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技術 成形用樹脂組成物

出願人 積水化学工業株式会社徳山積水工業株式会社
発明者 松村健一清木敦史増野典和河野篤吉山慶
出願日 2015年7月23日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-535980
公開日 2017年4月27日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 WO2016-013638
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物
主要キーワード C粒子 評価機器 パイプ状成形体 塩素分圧 ソケット状 HCl量 滑り効果 オキセタニル化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月27日)のものです。
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課題・解決手段

本発明は、鉛、スズ等の重金属を使用せずに、優れた熱安定性を有し、柔軟性、強度が高い成形体を製造することが可能な成形用樹脂組成物、及び、成形用樹脂組成物を用いた成形体を提供する。本発明は、塩素化塩化ビニル系樹脂と、熱安定剤とを含有する成形用樹脂組成物であって、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、下記式(a)〜(c)に示す構成単位(a)〜(c)を有し、前記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(a)の割合が17.5モル%以下、構成単位(b)の割合が46.0モル%以上、構成単位(c)の割合が37.0モル%以下であり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂中の塩素含有量は63〜72質量%未満であり、前記熱安定剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物を含有し、成形用樹脂組成物の230℃における加熱減量率が2質量%未満である成形用樹脂組成物である。(化1)

概要

背景

塩化ビニル系樹脂組成物は、例えば、建材等の樹脂成形体の材料として広く用いられている。塩化ビニル系樹脂組成物は、高温で加工される場合があるため、高い熱安定性を有することが要求される。また、成形体の熱安定性を得るためにも高い熱安定性を有する必要がある。更に、建材として用いられる樹脂成形体は色調が重要視されるため、塩化ビニル系樹脂組成物は耐着色性を有することも必要とされる。
これらの要求に対して、熱安定性や耐着色性等の種々の性能を向上させるため、塩化ビニル系樹脂には、溶融成形の前に熱安定剤が添加されることが一般的である。

従来、熱安定剤としては、鉛、カドミウムバリウム等の重金属を含有する熱安定剤が使用されている。しかしながら、重金属の毒性や環境に対する悪影響が問題となるに伴い、鉛などの毒性の強い金属を含有しない熱安定剤や樹脂成型品が提案されている。
例えば、特許文献1には、含ハロゲン樹脂酸性白土及び/又は活性白土と、式Ca1−x−yM2+xAly(OH)2で表される水酸化カルシウム系化合物(但し、式中、M2+はMg,Zn,Cu等の2価金属を示し、x及びyはそれぞれ、0≦x<0.4,0≦y<0.1の範囲にある)との複合物を含有する安定化された含ハロゲン樹脂組成物が開示されている。

近年では環境保護保全に対する関心がさらに高まったことにより、スズといった鉛よりも毒性の低い重金属さえも含有しない熱安定剤や樹脂成形体に対する要求が高まっている。これに対して、例えば、特許文献2には、含窒素環有機化合物を含む安定剤組成物が開示されている。
しかしながら、このような安定剤組成物でも、成形品が着色し易く、着色を防止するため、高価な顔料酸化チタンを多く添加しなければならないという問題点があった。
これらの重金属を含まない熱安定剤を用いた成形用樹脂組成物や成形体に対して、さらなる性能の改善が望まれていた。

概要

本発明は、鉛、スズ等の重金属を使用せずに、優れた熱安定性を有し、柔軟性、強度が高い成形体を製造することが可能な成形用樹脂組成物、及び、成形用樹脂組成物を用いた成形体を提供する。本発明は、塩素化塩化ビニル系樹脂と、熱安定剤とを含有する成形用樹脂組成物であって、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、下記式(a)〜(c)に示す構成単位(a)〜(c)を有し、前記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(a)の割合が17.5モル%以下、構成単位(b)の割合が46.0モル%以上、構成単位(c)の割合が37.0モル%以下であり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂中の塩素含有量は63〜72質量%未満であり、前記熱安定剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物を含有し、成形用樹脂組成物の230℃における加熱減量率が2質量%未満である成形用樹脂組成物である。(化1)

目的

これらの重金属を含まない熱安定剤を用いた成形用樹脂組成物や成形体に対して、さらなる性能の改善が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

塩素化塩化ビニル系樹脂と、熱安定剤とを含有する成形用樹脂組成物であって、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、下記式(a)〜(c)に示す構成単位(a)〜(c)を有し、前記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(a)の割合が17.5モル%以下、構成単位(b)の割合が46.0モル%以上、構成単位(c)の割合が37.0モル%以下であり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂中の塩素含有量は63〜72質量%未満であり、前記熱安定剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物を含有し、成形用樹脂組成物の230℃における加熱減量率が2質量%未満であることを特徴とする成形用樹脂組成物。

請求項2

塩素化塩化ビニル系樹脂は、構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(b)の割合が58.0モル%以上であり、構成単位(c)の割合が35.8モル%以下であることを特徴とする請求項1記載の成形用樹脂組成物。

請求項3

塩素化塩化ビニル系樹脂は、216nmの波長におけるUV吸光度が0.8以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の成形用樹脂組成物。

請求項4

塩素化塩化ビニル系樹脂は、190℃における脱HCl量が7000ppmに到達するのに必要な時間が60秒以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の成形用樹脂組成物。

請求項5

塩素化塩化ビニル系樹脂中の塩素含有量は、63質量%以上、69質量%未満であることを特徴とする請求項1、3又は4記載の成形用樹脂組成物。

請求項6

塩素化塩化ビニル系樹脂は、216nmの波長におけるUV吸光度は8.0以下であることを特徴とする請求項1記載の成形用樹脂組成物。

請求項7

塩素化塩化ビニル系樹脂は、190℃における脱HCl量が7000ppmに到達するのに必要な時間が100秒以上であることを特徴とする請求項1又は6記載の成形用樹脂組成物。

