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技術 携帯端末、制御方法およびプログラム

出願人 楽天株式会社
発明者 甲斐喜久美
出願日 2015年2月17日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2017-500175
公開日 2017年11月2日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 WO2016-132458
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード 可搬デバイス 分類形態 公共交通機関内 数値指標 近接場通信 中間形態 銀行振替 電話通話用
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図面 (12)

課題・解決手段

携帯端末(100)は、ユーザから購入の申し込みを受け付けることができ、プロンプト部(11)、設定部(12)、決済部(13)を備える。プロンプト部(11)は、ユーザ(1)から購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイス(2)と、携帯端末(100)との間の近接場通信を可能とするようにユーザ(1)に促す。設定部(12)は、可搬デバイス(2)と携帯端末(100)との間で近接場通信が可能となると、可搬デバイス(2)の識別情報を取得し、かつ、それまでに携帯端末(100)において当該識別情報が取得された希少度に基づいて保持時間の長さを設定する。決済部(13)は、近接場通信が可能である期間が設定された保持時間以上に継続すると、当該近接場通信を介し、可搬デバイス(2)に対応付けられたアカウントから電子バリューの支払いを受ける。

概要

背景

対価支払うことで商品サービスの提供を受ける取引において、電子マネーを利用するシステムが種々提案されている。電子マネーシステムでは、現金財布に入れて持ち歩くかわりに、可搬デバイス(財布に相当する。)に対応付けられ、電子情報により表現される電子バリュー(財布の中の現金に相当する。)により、支払を行う。

電子バリューの支払の際には、支払者は、可搬デバイスを、商品やサービスの提供者が操作するリーダ/ライタ近接させることにより、短時間だけ翳して、可搬デバイスとリーダ/ライタの間でNFC(Near Field Communication;近接場通信)を確立し、この通信によって、可搬デバイスに対応付けられる電子バリューを、支払分だけ減少させる。NFCでは、可搬デバイスとリーダ/ライタは接触する必要はないが、距離を典型的には数mm程度まで近付ける必要がある。

可搬デバイスとしては、キャッシュカードクレジットカードにNFC用の電子回路を組み込んだものが広く使われている。この電子回路は、一般的には、リーダ/ライタから発せられるNFC用の電波による電磁誘導で生じる電力によって動作する。

一方、携帯電話スマートフォンなどの携帯端末では、上記と同様にNFC用の電子回路を内部に組み込むものも広く利用されているほか、電話通信用SIM(Subscriber Identity Card)カード内にNFC用の通信機能を設けたものも提案されている。これらの場合には、リーダ/ライタが発した電波を電力源とすることができるほか、携帯端末の本体が備えるバッテリから電力の供給を受けることができる。

ここで、携帯端末本体から電力供給を受けることが可能なNFC用の電子回路には、(a)当該電子回路に割り当てられたアカウントにおける電子バリューの出し入れを行うために可搬デバイスとして働くカードエミュレーションモード、(b)他の可搬デバイスに割り当てられた電子バリューに係る情報を処理し、リーダ/ライタとして機能するためのリーダ/ライタモード、(c)電子回路同士がメールアドレス等の種々のメッセージ送受するためのP2P(Peer To Peer)モードを持つことが多い。

すなわち、携帯電話やスマートフォン等の携帯端末は、電子マネーの財布として機能することができるほか、リーダ/ライタとして機能することも可能である。この機能を利用して、携帯端末を電子マネーシステムのリーダ/ライタとして機能させ、電子マネーカードを携帯端末に近接させて通信を確立することにより、電子マネーカードから電子バリューの支払をさせる技術が提案されている(特許文献1の段落0072、0073参照)。

この機能によれば、個人営業商店にて、店主電話通話用に使用している携帯端末を、電子マネーシステムのリーダ/ライタとして機能させることで、設備投資コストを抑制しつつ、客から電子バリューによる支払を受けることができるようになる。この際には、店主は、電子マネー事業者配布サーバから携帯端末用プログラムダウンロードして、当該プログラムを携帯端末で実行することになる。

このほか、劇場野球場など各種の娯楽施設においては、観客席の間を売り子が歩きまわり、飲食物パンフレットなどを販売する態様がとられている。そこで、販売者が旧機種の安価なスマートフォンを大量に購入して、上記プログラムをインストールして動作させ、売り子に操作させれば、観客は電子マネーによる支払が可能となる。

概要

携帯端末(100)は、ユーザから購入の申し込みを受け付けることができ、プロンプト部(11)、設定部(12)、決済部(13)を備える。プロンプト部(11)は、ユーザ(1)から購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイス(2)と、携帯端末(100)との間の近接場通信を可能とするようにユーザ(1)に促す。設定部(12)は、可搬デバイス(2)と携帯端末(100)との間で近接場通信が可能となると、可搬デバイス(2)の識別情報を取得し、かつ、それまでに携帯端末(100)において当該識別情報が取得された希少度に基づいて保持時間の長さを設定する。決済部(13)は、近接場通信が可能である期間が設定された保持時間以上に継続すると、当該近接場通信を介し、可搬デバイス(2)に対応付けられたアカウントから電子バリューの支払いを受ける。

目的

本発明は、上記の課題を解決しようとするもので、電子バリューの支払者に操作者提示する携帯端末において、不正使用を抑制するのに好適な携帯端末、当該携帯端末の制御方法、ならびに、当該プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

ユーザから購入の申し込みを受け付け携帯端末であってユーザから購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスと、前記携帯端末との間の近接場通信を可能とするように前記ユーザに促すプロンプト部、近接場通信が可能となると、前記可搬デバイスの識別情報を取得し、かつ、それまでに前記携帯端末において当該識別情報が取得された希少度に基づいて保持時間の長さを設定する設定部、近接場通信が可能である期間が前記設定された保持時間以上に継続すると、当該近接場通信を介し、前記可搬デバイスに対応付けられたアカウントから前記電子バリューの支払いを受ける決済部、を備える携帯端末。

請求項2

前記ユーザに有償サービスを提供する提供部をさらに備え、前記提供部は、前記ユーザにより、前記有償サービスの定期利用権を、前記可搬デバイスに対応付けられたアカウントに存在する前記電子バリューから支払うことによって購入する操作がなされた場合、前記購入する操作がなされた第1の時点から、近接場通信が可能となってから設定された前記保持時間が経過する第2の時点まで、当該有償サービスを提供する、請求項1に記載の携帯端末。

