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技術 内視鏡レンズ用清拭デバイス及びこの清拭デバイスを備えた内視鏡

出願人 東レ・メディカル株式会社東レ株式会社
発明者 薮崎祥司佐下橋伸寧植木賢上原一剛野澤誠子
出願日 2016年1月9日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-568766
公開日 2018年1月11日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 WO2016-111373
状態 特許登録済
技術分野 内視鏡 孔内観察装置
主要キーワード 性筒状体 拡開角度 汚れ程度 払拭効果 被操作部材 ポリエステル編物 ウォータージェット加工 中空筒
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月11日)のものです。
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図面 (7)

課題

本発明は、内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスを提供する。

解決手段

本内視鏡レンズ用清拭デバイスの前記清拭デバイスが、前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネル挿入可能な長尺体と、前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成され、前記清拭体は、単糸繊度が0.1デシテックス以下の極細合成繊維を50〜80重量%含有し、嵩高度が2.0cm3/gr以上である布帛で覆っている。

概要

背景

従来より内視鏡を用いた検査治療において、内視鏡先端対物レンズ汚れが付着し、視界が不良となる問題が指摘されてきた。これに対して内視鏡付属水洗機能により、対物レンズに付着した汚れを落とすという方法もあるが、水洗機能のみでは、対物レンズに付着した汚れの洗浄が必ずしも十分なものとは言えなかった。

また、内視鏡の先端に軸周りに回転するワイパー部材を設け、このワイパー部材により対物レンズに付着した汚れを取り除くものが知られているが(特許文献1(特開2010—22758号公報)参照)、内視鏡先端部の構造が複雑であり内視鏡が高価となるうえ、ワイパー部材を備えていない内視鏡に活用することができず経済性欠ける。このワイパー部材は、内視鏡の先端に露出して留置され、それ自体で視界を遮ることがあり得るとともに内視鏡の体腔内挿過程で汚れが付着するおそれもあった。

一方、特許文献2(特開2010—22758号公報)では、内視鏡先端にワイパー部材を設けず、内視鏡の処置具挿通路レンズ洗浄具を設ける例が開示されているが、この特許文献2の内視鏡用洗浄具は、内視鏡の処置具挿通路に挿通可能で長尺状の本体部と、本体部に設けられ、直線状態にある本体部の基端部側に向かって延びるブラシを備えている。ブラシは本体部の外周面先端近傍部分植設した、多数の弾性材料製の毛から構成されている。このブラシにより内視鏡のレンズを洗浄した後、ブラシの毛が広がった状態で内視鏡の処置具挿通路を通して、内視鏡用洗浄具を引き抜いて、観察や処置続行することが開示されている。

しかしながら、この特許文献1に記載された内視鏡用洗浄具は、ブラシが広がった状態で内視鏡の処置具挿通路に挿入および引き抜きを行うため、挿入時には処置具挿通路の内壁との間の挿入時の抵抗が大きく、引き抜き時には、広がったブラシにより、処置具挿通路の遠位端側において、ブラシが引っ掛かったり、引き抜き時に処置具挿通路の内壁との間の抵抗が大きく、内視鏡用洗浄具を取り出しにくいという問題がある。特に、内視鏡のレンズを拭き取った後に、鉗子等の処置具により処置が必要な場合は、内視鏡用洗浄具を迅速に挿入、引き抜きをする必要があるが、ブラシが引っ掛かって内視鏡用洗浄具を取り出せない場合、内視鏡自体を患者体内から抜去する必要が生じる可能性があり、患者の体内への内視鏡の再挿入による患者への侵襲や、処置の長時間化、医師集中力低下の要因となるおそれがある。

また、特許文献1のブラシの弾性材料製の毛は、対物レンズのレンズ面から離れた位置にある処置具挿通路と同軸状に位置付けられる本体部に一端が支持され、その一端から毛が斜めに伸びて、他端がレンズ面に接触するように構成されている。そのため、ブラシの毛を、レンズ面に向けて強く押し当てようとしても、ブラシの毛の中央部が撓んでしまい、ブラシによりレンズ面を押圧しながら拭き取ることができず、皮下脂肪等、粘着力の強い汚れに対して清拭効果払拭効果)が低い。一方、ブラシの毛に所定の剛性を持たせた場合は、拭き取り時にレンズ表面を傷つけてしまうおそれがあるうえ、内視鏡用洗浄具を抜き取ることがさらに困難となるという問題がある。

また、清拭体そのものに注目すると、上述するように内視鏡の対物レンズに付着する汚れは、血液等の体液や油分等であり一般に粘性が高く固化しやすい性質のものが多く、単に洗浄したり、ワイパー部材で払いのけるだけでは取り除くことが難しい場合が多い。したがって、検査・治療時における内視鏡の対物レンズの汚れを除去するには高度な汚染物除去性能を有する清拭体を搭載する必要がある。また、治療・検査時に使用する清拭体としては耐久性抗菌性に優れることが要求される。例えば、特許文献3(特開平9−19393号公報)には、極細合成繊維と太繊度合成繊維とからなる複合糸で構成された高密度織物が、メガネレンズ油膜や汚れの拭き取り性に優れていることが開示されているが、単に複合糸を用いただけでは汚れを引き伸ばして完全に拭き取ることができずに、拭き残しが生じることがある。また、洗浄用薬液を含有するウエットクロスも存在するが、ウエットクロスに洗浄用薬液の生体侵襲性を考慮しなければならず、また薬剤をその都度ウエットクロスに含浸させる必要があり、内視鏡の対物レンズの汚れの除去にそのまま採用することは難しい。

概要

本発明は、内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスを提供する。本内視鏡レンズ用清拭デバイスの前記清拭デバイスが、前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネル挿入可能な長尺体と、前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成され、前記清拭体は、単糸繊度が0.1デシテックス以下の極細合成繊維を50〜80重量%含有し、嵩高度が2.0cm3/gr以上である布帛で覆っている。

目的

本発明はかかる問題点に鑑みて、内視鏡の治療・検査時に迅速に挿入、引き抜きが可能であり、かつ、内視鏡の対物レンズ表面に対して押圧力を確実に付与することができる、レンズ表面に付着した粘着力の強い汚れを拭き取ることが可能な内視鏡レンズ用清拭デバイスおよび清拭方法の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスであって、前記清拭デバイスが、前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネル挿入可能な長尺体と、前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成され、前記清拭体は、単糸繊度が0.1デシテックス以下の極細合成繊維を50〜80重量%含有し、嵩高度が2.0cm3/gr以上である布帛で覆っていることを特徴とする内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項2

前記清拭体は、布帛が高収縮繊維を含有する請求項1に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項3

前記清拭体は、布帛の少なくとも一部の繊維が仮撚り加工されている請求項1または2に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項4

前記清拭体は、布帛がウォータージェットパンチ加工されている請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項5

前記清拭体は、単糸繊度が0.1デシテックス以下の極細合成繊維50〜80重量%と、単糸繊度が1デシテックス以上の太繊度合成繊維50〜20重量%とからなる複合糸を用いた布帛からなる請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項6

内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスであって、前記清拭デバイスが、前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネルに挿入可能な長尺体と、前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成され、前記清拭体は、主として単糸繊度0.1デニール以下の仮ヨリ加工された極細合成繊維と単糸繊度1デニール以上の太繊度合成繊維とからなる複合糸で構成された高密度編物からなり、上記太繊度繊維が比較的に編物の内層部を形成し、極細繊維が比較的に編物の表層部にふくらみをもって出現してなるとともに、これら両繊維は互いに交絡を形成している高密度編物からなる、ことを特徴とする内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項7

前記清拭体は、前記極細合成繊維50〜80重量%と前記太繊度合成繊維とからなる複合糸で構成され、該極細合成繊維を主体とする単繊維ウエルコース共25000本/in以上で構成されてなる高密度編物からなる、請求項6に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項8

内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスであって、前記清拭デバイスが、前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネルに挿入可能な長尺体と、前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成され、前記清拭体は、単糸繊度0.1デニール以下の極細繊維フィラメントからなる編織物からなり、かつ、該編織物が実質的に親水性物質または導電性物質を含有しない、ことを特徴とする内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項9

