図面 (/)

技術 電気化学素子電極用複合粒子

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 松村卓
出願日 2015年10月23日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-560124
公開日 2017年8月31日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 WO2016-080145
状態 特許登録済
技術分野 電気二重層コンデンサ等 電池の電極及び活物質
主要キーワード 噴霧部分 水力分級 円筒軸線 二重円筒形 乾式分級法 X線回折法 走査型電子顕微鏡写真像 アトマイザーノズル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題・解決手段

電極活物質結着剤を含む電気化学素子電極用複合粒子であって、前記複合粒子からなる複合粒子層圧力損失が5.0mbar以下であり、動的安息角が20°以上40°未満である。

概要

背景

小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、繰り返し充放電が可能なリチウムイオン二次電池電気二重層キャパシタなどの電気化学素子は、環境対応からも今後の需要の拡大が見込まれている。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が大きく携帯電話ノート型パーソナルコンピュータなどの分野で利用されており、電気二重層キャパシタは、急激な充放電が可能でパソコン等のメモリバックアップ小型電源として利用されている。また、金属酸化物導電性高分子の表面の酸化還元反応疑似電気二重層容量)を利用するリチウムイオンキャパシタもその容量の大きさから注目を集めている。これら電気化学素子は、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化大容量化等、より一層の性能向上が求められている。

これら電気化学素子への期待が高まる一方で、これら電気化学素子には、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化、高容量化機械的特性生産性の向上など、より一層の改善が求められている。このような状況において、電気化学素子電極に関してもより生産性の高い製造方法が求められている。

電気化学素子電極は、通常、電極活物質と、必要に応じて用いられる導電材とを結着剤結着することにより形成された電極活物質層集電体上に積層してなるものである。電気化学素子電極には、電極活物質、結着剤、導電材等を含む塗布電極スラリーを集電体上に塗布し、溶剤を熱などにより除去する方法で製造される塗布電極があるが、結着剤などのマイグレーションにより、均一な電気化学素子の製造が困難であった。また、この方法はコスト高作業環境が悪くなり、また、製造装置が大きくなる傾向があった。

これに対して、電気化学素子電極の製造方法として、電極活物質、導電材及び結着剤を含む電極組成物のスラリーをスプレードライして粉体とし、粉体を加圧成形して電極とする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

しかし、特許文献1の方法で得られる複合粒子には、付着力の大きな小粒径粒子が含まれるため、流動性が悪化するという問題があった。そのため、この複合粒子を用いて膜厚精度の高い電気化学素子電極を作製することが困難であった。また、このような複合粒子を用いて得られた電極は、電解液浸透しにくく、電池としたときに容量等の電池性能が低下するという問題もあった。

概要

電極活物質、結着剤を含む電気化学素子電極用複合粒子であって、前記複合粒子からなる複合粒子層圧力損失が5.0mbar以下であり、動的安息角が20°以上40°未満である。

目的

本発明の目的は、膜厚精度及び電解液注液性に優れた電極を形成することができる電気化学素子電極用複合粒子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

電極活物質結着剤を含む電気化学素子電極用複合粒子であって、前記複合粒子からなる複合粒子層圧力損失が5.0mbar以下であり、動的安息角が20°以上40°未満である電気化学素子電極用複合粒子。

請求項2

非水溶性多糖高分子繊維を含む請求項1記載の電気化学素子電極用複合粒子。

請求項3

体積換算粒子径分布において累積10%径(D10径)が20μm以上100μm以下である請求項1または2記載の電気化学素子電極用複合粒子。

技術分野

0001

本発明は、電気化学素子電極用複合粒子に関するものである。

背景技術

0002

小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、繰り返し充放電が可能なリチウムイオン二次電池電気二重層キャパシタなどの電気化学素子は、環境対応からも今後の需要の拡大が見込まれている。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が大きく携帯電話ノート型パーソナルコンピュータなどの分野で利用されており、電気二重層キャパシタは、急激な充放電が可能でパソコン等のメモリバックアップ小型電源として利用されている。また、金属酸化物導電性高分子の表面の酸化還元反応疑似電気二重層容量)を利用するリチウムイオンキャパシタもその容量の大きさから注目を集めている。これら電気化学素子は、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化大容量化等、より一層の性能向上が求められている。

0003

これら電気化学素子への期待が高まる一方で、これら電気化学素子には、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化、高容量化機械的特性生産性の向上など、より一層の改善が求められている。このような状況において、電気化学素子電極に関してもより生産性の高い製造方法が求められている。

0004

電気化学素子電極は、通常、電極活物質と、必要に応じて用いられる導電材とを結着剤結着することにより形成された電極活物質層集電体上に積層してなるものである。電気化学素子電極には、電極活物質、結着剤、導電材等を含む塗布電極スラリーを集電体上に塗布し、溶剤を熱などにより除去する方法で製造される塗布電極があるが、結着剤などのマイグレーションにより、均一な電気化学素子の製造が困難であった。また、この方法はコスト高作業環境が悪くなり、また、製造装置が大きくなる傾向があった。

0005

これに対して、電気化学素子電極の製造方法として、電極活物質、導電材及び結着剤を含む電極組成物のスラリーをスプレードライして粉体とし、粉体を加圧成形して電極とする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0006

しかし、特許文献1の方法で得られる複合粒子には、付着力の大きな小粒径粒子が含まれるため、流動性が悪化するという問題があった。そのため、この複合粒子を用いて膜厚精度の高い電気化学素子電極を作製することが困難であった。また、このような複合粒子を用いて得られた電極は、電解液浸透しにくく、電池としたときに容量等の電池性能が低下するという問題もあった。

先行技術

0007

特開2004−247249号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、膜厚精度及び電解液注液性に優れた電極を形成することができる電気化学素子電極用複合粒子を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、鋭意検討の結果、複合粒子層としたときの圧力損失が低く、動的安息角が所定の範囲内の複合粒子を用いることで、膜厚精度及び電解液注液性に優れた電極を形成することができることを見出した。

0010

即ち、本発明によれば、
(1)電極活物質、結着剤を含む電気化学素子電極用複合粒子であって、前記複合粒子からなる複合粒子層の圧力損失が5.0mbar以下であり、動的安息角が20°以上40°未満である電気化学素子電極用複合粒子、
(2)非水溶性多糖高分子繊維を含む(1)の電気化学素子電極用複合粒子、
(3)体積換算粒子径分布において累積10%径(D10径)が20μm以上100μm以下である(1)または(2)の電気化学素子電極用複合粒子
が提供される。

発明の効果

0011

本発明によれば、膜厚精度及び電解液注液性に優れた電極を形成することができる電気化学素子電極用複合粒子が提供される。

0012

以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の電気化学素子電極用複合粒子(以下、「複合粒子」ということがある。)は、電極活物質、結着剤を含む電気化学素子電極用複合粒子であって、前記複合粒子からなる複合粒子層の圧力損失が5.0mbar以下であり、動的安息角が20°以上40°未満であることを特徴とする。

0013

なお、以下において、さらに、「正極活物質」とは正極用の電極活物質を意味し、「負極活物質」とは負極用の電極活物質を意味する。また、「正極活物質層」とは正極に設けられる電極活物質層を意味し、「負極活物質層」とは負極に設けられる電極活物質層を意味する。

0014

(電極活物質)
電気化学素子がリチウムイオン二次電池である場合の正極活物質としては、リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な活物質が用いられ、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。

0015

無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物遷移金属硫化物リチウム遷移金属とのリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が使用される。

0016

遷移金属酸化物としては、MnO、MnO2、V2O5、V6O13、TiO2、Cu2V2O3、非晶質V2O−P2O5、MoO3、V2O5、V6O13等が挙げられ、中でもサイクル定性と容量からMnO、V2O5、V6O13、TiO2が好ましい。遷移金属硫化物としては、TiS2、TiS3、非晶質MoS2、FeS等が挙げられる。リチウム含有複合金属酸化物としては、層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。

0017

層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはリチウム含有コバルト酸化物(LiCoO2)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO2)、Co−Ni−Mnのリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Alのリチウム複合酸化物、Ni−Co−Alのリチウム複合酸化物等が挙げられる。スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはマンガン酸リチウム(LiMn2O4)やMnの一部を他の遷移金属で置換したLi[Mn3/2M1/2]O4(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)等が挙げられる。オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはLiXMPO4(式中、Mは、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Mg,Zn,V,Ca,Sr,Ba,Ti,Al,Si,B及びMoから選ばれる少なくとも1種、0≦X≦2)であらわされるオリビン型燐酸リチウム化合物が挙げられる。

