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技術 炭酸カルシウムブロックの製造方法

出願人 株式会社ジーシー国立大学法人九州大学
発明者 石川邦夫山本克史
出願日 2015年9月29日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2016-552061
公開日 2017年4月27日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 WO2016-052502
状態 特許登録済
技術分野 アルカリ土類,Al,希土類金属化合物 医療用材料
主要キーワード 円形金型 ブロック形 水酸化カルシウム粉末 多孔質炭酸カルシウム 多孔質炭 炭酸カルシウム中 生体非吸収性材料 多孔質部分
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課題・解決手段

生体安全性が要求される人工骨原料として適用可能な炭酸カルシウムブロックの製造方法であって、直径0.1cm、厚み0.1cm以上であり、不純物を含まない炭酸カルシウムブロックの製造方法を提供することを課題とし、(a)水酸化カルシウムブロック成形工程(b)二酸化炭素接触工程(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程を含む炭酸カルシウムブロックの製造方法とする。

概要

背景

医科歯科等の医療分野において、広範な骨の欠損部又は空隙部を修復する手段としては、当該欠損部等への自家骨移植第一選択とされている。しかし、自家骨を採取するには、健常部に外科的侵襲を加えなければならず、その採取量にも限度があることから自家骨の代わりとなる骨補填材の移植が広く行われている。この骨補填材には生体骨類似の機械的特性生体安全性、骨形成能等が要求される。

骨補填材の種類としては、遺体から採取した他家骨、ウシ等の他動物から採取した異種骨、化学的に合成された人工骨に分けられるが、他家骨や異種骨は他生物由来因子混入による感染症等の虞があるのに対し、人工骨はこの虞が無い点で優れるため、近年開発が行われている。

人工骨としては、リン酸カルシウムを主成分とするセラミックス人工骨が知られており、最も検討されている材料はハイドロキシアパタイトである。ハイドロキシアパタイトは骨伝導性を示すため極めて有用な骨補填材であるが、生体非吸収性材料であるため消失せず、半永久的に体内異物として残存する。これにより、補填後に欠損部からの漏出の虞や、移植体の感染による炎症の惹起等の可能性があることから、生体吸収性の骨補填材が望まれていた。

このために、生体吸収性材料であるβ型リン酸三カルシウム(β−TCP)からなるセラミックス人工骨が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。この人工骨は生体吸収性に優れているため、最終的には消失する。しかしその吸収の機序物理化学的溶解等生体の機序によるものではないため、骨欠損部が大きい場合等には十分な骨形成がされる前に人工骨が消失してしまう可能性があった。

これに対し、生体の機序により吸収される骨補填材として近年炭酸アパタイトが開発されている(例えば、特許文献2)。炭酸アパタイトは生体骨に近似した組成であるため、生体の機序により吸収される。このため、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨補填材の吸収(リモデリング)が適切に行われるため、予知性の高い骨修復が可能とされている。

炭酸アパタイトの製造方法としては、炭酸カルシウム前駆体をリン酸塩溶液に浸漬する方法が有力である(例えば、前記特許文献2。)。ここで、骨補填材のサイズが一定以下、例えば粉末状であると生体は異物と認識し炎症を惹起してしまうことが知られていることから、顆粒状やブロック形状等、一定以上のサイズの炭酸アパタイトでなければ生体に適用できない。一方、大きなブロック形状等であれば、大きな骨欠損部等に対応できることから好ましい。

大きなブロック形状等の炭酸アパタイトを得るためには、前駆体として大きなブロック形状の炭酸カルシウムが必要である。しかしながら炭酸カルシウムは粉末状であり、人工的にブロック形状とする必要があるが、例えば、焼結をすると炭酸カルシウムは分解してしまうので適用できない。また、炭酸カルシウムをブロック形状化する開示は存在するものの、これらは生体安全性が要求される人工骨の原料としては適用できなかった。例えば、炭酸カルシウム等の無機充填材有機物無機物バインダー接着させて硬化させた、一般的に人工大理石と呼ばれる炭酸カルシウムブロック(例えば、特許文献3参照。)は、人体に対して悪影響を与える虞がある不純物残留する可能性があるため適用できない。