前記清拭体は、前記極細繊維フィラメントと単糸繊度1デニール以上のフィラメント糸とからなる編織物からなり、かつ、該極細繊維が、該編織物の表面を選択的に形成しており、かつ、該編織物の親水性物質または導電性物質の含有量が0.5重量%以下で、かつ、該編織物のJIS B-9923(シェーキング法)で測定される粒子径ミクロン以上の発塵量が、10個/ft3 ・100cm2 以下であるワイピングクロスで、ワイパー部分が構成されている、請求項8に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項10

内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスであって、前記清拭デバイスが、前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネルに挿入可能な長尺体と、前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成され、前記清拭体は、単糸繊度0.5デニール以下の仮ヨリ加工されたポリエステル極細繊維と単糸繊度1.0デニール以上のポリエステル太繊度繊維とからなる複合糸で構成され、これら両繊維は互いに交絡を形成したポリエステル高密度編物からなり、かつ、該繊維がピリジン系抗菌剤を含有する、ことを特徴とする内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項11

前記清拭体は、前記ポリエステル極細繊維と前記ポリエステル太繊度繊維とは、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤を含有する、請求項10に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項12

前記長尺体が中空筒状体であり、該長尺体の先端には中空筒状の収容部が結合され、該収容部内で軸方向に延びる前記被操作部材が、前記長尺体に挿通されたワイヤーを介して前記操作部材と互いに接続され、前記操作部材の操作により、前記ワイヤーを軸方向に移動させることにより、前記格納状態および拡開状態の間で操作し、かつ、前記対物レンズ面に向かって押圧操作が可能であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項13

前記被操作部材は、前記長尺体の先端側で長尺体と枢結されてその先端が長尺体の径方向に広がり、前記枢結された部分から径方向に突出した引張部で前記ワイヤーの先端と連結していることを特徴とする請求項12に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項14

前記長尺体は、その軸方向に対して周方向軸回転できることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項15

前記被操作部材は、弾性部材により前記対物レンズ面に向かって押圧する方向に付勢されていることを特徴とする請求項13に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイス。

請求項16

請求項1〜15のいずれか1項に記載の内視鏡レンズ用清拭デバイスを備えた内視鏡。

技術分野

0001

本発明は、内視鏡レンズ清拭デバイスおよび該清拭デバイスを備えた内視鏡に関する。さらに詳しくは、内視鏡の挿通チャネル挿通されて、内視鏡のレンズ表面を所定の清拭体で清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスおよび該清拭デバイスを備えた内視鏡に関する。

背景技術

0002

従来より内視鏡を用いた検査治療において、内視鏡先端対物レンズ汚れが付着し、視界が不良となる問題が指摘されてきた。これに対して内視鏡付属水洗機能により、対物レンズに付着した汚れを落とすという方法もあるが、水洗機能のみでは、対物レンズに付着した汚れの洗浄が必ずしも十分なものとは言えなかった。

0003

また、内視鏡の先端に軸周りに回転するワイパー部材を設け、このワイパー部材により対物レンズに付着した汚れを取り除くものが知られているが(特許文献1(特開2010—22758号公報)参照)、内視鏡先端部の構造が複雑であり内視鏡が高価となるうえ、ワイパー部材を備えていない内視鏡に活用することができず経済性欠ける。このワイパー部材は、内視鏡の先端に露出して留置され、それ自体で視界を遮ることがあり得るとともに内視鏡の体腔内挿過程で汚れが付着するおそれもあった。

0004

一方、特許文献2(特開2010—22758号公報)では、内視鏡先端にワイパー部材を設けず、内視鏡の処置具挿通路にレンズの洗浄具を設ける例が開示されているが、この特許文献2の内視鏡用洗浄具は、内視鏡の処置具挿通路に挿通可能で長尺状の本体部と、本体部に設けられ、直線状態にある本体部の基端部側に向かって延びるブラシを備えている。ブラシは本体部の外周面先端近傍部分植設した、多数の弾性材料製の毛から構成されている。このブラシにより内視鏡のレンズを洗浄した後、ブラシの毛が広がった状態で内視鏡の処置具挿通路を通して、内視鏡用洗浄具を引き抜いて、観察や処置続行することが開示されている。

0005

しかしながら、この特許文献1に記載された内視鏡用洗浄具は、ブラシが広がった状態で内視鏡の処置具挿通路に挿入および引き抜きを行うため、挿入時には処置具挿通路の内壁との間の挿入時の抵抗が大きく、引き抜き時には、広がったブラシにより、処置具挿通路の遠位端側において、ブラシが引っ掛かったり、引き抜き時に処置具挿通路の内壁との間の抵抗が大きく、内視鏡用洗浄具を取り出しにくいという問題がある。特に、内視鏡のレンズを拭き取った後に、鉗子等の処置具により処置が必要な場合は、内視鏡用洗浄具を迅速に挿入、引き抜きをする必要があるが、ブラシが引っ掛かって内視鏡用洗浄具を取り出せない場合、内視鏡自体を患者体内から抜去する必要が生じる可能性があり、患者の体内への内視鏡の再挿入による患者への侵襲や、処置の長時間化、医師集中力低下の要因となるおそれがある。

0006

また、特許文献1のブラシの弾性材料製の毛は、対物レンズのレンズ面から離れた位置にある処置具挿通路と同軸状に位置付けられる本体部に一端が支持され、その一端から毛が斜めに伸びて、他端がレンズ面に接触するように構成されている。そのため、ブラシの毛を、レンズ面に向けて強く押し当てようとしても、ブラシの毛の中央部が撓んでしまい、ブラシによりレンズ面を押圧しながら拭き取ることができず、皮下脂肪等、粘着力の強い汚れに対して清拭効果払拭効果)が低い。一方、ブラシの毛に所定の剛性を持たせた場合は、拭き取り時にレンズ表面を傷つけてしまうおそれがあるうえ、内視鏡用洗浄具を抜き取ることがさらに困難となるという問題がある。

0007

また、清拭体そのものに注目すると、上述するように内視鏡の対物レンズに付着する汚れは、血液等の体液や油分等であり一般に粘性が高く固化しやすい性質のものが多く、単に洗浄したり、ワイパー部材で払いのけるだけでは取り除くことが難しい場合が多い。したがって、検査・治療時における内視鏡の対物レンズの汚れを除去するには高度な汚染物除去性能を有する清拭体を搭載する必要がある。また、治療・検査時に使用する清拭体としては耐久性抗菌性に優れることが要求される。例えば、特許文献3(特開平9−19393号公報)には、極細合成繊維と太繊度合成繊維とからなる複合糸で構成された高密度織物が、メガネレンズ油膜や汚れの拭き取り性に優れていることが開示されているが、単に複合糸を用いただけでは汚れを引き伸ばして完全に拭き取ることができずに、拭き残しが生じることがある。また、洗浄用薬液を含有するウエットクロスも存在するが、ウエットクロスに洗浄用薬液の生体侵襲性を考慮しなければならず、また薬剤をその都度ウエットクロスに含浸させる必要があり、内視鏡の対物レンズの汚れの除去にそのまま採用することは難しい。

0008

特開2010—22758号公報
特開2010—4938号公報
特開平9—19393号公報

先行技術

0009

そこで、本発明はかかる問題点に鑑みて、内視鏡の治療・検査時に迅速に挿入、引き抜きが可能であり、かつ、内視鏡の対物レンズ表面に対して押圧力を確実に付与することができる、レンズ表面に付着した粘着力の強い汚れを拭き取ることが可能な内視鏡レンズ用清拭デバイスおよび清拭方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0010

第一の本発明の内視鏡レンズ用清拭デバイスは、内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスであって、前記清拭デバイスが、前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネルに挿入可能な長尺体と、前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成されている。前記清拭体は、単糸繊度が0.1デシテックス以下の極細合成繊維を50〜80重量%含有し、嵩高度が2.0cm3/gr以上である布帛(ふはく繊維製品の総称))で覆っていることを特徴とする。

0011

また、前記清拭体の布帛が高収縮繊維を含有し、布帛の少なくとも一部の繊維が仮撚り加工されていることが好ましい。なお、布帛がウォータージェットパンチ加工されていても良い。

0012

また、本内視鏡レンズ用清拭デバイスの清拭体は、単糸繊度が0.1デシテックス以下の極細合成繊維50〜80重量%と、単糸繊度が1デシテックス以上の太繊度合成繊維50〜20重量%とからなる複合糸を用いた布帛からなるものであっても良い。