0018

有機化合物としては、例えば、ポリアセチレンポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。電気伝導性に乏しい、鉄系酸化物は、還元焼成時に炭素源物質を存在させることで、炭素材料で覆われた正極活物質として用いてもよい。また、これら化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。

0019

電気化学素子がリチウムイオンキャパシタである場合の正極活物質としては、リチウムイオンと、例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンとを可逆的に担持できるものであればよい。具体的には、炭素同素体を好ましく用いることができ、電気二重層キャパシタで用いられる電極活物質が広く使用できる。炭素の同素体の具体例としては、活性炭ポリアセンPAS)、カーボンウィスカカーボンナノチューブ及びグラファイト等が挙げられる。

0020

また、電気化学素子がリチウムイオン二次電池である場合の負極活物質としては電気化学素子の負極において電子の受け渡しをできる物質が挙げられる。電気化学素子がリチウムイオン二次電池である場合の負極活物質としては、通常、リチウムを吸蔵及び放出できる物質を用いることができる。

0021

リチウムイオン二次電池に好ましく用いられる負極活物質の例としては、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛メソカーボンマイクロビーズピッチ系炭素繊維等の炭素質材料;ポリアセン等の導電性高分子;ケイ素、錫、亜鉛マンガン、鉄、ニッケル等の金属又はこれらの合金;前記金属又は合金の酸化物又は硫酸塩;金属リチウム;Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金リチウム遷移金属窒化物シリコン等が挙げられる。また、負極活物質として、当該負極活物質の粒子の表面に、例えば機械改質法によって導電材を付着させたものを用いてもよい。また、負極活物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0022

また、電気化学素子がリチウムイオンキャパシタである場合に好ましく用いられる負極活物質としては、上記炭素で形成された負極活物質が挙げられる。

0023

電極活物質層における電極活物質の含有量は、リチウムイオン二次電池の容量を大きくでき、また、電極の柔軟性、及び、集電体と電極活物質層との結着性を向上させることができる観点から、好ましくは90〜99.9重量%、より好ましくは95〜99重量%である。

0024

電極活物質の体積平均粒子径は、複合粒子用スラリーを調製する際の結着剤の配合量を少なくすることができ、電池の容量の低下を抑制できる観点、および、複合粒子用スラリーを噴霧するのに適正な粘度に調整することが容易になり、均一な電極を得ることができる観点から、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜30μmである。

0025

(結着剤)
本発明に用いる結着剤としては、上述の電極活物質を相互に結着させることができる物質であれば特に限定はない。結着剤としては、溶媒に分散する性質のある分散型結着剤を好ましく用いることができる。

0026

分散型結着剤として、例えば、シリコン系重合体フッ素含有重合体共役ジエン系重合体アクリレート系重合体ポリイミドポリアミドポリウレタン等の高分子化合物が挙げられ、好ましくはフッ素含有重合体、共役ジエン系重合体およびアクリレート系重合体、より好ましくは共役ジエン系重合体およびアクリレート系重合体が挙げられる。これらの重合体は、それぞれ単独で、または2種以上混合して、分散型結着剤として用いることができる。

0027

フッ素含有重合体は、フッ素原子を含む単量体単位を含有する重合体である。フッ素含有重合体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレンポリフッ化ビニリデンPVDF)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体パーフルオロエチレンプロペン共重合体が挙げられる。中でも、PVDFを含むことが好ましい。

0028

共役ジエン系重合体は、共役ジエン系単量体単独重合体もしくは共役ジエン系単量体を含む単量体混合物重合して得られる共重合体、またはそれらの水素添加物である。共役ジエン系単量体として、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などを用いることが好ましく、電極とした際における柔軟性を向上させることができ、割れに対する耐性を高いものとすることができる点で1,3−ブタジエンを用いることがより好ましい。また、単量体混合物においてはこれらの共役ジエン系単量体を2種以上含んでもよい。

0029

共役ジエン系重合体が、上述した共役ジエン系単量体と、これと共重合可能単量体との共重合体である場合、かかる共重合可能な単量体としては、たとえば、α,β−不飽和ニトリル化合物や酸成分を有するビニル化合物などが挙げられる。

0030

共役ジエン系重合体の具体例としては、ポリブタジエンポリイソプレンなどの共役ジエン系単量体単独重合体;カルボキシ変性されていてもよいスチレンブタジエン共重合体SBR)などの芳香族ビニル系単量体・共役ジエン系単量体共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル系単量体・共役ジエン系単量体共重合体;水素化SBR、水素化NBR等が挙げられる。

0031

共役ジエン系重合体中における共役ジエン系単量体単位の割合は、好ましくは20〜60重量%であり、より好ましくは30〜55重量%である。共役ジエン系単量体単位の割合が多すぎると、結着剤を含む複合粒子を用いて電極を製造した場合に、耐電解液性が低下する傾向がある。共役ジエン系単量体単位の割合が少なすぎると、複合粒子と集電体との十分な密着性が得られない傾向がある。

0032

アクリレート系重合体は、一般式(1):CH2=CR1−COOR2(式中、R1は水素原子またはメチル基を、R2はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。R2はさらにエーテル基水酸基リン酸基アミノ基、カルボキシル基、フッ素原子、またはエポキシ基を有していてもよい。)で表される化合物〔(メタアクリル酸エステル由来の単量体単位を含む重合体、具体的には、一般式(1)で表される化合物の単独重合体、または前記一般式(1)で表される化合物を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体である。一般式(1)で表される化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、および(メタ)アクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸等のカルボン酸含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル等のフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸リン酸エチル等のリン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;等が挙げられる。

0033

なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」を意味する。

0034

これら(メタ)アクリル酸エステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、および(メタ)アクリル酸n−ブチルやアルキル基の炭素数が6〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。これらを選択することにより、電解液に対する膨潤性を低くすることが可能となり、サイクル特性を向上させることができる。

0035

また、アクリレート系重合体が、上述した一般式(1)で表される化合物と、これと共重合可能な単量体との共重合体である場合、かかる共重合可能な単量体としては、たとえば、2つ以上の炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸エステル類、芳香族ビニル系単量体、アミド系単量体オレフィン類ジエン系単量体ビニルケトン類、及び複素環含有ビニル化合物などのほか、α,β−不飽和ニトリル化合物や酸成分を有するビニル化合物が挙げられる。

0036

上記共重合可能な単量体の中でも、電極を製造した際に変形しにくく強度が強いものとすることができ、また、電極活物質層と集電体との十分な密着性が得られる点で、芳香族ビニル系単量体を用いることが好ましい。芳香族ビニル系単量体としては、スチレン等が挙げられる。

0037

なお、芳香族ビニル系単量体の割合が多すぎると電極活物質層と集電体との十分な密着性が得られない傾向がある。また、芳香族ビニル系単量体の割合が少なすぎると、電極を製造した際に耐電解液性が低下する傾向がある。

0038

アクリレート系重合体中における(メタ)アクリル酸エステル単位の割合は、電極とした際における柔軟性を向上させることができ、割れに対する耐性を高いものとする観点から、好ましくは50〜95重量%であり、より好ましくは60〜90重量%である。

0039

分散型結着剤を構成する重合体に用いられる、前記α,β−不飽和ニトリル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリニトリル、及びα−ブロモアクリロニトリルなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。

0040

分散型結着剤中におけるα,β−不飽和ニトリル化合物単位の割合は、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。分散型結着剤中にα,β−不飽和ニトリル化合物単位を含有させると、電極を製造した際に変形しにくく強度が強いものとすることができる。また、分散型結着剤中にα,β−不飽和ニトリル化合物単位を含有させると、複合粒子を含む電極活物質層と集電体との密着性を十分なものとすることができる。

0041

なお、α,β−不飽和ニトリル化合物単位の割合が多すぎると電極活物質層と集電体との十分な密着性が得られない傾向がある。また、α,β−不飽和ニトリル化合物単位の割合が少なすぎると、電極を製造した際に耐電解液性が低下する傾向がある。

0042

前記酸成分を有するビニル化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸イタコン酸マレイン酸、及びフマル酸などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、およびイタコン酸が好ましく、接着力が良くなる点でメタクリル酸がより好ましい。

