図面 (/)

技術 連動装置

出願人 東日本旅客鉄道株式会社
発明者 越前和久阿部弘粟野勝一朗
出願日 2015年7月30日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-538424
公開日 2017年5月25日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 WO2016-017739
状態 特許登録済
技術分野 鉄道交通の監視、制御、保安
主要キーワード 輸送線 制御順番 入換作業 分岐個所 対象線 制御済み 進入区間 線路配線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年5月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (19)

課題・解決手段

本発明の課題は、列車進路制御を行う連動装置において、スムーズな列車運行を実現することにある。駅間走行する列車のダイヤ情報である第1ダイヤ情報(本線ダイヤ情報)および駅構内を移動する列車のダイヤ情報である第2ダイヤ情報(入出区ダイヤ情報)と、列車の在線位置情報と、に基づいて列車の進路制御を行う連動装置において、所定の条件を満たすか否かに応じて、進路制御を行う順序を異ならせるようにした。

概要

背景

従来、与えられる要求進路設定情報等に応じて、鉄道線路分岐部ポイント)に設けられた転てつ機切り替えて所望の進路開通するとともに、その進路の開通を信号機に表示する操作等を自動的に行う連動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、「分岐部(ポイント)」とは、線路の交差個所合流個所、分岐個所等の、転てつ機が設けられている箇所のことである。

概要

本発明の課題は、列車進路制御を行う連動装置において、スムーズな列車運行を実現することにある。駅間走行する列車のダイヤ情報である第1ダイヤ情報(本線ダイヤ情報)および駅構内を移動する列車のダイヤ情報である第2ダイヤ情報(入出区ダイヤ情報)と、列車の在線位置情報と、に基づいて列車の進路制御を行う連動装置において、所定の条件を満たすか否かに応じて、進路制御を行う順序を異ならせるようにした。

目的

本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、スムーズな列車運行を実現可能な連動装置を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

駅間走行する列車ダイヤ情報である第1ダイヤ情報および駅構内を移動する列車のダイヤ情報である第2ダイヤ情報と、列車の在線位置情報と、に基づいて列車の進路制御を行う連動装置であって、所定の条件を満たすか否かに応じて、前記進路制御を行う順序を異ならせることを特徴とする連動装置。

請求項2

分岐部を通過する順序を登録するための登録手段を備え、当該登録手段に登録されている所定の分岐部を通過する順序が第1列車、第2列車、第3列車の順であり、前記第1列車、前記第2列車、および前記第3列車が前記所定の分岐部を通過して同一方面へと進行する場合、前記第1列車が前記所定の分岐部を通過したことを契機に、前記第3列車が前記第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、前記登録手段に登録されている順序に従って、前記第2列車の次に前記第3列車が前記所定の分岐部を通過するよう進路制御を行い、当該条件と満たすと判定した場合には、前記登録手段に登録されている順序に従わずに、前記第2列車よりも先に前記第3列車が前記所定の分岐部を通過するよう進路制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の連動装置。

請求項3

各分岐部を通過する順序を登録するための登録手段を備え、当該登録手段に登録されている所定の分岐部を通過する順序が第1列車、第2列車の順であり、前記第1列車が本線から車両基地へと進行する途中で前記所定の分岐部を通過し、前記第2列車が車両基地から本線へと進行する途中で前記所定の分岐部を通過する場合、前記第1列車が前記所定の分岐部を通過した後の進路上に前記第2列車が在線しており、かつ、前記第1列車の進路が予め指定された進路であり、かつ、前記第2列車の前記所定の分岐部を通過する順序が2位で登録されているという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、前記登録手段に登録されている順序に従って、前記第1列車の次に前記第2列車が前記所定の分岐部を通過するよう進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、前記登録手段から前記第1列車の登録を削除して、前記第1列車よりも先に前記第2列車が前記所定の分岐部を通過するよう進路制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の連動装置。

請求項4

所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲内に第2列車が在線していると判断した場合、前記第2列車が前記第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行って当該第2列車が前記所定範囲外へと移動した後に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行う前に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の連動装置。

請求項5

所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲内に第2列車が在線していると判断した場合、前記第1列車が前記所定区間の途中で折り返して当該所定区間外へと移動する列車であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行って当該第2列車が前記所定範囲外へと移動した後に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行う前に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の連動装置。

請求項6

所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車と当該所定区間内の所定の分岐部との間に第2列車が在線していると判断した場合、前記第1列車の進路と前記第2列車の進路とが前記所定の分岐部で分岐するという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、前記第2列車の進路制御と並行して、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行って当該第2列車が前記所定の分岐部を通過した後に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の連動装置。

請求項7

所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該所定区間内に第2列車が在線していると判断した場合、前記所定区間に敷設されている複数の軌道回路のうち最も前記第1列車側の軌道回路が列車の在線を検出していないという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を継続するとともに、当該条件を満たすと判定するまで前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を待機し、当該条件を満たすと判定した場合には、前記第2列車の進路制御と並行して、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の連動装置。

技術分野

0001

本発明は、列車進路制御を行う連動装置に関する。

背景技術

0002

従来、与えられる要求進路設定情報等に応じて、鉄道線路分岐部ポイント)に設けられた転てつ機切り替えて所望の進路開通するとともに、その進路の開通を信号機に表示する操作等を自動的に行う連動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、「分岐部(ポイント)」とは、線路の交差個所合流個所、分岐個所等の、転てつ機が設けられている箇所のことである。

先行技術

0003

特開平4−197874号公報

発明が解決しようとする課題

0004

従来の連動装置は、所定の条件を満たすか否かにかかわらず、列車のダイヤ情報に基づく順序で列車の進路制御を行っていたため、列車に遅延が発生しなければ何ら支障はないものの、列車に遅延が発生するとスムーズな列車運行が行えない等の不具合が生じることがあった。

0005

本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、スムーズな列車運行を実現可能な連動装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0006

前記課題を解決するために、本発明の連動装置は、
駅間走行する列車のダイヤ情報である第1ダイヤ情報および駅構内を移動する列車のダイヤ情報である第2ダイヤ情報と、列車の在線位置情報と、に基づいて列車の進路制御を行う連動装置であって、
所定の条件を満たすか否かに応じて、前記進路制御を行う順序を異ならせるように構成されている。
したがって、スムーズな列車運行を実現することができる。

0007

また、好ましくは、各分岐部を通過する順序を登録するための登録手段を備え、当該登録手段に登録されている所定の分岐部を通過する順序が第1列車、第2列車、第3列車の順であり、前記第1列車、前記第2列車、および前記第3列車が前記所定の分岐部を通過して同一方面へと進行する場合、
前記第1列車が前記所定の分岐部を通過したことを契機に、前記第3列車が前記第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否か判定し、
当該条件を満たさないと判定した場合には、前記登録手段に登録されている順序に従って、前記第2列車の次に前記第3列車が前記所定の分岐部を通過するよう進路制御を行い、
当該条件と満たすと判定した場合には、前記登録手段に登録されている順序に従わずに、前記第2列車よりも先に前記第3列車が前記所定の分岐部を通過するよう進路制御を行うように構成することが可能である。
このように構成することによって、第3列車が第1列車と併合する列車である場合には、自動的に第2列車よりも先に第3列車が所定の分岐部を通過するので、第2列車に遅れ等が発生したために第2列車よりも先に第1列車が所定の分岐部を通過した場合であっても、第1列車と第3列車とを併合することができる。なお、ここで「併合」とは、複数の列車を連結して1編成にすることである。

0008

あるいは、各分岐部を通過する順序を登録するための登録手段を備え、当該登録手段に登録されている所定の分岐部を通過する順序が第1列車、第2列車の順であり、前記第1列車が本線から車両基地へと進行する途中で前記所定の分岐部を通過し、前記第2列車が車両基地から本線へと進行する途中で前記所定の分岐部を通過する場合、
前記第1列車が前記所定の分岐部を通過した後の進路上に前記第2列車が在線しており、かつ、前記第1列車の進路が予め指定された進路であり、かつ、前記第2列車の前記所定の分岐部を通過する順序が2位で登録されているという条件を満たすか否か判定し、
当該条件を満たさないと判定した場合には、前記登録手段に登録されている順序に従って、前記第1列車の次に前記第2列車が前記所定の分岐部を通過するよう進路制御を行い、
当該条件を満たすと判定した場合には、前記登録手段から前記第1列車の登録を削除して、前記第1列車よりも先に前記第2列車が前記所定の分岐部を通過するよう進路制御を行うように構成することが可能である。
このように構成することによって、第1列車が所定の分岐部を通過した後の進路上に第2列車が在線しており、かつ、第1列車の進路が予め指定された進路であり、かつ、第2列車の所定の分岐部を通過する順序が2位で登録されている場合には、自動的に第1列車よりも先に第2列車が所定の分岐部を通過するので、第1列車に遅れ等が発生しても、第2列車を遅れることなく車両基地から進出させることができる。

0009

あるいは、所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲内に第2列車が在線していると判断した場合、
前記第2列車が前記第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否か判定し、
当該条件を満たさないと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行って当該第2列車が前記所定範囲外へと移動した後に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行い、
当該条件を満たすと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行う前に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行うように構成することが可能である。
このように構成することによって、同一線路上で2つの車両が向かい合って動けなくなるデッドロックを防止する機能をオンにしても、第2列車が第1列車と併合する列車である場合には、デッドロック防止機能が作動せず、第2列車が所定範囲内に在線していても自動的に第1列車の進路制御を行うので、第1列車と第2列車とを併合することができる。

0010

あるいは、所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲内に第2列車が在線していると判断した場合、
前記第1列車が前記所定区間の途中で折り返して当該所定区間外へと移動する列車であるという条件を満たすか否か判定し、
当該条件を満たさないと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行って当該第2列車が前記所定範囲外へと移動した後に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行い、
当該条件を満たすと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行う前に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行うように構成することが可能である。
このように構成することによって、デッドロック防止機能をオンにしても、第1列車が所定区間の途中で折り返して当該所定区間外へと移動する列車である場合には、デッドロック防止機能が作動せず、第2列車が所定範囲内に在線していても自動的に第1列車の進路制御を行うので、第2列車に遅れ等が発生したために第2列車が所定範囲内に在線している場合であっても、第1列車を遅れることなく所定区間外へと移動させることができる。

0011

あるいは、所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車と当該所定区間内の所定の分岐部との間に第2列車が在線していると判断した場合、
前記第1列車の進路と前記第2列車の進路とが前記所定の分岐部で分岐するという条件を満たすか否か判定し、
当該条件を満たさないと判定した場合には、前記第2列車の進路制御と並行して、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行い、
当該条件を満たすと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を行って当該第2列車が前記所定の分岐部を通過した後に、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行うように構成することが可能である。
このように構成することによって、第1列車の進路と第2列車の進路とが所定の分岐部で分岐する場合には、自動的に第2列車が所定の分岐部を通過した後に第1列車の進路制御を行うので、第2列車に遅れ等が発生したために第2列車が所定区間内に在線している場合であっても、第2列車を予定通りの進行方向に沿って走行させることができる。

0012

あるいは、所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該所定区間内に第2列車が在線していると判断した場合、
前記所定区間に敷設されている複数の軌道回路のうち最も前記第1列車側の軌道回路が列車の在線を検出していないという条件を満たすか否か判定し、
当該条件を満たさないと判定した場合には、前記第2列車の進路制御を継続するとともに、当該条件を満たすと判定するまで前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を待機し、
当該条件を満たすと判定した場合には、前記第2列車の進路制御と並行して、前記所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行うように構成することが可能である。
このように構成することによって、所定区間に敷設されている複数の軌道回路のうち最も第1列車側の軌道回路が列車の在線を検出していない場合には、自動的に第2列車の進路制御と並行して第1列車の進路制御を行うので、第1列車と第2列車との車間を詰めることができる。