請求項3

前記プロンプト部は、近接場通信が可能となると、前記設定部に設定された保持時間の間にされるべき動作を前記ユーザに提示し、前記決済部は、前記設定部に設定された保持時間の間に前記提示された動作が実行されたことを検出すると、前記アカウントから前記電子バリューの支払いを受ける、請求項1に記載の携帯端末。

請求項4

ユーザから購入の申し込みを受け付ける携帯端末であってユーザから購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスと、前記携帯端末との間の近接場通信を可能とするように前記ユーザに促すプロンプト部、近接場通信が可能となると、前記可搬デバイスの識別情報を取得し、かつ、それまでに前記携帯端末において当該識別情報が取得された希少度に基づいて、ユーザにされるべき動作を設定する設定部、前記設定された動作が実行されたことを検出すると、近接場通信を介し、前記可搬デバイスに対応付けられたアカウントから前記電子バリューの支払いを受ける決済部、を備え、前記プロンプト部は、前記設定部に設定されたされるべき動作を前記ユーザに提示する、携帯端末。

請求項5

前記携帯端末に加えられた振動を検知する振動検知部、をさらに備え、前記プロンプト部は、前記されるべき動作として、前記携帯端末と前記可搬デバイスとが近接場通信が可能な状態を保ったまま、前記携帯端末に振動を加えることを前記ユーザに提示し、前記決済部は、前記振動検知部がユーザにより与えられた振動を検知すると、前記提示された動作が実行されたと検出する、請求項3または4に記載の携帯端末。

請求項6

前記プロンプト部は、前記されるべき動作として、前記可搬デバイスを前記携帯端末から近接場通信が不可能となるまで離し、その後再び近接場通信が可能となるまで近づける行為を、所定の回数だけ行うことを前記ユーザに提示し、前記決済部は、前記所定の回数だけ前記近接場通信が可能となると、前記提示された動作が実行されたと検出する、請求項3または4に記載の携帯端末。

請求項7

ユーザから購入の申し込みを受け付ける携帯端末を制御する制御方法であって、ユーザから購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスと、前記携帯端末との間の近接場通信を可能とするように前記ユーザに促すプロンプトステップ、近接場通信が可能となると、前記可搬デバイスの識別情報を取得し、かつ、それまでに前記携帯端末において当該識別情報が取得された希少度に基づいて保持時間の長さを設定する設定ステップ、近接場通信が可能である期間が前記設定された保持時間以上に継続すると、当該近接場通信を介し、前記可搬デバイスに対応付けられたアカウントから前記電子バリューの支払いを受ける決済ステップ、を備える制御方法。

請求項8

ユーザから購入の申し込みを受け付ける携帯端末を制御するコンピュータを、ユーザから購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスと、前記携帯端末との間の近接場通信を可能とするように前記ユーザに促すプロンプト手段、近接場通信が可能となると、前記可搬デバイスの識別情報を取得し、かつ、それまでに前記携帯端末において当該識別情報が取得された希少度に基づいて保持時間の長さを設定する設定手段、近接場通信が可能である期間が前記設定された保持時間以上に継続すると、当該近接場通信を介し、前記可搬デバイスに対応付けられたアカウントから前記電子バリューの支払いを受ける決済手段、として機能させるプログラム

技術分野

0001

本発明は、携帯端末制御方法およびプログラムに関する。

背景技術

0002

対価支払うことで商品サービスの提供を受ける取引において、電子マネーを利用するシステムが種々提案されている。電子マネーシステムでは、現金財布に入れて持ち歩くかわりに、可搬デバイス(財布に相当する。)に対応付けられ、電子情報により表現される電子バリュー(財布の中の現金に相当する。)により、支払を行う。

0003

電子バリューの支払の際には、支払者は、可搬デバイスを、商品やサービスの提供者が操作するリーダ/ライタ近接させることにより、短時間だけ翳して、可搬デバイスとリーダ/ライタの間でNFC(Near Field Communication;近接場通信)を確立し、この通信によって、可搬デバイスに対応付けられる電子バリューを、支払分だけ減少させる。NFCでは、可搬デバイスとリーダ/ライタは接触する必要はないが、距離を典型的には数mm程度まで近付ける必要がある。

0004

可搬デバイスとしては、キャッシュカードクレジットカードにNFC用の電子回路を組み込んだものが広く使われている。この電子回路は、一般的には、リーダ/ライタから発せられるNFC用の電波による電磁誘導で生じる電力によって動作する。

0005

一方、携帯電話スマートフォンなどの携帯端末では、上記と同様にNFC用の電子回路を内部に組み込むものも広く利用されているほか、電話通信用SIM(Subscriber Identity Card)カード内にNFC用の通信機能を設けたものも提案されている。これらの場合には、リーダ/ライタが発した電波を電力源とすることができるほか、携帯端末の本体が備えるバッテリから電力の供給を受けることができる。

0006

ここで、携帯端末本体から電力供給を受けることが可能なNFC用の電子回路には、(a)当該電子回路に割り当てられたアカウントにおける電子バリューの出し入れを行うために可搬デバイスとして働くカードエミュレーションモード、(b)他の可搬デバイスに割り当てられた電子バリューに係る情報を処理し、リーダ/ライタとして機能するためのリーダ/ライタモード、(c)電子回路同士がメールアドレス等の種々のメッセージ送受するためのP2P(Peer To Peer)モードを持つことが多い。

0007

すなわち、携帯電話やスマートフォン等の携帯端末は、電子マネーの財布として機能することができるほか、リーダ/ライタとして機能することも可能である。この機能を利用して、携帯端末を電子マネーシステムのリーダ/ライタとして機能させ、電子マネーカードを携帯端末に近接させて通信を確立することにより、電子マネーカードから電子バリューの支払をさせる技術が提案されている(特許文献1の段落0072、0073参照)。

0008

この機能によれば、個人営業商店にて、店主電話通話用に使用している携帯端末を、電子マネーシステムのリーダ/ライタとして機能させることで、設備投資コストを抑制しつつ、客から電子バリューによる支払を受けることができるようになる。この際には、店主は、電子マネー事業者配布サーバから携帯端末用のプログラムをダウンロードして、当該プログラムを携帯端末で実行することになる。

0009

このほか、劇場野球場など各種の娯楽施設においては、観客席の間を売り子が歩きまわり、飲食物パンフレットなどを販売する態様がとられている。そこで、販売者が旧機種の安価なスマートフォンを大量に購入して、上記プログラムをインストールして動作させ、売り子に操作させれば、観客は電子マネーによる支払が可能となる。

