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技術 エレクトレット素子及びその製造方法、センサー、電子回路並びに入力装置

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 小笹健仁吉田学
出願日 2015年9月29日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2016-552074
公開日 2017年8月31日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 WO2016-052525
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 圧力検知センサー 陥没構造 音響感知 振動検知センサー 振動検出センサー ミクロ空隙 エレクトレット部材 エレクトレット素子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題・解決手段

高精度・高感度圧力検知センサーやスイッチに適する素子及びその製造方法、並びに、前記素子を備える、センサー電子回路及び入力装置を提供する。本発明のエレクトレット素子は、一対の電極で挟まれた半導体と、該半導体に対してギャップを介した位置に設置されたエレクトレット部材とを備える。本発明のエレクトレット素子は、半導体とエレクトレット部材とが接触し、ミクロサイズの空隙を備えるものであってもよい。エレクトレット部材はプラスもしくはマイナス帯電された状態を半永久的に保持されている。エレクトレット部材が前記半導体に接触又は接近することが可能な構造とすることにより、1対の電極間に流れる電流量を制御することが可能となる。

概要

背景

近年、タッチセンサー等の入力装置の開発が進められている。例えば、タッチパネル等には静電容量方式のタッチセンサーが利用され、入力位置情報が検知可能である。タッチセンサーを表示素子内に組み込んだインセル型タッチパネル等も知られている。

先行文献調査をしたところ、次のような文献があった。

タッチコントロール手段と、エレクトレット等の振動器と、動作軌跡上のこれらの振動器を駆動して振動させるユニットと、タッチコントロール画面を表示する表示ユニットとを備える、アレイ式触覚フィードバックのタッチパネルが提案されている(特許文献1参照)。

また、pチャネルトランジスタと、これに対して相対的に移動可能に設けられ電荷蓄積することが可能なエレクトレット部材とを備え、静電誘導を用いてpチャネルトランジスタのオン状態オフ状態を制御するスイッチング素子が、提案されている(特許文献2参照)。

また、直交する複数の導電パターンを有する操作パネルと、指示体ペン状)と、操作パネルに指示体が接近した際に、指示体の帯電部分によって複数の導電パターンに生じる電荷による電位を測定し、電位の測定結果を基に指示体の位置を検出する位置検出手段とを備える入力装置が提案され、帯電部分にエレクトレットを使用することが提案されている(特許文献3参照)。

また、振動検出センサー装置として、センサー部は、外部の振動により発電を行う振動発電デバイス(1例としてエレクトレットを使用)と、振動発電デバイスにより生成した電荷を蓄える蓄電デバイスと、蓄電デバイスに蓄電されている電荷量を判定する判定部を備える装置が提案されている(特許文献4参照)。

また、薄膜トランジスタゲート電極を、誘電体分極してなるエレクトレットによって構成し、このゲート電極をゲート絶縁膜に対し可動自在となし、その可動によって薄膜トランジスタのチャネルコンダクタンスを変化させ、ソースドレイン間の電流可変にする無接触型機構部品が提案されている(特許文献5参照)。

概要

高精度・高感度圧力検知センサーやスイッチに適する素子及びその製造方法、並びに、前記素子を備える、センサー、電子回路及び入力装置を提供する。本発明のエレクトレット素子は、一対の電極で挟まれた半導体と、該半導体に対してギャップを介した位置に設置されたエレクトレット部材とを備える。本発明のエレクトレット素子は、半導体とエレクトレット部材とが接触し、ミクロサイズの空隙を備えるものであってもよい。エレクトレット部材はプラスもしくはマイナス帯電された状態を半永久的に保持されている。エレクトレット部材が前記半導体に接触又は接近することが可能な構造とすることにより、1対の電極間に流れる電流量を制御することが可能となる。

目的

さらに、携帯電子機器等の入力装置として、ますます、より薄くて柔軟性のあるタッチセンサー装置が望まれている

効果

実績

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請求項1

一対の電極で挟まれた半導体と、該半導体に対してギャップを介した位置に対向して設置されたエレクトレット部材とを備えることを特徴とするエレクトレット素子

請求項2

一対の電極で挟まれた半導体と、該半導体の表面に設置されたエレクトレット部材とからなる積層構造を有することを特徴とするエレクトレット素子。

請求項3

前記エレクトレット部材がプラスもしくはマイナス帯電された状態を半永久的に保持することを特徴とする請求項1又は2記載のエレクトレット素子。

請求項4

前記エレクトレット部材が前記半導体に接近又は接触又は接触状態が変化することにより、前記1対の電極間に流れる電流量を制御することを特徴とする請求項1又は2記載のエレクトレット素子。

