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技術 耐火性樹脂組成物

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 島本倫男
出願日 2016年2月25日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-513153
公開日 2017年11月30日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 WO2016-136896
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 高分子組成物
主要キーワード ローラー台 熱硬化性樹脂繊維 耐火性評価 形状保持能 液状バインダー シート状試料 側基材 耐火性組成物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題・解決手段

耐火性樹脂組成物は、バインダーリン化合物熱膨張性黒鉛、及び無機充填剤を含有し、該バインダーはフェノール樹脂メラミン樹脂尿素樹脂不飽和ポリエステル樹脂アルキド樹脂ポリウレタン樹脂シリコーン樹脂、及び熱硬化性ポリイミドから選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂アクリル樹脂酢酸ビニル系樹脂ポリビニルアルコール樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂ゴムラテックス;又はそれらの組み合わせからなり、前記バインダー100重量部当たり、リン化合物が50〜500重量部であり、熱膨張性黒鉛と無機充填剤との合計量が50〜1000重量部である。

概要

背景

建築材料の分野においては、従来から、耐火性が重要な意味を持っている。近年、樹脂材料の用途拡大に伴って、建築材料として耐火性能を付与された樹脂材料が広く用いられるようになってきている。

特許文献1は、エポキシ樹脂リン化合物中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充填剤を含有する耐火性樹脂組成物であって、それぞれの含有量が、該エポキシ樹脂100重量部当たり、リン化合物が50〜150重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛が15〜40重量部、及び無機充填剤が30〜500重量部であり、前記リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の合計量が200〜600重量部であることを特徴とする耐火性樹脂組成物について開示している。

特許文献2は、エポキシ樹脂100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛10〜300重量部及び無機充填剤50〜500重量部からなることを特徴とする耐火性樹脂組成物について開示している。

概要

耐火性樹脂組成物は、バインダー、リン化合物、熱膨張性黒鉛、及び無機充填剤を含有し、該バインダーはフェノール樹脂メラミン樹脂尿素樹脂不飽和ポリエステル樹脂アルキド樹脂ポリウレタン樹脂シリコーン樹脂、及び熱硬化性ポリイミドから選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂アクリル樹脂酢酸ビニル系樹脂ポリビニルアルコール樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂ゴムラテックス;又はそれらの組み合わせからなり、前記バインダー100重量部当たり、リン化合物が50〜500重量部であり、熱膨張性黒鉛と無機充填剤との合計量が50〜1000重量部である。

目的

本発明の目的は、優れた耐火性能と機械的物性とを発現する耐火性樹脂組成物及び該耐火性樹脂組成物からなるシートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バインダーリン化合物熱膨張性黒鉛、及び無機充填剤を含有し、該バインダーはフェノール樹脂メラミン樹脂尿素樹脂不飽和ポリエステル樹脂アルキド樹脂ポリウレタン樹脂シリコーン樹脂、及び熱硬化性ポリイミドから選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂アクリル樹脂酢酸ビニル系樹脂ポリビニルアルコール樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂ゴムラテックス;又はそれらの組み合わせからなり、前記バインダー100重量部当たり、リン化合物が50〜500重量部であり、熱膨張性黒鉛と無機充填剤との合計量が50〜1000重量部である耐火性樹脂組成物

請求項2

請求項1に記載の耐火性樹脂組成物からなる層を備えた耐火性シート

請求項3

前記耐火性樹脂組成物からなる層の片面または両面に基材が積層されている請求項2に記載の耐火性シート。

請求項4

請求項1に記載の耐火性樹脂組成物を基材に塗布し、乾燥させることを含む耐火性樹脂組成物からなる層を備えた耐火性シートの製造方法。

技術分野

0001

(関連分野の相互参照
本願は、2015年2月25日に出願した特願2015-035482号明細書の優先権の利益を主張するものであり、当該明細書はその全体が参照により本明細書中に援用される。
(技術分野)
本発明は、耐火性樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

