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技術 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法

出願人 日産自動車株式会社
発明者 星聖
出願日 2015年6月16日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-535847
公開日 2017年4月27日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 WO2016-013333
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード 水分上昇 冷却水温度差 凍結解除 制限閾値 解除値 氷点温度 流量補正値 冷却水入口孔
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図面 (18)

課題・解決手段

燃料電池システムは、燃料電池アノードガス及びカソードガスの一方のガスを供給するガス供給通路と、冷媒を燃料電池に供給する冷媒供給手段と、燃料電池で昇温される冷媒とガス供給通路に供給されるガスとで熱交換する熱交換器とを含む。燃料電池システムは、燃料電池から排出されるガスを燃料電池に循環させる部品と、燃料電池の暖機時に、燃料電池を暖機するための所定の流量に冷媒の流量を制御する暖機制御部とを含む。燃料電池システムは、暖機制御部によって冷媒の流量が制御されているときに、部品によって循環されるガスの温度又はその温度に関するパラメータに基づいて熱交換器に供給される冷媒の流量を上昇させるガス昇温制御部を含む。

概要

背景

JP2010−146751Aには、燃料電池昇温された冷却水を利用して、燃料電池に供給されるアノードガスを温める熱交換器を備える燃料電池システムが開示されている。

概要

燃料電池システムは、燃料電池にアノードガス及びカソードガスの一方のガスを供給するガス供給通路と、冷媒を燃料電池に供給する冷媒供給手段と、燃料電池で昇温される冷媒とガス供給通路に供給されるガスとで熱交換する熱交換器とを含む。燃料電池システムは、燃料電池から排出されるガスを燃料電池に循環させる部品と、燃料電池の暖機時に、燃料電池を暖機するための所定の流量に冷媒の流量を制御する暖機制御部とを含む。燃料電池システムは、暖機制御部によって冷媒の流量が制御されているときに、部品によって循環されるガスの温度又はその温度に関するパラメータに基づいて熱交換器に供給される冷媒の流量を上昇させるガス昇温制御部を含む。

目的

本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、燃料電池の早期暖機を図りつつ、燃料電池から排出されるガスを燃料電池に循環させる部品の凍結を防止する燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法を提供する

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請求項1

燃料電池アノードガス及びカソードガスを供給するとともに負荷に応じて燃料電池を発電させる燃料電池システムであって、前記燃料電池にアノードガス及びカソードガスのうち一方のガスを供給するガス供給通路と、前記燃料電池を冷却するための冷媒を前記燃料電池に供給する冷媒供給手段と、前記燃料電池で昇温される前記冷媒と前記ガス供給通路に供給されるガスとの間で熱を交換する熱交換器と、前記ガス供給通路に設けられ、前記燃料電池から排出される前記一方のガスを前記燃料電池に循環させる部品と、前記燃料電池の暖機時に、前記燃料電池を暖機するための所定の流量に前記冷媒の流量を制御する暖機制御部と、前記暖機制御部によって前記冷媒の流量が制御されているときに、前記部品によって循環されるガスの温度、又は、当該温度に関するパラメータに基づいて、前記熱交換器に供給される前記冷媒の流量を上昇させるガス昇温制御部と、を含む燃料電池システム。

請求項2

請求項1に記載の燃料電池システムであって、前記ガス昇温制御部は、前記燃料電池から前記部品へ循環される循環ガスの温度が氷点温度以上であり、かつ、前記部品から前記燃料電池に吐出される吐出ガスの温度が氷点温度以下である場合に、前記冷媒の流量を上昇させる、燃料電池システム。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムであって、前記ガス昇温制御部は、前記燃料電池から前記部品へ循環される循環ガスの温度が、当該循環ガス中の水蒸気量が増加する所定の閾値を超えた場合には、前記暖機制御部によって制御される流量よりも前記冷媒の流量を増加させる、燃料電池システム。

請求項4

請求項3に記載の燃料電池システムであって、前記ガス昇温制御部は、前記部品から前記燃料電池に吐出される吐出ガスの温度と前記循環ガスの温度との温度差が大きいほど、前記冷媒の流量を増加させる幅を大きくする、燃料電池システム。

請求項5

請求項3又は請求項4に記載の燃料電池システムであって、前記ガス昇温制御部は、前記燃料電池に供給されるガスの供給流量が多いほど、前記冷媒の流量を増加させる幅を大きくする、燃料電池システム。

請求項6

請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、前記ガス昇温制御部は、前記燃料電池の電解質膜が乾燥するほど、前記冷媒の流量を増加させる幅を小さくする、燃料電池システム。

請求項7

請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、前記ガス昇温制御部は、前記部品から前記燃料電池に吐出される吐出ガスの温度に基づいて、前記熱交換器に供給される前記冷媒の流量の上昇を制限する、燃料電池システム。

請求項8

請求項7に記載の燃料電池システムであって、前記熱交換器から前記部品に供給される供給ガスの温度と、前記燃料電池から前記部品へ循環される循環ガスの温度とに基づいて、前記吐出ガスの温度を演算する演算部をさらに含み、前記ガス昇温制御部は、前記冷媒の流量を増加させた後に、前記吐出ガスの温度が氷点温度に基づいて定められた制限閾値まで上昇したときには、前記熱交換器に供給される前記冷媒の流量を、前記暖機制御部によって制御される流量に切り替える、燃料電池システム。

請求項9

請求項1に記載の燃料電池システムであって、前記温度に関するパラメータは、前記冷媒の温度である、燃料電池システム。

請求項10

燃料電池にアノードガス及びカソードガスを供給するとともに負荷に応じて燃料電池を発電させる燃料電池システムであって、前記燃料電池にアノードガス及びカソードガスのうち一方のガスを供給するガス供給通路と、前記燃料電池を冷却するための冷媒を前記燃料電池に供給する冷媒供給手段と、前記燃料電池で昇温される前記冷媒と前記ガス供給通路に供給されるガスとの間で熱を交換する熱交換器と、前記ガス供給通路に設けられ、前記燃料電池から排出される前記一方のガスを前記燃料電池に循環させる部品と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池の暖機時に、前記燃料電池を暖機するための所定の流量に前記冷媒の流量を制御する暖機制御ステップと、前記暖機制御部によって前記冷媒の流量が制御されているときに、前記部品によって循環されるガスの温度、又は、当該温度に関するパラメータに基づいて、前記熱交換器に供給される前記冷媒の流量を上昇させるガス昇温制御ステップと、を含む燃料電池システムの制御方法。

技術分野

0001

この発明は、燃料電池から排出されるアノードガスを燃料電池に循環させる燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法に関する。

背景技術

0002

JP2010−146751Aには、燃料電池で昇温された冷却水を利用して、燃料電池に供給されるアノードガスを温める熱交換器を備える燃料電池システムが開示されている。

0003

上述のような燃料電池システムにおいては、下の温度環境起動されたときには、燃料電池の暖機を早期に完了させるため、燃料電池に循環させる冷却水の流量を低下させることが望ましい。

0004

しかしながら、冷却水の流量を低下させると、熱交換器において燃料電池で昇温された冷却水からアノードガスへの放熱量が減少するため、アノードガスの昇温速度が遅くなってしまう。

0005

零下起動時では、タンクから供給されるアノードガスの温度が氷点よりも低くなることがあり、タンクから供給されるアノードガスと、燃料電池から排出されるアノードオフガスとが合流したときに、アノードオフガス中水蒸気氷結して流路が形成される場合がある。

0006

このような状況で、上述のように冷却水の流量を低下させると、アノードガスの昇温速度が遅くなるので、流路に形成される氷が増加して流路が閉塞してしまうことが懸念される。

0007

本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、燃料電池の早期暖機を図りつつ、燃料電池から排出されるガスを燃料電池に循環させる部品凍結を防止する燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法を提供することを目的とする。