0043

分散型結着剤中における酸成分を有するビニル化合物単位の割合は、複合粒子用スラリーとした際における安定性が向上する観点から、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%、さらに好ましくは2〜7重量%である。

0044

なお、酸成分を有するビニル化合物単位の割合が多すぎると、複合粒子用スラリーの粘度が高くなり、取扱いが困難になる傾向がある。また、酸成分を有するビニル化合物単位の割合が少なすぎると複合粒子用スラリーの安定性が低下する傾向がある。

0045

分散型結着剤の形状は、特に限定はないが、粒子状であることが好ましい。粒子状であることにより、結着性が良く、また、製造した電極の容量の低下や充放電の繰り返しによる劣化を抑えることができる。粒子状の結着剤としては、例えば、ラテックスのごとき結着剤の粒子が水に分散した状態のものや、このような分散液を乾燥して得られる粉末状のものが挙げられる。

0046

分散型結着剤の平均粒子径は、複合粒子用スラリーとした際における安定性を良好なものとしながら、得られる電極の強度及び柔軟性が良好となる点から、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは10〜5000nm、さらに好ましくは50〜1000nmである。

0047

また、本発明に用いる結着剤の製造方法は特に限定されず、乳化重合法懸濁重合法、分散重合法または溶液重合法等の公知の重合法を採用することができる。中でも、乳化重合法で製造することが、結着剤の粒子径の制御が容易であるので好ましい。また、本発明に用いる結着剤は、2種以上の単量体混合物を段階的に重合することにより得られるコアシェル構造を有する粒子であっても良い。

0048

本発明の複合粒子中における結着剤の配合量は、電極活物質100重量部に対して、乾燥重量基準で0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜5重量部である。結着剤の配合量が多すぎると流動性が悪化し、複合粒子の動的安息角が大きくなる。また、結着剤の配合量が少なすぎると接着力が低下する。

0049

本発明に用いる結着剤のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−30〜30℃である。結着剤のTgが低すぎると、得られる複合粒子の流動性が悪化し、複合粒子の動的安息角が大きくなる。また、結着剤のTgが高すぎると、得られる複合粒子の流動性が高くなりすぎるため、加圧成形して電極活物質層を得ることが困難となる。

0050

(非水溶性多糖高分子繊維)
本発明に用いる非水溶性多糖高分子繊維は、機械的せん断力によりフィブリル化させた繊維(短繊維)である。なお、本発明に用いる非水溶性多糖高分子繊維とは、25℃において、多糖高分子繊維0.5gを100gの水に溶解した際に、不溶分が90重量%以上となる多糖高分子繊維をいう。

0051

非水溶性多糖高分子繊維としては、多糖高分子ナノファイバーを用いることが好ましく、多糖高分子のナノファイバーのなかでも柔軟性を有し、かつ、高い強度を有するため複合粒子の補強効果が高い観点から、セルロースナノファイバーキチンナノファイバーキトサンナノファイバーなどの生物由来バイオナノファイバーから選ばれる単独又は任意の混合物を使用するのが好ましい。

0052

これらの非水溶性多糖高分子繊維に機械的せん断力を加えてフィブリル化(短繊維化)する方法としては、非水溶性多糖高分子繊維を水に分散させた後に、叩解させる方法、オリフィスを通過させる方法などが挙げられる。また、非水溶性多糖高分子繊維は、各種繊維径の短繊維が市販されており、これらを水中分散させて用いてもよい。

0053

本発明に用いる非水溶性多糖高分子繊維の平均繊維径は、複合粒子および電極の強度を十分なものとする観点、および、均一な電極活物質層が形成できるため得られる電気化学素子の電気化学特性に優れる観点から、好ましくは5〜3000nm、より好ましくは5〜2000nm、さらに好ましくは5〜1000nm、特に好ましくは5〜100nmである。非水溶性多糖高分子繊維の平均繊維径が大きすぎると複合粒子内に非水溶性多糖高分子繊維が十分に存在することができないため、複合粒子の強度を十分なものとすることができない。また、複合粒子の流動性が悪くなり、均一な電極活物質層の形成が困難となる。

0054

なお、非水溶性多糖高分子繊維は、単繊維が引き揃えられることなく十分に離隔して存在するものより成ってもよい。この場合、平均繊維径は単繊維の平均径となる。また、非水溶性多糖高分子繊維は、複数本の単繊維が束状に集合して1本の糸条を構成しているものであってもよい。この場合、平均繊維径は1本の糸条の径の平均値として定義される。

0055

また、非水溶性多糖高分子繊維の重合度は、複合粒子および電極の強度を十分なものとする観点、および、均一な電極活物質層が形成できるため得られる電気化学素子の電気化学特性に優れる観点から、好ましくは50〜1000、より好ましくは100〜600である。非水溶性多糖高分子繊維の重合度が大きすぎると、得られる電気化学素子の内部抵抗が上昇する。また、均一な電極活物質層の形成が困難となる。また、非水溶性多糖高分子繊維の重合度が小さすぎると複合粒子の強度が不十分となる。

0056

非水溶性多糖高分子繊維の配合量は、複合粒子100重量部に対して、好ましくは0. 2〜4重量部、より好ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは1〜3重量部、特に好ましくは1〜2重量部である。非水溶性多糖高分子繊維の配合量が多すぎると、得られる電気化学素子の内部抵抗が上昇する。また、均一な電極層(電極活物質層)の形成が困難となる。また、非水溶性多糖高分子繊維の配合量が少なすぎると複合粒子の強度が不十分となる。なお、非水溶性多糖高分子繊維の配合量を増やすことで複合粒子用スラリーの粘度が上昇する場合には、下記水溶性高分子の配合量を減らすことにより粘度を適宜調整することができる。

0057

(水溶性高分子)
複合粒子には、必要に応じて水溶性高分子を用いてもよい。水溶性高分子の具体例としては、カルボキシメチルセルロースメチルセルロースエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸エステル、ならびにアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩ポリアクリル酸、およびポリアクリル酸(またはメタクリル酸)ナトリウムなどのポリアクリル酸(またはメタクリル酸)塩、ポリビニルアルコール変性ポリビニルアルコールポリエチレンオキシドポリビニルピロリドンポリカルボン酸酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプンキチンキトサン誘導体などが挙げられる。これらの水溶性高分子は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。これらの水溶性高分子の配合量は、本発明の効果を損ねない範囲であれば格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜2重量部である。

0058

また、複合粒子を後述する噴霧凝固造粒法により製造する場合には、水溶性高分子としては、噴霧した複合粒子用スラリーを凝固させやすく、球状の複合粒子が得られる観点、及び凝固後に複合粒子同士が互いに結着しにくい観点から、アニオン性の水溶性高分子が好ましい。ここで、アニオン性の水溶性高分子は少なくともアニオン性基を含んでなり、アニオン性基としてはカルボキシル基、スルホ基ホスホ基等が挙げられる。

0059

このようなアニオン性の水溶性高分子としては、アルギン酸;アルギン酸のアルカリ金属塩(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等)及びアルギン酸アンモニウム等の水溶性アルギン酸誘導体ヒドロキシエチルメチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等のセルロース系高分子;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸誘導体ポリスルホン酸ポリマーポリアクリルアミド寒天ゼラチンカラギーナングルコマンナンペクチンカードランジェランガム等が好ましく、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、水溶性アルギン酸誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸誘導体がより好ましく、アルギン酸、水溶性アルギン酸誘導体がより好ましく、アルギン酸またはアルギン酸のアルカリ金属塩(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等)がさらに好ましい。尚、これらの水溶性高分子は、単独で用いてもよいが、複数の種類の水溶性高分子を組み合わせて用いることにより複合粒子に強度を付与することが可能となる。さらに、上記同一種類範疇)のアニオン性水溶性高分子の中でも異なる構造の高分子を2種以上組み合わせて用いることもできる。

0060

本発明の複合粒子を後述する噴霧凝固造粒法で製造する場合、複合粒子中における水溶性高分子の配合量は、スラリーを強固に凝固させることができ、得られる複合粒子の形状が良好となる観点から、電極活物質100重量部に対して、通常0.4〜10重量部、より好ましくは0.7〜5重量部、さらに好ましくは1〜2重量部である。水溶性高分子の配合量が多すぎると得られる電気化学素子の抵抗が高くなる。また、水溶性高分子の配合量が少なすぎると複合粒子用スラリーが凝固し難くなったり、得られる複合粒子がもろくなる場合がある。