請求項8

塩素化塩化ビニル系樹脂中の塩素含有量は、69質量%以上、72質量%以下であることを特徴とする請求項1、6又は7記載の成形用樹脂組成物。

請求項9

更に、酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の成形用樹脂組成物。

請求項10

酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有し、200℃における加熱減量率が5質量%未満であることを特徴とする請求項9記載の成形用樹脂組成物。

請求項11

β−ジケトンを含まないことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の成形用樹脂組成物。

請求項12

塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、熱安定剤を0.4〜10質量部含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の成形用樹脂組成物。

請求項13

請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の成形用樹脂組成物から成形されてなることを特徴とする成形体

技術分野

0001

本発明は、鉛、スズ等の重金属を使用せずに、優れた熱安定性を有し、柔軟性、強度が高い成形体を製造することが可能な成形用樹脂組成物、及び、成形用樹脂組成物を用いた成形体に関する。

背景技術

0002

塩化ビニル系樹脂組成物は、例えば、建材等の樹脂成形体の材料として広く用いられている。塩化ビニル系樹脂組成物は、高温で加工される場合があるため、高い熱安定性を有することが要求される。また、成形体の熱安定性を得るためにも高い熱安定性を有する必要がある。更に、建材として用いられる樹脂成形体は色調が重要視されるため、塩化ビニル系樹脂組成物は耐着色性を有することも必要とされる。
これらの要求に対して、熱安定性や耐着色性等の種々の性能を向上させるため、塩化ビニル系樹脂には、溶融成形の前に熱安定剤が添加されることが一般的である。

0003

従来、熱安定剤としては、鉛、カドミウムバリウム等の重金属を含有する熱安定剤が使用されている。しかしながら、重金属の毒性や環境に対する悪影響が問題となるに伴い、鉛などの毒性の強い金属を含有しない熱安定剤や樹脂成型品が提案されている。
例えば、特許文献1には、含ハロゲン樹脂酸性白土及び/又は活性白土と、式Ca1−x−yM2+xAly(OH)2で表される水酸化カルシウム系化合物(但し、式中、M2+はMg,Zn,Cu等の2価金属を示し、x及びyはそれぞれ、0≦x<0.4,0≦y<0.1の範囲にある)との複合物を含有する安定化された含ハロゲン樹脂組成物が開示されている。

0004

近年では環境保護保全に対する関心がさらに高まったことにより、スズといった鉛よりも毒性の低い重金属さえも含有しない熱安定剤や樹脂成形体に対する要求が高まっている。これに対して、例えば、特許文献2には、含窒素環有機化合物を含む安定剤組成物が開示されている。
しかしながら、このような安定剤組成物でも、成形品が着色し易く、着色を防止するため、高価な顔料酸化チタンを多く添加しなければならないという問題点があった。
これらの重金属を含まない熱安定剤を用いた成形用樹脂組成物や成形体に対して、さらなる性能の改善が望まれていた。

先行技術

0005

特開2008−214466号公報
特表2008−535997号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、鉛、スズ等の重金属を使用せずに、優れた熱安定性を有し、柔軟性、強度が高い成形体を製造することが可能な成形用樹脂組成物、及び、成形用樹脂組成物を用いた成形体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、塩素化塩化ビニル系樹脂と、熱安定剤とを含有する成形用樹脂組成物であって、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、下記式(a)〜(c)に示す構成単位(a)〜(c)を有し、前記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(a)の割合が17.5モル%以下、構成単位(b)の割合が46.0モル%以上、構成単位(c)の割合が37.0モル%以下であり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂中の塩素含有量は63〜72質量%未満であり、前記熱安定剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物を含有し、成形用樹脂組成物の230℃における加熱減量率が2質量%未満である成形用樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。

0008

0009

本発明者らは、鋭意検討の結果、成形用樹脂組成物に使用する塩素化塩化ビニル系樹脂及び熱安定剤について、所定の化合物、物性を有するものを用いることで、鉛、スズ等の重金属を使用せずに、優れた熱安定性を有し、着色を防止して、柔軟性、強度が高い成形体を製造することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0010

本発明の成形用樹脂組成物は、230℃における加熱減量率が2質量%未満である。
上記230℃における加熱減量率が2質量%以上であると、成形品内部に気泡が含まれることで強度不足になったり、表面近傍に筋状の模様が発生し外観不良が生じたりする。
上記230℃における加熱減量率は、1.0質量%未満であることがより好ましい。
下限については特に限定されないが0.1質量%が好ましい。
なお、上記230℃における加熱減量率は、熱重量測定(TG)装置によって測定することができる。

0011

本発明によれば、重金属フリーの成形用樹脂組成物が得られる。
本明細書において、重金属とは密度の大きい金属を意味し、一般に密度4〜5g/cm3以上の金属を指す。重金属フリーとは、重金属の含有量が1000ppm以下であることを意味する。なお、上記重金属の含有量は、100ppm以下であることが好ましい。

0012

上記重金属としては、スカンジウム以外の遷移金属が挙げられ、例えば、Mn、Ni、Fe、Cr、Co、Cu、Au等が挙げられる。また、第4周期以下のp−ブロック元素の金属(例えばSn、Pb、Bi)、Cd、Hg等も含まれる。

0013

本発明の成形用樹脂組成物は、塩素化塩化ビニル系樹脂(以降、「CPVC」ともいう)と、熱安定剤とを含有する。

0014

上記CPVCは、上記式(a)〜(c)に示す構成単位(a)〜(c)を有し、上記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(a)の割合が17.5モル%以下、構成単位(b)の割合が46.0モル%以上、構成単位(c)の割合が37.0モル%以下である。このようなCPVCは、熱安定性が高く、且つ、良好な成形加工性を有する。