0008

本発明のある態様によれば、燃料電池にアノードガス及びカソードガスを供給するとともに負荷に応じて燃料電池を発電させる燃料電池システムは、前記燃料電池にアノードガス及びカソードガスのうち一方のガスを供給するガス供給通路と、前記燃料電池を冷却するための冷媒を前記燃料電池に供給する冷媒供給手段とを含む。また燃料電池システムは、前記燃料電池で昇温される前記冷媒と前記ガス供給通路に供給されるガスとの間で熱を交換する熱交換器と、前記ガス供給通路に設けられ、前記燃料電池から排出される前記一方のガスを前記燃料電池に循環させる部品とを含む。さらに燃料電池システムは、前記燃料電池の暖機時に、前記燃料電池を暖機するための所定の流量に前記冷媒の流量を制御する暖機制御部を含む。そして燃料電池システムは、前記暖機制御部で前記冷媒の流量が制御されているときに、前記部品によって循環されるガスの温度、又は、当該温度に関するパラメータに基づいて前記熱交換器に供給される前記冷媒の流量を上昇させるガス昇温制御部を含む。

図面の簡単な説明

0009

図1は、本発明の第1実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。
図2は、燃料電池システムを制御するコントローラ基本構成を示すブロック図である。
図3は、本実施形態における燃料電池システムの制御方法の一例を示すフローチャートである。
図4は、コントローラにおいてジェットポンプから吐出されるアノードガスの温度を演算する機能構成を示すブロック図である。
図5は、本発明の第2実施形態における冷却水流量制御部の構成を示すブロック図である。
図6は、ガス流路の凍結を防止するために定められた凍結防止制御マップを示す図である。
図7は、凍結防止制御マップにより求められる冷却水流量を補正する補正マップを示す図である。
図8は、燃料電池システムの起動処理中燃料電池スタックの温度が高くなり過ぎるのを防止する過昇温防止マップを示す図である。
図9は、本実施形態における冷却水流量の制御手法を示すタイムチャートである。
図10は、ジェットポンプに供給される供給ガス循環ガスの温度差が小さくなるときの冷却水流量の制御手法を示すタイムチャートである。
図11は、本発明の第3実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。
図12は、本実施形態における冷却水流量制御部の構成を示す図である。
図13は、冷却水ポンプ回転速度指令マップを示す図である。
図14は、バイパス冷却水ポンプの回転速度指令マップを示す図である。
図15は、本発明の第4実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。
図16は、本実施形態における冷却水流量制御部の構成を示す図である。
図17は、バイパス弁開度指令マップを示す図である。

実施例

0010

以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。

0011

(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態における燃料電池システムの構成例を示す図である。

0012

燃料電池システム100は、燃料電池に対して外部から発電に必要となる燃料ガスを供給し、電気負荷に応じて燃料電池を発電させる電源ステムを構成する。燃料電池システム100は、コントローラ110によって制御される。

0013

燃料電池システム100は、燃料電池スタック1と、バッテリ2と、DC/DCコンバータ3と、電気負荷4と、カソードガス給排装置10と、アノードガス給排装置20と、スタック冷却装置30と、スタック抵抗測定装置45とを含む。カソードガス給排装置10、アノードガス給排装置20、及びスタック冷却装置30の各々は、燃料電池スタック1を発電させるための補機である。

0014

バッテリ2は、燃料電池スタック1を補助する電源である。バッテリ2は、例えば数百Vの電圧を出力する。

0015

DC/DCコンバータ3は、燃料電池スタック1の電圧とバッテリ2の電圧とを互いに調整する双方向性電圧変換器である。DC/DCコンバータ3は、燃料電池スタック1とバッテリ2との間に接続される。

0016

DC/DCコンバータ3は、コントローラ110によって制御され、バッテリ2から出力される電力を用いて燃料電池スタック1の電圧を調整する。例えば、DC/DCコンバータ3は、電気負荷4から要求される要求電力が大きくなるほど、燃料電池スタック1から取り出される出力電流が大きくなるように、燃料電池スタック1の電圧を低くする。

0017

電気負荷4は、燃料電池スタック1及びバッテリ2から供給される電力により駆動する。電気負荷4としては、例えば、車両を駆動する電動モータや、燃料電池スタック1の補機の一部などが挙げられる。

0018

本実施形態では、電気負荷4は、燃料電池スタック1とDC/DCコンバータ3との間を接続する電源線に接続されている。なお、電動モータが燃料電池スタック1とDC/DCコンバータ3と間の電源線に接続され、補機の一部がバッテリ2とDC/DCコンバータ3との間の電源線に接続される構成であってもよい。

0019

燃料電池スタック1は、数百枚の電池セルを積層したものであり、例えば数百V(ボルト)の直流電圧を発生させる。

0020

燃料電池は、アノード電極燃料極)と、カソード電極酸化剤極)と、アノード電極及びカソード電極で挟まれる電解質膜とにより構成される。燃料電池では、アノード電極に水素を含有するアノードガス(燃料ガス)と、カソード電極に酸素を含有するカソードガス(酸化剤ガス)とが電解質膜で電気化学反応発電反応)を起こす。具体的には、アノード電極及びカソード電極では、以下の電気化学反応が進行する。

0021

アノード電極: 2H2 → 4H+ + 4e- ・・・(1)
カソード電極: 4H+ +4e- + O2 → 2H2O・・・(2)

0022

上記(1)及び(2)に示した電気化学反応によって、起電力が発生すると共に水が生成される。燃料電池スタック1に積層された燃料電池の各々は直列に接続されるため、各燃料電池に生じるセル電圧の総和が燃料電池スタック1の出力電圧となる。

0023

燃料電池スタック1は、カソードガス給排装置10からカソードガスが供給されると共に、アノードガス給排装置20からアノードガスが供給される。

0024

カソードガス給排装置10は、燃料電池スタック1にカソードガスを供給すると共に、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガス大気に排出する装置である。カソードオフガスには、燃料電池スタック1で消費されなかった余剰のカソードガスや、発電に伴う生成水などの不純物が含まれている。

0025

カソードガス給排装置10は、カソードガス供給通路11と、コンプレッサ12と、カソードガス排出通路13と、カソード調圧弁14と、バイパス通路15と、バイパス弁16とを含む。

0026

カソードガス供給通路11は、燃料電池スタック1にカソードガスを供給するための通路である。カソードガス供給通路11の一端は、酸素が含まれた空気を外気から取り込むための通路と連通し、他端は、燃料電池スタック1のカソードガス入口孔に接続される。

0027

コンプレッサ12は、カソードガス供給通路11に設けられる。コンプレッサ12は、外気からカソードガス供給通路11に空気を取り込み、その空気をカソードガスとして燃料電池スタック1に供給する。コンプレッサ12は、コントローラ110により制御される。

0028

カソードガス排出通路13は、燃料電池スタック1からカソードオフガスを排出するための通路である。カソードガス排出通路13の一端は、燃料電池スタック1のカソードガス出口孔に接続され、他端は開口している。

0029

カソード調圧弁14は、カソードガス排出通路13に設けられる。カソード調圧弁14として本実施形態では、弁の開度を段階的に変更可能な電磁弁が用いられる。カソード調圧弁14は、コントローラ110によって開閉制御される。この開閉制御によって燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの圧力が所望の圧力に調節される。

0030

バイパス通路15は、コンプレッサ12から吐出されるカソードガスの一部を燃料電池スタック1に供給せずに、カソードガス排出通路13に直接排出するための通路である。

0031

バイパス通路15の一端は、コンプレッサ12と燃料電池スタック1との間のカソードガス供給通路11に接続され、他端は、カソード調圧弁14よりも上流のカソードガス排出通路13に接続される。すなわち、バイパス通路15は、コンプレッサ12よりも下流のカソードガス供給通路11から分岐して、カソード調圧弁14よりも上流のカソードガス排出通路13に合流する。

0032

バイパス弁16は、バイパス通路15に設けられる。バイパス弁16として本実施形態では、弁の開度を段階的に変更可能な電磁弁が用いられる。バイパス弁16は、コントローラ110によって制御される。

0033

例えば、燃料電池スタック1から排出される水素を希釈するのに必要となるカソードガスの流量(以下、「水素希釈要求流量」という。)が、燃料電池スタック1に必要となるカソードガスの流量よりも大きくなる場合に、バイパス弁16が開かれる。

0034

または、コンプレッサ12で生じるサージを回避するのに必要となるカソードガスの流量(以下、「サージ回避要求流量」という。)が、燃料電池スタック1に必要となるカソードガスの流量よりも大きくなる場合に、バイパス弁16が開かれる。