0013

また、清拭体は、生物体の存在量に由来する汚れの指標であるATP値が100RLU以下であることが好ましい。

0014

一方、本内視鏡レンズ用清拭デバイスの具体的な構成例は、前記長尺体が中空筒状体であり、該長尺体の先端には中空筒状の収容部が結合され、該収容部内で軸方向に延びる前記被操作部材が、前記長尺体に挿通されたワイヤーを介して前記操作部材と互いに接続され、前記操作部材の操作により、前記ワイヤーを軸方向に移動させることにより、前記格納状態および拡開状態の間で操作し、かつ、前記対物レンズ面に向かって押圧操作が可能であるものである。

0015

この被操作部材は、前記長尺体の先端側で長尺体と枢結されてその先端が長尺体の径方向に広がり、前記枢結された部分から径方向に突出した引張部で前記ワイヤーの先端と連結していることが好ましい。

0016

また、前記長尺体は、その軸方向に対して周方向軸回転できることが好ましく、前記被操作部材は、弾性部材により前記対物レンズ面に向かって押圧する方向に付勢されていることが好ましい。また、この内視鏡レンズ用清拭デバイスを備えた内視鏡も提供される。

0017

また、第二の本発明の内視鏡レンズ用清拭デバイスは、
内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスであって、前記清拭デバイスが、
前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネルに挿入可能な長尺体と、
前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、
前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、
前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、
前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成され、
前記清拭体は、
主として単糸繊度0.1デニール以下の仮ヨリ加工された極細合成繊維と単糸繊度1デニール以上の太繊度合成繊維とからなる複合糸で構成された高密度編物からなり、上記太繊度繊維が比較的に編物の内層部を形成し、極細繊維が比較的に編物の表層部にふくらみをもって出現してなるとともに、これら両繊維は互いに交絡を形成している高密度編物からなる、ものであってもよい。

0018

前記清拭体は、前記極細合成繊維50〜80重量%と前記太繊度合成繊維とからなる複合糸で構成され、該極細合成繊維を主体とする単繊維ウエルコース共25000本/in以上で構成されてなる高密度編物からなる、ことが好ましい。

0019

また、第三の本発明の内視鏡レンズ用清拭デバイスは、
内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスであって、前記清拭デバイスが、
前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネルに挿入可能な長尺体と、
前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、
前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、
前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、
前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成され、
前記清拭体は、
単糸繊度0.1デニール以下の極細繊維フィラメントからなる編織物からなり、かつ、該編織物が実質的に親水性物質または導電性物質を含有しない、ものであってもよい。

0020

前記清拭体は、
前記極細繊維フィラメントと単糸繊度1デニール以上のフィラメント糸とからなる編織物からなり、かつ、該極細繊維が、該編織物の表面を選択的に形成しており、かつ、該編織物の親水性物質または導電性物質の含有量が0.5重量%以下で、かつ、該編織物のJIS B-9923(シェーキング法)で測定される粒子径ミクロン以上の発塵量が、10個/ft3 ・100cm2 以下であるワイピングクロスで、ワイパー部分が構成されている、ことが好ましい。

0021

さらに、第四の本発明の内視鏡レンズ用清拭デバイスは、
内視鏡の先端に設けられた対物レンズ面を清拭する内視鏡レンズ用清拭デバイスであって、前記清拭デバイスが、
前記内視鏡の先端へと延びる挿通チャネルに挿入可能な長尺体と、
前記長尺体の先端側に設けられ、前記挿通チャネルに挿通可能な格納状態と、前記長尺体の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材と、
前記被操作部材に設けられ、前記対物レンズ面を清拭する清拭体と、
前記長尺体の基端側に設けられ、前記被操作部材を操作する操作部材とを備え、
前記被操作部材の拡開状態において、前記被操作部材および前記清拭体が前記対物レンズ面上に位置付けられるように構成され、
前記清拭体は、
単糸繊度0.5デニール以下の仮ヨリ加工されたポリエステル極細繊維と単糸繊度1.0デニール以上のポリエステル太繊度繊維とからなる複合糸で構成され、これら両繊維は互いに交絡を形成したポリエステル高密度編物からなり、かつ、該繊維がピリジン系抗菌剤を含有する、ものであってもよい。

0022

前記清拭体は、
前記ポリエステル極細繊維と前記ポリエステル太繊度繊維とは、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤を含有する、ことが好ましい。

発明の効果

0023

本発明の内視鏡レンズ用清拭デバイスおよびこの内視鏡レンズ用清拭デバイスを備えた内視鏡によれば、清拭体を備えた被操作部材が、操作部材を操作することにより挿通チャネルに挿通可能な格納状態とすることができるため、迅速に挿入、引き抜きが可能である。さらに、レンズ表面を清拭する際には、操作部材を操作して被操作部材を拡開状態とし、この拡開状態において、被操作部材および清拭体が対物レンズ面上に位置付けられるため、レンズ表面に対して押圧力を確実に付与することができ、レンズ表面に付着した粘着力の強い汚れを拭き取ることができる。

0024

また、本発明の内視鏡レンズ用清拭デバイスおよびこの内視鏡レンズ用清拭デバイスを備えた内視鏡では、操作部材の先端に備える清拭体の単糸繊度が0.1デシテックス以下の極細合成繊維を50〜80重量%含有するので、この極細合成繊維が拭き取り対象である対物レンズの汚れを掻き取って内部に取り込み、しかも、嵩高度が2.0cm3/gr以上である連通した隙間が多い布帛構造が汚れを確実に布帛の内部へと取り込むことを可能としている。その結果、治療・検査時に拭き取って布帛内部に取り込んだ体内の汚れを保持して布帛外に散逸させないようにすることができる。

図面の簡単な説明

0025

(a)は、内視鏡レンズ用清拭デバイス1を示す全体図であり、(b)は、内視鏡Eの先端部の拡大図である。
内視鏡レンズ用清拭デバイス1の挿入部E2の先端から長尺体2及び被操作部材3が突出した状態を示す側方図であり、(a)は、操作部材3が格納された状態で長尺体2が突出したこと示す図であり、(b)は、(a)の後に操作部材3が拡開された状態を示す図である。
被操作部材3が長尺体2の収容部22に対して格納・拡開した状態を示す図2の略部分断面図であり、(a)は、収容部22に操作部材3が格納された状態で軸線に沿った断面図であり、(b)は、(a)の左側面図であり、(c)は、(a)の被操作部材3が収容部22に拡開された状態を示す断面図である。
被操作部材3が長尺体2の収容部22に対して拡開した状態で長尺体2を挿入部E2から進出(突出)・対入させた斜視図であり、(a)は、操作部材3が格納された状態で長尺体2に挿入部E2に対入させて清拭体4を挿入部E2の先端面に当接させた斜視図である。
(a)(b)は、それぞれ図4(a)(b)の斜視図の状態の実写真である。
本発明の内視鏡レンズ用清拭デバイス1を関節模型内で使用した実写真である。

0026

内視鏡用レンズ用清拭デバイスの構成》
以下、図面を参照して、本発明の内視鏡用レンズ用清拭デバイスを説明する。なお、いかに示す実施形態は例示列挙であり、これに限定されるものではない。

0027

本発明の実施形態について、図1図6を参照しつつ説明する。図1(a)は、内視鏡レンズ用清拭デバイス(以下、単に「清拭デバイス」とも称する)1を示す全体図であり、図1(b)は、内視鏡Eの先端部の拡大図である。また、図2は、内視鏡レンズ用清拭デバイス1の挿入部E2の先端から長尺体2及び被操作部材3が突出した状態を示す側方図であり、(a)は、操作部材3が格納された状態で長尺体2が突出したこと示す図であり、(b)は、(a)の後に操作部材3が拡開された状態を示す図である。図3は、被操作部材3が長尺体2の収容部22に対して格納・拡開した状態を示す図2の略部分断面図であり、(a)は、収容部22に操作部材3が格納された状態で軸線に沿った断面図であり、(b)は、(a)の左側面図であり、(c)は、(a)の被操作部材3が収容部22に拡開された状態を示す断面図である。図4は、被操作部材3が長尺体2の収容部22に対して拡開した状態で長尺体2を挿入部E2から進出(突出)・対入させた斜視図であり、(a)は、操作部材3が格納された状態で長尺体2に挿入部E2に対入させて清拭体4を挿入部E2の先端面に当接させた斜視図である。図5は、(a)(b)は、それぞれ図4(a)(b)の斜視図の状態の実写真である。さらに、図6は本発明の内視鏡レンズ用清拭デバイス1を膝関節内で使用した実写真である。

