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技術 水系アルカリイオン二次電池

出願人 国立大学法人九州大学日産化学株式会社
発明者 岡田重人中本康介加納佑輔平田修宮地伸英藤田賢志
出願日 2016年2月12日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-574857
公開日 2017年11月24日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 WO2016-129668
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(その他の蓄電池) 電池の電極及び活物質 糖類化合物
主要キーワード アニール品 可燃性有機溶媒 ナシコン型構造 ナトリウムイオン電池 アルドビオン酸 充放電プロファイル 多環式脂肪族基 フルセル
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この項目の情報は公開日時点(2017年11月24日)のものです。
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図面 (4)

課題

安全性が大幅に向上し、且つ従来の液状の電解液と比較して同程度又はそれ以上の充放電特性が得られる水系アルカリイオン二次電池を提供すること。

解決手段

正極および負極と、ゲル状の電解質を備える水系アルカリイオン二次電池であって、前記ゲル状の電解質は電解質塩、水及びアルドビオン酸誘導体を含有することを特徴とするアルカリイオン二次電池。

概要

背景

近年、高電圧高エネルギー密度という利点を有し、かつ、自己放電率も低いことから、鉛電池ニッケルカドミウム電池等の水溶液系二次電池代わるものとして、非水電解液二次電池が注目されており、その一部は既に商品化されている。例えば、ノート型パソコン携帯電話等は、その半数以上が非水電解液二次電池によって駆動している。

しかし、非水電解液電池では、電解液としてエステル系化合物及びエーテル系化合物等の可燃性有機溶媒が一般に用いられており、該可燃性有機溶媒が電池破裂発火等の問題を引き起こす大きな原因の一つとなっている。

このような問題を解決する一例として、従来用いられている液状の電解質を高分子中に含浸させたポリマーゲル電解質が、電池外部への液漏れによる電解液の着火の問題を解決する手法として提案されている。しかしながら、該ポリマーゲル電解質を用いた電池は、液漏れ以外に対する安全性の確保という点では、これまでの非水系電解質を用いた電池と同様の問題(例えば、電池異常時の短絡過充電等)を抱えており、電池そのものが根本的に安全であるわけではない。

また、近年、新たな様式の電池としては、1MのLi2SO4を水溶性ポリマーであるポリビニルアセトアミドゲル化させて、ゲル電解質とした水系リチウムイオン電池報告されている(特許文献1)。しかしながら、上記リチウムイオン電池は、その原料となる金属リチウムレアメタルであり、高コストであるとともに、資源埋蔵量供給量バランスの観点から、大型化された二次電池の普及には抜本的な課題が残されている。

この観点から、金属リチウムと比較して安価で埋蔵量の豊富ナトリウムを用いた水系ナトリウムイオン二次電池に関心が集まっている。これまでに、ナトリウム二次電池を構成する電極活物質に関する学術文献や特許文献がいくつか報告されており、例えば、層状岩塩型構造を有する結晶NaFeO2からなるもの(非特許文献1)や、ナシコン型構造を有する結晶Na3V2(PO4)3から成るもの(非特許文献2)がある。一方、負極に関しての知見は少なく、正極活物質負極活物質の組み合わせにより、フォーミュレーションされた報告が一部あるだけである(例えば、特許文献2)。しかしながら、未だ実用化に耐え得るだけの十分な放電電圧放電容量、充放電サイクルは得られていない。

概要

安全性が大幅に向上し、且つ従来の液状の電解液と比較して同程度又はそれ以上の充放電特性が得られる水系アルカリイオン二次電池を提供すること。 正極および負極と、ゲル状の電解質を備える水系アルカリイオン二次電池であって、前記ゲル状の電解質は電解質塩、水及びアルドビオン酸誘導体を含有することを特徴とするアルカリイオン二次電池。なし

目的

本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、従来提案された非水系の溶媒を使用した電池に付随する安全性への不安の問題の解決を図り、且つ、電解液のゲル化による電池特性の低下、充放電サイクルという問題をも解決できる、新規な水系アルカリイオン二次電池を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