0035

なお、燃料電池スタック1に必要となるカソードガスの流量が、水素希釈要求流量やサージ回避要求流量などよりも大きい場合には、バイパス弁16は閉じられる。

0036

アノードガス給排装置20は、燃料電池スタック1にアノードガスを供給すると共に、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスを燃料電池スタック1に循環させつつ、アノードオフガス中の不純物を除去する装置である。不純物とは、カソード極から電解質膜を介してアノード極に透過してきた空気中の窒素や、発電に伴う生成水などのことである。

0037

アノードガス給排装置20は、高圧タンク21と、アノードガス供給通路22と、熱交換器23と、アノード調圧弁24と、ジェットポンプ25と、アノードガス循環通路26と、気液分離装置27と、パージ通路28と、パージ弁29とを含む。

0038

高圧タンク21は、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスを高圧状態に保って貯蔵する。

0039

アノードガス供給通路22は、高圧タンク21に貯蔵されたアノードガスを燃料電池スタック1に供給するための通路である。アノードガス供給通路22の一端は、高圧タンク21に接続され、他端は、燃料電池スタック1のアノードガス入口孔に接続される。

0040

熱交換器23は、アノード調圧弁24よりも上流のアノードガス供給通路22に設けられる。熱交換器23は、燃料電池スタック1で昇温される冷却水と、高圧タンク21から供給されるアノードガスとの間で熱を交換する。冷却水は、燃料電池スタック1を冷却するための冷媒である。

0041

燃料電池システム100の低温起動時には、熱交換器23は、燃料電池スタック1で温められた冷却水によって、アノードガス供給通路22に供給されるアノードガスを加熱する機能を有する。

0042

アノード調圧弁24は、熱交換器23とジェットポンプ25との間のアノードガス供給通路22に設けられる。アノード調圧弁24として本実施形態では、弁の開度を段階的に変更可能な電磁弁が用いられる。アノード調圧弁24は、コントローラ110によって開閉制御される。この開閉制御によって、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの圧力が調節される。

0043

アノード調圧弁24とジェットポンプ25との間のアノードガス供給通路22には、高圧タンク21から供給されるアノードガスの温度(以下、「供給ガス温度」という。)を検出する温度センサ41が設けられている。温度センサ41は、検出した温度を示す検出信号をコントローラ110に供給する。

0044

なお、本実施形態では温度センサ41は、アノード調圧弁24とジェットポンプ25との間のアノードガス供給通路22に設けられているが、熱交換器23とアノード調圧弁24との間のアノードガス供給通路22に設けられてもよい。

0045

ジェットポンプ25は、アノード調圧弁24と燃料電池スタック1との間のアノードガス供給通路22に設けられる。ジェットポンプ25は、アノードガス供給通路22にアノードガス循環通路26を合流させるポンプ又はエゼクタである。ジェットポンプ25を用いることにより、簡易な構成で、アノードオフガスを燃料電池スタック1に循環させるこができる。

0046

ジェットポンプ25は、アノード調圧弁24により供給されるアノードガスの流速を速めることにより、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスを吸引してそのアノードオフガスを燃料電池スタック1に循環させる。

0047

ジェットポンプ25は、例えば、ノズルディフューザとにより構成される。ノズルは、アノードガスの流速を加速してディフューザに噴射するものである。ノズルは、円筒状に形成され、開口はノズルの先端部に近づくにつれて狭くなる。これにより、アノードガスの流速が先端部で速くなってディフューザへ噴射される。

0048

ディフューザは、ノズルから噴射されたアノードガスの流速によりアノードオフガスを吸引するものである。ディフューザは、ノズルから噴射されたアノードガスと、吸引したアノードオフガスとを合流させ、合流後のガスを燃料電池スタック1へ吐出する。

0049

ディフューザは、ノズルと同軸上に合流通路が形成される。合流通路の開口は、吐出口に近づくにつれて広く形成されている。ディフューザには、吸引口からノズルの先端部分まで延びる円筒状の吸引室が形成され、吸引室と合流通路とが連通している。

0050

ジェットポンプ25と燃料電池スタック1との間のアノードガス供給通路22には、圧力センサ42が設けられている。圧力センサ42は、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの圧力(以下、「スタック入口ガス圧力」という。)を検出する。圧力センサ42は、検出した圧力を示す検出信号をコントローラ110に出力する。

0051

アノードガス循環通路26は、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスをアノードガス供給通路22に循環させる通路である。アノードガス循環通路26の一端は、燃料電池スタック1のアノードガス出口孔に接続され、他端は、ジェットポンプ25の循環口に合流する。

0052

気液分離装置27は、アノードガス循環通路26に設けられる。気液分離装置27は、アノードオフガス中の生成水や窒素ガスなどの不純物を余剰のアノードガスから分離する。気液分離装置27は、アノードオフガスに含まれる水蒸気を凝縮して液水にする。

0053

気液分離装置27で不純物が除去されたアノードガスは、アノードガス循環通路26を通り、ジェットポンプ25を介して再びアノードガス供給通路22に供給される。また、気液分離装置27の下部には、不純物をパージ通路28に排出する排出孔が形成されている。

0054

パージ通路28は、気液分離装置27によって分離された不純物を排出するための通路である。パージ通路28の一端は、気液分離装置27の排出孔に接続され、他端は、カソード調圧弁14よりも下流のカソードガス排出通路13に接続される。

0055

パージ弁29は、パージ通路28に設けられる。パージ弁29は、コントローラ110によって開閉制御される。この開閉制御によって、窒素ガスや液水の不純物などがカソードガス排出通路13へ排出される。

0056

スタック冷却装置30は、冷媒である冷却水を用いて燃料電池スタック1を発電に適した温度に調整する装置である。スタック冷却装置30は、冷却水循環通路31と、冷却水ポンプ32と、ラジエータ33と、バイパス通路34と、ヒータ35と、サーモスタット36と、分岐通路37と、スタック入口水温センサ43と、スタック出口水温センサ44とを含む。

0057

冷却水循環通路31は、燃料電池スタック1に冷却水を循環させる通路である。冷却水循環通路31の一端は、燃料電池スタック1の冷却水入口孔に接続され、他端は、燃料電池スタック1の冷却水出口孔に接続される。

0058

冷却水ポンプ32は、冷却水循環通路31に設けられる。冷却水ポンプ32は、冷却水を燃料電池スタック1に供給する冷媒供給手段を構成する。冷却水ポンプ32は、コントローラ110によって制御される。なお、冷却水を燃料電池スタック1に供給する冷媒供給手段としては、冷却水ポンプに限らず、コンプレッサが用いられてもよい。

0059

ラジエータ33は、冷却水ポンプ32の冷却水吸入口側の冷却水循環通路31に設けられる。ラジエータ33は、燃料電池スタック1により加熱された冷却水を冷却する。

0060

バイパス通路34は、ラジエータ33をバイパスする通路である。バイパス通路34の一端は、燃料電池スタック1の冷却水出口側の冷却水循環通路31に接続され、他端は、サーモスタット36に接続される。

0061

ヒータ35は、バイパス通路34に設けられる。ヒータ35は、燃料電池スタック1を暖機するときに通電されて冷却水を加熱する。本実施形態では、ヒータ35は、DC/DCコンバータ3によって燃料電池スタック1から電力が供給されて発熱する。

0062

サーモスタット36は、バイパス通路34が冷却水循環通路31に対して合流する部分に設けられる。サーモスタット36は三方弁である。サーモスタット36は、サーモスタット36の内部を流れる冷却水の温度によって自動的に開閉する。

0063

例えば、サーモスタット36は、冷却水の温度が所定の開弁温度よりも低いときには閉じた状態となり、バイパス通路34を経由してきた冷却水のみを燃料電池スタック1に供給する。これにより、燃料電池スタック1には、ラジエータ33を経由してくる冷却水よりも高温の冷却水が流れる。

0064

一方、サーモスタット36は、冷却水の温度が開弁温度以上になると、徐々に開き始める。そしてサーモスタット36は、バイパス通路34を経由してきた冷却水と、ラジエータ33を経由してきた冷却水と、を混合して燃料電池スタック1に供給する。これにより、燃料電池スタック1には、バイパス通路34を経由してくる冷却水よりも低温の冷却水が流れる。

0065

分岐通路37は、冷却水ポンプ32と燃料電池スタック1の冷却水入口孔との間の冷却水循環通路31から分岐し、熱交換器23を通過してバイパス通路34よりも上流の冷却水循環通路31に合流する。

