなす結晶配向セラミックスとなる。

0062

なお、スラリーに含まれていた、複合粒子(C)を構成するグラフェン粒子などからなる磁気異方性粒子(A)は、第4の工程の前に、分散剤などの有機添加物を除去する脱脂過程において、成形体を700℃〜1000℃で熱処理することにより、完全に消失する。したがって、得られた結晶配向セラミックスは、異方的な形状の無機化合物の種粒子(B)のみから構成される。

0063

本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によれば、配向させたい結晶軸が短軸または長軸に相当する異方的な形状の無機化合物の種粒子(B)の長軸方向の結晶軸が一方向に配向し、かつ相対密度が高い、緻密な結晶配向セラミックスを製造することができる。本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によって得られた結晶配向セラミックスは、例えば、種粒子(B)が窒化ケイ素である場合、種粒子(B)の長軸方向の結晶軸(c軸)が配向する方向における熱伝導率が高い。

0064

[結晶配向セラミックス]
図7は、本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によって得られる結晶配向セラミックスの一実施形態を示し、板状の結晶配向セラミックスの厚み方向に沿う断面を示す模式図である。
本実施形態の結晶配向セラミックス100は、上述の実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によって製造され、図7に示すように、多数の異方的な形状の粒子101を含んでなる基板102である。結晶配向セラミックス100は、多数の粒子101が、上記の種粒子(B)の長軸方向の結晶軸と同一方向、例えば、基板102の厚み方向と垂直な方向(図7における紙面の左右方向)に配向している構造を有するものである。

0065

なお、図7では、粒子101としては、結晶軸方向が長軸となる異方的な形状、例えば、柱状をなす粒子を示す。
結晶配向セラミックス100は、上述のように、配向させたい結晶軸が短軸または長軸に相当する異方的な形状の無機化合物からなる種粒子(B)を含む原料粉を焼結してなる焼結体である。

0066

なお、図7に示す断面図において、多数の長方形状(柱状)の物体は全て、柱状の粒子101を示す。すなわち、結晶配向セラミックス100は、多数の粒子101が密集してなるものである。そして、多数の粒子101の長軸方向の結晶軸は、例えば、基板102の厚み方向と垂直な方向に配向している。多数の粒子101の長軸方向の結晶軸が基板102の厚み方向と垂直な方向に配向しているとは、多数の粒子101の長軸方向の結晶軸が基板102の厚み方向と垂直な方向に沿って揃っていることを言う。

0067

なお、本実施形態の結晶配向セラミックス100は、上述の実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によって製造されたものであるから、多数の粒子101の長軸方向の結晶軸が、基板102の厚み方向と垂直な方向に配向していることは、磁場の印加方向が基板102の厚み方向と垂直な方向(図7において、矢印αで示す方向)であることを示す。

0068

粒子101の、上述の種粒子(B)の長軸方向と同一の結晶軸の配向度は、0.2以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
粒子101の種粒子(B)の長軸方向と同一の結晶軸の配向度が上記の範囲内であれば、結晶配向セラミックス100は、例えば、粒子101を窒化ケイ素とした場合、粒子101の長軸方向の結晶軸は窒化ケイ素のc軸方向となり、基板102の厚み方向と垂直な方向に熱伝導率が高いものとなる。なお、粒子101を窒化ケイ素とした場合、粒子101の長軸方向の結晶軸が、基板102の厚み方向と垂直な方向とは異なる方向に配向している場合、結晶配向セラミックス100は、その方向に熱伝導率が高いものとなる。
なお、粒子101の長軸方向の結晶軸の配向度が1の場合、全ての粒子101の長軸方向の結晶軸が、例えば、基板102の厚み方向と垂直な方向に配向していることになるため、配向度が1に近いことが好ましい。

0069

粒子101の長軸方向の結晶軸の配向度は、X線回折(X−ray diffraction、XRD)によって得られたピーク強度の比によって算出されるものである。詳細には、下記の式(1)で示されるLotgering法により、Lotgering Factorを求めた。

0070

0071

上記の式(1)におけるρ0は、配向していないセラミックスにおいて、回折X線の2θ範囲が20.0度から70.0度の間に出現した全回折反射の強度の合計と、回折面指数が002の回折反射の強度とを用いて、下記の式(2)によって求められる。