建築材料の分野においては、従来から、耐火性が重要な意味を持っている。近年、樹脂材料の用途拡大に伴って、建築材料として耐火性能を付与された樹脂材料が広く用いられるようになってきている。

0003

特許文献1は、エポキシ樹脂リン化合物中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充填剤を含有する耐火性樹脂組成物であって、それぞれの含有量が、該エポキシ樹脂100重量部当たり、リン化合物が50〜150重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛が15〜40重量部、及び無機充填剤が30〜500重量部であり、前記リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の合計量が200〜600重量部であることを特徴とする耐火性樹脂組成物について開示している。

0004

特許文献2は、エポキシ樹脂100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛10〜300重量部及び無機充填剤50〜500重量部からなることを特徴とする耐火性樹脂組成物について開示している。

先行技術

0005

特開平11−116776
特開第2000−143941号

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1及び2では、耐火性樹脂組成物のバインダーとしてエポキシ樹脂を用い、プレス成形等の従来公知の成形方法により耐火性樹脂組成物を熱膨張性シート成形している。しかしながら、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂をバインダーとして用いた場合にも、十分な耐火性が得られるかどうかは知られていなかった。

0007

また、特許文献1及び2では、膨張黒鉛及び無機充填剤の配合量が多くなると、耐火性樹脂組成物の機械的物性の低下が大きくなることが記載されていた。また、塗工によって耐火性樹脂組成物からなる熱膨張性シートを製造したときに、膨張黒鉛及び無機充填剤を多量に含有できることについては検討されていなかった。

0008

本発明の目的は、優れた耐火性能と機械的物性とを発現する耐火性樹脂組成物及び該耐火性樹脂組成物からなるシートを提供することにある。本発明の別の目的は、塗工に適し、優れた耐火性能と機械的物性とを発現する耐火性樹脂組成物及び該耐火性樹脂組成物からなるシートを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、上記の目的を達成すべく、耐火性樹脂組成物におけるバインダーとしてエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂又は塗工に適したその他の液状バインダーを用いることで、膨張黒鉛及び無機充填剤を高い配合量で充填でき、そのため優れた耐火性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

本発明の一態様によれば、バインダー、リン化合物、熱膨張性黒鉛、及び無機充填剤を含有し、該バインダーはフェノール樹脂メラミン樹脂尿素樹脂不飽和ポリエステル樹脂アルキド樹脂ポリウレタン樹脂シリコーン樹脂、及び熱硬化性ポリイミドから選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂;アクリル樹脂酢酸ビニル系樹脂ポリビニルアルコール樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂ゴムラテックス;又はそれらの組み合わせからなり、前記バインダー100重量部当たり、リン化合物が50〜500重量部であり、熱膨張性黒鉛と無機充填剤との合計量が50〜1000重量部である耐火性樹脂組成物が提供される。

発明の効果

0011

本発明によれば、耐火性樹脂組成物の耐火性が優れているため、耐火性樹脂組成物からなるシートを建築物等に適用することにより、優れた耐火性を与えることが出来る。

図面の簡単な説明

0012

耐火シートの製造方法の略図。

0013

本発明の耐火性樹脂組成物は、バインダー、リン化合物、熱膨張性黒鉛、及び無機充填剤を含有する。

0014

バインダーの一つの例としてはフェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、及び熱硬化性ポリイミドから選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂が挙げられる。バインダーの別の例としては、耐火性樹脂組成物の塗工に適した熱可塑性樹脂、例えばアクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマーEVA)やポリ酢酸ビニルPVAc)等を含む)、ポリビニルアルコール樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂が挙げられる。バインダーのまた別の例としては、ゴム又はラテックスが挙げられる。上記の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム及びラテックスは単独で用いても組み合わせ用いてもよい。

0015

本発明で用いられるバインダーには、リン化合物、熱膨張性黒鉛、及び、無機充填剤が添加される。本発明の耐火性樹脂組成物の耐火性能は、これら3成分がそれぞれの性質を発揮することにより発現する。具体的には、加熱時に熱膨張性黒鉛が膨張断熱層を形成して熱の伝達を阻止する。無機充填剤は、その際に熱容量を増大させる。リン化合物は、膨張断熱層及び無機充填剤の形状保持能力を発現する。

