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技術 キシロースからエタノールを生産する酵母

出願人 JXTGエネルギー株式会社
発明者 小西仁牟田口梢栄福田明上村毅
出願日 2015年10月14日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2016-554106
公開日 2017年7月27日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 WO2016-060171
状態 特許登録済
技術分野 微生物による化合物の製造 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理
主要キーワード バイオアルコール 挿入対象 エタノール量 追加供給 実験室レベル アルコール脱水素酵素活性 ソルビトール脱水素酵素 加えよ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月27日)のものです。
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図面 (5)

課題・解決手段

本発明は、キシロースからのエタノール生産能の改善された酵母を提供することを目的とする。本発明は、キシロース資化遺伝子およびペントースリン酸経路およびエタノール生産経路酵素遺伝子宿主酵母内に発現可能に導入された形質転換酵母を提供する。

概要

背景

近年、CO2排出削減の観点から、石油代替燃料としてバイオアルコールの利用が注目されている。特に、草木資源とするバイオアルコールは盛んに検討されている。草木などのセルロース系バイオマスから得られる糖の約三分の一はキシロースが占めることから、バイオアルコールの製造に使用されるキシロース資化性酵母が様々に研究されている。

バイオエタノール生産には、サッカロマイセスセレビシア(Saccharomyces cerevisiae)に代表される酵母が主に使用されている。サッカロマイセス・セレビシアはグルコースマンノースなどの六炭糖からのエタノール生産能が高く、エタノールに対する高い耐性を有している。しかしながら、サッカロマイセス・セレビシアは、キシロースなどの五炭糖を利用することができない。

キシロース資化能を有する酵母としてシファマイセス・スティピティス(Scheffersomyces stipitis)が知られている。サッカロマイセス・セレビシアは、シファゾマイセス・スティピティスの有するキシロースを資化するための遺伝子群に対応する遺伝子群を内在するが、サッカロマイセス・セレビシアにおけるこれらの遺伝子の多くは発現していないか、あるいは、発現していたとしてもその量は極めて少ないと考えられている。そのため、キシロース資化性酵母由来遺伝子導入によるサッカロマイセス・セレビシアの改良が進められている。

しかし、これらの遺伝子はサッカロマイセス・セレビシアにとって外来遺伝子であるので、上記の方法で作製した酵母は組換え体に該当し、外界への菌体漏出を防ぐ手段が必要になるなど、その利用に様々な制約が生じるため好ましいものではない。

これまでに、サッカロマイセス・セレビシアに内在するキシロース資化遺伝子を活性化することにより、キシロース資化能を付与した酵母の作製が検討されている(WO2010/001906号(特許文献1)、WO2014/058034号(特許文献2))。これらの手法を用いて作製された酵母は、酵母自身に由来するキシロース資化遺伝子を利用していることから、遺伝子組換え体ではないという長所を有する。

しかしながら、依然として、キシロースからのエタノール生産能をさらに向上させた酵母の開発が望まれている。

概要

本発明は、キシロースからのエタノール生産能の改善された酵母を提供することを目的とする。本発明は、キシロース資化遺伝子およびペントースリン酸経路およびエタノール生産経路酵素遺伝子宿主酵母内に発現可能に導入された形質転換酵母を提供する。

目的

しかしながら、依然として、キシロースからのエタノール生産能をさらに向上させた酵母の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子が発現可能に導入された、形質転換酵母

請求項2

前記遺伝子が、当該酵母内在性遺伝子である、請求項1に記載の酵母。

請求項3

前記遺伝子が宿主酵母染色体上に発現可能に挿入されたものである、請求項1又は2に記載の酵母。

請求項4

キシロース還元酵素をコードする遺伝子がGRE3である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の酵母。

請求項5

キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子がXKS1である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の酵母。

請求項6

キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子がSOR1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の酵母。

請求項7

トランスアルドラーゼをコードする遺伝子がTAL1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の酵母。

請求項8

トランスケトラーゼをコードする遺伝子がTKL1である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の酵母。

請求項9

アルコール脱水素酵素をコードする遺伝子がADH1である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の酵母。

請求項10

キシロースからエタノール生産する能力を有するものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の酵母。

請求項11

宿主酵母が、六炭糖資化能を有するが五炭糖資化能を有しないものである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の酵母。

請求項12

宿主酵母が、サッカロマイセス属に属する酵母である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵母。

請求項13

宿主酵母が、サッカロマイセスセレビシア種に属する酵母である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の酵母。

請求項14

請求項1〜13のいずれか1項に記載の形質転換酵母をキシロース含有培地で培養し、得られる培養物からエタノールを採取することを含む、エタノールの生産方法

技術分野

0001

本発明は、キシロースからエタノール生産する酵母に関する。

背景技術

0002

近年、CO2排出削減の観点から、石油代替燃料としてバイオアルコールの利用が注目されている。特に、草木資源とするバイオアルコールは盛んに検討されている。草木などのセルロース系バイオマスから得られる糖の約三分の一はキシロースが占めることから、バイオアルコールの製造に使用されるキシロース資化性酵母が様々に研究されている。

0003

バイオエタノールの生産には、サッカロマイセスセレビシア(Saccharomyces cerevisiae)に代表される酵母が主に使用されている。サッカロマイセス・セレビシアはグルコースマンノースなどの六炭糖からのエタノール生産能が高く、エタノールに対する高い耐性を有している。しかしながら、サッカロマイセス・セレビシアは、キシロースなどの五炭糖を利用することができない。

0004

キシロース資化能を有する酵母としてシファマイセス・スティピティス(Scheffersomyces stipitis)が知られている。サッカロマイセス・セレビシアは、シファゾマイセス・スティピティスの有するキシロースを資化するための遺伝子群に対応する遺伝子群を内在するが、サッカロマイセス・セレビシアにおけるこれらの遺伝子の多くは発現していないか、あるいは、発現していたとしてもその量は極めて少ないと考えられている。そのため、キシロース資化性酵母由来遺伝子導入によるサッカロマイセス・セレビシアの改良が進められている。

0005

しかし、これらの遺伝子はサッカロマイセス・セレビシアにとって外来遺伝子であるので、上記の方法で作製した酵母は組換え体に該当し、外界への菌体漏出を防ぐ手段が必要になるなど、その利用に様々な制約が生じるため好ましいものではない。

0006

これまでに、サッカロマイセス・セレビシアに内在するキシロース資化遺伝子を活性化することにより、キシロース資化能を付与した酵母の作製が検討されている(WO2010/001906号(特許文献1)、WO2014/058034号(特許文献2))。これらの手法を用いて作製された酵母は、酵母自身に由来するキシロース資化遺伝子を利用していることから、遺伝子組換え体ではないという長所を有する。

0007

しかしながら、依然として、キシロースからのエタノール生産能をさらに向上させた酵母の開発が望まれている。

先行技術

0008

WO2010/001906号
WO2014/058034号

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、キシロースからのエタノール生産能の改善された酵母を提供することを目的とする。本発明は、キシロース分解酵素をコードする遺伝子を利用した従来のキシロース資化性酵母よりもエタノール生産能をさらに向上させた酵母、好ましくは、酵母自身に由来する遺伝子を利用することにより、優れたエタノール生産性を有する形質転換酵母を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子およびキシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子の3つの遺伝子を導入した従来のキシロース資化性酵母に、さらに、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子を導入すると、キシロースからのエタノール生産能が増強された酵母が得られることを見出した。すなわち、本発明者は、上記6つの遺伝子の組合せを導入した酵母は、キシロースからエタノールを効率よく生産できることを見出した。そして、このようにして得られた酵母は、従来のキシロース資化性酵母に比べてキシロース利用能が高く、キシロースからのエタノールの生産効率を改善できることを見出し、本発明を完成した。

