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技術 ドーム型カバー、ドーム型カバーの製造方法、ドーム型カバー成形用金型、およびカメラ

出願人 キヤノン株式会社
発明者 飛田州亮
出願日 2014年12月25日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-565738
公開日 2017年10月5日 (1年11ヶ月経過) 公開番号 WO2016-103377
状態 特許登録済
技術分野 スタジオ装置 プラスチック等の成形用の型
主要キーワード 円環状部品 線対称形 形状中心 合流領域 ドーム型カバー 凸面型 体積減少量 線対称性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
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図面 (13)

課題・解決手段

ウエルドの発生を抑制し、光学性能が良好なドーム型カバーを得ることができるドーム型カバーを提案することを目的とし、半球部と、ツバ部と、前記半球部と前記ツバ部との間の円筒部とを有するドームカバーであって、前記円筒部に、外面が凹んだ薄肉部を有することを特徴とする。

概要

背景

近年、監視用ネットワークカメラの普及が進んでいる。多種多様カメラ街頭公共施設個人家屋を問わず、いたるところに設置されている。その中で、カメラをドーム型カバーに収容したタイプが存在する。図10(a)はドーム型カバーを有するカメラの模式図である。内部のカメラを描写するために、ドーム型カバーのみ断面図で記している。ドーム型カバー104の内部でレンズ鏡筒109は三次元的に自在に向きを変えることができ、任意の撮影方向を選択して監視が可能である。旋回方向102をパン、上下傾き方向101をチルト表現する。一般的にパン、チルトの角度表記によってカメラの向きを表現する。カメラが水平方向を向いているときチルト角は0°である。カメラが天頂方向を向いているとき、チルト角は90°である。

ドーム型カバーは風雨による劣化や、いたずらによる殴打汚損からカメラを保護する機能を有する。ドーム型カバーは外装部品でもあり、カメラの光学系の一部でもある。図10(b)にドーム型カバー単体の全体図を示す。半球状の光学有効領域105はレンズと同等の高精度な形状精度が求められる。前記半球面開口端略円筒形状106と連結されており、前記略円筒部の端部はフランジ状ツバ部107を有する。前記略円筒部106はカメラを収容する内容部体積拡張するための形状である。前記ツバ部7はドーム型カバーをカバー鏡筒108と接合するための形状である。

大量生産に対応するために、ドーム型カバーはプラスチック射出成形で製造されることが一般的である。例えばカップ型容器等は、ホットランナーによるピンゲート形状中心部に配置し、成形むらを抑制するために流動末端となる、容器開口縁全周まで均等な流動長で成形することが一般的である。

しかし、ドーム型カバー半球状の光学有効領域は高精度な形状精度が求められ、その部分にゲートを設けることはできない。光学有効領域にゲートを設けると、光学面ゲート痕が残り、カメラ撮影阻害する。このため、ドーム型カバーにおいては、カップ型容器と同様の製造方法を適用することができない。図11に示すように、形状中心部114ではなく、ツバ部107の一端にサイドゲート112を設けることが一般的である。

サイドゲート方式を用いた場合、最終流動部となる反ゲート側のツバ部113まで樹脂が流れる経路として、大別して二つの経路が存在する。一つはゲートから真っすぐ前記略円筒部106を立ち上がり、半球部105の天頂(形状中心部)114を経由して反ゲート側のツバ部113に至る経路116である。もう一つは、ゲートから略円筒部106の円周方向に回り込んで反ゲート113に至る経路115である。これら2つの経路の長さを比較すると、前者の方が略円筒部の高さkの約2倍分だけ長くなる。すなわち、天頂経由の流動が遅れ、円周方向からの流動が先行する。図12(a)は反ゲート側から樹脂充填完了直前ドームを見た正面図である。図12(b)は反ゲート側から樹脂充填完了直後のドームを見た正面図である。円周方向からの流動が先行することで、反ゲート側の樹脂が円筒部において直線状に合流する(角度aが小さい)。前記角度aが小さいほど樹脂のフローフロント合流領域が縦に一直線状に長く延び、合わせ目としてウエルド117が残りやすくなる。ウエルド117は成形むらとして光学性能が低下する要因となる。高倍率のカメラほど本体が大きくなるため、ドームの径は大きくなり、略円筒部の高さkのサイズも大きくなる傾向にあるため、ウエルド発生が顕著になる。