0015

上記CPVCの構成単位(a)、(b)及び(c)のモル比は、塩化ビニル系樹脂(PVC)が塩素化される際の塩素が導入される部位を反映したものである。塩素化前のPVCは、理想的には、ほぼ、構成単位(a)が0モル%、構成単位(b)が50.0モル%、構成単位(c)が50.0モル%の状態にあるが、塩素化に伴って構成単位(c)が減少し、構成単位(b)及び構成単位(a)が増加する。この際、立体障害が大きく不安定な構成単位(a)が増えすぎたり、CPVCの同一粒子内で塩素化されている部位とされていない部位が偏ったりすると、塩素化状態の不均一性が大きくなる。この不均一性が大きくなると、CPVCの熱安定性が大きく損なわれる。
一方で、本発明では、上記CPVCの構成単位(a)、(b)及び(c)のモル比を上述の範囲内とすることで、CPVCの均一性が高くなり、良好な熱安定性を有する。

0016

本発明では、上記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(a)の割合が17.5モル%以下であるが、上記構成単位(a)の割合は、16.0モル%以下が好ましい。また、2.0モル%以上であることが好ましい。
また、上記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(b)の割合が46.0モル%以上であるが、上記構成単位(b)の割合は、53.5モル%以上が好ましい。また、70モル%以下であることが好ましい。
更に、上記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(c)の割合が37.0モル%以下であるが、上記構成単位(c)の割合は、30.5モル%以下が好ましい。また、1.0モル%以上であることが好ましい。

0017

本発明では、特に、構成単位(b)の割合が58.0モル%以上であり、構成単位(c)の割合が35.8モル%以下であることが好ましい。このような構成によれば、より高い熱安定性が得られる。

0018

上記CPVCの構成単位(a)、(b)及び(c)のモル比は、NMRを用いた分子構造解析により測定することができる。NMR分析は、R.A.Komoroski,R.G.Parker,J.P.Shocker,Macromolecules,1985,18,1257−1265に記載の方法に準拠して行うことができる。

0019

上記CPVCの分子構造中における塩素化されていないPVC部分は下記式(d)に示す構成単位(d)で表すことができ、本明細書ではこれをVC単位と称する。
本発明で用いるCPVCは、分子構造中に含まれる4連子以上のVC単位の含有量が30.0モル%以下であることが好ましい。ここで、4連子以上のVC単位とは、VC単位が4個以上連続して結合している部分を意味する。

0020

0021

上記CPVC中に存在するVC単位は脱HClの起点となり、かつ、このVC単位が連続していると、ジッパー反応と言われる連続した脱HCl反応が起こりやすくなってしまう。即ち、この4連子以上のVC単位の量が大きくなるほど、脱HClが起こり易く、CPVC中の熱安定性が低くなる。そのため、4連子以上のVC単位は、30.0モル%以下であることが好ましく、28.0モル%以下であることがより好ましい。CPVC中の塩素含有量が69質量%以上72質量%未満の場合、4連子以上のVC単位は18.0モル%以下であることが好ましく、16.0モル%以下であることがより好ましい。
上記分子構造中に含まれる4連子以上の塩化ビニル単位含有率は、上記のNMRを用いた分子構造解析により測定することができる。

0022

上記CPVCは、塩素含有量が63〜72質量%である。
上記塩素含有量が63質量%未満であると、成形品としての耐熱性が不充分となり、72質量%を超えると、成形性が著しく悪化する。
上記塩素含有量は、66質量%以上であることが好ましく、69質量%以下であることが好ましい。
上記CPVC中の塩素含有量は、JIS K 7229に記載の方法により測定することができる。

0023

上記CPVCは、216nmの波長におけるUV吸光度が8.0以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましい。
また、紫外吸収スペクトルにおいて、216nmの波長は、CPVC中の異種構造である、−CH=CH−C(=O)−及び−CH=CH−CH=CH−が吸収を示す波長である。
上記CPVCのUV吸光度の値から、塩素化反応時分子鎖中の異種構造を定量化し、熱安定性の指標とすることができる。CPVCの分子構造において、二重結合した炭素の隣の炭素に付いた塩素原子は不安定である。そのため、該塩素原子を起点として、脱HClが生じる。即ち、波長216nmにおけるUV吸光度の値が大きいほど脱HClが起こり易く、熱安定性が低いことになる。

0024

特に、上記CPVCの塩素含有量が63質量%以上69質量%未満の場合、UV吸光度の値が0.8以下であることが好ましい。UV吸光度の値が0.8を超えると、分子鎖中の異種構造の影響が大きくなり、その結果、熱安定性が低下することがある。
また、上記CPVCの塩素含有量が69質量%以上、72質量%以下である場合は、UV吸光度の値が8.0以下であることが好ましい。上記UV吸光度の値が8.0を超えると、分子鎖中の異種構造の影響が大きくなり、熱安定性が低下する。

0025

上記CPVCは、190℃における脱HCl量が7000ppmに到達するのに必要な時間は60秒以上であることが好ましく、100秒以上であることがより好ましい。
上記CPVCは高温で熱分解を起こし、その際にHClガスを発生する。一般に、CPVCはその塩素化度が高くなるにつれて、上述したVC単位が減少するため、脱HCl量が減少する傾向にある。しかし、塩素化度が高くなるにつれて、不均一な塩素化状態や異種構造が増加し、熱安定性が低下する。それ故、脱HCl量を測定することにより、不均一な塩素化状態や異種構造の増加を分析することができる。例えば、190℃における脱HCl量が7000ppmに到達するのに必要な時間を熱安定性の指標とすることができ、その時間が短いほど、熱安定性が低いと言える。

0026

特に、上記CPVCの塩素含有量が63質量%以上、69質量%未満である場合は、190℃における脱HCl量が7000ppmに到達するのに必要な時間は60秒以上であることが好ましい。該時間が60秒未満であると、熱安定性が大きく損なわれる。よって、該時間は60秒以上であることが好ましく、70秒以上であることがより好ましく、80秒以上であることが更に好ましい。
また、上記CPVCの塩素含有量が69質量%以上、72質量%以下である場合は、該時間は100秒以上であることが好ましい。該時間が100秒未満であると、熱安定性が大きく低下してしまうため、100秒以上であることが好ましく、120秒以上であることがより好ましく、140秒以上であることが更に好ましい。
上記190℃における脱HCl量が7000ppmに到達する時間は、以下のように測定することができる。まず、塩素化塩化ビニル樹脂1gを試験管に入れ、オイルバスを使用して190℃で加熱し、発生したHClガスを回収する。回収したHClガスを100mlのイオン交換水に溶解させてpHを測定する。pHの値に基づいて、HClの濃度(ppm)(即ち、塩素化塩化ビニル樹脂100万gあたり何gのHClが発生したか)を算出する。HClの濃度が7000ppmに到達する時間を計測する。