正極および負極と、ゲル状の電解質を備える水系アルカリイオン二次電池であって、前記ゲル状の電解質は電解質塩、水及びアルドビオン酸誘導体を含有することを特徴とするアルカリイオン二次電池。

請求項2

前記水系アルカリイオン二次電池が水系ナトリウムイオン二次電池であることを特徴とする、請求項1に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項3

前記アルドビオン酸誘導体が下記式(1):(式中、Yは、窒素原子酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい、直鎖状分岐状又は環状の炭素原子数1乃至23の脂肪族基を表し、X1乃至X8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至23の脂肪族基を表し、該脂肪族基は、エステル結合エーテル結合ウレア結合芳香環二重結合又は三重結合を含んでいてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項4

前記アルドビオン酸誘導体が下記式(2):(式中、R1及びR2の一方は水素原子を表し、他方はエステル結合、エーテル結合、ウレア結合、芳香環、二重結合又は三重結合を含んでいてもよい、直鎖状、分岐状又は環状の炭素原子数1乃至23の脂肪族基を表す。)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項5

前記アルドビオン酸誘導体が下記式(3):(式中、Y1は、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合、芳香環、二重結合又は三重結合を表し、n1及びn2は、繰り返し単位単位数であって、それぞれ独立して、1乃至23の整数を表す。)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項6

前記アルドビオン酸誘導体が下記式(4):(式中、n1及びn2は、繰り返し単位の単位数であって、それぞれ独立して、1乃至23の整数を表す。)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項7

前記ゲル状の電解質が水溶性ポリマーを更に含む、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項8

前記水溶性ポリマーがゼラチンポリビニルアルコールPVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイドポリサッカライドポリビニルアミンキトサンポリリジンポリアクリル酸ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸カルボキシセルロース並びにこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項9

前記正極が正極活物質導電補助材及びバインダーを含み、前記負極が負極活物質、導電補助材及びバインダーを含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項10

前記正極活物質及び前記負極活物質はともに、ナトリウムイオンを挿入および脱離可能なナトリウム遷移金属複合酸化物からなるが、但し、両活物質は相異なるものであることを特徴とする、請求項9に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項11

前記正極活物質がCo、Ni、Mn、Cr、V、Ti及びFeからなる群から選択される1種以上の遷移金属元素を含有するナトリウム−遷移金属複合酸化物からなることを特徴とする、請求項10に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項12

前記正極活物質がオリビン型NaFePO4又はオリビン型NaMnPO4であることを特徴とする、請求項11に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項13

前記負極活物質がV、Ti及びFeからなる群から選択される1種以上の遷移金属元素を含有するナトリウム−遷移金属複合酸化物からなることを特徴とする、請求項10に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項14

前記負極活物質がナシコン型NaTi2(PO4)3であることを特徴とする、請求項13に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項15

前記導電補助材がカーボンブラックケッチェンブラックアセチレンブラックカーボンウィスカー、炭素繊維天然黒鉛人造黒鉛カーボンナノ粒子カーボンナノチューブ酸化チタン酸化ルテニウムアルミニウムニッケル及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項16

前記導電補助材がアセチレンブラックであることを特徴とする、請求項15に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項17

前記バインダーがポリエチレンポリプロピレンポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴムフッ素ゴムテトラフルオロエチレンヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体エチレンテトラフルオロエチレン共重合体ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項18

前記バインダーがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることを特徴とする、請求項17に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項19

前記電解質塩がNaNO3、NaOH、NaF、NaCl、NaBr、NaI、NaClO4、Na2SO4、Na(CH3COO)、NaBF4、NaPF6、NaN(CF3SO2)2、NaN(C2F5SO2)2、Na2O、Na2CO3及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1乃至請求項18のうち何れか一項に記載の水系アルカリイオン二次電池。