0072

0073

上記の式(2)におけるΣI0(hkl)は、2θ範囲が20.0度から70.0度の間に出現した全回折反射の強度の合計を表し、上記の式(2)におけるΣI0(00l)は、回折面指数が002の回折反射の強度を表す。
また、上記の式(1)におけるρは、結晶配向セラミックス40において、回折X線の2θ範囲が20.0度から70.0度の間に出現した全回折反射の強度の合計と、回折面指数が002の回折反射の強度とを用いて、下記の式(3)によって求められる。

0074

0075

上記の式(3)におけるΣI(hkl)は、2θ範囲が20.0度から70.0度の間に出現した全回折反射の強度の合計を表し、上記の式(3)におけるΣI(00l)は回折面指数が002の回折反射の強度を表す。

0076

また、上述の結晶配向セラミックスの製造方法において、原料の組成から求めた計算密度真密度としたとき、配向させたい結晶軸が短軸または長軸に相当する異方的な形状の無機化合物からなる粒子101を含む原料粉の焼結体である結晶配向セラミックス100の相対密度は、99%以上である。すなわち、結晶配向セラミックス100は緻密な構造をなしている。
焼結体の相対密度は、アルキメデス法(JIS Z 8807)により測定する。測定溶媒としては、蒸留水を用いる。

0077

配向させたい結晶軸が短軸または長軸に相当する異方的な形状の粒子101を構成する無機化合物としては、例えば、窒化ケイ素(Si3N4)、水酸化アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化ホウ素(BN)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、炭酸カルシウム(CaCO3)などが挙げられる。

0078

このような構成の結晶配向セラミックス100は、粒子101を窒化ケイ素とした場合、粒子101のc軸方向の配向する方向における熱伝導率、例えば、基板102の厚み方向と垂直な方向における熱伝導率が100W/mK以上であり、基板102の厚み方向と垂直な方向において熱伝導率が高くなる。したがって、結晶配向セラミックス100を、例えば、炭化ケイ素半導体放熱基板として使用した場合、炭化ケイ素半導体が発生する熱を効率的に放出(放熱)することができる。ゆえに、例えば、炭化ケイ素半導体と、結晶配向セラミックス100と、を備えた半導体素子は、放熱効率に優れたものとなる。
また、結晶配向セラミックス100は、粒子101の長軸方向の結晶軸が基板102の厚み方向と垂直な方向に配向しているので、厚み方向において、機械的強度が高くなっている。

0079

[半導体素子]
本実施形態の半導体素子は、本実施形態の結晶配向セラミックスを備えてなる。これにより、本実施形態の半導体素子は、結晶配向セラミックスを構成する粒子の長軸方向において熱伝導率が高くなっている。
本実施形態の半導体素子は、例えば、炭化ケイ素半導体と、放熱基板として用いられる、本実施形態の結晶配向セラミックスと、を備えてなる。本実施形態の結晶配向セラミックスを、炭化ケイ素半導体の放熱基板として使用した場合、炭化ケイ素半導体が発生する熱を効率的に放出(放熱)することができる。ゆえに、炭化ケイ素半導体と、本実施形態の結晶配向セラミックスと、を備えた半導体素子は、放熱効率に優れたものとなる。

0080

[放熱材料]
本実施形態の放熱材料は、粒子の長軸方向の結晶軸が一方向に配向した結晶配向セラミックスを含む。これにより、本実施形態の放熱材料は、結晶配向セラミックスを構成する粒子の長軸方向において熱伝導率が高くなっている。そのため、本実施形態の放熱材料は、装置等における発熱する部分に接するように配置した場合、その装置が発生する熱を効率的に放出(放熱)することができる。ゆえに、本実施形態の放熱材料を適用した装置等は、放熱効率に優れたものとなる。

