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技術 ゴムと金属との接着促進剤、ゴム組成物及びタイヤ

出願人 DIC株式会社国立大学法人岩手大学
発明者 大槻周次郎小田島貴之平原英俊
出願日 2015年9月9日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2016-547472
公開日 2017年6月22日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 WO2016-039376
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 タイヤ一般
主要キーワード 芳香族カルボン酸残基 トッピング装置 チタン金属塩 チタン塩化物 タイヤ補強部材 伸長結晶化 ゴム片 硫酸チタン溶液
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月22日)のものです。
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図面 (1)

課題・解決手段

下記一般式(A)(式中、Zは下記式(z−1)〜式(z−4)から選ばれる構造である。Mはチタンまたはジルコニウムである。(RCOO)は炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸の残基である。)で表される化合物(1)を含有することを特徴とするゴムと金属との接着促進剤。[化1]

概要

背景

従来、自動車用タイヤベルトコンベヤ等の性能を高めるために、例えば真ちゅうメッキされたスチールコード等が補強材として使用されている。該補強材と天然ゴム又は合成ゴムとの接着力を向上させるために、ゴムには接着促進剤が含まれている。この接着促進剤としては、スチールコードとゴムとの接着性が良好なことから有機酸コバルト金属石鹸(例えば、ステアリン酸コバルトナフテン酸コバルトトール油脂肪酸コバルト、コバルトホウ素金属石鹸等)が頻繁に使用されてきた。

しかしながら、前記有機酸コバルト金属石鹸などのコバルト化合物は、国際がん研究機関発ガン性リスク一覧において「ヒトに対する発癌性が疑われる」とされるグループ2Bにリストアップされている。また、種々のコバルト化合物の原料である金属コバルト希少金属であるため供給が不安定である。このように、ゴムと金属(スチールコード)との接着性が良好であるものの、発がん性が疑われ、供給も不安定である原料を用いるコバルト化合物(有機酸コバルト金属石鹸)は避けられる傾向にあり、代替の接着促進剤(非コバルト系の接着促進剤)が求められている。

非コバルト系の接着促進剤としては、例えば、ホウ素や燐を含む接着促進剤が知られている。具体的には、例えば、酸素原子を介してホウ素または燐と結合されているニッケルまたはビスマスの3原子を含み、且つ、芳香族カルボン酸の残基及び脂肪族カルボン酸の残基を併せ持つ構造を有する接着促進剤が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1に開示された接着促進剤は、ゴムと金属とを接着させる際の接着力が十分でない問題がある。

概要

下記一般式(A)(式中、Zは下記式(z−1)〜式(z−4)から選ばれる構造である。Mはチタンまたはジルコニウムである。(RCOO)は炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸の残基である。)で表される化合物(1)を含有することを特徴とするゴムと金属との接着促進剤。[化1]

目的

本発明が解決しようとする課題は、毒性が懸念されているコバルトを含有せずとも、コバルトを含有する接着促進剤よりも、ゴムと金属との間に高い接着力を奏することができる接着促進剤と、これを用いたゴム組成物及びタイヤを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(A)(式中、Zは下記式(z−1)〜式(z−4)から選ばれる構造である。Mはチタンまたはジルコニウムである。(RCOO)は炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸の残基である。)で表される化合物(1)を含有することを特徴とするゴムと金属との接着促進剤

請求項2

前記Mがチタンである請求項1記載のゴムと金属との接着促進剤。

請求項3

前記Zが前記式(z−1)で表される構造である請求項1に記載のゴムと金属との接着促進剤。

請求項4

前記(RCOO)が、炭素原子数2〜20の飽和脂肪族モノカルボン酸の残基である請求項1記載のゴムと金属との接着促進剤。

請求項5

前記(RCOO)が、2−エチルヘキサン酸の残基、ネオデカン酸の残基、ヘキサデカン酸の残基またはオクタデカン酸の残基である請求項3記載のゴムと金属との接着促進剤。

請求項6

ゴムとスチールコードとを接着させる用途に用いる請求項1記載のゴムと金属との接着促進剤。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴムと金属との接着促進剤と、ゴム成分とを含有することを特徴とするゴム組成物