0061

(導電材)
本発明の複合粒子は、必要に応じて導電材を含んでいてもよい。必要に応じて用いられる導電材としては、ファーネスブラックアセチレンブラック(以下、「AB」と略記することがある。)、及びケッチェンブラックアクゾノベルケミカルズ ベスローテンフェンノートシャップ社の登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーングラフェンなどの導電性カーボンが好ましく用いられる。これらの中でも、アセチレンブラックがより好ましい。導電材の平均粒子径は、特に限定されないが、より少ない使用量で十分な導電性発現させる観点から、電極活物質の平均粒子径よりも小さいものが好ましく、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.005〜5μm、さらに好ましくは0.01〜1μmである。
導電材を添加する場合における導電材の配合量は、電極活物質100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。

0062

(その他の添加剤
本発明の複合粒子は、さらに必要に応じてその他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性ノニオン性ノニニックアニオン等の両性の界面活性剤が挙げられるが、中でもアニオン性またはノニオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、複合粒子中において、電極活物質100重量部に対して好ましくは0〜50重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。界面活性剤を添加することで、複合粒子用スラリーから得られる液滴の表面張力を調整することができる。

0063

(複合粒子の製造方法)
本発明の複合粒子は、電極活物質、結着剤を含んでなるが、電極活物質および結着剤のそれぞれが個別に独立した粒子として存在するのではなく、構成成分である電極活物質、結着剤を含む2成分以上によって一粒子を形成するものである。具体的には、前記2成分以上の個々の粒子が実質的に形状を維持した状態で複数個が結合して二次粒子を形成しており、複数個(好ましくは数個〜数千個)の電極活物質が、結着剤によって結着されて粒子を形成しているものが好ましい。

0064

複合粒子の製造方法は特に限定されないが、噴霧乾燥造粒法、噴霧凝固造粒法、転動層造粒法、圧縮型造粒法、撹拌型造粒法、押出し造粒法破砕型造粒法、流動層造粒法流動層多機能型造粒法、および溶融造粒法などの製造方法によって複合粒子を得ることができる。

0065

複合粒子の製造方法は、粒子径制御の容易性、生産性、粒子径分布の制御の容易性などの観点から、複合粒子の成分等に応じて最適な方法を適宜選択すればよいが、噴霧乾燥造粒法、および噴霧凝固造粒法が好ましい。複合粒子を比較的容易に製造することができるため、噴霧乾燥造粒法がより好ましい。

0066

(噴霧乾燥造粒法)
噴霧乾燥造粒法により複合粒子を製造する際には、まず、電極活物質、結着剤、必要に応じて添加される非水溶性多糖高分子繊維、水溶性高分子、及び導電材を含有する複合粒子用スラリー(以下、「スラリー」ということがある。)を調製する。複合粒子用スラリーは、電極活物質、結着剤、必要に応じて添加される非水溶性多糖高分子繊維、水溶性高分子、及び導電材を、溶媒に分散又は溶解させることにより調製することができる。なお、この場合において、結着剤が溶媒に分散されたものである場合には、溶媒に分散させた状態で添加することができる。

0067

複合粒子用スラリーを得るために用いる溶媒としては、水を用いることが好ましいが、水と有機溶媒との混合溶媒を用いてもよく、有機溶媒のみを単独または数種組み合わせて用いてもよい。この場合に用いることができる有機溶媒としては、たとえば、メチルアルコールエチルアルコールプロピルアルコール等のアルコール類アセトンメチルエチルケトン等のアルキルケトン類;テトラヒドロフランジオキサンジグライム等のエーテル類ジエチルホルムアミドジメチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドンジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;等が挙げられる。有機溶媒を用いる場合には、アルコール類が好ましい。水と、水よりも沸点の低い有機溶媒とを併用することにより、噴霧乾燥時に、乾燥速度を速くすることができる。また、これにより、複合粒子用スラリーの粘度や流動性を調整することができ、生産効率を向上させることができる。

0068

また、複合粒子用スラリーの粘度は、噴霧乾燥による複合粒子の造粒の生産性を向上させる観点から、室温において、好ましくは10〜3,000mPa・s、より好ましくは30〜1,500mPa・s、さらに好ましくは50〜1,000mPa・sである。
なお、本明細書において記載する粘度は25℃、せん断速度10s-1における粘度である。ブルックフィールドデジタル粘度計DV−II+Proを用いることで測定が可能である。

0069

スラリーを調製する際に使用する溶媒の量は、スラリー中に結着剤を均一に分散させる観点から、スラリーの固形分濃度が、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜75重量%、さらに好ましくは10〜70重量%となる量である。

0070

電極活物質、結着剤、必要に応じて添加される非水溶性多糖高分子繊維、水溶性高分子及び導電材等を溶媒に分散又は溶解する方法又は順番は、特に限定されず、例えば、溶媒に電極活物質、結着剤、非水溶性多糖高分子繊維、水溶性高分子および導電材を添加し混合する方法、溶媒に水溶性高分子を溶解した後、電極活物質、非水溶性多糖高分子繊維、及び導電材を添加して混合し、最後に溶媒に分散させた結着剤(例えば、ラテックス)を添加して混合する方法、溶媒に分散させた結着剤に電極活物質、非水溶性多糖高分子繊維、および導電材を添加して混合し、この混合物に溶媒に溶解させた水溶性高分子を添加して混合する方法等が挙げられる。

0071

また、混合装置としては、たとえば、ボールミルサンドミルビーズミル顔料分散機、らい潰機超音波分散機ホモジナイザーホモミキサープラネタリーミキサー等を用いることができる。混合は、好ましくは室温〜80℃で、10分〜数時間行う。

0072

次いで、得られた複合粒子用スラリーを噴霧乾燥して造粒する。噴霧乾燥は、熱風中にスラリーを噴霧して乾燥する方法である。スラリーの噴霧に用いる装置としてアトマイザーが挙げられる。アトマイザーとしては、回転円盤方式、カップ方式二流体ノズル方式及び加圧方式などの装置が挙げられ、回転円盤方式とカップ方式は、高速回転する円盤のほぼ中央にスラリーを導入し、円盤の遠心力によってスラリーが円盤の外に放たれ、その際にスラリーを霧状にする方式である。回転円盤方式において、円盤の回転速度は円盤の大きさに依存するが、好ましくは5,000〜30,000rpm、より好ましくは15,000〜30,000rpmである。円盤の回転速度が低いほど、噴霧液滴が大きくなり、得られる複合粒子の平均粒子径が大きくなる。回転円盤方式のアトマイザーとしては、ピン型ベーン型が挙げられるが、好ましくはピン型アトマイザーである。ピン型アトマイザーは、噴霧盤を用いた遠心式噴霧装置一種であり、該噴霧盤が上下取付円板の間にその周縁に沿ったほぼ同心円上に着脱自在に複数の噴霧用コロを取り付けたもので構成されている。複合粒子用スラリーは噴霧盤中央から導入され、遠心力によって噴霧用コロに付着し、コロ表面を外側へと移動し、最後にコロ表面から離れ噴霧される。

0073

カップ方式に用いるカップ型アトマイザーは、所定の回転数で回転するアトマイザー先端のカップに複合粒子用スラリーを導入し、複合粒子用スラリーに回転力を加えながらカップの端部から吐出させることにより、遠心力で複合粒子用スラリーの噴霧を行い霧状の液滴を得るように構成されている。また、カップの向きは上向き、下向きがあるが、そのいずれか片方に限るものではなく、いずれも良好な霧化が可能である。

0074

回転円盤方式またはカップ方式における円盤またはカップの回転速度は、特に限定されないが、好ましくは5,000〜40,000rpm、さらに好ましくは15,000〜30,000rpmである。円盤またはカップの回転速度が低いほど、噴霧液滴が大きくなり、得られる複合粒子の平均粒子径が大きくなる。

0075

また、加圧方式は、複合粒子用スラリーを加圧してノズルから霧状にして乾燥する方式である。

0076

噴霧される複合粒子用スラリーの温度は、好ましくは室温であるが、加温して室温より高い温度としてもよい。また、噴霧乾燥時の熱風温度は、好ましくは25〜250℃、より好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは80〜150℃である。噴霧乾燥法において、熱風の吹き込み方法は特に限定されず、たとえば、熱風と噴霧方向が横方向に並流する方式、乾燥塔頂部で噴霧され熱風と共に下降する方式、噴霧した滴と熱風が向流接触する方式、噴霧した滴が最初熱風と並流し次いで重力落下して向流接触する方式等が挙げられる。

