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技術 薄地織物

出願人 東洋紡STC株式会社
発明者 刀根肇河端秀樹
出願日 2015年1月13日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2016-569141
公開日 2017年10月19日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 WO2016-113833
状態 特許登録済
技術分野 繊維材料の処理 合成繊維 織物 上着、コート 衣服の材料
主要キーワード 全測定箇所 断面SEM写真 水平往復運動 製品耐久性 側面写真 合成マルチフィラメント 摩擦方向 試験片台
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、ダウンウェアダウンジャケットウインドブレーカー布団寝袋レインウェアテント等のスポーツ衣料及び資材に好適に用いられ、軽量・薄地でありながら、引き裂き強力が強く、低通気性を確保しながら、耐摩耗性のよい生地を提供する。 本発明に係る薄地織物は、総繊度が5dtex以上60dtex以下であり、単糸繊度が1.0dtex以上7.5dtex以下の略四角形繊維横断面を有する異形モノフィラメントを含有する合成マルチフィラメントを含み、前記合成マルチフィラメントが、薄地織物100質量%中、45質量%以上含まれ、前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面において、隣り合う前記異形モノフィラメント同士の接触長平均値が8μm以上40μm以下であることを特徴とする。

概要

背景

衣料、特にウインドブレーカーダウンジャケットダウンウェア、及びレインウェアなどの外衣は、脇部や肩部において着用時やリュックを背負う時などにリュックなどと擦れることで毛羽立ちが生じたり、破れやすくなることがある。特に、ダウンウェアは、近年ますます軽量化されているが、側地は薄くて軽い生地ではあるものの、外衣として使用すると、登山時などでは草木やリュックなどに擦れてしまい、表面の破れや毛羽立ち等の劣化により織物表面からダウンやフェザーが抜けるという問題があった。

レインウェアも同様に、登山時にリュックなどに擦れて表面が破れ、表生地から雨滴がしみ込むという問題があった。また登山やキャンプなどに使用するリュックやテントなども他の物体との摩耗に強い織物が求められている。このように、アウトドアに使われる衣料や資材には、薄地軽量でありながら、耐摩耗性に優れた織物が求められている。

例えば特許文献1には耐摩耗性織物を得るために、織物を構成するポリエステル繊維極限粘度の範囲を特定し及びポリエステル繊維の結晶化度を一定の範囲にすることで衣料用素材の摩耗を全方向から改善するという方法が開示されている。しかしこの方法では、確かに摩耗は改善されているものの、ダウンジャケットやレインウェア、登山用品等の側地として必要とされるダウンプルーフ性低通気度の特性を維持することが難しかった。

本発明の主用途である、超軽量のダウンウェアやレインウェアの側地では、細い糸を用いて超薄地で軽量な織物としている。更に中綿噴出しや水の進入を防ぐ目的で高密度の織物にして糸−糸間の隙間を塞いでいる。低通気性を実現する目的から使用される細い糸も比較的単糸繊度が低く、繊維本数が多い糸を用いられてきた。しかし、単糸繊度が低い繊維を用いると、消費過程で使用中の擦れによる繊維が損傷しやすく、とりわけ細い糸を用いるこれら用途では、織物の強度低下や通気度の悪化に直結する問題があった。

概要

本発明は、ダウンウェア、ダウンジャケット、ウインドブレーカー、布団寝袋、レインウェア、テント等のスポーツ衣料及び資材に好適に用いられ、軽量・薄地でありながら、引き裂き強力が強く、低通気性を確保しながら、耐摩耗性のよい生地を提供する。 本発明に係る薄地織物は、総繊度が5dtex以上60dtex以下であり、単糸繊度が1.0dtex以上7.5dtex以下の略四角形繊維横断面を有する異形モノフィラメントを含有する合成マルチフィラメントを含み、前記合成マルチフィラメントが、薄地織物100質量%中、45質量%以上含まれ、前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面において、隣り合う前記異形モノフィラメント同士の接触長平均値が8μm以上40μm以下であることを特徴とする。

目的

本発明は、アウトドアウェアなどの衣料着用時の擦れや、テントやリュックでは枝葉などの擦れにより、織物表面が毛羽立ち難く、擦れた部分からダウン漏れや通気度低下が起こり難い織物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

繊度が5dtex以上60dtex以下であり、単糸繊度が1.0dtex以上7.5dtex以下の略四角形繊維横断面を有する異形モノフィラメントを含有する合成マルチフィラメントを含み、前記合成マルチフィラメントが、薄地織物100質量%中、45質量%以上含まれ、前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面において、隣り合う前記異形モノフィラメント同士の接触長平均値が8μm以上40μm以下であることを特徴とする薄地織物。

請求項2

前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面において、1本の合成マルチフィラメントの中で異形モノフィラメントが、1層配列の状態で存在している請求項1に記載の織物

請求項3

前記略四角形が、1組の対角が30°以上90°以下の平行四辺形である請求項1または2に記載の薄地織物。

請求項4

前記略四角形が、1組の対角が30°以上85°以下の平行四辺形である請求項3に記載の薄地織物。

請求項5

前記略四角形が、4本の辺の長さが全て等しい菱形である請求項3または4に記載の薄地織物。

請求項6

カバーファクターが1450以上2500以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄地織物。

請求項7

フラジール形法による初期通気度が2.0cc/cm2/s以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の織物。

請求項8

200回摩耗後のフラジール形法による通気度が2.5cc/cm2/s以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の織物。

請求項9

ダウンウェアダウンジャケットウインドブレーカー布団寝袋レインウェアテントカバンリュックのいずれかの側地に用いられる請求項1〜8のいずれか1項に記載の織物。

請求項10

総繊度が5dtex以上60dtex以下であり、単糸繊度が1.0dtex以上7.5dtex以下の略四角形の繊維横断面を有する異形モノフィラメントを含有する合成マルチフィラメントを、薄地織物100質量%中、45質量%以上含まれるようにして製織するステップと、製織した薄地織物にカレンダー加工を施すステップを有することを特徴とする薄地織物の製造方法。

請求項11

経密度が50本/2.54cm以上400本/2.54cm以下であり、緯密度が50本/2.54cm以上400本/2.54cm以下である請求項10に記載の薄地織物の製造方法。

技術分野

0001

本発明はダウンウェアダウンジャケットウインドブレーカー布団寝袋レインウェアなどのスポーツ衣料及びテントなどの資材に用いる織物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、アウトドアウェアなどの衣料着用時の擦れや、テントやリュックでは枝葉などの擦れにより、織物表面毛羽立ち難く、擦れた部分からダウン漏れ通気度低下が起こり難い織物を提供するものである。

背景技術

0002

衣料、特にウインドブレーカー、ダウンジャケット、ダウンウェア、及びレインウェアなどの外衣は、脇部や肩部において着用時やリュックを背負う時などにリュックなどと擦れることで毛羽立ちが生じたり、破れやすくなることがある。特に、ダウンウェアは、近年ますます軽量化されているが、側地は薄くて軽い生地ではあるものの、外衣として使用すると、登山時などでは草木やリュックなどに擦れてしまい、表面の破れや毛羽立ち等の劣化により織物表面からダウンやフェザーが抜けるという問題があった。

0003

レインウェアも同様に、登山時にリュックなどに擦れて表面が破れ、表生地から雨滴がしみ込むという問題があった。また登山やキャンプなどに使用するリュックやテントなども他の物体との摩耗に強い織物が求められている。このように、アウトドアに使われる衣料や資材には、薄地軽量でありながら、耐摩耗性に優れた織物が求められている。