これに対し、前記特許文献2においては、水酸化カルシウム粉末圧縮成型し、得られた圧粉体相対湿度100%の二酸化炭素気流化で炭酸化を行うことにより、炭酸カルシウムブロックを得ている。この方法によれば、水酸化カルシウム日本薬局方等安全なものが入手可能なため生体安全性の問題が無く、また炭酸化と同時に粉末同士が結合して強度を有したブロックとなるため、炭酸カルシウムブロックを得ることが可能である。

概要

生体安全性が要求される人工骨の原料として適用可能な炭酸カルシウムのブロックの製造方法であって、直径0.1cm、厚み0.1cm以上であり、不純物を含まない炭酸カルシウムブロックの製造方法を提供することを課題とし、(a)水酸化カルシウムブロック成形工程(b)二酸化炭素接触工程(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程を含む炭酸カルシウムブロックの製造方法とする。

目的

これにより、補填後に欠損部からの漏出の虞や、移植体の感染による炎症の惹起等の可能性があることから、生体吸収性の骨補填材が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

(a)水酸化カルシウムブロック成形工程(b)二酸化炭素接触工程(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程を含む炭酸カルシウムブロックの製造方法。

請求項2

さらに、(d)孔形成物質混合工程(e)孔形成工程を含む請求項1に記載の炭酸カルシウムブロックの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、人工骨原料として有用な炭酸カルシウムブロックの製造方法に関する。

背景技術

0002

医科歯科等の医療分野において、広範な骨の欠損部又は空隙部を修復する手段としては、当該欠損部等への自家骨移植第一選択とされている。しかし、自家骨を採取するには、健常部に外科的侵襲を加えなければならず、その採取量にも限度があることから自家骨の代わりとなる骨補填材の移植が広く行われている。この骨補填材には生体骨類似の機械的特性生体安全性、骨形成能等が要求される。

0003

骨補填材の種類としては、遺体から採取した他家骨、ウシ等の他動物から採取した異種骨、化学的に合成された人工骨に分けられるが、他家骨や異種骨は他生物由来因子混入による感染症等の虞があるのに対し、人工骨はこの虞が無い点で優れるため、近年開発が行われている。

0004

人工骨としては、リン酸カルシウムを主成分とするセラミックス人工骨が知られており、最も検討されている材料はハイドロキシアパタイトである。ハイドロキシアパタイトは骨伝導性を示すため極めて有用な骨補填材であるが、生体非吸収性材料であるため消失せず、半永久的に体内異物として残存する。これにより、補填後に欠損部からの漏出の虞や、移植体の感染による炎症の惹起等の可能性があることから、生体吸収性の骨補填材が望まれていた。

0005

このために、生体吸収性材料であるβ型リン酸三カルシウム(β−TCP)からなるセラミックス人工骨が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。この人工骨は生体吸収性に優れているため、最終的には消失する。しかしその吸収の機序物理化学的溶解等生体の機序によるものではないため、骨欠損部が大きい場合等には十分な骨形成がされる前に人工骨が消失してしまう可能性があった。

0006

これに対し、生体の機序により吸収される骨補填材として近年炭酸アパタイトが開発されている(例えば、特許文献2)。炭酸アパタイトは生体骨に近似した組成であるため、生体の機序により吸収される。このため、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨補填材の吸収(リモデリング)が適切に行われるため、予知性の高い骨修復が可能とされている。

0007

炭酸アパタイトの製造方法としては、炭酸カルシウム前駆体をリン酸塩溶液に浸漬する方法が有力である(例えば、前記特許文献2。)。ここで、骨補填材のサイズが一定以下、例えば粉末状であると生体は異物と認識し炎症を惹起してしまうことが知られていることから、顆粒状やブロック形状等、一定以上のサイズの炭酸アパタイトでなければ生体に適用できない。一方、大きなブロック形状等であれば、大きな骨欠損部等に対応できることから好ましい。

0008

大きなブロック形状等の炭酸アパタイトを得るためには、前駆体として大きなブロック形状の炭酸カルシウムが必要である。しかしながら炭酸カルシウムは粉末状であり、人工的にブロック形状とする必要があるが、例えば、焼結をすると炭酸カルシウムは分解してしまうので適用できない。また、炭酸カルシウムをブロック形状化する開示は存在するものの、これらは生体安全性が要求される人工骨の原料としては適用できなかった。例えば、炭酸カルシウム等の無機充填材有機物無機物バインダー接着させて硬化させた、一般的に人工大理石と呼ばれる炭酸カルシウムブロック(例えば、特許文献3参照。)は、人体に対して悪影響を与える虞がある不純物残留する可能性があるため適用できない。