0011

すなわち、本発明は以下に関する。
[1]キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子が発現可能に導入された、形質転換酵母。
[2] 前記遺伝子が、当該酵母の内在性遺伝子である、[1]に記載の酵母。
[3] 前記遺伝子が宿主酵母染色体上に発現可能に挿入されたものである、[1]又は[2]に記載の酵母。
[4] キシロース還元酵素をコードする遺伝子がGRE3である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の酵母。
[5] キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子がXKS1である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の酵母。
[6] キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子がSOR1である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の酵母。
[7] トランスアルドラーゼをコードする遺伝子がTAL1である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の酵母。
[8] トランスケトラーゼをコードする遺伝子がTKL1である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の酵母。
[9] アルコール脱水素酵素をコードする遺伝子がADH1である、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の酵母。
[10] キシロースからエタノールを生産する能力を有するものである、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の酵母。
[11] 宿主酵母が、六炭糖資化能を有するが五炭糖資化能を有しないものである、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の酵母。
[12] 宿主酵母が、サッカロマイセス属に属する酵母である、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の酵母。
[13] 宿主酵母が、サッカロマイセス・セレビシア種に属する酵母である、[1]〜[12]のいずれか1つに記載の酵母。
[14] [1]〜[13]のいずれか1つに記載の形質転換酵母をキシロース含有培地で培養し、得られる培養物からエタノールを採取することを含む、エタノールの生産方法

発明の効果

0012

本発明により、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子が導入された形質転換酵母が提供される。
本発明の一態様において、本発明の形質転換酵母は、酵母自身の有する遺伝子で形質転換して作製される。このため、本発明の形質転換酵母は遺伝子組換え体に該当せず、安全性や取り扱いの容易さの点で好ましい。
また、本発明の形質転換酵母は、キシロースからエタノールを効率的に生産することが可能である。したがって、本発明により、キシロースからエタノールを生産する方法および当該方法に使用可能な、キシロースからエタノールを生産可能な形質転換酵母が提供される。

図面の簡単な説明

0013

キシロースを基質として含む培地における、形質転換酵母(焼酎酵母)のエタノール収率を示した図である。黒色は実施例2で得られたキシロース資化能付与酵母の結果を表し、灰色は実施例3で得られたTAL1・TKL1遺伝子過剰発現株の結果を表し、白色は実施例4で得られたTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株の結果を表す。
グルコースおよびエタノールを基質として含む培地における、形質転換酵母(焼酎酵母)のエタノール収率を示した図である。黒色は実施例2で得られたキシロース資化能付与酵母の結果を表し、灰色は実施例3で得られたTAL1・TKL1遺伝子過剰発現株の結果を表し、白色は、実施例4で得られたTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株の結果を表す。
グルコースおよびエタノールを基質として含む培地における、形質転換酵母(焼酎酵母)のエタノール収率を示した図である。灰色は実施例3で得られたTAL1・TKL1遺伝子過剰発現株の結果を表し、白色は、実施例4で得られたTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株の結果を表す。
ADH1遺伝子の発現量を解析した結果を示す図である。灰色は実施例3で得られたTAL1・TKL1遺伝子過剰発現株の結果を表し、白色は、実施例4で得られたTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株の結果を表す。
酵母のADH1活性を測定した結果を示す図である。灰色は実施例3で得られたTAL1・TKL1遺伝子過剰発現株の結果を表し、白色は、実施例4で得られたTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株の結果を表す。

0014

以下、本発明を詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの説明に限定されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で当業者であれば適宜変更し実施することができる。

0015

1.本発明の概要
本発明は、キシロースの資化およびペントースリン酸経路エタノール生産経路に関する6種の酵素に関する遺伝子、すなわち、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子を、発現可能に導入した形質転換酵母が、優れたエタノール生産能を有するという知見に基づくものである。

0016

本発明の形質転換酵母は、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子およびキシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子などのキシロース資化遺伝子と、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子を発現可能に導入することにより作製することができる。あるいは、本発明の形質転換酵母は、プロモーター置換することなどによって、宿主酵母の有するキシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子および/またはアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子の発現量を増大させることにより、作製することもできる。

0017

本明細書において、「キシロース資化遺伝子」とは、キシロースの資化に関与する酵素をコードする遺伝子である。本発明において宿主酵母に導入されるキシロース資化遺伝子は、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子およびキシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子の少なくとも3つの遺伝子である。本発明において、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子は、ソルビトール脱水素酵素をコードする遺伝子を用いることが好ましい。

0018

また、本明細書において、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子の少なくとも3つの遺伝子も宿主酵母に導入される。これら3つの遺伝子は、ペントースリン酸経路およびエタノール生産経路に関する酵素をコードする遺伝子である。

0019

本発明の別の態様において、宿主酵母に導入されるこれら遺伝子は、宿主酵母に由来する遺伝子である。すなわち、本発明の別の態様において、酵母が本来有する(内在性の)酵素遺伝子の発現を活性化し、酵母自身の有する酵素の活性を高めることを特徴の一つとされる。

0020

本発明の別の態様において、宿主酵母に導入されるこれら遺伝子は、宿主酵母の染色体上に導入されることを特徴の一つとするものである。

0021

また、本発明の別の態様において、上記6種の酵素に関する遺伝子を導入した形質転換酵母は、キシロースからのエタノールへの優れた生産能を有する。

0022

酵母の中には、キシロース資化酵素群が実質的に機能していない、いわゆる休眠状態にあるために、キシロースなどの五炭糖資化能を有さない酵母が存在する。例えば、サッカロマイセス属に属する酵母は、キシロース資化酵素群をコードする遺伝子群を有しているにもかかわらず、キシロースを利用してエタノールを生産することができない。

0023

このようなエタノール生産能を有さないとされる酵母に、自身由来のキシロース資化遺伝子を導入することまたはプロモーターを置換することによって、キシロース資化内在性遺伝子の活性を高め、キシロース資化能を付与することができる。また、酵母自身由来のキシロース資化遺伝子だけでなく、酵母自身由来のペントースリン酸経路およびエタノール生産経路に関する酵素の遺伝子(トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子)を導入することまたはこれら遺伝子のプロモーターを置換することによって、これら遺伝子の活性も高めると、キシロースからのエタノール生成効率はさらに向上する。したがって、本発明の形質転換酵母は、キシロース資化遺伝子が染色体上に挿入された酵母に、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子を導入した酵母であってもよい。また、本発明により、エタノール生産能を有さないとされる酵母において、キシロースを利用してエタノールを効率よく生産させることができる。また、本発明は、エタノール生産能を有さないとされる酵母やエタノール生産能を向上させたい酵母に有効に適用することができる。

0024

また、本発明の形質転換酵母は、キシロースからのエタノールへの優れた生産能を有するため、本発明は、上記形質転換酵母を培養し、得られる培養物からエタノールを採取することによるエタノールの生産方法も提供する。

0025

2.本発明の形質転換酵母
本発明の形質転換酵母は、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子およびキシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子などのキシロース資化遺伝子と、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子とが、発現可能に導入された酵母である。

0026

(1)宿主酵母
本発明において、遺伝子導入または形質転換の対象となる酵母は、キシロースなどの五炭糖の資化能を有していない酵母であることが好ましい。前記酵母は遺伝子導入または形質転換の前に五炭糖資化能を有していないものであればよく、グルコースなどの六炭糖の資化能を有していてもよい。「五炭糖資化能」は、キシロースなどの五炭糖を炭素源として生育する能力をいう。五炭糖資化能を有する酵母は、炭素源として五炭糖のみを添加した培地中で生育可能であるため、五炭糖資化能は、炭素源として五炭糖のみを添加した培地中における酵母の生育程度を600 nmまたは660 nmなどの波長での濁度を測定することで確認することができる。