発明の効果

0013

本発明によれば、スムーズな列車運行を実現することができる。

図面の簡単な説明

0014

本実施形態にかかる連動装置を備える列車運行管理システム全体を示す要部ブロック図である。
本実施形態の連動装置における進路制御処理を説明するためのフローチャートである。
本実施形態の連動装置における交差順序判断処理を説明するためのフローチャートである。
順序判断機能1を説明するための図である。
順序判断機能2を説明するための図である。
順序判断機能3を説明するための図である。
順序判断機能4を説明するための図である。
順序判断機能5を説明するための図である。
順序判断機能5を説明するための図である。
順序判断機能6を説明するための図である。
順序判断機能7を説明するための図である。
進路制御機能1を説明するための図である。
進路制御機能2を説明するための図である。
列車追跡機能1を説明するための図である。
列車追跡機能2を説明するための図である。
列車追跡機能3を説明するための図である。
列車追跡機能4を説明するための図である。
列車追跡機能5を説明するための図である。

発明を実施するための最良の形態

0015

図面を参照しつつ、本発明にかかる連動装置の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。

0016

図1は、本実施形態にかかる連動装置31を備える列車運行管理システム1の全体構成を示す図である。
列車運行管理システム1は、複数線区を有する高密度輸送線区で用いられるものであり、例えば図1に示すように、中央装置線区共通中央装置)10と、線区毎に設けられた線区別中央装置20と、信号機や転てつ機等を制御する連動装置が設けられている各連動駅に設置されている駅装置30と、分岐線路すなわち分岐部のない(連動装置のない)各棒線に設置されている情報端末(図示省略)と、中央装置10と各線区別中央装置20とを通信可能に接続する中央ネットワークN1と、一の線区用の線区別中央装置20と当該一の線区内の各連動駅に設置されている駅装置30および当該一の線区内の各棒線駅に設置されている情報端末(図示省略)とを通信可能に接続するネットワークであって線区毎に設けられた運行管理ネットワークN2と、を主に備えて構成される。

0017

中央装置10は、例えば、列車運行管理システム1を導入している線区(導入線区)に共通して使用するものであり、当該列車運行管理システム1の中核となる装置(システム監視装置設備指令卓保守作業管理装置中央情報端末情報伝達装置等)のほか、導入線区全ての計画ダイヤ情報を管理して各線区別中央装置20に日々配信する装置(計画ダイヤ管理装置等)や、旅客指令を行う装置(旅客指令卓等)などを備えている。

0018

線区別中央装置20は、例えば、導入線区毎に使用するものであり、対象線区内で列車に遅れ等が発生した場合の運転整理入力実施ダイヤ情報を変更する作業)等を行ったり、対象線区の在線情報各駅装置30から所定周期(例えば4秒)で受信して列車の在線位置を表示したりする輸送指令卓などを備えている。
線区別中央装置20は、実施ダイヤ情報や入出区ダイヤ情報を所定周期(例えば4秒)で配信するように構成されている。
ダイヤ情報には、駅間本線を走行する列車のダイヤ情報である本線ダイヤ情報と、駅構内を移動する列車(車両基地へ入る車両や車両基地から出る車両など)のダイヤ情報である入出区ダイヤ情報と、があり、計画ダイヤ情報や実施ダイヤ情報は本線ダイヤ情報である。すなわち、計画ダイヤ情報は、基本ダイヤに基づき作成された本線ダイヤ情報であり、実施ダイヤ情報は、計画ダイヤ情報と変更ダイヤ情報とに基づき作成された本線ダイヤ情報である。

0019

駅装置30は、例えば、連動駅毎に使用するものであり、線区別中央装置20等からの情報に基づいて進路制御や旅客案内などを行う。具体的には、駅装置30は、例えば、図1に示すように、信号機、転てつ機、軌道回路、ATS(Automatic Train Stop)等の信号機器との間で信号を送受信する信号機器コントローラを制御する連動装置31と、X端末等のシステム端末(図示省略)と、発車標や自動放送装置などを制御する旅客案内装置(図示省略)と、を主に備えて構成される。

0020

連動装置31は、信号機や転てつ機などの動作を制御して、列車の進路として予定外の進路が構成されないように信号機や転てつ機などの動作を連動させる保安装置である連動系装置と、予め記憶している情報や線区別中央装置20や軌道回路などからの情報に基づいて、列車が予定通り走行できるように連動系装置を制御する進路制御系装置と、で構成される。
すなわち、連動装置31は、線区別中央装置20からの本線ダイヤ情報(実施ダイヤ情報)および入出区ダイヤ情報や、軌道回路からの在線位置情報や、当該連動装置31が予め記憶している対象範囲内の線路形状線路配線形)などに基づいて、対象範囲内にある駅や番線出発する順序(出発順序)や、対象範囲内にあるポイント(分岐部)を通過する順序(交差順序)などを決定して登録し、当該登録した順序に従って列車の進路制御を行う。

0021

ここで、「信号機(の動作)を制御」とは、信号機を「進行」側に切り替えて、列車が当該信号機を通り過ぎると「停止」側に復帰させる制御と、信号機を「停止」側で維持する制御と、の双方を含む。
また、「転てつ機(の動作)を制御」とは、転てつ機を「反位」側に切り替えて、列車が当該転てつ機を通り過ぎると「定位」側に復帰させる制御と、転てつ機を「定位」側で維持する制御と、の双方を含む。

0022

<進路制御処理>
連動装置31(具体的には、連動装置31の進路制御系装置)が行う進路制御処理について説明する。図2は、本実施形態における進路制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、連動装置31は、対象範囲内の在線列車検索して、在線列車の位置を把握する(ステップS1)。
次いで、連動装置31は、制御対象列車の条件(制御点時刻など)を判断する(ステップS2)。
次いで、連動装置31は、制御対象列車の制御信号機を検索し、抑止や通知運転保守作業などをチェックして、制御可否を判断する(ステップS3)。
次いで、連動装置31は、列車順序判断を行って、制御対象列車の順位が1位になるまで、制御を保留する(ステップS4)。ここで、「列車順序」とは、実施ダイヤ情報に基づき決定される列車の制御順番のことである。

0023

次いで、連動装置31は、信号機が防護している内側すなわち現示している信号機よりも先の区間(以下、内方と称する)の列車の在線をチェックする内方区間在線判断処理を行う(ステップS5)。
次いで、連動装置31は、ポイントの使用順序(交差順序)をチェックする交差順序判断処理を行う(ステップS6)。
次いで、連動装置31は、連動系(具体的には、連動装置31の連動系装置)の出力をチェックする連動条件判断処理を行う(ステップS7)。
次いで、連動装置31は、進路設定情報を出力して(ステップS8)、当該進路制御処理を終了する。また、連動装置31(具体的には、連動装置31の進路制御系装置)は、連動系(具体的には、連動装置31の連動系装置)からの拒絶応答論理背反)をチェックし、進路設定情報を再出力することができる。

0024

<交差順序判断処理>
次に、交差順序判断処理(ステップS6)の詳細について説明する。図3は、本実施形態における交差順序判断処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の交差順序判断処理の説明では、便宜上、「ポイント(線路の交差個所、合流個所、分岐個所等の、転てつ機が設けられている箇所)」のことを、単に交差個所と称することとする。
まず、連動装置31は、進入予定先頭列車と追跡範囲(対象範囲)内の全在線列車に関し、交差個所(ポイント)を連動表データから摘出する(ステップS61)。
次いで、連動装置31は、交差個所のある軌道回路ごとに、列車ダイヤ(本線ダイヤ情報(実施ダイヤ情報)や入出区ダイヤ情報など)から決まる所定の通過順で競合列車を登録する(ステップS62)。
次いで、連動装置31は、実際の列車運行に応じて優先順位決定ルールより、交差個所ごとの通過順を変更する(ステップS63)。
次いで、連動装置31は、交差個所の通過順位(交差順序)が、すべて1位の列車から進路を設定する(ステップS64)。

0025

次いで、連動装置31は、1位順位が相互に逆となり永久に動けない列車がいるか否か判断する(ステップS65)。
ステップS65で、永久に動けない列車がいないと判断した場合(ステップS65;NO)には、当該交差順序判断処理を終了する。
一方、ステップS65で、永久に動けない列車がいると判断した場合(ステップS65;YES)には、連動装置31は、時間監視強制的に当該列車の進路を設定してから(ステップS66)、当該交差順序判断処理を終了する。

0026

次に、本実施形態の連動装置31が特徴とする順序判断機能1〜7、進路制御機能1,2、列車追跡機能1〜5について説明する。

0027

〔順序判断機能1〕
運転整理入力により、併合1位列車(併合される列車)が在線している番線に到着する予定の他列車によって、併合2位の進出車両(併合する車両)の進路制御が抑えられてしまうという課題があった。すなわち、併合1位列車(Train-A)が在線する番線に対し、併合2位列車(Train-OA)より先に他の列車(Train-B)が進路予約すると、Train-OAとTrain-Bとで、デッドロックが発生するという課題があった。
そこで、本実施形態では、併合される列車が在線済みの場合、併合する側の車両の進路制御は交差を無視して制御可能とする順序判断機能1を備えるよう構成した。すなわち、併合1位列車が在線している場合、併合2位列車の進路制御は、交差順序を無視して制御可能とする順序判断機能1を備えるよう構成した。
なお、ここで「併合」とは、複数の列車を連結して1編成にすることである。また、進出車両とは車両基地から本線へ出る車両のことである。

0028

順序判断機能1の詳細について、図4を参照して説明する。具体的には、ポイントP1を通過してE駅の5番線に到着する列車の順序が「1位:第2列車(Train-B)」、「2位:第1列車(Train-A)」、「3位:第3列車(Train-OA)」となる予定であったにもかかわらず、第2列車(Train-B)に遅れ等が発生したために、第1列車(Train-A)が第2列車(Train-B)よりも先にポイントP1を通過して5番線に到着した場合であって、第1列車(Train-A)と第3列車(Train-OA)とが5番線で併合する場合を例に説明する。

0029

本例の場合、第1列車(Train-A)が第2列車(Train-B)よりも先にポイントP1を通過して5番線に到着しているので、第1列車(Train-A)が第3列車(Train-OA)と併合して5番線を出発した後でなければ、第2列車(Train-B)は5番線に進入することができない。すなわち、第3列車(Train-OA)が第2列車(Train-B)よりも先にポイントP1を通過して5番線に到着し、第1列車(Train-A)と連結して5番線を出発した後でなければ、第2列車(Train-B)はポイントP1を通過して5番線に進入することができない。

0030

列車に遅れ等が発生してダイヤ乱れた場合、指令員は、線路別中央装置の輸送指令卓を操作して運転整理入力を行う。その際、指令員による入力操作を極力少なくするために、指令員は、本線ダイヤ情報の変更のみを行い、入出区ダイヤ情報の変更は行わないようになっている。
したがって、本例の場合、指令員は、線区別中央装置(E駅を含む線区用の線区別中央装置)の輸送指令卓を操作して、E駅の5番線に到着する列車の順序のうち、第2列車(Train-B)と第1列車(Train-A)の順序のみを入れ替える。
そして、E駅に設置されている駅装置の連動装置は、当該連動装置が備える登録手段(RAM等)に、線区別中央装置からの本線ダイヤ情報(実施ダイヤ情報)および入出区ダイヤ情報に基づいて、ポイントP1を使用する順序(“P1交差順序”)として「1位:Train-A」、「2位:Train-B」、「3位:Train-OA」を登録する。その後、当該連動装置は、併合1位列車(Train-A)がポイントP1を通過すると、登録手段に“P1交差順序”として「1位:Train-B」、「2位:Train-OA」を登録する。

0031

さらに、連動装置は、登録手段に登録されている出発順序や交差順序などを、在線位置情報等に基づいて変更することができる(図3のステップS63参照)。例えば、連動装置は、本線ダイヤ情報(実施ダイヤ情報)および入出区ダイヤ情報に基づいて“P1交差順序”として「1位:Train-B」、「2位:Train-OA」を登録した後、在線位置情報等に基づいて、例えば、第3列車(Train-OA)が駅に在線し、第2列車(Train-B)が駅に在線していないと判断した場合には、登録手段に登録されている“P1交差順序”を「1位:Train-OA」、「2位:無し」に変更する。しかし、本例の場合、図4に示すように、第3列車(Train-OA)も、第2列車(Train-B)も駅に在線しているので、登録手段に登録されている“P1交差順序”は変更されない。