0004

例えば特許文献1には耐摩耗性織物を得るために、織物を構成するポリエステル繊維極限粘度の範囲を特定し及びポリエステル繊維の結晶化度を一定の範囲にすることで衣料用素材の摩耗を全方向から改善するという方法が開示されている。しかしこの方法では、確かに摩耗は改善されているものの、ダウンジャケットやレインウェア、登山用品等の側地として必要とされるダウンプルーフ性低通気度の特性を維持することが難しかった。

0005

本発明の主用途である、超軽量のダウンウェアやレインウェアの側地では、細い糸を用いて超薄地で軽量な織物としている。更に中綿噴出しや水の進入を防ぐ目的で高密度の織物にして糸−糸間の隙間を塞いでいる。低通気性を実現する目的から使用される細い糸も比較的単糸繊度が低く、繊維本数が多い糸を用いられてきた。しかし、単糸繊度が低い繊維を用いると、消費過程で使用中の擦れによる繊維が損傷しやすく、とりわけ細い糸を用いるこれら用途では、織物の強度低下や通気度の悪化に直結する問題があった。

先行技術

0006

特開2010−168675号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明はかかる従来技術の問題を背景になされたものであり、本発明は、ダウンウェア、ダウンジャケット、ウインドブレーカー、布団、寝袋、レインウェア、テント、カバン、リュック等のスポーツ衣料及び資材に好適に用いられ、軽量・薄地でありながら、引き裂き強力が強く、低通気性を確保しながら、耐摩耗性のよい生地を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、前述したような使用中の擦れにより、単繊維切れて、通気度や織物強度が劣化するのを抑制するために、これまでより単繊度が高く、フィラメント数の少ない合成マルチフィラメントを用いることを検討した。しかしながら、ただ単に単繊度が大きく、フィラメント数が少ない合成マルチフィラメントを用いると通気度が低下してしまうという問題があった。一方、繊度が25dtex以下の細繊度糸になると、織物上でフィラメント中の繊維が織物表面の方向に沿って一列に並びやすくなるため、繊維が少しでも動くと通気度が低下しやすくなることが分かった。そこで本発明者らは、単繊維の断面を略四角形にすることで、繊維間の接触面積を大きくとり繊維間のズレを起こし難く、また通気度が低下しにくい合成マルチフィラメントの配列構造を実現することができることを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明に係る薄地織物は、以下の点に要旨を有する。
[1]総繊度が5dtex以上60dtex以下であり、単糸繊度が1.0dtex以上7.5dtex以下の略四角形の繊維横断面を有する異形モノフィラメントを含有する合成マルチフィラメントを含み、前記合成マルチフィラメントが、薄地織物100質量%中、45質量%以上含まれ、前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面において、隣り合う前記異形モノフィラメント同士の接触長平均値が8μm以上40μm以下であることを特徴とする薄地織物。
[2]前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面において、1本の合成マルチフィラメントの中で異形モノフィラメントが、1層配列の状態で存在している[1]に記載の織物。
[3]前記略四角形が、1組の対角が30°以上90°以下の平行四辺形である[1]または[2]に記載の薄地織物。
[4]前記略四角形が、1組の対角が30°以上85°以下の平行四辺形である[3]に記載の薄地織物。
[5]前記略四角形が、4本の辺の長さが全て等しい菱形である[3]または[4]に記載の薄地織物。
[6]カバーファクターが1450以上2500以下である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の薄地織物。
[7]フラジール形法による初期通気度が2.0cc/cm2/s以下である[1]〜[6]のいずれか1項に記載の織物。
[8]200回摩耗後のフラジール形法による通気度が2.5cc/cm2/s以下である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の織物。
[9]ダウンウェア、ダウンジャケット、ウインドブレーカー、布団、寝袋、レインウェア、テント、カバン、リュックのいずれかの側地に用いられる[1]〜[8]のいずれか1項に記載の織物。
[10]総繊度が5dtex以上60dtex以下であり、単糸繊度が1.0dtex以上7.5dtex以下の略四角形の繊維横断面を有する異形モノフィラメントを含有する合成マルチフィラメントを、薄地織物100質量%中、45質量%以上含まれるようにして製織するステップと、製織した薄地織物にカレンダー加工を施すステップを有することを特徴とする薄地織物の製造方法。
[11]経密度が50本/2.54cm以上400本/2.54cm以下であり、緯密度が50本/2.54cm以上400本/2.54cm以下である[10]に記載の薄地織物の製造方法。

発明の効果

0010

本発明の織物は、軽量薄地で低通気性を有する高密度織物でありながら、従来にない特性として、優れた耐摩耗性を有する。これを用いたダウンウェア、レインウェア、布帛製アウトドア物品などは、布帛同士や、岩、草木等に擦れたり、引っかきによる損傷を抑制し、性能低下を抑えて高い耐久性を付与することができる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、本発明で用いる異形モノフィラメントの繊維横断面の説明図である。
図2は、本発明に係る薄地織物の断面を示すSEM写真である。
図3は、従来使用されていた丸断面のモノフィラメントを含む薄地織物の断面を示すSEM写真である。
図4は、カレンダー加工前の薄地織物の断面を示すSEM写真である。
図5は、ラミネーション加工後の薄地織物の断面を示すSEM写真である。
図6−1は、タフタの織組織を模式的に例示する説明図である。
図6−2は、リップストップタフタ1の織組織を模式的に例示する説明図である。
図6−3は、リップストップタフタ2の織組織を模式的に例示する説明図である。
図7は、菱形の糸を紡糸するのに用いる口金吐出孔の概略断面図である。
図8−1は、接触長の測定に用いる資料見本Aである薄地織物の断面を示すSEM写真である。
図8−2は、資料見本Aに接糸線を追加した薄地織物の断面を示すSEM写真である。
図9−1は、接触長の測定に用いる資料見本Bである薄地織物の断面を示すSEM写真である。
図9−2は、資料見本Bに接糸線を追加した薄地織物の断面を示すSEM写真である。
図10−1は、異形モノフィラメントが一列に並んだ状態で織物中に存在していることを示すSEM写真である。
図10−2は、異形モノフィラメントが一列に並んだ状態で織物中に存在していることを示すSEM写真である。
図11は、異形モノフィラメントの並びが好ましくないことを示すSEM写真である。
図12−1は、摩擦堅牢度試験機II型(学振形)試験機の概略図である。
図12−2は、摩擦子に固定された面ファスナー側面写真である。
図12−3は、摩擦子に固定された面ファスナーの上面写真である。
図12−4は、摩耗試験に供する試験片に関する説明図である。
図13−1は、引きつれの代表例を示す写真である。
図13−2は、毛羽立ちの代表例を示す写真である。
図13−3は、穴空きの代表例を示す写真である。

0012

まず本発明に係る軽量の薄地織物について具体的に説明する。本発明に係る薄地織物は、生地を薄地に仕上げるため、細い繊維を高密度に織り上げることにより、厚みを極端に減らし、軽量な薄地織物としている。薄地織物において、高レベルで薄さを追求した場合、薄地織物を構成する合成マルチフィラメントは、1本の合成マルチフィラメントを構成するモノフィラメントが1列に並んだ状態で織物中に存在することが望ましい(例えば、図2図5、図8−1、図9−1、図10−1、図10−2等を参照)。この場合、経糸緯糸は、これらが交差する点において、2本のモノフィラメントだけで重なり合っている。これにより、極めて薄地の織物を得ることが可能となる。しかしながら、このような薄地織物においては、隣り合うモノフィラメント同士の隙間から空気が抜けやすく、低通気度の織物とすることが難しかった。またモノフィラメントの重なりが少ないため、このような薄地織物は使用時の擦れや引っ掛かりなどの外部刺激に弱く、低通気度だけでなく、強度や外観の悪化にも繋がっていた。
本発明は、隣り合うモノフィラメント同士の接触面積を上げることにより、薄地織物中の隙間を生じにくくさせることで、薄地織物の低通気度、強度、外観を向上させるものである。これにより、本発明に係る薄地織物は、擦れや引っかかりに対して、高い耐性を発揮できるようになる。