0016

上記リン化合物としては特に限定されないが、例えば、赤リンリン酸エステルリン酸金属塩ポリリン酸アンモニウム類;ポリリン酸メラミン;下記一般式(1)で表される化合物等が挙げられる。

0017

0018

式中、R1 及びR3 は、同一又は異なって、水素炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を示す。R2 は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を示す。

0019

赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができる。耐湿性混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂コーティングしたもの等が好ましい。

0020

リン酸エステルとしては、リン酸トリフェニルリン酸トリクレジル(TCP)、リン酸トリキシレニルリン酸クレジルジフェニルリン酸キシレニルジフェニル等のリン酸アリールエステルリン酸トリメチル等のリン酸アルキルエステルビスフェノールビスレゾルシノールビスジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス-ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス-ジキシレニルホスフェートならび等のビスフェノール系芳香族縮合リン酸エステル等が挙げられる。リン酸トリクレジル(TCP)及びリン酸クレジルジフェニル等の一部のリン酸エステルはマトリックス溶融粘度を調整するリン酸系可塑剤としても機能する。好ましいリン酸エステルはリン酸トリクレジル(TCP)である。

0021

リン酸金属塩としては、リン酸ナトリウムリン酸カリウムリン酸マグネシウム等が挙げられる。

0022

ポリリン酸アンモニウム類としては、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。取扱性等の点から、ポリリン酸アンモニウムが好ましい。市販品としては、ヘキスト社製「AP422」、「AP462」、住友化学工業社製「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC60」が挙げられる。

0023

上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルメチルホスホン酸ジエチルエチルホスホン酸プロピルホスホン酸ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。

0024

上記リン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0025

一実施形態では、リン化合物は、赤リン;リン酸エステル;リン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;及びポリリン酸メラミン、下記一般式(1)で表される化合物;からなる群から選択される少なくとも一つである。

0026

別の実施形態では、リン化合物は、リン酸エステルおよびポリリン酸アンモニウムからなる群から選択される少なくとも一つである。

0027

本発明で用いられる熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト熱分解グラファイトキッシュグラファイト等の粉末濃硫酸硝酸セレン酸等の無機酸と、濃硝酸過塩素酸過塩素酸塩、過マンガン酸塩重クロム酸塩過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素層状構造を維持したままの結晶化合物である。

0028

本発明で用いられる熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュのものが好ましい。粒度が200メッシュより粗いと、黒鉛膨張度が大きく、望む耐火断熱層が得られ、粒度が20メッシュより小さいと、樹脂と混練する際、分散性が良好である。

0029

本発明で用いる無機充填剤としては、例えば、シリカ珪藻土アルミナ酸化亜鉛酸化チタン酸化カルシウム酸化マグネシウム酸化鉄酸化錫酸化アンチモンフェライト類、水酸化カルシウム水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム塩基性炭酸マグネシウム炭酸カルシウム炭酸マグネシウム炭酸亜鉛炭酸バリウム、ドーンナイトハイドロタルサイト硫酸カルシウム硫酸バリウム石膏繊維、ケイ酸カルシウムタルククレーマイカモンモリロナイトベントナイト活性白土セピオライトイモゴライトセリサイトガラス繊維ガラスビーズ、シリカ系バルン窒化アルミニウム窒化ホウ素窒化ケイ素カーボンブラックグラファイト炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム硫酸マグネシウム「MOS」、チタン酸ジルコン酸鉛アルミニウムボレート硫化モリブデン炭化ケイ素ステンレス繊維ホウ酸亜鉛、各種磁性粉スラグ繊維フライアッシュ脱水汚泥等が候補に挙げられる。本発明では、周期律表II族又はIII族に属する金属の金属塩酸化物、又は水酸化物が、燃焼時に発泡して発泡焼成物を形成する性質を有するため、形状保持性を高めるうえで特に好ましい。具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。