0032

従来、連動装置は、登録手段に登録されている出発順序や交差順序などに従って列車の進路制御を行っていた。したがって、例えば本例の場合だと、第1列車(Train-A)がポイントP1を通過したことを契機に“P1交差順序(ポイントP1を使用する順序)”として「1位:Train-B」、「2位:Train-OA」が登録され、この“P1交差順序”に従って、信号機8Lの内方に対する第2列車(Train-B)の進路制御(具体的には、第2列車(Train-B)がポイントP1を通過して5番線へ進入する進路を構成する制御)を行い、次いで、第2列車(Train-B)がポイントP1を通過したことを契機に“P1交差順序”として「1位:Train-OA」が登録され、この“P1交差順序”に従って、信号機28Lの内方に対する第3列車(Train-OA)の進路制御(具体的には、第3列車(Train-OA)がポイントP1を通過して5番線へ進入する進路を構成する制御)を行うことになる。しかし、これでは、第2列車(Train-B)が第3列車(Train-OA)よりも先に5番線に到着してしまう。よって、第3列車(Train-OA)を第2列車(Train-B)よりも先に5番線に到着させるために、E駅の駅員等が、信号機や転てつ機などを手動で制御したり、駅装置を操作してデータ変更を行ったりしなければならず、煩わしいという問題があった。

0033

すなわち、従来の連動装置は、登録手段(RAM等)に登録されている所定のポイント(本例の場合、ポイントP1)を使用する順序が第1列車、第2列車、第3列車の順であり、第1列車、第2列車、および第3列車が所定のポイント(P1)を通過して同一方面(本例の場合、5番線方面)へと進行する場合、第3列車が第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否かにかかわらず、登録手段に登録されている順序に従って、第2列車の次に第3列車が所定のポイントを通過するよう進路制御を行うように構成されていた。

0034

そこで、本実施形態の連動装置31は、第1列車が所定のポイント(本例の場合、ポイントP1)を通過したことを契機に、第3列車が第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、登録手段に登録されている順序に従って、第2列車の次に第3列車が所定のポイントを通過するよう進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、登録手段に登録されている順序に従わずに、第2列車よりも先に第3列車が所定のポイントを通過するよう進路制御を行うように構成した。
なお、連動装置は、本線ダイヤ情報(実施ダイヤ情報)および入出区ダイヤ情報に基づいて併合列車とその他の列車について認識できるよう構成されている。

0035

本例の場合、第3列車(Train-OA)は第1列車(Train-A)と併合する列車であるため、連動装置31は、第3列車が第1列車と併合する列車であるという条件を満たすと判定して、登録手段に登録されている順序に従わずに、第2列車(Train-B)よりも先に第3列車(Train-OA)がポイントP1を通過するよう進路制御を行う。すなわち、信号機28Lの内方に対する第3列車(Train-OA)の進路制御を、信号機8Lの内方に対する第2列車(Train-B)の進路制御よりも優先して行う。したがって、まず、信号機28Lが「進行」側へと切り替わるとともに、信号機28Lの内方に設置されている転てつ機が切り替わって、第3列車(Train-OA)がポイントP1を通過して5番線へと進入する進路が構成され、次いで、第3列車(Train-OA)がポイントP1を通過すると、信号機8Lが「進行」側へと切り替わるとともに、信号機8Lの内方に設置されている転てつ機が切り替わって、第2列車(Train-B)がポイントP1を通過して5番線へ進入する進路が構成される。これにより、自動的に第3列車(Train-OA)が第2列車(Train-B)よりも先に5番線に到着するため、E駅の駅員等が、信号機や転てつ機などを手動で制御したり、駅装置を操作してデータ変更を行ったりする手間を省くことができる。

0036

〔順序判断機能2〕
ダイヤ乱れ時、引上・据付の入換が交差順序1位以外のために自動進路制御しないケースが少なくない(進入・進出車両は交差順序の自動変更制御対象外)という課題があった。すなわち、進入・進出車両は交差順序自動変更の制御対象外のため、制御対象の進入・進出車両が交差順序1位以外の場合、判断対象列車がホームに到着して列車番号更新するまで、自動制御を行えないという課題があった。なお、「引上」とは車両を駅ホーム等本線からそれ以外(留置線など)へ移動させることを意味し、「据付」とは上記と逆に移動させることを意味する。
そこで、本実施形態では、進入・進出車両の場合、一定条件下において交差順序登録をしない順序判断機能2を備えるよう構成した。すなわち、進入・引上の入換車両の場合、特定の条件下で列車番号を更新する前に入換車両の交差順序登録を外す順序判断機能2を備えるよう構成した。

0037

順序判断機能2の詳細について、図5を参照して説明する。具体的には、ポイントP2を使用する順序が「1位:第1列車(Train-EA)」、「2位:第2列車(Train-OD)」となる予定であったにもかかわらず、第1列車に遅れ等が発生したために、第1列車よりも先に第2列車がポイントP2の近くに到着した場合であって、第1列車が本線から車両基地へと進行する途中でポイントP2を通過し、第2列車が車両基地から本線へと進行する途中でポイントP2を通過する場合を例に説明する。

0038

本例の場合、第1列車は、本線を走行する本線列車(Train-A)であり、ホーム到着時に「Train-A」から「Train-EA」に列車番号が更新されて、車両基地(車両基地)に進入する進入車両(Train-EA)になる。そして、第1列車は「Train-A」から「Train-EA」に列車番号が更新された後にポイントP2を通過する。また、第2列車は、車両基地から進出する進出車両(Train-OD)であり、ホーム到着時に「Train-OD」から「Train-D」に列車番号が更新されて、本線列車(Train-D)になる。
また、本例の場合、ポイントP2は、駅構内を移動する列車(車両)が走行する線路同士が交わって形成されているため、ポイントP2を使用する順序(“P2交差順序”)はダイヤ情報のうち入出区ダイヤ情報のみに基づき登録される。

0039

前述したように、指令員による入力操作を極力少なくするために、指令員は、本線ダイヤ情報の変更のみを行い、入出区ダイヤ情報の変更は行わないようになっている。
したがって、本例の場合、連動装置は、当該連動装置が備える登録手段(RAM等)に、線区別中央装置からの入出区ダイヤ情報に基づいて、“P2交差順序”として「1位:Train-EA」、「2位:Train-OD」を登録する。すなわち、第1列車に遅れ等が発生したことは入出区ダイヤ情報に反映されないため、“P2交差順序”として「1位:Train-EA」、「2位:Train-OD」が登録される。

0040

さらに、連動装置は、前述したように、登録手段に登録されている順序を、在線位置情報等に基づいて変更することができる。しかし、従来の連動装置は、「進入・進出列車番号」が更新されないと登録されている順序を変更することができなかった。例えば、本例の場合だと、登録手段に“P2交差順序”として「1位:Train-EA」、「2位:Train-OD」が登録されているため、第1列車が「Train-A」から「Train-EA」に列車番号が更新されて、「Train-EA」に対して進路制御する進路の最終区間に「Train-OD」が在線していると、自動で“P2交差順序”を変更、すなわち、第1列車の現在の列車番号が「Train-EA」である場合には“P2交差順序”を変更できるが、第1列車の現在の列車番号が「Train-A」である場合には“P2交差順序”を変更できない。したがって、第1列車に遅れ等が発生しても、第1列車が下りホームに到着して「Train-A」から「Train-EA」に列車番号が更新されて“P2交差順序”が変更されるまで、第2列車(Train-OD)の進路制御を行うことができないため、第1列車に遅れ等が発生すると、第2列車(Train-OD)が上りホームに到着する時刻も遅れてしまうという問題があった。

0041

すなわち、従来の連動装置は、登録手段(RAM等)に登録されている所定のポイント(本例の場合、ポイントP2)を使用する順序が第1列車、第2列車の順であり、第1列車が本線から車両基地へと進行する途中で所定のポイント(P2)を通過し、第2列車が車両基地から本線へと進行する途中で所定のポイント(P2)を通過する場合、第1列車が所定のポイント(P2)を通過した後の進路上に第2列車が在線しており、第2列車が進出しなければ、第1列車の制御ができないにもかかわらず、登録手段に登録されている順序に従って、第1列車の次に第2列車が所定のポイント(P2)を通過するよう進路制御を行うように構成されていた。

0042

そこで、本実施形態の連動装置31は、「Train-A」から「Train-EA」に列車番号を更新しなくても、登録手段に登録されている順序を変更できるよう構成した。
具体的には、本実施形態の連動装置31は、第1列車の列車番号が更新される前であるか後であるかにかかわらず、第1列車が所定のポイント(本例の場合、ポイントP2)を通過した後の進路上に第2列車が在線しており、かつ、第1列車の進路が予め指定された進路であり、かつ、第2列車の所定のポイント(P2)を使用する順序が2位で登録されているという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、登録手段に登録されている順序に従って、第1列車の次に第2列車が所定のポイント(P2)を通過するよう進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、登録手段から第1列車の登録を削除して、第1列車よりも先に第2列車が所定のポイント(P2)を通過するよう進路制御を行うように構成した。

0043

本例の場合、第1列車が「Train-EA」に列車番号を更新する前であるが、第1列車(Train-A)がポイントP2を通過した後の進路上に第2列車(Train-OD)が在線しており、かつ、第1列車の進路61LKBが予め指定された進路であり、かつ、第2列車(Train-OD)の“P2交差順序”が2位で登録されているので、連動装置31は、条件を満たすと判定して、登録手段(RAM等)に登録されている交差順序から第1列車(Train-EA)を削除して、第1列車(Train-A)よりも先に第2列車(Train-OD)がポイントP2を通過するよう進路制御を行う。これにより、第1列車が「Train-A」から「Train-EA」に列車番号が更新される前であっても交差順序から削除されるため、第1列車が「Train-A」の状態で第2列車(Train-OD)の交差順序が1位になって、信号機39Lの内方に対する第2列車(Train-OD)の進路制御を行うことができる。したがって、第1列車が「Train-A」の状態で、信号機39Lが「進行」側へと切り替わるとともに、信号機39Lの内方に設置されている転てつ機が切り替わって、第2列車(Train-OD)がポイントP2を通過して上りホームへ進入する進路が構成される。これにより、第1列車が下りホームに到着して「Train-A」から「Train-EA」に列車番号の更新を行った後だけでなく、当該列車番号更新を行う前にも、第1列車(Train-A)よりも先に第2列車(Train-OD)がポイントP2を通過することができるので、第2列車(Train-OD)が上りホームに到着する時刻が遅れてしまうことがない。

0044

〔順序判断機能3〕
デッドロック防止機能において、従来は、併合制御に対応しておらず、デッドロック防止機能が必要な機能であっても、併合制御を可能とするため、デッドロック防止機能を外していたという課題があった。
そこで、本実施形態では、デッドロック防止機能を改良し、在線列車が併合相手列車であれば、自動制御を可能とする順序判断機能3を備えるよう構成した。

0045

ここで、「デッドロック防止機能」とは、連動装置が備える機能であり、当該機能によって、列車同士が対向する等して身動きが取れない状態になってしまうことを防止することができる。例えば、第1列車の進路上に第2列車が在線している場合であって、第1列車の進路制御を行うと第1列車と第2列車とが対向する等して身動きが取れない状態になる範囲(以下「デッドロック範囲」という。)内に第2列車が在線している場合、連動装置のデッドロック防止機能が作動すると、当該連動装置は、第1列車の進路制御を行わないため、第1列車が停止して、第1列車と第2列車とが身動きの取れない状態にならない。一方、連動装置のデッドロック防止機能が作動しないと、当該連動装置は、第1列車の進路制御を行うため、第1列車が進行して、第1列車と第2列車とが身動きの取れない状態になる。

0046

順序判断機能3の詳細について、図6を参照して説明する。具体的には、第1列車(Train-OA)の進路制御を行う際にデッドロック範囲内に在線している第2列車が、第1列車(Train-OA)の併合相手でない列車(Train-B)である場合(図6(a)参照)と、第1列車(Train-OA)の併合相手である列車(Train-A)である場合(図6(b)参照)と、を例に説明する。
従来の連動装置は、デッドロック防止機能をオンにすると、第1列車の進路制御を行う際にデッドロック範囲内に第2列車が在線している場合には、第2列車がデッドロック範囲外へと移動するまでデッドロック防止機能が作動するように構成されている。しかし、これでは、デッドロック範囲内に在線している第2列車が第1列車の併合相手である場合にも、第1列車の進路制御が行われため、デッドロック防止機能をオンにすると、自動的に第1列車と第2列車とを併合することができないという問題があった。