0077

分級
本発明においては、噴霧乾燥により得られた造粒粒子をさらに分級することが好ましい。分級の方法としては特に限定されないが、重力分級、慣性分級、および遠心分級などの乾式分級法沈降分級、機械式分級、および水力分級などの湿式分級法振動篩いや面内運動いなどの篩い網を用いた、篩い分け分級法;などの分級法を採用することができる。中でも、篩い分け分級法が好ましい。

0078

(噴霧凝固造粒法)
本発明の複合粒子を、噴霧凝固造粒法により製造する場合について以下に説明する。
噴霧凝固造粒法は、液体またはスラリーを噴霧することにより生じる液滴を、凝固液と接触させ、球状又は粒状の固形粒子(複合粒子)を得る造粒法である。

0079

噴霧凝固造粒法により複合粒子を製造する際には、まず、電極活物質、結着剤、必要に応じて添加される非水溶性多糖高分子繊維、水溶性高分子、及び導電材を含有する複合粒子用スラリー(以下、「スラリー」ということがある。)を調製する。複合粒子用スラリーは、電極活物質、結着剤、必要に応じて添加される非水溶性多糖高分子繊維、水溶性高分子、及び導電材を、溶媒に分散又は溶解させることにより調製することができる。なお、この場合において、結着剤が溶媒に分散されたものである場合には、溶媒に分散させた状態で添加することができる。

0080

噴霧凝固造粒法で使用する複合粒子用スラリーを得るために用いる溶媒としては、水を用いることが好ましいが、水と有機溶媒との混合溶媒を用いてもよく、有機溶媒のみを単独または数種組み合わせて用いてもよい。この場合に用いることができる有機溶媒としては、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;等が挙げられる。有機溶媒を用いる場合には、アルコール類が好ましい。水と、水よりも沸点の低い有機溶媒とを併用することにより、乾燥時に、乾燥速度を速くすることができる。また、これにより、複合粒子用スラリーの粘度や流動性を調整することができ、生産効率を向上させることができる。

0081

また、噴霧凝固造粒法で使用する複合粒子用スラリーの粘度は、室温において、せん断速度100s-1の時に好ましくは1000mPa・s以下、より好ましくは500mPa・s以下、さらに好ましくは300mPa・s以下である。複合粒子用スラリーのせん断速度100s-1の時の粘度が前記範囲にあると、スラリーを噴霧して液滴を生成させる工程において、せん断力を利用して液滴を微細化することが可能となる。また、前記粘度範囲であると、スラリーを噴霧部分に至るまで安定的に送液することも可能となる。そしてその結果として、複合粒子の造粒の生産性が向上する。
スラリーのせん断速度100s-1の時の粘度は、共軸二重円筒形粘度計により測定することができる。

0082

スラリーを調製する際に使用する溶媒の量は、スラリー中に結着剤を均一に分散させる観点から、スラリーの固形分濃度が、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜75重量%、さらに好ましくは10〜70重量%となる量である。

0083

電極活物質、結着剤、必要に応じて添加される非水溶性多糖高分子繊維、水溶性高分子及び導電材等を溶媒に分散又は溶解する方法又は順番は、特に限定されず、例えば、溶媒に電極活物質、結着剤、非水溶性多糖高分子繊維、水溶性高分子および導電材を添加し混合する方法、溶媒に水溶性高分子を溶解した後、電極活物質、非水溶性多糖高分子繊維、及び導電材を添加して混合し、最後に溶媒に分散させた結着剤(例えば、ラテックス)を添加して混合する方法、溶媒に分散させた結着剤に電極活物質、非水溶性多糖高分子繊維、および導電材を添加して混合し、この混合物に溶媒に溶解させた水溶性高分子を添加して混合する方法等が挙げられる。

0084

また、混合装置としては、たとえば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等を用いることができる。混合は、好ましくは室温〜80℃で、10分〜数時間行う。

0085

噴霧方法
噴霧凝固造粒法において複合粒子用スラリーを噴霧する噴霧方法としては、特に限定されないが、静電噴霧、回転霧化により噴霧することが好ましい。

0086

(静電噴霧)
静電噴霧は、静電微粒化法を用いることにより複合粒子用スラリーから液滴を生成させ、凝固液に向けて液滴を噴霧する方法である。静電微粒化法は、アトマイザーノズルに数kV以上の高電圧を加え、アトマイザーノズル先端部に電荷を集中させることでアトマイザーノズルに供給される複合粒子用スラリーの分裂を促し、複合粒子用スラリーからなる液滴を生成する方法である。
アトマイザーノズルに印加する電圧を変えることによって数100μm〜数μmの均一な液滴を生成、噴霧することができる。

0087

また、ノズル先端部の形状を針状にらせることによってアトマイザーノズル先端部に電荷を集中させることが可能であり、静電微粒化法における液滴の生成を促すことができる。ノズル先端部の形状の工夫によって所望の範囲の粒子径分布を有する複合粒子群の製造に必要な印加電圧を低く設定することが可能になり、装置コストや、ランニングコスト操業における安全性の面において有利に働く。

0088

液滴の生成に適した印加電圧は、アトマイザーノズルの先端形状、複合粒子用スラリーの表面張力、粘度、固形分濃度、供給速度電導度、および活物質が蓄積可能な静電容量、そして後述するアトマイザーノズル近傍に設置可能な接地電極の形状や設置位置によって種々異なるために特に制限されないが、通常2kV以上である。当業者らはこれら要素を考慮しつつ、適宜液滴の生成に適した電圧条件を検討することで所望のサイズの液滴を生成することができる。
ここで、アトマイザーノズルに供給されるスラリーの温度は、通常は室温であるが、状況や目的に応じて加温して室温以上にしたものであってもよい。

0089

また、ノズル先端部直下には、アトマイザーノズルに対向して接地電極が設けることが好ましい。接地電極の形状としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、例えば、リング状に形成するのが好ましい。アトマイザーノズルの直下に接地電極を設けることで静電微粒化による液滴の生成をより促すことができる。

0090

(回転霧化)
回転霧化は、回転霧化用のアトマイザーを噴霧機として用いて、凝固液に向けて液滴を噴霧する方法である。ここで、回転霧化用のアトマイザーとしては、回転円盤方式のアトマイザー、カップ型アトマイザーを好ましく用いることができ、カップ型アトマイザーを用いることがより好ましい。

0091

カップ型アトマイザーは、所定の回転数で回転するアトマイザー先端のカップに複合粒子用スラリーを導入し、複合粒子用スラリーに回転力を加えながらカップの端部から吐出させることにより、遠心力で複合粒子用スラリーの霧化を行い霧状の液滴を得るように構成されている。カップの向きは上向き、下向きがあるが、そのいずれか片方に限るものではなく、いずれも良好な霧化が可能である。

0092

回転円盤方式は、高速回転する円盤のほぼ中央に複合粒子用スラリーを導入し、円盤の遠心力によってスラリーが円盤の外に放たれ、その際にスラリーを霧状にする方式である。回転円盤方式のアトマイザーとしては、ピン型とベーン型、ケスナー型が挙げられるが、好ましくはピン型アトマイザーである。ピン型アトマイザーは、噴霧盤を用いた遠心式の噴霧装置の一種であり、該噴霧盤が上下取付円板の間にその周縁に沿ったほぼ同心円上に着脱自在に複数の噴霧用コロを取り付けたもので構成されている。複合粒子用スラリーは噴霧盤中央から導入され、遠心力によって噴霧用コロに付着し、コロ表面を外側へと移動し、最後にコロ表面から離れ噴霧される。

0093

回転霧化方式におけるカップまたは円盤の回転速度は、特に限定されないが、好ましくは5,000〜40,000rpm、さらに好ましくは15,000〜30,000rpmである。カップまたは円盤の回転速度が低いほど、噴霧液滴が大きくなり、得られる複合粒子の平均粒子径が大きくなる。

0094

また、回転霧化により生成される液滴を凝固液に接触させる際の、液滴の噴霧位置と凝固液の液面との距離は、球形度の高い複合粒子が得られる点で、30cm以上であることが好ましく、50cm以上であることがより好ましく、60cm以上であることがさらに好ましい。上記距離が短すぎると、凝固液と液滴とが衝突することにより複合粒子が変形する虞がある。