請求項8

前記ゴムと金属との接着促進剤を、前記ゴム成分100質量部に対して1〜7質量部含有する請求項7記載のゴム組成物。

請求項9

請求項7に記載のゴム組成物とスチールコードとからなるスチールコード/ゴム複合体を有することを特徴とするタイヤ

技術分野

0001

本発明は、ゴムと金属との接着促進剤と、これを用いたゴム組成物及びタイヤに関する。具体的には、毒性が懸念されているコバルトを含有せずとも、コバルトを含有する接着促進剤と同等もしくはそれ以上に、ゴムと金属との間に高い接着力を奏することができる接着促進剤と、これを用いたゴム組成物及びタイヤに関する。

背景技術

0002

従来、自動車用タイヤベルトコンベヤ等の性能を高めるために、例えば真ちゅうメッキされたスチールコード等が補強材として使用されている。該補強材と天然ゴム又は合成ゴムとの接着力を向上させるために、ゴムには接着促進剤が含まれている。この接着促進剤としては、スチールコードとゴムとの接着性が良好なことから有機酸コバルト金属石鹸(例えば、ステアリン酸コバルトナフテン酸コバルトトール油脂肪酸コバルト、コバルトホウ素金属石鹸等)が頻繁に使用されてきた。

0003

しかしながら、前記有機酸コバルト金属石鹸などのコバルト化合物は、国際がん研究機関発ガン性リスク一覧において「ヒトに対する発癌性が疑われる」とされるグループ2Bにリストアップされている。また、種々のコバルト化合物の原料である金属コバルト希少金属であるため供給が不安定である。このように、ゴムと金属(スチールコード)との接着性が良好であるものの、発がん性が疑われ、供給も不安定である原料を用いるコバルト化合物(有機酸コバルト金属石鹸)は避けられる傾向にあり、代替の接着促進剤(非コバルト系の接着促進剤)が求められている。

0004

非コバルト系の接着促進剤としては、例えば、ホウ素や燐を含む接着促進剤が知られている。具体的には、例えば、酸素原子を介してホウ素または燐と結合されているニッケルまたはビスマスの3原子を含み、且つ、芳香族カルボン酸の残基及び脂肪族カルボン酸の残基を併せ持つ構造を有する接着促進剤が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1に開示された接着促進剤は、ゴムと金属とを接着させる際の接着力が十分でない問題がある。

先行技術

0005

特開平4−230397号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明が解決しようとする課題は、毒性が懸念されているコバルトを含有せずとも、コバルトを含有する接着促進剤よりも、ゴムと金属との間に高い接着力を奏することができる接着促進剤と、これを用いたゴム組成物及びタイヤを提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、酸素原子を介してホウ素または燐と結合されているチタンまたはジルコニウムのいずれかを含み、且つ、脂肪族カルボン酸の残基を併せ持つ特定の構造を有する化合物は、毒性が懸念されているコバルトを含有せずとも、コバルトを含有する接着促進剤よりも、ゴムと金属との間に高い接着力を奏することができる接着促進剤となること、前記特許文献1のように芳香族カルボン酸残基を積極的に有するものよりもゴムと金属との間に高い接着力を奏することができる接着促進剤となること等を見出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち本発明は、以下の態様を含む。
[1] 下記一般式(A)

0009

(式中、Zは下記式(z−1)〜式(z−4)

0010

から選ばれる構造である。Mはチタンまたはジルコニウムである。(RCOO)は炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸の残基である。)
で表される化合物(1)を含有することを特徴とするゴムと金属との接着促進剤を提供するものである。
[2] 前記Mがチタンである前記[1]記載のゴムと金属との接着促進剤。
[3] 前記Zが前記式(z−1)で表される構造である前記[1]または[2]に記載のゴムと金属との接着促進剤。
[4] 前記(RCOO)が、炭素原子数2〜20の飽和脂肪族モノカルボン酸の残基である前記[1]記載のゴムと金属との接着促進剤。
[5] 前記(RCOO)が、2−エチルヘキサン酸の残基、ネオデカン酸の残基、ヘキサデカン酸の残基またはオクタデカン酸の残基である前記[3]記載のゴムと金属との接着促進剤。
[6] ゴムとスチールコードとを接着させる用途に用いる前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のゴムと金属との接着促進剤。