先行技術

0010

特開2013−140453号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、各種の携帯端末が電子マネー用のリーダ/ライタとして利用できるようになると、安易な不正使用がされる可能性がある。たとえば、リーダ/ライタとして動作する携帯端末を、街中の人込みやバス電車等の公共交通機関内で、他人の鞄に近付けて、鞄内の可搬デバイスから電子バリューを盗み取る等である。そこで、このような不正使用を抑制するための技術が強く求められている。

0012

本発明は、上記の課題を解決しようとするもので、電子バリューの支払者に操作者提示する携帯端末において、不正使用を抑制するのに好適な携帯端末、当該携帯端末の制御方法、ならびに、当該プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る携帯端末は、
ユーザから購入の申し込みを受け付ける携帯端末であって
ユーザから購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスと、前記携帯端末との間の近接場通信を可能とするように前記ユーザに促すプロンプト部、
近接場通信が可能となると、前記可搬デバイスの識別情報を取得し、かつ、それまでに前記携帯端末において当該識別情報が取得された希少度に基づいて保持時間の長さを設定する設定部、
近接場通信が可能である期間が前記設定された保持時間以上に継続すると、当該近接場通信を介し、前記可搬デバイスに対応付けられたアカウントから前記電子バリューの支払いを受ける決済部、
を備えることを特徴とする。

0014

上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る携帯端末は、
ユーザから購入の申し込みを受け付ける携帯端末であって、
ユーザから購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスと、前記携帯端末との間の近接場通信を可能とするように前記ユーザに促すプロンプト部、
近接場通信が可能となると、前記可搬デバイスの識別情報を取得し、かつ、それまでに前記携帯端末において当該識別情報が取得された希少度に基づいて、ユーザにされるべき動作を設定する設定部、
前記設定された動作が実行されたことを検出すると、近接場通信を介し、前記可搬デバイスに対応付けられたアカウントから前記電子バリューの支払いを受ける決済部、を備え、
前記プロンプト部は、前記設定部に設定されたされるべき動作を前記ユーザに提示する、
ことを特徴とする。

0015

上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る制御方法は、
ユーザから購入の申し込みを受け付ける携帯端末を制御する制御方法であって、
ユーザから購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスと、前記携帯端末との間の近接場通信を可能とするように前記ユーザに促すプロンプトステップ
近接場通信が可能となると、前記可搬デバイスの識別情報を取得し、かつ、それまでに前記携帯端末において当該識別情報が取得された希少度に基づいて保持時間の長さを設定する設定ステップ、
近接場通信が可能である期間が前記設定された保持時間以上に継続すると、当該近接場通信を介し、前記可搬デバイスに対応付けられたアカウントから前記電子バリューの支払いを受ける決済ステップ、
を備えることを特徴とする。

0016

上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
ユーザから購入の申し込みを受け付ける携帯端末を制御するコンピュータを、
ユーザから購入の申し込みがあると、対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスと、前記携帯端末との間の近接場通信を可能とするように前記ユーザに促すプロンプト手段、
近接場通信が可能となると、前記可搬デバイスの識別情報を取得し、かつ、それまでに前記携帯端末において当該識別情報が取得された希少度に基づいて保持時間の長さを設定する設定手段、
近接場通信が可能である期間が前記設定された保持時間以上に継続すると、当該近接場通信を介し、前記可搬デバイスに対応付けられたアカウントから前記電子バリューの支払いを受ける決済手段、
として機能させる。

発明の効果

0017

本発明によれば、電子バリューの支払者に操作者が提示する携帯端末において、他人の可搬デバイスからバリューを窃取しようとした場合に窃取しようとしていることが露呈しやすくなり、不正使用を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0018

実施形態1に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
端末ハードウェアの表側の様子を示す説明図である。
端末ハードウェアの裏側の様子を示す説明図である。
携帯端末が記録部に保持するデータを示す図である。
実施形態1に係る携帯端末における認証決済プロセスフローチャートである。
ユーザに近接場通信を可能とするよう要求するメッセージを端末ハードウェアが表示した場合の画面を示す図である。
携帯端末に可搬デバイスを近づけた状態を示す図である。
ユーザに保持時間だけ近接場通信が可能な状態を保持するように要求した場合の画面を示す図である。
変形例1に係る携帯端末における認証決済プロセスのフローチャートである。
変形例1に係る携帯端末が、されるべき動作をユーザに要求するメッセージを表示した画面の一例を示す図である。
変形例1に係る携帯端末が、されるべき動作をユーザに要求するメッセージを表示した画面の一例を示す図である。

実施例

0019

以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。

0020

<実施形態1>
電子マネーシステムにおける電子バリューは、現金に類する価値を有するものである。電子バリューは、現金と相互もしくは一方から他方へ交換が可能なように、同じ通貨単位で管理されることもあるし、独自の単位を採用して交換の際に換算することもある。また、ユーザのアクション(商品の購入やアンケートへの回答店舗への来店等)に応じて付与される各種のポイントを、電子バリューとして利用することも可能である。

0021

本実施形態は、ストアドバリュー(stored-value)型と呼ばれる電子マネーシステムに適用が可能である。ストアドバリュー型システムでは、ユーザが取引において対価として支払うことが可能な電子バリュー(「残高」とも称される。)を、電子回路を組み込んだカードや携帯電話、スマートフォンなどの各種の可搬デバイスに対応付けて管理する。

0022

ストアドバリュー型システムでは、可搬デバイスが有する電子回路に、利用可能な電子バリューの数値を記憶させるのが一般的である。この態様は、財布に現金が入っている状態に相当する。以下では、可搬デバイスに対応付けられるバリューを、「財布の中に残っている現金」になぞらえて、「残存バリュー(remaining value)」と呼ぶ。

0023

商品やサービスの提供者は、可搬デバイスと通信可能なリーダ/ライタを利用することにより、ユーザからの対価の支払を受け付ける。ユーザが可搬デバイスをリーダ/ライタに翳すと、可搬デバイスとリーダ/ライタの通信が可能となり、リーダ/ライタから可搬デバイスへ、各種のコマンドを送信すると、そのコマンドの実行結果が可搬デバイスからリーダ/ライタへ送信される。

0024

たとえば、問い合わせコマンドを利用することにより、実行結果として、現在可搬デバイスに対応付けられている残存バリューの数値を取得することができる。

0025

減少コマンドでは、当該コマンドに指定された電子バリューだけ、可搬デバイスに対応付けられている残存バリューを減少させる。これは、財布から現金を取り出したことに対応する。すなわち、減少コマンドは、商品やサービスの提供を受ける取引において、対価を支払う際、すなわち「課金」の際に利用される。以下では、減少コマンドに指定される電子バリューを、「対価バリュー(price value)」と呼ぶ。

