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技術 センサ素子、ジャイロセンサ及び電子機器

出願人 ソニー株式会社
発明者 三谷諭司椛澤秀年高橋和夫新倉英生
出願日 2015年10月20日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2016-562200
公開日 2017年9月21日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 WO2016-088291
状態 特許登録済
技術分野 ジャイロスコープ 圧電、電歪、磁歪装置
主要キーワード ノイズ侵入 駆動信号振幅 ウェアラブル機器 対角関係 検出用パッド 漏れ込み量 略平行四辺形状 検出用配線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月21日)のものです。
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図面 (20)

課題

多軸方向の角速度を高精度に検出することができるセンサ素子ジャイロセンサ及び電子機器を提供する。

解決手段

本技術の一形態に係るセンサ素子は、振動子部と、環状のベース部と、複数の連結部と、配線層とを具備する。上記配線層は、複数の駆動用配線と、複数の検出用配線とを有する。上記複数の駆動用配線は、第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記複数の検出用配線は、第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記配線層は、上記複数の連結部にそれぞれ設けられ、上記ベース部に設けられた複数の端子部と、上記振動子部に設けられた複数の圧電駆動部、第1及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する。

概要

背景

民生用の角速度センサとして、振動型ジャイロセンサが広く用いられている。振動型ジャイロセンサは、振動子を所定の周波数振動させておき、振動子に生じるコリオリ力圧電素子などで検出することによって角速度を検出する。上記ジャイロセンサは、例えば、ビデオカメラバーチャルリアリティ装置、カーナビゲーションシステムウェアラブル機器などの電子機器に搭載され、手振れ検知、動作検知方向検知姿勢検知などのセンサとして活用されている。

例えば特許文献1には、環状のフレームと、当該フレームに一端が接続された複数の振り子部とを有し、所定周波数で振動する上記フレーム及び複数の振動子の変形量に基づいて、相互に直交する3軸まわりの角速度を検出可能な角速度センサが記載されている。

振動型のジャイロセンサにおいては、典型的には、逆圧電効果を利用して振動子を振動させるための駆動用電極と、圧電効果を利用して振動子の変形を検出するための検出用電極がそれぞれ振動子の表面に設けられている。これら駆動用電極及び検出用電極に接続される配線は、振動子の表面にそれぞれ形成される。

例えば特許文献2には、固定部と駆動振動体との間を接続する捩れ延出部の表面に、複数の配線パターンが形成された角速度センサ素子が記載されている。特許文献2に記載の配線レイアウトにおいては、一対の駆動用配線パターンの間に複数の検出用配線パターンが配置されている。このため、駆動用配線パターンから検出用配線パターンへのノイズ侵入が起こり易く、角速度の検出精度の招くおそれがある。この問題は、素子サイズが小型になるほど、顕著に発生し得る。

ノイズ対策として例えば特許文献3には、2つの駆動用電極と検出用電極との間に発生する寄生容量の比に対して、2つの駆動信号振幅の比が逆数となるように設定された角速度センサが記載されている。これにより第1及び第2の駆動用電極と検出用電極との間の容量結合によって発生するノイズ成分が相殺され、角速度センス信号の検出精度が向上するとしている。しかしながら、特許文献3に記載の角速度センサは、角速度の検出軸が単一であるものを前提としており、特許文献1,2に記載の角速度センサのように検出信号が複数ある場合には対応することができない。

概要

多軸方向の角速度を高精度に検出することができるセンサ素子、ジャイロセンサ及び電子機器を提供する。本技術の一形態に係るセンサ素子は、振動子部と、環状のベース部と、複数の連結部と、配線層とを具備する。上記配線層は、複数の駆動用配線と、複数の検出用配線とを有する。上記複数の駆動用配線は、第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記複数の検出用配線は、第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記配線層は、上記複数の連結部にそれぞれ設けられ、上記ベース部に設けられた複数の端子部と、上記振動子部に設けられた複数の圧電駆動部、第1及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する。

目的

以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、多軸方向の角速度を高精度に検出することができるセンサ素子、ジャイロセンサ及び電子機器を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1の主面を有する環状のフレームと、前記フレームに支持される一端部をそれぞれ有する複数の振り子部と、圧電膜と前記圧電膜を挟んで対向する第1及び第2の駆動用電極とをそれぞれ有し前記フレームを前記第1の主面に平行な面内で振動させる複数の圧電駆動部と、第1の検出用電極をそれぞれ有し前記フレームの前記第1の主面における変形量に基づいて前記第1の主面に垂直な第1の軸まわりの角速度を検出する複数の第1の圧電検出部と、第2の検出用電極をそれぞれ有し前記複数の振り子部の前記第1の主面に垂直な方向における変形量に基づいて前記第1の軸と直交する2軸方向の角速度を検出する複数の第2の圧電検出部と、を有する振動子部と、複数の端子部を有し、前記振動子部の周囲に配置された環状のベース部と、前記振動子部と前記ベース部との間に配置され、前記ベース部に対して前記振動子部を振動可能に支持する複数の連結部と、前記第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の駆動用配線と、前記第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の検出用配線とを有し、前記複数の連結部にそれぞれ設けられ、前記複数の端子部と、前記複数の圧電駆動部、第1の圧電検出部及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する配線層とを具備するセンサ素子

請求項2

請求項1に記載のセンサ素子であって、前記複数の連結部は、前記振動子部に接続される第1の端部と、前記ベース部に接続される第2の端部と、前記配線層を支持し前記第1の主面に平行な第2の主面とを有し、前記複数の駆動用配線は、前記第1の端部から前記第2の端部へ向かって前記第2の主面の一側方に偏って配置され、前記複数の検出用配線は、前記第1の端部から前記第2の端部へ向かって前記第2の主面の他の側方に偏って配置されるセンサ素子。

請求項3

請求項2に記載のセンサ素子であって、前記複数の駆動用配線及び検出用配線は、前記第2の主面上において前記複数の連結部各々の中心線対称軸として相互に線対称かつ等間隔に配置されるセンサ素子。

請求項4

請求項2に記載のセンサ素子であって、前記複数の検出用配線は、前記第1の検出用電極に接続される第1の検出用配線と、前記第2の検出用電極に接続される第2の検出用配線と、を含み、前記第1及び第2の検出用電極のうち電極容量の大きい検出用電極に接続される検出用配線が、前記複数の駆動用配線に隣接して配置されるセンサ素子。

請求項5

請求項2に記載のセンサ素子であって、前記複数の駆動用配線は、前記第1の駆動用電極に接続され、第1の駆動信号が入力される第1の駆動用配線と、前記第2の駆動用電極に接続され、前記第1の駆動信号とは逆位相の第2の駆動信号が入力される第2の駆動用配線と、を含み、前記複数の連結部において、前記第2の駆動用配線は、前記複数の検出用配線と前記第1の駆動用配線との間に配置されるセンサ素子。

請求項6

請求項1に記載のセンサ素子であって、前記複数の駆動用配線及び検出用配線は、前記第1及び第2の駆動用電極ならびに前記第1及び第2の検出用電極よりも弾性率の低い材料でそれぞれ構成されるセンサ素子。

請求項7

請求項1に記載のセンサ素子であって、前記配線層は、前記複数の駆動用配線及び検出用配線を被覆する有機膜をさらに有するセンサ素子。

請求項8

請求項1に記載のセンサ素子であって、前記フレームは、前記第1の軸に直交する第2の軸方向に延在し、前記第1及び第2の軸にそれぞれ直交する第3の軸方向に相互に対向する第1の梁の組と、前記第3の軸方向に延在し、前記第2の軸方向に相互に対向する第2の梁の組と、前記第1の梁と前記第2の梁との間を接続する4つの接続部と、を有し、前記複数の振り子部は、前記4つの接続部から前記フレームの中心に向かって突出する4つの振り子部を含み、前記複数の連結部は、前記4つの接続部から前記ベース部に向かって延びる4つの連結部を含むセンサ素子。

請求項9

請求項8に記載のセンサ素子であって、前記複数の圧電駆動部は、前記第1の梁の前記第1の主面上にそれぞれ設けられ、前記第1の駆動用電極を上部電極として有する一対の第1の圧電駆動部と、前記第2の梁の前記第1の主面上にそれぞれ設けられ、前記第2の駆動用電極を上部電極として有する一対の第2の圧電駆動部と、を含むセンサ素子。

請求項10

請求項8に記載のセンサ素子であって、前記複数の第1の圧電検出部は、前記4つの接続部の前記第1の主面上にそれぞれ設けられた4つの圧電検出部を含むセンサ素子。

請求項11

請求項8に記載のセンサ素子であって、前記複数の第2の圧電検出部は、前記4つの振り子部にそれぞれ設けられた4つの圧電検出部を含むセンサ素子。

請求項12

請求項1に記載のセンサ素子であって、前記複数の連結部は、前記振動子部と前記ベース部との間において延出方向が反転する転回部を有するセンサ素子。

請求項13

第1の主面を有する環状のフレームと、前記フレームに支持される一端部をそれぞれ有する複数の振り子部と、圧電膜と前記圧電膜を挟んで対向する第1及び第2の駆動用電極とをそれぞれ有し前記フレームを前記第1の主面に平行な面内で振動させる複数の圧電駆動部と、第1の検出用電極をそれぞれ有し前記フレームの前記第1の主面における変形量に基づいて前記第1の主面に垂直な第1の軸まわりの角速度を検出する複数の第1の圧電検出部と、第2の検出用電極をそれぞれ有し前記複数の振り子部の前記第1の主面に垂直な方向における変形量に基づいて前記第1の軸と直交する2軸方向の角速度を検出する複数の第2の圧電検出部と、を有する振動子部と、複数の端子部を有し、前記振動子部の周囲に配置された環状のベース部と、前記振動子部と前記ベース部との間に配置され、前記ベース部に対して前記振動子部を振動可能に支持する複数の連結部と、前記第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の駆動用配線と、前記第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の検出用配線とを有し、前記複数の連結部にそれぞれ設けられ、前記複数の端子部と、前記複数の圧電駆動部、第1の圧電検出部及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する配線層と、前記ベース部を支持し、前記複数の端子部と電気的に接続される回路素子とを具備するジャイロセンサ

請求項14

第1の主面を有する環状のフレームと、前記フレームに支持される一端部をそれぞれ有する複数の振り子部と、圧電膜と前記圧電膜を挟んで対向する第1及び第2の駆動用電極とをそれぞれ有し前記フレームを前記第1の主面に平行な面内で振動させる複数の圧電駆動部と、第1の検出用電極をそれぞれ有し前記フレームの前記第1の主面における変形量に基づいて前記第1の主面に垂直な第1の軸まわりの角速度を検出する複数の第1の圧電検出部と、第2の検出用電極をそれぞれ有し前記複数の振り子部の前記第1の主面に垂直な方向における変形量に基づいて前記第1の軸と直交する2軸方向の角速度を検出する複数の第2の圧電検出部と、を有する振動子部と、複数の端子部を有し、前記振動子部の周囲に配置された環状のベース部と、前記振動子部と前記ベース部との間に配置され、前記ベース部に対して前記振動子部を振動可能に支持する複数の連結部と、前記第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の駆動用配線と、前記第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の検出用配線とを有し、前記複数の連結部にそれぞれ設けられ、前記複数の端子部と、前記複数の圧電駆動部、第1の圧電検出部及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する配線層と、前記ベース部を支持し、前記複数の端子部と電気的に接続される回路素子とを具備するジャイロセンサを搭載した電子機器