0009

これに対し、前記特許文献2においては、水酸化カルシウム粉末圧縮成型し、得られた圧粉体相対湿度100%の二酸化炭素気流化で炭酸化を行うことにより、炭酸カルシウムブロックを得ている。この方法によれば、水酸化カルシウム日本薬局方等安全なものが入手可能なため生体安全性の問題が無く、また炭酸化と同時に粉末同士が結合して強度を有したブロックとなるため、炭酸カルシウムブロックを得ることが可能である。

先行技術

0010

特開平5−237178号公報
特許4854300号公報
特開平8−290949号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら前記特許文献2の方法は、炭酸化の速度が遅く実用的ではなかった。例えば、直径0.1cm、厚み0.1cm以上のサイズが比較的小さなものでも、完全に炭酸化するためには長時間(例えば168時間)を費やす必要があった。さらに直径1cm、厚み1cm以上のものでは、より長時間(例えば672時間)費やしても中心部の炭酸化が完了しなかった。このため、得られる炭酸カルシウムブロックの中心部に水酸化カルシウムが残留し、これにより次工程にて炭酸アパタイトとした際にブロックの中心部は炭酸アパタイトとならない問題があった。

0012

そこで本発明は、生体安全性が要求される人工骨の原料として適用可能な炭酸カルシウムのブロックの製造方法であって、直径0.1cm、厚み0.1cm以上であり、不純物を含まない炭酸カルシウムブロックの製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、水酸化カルシウムをブロック形状に成形し、これを二酸化炭素と接触させてブロックの表面を部分的に炭酸化した後、炭酸イオンが含有された水溶液に浸漬すれば、未反応の水酸化カルシウムが残留していた場合でも、これが溶液中の炭酸イオンと反応することにより炭酸カルシウムとなるため、直径0.1cm、厚み0.1cm以上であり、不純物を含まない炭酸カルシウムブロックが確実に得られることを見出して本発明を完成させた。

0014

即ち本発明の第一の実施形態は、
(a)水酸化カルシウムブロック成形工程
(b)二酸化炭素接触工程
(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程
を含む炭酸カルシウムブロックの製造方法である。

0015

また、本発明の第二の実施形態は、
(a)水酸化カルシウムブロック成形工程
(b)二酸化炭素接触工程
(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程
を含み、さらに、
(d)孔形成物質混合工程
(e)孔形成工程
を含む炭酸カルシウムブロックの製造方法である。

発明の効果

0016

本発明に係る炭酸カルシウムブロックの製造方法は、生体安全性が要求される人工骨の原料として適用可能な炭酸カルシウムのブロックの製造方法であって、直径0.1cm、厚み0.1cm以上であり、不純物を含まない炭酸カルシウムブロックを製造することが可能な優れた炭酸カルシウムブロックの製造方法である。

0017

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0018

(a)水酸化カルシウムブロック成形工程は、炭酸カルシウムの前駆体である水酸化カルシウムをブロック形状に成形する工程である。水酸化カルシウムは通常粉末で入手されるので、水酸化カルシウム粉末を圧縮成型型に填入し、圧縮成型器を用いて圧縮することでブロック形状とすることができる。成形圧を制御することにより、得られるブロックの強度を変化させることができる。成形圧としては、10〜300kg/cm2が好ましい。
また、水酸化カルシウム粉末を水等の溶媒を混ぜた後、溶媒を除去することによってもブロック形状とすることができる。
成型するブロックのサイズとしては、直径0.1cm〜50cm、厚み0.1cm〜5cm、特に直径3cm〜10cm、厚み1cm〜2cmが好ましい。またブロックの形状としては、円柱直方体平板状、等を挙げることができる。

0019

原料の水酸化カルシウムとしては、不純物を含まないものであれば特に限定されず使用可能であるが、日本薬局方のものであれば安全性が保証されているので特に好ましい。また、水酸化カルシウムに別の物質を混ぜてブロック形状とすることも可能である。例えば、ハイドロキシアパタイト、β型リン酸三カルシウム、硫酸カルシウム等を混ぜることができる。