0026

増加コマンドは、当該コマンドに指定された電子バリューだけ、可搬デバイスに対応付けられている残存バリューを増加させる。これは、財布に現金を入れることに対応する。増加コマンドは、たとえば店頭で、ユーザが店員に現金を支払うかわりに、当該現金に相当する電子バリューを可搬デバイスにチャージする際に利用される。

0027

なお、可搬デバイスが、インターネット等のコンピュータ通信網を介した通信を行う機能を有する場合には、可搬デバイス内で動作するアプリケーションが、コンピュータ通信網を介して送られたコマンドに呼応して、可搬デバイスに対応付けられる残存バリューの取得や増減を行うことも可能である。この場合には、リーダ/ライタを利用せずに、対価の支払や残存バリューのチャージが可能となる。

0028

減少コマンドや増加コマンドなどで、電子バリューの増減が行われる、ということは、支払者と提供者との間でバリューの移動が起きたことを意味する。提供者は、このバリューの移動の情報を、電子マネーの管理サーバに伝達する。電子マネーの管理サーバは、電子マネーサービス全体の運営者により運営されている。電子マネーの管理サーバに蓄積された決済情報を合算すれば、提供者がその期間内に得た、あるいは、失った電子バリューの総額が得られる。

0029

提供者は、電子バリューを獲得しているのであれば、運営者から現金等に交換して手に入れることができる。一方、電子バリューを失っているのであれば、提供者は、運営者に対して、当該電子バリューに対する現金等の支払いをする責務を負う。

0030

なお、提供者と、電子マネーサービス全体の運営者と、の間に、中間的な業者が介在することもある。この業者は、電子マネーサービスの事業者と呼ばれ、提供者が電子バリューによる支払を受けるために必要なインフラストラクチャの準備や電子バリューの取扱いについての助言サポートを行う。本実施形態では、電子バリューの支払を受けるために、提供者が用意した携帯電話やスマートフォン等の携帯端末をリーダ/ライタとして利用するが、携帯端末をリーダ/ライタとして機能させるためのプログラムは、運営者や事業者が用意した配布サーバが携帯端末に配布する。

0031

本実施形態では、リーダ/ライタとして機能する携帯端末と、その通信可能範囲に入っている可搬デバイスと、の通信にはNFCを採用するが、赤外線通信ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を採用してもよい。

0032

なお、本実施形態は、サーババリュー方式と呼ばれる電子マネーシステムに適用することも可能である。サーババリュー方式では、可搬デバイスからは、電子バリューの財布に相当するアカウントの識別情報が取得され、運営者もしくは事業者のサーバ内において、当該アカウントと、当該アカウントにおける残存バリューと、が管理される。すなわち、サーババリュー方式では、可搬デバイスは、アカウントを識別するための識別タグとして機能するが、残存バリューそのものを記憶することはない。

0033

さて、本実施形態では、いわゆるシンクライアント方式を想定する。シンクライアント方式では、携帯端末は、リーダ/ライタならびに各種の情報のやりとりを人間と行うユーザインターフェースとして機能し、可搬デバイスとのコマンドの送受は、シンクライアント用サーバにより制御される。このシンクライアント用サーバは、提供者自身が用意したものであっても良いし、事業者が提供者に利用権を設定したものであっても良い。シンクライアント用サーバは、提供者における電子バリューの出納役割を担う。シンクライアント用サーバと運営者の間では定期的に、典型的には一日に一回、管理情報の交換がなされ、提供者が所有する電子バリューの総額が求められることになる。

0034

ただし、本実施形態は、いわゆるリッチクライアント方式にも適用が可能である。シンクライアント方式では、携帯端末は、可搬デバイスとサーバとの通信の中継を行うとともに、ユーザとのインタラクションを担うが、リッチクライアント方式では、携帯端末が、さらに、サーバとしての役割も果たすことになる。すなわち、携帯端末が、可搬デバイスとのコマンド送受の吟味を行うとともに、運営者との定期的な通信も担うこととなる。

0035

本実施形態の携帯端末は、スマートフォンや携帯電話などのハードウェアを利用することもできるし、専用の電子回路により構成することも可能であるし、プログラムをコンピュータに実行させることにより実現することも可能である。このほか、コンピュータと専用電子回路の中間形態として、プログラムを電子回路の設計スクリプトコンパイルして、当該設計スクリプトに基づいて電子回路を動的に構成するFPGA(Field Programmable Gate Array)などの技術を適用することにより、本実施形態の携帯端末を構成することも可能である。

0036

本実施形態の携帯端末においては、携帯端末のユーザ(提供者、提供者に雇用された者のほか、提供者から携帯端末を盗み出した者も含む。)による不正行為を抑止するための技術を提供する。以下では、この技術について概説する。

0037

可搬デバイスによる決済が可能な携帯端末を用いることにより、商品あるいはサービスの提供元ではないユーザであっても自身の携帯端末で決済を行うことが可能となる。例えば、携帯端末でソーシャルゲームなどをプレイしているユーザが、有料コンテンツの利用や有料アイテムの購入などのためにゲーム内での決済が必要となった時に、自身の携帯端末を用いて可搬デバイスによる決済を行うことが可能である。他にも、携帯端末を介した通信販売等において、クレジットカード等を用いた信用決済や銀行振替代金引換配達代わる新たな決済方法として、ユーザが所有する携帯端末を用いた可搬デバイスによる決済を利用することも可能である。このような、ユーザが所有する携帯端末を用いた、ユーザが所有する可搬デバイスによる決済では、同じ携帯端末と可搬デバイスの組み合わせで繰り返して決済がなされるケースが多い。

0038

一方、このような決済が可能な携帯端末を用いて、他人の可搬デバイスを近づけて決済を行うことにより、他人の可搬デバイスから電子バリューを盗み取るといった不正使用がなされる危険性が存在する。このような不正使用では、可搬デバイスそのものを窃取して継続的に決済を行うような例外を除き、多くのケースではその携帯端末ではほとんど決済した履歴のない可搬デバイスにより決済が行われることとなる。言い換えると、ユーザにより高い頻度で繰り返し使用されている可搬デバイスは、そうでない可搬デバイスに比べ、ユーザ本人の所有するものである蓋然性が高い。

0039

本実施形態においては、それまで対象の端末ハードウェアでの決済に用いられるケースがまれである度合いを示す指標として、「希少度」という概念を導入する。希少度は、それまで対象の端末ハードウェアにおいて、対象の可搬デバイスが高い頻度で決済に用いられていた場合に低くなる。逆に、それまで対象の端末ハードウェアにおいて、対象の可搬デバイスが決済に用いられた頻度が低く、またはまったく用いられたことがない場合、希少度は高くなる。