請求項5

前記エレクトレット部材が基材に装着されており、基材に対して圧力もしくは振動を加えることにより、前記エレクトレット部材が前記半導体に対して相対的な位置を変化しエレクトレット部材が半導体に接触もしくは接近することを特徴とする請求項1記載のエレクトレット素子。

請求項6

前記エレクトレット部材と前記半導体とを所定間隔に保持するための間隙保持部が前記半導体の周辺の一部に配置され、前記ギャップの間隔は外部からの力により可変であることを特徴とする請求項1記載のエレクトレット素子。

請求項7

ノイズ除去のための構造を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のエレクトレット素子。

請求項8

一方の基材に、電極及び半導体、エレクトレット部材、間隙保持部の内の1つ以上を形成し、他方の基材に、少なくとも前記一方の基材に形成されなかったものを形成した後、2つの基材を重ね合わせることを、特徴とするエレクトレット素子の製造方法。

請求項9

前記エレクトレット部材を帯電することを特徴とする請求項8記載のエレクトレット素子の製造方法。

請求項10

前記1対の電極間に流れる電流量を測定することにより、前記エレクトレット部材が前記半導体に接近又は接触又は接触状態が変化することを検出することを特徴とする請求項1又は2記載のエレクトレット素子を備えるセンサー

請求項11

前記エレクトレット素子を少なくとも1つ以上備え、前記電極に接続する配線を備えることを特徴とする、請求項1又は2記載のエレクトレット素子を備える電子回路

請求項12

前記エレクトレット素子を少なくとも1つ以上備え、接触もしくは圧力または振動が加えられた位置を検出して、前記位置を入力することを特徴とする請求項1又は2記載のエレクトレット素子を備える入力装置

技術分野

0001

本発明は、高精度・高感度圧力検知センサーやスイッチに適するエレクトレット素子及びその製造方法、並びに、エレクトレット素子を備える、センサー電子回路及び入力装置に関する。

背景技術

0002

近年、タッチセンサー等の入力装置の開発が進められている。例えば、タッチパネル等には静電容量方式のタッチセンサーが利用され、入力位置情報が検知可能である。タッチセンサーを表示素子内に組み込んだインセル型タッチパネル等も知られている。

0003

先行文献調査をしたところ、次のような文献があった。

0004

タッチコントロール手段と、エレクトレット等の振動器と、動作軌跡上のこれらの振動器を駆動して振動させるユニットと、タッチコントロール画面を表示する表示ユニットとを備える、アレイ式触覚フィードバックのタッチパネルが提案されている(特許文献1参照)。

0005

また、pチャネルトランジスタと、これに対して相対的に移動可能に設けられ電荷蓄積することが可能なエレクトレット部材とを備え、静電誘導を用いてpチャネルトランジスタのオン状態オフ状態を制御するスイッチング素子が、提案されている(特許文献2参照)。

0006

また、直交する複数の導電パターンを有する操作パネルと、指示体ペン状)と、操作パネルに指示体が接近した際に、指示体の帯電部分によって複数の導電パターンに生じる電荷による電位を測定し、電位の測定結果を基に指示体の位置を検出する位置検出手段とを備える入力装置が提案され、帯電部分にエレクトレットを使用することが提案されている(特許文献3参照)。

0007

また、振動検出センサー装置として、センサー部は、外部の振動により発電を行う振動発電デバイス(1例としてエレクトレットを使用)と、振動発電デバイスにより生成した電荷を蓄える蓄電デバイスと、蓄電デバイスに蓄電されている電荷量を判定する判定部を備える装置が提案されている(特許文献4参照)。

0008

また、薄膜トランジスタゲート電極を、誘電体分極してなるエレクトレットによって構成し、このゲート電極をゲート絶縁膜に対し可動自在となし、その可動によって薄膜トランジスタのチャネルコンダクタンスを変化させ、ソースドレイン間の電流可変にする無接触型機構部品が提案されている(特許文献5参照)。

