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技術 透析用剤充填体

出願人 ニプロ株式会社
発明者 高橋俊成山田勇樹
出願日 2015年10月16日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2016-555203
公開日 2017年8月3日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 WO2016-063811
状態 特許登録済
技術分野 動物,微生物物質含有医薬 医薬品製剤 体外人工臓器 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード ナトリウムイオン含量 塩化カルシウム水和物 最大含量 透析施設 樹脂製袋 開封マーク クエン酸無水物 充填体
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図面 (8)

課題・解決手段

血液透析人工潅流液を調製する際に使用される透析用剤充填体を開示する。本発明の透析用剤充填体は、クエン酸成分および複数の電解質成分を含むA剤とA剤充填容器とを備え、該クエン酸成分と該複数の電解質成分とが、該A剤充填容器により分離されている、透析用A剤充填体;ならびに重炭酸塩を含むB剤と、B剤充填容器とを備える、透析用B剤充填体;を備える。本発明によれば、今後の血液透析患者世界的規模での増加およびそれに伴う血液透析用剤の需要に即した、より汎用性に優れた透析用剤充填体を提供することができる。

概要

背景

血液透析療法(以下、血液透析という)は、人工透析療法とも呼ばれ、慢性腎不全患者等に対して最も一般的に採用される血液浄化方法である。血液透析では、尿毒症を避けるために、血液内老廃物の除去に加え、血清電解質の濃度および水分量の維持が行われる。

血液透析は患者一人に対し3時間〜4時間をかけて行われ、必要とする透析潅流液の量は患者一人、1回当たり、例えば100リットル〜300リットルにも及ぶ。また、このような潅流液は細菌が繁殖し易い点も指摘されており、長期間の保存は困難とされてきた。このため、現実透析施設では、透析直前に粉状の血液透析用剤を透析用水に溶解して所望の人工潅流液を調製する実務が一般的となっている。

この人工潅流液としては、アルカリ化剤としての構成成分の1つとされてきた酢酸を使用した透析液が広く使用されてきたが、近年、透析中の不快症状を激減させる重曹重炭酸ナトリウム)を使用するものに代替されてきている。

さらに、近年では、酢酸塩について血管拡張心機能抑制作用がみられるとして、酢酸塩を使用しない無酢酸透析液溶剤が使用されてきている。そのような例として、構成成分であるクエン酸類配合割合やpHを所定範囲に設定する技術が知られている(特許文献1および2)。

しかし、当該炭酸水素ナトリウムを構成する重炭酸イオンは、血液透析用剤の他の構成成分であるカルシウムイオンマグネシウムと反応して、炭酸カルシウム炭酸マグネシウムなどの不溶性化合物炭酸金属塩)を生成することが指摘されている。このため、従来の血液透析用剤は、炭酸水素ナトリウム以外の構成成分を含有するA剤と、炭酸水素ナトリウムを含有するB剤とに分けられ、それぞれを異なる充填容器充填されている。

また、このような血液透析用A剤を充填容器に充填した充填体もまた、クエン酸塩化物塩(例えば、塩化ナトリウム)との接触により塩化水素ガスが発生するという問題点が指摘されており、例えば、塩化ナトリウムを核粒子としてその周囲を他の塩化物被覆する技術も知られている(特許文献3)。

一方、このような血液透析を必要とする患者は、今後も世界的規模でますます増加すると考えられている。このため、当該血液用剤充填体の汎用性を世界的規模で高めるためには、より製造効率を向上させることが必要とされる。また、充填体の長期保管を可能にすることを考慮すると、構成成分の分解や副生成物の生成も回避しなければならない。さらに、このような血液用剤充填体は、各透析施設にて人工潅流液への調製が行われるため、取扱性に一層優れるものであることが所望されている。

概要

血液透析用人工潅流液を調製する際に使用される透析用剤充填体を開示する。本発明の透析用剤充填体は、クエン酸成分および複数の電解質成分を含むA剤とA剤充填容器とを備え、該クエン酸成分と該複数の電解質成分とが、該A剤充填容器により分離されている、透析用A剤充填体;ならびに重炭酸塩を含むB剤と、B剤充填容器とを備える、透析用B剤充填体;を備える。本発明によれば、今後の血液透析患者の世界的規模での増加およびそれに伴う血液透析用剤の需要に即した、より汎用性に優れた透析用剤充填体を提供することができる。

目的

本発明は、上記問題の解決を課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

重炭酸血液透析人工潅流液を調製するための透析用A剤充填体であって、クエン酸成分および複数の電解質成分を含むA剤とA剤充填容器とを備え、そして該クエン酸成分と該複数の電解質成分とが、該A剤充填容器により分離されている、透析用A剤充填体。

請求項2

前記A剤充填容器が、前記クエン酸成分を含有する容器(A−1)と、前記複数の電解質成分を含有する容器(A−2)とから構成されている、請求項1に記載の透析用A剤充填体。

請求項3

前記複数の電解質成分を構成する最大含量電解質が、前記容器(A−2)に配置された開封スリットの最も近傍に積層して充填されている、請求項2に記載の透析用A剤充填体。

請求項4

前記最大含量の電解質がナトリウム塩である、請求項3に記載の透析用A剤充填体。

請求項5

前記クエン酸成分がクエン酸無水物である、請求項1から4のいずれかに記載の透析用A剤充填体。

請求項6

血液透析用人工潅流液を調製するための透析用剤充填体であって、請求項1から5のいずれかに記載の透析用A剤充填体;および重炭酸塩を含むB剤とB剤充填容器とを備える、透析用B剤充填体;を備える、透析用剤充填体。