特許文献1では、天頂部の肉厚を厚くすることで、天頂経由の樹脂流動を促進させている。また、ドーム型カバーの開口端に沿って薄肉部を設けることにより、円周方向の樹脂流動を遅延させている。

概要

ウエルドの発生を抑制し、光学性能が良好なドーム型カバーを得ることができるドーム型カバーを提案することを目的とし、半球部と、ツバ部と、前記半球部と前記ツバ部との間の円筒部とを有するドームカバーであって、前記円筒部に、外面が凹んだ薄肉部を有することを特徴とする。

目的

効果

実績

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請求項1

半球部と、ツバ部と、前記半球部と前記ツバ部との間の円筒部とを有するドームカバーであって、前記円筒部に、外面が凹んだ薄肉部を有することを特徴とするドーム型カバー

請求項2

前記薄肉部の幅は、前記半球部側が長く、前記ツバ部側が短いことを特徴とする請求項1記載のドーム型カバー。

請求項3

前記薄肉部の厚さは、前記半球部側が厚く、前記ツバ部側が薄いことを特徴とする請求項1または2記載のドーム型カバー。

請求項4

前記ツバ部の一部に切り欠きを有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載のドーム型カバー。

請求項5

前記薄肉部は、ゲート痕と反対側に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載のドーム型カバー。

請求項6

前記ツバ部の一部に薄肉部を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項記載のドーム型カバー。

請求項7

請求項1乃至6いずれか一項に記載のドーム型カバーを有するカメラ

請求項8

樹脂注入するためのゲートと、ツバ部を成形するための凹形状部と、薄肉部を成形するための凸形状部と、容積拡張するための円筒部の外面を成形するための成形部と、を有するストリッパープレートと、半球部の外面を成形するための凹面型と、前記半球部および前記円筒部の内面を成形するための凸面型との間にキャビティを形成し、前記キャビティに前記ゲートから樹脂を注入してドーム型カバーを製造することを特徴とするドーム型カバーの製造方法。

請求項9

前記凸形状部は、前記ゲートからの樹脂が前記キャビティに最後に充填される位置に形成されていることを特徴とする請求項8記載のドームカバーの製造方法。

請求項10

前記凸形状部は、前記ツバ部に向かって幅が短くなる形状であることを特徴とする請求項8または9記載のドーム型カバーの製造方法。

請求項11

前記円筒部の外面を成形するための成形部は、ツバ部に向かって開口径が大きくなるように型開方向に対して傾斜した形状を有し、前記凸形状部は、前記傾斜より緩やかな傾斜した形状あるいは型開方向と平行方向に形成され、前記ツバ部に向かって突出量が大きくなっていることを特徴とする請求項8乃至10いずれか1項記載のドーム型カバーの製造方法。

請求項12

樹脂を注入するためのゲートと、ツバ部を成形するための凹形状部と、薄肉部を成形するための凸形状部と、を有するストリッパープレートと、外面を成形するための凹面型および前記ストリッパープレートと、内面を成形するための凸面型との間にキャビティが形成されることを特徴とするドーム型カバー成形用金型

請求項13

前記凸形状部は、前記ツバ部に向かって幅が短くなる形状であることを特徴とする請求項12記載のドーム型カバー成形用金型。

請求項14

ストリッパープレートにより形成されるキャビティは、ツバ部に向かって開口径が大きくなるように型開方向に対して傾斜した形状を有し、前記凸形状部は、型開方向と平行方向に形成されツバ部に向かって突出量が大きくなっていることを特徴とする請求項12または13記載のドーム型カバー成形用金型。