先行技術

0009

特開2011−8749号公報
特開2008−109772号公報
特開2014−132422号公報
特開2013−217701号公報
特公昭58−49036号公報

発明が解決しようとする課題

0010

従来のタッチセンサーの素子構造は、(電極)/(半導体圧電材料等の活性層)/(電極)の積層構造シート基材に対して直交方向に形成されているために、素子作製時の電極アライメント精度センサー装置曲げ等の変形が素子性能へ与える影響が大きかった。そのため、センサーの精度や感度の向上がさらに望まれている。

0011

また、従来のタッチパネル等に用いられている静電容量方式のタッチセンサーは、位置情報を検知できるが、印加圧力の検知ができないという問題がある。一方、タッチセンサーを表示素子内に組み込んだインセル型タッチパネル等は、製造プロセスが複雑であり、歩留まりが向上しないという問題がある。また、真空プロセスリソグラフィープロセス等を多用するため、製造コストが増加するという問題もある。

0012

さらに、携帯電子機器等の入力装置として、ますます、より薄くて柔軟性のあるタッチセンサー装置が望まれている。

0013

本発明は、これらの問題を解決しようとするものであり、薄くて柔軟性の高い圧力検知型の高精度・高感度タッチセンサー等に使用可能な素子、素子の製造方法、並びに素子を利用したセンサー、電子回路及び入力装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明は、前記目的を達成するために、以下の特徴を有する。

0015

本発明のエレクトレット素子は、一対の電極で挟まれた半導体と、該半導体に対してギャップを介した位置に対向して設置されたエレクトレット部材とを備えることを特徴とする。また、本発明のエレクトレット素子は、一対の電極で挟まれた半導体と、該半導体の表面に設置されたエレクトレット部材とからなる積層構造を有することを特徴とする。また、前記エレクトレット部材がプラスもしくはマイナス帯電された状態を半永久的に保持することを特徴とする。本発明のエレクトレット素子は、前記エレクトレット部材が前記半導体に接近又は接触又は接触状態が変化することにより、前記1対の電極間に流れる電流量を制御することを特徴とする。例えば、本発明のエレクトレット素子は、前記エレクトレット部材が基材に装着されており、基材に対して圧力もしくは振動を加えることにより、前記エレクトレット部材が前記半導体に対して相対的な位置を変化しエレクトレット部材が半導体に接触もしくは接近する。例えば、本発明のエレクトレット素子は、前記エレクトレット部材と前記半導体とを所定間隔に保持するための間隙保持部が前記半導体の周辺の一部に配置され、前記ギャップの間隔は外部からの力により可変である。また、本発明のエレクトレット素子は、ノイズ除去のための構造を備える。

0016

本発明のエレクトレット素子の製造方法は、一方の基材に、電極及び半導体、エレクトレット部材、間隙保持部の内の1つ以上を形成し、他方の基材に、少なくとも前記一方の基材に形成されなかったものを形成した後、2つの基材を重ね合わせることを、特徴とする。また、前記エレクトレット部材を帯電することを特徴とする。

0017

本発明のセンサーは、本発明のエレクトレット素子を備え、前記1対の電極間に流れる電流量を測定することにより、前記エレクトレット部材が前記半導体に接近又は接触又は接触状態が変化することを検出することを特徴とする。

0018

本発明の電子回路は、本発明のエレクトレット素子を少なくとも1つ以上備え、前記電極に接続する配線を備えることを特徴とする。

0019

本発明の入力装置は、本発明のエレクトレット素子を少なくとも1つ以上備え、接触もしくは圧力または振動が加えられた位置を検出して、前記位置を入力することを特徴とする。

発明の効果

0020

本発明の、エレクトレット部材と半導体とを用いた新規な構造及び動作機構により、簡単な構造で、かつ、高精度の圧力検知用の薄膜素子を実現できる。

0021

本発明のエレクトレット素子によれば、押圧時の印加圧力によって、高い表面電位を持つエレクトレット表面と半導体表面間のギャップが変化し、このギャップの変化と半導体内に形成される伝導チャネル伝導度とが相関を持つことを利用して圧力を検知できるため、高感度な圧力検知が可能となる。

0022

本発明のエレクトレット素子によれば、押圧時等の印加圧力によって、高い表面電位を持つエレクトレット表面と接する半導体内に形成される伝導チャネルの伝導度が変化することを利用して圧力を検知できるため、高感度な圧力検知が可能となる。