0013

<合成マルチフィラメント・異形モノフィラメント>
隣り合うモノフィラメント同士の接触面積を上げるため、本発明に係る薄地織物には、略四角形の繊維横断面を有する異形モノフィラメントを含む合成マルチフィラメントが用いられる。「略四角形」とは、4本の辺を有する多角形である。略四角形(後述する平行四辺形、菱形、長方形を含む)は、理想的には4つの頂点が明確で4つの辺が直線であることが望ましい。しかしながら、異形モノフィラメントを製造する工程において、樹脂押し出し速度吐出量冷却速度ムラ等により、略四角形は、必ずしも頂点が明確にならなかったり、辺の一部が曲線になる場合がある。しかしながら、本発明の略四角形には、このような製造上の問題を包含する略四角形(すなわち、頂点が明確でない略四角形や、辺の一部が曲線の略四角形)も含まれるものとする。

0014

前記略四角形としては、例えば、2組の対辺がそれぞれ平行である平行四辺形が好ましい。2組の対辺がそれぞれ平行であれば、隣り合う異形モノフィラメントが接触しやすくなる上、織物の厚さ方向において、経糸に用いられる異形モノフィラメントと、緯糸に用いられる異形モノフィラメントも重なりやすくなり、異形モノフィラメントのずれを高いレベルで抑制することが可能となる。前記平行四辺形には、例えば、2組の対角の大きさがそれぞれ等しい、2組の対辺の長さがそれぞれ等しいといった特徴があり、本発明における平行四角形には、4本の辺の長さが全て等しい菱形、4つの内角が全て等しい長方形、4本の辺の長さ及び4つの内角が全て等しい正方形なども含まれる。

0015

本発明において、好ましい平行四辺形としては、1組の対角が30°以上のものが好ましく、35°以上がより好ましく、40°以上が更に好ましい。1組の対角が30°を下回ると、異形モノフィラメントが直線的になり、隣接する異形モノフィラメントが接しにくく、低通気度を保持し難くなるため好ましくない。好ましい平行四辺形において、1組の対角は90°以下が好ましく、85°以下がより好ましく、80°以下が更に好ましい。1組の対角が90°付近の平行四辺形は(例えば、正方形や長方形)、異形モノフィラメントを並べる際に、異形モノフィラメントが、長さ方向の中心軸周りに稀に回転する場合があり、隣り合う異形モノフィラメントが綺麗に辺同士で重ならないことがある。そのため、1組の対角は85°以下にすることがより好ましい。対角を85°以下にすれば、隣り合う異形モノフィラメントが綺麗に辺同士で重なりあい、一列に均等に並びやすくなるため好ましい。

0016

また本発明において、好ましい平行四辺形は、特に4本の辺の長さが全て等しい菱形であることがより好ましい。例えば、二対の辺の長さが大きく違う扁平度が高すぎる)平行四辺形や長方形の場合、異形モノフィラメントが長さの違う辺同士で接触する場合にモノフィラメント同士の配列が乱れやすく、異形モノフィラメントが綺麗に一列に並ばない部分が生じやすいが、4本の辺の長さを統一することで、より一列に並びやすくなる。

0017

略四角形の辺の長さは、例えば、7μm以上が好ましく、9μm以上がより好ましく、12μm以上が更に好ましく、15μm以上が特に好ましく、40μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましく、30μm以下が更に好ましく、25μm以下が特に好ましい。辺の長さが短すぎると、異形モノフィラメントも細くなる傾向にあり、糸が切れやすくなるなどの不具合を生じるおそれがある。また、辺が長すぎると、異形モノフィラメントが一列に並び難く、生地が厚くなるおそれがある。
また略四角形において、2組の対辺の長さを揃えない場合には、短辺と長辺の比率(短辺/長辺)は、0.3/1〜0.9/1が好ましく、0.4/1〜0.8/1がより好ましい。

0018

本発明の薄地織物では、前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面において、隣り合う前記異形モノフィラメントは接触している必要がある。隣り合う前記異形モノフィラメント同士が接触している長さ(以降、「接触長」と称する場合がある)の平均値は、例えば、8μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、12μm以上が更に好ましく、40μm以下が好ましく、38μm以下がより好ましく、35μm以下が更に好ましい。下限値を下回ると、異形モノフィラメントの接触長が短いために、織物の通気度が悪化しやすく好ましくなく、また上限値を上回ると、薄地織物の低通気性は確保される傾向にはあるが、生地が厚くなり、コンパクト性が失われやすく好ましくない。

0019

なお前記接触長は、以下の方法に基づき測定される。図を用いて説明する。図8−1には、異形モノフィラメントを7本含む総繊度22dtexの1本の合成マルチフィラメントを用いて構成された前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面SEM写真を示している。このような断面において、各異形モノフィラメントは、隣り合う異形モノフィラメント同士が6箇所で接触している。接触長を測定するときは、この接触箇所を全て観察する。図8−2は、図8−1における接触箇所に番号を付け、隣り合う異形モノフィラメントが接触している箇所に、接糸線を加えたものである。接触長の測定には、1本の合成マルチフィラメントを構成する異形モノフィラメントの接触箇所の長さを全て測定し(図8−2の場合は、新たに加えた接糸線)、これを合計したものを、接触箇所の数で除し(図8−2の場合は、「6」)、異形モノフィラメントの接触箇所の長さの平均値を求め、得られた異形モノフィラメントの接触箇所の長さの平均値を接触長として用いる。図9−1にも、異形モノフィラメントを7本含む1本の合成マルチフィラメントを用いて構成された前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面SEM写真を示している。この図9−1の断面においても、図8−2の場合と同様に、隣り合う異形モノフィラメント同士が接触している箇所に番号と接糸線を加えたものを図9−2に示す。図9−2では、各異形モノフィラメントは、隣り合う異形モノフィラメント同士が6箇所で接触していることが分かる。接触長測定の一例として、図8−2及び図9−2から求められる個々の合成マルチフィラメントにおける接触長とその平均値の結果を下記表に示す。図8−2に示す1本の合成マルチフィラメントにおける接触長は15.1μmであり、図9−2に示す1本の合成マルチフィラメントにおける接触長は10.3μmである。本発明では、同様の方法で、任意の経糸及び緯糸をそれぞれ10本ずつ、合計20本の合成マルチフィラメントについて接触長を求め、これらの平均値を「接触長の平均値」として使用する。

0020

0021

本発明に係る薄地織物では、接触長の測定に用いた合計20本の任意の経糸及び緯糸の合成マルチフィラメントの全測定箇所のうち、接触長が8〜40μmである測定箇所が、全測定箇所100%中、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましく、60%以上が特に好ましく、上限は限定されないが、100%が好ましく、90%以下であってもよい。30%以上であれば、隣り合う異形モノフィラメントの接触面積が十分なものとなり、低通気度の薄地織物を得やすくなる。