0030

一般的に、上記無機充填剤は、骨材的な働きをすることから、残渣強度の向上及び熱容量の増大に寄与すると考えられる。上記無機充填剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。

0031

無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm以上であると、分散性が良好である。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましいが、100μm以下の粒径が成形体表面性、樹脂組成物の力学的物性の点で望ましい。

0032

上記無機充填剤の中でも、特に水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで残渣強度が向上する点で特に好ましい。

0033

上記含水無機物の粒径は、小さくなると嵩が大きくなって高充填化が困難となるので、脱水効果を高めるために高充填するには粒径の大きなものが好ましい。具体的には、粒径が18μmでは、1.5μmの粒径に比べて充填限界量が約1.5倍程度向上することが知られている。さらに、粒径の大きいものと小さいものとを組合わせることによって、より高充填化が可能となる。

0034

上記無機充填剤の市販品では、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「H−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「H−31」(昭和電工社製);炭酸カルシウムとして、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「BF300」(白石カルシウム社製)等が挙げられる。また、粒径の大きい無機充填剤と粒径の小さいものを組み合わせて使用することがより好ましく、組み合わせることによって、さらに高充填化が可能となる。

0035

本発明においては、前記バインダー100重量部当たり、リン化合物が50〜500重量部であり、熱膨張性黒鉛と無機充填剤との合計量が50〜1000重量部である。

0036

リン化合物が50重量部以上であると、耐火性樹脂組成物及びそれからなるシートの形状保持性(残渣硬さ)が得られ、リン化合物が500重量部以下であると耐火性樹脂組成物及びそれからなるシートの機械的物性が維持される。好ましくはリン化合物は、バインダー100重量部当たり、50〜300重量部である。

0037

熱膨張性黒鉛と無機充填剤との合計量が50重量部以上であると、耐火性樹脂組成物及びそれからなるシートの加熱後の残渣量膨張倍率)が十分であり、十分な耐火性能が得られ、1000重量部以下であると、耐火性樹脂組成物及びそれからなるシートの機械的物性が維持される。

0038

一つの実施形態において、熱膨張性黒鉛と無機充填剤との合計量は好ましくはバインダー100重量部当たり、熱膨張性黒鉛と無機充填剤との合計量が550〜1000重量部である。熱膨張性黒鉛はバインダー100重量部当たり、通常10〜500重量部、好ましくは30〜300重量部である。無機充填剤はバインダー100重量部当たり、通常30〜700重量部、好ましくは30〜500重量部である。

0039

本発明においては、熱膨張性黒鉛とリン化合物を組み合わせることにより、燃焼時の熱膨張性黒鉛の飛散を抑え、形状保持を図るもので、熱膨張性黒鉛が多すぎると、燃焼時に膨張した黒鉛が飛散し、加熱時に充分な膨張断熱層が得られず、逆にリン化合物が多すぎても、断熱層が充分でなく、望む効果が得られなくなるため、好ましくは、熱膨張性黒鉛とリン化合物の重量比は熱膨張性黒鉛:リン化合物=9:1〜1:100である。

0040

また、燃焼時の形状保持性という点からは、熱膨張性黒鉛:リン化合物=1:3〜1:100の範囲が優れている。組成物自身が難燃性であっても形状保持性が不充分であると、脆くなった残渣が崩れ落ち火炎を貫通させてしまうため、形状保持性が充分か否かにより、耐火性組成物の用途形態が大きく異なる。より好ましくは、熱膨張性黒鉛:リン化合物=1:5〜1:60、特に好ましくは1:10〜1:40の範囲である。

0041

本発明の耐火性樹脂組成物にはさらに、その物性を損なわない範囲で、更に、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤金属害防止剤帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤軟化剤顔料等が添加されてもよい。

0042

本発明の耐火性樹脂組成物は、上記各成分を単軸押出機二軸押出機バンバリーミキサーニーダーミキサーロール等の混練装置を用いて混練することにより得ることができ、得られた樹脂組成物は塗工(coating)、プレス成形、押出し成形カレンダー成形等の従来公知の成形方法により、シートに成形することができる。塗工では、アルミニウム、鉄又はステンレス等の基材に本発明の耐火性樹脂組成物を塗布した後、乾燥させる。