0027

あるいは、本発明において、遺伝子導入または形質転換の対象となる酵母は、エタノールの生産性を向上する目的で選択することもできる。このような酵母としては、例えば、キシロース資化能を付与された酵母やキシロース資化能を賦活化された酵母を挙げることができる。

0028

本発明において、遺伝子導入または形質転換の対象となる酵母は、特に限定されるわけではないが、例えば、サッカロマイセス属に属する酵母などを挙げることができる。サッカロマイセス属に属する酵母としては、研究室酵母株などのサッカロマイセス・セレビシア種を挙げることができる。また、本発明において、遺伝子導入または形質転換の対象となる酵母は1倍体だけでなく2倍体の酵母を使用することができる。2倍体の酵母は実用酵母として優れており、例えば、パン酵母日本酒酵母、焼酎酵母、ワイン酵母などの醸造酵母などを挙げることができる。

0029

また、本発明において、遺伝子導入または形質転換の対象となる酵母は、エタノールへの耐性を備えた醸造用酵母であることが好ましく、そのような酵母としては、特に限定されるわけではないが、サッカロマイセス属に属する酵母(例えば、サッカロマイセス・セレビシア)などを挙げることができる。

0030

したがって、本発明において遺伝子導入または形質転換の対象となる酵母は、好ましくはサッカロマイセス属に属する酵母、より好ましくはサッカロマイセス・セレビシアである。

0031

(2)導入遺伝子
本発明において、キシロース資化遺伝子は、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子およびキシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子の少なくとも3つの遺伝子であり、中でもキシリトール脱水素酵素は好ましくはソルビトール脱水素酵素である。より具体的には、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子およびキシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子は、それぞれ、GRE3(アルド・ケト還元酵素遺伝子3)、SOR1(ソルビトール脱水素酵素遺伝子1)およびXKS1(キシルロースリン酸化酵素遺伝子1)が好ましい。

0032

また、本明細書において、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子も酵母に導入される。より具体的には、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子は、それぞれ、TAL1(トランスアルドラーゼ遺伝子1)、TKL1(トランスケトラーゼ遺伝子1)およびADH1(アルコール脱水素酵素遺伝子1)が好ましく酵母に導入される。

0033

本発明において当該キシロース資化遺伝子並びにトランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子は、外来の遺伝子または内在性の遺伝子のいずれも使用できるが、内在性の遺伝子であることが好ましい。「内在性遺伝子」とは、遺伝子挿入対象の酵母の有する遺伝子、遺伝子挿入対象の酵母由来の遺伝子、遺伝子挿入対象の酵母と同種の酵母由来の遺伝子を意味する。したがって、内在性遺伝子を導入された酵母は組換え体に該当しない。

0034

(キシロース還元酵素をコードする遺伝子)
酵母の有するキシロース還元酵素をコードする遺伝子として、GRE3、YJR096w、YPR1、GCY1、ARA1およびYDR124wが知られている。したがって、本発明において、キシロース還元酵素をコードする遺伝子として、GRE3、YJR096w、YPR1、GCY1、ARA1またはYDR124wを使用することができる。本明細書ではGRE3をキシロース還元酵素をコードする遺伝子の例に挙げて説明するが、YJR096w、YPR1、GCY1、ARA1およびYDR124wは、GRE3に関する本明細書での記載を適用し、本発明において同様に使用することができる。

0035

GRE3、YJR096w、YPR1、GCY1、ARA1およびYDR124wの塩基配列情報は、当業者であれば、Genbankなどの公知のデータベースから入手することができる。以下にサッカロマイセス・セレビシアにおける各遺伝子の配列情報についてのアクセッション番号を示す。
GRE3:U00059、YJR096w:Z49596、YPR1:X80642、GCY1:X13228、ARA1:M95580、YDR124w:Z48758。

0036

本発明において、GRE3(アルド・ケト還元酵素遺伝子3)は、アルド・ケト還元酵素をコードする塩基配列を含む遺伝子であり、例えばサッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号21で示される塩基配列からなるDNA、または配列番号22で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAである。GRE3がコードするタンパク質は、酵母においてキシロース還元酵素としても機能することが知られている。また、GRE3タンパク質は、シェファソマイセス・スティピティスのXYL1(キシロース還元酵素(XR))とアミノ酸配列の同一性相同性)を有するタンパク質である。

0037

本発明において、GRE3は、例えば、配列番号21で示される塩基配列を基にプライマーを設計し、酵母ライブラリー又はゲノムライブラリーから遺伝子増幅技術により得ることができる。

0038

本発明で使用されるGRE3は、GRE3タンパク質の変異体をコードする遺伝子を含む。GRE3タンパク質の変異体をコードする遺伝子は、例えば、配列番号21で示される塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつキシロース還元酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む。キシロース還元酵素活性については後述する。

0039

GRE3タンパク質の変異体をコードするDNAは、配列番号21で示される塩基配列からなるDNA又はその断片をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーションプラークハイブリダイゼーションサザンブロット等の公知のハイブリダイゼーション法により、cDNAライブラリー及びゲノムライブラリーから得ることができる。ライブラリーの作製方法については、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual 4th ed.」(Cold Spring Harbor Press(2012))等を参照することができる。また、市販のcDNAライブラリー及びゲノムライブラリーを用いてもよい。

0040

ここで、ストリンジェントな条件は、ハイブリダイゼーション後の洗浄条件として、例えば、「2×SSC、0.1%SDS、42℃」、「1×SSC、0.1%SDS、37℃」、よりストリンジェントな条件としては、例えば、「1×SSC、0.1%SDS、65℃」、「0.5×SSC、0.1%SDS、50℃」等の条件を挙げることができる。

0041

ハイブリダイゼーションは、公知の方法によって行うことができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual 4th ed.」(Cold Spring Harbor Laboratory Press(2012))、「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & Sons(1987-1997))等を参照することができる。

0042

また、本明細書において、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAには、例えば、配列番号21で示される塩基配列と少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、80%以上または85%以上、より好ましくは90%以上、95%以上、96%以上、97%以上または98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに一層好ましくは99.7%以上、特に好ましくは99.9%の同一性(相同性)を有する塩基配列を含むDNAが含まれる。同一性を示す値は、BLASTなどの公知のプログラムを利用することにより算出することができる。

0043

また、配列番号21で示される塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAは、例えば、配列番号21で示される塩基配列において1個又は数個核酸欠失、置換又は付加などの変異の生じた塩基配列を含むDNAが挙げられる。このようなDNAとしては、例えば、(i) 配列番号21で示される塩基配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)の塩基が欠失したDNA、(ii) 配列番号21で示される塩基配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)の塩基が他の塩基に置換したDNA、(iii) 配列番号21で示される塩基配列中に1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)の塩基が付加したDNAおよび(iv) それらの変異が組み合わされたDNAであって、かつキシロース還元酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAなどが挙げられる。

0044

本発明において、塩基配列の確認は、慣用の方法により配列決定することにより行うことができる。例えば、ジデオキシヌクレオチドチェーンターミネーション法(Sanger et al.(1977)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74: 5463)等により行うことができる。また、適当なDNAシークエンサーを利用して配列を解析することも可能である。

0045

本発明において、例えばサッカロマイセス・セレビシア由来のGRE3(アルド・ケト還元酵素遺伝子3)は、配列番号22で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするものも含まれる。本発明では、サッカロマイセス・セレビシア由来のGRE3タンパク質又はそれらの変異体をコードする遺伝子も、GRE3(アルド・ケト還元酵素遺伝子3)に含まれる。