技術分野

0001

本技術は、相互に直交する3軸まわりの角速度を検出することが可能なセンサ素子ジャイロセンサ及び電子機器に関する。

背景技術

0002

民生用の角速度センサとして、振動型のジャイロセンサが広く用いられている。振動型ジャイロセンサは、振動子を所定の周波数振動させておき、振動子に生じるコリオリ力圧電素子などで検出することによって角速度を検出する。上記ジャイロセンサは、例えば、ビデオカメラバーチャルリアリティ装置、カーナビゲーションシステムウェアラブル機器などの電子機器に搭載され、手振れ検知、動作検知方向検知姿勢検知などのセンサとして活用されている。

0003

例えば特許文献1には、環状のフレームと、当該フレームに一端が接続された複数の振り子部とを有し、所定周波数で振動する上記フレーム及び複数の振動子の変形量に基づいて、相互に直交する3軸まわりの角速度を検出可能な角速度センサが記載されている。

0004

振動型のジャイロセンサにおいては、典型的には、逆圧電効果を利用して振動子を振動させるための駆動用電極と、圧電効果を利用して振動子の変形を検出するための検出用電極がそれぞれ振動子の表面に設けられている。これら駆動用電極及び検出用電極に接続される配線は、振動子の表面にそれぞれ形成される。

0005

例えば特許文献2には、固定部と駆動振動体との間を接続する捩れ延出部の表面に、複数の配線パターンが形成された角速度センサ素子が記載されている。特許文献2に記載の配線レイアウトにおいては、一対の駆動用配線パターンの間に複数の検出用配線パターンが配置されている。このため、駆動用配線パターンから検出用配線パターンへのノイズ侵入が起こり易く、角速度の検出精度の招くおそれがある。この問題は、素子サイズが小型になるほど、顕著に発生し得る。

0006

ノイズ対策として例えば特許文献3には、2つの駆動用電極と検出用電極との間に発生する寄生容量の比に対して、2つの駆動信号振幅の比が逆数となるように設定された角速度センサが記載されている。これにより第1及び第2の駆動用電極と検出用電極との間の容量結合によって発生するノイズ成分が相殺され、角速度センス信号の検出精度が向上するとしている。しかしながら、特許文献3に記載の角速度センサは、角速度の検出軸が単一であるものを前提としており、特許文献1,2に記載の角速度センサのように検出信号が複数ある場合には対応することができない。

先行技術

0007

特許4858662号公報
特開2012−93153号公報
WO2010/103776号公報

発明が解決しようとする課題

0008

近年、電子機器の小型化、薄型化に伴い、電子機器に搭載される各種部品やセンサの更なる小型化、多機能化が求められている。ジャイロセンサに関しては、小型であることは勿論のこと、1つのセンサで多軸方向の角速度を高精度に検出することができることが要求される。

0009

以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、多軸方向の角速度を高精度に検出することができるセンサ素子、ジャイロセンサ及び電子機器を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本技術の一形態に係るセンサ素子は、振動子部と、環状のベース部と、複数の連結部と、配線層とを具備する。
上記振動子部は、環状のフレームと、複数の振り子部と、複数の圧電駆動部と、複数の第1の圧電検出部と、複数の第2の圧電検出部とを有する。上記環状のフレームは、第1の主面を有する。上記複数の振り子部は、上記フレームに支持される一端部をそれぞれ有する。上記複数の圧電駆動部は、圧電膜と上記圧電膜を挟んで対向する第1及び第2の駆動用電極とをそれぞれ有し、上記フレームを上記第1の主面に平行な面内で振動させる。上記複数の第1の圧電検出部は、第1の検出用電極をそれぞれ有し、上記フレームの上記第1の主面における変形量に基づいて上記第1の主面に垂直な第1の軸まわりの角速度を検出する。上記複数の第2の圧電検出部は、第2の検出用電極をそれぞれ有し、上記複数の振り子部の上記第1の主面に垂直な方向における変形量に基づいて上記第1の軸と直交する2軸方向の角速度を検出する。
上記環状のベース部は、複数の端子部を有し、上記振動子部の周囲に配置される。
上記複数の連結部は、上記振動子部と上記ベース部との間に配置され、上記ベース部に対して上記振動子部を振動可能に支持する。
上記配線層は、複数の駆動用配線と、複数の検出用配線とを有する。上記複数の駆動用配線は、上記第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記複数の検出用配線は、上記第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記配線層は、上記複数の連結部にそれぞれ設けられ、上記複数の端子部と、上記複数の圧電駆動部、第1の圧電検出部及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する。

0011

上記センサ素子において、振動子部は、複数の連結部を介してベース部に支持されており、複数の圧電駆動部は、フレーム及び複数の振り子部を第1の主面に平行な面内で相互に同期して振動させる。
この状態で、フレームに第1の軸まわりへの角速度が作用すると、上記フレームに対しその瞬間での振動方向と直交する方向のコリオリ力が発生することで、当該フレームが第1の主面に平行な面内で変形する。複数の第1の圧電検出部は、当該フレームの変形量に基づいて第1の軸まわりの角速度に対応する検出信号を出力する。
一方、第1の軸と直交する軸まわりへの角速度が作用すると、複数の振り子部に対しその瞬間での振動方向と直交する方向のコリオリ力が発生することで、当該振り子部が第1の主面に垂直な方向に変形する。複数の第2の圧電検出部は、当該振り子部の変形量に基づいて当該軸まわりの角速度に対応する検出信号を出力する。
このように上記センサ素子は、相互に直交する3軸まわりの角速度を検出することが可能に構成される。

0012

複数の連結部には、振動子の各圧電駆動部及び各圧電検出部とベース部の各端子部との間を電気的に接続する配線層が設けられている。上記センサ素子において、配線層を構成する複数の駆動用配線は相互に隣接して配置されているため、同じ連結部上に配置された複数の検出用配線とのクロストークを低減でき、これにより各軸まわりの角速度を高精度に検出することが可能となる。

0013

上記複数の連結部は、典型的には、上記振動子部に接続される第1の端部と、上記ベース部に接続される第2の端部と、上記配線層を支持し上記第1の主面に平行な第2の主面とを有する。そして、上記複数の駆動用配線は、上記第1の端部から上記第2の端部へ向かって上記第2の主面の一側方に偏って配置され、上記複数の検出用配線は、上記第1の端部から上記第2の端部へ向かって上記第2の主面の他の側方に偏って配置される。
上記構成によれば、複数の駆動用配線及び検出用配線を連結部の同一平面上に形成することができるとともに、同一平面上に配置された駆動用配線及び検出用配線の相互間における信号のクロストークを低減することができる。これにより、素子の小型化を可能としつつ、角速度検出精度の劣化を抑制することが可能となる。

0014

上記複数の駆動用配線及び検出用配線は、上記第2の主面上において上記複数の連結部各々の中心線対称軸として相互に線対称かつ等間隔に配置されてもよい。
これにより、振動子部の機械的な対称性が保たれるため、ねじれを生じさせることなく振動子部を所定の振動モードで安定に振動させることが可能となる。

0015

上記複数の検出用配線は、典型的には、上記第1の検出用電極に接続される第1の検出用配線と、上記第2の検出用電極に接続される第2の検出用配線とを含む。この場合、上記第1及び第2の検出用電極のうち電極容量の大きい検出用電極に接続される検出用配線が、上記複数の駆動用配線に隣接して配置されてもよい。
第1及び第2の検出用配線のうちインピーダンスが低くノイズの影響を受けにくい検出用配線を駆動用配線の隣に配置することで、クロストークの影響を小さくすることが可能となる。

0016

上記複数の駆動用配線は、典型的には、第1の駆動用配線と、第2の駆動用配線とを含む。上記第1の駆動用配線は、上記第1の駆動用電極に接続され、第1の駆動信号が入力される。上記第2の駆動用配線は、上記第2の駆動用電極に接続され、上記第1の駆動信号とは逆位相の第2の駆動信号が入力される。この場合、上記複数の連結部において、上記第2の駆動用配線は、上記複数の検出用配線と上記第1の駆動用配線との間に配置されてもよい。
各連結部において、検出用配線に近接する駆動用配線の極性を同一とすることで、演算処理において角速度信号重畳するノイズ成分をキャンセルすることが可能となる。

0017

上記複数の駆動用配線及び検出用配線は、上記第1及び第2の駆動用電極ならびに上記第1及び第2の検出用電極よりも弾性率の低い材料でそれぞれ構成されてもよい。
上記配線層は、上記複数の駆動用配線及び検出用配線を被覆する有機膜をさらに有してもよい。

0018

振動子の構成は特に限定されず、圧電駆動部、圧電検出部及び連結部などは、フレームの形状に応じて適宜設定される。

0019

例えば、上記フレームは、第1の梁の組と、第2の梁の組と、上記第1の梁と上記第2の梁との間を接続する4つの接続部とを有する。上記第1の梁の組は、上記第1の軸に直交する第2の軸方向に延在し、上記第1及び第2の軸にそれぞれ直交する第3の軸方向に相互に対向する。上記第2の梁の組は、上記第3の軸方向に延在し、上記第2の軸方向に相互に対向する。
上記複数の振り子部は、上記4つの接続部から上記フレームの中心に向かって突出する4つの振り子部を含む。
前記複数の連結部は、上記4つの接続部から上記ベース部に向かって延びる4つの連結部を含む。

0020

上記構成において、上記複数の圧電駆動部は、一対の第1の圧電駆動部と、一対の第2の圧電駆動部とを含んでもよい。上記一対の第1の圧電駆動部は、上記第1の梁の上記第1の主面上にそれぞれ設けられ、上記第1の駆動用電極を上部電極として有する。上記一対の第2の圧電駆動部は、上記第2の梁の上記第1の主面上にそれぞれ設けられ、上記第2の駆動用電極を上部電極として有する。

0021

一方、上記複数の第1の圧電検出部は、上記4つの接続部の上記第1の主面上にそれぞれ設けられた4つの圧電検出部を含み、上記複数の第2の圧電検出部は、上記4つの振り子部にそれぞれ設けられた4つの圧電検出部を含む。