0011

[7] 前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のゴムと金属との接着促進剤と、ゴム成分とを含有することを特徴とするゴム組成物。
[8] 前記ゴムと金属との接着促進剤を、前記ゴム成分100質量部に対して1〜7質量部含有する前記[7]記載のゴム組成物。

0012

[9] 前記[7]または[8]に記載のゴム組成物とスチールコードとからなるスチールコード/ゴム複合体を有することを特徴とするタイヤ。

発明の効果

0013

本発明のゴムと金属との接着促進剤は、非コバルト系でありながら、コバルトを含有する接着促進剤よりも、ゴムと金属との間に高い接着力、特に湿熱条件下においても高い接着力を奏することができる。本発明の接着促進剤を用いることで、スチールコードとゴムとの接着が強固な自動車用タイヤ、ベルトコンベヤ等を好適に製造できるゴム組成物を容易に得ることができる。

0014

本発明のゴムと金属との接着促進剤は、前記の通り化合物(1)を含有することを特徴とする。化合物(1)中の金属種は、チタンまたはジルコニウムである。中でもスチールコードとゴムとの接着が良好な接着促進剤となることからチタンが好ましい。

0015

次に、本発明における化合物(1)について詳述する。化合物(1)の(RCOO)は、炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸の残基である。炭素原子数が2より小さい脂肪族カルボン酸の残基では、ゴムとの相溶性に優れる接着促進剤となりにくく、その結果として、ゴムと金属との高い接着力を奏する接着促進剤が得にくくなることから好ましくない。また、炭素原子数が25よりも大きいカルボン酸の残基では、化合物(1)の合成を行いにくいことに加えて、またゴム中で分散あるいはスチールコード表面への吸着がしにくく、その結果として、ゴムと金属との高い接着力を奏する接着促進剤が得にくくなることから好ましくない。

0016

前記炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸の残基としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸の残基を好ましく例示できる。これらの残基は、例えば、下記脂肪族モノカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸由来の残基を好ましく例示できる。ここで、本発明において、脂肪族カルボン酸の炭素原子数とは、カルボキシル基の炭素原子数を含めた数を言う。

0017

前記炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和の脂肪族モノカルボン酸や不飽和の脂肪族モノカルボン酸等が挙げられる。前記飽和の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、エタン酸プロパン酸ブタン酸ペンタン酸ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、ヘプタン酸オクタン酸ノナン酸イソノナン酸デカン酸、ネオデカン酸、ドデカン酸テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸ドコサン酸テトラコサン酸ナフテン酸等が挙げられる。

0018

前記不飽和の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、9−ヘキサデセン酸、cis−9−オクタデセン酸、11−オクタデセン酸、cis,cis−9,12−オクタデカジエン酸、9,12,15−オクタデカトリエン酸、6,9,12−オクタデカトリエン酸、9,11,13−オクタデカトリエン酸、エイコサン酸、8,11−エイコサジエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、5,8,11,14−エイコサテトラエン酸桐油酸、アマニ油酸、大豆油酸、樹脂酸、トール油脂肪酸、ロジン酸アビエチン酸ネオアビエチン酸、パラストリン酸ピマール酸デヒドロアビエチン酸等が挙げられる。

0019

前記炭素原子数2〜25の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、飽和の脂肪族ジカルボン酸や不飽和の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。飽和の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸等が挙げられる。不飽和の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸マレイン酸等が挙げられる。