0066

スタック入口水温センサ43は、燃料電池スタック1の冷却水入口孔の近傍にある冷却水循環通路31に設けられる。スタック入口水温センサ43は、燃料電池スタック1に流入する冷却水の温度(以下「スタック入口水温」という。)を検出する。スタック入口水温センサ43は、検出した温度を示す検出信号をコントローラ110に出力する。

0067

スタック出口水温センサ44は、燃料電池スタック1の冷却水出口孔の近傍にある冷却水循環通路31に設けられる。スタック出口水温センサ44は、燃料電池スタック1から排出された冷却水の温度(以下「スタック出口水温」という。)を検出する。スタック出口水温センサ44は、検出した温度を示す検出信号をコントローラ110に出力する。

0068

スタック抵抗測定装置45は、燃料電池スタック1に積層された燃料電池を構成する電解質膜の湿潤度推定するために、燃料電池スタック1の内部抵抗(HFR:High Frequency Resistance)を測定する。電解質膜の湿潤度が小さいほど、すなわち電解質膜中の水分が少なく乾き気味であるほど、内部抵抗は大きくなる。一方、電解質膜の湿潤度が大きいほど、すなわち電解質膜中の水分が多く濡れ気味であるほど、内部抵抗は小さくなる。

0069

例えば、スタック抵抗測定装置45は、燃料電池スタック1の正極端子交流電流を供給し、交流電流によって正極端子と負極端子との間の交流電圧を検出する。そしてスタック抵抗測定装置45は、交流電圧の振幅を交流電流の振幅で除算することにより、内部抵抗を算出し、その内部抵抗の値、すなわちHFRをコントローラ110に出力する。

0070

コントローラ110は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピューターで構成される。

0071

コントローラ110には、温度センサ41、圧力センサ42、スタック入口水温センサ43、スタック出口水温センサ44、及びスタック抵抗測定装置45から出力される検出値が入力される。

0072

コントローラ110は、入力された値、電気負荷4から要求される要求電力、及び、補機に対する指令値に基づいて、コンプレッサ12、カソード調圧弁14、バイパス弁16、アノード調圧弁24、及びパージ弁29を制御する。これにより、燃料電池スタック1にカソードガス及びアノードガスが供給され、燃料電池スタック1の発電状態が良好に維持される。

0073

コントローラ110は、燃料電池システム100が起動されたときには、燃料電池スタック1を発電に適した温度まで暖機する制御(以下、「暖機運転」という)を実行する。

0074

暖機運転においては、コントローラ110は、燃料電池スタック1を補機に電気的に接続し、補機の駆動に必要となる電力を燃料電池スタック1で発電させる。発電によって燃料電池スタック1は発熱するため、燃料電池スタック1自体が温められる。燃料電池スタック1で発電した電力は、コンプレッサ12や、冷却水ポンプ32、ヒータ35などの補機に供給される。

0075

このような燃料電池システムにおいて、零下の温度環境で起動され暖機運転を開始したときには、燃料電池スタック1を流れる冷却水の温度と、発熱している燃料電池スタック1の温度との温度差は大きくなる。この状態で、冷却水ポンプ32の回転速度を高くして燃料電池スタック1に供給される冷却水の流量を大きくすると、燃料電池スタック1から冷却水へ放熱される熱量が多くなり、燃料電池スタック1の温度が上昇しにくくなってしまう。このため、暖機運転を開始したときには、冷却水ポンプ32の回転速度を低く抑えることが望ましい。

0076

一方、冷却水ポンプ32の回転速度を低く抑えると、冷却水の昇温速度が遅くなるため、熱交換器23によって冷却水からアノードガスに放散される熱量が少なくなり、熱交換器23から供給されるアノードガスの昇温速度が遅くなってしまう。

0077

零下起動時では、高圧タンク21からジェットポンプ25に供給されるアノードガスの温度はマイナス30℃になることも想定される。このような状況で、ジェットポンプ25によってアノードオフガスが燃料電池スタック1に循環されると、アノードガスとアノードオフガスとが合流する部分では、アノードオフガス中の水蒸気が液水となり、この液水が氷結して氷が生成される。

0078

このため、ジェットポンプ25に供給されるアノードガスの昇温が遅くなると、ジェットポンプ25内に形成される氷が増加してジェットポンプ25内の流路が閉塞し、アノードガスを燃料電池スタック1に供給できなくなる恐れがある。

0079

そこで本実施形態では、燃料電池システム100が零下で起動されたときには、コントローラ110は、ジェットポンプ25の凍結を予測して、熱交換器23に供給される冷却水の流量を制御する。

0080

図2は、本発明の実施形態におけるコントローラ110の基本構成を示すブロック図である。

0081

コントローラ110は、燃料電池スタック1に循環させる冷却水の流量(以下、「冷却水流量」という。)を制御する冷却水流量制御部200を備える。

0082

冷却水流量制御部200は、通常制御部210と、スタック暖機制御部220と、ガス流路凍結防止制御部230と、切替部300と、冷却水流量指令部400とを含む。

0083

通常制御部210は、暖機運転が完了した後に行われる通常運転中に、燃料電池スタック1が発電に適した温度、例えば60℃に維持されるように、燃料電池スタック1の冷却水温度に基づいて冷却水流量を制御する。通常制御部210は、発電によって燃料電池スタック1の温度が高くなるほど、冷却水流量を大きくする。

0084

なお、通常制御部210は、燃料電池スタック1のHFRに基づいて、電解質膜を予め定められた湿潤状態に維持するために冷却水流量を制御するものであってもよい。例えば、通常制御部210は、HFRが大きくなるほど、冷却水流量を大きくする。これにより、燃料電池スタック1の温度が低くなり、カソードガスによって燃料電池スタック1から持ち出される水蒸気の流量が少なくなるので、電解質膜が湿った状態になり易くなる。この場合には、通常制御部210は、冷却水温度に基づく目標流量と、HFRに基づく目標流量とのうち大きい方の目標流量に基づいて冷却水流量を制御する。

0085

スタック暖機制御部220は、燃料電池スタック1の暖機時に、燃料電池スタック1に供給される冷却水の流量を予め定められた流量に制御する暖機制御部を構成する。

0086

スタック暖機制御部220は、例えば、燃料電池スタック1の温度(以下、「スタック温度」という。)が暖機完了温度、例えば60℃よりも低いときには、通常制御部210によって設定される流量に比べて冷却水流量を低くする。これにより、発熱している燃料電池スタック1の熱が冷却水に奪われ難くなるので、燃料電池スタック1の暖機が促進される。

0087

スタック温度としては、本実施形態では燃料電池スタック1の温度と相関のある冷却水の温度、例えば、スタック入口水温とスタック出口水温との平均値が用いられる。なお、燃料電池スタック1に対して温度センサを直接設け、その温度センサから出力される検出信号を用いてもよい。

0088

ガス流路凍結防止制御部230は、ジェットポンプ25の凍結を防止するために冷却水流量を制御する。ガス流路凍結防止制御部230は、スタック暖機制御部220によって冷却水流量が制御されているときに、熱交換器23に供給される冷却水流量を上昇させる。これにより、熱交換器23を通過するアノードガスの昇温速度が速くなるので、合流後のアノードガス温度を早期に氷点まで到達させることができる。

0089

すなわち、ガス流路凍結防止制御部230は、ジェットポンプ25から吐出されるアノードガスの温度を上昇させるガス昇温制御部を構成する。

0090

切替部300は、スタック温度に基づいて、燃料電池スタック1の暖機が必要であるか否かを判定する。そして切替部300は、暖機が必要であると判定した場合には、冷却水流量を制御する制御部を、通常制御部210からスタック暖機制御部220に切り替える。

0091

また、切替部300は、燃料電池スタック1からジェットポンプ25へ循環される合流前のアノードオフガスの温度(以下、「循環ガス温度」という。)に基づいて、ジェットポンプ25が凍結するか否かを予測する。

0092

循環ガス温度としては、例えば、循環ガス温度と相関のあるスタック入口水温が用いられる。なお、アノードガス循環通路26にアノードオフガスの温度を検出する温度センサを設け、その温度センサから出力される検出信号を用いてもよい。

0093

切替部300は、ジェットポンプ25が凍結すると予測した場合には、冷却水流量を制御する制御部を、スタック暖機制御部220からガス流路凍結防止制御部230に切り替える。