0095

噴霧される複合粒子用スラリーの温度は、好ましくは室温であるが、加温して室温より高い温度としてもよい。

0096

凝固方法
静電噴霧、回転霧化等の上記噴霧方法により得られた液滴を凝固液に接触させることにより、球状又は粒状の複合粒子を得ることができる。また、凝固液中で生成した複合粒子は、ろ過等を行うことにより凝固液から分離することができる。ろ過の方法としては格別な制限はなく、自然ろ過加圧ろ過減圧ろ過を採用することができる。また、ろ過フィルターを用いるろ過、掻き取りろ過、ふるい分けろ過等を採用することもできる。また、ふるい分けろ過を行う場合には、複合粒子を含む凝固液中で所定の目開きの篩を用いてろ過を行ってもよい。

0097

また、凝固液から分離された複合粒子を乾燥させることが好ましい。乾燥方法としては、特に制限はないが、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法などが挙げられる。乾燥時間は好ましくは5分〜30分であり、乾燥温度は、用いる材料の耐熱性にもよるが、例えば30〜180℃である。乾燥温度が高すぎると、複合粒子同士が互着し粗大粒子となることがある。

0098

また、凝固液から分離された複合粒子に水を加えて再撹拌し、さらにろ過等を行う水洗工程を所定回数行ってもよい。凝固液から分離され、または、水洗工程を経た複合粒子は真空乾燥等により乾燥させることが好ましい。

0099

ここで、凝固液としては、スラリー中に含まれる水溶性高分子が凝固する低pHの酸性液、もしくは、2価もしくは3価の金属塩水溶液、またはカチオン性ポリマー水溶液を用いることが可能であり、特に2価もしくは、3価の金属塩水溶液、またはカチオン性水溶液を用いることが好ましい。2価もしくは3価の金属塩水溶液としては、液滴とした複合粒子用スラリーを凝固させやすく、球状の複合粒子が得られる観点、及び凝固後に凝固粒子同士が互いに結着しにくい観点から、塩化カルシウム硫酸マグネシウム硫酸亜鉛硫酸銅硝酸アルミニウム塩化バリウム塩化マグネシウム塩化第二鉄硫酸第二鉄硫酸アルミニウム鉄ミョウバン等の無機塩類の水溶液を用いることが好ましく、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硝酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄の水溶液を用いることがより好ましく、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムの水溶液を用いることがさらに好ましい。また、ある特定の水溶性高分子が凝固しやすい溶媒を凝固液として用いることで凝固粒子の互着を抑制することが可能である。水溶性高分子としてアニオン性水溶性高分子を用いる場合には酸性の凝固液を用いてもよい。その場合、pHの値が5以下であることが好ましく、揮発性の酸性液で凝固させると凝固液成分の除去が容易となる。

0100

凝固液として、2価または3価の金属塩水溶液を用いる場合の2価または3価の金属塩の濃度は、スラリーの液滴を強固に凝固させることができ、得られる複合粒子の形状が良好となる観点から、好ましくは0.4〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1.0〜10重量%である。2価または3価の金属塩の濃度が高すぎると、得られる電気化学素子の特性が悪化し、また、電極活物質層と集電体との接着性が悪化する。また、2価または3価の金属塩の濃度が低すぎると、液滴としたスラリーが凝固しなかったり、得られる複合粒子がもろくなる虞がある。

0101

また、カチオン性ポリマー水溶液としては、ポリエチレンイミンポリビニルアミンポリビニルピリジンポリアミンスルホンポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、ポリジアリルメチルアミンポリアミドアミンポリアクリル(メタクリル)酸エステルポリアミノアルキルアクリルアミドポリエポキシアミン、ポリアミドポリアミンポリエステルポリアミン、キトサンジアリルアンモニウムクロリド二酸化硫黄共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体ジシアンジアミドホルマリン縮合物ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物の高分子及びこれらの塩、更に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリビニルピリジニウムクロライドポリメタクリル酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム塩の水溶液を用いることが好ましく、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアミンスルホン、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、ポリジアリルメチルアミン、ポリアミドアミン、ポリアクリル(メタクリル)酸エステル、ポリアミノアルキルアクリルアミド、ポリアミドポリアミン、ポリエステルポリアミン、ジアリルアンモニウムクロリド二酸化硫黄共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物の高分子及びこれらの塩、更に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアクリル(メタクリル)酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム塩の水溶液を用いることがより好ましく、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル(メタクリル)酸エステル、ポリアクリル(メタクリル)酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、ジアリルアンモニウムクロリド二酸化硫黄共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体の水溶液を用いることがさらに好ましい。
カチオン性ポリマー水溶液に含まれるカチオン性ポリマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0102

凝固液として、カチオン性ポリマー水溶液を用いる場合のカチオン性ポリマーの濃度は、スラリーの液滴を強固に凝固させることができ、得られる複合粒子の形状が良好となる観点から、好ましくは0.4〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1.0〜10重量%である。カチオン性ポリマーの濃度が高すぎると、電極活物質層と集電体との接着性が悪化する。また、カチオン性ポリマーの濃度が低すぎると、液滴としたスラリーが凝固しなかったり、得られる複合粒子がもろくなる虞がある。

0103

(複合粒子の物性)
本発明の複合粒子の形状は、流動性の観点から実質的に球形であることが好ましい。すなわち、複合粒子の短軸径をLs、長軸径をLl、La=(Ls+Ll)/2とし、(1−(Ll−Ls)/La)×100の値を球形度(%)としたとき、球形度が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。ここで、短軸径Lsおよび長軸径Llは、走査型電子顕微鏡写真像より測定される値である。

0104

本発明の複合粒子の粒子径は、レーザー光回折法を用いた粒子径測定により得られる体積換算の粒子径分布において累積10%径(D10径)が好ましくは20μm以上100μm以下、より好ましくは25μm以上80μm以下、さらに好ましくは30μm以上60μm以下である。体積換算の粒子径分布において、累積10%径(D10径)が大きすぎると、薄膜が得られず、小さすぎると、搬送中に舞い上がる虞がある。なお、粒子径分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、SALD−3100;島津製作所製、マイクロトラックMT−3200II;日機装株式会社製)にて測定することにより得られる。

0105

本発明の複合粒子は、動的安息角が20°以上40°未満、好ましくは25°以上40°未満、より好ましくは25°以上35°未満である。動的安息角が大きすぎると、流動性が悪いため電極の膜厚精度が悪化し、小さすぎると、流動性が良すぎるため加圧が困難となる。

0106

ここで、動的安息角とは、円筒形容器に粉体を入れ、円筒軸線を水平にして円筒軸線回りに等速回転させたとき、円筒容器内に形成される傾斜した粉面の水平面に対してなす角度のことであり、動的平衡状態における安息角のことである。

0107

本発明において、複合粒子の動的安息角を制御する因子としては、複合粒子の粒径粒度分布、複合粒子中の結着剤の量、及び結着剤のガラス転移温度(Tg)などが挙げられる。複合粒子の粒径が小さい場合は、粒径が大きい場合に比べ表面積が大きいため、付着力が大きくなる。従って、動的安息角は大きくなる。複合粒子の粒度分布が広い場合は、中心粒径が等しければ、粒径の小さい粒子が多く含まれるため動的安息角は大きくなる。複合粒子中の結着剤の量が多い場合は、接着成分が増えるため、流動性が悪化し動的安息角は大きくなる。結着剤のガラス転移温度(Tg)が低い場合は、常温における接着機能が高いため複合粒子の流動性が悪くなる。そのため、動的安息角は大きくなる。

0108

また、本発明の複合粒子からなる複合粒子層の圧力損失は5mbar以下、好ましくは4mbar以下、より好ましくは3mbar以下である。圧力損失が大きすぎると、複合粒子を用いて製造された電極の電解液注液性が悪化する。

0109

本発明において複合粒子層の圧力損失は、メッシュ状のピストンを用いて複合粒子層を一定圧力で圧縮し、圧縮された複合粒子層に空気を通すことにより、空気を通す前後の圧力差差圧)として求めることができる。
具体的には、複合粒子を、高さ40mmとなるように積層して複合粒子層とし、この複合粒子層を10kPaの力で圧縮し、圧縮後の複合粒子層に2m/sの空気を通過させたときに、空気を通過させる前後の圧力の差圧(圧力損失)が前記範囲となれば本発明の複合粒子に該当する。
なお、圧力損失は粉体流動性分析装置(たとえば、パウダーレオメータFT4;freeman technology社製)にて測定することができる。