0023

本発明のエレクトレット素子によれば、タッチパネル等の電子デバイスのためのタッチ入力装置高感度化高精度化を図ることができる。また、本発明のエレクトレット素子は、圧力感知シート振動検知センサー音響感知マイク等の装置に用いることができる。また、エレクトレット素子の構造をフレキシブル材料で構成すれば、薄型フレキシブルセンサー装置、及びこれらを入力端末とするフレキシブル入力装置を実現できる。

0024

特に、本発明のエレクトレット素子によれば、エレクトレット部材の微小な上下方向の変位に対して敏感に電気信号が反応することから、従来方式のタッチパネルでは困難なブラシなどによる極めて弱いタッチの違いを明瞭に識別することができるので、高精度で高感度のタッチセンサー等の素子を実現することができる。

0025

本発明の入力装置によれば、入力装置の上に設置した紙の上にペンや筆で書いた筆跡を検知することも可能である。また、本発明の入力装置を下敷きに適用することにより、ノートメモ用紙への記述キャンバスに描いた絵画半紙などへの書道などの作品等を、直接電子データに変換する装置、例えば電子スキャナーを実現することができる。

0026

本発明のエレクトレット素子は、一方の基材上に電極対半導体膜を同一平面上に配置し、もう一方の基材上の全面に導電層エレクトレット層を形成し、それぞれの基板を貼り合わせることにより作製できるため、製造プロセスにおいて高いアライメント精度を要しない。ゆえに、プロセスの簡素化が可能となり、歩留まり向上や製造コストの削減につながる。また、本発明のエレクトレット素子の製造プロセスには、印刷法適応することができるため、従来のプロセスと比較すると大幅にプロセスコストを削減することが可能となる。

0027

本発明の入力装置は、エレクトレット素子の構造を除く周辺のアレイ構造が、現在広く流通している液晶ディスプレイ駆動用薄膜トランジスタアレイ構造的に類似しているので、素子の高密度化高精細化を容易に実現することができる。また、ディスプレイで行われている透光性向上のための試みを容易に転用可能であることから、より透明性に優れたタッチパネルを実現することが可能である。

図面の簡単な説明

0028

第1の実施の形態のエレクトレット素子の概念図。
第1の実施の形態のエレクトレット素子の変形例の概念図。
第1の実施の形態のエレクトレット素子の変形例の概念図。
第1の実施の形態のエレクトレット素子の変形例の概念図。
第1の実施の形態のエレクトレット素子における加圧電流値の関係を示す特性図。
複数の種類の異なる加圧方法で押圧したときの抵抗値を示す特性図。
第1の実施の形態のエレクトレット素子の動作原理を説明する図。
第1の実施の形態のエレクトレット素子の動作原理を説明する図。
第2の実施の形態の入力装置の電子回路説明図。
第3の実施の形態のエレクトレット素子の概念図。
第3の実施の形態のエレクトレット素子における加圧と電流値の関係を示す特性図。
第3の実施の形態のエレクトレット素子の動作原理を説明する図。
第3の実施の形態のエレクトレット素子の動作原理を説明する加圧時の図。

実施例

0029

本発明の実施の形態について以下説明する。

0030

本発明の実施の形態のエレクトレット素子は、一対の電極で挟まれた半導体と、半導体に対してギャップを介して空間的に対向位置に設置されたエレクトレット部材を備える。エレクトレット部材が半導体に接触もしくは接近することにより、半導体の内部もしくは表面にチャネル電荷が誘起され、該チャネル電荷により、一対の電極間に流れる電流量が制御される。

0031

本発明の他の実施の形態のエレクトレット素子は、一対の電極で挟まれた半導体とエレクトレット部材の積層構造を備え、半導体とエレクトレット部材との間にギャップを有さない。エレクトレット部材に圧力や振動が加えられると、半導体の内部もしくは表面に誘起されるチャネル電荷が変化し、該チャネル電荷により、一対の電極間に流れる電流量が制御される。詳しく後述するように、本発明のエレクトレット素子は、半導体とエレクトレット部材とが接触し、ミクロサイズの空隙を備えるものであってもよい。

0032

本発明の実施の形態では、エレクトレット部材を備えるので、該エレクトレット部材がプラスもしくはマイナスに帯電された状態を半永久的に保持することが可能となり、一対の電極間で電流量を制御することが可能となった。