0094

さらに、切替部300は、ジェットポンプ25から燃料電池スタック1に吐出されるアノードガスの温度(以下、「吐出ガス温度」という。)に基づいて、ジェットポンプ25内に氷が生成される状態か否かを判定する。なお、吐出ガス温度は、循環ガスと供給ガスとが合流した後の合流後ガスの温度のことである。

0095

吐出ガス温度は、目標電流や、循環ガス温度、供給ガス温度などに基づいて算出される。吐出ガス温度の算出方法の詳細については図4を参照して後述する。なお、ジェットポンプ25と燃料電池スタック1との間のアノードガス供給通路22に温度センサを設け、その温度センサから出力される検出信号を用いてもよい。

0096

切替部300は、ジェットポンプ25内に氷が生成される状態と判定した場合には、冷却水流量を制御する制御部を、ガス流路凍結防止制御部230に切り替える。一方、ジェットポンプ25に氷が生成されない状態と判定した場合には、切替部300は、冷却水流量を制御する制御部を、スタック暖機制御部220に切り替える。

0097

冷却水流量指令部400は、通常制御部210、スタック暖機制御部220、又はガス流路凍結防止制御部230により設定される冷却水流量に基づいて、冷却水ポンプ32の回転速度を求め、その回転速度を指定する指令信号を冷却水ポンプ32に出力する。

0098

図3は、本実施形態における冷却水流量制御部200の制御方法の一例を示すフローチャートである。

0099

テップS101において冷却水流量制御部200は、スタック温度を検出する。具体的には、冷却水流量制御部200は、スタック入口水温センサ43の検出値とスタック出口水温センサ44の検出値とを平均した値をスタック温度として算出する。

0100

ステップS102において切替部300は、スタック温度が暖機判定閾値よりも低いか否かを判断する。暖機判定閾値は、燃料電池スタック1の発電に適した温度、例えば60℃に設定される。

0101

ステップS103において切替部300は、スタック温度が暖機判定閾値よりも低い場合には、スタック暖機フラグをONに設定する。

0102

ステップS104において切替部300は、スタック暖機フラグがONに設定された場合には、燃料電池スタック1に供給される冷却水流量を、予め定められた暖機要求流量に制御する。スタック温度が0℃よりも低いときに燃料電池システム100が起動されると、発熱した燃料電池スタック1と冷却水との温度差が大きくなるため、暖機要求流量は、通常運転時の冷却水流量よりも小さな値に設定される。

0103

ステップS105において切替部300は、循環ガス温度が水分上昇閾値Th_s以上であるかいなかを判断する。水分上昇閾値Th_sは、アノードオフガス中の水蒸気量が上昇する温度に基づいて設定され、例えば20℃に設定される。

0104

循環ガス温度が水分上昇閾値Th_sよりも高くなる場合には、切替部300は、ジェットポンプ25内に形成される氷が増加して流路を閉塞(凍結)すると予測する。

0105

ステップS106において切替部300は、循環ガス温度が水分上昇閾値Th_s以上である場合には、吐出ガス温度が凍結解除閾値Th_e以下であるか否かを判断する。凍結解除閾値Th_eは、ジェットポンプ25内で氷が生成される値、例えば0℃に設定される。

0106

ステップS107において切替部300は、循環ガス温度が水分上昇閾値Th_s以上であり、かつ、吐出ガス温度が凍結解除閾値Th_e以下である場合には、ジェットポンプ25が凍結する可能性があるため、ガス流路凍結防止フラグをONに設定する。

0107

ステップS108において切替部300は、ガス流路凍結防止フラグがONに設定された場合には、冷却水ポンプ32から熱交換器23に供給される冷却水流量を、ガス昇温要求流量に切り替える。

0108

ガス昇温要求流量は、ジェットポンプ25に生成される氷を除去するために定められた流量であり、暖機要求流量よりも大きな値に設定される。冷却水流量がガス昇温要求流量に設定されることにより、熱交換器23に供給される冷却水流量が増加し、熱交換器23においてジェットポンプ25に供給されるアノードガスが加熱されるので、吐出ガス温度の昇温を速めることができる。

0109

続いて切替部300は、ステップS106に戻り、吐出ガス温度が凍結解除閾値Th_eに達するまでは冷却水の流量を暖機要求流量よりも高くする。そして吐出ガス温度が凍結解除閾値Th_eを超えたときには、ステップS102に戻り、切替部300は、スタック温度が暖機判定閾値を超えていない場合には冷却水の流量を暖機要求流量に戻す。

0110

ステップS109において切替部300は、ステップ102でスタック温度が暖機判定閾値以上であると判断された場合には、スタック暖機フラグをOFFに設定する。

0111

ステップS110において切替部300は、スタック暖機フラグをOFFに設定すると共に、ガス流路凍結防止フラグをOFFに設定する。

0112

ステップS111において切替部300は、燃料電池スタック1を暖機した後に、電気負荷4に基づいて冷却水流量を制御する通常制御に切り替える。

0113

図4は、コントローラ110において吐出ガス温度を演算する吐出ガス温度演算部120の構成例を示す図である。

0114

吐出ガス温度演算部120は、供給ガス流量演算部121と、循環ガス流量演算部122と、循環ガス体積比演算部123と、合流前供給ガスエンタルピ演算部124と、循環ガスエンタルピ演算部125と、合流後ガス温度演算部126とを含む。

0115

供給ガス流量演算部121は、燃料電池スタック1の目標電流に基づいて、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの流量(以下、「供給ガス流量」という。)を演算する。例えば、供給ガス流量演算部121は、目標電流を受け付けると、予め定められたマップから供給ガス流量を算出する。

0116

燃料電池スタック1の目標電流は、電動モータや補機などの電気負荷4から要求される電力に基づいて算出される。例えば、アクセルペダル踏み込み量が大きくなるほど、電動モータから要求される電力が大きくなるため、目標電流は大きくなる。

0117

循環ガス流量演算部122は、燃料電池スタック1の目標電流とパージ流量とに基づいて、予め定められたマップを参照し、循環ガス流量を演算する。パージ流量は、パージ弁29の開度などに基づいて算出される。

0118

循環ガス体積比演算部123は、循環ガス中の水素ガス、窒素ガス、及び水蒸気の体積比を演算する。

0119

具体的には、循環ガス体積比演算部123は、スタック入口ガス圧力から燃料電池スタック1の圧力損失を減算してスタック出口ガス圧力を算出し、循環ガス温度によって求められる飽和水蒸気圧からスタック出口ガス圧力を減算することにより、水蒸気体積比を演算する。循環ガス温度としては、本実施形態では循環ガス温度と相関のあるスタック温度が用いられる。

0120

また循環ガス体積比演算部123は、目標電流に基づいて、予め定められマップから循環ガス中の水素ガス体積比を演算する。そして循環ガス体積比演算部123は、循環ガス中の水素ガス及び水蒸気の体積比から窒素ガスの体積比を算出する。

0121

合流前供給ガスエンタルピ演算部124は、合流前供給ガス流量と供給ガス温度とに基づいて、所定の数式などから合流前供給ガスのエンタルピを演算する。合流前水素流量は、供給ガス流量から循環ガス中の水素ガス流量を減算した値である。供給ガス温度は、ジェットポンプ25に供給されるアノードガスの温度であり、温度センサ41から出力される検出信号に基づいて算出される。

0122

循環ガスエンタルピ演算部125は、循環ガス中の水素ガス、窒素ガス及び水蒸気ガスの各々の流量と循環ガス温度とに基づいて、所定の数式などから循環ガスのエンタルピを演算する。

0123

合流後ガス温度演算部126は、ジェットポンプ25において合流前供給ガスと合流前の循環ガスとが合流した合流後ガスの温度を演算する。

0124

具体的には、合流後ガス温度演算部126は、合流前供給ガス及び循環ガスの各エンタルピを加算して合流前のガスについての総エンタルピを算出する。合流後ガス温度演算部126は、循環ガスの体積比に基づいて、合流前供給ガス流量に水素ガスの比熱乗算した熱容量と、循環ガス中の窒素ガス流量に窒素ガスの比熱を乗算した熱容量と、循環ガス中の水蒸気流量水蒸気比熱を乗算した熱容量とを積算する。合流後ガス温度演算部126は、その積算した熱容量により合流前の総エンタルピを除算して合流後のガス温度を算出する。