0110

(電気化学素子電極)
本発明の電気化学素子電極用複合粒子を含む電極活物質層を集電体上に積層することにより、電気化学素子電極を得ることができる。集電体の材料としては、たとえば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。金属としては、通常、銅、アルミニウム白金、ニッケル、タンタルチタンステンレス鋼、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面から、銅、アルミニウム又はアルミニウム合金を使用するのが好ましい。また、高い耐電圧性が要求される場合には特開2001−176757号公報等で開示される高純度のアルミニウムを好適に用いることができる。集電体は、フィルム又はシート状であり、その厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜200μm、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。

0111

電極活物質層を集電体上に積層する際には、複合粒子をシート状に成形し、次いで集電体上に積層してもよいが、集電体上で複合粒子を直接加圧成形する方法が好ましい。加圧成形する方法としては、例えば、一対のロールを備えたロール式加圧成形装置を用い、集電体をロールで送りながら、スクリューフィーダー等の供給装置で複合粒子をロール式加圧成形装置に供給することで、集電体上に電極活物質層を成形するロール加圧成形法や、複合粒子を集電体上に散布し、複合粒子をブレード等でならして厚みを調整し、次いで加圧装置で成形する方法、複合粒子を金型充填し、金型を加圧して成形する方法などが挙げられる。これらのなかでも、ロール加圧成形法が好ましい。特に、本発明の複合粒子は、高い流動性を有しているため、その高い流動性により、ロール加圧成形による成形が可能であり、これにより、生産性の向上が可能となる。

0112

ロール加圧成形を行う際のロール温度は、電極活物質層と集電体との密着性を十分なものとすることができる観点から、好ましくは25〜200℃、より好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは80〜120℃である。また、ロール加圧成形時のロール間のプレス線圧は、電極活物質層の厚みの均一性を向上させることができる観点から、好ましくは10〜1000kN/m、より好ましくは200〜900kN/m、さらに好ましくは300〜600kN/mである。また、ロール加圧成形時の成形速度は、好ましくは0.1〜20m/分、より好ましくは4〜10m/分である。

0113

また、成形した電気化学素子電極の厚みのばらつきを無くし、電極活物質層の密度を上げて高容量化を図るために、必要に応じてさらに後加圧を行ってもよい。後加圧の方法は、ロールによるプレス工程が好ましい。ロールプレス工程では、2本の円柱状のロールをせまい間隔で平行に上下にならべ、それぞれを反対方向に回転させて、その間に電極をかみこませることにより加圧する。この際においては、必要に応じて、ロールは加熱又は冷却等、温度調節してもよい。電極活物質層の厚みは、特に制限されないが、通常は5〜1000μm、好ましくは20〜500μm、より好ましくは30〜300μmである。

0114

(電気化学素子)
上述のようにして得られる電気化学素子電極を正極又は負極として用い、さらにセパレーターおよび電解液を備えることにより、電気化学素子を得ることができる。電気化学素子としては、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等が挙げられる。

0115

(セパレーター)
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレンポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、芳香族ポリアミド樹脂を含んでなる微孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質樹脂コート;などを用いることができる。具体例を挙げると、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンポリ塩化ビニル)、及びこれらの混合物あるいは共重合体等の樹脂からなる微多孔膜ポリエチレンテレフタレートポリシクロオレフィンポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミドポリアラミドナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂からなる微多孔膜;ポリオレフィン系の繊維を織ったもの又はその不織布;絶縁性物質粒子の集合体等が挙げられる。これらの中でも、セパレーター全体の膜厚を薄くすることができ、リチウムイオン二次電池内の活物質比率を上げて体積あたりの容量を上げることができるため、ポリオレフィン系の樹脂からなる微多孔膜が好ましい。

0116

セパレーターの厚さは、リチウムイオン二次電池においてセパレーターによる内部抵抗を小さくすることができる観点、および、リチウムイオン二次電池を製造する際の作業性に優れる観点から、好ましくは0.5〜40μm、より好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1〜25μmである。

0117

(電解液)
リチウムイオン二次電池用の電解液としては、例えば、非水溶媒支持電解質を溶解した非水電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が好ましく用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほど、リチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。

0118

電解液における支持電解質の濃度は、支持電解質の種類に応じて、0.5〜2.5モル/Lの濃度で用いることが好ましい。支持電解質の濃度が低すぎても高すぎても、イオン伝導度が低下する可能性がある。

0119

非水溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されない。非水溶媒の例を挙げると、ジメチルカーボネートDMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカーボネート(MEC)などのカーボネート類γ−ブチロラクトンギ酸メチルなどのエステル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホランジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;支持電解質としても使用されるイオン液体などが挙げられる。中でも、誘電率が高く、安定な電位領域が広いので、カーボネート類が好ましい。非水溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。一般に、非水溶媒の粘度が低いほどリチウムイオン伝導度が高くなり、誘電率が高いほど支持電解質の溶解度が上がるが、両者はトレードオフの関係にあるので、溶媒の種類や混合比によりリチウムイオン伝導度を調節して使用するのがよい。また、非水溶媒は全部あるいは一部の水素をフッ素に置き換えたものを併用あるいは全量用いてもよい。

0120

また、電解液には添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネートVC)などのカーボネート系;エチレンサルファイトES)などの含硫黄化合物;フルオロエチレンカーボネート(FEC)などのフッ素含有化合物が挙げられる。添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
なお、リチウムイオンキャパシタ用の電解液としては、上述のリチウムイオン二次電池に用いることができる電解液と同様のものを用いることができる。

0121

(電気化学素子の製造方法)
リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタ等の電気化学素子の具体的な製造方法としては、例えば、正極と負極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。さらに、必要に応じてエキスパンドメタルヒューズPTC素子などの過電流防止素子リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇過充放電を防止してもよい。リチウムイオン二次電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型円筒型角形、扁平型など、何れであってもよい。電池容器の材質は、電池内部への水分の侵入阻害するものであればよく、金属製、アルミニウムなどのラミネート製など特に限定されない。

0122

本発明の電気化学素子電極用複合粒子によれば、膜厚精度及び電解液注液性に優れた電極を形成することができる。また、この電極はプレス後の電極の広がりが小さい。

0123

以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨及び均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、以下の説明において量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、重量基準である。

0124

実施例及び比較例において、動的安息角の測定、圧力損失の測定及び粒子径分布の測定、並びに膜厚精度、電極の広がり、及び電解液注液性の評価はそれぞれ以下のように行った。

0125

<動的安息角の測定>
円筒形の容器に実施例及び比較例で得られた複合粒子を入れ、円筒軸線を水平にして円筒軸線回りに等速回転させ、円筒容器内に形成される傾斜した粉面の水平面に対してなす角度を測定した。具体的には、直径120mm、幅40mmの円筒容器に複合粒子を100cc入れ、その後、円筒容器を回転速度10rpmで回転させた。その時の粉面の水平面に対する角度を測定した。

0126

<圧力損失の測定>
直径50mmのサンプル管に、実施例及び比較例で得られた複合粒子を、複合粒子層の高さが40mmとなるように充填した。その後、メッシュ状のピストンを用い10kPaの力で複合粒子層を圧縮し、2m/sの空気を通した。複合粒子層に空気を通過させる前後の圧力測定し、その差圧を圧力損失とした。複合粒子層の圧力損失の測定は、パウダーレオメータFT4(freeman technology社製)を用いて行った。

0127

<粒子径分布の測定>
複合粒子の粒子径分布の測定は、乾式レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製:マイクロトラックMT−3200II)を用いて行った。

0128

<膜厚精度>
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池電極を、50mm×50mmに切り出し、10mm角に分割した(25領域)。25領域の厚さを測定し、最大値最小値の差を求めて、下記基準にて評価した。結果を表1に示した。
A:1μm未満
B:1μm以上2μm未満
C:2μm以上4μm未満
D:4μm以上

0129

<電極の広がり>
実施例及び比較例で得られた複合粒子を、厚さが50μmのPETフィルム上に散布した。その後、50mm幅、間隔300μmのドクターブレードを用いてスキージをし、均した後にプレスを行った。プレス後の電極幅とドクターブレード幅の差を求めて、下記基準にて評価した。結果を表1に示した。
A:0.3mm未満
B:0.3mm以上、0.5mm未満
C:0.5mm以上、1.0mm未満
D:1.0mm以上