0047

すなわち、従来の連動装置は、所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲(デッドロック範囲)内に第2列車が在線していると判断した場合、第2列車が第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否かにかかわらず、第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)外へと移動するまでデッドロック防止機能が作動する。よって、第2列車の進路制御を行って当該第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)外へと移動した後に、所定区間に対する第1列車の進路制御を行うように構成されていた。

0048

そこで、本実施形態の連動装置31は、所定区間に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲(デッドロック範囲)内に第2列車が在線していると判断した場合、第2列車が第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、第2列車の進路制御を行って当該第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)外へと移動した後に、所定区間に対する第1列車の進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、第2列車の進路制御を行う前に、所定区間に対する第1列車の進路制御を行うように構成した。

0049

本例のうち、図6(a)に示す例の場合、第2列車が第1列車(Train-OA)の併合相手でない列車(Train-B)であるため、連動装置31は、条件を満たさないと判定する。よって、第2列車(他の列車(Train-B))がデッドロック範囲外へと移動するまでデッドロック防止機能が作動するため、第2列車(Train-B)の進路制御を行って当該第2列車(Train-B)がデッドロック範囲外へと移動した後に、所定区間(入換信号機15Lの内方)に対する第1列車(Train-OA)の進路制御を行う。したがって、第2列車(Train-B)がデッドロック範囲外へと移動するまで、入換信号機15Lが「進行」側に切り替わらないため、第1列車(Train-OA)は入換信号機15の手前で停止することになる。ただし、この場合でも、入換信号機15Lは、手動で制御する(すなわち「進行」側に切り替える制御を行う)ことができる。なお、第1列車(Train-OA)が、進入・進出線2(入換信号機16Lが設置されている引上線)を走行している場合も同様である。

0050

一方、本例のうち、図6(b)に示す例の場合、第2列車が第1列車(Train-OA)の併合相手である列車(Train-A)であるため、連動装置31は、条件を満たすと判定する。よって、デッドロック防止機能が作動しないため、第2列車(Train-A)の進路制御を行う前に、所定区間(入換信号機16Lの内方)に対する第1列車(Train-OA)の進路制御を行う。したがって、第2列車(Train-A)がデッドロック範囲外へと移動しなくても、入換信号機16Lが「進行」側に切り替わるとともに、入換信号機16Lの内方に設置されている転てつ機が切り替わって、第1列車(Train-OA)が入換信号機16Lの前を通過して上り本線へ進出する進路が構成されるため、第1列車(Train-OA)と第2列車(Train-A)とは併合することができる。なお、第1列車(Train-OA)が、進入・進出線1(入換信号機15Lが設置されている引上線)を走行している場合も同様である。
これにより、デッドロック防止機能をオンにしても、デッドロック防止機能が必要なときのみ作動するため、デッドロック防止機能を効果的に使用することができる。

0051

〔順序判断機能4〕
従来の連動装置は、上り本線に進入車両が在線するときに、上り本線に到着せず途中で折り返して車両基地へ進入する列車がある場合、デッドロック防止機能によって折り返し車基地へ進入ができなくなるという課題があった。例えば図7に示すような配線を有する構内において、破線で示すように、電3場に終着し車両基地へ進入する車両(Train-A)のために信号機12Lの進路を設定したいが、他の車両(Train-B)が上り本線に在線すると、デッドロック防止機能によって信号機12Lの内方の自動進路制御が行われず車両(Train-A)が車両基地へ進入できなくなるという課題があった。
そこで、本実施形態では、第1場内進路(上り第1場内信号機12L)の着点である電3場に終着する電車のみ上り本線の在線を判定せず、第1場内進路(上り第1場内信号機12L)を自動制御可能とする順序判断機能4を備えるよう構成した。すなわち、電3場に終着後に車両基地へ進入する列車のみ、上り本線の列車が在線しているがデッドロックチェックを動作させず、信号機12Lを自動進路制御できるようにする順序判断機能4を備えるよう構成した。

0052

順序判断機能4の詳細について、図7を参照して説明する。具体的には、上り第1場内信号機12Lに対する第1列車(Train-A)の進路制御を行う際に、上り本線ホームに第2列車(Train-B)が在線する場合であって、第1列車(Train-A)が上り第1場内信号機12Lの内方の途中(電3場)で折り返して車両基地へ進入する場合を例に説明する。
ここで、上り本線ホームに列車が在線するときは、デッドロック防止のため、上り第1場内信号機の進路制御を行わないことになっている。したがって、上り本線ホームに在線する列車(本例の場合、第2列車(Train-B))は、デッドロック範囲内に在線していることになる。

0053

前述したように、従来の連動装置は、デッドロック防止機能をオンにすると、第1列車が進入しようとしている区間(以下「進入区間」という。)に対する当該第1列車の進路制御を行う際に、デッドロック範囲内に第2列車が在線している場合には、第2列車がデッドロック範囲外へと移動するまでデッドロック防止機能が作動するように構成されている。
したがって、第2列車がデッドロック範囲内に在線することになった場合には、第1列車(Train-A)に対して、手動で信号機12Lの制御を行う必要があるという問題があった。

0054

すなわち、従来の連動装置は、所定区間(進入区間)に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲(デッドロック範囲)内に第2列車が在線していると判断した場合、第1列車が所定区間の途中で折り返して当該所定区間外へと移動する列車であるという条件を満たすか否かにかかわらず、第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)外へと移動するまでデッドロック防止機能が作動する。よって、第2列車の進路制御を行って当該第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)外へと移動した後に、所定区間に対する第1列車の進路制御を行うように構成されていた。

0055

しかし、進入区間に進入する列車は、進入区間の終点(着点)まで移動する列車だけでなく、進入区間の途中で折り返して進入区間外へと移動する列車もある。第1列車が進入区間の途中で折り返して進入区間外へと移動する列車である場合には、当該進入区間に対する第1列車の進路制御を行っても、第1列車と、デッドロック範囲内に在線している第2列車と、は身動きが取れない状態にならない。よって、第1列車が進入区間の途中で折り返して進入区間外へと移動する列車である場合には、第2列車がデッドロック範囲内に在線していても、デッドロック防止機能を作動させる必要がない。

0056

そこで、本実施形態の連動装置31は、所定区間(進入区間)に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲(デッドロック範囲)内に第2列車が在線していると判断した場合、第1列車が所定区間(進入区間)の途中で折り返して当該所定区間外へと移動する列車であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、第2列車の進路制御を行って当該第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)外へと移動した後に、所定区間(進入区間)に対する第1列車の進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、第2列車の進路制御を行う前に、所定区間(進入区間)に対する第1列車の進路制御を行うように構成した。

0057

本例の場合、第1列車(Train-A)が進入区間の途中で折り返して当該進入区間外へと移動する列車であるため、連動装置31は、条件を満たすと判定する。よって、デッドロック防止機能が作動しないため、第2列車(Train-B)の進路制御を行う前に、進入区間(信号機12Lの内方)に対する第1列車(Train-A)の進路制御を行う。すなわち、進入区間に対する第1列車(Train-A)の進路制御を、第2列車(Train-B)の進路制御よりも優先して行うため、まず、第1列車(Train-A)が進入区間の途中(電3場)で折り返して進入区間外へと移動する進路が構成され、その後、第2列車(Train-B)用の進路が構成される。よって、第1列車(Train-A)が車両基地に進入した後に、第2列車(Train-B)の進路制御が行われるため、第1列車(Train-A)に対する信号機12Lを手動で制御する必要がない。なお、第2列車(Train-B)は、ポイントP4を曲がってZ方に行く列車であってもよいし、車両基地へ進入する列車であってもよい。
これにより、デッドロック防止機能をオンにしても、デッドロック防止機能が必要なときのみ作動するため、デッドロック防止機能を効果的に使用することができる。

0058

〔順序判断機能5〕
ATC(Automatic Train Control)区間では、追い込み制御を行うと、過走区間を押さえ込んでしまい、先行列車の制御に影響を及ぼすという課題があった。すなわち、ATC区間で、過走区間を持つ進路で追い込み制御を行うと、先行列車の進路が制御できなくなり、デッドロックとなるという課題があった。
ここで、「追い込み制御」とは、ATC特有の制御であり、続行列車が進入しようとしている進入区間に先行列車が在線していても、当該進入区間の第1軌道回路が列車の在線を検出していない場合(以下、単に扛上と称する)には、続行列車の当該進入区間への進入を許可する制御のことである。進入区間(進路内方)には第1軌道回路から最終軌道回路までの複数の軌道回路が敷設されており、「第1軌道回路」とは、進入区間内の最も入口側に敷設されている軌道回路のことである。

0059

具体的には、例えば、先行列車が進入等の運用により到着後運転方向が変わる場合、続行列車の追い込み制御を行うとデッドロックとなる場合があるという課題があった。すなわち、例えば図8に示すような配線を有するATC区間において、先行列車が本線から車両基地へ進入する列車(Train-EA)で、続行列車(Train-B)が本線の過走有り進路で追い込み制御を行うと、Train-EAは入換進路(入換信号機21Rの内方)を制御できなくなるという課題があった。
そこで、本実施形態では、追い込み制御機能で先行列車の種別や進行方向を考慮した進路制御を行う順序判断機能5を備えるよう構成した。すなわち、先行列車の運用情報や進行方向を確認し、追い込み制御可能な場合のみ追い込み制御する順序判断機能5を備えるよう構成した。具体的には、例えば、追い込み制御時には先行列車や自列車の運用をチェックするようにして、必要な場合は追い込み制御を行わない順序判断機能5を備えるよう構成した。すなわち、ATC区間で用いられているより細かな区間毎に分割された進路を総括する進路において、追い込み制御の可否を判断するチェック処理での判定結果が「制御可能」であった時、進路の第一内方軌道回路が列車の在線を検出せず、かつ他列車による軌道回路予約が解除されていることを確認した上で追い込み制御を行う順序判断機能5を備えるよう構成した。

0060

順序判断機能5の詳細について、図8および図9を参照して説明する。具体的には、第1列車(Train-B)と転てつ機T31との間に第2列車が在線している場合であって、当該第2列車が進入車両(Train-EA)である場合(図8参照)と、第2列車(Train-B)と転てつ機T32との間に第2列車が在線している場合であって、当該第2列車が本線列車(Train-A)である場合(図9参照)と、を例に説明する。

0061

従来、連動装置は、第1列車(Train-B)が転てつ機を越えて過走したときのことを考慮して、進入区間(図8に示す例の場合は信号機1Rの内方、図9に示す例の場合は信号機2Lの内方)に対する続行列車(Train-B)の進路制御を行う際に、進入区間に加えて過走区間(図8に示す例の場合は転てつ機T31を含む区間、図9に示す例の場合は転てつ機T32を含む区間)においても進路制御を行うよう構成されている。

0062

したがって、図8に示す例の場合は、進入区間に対する第1列車(Train-B)の進路制御が行われると、進入区間で進路が構成されるだけでなく、過走区間でも進路が構成されるので、信号機1Rが「進行」側に切り替わって鎖錠されるだけでなく、転てつ機T31が定位側図8において斜線を付した側、すなわち本線側)で鎖錠されるとともに、入換信号機21Rが「停止」側で鎖錠される。よって、第1列車(Train-B)は転てつ機T31を越えて過走したときでも予定通り進行方向に沿って走行することができる。
また、図9に示す例の場合は、進入区間に対する第1列車(Train-B)の進路制御が行われると、進入区間で進路が構成されるだけでなく、過走区間でも進路が構成されるので、転てつ機T32が定位側(図9において斜線を付した側、すなわちY方側)で鎖錠される。よって、第1列車(Train-B)は転てつ機T32を越えて過走したときでも予定通り進行方向に沿って走行することができる。