0040

本実施形態の携帯端末が提供する技術は、電子バリューの支払の際に、支払いに用いられる可搬デバイスを識別し、当該可搬デバイスによる決済がその携帯端末においてなされた頻度(希少度)に基づいて、異なる行動をユーザに要求するものである。特に、その携帯端末において決済に用いられた頻度の低い(希少度の高い)可搬デバイスが決済に用いられようとしたときには、頻度の高い(希少度の低い)可搬デバイスが決済に用いられたときとは異なる取り扱い(特に、周囲に目立ちやすい取り扱い)をユーザに要求する。それにより、ユーザによる不正使用を抑制し、または、不正使用を可搬デバイスの持ち主あるいは周囲が検知しやすくなるようにするものである。

0041

本実施形態の携帯端末は、当該端末における可搬デバイスの希少度に基づいて保持時間を設定し、設定された保持時間だけ継続して可搬デバイスと携帯端末とが近距離通信が可能な状態に保持されることを条件に決済処理を実行する。この携帯端末は、希少度の高い可搬デバイスには比較的長時間の保持時間を設定し、希少度の低い可搬デバイスには比較的短時間の保持時間を設定する。そのため、ユーザは、過去に高い頻度で決済に利用された可搬デバイスを用いた場合は、短時間の保持により決済することができる。その一方で、過去に決済に利用された頻度の低い可搬デバイスを用いる場合、ユーザは、決済するために比較的長時間、近距離通信が可能な状態を保持する必要がある。そのため、例えば、他人の可搬デバイスからバリューを窃取しようとした場合、その他人の可搬デバイスを携帯端末に長時間近づけた状態を保つ必要があり、窃取行為が周囲に知られやすくなる。それにより、携帯端末のユーザに窃取行為を思いとどまらせること、または、実際に窃取行為がなされた場合にそれを可搬デバイスの持ち主や周囲が容易に知ることが可能となる。

0042

図1は、本発明の実施形態に係る携帯端末の概要を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。

0043

本実施形態に係る携帯端末100は、電子マネーシステムの事業者や運営者が配布サーバから配布したプログラムをスマートフォンや携帯電話等の端末ハードウェアにダウンロードすることによって実現される。

0044

一般に、端末ハードウェアで実行されるプログラムは、コンパクトディスクフレキシブルディスクハードディスク光磁気ディスクディジタルビデオディスク磁気テープ、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録することができる。この情報記録媒体は、端末ハードウェアとは独立して配布・販売することもできる。

0045

端末ハードウェアでは、フラッシュメモリ等の非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録されたプログラムを、一時的(temporary)記憶装置であるRAM(Random Access Memory)に読み出してから、読み出されたプログラムに含まれる指令をCPU(Central Processing Unit)が実行する。ただし、ROMとRAMを一つのメモリ空間にマッピングして実行することが可能なアーキテクチャでは、ROMに格納されたプログラムに含まれる指令を、直接CPUが読み出して実行する。

0046

さらに、上記のプログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網等の一時的(transitory)伝送媒体を介して、事業者が管理する配布サーバ等の非一時的記憶装置から端末ハードウェア等へ配布・販売することができる。

0047

本実施形態にかかる携帯端末100は、プロンプト部11、設定部12、決済部13を備える。以下、各部の動作について概説する。

0048

プロンプト部11は、ユーザ1が携帯端末100を用いて決済を行う操作をした場合(ユーザ1から購入の申し込みがあると)、可搬デバイス2と自機との間の近接場通信を可能とするようにユーザ1に促す機能を有する。特に、携帯端末100は、後述するように画面などユーザ1にメッセージを伝達するためのハードウェアを備えており、プロンプト部11は、こういったハードウェアを利用してユーザ1にメッセージを伝達する。

0049

設定部12は、ユーザ1が可搬デバイス2を携帯端末100に近づけることにより可搬デバイス2と携帯端末100との間で近接場通信が可能となると、近接場通信を介して可搬デバイス2の識別情報を取得する。そのうえで設定部12は、携帯端末100において可搬デバイス2の希少度を、履歴データを参照して算出する。そして設定部12は、算出された希少度に基づいて、ユーザ1が可搬デバイス2と携帯端末100との間で近接場通信が可能な状態を保持すべき時間(保持時間)を設定する。

0050

決済部13は、ユーザ1に保持時間を提示してから、可搬デバイス2と携帯端末100との間で近接場通信が可能な状態が提示された保持時間以上に継続すると、この近接場通信を介し、可搬デバイス2に対応付けられたアカウントから電子バリューの支払いを受け付ける。

0051

携帯端末100は、こういった各機能部を備えることにより、本願発明の目的を達成するものである。これらの機能部(プロンプト部11、設定部12、決済部13)は、前述したように端末ハードウェアのROMまたはRAM等に格納されたプログラムに含まれる指令を、CPUが実行することにより実現される。

0052

携帯端末100の端末ハードウェア200の表面には、図2に示すように、タッチスクリーン202が用意されているほか、端末ハードウェアを操作するためのボタン201、画像又は動画撮影するための表面カメラ203、電話のための通話や、音声入出力を行うためのスピーカ204およびマイク205も配置されている。端末ハードウェア200は、これらのデバイスを備え、例えばタッチスクリーン202によりユーザにメッセージを表示し、あるいはボタン201やタッチスクリーン202を介してユーザからの操作を受け付けるなど、一般的なスマートフォンが提供できる機能を実装するものである。

0053

端末ハードウェア200の裏面には、図3に示すように、裏面カメラ212、および、NFCチップが配置されている場所を示すマーク211が貼付されている。ユーザがマーク211に重なるように可搬デバイスを近づけると、NFCチップが可搬デバイスを検出し、決済の処理を行うことができるようになる。

0054

端末ハードウェア200は、前述のとおり、NFCチップによる近接場通信によって可搬デバイスとの通信を行う。通信の際、NFCチップと可搬デバイスとは十分に接近していれば、NFCチップと可搬デバイスとが接触していなくともまたはNFCチップと可搬デバイスとの間に障害物があっても通信が可能である。そのため、決済が必要なとき以外も含め、常時端末ハードウェア200のNFCチップ付近に可搬デバイスを携帯しておけば、決済が必要になったときにはじめて可搬デバイスをNFCチップ付近に配置する必要がなく、ユーザは容易に決済することができる。そのため、端末ハードウェアの外装を保護するケースに、マーク211に対応する位置付近に可搬デバイスを収納できるポケットを設け、そのポケットに可搬デバイスを収納することも考えられる。