0028

図1(a)に示されるように、内視鏡Eは内視鏡検査等において術者把持する内視鏡操作部E1と、内視鏡操作部E1から先端側に延びる挿入部E2と、内視鏡操作部E1から挿入部E2とは反対側に延びるユニバーサルコードE3とを備えている。内視鏡操作部E1には、送気・送水ボタンB1や、吸引ボタンB2などの他、体内組織に処置を加えるための処置具が挿入される鉗孔H1が設けられている。挿入部E2は、鉗子チャネル等の挿通チャネルE4(図1(b)参照)を有し、図1(b)に示されるように、挿通チャネルE4は、内視鏡Eの先端において開口した先端側開口(鉗子口)H2を有している。また、挿入部E2には、挿通チャネルE4の他、図示しない送気・送水チャネルが設けられ、図1(b)に示されるように、内視鏡Eの先端において開口した送気・送水ノズルNを有している。また、内視鏡Eの先端には、鉗子口H2、送気・送水ノズルNの他、対物レンズL1および2つの照明レンズL2、L2が設けられている。なお、内視鏡Eの構造は、特に上述した構成を有するものに限定されるものではなく、他の構造の内視鏡Eを用いても構わない。

0029

清拭デバイス1は、内視鏡Eの先端に設けられた対物レンズL1の表面を清拭するものである。清拭デバイス1は、たとえば、内視鏡Eの紺子孔H1から、紺子チャネル等の挿通チャネルE4に挿入され、清拭デバイス1の先端が内視鏡Eの挿通チャネルE4の先端側開口H2から出て、対物レンズL1表面(および照明レンズL2)を清拭する。なお、本明細書において、「先端」、「基端」とは、それぞれ遠位側の端部、近位側の端部を意味している。

0030

清拭デバイス1は、図 1(a)、(b)、図2(a)、(b)および図3に示されるように、内視鏡Eの先端へと延びる挿通チャネルE4に挿入可能な長尺体2と、長尺体2の先端側に設けられ、挿通チャネルE4に挿通可能な格納状態と、長尺体2の径方向外側に広がった拡開状態とに操作される被操作部材3と、被操作部材3に設けられ、対物レンズL1表面を清拭する清拭体4と、長尺体2の基端側に設けられ、被操作部材3を操作する操作部材5とを備えている。

0031

長尺体2は、内視鏡Eの挿通チャネルE4に挿入され、挿通チャネルE4内を案内される部材である。長尺体2は、内視鏡Eの挿入部E2が湾曲可能であるため、湾曲した挿通チャネルE4に追従して変形できるように、軸方向の大部分が可撓性を有する材料により形成されている。具体的には、長尺体2は、たとえば、金属製のコイルからなるシース21と、シース21の先端側に設けられ、被操作部材3を収容する筒状の収容部22とを備えている。シース21の基端側は、操作部材5に固定され、シース21の先端側は収容部22に固定されている。シース21は、内部に空洞を有する可境性筒状体である。

0032

操作部材5は、被操作部材3を操作するために術者により換作される。本実施形態では、操作部材5は、筒状の本体部51と、指掛けリングとして示された本体部51内部を摺動可能に構成された操作棒52と、を有している。本体部51には、長尺体2の基端側の端部が取り付けられている。また、操作棒52には、長尺体2の内部に挿通されるワイヤ8が基端部側に連結されている。

0033

また、ワイヤ8は、その先端が被操作部材3に接続されている。長尺体3は、その先端に収容部22が連結され、その内部が中空になっている、被操作部材3は、長尺体2の先端の収容部22の内部において、先端部3d(図2(a)では下端部)を自由端とし、基端部3c(図2(a)では上端部)を枢結部3bとして略軸方向(例えば、図2の下方)に延びている。また、被操作部材3の基端部3cは、径方向に突出する形状(例えば、図2のごとき略半円形状や略L字形状)をなしており、この突出した部分にワイヤ8の先端を連結する連結部3aが設けられている。さらに、基端側の枢結部3bでは、これに対して回転自在に貫通する軸部材の両端を収容部22の壁面と回転自在に連結している。これにより、ワイヤ8を図2に示す下方に引っ張ると被操作部材3は、格納状態(図2(a)参照)から拡開状態(図2(b)参照)になる。具体的には、被操作部材3の先端部3dが収容部22の径方向(図2では横方向)に広がり外部に突出する。なお、収容部22は被操作部材3が広がることができるように壁面に軸方向のスリット23を設けている。

0034

また、ワイヤ8の基端側は操作部材5に接続されており、操作部材5の操作により、被操作部材3の操作を可能としている。具体的には、操作部材5の操作棒52を本体部51に対して押し引きすることにより被操作部材3が操作される。また、操作部材5は、長尺体3内で軸回転自在であり、挿入部E2に対して長尺体2を軸回転させると被操作部材3もともに軸回転され、拡開状態では図4(b)の矢印Wのように挿入部E2の先端面上を周方向に移動する。また、鉗孔H1に対して操作部材5で長尺体3を押し引きすることで、図4(b)の矢印Zのように挿入部2に対して長尺体3と収容部22とは進退する。この長尺体3及び収容部22の進退とともに収容部22内の被操作部材3も動くこととなる。

0035

このため、まず、操作部材5を鉗孔H1に押し込むと被操作部材3が収容部22に格納された状態のまま挿入部E2内を進行し、先端が外部に進出する(図2(a)等参照)。

0036

次に、上述したように操作部材5の操作棒52を本体部51から抜き出すとワイヤ8が操作部材3の連結部3bを引っ張り、枢結部3bを回転中心として被操作部材3及びその先端に装着された清拭体4が拡開される(図2(b)等参照)。そして、被操作部材3が拡開された状態で操作部材3を鉗孔H1を介して挿入部E2から引き出すと被操作部材3の先端の清拭体5が挿入部E2の先端面に向かって近接していき、当接する。このとき清拭体5は後述のマイクロファイバーのごとき柔らかい部材であるため屈曲して長尺体2の先端面を押圧しながら大きく接触することとなる。その後、操作部材5を図4(b)の矢印ωのように軸回転させることで対物レンズL1等を清拭することができる。これにより、清拭体5を端面に押さえつけながら広範囲に清拭することができる。

0037

清拭が終わると、清拭までと逆の工程を行う。具体的には、操作部材5を押し込んで被操作部材3が拡開された状態の図4(b)の矢印Z上方向に進出させる。次に、操作部材5の操作棒52を本体部51に押し込むとワイヤ8が連結部3bを引っ張る力がなくなり、被操作部材3及び清拭体4が格納される。図示しないが、この格納は弾性体復元力により被操作部材3を格納状態に戻す構成を採用することが望ましい。収容部22内に被操作部材3が格納されると、操作部材5を鉗孔H1から引き出すことで長尺体2が挿入部E2内を退行し、先端が挿入部E2の内部に退入される。

0038

なお、本実施形態では被操作部材3の拡開角度図2(b)及び図3(b)における角度θ)は40°であるが、これが被操作部材3の拡開のストッパとなるスリット23の軸方向長さで調整される。

0039

《内視鏡用レンズ用清拭デバイスに用いる清拭体》
次に、本内視鏡用レンズ用清拭デバイスに用いる清拭体4について例示説明する。
(1)極細合成繊維と嵩高度
上述したように清拭体(以下、「マイクロファイバー」自体をも意味する)は、単糸繊度が0.1デシテックス以下の極細合成繊維を50〜80重量%含有し、嵩高度が2.0cm3/gr以上である布帛からなる。極細合成繊維の単糸繊度は0.1デシテックス以下であり、0.01〜0.08デシテックスの範囲が好ましく、0.05〜0.06デシテックスの範囲がより好ましい。布帛の嵩高性風合い、拭き取り性の点から、0.1デシテックス以下の極細合成繊維は50〜80重量%含まれていることが好ましく、さらには60〜70重量%含まれていることがより好ましい。また、汚れを効率的に布帛の内部へと取り込むためには、布帛の嵩高度は2.0cm3/gr以上であることが好ましい。一方、取り込んだ汚れを確実に布帛内に保持するという点から、布帛の嵩高度は、10cm3/gr以下であることが好ましい。