0022

使用中の擦れや引っかきなどにより、異形モノフィラメントが切れて通気度や織物強度が低下しないように、前記異形モノフィラメントは、比較的太いことが好ましい。このような観点から、異形モノフィラメントの単糸繊度は、例えば、1.0dtex以上であり、1.5dtex以上がより好ましく、2dtex以上が更に好ましい。一方、異形モノフィラメントが太すぎる場合、薄地織物が硬くなったり、高密度の生地とすることが難しくなることから、異形モノフィラメントの単糸繊度は、通常7.5dtex以下であり、6dtex以下が好ましく、5.5dtex以下が更に好ましい。

0023

異形モノフィラメントを含む合成マルチフィラメントは、総繊度が5dtex以上であり、10dtex以上がより好ましく、13dtex以上が更に好ましく、通常60dtex以下であり、35dtex以下がより好ましく、30dtex以下が更に好ましい。合成マルチフィラメントの総繊度を前記範囲に調整することにより、軽量薄地で必要な強度を有する織物が得られる。一方、前記合成マルチフィラメントの繊度が下限値を下回ると必要な強度が得られない場合があり、また上限値を上回ると嵩高の織物となるため軽量薄地の織物が得られにくくなる。

0024

1本の合成マルチフィラメントに含まれるモノフィラメントの本数は、例えば、2本以上が好ましく、より好ましくは3本以上であり、更に好ましくは5本以上であり、30本以下が好ましく、より好ましくは20本以下であり、更に好ましくは15本以下である。モノフィラメントの本数が多くなると、モノフィラメントの単糸繊度が小さくなり、糸が切れやすくなるため好ましくない。

0025

本発明の合成マルチフィラメントを構成する繊維は、樹脂からなる合成繊維であることが望ましい。前記樹脂は、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類ナイロン6ナイロン66ナイロン46、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612或いはその共重合体などのポリアミド類ポリアクリロニトリルポリ塩化ビニルポリビニルアルコールなどの合成ポリマーなどが挙げられる。ポリエステル類ではポリエチレンテレフタレート、ポリアミド類ではナイロン6及びナイロン66が好ましく用いられる。そのうち特にポリアミド類は、略四角形断面を有する異形モノフィラメントに使用する場合であっても、薄地織物の風合いを柔らかくでき、また薄地織物の引裂き強力も高くできるため好ましい。

0026

前記合成マルチフィラメントを構成する樹脂の相対粘度は、例えばナイロンの場合、2.0以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましく、3.0以上であることが更に好ましく、上限は特に限られないが、通常、4.5以下である。樹脂の相対粘度が2.0以上であれば、得られる異形モノフィラメントが適当な破断強度を有するため好ましい。また樹脂の相対粘度が2.5以上であれば、得られる異形モノフィラメントが適当な破断強度と破断伸度を有することができる。更に、樹脂の相対粘度が3.0以上であれば、異形モノフィラメントの繊維横断面を略四角形にする場合、4つの角度を明確に形成することが可能となる。一方、樹脂の相対粘度が2.0未満になると、異形断面は丸断面に比べて破断強度が弱いこともあり、破断強度不足による製品の引き裂き強力、破断強度の低下、破断伸度不足により加工操業性の悪化、製品耐久性の悪化という問題が生じる場合がある。

0027

前記合成マルチフィラメントを構成する樹脂としてポリエステルを用いる場合の樹脂の極限粘度は、例えば、ポリエステルの場合、0.5以上であることが好ましく、0.55以上であることがより好ましく、0.58以上であることが更に好ましく、上限は特に限られないが、通常、1.5以下である。樹脂の極限粘度が0.5以上であれば、得られる異形モノフィラメントが適当な破断強度を有するため好ましい。一方、樹脂の極限粘度が0.5未満であると、異形断面は丸断面に比べて破断強度が弱いこともあり、破断強度不足による製品の引き裂き強力、破断強度の低下、破断伸度不足により加工操業性の悪化、製品耐久性の悪化という問題が生じる場合がある。

0028

前記異形モノフィラメントには、必要に応じて、吸湿性物質酸化防止剤つや消し剤紫外線吸収剤抗菌剤等が、単独または複合して添加されてもよい。また、前記異形モノフィラメントの沸水収縮率熱応力複屈折率、太さなどは、特に限定されず適宜設定すればよい。

0029

合成マルチフィラメントの破断強度は、特に限定されないが、3.3cN/dt以上が好ましく、4.0cN/dt以上がより好ましい。前記合成マルチフィラメントの強度が3.3cN/dt以上であれば、高異形度においても適当な引き裂き強力の織物が得られる。合成マルチフィラメントの破断強度の上限は特に限定されるものではないが、通常、10cN/dt以下である。

0030

合成マルチフィラメントの破断伸度は、特に限定されないが、30%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、40%以上であることが更に好ましく、55%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、45%以下であることが更に好ましい。

0031

異形モノフィラメントの含有率は、薄地織物100質量%中、45質量%以上であることが好ましく、より好ましくは55質量%以上であり、更に好ましくは75質量%以上であり、特に好ましくは85質量%以上であり、上限は特に限定されないが、100質量%が好ましく、95質量%以下であってもよい。異形モノフィラメントを含む合成マルチフィラメントの含有比率を45質量%以上にすることで、擦れや引っかきに強く、通気度の低い薄地織物を得ることができる。

0032

なお前記合成マルチフィラメントには、前述した異形モノフィラメント以外のフィラメントが含まれていてもよいが、本発明においては1本の合成マルチフィラメントにおける異形モノフィラメントの含有率は高い程好ましく、1本の合成マルチフィラメントにおける異形モノフィラメントの含有率は、例えば、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは85質量%以上であり、より更に好ましくは95質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。

0033

本発明で用いられる合成マルチフィラメントについて具体的に説明する。
本発明の合成マルチフィラメントは生糸で用いてもよく、仮撚加工等の捲縮加工が施されたり、二種類以上の合成マルチフィラメントが混用されていてもよいが、好ましくは同一の断面の単繊維のみからなる生糸の合成マルチフィラメントを用いるのがよい。またエアー交絡撚糸も可能であるが、極力施さないか生産性の向上するために最低限の施用に抑えるのが好ましい。エアー交絡するのであればJIS L1013 8.15交絡度フック法)で1〜35程度にするのがよい。

0034

<異形モノフィラメントの製造方法>
本発明に使われる合成マルチフィラメントにおいて、各々の異形モノフィラメントを略四角形(特に、菱形)とするためには、ノズルの口金吐出孔の形を図7に示すような星型に設計することが好ましい。すなわち、略四角形の異形モノフィラメントを形成し得る星型の口金吐出孔は、4つの凸部(例えば図7では、P〜S)と4つの凹部(例えば図7では、T〜W)を有しており、凸部の2組の対角はそれぞれ等しく、凸部の対角線は直交していることが望ましい。このような星型の口金吐出孔を通じて原料樹脂を紡糸すると、溶融した樹脂が4つの凹部内を広がるように膨らみ、その結果、4つの凸部を結ぶ略四角形の繊維横断面を有する異形モノフィラメントが得られる。すなわち、略四角形の辺の長さは、隣り合う2つの凸部の頂点間の距離に大凡等しくなる(図7中、略四角形の辺の長さL1及びL2は、それぞれ凸部の頂点R−S、S−P間の距離に大凡等しくなる)。そのため、吐出孔の3つの凸部を結んで形成される角度を調整することにより、略四角形の内角を設計することができる(すなわち、略四角形におけるQの内角は、凸部の3つの頂点P、Q、Rを結んで形成される角度とほぼ等しくなる)。