技術分野

0001

本発明は、プラスチック射出成形で製造する監視カメラ用等のドーム型カバー、ドーム型カバーの製造方法、ドーム型カバー成形用金型、およびカメラに関するものである。

背景技術

0002

近年、監視用ネットワークカメラの普及が進んでいる。多種多様のカメラが街頭公共施設個人家屋を問わず、いたるところに設置されている。その中で、カメラをドーム型カバーに収容したタイプが存在する。図10(a)はドーム型カバーを有するカメラの模式図である。内部のカメラを描写するために、ドーム型カバーのみ断面図で記している。ドーム型カバー104の内部でレンズ鏡筒109は三次元的に自在に向きを変えることができ、任意の撮影方向を選択して監視が可能である。旋回方向102をパン、上下傾き方向101をチルト表現する。一般的にパン、チルトの角度表記によってカメラの向きを表現する。カメラが水平方向を向いているときチルト角は0°である。カメラが天頂方向を向いているとき、チルト角は90°である。

0003

ドーム型カバーは風雨による劣化や、いたずらによる殴打汚損からカメラを保護する機能を有する。ドーム型カバーは外装部品でもあり、カメラの光学系の一部でもある。図10(b)にドーム型カバー単体の全体図を示す。半球状の光学有効領域105はレンズと同等の高精度な形状精度が求められる。前記半球面開口端略円筒形状106と連結されており、前記略円筒部の端部はフランジ状ツバ部107を有する。前記略円筒部106はカメラを収容する内容部体積拡張するための形状である。前記ツバ部7はドーム型カバーをカバー鏡筒108と接合するための形状である。

0004

大量生産に対応するために、ドーム型カバーはプラスチック射出成形で製造されることが一般的である。例えばカップ型容器等は、ホットランナーによるピンゲート形状中心部に配置し、成形むらを抑制するために流動末端となる、容器開口縁全周まで均等な流動長で成形することが一般的である。

0005

しかし、ドーム型カバー半球状の光学有効領域は高精度な形状精度が求められ、その部分にゲートを設けることはできない。光学有効領域にゲートを設けると、光学面ゲート痕が残り、カメラ撮影阻害する。このため、ドーム型カバーにおいては、カップ型容器と同様の製造方法を適用することができない。図11に示すように、形状中心部114ではなく、ツバ部107の一端にサイドゲート112を設けることが一般的である。

0006

サイドゲート方式を用いた場合、最終流動部となる反ゲート側のツバ部113まで樹脂が流れる経路として、大別して二つの経路が存在する。一つはゲートから真っすぐ前記略円筒部106を立ち上がり、半球部105の天頂(形状中心部)114を経由して反ゲート側のツバ部113に至る経路116である。もう一つは、ゲートから略円筒部106の円周方向に回り込んで反ゲート113に至る経路115である。これら2つの経路の長さを比較すると、前者の方が略円筒部の高さkの約2倍分だけ長くなる。すなわち、天頂経由の流動が遅れ、円周方向からの流動が先行する。図12(a)は反ゲート側から樹脂充填完了直前ドームを見た正面図である。図12(b)は反ゲート側から樹脂充填完了直後のドームを見た正面図である。円周方向からの流動が先行することで、反ゲート側の樹脂が円筒部において直線状に合流する(角度aが小さい)。前記角度aが小さいほど樹脂のフローフロント合流領域が縦に一直線状に長く延び、合わせ目としてウエルド117が残りやすくなる。ウエルド117は成形むらとして光学性能が低下する要因となる。高倍率のカメラほど本体が大きくなるため、ドームの径は大きくなり、略円筒部の高さkのサイズも大きくなる傾向にあるため、ウエルド発生が顕著になる。

0007

特許文献1では、天頂部の肉厚を厚くすることで、天頂経由の樹脂流動を促進させている。また、ドーム型カバーの開口端に沿って薄肉部を設けることにより、円周方向の樹脂流動を遅延させている。

先行技術

0008

特開2000−156810号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特許文献1のように天頂方向のカバー肉厚が大きくなるような構成にすると、次のような課題がある。カバーの肉厚差の影響により、画質が劣化する。また、ドーム型カバー開口端に沿って薄肉部を設けているが、このような形状を作るためには凸面金型の側面に前記薄肉部を転写するための形状を加工しなければならない。このような加工は難易度が高く、形状の微調整も難しい。

課題を解決するための手段

0010

上記の課題を解決するために、本発明のドーム型カバーは、半球部と、ツバ部と、前記半球部と前記ツバ部との間の円筒部とを有するドームカバーであって、前記円筒部に、外面が凹んだ薄肉部を有することを特徴とする。