0081

以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0082

「実施例1」
(窒化ケイ素セラミックスの作製)
β窒化ケイ素粒子と多層グラフェン粒子を、粉体の全体積が20mLになるように粒子複合化装置内に投入した。次いで、これらの粒子に対して、回転による圧密せん断力が作用されるために、粒子複合化装置のモーターの出力を600Wとし、10分間機械的処理をして、β窒化ケイ素粒子の表面に多層グラフェン粒子を付着させて、β窒化ケイ素粒子と多層グラフェン粒子からなる複合粒子を作製した。
なお、β窒化ケイ素粒子の磁化率の異方性は10(×10−9emu/g)未満であり、多層グラフェン粒子の磁化率の異方性は20000(×10−9emu/g)であり、β窒化ケイ素粒子の磁化率の異方性は、多層グラフェン粒子の磁化率の異方性の1/2000であった。
次いで、前記の複合粒子、α窒化ケイ素粒子および焼結助剤を含む原料粉を、分散剤を含む純水に加えて、原料粉と純水をマグネチックスターラーで攪拌、混合しながら、原料粉および純水に、超音波ホモジナイザーから発する超音波による振動を加え、純水に原料粉を分散させ、複合粒子、α窒化ケイ素粒子、焼結助剤および純水を含むスラリーを調製した。原料粉と純水の攪拌、並びに、原料粉および純水に対する超音波による振動の印加を30分間行った。
β窒化ケイ素粒子としては、α窒化ケイ素、酸化イットリウムおよび酸化マグネシウムを含む原料粉をボールミルで混合した後、その混合粉多孔質窒化ホウ素製るつぼ内に充填して、1600℃にて1時間保持した後、1900℃にて2時間保持することにより作製したものを用いた。
α窒化ケイ素粒子としては、宇部興産社製のSN−E10を用いた。
グラフェン粒子としては、イーエムジャパン社製のG−13Lを用いた。
焼結助剤として、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、二酸化ケイ素を用いた。
分散剤として、ポリエチレンイミン(数平均分子量=10000)を用いた。
複合粒子と、α窒化ケイ素粒子と、酸化ハフニウムと、酸化イットリウムと、二酸化ケイ素との配合割合を、複合粒子:α窒化ケイ素粒子:酸化ハフニウム:酸化イットリウム:二酸化ケイ素=10質量%:82質量%:5質量%:2.5質量%:0.5質量%とした。
また、原料粉(複合粒子、α窒化ケイ素粒子、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、二酸化ケイ素)100質量%に対するポリエチレンイミンの添加量を1.5質量%とした。

0083

次いで、上記のように調製したスラリー4mLを、深さ2.5cm、内径2.5cmの円筒形状の成形用の型に容れて、静磁場中で複合粒子を構成する種粒子の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させるとともに、スラリーを自然乾燥し、上記の複合粒子、α窒化ケイ素粒子および焼結助剤を含む成形体を成形した。
なお、静磁場の印加には、ネオジム磁石を用い、静磁場の強さ(磁束密度)を、1テスラ(T)とした。また、静磁場の向きを、成形用の型の深さ方向とした。また、スラリーの乾燥時間を12時間とした。

0084

次いで、上記のように成形した成形体を型から離型し、250℃で3時間加熱した後、700℃で3時間加熱することにより、成形体を脱脂した。

0085

次いで、脱脂した成形体を、窒素雰囲気下、その成形体をガス圧焼結法により焼結して、厚み0.2cm、直径2cmの円盤状の窒化ケイ素セラミックス(焼結体)を得た。
なお、ガス圧焼結法による成形体の焼結温度の最高温度を1900℃、最高温度の保持時間を6時間、窒素雰囲気の圧力を0.9MPaとした。

0086

「評価」
(複合粒子の観察)
実施例における複合粒子の粒子形態を走査型電子顕微鏡(SEM商品名:JSM−6390LV、日本電子社製)で観察した。結果を図8(A)、図8(B)に示す。図8(A)は、β窒化ケイ素粒子とグラフェン粒子の機械的処理前の状態を示す。図8(B)は、β窒化ケイ素粒子とグラフェン粒子からなる、機械的処理後の複合粒子を示す。

0087

(配向度の測定)
粉末X線回折装置(商品名:MultiFlex 2kW、Rigaku製)を用い、測定角度(2θ)範囲を20°〜70°、測定面を、成形体を成形したときの磁場に対して垂直な面とし、Lotgering法により、実施例1の窒化ケイ素セラミックスの配向度を測定した。結果を表1および図9に示す。
その結果、実施例1の窒化ケイ素セラミックスにおける、磁場に対して垂直な面のc軸配向度は0.35であった。この結果から、窒化ケイ素粒子とグラフェン粒子を複合化した複合粒子を用いることにより、磁束密度が1テスラ(T)の静磁場中でスラリーを乾燥しても、窒化ケイ素粒子のc軸方向が、印加した磁場の方向に対して平行方向に配向した板状の窒化ケイ素セラミックスが得られていることが確認された。