請求項20

前記電解質塩がNaClO4又はNa2SO4であることを特徴とする、請求項19に記載の水系アルカリイオン二次電池。

技術分野

0001

本発明は、ゲル状の電解質を備えた水系アルカリイオン二次電池、特に水系ナトリウムイオン二次電池に関し、詳細には、アルドビオン酸誘導体を用いたイオン伝導性のゲル状の電解質を備えた水系ナトリウムイオン二次電池に関する。

背景技術

0002

近年、高電圧高エネルギー密度という利点を有し、かつ、自己放電率も低いことから、鉛電池ニッケルカドミウム電池等の水溶液系二次電池代わるものとして、非水電解液二次電池が注目されており、その一部は既に商品化されている。例えば、ノート型パソコン携帯電話等は、その半数以上が非水電解液二次電池によって駆動している。

0003

しかし、非水電解液電池では、電解液としてエステル系化合物及びエーテル系化合物等の可燃性有機溶媒が一般に用いられており、該可燃性有機溶媒が電池破裂発火等の問題を引き起こす大きな原因の一つとなっている。

0004

このような問題を解決する一例として、従来用いられている液状の電解質を高分子中に含浸させたポリマーゲル電解質が、電池外部への液漏れによる電解液の着火の問題を解決する手法として提案されている。しかしながら、該ポリマーゲル電解質を用いた電池は、液漏れ以外に対する安全性の確保という点では、これまでの非水系電解質を用いた電池と同様の問題(例えば、電池異常時の短絡過充電等)を抱えており、電池そのものが根本的に安全であるわけではない。

0005

また、近年、新たな様式の電池としては、1MのLi2SO4を水溶性ポリマーであるポリビニルアセトアミドでゲル化させて、ゲル電解質とした水系リチウムイオン電池報告されている(特許文献1)。しかしながら、上記リチウムイオン電池は、その原料となる金属リチウムレアメタルであり、高コストであるとともに、資源埋蔵量供給量バランスの観点から、大型化された二次電池の普及には抜本的な課題が残されている。

0006

この観点から、金属リチウムと比較して安価で埋蔵量の豊富ナトリウムを用いた水系ナトリウムイオン二次電池に関心が集まっている。これまでに、ナトリウム二次電池を構成する電極活物質に関する学術文献や特許文献がいくつか報告されており、例えば、層状岩塩型構造を有する結晶NaFeO2からなるもの(非特許文献1)や、ナシコン型構造を有する結晶Na3V2(PO4)3から成るもの(非特許文献2)がある。一方、負極に関しての知見は少なく、正極活物質負極活物質の組み合わせにより、フォーミュレーションされた報告が一部あるだけである(例えば、特許文献2)。しかしながら、未だ実用化に耐え得るだけの十分な放電電圧放電容量、充放電サイクルは得られていない。

0007

特開2001−102086号公報
特開2013−89391号公報

先行技術

0008

S.Okada,Y.Takahashi,T.Kiyabu,T.Doi,J.YamakiandT.Nishida,Abstract of 210th ECS Meeting, B2,#201,(2006).
野口良典、小林栄次、L.S.Plashnitsa、土井貴之、岡田重人、山木準一、第49回電池討論会,2E07(2008).

発明が解決しようとする課題

0009

これまで提案された水系リチウムポリマーゲル電池は、ゲル化剤を使用していない水系電解液の電池と比較して、ゲル化剤の存在及び溶液の高粘度化に起因してリチウムイオンの移動が低下し、これによる電気伝導度の低下や充放電容量の劣化がみられ、電解液をゲル化させることによる電池特性の低下という別の問題が生じることが懸念されている。また、金属リチウムを原料とした大型化された二次電池では、コスト、埋蔵量と供給量の観点から汎用的に普及するには抜本的な課題が残されている。

0010

そこで、本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、従来提案された非水系の溶媒を使用した電池に付随する安全性への不安の問題の解決を図り、且つ、電解液のゲル化による電池特性の低下、充放電サイクルという問題をも解決できる、新規な水系アルカリイオン二次電池を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、水系アルカリイオン二次電池の電解質として、アルドビオン酸誘導体、電解質塩及び水とを含むゲル状の電解質を採用することにより、従来の電解質において問題とされた有機溶媒の使用における安全性確保の問題を解決し、且つ、良好なイオン伝導性を有し、従来の液状の電解質を用いた電池と同程度又はそれ以上の充放電特性が得られることを見出し、本発明を完成させた。