0033

本発明の実施の形態では、エレクトレット部材を、基材に成膜又は装着される等して設けている。基材に対して圧力もしくは振動を加えることにより、エレクトレット部材が、半導体に対して相対的な位置を変化し、エレクトレット部材が半導体に接触もしくは接近することによって、一対の電極間で電流量を制御することが可能となった。

0034

本発明の実施の形態では、半導体とエレクトレット部材とのなすギャップの内側(空隙とも呼ぶ。)が、真空状態気体状の誘電体、液体状の誘電体、及び有機ポリマー無機物等の固体状の誘電体のうちの、1つもしくは複数種の誘電体で満たされた状態である。

0035

ギャップを保持するために、エレクトレット部材と半導体を空間的に所定の間隔保持するための間隙保持部が設けられている。間隙保持部は、半導体の周辺部の一部に設けられ、例えば、1対の電極のさらに周辺部に設けられる。間隙保持部は、例えば、バンク構造体、もしくは基材に形成する陥没部によって形成される。バンク構造体は、誘電体、導体、及び半導体のうちの、1つもしくは複数種によって形成することができる。

0036

本発明の実施の形態では、ノイズ除去のための構造を有することが好ましい。例えば、エレクトレット部材と基材の間に、導体からなる薄膜又は構造体を、装着又は設けることができる。導体により、ノイズを除去又は抑制することができる。また、エレクトレット素子の周縁部に、導体からなるノイズ除去用導体構造電子部品を設けてもよい。

0037

電極対がエレクトレット部材と接触するおそれがある場合には、エレクトレット部材と電極の間に絶縁層または半導体層を設けることにより、エレクトレット部材と電極が接触しない構造とすることが好ましい。

0039

本発明の1対の電極に挟まれる半導体は、シリコン有機半導体酸化物半導体化合物半導体のうち、1つもしくは複数種の混合物であることが好ましい。また、半導体は、P型半導体N型半導体、又はP型半導体とN型半導体の混合体であることが好ましい。異なる種類の半導体が基材の表面に対して平行もしくは垂直方向に積層、もしくは一方の半導体が他方の半導体中に分散体として存在することによって半導体の内部にPN接合を形成し、圧力に対する応答感度応答速度を向上させる効果を持たせるものであってもよい。また、上記半導体のうち、少なくとも1つを光に感応する半導体にすることによって圧力と光の両方の刺激付与に対してのみ感応する、例えば特定波長発光する光ペンによってのみ入力可能となるAND型入力デバイスを製造することも可能である。AND型入力により外部ノイズに対して耐性のあるデバイスとなる。

0040

基材として、ポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビニル等の汎用性の高い樹脂やプラスチック等のフィルム又はガラスやシリコン等の無機材料を使用することができる。エレクトレット部材側の基材は、加圧力に対応してエレクトレット部材にその圧力や曲げ状態を伝達する必要があるので、プラスチックフィルム等の柔軟性を有する材料が望ましい。半導体及び電極を形成する側の基材は、プラスチックフィルムや無機材料を使用することができる。また、フレキシブルな基材を用いて素子全体をフレキシブルにすることも可能である。

0041

本発明の実施の形態の素子は、一方の基材に、少なくとも電極、半導体、エレクトレット部材、並びにバンク構造もしくは陥没構造、の内の1つ以上を形成し、別の基材には少なくとも前記一方の基材に形成されなかったものを形成し、2つの基材を重ね合わせることにより、本発明の実施の形態のエレクトレット素子を製造する。電極、半導体、エレクトレット部材、バンク構造体などの製造工程を、印刷プロセスにより形成することもできる。

0042

エレクトレット部材を帯電させるために、既に知られている種々の方法を採用することができる。また、本発明の実施の形態の、導体からなる薄膜もしくは構造体と、エレクトレット部材もしくは部材の上方に、電圧印加することにより、帯電させることができる。

0043

本発明の実施の形態のエレクトレット素子を、基材上に1つもしくは2つ以上備え、基材上で、圧力もしくは振動の大きさとそれを検知した位置を把握する電子回路を作製することができる。基材はエレクトレット素子それぞれで共通にしてもしなくともよい。またエレクトレット部材を共通にしてもしなくともよい。また、該電子回路を備え、基材上に接触もしくは圧力または振動を加えることによって、位置を入力することが可能な入力装置とすることができる。