0011

本発明のカメラは、上記のドーム型カバーを有する。

0012

本発明のドーム型カバーの製造方法は、樹脂を注入するためのゲートと、ツバ部を成形するための凹形状部と、薄肉部を成形するための凸形状部と、容積を拡張するための円筒部の外面を成形するための成形部と、を有するストリッパープレートと、半球部の外面を成形するための凹面型と、前記半球部および前記円筒部の内面を成形するための凸面型との間にキャビティを形成し、前記キャビティに前記ゲートから樹脂を注入してドーム型カバーを製造することを特徴とする。

0013

本発明のドーム型カバー成形用金型は、樹脂を注入するためのゲートと、ツバ部を成形するための凹形状部と、薄肉部を成形するための凸形状部と、を有するストリッパープレートと、外面を成形するための凹面型および前記ストリッパープレートと、内面を成形するための凸面型との間にキャビティが形成されることを特徴とする。

発明の効果

0014

本発明によれば、簡単な方法でウエルドの発生を抑制し、光学性能が良好なドーム型カバーを得ることができる。

図面の簡単な説明

0015

第一の実施形態に係わるドーム型カバーを説明する図
第一の実施形態に係わるドーム型カバーの金型を説明する図
第一の実施形態に係わる変形例を説明する図
第二の実施形態に係わるドーム型カバーを説明する図
実施例を説明する図
ウエルドを説明する図
比較例2を説明する図
比較例2のウエルドを説明する図
実施例、比較例2を説明する図
(a)ドーム型カバーを有するカメラ(カバーのみ断面図)、(b)ドーム型カバー
サイドゲートで成形するドーム型カバー
(a)反ゲート側における樹脂の合流角度、(b)反ゲート側で発生するウエルド

0016

(第一の実施形態)
本発明に係るドーム型カバーの一例である第一の実施形態について図1を用いて説明する。

0017

図1(a)は、ドーム型カバーの半球部の開口端を下に向けた状態の上面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A´断面図である。図1(c)は、図1(a)のY方向から見た正面図である。図1(d)は、薄肉部の変形例である。図1(e)は、図1(d)のY方向から見た充填完了直前の正面図である。

0018

12はドーム型カバーをプラスチック射出成形により製造する際、ドーム型カバーの形状をした空間(キャビティ)に樹脂を注入するための入り口であるゲート、21はランナーである。このゲート12、ランナー21は、除去されドーム型カバーが製造されるが、ドーム型カバーのゲート12が除去された部分を、本明細書においてはゲート痕と称する。5は、半球部である。半球部の外側(上側)の面を外面、内側(下側)の面を内面と称する。半球部5は外面も内面もすべて表面粗さが非常に小さい面(鏡面)であり、レンズと同等の高精度な形状精度を有する。半球部5は開口端が円筒部6と連結されており、円筒部6の半球部5と反対側の端部は、フランジ状のツバ部7を有している。本明細書においては、半球部5とツバ部の間の部分を円筒部(つなぎ部)と称する。円筒部6(つなぎ部)においても、半球部の外面とつながる面を外面、半球部の内面とつながる面を内面と称する。前記ツバ部7はドーム型カバーをカバー鏡筒(図10(a)における108参照)と接合するための形状である。

0019

42は、ゲート12から注入された樹脂が、最後に充填される最終充填部を示している。本実施形態においては、最終充填部42は、ゲート12と反対側の反ゲート部13となる。本実施形態におけるドーム型カバーは、ゲート12−反ゲート13を結ぶ中心線41に対して、対称形となっている。半球部の中心としてゲートの位置を原点0°とし、反時計回り正方向とするとき、最終充填部42の角度は180°である。例えば、p=167°、q=193°とし、p<180°<qとなるように薄肉部20を配置する。薄肉部20は強調するために塗りつぶし表記で表している。

0020

円筒部6の少なくとも外面は、ツバ部7に向かって開口径が大きくなるように傾斜した形状を有している。光軸Tに対して角度X°だけ、ツバ部7に向かって径が大きくなるように傾斜している。角度Xは5°以上10°以下が好ましい。大きすぎると、広角(チルト0°等)で撮影時の解像度が低下する。小さすぎると、抜き勾配が小さくなるため離型できない場合がある。