0020

前記カルボン酸の残基の中でも、ゴムの硫黄架橋に影響を及ぼしにくく、その結果、自動車用タイヤ、ベルトコンベヤ等に使用するゴム物性に悪影響が少ないゴム硬化物が得られることから飽和の脂肪族モノカルボン酸の残基が好ましい。飽和の脂肪酸の残基中でも、炭素原子数2〜20の飽和の脂肪族モノカルボン酸の残基が好ましく、2−エチルヘキサン酸の残基、ネオデカン酸の残基、ヘキサデカン酸の残基またはオクタデカン酸の残基がより好ましい。

0021

前記一般式(A)で表される化合物中のZは、下記式(z−1)〜式(z−4)から選ばれる構造である。

0022

0023

上記構造の中でも、ゴムと金属との高い接着力を奏する接着促進剤が得やすいことから前記式(z−1)で表される構造が好ましい。

0024

本発明における化合物(1)は、例えば、下記に示す方法により得ることができる。
製法1:炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)と、金属源である金属(チタン、ジルコニウム)の酸化物(b−1)や金属(チタン、ジルコニウム)の水酸化物(b−2)や金属(チタン、ジルコニウム)の炭酸塩(b−3)と、炭素原子数1〜5の低級アルコールホウ酸エステル(d−1)や炭素原子数1〜5の低級アルコールのメタホウ酸エステル(d−2)や炭素原子数1〜5の低級アルコールのリン酸エステル(d−3)や炭素原子数1〜5の低級アルコールの亜リン酸エステル(d−4)と、該エステル(d−1)〜(d−4)中に存在している炭素原子数1〜5の低級アルコール残基との揮発性エステルを生成可能な酸(e)と、を混合、加熱し、得られる揮発性エステルを除去する方法。

0025

製法2:炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)と、後述する第二工程で用いるエステル(d)中に存在している低級アルコール残基との揮発性エステルを生成可能な酸(e)と、水酸化ナトリウムとを水の存在下で反応させて脂肪族カルボン酸のナトリウム塩を得た後、該脂肪族カルボン酸のナトリウム塩と、金属(チタン、ジルコニウム)の硫酸塩(c−1)や金属(チタン、ジルコニウム)の塩化物(c−2)や金属(チタン、ジルコニウム)の硝酸塩(c−3)とを混合し、加熱して反応物を得る第一工程の後、該反応物を含む反応系から水を除去した後、この水を除去した反応系に低級アルコールのホウ酸エステル(d−1)や低級アルコールのメタホウ酸エステル(d−2)や低級アルコールのリン酸エステル(d−3)や低級アルコールの亜リン酸エステル(d−4)を加え、該反応物と該エステル(d−1)〜(d−4)とを反応させる第二工程を含む製造方法。

0026

前記炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)としては、例えば、前記炭素原子数2〜25の脂肪族モノカルボン酸等が挙げられる。

0027

前記金属(チタン、ジルコニウム)の酸化物(b−1)としては、例えば、酸化チタン(IV)、酸化ジルコニウム(IV)等が挙げられる。前記金属(チタン、ジルコニウム)の水酸化物(b−2)としては、例えば、水酸化チタン(IV)、水酸化ジルコニウム(II)等が挙げられる。前記金属(チタン、ジルコニウム)の炭酸塩(b−3)としては、例えば、炭酸チタン(IV)、炭酸ジルコニウム(IV)等が挙げられる。

0028

前記製法2で用いる金属(チタン、ジルコニウム)の硫酸塩(c−1)としては、例えば、硫酸チタン(IV)、硫酸ジルコニウム(IV)等が挙げられる。前記金属(チタン、ジルコニウム)の塩化物(c−2)としては、例えば、塩化チタン(III)、塩化チタン(IV)、オキシチタン塩化物等が挙げられる。前記金属(チタン、ジルコニウム)の硝酸塩(c−3)としては、例えば、硝酸チタン(IV)、硝酸ジルコニウム(IV)、オキシ硝酸ジルコニウム等が挙げられる。