0055

前述のとおり、本実施形態にかかる携帯端末は、可搬デバイスの希少度に基づいた処理を実行する。希少度の算出に当たっては、いろいろな形態が考えられる。例えば、直近の所定期間(6月、あるいは1年など)における当該可搬デバイスでの決済回数により希少度を算出してもよい(この場合、期間内に決済された記録が残っていなければ、希少度は最大となる)。または、対象端末ハードウェアにおいて、当該可搬デバイスを用いて前回に行われた決済から現在までの期間を示す数値指標を希少度としてもよい(この場合、以前に当該可搬デバイスを用いて決済が行われた記録がなければ、希少度は最大となる)。他にも、直近の所定期間内に対象端末ハードウェアにおいて行われた決済処理のうち、対象の可搬デバイスを用いてなされた決済処理の割合でもよい。あるいは、より単純化して、特定の期間(直近1年など)の間に、対象の端末ハードウェアにおいて、対象の可搬デバイスを用いて決済がなされた履歴があると「希少度が低い」、その履歴がないと「希少度が高い」としてもよい。

0056

また、希少度については、いろいろな表現が考えられる。一例として、対象の可搬デバイスの「希少度が高い」または「希少度が低い」の2区分のうちどちらに属するかを表すものであってもよいし、あるいはより多く、3区分以上に区分けされたグループのいずれに属するかを示すものであってもよい。また、希少度は数値指標によって表現されるものでもよく、例えば、その可搬デバイスによる決済から現在までの期間を示す数値指標であってもよい。ここからの説明においては、一例として、直近の所定期間(1年)内に、携帯端末で対象のその可搬デバイスを用いた履歴がある場合に、希少度を「高い」と判定し、そうでない場合に「低い」と判定する携帯端末について説明する。

0057

端末ハードウェア200は、内部に、記録部220を有し、プログラムの制御によりデータを参照し、あるいは新たにデータを記録する。記録部220は、図4に示すように、決済履歴データ221を記録する領域、および、保持時間テーブル222を記録する領域を備える。

0058

決済履歴データ221は、端末ハードウェア200が、それまでに可搬デバイスによる決済が行われた年月日および時刻と、決済に用いられた可搬デバイスの識別情報とを対応付けて記録したデータである。端末ハードウェア200は、自機において可搬デバイスによる決済が行われると、その時点の日付および時刻を示す情報と、その可搬デバイスの識別情報と、を対応付けて決済履歴データ221として記録部220に記録する。そのほかに、行われた決済の用途、決済された金額などをあわせて記録していてもよい。

0059

保持時間テーブル222は、可搬デバイスの希少度を示す情報と、それに対応付けられた保持時間を示す情報とを含むデータである。本実施形態においては、「希少度が低い(頻度が高い)」を示す情報に保持時間「5秒」が、「希少度が高い(頻度が低い)」を示す情報に保持時間「30秒」が対応付けられている保持時間テーブル222が、記録部220に記録されている。

0060

もっとも、前述したように、希少度の分類形態は、「希少度が高い」または「希少度が低い」の2区分のうちどちらに属するかを表すものには限定されない。そのため、保持時間テーブル222は、例えば、希少度(直近1年における当該可搬デバイスによる決済回数)が、「1件以下」「1−3件」「4件以上」など、3以上の区分に分類されていてもよい。その場合、端末ハードウェア200は、各区分それぞれに対応付けられた保持時間を、保持時間テーブル222に記録する。さらに、保持時間テーブル222に記録されている保持時間を示すデータは、定数である必要はない。特に、希少度が、複数に分類された区分のいずれに属するかを示すものではなく、数値指標を示すものであった場合には、保持時間テーブル222に、希少度として記録されている数値から保持時間を導出する数式を含む条件が記録されていてもよい。一例として、可搬デバイスによる前回の決済から現在までの日数を示す数値指標が希少度とされている場合、保持時間テーブル222には、条件として「保持時間=定数(例えば、0.1秒/日)×希少度(例えば、120日)、ただし保持時間の最大値は30秒」といった条件を示すデータが記録されていてもよい。

0061

携帯端末100は、決済の都度、行われた決済の内容を示すデータを決済履歴データ221に追加する。そのため、決済が繰り返されるにつれ、記録部220の中で決済履歴データ221は徐々に肥大化する。決済履歴データ221の取り扱いは任意であり、携帯端末100は、これをそのまま蓄積しつづけてもよい。又は定期的に、決済履歴データ221に含まれる、決済が行われてから所定の期間以上が経過したデータを他の機器に移動し、又は削除することにより、決済履歴データ221のサイズが必要以上に大きくならないように保全してもよい。

0062

保持時間テーブル222については、端末ハードウェア200の工場出荷時に設定されているものでもよいし、または定期的に配布サーバを介して更新されるものであってもよい。

0063

図5は、本発明の実施例に係る携帯端末にて実行される処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。上記のように、本処理は、端末ハードウェア上でプログラムを実行することにより開始され、この処理によって携帯端末100が実現される。

0064

携帯端末100は、ユーザによって決済を行う操作がなされると、図5に示す認証決済プロセスを開始する。

0065

携帯端末100は、認証決済プロセスの最初に、ユーザに、可搬デバイスをNFCチップに近づけ、近接場通信が可能となるように要求する(ステップS11)。この処理においては、例えば携帯端末100は、図6に示すように、端末ハードウェア200のタッチスクリーン202に、ユーザに可搬デバイスをNFCチップ(カードリーダ)に近づけることを要求するメッセージ301を表示する。または、例えばスピーカ204から同内容のメッセージを音声によって出力してもよい。

0066

次に携帯端末100は、ユーザにより可搬デバイスが近接場通信可能になるまで待機する(ステップS12)。本実施形態では、近接場通信が可能となるまで携帯端末100は他の処理を行わない(ステップS12:NO)が、例えば一定時間内に近接場通信が可能とならなければ例外処理として認証決済プロセスを終了してもよい。

0067

ステップS12で、携帯端末100と可搬デバイスが近接場通信可能となると、携帯端末100は次のステップに処理を移す。携帯端末100と可搬デバイスが近接場通信可能になるとは、一例として図7に示すように、端末ハードウェア200の裏面のマーク211に重なるようにユーザが可搬デバイス250を接近させると、NFCチップが可搬デバイス250の存在を検出し、両者の通信が可能となることを指す。