請求項7

重炭酸血液透析用人工潅流液を調製するための透析用A剤充填体であって、クエン酸成分および複数の電解質成分を含むA剤とA剤充填容器とを備え、そして該クエン酸成分がクエン酸無水物である、透析用A剤充填体。

請求項8

前記クエン酸成分と前記複数の電解質成分とが、前記A剤充填容器により分離されている、請求項7に記載の透析用A剤充填体。

請求項9

前記A剤充填容器が、前記クエン酸成分を含有する容器(A−1)と、前記複数の電解質成分を含有する容器(A−2)とから構成されている、請求項8に記載の透析用A剤充填体。

請求項10

前記複数の電解質成分を構成する最大含量の電解質が、前記容器(A−2)に配置された開封スリットの最も近傍に積層して充填されている、請求項9に記載の透析用A剤充填体。

請求項11

前記最大含量の電解質がナトリウム塩である、請求項10に記載の透析用A剤充填体。

請求項12

血液透析用人工潅流液を調製するための透析用剤充填体であって請求項7から11のいずれかに記載の透析用A剤充填体;および重炭酸塩を含むB剤とB剤充填容器とを備える、透析用B剤充填体;を備える、透析用剤充填体。

請求項13

重炭酸血液透析用人工潅流液を調製するための透析用A剤充填体であって、クエン酸成分および複数の電解質成分を含むA剤とA剤充填容器とを備え、そして該A剤充填容器が、該クエン酸成分を含有する容器(A−1)と、該複数の電解質成分を含有する容器(A−2)とから構成されており、そして、該複数の電解質成分を構成する最大含量の電解質が、該容器(A−2)に配置された開封スリットの最も近傍に積層して充填されている、透析用A剤充填体。

請求項14

前記最大含量の電解質がナトリウム塩である、請求項13に記載の透析用A剤充填体。

請求項15

前記クエン酸成分がクエン酸無水物である、請求項13または14に記載の透析用A剤充填体。

請求項16

血液透析用人工潅流液を調製するための透析用剤充填体であって、請求項13から15のいずれかに記載の透析用A剤充填体;および重炭酸塩を含むB剤とB剤充填容器とを備える、透析用B剤充填体;を備える、透析用剤充填体。

技術分野

0001

本発明は、血液透析人工潅流液を調製する際に使用される透析用剤充填体に関する。

背景技術

0002

血液透析療法(以下、血液透析という)は、人工透析療法とも呼ばれ、慢性腎不全患者等に対して最も一般的に採用される血液浄化方法である。血液透析では、尿毒症を避けるために、血液内老廃物の除去に加え、血清電解質の濃度および水分量の維持が行われる。

0003

血液透析は患者一人に対し3時間〜4時間をかけて行われ、必要とする透析用潅流液の量は患者一人、1回当たり、例えば100リットル〜300リットルにも及ぶ。また、このような潅流液は細菌が繁殖し易い点も指摘されており、長期間の保存は困難とされてきた。このため、現実透析施設では、透析直前に粉状の血液透析用剤を透析用水に溶解して所望の人工潅流液を調製する実務が一般的となっている。

0004

この人工潅流液としては、アルカリ化剤としての構成成分の1つとされてきた酢酸を使用した透析液が広く使用されてきたが、近年、透析中の不快症状を激減させる重曹重炭酸ナトリウム)を使用するものに代替されてきている。

0005

さらに、近年では、酢酸塩について血管拡張心機能抑制作用がみられるとして、酢酸塩を使用しない無酢酸透析液溶剤が使用されてきている。そのような例として、構成成分であるクエン酸類配合割合やpHを所定範囲に設定する技術が知られている(特許文献1および2)。

0006

しかし、当該炭酸水素ナトリウムを構成する重炭酸イオンは、血液透析用剤の他の構成成分であるカルシウムイオンマグネシウムと反応して、炭酸カルシウム炭酸マグネシウムなどの不溶性化合物炭酸金属塩)を生成することが指摘されている。このため、従来の血液透析用剤は、炭酸水素ナトリウム以外の構成成分を含有するA剤と、炭酸水素ナトリウムを含有するB剤とに分けられ、それぞれを異なる充填容器充填されている。

0007

また、このような血液透析用A剤を充填容器に充填した充填体もまた、クエン酸塩化物塩(例えば、塩化ナトリウム)との接触により塩化水素ガスが発生するという問題点が指摘されており、例えば、塩化ナトリウムを核粒子としてその周囲を他の塩化物被覆する技術も知られている(特許文献3)。

0008

一方、このような血液透析を必要とする患者は、今後も世界的規模でますます増加すると考えられている。このため、当該血液用剤充填体の汎用性を世界的規模で高めるためには、より製造効率を向上させることが必要とされる。また、充填体の長期保管を可能にすることを考慮すると、構成成分の分解や副生成物の生成も回避しなければならない。さらに、このような血液用剤充填体は、各透析施設にて人工潅流液への調製が行われるため、取扱性に一層優れるものであることが所望されている。