0029

前記低級アルコールのホウ酸エステル(d−1)としては、例えば、ホウ酸トリメチルホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル等が挙げられる。前記低級アルコールのメタホウ酸エステル(d−2)としては、例えば、メタホウ酸トリメチル、メタホウ酸トリエチル、メタホウ酸トリプロピル、メタホウ酸トリブチル等が挙げられる。前記低級アルコールのリン酸エステル(d−3)としては、例えば、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸プロピル、リン酸ブチル等が挙げられる。前記低級アルコールの亜リン酸エステル(d−4)としては、例えば、亜リン酸メチル、亜リン酸エチル、亜リン酸プロピル、亜リン酸ブチル等が挙げられる。

0030

前記酸(e)としては、例えば、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸等が挙げられる。

0031

前記製法1において、前記金属源である化合物(b−1)〜(b−3)の使用割合としては、例えば、炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)100質量部あたり20〜300質量部である。また、前記エステル(d−1)〜(d−4)の使用割合としては、例えば、炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)100質量部あたり10〜50質量部である。そして、前記酸(e)の使用割合としては、例えば、炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)100質量部あたり10〜50質量部である。

0032

前記製法2において、前記金属源である化合物(c−1)〜(c−3)の使用割合としては、例えば、炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)100質量部あたり20〜800質量部である。また、前記エステル(d−1)〜(d−4)の使用割合としては、例えば、炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)100質量部あたり10〜50質量部である。そして、前記酸(e)の使用割合としては、例えば、炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)100質量部あたり10〜50質量部である。

0033

前記製法の中でも、製法1が好ましく、中でも、炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)と、エステル(d−1)〜(d−4)中に存在している炭素原子数1〜5の低級アルコール残基との揮発性エステルを生成可能な酸(e)と、金属源である化合物(b−1)〜(b−3)とを混合し、加熱して反応物を得る第一工程の後、該反応物を含む反応系から水を除去した後、この水を除去した反応系にエステル(d−1)〜(d−4)を加え、該反応物と該エステル(d−1)〜(d−4)とを反応させる第二工程を含む製造方法が、第一工程で生成する水によるエステル(d−1)〜(d−4)の加水分解を防止でき、その結果として、効率よく本発明における化合物(1)を製造することができることから好ましい。

0034

前記製法1において、前記炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)と、金属源である化合物(b−1)〜(b−3)と、前記エステル(d−1)〜(d−4)と、前記酸(e)を反応させる温度は、例えば、100〜250℃であり、好ましくは、150〜220℃である。また、反応させる時間は、例えば、1〜20時間であり、好ましくは、1〜5時間である。

0035

前記製法2において、炭素原子数2〜25の脂肪族カルボン酸(a)と水酸化ナトリウムとを有機溶剤の存在下で反応させる際の反応温度は、通常20〜100℃である。また、反応時間は通常1〜5時間である。

0036

前記製法2において、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩と、化合物(c−1)〜(c−3)とを反応させる際の反応温度は、通常20〜100℃である。また、反応時間は通常1〜5時間である。

0037

製法2において、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩と、化合物(c−1)〜(c−3)とを反応させた後、反応系にある水層を分離する。その後、油層内に存在する溶剤減圧蒸留により除去することで、本発明のゴムと金属との接着促進剤(脂肪酸金属塩)を得ることができる。

0038

本発明のゴム組成物は、本発明の接着促進剤とゴム成分とを含有することを特徴とする。前記ゴム成分としては、例えば、ジエン系ゴムを用いることができる。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ジエン系合成ゴム等が挙げられる。ジエン系合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴムSBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。ゴム成分の中でも、この中でも、伸長結晶化しやすく破壊特性に優れるNRが好ましい。

0039

本発明に係るゴム組成物には、補強剤としてカーボンブラックシリカなどのフィラーを配合することができる。

0040

前記カーボンブラックとしては、特に制限されることはなく、例えば、SAFISAF、HAF、FEF級のカーボンブラックが使用でき、それらの2種以上をブレンド使用してもよい。カーボンブラックの配合量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対し20〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜80質量部である。