0068

次に携帯端末100は、可能となった近接場通信を用いて可搬デバイスから識別情報を取得する(ステップS13)。

0069

続いて携帯端末100は、可搬デバイスから取得した識別情報に基づいて希少度を判定する(ステップS14)。具体的には、携帯端末100は、決済履歴データ221を参照し、所定の期間(現時点から過去1年間以内)に行われた決済において、可搬デバイスから取得した識別情報と同じ識別情報が記録された決済履歴があるか否かを判定する。その結果、該当する履歴があった場合、その可搬デバイスについて「希少度は低い」と判定する。逆に、該当する履歴がなかった場合、携帯端末100はその可搬デバイスについて「希少度は高い」と判定する。もっとも、上述したように希少度の算出および分類には任意の形態が考えられ、いかなる算出および判定手法を用いてもよい。

0070

続いて携帯端末100は、判定した希少度に基づいて、保持時間を設定する(ステップS15)。具体的には、ステップS14で判定した希少度に基づき、それに対応づけられた保持時間を、保持時間テーブル222から読み出す。例えば、ステップS14で「希少度が高い」と判定されていた場合、希少度が高いケースに対応付けられている保持時間(例えば30秒など)を読み出し、保持時間として設定する。「希少度が低い」と判定されていた場合も同様に、希少度が低いケースに対応付けられている保持時間(例えば5秒など)を保持時間として設定する。

0071

次に携帯端末100は、可搬デバイスとの間で近接場通信が可能な状態が、ステップS15で読み出した保持時間以上に継続するか判定する(ステップS16)。具体的には、近接場通信が可能となってから経過した時間が、ステップS15で設定された保持時間以上に継続するか監視し、保持時間以上に継続した場合は「継続した」と判定する(ステップS16:YES)。一方、保持時間以上に継続する前に近接場通信が可能な状態が終了した場合、「継続しなかった」と判定する(ステップS16:NO)。

0072

ステップS16で、保持時間以上に可搬デバイスが近接場通信可能な状態が継続したと判定した場合(ステップS16:YES)、携帯端末100は、その可搬デバイスによる決済処理を実行する(ステップS17)。具体的には、携帯端末100は、その可搬デバイスに対応付けられたアカウントから電子バリューの支払いを受け、その支払いを受け付けた旨を画面に表示する。ステップS17を終了すると、携帯端末100は、認証決済プロセスを終了する。

0073

一方、ステップS16で、保持時間以上に可搬デバイスが近接場通信可能な状態が継続しなかったと判定した場合(ステップS16:NO)、携帯端末100は、その可搬デバイスによる決済を拒否する処理を実行する(ステップS18)。具体的には、携帯端末100は、タッチスクリーン202上に決済が拒否された旨を示すメッセージを表示し、合わせてスピーカ204から通知音などを出力する。ステップS18を実行した後、携帯端末100は、認証決済プロセスを終了する。

0074

携帯端末100は、ここまで説明した認証決済プロセスにより可搬デバイスによる決済を実行する。このプロセスにより、携帯端末100は、希少度が高い可搬デバイスを用いた決済では、比較的長い保持時間をユーザに要求する一方、希少度が低い可搬デバイスを用いた決済では、比較的短い保持時間で決済を可能とする。そのため、過去に高い頻度で決済に用いられている(ユーザ本人のものである蓋然性の高い)可搬デバイスを用いる場合、決済が短時間で行われ、ユーザにとって便利である。一方、過去に決済に用いられた頻度が低い可搬デバイスについては、携帯端末100は、長時間にわたり可搬デバイスと自機とを近接させることをユーザに要求するので、可搬デバイスが他人のものである場合、決済行為がなされようとしていることが露見しやすくなる。これにより、可搬デバイスの不正使用を抑制することが可能となる。

0075

上述した内容では、携帯端末100は、可搬デバイスとの間で近接場通信が可能となってから決済を行うまで、設定された保持時間をユーザに提示することは記載されていないが、携帯端末100は保持時間をユーザに提示するものであってもよい。具体的には、上述した認証決済プロセスのステップS15において保持時間を設定した後、図8に示すように、設定された保持時間を示すメッセージ302をタッチスクリーン202に表示してもよい。これにより、ユーザは、可搬デバイスを携帯端末100と近接場通信が可能な状態にどの程度の時間だけ保持すればよいか知ることができる。これにより、特に長時間の保持時間が設定された場合であっても、エラーが発生したとユーザが誤認して可搬デバイスを携帯端末100から離してしまうことを防止することができる。

0076

また、携帯端末において行われようとしている決済が、例えばその携帯端末でのゲームの定期利用権である場合、その定期利用権の決済処理を開始する操作(認証決済プロセスの開始操作)がなされた場合、その認証決済プロセスが実行されている期間は、未決済であってもそのゲームを実行できるようにしてもよい。このようにすることで、ゲームの定期利用権の期間終了直前に次の定期利用権を購入しようとする場合であっても、購入処理に要する時間のためにゲームが中断されることなくゲームを継続できる。そのため、ゲームの中断によって消費者がそのゲームに興味を失ってしまう事態を防ぐことができる。

0077

<変形例1>
ここまで述べた実施形態1では、携帯端末は、使用された頻度の低い可搬デバイスが用いられた場合、頻度の高い可搬デバイスが用いられた場合に比べて長い時間、近接場通信が可能な状態に保持することをユーザに要求する。しかし、本発明において携帯端末が決済認証のために要求する動作は、「近接場通信が可能な状態に長時間保持すること」に限定されない。ここから変形例1として、使用された頻度の低い可搬デバイスが用いられた場合に、携帯端末がユーザに「されるべき動作」を提示し、それが設定された保持時間内に実行された場合に決済を処理する例について説明する。

0078

変形例1において、されるべき動作とは、その携帯端末が決済処理に先立ってユーザに実行することを求める動作を指す。されるべき動作の一例としては、可搬デバイスと携帯端末とが近接場通信できる状態を保ったまま、ユーザが携帯端末に振動を与える(シェイクする)ことなどが挙げられる。

0079

ここから説明する変形例1にあっては、携帯端末は、自機に加えられた振動を検知するための振動センサ振動検知部)を備える。この携帯端末は、「されるべき動作」として、ユーザに、自機に振動を与える(シェイクする)ことを要求し、振動検知部が振動を検出した場合に、その「されるべき動作」がなされたと検出する。ただし、後述するように、振動検知部は必須の構成要素ではなく、任意である。