0063

後述する進路制御機能1によって、続行列車である第1列車の追い込み制御とともに、当該第1列車の進路制御を行うと、先行列車である第2列車が予定通り走行できない場合があるという問題があった。
具体的には、図8に示す例の場合、追い込み制御とともに進路制御を行うと、第2列車(Train-EA)が転てつ機T31を通過する際には、第1列車(Train-B)用の進路が構成されている(具体的には、転てつ機T31が定位側で鎖錠されているとともに、入換信号機21Rが「停止」側で鎖錠されている)ため、第2列車(Train-EA)が車両基地へ進入する進入列車であるにもかかわらず、車両基地へ進入できなくなる。
また、図9に示す例の場合、追い込み制御とともに進路制御を行うと、第2列車(Train-A)が転てつ機T32を通過する際には、第1列車(Train-B)用の進路が構成されている(具体的には、転てつ機T32が定位側で鎖錠されている)ため、第2列車(Train-A)がX方へ向かう列車であるにもかかわらず、X方に進出できなくなってしまう。

0064

すなわち、従来の連動装置は、進路制御機能1によって、続行列車である第1列車の追い込み制御とともに、所定区間(進入区間+過走区間)に対する当該第1列車の進路制御を行う際には、所定区間(進入区間+過走区間)に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車と当該所定区間内の所定のポイント(本例の場合、転てつ機T31,T32が設けられているポイントP51,P52)との間に第2列車が在線していると判断した場合、第1列車の進路と第2列車の進路とが所定のポイント(P51,P52)で分岐するという条件を満たすか否かにかかわらず、第2列車が所定のポイント(P51,P52)を通過する前に、所定区間(進入区間+過走区間)に対する第1列車の進路制御を行うように構成されていた。

0065

そこで、本実施形態の連動装置31は、進路制御機能1によって、続行列車である第1列車の追い込み制御とともに、所定区間(進入区間+過走区間)に対する当該第1列車の進路制御を行う際には、第2列車(先行列車)の運用情報(列車種別等)や進行方向などを確認して、第1列車の進路と第2列車の進路とが所定のポイント(本例の場合、転てつ機T31,T32が設けられているポイントP51,P52)で分岐するという条件を満たすか否か判定する。そして、当該条件を満たさないと判定した場合には、第2列車の進路制御と並行して、所定区間(進入区間+過走区間)に対する第1列車の進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、第2列車の進路制御を行って当該第2列車が所定のポイント(P51,P52)を通過した後に、所定区間(進入区間+過走区間)に対する第1列車の進路制御を行うように構成した。

0066

本例のうち、図8に示す例の場合、第1列車(Train-B)の進路と第2列車(Train-EA)の進路とがポイントP51で分岐するため、連動装置31は、条件を満たすと判定する。よって、第2列車(Train-EA)の進路制御を行って当該第2列車がポイントP51を通過した後に、所定区間(進入区間+過走区間)に対する第1列車(Train-B)の進路制御を行う。
また、本例のうち、図9に示す例の場合、第1列車(Train-B)の進路と第2列車(Train-A)の進路とがポイントP52で分岐するため、連動装置31は、条件を満たすと判定する。よって、第2列車(Train-A)の進路制御を行って当該第2列車がポイントP52を通過した後に、所定区間(進入区間+過走区間)に対する第1列車(続行列車(Train-B))の進路制御を行う。
これにより、進路制御機能1をオンにしても、進路制御機能1が必要なときのみ作動するため、進路制御機能1を効果的に使用することができる。

0067

〔順序判断機能6〕
入換信号機制御は入出区ダイヤにより全ての交差順序1位であれば最終進路まで途切れなく一気に制御するが、最終進路まで一気に制御するため、本線列車の運行に支障するケースがあるという課題があった。
そこで、本実施形態では、入出区ダイヤで示される進路群の途中において一旦自動制御を保留して、時刻や保留時分経過という条件が成立してから残りの進路を制御できる順序判断機能6を備えるよう構成した。すなわち、経由時刻がある場合、経由時刻ごとに交差順序登録を行うようにし、入出区ダイヤの途中で一旦進路制御を保留して、次の進路制御条件が成立してから残りの進路を自動制御できる順序判断機能6を備えるよう構成した。

0068

順序判断機能6の詳細について、図10を参照して説明する。具体的には、進出車両である第1列車(Train-OA)の進路(進出進路)の始点に設置されている入換信号機11Rと終点に設置されている入換信号機13Rと入換信号機11R,13Rの間に設置されている入換信号機12Rとがあるとともに、入換信号機12R,13Rの間に3つのポイントP61,P62,P63があり、第1列車(Train-OA)の進路と、本線列車である第2列車(Train-B)の進路と、がポイントP62で交差する場合を例に説明する。

0069

入出区ダイヤ情報には、発時刻(進入車両や進出車両が進入・進出進路(進入車両である場合には進入進路、進出車両である場合には進出進路)の始点を出発する時刻)だけでなく、進入進路や進出進路の途中に入換信号機やポイントがある場合には、当該入換信号機やポイントを通過する経由時刻が含まれている場合がある。しかし、従来の連動装置は、入出区ダイヤ情報の発時刻のみを用いて、進入車両や進出車両の進路制御を行っていた。すなわち、進出車両が進出進路の始点(本例の場合、入換信号機11R)の手前に到着すると、発時刻に基づいて、進出進路の始点から終点までの区間に対する進路制御を一気に行っていた。

0070

したがって、本例のように、第1列車(Train-OA)の発時刻(入換信号機11Rを通過する時刻)が“10:00”で、入換信号機12Rを通過する時刻が“10:06”である場合には、“10:00”に進出進路の始点から終点までの区間に対する第1列車(Train-OA)の進路制御が行われるため、第2列車(Train-B)に遅れ等が発生して第2列車(Train-B)がポイントP62に到着する時刻が第1車両(Train-OA)の発時刻よりも後(例えば“10:03”)になると、第2列車(Train-B)は、第1車両(Train-OA)がポイントP62を通過した後でなければ、ポイントP62を通過することができず、第2列車(Train-B)がさらに遅れてしまうという問題があった。

0071

すなわち、従来の連動装置は、進入・進出進路(制御対象列車が進入車両である場合には進入進路、制御対象列車が進出車両である場合には進出進路)の途中に経由時刻が設定されている経由個所があるという条件を満たすか否かにかかわらず、入出区ダイヤ情報の発時刻に基づいて、進入・進出進路の始点から終点までの区間の信号機および/または転てつ機を制御するように構成されていた。

0072

そこで、本実施形態の連動装置31は、進入・進出進路(制御対象列車が進入車両である場合には進入進路、制御対象列車が進出車両である場合には進出進路)の途中に経由時刻が設定されている経由個所があるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、入出区ダイヤ情報の発時刻に基づいて、進入・進出進路の始点から終点までの区間の信号機および/または転てつ機を制御し、当該条件を満たすと判定した場合には、入出区ダイヤ情報の発時刻に基づいて、進入・進出進路の始点から経由個所までの間の区間の信号機および/または転てつ機を制御し、入出区ダイヤ情報の経由時刻に基づいて、進入・進出進路の2つの経由個所間の区間、あるいは、進入・進出進路の経由個所から終点までの区間の信号機および/または転てつ機を制御するように構成した。
ここで、進入車両にとっては、進入進路の両端部のうち本線側の端部が「(進入進路の)始点」になり、車両基地側の端部が「(進入進路)の終点」になる。
また、進出車両にとっては、進出進路の両端部のうち車両基地側の端部が「(進出進路の)始点」になり、本線区側の端部が「(進出進路)の終点」になる。

0073

具体的には、本例において、例えば、入出区ダイヤ情報に経由時刻として入換信号機12Rを通過する時刻が含まれている場合、連動装置31は、進入・進出進路の途中に経由時刻が設定されている経由個所があるという条件を満たすと判定する。そして、まず、第1車両(Train-OA)が入換信号機11Rの手前に到着し、入換信号機11Rの内方(すなわち、入換信号機11Rから入換信号機12R手前までの区間)における第1車両(Train-OA)の交差順序が全て1位になると、入換信号機11Rの内方に対する第1車両(Train-OA)の進路制御を行い、次に、第1車両(Train-OA)が入換信号機12Rの手前に到着し、入換信号機12Rの内方(すなわち、入換信号機12Rから入換信号機13R手前までの区間)における第1車両(Train-OA)の経由時刻により登録された交差順序(すなわち、ポイントP61,P62,P63を使用する順序等)が全て1位になると、入換信号機12Rの内方に対する第1車両(Train-OA)の進路制御を行う。

0074

よって、本例の場合、第2列車(Train-B)に遅れ等が発生して第2列車(Train-B)がポイントP62に到着する時刻が第1車両(Train-OA)の発時刻よりも後になってしまった場合でも、第2列車(Train-B)がポイントP62を通過した後でないと第1車両(Train-OA)の交差個所P62を通過する順序が1位にならない。よって、第2列車(Train-B)がポイントP62を通過した後に入換信号機12Rの内方に対する第1車両(Train-OA)の進路制御が行われるため、第2列車(Train-B)が第1車両(Train-OA)の通過待ちで遅れてしまうことがなくなる。
これにより、既存の情報(経由時刻)を利用して、進入・進出制御の質を向上させることができる。

0075

なお、入出区ダイヤ情報に経由時刻として、入換信号機12Rを通過する時刻の他に、ポイントP61,P62,P63を通過する時刻が含まれている場合には、連動装置31は、例えば、第1車両(Train-OA)が入換信号機11Rの手前に到着し、入換信号機11Rから入換信号機12R手前までの区間における第1車両(Train-OA)の交差順序が全て1位になると、当該区間に対する第1車両(Train-OA)の進路制御を行い、次に、第1車両(Train-OA)が入換信号機12Rの手前に到着し、入換信号機12RからポイントP61,P62,P63手前までの区間における第1列車(Train-OA)の経由時刻により登録された交差順序が全て1位になると、当該区間に対する第1車両(Train-OA)の進路制御を行う。

0076

〔順序判断機能7〕
本線から貨物線の間(貨物通路線)において、進路制御タイミングが遅いという課題があった。
そこで、本実施形態では、通常の駅の場合、出発順序1位にならないと第1〜第n出発信号機は制御しないため、第1出発信号機の内方にも入れないことを回避するため、出発順序が1位又は2位になると第1出発信号機を制御する順序判断機能7を備えるよう構成した。すなわち、複数の着発番線から同一進出方向へ同時に出発可能な駅において、自駅進出順序が2位の列車に対し、1位列車の最終出発信号機が制御済みになるのを待たずに、2位列車の出発時刻の一定時分前に出発信号機を制御する順序判断機能7を備えるよう構成した。

0077

順序判断機能7の詳細について、図11を参照して説明する。具体的には、F駅を出発する順序(出発順序)が「1位:第1列車(Train-A)」、「2位:第2列車(Train-B)」であり、第1列車(Train-A)と第2列車(Train-B)とが異なる番線から出発して同一のポイントP7を通過して同一方面へと進行する場合であって、ホーム(出発地点)からポイントP7までの距離が所定の閾値以上あり、第1列車(Train-A)の出発地点からポイントP7までの区間と第2列車(Train-B)の出発地点からポイントP7までの区間との双方に、列車が出発することの可否を指示する出発信号機が複数ある場合を例に説明する。

0078

従来の連動装置は、登録手段(RAM等)に登録されている出発順序に従って、出発順序1位の列車に出発の可否を指示する複数の出発信号機を優先して制御していた。そのため、出発順序が「1位:第1列車(Train-A)」、「2位:第2列車(Train-B)」と登録されている場合、第1列車(Train-A)が複数の出発信号機のうちの最終出発信号機を通過して、第2列車(Train-B)の出発順序が1位にならないと、第2列車(Train-B)に出発の可否を指示する複数の出発信号機を「進行」側に切り替えることができなかった。すなわち、第1列車(Train-A)が最終出発信号機を通過した後でないと、第2列車(Train-B)が出発できなかった。
したがって、単位時間あたりの出発本数を増やすために、第1列車(Train-A)の出発時刻と第2列車(Train-B)の出発時刻とを近接させた(すなわち、第2列車(Train-B)の出発時刻を、第1列車(Train-A)が最終出発信号機を通過する時刻よりも前に設定した)としても、連動装置の制御によって、第2列車(Train-B)が予定通りに出発できず、さらに、出発地点からポイントP7までの距離が長いほど、第1列車(Train-A)が出発してから最終出発信号機を通過するまでの時間が長くなるため、第2列車(Train-B)の出発が遅くなってしまうという問題があった。