0041

前記シリカとしては、例えば湿式シリカ含水ケイ酸)、乾式シリカ無水ケイ酸)、表面処理シリカなどが挙げられる。シリカを配合する場合、その配合量は、特に限定しないが、ジエン系ゴム100質量部に対し0質量部以上、40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上、20質量部以下である。

0042

本発明に係るゴム組成物には、加硫剤としての硫黄が通常配合される。硫黄の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。硫黄としては、粉末硫黄沈降硫黄コロイド硫黄不溶性硫黄オイル処理硫黄などが挙げられ、特に限定されない。

0043

本発明のゴム組成物には、加硫促進剤を配合させることができる。該加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系加硫促進剤を挙げることができる。 ここで、前記スルフェンアミド加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CZ、JIS略号:CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(NS、JIS略号:BBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DPBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DZ、JIS略号:DCBS)等を挙げることができる。

0044

前記加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1〜12質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましく、3〜9質量部がより好ましい。

0045

本発明に係るゴム組成物には、上記各成分の他、種々の配合剤を任意に配合することができる。そのような配合剤としては、例えば、ステアリン酸ワックス、オイル、老化防止剤加工助剤等が挙げられる。

0046

本発明のゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーニーダなどの混合機を用いて混練し作製することができる。

0047

本発明のゴム組成物は、特に、各種スチールコードを被覆するためのゴム組成物として好適に用いることができる。特には、空気入りタイヤベルト層カーカス層チェーハー層などの補強材として使用されるスチールコードの被覆(トッピング)用ゴム組成物として好ましく用いられ、常法に従いスチールカレンダーなどのトッピング装置によりスチールコードトッピング反を製造し、これをタイヤ補強部材として用いて、常法に従い成形加硫することによりスチールコード/ゴム複合体を有するタイヤを製造することができる。

0048

本発明のゴム組成物中の、本発明に係る前記ゴムと金属との接着促進剤の含有量としては、ゴム成分100質量部に対して1〜10.0質量部が好ましく、1〜7.0質量部がより好ましい。

0049

以下、本発明の実施例を挙げ、比較例と比較しながら本発明を詳述する。例中、「部」、「%」は特に断りのない限り質量基準である。

0050

合成例1〔化合物(1−1)の合成〕
酢酸63g及びネオデカン酸513gの混合酸に、20%NaOH水溶液を796g添加した後、90℃で1時間加熱撹拌した。その後、30%硫酸チタン溶液800gを仕込んだ後に90℃で1時間加熱撹拌し、150℃で1時間減圧乾燥した後、生成したチタン金属塩にホウ酸トリブチル80gを反応させ、副生する酢酸ブチルを留去して、本発明で用いる化合物(1−1)を得た。尚、化合物(1−1)は、該化合物(1−1)含む本発明の接着促進剤(1−1)ともいえる。

0051

合成例2(化合物(1−2)の合成)
酢酸63g及びネオデカン酸513gの混合酸に、20%NaOH水溶液を796g添加した後、90℃で1時間加熱撹拌した。その後、塩化酸化ジルコニウム(IV)八水和物322gを仕込んだ後に90℃で1時間加熱撹拌し、150℃で1時間減圧乾燥した後、生成したジルコニウム金属塩にホウ酸トリブチル80gを反応させ、副生する酢酸ブチルを留去して、本発明で用いる化合物(1−2)を得た。尚、化合物(1−2)は、該化合物(1−2)含む本発明の接着促進剤(1−2)ともいえる。

0052

比較合成例1〔比較対照用化合物(1´−1)の合成〕
ネオデカン酸210g、プロピオン酸147gおよびキシレン300gを反応フラスコ充填し、そして機械的に撹拌しながら50℃に加熱した。水酸化コバルト(II)171gを加え、そして機械的に撹拌しながら温度を90℃に上昇させて可動性の青色液体を生成した。さらに熱を適用して反応水ディーン・アンドスタークトラップを用いてキシレン担持により除去した。温度が140℃に達した後に、キシレン150g中に溶解されている安息香酸73gを徐々に反応混合物に加えながら、生成した水を連続的に除去した。