0035

またこの星型の口金吐出孔において、4つの凸部の先端は鋭角にせず丸めることが好ましい。先端を丸めておくことにより、略四角形の頂点が歪むことなく明確な頂点を形成しやすくなる。

0036

更に略四角形を平行四辺形にするための条件としては、凹部の深さ(図7中のL3)を、4つの凹部で全て等しくすることが好ましい。凹部の深さとしては、例えば、0.02mm〜0.14mmが好ましく、より好ましくは0.04mm〜0.12mmである。0.02mm未満であれば、フィラメントが紡出されたときに、ポリマーが外側に膨らみ、綺麗な平行四辺形が形成できない場合があり、また0.14mmよりも深くなると、紡出したポリマーが膨らんでも、膨らみが足りず、星型の繊維横断面となってしまうおそれがある。

0037

更に紡出したポリマーを冷却する際には、図7のP、Q、R、Sの各凸部に冷却風が当たるように、ノズルの孔の位置を設定するのが好ましい。逆に、図7のT、U、V、Wの凹部に冷却風が直接当たらないように、ノズルの孔の位置を設定するのが好ましい。このような凹凸に積極的に冷却風を当てる箇所と、冷却風を当てない箇所を設けることにより、均等な平行四辺形を形成しやすくなる。特に略四角形を菱形にするための条件としては、前記の条件を満たしながら、更に4辺の長さを等しくする必要があるため、ポリマーの粘度をポリエステルであれば、極限粘度を0.5以上のものにすることが好ましく、ポリアミドであれば、相対粘度を2.5以上のものにすることが好ましい。粘度を調整することで、4辺とも等しい菱形断面を形成しやすくなる。

0038

前記断面の合成マルチフィラメントの製造方法については、特に限定されないが、例えば、ポリアミド系合成マルチフィラメントやポリエステル系合成マルチフィラメントでは、スピンドロー方式による紡糸延伸連続装置、または紡糸装置延伸装置を用いて2工程で行うことによって製造可能であり、スピンドロー方式の場合紡糸引取りゴデットローラーの速度を1500m/分〜4000m/分に設定することが好ましく、2000m/分〜3000m/分にすることがより好ましい。

0039

<薄地織物>
以下、本発明の織物について具体的に説明する。擦れや引っかきに強い薄地織物を得るため、本発明の薄地織物には、異形モノフィラメントを含む前記合成マルチフィラメントが、薄地織物100質量%中、45質量%以上含まれており、より好ましくは55質量%以上であり、更に好ましくは75質量%以上であり、上限は特に限定されないが、100質量%が好ましく、95質量%以下であってもよい。異形モノフィラメントを含む合成マルチフィラメントの含有比率を45質量%以上にすることで、通気度の低い薄地織物を得ることができる。

0040

本発明に係る薄地織物において、高レベルで薄さを追求した場合、薄地織物を構成する合成マルチフィラメントは、1本の合成マルチフィラメントを構成する異形モノフィラメントが一列に並んだ状態で織物中に存在することが望ましい(例えば、図2図5、図8−1、図9−1、図10−1、図10−2等を参照)。このように異形モノフィラメントが一列に並ぶことで、生地は極めて薄いものとなる。また本発明では、異形モノフィラメント同士が、隣り合う異形モノフィラメントと界面で接触していることから、異形モノフィラメント間の隙間が少なく、通気度の低い薄地織物が得られやすい。一方、図11には接触長の短い薄地織物の一例を示す。図11に示す断面SEM写真によれば、異形モノフィラメントが均一に並んでおらず接触長が短いため、異形モノフィラメントの隙間が多い構造となり、薄地織物の通気度が高くなってしまうため好ましくない。

0041

本発明に係る薄地織物は、前記合成マルチフィラメントに垂直な方向の断面において、1本の合成マルチフィラメントの中で前記異形モノフィラメントが、1層配列及び/または2層配列の状態で存在していることが好ましい。これは、含まれるモノフィラメント数が少ない上、細い合成マルチフィラメントを用いる本発明の薄地織物に特有の特徴である。図2に示すように、略四角形の繊維横断面を有する異形モノフィラメントを用いれば、モノフィラメントが1層配列になった場合でも、隣接する異形モノフィラメント同士の接触面積が大きく、空気が通り難い構造となる。
なお図3は丸断面のモノフィラメントからなる従来の薄地織物の断面であるが、単繊維が細くて損傷を受けやすく、カレンダー処理を施しても繊維間の接触面積が低く、低通気度の維持が難しいことが伺える。

0042

本発明において1層配列とは、例えば、図2などに示されるように、一本の合成マルチフィラメントを構成する異形モノフィラメントの上面がいずれも薄地織物の表面に露出し、且つ、異形モノフィラメントの下面が当該合成マルチフィラメントと交差する合成マルチフィラメントと接触している状態が理想的な形態である。
しかし、稀に異型モノフィラメントは、略四角形の角(頂点)が上下を向いて配列する場合がある。このように角(頂点)が上下を向いて配列する場合としては、例えば、図10−2の左から4番目の異形モノフィラメントのように、異形モノフィラメントの上面が薄地織物の表面に露出し、且つ、当該異型モノフィラメントの下面がこの異形モノフィラメントを含む合成マルチフィラメント中の他の異形モノフィラメントと接触している状態が挙げられる。
しかしながら本発明では、角(頂点)が上下を向いた異形モノフィラメントであっても、その両側の異型モノフィラメントがそれぞれ、角(頂点)が上下を向いた異形モノフィラメントに接触した場合には、その接触長が短いときに、本発明では1層配列とみなすこととする。異型モノフィラメントの接触長が短い場合とは、例えば、図10−2中の左から4番目の異型モノフィラメントと左から6番目の異型モノフィラメントの接触状態をいう。本発明において、1層配列とみなす接触長の長さとしては略四角形の短辺の長さの半分までを限度とする。

0043

本発明に係る薄地織物のカバーファクター(CF)は、例えば、1300以上であることが好ましく、より好ましくは1450以上であり、更に好ましくは1500以上であり、特に好ましくは1600以上であり、上限は特に限定されないが、例えば、2500以下が好ましく、より好ましくは2000以下であり、更に好ましくは1900以下である。薄地織物のカバーファクターを前記範囲に調整することにより、軽量薄地で、低通気度を有する織物が得られる。一方、薄地織物のカバーファクターが前記範囲を下回ると、薄くて軽い織物が得られるが、複数回カレンダー加工を施しても、低通気度の要求を満たすものになり難い。また上限値を超えると、低通気度の要求は満足できるものの、薄地織物が重くなってしまうため好ましくない。ここで織物のカバーファクター(CF)は、下記式により計算される。
CF=T×(DT)1/2+W×(DW)1/2
[式中、T及びWは織物の経密度及び緯密度(本/2.54cm)を示し、DT及びDWは織物を構成する経および緯糸の太さ(dtex)を示す。]

0044

<薄地織物の製造方法>
本発明に係る薄地織物の製造方法は、
総繊度が5dtex以上60dtex以下であり、単糸繊度が1.0dtex以上7.5dtex以下の略四角形の繊維横断面を有する異形モノフィラメントを含有する合成マルチフィラメントを、薄地織物100質量%中、45質量%以上含まれるようにして製織するステップと、
製織した薄地織物にカレンダー加工を施すステップを有することを特徴とする。
図4は、カレンダー加工前の薄地織物の断面を示すSEM写真であるが、カレンダー加工を施さない場合、異形モノフィラメントの並びは不均一であり、隙間の多い構造となっている。このような薄地織物は、通気度が極めて高く、耐摩耗性も不十分である。