0130

<電解液注液性>
実施例及び比較例で製造したリチウムイオン二次電池電極に電解液(溶媒:EC/DEC=1/2、電解質:濃度1モル/LのLiPF6)を2μL滴下し、滴下後から完全に液滴がなくなるまでの時間を測定し、下記基準にて評価した。結果を表1に示した。液滴がなくなるまでの時間が短いほど、電解液注液性が高いことを示す。
A:1分未満
B:1分以上5分未満
C:5分以上10分未満
D:10分以上

0131

[実施例1]
(複合粒子用スラリーの作製)
電極活物質として人造黒鉛(平均粒子径:24.5μm、黒鉛層間距離X線回折法による(002)面の面間隔(d値)):0.354nm)を97部、結着剤としてSBR水分散液(BM400B、ガラス転移温度(Tg):−5℃;日本ゼオン(株)製)を固形分換算量で2部、水溶性高分子としてカルボキシメチルセルロース(BSH−12;第一工業製薬社製)(以下、「CMC」ということがある。)を固形分換算量で0.5部、及び非水溶性多糖高分子繊維としてセルロースナノファイバーの2%水分散液(BiNFi−s(NMa−10002)、原料針葉樹、重合度:500;スギマシン社製)を固形分換算量で0.5部混合し、さらにイオン交換水を固形分濃度が35重量%となるように加え、混合分散して複合粒子用スラリーを得た。

0132

(複合粒子の製造)
上記複合粒子用スラリーを回転円盤方式のピン型アトマイザー(直径84mm)を用いたスプレー乾燥機(大川原化工機社製)に255mL/分で供給し、回転数17,000rpm、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度を90℃の条件で噴霧乾燥造粒を行った。

0133

次に噴霧乾燥により得られた複合粒子について分級を行った。具体的には、目開きが45μmの篩い網を用いて、篩い網下の粒子を除去した。篩い網上に残った複合粒子の粒子径を測定したところ、体積換算の粒子径分布において累積10%径(D10径)は35μmであった。また、動的安息角は28°、複合粒子層の圧力損失は0.7mbarであった。

0134

(リチウムイオン二次電池電極の作製)
上記で得られた複合粒子を、定量フィーダ(ニッカ社製「ニッカスプレーK−V」)を用いてロールプレス機(ヒラノ技研工業社製「押し切り粗面熱ロール」)のプレス用ロール(ロール温度100℃、プレス線圧500kN/m)に供給した。プレス用ロール間に、厚さ20μmの銅箔を挿入し、定量フィーダから供給された上記複合粒子を銅箔上に付着させ、成形速度1.5m/分で加圧成形し、リチウムイオン二次電池電極を得た。

0135

[実施例2]
複合粒子用スラリーの作製に用いる結着剤の量を、固形分換算量で3部に変更したこと以外は、実施例1と同様に複合粒子用スラリーの作製および複合粒子の製造を行った。この複合粒子の体積換算の粒子径分布における累積10%径(D10径)は35μmであった。また、動的安息角は33°、複合粒子層の圧力損失は0.5mbarであった。また、この複合粒子を用いた以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池電極の作製を行った。

0136

[実施例3]
複合粒子用スラリーの作製に用いる結着剤の量を、固形分換算量で0.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様に複合粒子用スラリーの作製および複合粒子の製造を行った。この複合粒子の体積換算の粒子径分布における累積10%径(D10径)は35μmであった。また、動的安息角は24°、複合粒子層の圧力損失は2mbarであった。また、この複合粒子を用いた以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池電極の作製を行った。

0137

[実施例4]
目開きが25μmの篩い網を用いて噴霧乾燥により得られた複合粒子の分級を行ったこと以外は、実施例1と同様に複合粒子用スラリーの作製および複合粒子の製造を行った。この複合粒子の体積換算の粒子径分布における累積10%径(D10径)は20μmであった。また、動的安息角は32°、複合粒子層の圧力損失は3mbarであった。また、この複合粒子を用いた以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池電極の作製を行った。

0138

[実施例5]
目開きが75μmの篩い網を用いて噴霧乾燥により得られた複合粒子の分級を行ったこと以外は、実施例1と同様に複合粒子用スラリーの作製および複合粒子の製造を行った。この複合粒子の体積換算の粒子径分布における累積10%径(D10径)は60μmであった。また、動的安息角は21°、複合粒子層の圧力損失は0.5mbarであった。また、この複合粒子を用いた以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池電極の作製を行った。

0139

[実施例6]
(複合粒子用スラリーの作製)
電極活物質としてのLiCoO2(以下、「LCO」ということがある。)91部、導電材としてのアセチレンブラック(HS−100、電気化学工業社製)(以下、「AB」ということがある。)6部、結着剤としてSBR水分散液(BM400B、ガラス転移温度(Tg):−5℃;日本ゼオン(株)製)を固形分換算量で2部、水溶性高分子としてカルボキシメチルセルロース(BSH−12;第一工業製薬社製)(以下、「CMC」ということがある。)を固形分換算量で0.5部、及び非水溶性多糖高分子繊維としてセルロースナノファイバーの2%水分散液(BiNFi−s(NMa−10002)、原料:針葉樹、重合度:500;スギノマシン社製)を固形分換算量で0.5部混合し、さらにイオン交換水を固形分濃度が50重量%となるように加え、混合分散して複合粒子用スラリーを調製した。

0140

(複合粒子の製造)
上記複合粒子用スラリーを回転円盤方式のピン型アトマイザー(直径84mm)を用いたスプレー乾燥機(大川原化工機社製)に255mL/分で供給し、回転数17,000rpm、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度を90℃の条件で噴霧乾燥造粒を行った。

0141

次に噴霧乾燥により得られた複合粒子について分級を行った。具体的には、目開きが45μmの篩い網を用いて、篩い網下の粒子を除去した。篩い網上に残った複合粒子の粒子径を測定したところ、体積換算の粒子径分布において累積10%径(D10径)は30μmであった。また、動的安息角は25°、複合粒子層の圧力損失は0.6mbarであった。

0142

(リチウムイオン二次電池電極の作製)
上記で得られた複合粒子を、定量フィーダ(ニッカ社製「ニッカスプレーK−V」)を用いてロールプレス機(ヒラノ技研工業社製「押し切り粗面熱ロール」)のプレス用ロール(ロール温度100℃、プレス線圧500kN/m)に供給した。プレス用ロール間に、厚さ20μmのアルミニウム箔を挿入し、定量フィーダから供給された上記複合粒子をアルミニウム箔上に付着させ、成形速度1.5m/分で加圧成形し、リチウムイオン二次電池電極を得た。

0143

[比較例1]
噴霧乾燥により得られた複合粒子を分級しなかったこと以外は、実施例1と同様に複合粒子用スラリーの作製および複合粒子の製造を行った。この複合粒子の体積換算の粒子径分布における累積10%径(D10径)は10μmであった。また、動的安息角は35°、複合粒子層の圧力損失は12mbarであった。また、この複合粒子を用いた以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池電極の作製を行った。

0144

[比較例2]
複合粒子用スラリーの作製に用いる結着剤の種類を、SBR水分散液(ガラス転移温度(Tg):−40℃)に変更したこと以外は、実施例1と同様に複合粒子用スラリーの作製および複合粒子の製造を行った。この複合粒子の体積換算の粒子径分布における累積10%径(D10径)は35μmであった。また、動的安息角は45°、複合粒子層の圧力損失は2mbarであった。また、この複合粒子を用いた以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池電極の作製を行った。

0145

[比較例3]
複合粒子用スラリーの作製に用いる結着剤の種類を、SBR水分散液(ガラス転移温度(Tg):40℃)に変更したこと以外は、実施例1と同様に複合粒子用スラリーの作製および複合粒子の製造を行った。この複合粒子の体積換算の粒子径分布における累積10%径(D10径)は35μmであった。また、動的安息角は15°、複合粒子層の圧力損失は2mbarであった。また、この複合粒子を用いた以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池電極の作製を行った。

0146

実施例

0147

上より、電極活物質、結着剤を含む電気化学素子電極用複合粒子であって、前記複合粒子からなる複合粒子層の圧力損失が5.0mbar以下であり、動的安息角が20°以上40°未満であると、得られた電極は、膜厚精度及び電解液注液性に優れ、また、プレス後の電極の広がりが小さかった。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