0079

すなわち、従来の連動装置は、登録手段(RAM等)に登録されている所定の駅から出発する順序が第1列車、第2列車の順であり、第1列車および第2列車が異なる番線から出発して同一のポイント(本例の場合、ポイントP7)を通過して同一方面へと進行する場合、第1列車の出発地点からポイントまでの間と第2列車の出発地点からポイントまでの間との双方に、複数の出発信号機が設置されているとともに、第1列車および第2列車の進路が予め指定された進路であるという条件を満たすか否かにかかわらず、登録手段に登録されている順序に基づいて、第1列車の出発地点からポイント(P7)までの間に設置されている複数の出発信号機のうちの最終信号機を当該第1列車が通過した後に、第2列車の出発地点からポイント(P7)までの間に設置されている複数の出発信号機を制御するように構成されていた。

0080

そこで、本実施形態の連動装置31は、登録手段(RAM等)に登録されている順序が第1列車、第2列車の順であり、第1列車および第2列車が異なる番線から出発して同一のポイントを通過して同一方面へと進行する場合、第1列車の出発地点からポイント(本例の場合、ポイントP7)までの間と第2列車の出発地点からポイント(P7)までの間との双方に、複数の出発信号機が設置されているとともに、第1列車および第2列車の進路が予め指定された進路であるという条件を満たすか否か判定する。そして、当該条件を満たさないと判定した場合には、登録手段に登録されている順序に基づいて、第1列車の出発地点からポイント(P7)までの間に設置されている複数の出発信号機のうちの最終信号機を当該第1列車が通過したことを待ってから、第2列車の出発地点からポイント(P7)までの間に設置されている複数の出発信号機を制御し、当該条件を満たすと判定した場合には、第1列車の出発地点からポイント(P7)までの間に設置されている複数の出発信号機のうちの最終信号機を当該第1列車が通過したことを待たずに、第2列車の出発時刻に基づいて、第2列車の出発地点からポイント(P7)までの間に設置されている複数の出発信号機を制御可能となるように構成した。
なお、連動装置は、駅からの出発時刻についても、本線ダイヤ情報(実施ダイヤ情報)および入出区ダイヤ情報に基づいて認識できるよう構成されている。

0081

これにより、第1列車(Train-A)が最終出発信号機を通過する前であっても、第2列車(Train-B)の出発時刻(予め設定された出発時刻)に合わせて第2列車(Train-B)に出発の可否を指示する複数の出発信号機が「進行」側に切り替わるため、第2列車(Train-B)は予定通りに出発することができる。

0082

〔進路制御機能1〕
進路制御がATC特有の追い込み制御に対応していないという課題があった。
そこで、本実施形態では、先行列車が進路内方第1軌道回路扛上で続行列車の進路制御を行う進路制御機能1を備えるよう構成した。

0083

進路制御機能1の詳細について、図12を参照して説明する。
前述したように、ATC区間(地上ATC装置が設置されている区間)では、図12に示す例のように、続行列車である第1列車(Train-B)が進入しようとしている進入区間(信号機1Lの内方。具体的には、信号機1Lから信号機12L手前までの区間)に先行列車である第2列車(Train-A)が在線している場合でも、当該進入区間の第1軌道回路が扛上している場合には、追い込み制御によって、第1列車(Train-B)の当該進入区間への進入が許可される。
しかし、従来の連動装置は、図12(a)に示すように、第1列車(Train-B)が進入しようとしている進入区間に第2列車(Train-A)が在線している場合には、当該第2列車が進入区間外へと移動するまで、進入区間に対する第1列車(Train-B)の進路制御を行わないように構成されており、進路制御が追い込み制御に対応していないという問題があった。

0084

すなわち、従来の連動装置は、所定区間(進入区間)に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該所定区間内に第2列車が在線していると判断した場合、所定区間に敷設されている複数の軌道回路のうちの第1軌道回路(設定された進路の内方において、最も第1列車側に敷設されている軌道回路)が扛上しているという条件を満たしているか否かにかかわらず、第2列車が所定区間外へと移動するまで所定区間に対する第1列車の進路制御を待機するように構成されていた。

0085

そこで、本実施形態の連動装置31は、続行列車の追い込み制御とともに、当該続行列車の進路制御を行うように構成した。すなわち、所定区間(進入区間)に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該所定区間内に第2列車が在線していると判断した場合、所定区間(進入区間)に敷設されている複数の軌道回路のうちの第1軌道回路(最も第1列車側に敷設されている軌道回路)が扛上しているという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、第2列車の進路制御を継続するとともに、当該条件を満たすと判定するまで所定区間に対する第1列車の進路制御を待機し、当該条件を満たすと判定した場合には、第2列車の進路制御と並行して、所定区間に対する第1列車の進路制御を行うように構成した。

0086

例えば図12(b)に示す例の場合、第1列車(Train-B)が進入しようとしている進入区間に第2列車(Train-A)が在線しているが、当該進入区間に敷設されている複数の軌道回路のうちの第1軌道回路が扛上しているので、連動装置31は、条件を満たすと判定する。そして、第2列車(Train-A)の進路制御と並行して、進入区間に対する第1列車(Train-B)の進路制御を行う。

0087

〔進路制御機能2〕
進入・進出制御において、入換信号機の制御タイミングが適切でない場合があるという課題があった。すなわち、進出時のATCの切換を考慮した進路制御を行う必要があったが、入換信号機の制御タイミングについて、発時刻からの制御しかなく、適正なタイミングでの進路制御を行うことができないという課題があった。
そこで、本実施形態では、運用の特徴に応じて入換信号機の制御タイミングを変えられる進路制御機能2を備えるよう構成した。すなわち、入換信号機の制御タイミングにおいても駅別定数表にて指定を行い、運用に応じた設定を行う進路制御機能2を備えるよう構成した。ここで、「駅別定数表」は、連動駅ごとにその構内に設置されている信号機や転てつ機などのすべての設備と、その種別、番号(名称)等が表形式記述された列車制御等に用いられるデータである。

0088

進路制御機能2の詳細について、図13を参照して説明する。
前述したように、従来の連動装置は、入出区ダイヤ情報の発時刻を用いて、進入・進出車両の進路制御を行っていた。また、本実施形態の連動装置31は、前述の順序判断機能6によって、入出区ダイヤ情報の発時刻だけでなく経由時刻も用いて、進入・進出車両の進路制御を行う。
しかし、進入・進出車両の進路制御(具体的には、入換信号機の制御等)を、入出区ダイヤ情報の発時刻や経由時刻(すなわち、予定の時刻)を用いて行うと、特定の入換信号機については、適正なタイミングで制御できないという問題があった。

0089

特定の入換信号機とは、例えば、進入・進出線(あるいは、進出線等)上のATC切換箇所に設置されている入換信号機である。
車両基地には、地上ATC装置が設置されていないため、本線へ出る車両を、移動途中で一旦停止させて、ATC切換(地上ATC装置からの信号を受信可能な状態に切り換えること)を行う場合がある。進出車両を移動途中でATC切換を行う駅では、本線へ出る進出車両が走行する進入・進出線(あるいは、進出線等)上に、進出車両に一旦停止を指示する入換信号機が設置されたATC切換箇所が設けられている。

0090

進出車両の実際の発時刻や経由時刻が予定通り(すなわち、入出区ダイヤ情報の時刻通り)であっても、ATC切換箇所の入換信号機の制御(「進行」側へと切り替える制御)を、入出区ダイヤ情報の時刻を用いて行うと問題が生じる。
例えば、図13に示す例の場合であって、入出区ダイヤ情報の時刻を用いて、入換信号機30Rの内方にある全ての入換信号機(入換信号機30R,31R)を制御する場合、ATC切換箇所の入換信号機31Rについては、入換信号機30Rを制御するタイミングで、「進行」側に切り替わるように設定される。

0091

具体的には、例えば、予定では、入換信号機30Rを出発する時刻が“10:00”で、入換信号機31Rの手前に到着する時刻が“10:03”であったところ、実際には、入換信号機30Rを出発する時刻が“10:02”に、入換信号機31Rの手前に到着する時刻が“10:05”になったとする。入換信号機31Rの手前で進出車両を一旦停止させる時間として、“1分”が必要だとする。
進路は制御対象列車が通り過ぎるまでは復位しない。したがって、進出車両の実際の時刻が予定の時刻よりも遅くなったとしても、進出車両が入換信号機30Rを通り過ぎなければ復位(「停止」側に復帰)しないので、“10:00”に入換信号機30Rが「進行」側に切り替わっても、“10:02”に入換信号機30Rを問題なく通過することができる。しかし、ATC切換箇所の入換信号機31Rの場合は、予定では入換信号機31Rの手前に到着する時刻が“10:03”であっても、ポイントP71,P72の交差順序が1位になっていたなら、“10:03”になってなくとも、入換信号機31Rの手前で進出車両を一旦停止させる時間として“1分”が設定されていても、入換信号機31Rは「進行」側に切り替わる。したがって、進出車両が入換信号機31Rの手前に到着した時点で既に入換信号機31Rが「進行」側に切り替わっているため、一旦停止することなく、入換信号機31Rを通過してしまうことがある。

0092

すなわち、従来の連動装置は、車両基地から出る列車(進出車両)の進路である進出進路に複数の入換信号機が設置されている場合、複数の入換信号機の中に、進出列車を一旦停止させるための特定入換信号機が含まれているという条件を満たすか否かにかかわらず、入出区ダイヤ情報に基づいて、進出進路に設置されている複数の入換信号機を制御するように構成されていた。

0093

そこで、本実施形態の連動装置31は、車両基地から出る列車(進出車両)の進路である進出進路に複数の信号機が設置されている場合、当該複数の入換信号機の中に、進出列車を一旦停止させるための特定入換信号機(ATC切換箇所の入換信号機)が含まれているという条件を満たすか否か判定する。そして、当該条件を満たさないと判定した場合には、入出区ダイヤ情報に基づいて、進出進路に設置されている複数の入換信号機を制御し、当該条件を満たすと判定した場合には、特定入換信号機については、進出列車の在線位置情報と所定の軌道回路(発点軌道回路)への進入状態とに基づいて制御し、特定入換信号機(ATC切換箇所の入換信号機)以外の入換信号機については、入出区ダイヤ情報に基づいて制御するように構成した。

0094

具体的には、本実施形態の連動装置31は、ATC切換箇所の入換信号機以外の入換信号機については、入出区ダイヤ情報の時刻に基づいて制御し、ATC切換箇所の入換信号機については、進出車両の在線位置情報と所定の軌道回路(発点軌道回路)への進入状態とに基づいて制御するように構成した。

0095

ATC切換箇所の入換信号機の制御方式には、発点軌道回路収容方式と発点軌道回路進入方式とがあり、運用(進入区間の線路形状、軌道回路長、列車長等)に応じて、どちらの方式で制御するか選択できるよう構成されている。
ここで、「発点軌道回路」とは、進路を制御する時の出発点を示す軌道回路のことである。

0096

発点軌道回路収容方式では、発点軌道回路に隣接する隣接軌道回路落下状態(車両を検出している状態)から扛上状態(車両を検出していない状態)に切り替わった時点(すなわち、進出車両全体が進入区間に進入した時点)から一定時間経過後に、ATC切換箇所の入換信号機を進行」側に切り替える。
また、発点軌道回路進入方式は、発点軌道回路と、当該発点軌道回路に隣接する隣接軌道回路と、の双方が落下状態になった時点(すなわち、進出車両の先頭部分が制御を行う入換信号機の発点軌道回路に進入した時点)から一定時間経過後に、ATC切換箇所の入換信号機を「進行」側に切り替える。
なお、「一定時間」の長さは、予め設定されていてもよいし、連動装置31が運用(進入区間の線路形状、軌道回路長、列車長等)等に基づき適宜設定するように構成されていてもよい。