0045

カレンダー加工では、織物の少なくとも片面にカレンダー加工を施すことが好ましく、織物の両面にカレンダー加工を施すことがより好ましい。織物にカレンダー加工を施すことにより、織物を構成する異形モノフィラメントが潰れ、隣り合う異形モノフィラメント同士が接しやすくなり、カレンダー加工を施す前よりも異形モノフィラメント同士が密に接し、異形モノフィラメント間の隙間がなくなるからである(接触長の増大)。カレンダー加工の回数は特に限定されるものではないが、1回のみでも複数回でもよい。

0046

薄地織物の織組織は特に限定されるものではなく、平組織、組織、朱子組織など任意の組織を用いることができ、中でも通気度を抑えるために平組織が好ましく用いられる。さらに、薄地織物の引き裂き強力を高めるために、例えば、図6−2及び図6−3に示されるようなリップストップタフタが特に好ましく用いられる。

0047

また、前記織物の製造に使用する織機も特に限定されず、ウオータージェットルーム織機やエアージェット織機レピア織機、を使用することができる。特にウオータージェットルームやエアージェット織機が好ましく用いられる。

0048

前記織物の製造にあたっては、低張力サイジング機が好適に用いられる。また織機に使うヘルドは糸との摩擦を軽減するために、セラミック材質を使うことが好ましい。接する面積が丸断面より大きい略四角形、平行四辺形、菱形では毛羽立ちを誘発させやすく、セラミックの材質を使うことで、前記のとおり低摩擦で製織することができ、毛羽立ちを抑える傾向にある。

0049

薄地織物の経密度は、例えば、50本/2.54cm以上が好ましく、80本/2.54cm以上がより好ましく、100本/2.54cm以上が更に好ましく、400本/2.54cm以下が好ましく、350本/2.54cm以下がより好ましく、250本/2.54cm以下が更に好ましい。経密度を前記範囲内に調整することにより、異形モノフィラメントが1列配列及び/又は2列配列の状態になりやすいため好ましい。
また薄地織物の緯密度は、例えば、50本/2.54cm以上が好ましく、80本/2.54cm以上がより好ましく、100本/2.54cm以上が更に好ましく、400本/2.54cm以下が好ましく、350本/2.54cm以下がより好ましく、250本/2.54cm以下が更に好ましい。なお、生機密度と仕上密度は同一であっても異なっていてもよい。

0050

製織した織物は、一般的な薄地織物の加工機械を使って、精錬リラックスプリセット染色、仕上げ加工をするとよい。

0051

また、本発明に係る薄地織物には、必要に応じて、撥水処理コーティング加工ラミネート加工等の各種機能加工や、風合いや織物の強力を調整するために柔軟加工樹脂加工シリコーン加工を行うことも可能である。柔軟加工においては、例えば、柔軟剤として、アミノ変性シリコーンポリエチレン系、ポリエステル系、パラフィン系柔軟剤などを使用するとよい。また、樹脂加工においては、例えば、樹脂加工剤として、メラミン樹脂グリオキザール樹脂ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系等の各種樹脂を使用するとよい。

0052

本発明に係る薄地織物の目付は、例えば、15g/m2以上であることが好ましく、20g/m2以上であることがより好ましく、25g/m2以上であることが更に好ましく、70g/m2以下であることが好ましく、60g/m2以下であることがより好ましく、55g/m2以下であることが更に好ましい。織物の目付を前記範囲内に調整することにより、薄地織物で低通気性を有する織物が得られる。一方、織物の目付が15g/m2より小さいと、薄くて軽い生地に仕上がるが、低通気性を有する織物が得られず、また70g/m2を超えると低通気性が得られるが、厚い生地になり軽い織物が得られない。

0053

本発明に係る薄地織物のペンジュラム法による引き裂き強力は特に限定されないが、経方向及び緯方向のいずれも6N以上であることが好ましく、8N以上であることがより好ましく、10N以上であることが更に好ましく、50N以下であることが好ましく、40N以下であることがより好ましく、30N以下であることが更に好ましい。織物の引き裂き強力を前記範囲にすることにより、軽量薄地で必要な引き裂き強力を有する織物が得られる。一方、引き裂き強力が6Nより小さいと、用途によっては織物の引き裂き強力が不足する場合がある。また、50Nを超えると繊度を大きくする必要があり、それに伴って、生地が分厚く硬いものになりやすいため好ましくない。

0054

本発明に係る薄地織物のフラジール形法による初期通気度は、例えば、2.0cc/cm2/s以下であることが好ましく、1.5cc/cm2/s以下であることがより好ましく、1.2cc/cm2/s以下が更に好ましい。初期値が2.0cc/cm2/s以下であれば、ダウンプルーフ性能に優れる織物が得られる。下限は特に限定されないが、例えば、0.05cc/cm2/s以上であり、通常0.1cc/cm2/s以上である。

0055

本発明に係る薄地織物は、隣り合う異形モノフィラメント同士の接触面積が大きいため、繊維同士が密に固定されており、これにより特に洗濯時の繊維のズレを抑制することができる。本発明に係る薄地織物の10回洗濯後の通気度は、例えば、2.0cc/cm2/s以下であることが好ましく、1.5cc/cm2/s以下であることがより好ましく、1.2cc/cm2/s以下が更に好ましい。また本発明に係る薄地織物の20回洗濯後の通気度は、例えば、3.0cc/cm2/s以下であることが好ましく、2.5cc/cm2/s以下であることがより好ましく、2.0cc/cm2/s以下であることが更に好ましい。10回洗濯後の通気度及び20回洗濯後の通気度の下限は、それぞれ特に限定されるものではないが、例えば、0.05cc/cm2/s以上であり、通常0.1cc/cm2/s以上である。
また(洗濯後の通気度−初期通気度)/初期通気度で求められる通気度の低下率は、10回洗濯後の通気度低下率は、異形モノフィラメントが菱形の場合、30%以下であり、織密度を調整するなどして、20%以下にすることも可能であり、0%とすることもできる。また20回洗濯後の通気度低下率は、異形モノフィラメントが菱形の場合、50%以下であり、織密度を調整するなどして、40%以下にすることも可能であり、0%とすることもできる。

0056

本発明に係る薄地織物は、隣り合う異形モノフィラメント同士の接触面積が大きいため、摩耗に対する耐性も高く、本発明に係る薄地織物の200回摩耗後のフラジール形法による通気度は、例えば、2.5cc/cm2/s以下を発揮でき、2.0cc/cm2/s以下がより好ましく、1.5cc/cm2/s以下が更に好ましく、1.0cc/cm2/s以下が特に好ましい。摩耗後の通気度が2.5cc/cm2/s以下であれば、摩耗後による生地表面のフィラメント割れが少なく、ダウンプルーフ性能に優れる織物が得られる。下限は特に限定されないが、例えば、0.05cc/cm2/s以上であり、通常0.1cc/cm2/s以上である。

0057

本発明に係る薄地織物は、200回摩耗した後であっても、4cm以上の引きつれ、2mm以上の毛羽立ち、1mm以上の穴空きが見られず、摩耗後による生地表面のフィラメント割れが少ない。そして本発明の織物の最も好ましい態様では、引きつれ、毛羽立ち、穴空きが見られない織物とすることが可能である。その結果、本発明に係る薄地織物は、消費過程におけるダウンプルーフ性能の耐久性に優れる織物となる。

0058

このようにして得られる本発明に係る薄地織物は、軽量薄地で低通気性を有する高密度織物でありながら、従来にない摩耗性優れた特性を有している。そのため、本発明に係る薄地織物は、ダウンウェア、ダウンジャケット、ウインドブレーカー、布団、寝袋、レインウェア、テント、カバン、リュックのいずれかの側地に好ましく用いることができる。