0125

本発明の第1実施形態によれば、燃料電池システム100は、冷却水(冷媒)を燃料電池スタック1に供給する冷却水ポンプ32と、燃料電池スタック1で昇温される冷却水とアノードガス供給通路22を流れるアノードガスとの間で熱を交換する熱交換器23とを含む。また燃料電池システム100は、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスを燃料電池スタック1に循環させる部品としてジェットポンプ25を含む。

0126

このような燃料電池システムにおいて、スタック暖機制御部220は、燃料電池スタック1を暖機するとき、本実施形態ではスタック温度が暖機判定閾値よりも低いときには、燃料電池スタック1に供給される冷却水の流量を、予め定められた暖機要求流量に制御する。暖機要求流量は、通常制御部210により設定される流量よりも小さな値に設定される。

0127

そして、ガス流路凍結防止制御部230は、スタック暖機制御部220で冷却水流量が制御されているときに、アノードオフガスの温度と相関のある燃料電池スタック1の冷却水温度に基づいて、熱交換器23に供給される冷却水の流量を暖機要求流量から上昇させる。

0128

これにより、燃料電池スタック1の暖機中に、熱交換器23で加熱されるアノードガスの昇温速度が速くなるので、熱交換器23から供給されるアノードガスと、アノードオフガスとが合流したときに生成される氷の量を減らすことができる。

0129

このため、燃料電池スタック1の暖機中に生成される氷によってガス流路が閉塞するのを回避することができる。したがって、燃料電池スタック1の早期暖機を図りつつ、燃料電池スタック1から排出されるガスを循環させる部品の凍結を防止することができる。

0130

なお、本実施形態では燃料電池スタック1の冷却水温度に基づいて、熱交換器23に供給される冷却水の流量を暖機要求流量から上昇させる例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、アノードガス循環通路26に温度センサを設け、この温度センサから出力される検出信号に基づいて熱交換器23に供給される冷却水の流量を暖機要求流量から上昇させるようにしてもよい。

0131

本実施形態では、切替部300は、アノードオフガスの温度(循環ガス温度)が、水分上昇閾値Th_sを超えた場合に、冷却水流量を制御する制御部を、スタック暖機制御部220からガス流路凍結防止制御部230に切り替える。そしてガス流路凍結防止制御部230が、熱交換器23に供給される冷却水の流量を暖機要求流量よりも増加させる。水分上昇閾値Th_sは、アノードオフガス中の水蒸気量が大きく上昇する温度、つまり0℃以上の温度に設定される。

0132

このように、アノードオフガス中の水蒸気量が上昇するまでは冷却水流量を増加させないので、燃料電池スタック1の暖機を促進しつつ、冷却水ポンプ32の消費電力の増大を回避することができる。

0133

なお、本実施形態では、アノードガスを循環させる部品として、ジェットポンプ25を使用する例について説明したが、コンプレッサやポンプなどが使用されてもよい。また、本実施形態の燃料電池システム100は、アノードオフガスを燃料電池スタック1に循環させるものであったが、カソードオフガスを燃料電池スタック1に循環させるものであっても本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。

0134

以上のように、アノードオフガス及びカソードオフガスのうち少なくとも一方の排出ガスを燃料電池スタック1に循環させる燃料電池システムにおいて、暖機中に排出ガスの温度に基づいて冷却水流量を上昇させることにより、ガス流路の凍結を防止できる。

0135

(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態における冷却水流量制御部200の詳細構成を示すブロック図である。

0136

本実施形態の燃料電池システムは、図1に示した燃料電池システム100と基本的に同じ構成である。以下では、燃料電池システム100と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。

0137

冷却水流量制御部200は、通常制御流量演算部211と、暖機要求流量演算部221と、減算器231と、ガス昇温要求流量演算部232と、流量補正値演算部233と、乗算器234と、冷却水温度差算出部241と、スタック過昇温防止流量演算部242とを含む。また冷却水流量制御部200は、切替器310と、切替器320と、解除値保持部321と、要求流量設定部330と、冷却水目標流量設定部340とを含む。

0138

通常制御流量演算部211は、燃料電池スタック1の暖機が完了した後に、燃料電池スタック1の温度を適切に維持するための冷却水流量(以下、「通常制御流量」という。)を演算する。通常制御流量演算部211は、燃料電池スタック1の目標電流が大きくなるほど、通常運転流量を大きくする。なお、通常制御流量演算部211は、電気負荷4に基づいて冷却水流量を制御する通常制御部210を構成する。

0139

本実施形態では、燃料電池スタック1の目標電流と通常運転流量との関係を示す通常運転マップが通常制御流量演算部211に予め記憶されており、通常制御流量演算部211は、目標電流を取得すると、通常運転マップを参照し、その目標電流に対応付けられた通常運転流量を算出する。

0140

暖機要求流量演算部221は、燃料電池スタック1を暖機するための冷却水流量(以下、「暖機要求流量」という。)を演算する。暖機要求流量は、通常制御流量よりも小さな値に設定される。また、暖機要求流量演算部221は、燃料電池スタック1の温度が低くなるほど、暖機要求流量を小さくする。

0141

これにより、燃料電池スタック1の温度が低いほど、発電によって発熱している燃料電池スタック1から冷却水に放熱される熱量が抑えられるため、燃料電池スタック1の暖機を促進することができる。なお、暖機要求流量演算部221は、燃料電池スタック1を暖機するときに、通常制御流量よりも冷却水流量を小さくするスタック暖機制御部220を構成する。

0142

本実施形態では、暖機要求流量演算部221には、燃料電池スタック1の温度と相関のある冷却水温度と、暖機要求流量との関係を示す暖機運転マップが予め記憶され、暖機要求流量演算部221は、冷却水温度を取得すると、暖機運転マップを参照し、その冷却水温度に対応付けられた暖機要求流量を算出する。

0143

切替器310は、スタック暖機フラグの設定状態に応じて、要求流量設定部330に出力される値を、通常制御流量又は暖機要求流量に切り替える。

0144

切替器310は、図3に示したステップS103においてスタック暖機フラグがONに設定された場合には、暖機要求流量を要求流量設定部330に出力する。一方、切替器310は、スタック暖機フラグがOFFに設定された場合には、通常制御流量を要求流量設定部330に出力する。

0145

減算器231は、スタック入口水温から供給ガス温度を減算することにより、温度差ΔTを算出する。供給ガス温度は、零下起動時において吐出ガス温度と相関のあるパラメータであり、図1に示した温度センサ41により検出される。なお、供給ガス温度の代わりに、図4で示した吐出ガス温度演算部120で演算された吐出ガス温度を用いてもよい。

0146

スタック入口水温は、アノードオフガスの温度(循環ガス温度)と相関のあるパラメータであり、図1に示したスタック入口水温センサ43により検出される。

0147

アノードオフガスの温度の代わりにスタック入口水温センサ43の検出値を用いることにより、アノードガス循環通路26に新たに温度センサを設ける必要がなく、その温度センサの凍結防止対策を施す必要もなくなるので、製造コストの増加を抑制できる。

0148

なお、本実施形態では、燃料電池スタック1は、アノードガス出口孔と冷却水入口孔とを隣接して形成したもの、いわゆるカウンタフロー型の燃料電池スタックを前提としている。これに対して、アノードガス出口孔と冷却水出口孔とを隣接して形成した燃料電池スタックを使用する場合は、スタック入口水温に代えてスタック出口水温を用いることが望ましい。また、アノードガス循環通路26に温度センサを設け、その温度センサから出力される検出信号を用いてもよい。

0149

ガス昇温要求流量演算部232は、熱交換器23により温められるアノードガスの温度を暖機運転時よりも迅速に上昇させるための冷却水流量(以下、「ガス昇温要求流量」という。)を演算する。ガス昇温要求流量は、暖機要求流量よりも大きな値に設定される。

0150

ガス昇温要求流量演算部232は、スタック入口水温と供給ガス温度との温度差ΔTが大きくなるほど、冷却水流量を増やすことでアノードガスを昇温させる効果が大きくなるので、ガス昇温要求流量を大きくする。

0151

また、ガス昇温要求流量演算部232は、燃料電池システム100が起動した時点の冷却水温度が低いほど、吐出ガス温度を氷点まで上昇させるのに要する時間が長くなってしまうため、ガス昇温要求流量を高くする。ガス昇温要求流量を高くすることにより、昇温時間が短くなるので、ジェットポンプ25内に生成される氷によって流路が閉塞するのを抑制することができる。