0020

さらに(a)水酸化カルシウムブロック成形工程の前において、(d)孔形成物質混合工程を含めることができる。(d)孔形成物質混合工程は、原料の水酸化カルシウムに特定の溶媒で溶解する物質(孔形成物質)を混合する工程である。この(d)孔形成物質混合工程及び後述する(e)孔形成工程を含めることにより、孔が全体に分布した多孔質炭酸カルシウムブロックを得ることが可能である。この水酸化カルシウムと孔形成物質の混合比は、2:1〜1:2であることが好ましい。また、孔形成物質の大きさは、50μm〜300μmであることが好ましい。特定の溶媒としては水が挙げられ、水に溶解する物質としては、塩化ナトリウムクエン酸三ナトリウム等が挙げられる。

0021

(b)二酸化炭素接触工程は、(a)水酸化カルシウムブロック成形工程で得られた水酸化カルシウムブロックを二酸化炭素と接触させ炭酸化する工程である。この工程により、水酸化カルシウムが二酸化炭素と反応することにより炭酸カルシウムとなる。これにより少なくとも一部が炭酸カルシウムである部分炭酸カルシウムブロックが得られるが、ブロックのサイズが大きい場合、又はブロック成形時の成形圧が高い場合、反応時間を長時間(例えば、672時間。)とした場合でも、特に中心部に水酸化カルシウムが残留する可能性がある。

0022

炭酸化雰囲気を実現する方法としては、例えば、炭酸インキュベータを利用する方法が挙げられる。炭酸化条件は、ブロックのサイズ、成形圧等によるが、炭酸インキュベータを利用することにより、炭酸ガス濃度、相対湿度、温度等の炭酸化条件を適切に制御することができる。炭酸化条件は、炭酸ガス濃度としては5%〜20%、相対湿度は90%〜100%、温度は20℃〜40℃が好ましい。また、炭酸化時間は例えば、1時間〜168時間である。

0023

(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程は、(b)二酸化炭素接触工程で得られた部分炭酸カルシウムブロックを、炭酸イオン含有水溶液に浸漬する工程である。この工程により、部分炭酸カルシウム中に残留した水酸化カルシウムが炭酸イオンと反応し、炭酸カルシウムとなる。即ち、不純物を含まない炭酸カルシウムブロックが得られる。本工程では、水酸化カルシウムに炭酸イオン含有水溶液を直接反応させるため、(b)二酸化炭素接触工程では炭酸化できなかった水酸化カルシウムでも完全に炭酸化することが可能であり、且つ(b)二酸化炭素接触工程より速やかに炭酸化を行うことができる。浸漬時間は例えば、1時間〜168時間である。

0024

炭酸イオン含有水溶液の調製方法としては、水に炭酸ガスを溶解させる方法以外に、炭酸イオン供給物質を溶解させる方法がある。炭酸イオン供給物質としては、不純物を含まず水に溶解するものであれば特に限定されず使用可能であるが、日本薬局方のものであれば安全性が保証されているので特に好ましい。例えば、炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム炭酸カリウム炭酸水素カリウム炭酸アンモニウム炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。水溶液の温度は高いほうが炭酸化の効率がよく、かつ反応の進行が早いので望ましい。より具体的には20℃以上が望ましく、還流装置や圧力が付与可能な水熱反応装置等を用いて溶液の沸点以上で調製することも可能である。装置の簡便性を考慮すると20℃〜95℃、より好ましくは60℃〜90℃が好ましい。水溶液中の炭酸イオン濃度としては、特に指定はないが、高いほうが炭酸化の効率がよく、かつ反応の進行が早いので望ましい。炭酸イオン供給物質を使用する際には、その物質の水への溶解度に依存する。反応後の洗浄工程等を考慮すると炭酸イオン濃度は0.5mol/L〜1.5mol/Lが望ましい。

0025

さらに(a)水酸化カルシウムブロック成形工程の前において、前述した(d)孔形成物質混合工程を含めた場合、(b)二酸化炭素接触工程の後、又は(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程の後に、(e)孔形成工程を含めることができる。(e)孔形成工程は、(d)孔形成物質混合工程において混合した特定の溶媒で溶解する物質を当該特定の溶媒で溶解する工程である。この工程により、孔が全体に分布した多孔質炭酸カルシウムブロックを得ることが可能である。特定の溶媒としては水が挙げられ、水に溶解する物質としては、塩化ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられる。