0022

本技術の一形態に係るジャイロセンサは、振動子部と、環状のベース部と、複数の連結部と、配線層と、回路素子とを具備する。
上記振動子部は、環状のフレームと、複数の振り子部と、複数の圧電駆動部と、複数の第1の圧電検出部と、複数の第2の圧電検出部とを有する。上記環状のフレームは、第1の主面を有する。上記複数の振り子部は、上記フレームに支持される一端部をそれぞれ有する。上記複数の圧電駆動部は、圧電膜と上記圧電膜を挟んで対向する第1及び第2の駆動用電極とをそれぞれ有し、上記フレームを上記第1の主面に平行な面内で振動させる。上記複数の第1の圧電検出部は、第1の検出用電極をそれぞれ有し、上記フレームの上記第1の主面における変形量に基づいて上記第1の主面に垂直な第1の軸まわりの角速度を検出する。上記複数の第2の圧電検出部は、第2の検出用電極をそれぞれ有し、上記複数の振り子部の上記第1の主面に垂直な方向における変形量に基づいて上記第1の軸と直交する2軸方向の角速度を検出する。
上記環状のベース部は、複数の端子部を有し、上記振動子部の周囲に配置される。
上記複数の連結部は、上記振動子部と上記ベース部との間に配置され、上記ベース部に対して上記振動子部を振動可能に支持する。
上記配線層は、複数の駆動用配線と、複数の検出用配線とを有する。上記複数の駆動用配線は、上記第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記複数の検出用配線は、上記第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記配線層は、上記複数の連結部にそれぞれ設けられ、上記複数の端子部と、上記複数の圧電駆動部、第1の圧電検出部及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する。
上記回路素子は、上記ベース部を支持し、上記複数の端子部と電気的に接続される。

0023

本技術の一形態に係る電子機器は、振動子部と、環状のベース部と、複数の連結部と、配線層と、回路素子とを具備するジャイロセンサを搭載する。
上記振動子部は、環状のフレームと、複数の振り子部と、複数の圧電駆動部と、複数の第1の圧電検出部と、複数の第2の圧電検出部とを有する。上記環状のフレームは、第1の主面を有する。上記複数の振り子部は、上記フレームに支持される一端部をそれぞれ有する。上記複数の圧電駆動部は、圧電膜と上記圧電膜を挟んで対向する第1及び第2の駆動用電極とをそれぞれ有し、上記フレームを上記第1の主面に平行な面内で振動させる。上記複数の第1の圧電検出部は、第1の検出用電極をそれぞれ有し、上記フレームの上記第1の主面における変形量に基づいて上記第1の主面に垂直な第1の軸まわりの角速度を検出する。上記複数の第2の圧電検出部は、第2の検出用電極をそれぞれ有し、上記複数の振り子部の上記第1の主面に垂直な方向における変形量に基づいて上記第1の軸と直交する2軸方向の角速度を検出する。
上記環状のベース部は、複数の端子部を有し、上記振動子部の周囲に配置される。
上記複数の連結部は、上記振動子部と上記ベース部との間に配置され、上記ベース部に対して上記振動子部を振動可能に支持する。
上記配線層は、複数の駆動用配線と、複数の検出用配線とを有する。上記複数の駆動用配線は、上記第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記複数の検出用配線は、上記第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され、相互に隣接して並走する。上記配線層は、上記複数の連結部にそれぞれ設けられ、上記複数の端子部と、上記複数の圧電駆動部、第1の圧電検出部及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する。
上記回路素子は、上記ベース部を支持し、上記複数の端子部と電気的に接続される。

発明の効果

0024

以上のように、本技術によれば、多軸方向の角速度を高精度に検出することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。

図面の簡単な説明

0025

本技術の一実施形態に係るジャイロセンサの構成を示す概略斜視図である。
上記ジャイロセンサにおけるセンサ素子の一構成例を示す概略斜視図である。
上記センサ素子における振動子部の構成を示す概略平面図である。
上記振動子部における要部の概略断面図である。
上記振動子部の振動モードを説明する図である。
上記振動子部の一動作例を説明する概略平面図である。
上記振動子部の他の動作例を説明する概略斜視図である。
上記センサ素子及びこれに接続されるコントローラ(回路素子)との関係を示すブロック図である。
上記センサ素子の他の構成例を示す概略平面図である。
上記センサ素子における配線レイアウトを説明する概略平面図である。
上記センサ素子における配線層の形態を示す、要部の概略平面図である。
上記センサ素子における配線層の形態を示す、他の要部の概略平面図である。
上記センサ素子における配線層の形態を示す、さらに他の要部の概略平面図である。
上記センサ素子における配線層の形態を示す、さらに他の要部の概略平面図である。
図11におけるA−A線断面図である。
駆動信号の振幅の温度依存性を示す一実験結果である。
駆動信号が8%変化したときのクロストーク量出力変化量との関係を示す一実験結果である。
上記配線層における駆動用配線と検出用配線との相対位置とクロストーク量との関係を示す一実験結果である。
上記センサ素子におけるフレームの構成の変形例を示す概略平面図である。

実施例

0026

以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。

0027

図1は本技術の一実施形態に係るジャイロセンサ1を示す斜視図である。図において、X、Y及びZ軸は、相互に直交する3軸方向を示しており、X軸方向はジャイロセンサ1の縦方向、Y軸方向はその横方向、Z軸方向はその厚み方向にそれぞれ相当する(以下の各図においても同様とする)。

0028

[ジャイロセンサ]
本実施形態のジャイロセンサ1は、センサ素子100と、コントローラ200とを備える。ジャイロセンサ1は、全体的に略直方体形状に形成された単一のパッケージ部品として構成され、センサ素子100がコントローラ200の上に実装されたCOC(Chip On Chip)構造を有する。ジャイロセンサ1は、例えば、縦及び横がそれぞれ約2mm、厚みが約0.7mmの寸法で構成される。

0029

センサ素子100は、角速度に関する信号を出力することが可能なジャイロセンサ素子として構成される。センサ素子100は、後述するように、SOI(Silicon On Insulator)基板を所定形状に微細加工することで形成されたMEMS(Micro Electro Mechanical System)構造を有する。

0030

コントローラ200は、典型的には、IC(IntegratedCircuit)チップ等の回路素子で構成される。コントローラ200は、センサ素子100を駆動するとともに、センサ素子100の出力から角速度信号を演算する機能を有する。コントローラ200の上面201には、センサ素子100と電気的に接続される複数の内部接続端子が設けられており、コントローラ200の下面202には、図示しない制御基板配線基板)に電気的に接続される外部接続端子が設けられている。

0031

ジャイロセンサ1は、センサ素子100を被覆する被覆部300をさらに備える。被覆部300は、コントローラ200の上面201に取り付けられ、外部からセンサ素子100を遮蔽することが可能に構成される。被覆部300は、金属等の導電性材料で構成されてもよいし、合成樹脂材料等の電気絶縁性材料で構成されてもよい。被覆部300は、ジャイロセンサ1内部への異物侵入を防止するカバーとして機能する。また、被覆部300は、導電性材料で構成される場合には、例えばコントローラ200のグランド端子に電気的に接続されることで、センサ素子100の電磁シールドとして機能する。

0032

ジャイロセンサ1は、コントローラ200の下面202に設けられた外部接続端子を介して図示しない電子機器の制御基板に搭載される。電子機器としては、例えば、ビデオカメラ、カーナビゲーションシステム、ゲーム機、更にはヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル機器が挙げられる。

0033

[センサ素子の基本構成
続いて、センサ素子100の詳細について説明する。図2は、センサ素子100の一構成例を示す概略斜視図であり、コントローラ200に対向する素子の裏面側を示している。

0034

センサ素子100は、振動子部101と、枠体102とを有する。振動子部101は、複数の振動部として、第1の梁の組と第2の梁の組と接続部とを含むフレーム10と、複数の振り子部21a〜21dとを有する。枠体102は、ベース部81と連結部82とを有する。

0035

センサ素子100は、単結晶シリコン(Si)を含む材料で構成される。例えば、センサ素子100は、2枚のシリコン基板を貼り合わせたSOI基板に微細加工を施すことで形成され、活性層W1と、支持層W2と、接合層(BOX(Buried-Oxide)層)W3とを有する。活性層W1及び支持層W2はシリコン基板で構成され、接合層W3はシリコン酸化膜で構成される。振動子部101及び枠体102は、活性層W1を所定形状に微細加工することで形成され、支持層W2及び接合層W3は、活性層111の周囲に枠状に形成される。活性層W1、支持層W2及び接合層W3の厚みはそれぞれ、例えば、約40μm、約300μm及び約1μmとされる。

0036

(1.振動子部)
図3は、振動子部101の構成を模式的に示す平面図である。

0037

(1−1.フレーム)
振動子部101は、四辺を有する環状のフレーム10を備える。フレーム10は、a軸方向に横方向、b軸方向に縦方向、c軸方向に厚み方向を有する。一方、図3において、a軸に平行な軸方向にY軸が設定され、b軸に平行な軸方向にX軸が設定される。Z軸方向は、c軸方向に平行な軸方向である。

0038

フレーム10は、コントローラ200に対向する主面10s(第1の主面)を有する。フレーム10の各辺は、振動梁として機能し、第1の梁11a,11bの組と、第2の梁12a,12bの組とを含む。

0039

第1の梁11a,11bの組は、図3においてa軸方向に相互に平行に延在し、a軸方向と直交するb軸方向に相互に対向する一組の対辺で構成される。第2の梁12a,12bの組は、b軸方向に相互に延在し、a軸方向に相互に対向する他の一組の対辺で構成される。梁11a,11b,12a,12bは、それぞれ同一の長さ、幅及び厚みを有しており、フレーム10の外観は、中空正方形状を有している。各梁の長手方向に垂直な断面は、略矩形に形成される。

0040

フレーム10の大きさは特に限定されず、例えば、フレーム10の一辺の長さは1000〜4000μm、フレーム10の厚みは10〜200μm、梁11a,11b,12a,12bの幅は50〜200μmである。

0041

フレーム10の四隅に相当する部位には、第1の梁11a,11bの組と第2の梁12a,12bの組との間を接続する複数(本例では4つ)の接続部13a,13b,13c,13dがそれぞれ形成されている。第1の梁11a,11bの組及び第2の梁12a,12bの組の両端は、接続部13a〜13dによって支持される。すなわち、各梁11a,11b,12a,12bは、接続部13a〜13dによって両端が支持された振動梁として機能する。

0042

(1−2.振り子部)
振動子部101は、複数の振り子部21a,21b,21c,21dを有する。

0043

振り子部21a,21cは、相互に対角関係にある一組の接続部13a,13cにそれぞれ形成されており、その対角線方向に沿ってフレーム10の内側に延在している。振り子部21a,21cのそれぞれの一端は接続部13a,13cに支持され、フレーム10の中心に向かって突出し、それぞれの他端は、フレーム10の中央付近において相互に対向している。

0044

振り子部21b,21dは、相互に対角関係にある他の一組の接続部13b,13dにそれぞれ形成されており、その対角線方向に沿ってフレーム10の内側に延在している。振り子部21b,21dのそれぞれの一端は、接続部13b,13dに支持され、フレーム10の中心に向かって突出し、それぞれの他端は、フレーム10の中央付近において相互に対向している。

0045

振り子部21a〜21dは、それぞれ典型的には同一の形状及び大きさを有しており、フレーム10の外形加工の際に同時に形成される。振り子部21a〜21dの形状、大きさは特に限定されず、全てが同一の形状等で形成されていなくてもよい。