0040

(2)高収縮繊維
1デシテックス以上の高収縮繊維を含有することが好ましい。高収縮繊維により、布帛に嵩高性を付与することができる。この高収縮繊維のさらに好ましい繊度は2〜6デシテックスである。この高収縮繊維は、高い収縮特性を有するものであれば、その収縮率は特に限定されるものではなく、極細合成繊維よりも熱に対する収縮特性が大きいことが好ましい。例えば、極細合成繊維の沸騰水収縮率が4〜8%であれば、高収縮繊維は10〜25%程度の沸騰水収縮率を有するものが好ましい。すなわち、高収縮繊維の沸騰水収縮率は極細合成繊維より大きいことが好ましい。その結果、熱処理によって極細合成繊維よりも大きな収縮が高収縮繊維に発現され、かかる収縮挙動によって極細合成繊維は1本の単繊維配列を乱し、布帛表面の嵩高性を大きくする。

0041

(3)仮撚り加工
極細合成繊維は仮撚り加工による捲縮が付与されていることが好ましい。この仮撚り加工による捲縮により、1本1本の単繊維配列を乱して、布帛表面における拭き取り性および粉末取り込み性を大きくすることができる。仮撚り加工は、通常のウーリー加工を適用することができる。

0042

(4)編物、織物
本発明の内視鏡用レンズ用清拭デバイスの清拭体は、織物、編物、不織布など特に限定されるものではなく、また織編物と不織布の複合体であってもよい。これらの中で、編物は、構成する単繊維の配列乱れが拭き取り性に方向性をもたないマイクロファイバー(ワイピング)となり得る点で好ましい。このような配列乱れは、例えば、ウォータージェットパンチ加工により得ることができ、表面の極細合成繊維の一部が太線度合成繊維と絡み合うとともに、網目の方向性がランダムになる。

0043

(5)ウォータージェットパンチ加工
布帛の内部に空隙を形成するために、ウォータージェットパンチ加工をすることが好ましい。このウォータージェットパンチ加工とは、濾過して浄化された水を小孔より布帛の表面に所定の圧力で噴射する処理である。その水圧は、2.93〜11.77MPa(30〜120kgf/cm2)が好ましく、4.10〜7.85MPa(50〜80kgf/cm2)がより好ましい。2.93MPa(30kgf/cm2)未満の場合には顕著な効果はみられずに形態安定性に欠け、繊維と繊維の絡みが不十分である。一方、11.77MPa(120kgf/cm2)超の場合には、極細合成繊維の単糸が水圧により切断されることがあり、毛羽の原因になることもある。

0044

(6)極細合成繊維と太繊度合成繊維
布帛の嵩高度および拭き取り性の点から、0.1デシテックス以下の極細合成繊維は50〜80重量%含まれていることが好ましく、60〜70重量%含まれていることがより好ましく、1デシテックス以上の太繊度合成繊維が残りの部分を占める複合糸を用いるのが好ましい。太繊度合成繊維の繊度は1デシテックス以上であり、2〜4デシテックスのものが好ましい。1デシテックス以上の太繊度合成繊維は仮撚り加工されていないことが好ましい。

0045

(7)ATP値
ウォータージェットパンチ加工した布帛は、100℃以上の温度で乾燥し、水分や親水系成分揮発させる。その後、製品としての大きさに裁断され、最後に超純水(または、これと同等の機能を有する液体)で洗浄後、乾燥されて、クリーンルーム内で包装されて清浄商品とされる。ここで、清浄な商品とは、商品の表面に存在するATP(アデノシン三リン酸)およびAMP((アデノシン一リン酸)の存在する総量が一定値以下のものをいう。具体的には、以下に説明するとおりである。

0046

ATPはあらゆる生物に必須のエネルギー物質であり、微生物や生物に由来する汚れに含まれる。従って、本清拭体に含まれるATPおよびATPの分解により生じるAMPの量を測定することで、客観的汚染状況を把握することができる。例えば、ホタルルシフェラーゼと、ルシフェリンと、ピルベートオルトホスフェートジキナーゼPPDK)とを含有する発光試薬を用いる。ホタルルシフェラーゼは、ATPとルシフェリンの存在下で発光するという現象がある。その際に生じるAMPをPPDKを用いて再びATPに変換することにより、上記発光試薬でATPの総量に対応する発光量を得ることができる。その発光量を特定の測定器具で測定することにより、汚れ程度を把握することができる。

0047

(8)汚れ程度把握方法
具体的な汚れ程度把握方法の一例について、以下に説明する。
測定対象
測定対象面は、SUS304製の平坦基板であり、その基板表面を精製水で拭いて清浄にする。
汚れ物質散布
上記基板表面に、霧吹きを用いて、濃度5重量%の酵母エキス水溶液の0.1g/0.05m2に相当する量を吹き付ける。
《汚れ物質の拭き取り》
0.05gの精製水を含ませた綿棒を、上記汚れ物質を散布した基板表面上において、1.2kg/24cm2の拭き取り荷重で40cmの距離を10往復させて、当該綿棒で酵母エキス水溶液を拭き取る。
《発光量の測定》
酵母エキス水溶液を拭き取った綿棒を抽出試薬界面活性剤塩化ベンザルコニウム))に浸漬してATPを抽出し、そのATPと、ホタルルシフェラーゼとルシフェリンとPPDKとを含有する発光試薬との反応により発光させて、その発光量を発光量測定器具(例えば、kikkoman社製の商品名「ルミテスターPD-20」)で測定する。上記汚れ物質のATP値を当該測定器具で測定した場合の相対的発光量の数値として、10000±500(RLU)の範囲に含まれる数値が得られる。
《清浄な商品》
清浄度に対する要求が最も厳しいと思われる医療機器の分野の中で、内視鏡では、相対的発光量の数値として、100RLU以下を要求されることが多い。

0048

(9)清拭体の内視鏡用レンズの清拭へ活用
本清拭体は、汚れを掻き取るように内部に取り込み、しかも拭き痕が残らないので、表面の高い清浄度が要求される内視鏡用の対物レンズの清拭に優れている。本来、清拭体に水を含ませて拭き取る方が拭き取り性能上も好ましいが、ここでは体内への挿入過程での汚れの除去を目的としており、挿入過程での体液が含浸されるため別途の薬剤等も要しない。すなわち、本清拭体は、拭き取り対象物である対物レンズの表面を劣化させることなく、極めて高度の清浄が行える。

0049

(10)清拭体の厚み
清拭体の厚みは、汚れの拭き取り性とハンドリング性に大きく影響するので、100μm〜2mmの厚みのものが好ましい。特に、500μm〜1mmの厚みのものが、さらに好ましい拭き取り性とハンドリング性を発揮する。100μm未満の厚みのものは汚れを十分に吸収しきれず、2mmを超える厚みのものはハンドリング性が低下するだけでなく、製造コストの上昇を招くので好ましくない。

0050

次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、様々な変形や修正が可能である。

0051

[実施例1]
極細合成繊維は、66デシテックス、9フィラメントの東レ(株)“UTS”(海島複合による溶出分割タイプの超極細ポリエステル糸(島成分ポリエチレンテレフタレートで、海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5ナトリウムスルホイソフタル酸共重合体からなるアルカリ熱水溶型ポリエステルからなる繊維、海島の比率は20/80)を用いた。太繊度合成繊維は、33デシテックス、6フィラメントのポリエステル糸(東レ(株)製高収縮糸、沸騰水収縮率21%)を用いた。極細合成繊維は、仮撚り加工し、太繊度合成繊維と引き揃えてエアー交絡し、複合糸を得た。さらに、丸編機(32G、97cm)を用いてインタロック方式で編成し、生機とした。この生機を一旦130℃で20分間熱処理後、さらに80℃で30分間水酸化ナトリウム1%存在下で処理することにより、完全に海成分を除去した。海成分を除去した後の極細繊維は、0.08デシテックスであった。次に、表面から水を用いて9.81MPa(100kgf/cm2)の圧力でウォータージェットパンチ加工した。その後、135℃でヒートセットし、ウエル、コースともに60本/2.54cmに設定した。さらに、超純水で洗浄後、80℃で乾燥した。得られた編物の極細合成繊維の割合は65重量%で、極細合成繊維を主体とする単繊維は、ウエル、コースともに約35000本/2.54cmの高密度編物であった。
また、この高密度編物の嵩高度は2.6cm3/gであり、厚さは0.52mmであった。