先行技術

0009

特開2003−104869号公報
特開2008−246209号公報
国際公開第2005/094918号

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、今後の血液透析患者の世界的規模での増加およびそれに伴う血液透析用剤の需要に即した、より汎用性に優れた透析用剤充填体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、重炭酸血液透析用人工潅流液を調製するための透析用A剤充填体であって、
クエン酸成分および複数の電解質成分を含むA剤とA剤充填容器とを備え、そして
該クエン酸成分と該複数の電解質成分とが、該A剤充填容器により分離されている、透析用A剤充填体である。

0012

1つの実施形態では、上記A剤充填容器は、上記クエン酸成分を含有する容器(A−1)と、上記複数の電解質成分を含有する容器(A−2)とから構成されている。

0013

さらなる実施形態では、上記複数の電解質成分を構成する最大含量の電解質は、上記容器(A−2)に配置された開封スリットの最も近傍に積層して充填されている。

0014

またさらなる実施形態では、上記最大含量の電解質はナトリウム塩である。

0015

1つの実施形態では、上記クエン酸成分はクエン酸無水物である。

0016

本発明はまた、血液透析用人工潅流液を調製するための透析用剤充填体であって、上記透析用A剤充填体;および重炭酸塩を含むB剤とB剤充填容器とを備える、透析用B剤充填体;を備える、透析用剤充填体である。

0017

本発明はまた、重炭酸血液透析用人工潅流液を調製するための透析用A剤充填体であって、
クエン酸成分および複数の電解質成分を含むA剤とA剤充填容器とを備え、そして
該クエン酸成分がクエン酸無水物である、透析用A剤充填体である。

0018

1つの実施形態では、上記クエン酸成分と上記複数の電解質成分とは、上記A剤充填容器により分離されている。

0019

さらなる実施形態では、上記A剤充填容器は、上記クエン酸成分を含有する容器(A−1)と、上記複数の電解質成分を含有する容器(A−2)とから構成されている。

0020

またさらなる実施形態では、上記複数の電解質成分を構成する最大含量の電解質は上記容器(A−2)に配置された開封スリットの最も近傍に積層して充填されている。

0021

さらに別の実施形態では、上記最大含量の電解質はナトリウム塩である。

0022

本発明はまた、血液透析用人工潅流液を調製するための透析用剤充填体であって、上記透析用A剤充填体;および重炭酸塩を含むB剤とB剤充填容器とを備える、透析用B剤充填体;を備える、透析用剤充填体である。

0023

本発明はまた、重炭酸血液透析用人工潅流液を調製するための透析用A剤充填体であって、
クエン酸成分および複数の電解質成分を含むA剤とA剤充填容器とを備え、そして
該A剤充填容器が、該クエン酸成分を含有する容器(A−1)と、該複数の電解質成分を含有する容器(A−2)とから構成されており、そして、
該複数の電解質成分を構成する最大含量の電解質が、該容器(A−2)に配置された開封スリットの最も近傍に積層して充填されている、透析用A剤充填体である。

0024

1つの実施形態では、上記最大含量の電解質はナトリウム塩である。

0025

1つの実施形態では、上記クエン酸成分はクエン酸無水物である。

0026

本発明はまた、血液透析用人工潅流液を調製するための透析用剤充填体であって、上記透析用A剤充填体;および重炭酸塩を含むB剤とB剤充填容器とを備える、透析用B剤充填体;を備える、透析用剤充填体である。

発明の効果

0027

本発明によれば、従来と比較してより簡易に血液透析用剤充填体を製造することができる。本発明の血液透析用剤充填体はまた、長期保管による構成成分の変性だけでなく、保管中の有害物質の生成をも抑制することができる。本発明の血液透析用剤充填体はまた、人工潅流液の調製において、万一開封時に構成成分の一部がこぼれ落ちたとしても、人工潅流液中に調製した後の各構成成分の濃度に大きな変化が生じ難い。これにより各透析施設において取扱性が一層優れる。これらにより、今後の血液透析患者の世界的規模での増加およびそれに伴う血液透析用剤の需要に対して充分受容し得る血液透析用剤充填体を提供することができる。

図面の簡単な説明

0028

本発明の透析用剤充填体の一例を模式的に表す図である。
本発明の透析用剤充填体を構成する透析用A剤充填体の一例を説明するための模式図である。
透析用A剤充填体を構成する容器(A−1)の一例を説明するための模式図であって、(a)は当該容器(A−1)の正面図であり、そして(b)は当該容器(A−1)の縦方向断面図である。
透析用A剤充填体を構成する容器(A−2)の一例を説明するための模式図であって、(a)は当該容器(A−2)の正面図であり、そして(b)は当該容器(A−2)の縦方向断面図である。
本発明の透析用剤充填体を構成する透析用A剤充填体の他の例を説明するための模式図であって、当該透析用A剤充填体の容器(A−2)の正面図および縦方向断面図である。
本発明の透析用剤充填体を構成する透析用A剤充填体のさらに別の例を説明するための模式図であって、(a)は、容器(A−1)と容器(A−2)とが各々の上端の一部で固着されている透析用A剤充填体を表す図であり、そして(b)は、容器(A−1)と容器(A−2)との上方の高さを揃え、かつ横に配置して一体的に成形されている透析用A剤充填体を表す図である。
図1に示す透析用B剤充填体の一例を説明するための模式図であって、(a)は当該充填体の正面図であり、そして(b)は当該充填体の縦方向断面図である。