0046

(1−3.圧電駆動部)
振動子部101は、フレーム10をその主面10sに平行なXY平面内で振動させる複数の圧電駆動部を有する。

0047

複数の圧電駆動部は、第1の梁11a,11bの組の主面10sにそれぞれ設けられた一対の第1の圧電駆動部31と、第2の梁12a,12bの組の主面10sにそれぞれ設けられた一対の第2の圧電駆動部32を含む。第1及び第2の圧電駆動部31,32は、入力電圧に応じて機械的に変形し、その変形の駆動力で梁11a,11b,12a,12bを振動させる。変形の方向は、入力電圧の極性で制御される。

0048

第1及び第2の圧電駆動部31,32は、梁11a,11b,12a,12bの上面(主面10s)であって、それらの軸線に平行にそれぞれ直線的に形成されている。図3においては、理解を容易にするため、第1及び第2の圧電駆動部31,32をそれぞれ異なるハッチングで示す。第1の圧電駆動部31は、第1の梁11a,11bの組の外縁側に配置され、第2の圧電駆動部32は、第2の梁12a,12bの組の外縁側に配置されている。

0049

第1及び第2の圧電駆動部31,32は、それぞれ同一の構成を有している。一例として、第2の梁12aに配置された第2の圧電駆動部32の断面構造図4に示す。各圧電駆動部はそれぞれ、下部電極層303と、圧電膜304と、上部電極層305との積層構造を有する。上部電極層305は、第1の圧電駆動部31にあっては第1の駆動用電極(D1)に相当し、第2の圧電駆動部32にあっては第2の駆動用電極(D2)に相当する。一方、下部電極層303は、第1の圧電駆動部31にあっては第2の駆動用電極(D2)に相当し、第2の圧電駆動部32にあっては第1の駆動用電極(D1)に相当する。各圧電駆動層が形成される梁の表面(主面10s)には、シリコン酸化膜等の絶縁膜306が形成されている。

0050

圧電膜304は、典型的には、チタン酸ジルコン酸鉛PZT)で構成される。圧電膜304は、下部電極層303と上部電極層305との電位差に応じて伸縮するように分極配向されている。この際、上部電極層305と下部電極層303とに相互に逆位相の交流電圧印加される。これにより、下部電極層303を共通電極とする場合と比較して、約2倍の振幅で圧電膜304を伸縮させることができる。

0051

本実施形態では、第1の圧電駆動部31各々の上部電極層(第1の駆動用電極D1)には第1の駆動信号(G+)がそれぞれ入力され、これらの下部電極層(第2の駆動用電極D2)には、駆動信号(G+)とは差動(逆位相)の第2の駆動信号(G−)がそれぞれ入力されるように構成される。一方、第2の圧電駆動部32各々の上部電極層(第2の駆動用電極D2)には第2の駆動信号(G−)がそれぞれ入力され、これらの下部電極層(第1の駆動用電極D1)には第1の駆動信号(G+)がそれぞれ入力されるように構成される。

0052

(1−4.振動子部の駆動原理
第1の圧電駆動部31及び第2の圧電駆動部32には、一方が伸びたとき他方が縮むように相互に逆位相の電圧が印加される。これにより、第2の梁の組12a,12bは、両端が接続部13a〜13dに支持された状態でa軸方向に撓み変形を受け、XY平面内において双方が離間する方向と双方が近接する方向とに交互に振動する。第1の梁11a,11bの組も同様に、両端が接続部13a〜13dに支持された状態でb軸方向に撓み変形を受け、XY平面内において双方が離間する方向と双方が近接する方向とに交互に振動する。

0053

したがって、第1の梁11a,11bの組が相互に近接する方向に振動する場合は、第2の梁12a,12bの組は相互に離間する方向に振動し、第1の梁11a,11bの組が相互に離間する方向に振動する場合は、第2の梁12a,12bの組は相互に近接する方向に振動する。このとき、各梁11a,11b,12a,12bの中央部は、振動の腹を形成し、それらの両端部(接続部13a〜13d)は、振動の節(ノード)を形成する。このような振動モードを以下、フレーム10の基本振動と称する。

0054

梁11a,11b,12a,12bは、それらの共振周波数で駆動される。各梁11a,11b,12a,12bの共振周波数は、それらの形状、長さ等によって定められる。典型的には、梁11a,11b,12a,12bの共振周波数は、1〜100kHzの範囲で設定される。

0055

図5は、フレーム10の基本振動の時間変化を示す模式図である。図5において「駆動信号1」は、第1の圧電駆動部31の上部電極305(第1の駆動用電極D1)に印加される入力電圧の時間変化を示し、「駆動信号2」は、第2の圧電駆動部32の上部電極306(第2の駆動用電極D2)に印加される入力電圧の時間変化を示す。

0056

図5に示すように、駆動信号1と駆動信号2とは相互に逆位相で変化する交流波形を有する。これによりフレーム10は、(a)、(b)、(c)、(d)、(a)、・・・の順に変化し、第1の梁11a,11bの組と第2の梁12a,12bの組とのうち、一方の組が近接したときは他方の組が離間し、上記一方の組が離間したときは上記他方の組が近接する振動モードで、フレーム10は振動する。

0057

上述したフレーム10の基本振動に伴って、振り子部21a〜21dもまた、フレーム10の振動に同期して、接続部13a〜13dを中心としてXY平面内でそれぞれ振動する。各振り子部21a〜21dの振動は、梁11a,11b,12a,12bの振動により励起される。この場合、振り子部21a,21cと振り子部21b,21dとは、XY平面内における振り子部分の支持点すなわち接続部13a〜13dからの左右の搖動方向において、相互に逆位相で振動(搖動)する。

0058

図5に示すように、第1の梁11a,11bの組が相互に近接する方向へ振動するときは、振り子部21aと振り子部21dとは相互に離間する方向へ振動し(状態(b))、第1の梁11a,11bの組が相互に離間する方向へ振動するときは、振り子部21aと振り子部21dとは相互に近接する方向へ振動する(状態(d))。振り子部21bと振り子部21cもまた、第2の梁12a,12bの組の振動方向によって、相互に離間する方向と近接する方向とに交互に振動する。以上のように、振り子部21a,21cと振り子部21b,21dとは、フレーム10の基本振動に同期して相互に逆位相で振動する。

0059

以上のように、第1及び第2の駆動用電極D1,D2に対して相互に逆位相の交流電圧が印加されることで、フレーム10の各梁11a,11b,12a,12bは、図5に示した振動モードで振動する。このような基本振動を継続するフレーム10にZ軸まわりの角速度が作用すると、フレーム10の各点に当該角速度に起因するコリオリ力が作用することで、フレーム10は図6に示すようにXY平面内において歪むように変形する。したがって、このXY平面内におけるフレーム10の変形量を検出することで、フレーム10に作用した角速度の大きさ及び方向を検出することが可能となる。

0060

図6は、Z軸まわりに角速度が作用したときのある瞬間におけるフレーム10の変形の様子を概略的に示す平面図である。なお説明を分かり易くするため、フレーム10の形状及び変形の様子はやや誇張して示している。

0061

基本振動をするフレーム10にZ軸を中心とする時計まわり方向の角速度が作用すると、フレーム10の各点(梁11a,11b,12a,12b、振り子部21a〜21d)には、Z軸と直交するXY平面内において、上記各点のその瞬間における移動方向(振動方向)と時計まわり方向へ90度をなす方向に当該角速度の大きさに比例したコリオリ力が発生する。すなわち、コリオリ力の向きは、図6に示すように当該コリオリ力が作用する点の上記瞬間における振動の方向によって決まる。これにより、フレーム10は、正方形状から概略平行四辺形状となるように、XY平面内において、ひしゃげられる(歪む)。

0062

なお、図6は、Z軸を中心として時計まわりに所定の角速度が作用したときの様子を示している。角速度の向きが反対(反時計まわり)の場合は、各点に作用するコリオリ力の向きも反対となる。

0063

(1−5.第1の圧電検出部)
振動子部101は、図3に示すように、複数の第1の圧電検出部51a,51b,51c、51dをさらに有する。第1の圧電検出部51a〜51dは、フレーム10の主面10sにおける変形量に基づいて、主面10sに垂直なZ軸(第1の軸)まわりの角速度を検出する。第1の圧電検出部51a〜51dは、4つの接続部13a〜13dの主面10s上にそれぞれ設けられた4つの圧電検出部を含む。

0064

第1の圧電検出部51a,51cは、対角関係にある一方の組の接続部13a,13cの周辺にそれぞれ形成されている。このうち一方の圧電検出部51aは、接続部13aから梁11a及び梁12aに沿って2方向に延びており、他方の圧電検出部51cは、接続部13cから梁11b及び梁12bに沿って2方向に延びている。

0065

同様に、第1の圧電検出部51b,51dは、対角関係にある他方の組の接続部13b,13dの周辺にそれぞれ形成されている。このうち一方の圧電検出部51bは、接続部13bから梁11b及び梁12aに沿って2方向に延びており、他方の圧電検出部51dは、接続部13dから梁11a及び梁12bに沿って2方向に延びている。

0066

第1の圧電検出部51a〜51dは、第1及び第2の圧電駆動部31,32と同様の構成を有する。すなわち、第1の圧電検出部51a〜51dは、下部電極層と、圧電膜と、上部電極層との積層体で構成され、各梁11a,11b,12a,12bの機械的変形電気信号に変換する機能を有する。第1の圧電検出部51a〜51dにおいて、各下部電極層は、グランド電位等の基準電位(Vref)に接続され、各上部電極層は、検出信号z1,z2,z3,z4をそれぞれ出力する第1の検出用電極(S1)を構成する。

0067

図3に示す振動子部101においては、Z軸まわりに角速度が作用した際、フレーム10の内角の大きさが図5及び図6に示したように周期的に変動する。このとき、対角関係にある一方の接続部13a,13cの組と他方の接続部13b,13dの組とでは内角の変動が相互に逆位相となる。したがって接続部13a上の圧電検出部51aの出力と接続部13c上の圧電検出部51cの出力とは原理的には同一であり、接続部13b上の圧電検出部51bの出力と接続部13d上の圧電検出部51dの出力とは原理的に同一である。そこで、2つの圧電検出部51a,51cの出力の和と2つの圧電検出部51b,51dの出力の和との差分を算出することにより、フレーム10に作用するZ軸まわりの角速度の大きさ及び方向が検出可能となる。

0068

(1−6.第2の圧電検出部)
一方、X軸まわりの角速度及びY軸まわりの角速度を検出する検出部として、振動子部101は、複数の第2の圧電検出部71a,71b,71c,71dを有する。第2の圧電検出部71a〜71dは、複数の振り子部21a〜21dのZ軸方向における変形量に基づいて、Z軸と直交する2軸方向(例えばX軸方向及びY軸方向)の角速度を検出する。第2の圧電検出部71a〜71dは、4つの振り子部21a〜21dにそれぞれ設けられた4つの圧電検出部を含む。