0088

(窒化ケイ素セラミックスの微細構造の観察)
上記の走査型電子顕微鏡を用いて、実施例1の窒化ケイ素セラミックスの微細構造を観察した。ここでは、窒化ケイ素セラミックスの観察面鏡面研磨し、その観察面をプラズマエッチングした後、イオンスパッタ装置(商品名:JFC−1100、日本電子社製)を用いて、その観察面にAuコーティングを施したものを試料とした。
図10は、実施例1の窒化ケイ素セラミックスの厚み方向と平行な断面を示す走査型電子顕微鏡像である。
図10の走査型電子顕微鏡像から、実施例1の窒化ケイ素セラミックスは、磁場に対して垂直な面(厚み方向と平行な断面)では、c軸方向に成長し、かつ、大きさ粒径が所定の範囲内にある柱状の窒化ケイ素粒子が緻密に整列している様子が観察された。
以上の結果から、窒化ケイ素粒子とグラフェン粒子を複合化した複合粒子を用いることにより、磁束密度が1テスラ(T)の静磁場中でスラリーを乾燥しても、窒化ケイ素粒子のc軸方向が、印加した磁場の方向に対して平行方向に配向した板状の窒化ケイ素セラミックスが得られていることが確認された。

0089

「実施例2」
(窒化ケイ素セラミックスの作製)
実施例1と同様に調製したスラリー4mLを、深さ2.5cm、内径2.5cmの円筒形状の成形用の型に容れて、磁束密度が0.4テスラ(T)の静磁場中で複合粒子を構成する種粒子の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させるとともに、スラリーを自然乾燥し、上記の複合粒子、α窒化ケイ素粒子および焼結助剤を含む成形体を成形した。
その後、実施例1と同様にして、厚み0.2cm、直径2cmの円盤状の窒化ケイ素セラミックス(焼結体)を得た。

0090

(配向度の測定)
実施例1と同様にして、実施例2の窒化ケイ素セラミックスの配向度を測定した。結果を表1に示す。
その結果、実施例2の窒化ケイ素セラミックスにおける、磁場に対して垂直な面のc軸配向度は0.23であった。この結果から、窒化ケイ素粒子とグラフェン粒子を複合化した複合粒子を用いることにより、磁束密度が0.4テスラ(T)の静磁場中でスラリーを乾燥しても、窒化ケイ素粒子のc軸方向が、印加した磁場の方向に対して平行方向に配向した板状の窒化ケイ素セラミックスが得られていることが確認された。

0091

「実施例3」
(窒化ケイ素セラミックスの作製)
実施例1と同様に調製したスラリー4mLを、深さ2.5cm、内径2.5cmの円筒形状の成形用の型に容れて、磁束密度が2テスラ(T)静磁場中で複合粒子を構成する種粒子の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させるとともに、スラリーを自然乾燥し、上記の複合粒子、α窒化ケイ素粒子および焼結助剤を含む成形体を成形した。
その後、実施例1と同様にして、厚み0.2cm、直径2cmの円盤状の窒化ケイ素セラミックス(焼結体)を得た。

0092

(配向度の測定)
実施例1と同様にして、実施例3の窒化ケイ素セラミックスの配向度を測定した。結果を表1に示す。
その結果、実施例3の窒化ケイ素セラミックスにおける、磁場に対して垂直な面のc軸配向度は0.23であった。この結果から、窒化ケイ素粒子とグラフェン粒子を複合化した複合粒子を用いることにより、磁束密度が2テスラ(T)の静磁場中でスラリーを乾燥しても、窒化ケイ素粒子のc軸方向が、印加した磁場の方向に対して平行方向に配向した板状の窒化ケイ素セラミックスが得られていることが確認された。