0046

GRE3タンパク質の変異体は、(i) 配列番号22で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失したタンパク質、(ii) 配列番号22で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換したタンパク質、(iii) 配列番号22で示されるアミノ酸配列中に1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が付加したタンパク質および(iv) それらの変異が組み合わされたタンパク質であって、かつキシロース還元酵素活性を有するタンパク質などが挙げられる。

0047

ここで、「キシロース還元酵素活性」とは、NAD+(またはNADP+)の存在下でキシロースをキシリトールに変換する活性を意味する。本発明において、GRE3タンパク質の変異体は、キシロース還元酵素活性を有する限り、その活性の程度に特に限定されないが、例えば配列番号22で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の約10%以上の活性を有していればよい。タンパク質の有するキシロース還元酵素活性は、公知の方法で測定することができる。

0048

(キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子)
酵母の有するキシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子として、SOR1、SOR2およびYLR070cが知られている。したがって、本発明において、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子として、SOR1、SOR2またはYLR070cを使用することができるが、好ましくはSOR1である。本明細書ではSOR1をキシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子の例に挙げて説明するが、SOR2およびYLR070cはSOR1に関する本明細書での記載を適用することができる。なお、SOR1およびSOR2は互いに99.9%の遺伝子配列における同一性を有する。

0049

SOR1、SOR2およびYLR070cの塩基配列情報は、当業者であれば、Genbankなどの公知のデータベースから入手することができる。以下にサッカロマイセス・セレビシアにおける各遺伝子の配列情報についてのアクセッション番号を示す。
SOR1:L11039、SOR2:Z74294、YLR070c:Z73242。

0050

本発明において、SOR1(ソルビトール脱水素酵素遺伝子1)は、ソルビトール脱水素酵素をコードする塩基配列を含む遺伝子であり、例えばサッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号23で示される塩基配列からなるDNA、または配列番号24で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAである。SOR1がコードするタンパク質は、酵母においてキシリトール脱水素酵素としても機能することが知られている。また、SOR1タンパク質は、シェファソマイセス・スティピティスのXYL2(キシリトール脱水素酵素(XDH))とアミノ酸配列の同一性(相同性)(53%)を有するタンパク質である。

0051

本発明で使用されるSOR1は、SOR1タンパク質の変異体をコードする遺伝子を含む。SOR1タンパク質の変異体をコードする遺伝子は、例えば、サッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号23で示される塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつキシリトール脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む。

0052

また、本発明で使用されるSOR1は、以下のSOR1タンパク質の変異体をコードする遺伝子であってもよい:(i) 配列番号24で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失したタンパク質、(ii) 配列番号24で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換したタンパク質、(iii) 配列番号24で示されるアミノ酸配列中に1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が付加したタンパク質および(iv) それらの変異が組み合わされたタンパク質であって、かつキシリトール脱水素酵素活性を有するタンパク質。

0053

ここで「キシリトール脱水素酵素活性」は、キシリトールをキシルロースに脱水素化する活性を意味する。本発明において、SOR1タンパク質の変異体は、キシリトール脱水素酵素活性を有する限り、その活性の程度に特に限定されないが、例えば配列番号24で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の約10%以上の活性を有していればよい。タンパク質の有するキシリトール脱水素酵素活性は、公知の方法で測定することができる。

0054

上記ハイブリダイズするDNAに含まれるDNA、およびハイブリダイズの条件等は、前述の説明が同様に適用できる。また、本発明において、SOR1は、GRE3に対して記載された方法と同様の方法により取得または製造することができる。

0055

(キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子)
本発明において、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子として、XKS1(キシルロースリン酸化酵素遺伝子1)を使用することができる。XKS1の塩基配列情報は、当業者であれば、Genbankなどの公知のデータベースから入手することができる。例えば、サッカロマイセス・セレビシアのXKS1のアクセッション番号は、Z72979である。

0056

本発明において、XKS1(キシルロースリン酸化酵素遺伝子1)は、キシルロースリン酸化酵素をコードする塩基配列を含む遺伝子であり、例えばサッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号25で示される塩基配列からなるDNA、または配列番号26で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAである。

0057

本発明で使用されるXKS1は、XKS1タンパク質の変異体をコードする遺伝子を含む。XKS1タンパク質の変異体をコードする遺伝子は、例えば、サッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号25で示される塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつキシルロースリン酸化酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む。

0058

また、本発明で使用されるXKS1は、以下のXKS1タンパク質の変異体をコードする遺伝子であってもよい:(i) 配列番号26で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失したタンパク質、(ii) 配列番号26で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換したタンパク質、(iii) 配列番号26で示されるアミノ酸配列中に1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が付加したタンパク質および(iv) それらの変異が組み合わされたタンパク質であって、かつキシルロースリン酸化酵素活性を有するタンパク質。

0059

ここで「キシルロースリン酸化酵素活性」は、キシルロースをリン酸化する活性を意味する。本発明において、XKS1タンパク質の変異体は、キシルロースリン酸化酵素活性を有する限り、その活性の程度に特に限定されないが、例えば配列番号26で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の約10%以上の活性を有していればよい。タンパク質の有するキシルロースリン酸化酵素活性は、公知の方法で測定することができる。

0060

上記ハイブリダイズするDNAに含まれるDNA、およびハイブリダイズの条件等は、前述の説明が同様に適用できる。また、本発明において、XKS1は、GRE3に対して記載された方法と同様の方法により取得または製造することができる。

0061

(トランスアルドラーゼをコードする遺伝子)
本発明において、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子として、TAL1(トランスアルドラーゼ遺伝子1)またはTAL2(トランスアルドラーゼ遺伝子2)を使用することができる。TAL1およびTAL2の塩基配列情報は、当業者であれば、Genbankなどの公知のデータベースから入手することができる。例えば、サッカロマイセス・セレビシアのTAL1およびTAL2のアクセッション番号は、それぞれX15953およびX59720である。本明細書ではTAL1をトランスアルドラーゼをコードする遺伝子の例に挙げて説明するが、TAL2についてもTAL1に関する本明細書での記載を同様に適用することができる。

0062

本発明において、TAL1(トランスアルドラーゼ遺伝子1)は、トランスアルドラーゼをコードする塩基配列を含む遺伝子であり、例えばサッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号27で示される塩基配列からなるDNA、または配列番号28で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAである。

0063

本発明で使用されるTAL1は、TAL1タンパク質の変異体をコードする遺伝子を含む。TAL1タンパク質の変異体をコードする遺伝子は、例えば、サッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号27で示される塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつトランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む。

0064

また、本発明で使用されるTAL1は、以下のTAL1タンパク質の変異体をコードする遺伝子であってもよい:(i) 配列番号28で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失したタンパク質、(ii) 配列番号28で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換したタンパク質、(iii) 配列番号28で示されるアミノ酸配列中に1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が付加したタンパク質および(iv) それらの変異が組み合わされたタンパク質であって、かつトランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質。

0065

ここで「トランスアルドラーゼ活性」は、セドヘプツロース−7−リン酸グリセルアルデヒド−3−リン酸⇔エリスロース−4−リン酸+フルクトース−6−リン酸の反応を触媒する活性を意味する。本発明において、TAL1タンパク質の変異体は、トランスアルドラーゼ活性を有する限り、その活性の程度に特に限定されないが、例えば配列番号28で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の約10%以上の活性を有していればよい。タンパク質の有するトランスアルドラーゼ活性は、公知の方法で測定することができる。

0066

上記ハイブリダイズするDNAに含まれるDNA、およびハイブリダイズの条件等は、前述の説明が同様に適用できる。また、本発明において、TAL1は、GRE3に対して記載された方法と同様の方法により取得または製造することができる。