0012

すなわち、本発明は、第1観点として、正極および負極と、ゲル状の電解質を備える水系アルカリイオン二次電池であって、前記ゲル状の電解質は電解質塩、水及びアルドビオン酸誘導体を含有することを特徴とするアルカリイオン二次電池に関する。
第2観点として、前記水系アルカリイオン二次電池が水系ナトリウムイオン二次電池であることを特徴とする、第1観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。

0013

第3観点として、前記アルドビオン酸誘導体が下記式(1):



(式中、Yは、窒素原子酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい、直鎖状分岐状又は環状の炭素原子数1乃至23の脂肪族基を表し、X1乃至X8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至23の脂肪族基を表し、該脂肪族基は、エステル結合エーテル結合ウレア結合芳香環二重結合又は三重結合を含んでいてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする、第1観点又は第2観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。

0014

第4観点として、前記アルドビオン酸誘導体が下記式(2):



(式中、R1及びR2の一方は水素原子を表し、他方はエステル結合、エーテル結合、ウレア結合、芳香環、二重結合又は三重結合を含んでいてもよい、直鎖状、分岐状又は環状の炭素原子数1乃至23の脂肪族基を表す。)で表される化合物であることを特徴とする、第1観点又は第2観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。

0015

第5観点として、前記アルドビオン酸誘導体が下記式(3):



(式中、Y1は、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合、芳香環、二重結合又は三重結合を表し、n1及びn2は、繰り返し単位単位数であって、それぞれ独立して、1乃至23の整数を表す。)で表される化合物であることを特徴とする、第1観点又は第2観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。

0016

第6観点として、前記アルドビオン酸誘導体が下記式(4):



(式中、n1及びn2は、繰り返し単位の単位数であって、それぞれ独立して、1乃至23の整数を表す。)で表される化合物であることを特徴とする、第1観点又は第2観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。

0017

第7観点として、前記ゲル状の電解質が水溶性ポリマーを更に含む、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第8観点として、前記水溶性ポリマーがゼラチンポリビニルアルコールPVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイドポリサッカライドポリビニルアミンキトサンポリリジンポリアクリル酸ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸カルボキシセルロース並びにこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、第7観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第9観点として、前記正極が正極活物質、導電補助材及びバインダーを含み、前記負極が負極活物質、導電補助材及びバインダーを含むことを特徴とする、第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第10観点として、前記正極活物質及び前記負極活物質はともに、ナトリウムイオンを挿入および脱離可能なナトリウム−遷移金属複合酸化物からなるが、但し、両活物質は相異なるものであることを特徴とする、第9観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第11観点として、前記正極活物質がCo、Ni、Mn、Cr、V、Ti及びFeからなる群から選択される1種以上の遷移金属元素を含有するナトリウム−遷移金属複合酸化物からなることを特徴とする、第10観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第12観点として、前記正極活物質がオリビン型NaFePO4又はオリビン型NaMnPO4であることを特徴とする、第11観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第13観点として、前記負極活物質がV、Ti及びFeからなる群から選択される1種以上の遷移金属元素を含有するナトリウム−遷移金属複合酸化物からなることを特徴とする、第10観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第14観点として、前記負極活物質がナシコン型NaTi2(PO4)3であることを特徴とする、第13観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第15観点として、前記導電補助材がカーボンブラックケッチェンブラックアセチレンブラックカーボンウィスカー、炭素繊維天然黒鉛人造黒鉛カーボンナノ粒子カーボンナノチューブ酸化チタン酸化ルテニウムアルミニウムニッケル及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、第9観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第16観点として、前記導電補助材がアセチレンブラックであることを特徴とする、第15観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第17観点として、前記バインダーがポリエチレンポリプロピレンポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴムフッ素ゴムテトラフルオロエチレンヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体エチレンテトラフルオロエチレン共重合体ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体からなる群から選択されることを特徴とする、第9観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第18観点として、前記バインダーがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることを特徴とする、第17観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第19観点として、前記電解質塩がNaNO3、NaOH、NaF、NaCl、NaBr、NaI、NaClO4、Na2SO4、Na(CH3COO)、NaBF4、NaPF6、NaN(CF3SO2)2、NaN(C2F5SO2)2、Na2O、Na2CO3及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、第1観点乃至第18観点のうち何れか一つに記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。
第20観点として、前記電解質塩がNaClO4又はNa2SO4であることを特徴とする、第19観点に記載の水系アルカリイオン二次電池に関する。