0069

第2の圧電検出部71a〜71dは、各振り子部21a〜21dの表面であって、これらの軸心上に直線的に形成されている。第2の圧電検出部71a〜71dは、第1の圧電検出部51a〜51dと同様の構成を有し、下部電極層と、圧電膜と、上部電極層との積層体で構成され、各振り子部21a〜21dの機械的変形を電気信号に変換する機能を有する。第2の圧電検出部71a〜71dにおいて、各下部電極層は、グランド電位等の基準電位(Vref)に接続され、各上部電極層は、検出信号xy1,xy2,xy3,xy4をそれぞれ出力する第2の検出用電極(S2)を構成する。

0070

本実施形態では、a軸に平行な軸方向に一方の角速度検出軸(Y軸)が設定され、b軸に平行な軸方向に他方の角速度検出軸(X軸)が設定される。このような構成において、振り子部21a〜21dに設けられた第2の圧電検出部71a〜71d各々は、X軸まわりの角速度及びY軸まわりの角速度をそれぞれ検出するための検出部として機能する。

0071

第1及び第2の駆動用電極D1,D2には、相互に逆位相の交流電圧がそれぞれ印加される。これにより、フレーム10の各梁11a、11b、12a,12b及び振り子部21a〜21dは、図5に示した振動モード(基本振動)で振動する。図7上は、フレーム10にX軸まわりの角速度が作用したときの振り子部21a〜21dの振動形態を説明する概略斜視図である。一方、図7下は、フレーム10にY軸まわりの角速度が作用したときの振り子部21a〜21dの振動形態を説明する概略斜視図である。

0072

基本振動で振動するフレーム10にX軸まわりの角速度が作用すると、図7上に示すように各振り子部21a〜21dにその瞬間での振動方向と直交する方向のコリオリ力F1がそれぞれ発生する。これにより、X軸方向に隣接する一方の振り子部21a,21bの組は、コリオリ力F1によりZ軸の正の方向へ変形し、それらの変形量が圧電検出部71a,71bによって各々検出される。また、X軸方向に隣接する他方の振り子部21c,21dの組は、コリオリ力F1によりZ軸の負の方向へ変形し、それらの変形量が圧電検出部71c,71dによって各々検出される。

0073

一方、基本振動で振動するフレーム10にY軸まわりの角速度が作用すると、図7下に示すように各振り子部21a〜21dにその瞬間での振動方向と直交する方向のコリオリ力F2がそれぞれ発生する。これにより、Y軸方向に隣接する一方の振り子部21a,21dの組は、コリオリ力F2によりZ軸の負の方向へ変形し、それらの変形量が圧電検出部71a,71dによって各々検出される。また、Y軸方向に隣接する他方の振り子部21b,21cの組は、コリオリ力F2によりZ軸の正の方向へ変形し、それらの変形量が圧電検出部71b,71cによって各々検出される。

0074

X軸及びY軸に各々斜めに交差する方向の軸まわりに角速度が生じた場合にも、上述と同様な原理で角速度が検出される。すなわち、各振り子部21a〜21dは、当該角速度のX方向成分及びY方向成分に応じたコリオリ力によって変形し、それらの変形量が圧電検出部71a〜71dによって各々検出される。センサ素子の制御回路は、これら圧電検出部71a〜71dの出力に基づいて、X軸まわりの角速度及びY軸まわりの角速度をそれぞれ抽出する。これにより、XY平面に平行な任意の軸まわりの角速度を検出することが可能となる。

0075

(1−7.参照電極
本実施形態のセンサ素子100は、参照電極61を有する。参照電極61は、梁12a及び梁12b上に第2の圧電駆動部32と隣接して配置されている。参照電極61は、第1及び第2の圧電検出部51a〜51d、71a〜71dと同様の構成を有しており、下部電極層と、圧電膜と、上部電極層との積層体で構成され、梁12a,12bの機械的変形を電気信号に変換する機能を有する。下部電極層は、グランド電位等の基準電位に接続され、上部電極層は参照信号(FB)を出力する検出用電極として機能する。

0076

なお、参照電極61の形成に代えて、第1の圧電検出部51a〜51dの各出力の和信号を生成し、これを上記参照信号として用いることも可能である。

0077

(2.コントローラ)
ここで、コントローラ200の詳細について説明する。図8は、コントローラ200の構成を示すブロック図である。

0078

コントローラ200は、自励発振回路201と、検出回路演算回路203、検波回路204、平滑回路205)とを有する。自励発振回路201は、振動子部101(フレーム10、振り子部21a〜21d)をXY平面内で振動させる駆動信号を生成する。検出回路は、振動子部101から出力される検出信号(z1,z2,z3,z4,xy1,xy2,xy3,xy4)に基づいてX、Y及びZ軸まわりの角速度を生成し、出力する。

0079

コントローラ200は、Go1端子、Go2端子、GFB端子、Gxy1端子、Gxy2端子、Gxy3端子、Gxy4端子、Gz1端子、Gz2端子、Gz3端子、Gz4端子及びVref端子を有する。
なお、Gz1端子及びGz3端子はそれぞれ共通の端子で構成されてもよく、Gz2端子及びGz4端子はそれぞれ共通の端子で構成されてもよい。この場合、Gz1端子及びGz3端子に接続される配線は途中で相互に一体化され、Gz2端子及びGz4端子に接続される配線は途中で相互に一体化される。

0080

本実施形態において、Go1端子は、第1の圧電駆動部31の上部電極層と第2の圧電駆動部32の下部電極層とにそれぞれ電気的に接続される。Go2端子は、第1の圧電駆動部31の下部電極層と第2の圧電駆動部32の上部電極層(駆動用電極D2)とにそれぞれ電気的に接続される。GFB端子は、参照電極61の上部電極層にそれぞれ電気的に接続される。

0081

Go1端子は、自励発振回路201の出力端に接続される。Go2端子は、反転アンプ202を介して自励発振回路201の出力端に接続される。自励発振回路201は、第1及び第2の圧電駆動部31,32を駆動するための駆動信号(交流信号)を生成する。反転アンプ202は、自励発振回路201にて生成された駆動信号(第1の駆動信号G+)と同一の大きさで位相が180°反転した駆動信号(第2の駆動信号G−)を生成する。これにより、第1及び第2の圧電駆動部31,32は、相互に逆位相で伸縮される。なお、理解を容易にするため、図8において各圧電駆動部31,32の下部電極層とコントローラ200との間の結線は省略されている。

0082

Gxy1端子、Gxy2端子、Gxy3端子及びGxy4端子は、第2の圧電検出部71a,71b,71c及び71dの上部電極層(第2の検出用電極S2)にそれぞれ電気的に接続される。Gz1端子、Gz2端子、Gz3端子及びGz4端子は、第1の圧電検出部51a,51b,51c及び51dの上部電極層(第1の検出用電極S1)にそれぞれ電気的に接続される。Vref端子は、参照電極61の下部電極層と、第1及び第2の圧電検出部51a〜51d、71a〜71dの下部電極層にそれぞれ電気的に接続される。

0083

GFB端子、Gxy1端子、Gxy2端子、Gxy3端子、Gxy4端子、Gz1端子、Gz2端子、Gz3端子及びGz4端子は、それぞれ演算回路203の入力端に接続される。演算回路203は、X軸まわりの角速度信号を生成するための第1の差分回路と、Y軸まわりの角速度信号を生成するための第2の差分回路と、Z軸まわりの角速度信号を生成するための第3の差分回路とを有する。

0084

第1の圧電検出部51a〜51dの出力をそれぞれz1〜z4、第2の圧電検出部71a〜71dの出力をそれぞれxy1〜xy4とする。このとき、上記第1の差分回路は、(xy1+xy2)−(xy3+xy4)を演算し、その演算値を検波回路204xへ出力する。上記第2の差分回路は、(xy1+xy4)−(xy2+xy3)を演算し、その演算値を検波回路204yへ出力する。そして、上記第3の差分回路は、(z1+z3)−(z2+z4)を演算し、その演算値を検波回路204zへ出力する。

0085

検波回路204x,204y,204zは、自励発振回路201からの駆動信号の出力あるいは参照信号(FB)に同期して、上記差分信号全波整流し、直流化する。平滑回路205x、205y、205zは、検波回路204x,204y,204zの出力を平滑化する。平滑回路205xから出力される直流電圧信号ωxは、X軸まわりの角速度の大きさ及び方向に関する情報を含み、平滑回路205yから出力される直流電圧信号ωyは、Y軸まわりの角速度の大きさ及び方向に関する情報を含む。同様に、平滑回路205zから出力される直流電圧信号ωzは、Z軸まわりの角速度の大きさ及び方向に関する情報を含む。すなわち、基準電位Vrefに対する上記直流電圧信号ωx、ωy、ωzの大きさが角速度の大きさに関する情報に相当し、当該直流電圧信号の極性が角速度の方向に関する情報に相当する。

0086

(3.枠体)
続いて、センサ素子100の枠体102について説明する。

0087

図2に示すように、枠体102は、振動子部101の周囲に配置された環状のベース部81と、振動子部101とベース部81との間に配置された連結部82とを有する。

0088

(3−1.ベース部)
ベース部81は、振動子部101の外側を囲む四角形状の枠体で構成されている。ベース部81は、フレーム10の主面10sと同一の平面上に形成された矩形環状の主面81sを有し、その主面81s上にはコントローラ200に対して電気的に接続される複数の端子部(電極パッド)810が設けられている。主面81sの反対側の面は、接合層W3を介して支持層W2に接合される。支持層W2は、ベース部81と同様の枠体で構成され、ベース部81を部分的に支持する。

0089

各端子部810は、図示しないバンプを介してコントローラ200上の複数のランドに電気的かつ機械的に接続される。すなわち、本実施形態のセンサ素子100は、回路素子1に対してフリップチップ方式で実装される。なお、バンプを介さずに、単純に半田溶融等で各電極パッドと回路素子とを電気的機械的に接続するように実装されてもよい。

0090

また、センサ素子100の実装にはワイヤボンディング方式が採用されてもよい。この場合、センサ素子100は、コントローラ200に対して裏返しとなるように、すなわち、複数の端子部810が上向きとなるように接着等で機械的に接続される。その後、各端子部810は、ボンディングワイヤによってコントローラ200と電気的に接続される。

0091

(3−2.連結部)
連結部82は、ベース部81に対して振動子部101を振動可能に支持する複数の連結部82a,82b,82c,82dを含む。各連結部82a〜82dは、フレーム10の各接続部13a〜13dからベース部81に向かって延びる。連結部82a〜82dは、振動子部101に接続される第1の端部821と、ベース部81に接続される第2の端部822とをそれぞれ有し、フレーム10の振動を受けて、主としてXY平面内において変形可能に構成される。すなわち連結部82a〜82dは、振動子部101を振動可能に支持するサスペンションとして機能する。

0092

連結部82a〜82dは、フレーム10の主面10s及びベース部81の主面81sと平行な主面82s(第2の主面)をそれぞれ有し、典型的には、主面82sは、上記各主面10s,81sと同一の平面で構成される。すなわち本実施形態の連結部82a〜82dは、振動子部101を構成するシリコン基板と同一のシリコン基板で構成されている。