0067

(トランスケトラーゼをコードする遺伝子)
本発明において、トランスケトラーゼをコー
ドする遺伝子として、TKL1(トランスケトラーゼ遺伝子1)またはTKL2(トランスケトラーゼ遺伝子2)を使用することができる。TKL1およびTKL2の塩基配列情報は、当業者であれば、Genbankなどの公知のデータベースから入手することができる。例えば、サッカロマイセス・セレビシアのTKL1およびTKL2のアクセッション番号は、それぞれX73224およびX73532である。本明細書ではTKL1をトランスケトラーゼをコードする遺伝子の例に挙げて説明するが、TKL2についてもTKL1に関する本明細書での記載を同様に適用することができる。

0068

本発明において、TKL1(トランスケトラーゼ遺伝子1)は、トランスケトラーゼをコードする塩基配列を含む遺伝子であり、例えばサッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号29で示される塩基配列からなるDNA、または配列番号30で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAである。

0069

本発明で使用されるTKL1は、TKL1タンパク質の変異体をコードする遺伝子を含む。TKL1タンパク質の変異体をコードする遺伝子は、例えば、サッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号29で示される塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつトランスケトラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む。

0070

また、本発明で使用されるTKL1は、以下のTKL1タンパク質の変異体をコードする遺伝子であってもよい:(i) 配列番号30で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失したタンパク質、(ii) 配列番号30で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換したタンパク質、(iii) 配列番号30で示されるアミノ酸配列中に1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が付加したタンパク質および(iv) それらの変異が組み合わされたタンパク質であって、かつトランスケトラーゼ活性を有するタンパク質。

0071

ここで「トランスケトラーゼ活性」は、セドヘプツロース−7−リン酸+グリセルアルデヒド−3−リン酸⇔キシルロース−5−リン酸+リボース−5−リン酸の反応を触媒する活性を意味する。本発明において、TKL1タンパク質の変異体は、トランスケトラーゼ活性を有する限り、その活性の程度に特に限定されないが、例えば配列番号30で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の約10%以上の活性を有していればよい。タンパク質の有するトランスケトラーゼ活性は、公知の方法で測定することができる。

0072

上記ハイブリダイズするDNAに含まれるDNA、およびハイブリダイズの条件等は、前述の説明が同様に適用できる。また、本発明において、TKL1は、GRE3に対して記載された方法と同様の方法により取得または製造することができる。

0073

(アルコール脱水素酵素をコードする遺伝子)
本発明において、アルコール脱水素酵素をコードする遺伝子として、ADH1(アルコール脱水素酵素遺伝子1)を使用することができる。ADH1の塩基配列情報は、当業者であれば、Genbankなどの公知のデータベースから入手することができる。例えば、サッカロマイセス・セレビシアのADH1のアクセッション番号は、X83121である。

0074

本発明において、ADH1(アルコール脱水素酵素遺伝子1)は、アルコール脱水素酵素をコードする塩基配列を含む遺伝子であり、例えばサッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号31で示される塩基配列からなるDNA、または配列番号32で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAである。

0075

本発明で使用されるADH1は、ADH1タンパク質の変異体をコードする遺伝子を含む。ADH1タンパク質の変異体をコードする遺伝子は、例えば、サッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号31で示される塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアルコール脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む。

0076

また、本発明で使用されるADH1は、以下のADH1タンパク質の変異体をコードする遺伝子であってもよい:(i) 配列番号32で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失したタンパク質、(ii) 配列番号32で示されるアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換したタンパク質、(iii) 配列番号32で示されるアミノ酸配列中に1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が付加したタンパク質および(iv) それらの変異が組み合わされたタンパク質であって、かつアルコール脱水素酵素活性を有するタンパク質。

0077

ここで「アルコール脱水素酵素活性」は、アルコール酸化してアルデヒドにする活性を意味する。本発明において、ADH1タンパク質の変異体は、アルコール脱水素酵素活性を有する限り、その活性の程度に特に限定されないが、例えば配列番号32で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の約10%以上の活性を有していればよい。タンパク質の有するアルコール脱水素酵素活性は、公知の方法で測定することができる。

0078

上記ハイブリダイズするDNAに含まれるDNA、およびハイブリダイズの条件等は、前述の説明が同様に適用できる。また、本発明において、ADH1は、GRE3に対して記載された方法と同様の方法により取得または製造することができる。

0079

本発明において、上記6種の遺伝子を当該遺伝子の由来と同種の宿主酵母に導入することにより、酵母自身の酵素活性が遺伝子導入前よりも向上することが期待される。例えば、実施例で示すように、本発明の酵母において、アルコール脱水素酵素活性は増大している。また、非組換え酵母を作製する場合は、宿主酵母に導入される上記6種の遺伝子は、内在性の遺伝子であることが必要である。

0080

(3)酵母への遺伝子の導入
本発明において、キシロース資化遺伝子(例えば、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子およびキシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子の3つの遺伝子)、並びにトランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子を宿主酵母に発現可能に導入することにより、本発明の形質転換酵母を作製することができる。また、これらの遺伝子のプロモーターを、遺伝子の発現量を増大させるプロモーターに置換することにより、本発明の形質転換酵母を作製することもできる。

0081

本発明の形質転換酵母は、好ましくは、GRE3、SOR1、XKS1、TAL1、TKL1およびADH1が発現可能に導入された酵母である。本明細書において、「発現可能に(導入または挿入)」とは、導入または挿入された遺伝子が形質転換体において所定の条件で発現できるような形で導入または挿入されることを意味する。

0082

本発明において、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子およびキシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子は、好ましくは酵母の染色体上に発現可能に挿入される。また、本発明において、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子は、好ましくは酵母の染色体上に発現可能に挿入される。すなわち、本発明において、酵母への遺伝子の導入は、酵母の染色体上への遺伝子の挿入を含む。本発明の形質転換酵母は、好ましくは、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子が染色体上に発現可能に挿入された酵母であり、より好ましくは、GRE3、SOR1、XKS1、TAL1、TKL1およびADH1が染色体上に発現可能に挿入された酵母である。

0083

本発明において、染色体に挿入されるそれぞれの遺伝子の個数は限定されず、1個または複数個である。また、染色体に挿入される各遺伝子の順番は特に限定されない。また、遺伝子を挿入する染色体の位置は、特に限定されないが、酵母内で機能していない部位が好ましく、例えば、XYL2部位(Genbankアクセッション番号Z73242)、HXT13部位、HXT17部位、AUR1部位、などが挙げられる。遺伝子をコードしていない染色体上の部位に挿入することも可能である。遺伝子をコードしていない染色体上の部位としてTy因子の1つであるδ配列が挙げられる。δ配列は、酵母の染色体上に複数(約100コピー)存在することが知られている。酵母染色体におけるδ配列の位置および配列情報は、公知である(例えば、Science 265, 2077 (1994))。例えばδ配列の途中にキシロース資化性遺伝子を挿入したプラスミドを酵母に導入することで、染色体上の目的の位置に1または複数コピーの当該遺伝子を挿入することができる。またδ配列のほかに同じくTy因子であるσ配列、τ配列に挿入することもできる。またNTS2などのリボソーム遺伝子部位に挿入することもできる。

0084

遺伝子を染色体上に挿入する場合、それぞれの遺伝子は個別に染色体上に挿入してもよいし、またはプロモーターの支配下に2以上の遺伝子をタンデムに連結した発現カセットを作製して染色体上に挿入してもよい。タンデムに連結する場合、遺伝子の配置の順番および連結する遺伝子の数は特に限定されず、考えられる組合せのいずれでも良い。