0097

〔列車追跡機能1〕
本線用の連動装置と車両基地用の連動装置とが分かれている場合、駅で構築したシステム上、駅から車両基地への移動は進入、車両基地から駅への移動は進出となるが、車両基地から見ると駅への移動が進出、駅からの移動が進入と逆になるという課題があった。すなわち、車両基地では入ってくる列車は進入、出て行く列車は進出という考え方なので、駅の進入列車は進出、進出列車は進入という考え方と逆になるという課題があった。
そこで、本実施形態では、車両基地用の連動装置において、進路制御系装置内部では駅部と同じ処理とするが、画面表示は進出列車番号を「O」、進入列車番号を「E」と表示し、現発列車番号の記号も車両基地連動で逆とする列車追跡機能1を備えるよう構成した。すなわち、車両基地用の連動装置における進路制御系装置の内部処理は駅用の連動装置と同じとするが、画面上の表示は進出列車番号の冠記号を「E」、進入列車番号の冠記号を「O」として変換して列車番号を表示する列車追跡機能1を備えるよう構成した。

0098

列車追跡機能1の詳細について、図14を参照して説明する。
連動装置31(具体的には、連動装置31の進路制御系装置)は、対象範囲から列車が出て行くことを「進入」、対象範囲へと列車が入ってくることを「進出」として処理を行っている。
大きな駅には、主に本線を対象範囲とする本線用の連動装置31と、主に車両基地を対象範囲とする車両基地用の連動装置31と、が設置されている場合がある。この場合、図14(a)に示すように、本線用の連動装置31は、対象範囲から列車が出て行くこと、すなわち列車が“本線→車両基地”と移動することを「進入」、対象範囲へと列車が入ることすなわち列車が“車両基地→本線”と移動することを「進出」として処理している。これに対し、車両基地用の連動装置31は、対象範囲から列車が出て行くこと、すなわち列車が“車両基地→本線”と移動することを「進入」、対象範囲へと列車が入ること、すなわち列車が“本線→車両基地”と移動することを「進出」として処理している。
したがって、本線用の連動装置31と車両基地用の連動装置31とでは、「進入」と「進出」とが逆になる。

0099

そのため、連動装置31が、表示部(例えば、連動装置31が備える表示部)に列車の位置を表示する際に、そのまま表示すると、本線用の連動装置31の表示と車両基地用の連動装置31の表示とが一致せず、分かりにくいという問題があった。具体的には、例えば、本線から車両基地へと進む第1列車を、本線用の連動装置31は「Train-EA」と表示するのに対し、車両基地用の連動装置31は「Train-OA」と表示するため、列車の移動が把握しにくく、駅員等が判断ミス等してしまうという問題があった。

0100

そこで、本実施形態では、車両基地用の連動装置31において、処理上は、従来通り、図14(a)に示すように、対象範囲から列車が出て行くこと(すなわち、列車が“車両基地→本線”と移動すること)を「進入」、対象範囲へと列車が入ること(すなわち、列車が“本線→車両基地”と移動すること)を「進出」として扱い、表示上は、図14(b)に示すように、対象範囲から列車が出て行くこと(すなわち、列車が“車両基地→本線”と移動すること)を「進出」、対象範囲へと列車が入ること(すなわち、列車が“本線→車両基地”と移動すること)を「進入」として扱うよう構成した。これにより、本線用の連動装置31の表示と車両基地用の連動装置31の表示とが一致するため、列車の移動が把握しやすくなる。

0101

〔列車追跡機能2〕
車両基地での入換作業時、引上線に車両が進入すると、進入車両と進出車両の区別がつかないため、進入車両を進出車両と誤認し、列車番号が誤シフトしてしまうという課題があった。
そこで、本実施形態では、車両基地側で作業する時は「作業中スイッチ」を扱い、双方の付属操作盤に表示をすることで構内入換中であることを明示するとともに制御点情報(信号機を制御するための情報)をマスクし、誤シフトを防止する列車追跡機能2を備えるよう構成した。すなわち、車両基地で引上線を使用の入換を行う際は、車両基地で事前に「作業中スイッチ」を扱い、車両基地からの現発送信条件(信号機が現示されたら隣接駅へ列車がこれから向かうという情報であり、該情報を当該駅の連動装置が、隣接駅へ送信する際に満たすべき条件)や制御点情報をカットするとともに、双方の付属操作盤に、構内入換中であることを明示する列車追跡機能2を備えるよう構成した。

0102

列車追跡機能2の詳細について、図15を参照して説明する。
主に本線を対象範囲とする本線用の連動装置31と、主に車両基地を対象範囲とする車両基地用の連動装置31と、が設置されている駅では、車両基地用の連動装置31の対象範囲にある列車(車両)が、本線用の連動装置31の対象範囲(引上線等)に一時的に進入して、再び車両基地用の連動装置31の対象範囲に戻る場合がある。連動装置31は、対象範囲へと列車が入ってくることを「進出」として処理を行うので、このような場合、本線用の連動装置31が、一時的に進入してきた列車を進出車両と誤認し、列車番号をシフトしてしまうという問題があった。

0103

そこで、本実施形態では、車両基地用の連動装置31に、図15(b)に示すような付属操作盤を取り付けるとともに、本線用の連動装置31に、図15(c)に示すような付属操作盤を取り付けた。

0104

車両基地用の連動装置31に取り付けられた付属操作盤には、図15(b)に示すように、“1♯入換”スイッチや“2♯入換”スイッチといった「作業中スイッチ」が設けられている。この「作業中スイッチ」は、車両基地用の連動装置31を操作するオペレータによって、車両基地で引上線等を使用する入換(構内入換)を行う際に押下される。また、「作業中スイッチ」は押下されると点灯するように構成されていて、当該点灯によって構内入換中であることを報知することができる。また、車両基地用の連動装置31は、「作業中スイッチ」が押下されると、その旨を本線用の連動装置31に対して通知する。
本線用の連動装置31に取り付けられた付属操作盤には、図15(c)に示すように、“2♯作業中 1♯作業中”ランプといった「作業中ランプ」が設けられている。この「作業中ランプ」は、車両基地用の連動装置31に取り付けられた付属操作盤の「作業中スイッチ」が押下されると点灯するよう構成されていて、当該点灯によって構内入換中であることを報知することができる。

0105

さらに、車両基地用の連動装置31は、「作業中スイッチ」が押下されると、本線用の連動装置31への現発送信条件や制御点情報をマスク(カット)する。そして、本線用の連動装置31は、車両基地用の連動装置31からの現発送信条件や制御点情報がマスク(カット)されたにもかかわらず、対象範囲へ列車が進入してきたと判断すると、進出列車の列車番号シフトを行わない。

0106

〔列車追跡機能3〕
I駅(除)〜G駅間の上り線は追跡範囲外のため管理できないという課題があった。すなわち、I駅は列車運行管理システム1とは異なるシステムが管理しており、I駅(除)〜G駅の上り線は、追跡範囲外のため、列車運行管理システム1で管理ができない。そのため、G駅(連動駅)とI駅との間のH駅(棒線駅)の旅客案内・出発時機表示器の制御ができないという課題があった。
そこで、本実施形態では、I駅(除)〜G駅間の上下線とも列車運行管理システム1の管理とするためおよびH駅の旅客案内・出発時機を制御可能とするため、G駅機器室にI駅の追跡装置(進路制御系装置RCS・連動系装置FX)を設置し、I駅を管理するシステムと情報を授受し、列車運行管理システム1で管理できるようにする列車追跡機能3を備えるよう構成した。すなわち、列車追跡装置(I駅相当の駅装置30)を設置し、H駅→I駅中間の在線を追跡可能とした。合わせて、I駅を管理するシステムと列車番号情報を授受し、I駅、H駅での到着・出発の実績採時をすることで、旅客案内・出発時機表示器の制御を可能にする列車追跡機能3を備えるよう構成した。

0107

列車追跡機能3の詳細について、図16を参照して説明する。
具体的には、列車運行管理システム1を導入している線区(導入線区)と、列車運転管理システム1を導入していない線区(非導入線区)と、の間で直通運転が可能であり、導入線区内のG駅とH駅、非導入線区内のI駅とJ駅が、「(下り側)G駅→H駅→I駅→J駅(上り側)」の順で並んでいる場合であって、G駅は駅装置30が設置されている連動駅、H駅は駅装置30が設置されていない棒線駅であり、I駅を除くI駅〜G駅間(破線S−S’よりも右側の区間)の上り線は、G駅に設置されている駅装置30の連動装置31(G駅用の連動装置31)の対象範囲(追跡範囲)外である場合を例に説明する。

0108

図16に示すような配線の区間において、仮にI駅が導入線区内の連動駅であるとすれば、I駅を除くI駅〜G駅間の上り線は、I駅に設置されている駅装置30の連動装置31(I駅用の連動装置31)の対象範囲内となるはずである。
そこで、本実施形態では、G駅に、G駅用の連動装置31と、列車追跡装置(I駅用の連動装置31に相当する装置)40と、を設置することとする。この列車追跡装置40は、連動装置31に、I駅に設置されている駅装置(I駅を管理するシステムの駅装置)との間で列車番号情報の授受を可能にするインターフェース取付けられているとともに、I駅を除くI駅〜G駅間の上り線において列車を追跡(列車の在線位置を把握)することができる。
これにより、I駅を除くI駅〜G駅間の上下線とも列車運行管理システム1の管理とすることができるとともに、H駅(棒線駅)の旅客案内や出発時機などを制御することができる。

0109

〔列車追跡機能4〕
新型電子連動装置と、車両基地用の電子連動装置との間で、列車番号の授受を行う必要があるという課題があった。
そこで、本実施形態では、列車番号送受信装置を改良し、進路制御支援装置との列車番号情報の授受をできるようにする列車追跡機能4を備えるよう構成した。

0110

列車追跡機能4の詳細について、図17を参照して説明する。
列車運行管理システム1を導入している線区(導入線区)内でも、車両基地用の連動装置として、列車運用管理システム1に適合していない連動装置を用いている場合がある。
そのような場合には、車両基地用の連動装置と本線用の連動装置31との間の列車番号情報の送受信を中継する列車番号送受信装置を改良して、本線用の連動装置31(列車運用管理システム1に適合する連動装置)と、車両基地用の連動装置(列車運用管理システム1に適合していない連動装置)と、の間の列車番号情報の授受ができるように構成した。これにより、相互に列車番号が異なることなく自動進路制御が可能になった。

0111

〔列車追跡機能5〕
K駅の軌道回路入力点数システム上限オーバーしてしまうという課題があった。すなわち、K駅を構築する際に、K駅装置管理の軌道回路数が駅装置30の上限値をオーバーしてしまうという課題があった。
そこで、本実施形態では、軌道回路数を減らすために、[1]接近区間軌道回路を軌道回路に含めない、[2]ATC区間の駅中間軌道回路を統合して管理する、という対応を行い、上限値範囲内とする列車追跡機能5を備えるよう構成した。

0112

列車追跡機能5の詳細について、図18を参照して説明する。
ATC区間は軌道回路数が多く、駅構内の軌道回路数が多い駅だと駅装置30の軌道回路管理上限値(例えば、160)を越えてしまう場合があった。
そこで、本実施形態では、駅装置30が管理すべき軌道回路数が当該駅装置30の管理上限値を超えてしまう場合には、軌道回路長や列車長などを考慮しつつ、[1]接近区間軌道回路を管理軌道回路に含めない、[2]ATC区間の駅中間軌道回路を統合して管理する、という対応を行うことによって、管理する軌道回路数を少なくし、上限値範囲内とした。
ここで、「接近区間軌道回路」とは、信号機に近い位置に敷設されている軌道回路をいくつかまとめたもので構成されるものである。但し、ここでいう「接近区間軌道回路」には、駅構内に設置されている信号機に近い位置に敷設されている軌道回路を含めないこととする。
また、「駅中間軌道回路」とは、駅同士の中間付近に敷設されている軌道回路である。

0113

例えば、図18に示す例において、「電下1T」〜「電下3T」と「電下4T」〜「電下5T」は接近区間軌道回路である。よって、K駅に設置されている駅装置30は、軌道回路「電下1T」、「電下2T」、および「電下3T」を集約して軌道回路「電下1−3T」として管理し、軌道回路「電下4T」および「電下5T」を集約して軌道回路「電下4−5T」として管理している。これにより、例えば、軌道回路「電下1T」、「電下2T」、および「電下3T」からの信号がOR論理で当該駅装置30に入力され、軌道回路「電下4T」および「電下5T」からの信号がOR論理(論理和)で当該駅装置30に入力される。