0059

以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。

0060

<極限粘度>
極限粘度(IV)は、p−クロルフェノールテトラクロルエタンからなる混合溶媒(p−クロルフェノール/テトラクロルエタン=75/25)を用い、30℃で測定した極限粘度〔η〕を、下記の式によりフェノールとテトラクロルエタンからなる混合溶媒(フェノール/テトラクロルエタン=60/40)の極限粘度(IV)に換算したものである。
IV=0.8325×〔η〕+0.005

0061

<相対粘度>
96.3±0.1質量%の試薬特級濃硫酸中にポリマー濃度が10mg/mlになるように試料を溶解させてサンプル溶液を調製した。20℃±0.05℃の温度で水落下秒数が6秒から7秒のオストワルド粘度計を用い、20℃±0.05℃の温度で、調製したサンプル溶液20mlの落下時間T1(秒)及び試料を溶解するに用いた96.3±0.1質量%の試薬特級濃硫酸20mlの落下時間T0(秒)を、それぞれ測定した。使用する樹脂の相対粘度(RV)は下記の式により算出された。
RV=T1/T0

0062

<単繊維断面の測定>
(1)辺の長さの測定
VH−Z450型顕微鏡およびVH−6300型測定器KEYENCE社製)を用い、1500倍の倍率で異形モノフィラメントの断面の各辺の長さを測定し、3本の平均値を辺の長さとした。
(2)内角の測定
VH−Z450型顕微鏡およびVH−6300型測定器(KEYENCE社製)を用い、1500倍の倍率で異形モノフィラメントの断面を撮影し、市販(コクヨ社製)の分度器で鋭角と鈍角を測定し、それぞれ3本の平均値を角度とした。

0063

<単糸繊度(モノフィラメント繊度)>
合成マルチフィラメントの総繊度からフィラメント数を除して求めた。
単糸繊度=総繊度/フィラメント本数

0064

<総繊度>
合成マルチフィラメントの繊度(総繊度)は、100m長の合成マルチフィラメントのカセを3つ作製し、各々の質量(g)を測定し、平均値を求め、100倍して求めた。

0065

<カバーファクター>
織物のカバーファクター(CF)は、下記の式により計算した。
CF=T×(DT)1/2+W×(DW)1/2
[式中、TおよびWは織物の経密度および緯密度(本/2.54cm)を示し、DTおよびDWは織物を構成する経糸および緯糸の太さ(dtex)を示す。]

0066

<通気度>
織物の通気度は、JIS L 1096 8.27.1に規定されている通気性A法(フラジール形法)に準拠して測定した。初期通気度とは、摩耗試験及び洗濯に供する前の薄地織物を試料としたときに測定される通気度であり、200回摩耗後の通気度とは、後述する摩耗試験において、200回往復後の薄地織物を試料に用いたときに測定される通気度である。なお200回摩耗後の通気度用の試料は、経方向の摩耗試験に供された後の薄地織物である。

0067

洗濯方法
織物の洗濯は、JIS L 1096織物 寸法変化の103法に規定される条件に準拠して実施した。「洗濯10回後」とは、洗濯−脱水−乾燥を10回繰り返した後の測定結果であり、「洗濯20回後」とは、洗濯−脱水−乾燥を20回繰り返した後の測定結果である。なお乾燥は吊干し乾燥で行った。洗濯10回後及び洗濯20回後の通気度は前記方法により測定した。

0068

<接触長>
走査電子顕微鏡日本電子株式会社製JSM−6610型)を使い、薄地織物の断面を350倍で撮影し、1本のマルチフィラメントにおいて異形モノフィラメントが接している箇所に接糸線を引き、この長さを全て測定し平均値を求めた。更に任意の経糸及び緯糸それぞれ10本、合計20本の合成マルチフィラメントについても同様に接触長を測定し、これら20本の平均値を接触長とした。

0069

<摩耗試験>
摩耗試験には、JIS L0849で用いられる摩擦堅牢度試験機II型(学振形)試験機及び、市販の面ファスナーとしてクラレ製#A0380オスを用いる。
摩擦堅牢度試験機II型(学振形)試験機を図12−1に示す。摩擦堅牢度試験機II型(学振形)試験機は、試験片台、摩擦子、荷重腕、水平往復運動装置などから構成される。前記試験片台は、金属製の台であり、表面半径Rが200mmのかまぼこ形である。前記摩擦子は、表面半径R45mmの円筒状の曲面であり、摩擦用白綿布(本実施例では面ファスナー)を固定できる耐薬品性金属材質のものである。前記荷重腕は、一端が固定軸でとめられ、他端の摩擦糸に荷重2N(質量約200gのおもりを載せたものに相当)を加えたものであり、固定軸中心から摩擦子中心までの距離は約110mmであり、固定軸を中心に自由に回転することができる。前記水平往復運動装置は、クランクハンドルなどで試験片台を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動でき、摩擦子が100mmの間で往復運動可能なものである。なお、図12−1に示す寸法の単位はmmである。
前記面ファスナーは、長さ約60mm、幅約20mmにカットし、試験機の摩擦子に沿って長手方向に固定する。図12−2は、摩擦子に固定された面ファスナーの側面写真であり、図12−3は、摩擦子に固定された面ファスナーの上面写真である。なお摩擦子の荷重は、摩擦子に300gの荷重を追加して合計500gに調整する。
薄地織物は、図12−4に示すような幅60mm、縦230mmの形にカットして試験片とする。薄地織物の経方向の摩耗試験を行う場合は、薄地織物の経糸が図12−4の長手方向と平行になるようにカットして試験片台にセットする。また、薄地織物の緯方向の摩耗試験を行う場合は、薄地織物の緯糸が図12−4の長手方向と平行になるようにカットして試験片台にセットする。
試験片台に両面テープ(TERAOKA ANCHOR BRAND 幅25mm)を貼り、その上に薄地織物の試験片を自然な状態でセットする。薄地織物の両端は、試験機の試料止め金具で固定する。
測定長は10cmとし、摩擦速度は毎分30回往復とし、往復回数は200回とする。測定一回毎(200回往復毎)に、新しい面ファスナーに取り変える。

0070

<摩耗評価>
以下の表に基づき摩擦後の状態を、引きつれ、毛羽立ち、穴空きの3つの現象について観察及び評価した。各状態の評価については、少なくとも、いずれかの項目で一つでも「著しく目立つ」ものがあれば、「不可」と判定する。例えば、毛羽立ち及び穴空きはないが、引きつれだけ4cm以上の「著しく目立つ」ものであれば、不可と判定した。
また各状態の評価に際し、引きつれ、毛羽立ち、穴空きが複数生じた場合には、いずれも最も長いものを評価した。経方向及び緯方向それぞれに一回ずつ測定を行い、経緯のうち、評価が悪い方の結果を摩耗評価の測定結果とする。
なお引きつれ、毛羽立ち、穴空きの長さの測定基準は以下の通りである。
引きつれの長さは、織物が収縮している部位の摩擦方向の長さとする。
毛羽立ちの長さは、織物表面から垂直方向立ち上がっている毛羽の長さとする。
穴空きの長さは、織物から裏が透け見える部位の摩擦方向の長さとする。