0021

20は、円筒部(つなぎ部)6の外面が凹んだ薄肉部である。薄肉部以外の円筒部(つなぎ部)6は、光軸Tに対してX°傾斜しているのに対し、薄肉部20は、傾斜角度が光軸に対してX°より小さい角度になっている。あるいは傾斜角度が0°(光軸と平行な方向)であってもよい。これにより肉厚を薄くしている。つまり、前記薄肉部の厚さは、前記半球部側が厚く、前記ツバ部側が薄くなる。このようにすることで、射出成形する際、アンダーカットにならないため、凹部であっても離型させることが可能となる。

0022

また、本実施形態の薄肉部20は、図1(c)に示すように長方形であってもよいし、図1(d)に示すように、薄肉部20の幅が、前記半球部側が長く、前記ツバ部側が短い形状であってもよい。形状はこれに限らず、例えば図3に示すように五角形としてもよい。図3の形状においては、薄肉部20の上部において前記幅gが半球部5側からツバ部7に近づくにつれて等距離の領域nがある。一方、それよりも下部では、前記幅gが半球部5側からツバ部7に近づくにつれて狭くなっている。アンダーカットにならなければ、薄肉部の輪郭曲線でも良い。

0023

これらの薄肉部20は、いずれの形状も、図1(e)に示すように、薄肉部20の両上端部19と19´が離間している。薄肉部20は未充填部のため破線表記してある。薄肉部20を、最終充填部42(本実施形態においては反ゲート部13)に配置することにより、ゲートから円筒部6(つなぎ部)の円周方向を流れてきた樹脂の流れが抑制される。そのため、ゲートから半球部5の天頂(形状中心部)を経由して反ゲート側に至る経路を流れてきた樹脂の流れが追いつき、流れを抑制された樹脂との合流のタイミングが改善され、つなぎ部6の円周方向に流れてきた樹脂同士の正面衝突を防ぐことができる。このことは、図1(e)の樹脂の合流角度aが従来例に比べて大きくなっていることからもわかる。これによりウエルドの発生を抑えることができる。樹脂合流角aが開いて鈍角になるほど円周方向の樹脂のフローフロントの正面衝突を抑え、合わせ目(ウエルド)が残りづらくなる。ウエルドの発生を抑えることで成形むらを抑え、光学性能の低下を防ぐことができる。前記樹脂合流角aを鈍角にする効果があるのは、薄肉部20の両上端部19と19´が円筒部(つなぎ部)6の円周方向に沿って離間していること、つまり、薄肉部20の幅が、前記鏡面部側が長いことが大きく関係している。薄肉部20の幅は、前記鏡面部側が長いほどウエルドの発生を抑えることができるが、q−pが3°以上40°以下がより好ましい。大きすぎると薄肉部が増大し製品強度が低下し、小さすぎるとウエルド抑制効果が低下する。

0024

その結果、ウエルドの発生を抑制し、光学性能が良好なドーム型カバーを得ることができる。よって、このドーム型カバーを有するカメラは、高画質の画像を撮影することが可能となる。

0025

図1(d)のように薄肉部20の幅が、前記半球部側が長く、前記ツバ部側が短い形状とした場合、薄肉部による体積減少を小さくすることができるため、製品の強度の低下を抑えることができる。また、前記薄肉部20は前記つなぎ部6の外側に設けることによって、薄肉部の調整をより簡略化することができる。

0026

次に、本実施形態のドーム型カバーの製造方法について説明する。上記ドーム型カバーを射出成形するドーム型カバー成形用金型を図2に示す。図2(a)は金型が閉まった状態で樹脂を充填完了したときの図である。図2(b)は金型が開いて突き出しが完了した図である。

0027

24は固定側ダイセット、25は半球部およびつなぎ部の内面を成形するための凸面型、26はスプルーブシュ、28は可動側ダイセット、29は半球部の外面を成形するための凹面型である。33はストリッパープレート、32はセンターピン、30はスプルー、227はゲート、27はランナー、31はドーム型カバー成形品である。