0052

本明細書において高密度編物の嵩高度および厚さは、JIS L1018(ニット生地試験方法)を参考にして、以下の方法で算出した値をいう。
《厚さの測定》
縦と横がともに20cmである正方形状の試験片1枚を準備し、厚さ測定機にてプレッサーフートで所定の圧力をかけて測定した。プレッサーフートは、10cm2のものを用いた。また、圧力は、686Pa(7gf/cm2)とした。そして、圧力をかけて10秒後の厚さをダイヤルゲージピーコックメータ)で読み取って編物の厚さt(mm)とした。
《嵩高度の測定》
縦と横がともに20cmである正方形状の試験片1枚の重量(g/m2)を測定し、上記厚さt(mm)と重量W(g/m2)から、以下の式に従って嵩高度(cm3/g)を算出した。
嵩高度(cm3/g)=(t/W)×1000

0053

《ATP値の測定》
(1) 1回目拭き取り前
段落[0041]に記載したような方法で、SUS304製の平坦な基板表面に濃度5重量%の酵母エキス水溶液を吹き付けて綿棒でその酵母エキス水溶液を拭き取り、その綿棒に含まれるATP値を上記のように発光量測定器具で測定した値を1回目拭き取り前のATP値とする。

0054

(2) 1回目拭き取り後
そして、段落「0047」に示したようにSUS304製基板表面のATP値を測定後、6cm×4cmの大きさの長方形パッドを段落[0039]に記載したような方法で作製した高密度編物(除菌用マイクロファイバー)で包み込んでテスト用マイクロファイバーを得、このテスト用マイクロファイバーの上に1.2kgの金属製重りを載せた状態で、濃度5重量%の酵母エキス水溶液を吹き付けたSUS304製基板表面を10cm長さだけスライドさせて酵母エキス水溶液を拭き取る。その後、綿棒でSUS304製基板表面を拭き取り、その綿棒に含まれるATP値を上記のように発光量測定器具で測定した値を1回目拭き取り後のATP値とする。

0055

(3) 高密度編物(テスト用マイクロファイバー)
SUS304製基板表面を拭き取る前のテスト用マイクロファイバーのATP値を上記のように発光量測定器具で測定し、拭き取り前のテスト用マイクロファイバーのATP値とする。段落[0048]に記載したような方法で濃度5重量%の酵母エキス水溶液を吹き付けたSUS304製基板表面を拭き取った後のテスト用マイクロファイバーのATP値を上記のように発光量測定器具で測定し、1回目拭き取り後のテスト用マイクロファイバーのATP値とする。

0056

段落[0047]〜段落[0049]に記載したものと同じようにして、2〜5回目の拭き取り前と拭き取り後のSUS304製基板表面のATP値を上記のように発光量測定器具で測定し、2〜5回目の拭き取り後のテスト用マイクロファイバーのATP値を上記のように発光量測定器具で測定した。

0057

以下の表1にはテスト用マイクロファイバーで網目方向に沿って乾拭きした場合のATP値、以下の表2にはテスト用マイクロファイバーで網目方向に対して直角方向に沿って乾拭きした場合のATP値、以下の表3にはテスト用マイクロファイバーに精製水を0.1g/24cm3含浸させて網目方向に沿って水拭きした場合のATP値、以下の表4にはテスト用マイクロファイバーに精製水を0.1g/24cm3含浸させて網目方向に対して直角方向に沿って水拭きした場合のATP値として、それぞれ相対的発光量(RLU)の数値を示す。表1ないし表12において、洗浄度は、拭き取り前のATP値から拭き取り後のATP値を差し引いた数値を示し、洗浄度率は、拭き取り前のATP値から拭き取り後のATP値を差し引いた数値を、拭き取り前のATP値で除した比率を示す。

0058

0059

0060

0061

0062

表1ないし4に明らかなように、ウォータージェットパンチ加工したマイクロファイバーでは、乾拭きの場合および水拭きの場合の両方において、網目方向に沿って拭き取っても、網目方向に対して直角方向に沿って拭き取っても、SUS304製基板表面のATP値に差異はみられない。また、乾拭きよりも水拭きする方がSUS304製基板表面のATP値が低減することが分かる。さらに、水拭きは乾拭きに対して、拭き取回数が多くなっても、テスト用マイクロファイバーのATP値の増加が少ないことが分かる。

0063

[実施例2]
極細合成繊維は、56デシテックス、18フィラメントの東レ(株)“ビセーム”(ポリアミドからなる星形繊維と、その周囲にあるくぼみ部分がポリエステルからなる三角繊維とからなる割繊糸)を用いた。太繊度合成繊維は、33デシテックス、6フィラメントのポリエステル糸(東レ(株)製高収縮糸、沸騰水収縮率21%)を用いた。極細合成繊維は、仮撚り加工し、太繊度合成繊維と引き揃えてエアー交絡し、複合糸を得た。さらに、丸編機(32G、38インチ)を用いてインタロック方式で編成し、生機とした。この生機を液流染色機にてNaOH2%存在下で80℃で60分間熱処理を行い、割繊させた。割繊後の極細繊維は、ポリエステル糸は0.27デシテックス、ナイロンは0.93デシテックスであった。得られた布帛を120℃で3分間乾燥し、さらに160℃で30秒の仕上げセットを行い、ウエル151本/2.54、コース190本/2.54cmの編物を得た。得られた編物の極細合成繊維の割合は63.5重量%であった。
また、この高密度編物の嵩高度は2.6cm3/gであり、厚さは0.52mmであった。

0064

段落[0047]〜段落[0049]に記載したものと同じようにして、1〜5回目の拭き取り前と拭き取り後のSUS304製基板表面のATP値を上記のように発光量測定器具で測定し、拭き取り前のテスト用マイクロファイバーのATP値と1〜5回目の拭き取り後のテスト用マイクロファイバーのATP値を上記のように発光量測定器具で測定した。

0065

以下の表5にはテスト用マイクロファイバーで網目方向に沿って乾拭きした場合のATP値、以下の表6にはテスト用マイクロファイバーで網目方向に対して直角方向に沿って乾拭きした場合のATP値、以下の表7にはテスト用マイクロファイバーに精製水を0.1g/24cm3含浸させて網目方向に沿って水拭きした場合のATP値、以下の表8にはテスト用マイクロファイバーに精製水を0.1g/24cm3含浸させて網目方向に対して直角方向に沿って水拭きした場合のATP値として、それぞれ相対的発光量(RLU)の数値を示す。

0066

0067

0068

0069

0070

表5ないし8に明らかなように、ウォータージェットパンチ加工しないマイクロファイバーでは、網目方向に対して直角方向に沿って拭き取る方が網目方向に沿って拭き取るよりもSUS304製基板表面のATP値が低下することが分かる。また、乾拭きよりも水拭きする方がSUS304製基板表面のATP値が低減することが分かる。さらに、水拭きは乾拭きに対して、拭き取回数が多くなっても、テスト用マイクロファイバーのATP値の増加が少ないことが分かる。

0071

[比較例1]
合成繊維は、82.5デシテックス、72フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を用いた。さらに、丸編機(28G)を用いてインタロック方式で編成し、生機とした。この生機を液流染色機で、一旦60℃で10分間湯洗いを行い、室温で水洗を行った。その後、苛性ソーダポリオキシアルキルエーテル化合物を主成分とした低起泡精練剤精練を行うことにより、生機についている油剤を取り除き、またポリエステル繊維の表面を、若干溶かすことでポリエステル繊維に親水性を持たせた。次いで、苛性ソーダをできるだけ取り除くために、60℃で10分間の湯洗いを2回行った。その後、乾燥させ、160℃でヒートセットした。さらに、超純水で洗浄後、80℃で乾燥した。
また、この編物の嵩高度は5.2cm3/gであり、厚さは0.74mmであった。

0072

段落[0041]〜段落[0043]に記載したものと同じようにして、1〜5回目の拭き取り前と拭き取り後のSUS304製基板表面のATP値を上記のように発光量測定器具で測定し、拭き取り前のテスト用マイクロファイバーのATP値と1〜5回目の拭き取り後のテスト用マイクロファイバーのATP値を上記のように発光量測定器具で測定した。