0027

上記CPVCは、塩化ビニル系樹脂(PVC)が塩素化されてなる樹脂である。
上記PVCとしては、塩化ビニル単独重合体塩化ビニルモノマーと共重合可能不飽和結合を有するモノマーと塩化ビニルモノマーとの共重合体重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト共重合したグラフト共重合体等を用いることができる。これら重合体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。

0028

上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、エチレンプロピレンブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニルプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類ブチルビニルエーテルセチルビニルエーテル等のビニルエーテル類メチルメタアクリレートエチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレートフェニルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類スチレンα−メチルスチレン等の芳香族ビニル類塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニルビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられ、これらの1種若しくは2種以上が使用される。

0029

上記塩化ビニルをグラフト共重合する重合体としては、塩化ビニルをグラフト重合させるものであれば特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体エチレン−プロピレン共重合体アクリロニトリルブタジエン共重合体ポリウレタン塩素化ポリエチレン塩素化ポリプロピレン等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されても良い。

0030

上記PVCの平均重合度は、特に限定されず、通常用いられる400〜3,000のものが好ましく、より好ましくは600〜1,500である。平均重合度は、JIS K 6720−2:1999に記載の方法より測定することができる。
上記PVCの重合方法は、特に限定されず、従来公知の水懸濁重合塊状重合溶液重合乳化重合等を用いることができる。

0031

本発明において、上記熱安定剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物を含有するものである。上記熱安定剤は、重金属を含まないことから、重金属フリーの成形用組成物が得られる。
上記熱安定剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物を含有する。
このような熱安定剤を用いた場合、塩素化塩化ビニル系樹脂の熱分解で生成した塩酸が、直ちに亜鉛化合物と反応して塩化亜鉛となる。また、塩素化塩化ビニル系樹脂の脱塩酸により生成したポリエン成長がアルキルカルボン酸カルシウムとの結合で停止されて発色が抑えられる。
一方で、生成した塩化亜鉛は、塩素化塩化ビニル系樹脂の熱分解を促進させる性質があるが、本発明では、塩化亜鉛がアルキルカルボン酸カルシウムと反応して塩化カルシウムとアルキルカルボン酸亜鉛が生成される。その結果、上記熱安定剤は、亜鉛化合物の迅速な塩酸捕捉作用を生かしながら、塩化亜鉛の熱分解促進作用が抑制されるため、顕著な相乗効果を有する。

0032

上記アルキルカルボン酸カルシウムとしては、例えば、ペンタン酸ヘキサン酸ヘプタン酸オクタン酸シクロヘキシルプロピオン酸ノナン酸デカン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸アラキジン酸ベヘン酸リグノセリン酸モンタン酸等のカルシウム塩が挙げられる。
なかでも、炭素数8〜28のアルキルカルボン酸カルシウムを用いることが好ましい。

0033

上記亜鉛化合物としては、無機亜鉛化合物又は有機亜鉛化合物が挙げられる。
上記無機亜鉛化合物としては、例えば、亜鉛の炭酸塩塩化物硫酸塩、酸化物水酸化物塩基性酸化物及び混合酸化物からなる系統からの化合物等が挙げられる。

0034

上記有機亜鉛化合物としては、例えば、ジ及び/又はモノアルキル亜鉛等のアルキル亜鉛化合物有機脂肪族カルボン酸亜鉛、非置換又は置換有機芳香族カルボン酸亜鉛、有機亜燐酸亜鉛、置換又は非置換フェノール亜鉛、アミノ酸及びその誘導体亜鉛、有機メルカプタン亜鉛等を挙げることができる。

0035

上記有機脂肪族カルボン酸亜鉛を構成する有機脂肪族カルボン酸としては、例えば、モンタン酸、コメ脂肪酸、ベヘン酸、エルシン酸、ステアリン酸、オレイン酸リノール酸、コメ脂肪酸、リシノレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、低級脂肪酸オクチル酸イソステアリン酸ダイマー酸ナフテン酸酢酸アゼライン酸及びそのモノエステル、セバチン酸及びそのモノエステル、アジピン酸及びそのモノエステル、コハク酸及びそのモノエステル、マロン酸及びそのモノエステル、マレイン酸及びそのモノエステル、クロトン酸及びそのモノエステル、リンゴ酸及びそのモノエステル、酒石酸及びそのモノエステル、クエン酸及びそのモノエステル又はジエステル乳酸グリコール酸チオジプロピオン酸及びそのモノエステル等が挙げられる。

0036

上記非置換又は置換有機芳香族カルボン酸亜鉛を構成する無置換又は置換芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、o−,m−及びp−トルイル酸、p−第3級ブチル安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸サルチル酸多塩基酸フタル酸、メタフタル酸、テレフタル酸トリメリット酸等及びそれらのモノエステル又はジエステル等が挙げられる。

0037

上記有機亜燐酸亜鉛を構成する有機亜燐酸としては、例えば、脂肪族アルコール五酸化燐との反応物であるアシッドホスファイト等を挙げることができる。具体的には、ブチルアシッドホスファイト、オクチルアシッドホスファイト、ステアリルアシッドホスファイト、ベヘニルアシッドホスファイト等が挙げられる。