0044

(第1の実施の形態)
本実施の形態について図を参照して以下説明する。図1は、本実施の形態のエレクトレット素子の概念図であり、上段は断面図であり、下段は断面図に対応する平面図である。本素子は、一対の電極2と、一対の電極2で挟まれた半導体3と、半導体3に対してギャップを介した位置に半導体表面に対向するように設置されたエレクトレット部材5を備える基本構造を有する。本実施の形態では、図面上段の下側の基材1に電極対2と半導体3が装着され、ギャップを設けるための構造として、少なくとも半導体の周辺であり、電極対2の周囲の外側に、バンク構造体4を設けている。バンク構造体4は、エレクトレット部材5の外周を支持するように、一部又は全部に設けている。半導体が形成された基材と対向するように、かつギャップを無加圧時には恒常的に維持するように、バンク構造体4によって、エレクトレット部材5と導体薄膜6と基材1が設けられている。なお、基材1は、図面下側と図面上側とは別個に構成される。導体薄膜6は環境や周辺電子機器から発生する電磁波等のノイズを除去するために設けたものである。

0045

ギャップを形成するために、図1では、バンク構造体4を設けたが、その他の構造を採用することができる。

0046

図2は、下側基材21の陥没部27によりギャップを形成した例であり、図1と同様、上段は断面図であり、下段は断面図に対応する平面図である。図2では、下側基材21の周辺部が図1のバンク構造体に対応している。基材21の周辺部が、エレクトレット部材25を支持している。図2において、電極対22及び半導体23は基材21の陥没部27内に配置され、エレクトレット部材とのギャップが維持されている。

0047

図2では、図1の導体薄膜6に換えて、導体からなる構造体26が設けられている。図2に示されるように、構造体は、薄膜状ではなく、並列した細い長尺状の導体の構造からなり、エレクトレット部材25と上側の基材21の間に設けられ、ノイズ除去の効果を有する。

0048

図3は、ノイズ除去部を下側基材に設けた例であり、図1と同様、上段は断面図であり、下段は断面図に対応する平面図である。図3のエレクトレット素子は、一対の電極32と、一対の電極で挟まれた半導体33と、半導体33に対してギャップを介した位置に設置されたエレクトレット部材35を備え、下側の基材31上の電極対32及び半導体33を囲むように、ノイズ除去部36が設けられている。図3では、ノイズ除去部が全周辺に設けられているが、一部でもよい。図3では、図1と同様、エレクトレット部材周辺に、バンク構造体34を設けてギャップを形成している。

0049

ノイズ除去の手法として、複数の例を示したが、これらを併用してもよい。

0050

図1、2、3においては、基材に電極を形成した後に半導体を形成した例で示したが、半導体を形成した後、半導体の上に一部あるいは全部重なる形状の電極を配置してもよい。図4に、下側基材41に半導体43を設け、半導体43の上に電極42を配置した例を示す。図4は、バンク構造体44によりギャップを形成し、エレクトレット部材45をバンク構造体により支持しギャップを維持する構造であり、電極対42がエレクトレット部材45と接触しないように絶縁層47が設けられている。

0051

本実施の形態の素子は、次のように製造する。図1上段に示す基本構造の場合、図面下側の基材1に、一対の電極2と半導体3とを形成配置した部材と、図面上側の基材1に、導体薄膜6を介してエレクトレット部材5を形成配置した部材とを、半導体3とエレクトレット部材5とが向き合い、かつ、バンク構造体4によりギャップが維持できるように、貼り合わせて、素子を得る。

0052

本実施の形態の素子を製造してその特性を評価した。ガラス基材上にマスク蒸着法により金電極を形成した。電極間隔は50μm、電極のは5mmとした。その後、電極の間に、有機半導体であるポリヘキシルチオフェン有機溶剤に溶かした液を適下し、溶媒を乾燥・除去することにより半導体薄膜を作製した。更に、基材上の半導体薄膜を形成した外側に、粘着テープを貼り付けることにより、バンク構造体を作製した。次に、ポリイミドフィルムの表面にスパッタ成膜法によって金薄膜(導体薄膜6に相当)を形成し、その上にエレクトレット部材として、アモルファスフッ素樹脂((C6F100)n)の薄膜を作製した。更に、フィルム上のアモルファスフッ素樹脂((C6F100)n)薄膜に対してコロナ放電装置を用いて帯電化処理を行った。次に、ガラス基板とポリイミドフィルムをそれぞれの表面に形成した薄膜が内側になる様に重ね合わせて、エレクトレット素子を作製した。