0043

本発明は、耐火性樹脂組成物から製造されたシート及び塗工による耐火性シートの製造方法も包含する。また、本発明は、耐火性樹脂組成物からなる層の片面または両面に基材が積層されている耐火性シートも包含する。

0044

耐火性シートを塗工により製造する場合、耐火性樹脂組成物を繊維シート含浸させる。例えば、図1に示すように、ローラー台2等の移動装置の上に下側基材3bを載せて矢印の方向に移動させ、同時に、下側基材3bの上方で、上側基材3aが貼付された繊維シート4を巻き出し、配置させる。次に、耐火性樹脂組成物1を繊維シート4に向かって滴下し、繊維シート4に含浸させて、樹脂シート5を形成する。次に、上側基材3aが貼付された樹脂シート5及び下側基材3bを、ロール6に通しシート化し、硬化することにより、熱膨張性の耐火シート7を製造することができる。

0045

上側及び下側の基材は、同一材料であっても異なる材料であってもよいが、通常、織布又は不織布であり、上記織布又は不織布に使用される繊維としては、特に限定はされない。繊維は、不燃性料又は準不燃材料のものが好ましく、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維セルロース繊維ポリエステル繊維、炭素繊維、グラファイト繊維熱硬化性樹脂繊維等が好ましい。

0046

繊維シートは、繊維を絡ませてシート形状にしたもので、不燃性料又は準不燃材料のものが好ましい。繊維としては、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維、セルロース繊維、ポリエステル繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、熱硬化性樹脂繊維等が挙げられる。ガラス繊維から形成されたガラスクロスが好ましい。

0047

本発明の耐火性樹脂組成物は、建築材料に耐火性能を与えるために使用することができる。例えば、窓(引き違い窓開き窓上げ下げ窓等を含む)、障子、扉(すなわちドア)、ふすま、及び欄間等の開口部;防火区画の貫通部;目地鉄骨コンクリート等に耐火性樹脂組成物を配置して、火災や煙の侵入を低減又は防止することができる。

0048

以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。

0049

実施例1
プレスによる耐火性樹脂組成物の製造
表1に示した配合量(各成分の単位は重量部)のフェノール樹脂(DIC社製5010)、リン酸トリクレジル(新日本理科株式社製サンサイザー)、熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREPEG」)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「H−31」)、及び、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF−300」)を混練ロールで混練して、耐火性樹脂組成物を得た。得られた耐火性樹脂組成物を、0.5mm厚の亜鉛鉄板に塗布し、150℃で15分間プレスして硬化させ、耐火性評価に用いる所定厚みのシート状試料を得た。
1.耐火性評価
(膨張倍率)
得られた成形体から作製した試験片(長さ100mm、幅100mm、厚さ2.0mm)を電気炉に供給し、600℃で30分間加熱した後、試験片の厚さを測定し、(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)を膨張倍率として算出した。膨張倍率が10以上の場合を良(Good)、10未満の場合を不良(Poor)とした。
(残渣硬さ)
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を圧縮試験機(カトーテック社製、「フィンガーフイリングテスター」)に供給し、0.25cm2の圧子で0.1cm/秒の速度で圧縮し、破断点応力を測定した。残渣硬さが0.3以上の場合を良(Good)、0.3未満の場合を不良(Poor)とした。

0050

実施例2〜15、比較例1〜4
表1に示した配合成分、配合割合で各成分をロールを用いて、溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を実施例1と同様にして試験片を作製し、耐火性の評価を行った。結果を表1に示した。

0051

ポリイミド樹脂に関しては、アセトンに溶解したもの(50%)に各成分を溶解、アセトンを揮発させ、シート化することにより、サンプルを得た。

0052

不飽和ポリエステル樹脂に関しては、各成分を溶解後、日本油脂製パークミルD40を1PHR(重量部)加え、上記条件で150℃でプレスする成型することにより、サンプルを得た。