0038

上記置換又は非置換フェノール亜鉛を構成する置換又は非置換フェノールとしては、例えば、フェノールクレゾールキシロールオクチルフェノールノニルフェノール、ジノニルフェノール、シクロヘキシルフェノールフェニルフェノールビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、p−ヒドロキシ安息香酸のエステル、サルチル酸のエステル等を挙げることができる。

0039

上記アミノ酸及びその誘導体としては、例えば、焼成グルタミン酸グリシンアラニン等を挙げることができる。

0040

上記有機メルカプタン亜鉛を構成する有機メルカプタンとしては、例えば、ラウリルメルカプタンチオグリコール酸及びそのエステル、メルカプトプロピオン酸及びそのエステル、チオリンゴ酸よびそのモノエステル又はジエステル等を挙げることができる。

0041

上記熱安定剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物を含有するものであるが、上記アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物の混合物であることが好ましい。
上記熱安定剤の形態としては、例えば、粉末粒状物等が挙げられる。このような形態とすることで、ワンパックの熱安定剤として使用することができる。
上記熱安定剤が粉粒体である場合、その粒度は目的に応じて任意に調節することができ、一般に平均粒子径が50μm〜5mmであることが好ましく、特に70μm〜2mmであることが好ましい。
上記粒状物の熱安定剤を製造する方法としては、例えば、押出成形造粒法、噴霧造粒法、回転円盤造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法等のそれ自体公知の造粒法を用いることができる。

0042

上記熱安定剤は、230℃における加熱減量率が5質量%未満であることが好ましい。
上記230℃における加熱減量率が5%以上であると、成形品内部に気泡が含まれることで強度不足になったり、表面近傍に筋状の模様が発生し外観不良が生じたりすることがある。
上記230℃における加熱減量率は、3質量%未満であることより好ましい。
下限については特に限定されないが0.1質量%が好ましい。
なお、上記230℃における加熱減量率は、熱重量測定(TG)装置によって測定することができる。

0043

上記熱安定剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物を含有するものであるが、上記、アルキルカルボン酸カルシウムと亜鉛化合物との混合比(アルキルカルボン酸カルシウム:亜鉛化合物)は、9:1〜4:6であることが好ましい。また、上記混合比は、8:2〜5:5であることがより好ましい。

0044

本発明の成形用樹脂組成物において、上記熱安定剤の含有量は、塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.4〜10質量部であることが好ましく、0.6〜7質量部の範囲であることがより好ましい。この範囲で熱安定剤を含むことにより、熱安定性をより向上させることができるとともに、成形体の良好な外観を維持することができる。

0045

本発明の成形用樹脂組成物は、更に、酸化防止剤を含有することが好ましい。
上記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤リン酸系酸化防止剤イオウ系酸化防止剤アミン系酸化防止剤等を用いることができる。これらは、単独で使用しても良く、二種以上を併用しても良い。なかでも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。

0046

上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート、ジステアリル(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニルブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジルイソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、ペンタエリスリチルテトラキスメチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2−t−ブチル−4−メチル−6−(2’−アクリロイルオキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス(1’,1’−ジメチル−2’−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ビス〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。これらのうちでは、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が好ましい。これらは単独でも2種以上混合しても用いることができる。

0047

上記酸化防止剤は、200℃における加熱減量率が5質量%未満であることが好ましい。
上記200℃における加熱減量率が5質量%以上であると、成形品内部に気泡が含まれて強度不足になったり、表面近傍に筋状の模様が発生し外観不良が生じたりすることがある。
なお、上記200℃における加熱減量率は3質量%未満であることが好ましい。

0048

上記本発明の成形用樹脂組成物において、上記酸化防止剤の含有量は、塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、0.2〜2.5質量部の範囲であることがより好ましい。この範囲で酸化防止剤を含むことにより、黄変による着色の少ない成形品を得ることができる。

0049

本発明の成形用樹脂組成物は、更に、安定化助剤を含むことが好ましい。上記安定化助剤を含むことにより、熱安定性をより向上させることができる。
上記安定化助剤としては、重金属を含まないものを用いることができる。例として、有機酸塩エポキシ化大豆油エポキシ化アマニ豆油エポキシ化テトラヒドロフタレートエポキシ化ポリブタジエン等のエポキシ化合物有機リン化合物亜リン酸エステルリン酸エステル水酸化カルシウム水酸化ナトリウム等の金属水酸化物、アジピン酸ナトリウムビスフェノールA型エポキシ化合物、グリシジル(メタ)アクリレート共重合体オキセタニル化合物ビニルエーテル化合物及びゼオライト化合物が挙げられる。これらは単独で使用しても良く、2種以上を併用してもよい。なお、上記安定化助剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物とは異なるものである。
また、上記安定化助剤は、200℃における加熱減量率が5質量%未満であることが好ましい。

0050

本発明の成形用樹脂組成物は、必要に応じて、滑剤加工助剤衝撃改質剤耐熱向上剤紫外線吸収剤光安定剤充填剤熱可塑性エラストマー、顔料などの添加剤を混合してもよい。

0051

上記滑剤としては、内部滑剤外部滑剤が挙げられる。内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂流動粘度を下げ摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブチルステアレートラウリルアルコールステアリルアルコールグリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記滑剤は、200℃における加熱減量率が5質量%未満であることが好ましい。

0052

上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。上記外部滑剤としては特に限定されず、例えば、パラフィンワックスポリエチレン系滑剤等のポリオレフィンワックス脂肪酸エステル系滑剤等のエステルワックスモンタン酸ワックス等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

0053

上記加工助剤としては、特に限定されず、例えば質量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレートアルキルメタクリレート共重合体等のアクリル系加工助剤などが挙げられる。上記アクリル系加工助剤としては特に限定されず、例えば、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレートブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加工助剤は、200℃における加熱減量率が5質量%未満であることが好ましい。

0054

上記衝撃改質剤としては特に限定されず、例えばメタクリル酸メチルブタジエンスチレン共重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、アクリルゴムなどが挙げられる。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、例えばα−メチルスチレン系、N−フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。
上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系等の光安定剤等が挙げられる。