0093

連結部82a〜82dは、典型的には、X軸及びY軸に関して対称な形状に形成される。これにより、XY平面内におけるフレーム10の変形方向等方的となり、フレーム10にねじれ等を生じさせることなく、各軸まわりの高精度な角速度検出が可能となる。

0094

連結部82a〜82dの形状は、直線的なものであってもよいし、非直線的なものであってもよい。本実施形態において連結部82a〜82dは、図2に示すように、振動子部101とベース部81との間において延出方向が略180°反転する転回部820をそれぞれ有する。このように各連結部82a〜82dの延在長を大きくすることで、振動子部101の振動を阻害することなく、振動子部101を支持することが可能となる。さらに、外部からの振動(衝撃)を振動子101に伝達させないという効果も得られる。

0095

連結部82a〜82dは、フレーム10の形状に応じて最適化することができる。例えば図9にフレーム110の他の実施形態を示す。

0096

図9に示すフレーム110において、第1の梁11a,11bの組と第2の梁12a,12bの組は、各接続部13a〜13dを頂点とする正方形Sの内方側に突出する突出部pをそれぞれ有し、全体として弓形に形成されている。各梁11a,11b,12a,12bは、突出部pと、突出部pの両端を接続部13a〜13dに固定する傾斜部vとを有する。傾斜部vは、突出部pの両端にそれぞれ形成され、突出部pが正方形Sの内方側に位置するように突出部pを支持する。

0097

第1の梁11a,11bの突出部pはそれぞれa軸方向に平行に形成され、b軸方向に相互に対向している。第2の梁12a,12bの突出部pはそれぞれb軸方向に平行に形成され、a軸方向に相互に対向している。フレーム110及び振り子部21a〜21dの表面(主面)には、第1及び第2の圧電駆動部31,32、第1及び第2の圧電検出部51a〜51d,71a〜71d、参照電極61が設けられている。

0098

以上のように構成されるフレーム110においては、各梁11a,11b,12a,12bが弓形に形成されているため、フレームの占有面積が小さくなってもフレームを形成する各梁の長さは短くならないため、振動モードの共振周波数は大きく変化しない。したがって例えばc軸(Z軸)まわりに角速度が作用した際、図6に示したようなab平面内における歪曲変形は阻害されないため、c軸(Z軸)まわりの角速度検出感度を維持することができる。

0099

一方、図9に示す実施形態においては、フレーム110をベース部81へ連結する連結部82a〜82dを有する。連結部82a〜82dは、振動子部(フレーム110)に接続される第1の端部821と、ベース部81に接続される第2の端部822とを有する(図9において連結部82aについてのみ符示する)。

0100

連結部82a〜82dは、第1の反転部wa1,wb1,wc1,wd1及び第2の反転部wa2,wb2,wc2,wd2をそれぞれ有する。第1の反転部wa1〜wd1は、接続部13a〜13dに一端が連結され、a軸方向に略180°折り返された転回部823を有する。一方、第2の反転部wa2〜wd2は、第1の反転部wa1〜wd1の他端部に一端が接続され、b軸方向に略180°折り返された転回部824を有する。第2の反転部wa2〜wd2の他端は、ベース部81に接続される。

0101

この際、第2の反転部wa2〜wd2は、図9に示すように、フレーム110の外形を形成する正方形Sの内方側に転回部822が入り込むように、第2の梁12a,12bの突出部pの外周側に向かって部分的に折り曲げられている。このように、連結部82a〜82dの少なくとも一部をフレーム110の外形に合わせて設計することで、ベース部81の大型化を招くことなく連結部82a〜82dの延在長を大きくすることができる。

0102

(3−3.配線層)
枠体102は、ベース部81上の複数の端子部810と、フレーム10(110)上の駆動用電極(D1,D2)及び検出用電極(S1,S2,61)との間をそれぞれ電気的に接続する配線層をさらに有する。図10は、センサ素子100の配線レイアウトを説明する概略平面図である。

0103

図10に示すように、連結部82a〜82dの主面82sには、配線層La,Lb,Lc,Ldがそれぞれ設けられている。配線層La〜Ldは、複数の駆動用配線と、複数の検出用配線とをそれぞれ有する。

0104

複数の駆動用配線は、第1の駆動用配線LD1と、第2の駆動用配線LD2とを含む。第1の駆動用配線LD1の一端は、第1の駆動用電極D1、すなわち、第1の圧電駆動部31の上部電極層305及び第2の圧電駆動部32の下部電極層303にそれぞれ接続される。第2の駆動用配線LD2の一端は、第2の駆動用電極D2、すなわち、第1の圧電駆動部31の下部電極層303及び第2の圧電駆動部32の上部電極層305にそれぞれ接続される。

0105

一方、複数の検出用配線は、第1の検出用配線LS1と、第2の検出用配線LS2とを含む。第1の検出用配線LS1の一端は、第1の検出用電極S1、すなわち、第1の圧電検出部51a〜51dの上部電極層にそれぞれ接続される。第2の検出用配線LS2の一端は、第2の検出用電極S2、すなわち、第2の圧電検出部71a〜71dの上部電極層にそれぞれ接続される。

0106

複数の端子部810は、図10に示すように、第1の駆動用パッドPD1、第2の駆動用パッドPD2、第1の検出用パッドPS1及び第2の検出用パッドPS2を含み、これら各パッドは、連結部82a〜82dに対応するようにそれぞれ複数個(本例では4つ)ずつ配置されている。第1及び第2の駆動用パッドPD1,PD2は、第1及び第2の駆動用配線LD1,LD2の他端にそれぞれ接続され、第1及び第2の検出用パッドPS1,PS2は、第1及び第2の検出用配線LS1,LS2の他端にそれぞれ接続される。

0107

図11図14は、連結部82a〜82dにおける配線層La〜Ldの詳細を示す要部平面図である。図15は、図11におけるA−A線断面図である。

0108

図11図15に示すように、配線層Laを構成する各種配線は、第1及び第2の駆動用配線LD1,LD2と、第1及び第2の検出用配線LS1,LS2と、基準電位接続用配線LT1又は参照電極接続用配線LT2とを含む。

0109

第1の駆動用配線LD1は、ベース部81に設けられた第1の駆動用パッドPD1と、フレーム110に設けられた端子部E1との間を個々に接続する。第1の駆動用パッドPD1は、コントローラ200のGo1端子に電気的に接続され、端子部E1は、第1の駆動用電極D1に電気的に接続される。すなわち端子部E1は、連結部82a,82cにおいては第2の圧電駆動部32の下部電極層にそれぞれ接続され、連結部82b,82dにおいては第1の圧電駆動部31の上部電極層にそれぞれ接続される。これにより、第1の駆動電極D1へ第1の駆動信号(G+)が入力可能に構成される。

0110

第2の駆動用配線LD2は、ベース部81に設けられた第2の駆動用パッドPD2と、フレーム110に設けられた端子部E2との間を個々に接続する。第2の駆動用パッドPD2は、コントローラ200のGo2端子に電気的に接続され、端子部E2は、第2の駆動用電極D2に電気的に接続される。すなわち端子部E2は、連結部82a,8cにおいては第2の圧電駆動部32の上部電極層にそれぞれ接続され、連結部82b,82dにおいては第1の圧電駆動部31の下部電極層にそれぞれ接続される。これにより、第2の駆動電極D2へ第2の駆動信号(G−)が入力可能に構成される。

0111

第1の検出用配線LS1は、ベース部81に設けられた第1の検出用パッドPS1と、フレーム110に設けられた端子部E4との間を個々に接続する。第1の検出用パッドPS1は、コントローラ200のGz1〜Gz4端子にそれぞれ電気的に接続され、端子部E4は、第1の検出用電極S1(第1の圧電検出部51a〜51dの上部電極層)にそれぞれ電気的に接続される。これにより、第1の圧電検出部51a〜51dにおいて検出されたZ軸まわりの角速度に関する検出信号(z1〜z4)がコントローラ200へ出力可能に構成される。

0112

第2の検出用配線LS2は、ベース部81に設けられた第2の検出用パッドPS2と、フレーム110に設けられた端子部E3との間を個々に接続する。第2の検出用パッドPS2は、コントローラ200のGxy1〜Gxy4端子にそれぞれ電気的に接続され、端子部E3は、第2の検出用電極S2(第2の圧電検出部71a〜71dの上部電極層)にそれぞれ電気的に接続される。端子部E3は、第1の圧電検出部51a〜51dを跨るジャンパ機能を有し、第1の圧電検出部51a〜51dとは非接触で第2の圧電検出部71a〜71dにそれぞれ接続される。これにより、第2の圧電検出部71a〜71dにおいて検出されたX軸及びY軸まわりの角速度に関する検出信号(xy1〜xy4)がコントローラ200へ出力可能に構成される。

0113

基準電位接続用配線LT1は、連結部82a,82cの主面82sにそれぞれ設けられ、ベース部81に設けられた基準電位接続用パッドPT1と、フレーム110に設けられた端子部E51との間を接続する。基準電位接続用パッドPT1は、ベース部81に設けられた複数の端子部810の一部を構成し、コントローラ200のVref端子に電気的に接続される。端子部E51は、第1の圧電検出部51a〜51dの下部電極層、第2の圧電検出部71a〜71dの下部電極層及び参照電極61の下部電極層にそれぞれ電気的に接続される。これにより、上記各下部電極層へ基準電位を入力可能に構成される。

0114

参照電極接続用配線LT2は、連結部82b,82dの主面82sにそれぞれ設けられ、ベース部81に設けられた参照電極接続用パッドPT2と、フレーム110に設けられた端子部E52との間を接続する。参照電極接続用パッドPT2は、ベース部81に設けられた複数の端子部810の一部を構成し、コントローラ200のGFB端子に電気的に接続される。端子部E52は、参照電極61の上部電極層にそれぞれ電気的に接続される。これにより、参照電極61において検出された参照信号(FB)がコントローラ200へ出力可能に構成される。

0115

配線層La〜Ldを構成する各種配線は、連結部82a〜82dの主面82sに絶縁膜307を介して形成されているとともに、絶縁膜307の上に積層された保護膜308によって被覆されている(図15参照)。絶縁膜307は、第1及び第2の圧電駆動部31,32、第1の圧電検出部51a〜51d、参照電極61等を被覆し、各配線は、絶縁膜307に形成されたビアホールを介して各電極層に電気的に接続される。絶縁膜307の種類は特に限定されず、例えば、アルミナ膜、シリコン酸化膜あるいはこれらの積層膜であってもよい。

0116

配線層La〜Ldは、図10図15に示すように、複数の駆動用配線(LD1,LD2)が連結部82a〜82dの主面82s上に相互に隣接して並走し、複数の検出用配線(LS1,LS2)が連結部82a〜82dの主面82s上に相互に隣接して並走するように構成されている。これにより、各配線を相互に交差させることなく引き回すことができる。また、同じ連結部82a〜82d上に配置された複数の駆動用配線と複数の検出用配線との間のクロストークを低減でき、各軸まわりの角速度を高精度に検出することが可能となる。