発明の効果

0018

本発明のゲル状の電解質を有する水系アルカリイオン二次電池によれば、溶媒として非水系の溶媒ではない水を用いていることにより、電池の破損による液漏れ等の原因による引火爆発の危険性を回避できる。このため、一般のナトリウムイオン電池非水系溶媒の電解質をゲル化させて用いている電池と比較すると安全性を大幅に向上させることができる。

0019

また本発明の水系アルカリイオン二次電池は、従来提案された水系ナトリウムイオン電池にみられた電池性能の低下が抑制され、従来の液状の電解質を用いた電池と同程度又はそれ以上の充放電特性を得ることができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の例1(1)で合成された活物質NaTi2(PO4)3のX線回折図である。
本発明の例2(1)で合成された活物質Na2FeP2O7のX線回折図である。
本発明の例3で作製された正極Na2FeP2O7、負極NaTi2(PO4)3評価用ビーカーフルセルの概略図である。
本発明の例3で作製された正極Na2FeP2O7、負極NaTi2(PO4)3評価用ビーカー型フルセルの電流密度2.0mA/cm2でのサイクル特性を示すグラフである。

0021

本発明の水系アルカリイオン二次電池は、正極および負極と、ゲル状の電解質を備えるものであって、前記ゲル状の電解質は電解質塩、水及びアルドビオン酸誘導体を含有する。
そして、特に本発明は、水系アルカリイオン二次電池の電解質として、アルドビオン酸誘導体を含むゲル状の電解質を用いていることを大きな特徴とする。
以下、各構成成分について説明する。

0022

[正極]
本発明の水系アルカリイオン二次電池に用いる正極としては、従来より、アルカリイオン二次電池、特にナトリウム二次電池の正極として提案されている正極を使用することができ、その中でもナトリウムに対して4V以下の放電平坦部をもつものが好適である。
正極は、例えば、正極活物質と導電補助材とバインダーとを含むものから構成され、具体的には、該正極活物質と導電補助材にバインダーを加えた正極材料集電体担持(積層)することによって製造される。

0023

集電体に、正極材料を担持する方法としては、例えば、(1)電極合材加圧成形する方法、(2)有機溶媒等と正極材料を混合して、正極材料のペーストを調製し、そのペーストを、集電体に塗工し、さらに、集電体に塗工したペーストを乾燥した後、プレスする等して固着する方法が挙げられる。

0025

集電体に、ペーストを塗工する方法としては、例えば、スリットダイ工法スクリーン塗工法、カーテン塗工法ナイフ塗工法、グラビア塗工法、静電スプレー法等が挙げられる。

0026

前記正極活物質としては、ナトリウムイオンを挿入および脱離可能なナトリウム−遷移金属複合酸化物からなり、具体的には、ナトリウムイオンの挿入又は脱離に伴って価数が変化する遷移金属元素としてCo、Ni、Mn、Cr、V、Ti、及びFeからなる群から選択される1種以上を含有するナトリウム−遷移金属複合酸化物からなるものが好ましく、例えば、オリビン型NaFePO4、オリビン型NaMnPO4、Na2FePO4F、O3型NaFeO2、O3型NaCrO2、O3型NaFe0.5Co0.5O2、P2型Na2/3Fe0.5Mn0.5O2、Na3V2(PO4)3、Na3V2(PO4)2F3、及びNa4Co3(PO4)2P2O7等の複合酸化物を挙げることができる。