0029

以下、本発明について詳述する。

0030

(透析用剤充填体)
図1は、本発明の透析用剤充填体の一例を模式的に表す図である。

0031

本発明の透析用剤充填体は、血液透析用人工潅流液を調製するための血液透析用剤を充填させてなる複数の容器(充填体)の集合体である。図1に示す透析用剤充填体100は、透析用A剤充填体110と透析用B剤充填体180とを備える。

0032

本発明の第一の実施形態において、透析用A剤充填体110は、人工潅流液のうち、例えば、重炭酸血液透析用人工潅流液を調製するために必要とされる、A剤(すなわち、クエン酸成分および複数の電解質成分)を主として含有し、透析用B剤充填体180は、透析用人工潅流液を調製するために必要とされる、B剤(すなわち、重炭酸塩)を主として含有する。充填体110および180の表示欄112,182には、それぞれの充填体に含まれる構成成分の種類、含量、使用方法等の注意事項法令で定められた記載事項等がそれぞれの国や状況にあわせて記載されている。

0033

透析用A剤充填体110は、例えば、外装体111が樹脂成形体(例えば、袋状構造物または四方ヒートシールされた充填体)で構成されている。樹脂成形体の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような熱可塑性樹脂フィルム、およびアルミニウム蒸着プラスチックフィルム(例えば、VM−PET)、アルミパウチならびにこれらの積層体から構成されるものが挙げられる。透析用A剤充填体110を構成する外装体111の大きさは特に限定されず、後述するA剤充填容器または構成成分を適切に充填し得る大きさとなるように当業者が任意に設計することができる。

0034

透析用B剤充填体180は、例えば、外装体(容器)181が樹脂成形体(例えば、袋状構造物または四方がヒートシールされた充填体)で構成されている。樹脂成形体の例としては、透析用A剤充填体110と同じ樹脂成形体であってもよいが、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような熱可塑性樹脂フィルム、およびこれらの積層体から構成されるものが挙げられる。透析用B剤充填体180を構成する外装体181の大きさは特に限定されず、後述する重炭酸塩等を適切に充填し得る大きさとなるように当業者が任意に設計することができる。

0035

(透析用A剤充填体)
透析用A剤充填体は、上記の通り、A剤としてクエン酸成分および複数の電解質成分を含有する。クエン酸成分および複数の電解質成分は、いずれも好ましくは粉剤の形態を有する。ここで、本発明の第一の実施形態においては、透析用A剤充填体は、A剤充填容器を備え、当該クエン酸成分および複数の電解質成分は、当該A剤充填容器により分離されている。A剤充填容器によれば、クエン酸成分および複数の電解質成分を区分け小分け)して、すなわち混合または互いに接触させることなく別々に保存可能である。本発明において、このようなA剤充填容器におけるクエン酸成分と複数の電解質成分との分離は、例えば、これらの成分を少なくとも2つの容器、好ましくは2つの容器(A−1)および(A−2)に別々に充填すること、または図1に示す透析用A剤充填体110を構成する外装体111の内部にヒートシール等によって少なくとも2つ、好ましくは2つの区画を設け、これらの成分を別々に充填することによって達成され得る。

0036

クエン酸成分としては、例えばクエン酸が挙げられ、水和物または無水物、あるいはこれらの組合せのいずれであってもよい。さらに、クエン酸成分として、クエン酸に、塩化物塩以外のクエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウムなど)を含有していてもよい。

0037

複数の電解質成分としては、クエン酸以外の塩化物塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム塩化カリウム塩化カルシウムおよびこれらの組合せなど)が挙げられる。さらに、複数の電解質成分として、クエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩を含有していてもよい。

0038

図2は、本発明の透析用剤充填体を構成する透析用A剤充填体の一例を説明するための模式図である。

0039

図2に示すように、透析用A剤充填体110は、容器(A−1)122と、容器(A−2)124とから構成されるA剤充填容器125を備える。図2において、容器(A−1)122は、血液透析用人工潅流液の調製に用いられ得るクエン酸成分を含有する。容器(A−2)124は、当該人工潅流液の調製に用いられ得る複数の電解質成分を含有する。本発明において、容器(A−1)122および(A−2)124と、クエン酸成分および電解質成分とのこのような組合せは例示に過ぎず、例えば、容器(A−1)122に複数の電解質成分を含有し、容器(A−2)124にクエン酸成分を含有していてもよい。

0040

容器(A−1)122および容器(A−2)124の表示欄126,128には、それぞれの容器に含まれる構成成分の種類、含量、それぞれの国での法令で定められた記載事項等が記載されている。

0041

(透析用A剤充填体の構成成分)
本発明において、透析用A剤充填体に含まれるクエン酸成分の例としては、クエン酸水和物およびクエン酸無水物が挙げられる。本発明の上記実施形態では、クエン酸成分は、例えば、容器(A−1)に含有され得るが、容器(A−1)には、クエン酸成分とともに後述する電解質成分の一部(例えば、クエン酸ナトリウムなどの使用量の一部)が含まれていてもよい。このような場合は、クエン酸成分として、クエン酸無水物を用いることが好ましい。