0117

本実施形態において、複数の駆動用配線(LD1,LD2)は、図11図14に示すように、連結部82a〜82dの第1の端部821から第2の端部822へ向かって主面82sの一側方(本例では右方側)にそれぞれ偏って配置される。一方、複数の検出用配線(LS1,LS2)は、第1の端部821から第2の端部822へ向かって主面82sの他の側方(本例では左方側)にそれぞれ偏って配置される。

0118

第1の駆動用配線LD1は、第2の駆動用配線LD2よりも外側に配置され、第2の駆動用配線LD2は、第1及び第2の検出用配線LS1,LS2と第1の駆動用配線LD1との間に配置される。第1の駆動用配線LD1及び第2の駆動用配線LD2の相互間の位置関係は上述の例に限られず、第2の駆動用配線LD2が第1の駆動用配線LD1よりも外側に配置されてもよい。
なお、各配線層La〜Lbにおいて検出用配線LS1,LS2に近接する駆動用配線の種類を統一することで、検出用配線に漏れ込む駆動信号の極性が同一となり、これにより、駆動用配線と検出用配線との間のクロストークが生じたとしても、後述するように各軸まわりの角速度の演算過程においてノイズ成分が効率よくキャンセルされる。

0119

第1及び第2の検出用配線LS1,LS2に関しては、第1及び第2の検出用電極S1,S2のうち電極容量の大きい検出用電極に接続される検出用配線が、複数の駆動用配線(LD1,LD2)に隣接して配置されるのが好ましい。電極容量が大きい方の検出用電極に接続される検出用配線は、他の検出用配線と比較してインピーダンスが低くノイズの影響を受けにくいため、駆動用配線とのクロストークを小さくすることができる。本実施形態では、第2の検出用配線LS2が第1の検出用配線LS1と第2の駆動用配線LD2との間に配置される。

0120

第1及び第2の駆動用配線LD1,LD2の位置関係、ならびに第1及び第2の検出用配線LS1,LS2の位置関係は、各連結部82a〜82dにおいてそれぞれ共通とされる。これにより、駆動用配線と検出用配線との間のクロストークが生じたとしても、後述するように各軸まわりの角速度の演算過程においてノイズ成分が効率よくキャンセルされる。

0121

一方、基準電位接続用配線LT1及び参照電極接続用配線LT2はそれぞれ、第1の検出用配線LS1に隣接して配置される。基準電位接続用配線LT1及び参照電極接続用配線LT2を駆動用配線LD1,LD2から最も離れた位置に配置することで、これら各配線への駆動信号の混入を抑制でき、これにより安定した発振特性を確保することができる。

0122

配線層La〜Ldを構成する各種配線(駆動用配線LD1,LD2、検出用配線LS1,LS2、基準電位接続用配線LT1及び参照電極接続用配線LT2)は、典型的には、それぞれ同一の線幅(例えば5μm)で構成される。そして、これら各種配線は、主面82s上において、複数の連結部82a〜82d各々の中心線CLを対称軸として相互に線対称かつ等間隔(例えば3μm)に配置される。これにより、振動子部101の機械的な対称性が保たれるため、複数の連結部82a〜82dによって振動子部101をXY平面内において均等に支持することができるとともに、Z軸方向に力が加わったとしても振動子部101のねじれを抑えることができる。

0123

本実施形態では、配線層La〜Ldを構成する配線数が奇数(本例では5本)であるため、図15に示すように中央に位置する配線(本例では第2の検出用配線LS2)の中心が連結部82a〜82dの中心軸CL上に整列されることになる。一方、上記配線数が偶数である場合には、中央側の2本の配線の間に上記中心軸CLが位置するように各配線が形成されることになる。

0124

また、配線層La〜Ldを構成する各種配線(駆動用配線LD1,LD2、検出用配線LS1,LS2、基準電位接続用配線LT1及び参照電極接続用配線LT2)の構成材料は、駆動用電極D1,D2、検出用電極S1,S2,参照電極等の各電極層を構成する材料と同一の材料で構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。本実施形態では、上記各種配線は、上記電極層を構成する材料(例えば、Pt(白金)、Ir(イリジウム)等)よりも弾性率の低い材料(例えば、Au(金)、Al(アルミニウム)、Ag(銀)等)でそれぞれ構成される。上記各種配線は、Au/Ti(チタン)などの積層膜で構成されてもよい。

0125

これにより、各連結部82a〜82dが弾性変形しやすくなるため、振動子部101の振動を阻害することなく、あるいは振動子部101の振動をベース部81へ漏れ出すことなく、振動子部101を支持することが可能となる。また、配線パターンのずれなどに起因する対称性のずれの影響を小さくすることができる。さらに、上記各種配線層の断線、劣化等が抑制されるため、センサ素子100の長期にわたる信頼性を確保することが可能となる。

0126

なお、複数の端子部810を構成する各種パッド(駆動用パッドPD1,PD2、検出用パッドPS1,PS2等)の構成材料は特に限定されず、上記各電極層や配線の構成材料と同一の材料で構成されてもよいし、これらと異なる材料で構成されてもよい。

0127

さらに、配線層La〜Ldを構成する各種配線(駆動用配線LD1,LD2、検出用配線LS1,LS2、基準電位接続用配線LT1及び参照電極接続用配線LT2)を被覆する保護膜308もまた、弾性率の比較的低い材料で構成されるのが好ましい。本実施形態では、保護膜308は、有機膜で構成される。保護膜308を構成する有機材料は特に限定されず、典型的にはポリイミドである。保護膜308は、有機膜で構成される場合に限られず、例えば、アルミナ膜、シリコン酸化膜あるいはこれらの積層膜等の無機膜で構成されてもよい。

0128

[センサ素子の典型的な動作]
本実施形態のセンサ素子100において、振動子部101は、複数の連結部82a〜82dを介してベース部81に支持されており、複数の圧電駆動部31,32は、フレーム10(110)及び複数の振り子部21a〜21dを主面10sに平行な面内で相互に同期して振動させる。
この状態で、フレーム10(110)にZ軸まわりへの角速度が作用すると、例えば図6に示すように、フレーム10(110)に対しその瞬間での振動方向と直交する方向のコリオリ力が発生することで、当該フレームが主面10sに平行な面内で変形する。複数の第1の圧電検出部51a〜51dは、当該フレームの変形量に基づいてZ軸まわりの角速度に対応する検出信号を出力する。
一方、X軸およびY軸まわりへの角速度が作用すると、例えば図7に示すように、複数の振り子部21a〜21dに対しその瞬間での振動方向と直交する方向のコリオリ力が発生することで、当該振り子部が主面10sに垂直な方向に変形する。複数の第2の圧電検出部71a〜71dは、当該振り子部の変形量に基づいてX軸又はY軸まわりの角速度に対応する検出信号を出力する。

0129

ところで近年、電子機器の小型化、薄型化に伴い、電子機器に搭載される各種部品やセンサの更なる小型化、多機能化が求められている。ジャイロセンサに関しては、小型であることは勿論のこと、1つのセンサで多軸方向の角速度を高精度に検出することができることが要求される。

0130

そこで本実施形態のセンサ素子100においては、複数の連結部82a〜82dに設けられた配線層La〜Ldの一部を構成する複数の駆動用配線LD1,LD2が相互に隣接して配置されている。このため、同じ連結部上に配置された複数の検出用配線LS1,LS2とのクロストークを低減でき、各軸まわりの角速度を高精度に検出することが可能となる。また、各配線を相互に交差させることなく引き回すことが可能となる。

0131

特に本実施形態において、複数の駆動用配線LD1,LD2は、第1の端部821から第2の端部822へ向かって主面82s上の一側方に偏って配置され、複数の検出用配線LS1,LS2は、第1の端部821から第2の端部822へ向かって主面82s上の他の側方に偏って配置される。これにより、複数の駆動用配線LD1,LD2及び検出用配線LS1,LS2を連結部の同一平面上に形成することができるとともに、同一平面上に配置された駆動用配線LD1,LD2及び検出用配線LS1,LS2の相互間における信号のクロストークを低減することができる。したがって本実施形態のセンサ素子100によれば、素子の小型化を可能としつつ、角速度検出精度の劣化を抑制することが可能となる。

0132

また本実施形態のセンサ素子100において、複数の駆動用配線LD1,LD2及び検出用配線LS1,LS2は、連結部82a〜82dの主面82s上において当該複数の連結部各々の中心線CLを対称軸として相互に線対称かつ等間隔に配置されている。これにより、振動子部101の機械的な対称性が保たれるため、ねじれを生じさせることなく振動子部101を所定の振動モードで安定に振動させることが可能となる。

0133

さらに本実施形態においては、駆動用配線LD1,LD2及び検出用配線LS1,LS2各々の相対的な位置関係が各連結部82a〜82dにおいて同一に構成されている。この場合、駆動用配線LD1,LD2から検出用配線LS1,LS2に漏れ込む駆動信号の大きさ及び極性は各連結部82a〜82bにおいて同程度となり、しかも、重畳したノイズ成分はコントローラ200の演算回路203(図8参照)における検出信号の差動演算により除去される。したがって、駆動用配線LD1,LD2と検出用配線LS1,LS2との間のクロストークが生じたとしても、各軸まわりの角速度の演算過程においてノイズ成分を効率よくキャンセルすることが可能となる。

0134

比較として、配線層La,Lcに関しては第2の検出用配線LS2を駆動用配線(LD1,LD2)の隣に配置し、配線層Lb,Ldに関しては第1の検出用配線LS1を駆動用配線(LD1,LD2)の隣に配置した場合、Z軸まわりの角速度検出信号に重畳する駆動用配線からのクロストーク量を測定したところ、その値は約−66.8dBであった。

0135

上述のように、駆動信号が検出信号に漏れ込むと出力オフセットが発生し、駆動信号レベルの変動がジャイロ出力の変動となる。駆動信号の振幅は温度によって変化し、それがジャイロ出力の変動となる。
図16に駆動信号の振幅の温度依存性の一例を示す。図16に示すように、駆動信号の振幅は、50℃の温度差で約5%変化する。使用温度範囲を例えば−10℃〜75℃とすると、駆動信号の振幅は約8%変化する。
図17は、駆動信号が8%変化したときのクロストーク量と出力変化量との関係を示す一実験結果である。駆動信号振幅が3Vpp、クロストーク量が−66.8dBの場合、駆動信号振幅が8%変化すると、コントローラ200の平滑回路205z(図8参照)から出力される直流電圧信号(ωz)の変動量は約2.1dps(degree per second)に相当する。この値は、センサモジュール全体としての目標スペックに無視できない影響を与える。

0136

これに対して本実施形態においては、各配線層La〜Ldにおける配線群の相対的な位置関係が同一であるため、上記クロストーク量をほぼ完全にキャンセルすることが可能となる。これにより、角速度の検出精度が向上し、信頼性の高いジャイロセンサを提供することができる。