0093

「実施例4」
酸化アルミニウムセラミックスの作製)
アルミナファイバー粒子と硫酸カルシウム二水和物粒子を、粉体の全体積が20mLになるように粒子複合化装置内に投入した。次いで、これらの粒子に対して、回転による圧密せん断力が作用されるために、粒子複合化装置のモーターの出力を600Wとし、10分間機械的処理をして、アルミナファイバー粒子の表面に硫酸カルシウム二水和物粒子を付着させて、アルミナファイバー粒子と硫酸カルシウム二水和物粒子からなる複合粒子を作製した。
なお、アルミナファイバー粒子の磁化率の異方性は0.7(×10−9emu/g)、硫酸カルシウム二水和物粒子の磁化率の異方性は9.6(×10−9emu/g)であり、アルミナファイバー粒子の磁化率の異方性は、硫酸カルシウム二水和物粒子の磁化率の異方性の1/14であった。
次いで、前記の複合粒子からなる原料粉と、分散剤を含む純水に加えて、原料粉と純水をマグネチックスターラーで攪拌、混合しながら、原料粉および純水に、超音波ホモジナイザーから発する超音波による振動を加え、純水に原料粉を分散させ、複合粒子と純水を含むスラリーを調製した。原料粉と純水の攪拌、並びに、原料粉および純水に対する超音波による振動の印加を30分間行った。
分散剤として、ポリエチレンイミン(数平均分子量=10000)を用いた。
原料粉(複合粒子)100質量%に対するポリエチレンイミンの添加量を3.0質量%とした。

0094

次いで、上記のように調製したスラリー4mLを、深さ2.5cm、内径2.5cmの円筒形状の成形用の型に容れて、静磁場中で複合粒子を構成する種粒子の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させるとともに、スラリーを自然乾燥し、上記の複合粒子からなる成形体を成形した。
なお、静磁場の印加には、超伝導磁石を用い、静磁場の強さ(磁束密度)を、10テスラ(T)とした。また、静磁場の向きを、成形用の型の深さ方向とした。また、スラリーの乾燥時間を12時間とした。

0095

次いで、上記のように成形した成形体を型から離型し、250℃で3時間加熱した後、700℃で3時間加熱することにより、成形体を脱脂した。

0096

次いで、脱脂した成形体を、大気中で焼結して、厚み0.2cm、直径2cmの円盤状の酸化アルミニウムセラミックス(焼結体)を得た。
なお、成形体の焼結温度の最高温度を1600℃、最高温度の保持時間を2時間とした。

0097

「評価」
(配向度の測定)
粉末X線回折装置(商品名:MultiFlex 2kW、Rigaku製)を用い、測定角度(2θ)範囲を20°〜100°、測定面を、成形体を成形したときの磁場に対して垂直な面とし、Lotgering法により、実施例4の酸化アルミニウムセラミックスの配向度を測定した。
その結果、実施例4の酸化アルミニウムセラミックスにおける、磁場に対して垂直な面のc面由来ピークが向上しており、配向が確認された。

0098

0099

「比較例1」
(窒化ケイ素セラミックスの作製)
磁場を印加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様に調製したスラリー4mLを、深さ2.5cm、内径2.5cmの円筒形状の成形用の型に容れて、スラリーを自然乾燥し、上記の複合粒子、α窒化ケイ素粒子および焼結助剤を含む成形体を成形した。
その後、実施例1と同様にして、厚み0.2cm、直径2cmの円盤状の窒化ケイ素セラミックス(焼結体)を得た。

0100

(配向度の測定)
実施例1と同様にして、比較例1の窒化ケイ素セラミックスの配向度を測定した。結果を図11に示す。
その結果、比較例1の窒化ケイ素セラミックスにおける、磁場に対して垂直な面のc軸配向度は0であった。この結果から、磁場を印加しないでスラリーを乾燥すると、窒化ケイ素粒子のc軸方向が、印加した磁場の方向に対して配向しない板状の窒化ケイ素セラミックスが得られていることが確認された。

0101

「比較例2」
(窒化ケイ素セラミックスの作製)
市販のβ窒化ケイ素粒子を用い、実施例1と同様にして複合粒子を調製したこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様に調製したスラリー4mLを、深さ2.5cm、内径2.5cmの円筒形状の成形用の型に容れて、スラリーを自然乾燥し、上記の複合粒子、α窒化ケイ素粒子および焼結助剤を含む成形体を成形した。
その後、実施例1と同様にして、厚み0.2cm、直径2cmの円盤状の窒化ケイ素セラミックス(焼結体)を得た。