0042

なお、本発明の第二の実施形態では、A剤充填容器により、クエン酸成分と複数の電解質成分とを分離することなく(例えば、上記容器(A−1)および(A−2)で区分することなく)、1つのA剤充填容器の中でクエン酸成分および電解質成分を組合せて透析用A剤充填体を構成することも可能である。1つのA剤充填容器に、クエン酸成分および複数の電解質成分を組み合わせる場合、当該A剤充填容器には、例えば、図1に示すような透析用A剤充填体110の外装体111をそのまま使用することができる。ただし、このような場合は、電解質成分に含まれる塩化物と反応して塩化水素が発生することを抑制するために、クエン酸成分としてクエン酸無水物が使用される。

0043

本発明において、透析用A剤充填体に含まれるクエン酸成分の含量は、使用する電解質成分の含量、調製される人工潅流液に所望される濃度等によって変化するため必ずしも限定されないが、調製される人工潅流液において、クエン酸イオン含量を基準として、例えば、1.5mEq/L〜5mEq/L、好ましくは2mEq/L〜3mEq/Lとなる含量が当業者によって設定され得る。クエン酸成分がこのような含量を有することにより、人工潅流液は、例えば7〜8.5、好ましくは7.5〜8のpHを有するように調製可能である。

0044

また、人工潅流液用の濃縮液として調製する場合は、状況に合わせて、例えば、上記人工灌流液の35倍〜45倍の濃度となる含量が設定される。

0045

本発明において、透析用A剤充填体に含まれる複数の電解質成分は、血液透析用人工潅流液の調製において一般に使用され得る電解質である。このような電解質の例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム(例えば、塩化カルシウム水和物)、塩化マグネシウム(例えば、塩化マグネシウム水和物)、およびクエン酸ナトリウム(例えば、クエン酸ナトリウム水和物)が挙げられる。

0046

上記複数の電解質の含量は、使用する上記クエン酸成分の含量、調製される人工潅流液に所望される濃度および調製される量等によって変化するため、必ずしも限定されず、当業者によって任意の含量が設定され得る。なお、本発明においては、上記複数の電解質のうち、塩化ナトリウムが他の電解質(すなわち、塩化カリウム、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウム)のそれぞれと比較して最大含量を有することが好ましい。血液中電解質濃度に合わせて設定するためである。

0047

本発明において、透析用A剤充填体に含まれ得る塩化ナトリウムの含量は、使用するクエン酸成分の含量、他の電解質成分の含量、調製される人工潅流液に所望される濃度等によって変化するため必ずしも限定されないが、調製される人工潅流液において、ナトリウムイオン含量を基準として、例えば、75mEq/L〜150mEq/L、好ましくは80mEq/L〜145mEq/Lとなる含量が当業者によって設定され得る。

0048

上記透析用A剤充填体はまた、上記クエン酸成分および電解質成分以外に、他の成分を含有していてもよい。他の成分の例としては、pH調整剤が挙げられる。pH調整剤の例としては、有機酸が挙げられる。有機酸のさらに例としては、クエン酸、シュウ酸酒石酸マレイン酸アスコルビン酸オキサロ酢酸グルコン酸イソクエン酸リンゴ酸およびピルビン酸、ならびにそれらの組合せが挙げられる。上記透析用A剤充填体において、当該他の成分は、上記クエン酸成分および複数の電解質成分が奏する透析用A剤としての機能を阻害しない程度において適切な量が当業者によって適宜選択され得る。

0049

(透析用A剤充填体の形態)
図3は、透析用A剤充填体を構成する容器(A−1)の一例を説明するための模式図であって、(a)は当該容器(A−1)の正面図であり、そして(b)は当該容器(A−1)の縦方向断面図である。

0050

容器(A−1)122は、例えば、袋状構造物または四方がヒートシールされたものである。容器(A−1)を構成し得る材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような熱可塑性樹脂フィルム、およびアルミニウム蒸着プラスチックフィルム(例えば、VM−PET)、ならびにこれらの積層体が挙げられる。容器(A−1)122の大きさは特に限定されず、構成成分を適切に充填し得る大きさとなるように当業者が任意に設計することができる。

0051

上記クエン酸成分が容器(A−1)122に含有されている場合、図3の(b)に示すように、クエン酸成分層142は、当該容器(A−1)122に設けられた開封スリット132の付近まで容器(A−1)122内に所定量が充填されていることが好ましい。言い換えれば、容器(A−1)122の内部は、クエン酸成分層142を充填しても、図3の(b)に示すような配置(図3の(a)に示すような表示欄126を正面に向けた際の配置)において、開封スリット132の付近でわずかな空間部144が設けられるような大きさに設計されていることが好ましい。ここで、空間部144は、空間容積を低下されるか、あるいは必要に応じて窒素ガスなどの不活性ガスが充填されている。本発明において、容器(A−1)122内に当該空間部144が形成されていること(すなわち、容器(A−1)122内のすべてをクエン酸成分層142で充填させないこと)により、人が開封スリット132を手で引き裂いた際に、構成成分のクエン酸成分層142が容器(A−1)122外に誤って飛散させる可能性を低減することができる。