0073

以下の表9にはテスト用マイクロファイバーで網目方向に沿って乾拭きした場合のATP値、以下の表10にはテスト用マイクロファイバーで網目方向に対して直角方向に沿って乾拭きした場合のATP値、以下の表11にはテスト用マイクロファイバーに精製水を0.1g/24cm3含浸させて網目方向に沿って水拭きした場合のATP値、以下の表12にはテスト用マイクロファイバーに精製水を0.1g/24cm3含浸させて網目方向に対して直角方向に沿って水拭きした場合のATP値として、それぞれ相対的発光量(RLU)の数値を示す。

0074

0075

0076

0077

0078

表9ないし12から、水拭きすると乾拭きよりもSUS304製基板表面のATP値はかなり低下することは分かる。しかし、たとえ水拭きをしても比較例1のATP値は約300RLU以上であり、比較例1のように、繊維径が太いマイクロファイバーでは、嵩高度を十分に大きくすることができないので、汚れを十分に掻き取ることができない。

0079

以上の結果から、ATP値として約100RLU以下を得るためには、ウォータージェットパンチ加工した極細合成繊維を主として含有する嵩高度の高いマイクロファイバーで水拭きするか、または、ウォータージェットパンチ加工していない極細合成繊維を主として含有する嵩高度の高いマイクロファイバーを、網目方向に対して直角方向に沿って水拭きすればよいことが分かる。

0080

[実施例3]
また、上記実施例1〜2に加えて他の清拭体4も好適であることがわかったので言及する。この実施例3での清拭体4は単糸繊度0.1デニール以下の仮ヨリ加工された極細合成繊維と、1デニール以上の太繊度合成繊維からなるものであり、極細合成繊維、太繊度合成繊維は、ポリエステルからなるものであることが好ましいが、ポリアミド等の他の合成繊維であってもよい。極細合成繊維、太繊度合成繊維ともポリエステルである場合は、ポリアミドまたは炭素繊維などが10%以内の少量であれば含有されても何等差し支えない。極細繊維の繊度は0.1デニール以下であり、0.01〜0.08デニールの範囲のものが好ましい。さらには、0.05〜0.06デニールの範囲のものがより好ましい。太繊度繊維の繊度は1デニール以上であり、2〜4デニールのものが好ましい。

0081

また、この清拭体4では極細繊維と太繊度繊維との複合割合が重要であり、極細繊維は少なくとも太繊度繊維より多く含まれていることが好ましい。布帛の嵩高性、風合い、拭取性の点から極細繊維が50〜80重量%含まれていることが好ましく、さらには60〜70重量%含まれていることがより好ましい。1デニール以上の太繊度繊維は残りの部分を占めるのが基本である。しかし必要に応じて炭素繊維などの制電性繊維などが含まれてもなんら差支えない。1デニール以上の太繊度繊維は仮ヨリ加工などされていない生糸であることが好ましい。

0082

また、熱処理前の状態において極細繊維よりも高い収縮特性を有する。その収縮率は特に限定されるべきものではないが、重要なことは極細繊維よりも熱に対する収縮特性が大きいことである。極細繊維の沸騰水収縮率4〜8%に対し、太繊度繊維は10〜25%の収縮率のものがよい。特に、極細繊維の沸騰水収縮率より4〜8%大きい収縮率のものがより好ましい。すなわち、染色などの熱処理により太繊度繊維が極細繊維より大きな収縮が発現され編組織繊維束内部を形成する。この収縮差を有することにより、熱処理後、太繊度繊維が比較的に糸の内層部(編物の内層部)を形成し、極細繊維が比較的に糸の表層部(編物の表層部)を形成することになる。両者の糸長差は極細繊維が太繊度繊維よりも3%以上長いものであることが好ましい。

0083

一方、極細繊維は仮ヨリ加工によるケン縮が付与されている。この仮ヨリケン縮により1本1本の単繊維配列を乱し、編物表面の嵩高性を大きくする。編物の密度は、極細繊維を主体にウエル、コース共25000本/in以上の高密度とすることが好ましい。より好ましくは30000〜50000本/inの密度とする。例えば、80デニールで650フィラメントの極細繊維と太繊度繊維からなる複合糸が60本/inの密度であれば39000本/inの単繊維から構成されたものとみなす

0084

さらに編物を構成する単繊維の配列乱れが拭取性に方向性をもたない清拭体4になり得る。この配列乱れは必然的に発生するのではなく、編物表面をウォータージェット加工することにより得ることができる。編物表面をウォータージェット加工することにより、編糸を構成する単繊維が乱れ、表面の極細繊維の一部が糸内部に向かって太繊度繊維と絡み合うとともに、さらに編目の方向性がランダムになり、密度計ルノメータ編密度が読めないか、または非常に読みにくい形態になり、編物の表面はセーム調に変化する。

0085

清拭体4の良否は汚れの拭取性能はもちろんのことその拭取作業性が重要である。この拭取性能および拭取作業性は、板ガラスと清拭体4との摩擦抵抗に関係がある。この清拭体4は、1Kg/35cm2荷重下での本ワイピングクロスとガラス板との摩擦抵抗が400〜900gの範囲にあり、この範囲の摩擦抵抗を有することにより、対物レンズの拭取性および拭取作業性に優れていることがわかった。さらに、本発明の清拭体4は、疎水性汚れとの親和性が強く洗濯時の洗濯液の汚れを選択的に吸着する作用がある点でも好適である。

0086

[実施例4]
また、上記実施例1〜3に加えてさらに他の清拭体4も好適であることがわかった。この清拭体4を構成する素材は、ポリエステル、ポリアミドなどの合成繊維の極細フィラメントからなるものであるが、かかる極細フィラメントは、該ワイピングクロスを構成する繊維の内少なくとも30重量%以上含まれておれば拭き取り性にすぐれたものを提供することができる。ここで極細繊維とは0.1デニール以下の単繊維繊度を有する繊維であり、好ましくは0.08〜0.01デニール、さらに好ましくは0.06〜0.05デニールの範囲のものがよい。かかる極細繊維以外の他の繊維を併用する場合は、1デニール以上の高収縮フィラメント糸を使用するのが好ましい。極細繊維以外の繊維は特に制限するものではないが、布帛の嵩高性を得るには高収縮糸が好ましく、繊度は1デニール以上、さらには2〜6デニールのものが好ましい。極細繊維と高収縮糸との複合割合としては、極細繊維は少なくとも布帛重量の好ましくは30%以上、さらに好ましくは50〜80重量%、特に好ましくは60〜70重量%のが、布帛の嵩高性、風合い、拭取性の点からよい。1デニール以上の高収縮糸は残りの部分を占めるのが基本であるが、この1デニール以上の高収縮糸とは、高い収縮特性を有するものであれば、その収縮率は特に限定されるべきものではなく、重要なことは極細繊維よりも熱に対する収縮特性が大きいことである。極細繊維の沸騰水収縮率が4〜8%であれば、高収縮糸は10〜25%程度の収縮率を有するものがよい。特に極細繊維の沸騰水収縮率より4〜8%大きい収縮率を有するものがより好ましい。すなわち、熱処理により極細繊維より大きな収縮が発現され編組織の繊維束内部を形成する。一方、極細繊維は1本の単繊維配列を乱し、布帛表面の嵩高性を大きくする。

0087

布帛の形態は織物でも編物でもよいが、編物は織物に比較し嵩高性や拭取作業性に優れるなどの利点がある。ここでの清拭体4は、粒子径5ミクロン以上粒子が、もしくは10個/ft・100 cm2 以下である。また、この清拭体4では、染色加工柔軟加工などで使用される、ポリアルキレングリコール系化合物水溶性ポリエステルなどの親水化剤ポリアクリル酸エステルなどの防汚剤カチオン系高分子活性剤などの帯電防止剤高級アルコール硫酸エステルベタイン型両性活性剤などの分散剤導電性金属導電性金属化合物炭素粉末、制電性繊維、炭素繊維などの導電性繊維、さらには制電性樹脂など、曇り現象や絶縁破壊惹起しそう物質は、繊維の製造から編織物の各種加工に至るまで慎重に排除することに努力して、清拭体4は製造される。すなわち、この清拭体4の特徴は、かかる親水性物質または導電性物質の含有量が、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下、特に好ましくは0であるものであるところに特徴を有する。