0085

酵母への遺伝子の導入は、プラスミドを利用することができる。プラスミドは、本発明で使用する酵素遺伝子の1つ以上を含み得る。例えば、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子およびキシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子の3つの遺伝子を1つのプラスミドに含有させることができる。また、例えば、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子の3つの遺伝子を1つのプラスミドに含有させることができる。複数の遺伝子が1つのプラスミドに含まれる場合、プラスミド上のそれぞれの遺伝子の順番および数は特に限定されない。本発明はこれらの遺伝子を含有するプラスミドまたは発現カセットを含む。このようなプラスミドまたは発現カセットの例として、プロモーターの支配下にGRE3、SOR1およびXLS1を連結したプラスミドまたは発現カセット、またはプロモーターの支配下にTAL1およびTKLを連結したプラスミドまたは発現カセットなどが挙げられる。複数の遺伝子は、酵母に導入された際、特に、染色体に挿入された際に、それぞれの遺伝子が発現可能となるように連結される。2つの遺伝子を連結し、融合遺伝子を作製する際に必要であれば、リンカー配列制限酵素部位等を適宜付加してもよい。これらの操作は、当分野でよく知られている慣用の遺伝子操作技術を用いて行うことができる。これらのプラスミドまたは発現カセットを用いることによって、3種のキシロース資化遺伝子並びに/またはトランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子および/もしくはアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子を酵母の染色体上に導入してもよい。

0086

本発明で使用されるプラスミドは、酵母発現用のベクターに上記遺伝子を発現可能に挿入することで作製することができる。ベクターへの遺伝子の挿入は、リガーゼ反応、トポイソメラーゼ反応などを利用することができる。例えば、精製したDNAを適当な制限酵素で切断し、得られたDNA断片を、ベクター中の適当な制限酵素部位またはマルチクローニングサイトなどに挿入することでベクターに連結する方法などを採用することができる。

0087

本発明で使用されるプラスミドは、その基本となるベクターの由来には特に限定されず、例えば、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来のプラスミドなどを使用することができる。例えば、pGADT7、pAUR135などの市販のベクターを使用することもできる。宿主酵母由来のプラスミドを用いて本発明の形質転換酵母を調整する場合は、本発明の形質転換酵母は遺伝子組換え体に該当しない。

0088

本発明のプラスミドは、目的遺伝子を発現させ得る限り、マルチクローニングサイト、プロモーター、エンハンサーターミネーター選択マーカーカセットなどを含んでもよい。また、DNAを挿入する際に必要であれば、適宜リンカーや制限酵素部位を付加してもよい。これらの操作は、当分野でよく知られている慣用の遺伝子操作技術を用いて行うことができる。

0089

プロモーターは、目的遺伝子の上流に組み込むことができる。プロモーターは、形質転換体において目的タンパク質を適切に発現できるものであれば、特に限定されないが、PGKプロモーター、ADHプロモーター、TDHプロモーター、ENOプロモーター、CITプロモーター、TEFプロモーター、CDCプロモーター、GPMプロモーターまたはPDCプロモーターなどを使用することができる。

0090

ターミネーターは、目的遺伝子の下流に組み込むことができ、例えばPGKターミネーター、CITターミネーター、TEFターミネーター、CDCターミネーター、GPMターミネーターまたはPDCターミネーターなどを使用することができる。
本発明において、酵母で目的遺伝子を効率よく発現させるために、PGKプロモーター及び/又はPGKターミネーターを用いることが好ましい。

0091

選択マーカーとしては、アンピシリン耐性遺伝子カナマイシン耐性遺伝子ネオマイシン耐性遺伝子ハイグロマイシン耐性遺伝子などの薬剤耐性遺伝子ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、ロイシン合成酵素遺伝子、ウラシル合成酵素遺伝子などを挙げることができる。ベクターにロイシン、ヒスチジントリプトファンなどのアミノ酸合成遺伝子カセット又はウラシル合成遺伝子カセットが含まれる場合は、当該アミノ酸又はウラシルを含まない培地で酵母を培養することにより、形質転換酵母を選択することができる。

0092

本発明のプラスミドや発現カセットを遺伝子導入対象の本発明の宿主酵母に導入することで、形質転換酵母を作製することができる。

0093

宿主酵母に本発明のプラスミドを導入する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸リチウム法、エレクトロポレーション法リン酸カルシウム法、リポフェクション法、DEAEデキストラン法などの公知の方法が挙げられる。これらの方法により、本発明の形質転換酵母が提供される。

0094

また、本発明の形質転換酵母は、相同組換えにより目的遺伝子を宿主酵母の染色体上に組み込むことにより作製することもできる。当業者であれば、公知の方法により相同組換えにより本発明の形質転換酵母を作製することができる。

0095

五炭糖資化能を有していない酵母は、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子およびキシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子の3つの遺伝子を全て発現しないと、キシロース利用能が付与されない。したがって、上記のように遺伝子導入した酵母をキシロース含有(グルコース不含)培地で培養することにより、少なくともキシロース資化酵素遺伝子が発現可能に導入された形質転換酵母を選択することができる。

0096

このように、6つの遺伝子を酵母に発現可能に導入することで、好ましくは6つの遺伝子を酵母の染色体上に導入することで、本発明の形質転換酵母を作製することができる。

0097

さらに、本発明の形質転換酵母としては、宿主細胞の有するキシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子の発現が活性化されたものであってもよい。すなわち、本発明は、宿主酵母の染色体上にもともと存在する上記遺伝子の発現量が増大した酵母も含まれる。外部からプロモーターを導入すること、又は当該遺伝子自身の持つプロモーターをより強力なプロモーターに置換すること等によって、酵母がもともと有する遺伝子が発現可能な形で活性化され、目的タンパク質を適切に発現し得る。例えば、このように内在性遺伝子の発現を活性化させる方法としては、限定はされないが、目的タンパク質を適切に発現できるプロモーターを、公知の遺伝子組換え技術を用いて、染色体上に遺伝子置換により組み込む方法等が挙げられる。遺伝子置換の方法としては、Akada et al. Yeast 23: 399-405 (2006)(非特許文献)の方法を用いることができる。置換するプロモーターとしては、PGKプロモーター、ADHプロモーター、TDHプロモーター、ENOプロモーター、CITプロモーター、TEFプロモーター、CDCプロモーター、GPMプロモーターまたはPDCプロモーター等の公知のプロモーターを使用することができる。

0098

3.エタノールの生産方法
本発明の形質転換酵母は、キシロース資化遺伝子並びにトランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子、例えばGRE3、SOR1、XKS1、TAL1、TKL1およびADH1を導入したものであるため、本発明の形質転換酵母はキシロースの資化能を有し、高効率でエタノールを生産することができる。したがって、本発明の形質転換酵母は、キシロースからエタノールの生産方法に使用することができる。

0099

本発明の形質転換酵母は、酵母の培養に用いられる通常の方法に従って培養することができる。当業者であれば、SD培地、SCX培地、YPD培地、YPX培地、CBS培地などの公知の培地から適切な培地を選択し、好ましい培養条件の下で酵母を培養することができる。液体培地で酵母を培養する場合は、振盪培養が好ましい。

0100

本発明の形質転換酵母を培養し、得られる培養物からエタノールを採取することにより、エタノールを生産させることができる。エタノールを生産させる場合、炭素源としてキシロースの2〜66 g/L、好ましくは4〜55g/Lの存在下に本発明の形質転換酵母を培養する。あるいは、炭素源としてグルコースおよびキシロースの両方を含む場合、あわせて40〜330 g/L、好ましくは80〜275 g/Lの存在下に本発明の形質転換酵母を培養する。本発明の形質転換酵母は、炭素源である糖の追加供給を伴わないバッチ培養、糖を連続的/断続的に追加供給するフェドバッチ培養、または連続培養など、公知の培養方法を使用することができる。炭素源である糖を追加供給する場合、糖の濃度が上記の濃度範囲に維持されるようにモニターされ、糖の供給が制御されることが望ましい。