0026

本発明に係る炭酸カルシウムブロックの製造方法により得られる炭酸カルシウムブロックは、上記の通り不純物を含まない炭酸カルシウムブロックであるため、これをリン酸塩溶液に浸漬し反応させれば、不純物を含まず、サイズの大きな炭酸アパタイトブロックが得られる。また、(d)孔形成物質混合工程及び(e)孔形成工程を含めることにより、多孔質炭酸カルシウムブロックが得られ、同様に多孔質炭アパタイトブロックとすることが可能である。

0027

本発明においては、(b)二酸化炭素接触工程を経ることにより、(a)水酸化カルシウムブロック成形工程で得られた水酸化カルシウムブロックの少なくとも外表面は炭酸カルシウムとなり、且つ生成した炭酸カルシウム分子同士は有機的に化学結合した状態となる。これにより、(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程を行っても崩壊することなく、炭酸カルシウムブロックを得ることができる。これに対し、(b)二酸化炭素接触工程を経ずに(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程を行った場合、(a)水酸化カルシウムブロック成形工程で得られた水酸化カルシウムブロック中の水酸化カルシウム分子同士は単に押し固められたにすぎず化学的に結合していないため、これを炭酸イオン含有水溶液に浸漬すると容易に崩壊してしまい、炭酸カルシウムブロックを得ることができない。

0028

上記の技術思想を利用することにより、特に従来法では完全な炭酸化が困難であった直径1cm、厚み1cm以上の比較的大きなブロックであっても、(b)二酸化炭素接触工程により少なくとも外表面を炭酸カルシウムで覆い、続く(c)炭酸イオン含有水溶液浸漬工程により、内部まで速やかに炭酸化を完了し、不純物のない炭酸カルシウムブロックを得ることができる。したがって、本発明は極めて有用である。

0029

以下に具体的に例を挙げて本発明に係る炭酸カルシウムブロックの製造方法について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。

0030

<実施例1>
日本薬局方の水酸化カルシウム10gを50kg/cm2の軸圧で直径30mmの円形金型を用いて、一軸加圧成形し、水酸化カルシウム圧粉体を成形した。得られた水酸化カルシウム圧粉体を、炭酸ガス濃度5%、相対湿度100%、温度30℃の炭酸インキュベータ内静置、24時間炭酸化を行った。得られた部分炭酸カルシウムブロックを、80℃の1mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液に浸漬し、48時間経過後、水洗、乾燥を行った。得られた炭酸カルシウムブロックを分割し、露出させた中心部にフェノールフタレイン溶液滴下したところ、炭酸カルシウムの白色のままで呈色は見られなかった。これにより未反応の水酸化カルシウムの残留のないことが確認された。

0031

<実施例2>
日本薬局方の水酸化カルシウム5g及び、平均粒径300μmの日本薬局方の塩化ナトリウム5gをV型混合器を用いて均一に混合した。得られた混合紛を、100kg/cm2の軸圧で直径30mmの円形金型を用いて、一軸加圧成形し、水酸化カルシウム/塩化ナトリウム圧粉体を成形した。得られた水酸化カルシウム/塩化ナトリウム圧粉体を、炭酸ガス濃度20%、相対湿度100%、温度30℃の炭酸インキュベータ内に静置、24時間炭酸化を行った。得られた部分炭酸カルシウム/塩化ナトリウムブロックを、蒸留水で5回置換洗浄し、塩化ナトリウムを除去した。得られた多孔質部分炭酸カルシウムブロックを、100℃の0.5mol/Lの炭酸アンモニウム水溶液に浸漬し、48時間経過後、水洗、乾燥を行った。得られた多孔質炭酸カルシウムブロックを分割し、露出させた中心部にフェノールフタレイン溶液を滴下したところ、炭酸カルシウムの白色のままで呈色は見られなかった。これにより未反応の水酸化カルシウムの残留のないことが確認された。

実施例

0032

<比較例1>
実施例1と同様の条件で、水酸化カルシウム圧粉体を成形した後、炭酸インキュベータにより炭酸化を行い、部分炭酸カルシウムブロックを得たが、その後の炭酸水素ナトリウム水溶液への浸漬は行わなかった。得られた部分炭酸化カルシウムブロックを分割し、露出させた中心部にフェノールフタレイン溶液を滴下したところ、中心部より外側は白色のままで呈色はみられなかったが、中心部は赤色に呈色した。これにより、未反応の水酸化カルシウムが残留していることが確認された。

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