0088

対物レンズに使用する清拭体4の場合、拭取性、少ない発塵に加えて、汚れを吸収する吸水性が速く、しかも吸水量が大きいことが好ましい。吸油性に対しても同様である。吸水速度は1秒以下であることが好ましく、さらに、好ましくは瞬時に吸水されるもの、吸水量は200%以上であることが好ましく、さらに好ましくは300%以上であるものがよい。しかも、水や油類により抽出される成分の存在は皆無もしくは微量でなければならない。かかる機能は、構成繊維充填密度によって達成されるものであり、そのために、布帛表面をウオータージェットパンチ加工される。このウオータージェットパンチ加工により、清拭体4に含まれる塵挨や拭き取り作業中に出る塵挨を最小限に抑えるとともに、布帛の形態は安定性し、繊維と繊維の絡み効果が十分に達成され、拭き取り作業時の発塵が少なくなり、水流により布帛に付着した異物も除去される効果をも奏するため好適である。

0089

[実施例5]
さらに、上記実施例1〜4に加えてさらに他の清拭体4も好適であることがわかってきた。ここでの清拭体4は、柔軟であり、寸法安定性に優れ、裁断面ほつれがなく、しかも拭取性、拭取作業性が良好で、かつ洗濯耐久性に優れた抗菌性の高いものとして、特定な複合糸を製編し、これを交絡処理とピリジン系抗菌剤という特定な抗菌剤による加工とを組み合わせてポリエステル高密度編物からなる清拭体4を使用する。

0090

清拭体4を構成する素材は、単糸繊度0.5デニール以下の仮ヨリ加工されたポリエステル極細繊維と、1.0デニール以上。好ましくは2.0〜4.0デニールのポリエステル太繊度繊維からなるものである。かかる極細繊維の繊度は、好ましくは0.3デニール以下であり、さらに好ましくは0.2〜0.01デニール、特に好ましくは0.1〜0.02デニールの範囲のものが使用される。

0091

また、清拭体4は、極細繊維と太繊度繊維とからなる複合糸の複合割合が、布帛の崇高性、および拭取性を決定する要因となるものであり、極細繊維のトータル繊度は、好ましくは少なくとも太繊度繊維のトータル繊度より多く含まれていることであり、さらに好ましくは該極細繊維が50〜80重量%、特に好ましくは60〜70重量%含まれていることである。したがって、1.0デニール以上の太繊度繊維は残りの部分を占めるものである。かかる太繊度繊維は、仮ヨリ加工などされていない生糸であることが好ましい。また、かかる太繊度繊維は、熱処理前の状態において、極細繊維よりも高い収縮特性を有するものであるものが好ましい。その収縮率は、特に限定されるべきものではないが、該極細繊維よりも熱に対する収縮特性が大きい方が好ましい。具体的には、該極細繊維の沸騰水収縮率が4〜8%であるのに対し、該太繊度繊維は10〜25%の収縮率を有するものが好ましく使用される。特に、極細繊維の沸騰水収縮率より、さらに4〜8%大きい収縮率を有するものが好ましく使用される。すなわち、染色などの熱処理により、該太繊度繊維が、該極細繊維より大きな収縮を発現すると、その収縮差により、熱処理後、太繊度繊維の周りに極細繊維が弛緩した状態で配置されることとなり、結果として嵩高になる。かかる両者の糸長差は、極細繊維が太繊度繊維よりも好ましくは3%以上長いものであることがよい。

0092

一方、極細繊維は、仮ヨリ加工による捲縮が付与されているものが好ましく使用される。この仮ヨリ捲縮により、1本1本の単繊維配列を乱し、編物表面の崇高性を大きくする効果を奏する。清拭体4を構成する編物の密度は、該複合糸の極細繊維と太繊度繊維の合計単繊維数で、ウエル、コースとも25000本/in以上の高密度に存在させることが好ましい。より好ましくは30000〜50000本/inの密度で存在させる。例えば、80デニールで650フィラメントの極細繊維と太繊度繊維からなる複合糸が60本/inの密度であれば、39000本/inの合計単繊維数から構成されたものとみなす。ここで、かかる合計単繊維数が25000本/in未満であれば、柔らかくのない編物になり、拭取性も悪い。拭取性の点から合計単繊維の構成本数は多い程よいが、風合い、拭取作業性の点からおよび糸と糸との隙間の程度から無限に多い密度のものは存在しない。

0093

さらに編物を構成する単繊維の配列乱れが拭取性に方向性を持たない清拭体4になり得るものである。この配列乱れは、必然的に発生するのではなく、編物の表面をウォタージェット加工することにより効率的得ることができる。

0094

清拭体4は編物にもかかわらず寸法安定性が良好である。すなわち160℃での乾熱処理と、洗濯による寸法変化が、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である編物は、通常熱に起因する寸法変化が大きく5%以下に抑えることは困難とされてきたが、本発明の編物は、その素材の収縮特性と極細繊維と普通繊維の組み合わせと、その特性を生かした製造方法により、編物にもかかわらず、寸法の安定したポリエステル編物からなる清拭体4を提供することができる。

0095

清拭体4の良否は、汚れの拭取性能はもちろんのこと、その拭取作業性が重要である点に着目して、板ガラス(対物レンズと等価と推定)と清拭体4との摩擦抵抗に関係があり、清拭体4の拭取作業性を判定するため、1kg/35cm2荷重下での清拭体4とガラス板の摩擦抵抗が400〜900gの範囲にある拭取性に優れた清拭体4となっていてた。

0096

清拭体4は、布帛の厚さが拭取性に大きく起因し、0.4〜0.8mmの範囲のものが優れた拭取性とハンドリングを有することも見出した。特に布帛の厚さが、0.5〜0.7mmのものが、さらに好ましい拭取性とハンドリングを発揮する。かかる布帛の厚さが、0.4mm未満の場合には、汚れを十分に吸収できず、逆に0.8mmを超える場合にはハンドリング性不良となる。

0097

また、清拭体4は、洗濯耐久性に優れた抗菌性能を有しており、通常60〜85℃の工業用洗濯を多数繰り返す方法下で十分な耐久性を示している。特に内視鏡の対物レンズの清拭体4としては、汚れを拭く/洗うの繰り返しであり、特段の耐久性が必要になるものであり、本清拭体4では、かかる工業用洗濯を多数繰り返す条件下でも、十分な耐久性を示している。

0098

かかる工業洗濯耐久性に優れた抗菌性能を付与するために、ピリジン系抗菌剤という特定な抗菌剤と太繊度繊維とを有効に利用したものである。ポリエステル系繊維に吸尽される抗菌剤は、該繊維が太い程吸尽され易く、それだけ耐久性に寄与するものである。その上、上述のピリジン系抗菌剤は、ポリエスエテルとの親和性が著しく優れており、かつ、その耐久性は抜群のものである。

0099

かかるピリジン系抗菌剤としては、たとえば2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシピリジン、ジ(4−クロロフェニルピリジルメタノール、2,3,5−トリクロロ−4−(n−プロピルスルフォニル)ピリジン、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛、ジ(2−ピリジルチオール−1−オキシド)等のピリジン系化合物を用いることができる。かかるピリジン系抗菌剤の中でも、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛が特に優れており、ポリエステル系繊維飛躍的耐久性のもとに吸尽される性質を有するもので好ましく使用される。

0100

かかるピリジン系抗菌剤は、平均粒径の小さいものが、吸尽性の上から好ましく使用され、さらに好ましくは2μm以下の平均粒径を有するものが用いられる。

実施例

0101

以上、本発明の内視鏡レンズ用清拭デバイスおよびにこの内視鏡レンズ用清拭デバイスを備えた内視鏡についての実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。

0102

1清拭デバイス
2長尺体
3被操作部材
3a 連結部
3b枢結部
3c基端(基端部)
3d 先端(先端部、自由端)
4清拭体
5操作部材
8ワイヤー
21シース
22 収容部
23スリット
51 本体部
52操作棒
E内視鏡
E1内視鏡操作部
E2 挿入部
E3ユニバーサルコード
E4挿通チャネル
B1 送気・送水ボタン
B2吸引ボタン
L1対物レンズ
L2照明レンズ
N 送気・送水ノズル
H1 鉗孔
H2 先端側開口(鉗子口)

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