0053

得られた素子の電極に直流電源電流計を接続し、40Vの電圧を印加した状態における電流値を測定した。図5に、フィルムの上からピンセットで触れることで加圧した時の電流値の変化を示す。下向きの矢印は、横軸時間経過時に加圧したことを示す。図5によれば、加圧時に電流値が5〜10nA上昇することから、素子が加圧されたことをリアルタイム感知していることがわかる。

0054

図6に、複数の種類の異なる加圧方法で押圧したときの、抵抗値を示す。Aは、本実施の形態のエレクトレット素子のセンサー上に敷いた紙状にペンで筆記した際の振動による抵抗変化を示し、Bは、ペンによる押圧時の抵抗変化を示し、Cは、ブラシで擦過した際の振動による抵抗変化を示し、Dは指による押圧時の抵抗変化を示す。図6から、振動により抵抗値の変化が高感度であること(A参照)がわかり、ペンによる押圧時には抵抗の変化の幅が非常に大きく高感度であること、指による押圧時の抵抗変化も大きいことがわかる(D参照)。図6は、加圧方法や加圧媒体の違いによって、抵抗値の変化の挙動が異なることを示しており、このことから、この素子が加圧の有無だけでなく加圧の様子を詳細にセンシングしていることが分かる。

0055

本実施の形態の素子の動作原理を、図7及び8を参照して説明する。図7は、エレクトレット素子を加圧していない状態の素子の断面図を示し、図8は、加圧した状態の素子の断面図を示す。図7に示すように、素子の電極には、電源と電流計を接続して電圧を印加した。なお、半導体(N型半導体53)の上部にあるエレクトレット部材55は、重ね合わせる前の帯電処理によりプラスもしくはマイナスに帯電している。図はプラスに帯電した例である。加圧していない状態では、電気は流れない。次に、図8に示すように、素子の上方より加圧すると、エレクトレット部材55が半導体(N型半導体53)に接近もしくは接触するので、帯電(図ではプラス)したエレクトレット部材55により半導体53中に電荷(キャリア)(図ではN型半導体53中に誘起された電子56)が誘起されチャネルを形成する。形成したチャネルを介して電極間に電流が流れることにより、信号の入力を電気的に検知する。図7、8で説明したように、加圧力に対応して、半導体中に電荷が誘起されチャネルが形成される現象に基づくので、抵抗値が高精度でかつ高感度で変化する。

0056

(第2の実施の形態)
本実施の形態について図を参照して以下説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態で説明したエレクトレット素子を複数個設けて、エレクトレット部材に加えられた圧力もしくは振動のオンオフや大きさを1対の電極間に流れる電流により検知し、検知した位置を検出する。本実施の形態の装置はタッチパネル等の電子デバイスに用いる入力装置に適する。図9に、本実施の形態の装置を上から見た平面図を模式的に示す。図9では、第1の方向とこれに交差(例えば直交)する第2の方向に、エレクトレット素子を複数個配置して、アレイ状に素子を整列した例である。図9の電子回路は、8×8マトリックスアレイ回路の例である。第1の方向及び第2の方向に、独立した配線が複数列設けられ、半導体の両端のうちの一方の電極は第1の方向の配線に接続され、他方の電極は第2の方向の配線に接続されている。図9では、点線で囲まれる位置にエレクトレット部材が設けられ、半導体とエレクトレット部材との間は所定の間隔のギャップが設けられている。ギャップを形成するために、配線構造の上に、適宜、バンク構造体が設けられている。電極の間にある半導体の位置に対向する上部のエレクトレット部材が、下に向かう方向に加圧されることにより、加圧された位置の半導体の電気信号を効率的に検知することができる。本入力装置では、抵抗値の変化又はオンオフが生起された半導体を検出することにより、圧力の加わった位置を検出することができる。

0057

(第3の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態のエレクトレット素子におけるバンク構造体等の間隙保持部を外し、半導体とエレクトレット部材が積層構造を有するものである。本実施の形態について図を参照して以下説明する。図10は、本実施の形態のエレクトレット素子の概念図であり、上段は断面図であり、下段は断面図に対応する平面図である。