0114

また、図18に示す例において、「電下43T」〜「電下47T」は駅同士の中間に敷設されている下り線の軌道回路である。よって、K駅に設置されている駅装置30は、軌道回路「電下43T」、「電下44T」、および「電下45T」を集約して軌道回路「電下43−45T」として管理し、軌道回路「電下46T」および「電下47T」を集約して軌道回路「電下46−47T」として管理している。これにより、例えば、軌道回路「電下43T」、「電下44T」、および「電下45T」からの信号がOR論理で当該駅装置30に入力され、軌道回路「電下46T」および「電下47T」からの信号がOR論理で当該駅装置30に入力される。

0115

以上説明した本実施形態の連動装置31によれば、駅間を走行する列車のダイヤ情報である本線ダイヤ情報および駅構内を移動する列車(車両)のダイヤ情報である入出区ダイヤ情報と、列車の在線位置情報と、に基づいて列車の進路制御を行う連動装置であって、所定の条件を満たすか否かに応じて、進路制御を行う順序を異ならせるように構成されている。

0116

したがって、スムーズな列車運行を実現することができる。
なお、所定の条件は、前述した条件(順序判断機能1〜5の説明で示した条件、進路制御機能1の説明で示した条件)に限ることはなく、適宜任意に変更可能である。

0117

また、本実施形態の連動装置31によれば、各ポイントを通過する順序を登録するための登録手段(RAM等)を備え、当該登録手段に登録されている所定のポイント(例えば、ポイントP1)を使用する順序が第1列車、第2列車、第3列車の順であり、第1列車、第2列車、および第3列車が所定のポイントを通過して同一方面へと進行する場合、第1列車が所定のポイントを通過したことを契機に、第3列車が第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、登録手段に登録されている順序に従って、第2列車の次に第3列車が所定のポイントを通過するよう進路制御を行い、当該条件と満たすと判定した場合には、登録手段に登録されている順序に従わずに、第2列車よりも先に第3列車が所定のポイントを通過するよう進路制御を行うように構成することが可能である(順序判断機能1)。

0118

このように構成することによって、第3列車が第1列車と併合する列車である場合には、自動的に第2列車よりも先に第3列車が所定のポイントを通過するので、第2列車に遅れ等が発生したために第2列車よりも先に第1列車が所定のポイントを通過した場合であっても、第1列車と第3列車とを併合することができる。

0119

また、本実施形態の連動装置31によれば、各ポイントを通過する順序を登録するための登録手段(RAM等)を備え、当該登録手段に登録されている所定の分岐部(例えば、ポイントP2)を使用する順序が第1列車、第2列車の順であり、第1列車が本線から車両基地(引上線)へと進行する途中で所定のポイントを通過し、第2列車が車両基地(引上線)から本線へと進行する途中で所定のポイントを通過する場合、第1列車が所定のポイントを通過した後の進路上に第2列車が在線しており、かつ、第1列車の進路が予め指定された進路であり、かつ、第2列車の所定のポイントを通過する順序が2位で登録されているという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、登録手段に登録されている順序に従って、第1列車の次に第2列車が所定のポイントを通過するよう進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、登録手段から第1列車の登録を削除して、第1列車よりも先に第2列車が所定のポイントを通過するよう進路制御を行うように構成することが可能である(順序判断機能2)。

0120

このように構成することによって、第1列車が所定のポイントを通過した後の進路上に第2列車が在線しており、かつ、第1列車の進路が予め指定された進路であり、かつ、第2列車の所定のポイントを通過する順序が2位で登録されている場合には、自動的に第1列車よりも先に第2列車が所定のポイントを通過するので、第1列車に遅れ等が発生しても、第2列車を遅れることなく進出させることができる。

0121

また、本実施形態の連動装置31によれば、所定区間(進入区間)に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲(デッドロック範囲)内に第2列車が在線していると判断した場合、第2列車が第1列車と併合する列車であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、第2列車の進路制御を行って当該第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)外へと移動した後に、所定区間に対する第1列車の進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、第2列車の進路制御を行う前に、所定区間に対する第1列車の進路制御を行うように構成することが可能である(順序判断機能3)。

0122

このように構成することによって、デッドロック防止機能をオンにしても、第2列車が第1列車と併合する列車である場合には、デッドロック防止機能が作動せず、第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)内に在線していても自動的に第1列車の進路制御を行うので、第1列車と第2列車とを併合することができる。

0123

また、本実施形態の連動装置31によれば、所定区間(進入区間)に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車の進路上の所定範囲(デッドロック範囲)内に第2列車が在線していると判断した場合、第1列車が所定区間の途中で折り返して当該所定区間外へと移動する列車であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、第2列車の進路制御を行って当該第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)外へと移動した後に所定区間に対する第1列車の進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、第2列車の進路制御を行う前に、所定区間に対する第1列車の進路制御を行うように構成することが可能である(順序判断機能4)。

0124

このように構成することによって、デッドロック防止機能をオンにしても、第1列車が所定区間の途中で折り返して当該所定区間外へと移動する列車である場合には、デッドロック防止機能が作動せず、第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)内に在線していても自動的に第1列車の進路制御を行うので、第2列車に遅れ等が発生したために第2列車が所定範囲(デッドロック範囲)内に在線している場合であっても、第1列車を遅れることなく所定区間外へと移動させることができる。

0125

また、本実施形態の連動装置31によれば、所定区間(進入区間+過走区間)に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該第1列車と当該所定区間内の所定のポイント(例えば、ポイントP51,P52)との間に第2列車が在線していると判断した場合、第1列車の進路と第2列車の進路とが所定のポイントで分岐するという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、第2列車の進路制御と並行して、所定区間に対する前記第1列車の進路制御を行い、当該条件を満たすと判定した場合には、第2列車の進路制御を行って当該第2列車が所定のポイントを通過した後に、所定区間に対する第1列車の進路制御を行うように構成することが可能である(順序判断機能5)。

0126

このように構成することによって、第1列車の進路と第2列車の進路とが所定のポイントで分岐する場合には、自動的に第2列車が所定のポイントを通過した後に第1列車の進路制御を行うので、第2列車に遅れ等が発生したために第2列車が所定区間内に在線している場合であっても、第2列車を予定通りの進行方向に沿って走行させることができる。

0127

また、本実施形態の連動装置31によれば、所定区間(進入区間)に対する第1列車の進路制御を行う前に、当該所定区間内に第2列車が在線していると判断した場合、所定区間に敷設されている複数の軌道回路のうち最も第1列車側の軌道回路(第1軌道回路)が扛上しているという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、第2列車の進路制御を継続するとともに、当該条件を満たすと判定するまで所定区間に対する第1列車の進路制御を待機し、当該条件を満たすと判定した場合には、第2列車の進路制御と並行して、所定区間に対する第1列車の進路制御を行うように構成することが可能である(進路制御機能1)。

0128

このように構成することによって、所定区間に敷設されている複数の軌道回路のうち最も第1列車側の軌道回路(第1軌道回路)が扛上している場合には、自動的に第2列車の進路制御と並行して第1列車の進路制御を行うので、第1列車と第2列車との車間を詰めることができる。

0129

本実施形態の連動装置31によれば、駅間を走行する列車のダイヤ情報である本線ダイヤ情報および駅構内を移動する列車(車両)のダイヤ情報である入出区ダイヤ情報と、列車の在線位置情報と、に基づいて列車の進路制御を行う連動装置であって、所定の条件を満たすか否かに応じた異なる情報に基づいて、列車の進路上にある信号機および/または転てつ機の経時的制御を行うように構成されている。

0130

したがって、スムーズな列車運行を実現することができる。
なお、所定の条件を満たすか否かに応じた異なる情報は、前述した情報(順序判断機能6,7の説明で示した情報、進路制御機能2の説明で示した情報)に限ることはなく、適宜任意に変更可能である。

0131

また、本実施形態の連動装置31によれば、入出区ダイヤ情報には、車両基地に進入・進出する進入・進出列車の進路である進入・進出進路の始点を当該進入・進出列車が出発する時刻である発時刻と、進入・進出進路の始点から終点までの間の所定の経由個所を通過する時刻である経由時刻と、が含まれており、進入・進出進路の途中に経由時刻が設定されている経由個所があるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、発時刻に基づいて、始点から終点までの区間の信号機および/または転てつ機を制御し、当該条件を満たすと判定した場合には、発時刻に基づいて、始点から経由個所までの間の区間の信号機および/または転てつ機を制御し、経由時刻に基づいて、2つの経由個所間の区間、あるいは、経由個所から終点までの区間の信号機および/または転てつ機を制御するように構成することが可能である(順序判断機能6)。

0132

このように構成することによって、既存の情報(経由時刻)を用いて、進入・進出制御の質を向上させることができる。

0133

また、本実施形態の連動装置31によれば、所定の駅から出発する順序を登録するための登録手段(RAM等)を備え、当該登録手段に登録されている順序が第1列車、第2列車の順であり、第1列車および第2列車が異なる番線から出発して同一のポイント(例えば、ポイントP7)を通過して同一方面へと進行する場合、第1列車の出発地点からポイントまでの間と第2列車の出発地点からポイントまでの間との双方に、複数の出発信号機が設置されているとともに、第1列車および第2列車の進路が予め指定された進路であるという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、登録手段に登録されている順序に基づいて、第1列車の出発地点からポイントまでの間に設置されている複数の出発信号機のうちの最終信号機を当該第1列車が通過したことを待ってから、第2列車の出発地点からポイントまでの間に設置されている複数の出発信号機を制御し、当該条件を満たすと判定した場合には、第1列車の出発地点からポイントまでの間に設置されている複数の出発信号機のうちの最終信号機を当該第1列車が通過したことを待たずに、第2列車の出発時刻に基づいて、第2列車の出発地点からポイントまでの間に設置されている複数の出発信号機を制御可能であるように構成することが可能である(順序判断機能7)。

0134

このように構成することによって、第2列車を予定通りに出発させることができる。

0135

また、本実施形態の連動装置31によれば、車両基地から出る列車(進出車両)の進路である進出進路に複数の入換信号機が設置されている場合、複数の入換信号機の中に、進出列車を一旦停止させるための特定入換信号機(ATC切換箇所の入換信号機)が含まれているという条件を満たすか否か判定し、当該条件を満たさないと判定した場合には、入出区ダイヤ情報に基づいて、進出進路に設置されている複数の入換信号機を制御し、当該条件を満たすと判定した場合には、特定入換信号機については、進出列車の在線位置情報と所定の軌道回路(発点軌道回路)への進入状態とに基づいて制御し、特定入換信号機以外の入換信号機については、入出区ダイヤ情報に基づいて制御するように構成することが可能である(進路制御機能2)。

0136

このように構成することによって、特定入換信号機(ATC切換箇所の入換信号機)を適正なタイミングで制御することができる。

0137

なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、連動装置31は、順序判断機能1〜7、進路制御機能1,2、列車追跡機能1〜5の全てを備えていなくてもよく、これらの機能のうちの何れか1つを備えていればよい。

0138

本発明は、列車のダイヤ情報と在線位置情報とに基づいて列車の進路制御を行う連動装置に利用することができる。

0139

10中央装置
20線区別中央装置
30駅装置
31 連動装置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 鉄道情報システム株式会社の「 予約数予測装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】列車ごとの交通手段の利用客数(席予約数)を予測することができる予約数予測装置を提供する。【解決手段】予測対象列車の運行月と同月であって年が異なる運行済予測用データから求められた回帰式に基づいて... 詳細

  • 株式会社日立製作所の「 情報収集システムおよび情報収集方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】乗り心地に係る情報を網羅的に収集することを低コストで実現し得る情報収集システムを提供する。【解決手段】移動体の乗客が所持する携帯端末から、上記移動体の状態を示す移動体状態情報と、上記乗客が上記... 詳細

  • 三菱電機株式会社の「 運転時隔制御装置および運転時隔制御方法」が 公開されました。( 2020/10/22)

    【課題・解決手段】管轄範囲内の列車の識別情報および遅延時間を受信する遅延時間受信部(31)と、遅延時間に基づいて走行制御の対象の列車である対象列車を特定し、各列車の識別情報を用いて、走行方向に対する各... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