0152

なお、ガス昇温要求流量演算部232は、アノードオフガスの温度に基づいて、冷却水流量を暖機要求流量よりも上昇させるガス流路凍結防止制御部230を構成する。

0153

本実施形態では、ガス昇温要求流量演算部232には、温度差ΔTとガス昇温要求流量との関係を示す凍結防止制御マップが予め記憶されている。凍結防止制御マップについては図6を参照して後述する。

0154

ガス昇温要求流量演算部232は、起動時の冷却水温度と温度差ΔTを取得すると、凍結防止制御マップを参照し、起動時の冷却水温度における温度差Δに対応付けられたガス昇温要求流量を算出する。ガス昇温要求流量演算部232は、そのガス昇温要求流量を乗算器234に出力する。

0155

流量補正値演算部233は、ガス昇温要求流量を補正する補正値を演算する。流量補正値演算部233は、燃料電池スタック1の目標電流とHFRとに基づいて補正値を算出する。

0156

例えば、流量補正値演算部233は、目標電流が大きくなるほど、冷却水温度が高くなってアノードガスを昇温させる効果が大きくなるため、ガス昇温要求流量が大きくなるように補正値を大きくする。

0157

また、流量補正値演算部233は、HFRが小さくなるほど、アノードオフガスに含まれる水蒸気量が増えるため、ガス昇温要求流量が大きくなるように補正値を大きくする。

0158

本実施形態では、流量補正値演算部233には、HFRごとに、目標電流とガス昇温要求流量との関係を示す補正マップが予め記憶されている。補正マップについては図7を参照して後述する。

0159

流量補正値演算部233は、目標電流とHFRとを取得すると、そのHFRにより特定される補正マップを参照し、その目標電流に対応付けられた補正値を算出する。流量補正値演算部233は、その補正値を乗算器234に出力する。

0160

乗算器234は、補正値をガス昇温要求流量に乗算することにより、ガス昇温要求流量を補正する。乗算器234は、補正後のガス昇温要求流量を切替器320に出力する。

0161

解除値保持部321は、凍結防止制御を解除する値としてゼロを保持する。

0162

切替器320は、ガス流路凍結防止フラグの設定状態に応じて、要求流量設定部330に出力される値を、補正後のガス昇温要求流量又はゼロに切り替える。

0163

切替器320は、図3に示したステップS107においてガス流路凍結防止フラグがONに設定された場合には、ガス昇温要求流量を要求流量設定部330に出力する。一方、切替器320は、ガス流路凍結防止フラグがOFFに設定された場合には、凍結防止制御が解除されるようにゼロを要求流量設定部330に出力する。

0164

要求流量設定部330は、切替器310から出力される通常制御流量、又は暖機要求流量と、切替器320から出力されるガス昇温要求流量又はゼロとのうち大きい方の値を要求流量として設定し、その要求流量を冷却水目標流量設定部340に出力する。

0165

例えば、ガス流路凍結防止フラグがOFFに設定されている状態でスタック暖機フラグがONに設定された場合には、要求流量設定部330は、冷却水の要求流量として暖機要求流量を出力する。そして、スタック暖機フラグがONに設定された場合において、ガス流路凍結防止フラグがONに切り替えられたときには、要求流量設定部330は、暖機要求流量よりも大きいガス昇温要求流量を出力する。

0166

これにより、熱交換器23に供給される冷却水の流量が増加するので、熱交換器23を通過するアノードガスへの放熱量が増大し、ジェットポンプ25から吐出されるアノードガスの吐出ガス温度が氷点に達するまでの昇温時間を短縮することができる。このため、ジェットポンプ25内に形成される氷によって流路が閉塞するのを回避することができる。

0167

また、吐出ガス温度が凍結解除閾値Th_eを超えたときには、ガス流路凍結防止フラグがOFFに設定されるため、要求流量設定部330は、冷却水の要求流量を、ガス昇温要求流量から暖機要求流量に切り替える。

0168

これにより、ジェットポンプ25が凍結しない状態で冷却水流量を増やして冷却水ポンプ32の消費電力を無用に大きくするのを防ぐことができる。

0169

冷却水温度差算出部241は、スタック出口水温からスタック入口水温を減算して燃料電池スタック1の入口と出口の間の冷却水温度差を算出し、その冷却水温度差を、スタック過昇温防止流量演算部242に出力する。

0170

スタック過昇温防止流量演算部242は、燃料電池システム100を起動しているときに燃料電池スタック1の温度が高くなり過ぎないようにするための冷却水流量(以下、「過昇温防止流量」という。)を演算する。起動処理中の過昇温防止流量は、通常制御流量よりも小さな値に設定される。

0171

スタック過昇温防止流量演算部242は、燃料電池スタック1の目標電流が大きくなるほど、燃料電池スタック1の発電に伴う発熱量が大きくなるため、過昇温防止流量を大きくする。また、スタック過昇温防止流量演算部242は、冷却水温度差が大きいほど、燃料電池スタック1の出口側の温度が入口側の温度まで下がるように、過昇温防止流量を大きくする。

0172

本実施形態では、冷却水温度差ごとに、目標電流と過昇温防止流量との関係を示す過昇温防止マップがスタック過昇温防止流量演算部242に予め記憶されている。補正マップについては図8を参照して後述する。

0173

スタック過昇温防止流量演算部242は、冷却水温度差と目標電流とを取得すると、冷却水温度差により特定される過昇温防止マップを参照し、目標電流に対応付けられた過昇温防止流量を算出する。スタック過昇温防止流量演算部242は、その過昇温防止流量を冷却水目標流量設定部340に出力する。

0174

冷却水目標流量設定部340は、過昇温防止流量と、要求流量設定部330から出力される値とのうち大きい方の値を、冷却水目標流量として設定する。

0175

例えば、スタック暖機フラグがONに設定された場合において、過昇温防止流量が暖機要求流量よりも大きくなるときには、冷却水目標流量設定部340は、過昇温防止流量を冷却水目標流量に設定する。これにより、燃料電池スタック1の温度が暖機要求流量により高くなり過ぎることを防止することができる。

0176

図6は、ガス昇温要求流量演算部232に記憶される凍結防止制御マップの一例を示す図である。

0177

図6に示すように、起動時の冷却水温度ごとに、減算器231で算出される温度差ΔTとガス昇温要求流量とが互いに凍結防止制御マップに対応付けられている。温度差ΔTは、熱交換器23からジェットポンプ25に供給されるガスの温度と、燃料電池スタック1からジェットポンプ25に循環されるガスの温度との差分である。

0178

凍結防止制御マップでは、温度差ΔTが大きくなるほど、冷却水流量は大きくなる。これは、熱交換器23においてアノードガスと冷却水との温度差が大きくなるほど、冷却水流量を増やすことで冷却水からアノードガスへ放散される熱量が増加するからである。

0179

また、同一の温度差ΔTにおいて、起動時の冷却水温度が低くなるほど、ガス昇温要求流量は大きくなる。これは、システム起動時の冷却水温度が低いほど、アノードガスを凍結解除閾値Th_eまで上昇させる幅が大きくなり、昇温時間が長くなってしまうため、これを抑制するためである。

0180

図7は、流量補正値演算部233に記憶される補正マップの一例を示す図である。

0181

図7に示すように、燃料電池スタック1のHFRごとに、目標電流と補正値とが互いに補正マップに対応付けられている。

0182

補正マップでは、目標電流が大きくなるほど、ガス昇温要求流量を大きくするために補正値は大きくなる。これは、目標電流が大きいなるほど、燃料電池スタック1の発熱によって冷却水温度が上昇して温度差ΔTが大きくなることから、熱交換器23に供給される冷却水流量を増加させることでアノードガスの温度が上昇しやすくなるからである。

0183

また、同一の目標電流において、HFRが大きくなるほど、ガス昇温要求流量を小さくするために補正値は小さくなる。これは、HFRが大きくなるほど、すなわち燃料電池が乾燥するほど、ジェットポンプ25に吸引されるアノードオフガス中の水蒸気量が少なくなるため、ジェットポンプ25で生成される氷の増加量が少なくなるからである。