0102

(配向度の測定)
実施例1と同様にして、比較例2の窒化ケイ素セラミックスの配向度を測定した。結果を図12に示す。
その結果、比較例2の窒化ケイ素セラミックスにおける、磁場に対して垂直な面のc軸配向度は0であった。この結果から、磁場を印加しないでスラリーを乾燥すると、窒化ケイ素粒子のc軸方向が、印加した磁場の方向に対して配向しない板状の窒化ケイ素セラミックスが得られていることが確認された。

0103

「比較例3」
(酸化アルミニウムセラミックスの作製)
アルミナファイバー粒子と板状ベーマイト粒子を、粉体の全体積が20mLになるように粒子複合化装置内に投入した。次いで、これらの粒子に対して、回転による圧密せん断力を作用されるために、粒子複合化装置のモーターの出力を600Wとし、10分間機械的処理をして、アルミナファイバー粒子の表面に板状ベーマイト粒子を付着させて、アルミナファイバー粒子と板状ベーマイト粒子からなる複合粒子を作製した。
なお、アルミナファイバー粒子の磁化率の異方性は0.7(×10−9emu/g)、板状ベーマイト粒子の磁化率の異方性は4.2(×10−9emu/g)であり、アルミナファイバー粒子の磁化率の異方性は、板状ベーマイト粒子の磁化率の異方性の1/6であった。
次いで、前記の複合粒子からなる原料粉と、分散剤を含む純水に加えて、原料粉と純水をマグネチックスターラーで攪拌、混合しながら、原料粉および純水に、超音波ホモジナイザーから発する超音波による振動を加え、純水に原料粉を分散させ、複合粒子と純水を含むスラリーを調製した。原料粉と純水の攪拌、並びに、原料粉および純水に対する超音波による振動の印加を30分間行った。
分散剤として、ポリエチレンイミン(数平均分子量=10000)を用いた。
原料粉(複合粒子)100質量%に対するポリエチレンイミンの添加量を3質量%とした。

0104

次いで、上記のように調製したスラリー4mLを、深さ2.5cm、内径2.5cmの円筒形状の成形用の型に容れて、静磁場中で複合粒子を構成する種粒子の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させるとともに、スラリーを自然乾燥し、上記の複合粒子からなる成形体を成形した。
なお、静磁場の印加には、超伝導磁石を用い、静磁場の強さ(磁束密度)を、10テスラ(T)とした。また、静磁場の向きを、成形用の型の深さ方向とした。また、スラリーの乾燥時間を12時間とした。

0105

次いで、上記のように成形した成形体を型から離型し、250℃で3時間加熱した後、700℃で3時間加熱することにより、成形体を脱脂した。

0106

次いで、脱脂した成形体を、大気中で焼結して、厚み0.2cm、直径2cmの円盤状の酸化アルミニウムセラミックス(焼結体)を得た。
なお、成形体の焼結温度の最高温度を1600℃、最高温度の保持時間を2時間とした。

実施例

0107

「評価」
(配向度の測定)
粉末X線回折装置(商品名:MultiFlex 2kW、Rigaku製)を用い、測定角度(2θ)範囲を20°〜100°、測定面を、成形体を成形したときの磁場に対して垂直な面とし、Lotgering法により、実施例4の酸化アルミニウムセラミックスの配向度を測定した。
その結果、実施例4の酸化アルミニウムセラミックスにおける、磁場に対して垂直な面のc軸配向度は0であり、配向していないことが確認された。

0108

本発明の結晶配向セラミックスの製造方法は、超伝導磁石による回転磁場を用いることなく、永久磁石による静磁場を用いて、配向させたい結晶軸が短軸または長軸に相当する異方的な形状の種粒子の長軸方向の結晶軸を一方向に配向させることができるため、従来よりも安価に、緻密な結晶配向セラミックスを製造することができる。したがって、本発明の結晶配向セラミックスの製造方法は、製造コストを低減することができ、その工業的価値は大きい。

0109

10種粒子
20磁気異方性粒子
30複合粒子
40 種粒子
50 磁気異方性粒子
60 複合粒子
100結晶配向セラミックス
101 粒子
102 基板

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