0080

変形例1に係る携帯端末は、図9に示す認証決済プロセスによって認証および決済の処理を実行する。ここから、図9を参照して説明する。なお、携帯端末に決済を行う操作がなされ認証決済プロセスが開始してから、ステップS15において保持時間が設定されるまでの処理については実施形態1と同一であり、それまでのステップについては説明を割愛する。

0081

ステップS15において保持時間が設定された後、携帯端末は、ステップS14で判定された希少度が低いか否かを判定する(ステップS21)。これは、希少度が低ければその可搬デバイスがユーザ本人のものである蓋然性が高いとして「されるべき動作」を求めないのに対し、希少度が高ければユーザに「されるべき動作」を求めるためである。希少度が2段階の区分に分類されている場合であれば、判定された希少度が低い区分に属するものであるなら希少度が低いと判定し、そうでなければ希少度が高いと判定する。また、希少度が3段階以上の区分に分類されている場合、それぞれ区分ごとに、希少度が低い区分に該当するか否かを対応付ける。あるいは、希少度が数値指標で表されているものであれば、判定された希少度が閾値よりも低い場合に、携帯端末は希少度が低いと判定し、そうでなければ希少度が高いと判定する。

0082

ステップS21で希少度が低いと判定された場合(ステップS21:YES)、携帯端末は、決済を処理する(ステップS17)。ステップS17については動作が実施形態1と同様であり、説明については割愛する。

0083

ステップS21において、希少度が高いと判定された場合(ステップS21:NO)、携帯端末は、ユーザに「されるべき動作」を提示する(ステップS22)。携帯端末は、記録部220に記録されている「されるべき動作」を読み出し、図10に示されるように、タッチスクリーン202上にメッセージ303として表示する。図10に示された例では、可搬デバイスと携帯端末とが近接場通信できる状態を保ったまま、ユーザが携帯端末に振動を与えるように、携帯端末はユーザに要求している。

0084

ステップS22に続いて、携帯端末は、提示した「されるべき動作」が実行されるか否かを判定する(ステップS23)。携帯端末は、「されるべき動作」を提示してから保持時間が経過するまで待機し、その期間内に提示した動作(携帯端末をシェイクすることなど)が実行されるかを監視する。

0085

ステップS23で「されるべき動作」が実行されたと判定した場合(ステップS23:YES)、携帯端末は、決済を処理する(ステップS17)。ステップS17については動作が実施形態1と同様であり、説明については割愛する。

0086

また、ステップS23で「されるべき動作」が実行されなかったと判定した場合(ステップS23:NO)、携帯端末は、決済を拒否する処理を実行する(ステップS18)。ステップS18についても動作が実施形態1と同様であり、説明については割愛する。

0087

ステップS17で決済を処理した場合、および、ステップS18で決済を拒否する処理を行った場合、その後、携帯端末は認証決済プロセスを終了する。

0088

変形例1では、携帯端末は、ユーザに、決済に先立つ認証行動として、近接場通信が可能な状態を設定された保持時間だけ保持することだけでなく、より周囲に目立つ動作を要求することができる。そのため、実施形態1と同様に、可搬デバイスの不正使用を抑制することが可能となる。

0089

変形例1において、携帯端末がユーザに要求する「されるべき動作」とは、可搬デバイスと携帯端末とが近接場通信できる状態を保ったまま携帯端末に振動を与えることに限られない。例えば、携帯端末が自機の傾斜を検出する傾斜センサを備えている場合、自機と可搬デバイスとを近接場通信が可能な状態に保ったまま所定の角度まで自機を傾斜させることをユーザに要求してもよい。この場合、携帯端末は、図11に示すように、ユーザに矢印を示すメッセージ305をユーザに提示しつつ、メッセージ305によって示された矢印が所定の方向(例えば、真上など)を向くように要求するメッセージ304を示すことになる。そして、携帯端末は、傾斜センサにより自機の傾斜角度を検出し、それがユーザに要求した角度と合致した場合に、「されるべき動作」がなされたと検出する。

0090

あるいは、携帯端末は、「されるべき動作」として、可搬デバイスと自機とを近づけたり離したりすることを所定の回数繰り返すことをユーザに要求するものであってもよい。可搬デバイスと自機とを近づけたり離したりすることを所定の回数繰り返すことを「されるべき動作」とした場合、近接場通信のための機構が「されるべき動作」を検出する仕組みを提供するため、振動センサや傾斜センサなどの機構を持たない携帯端末でも変形例1の仕組みを実現できる。他にも、「されるべき動作」としては、携帯端末自身が検出できる任意の動作が可能である。また、携帯端末がユーザに、複数の動作を同時に、あるいは順を追って行うものであってもよい。

0091

また、変形例1にかかる携帯端末は、「されるべき動作」を複数記憶しておき、その中から決済の際にランダムで選択された「されるべき動作」を提示するものであってもよい。そのようにすると、要求される動作をユーザが事前に知ることができなくなる。他人の可搬デバイスを不正使用しようとしても、ユーザは事前に「されるべき動作」を知ることができず、可搬デバイスを携帯端末に近づけて初めて提示された「されるべき動作」を確認してその動作をすることが必要となる。そのため、ユーザにとって「されるべき動作」を可搬デバイスの持ち主に知られずに実行することが一層難しくなり、不正使用を抑制するうえでより効果を得ることができる。

0092

さらに、ここまで述べた変形例1においては、携帯端末は、判定された可搬デバイスの希少度に応じて保持時間を設定している。しかしながら、変形例1のように「されるべき動作」をユーザに要求する場合、必ずしも希少度に応じて保持時間を設定する必要はない。そのため、変形例1の認証決済プロセスでは、保持時間を設定するステップS15は任意である。

0093

また、本発明の実施形態に係る携帯端末は、1台で実現されるものに限定されない。複数のコンピュータが上述した各部の機能を分担することにより、それらの複数のコンピュータからなる一つのシステムとして各機能を提供するものであってもよい。

0094

ここまで本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。

0095

また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。

0096

本発明によれば、電子バリューの支払者に操作者が提示する携帯端末において、不正使用を抑制するのに好適な携帯端末、当該携帯端末の制御方法、ならびに、当該プログラムを提供することができる。

0097

1:ユーザ
2:可搬デバイス
11:プロンプト部
12:設定部
13:決済部
100:携帯端末
200:端末ハードウェア
201:ボタン
202:タッチスクリーン
203:表面カメラ
204:スピーカ
205:マイク
211:マーク
212:裏面カメラ
220:記録部
221:決済履歴データ
222:保持時間テーブル
250:可搬デバイス
301、302、303、304、305:メッセージ

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