0027

但し、正極活物質は、後述する負極に含まれるナトリウム−遷移金属複合酸化物とは異なる複合酸化物であることが好ましい。
本発明では、前記正極活物質の中でも、オリビン型NaFePO4又はオリビン型NaMnPO4を用いることがより好ましい。

0028

前記導電補助材としては、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンナノ粒子、カーボンナノチューブなどの炭素材料、或いは、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケルなどの金属又は金属酸化物を使用することが可能である。
これら導電補助材の形状としては、例えば、粉状、球状、フレーク状、フィラメント状、繊維状、スパイク状、針状などから選択される形状を採用することができる。
本発明において、使用する導電補助材としては、アセチレンブラックであることが好ましい。

0029

前記バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体又はエチレン−アクリル酸共重合体を用いることが可能である。
中でも、本発明において、使用するバインダーとしてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることが好ましい。

0030

さらに、前記集電体としては、ステンレスメッシュニッケルメッシュ、金メッシュ等を用いることができる。

0031

[負極]
本発明の水系アルカリイオン二次電池において用いる負極としては、従来より、アルカリイオン二次電池、特にナトリウムイオン二次電池の負極として提案されている負極を使用可能である。
負極は、例えば、負極活物質と導電補助材とバインダーとを含むものから構成され、具体的には、該負極活物質と導電補助材にバインダーを加えた負極材料を集電体に担持(積層)することによって製造される。
ここで、集電体に負極材料を担持する方法としては、例えば、上記[正極]において説明した方法と同様の方法が挙げられ、また負極に用いられる導電補助材、バインダー及び集電体は、上記[正極]において挙げたものを好適に使用できる。

0032

前記負極活物質としては、ナトリウムイオンを挿入および脱離可能なナトリウム−遷移金属複合酸化物からなり、具体的にはナトリウムイオンの挿入および脱離に伴って価数が変化する遷移金属元素としてV、Ti、及びFeからなる群から選択される1種以上を含有するナトリウム−遷移金属複合酸化物からなるものが好ましく、例えば、ナシコン型NaTi2(PO4)3、NaV2(PO4)3等の複合酸化物を挙げることができる。

0033

但し、負極活物質は、前述した正極に含まれるナトリウム−遷移金属複合酸化物とは異なる複合酸化物であることが好ましい。
本発明では、前記負極活物質の中でも、ナシコン型NaTi2(PO4)3を使用することがより好ましい。

0034

[ゲル状の電解質]
<アルドビオン酸誘導体>
本発明に用いられるアルドビオン酸誘導体としては、アルドビオン酸から誘導される化合物であって、電解質をゲル化させることができれば特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。

0035

(式中、Yは、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい、直鎖状、分岐状又は環状の炭素原子数1乃至23の脂肪族基を表し、X1乃至X8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至23の脂肪族基を表し、該脂肪族基は、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合、芳香環、二重結合又は三重結合を含んでいてもよい。)

0036

上記直鎖状、分岐状又は環状の炭素原子数1乃至23の脂肪族基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基からn−トリコシル基までの直鎖状脂肪族基;iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基等の他、炭素原子数が23までの範囲で且つ任意の箇所で分岐している分岐状脂肪族基シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等の単環式脂肪族基、並びにノルボルニル基イソボルニル基トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基ヘキサシクロヘプタデカニル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、スピロデカニル基、スピロウンデカニル基等の多環式脂肪族基等の環状脂肪族基が挙げられる。

0037

また、上記脂肪族基は、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合、芳香環、二重結合又は三重結合を含んでいてもよい。
したがって、本発明における「脂肪族基」には、脂肪族部分からなる基の他、脂肪族部分の中に上記エステル結合、エーテル結合、ウレア結合、芳香環、二重結合又は三重結合がとり入れられた基が該当する。