0028

ストリッパープレート33の内周面には、ツバ部を成形するための凹形状部233と、容積を拡張するためのつなぎ部の外面を成形するための成形部234が加工されている。また、前記ゲートの反対側に、薄肉部20を転写する(成形する)凸形状部が加工されている(不図示)。

0029

また、ストリッパープレート33には樹脂を注入するためのゲート227、ランナー27も形成される。

0030

そして、ストリッパープレート33と、凹面型と、凸面型との間に形成される空間部(キャビティ)に、スプルー30、ランナー27、ゲート227から溶融樹脂流し込む

0031

樹脂材料は例えばポリカーボネートを使用することができる。

0032

そして、図2(b)に示すように、樹脂の冷却が完了して、金型が開くと、凸面金型から成形品が離型し、さらにストリッパープレート33とセンターピン32が突き出ることにより、凹面金型から成形品が離型する。さらに、エジェクタピン(不図示)を突き出して成形品を突き出すことにより、ストリッパープレート33と成形品が離型し、離型が完了する。

0033

凸形状部(不図示)は、前記ツバ部に向かって幅が短くなる形状が加工されていることが好ましい。さらに、ストリッパープレート33の内周面に加工されるつなぎ部の外面を成形するための成形部234は、ツバ部に向かって開口径が大きくなるように型開方向に対して傾斜した形状を有している。そして、凸形状部(不図示)は、前記傾斜より緩やかな傾斜した形状あるいは型開方向と平行方向に形成されている。つまり、前記ツバ部に向かって突出量が大きくなっている。この構成にすることで、アンダーカットを防ぎ、エジェクタピンにより離型させることができる。

0034

また、このような構成にすると、ストリッパープレートを交換することによって、薄肉部の形状や配置を自在に変更することが可能である。

0035

さらに、ドーム型カバーは金型と密着する面積が大きいため、ストリッパープレートを使用することによって、エジェクタピンと比較して安定した離型が可能となる。

0036

(第二の実施形態)
本発明に係るドーム型カバーの一例である第二の実施形態について図4を用いて説明する。

0037

第一の実施形態と同じ機能を有する部分については同じ符号を付し、説明を省略する。

0038

図4(a)は、ドーム型カバーの半球部の開口端を下に向けた状態の上面図である。図4(b)は、図4(a)のD−D´断面図である。図4(c)は、図4(a)のY方向から見た正面図である。図4(d)は、図4(a)のY方向から見た充填完了直前の正面図である。

0039

本実施形態のドーム型カバーは、ツバ部7において、ゲート‐反ゲートを結ぶ中心線41に対して、非対称な位置に切り欠き45を有する。この切り欠き45が流動抵抗となるため、図4(a)においてゲート12から反時計周りにつなぎ部6の周方向を回り込む樹脂の流動が、時計周りの樹脂の流動と比べて先行する。そのため、最終充填部の位置が反ゲート部13からずれる。図4(d)は最終充填部42が反ゲート部13からずれた位置となっていることを示している。図4(a)に示すように、半球部の中心としてゲートの位置を原点0°、反時計回りを正方向とするとき、最終充填部42の角度は、例えば220°である。例えば、p=207°、q=233°とし、p<220<qとなるようにつなぎ部6に逆台形状の薄肉部20を配置すればよい。

0040

本実施形態は、最終充填部42において、流動の障害となる薄肉部を設け、樹脂合流角を鈍角化することにより、ウエルドを抑制する技術である。そのため、最終充填部付近を中心として、薄肉部20を配置することで効果が得られる。図4(a)に示すように、本実施形態では、つなぎ部6における薄肉部20に加えて、ツバ部7にも薄肉部46を形成した。このような構成とすることにより、樹脂の合流角度がより鈍角になり、ウエルド低減効果が高まる。

0041

ドーム型カバーの形状は、ゲート側−反ゲート側を結ぶ線に対して線対称なものが一般的である。そのため、最終充填部は反ゲート側になる場合が多い。しかし、カメラ鏡筒との組みつけや、他の製品設計との関係で、本実施形態に示すようにドーム型カバーの形状が非対称となることがある。このような場合、最終充填部となる位置に対応して薄肉部を配置する。