0055

上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料二酸化チタン等の酸化物系、硫化物セレン化物系、フェロシアニン化物系などの無機顔料などが挙げられる。

0056

本発明の成形用樹脂組成物には成形時の加工性を向上させる目的で、可塑剤が添加されていてもよいが、成形体の熱安定性を低下させることがあるため、多量に使用することはあまり好ましくない。上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレートジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。

0057

本発明の成形用樹脂組成物には施工性を向上させる目的で、熱可塑性エラストマーが添加されていてもよい。上記熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体(EVACO) 、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等の塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーオレフィン系熱可塑性エラストマーウレタン系熱可塑性エラストマーポリエステル系熱可塑性エラストマーポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。

0058

本発明の成形用樹脂組成物は、β−ジケトンを含まないことが好ましい。β−ジケトンは、熱安定性を向上させるために従来の熱安定剤に配合されている成分である。しかしながら、β−ジケトンを含む熱安定剤を用いた場合、樹脂組成物を押出成形や射出成形により成形して成形体を製造する際に、成形体の外観が損なわれやすい。例えば、成形体の表面に、樹脂の流れ方向に平行な太さ0.1〜1mm程度の黄色〜赤褐色のすじが発生する。このように外観が損なわれた成形体は不良品となる。特に長時間使用したダイスを用いた場合に、このような不良品が発生しやすい。しかしながら、本発明によれば、β−ジケトンを含む熱安定剤を用いることなく、優れた熱安定性を有する成形用樹脂組成物を提供することができる。

0059

本発明の成形用樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、反応容器中において、塩化ビニル系樹脂を水性媒体に懸濁して懸濁液を調製し、上記反応容器内に塩素を導入し、従来公知の任意の方法で上記塩化ビニル系樹脂を塩素化して、塩素化塩化ビニル系樹脂を調製する工程と、上記塩素化塩化ビニル系樹脂に、熱安定剤を添加して混合する工程とを有する方法を用いることができる。

0060

上記塩素化塩化ビニル系樹脂を調製する工程において、用いる反応容器としては、例えば、グラスライニングが施されたステンレス製反応容器、チタン製反応容器等の一般に使用されている容器を使用することができる。

0061

上記塩化ビニル系樹脂を水性媒体に懸濁して懸濁液を調製する方法は、特に限定されず、重合後のPVCを脱モノマー処理したケーキ状のPVCを用いてもよいし、乾燥させたものを再度、水性媒体で懸濁化してもよく、又は、重合系中より塩素化反応に好ましくない物質を除去した懸濁液を使用してもよいが、重合後のPVCを脱モノマー処理したケーキ状の樹脂を用いることが好ましい。

0062

上記水性媒体としては、例えば、イオン交換処理された純水を用いることができる。水性媒体の量は、特に限定されないが、一般にPVCの100質量部に対して150〜400質量部が好ましい。

0063

上記反応容器内に導入する塩素は、液体塩素及び気体塩素のいずれであってもよい。短時間に多量の塩素を仕込めるため、液体塩素を用いることが効率的である。圧力を調整するためや塩素を補給するために、反応途中に塩素を追加してもよい。このとき、液体塩素の他に気体塩素を適宜吹き込むこともできる。ボンベ塩素の5〜10質量%をパージした後の塩素を用いるのが好ましい。

0064

上記反応容器内のゲージ圧力は、特に限定されないが、塩素圧力が高いほど塩素がPVC粒子の内部に浸透し易いため、0.3〜2MPaの範囲が好ましい。

0065

上記懸濁した状態でPVCを塩素化する方法は、特に限定されず、例えば、熱エネルギーによりPVCの結合や塩素を励起させて塩素化を促進する方法(以下、熱塩素化という)、紫外光線等の光エネルギー照射して光反応的に塩素化を促進する方法(以下、光塩素化という)等が挙げられる。熱エネルギーにより塩素化する際の加熱方法は、特に限定されず、例えば、反応器壁からの外部ジャケット方式による加熱が効果的である。また、紫外光線等の光エネルギーを使用する場合は、高温、高圧下の条件下での紫外線照射等の光エネルギー照射が可能な装置が必要である。光塩素化の場合の塩素化反応温度は、40〜80℃が好ましい。

0066

上記塩素化方法の中では、紫外線照射を行わない熱塩素方法が好ましく、熱のみ又は熱及び過酸化水素により塩化ビニル系樹脂の結合や塩素を励起させ塩素化反応を促進する方法が好ましい。
上記光エネルギーによる塩素化反応の場合、PVCが塩素化されるのに必要な光エネルギーの大きさは、PVCと光源との距離に大きく影響を受ける。そのため、PVC粒子の表面と内部とでは、受けるエネルギー量が相違し、塩素化が均一に生じない。その結果、均一性の低いCPVCが得られる。一方、紫外線照射を行わず、熱により塩素化する方法では、より均一な塩素化反応が可能となり、均一性の高いCPVCを得ることができる。

0067

上記加熱のみで塩素化する場合は、70〜140℃の範囲であることが好ましい。温度が低すぎると、塩素化速度が低下する。温度が高すぎると、塩素化反応と並行して脱HCl反応が起こり、得られたCPVCが着色する。加熱温度は、100〜135℃の範囲であることがより好ましい。加熱方法は、特に限定されず、例えば、外部ジャケット方式で反応容器壁から加熱することができる。

0068

上記塩素化において、懸濁液にさらに過酸化水素を添加することが好ましい。過酸化水素を添加することにより、塩素化の速度を向上させることができる。過酸化水素は、反応時間1時間毎に、PVCに対して5〜500ppmの量を添加することが好ましい。添加量が少なすぎると、塩素化の速度を向上させる効果が得られない。添加量が多すぎると、CPVCの熱安定性が低下する。
上記過酸化水素を添加する場合、塩素化速度が向上するため、加熱温度を比較的低くすることができる。例えば、65〜110℃の範囲であってよい。