0038

本発明において、上記アルドビオン酸誘導体としては、下記式(2)で表される化合物が好ましい。



(式中、R1及びR2の一方は水素原子を表し、他方はエステル結合、エーテル結合、ウレア結合、芳香環、二重結合又は三重結合を含んでいてもよい、直鎖状、分岐状又は環状の炭素原子数1乃至23の脂肪族基を表す。)

0039

上記式(2)において、R1及びR2が表す直鎖状、分岐状又は環状の炭素原子数1乃至23の脂肪族基は、式(1)における脂肪族基と同義である。

0040

また、本発明において、上記アルドビオン酸誘導体としては、下記式(3)で表される化合物がより好ましい。



(式中、Y1は、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合、芳香環、二重結合又は三重結合を表し、n1及びn2は、繰り返し単位の単位数であって、それぞれ独立して、1乃至23の整数を表す。)

0041

さらに、本発明において、上記アルドビオン酸誘導体としては、下記式(4)で表される化合物が特に好ましい。



(式中、n1及びn2は、繰り返し単位の単位数であって、それぞれ独立して、1乃至23の整数を表す。)

0042

本発明に用いられるアルドビオン酸誘導体の具体例としては、例えば、N−オレイルラクトビオナミドが挙げられる。

0043

本発明に用いられるアルドビオン酸誘導体は公知の方法で合成することができ、例えば、上記式(1)乃至式(4)で表される化合物は、特許第3516460号公報に従って、合成することができる。

0044

本発明における水系アルカリイオン二次電池に用いるゲル状の電解質において、前記アルドビオン酸誘導体の割合は、得られるゲル状の電解質の総質量の0.1乃至30質量%、好ましくは、0.5乃至20質量%、より好ましくは、1乃至5質量%である。なお、本明細書等では、質量%をwt%とも表記する。

0045

<水溶性ポリマー>
本発明では、上記ゲル状の電解質は水溶性ポリマーを更に含んでいても良い。水溶性ポリマーを使用することにより、ゲル状の電解質の機械的強度を高めることができ、またゲルの離水防止剤としての役割をも担えることから有用である。
前記水溶性ポリマーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。

0046

前記水溶性ポリマーの中でも、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリビニルピロリドンであることが好ましく、特にポリビニルアルコール(PVA)が好ましい。

0047

本発明における水系アルカリイオン二次電池に用いるゲル状の電解質において、前記水溶性ポリマーが使用される場合のその割合は、得られるゲル状の電解質の総質量の0.1乃至30質量%、好ましくは、0.5乃至20質量%、より好ましくは、1乃至5質量%である。

0048

<電解質塩>
本発明においてゲル状の電解質に用いられる電解質塩としては、従来より、アルカリイオン二次電池、特にナトリウムイオン二次電池に使用可能であるとして提案されている電解質塩が使用できる。具体例としては、例えば、NaNO3、NaOH、NaF、NaCl、NaBr、NaI、NaClO4、Na2SO4、Na(CH3COO)、NaBF4、NaPF6、NaN(CF3SO2)2、NaN(C2F5SO2)2、Na2O、Na2CO3等のナトリウム塩及びこれらの混合物が挙げられる。

0049

本発明におけるゲル状の電解質に用いられる電解質塩(ナトリウム塩)としては、特にNaClO4又はNa2SO4であることが好ましい。

0050

本発明におけるゲル状の電解質において、電解質塩は、得られるゲル状の電解質に0.01乃至5mol/kg、好ましくは、1乃至3mol/kgの濃度で用いられる。

0051

セパレータ
本発明のアルカリイオン二次電池は、通常、セパレータをさらに備えている。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂フッ素樹脂含窒素芳香族重合体等の材質からなる多孔質フィルム、不織布、織布等の形態を有する材料を用いることができる。

0052

セパレータの厚さは、電池の体積エネルギー密度上がり内部抵抗が小さくなるという点で、機械的強度が保たれる限り薄いほど好ましい。セパレータの厚さは、一般に、5乃至200μm程度であることが好ましく、より好ましくは5乃至40μm程度である。