0053

尿素樹脂、メラミン樹脂は配合物ホルムアルデヒド液(和光純薬)を5PHR(重量部)加え、プレス成型することにより、サンプルを得た。

0054

用いた樹脂は以下の通りである。

0055

アクリル樹脂DIC社製アクディックACRYDICA181
ポリビニルアルコール樹脂日本酢ビポバール社製VP-20
ポリビニルブチラール樹脂積水化学社製BH-S
アルキド樹脂DIC社製ベッコゾール1334-EL
ポリウレタン樹脂荒川化学工業社製ユリアーノKL-422
シリコーン樹脂信越シリコーン社製KR-220LP
ポリイミド樹脂株式会社プリンテック社製TECHMIGHT E2020S
不飽和ポリエステル樹脂昭和電工株式会社製リゴラック
尿素樹脂DIC社製ベッカミンP138
メラミン樹脂DIC社製スーパーベッカミンJ-820-60

0056

0057

実施例16
塗工による熱膨張性耐火シートの製造
基材PET不織布(東洋紡社製エクーレ 3301A)を下に敷いた状態で、実施例1,2と同じ耐火性樹脂組成物を上方から、ガラスクロスから形成された繊維シートの上に滴下し、さらに、同繊維シートを上面より、積層させ、ロール間隙に通すことにより、厚み調整を行った。

0058

次に、この積層シートを150℃のオーブン内に30分投入し、硬化させることで、厚さ1.6mmの熱膨張性耐火シートを得た。結果は実施例1,2と同様、膨張倍率及び残渣硬さとも良好であった。

0059

なお、本発明は以下の構成を取ることも可能である。
[1]バインダー、リン化合物、熱膨張性黒鉛、及び無機充填剤を含有し、該バインダーはフェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、及び熱硬化性ポリイミドから選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂;アクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂;ゴム;ラテックス;又はそれらの組み合わせからなり、前記バインダー100重量部当たり、リン化合物が50〜500重量部であり、熱膨張性黒鉛と無機充填剤との合計量が50〜1000重量部である耐火性樹脂組成物。
[2]リン化合物が赤リン;リン酸エステル;リン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム;ポリリン酸メラミン、および下記一般式(1)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一つである上記[1]に記載の耐火性樹脂組成物。

0060

0061

式中、R1 及びR3 は、同一又は異なって、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を示す。R2 は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を示す。
[3]リン化合物は、リン酸エステルおよびポリリン酸アンモニウムからなる群から選択される少なくとも一つである上記[1]に記載の耐火性樹脂組成物。
[4]前記リン酸エステルはリン酸アリールエステル、リン酸アルキルエステル、およびビスフェノール系芳香族縮合リン酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである上記[2]または[3]に記載の耐火性樹脂組成物。
[5]リン化合物はバインダー100重量部当たり、50〜300重量部である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
[6]熱膨張性黒鉛はバインダー100重量部当たり、10〜500重量部である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
[7]熱膨張性黒鉛はバインダー100重量部当たり、30〜300重量部である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。

実施例

0062

[8]無機充填剤はバインダー100重量部当たり、30〜700重量部である[1]〜[7]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
[9]無機充填剤はバインダー100重量部当たり、30〜500重量部である。[1]〜[7]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
[10]無機充填剤が水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムまたはそれらの混合物である上記[1]〜[9]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
[11]耐火性樹脂組成物の膨張倍率が10倍以上である上記[1]〜[10]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
[12]加熱後の耐火性樹脂組成物の残渣硬さが0.3以上である上記[1]〜[11]のいずれかにに記載の耐火性樹脂組成物。
[13]上記[1]〜[12]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物からなる層を備えた耐火性シート。
[14]前記耐火性樹脂組成物からなる層の片面または両面に基材が積層されている[13]に記載の耐火性シート。
[15][1]〜[12]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物を基材に塗布し、乾燥させることを含む耐火性樹脂組成物からなる層を備えた耐火性シートの製造方法。

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