0101

本培養の前に、形質転換酵母を前培養しても良い。前培養は、例えば、本発明の形質転換酵母を少量の培地に接種し、12〜24時間培養すればよい。本培養の培養量の0.1〜10%、好ましくは1%の前培養液を本培養の培地に加え、本培養を開始する。本培養は、キシロース含有培地で、0.5〜200時間、好ましくは10〜150時間、より好ましくは24〜137時間、20〜40℃、好ましくは30℃で振盪培養する。

0102

生産されたエタノールは、上記のように本発明の酵母を培養して得られる培養物から採取することができる。培養物とは、培養液培養上清)、培養酵母または培養酵母の破砕物等を意味する。エタノールは公知の精製方法により培養物から精製し、採取することができる。本発明において、エタノールは形質転換酵母から主に培養上清中に分泌されるため、培養上清から採取することが好ましい。

0103

エタノールの生産量は、培地に含まれるエタノールを液体クロマトグラフィーガスクロマトグラフィー、市販のエタノール測定キット分析することで測定できる。
また、エタノールの生産量を測定することにより、本発明の形質転換酵母のエタノール生産能を確認することができる。

0104

本発明の形質転換酵母を用いてエタノールを生産する場合、従来のキシロース資化酵母(例えば、GRE3、SOR1およびXKS1導入酵母)や、上記キシロース資化酵母にTAL1およびTKL1を過剰発現させた酵母と比較して、エタノールを高収率で生産することができる。

0105

以下に本明細書における配列番号で示される塩基配列またはアミノ酸配列について記述する。
配列番号1〜20:実施例で使用されるプライマーの塩基配列を示す。
配列番号21:サッカロマイセス・セレビシアGRE3の塩基配列を示す。
配列番号22:サッカロマイセス・セレビシアGRE3タンパク質のアミノ酸配列を示す。
配列番号23:サッカロマイセス・セレビシアSOR1の塩基配列を示す。
配列番号24:サッカロマイセス・セレビシアSOR1タンパク質のアミノ酸配列を示す。
配列番号25:サッカロマイセス・セレビシアXKS1の塩基配列を示す。
配列番号26:サッカロマイセス・セレビシアXKS1タンパク質のアミノ酸配列を示す。
配列番号27:サッカロマイセス・セレビシアTAL1の塩基配列を示す。
配列番号28:サッカロマイセス・セレビシアTAL1タンパク質のアミノ酸配列を示す。
配列番号29:サッカロマイセス・セレビシアTKL1の塩基配列を示す。
配列番号30:サッカロマイセス・セレビシアTKL1タンパク質のアミノ酸配列を示す。
配列番号31:サッカロマイセス・セレビシアADH1の塩基配列を示す。
配列番号32:サッカロマイセス・セレビシアADH1タンパク質のアミノ酸配列を示す。

0106

以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0107

GRE3,SOR1, XKS1, TAL1, TKL1,ADH1,PGK1プロモーターおよびPGK1ターミネーターのPCRによる合成
表1に示すオリゴヌクレオチド1〜16を合成し、PCR反応のためのプライマーとして使用し、GRE3, SOR1, XKS1, TAL1, TKL1, ADH1, PGK1プロモーターおよびPGK1ターミネーターの各DNA断片を得た。また、表1に示すオリゴヌクレオチド17〜20を合成し、HXT17(前半および後半)のDNA断片を得た。PCR反応のテンプレートとしてサッカロマイセス・セレビシアCEN.PK2-1C株から抽出された染色体DNAを使用した。PCR反応は、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社)を用いて、TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice GradientTP600(タカラバイオ社)で行った。PCRにおける増幅条件を表2に示す。

0108

GRE3,SOR1, XKS1, TAL1, TKL1,ADH1,PGK1プロモーターおよびPGK1ターミネーターは、サッカロマイセス・セレビシア由来である。GRE3タンパク質は、シェファソマイセス・スティピティスのXYL1(キシロース還元酵素(XR))とアミノ酸配列の同一性(相同性)を有し、SOR1タンパク質は、シェファソマイセス・スティピティスのXYL2(キシリトール脱水素酵素(XDH))とアミノ酸配列の同一性(相同性)を有するタンパク質である。XKS1タンパク質はキシルロースリン酸化酵素、TAL1タンパク質はトランスアルドラーゼ、TKL1タンパク質はトランスケトラーゼ、ADH1タンパク質はアルコール脱水素酵素である。PGK1プロモーターおよびPGK1ターミネーターは、サッカロマイセス・セレビシアにおいて機能することが知られている。

0109

0110

0111

キシロース資化能付与酵母の作製
実施例1で増幅されたGRE3,SOR1, XKS1の各遺伝子断片を、PGK1プロモーターおよびPGK1ターミネーターの支配下にGRE3, SOR1, XKS1の順に連結し、発現カセットIを作製した。
また、市販のベクターpUC18に部位特異的変異によりXho I, Bgl II切断部位を導入した。部位特異的変異にはPrimeSTAR Mutagenesis Basal Kit(タカラバイオ社)を使用した。得られたpUC18のXho I, EcoR I切断部位に実施例1で増幅されたHXT17前半部分の遺伝子断片を挿入し、Sph I, Bgl II切断部位に実施例1で増幅されたHXT17後半部分の遺伝子断片を導入した。
得られた発現カセットIをEcoR I, Sph Iで切断し、HXT17前半部分と後半部分の遺伝子断片の間に挿入し、発現カセットIIを作製した。

0112

作製した発現カセットIIを用いて上記遺伝子を酢酸リチウム法により染色体上HXT17部位に導入し、キシロース資化能付与酵母を得た。キシロース資化能付与の宿主としては、焼酎酵母を用いた。

0113

TAL1・TKL1遺伝子過剰発現株の作製
市販の発現ベクターpAUR135(タカラバイオ株式会社)のSmaI部位に、PGK1プロモーターおよびPGK1ターミネーター支配下に置いたTAL1の遺伝子断片を導入した。また、このようにTAL1の遺伝子断片を導入したpAUR13ベクターのSphI部位に、PGK1プロモーターおよびPGK1ターミネーター支配下に置いたTKL1の遺伝子断片を導入した。得られたTAL1・TKL1発現ベクターをStuIで切断して得られた遺伝子断片を、酢酸リチウム法により、実施例2で作製したキシロース資化能付与酵母の染色体上AUR1部位に導入した。得られた株をTAL1・TKL1遺伝子過剰発現株とした。

0114

TAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株の作製
実施例3で作製したTAL1・TKL1発現ベクターのEcoRI部位に、PGK1プロモーターおよびPGK1ターミネーター支配下に置いたADH1の遺伝子断片を導入した。得られた発現ベクターをStuIで切断して得られた遺伝子断片を、酢酸リチウム法により、実施例2で作製したキシロース資化能付与酵母の染色体上AUR1部位に導入した。得られた株をTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株とした。

0115

発酵性能評価
実施例2、3および4で得られた株を、YPD(グルコース20 g/L)培地で前培養した後、キシロースのみを基質として含む培地と、グルコースおよびキシロースを基質として含む改変CBS培地((H. B. Klinke et al., Biotechnol. Bioeng., 2003年, Vol. 81, pp. 738-747:pH 5.0)、表3)15 mLを入れた50 mLフラスコに、初期植菌量2×108個/mL、140 rpm、30℃で振とう培養し、経時的にサンプリングを行い発酵性能を評価した。また、導入遺伝子を含まないベクターのみを組み込んだ株を同様に作製し、以下の実験対照株として用いた。