0042

ドーム型カバーの形状が対称形であっても、金型温度分布や、キャビティ内のガス逃げ不均一性から、最終充填部が反ゲートツバ部13からずれる場合もある。このような場合においても、実施例2と同様に、最終充填部となる位置に対応して薄肉部20を配置することで同様の効果が得られる。

0043

次に本発明の実施例について説明する。

0044

図5(a)に示すのは本実施例で成形した、ドーム型カバーの半球部の開口端を下に向けた状態の上面図である。図5(b)は、図5(a)のC−C´断面図である。図5(c)は、図5(a)のZ方向から見た正面図である。

0045

図5(b)に示すように、ドームのツバの外形は直径180mmであった。半球部5外側の半径は80mm、半球部5内側の半径は77.8mmであった。面取り部等の局所を除いて全体的に均等な厚みであり、厚みは2.2mmであった。ツバ部7底から天頂14までの距離は109.1mmであった。つなぎ部6は5°の勾配がついていた。ゲート‐反ゲートを結ぶ中心線41に対して線対称形であった。

0046

ツバ部7底からつなぎ部6の一部までの一定領域mはドーム型カバーをカバー鏡筒に組み付けたときに外観見えなくなる領域である。本実施例ではm=10mmであった。

0047

カメラの視野に入る範囲から外れていれば、つなぎ部6の任意の位置に薄肉部20を設けることは可能である。しかし、製品のデザインを考慮すると、前記薄肉部20は外部から見えない領域にあることがより望ましい。図5(c)に示すように、本実施例では薄肉部20の上部幅g=36.5mm、下部幅f=8.6mm、高さh=6.6mmとし、製品組み込み状態で薄肉部20を目視できないようにした。

0048

本実施例に示すドームは最終充填部42が反ゲート部13であった。半球部の中心としてゲート位置を原点0°、反時計回りを正方向とするとき、最終充填部42の角度は180°であった。p=167°、q=193°とし、p<180<qとなるように逆台形状の薄肉部20を配置した。

0049

この他に薄肉部20を8箇所、ゲート−反ゲートを結ぶ中心線41に対して線対称に配置した。反ゲート部13配置以外の薄肉部20は、つなぎ部6を回り込む樹脂の流動抵抗となり、ウエルドをさらに抑制する効果があった。また、射出成形後の成形品が均一に収縮するように、薄肉部の配置は対称である方が好ましい。薄肉部をゲート直下に設けると、半球部の中心方向(天頂方向)の流動を阻害することになるため、ウエルドが悪化する。そのため、薄肉部はゲート直下領域を避けた。

0050

比較例1として、ストリッパープレート33の内周面に何も形状を設けずに成形した場合と、本実施例と、成形品で発生したウエルドの範囲の比較を行った。

0051

図6(a)は本実施例のウエルド17のスケッチである。図6(b)はなにも形状を設けない場合のウエルド17のスケッチである。双方とも反ゲート側から見た正面図である。

0052

本実施例ではウエルド17の範囲はツバ部7と薄肉部20の一部のみであり、光学的には影響のない範囲にとどまった。一方、なにも形状を設けなかった比較例1では、ウエルド17の範囲は光学有効域である半球部5まで及び、品質の低下がみられた。

0053

本実施例では全ての薄肉部を同じ形状としたが、必ずしも同じ形状である必要はない。しかし、線対称性を崩すような形状と配置にすると、流動抵抗に差異が発生し、最終充填部が変化して、それに伴って最終充填部に対応する位置に配置する薄肉部20の位置も動かす必要がある。そのため、特段の理由がない場合は、同じ形状とする方が望ましい。

0054

比較例2として、薄肉部の形状を台形状とした場合と、成形品で発生したウエルドの範囲の比較を行った。

0055

比較例2の形状は薄肉部の形状が台形状であり、反ゲート側から見た正面図を図7(a)に示す。台形状の薄肉部をドーム型カバー外側に設けると、アンダーカットとなるため離型することができない。そのため、先行文献2にみられるようにドームの開口端に沿ってカバーの内側に設けた。図7(a)の薄肉部はドームカバー内面に存在し、外からは目視できないため破線で表記する。上部幅g=8.6mm、下部幅f=36.5mm、高さh=6.6mmとした。本実施例と同様に薄肉部は反ゲート部13の他に8箇所、ゲート−反ゲートを結ぶ中心線に対して線対称に配置した。