0137

さらに本実施形態においては、第1及び第2の検出用配線LS1,LS2のうち、第2の検出電極S2に接続される第2の検出用配線LS2が第2の駆動用配線LD2に隣接して配置されているため、駆動用配線LD1,LD2とのクロストークの影響の更なる低減を図ることができる。

0138

すなわち本実施形態では、第2の検出電極S2の電極面積は、第1の検出電極S1の電極面積よりも広く形成されているため、第2の検出電極S2は、第1の検出電極S1よりも大きな電極容量を有する。典型的には、電極容量が大きいほど、これに接続される配線のインピーダンスが低くなり、ノイズの影響を受けにくくなる。

0139

例えば図18は、駆動用配線から検出用配線へのクロストーク量を示す一実験結果である。実験では、第1及び第2の検出用配線LS1,LS2の位置を相互に入れ替えて、各々を駆動用配線(LD2)の1つ隣に配置した場合と、その2つ隣に配置した場合とをそれぞれ評価した。電極容量は、第1の検出電極S1については15pF、第2の検出電極S2については30pFとした。その結果、図示するように、電極容量が相対的に小さい第1の駆動用配線LS1の方が駆動信号の漏れ込み量が多いことがわかる。また、駆動用配線に近い配線の方が駆動信号の漏れ込量が大きいことも確認された。このことから、Z軸まわりの角速度検出用配線LS1を駆動用配線からなるべく遠ざけることで、クロストークの影響を小さく抑えることが可能となる。

0140

以上のように本実施形態においては、第1及び第2の検出用配線LS1,LS2のうちインピーダンスが低くノイズの影響を受けにくい第2の検出用配線LS2が駆動用配線LD1,LD2の隣に配置されているため、クロストークの影響を小さくすることが可能となる。

0141

以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、種々変更を加え得ることは勿論である。

0142

例えば以上の実施形態では、振動子部101として、図3に示したような形態を有するフレーム10を説明したが、これに限られず、フレームが例えば図19に示すような形態で構成されてもよい。図19に示すセンサ素子において、フレーム90は、各梁11a,11b,12a,12bの内周部に形成された重錘部91を有する。重錘部91の形状、大きさ、重さ、数等を適宜設定することにより、フレーム90の基本振動における梁11a,11b,12a,12bの振幅や共振周波数、離調度等を容易に調整することが可能となる。
なお図9に示したフレーム110にも、上述と同様の重錘部が設けられてもよい。

0143

また、以上の実施形態では、センサ素子100は、ICチップ等の回路素子で構成されたコントローラ200に実装されたが、制御基板(配線基板)等の他の回路素子に直接、実装されてもよい。

0144

なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)第1の主面を有する環状のフレームと、前記フレームに支持される一端部をそれぞれ有する複数の振り子部と、圧電膜と前記圧電膜を挟んで対向する第1及び第2の駆動用電極とをそれぞれ有し前記フレームを前記第1の主面に平行な面内で振動させる複数の圧電駆動部と、第1の検出用電極をそれぞれ有し前記フレームの前記第1の主面における変形量に基づいて前記第1の主面に垂直な第1の軸まわりの角速度を検出する複数の第1の圧電検出部と、第2の検出用電極をそれぞれ有し前記複数の振り子部の前記第1の主面に垂直な方向における変形量に基づいて前記第1の軸と直交する2軸方向の角速度を検出する複数の第2の圧電検出部と、を有する振動子部と、
複数の端子部を有し、前記振動子部の周囲に配置された環状のベース部と、
前記振動子部と前記ベース部との間に配置され、前記ベース部に対して前記振動子部を振動可能に支持する複数の連結部と、
前記第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の駆動用配線と、前記第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の検出用配線とを有し、前記複数の連結部にそれぞれ設けられ、前記複数の端子部と、前記複数の圧電駆動部、第1の圧電検出部及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する配線層と
を具備するセンサ素子。
(2)上記(1)に記載のセンサ素子であって、
前記複数の連結部は、前記振動子部に接続される第1の端部と、前記ベース部に接続される第2の端部と、前記配線層を支持し前記第1の主面に平行な第2の主面とを有し、
前記複数の駆動用配線は、前記第1の端部から前記第2の端部へ向かって前記第2の主面の一側方に偏って配置され、
前記複数の検出用配線は、前記第1の端部から前記第2の端部へ向かって前記第2の主面の他の側方に偏って配置される
センサ素子。
(3)上記(2)に記載のセンサ素子であって、
前記複数の駆動用配線及び検出用配線は、前記第2の主面上において前記複数の連結部各々の中心線を対称軸として相互に線対称かつ等間隔に配置される
センサ素子。
(4)上記(2)又は(3)に記載のセンサ素子であって、
前記複数の検出用配線は、
前記第1の検出用電極に接続される第1の検出用配線と、
前記第2の検出用電極に接続される第2の検出用配線と、を含み、
前記第1及び第2の検出用電極のうち電極容量の大きい検出用電極に接続される検出用配線が、前記複数の駆動用配線に隣接して配置される
センサ素子。
(5)上記(2)〜(4)のいずれか1つに記載のセンサ素子であって、
前記複数の駆動用配線は、
前記第1の駆動用電極に接続され、第1の駆動信号が入力される第1の駆動用配線と、
前記第2の駆動用電極に接続され、前記第1の駆動信号とは逆位相の第2の駆動信号が入力される第2の駆動用配線と、を含み、
前記複数の連結部において、前記第2の駆動用配線は、前記複数の検出用配線と前記第1の駆動用配線との間に配置される
センサ素子。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のセンサ素子であって、
前記複数の駆動用配線及び検出用配線は、前記第1及び第2の駆動用電極ならびに前記第1及び第2の検出用電極よりも弾性率の低い材料でそれぞれ構成される
センサ素子。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のセンサ素子であって、
前記配線層は、前記複数の駆動用配線及び検出用配線を被覆する有機膜をさらに有する
センサ素子。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のセンサ素子であって、
前記フレームは、
前記第1の軸に直交する第2の軸方向に延在し、前記第1及び第2の軸にそれぞれ直交する第3の軸方向に相互に対向する第1の梁の組と、
前記第3の軸方向に延在し、前記第2の軸方向に相互に対向する第2の梁の組と、
前記第1の梁と前記第2の梁との間を接続する4つの接続部と、を有し、
前記複数の振り子部は、前記4つの接続部から前記フレームの中心に向かって突出する4つの振り子部を含み、
前記複数の連結部は、前記4つの接続部から前記ベース部に向かって延びる4つの連結部を含む
センサ素子。
(9)上記(8)に記載のセンサ素子であって、
前記複数の圧電駆動部は、
前記第1の梁の前記第1の主面上にそれぞれ設けられ、前記第1の駆動用電極を上部電極として有する一対の第1の圧電駆動部と、
前記第2の梁の前記第1の主面上にそれぞれ設けられ、前記第2の駆動用電極を上部電極として有する一対の第2の圧電駆動部と、を含む
センサ素子。
(10)上記(8)又は(9)に記載のセンサ素子であって、
前記複数の第1の圧電検出部は、前記4つの接続部の前記第1の主面上にそれぞれ設けられた4つの圧電検出部を含む
センサ素子。
(11)上記(8)から(10)のいずれか1つに記載のセンサ素子であって、
前記複数の第2の圧電検出部は、前記4つの振り子部にそれぞれ設けられた4つの圧電検出部を含む
センサ素子。
(12)上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載のセンサ素子であって、
前記複数の連結部は、前記振動子部と前記ベース部との間において延出方向が反転する転回部を有する
センサ素子。
(13) 第1の主面を有する環状のフレームと、前記フレームに支持される一端部をそれぞれ有する複数の振り子部と、圧電膜と前記圧電膜を挟んで対向する第1及び第2の駆動用電極とをそれぞれ有し前記フレームを前記第1の主面に平行な面内で振動させる複数の圧電駆動部と、第1の検出用電極をそれぞれ有し前記フレームの前記第1の主面における変形量に基づいて前記第1の主面に垂直な第1の軸まわりの角速度を検出する複数の第1の圧電検出部と、第2の検出用電極をそれぞれ有し前記複数の振り子部の前記第1の主面に垂直な方向における変形量に基づいて前記第1の軸と直交する2軸方向の角速度を検出する複数の第2の圧電検出部と、を有する振動子部と、
複数の端子部を有し、前記振動子部の周囲に配置された環状のベース部と、
前記振動子部と前記ベース部との間に配置され、前記ベース部に対して前記振動子部を振動可能に支持する複数の連結部と、
前記第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の駆動用配線と、前記第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の検出用配線とを有し、前記複数の連結部にそれぞれ設けられ、前記複数の端子部と、前記複数の圧電駆動部、第1の圧電検出部及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する配線層と、
前記ベース部を支持し、前記複数の端子部と電気的に接続される回路素子と
を具備するジャイロセンサ。
(14) 第1の主面を有する環状のフレームと、前記フレームに支持される一端部をそれぞれ有する複数の振り子部と、圧電膜と前記圧電膜を挟んで対向する第1及び第2の駆動用電極とをそれぞれ有し前記フレームを前記第1の主面に平行な面内で振動させる複数の圧電駆動部と、第1の検出用電極をそれぞれ有し前記フレームの前記第1の主面における変形量に基づいて前記第1の主面に垂直な第1の軸まわりの角速度を検出する複数の第1の圧電検出部と、第2の検出用電極をそれぞれ有し前記複数の振り子部の前記第1の主面に垂直な方向における変形量に基づいて前記第1の軸と直交する2軸方向の角速度を検出する複数の第2の圧電検出部と、を有する振動子部と、
複数の端子部を有し、前記振動子部の周囲に配置された環状のベース部と、
前記振動子部と前記ベース部との間に配置され、前記ベース部に対して前記振動子部を振動可能に支持する複数の連結部と、
前記第1及び第2の駆動用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の駆動用配線と、前記第1及び第2の検出用電極にそれぞれ接続され相互に隣接して並走する複数の検出用配線とを有し、前記複数の連結部にそれぞれ設けられ、前記複数の端子部と、前記複数の圧電駆動部、第1の圧電検出部及び第2の圧電検出部との間をそれぞれ電気的に接続する配線層と、
前記ベース部を支持し、前記複数の端子部と電気的に接続される回路素子と
を具備するジャイロセンサを搭載した電子機器。

0145

1…ジャイロセンサ
10,110…フレーム
10s…(第1の)主面
11a,11b…第1の梁
12a,12b…第2の梁
13a〜13d…接続部
21a〜21d…振り子部
31…第1の圧電駆動部
32…第2の圧電駆動部
51a〜51d…第1の圧電検出部
71a〜71d…第2の圧電検出部
81…ベース部
82,82a〜82d…連結部
82s…(第2の)主面
100…センサ素子
101…振動子部
200…コントローラ
810…端子部
D1,D2…第1及び第2の駆動用電極
S1,S2…第1及び第2の検出用電極
La〜Ld…配線層
LD1,LD2…第1及び第2の駆動用配線
LS1,LS2…第1及び第2の検出用配線

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