0052

図4は、透析用A剤充填体を構成する容器(A−2)の一例を説明するための模式図であって、(a)は当該容器(A−2)の正面図であり、そして(b)は当該容器(A−2)の縦方向断面図である。

0053

容器(A−2)124は、例えば、袋状構造物または四方がヒートシールされたものである。容器(A−2)を構成し得る材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような熱可塑性樹脂フィルム、およびアルミニウム蒸着プラスチックフィルム(例えば、VM−PET)、ならびにこれらの積層体が挙げられる。容器(A−2)124の大きさは特に限定されず、構成成分を適切に充填し得る大きさとなるように当業者が任意に設計することができる。

0054

上記複数の電解質成分が容器(A−2)124に含有されている場合、図4の(b)に示すように、電解質成分(クエン酸ナトリウム層152、塩化カリウム層154、塩化カルシウム層156、塩化マグネシウム層158および塩化ナトリウム層160)は、当該容器(A−2)124に設けられた開封スリット134の付近で容器(A−2)124内にそれぞれの所定量が充填されていることが好ましい。言い換えれば、容器(A−2)124の内部は、当該電解質成分を充填しても、図4の(b)に示すような配置(図4の(a)に示すような表示欄128を正面に向けた際の配置)において、開封スリット134の付近でわずかな空間部146が設けられるような大きさに設計されていることが好ましい。ここで、空間部146は、例えば、空気を抜いてできるだけ空間容積を低下させるか、あるいは必要に応じて窒素ガスなどの不活性ガスが充填されている。本発明において、容器(A−2)124内に当該空間部146が形成されていること(すなわち、容器(A−2)124内のすべてを電解質成分で充填させないこと)により、人が開封スリット134を手で引き裂いた際に、構成成分の電解質成分が容器(A−2)124外に誤って飛散させる可能性を低減することができる。

0055

なお、上記容器(A−2)124に充填される電解質成分の層(クエン酸ナトリウム層152、塩化カリウム層154、塩化カルシウム層156、塩化マグネシウム層158および塩化ナトリウム層160)は、図4の(b)に示すように各成分を積層して充填したものであってもよく、あるいは各成分を予め略均一となるように混合したものを充填したものであってもよい。

0056

さらに本発明においては、図4の(b)に示すように、容器(A−2)124に充填される上記複数の電解質成分のうち、最大含量の電解質が該容器(A−2)に配置された開封スリットの最も近傍に積層して充填されていることが好ましい。当該最大含量の電解質は、好ましくは塩化ナトリウムである。またさらに、最大含量の電解質をほぼ2等分し該容器(A−2)の上層下層とに分離して、これらの層で他の成分を積層するようにして充填してもよい。

0057

本発明において、このような最大含量を有する電解質の充填方法や、上層および下層に分離して他の成分を積層する充填方法は、容器(A−2)だけでなく、容器(A−1)および容器Bについて充填する場合にも適用され得る。

0058

本発明の透析用剤充填体は、血液透析用人工潅流液の調製のため、例えば、看護師などの様々な医療従事者によって開封される。開封は常に慎重に行われるべきであるが、開封時に一部の成分が誤って飛散してしまう事態も想定される。この場合、例えば、上記複数の電解質成分が略均一に混合されたものであれば、上記複数の電解質成分を構成する電解質のうち、微量または少量の電解質も一緒に飛散することとなる。このため、一部が飛散した充填体から血液透析用人工潅流液を仮に調製したとしても、その潅流液における当該微量または少量の電解質の濃度は著しく変動することになる。

0059

しかし、図4の(b)に示すように最大含量の電解質(塩化ナトリウム層160)を開封スリット134の近傍に積層した場合は、開封によって仮に一部の電解質成分が飛散して失われたとしても、実質的に最大含量の電解質の一部のみが失われることとなる。その結果、調製された潅流液において、当該最大含量の電解質以外の各電解質の濃度の変動はなく、かつ当該最大含量の電解質の濃度自体も(元々最大含量を有していたために)実質的な変動が少ないものとなる。

0060

このような積層のメリットは、例えば、以下のシミュレーションを通じて、一層明確に説明することができる。

0061

上記容器(A−2)に含有させるべき複数の電解質成分とその量は、例えば、クエン酸ナトリウム14g、塩化カリウム55g、塩化カルシウム81g、塩化マグネシウム38gおよび塩化ナトリウム1830gである。この例において、最大含量の電解質は塩化ナトリウム(1830g)である。このような複数の電解質成分を、図4の(b)に示す順序で容器(A−2)124に積層した場合、最大含量の塩化ナトリウム層160が、容器(A−2)124の開封スリット134の最も近傍に配置される。

0062

ここで、開封スリット134を開封し、仮に電解質成分の30gが飛散して失われたと仮定する。容器(A−2)の開封スリット134の近傍に配置された最上層は塩化ナトリウムで構成されているため、当該30gは、通常すべて塩化ナトリウムであることが明らかである。その場合、一部が飛散した透析用A剤充填体の構成成分を、水に溶解して、このまま10リットルの人工潅流液を調製すると、人工潅流液中で各電解質を構成するイオン濃度は、そのような飛散が行われなかった場合と比較して、表1のように表すことができる。