0056

比較例2の形状は本実施例と比べて、薄肉部の形状が上下逆転しているだけであり、その他の形状は同様である。薄肉部による体積減少量も約同等であるため、製品強度も約同等である。

0057

図7(b)、図7(c)は比較例2の形状を射出成形する凸面金型である。ドーム型カバーの内側に薄肉部を設けるためには、図7(b)に示すように、凸面型44の側面に前記薄肉部を転写する形状34を加工する必要がある。しかし、金型にこのような形状を加工することは非常に困難であることがわかった。ドームカバーはサイドゲートからの樹脂の流れが三次元的であるため、流動解析シミュレーションでウエルドを高精度に予測できない場合がある。そのため、実際の成形の状態を見ながら薄肉部の形状を変更して、流動の調整を行う用意が必要であることがわかった。

0058

このような想定をした場合、比較例2の凸面型44では薄肉部の形状や配置を修正する際に、高精度で加工された鏡面部分を含めた凸面型44全体を作り直す必要があるため、容易に調整や修正ができない問題があることがわかった。

0059

図7(b)に示すように、凸面型44を半球部37と脚部35に分割して、脚部35に薄肉部転写形状34を加工することで、上記問題はある程度解決できるが、半球部37と脚部35の軸合わせが困難となる。軸ズレがあると光学性能の低下や、アンダーカット形状が発生し、成形できなくなるといった課題が発生することがわかった。

0060

これと比較して、本実施例は、薄肉部20の形状変更の際に、円環状部品であるストリッパープレート33を作り替えるだけあるため、容易かつ安価に実施可能である。

0061

図8は比較例2のウエルド17のスケッチである。

0062

比較例2のウエルド17はツバ部7、薄肉部20、そして略円筒部6の途中まで発生した。

0063

比較例2は比較例1と比べてウエルド17は改善する。これは、開口端に沿って複数の薄肉部20が存在するため、略円筒部を回り込む樹脂の流動抵抗となっているからであると考えられる。

0064

しかし、本実施例と比較すると、比較例2はウエルド17の範囲が略円筒部の一部まで及んでおり、ウエルドが広範囲に発生する結果となった。前記領域は光学有効面である半球部5から外れてはいるが、パン方向にカメラを向けたときに視野の一部にかかってくるため、このようなウエルドはない方がカメラとしての品質が向上する。

0065

図9(a)、図9(b)は充填完了直前のドームカバーの樹脂合流の状態を反ゲート側正面から見た図である。図9(a)は比較例2のドーム型カバーである。図9(b)は本実施例のドーム型カバーである。

0066

本実施例と比較して、比較例2は反ゲート側の薄肉部の上部幅gが狭くなっている。このため、図9(a)に示すように、最終充填部において樹脂合流角aを広げる効果が少ないため、樹脂合流角度aが十分鈍角にならずにウエルド17がより広範囲に残存した。

0067

本実施例は比較例2と比べて、薄肉部による体積減少がほぼ同等、すなわち製品強度がほぼ同等であるにもかかわらず、比較例2よりもウエルド抑制効果が高いことが確認された。ウエルド抑制効果を効果的に得るためには、反ゲート側にて略円筒部の可能な限り高い位置で、薄肉部20の上部幅gを形成する必要がある。前記上部幅gのサイズは必要製品強度やウエルドの程度によって適宜調整する。

0068

本実施例では製品の外観から目視出来ない位置に薄肉部を設けたが、製品性能上、デザイン上の制約が無ければ、半球部の境界に近い位置に設けることも可能である。

実施例

0069

本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために以下の請求項を添付する。

0070

1 上下傾き方向(チルト)
2旋回方向(パン)
4ドーム型カバー
5光学有効領域(半球部)
6略円筒形状
7ツバ部
8カバー鏡筒
9レンズ鏡筒
20薄肉部
21ランナー
25凸面型
29凹面型
31 ドーム型カバー
33 ストリッパープレート

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