0116

0117

サンプリングした培養液を遠心分離して菌体を除き、上清を0.2μmポリプロピレン製フィルターでろ過し、測定サンプルとした。測定サンプル中のグルコース、キシロース、およびエタノール量HPLCにより定量した。HPLCでの分析条件を表4に示す。

0118

0119

各株についての発酵性能評価結果を図1図2に示す。図1はキシロースのみを基質として含む培地、図2はグルコースおよびキシロースを基質として含む培地の結果を示す。発酵性能は、エタノール収率(%)として評価し、生成するエタノール量が投与した基質量に理論収率(グルコース、キシロース共に0.51)を乗して算出されるエタノール量と一致する場合を100%とした。

0120

GRE3,SOR1およびXKS1が染色体上に導入されたキシロース資化能付与酵母に、TAL1およびTKL1を染色体上に導入すると(TAL1・TKL1遺伝子過剰発現株、灰色)、もとのキシロース資化能付与酵母(黒色)に比べてキシロースをより利用できることが可能となり、エタノール生産量が増大することが示された(図1および図2)。さらに、GRE3, SOR1およびXKS1が染色体上に導入されたキシロース資化能付与酵母の染色体上に、TAL1, TKL1およびADH1が導入された酵母(TAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株、白色)は、もとのキシロース資化能付与酵母(黒色)およびTAL1・TKL1遺伝子過剰発現株(灰色)に比べてキシロースをさらに利用することが可能となり、エタノール生産量が増大することが示された(図1および図2)。
また、キシロース資化能付与酵母(焼酎酵母を用いた)にTAL1, TKL1およびADH1を染色体上に導入した酵母(TAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株、白色)は、グルコースおよびキシロースを基質として含む培地において(図2)、キシロースのみを基質として含む培地(図1)に比べて、より高いエタノール収率が達成され、また、キシロース資化能付与酵母(黒色)およびTAL1・TKL1遺伝子過剰発現株(灰色)と比べたエタノール収率の改善も顕著であった。

0121

この結果から、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子を含む酵母は、従来のキシロース資化能付与酵母よりも、キシロースからエタノールをさらに効率よく生産させることが可能であることが示された。

0122

ADH1遺伝子増強効果の検証
実施例3および4で得られた株をYPD(グルコース20g/L)培地で前培養した後、グルコースおよびキシロースを基質として含むYPDX(グルコース80g/L、キシロース40g/L)培地600 mLを入れた1Lジャーに、初期植菌量1×107個/mL、380rpm、30℃で培養した。経時的にサンプリングを行い、実施例5に記載の方法で上清を分析した。また、ADH1活性の測定とADH1遺伝子の発現解析のために酵母菌体回収した。

0123

培養上清のエタノール分析結果を表5および図3に示す。実施例5に記載の方法でエタノール収率を算出した。

0124

いずれのサンプリング時間においてもTAL1, TKL1およびADH1が導入された酵母(実施例4 TAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株、白色)のエタノール収率は、TAL1・TKL1遺伝子過剰発現株(実施例3、灰色)を上回っておりADH1遺伝子の増強によりエタノール生産量が増大することが示された。

0125

0126

ADH1遺伝子の発現解析-
ジャー培養で培養した菌体から酵母細胞を回収し培地を除去し、菌体を2 ml滅菌蒸留水で2回洗浄したのち、400μlの酢酸緩衝液(50mM酢酸ナトリウムpH5.3, 10 mMEDTA)に懸濁した。40μlのSDS(sodium dodecyl sulfate)を加え、65℃に保温しておいた440μlのフェノール加えよ撹拌したのち、65℃で4分間保温し中で急冷した。12000 ×gで5分間遠心し、上清を1.5 mlチューブに移し、等量のフェノール、クロロホルム混液を加え、よく撹拌した。12000 ×gで5分間遠心し、上清を1.5 mlチューブに移し、1/10量の3M 酢酸ナトリウム(pH 5.3)を加え、エタノール沈殿をおこなった。12000×gで10分間遠心して得られたペレットを80%エタノールで2回洗浄し乾固させたのち、RNaseフリー水で溶解し、これをRNA溶液とした。RNAからcDNAの合成はTranscriptor First Strand cDNA Synthesis Kit(Roche)によりおこなった。発現解析はSYBR Greenを使用したリアルタイムPCR(スタンダードカーブによる相対定量法)によりおこなった。蛍光試薬の調製はLightCycler FastStart DNA MasterPLUS SYBR Green I(Roche)によりおこなった。解析装置はLightCycler 1.5(Roche)を使用した。TAL1・TKL1遺伝子過剰発現株(実施例3)とTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株(実施例4)のADH1発現解析結果を表6および図4に示す。

0127

0128

TAL1・TKL1遺伝子過剰発現株とTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株のADH1遺伝子の発現を解析したところ、いずれのサンプリング時間においても、TAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株(白色)のADH1遺伝子発現量はTAL1・TKL1遺伝子過剰発現株(灰色)を上回った。例えば培養48時間においては、ADH1遺伝子の増強によりADH1遺伝子発現量が2倍に増大することが示された。

0129

ADH1活性の測定
ジャー培養で培養した菌体から酵母細胞を回収し培地を除去し、菌体を2 ml蒸留水で洗浄したのち、Y-PERYeast Protein Extraction Reagent (Pierce, Rockford,IL)を1 ml加え懸濁したのち、室温で20分振とうした。13,000 rpmで10分間遠心して細胞抽出液を得た。ADH1活性測定は以下のようにおこなった。50 mM Tris-HCl(pH 8.5)、1 mMNAD+を含む溶液960μlに酵母粗抽出液10μlを添加し、エタノール30μlを添加して反応を開始した。エタノールを基質としてNADHの増加量を340 nmの吸光度を測定することにより算出した。1分あたり1μmolのNAD+を還元する活性を1 Uとし、細胞抽出液中のタンパク質1 mgあたりの活性(U/mg)を求めた。TAL1・TKL1遺伝子過剰発現株(実施例3)とTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株(実施例4)のADH1活性を表7および図5に示す。なお、試験二連で実施した。

0130

0131

TAL1・TKL1遺伝子過剰発現株とTAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株のADH1活性を測定したところ、いずれのサンプリング時間においても、TAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株(白色)のADH1活性は、TAL1・TKL1遺伝子過剰発現株(灰色)を上回った。例えば、培養24時間においては、ADH1遺伝子の増強によりADH1活性が約6倍に増大することが示された。

0132

これらの結果によって、ADH1遺伝子を増強することにより、ADH1遺伝子発現量とADH1活性が増大し、TAL1・TKL1・ADH1遺伝子過剰発現株のエタノール生産性は、TAL1・TKL1遺伝子過剰発現株よりも増大することが示された。

実施例

0133

また、フラスコによる実験室レベルでの培養だけでなく、培養槽を用いる工業レベルまたは工業レベルに近い培養条件での培養においても、本発明を適用できることが示された。

0134

本発明により、キシロース還元酵素をコードする遺伝子、キシルロースリン酸化酵素をコードする遺伝子、キシリトール脱水素酵素をコードする遺伝子、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子、トランスケトラーゼをコードする遺伝子およびアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子が導入された形質転換酵母が提供される。
本発明の一態様において、本発明の形質転換酵母は、酵母自身の有する遺伝子で形質転換して作製される。このため、本発明の形質転換酵母は遺伝子組換え体に該当せず、安全性や取り扱いの容易さの点で好ましい。
また、本発明の形質転換酵母は、キシロースからエタノールを効率的に生産することが可能である。したがって、本発明により、キシロースからエタノールを生産する方法および当該方法に使用可能な、キシロースからエタノールを生産可能な形質転換酵母が提供される。

0135

配列番号1〜20:プライマー

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