0069

上記塩素化の際に、最終塩素含有量から5質量%手前に達した時点以降の塩素化を、塩素消費速度が0.010〜0.015kg/PVC−Kg・5minの範囲で行い、さらに、最終塩素含有量から3質量%手前に達した時点以降の塩素化を、塩素消費速度が0.005〜0.010kg/PVC−Kg・5minの範囲で行うことが好ましい。ここで、塩素消費速度とは、原料PVC1kgあたりの5分間の塩素消費量を指す。
上記方法で塩素化を行うことにより、塩素化状態の不均一性が少なく、熱安定性の優れたCPVCを得ることができる。

0070

本発明の成形用樹脂組成物を製造する方法では、次いで、上記塩素化塩化ビニル系樹脂に、熱安定剤、及び、必要に応じて酸化防止剤を添加して混合する工程を行う。
上記熱安定剤及び酸化防止剤を混合する方法としては、特に限定されず、例えば、ホットブレンドによる方法、コールドブレンドによる方法等が挙げられる。

0071

以上述べたような本願発明の構成によれば、優れた熱安定性を有し、鉛、カドミウム、スズ等の重金属を含有しない成形用樹脂組成物を提供することができる。
更に、本発明の他の側面によれば、本発明の成形用樹脂組成物から成形された成形体が提供される。このような成形体もまた本発明の1つである。
上記成形の方法としては、従来公知の任意の成形方法が採用されてよく、例えば、押出成形法射出成形法等が挙げられる。

0072

本発明の成形体は、本発明の成形用樹脂組成物と同様に重金属フリーであるため、環境に悪影響を与えないという優れた利点を有し、優れた熱安定性を有し、且つ、外観の状態が良好であるため、建築部材管工機材、住宅資材等の用途に好適に用いることができる。

発明の効果

0073

本発明によれば、鉛、スズ等の重金属を使用せずに、優れた熱安定性を有し、柔軟性、強度が高い成形体を製造することが可能な成形用樹脂組成物、及び、成形用樹脂組成物を用いた成形体を提供できる。

実施例

0074

以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。

0075

[実施例1]
(塩素化塩化ビニル樹脂の作製)
内容積300Lのグラスライニング製反応容器に、イオン交換水200kgと平均重合度1000の塩化ビニル樹脂56kgを投入した。混合物を撹拌し、反応容器にさらに水を添加して、混合物を水中に分散させた。次いで、減圧して反応容器内の酸素を除去すると共に、90℃に昇温した。
次に、反応容器内に塩素を、塩素分圧が0.4MPaになるように供給し、0.2質量%過酸化水素を1時間当たり1質量部(320ppm/時間)の割合で添加しながら、塩素化反応を行った。塩素化された塩化ビニル樹脂の塩素含有量が61質量%になるまで反応を継続した。塩素化された塩化ビニル樹脂の塩素含有量が61質量%(5質量%手前)に達した時に、0.2質量%過酸化水素の添加量を1時間当たり0.1質量部(200ppm/時間)に減少し、平均塩素消費速度が0.012kg/PVC−kg・5minになるように調整して塩素化を進めた。さらに、塩素含有量が63質量%(3質量%手前)に達した時に、0.2質量%過酸化水素の添加量を1時間当たり150ppm/時間に減少し、平均塩素消費速度が0.008kg/PVC−kg・5minになるように調整して塩素化を進めた。このようにして、塩素含有量が65.6質量%の塩素化塩化ビニル樹脂を得た。

0076

塩素化塩化ビニル系樹脂組成物の作製)
得られた塩素化塩化ビニル樹脂100質量部に対して、熱安定剤3.0質量部、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イルガノックス1010、BASF社製、200℃の加熱減量率1.0質量%)0.5質量部を添加し混合した。なお、熱安定剤としては、ステアリン酸カルシウム2.0質量部と、ステアリン酸亜鉛1.0質量部を用いた。
更に、衝撃改質剤としてMBS(メタクリルブタジエンスチレン)樹脂(カネカ社製、カネエース M−511)5.0質量部、ポリエチレン系滑剤(三井化学社製、Hiwax220MP)2.0質量部、脂肪酸エステル系滑剤(エメリーレオケミカルジャパン社製、LOXIOL G−32)0.3質量部、二酸化チタン(石原産業社製、TIPAQUE CR−90)5.0重量部を添加し、スーパーミキサーで均一に混合して、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を得た。

0077

押出成形体の作製)
得られた塩素化塩化ビニル樹脂組成物を、直径50mmの2軸異方向コニカル押出機(長田製作所社製「SLM−50」)に供給し、樹脂温度205℃で内形20mm、厚さ3mmのパイプ状成形体を作製した。

0078

[実施例2]
塩素化塩化ビニル樹脂の分子構造の割合を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル樹脂組成物及び押出成形体を作製した。

0079

[実施例3〜6]
熱安定剤の量、塩素化塩化ビニル樹脂の分子構造の割合及び他の添加する成分の量を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び押出成形体を作製した。

0080

[実施例7]
熱安定剤の量を表1に記載したように変更し、更にβジケトン(ジベンゾイルメタン和光純薬工業社製)を0.5質量部添加したこと以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び押出成形体を作製した。

0081

[実施例8]
熱安定剤として、ラウリン酸カルシウム2.0質量部と、ステアリン酸亜鉛2.0質量部を用いた以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び押出成形体を作製した。

0082

[実施例9]
熱安定剤として、モンタン酸カルシウム2.0質量部と、ステアリン酸亜鉛2.0質量部を用いた以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び押出成形体を作製した。

0083

[実施例10]
熱安定剤として、ステアリン酸カルシウム2.0質量部と、ラウリン酸亜鉛2.0質量部を用いた以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び押出成形体を作製した。

0084

[実施例11]
平均重合度700の塩化ビニル樹脂を用い、熱安定剤として、ステアリン酸カルシウム2.0質量部と、ステアリン酸亜鉛2.0質量部を用い、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イルガノックス1010、BASF社製)0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を作製した。