0071

0072

<引裂強力>
織物の引裂き強力は、JIS L 1096 8.15.5に規定されている引裂強さD法(ペンジュラム法)に準拠して、経緯の両方向において測定した。

0073

実施例1
相対粘度3.5のナイロン6ポリマーチップ紡糸温度282℃で、7個の吐出孔(図7に示す形状で(L1:0.481mm、L2:0.481mm、L3:0.07mm、角a:54°)を備える紡糸口金から溶融紡糸した。2つのゴデットローラーのうち、第1ゴデットローラー速度を2800m/分、第2ゴデットローラーの速度を4000m/分に設定し、第2ゴデットロールの温度を160℃にて延伸し、図1に示す略四角形において、角度aが54°、辺A及びA’:18.7μm、辺B及びB’:18.7μmの菱形断面のモノフィラメント7本からなる繊度22dtexの合成マルチフィラメントを得た。該合成マルチフィラメントを経糸及び緯糸に用い、織経密度170本/2.54cm、織緯密度180本/2.54cmに設定し、タフタ組織(平組織)で製織した。
得られた生機を常法に従ってオープンソーパーを用いて精錬、ピンテンターを用いて190℃で30秒間プレセットし、液流染色機(日阪製作所:サーキュラーNS)を用い酸性染料グレーに染色した後、柔軟仕上げ加工を行って180℃で30秒間中間セットを行った。その後、カレンダー加工(加工条件:185℃、圧力:2.45MPa、速度:15m/分)を織物の片面に2回施した。
得られた生地の経密度、緯密度、通気度、引き裂き強力、摩耗評価のそれぞれを評価した。結果を表に示す。

0074

実施例2
口金の角aを85°に変更した以外は実施例1と同様の方法で、合成マルチフィラメント及び織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0075

実施例3
口金の角aを35°に変更した以外は実施例1と同様の方法で、合成マルチフィラメント及び織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0076

実施例4
菱形の口金を、辺a及びa’:18.7μm、辺b及びb’:28.0μmに設定した以外は実施例1と同様の方法で、合成マルチフィラメント及び織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0077

実施例5
図6−2のリップストップタフタ1(表では「リップ1」と記載)で製織した以外は実施例1と同様の方法で、合成マルチフィラメントと織物を作製した。得られた合成マルチフィラメントと織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0078

実施例6
押し出し機の吐出量を、得られる合成マルチフィラメントの繊度が6dtexになるように変更した以外は実施例1と同様の方法で、A及びA’:14.7μm、辺B及びB’:14.7μmの菱形断面のモノフィラメント3本からなる、繊度6dtexの合成マルチフィラメントを得た。また、該合成マルチフィラメントから実施例1と同様の方法で織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0079

実施例7
押し出し機の吐出量を、得られる合成マルチフィラメントの繊度が56dtexになるように変更した以外は実施例1と同様の方法で、A及びA’:15.9μm、B及びB’:15.9μmの菱形断面のモノフィラメント24本からなる、繊度56dtexの合成マルチフィラメントを得た。また、該合成マルチフィラメントを実施例1と同様の方法で織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0080

実施例8
押し出し機の吐出量を、得られる合成マルチフィラメントの繊度が22dtexになるように変更した以外は実施例1と同様の方法で、A及びA’:11.5μm、辺B及びB’:11.5μmの菱形断面のモノフィラメント18本からなる、繊度22dtexの合成マルチフィラメントを得た。また、該合成マルチフィラメントを実施例1と同様の方法で織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0081

実施例9
押し出し機の吐出量を、得られる合成マルチフィラメントの繊度が22dtexになるように変更した以外は実施例1と同様の方法で、A及びA’:28.3μm、辺B及びB’:28.3μmの菱形断面のモノフィラメント3本からなる、繊度22dtexの合成マルチフィラメントを得た。また、該合成マルチフィラメントを実施例1と同様の方法で織物を作製した。
得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0082

実施例10
製織の際に、経糸及び緯糸に用いる合成マルチフィラメントの密度を経密度152本/2.54cm、緯密度150本/2.54cmに設定した以外は実施例1と同様の方法で織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0083

実施例11
製織の際に、経糸及び緯糸に用いる合成マルチフィラメントの密度を経密度310本/2.54cm、緯密度190本/2.54cmに設定した以外は実施例1と同様の方法で織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0084

実施例12
製織の際に用いる合成マルチフィラメントの樹脂をポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法で合成マルチフィラメントと織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0085

実施例13
口金の角aを90°に変更し、吐出される異形モノフィラメントの形を正方形に変更した以外は実施例1と同様の方法で合成マルチフィラメントと織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0086

実施例14
実施例1に記載した原糸を経・緯に用い、図6−3のリップストップタフタ2(表では「リップ2」と記載)にて経密度130本/2.54cm、緯密度:130本/2.54cmで製織した。常法により染色し、公知の方法で染色仕上げ加工を施した。その後、カレンダー加工を1回施した。その後、アサガードAG710(旭硝子株式会社製撥水剤)の6%溶液を織物に含浸させ、マングル絞り、乾燥した後、160℃で30秒間熱処理した。一方離型紙上に下記樹脂をナイフコーターにて塗布し、エアオーブンを用いて100℃で乾燥し、無孔質膜を得た。接着性樹脂を用い前記布帛にラミネート法にて織物の裏面に樹脂膜を付与した。得られた結果を表に示す。また、得られたラミネーション加工された薄地織物の断面SEM写真を図5に示す。
水膨潤性エステル系ポリウレタン樹脂75部
水膨潤性エーテル系ポリウレタン樹脂35部
N,N’−ジメチルホルムアミド80部
HU−720P(吸放湿性微粒子:日本エクスラン工業(株)製)10部
コロネートHL3部

0087

実施例15
口金の孔の直径を0.2mmに変え、吐出されるモノフィラメントの断面を丸形に変更した22dtexの丸形のモノフィラメント7本からなる合成マルチフィラメントを得た。この丸形のモノフィラメントからなる合成マルチフィラメントと、実施例1で用いた菱形のモノフィラメントからなる合成マルチフィラメントをそれぞれ用い、タフタの組織(図6−1参照)で製織した。製織に際し、経糸及び緯糸としては、前記丸形と菱型の糸を交互に1:1の割合で使用し、結果的に菱形の断面と丸形の断面が織物全体重量比で1:1(菱形の比率が織物全体の50%)になるようにした。これ以外は実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。

0088

比較例1
口金の孔の直径を0.2mmに変更し、吐出される異形モノフィラメントの形を丸形に変更した以外は実施例1と同様の方法で合成マルチフィラメントと織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。摩耗性はまずまずだったが通気度が高く、ダウン用の側地としては不向きであった。ダウン結果を表に示す。

0089

比較例2
得られる合成マルチフィラメントの本数を20本に変更し、口金の孔の直径を0.2mmに変更し、断面を丸断面に変更した以外は実施例1と同様の方法で、繊度22dtexの20フィラメントの合成マルチフィラメントを得た。また、該合成マルチフィラメントを実施例1と同様の方法で織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。単糸繊度が細いために、摩耗特性欠けていた。

0090

比較例3
織物にカレンダー加工を施さなかった以外は実施例1と同様の方法で、合成マルチフィラメント及び織物を作製した。得られた合成マルチフィラメント及び織物について実施例1と同じ方法で評価を行った。結果を表に示す。カレンダーで織物を圧縮していなかったので、隣り合う異形モノフィラメント同士の密着性が悪く、通気性が悪かった。また単糸が2層になっているものも観察されたので、摩耗特性もよくなかった。

0091

実施例

0092

0093

A、A’、B、B’、L1、L2:略四角形の辺の長さ
a、a’、b、b’:略四角形の内角
P、Q、R、S:凸部
T、U、V、W:凹部
L3:凹部の深さ

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