0063

0064

表1に示すように、図4の(b)に示すような、容器(A−2)124において、最大含量の電解質(塩化ナトリウム層160)を開封スリット134の近傍に積層した場合、30gもの大量の飛散が起きたとしても、その後調製される人工潅流液における各イオン濃度は、ナトリウムイオン濃度および塩化物イオン濃度にわずかに低下するものの、血液透析への適用を妨げる程にまで低下するものではないことがわかる。

0065

一方、容器(A−2)124において、最大含量の電解質(塩化マグネシウム層158)を開封スリット134の近傍に積層した場合、30gもの大量の飛散が起きたとしても、その後調製される人工潅流液における各イオン濃度のうち、マグネシウムイオン濃度は80%失われ、血液透析への適用を大きく妨げる程にまで低下するものとなる。

0066

なお、図4の(b)では、容器(A−2)中に含まれる複数の電解質は、当該容器の底部から、クエン酸ナトリウム層152、塩化カリウム層154、塩化カルシウム層156、塩化マグネシウム層158および塩化ナトリウム層160の順で、開封スリット134の最も近傍に最大含量の塩化ナトリウム層160が配置されている例を説明したが、本発明は、必ずしもこのような積層順序に限定されない。すなわち、本発明においては、最大含量の電解質(例えば塩化ナトリウム層160)が、開封スリットの最も近傍に配置されている限り、他の電解質を構成する層の積層順序は特に限定されず、当該他の電解質の全部または一部が略均一となるように混合されていてもよく、任意の順序で積層されたものであってもよい。

0067

本発明においては、上記図4では、開封スリット134が、容器(A−2)124の上方側部においてVノッチの形態で設けられる例を説明したが、必ずしもこのような配置および形態に限定されない。開封スリットは、ハサミ刃物で切ることができるように、例えば、印刷によるマーキングが記されているのみでもよいが、例えば:
(1)図5に示すような、容器(A−2)の上方側部にミシン目開封マークまたは溝が設けられた開封部162を設け、当該開封部を容器(A−2)内部の空間部146にまで到達させていないもの(図5の(a)および(b));
(2)容器(A−2)の上方側部にミシン目の開封マークまたは溝が設けられた開封部164を容器(A−2)内部の空間部146にまで到達するまで設けたもの(図5の(c)および(d));ならびに
(3)容器(A−2)の上端から、上方側部の方向に向かって開封マークまたは溝が設けられた開封部166を設け、当該開封部を容器(A−2)内部の空間部146にまで到達させていないもの(図5の(e)および(f));
であってもよい。

0068

さらに、本発明においては、例えば、図6の(a)および(b)に示すように、容器(A−1)122と、容器(A−2)124とが一体となって透析用A剤充填体110(またはA剤充填容器)を構成するものであってもよい。

0069

図6の(a)では、容器(A−1)122および容器(A−2)の各々の上端の一部127が、例えば、ヒートシールまたは接着剤によって互いに固着され、容器(A−1)122および容器(A−2)124に共通して、開封スリットとして上端から上方側部の方向に向かって開封部166が設けられている。このような構成において、開封部166を通じて、容器(A−1)122および容器(A−2)124を同時に開封することができる。

0070

一方、図6の(b)では、容器(A−1)122と容器(A−2)124とが、開封が予定されている上方の高さを揃えて、一体的に成形されている。さらに、容器(A−1)122の上方側部、および容器(A−2)124の上方側部には、それぞれVノッチ163,165が設けられている。また、容器(A−1)122と容器(A−2)124との間は、必要に応じてミシン目の開封部129が設けられている。このような構成において、Vノッチ163または165のいずれかを通じて、容器(A−1)122および容器(A−2)124を一度に開封することができる。また、開封部129に沿って、容器(A−1)122および容器(A−2)124を必要に応じて分離することもできる。

0071

(透析用B剤充填体)
透析用B剤充填体は、重炭酸塩を含むB剤とB剤充填容器とを備える。

0072

本発明において、透析用B剤充填体に含まれる重炭酸塩の例としては、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。

0073

図7は、図1に示す透析用B剤充填体の一例を説明するための模式図であって、(a)は当該充填体の正面図であり、そして(b)は当該充填体の縦方向断面図である。

0074

図7の(b)に示すように、透析用B剤充填体180において、重炭酸塩層174は、容器(B)(外装体)181の底部側に配置され、そして塩化ナトリウム層172が、開封スリット136の付近で容器(B)181内に充填されていることが好ましい。言い換えれば、容器(B)181の内部は、重炭酸塩層174および塩化ナトリウム層172を充填しても、図7の(b)に示すような配置(図7の(a)に示すような表示欄182を正面に向けた際の配置)において、開封スリット136の付近でわずかな空間部148が設けられるような大きさに設計されていることが好ましい。ここで、空間部148は、空間容積を低下させるか、あるいは必要に応じて窒素ガスなどの不活性ガスが充填されている。本発明において、容器(B)181内に当該空間部148が形成されていること(すなわち、容器(B)181内のすべてを重炭酸塩層172および塩化ナトリウム層174で充填させないこと)により、人が開封スリット136を手で引き裂いた際に、構成成分(主に重炭酸塩層174)が容器(B)181外に誤って飛散させる可能性を低減することができる。

0075

本発明において、透析用B剤充填体に含まれる重炭酸塩の含量は、使用する上記クエン酸成分および電解質成分の含量、調製される人工潅流液に所望される濃度および調製される量等によって変化するため必ずしも限定されないが、調製される人工潅流液において、例えば、15mEq/L〜45mEq/L、好ましくは25mEq/L〜40mEq/Lとなる含量が当業者によって設定され得る。