0085

射出成形体の作製)
得られた塩素化塩化ビニル樹脂組成物を、直径30mmの2軸異方向コニカル押出機(長田製作所社製「OSC−30」)に供給し、樹脂温度190℃でペレットを作製した。
得られたペレットを射出成形機(日新製鋼社製「J100E−C5」)に供給し、ノズルからパージした際の樹脂温度230℃で、呼び径25mmのソケット状射出成形体を作製した。

0086

[実施例12]
熱安定剤として、モンタン酸カルシウム2.0質量部と、ラウリン酸亜鉛2.0質量部を用いた以外は、実施例11と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び射出成形体を作製した。

0087

[比較例1、2、4〜5]
塩素化塩化ビニル樹脂の分子構造の割合を表2に記載したように変更し、他の添加する成分を表2に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び押出成形体を作製した。

0088

[比較例3]
実施例1で得られた塩素化塩化ビニル樹脂を使用し、他の添加する成分を表2に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び押出成形体を作製した。

0089

[比較例6]
平均重合度700の塩化ビニル樹脂を用い、他の添加する成分を表2に記載のものに変更した以外は、実施例11と同様に塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び射出成形体を作製した。ここでは、ハイドロタルサイトアルカマイザー1、協和化学社製)を用いた。

0090

<評価>
実施例及び比較例で得られた塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体について以下の評価を行った。結果を表1及び2に示した。

0091

[塩素化塩化ビニル樹脂の評価]
<塩素含有量の測定>
JIS K 7229に準拠して測定を行った。

0092

<分子構造解析>
R.A.Komoroski、R.G.Parker、J.P.Shocker、Macromolecules、1985、18、1257−1265に記載のNMR測定方法に準拠して測定を行った。NMR測定条件は以下の通りである。
装置:FT−NMR(JEOL社製、JNM−AL−300)
測定核:13C(プロトン完全デカップリング)
パルス幅:90°
PD:2.4sec
溶媒:o−ジクロロベンゼン重水素化ベンゼン(C5D5)=3:1
試料濃度:約20%
温度:110℃
基準物質ベンゼンの中央のシグナルを128ppmとした
積算回数:20000回

0093

<UV吸光度の測定(216nm)>
216nmの波長におけるUV吸光度を下記測定条件で測定した。
比較例2及び5について、試料20mg/THF25mlの濃度では評価機器測定範囲を超えてしまったため、濃度を試料10mg/THF25mlに調整して再測定した。
装置:自記分光光度計日立製作所社製、U−3500)
溶媒:THF
濃度:試料20mg/THF25ml・・・800ppm(実施例1、4〜12及び比較例1、3、4、6)
濃度:試料10mg/THF25ml・・・800ppm(実施例2、3及び比較例2、5)

0094

<脱HCl時間>
得られた塩素化塩化ビニル樹脂1gを試験管に入れ、オイルバスを使用して190℃で加熱、発生したHClガスを回収し100mlのイオン交換水に溶解させpHを測定した。pH値から塩素化塩化ビニル樹脂100万g当たり何gのHClが発生したかを算出し、この値が7000ppmに到達する時間を計測した。

0095

[塩素化塩化ビニル樹脂組成物の評価]
<静的熱安定性>
得られた塩素化塩化ビニル樹脂組成物を2本の8インチロールに供給し、205℃で3分間混練して、厚さ1.0mmのシートを作製した。得られたシートを200℃のギヤオーブン中で加熱し、発泡又は黒化するまでの時間(分)を測定した。

0096

<動的熱安定性>
得られた塩素化塩化ビニル樹脂組成物をプラストミル(東洋精機社製「ラボプラストミル」)に供給し、回転数50rpm、195℃、充填量63gで混練し、ゲル化時間(秒)を測定した。混練開始から、混練トルクピークになるまでの時間をゲル化時間とした。また、ゲル化後、更に混練及び加熱を続け、塩素化塩化ビニル樹脂の分解時間(分)を測定した。混練開始から、ゲル化後に安定した混練トルクが再び上昇し始めるまでの時間を分解時間とした。

0097

機械物性引張強度引張弾性率熱変形温度)>
得られた塩素化塩化ビニル樹脂組成物を2本の8インチロールに供給し、205℃で3分間混練して、厚さ1.0mmのシートを作製した。得られたシートを重ね合わせて、205℃のプレスで3分間予熱した後、4分間加圧して、厚さ3mmのプレス板を得た。得られたプレス板から、機械加工により試験片切り出した。この試験片を用いて、ASTMD638に準拠して引張強度及び引張弾性率を測定した。また、ASTM D648に準拠して負荷荷重186N/cm2で熱変形温度を測定した。尚、熱変形温度は、得られたプレス板を90℃のギヤオーブンで、24時間アニール処理した後測定した。

0098

<加熱減量率>
得られた塩素化塩化ビニル樹脂組成物の加熱減量率は、熱重量測定(TG)装置(セイコーインスツルメント社製、TG/DTA6200)を用いて測定した。測定条件は、5℃/分の昇温速度で30〜300℃まで測定した。
230℃における加熱減量率は、測定結果を元に、下記式に数値代入して求めた。
加熱減量率(質量%)=(測定前質量−230℃の質量)/(測定前質量)×100

0099

[成形体の評価]
外観観察
得られたパイプ状押出成形体の表面状態目視で観察し、気泡(発泡)の有無、すじ(押出方向に延びる縦線)の有無、及びヤケ(変色)の有無を評価した。同様に得られたソケット状射出成形体についても、気泡(発泡)の有無、シルバーストリークの有無、及びヤケ(変色)の有無を評価した。

0100

0101

0102

本発明によれば、鉛、スズ等の重金属を使用せずに、優れた熱安定性を有し、柔軟性、強度が高い成形体を製造することが可能な成形用樹脂組成物、及び、成形用樹脂組成物を用いた成形体を提供できる。

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