0053

<アルカリイオン二次電池の製造方法>
本発明において、アルカリイオン二次電池がセパレータを備える場合には、例えば、上述の正極、セパレータおよび負極を、この順に積層および巻回することによって、正極、セパレータおよび負極から構成される電極群を得た後、この電極群を電池缶内に収納し、電池缶内にゲル状の電解質を注入して、電極群にゲル状の電解質を含浸させることによって、アルカリイオン二次電池を製造することができる。

0054

電極群の形状としては、例えば、この電極群を巻回の軸と垂直方向に切断したときの断面が、円形楕円形長方形、角が取れたような長方形等をなすような形状が挙げられる。

0055

また、アルカリイオン二次電池の形状としては、例えば、ペーパー型、コイン型円筒型、角型等の形状が挙げられる。

0056

次に実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0057

本実施例に用いた下記のアルドビオン酸誘導体(5)は、特許第3516460号公報に従って合成した。

0058

[例1]
(1)活物質NaTi2(PO4)3の合成
負極となるNaTi2(PO4)3はsol−gel法にて合成した。過酸化水素30%溶液40mLに純度97%のTi(OCH2CH2CH2CH3)4試薬0.01molを溶かし、そこに28%のアンモニア水15mLおよびTiの2倍モル量クエン酸を加え、さらにNa2CO3を溶かして0.25mol/Lに調製した水溶液10mLとNH4H2PO4を溶かして1.5mol/Lに調製した水溶液10mL、エチレングリコール0.02molを加えて、80℃で1〜2時間で蒸発乾固させた後、140℃でさらに2〜4時間加熱して橙色のゲルを得た。これを350℃および800℃でそれぞれ大気焼成することでNaTi2(PO4)3を得た(図1)。同図のXRDパターンから、主相はICDD#33−1296と一致し、ナシコン型NaTi2(PO4)3単相と同定された。

0059

(2)負極の作製
上記例1(1)で合成した活物質とアセチレンブラック(AB)を70:25の質量比で混合し、遊星ボールミルを用いて400rpm、1時間カーボンコート処理を行った。得られた粉末(活物質およびAB)を800℃、1時間、窒素雰囲気下で熱処理した。得られた粉末(活物質/C)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を質量比95:5で混合し、ペレット成形したものを負極とした。

0060

[例2]
(1)活物質Na2FeP2O7の合成
正極となるNa2FeP2O7は固相法にて合成した。NaH2PO4とFe(COO)2・2H2Oを化学量論比2:1で混合し、Ar雰囲気下で600℃、6時間焼成することでNa2FeP2O7を得た(図2)。同図のXRDパターンから、主相はNa2FeP2O7と同定された。

0061

(2)正極の作製
上記例2(1)で合成した活物質とアセチレンブラック(AB)を70:25の質量比で混合し、遊星ボールミルを用いて300rpm、10時間カーボンコート処理を行った。得られた粉末(活物質およびAB)を600℃、10時間、Ar雰囲気下で熱処理した。得られた粉末とPTFEを質量比95:5で混合し、ペレットに成形したものを正極とした。

0062

[例3:水系ナトリウムイオン電池フルセルの作製]
上記例(1)及び(2)で得られた上記Na2FeP2O7、NaTi2(PO4)3をそれぞれアニール処理したアニール品についてペレットを作製しそれぞれ正極、負極とし、電解質として、電解質塩のNa2SO4を超純水に溶かし作製した2M Na2SO4水系電解液と、作製した電解液にN−オレイルラクトビオナミド(LA608)、ラクトビオン酸(LA)をそれぞれ3wt%添加したものを使用し、ビーカー型のフルセルを作製した(図3)。

実施例

0063

[例4:水系ナトリウムイオン電池フルセルの充放電プロファイル
図4に電流密度2.0mA/cm2における上記例3で得られたナトリウムイオン電池フルセルのサイクル特性を示す。LA608を添加した場合は、無添加の電解液および他の添加剤を添加した電解液よりサイクル特性が改善している。これは、電解液がゲル化することにより緩衝効果が高まり、電解質がアルカリ性になることによる作用極の劣化が抑えられたためと考えられる。

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