0058

半導体に誘起される電荷量は、エレクトレット部材との距離だけでなく、エレクトレット部材が半導体層を押し付ける力の違いによっても変化するので、エレクトレット部材と半導体層が接触した状態でエレクトレット部材にかける圧力を変えることにより、電極間にある半導体を流れる電流値を制御できる。

0059

図10で示した素子は、一対の電極62で挟まれた半導体63と、半導体63の表面に設置されたエレクトレット部材65とを備える積層構造を有する。本素子では、図面上段の下側の基材61に電極対62と半導体63が装着され、半導体63は、一対の電極を覆うように設けられ、半導体63表面とエレクトレット部材65とが接触して重なり合うように、エレクトレット部材65と導体薄膜66と基材61が積層して設けられている。電極対62とエレクトレット部材65は、接触しない構造であり、半導体63により離隔されている。なお、基材61は、図面下側と図面上側とは別個に構成され、適宜省略することもできる。導体薄膜66は、第1の実施の形態と同様、ノイズを除去するためのものである。エレクトレット部材65は半導体63表面に設置されているのみで、特に接着剤等は使用しない。エレクトレット部材と半導体等の固定のための構造を本素子の周辺に設けることができる。

0060

図11は、図10に示す構造の素子を押圧した時の、加圧と電極間に流れる電流値との関係を示す図である。図11は、図5及び6と同様、加圧によって電流値が増加していることを示している。

0061

本実施の形態の素子の動作原理を、図12及び13を参照して説明する。図12は、エレクトレット素子を加圧していない状態の素子の断面図であり、図13は、加圧した状態の素子の断面図である。図中、エレクトレット素子は、電極対72を備える半導体73とエレクトレット部材75とを重ね合わせた基本的積層構造を備えている。エレクトレット部材と半導体の間にギャップを形成せず重ね合わせ構造を有する場合において、その重ね合わせ部分においては、図12に示すように、部材の表面の凹凸うねりによって発生するミクロサイズの空隙(図中77)が存在している。このミクロ空隙77のために、エレクトレット部材の帯電による半導体内のキャリア(図中、半導体中に誘起された電子76)の誘起が阻害される。次に、図13に示すように、素子の上方より加圧すると、ミクロ空隙が押しつぶされて消失し(図中78)、重ね合わせ部分の密着性が向上しキャリアの誘起が促進され電極間を流れる電流が増加する。誘起された電子76が増加した様子を図13に模式的に示す。加圧力に対応して重ね合わせ部分の密着性が変化するので、電極間の抵抗値が高感度で変化する。このように、エレクトレット部材が半導体に接触している場合も、エレクトレット部材に圧力又は振動が印加されると、その接触状態が変化するので、1対の電極間に流れる電流量を制御することができる。

0062

本実施の形態の素子を、複数個設けて、エレクトレット部材に加えられた圧力もしくは振動のオンオフや大きさを1対の電極間に流れる電流により検知し、検知した位置を検出することができる。本実施の形態の素子を用いたセンサー、電子回路、及び入力装置は、第2の実施の形態と類似の構造で作成できる。本実施の形態の素子を用いた場合は、ギャップを維持するためのバンク構造体を必要としない。

0063

上記実施の形態等で示した例は、発明を理解しやすくするために記載したものであり、この形態に限定されるものではない。

0064

本発明のエレクトレット素子は、タッチパネルやマイクロフォン等の電子デバイスに用いる入力装置に利用可能であり、また、道路配管、壁、等の構造物劣化や不具合を検知する振動センサーに利用可能であり、道路や床等に設置して人や自動車等の行動を感知する位置センサー等に利用可能であり、産業上有用である。

0065

1、21、31、41、61基材
2、22、32、42、62、72電極対
3、23、33、43、63、73半導体
4、34、44バンク構造体
5、25、35、45、65、75エレクトレット部材
6、66導体薄膜
26導体からなる構造体
27 基材の陥没部
36ノイズ除去部
47絶縁層
53N型半導体
55 プラスに帯電したエレクトレット部材
56 N型半導体53中に誘起された電子
76 半導体中に誘起された電子
77ミクロサイズの空隙
78 ミクロサイズの空隙が消失した接触面

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