0053

水除去の完了後に、キシレンを155℃の最高温度までのショートパス蒸留により除去し、除去を完了させるために真空を用いた。ホウ酸トリブチル138gを加えた。反応混合物を190℃に加熱し、そして3時間にわたり還流させた。プロピオン酸n−ブチル220gを次に220℃の最高温度において蒸留除去し、エステル除去を完了させるために真空を用い、比較対照用化合物(1´−1)を得た。

0054

比較対照用化合物(1´−1)は、下記式
B(OCoOCOB’)(OCoOCOA’)2
[式中、OCOA’はネオデカン酸エステルであり、OCOB’は安息香酸エステルである]の硬い青色固体であった。尚、比較対照用化合物(1´−1)は、該比較対照用化合物(1´−1)を含む比較対照用の接着促進剤(1´−1)ともいえる。

0055

実施例1(本発明のゴム組成物の調製)
天然ゴム(グレードRSS1)100部、接着促進剤(1−1)4部、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製シーストG−S)50部、オイル(シェルケミカルジャパン株式会社製Dutrex R)5部、亜鉛華8部、老化防止剤(大内新興化学工業株式会社製ノクラック810NA)1部、不溶性硫黄5部、ステアリン酸2部及び加硫促進剤(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーCZ)0.5部を40℃で混練し、本発明のゴム組成物(1)を得た。得られたゴム組成物(1)を用いてスチールコードがはさまれたゴム組成物の硬化物試験片)を作成し、スチールコードとゴムの接着性の評価を行った。試験片の作成方法及び、接着性の評価方法を下記に示す。また、評価結果を第1表に示す。

0056

<試験片の作成方法>
ゴム組成物(1)を試験用2本ロールにより熱練し、幅100mm、厚さ6mm、長さ100mmのゴムシートを作製した。このゴムシートから幅10mm、厚さ6mm、長さ60mmのゴム片を2枚切り出した。真鍮(Cu65%、Zn35%)をメッキした1×4×0.25mmのスチールコードを前記2枚のゴム片で挟み、160℃で10分間加硫し、スチールコードが接着されたゴム組成物の試験片を作製した。

0057

<接着性の評価方法>
前記試験片を用いてASTMD2229に準ずる方法で引き抜き試験を行い、ゴムとスチールコードとの接着力を測定した。接着力の測定は、下記の3種類の測定を行った。
初期接着力:上記加硫条件で加硫し試験片を作成直後に測定した。
湿熱老化試験後の接着力:上記加硫条件で加硫した試験片を90℃の温水に72時間浸水劣化させた後、接着力を測定した。
加熱老化試験後の接着力:上記加硫条件で加硫した試験片を110℃で72時間放置し接着力を測定した。
尚、上記3つの接着力の測定値は、後述する比較対照用金属塩(1´−2)の接着力を100としたときの相対的な接着力である。

0058

実施例2
化合物(1−2)〔本発明の接着促進剤〕を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム組成物(2)を得た。実施例1と同様にして接着性の評価試験を行い、その結果を第1表に示す。尚、化合物(1−2)の使用量は、ゴム組成物中の金属モル濃度が同一となるように添加した。

0059

0060

比較例1及び2〜3(比較対照用のゴム組成物の調製)
第2表に示す化合物(1´−1)及び金属塩(1´−2)〜(1´−3)〔比較対照用接着促進剤〕を用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用ゴム組成物(1´)及び(2´)〜(3´)を得た。実施例1と同様にして接着性の評価試験を行い、その結果を第2表に示す。尚、比較例1及び2〜3において、各々の化合物(1´−1)及び金属塩(1´−2)〜(1´−3)の使用量は、ゴム組成物中の金属モル濃度が同一となるように添加した。

実施例

0061

0062

本発明は、例えば、自動車用タイヤ、ベルトコンベヤ等において、ゴムと金属との接着を促進して、性能を高めるために用いられる。

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