0076

また、上記において塩化ナトリウム層174が設けられる場合、その含有量は、上記透析A剤充填体に含まれ得る塩化ナトリウムとの合計が、本発明の透析用剤充填体に必要とされる塩化ナトリウムの量を満足する量となるように当業者によって適宜選択され得る。

0077

(血液透析用人工潅流液の調製)
本発明の透析用剤充填体は、使用直前まで例えば、高湿を避けた暗所にて保管される。透析用人工潅流液の調製にあたっては、例えば、所定のエンドトキシン濃度未満を有する透析用水に上記透析用A剤充填体の構成成分を添加して溶解され、一方他の透析用水に透析用B剤充填体の構成成分を添加して溶解される。その後、所定の濃度までの希釈所定比率での両溶液の混合が行われ、人工潅流液が調製される。

0078

調製された人工潅流液は、透析時間により異なるが、例えば100L〜300Lの用量で透析患者に当業者に公知の手段を用いて慎重に処置される。

0079

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。

0080

<実施例1:クエン酸無水物を用いたA剤充填体の作製>
ポリエチレンテレフタレートフィルムと、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムと、ポリエチレンフィルムとを積層して得られた樹脂製袋(約0.3リットル)に、底部から順に、14gのクエン酸ナトリウム、55gの塩化カリウム、81gの塩化カルシウム、38gの塩化マグネシウムおよび39gのクエン酸無水物を積層しながら充填し、開口部をヒートシールして、A剤充填体(1)を得た。

0081

得られたA剤充填体(1)を、40℃かつ75%RHの加速条件下に1週間放置した。その後、A剤充填体(1)内の塩化水素濃度を、ガス検知管(株式会社ガステック製GV−100S)を備えるガス検知器(株式会社ガステック製14M)により測定した(1回目)。同様の操作および測定を第2回目として行った。得られた第1回目および第2回目の結果をそれぞれ表2に示す。

0082

<比較例1:クエン酸水和物を用いたA剤充填体の作製>
クエン酸無水物の代わりに42gのクエン酸水和物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複数個のA剤充填体(2)を得た。

0083

得られたA剤充填体(2)の他の1つを、40℃かつ75%RHの加速条件下に1週間放置した。その後、A剤充填体(2)内の塩化水素濃度を、上記と同様にして測定した(第1回目)。同様の操作および測定を第2回目として行った。得られた第1回目および第2回目の結果を表2に示す。

0084

<実施例2:クエン酸無水物の別包A−1充填体の作製>
ポリエチレン製樹脂製袋(約0.1リットル)に、39gのクエン酸無水物を充填し、開口部をヒートシールして、A−1剤充填体(3)を得た。

0085

また、ポリエチレン製樹脂製袋(約0.2リットル)に、底部から順に、14gのクエン酸ナトリウム、55gの塩化カリウム、81gの塩化カルシウム、38gの塩化マグネシウムを積層しながら充填し、開口部をヒートシールして、A−2剤充填体(3)を得た。

0086

上記A−1剤充填体(3)およびA−2剤充填体(3)をポリエチレンテレフタレートフィルムと、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムと、ポリエチレンフィルムとを積層して得られた樹脂製袋(約0.3リットル)に入れ、開口部をヒートシールして、A剤充填体(3)を得た。得られたA剤充填体(3)を、40℃かつ75%RHの加速条件下に1週間放置した。その後、A剤充填体(3)袋内、A−1剤充填体(3)袋内およびA−2剤充填体(3)袋内のそれぞれの塩化水素濃度を、ガス検知管(株式会社ガステック製GV−100S)を備えるガス検知器(株式会社ガステック製14M)により測定した(1回目)。同様の操作および測定を第2回目として行った。得られた第1回目および第2回目の結果をそれぞれ表2に示す。

0087

実施例

0088

表2に示すように、A剤充填体として、クエン酸成分にクエン酸無水物を用いた場合、当該A剤充填体の保存中に発生する塩化水素濃度を著しく低下させることができたことがわかる。また、クエン酸成分と複数の電解質成分とを分離することで、塩化水素ガスの発生を抑制できたことがわかる。

0089

本発明によれば、より簡易に血液透析用剤充填体を製造することができ、長期保存や、開封の際の万一の構成成分の飛散に対しても、許容し得る血液透析用人工潅流液を調製することができる。すなわち、より安価で大量生産が可能となり、移送および保管のための時間を拡張することができる。これにより、国内の透析患者への使用だけでなく、より大多数の外国の透析患者に対しても適切な血液透析用人工潅流液を提供することができる点で有用である。

0090

100透析用剤充填体
110透析用A剤充填体
111 透析用A剤外装体
112,126,128,182表示欄
122容器(A−1)
124 容器(A−2)
125 A剤充填容器
142クエン酸成分層
132,134,136開封スリット
144,146,148 空間部
152クエン酸ナトリウム層
154塩化カリウム層
156塩化カルシウム層
158塩化マグネシウム層
160,174塩化ナトリウム層
162,164,166 開封部
172重炭酸塩層
180 透析用B剤充填体
181 容器(B)(外装体)

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