0184

図8は、スタック過昇温防止流量演算部242に記憶される過昇温防止マップの一例を示す図である。

0185

図8に示すように、冷却水温度差ごとに、燃料電池スタック1の目標電流と過昇温防止流量とが互いに補正マップに対応付けられている。

0186

過昇温防止マップでは、目標電流が大きくなるほど、過昇温防止流量が大きくなる。これは、目標電流が大きくなるほど、燃料電池スタック1の発熱量も大きくなるので、燃料電池スタック1の急激な温度上昇を抑制するためである。

0187

また、同一の目標電流において、冷却水温度差が大きくなるほど、ガス昇温要求流量は大きくなる。これは、冷却水温度差が大きいほど、燃料電池スタック1の出口側は入口側に比べて燃料電池を冷却できていないことになるので、燃料電池スタック1の出口側の温度を低下させるためである。

0188

次に本実施形態における冷却水流量制御部200の動作について図9及び図10を参照して説明する。

0189

図9は、冷却水流量制御部200によってジェットポンプ25の凍結防止制御を実行したときのタイムチャートである。

0190

図9(a)は、燃料電池システム100の運転状態の変化を示す図である。図9(b)は、ジェットポンプ25に吸引される合流前のアノードオフガスの温度(循環ガス温度)と、ジェットポンプ25に供給される合流前のアノードガスの温度(供給ガス温度)と、ジェットポンプ25で合流前の供給ガスと循環ガスとが合流した後のアノードガスの温度(合流後ガス温度)との各々の変化を示す図である。

0191

ここでは合流前の循環ガス温度として冷却水温度の変化が示されている。なお、冷却水温度は、スタック入口水温センサ43により検出される冷却水の温度であり、供給ガス温度は、温度センサ41により検出されるアノードガスの温度である。合流後ガス温度は、ジェットポンプ25から吐出される合流後のアノードガスの温度である。

0192

図9(c)は、冷却水ポンプ32から吐出される冷却水流量の変化を示す図である。図9(c)では、暖機要求流量が破線により示され、ガス昇温要求流量が一点鎖線により示されている。図9(d)は、ジェットポンプ25内に形成される氷量の変化を示す図である。

0193

図9(a)から図9(d)までの各図面の横軸は、互いに共通の時間軸である。また、図9(b)及び図9(d)には、ガス流路凍結防止制御を実行せずに暖機運転のみを実行したときの変化が破線により示されている。

0194

時刻t0より前においては、図9(a)に示すように燃料電池システム100は停止状態であり、冷却水温度は0℃よりも極めて低い温度、例えば−20℃であり、供給ガス温度は、冷却水温度よりもさらに低い温度、例えば−30℃である。

0195

時刻t0では、燃料電池システム100が起動され、冷却水温度が暖機判定閾値よりも低いため、スタック暖機フラグがONに設定され、暖機運転が実行される。

0196

暖機運転では、コントローラ110は、燃料電池スタック1からコンプレッサ12や、冷却水ポンプ32、ヒータ35などの補機に発電電力を供給し、燃料電池スタック1の発電に伴う自己発熱とヒータ35による放熱とによって燃料電池スタック1を暖機する。これにより、図9(b)に示すように冷却水温度が徐々に上昇する。

0197

このとき、図9(c)に示すように、冷却水流量制御部200は、冷却水ポンプ32から吐出される冷却水流量を、暖機要求流量に設定する。そして時間が経過するにつれて冷却水温度が上昇するので、冷却水流量制御部200は、時間の経過と共に暖機要求流量を単調増加させる。なお、冷却水流量制御部200は、冷却水温度の変化に応じて暖機要求流量を大きくするものであってもよい。

0198

時刻t1において、図9(b)に示すように、冷却水温度が水分上昇閾値Th_sを超えるため、ガス流路凍結防止フラグがONに設定される。これに伴い、冷却水流量制御部200は、図9(c)に示すように冷却水流量を、暖機要求流量からガス昇温要求流量まで上昇させる。

0199

これにより、熱交換器23に供給される冷却水の流量が増加するので、図9(b)に示すように、暖機運転のみの場合に比べて、合流前のアノードガス温度の上昇速度が速くなり、これにより合流後のアノードガス温度の上昇速度も同様に速くなる。

0200

図9(d)に示すように、ジェットポンプ25内の氷が増加するタイミングまで暖機要求流量に設定することで、燃料電池スタック1の暖機時間を長く確保でき、冷却水流量を無用に増加させることを回避できる。

0201

時刻t1から時間が経過するにつれて、循環ガス温度と吐出ガス温度との温度差ΔT、すなわち循環ガス温度と供給ガス温度との温度差が小さくなるため、冷却水流量の増加によるアノードガスの昇温効果が小さくなる。このため、冷却水流量制御部200は、図9(c)に示すようにガス昇温要求流量を減少させる。

0202

これにより、供給ガス温度及び吐出ガス温度の上昇に寄与しない状況で必要以上に冷却水流量を増加させることを防ぐことができる。したがって、冷却水ポンプ32の消費電力を低減することができ、また冷却水流量を下げることで燃料電池スタック1の暖機を促進することができる。

0203

時刻t2を経過すると、図9(b)に示すように合流後のアノードガス温度が凍結解除閾値Th_eを超えるため、ガス流路凍結防止フラグがOFFに切り替えられる。これに伴い、冷却水流量制御部200は、図9(c)に示すように冷却水流量を、ガス昇温要求流量から暖機要求流量に切り替える。これにより、燃料電池スタック1の暖機が促進される

0204

これに伴い、図9(b)に示すように合流後のアノードガス温度は一旦低下するが、0℃(氷点温度)まで低下することなくアノードガス温度は再び上昇する。このように凍結解除閾値Th_eを0℃よりも高く設定することにより、暖機要求流量への切替え後にジェットポンプ25が凍結するのを防ぐことができる。

0205

また、合流後のアノードガス温度が0℃よりも高く維持されるため、図9(d)に示すようにジェットポンプ25に形成された氷は直ぐに溶解する。

0206

このように、循環ガス中の水蒸気量が増加し始めるタイミングでガス流路凍結防止制御を実行することにより、ガス流路凍結防止制御を実行する時間(t1−t2)が短縮されると共に、暖機運転の時間をより長く確保することができる。したがって、冷却水ポンプ32の消費電力の増加を抑制すると共に、燃料電池スタック1の暖機を促進することができる。

0207

なお、図9では循環ガス温度と吐出ガス温度との温度差ΔTが小さくなる例について説明したが、温度差ΔTが大きくなる例について図10を参照して簡単に説明する。

0208

図10は、ガス凍結防止制御を実行している間に温度差ΔTが大きくなるときのタイムチャートである。

0209

図10(a)から図10(d)までの各図面の縦軸は、それぞれ図9(a)から図9(d)までの各図面の縦軸と同じであり、横軸は、互いに共通の時間軸である。ここでは、時刻t11から時刻t12までの燃料電池システム100の状態について説明する。

0210

時刻t11では、循環ガス温度が水分上昇閾値Th_sを超えるため、冷却水流量制御部200は、図10(c)に示すように冷却水流量をガス昇温要求流量に切り替える。その後、図10(b)に示すように循環ガス温度と吐出ガス温度との温度差ΔTが大きくなる。同様に循環ガス温度と供給ガス温度との温度差も大きくなる。

0211

このような場合には、熱交換器23に供給される冷却水流量の増加による合流後のアノードガスの昇温効果が大きくなるため、冷却水流量制御部200は、図10(c)に示すようにガス昇温要求流量を増加させる。これにより、図10(b)に示すように吐出ガス温度は、図9(b)に示した時刻t1から時刻t2までの吐出ガス温度に比べて早期に凍結解除閾値Th_eに到達する。

0212

このように、温度差ΔTが大きくなるほど、ガス昇温要求流量を増加させることによって、短時間で効果的に吐出ガス温度を氷点よりも高くすることができる。

0213

図9及び図10に示したように、温度差ΔTに応じてガス昇温要求流量を増減させることにより、冷却水ポンプ32の消費電力の増加を抑制しつつ、ジェットポンプ25内のガス流路が凍結して閉塞するのを防止することができる。

0214

本発明の第2実施形態によれば、ガス昇温要求流量演算部232は、ジェットポンプ25に吸引されるアノードオフガスの温度が水分上昇閾値Th_sを超えた場合に、暖機要求流量演算部221で演算される暖機要求流量よりも冷却水流量を増加させる。

0215

これにより、熱交換器23からジェットポンプ25に供給されるアノードガスの温度が上昇するので、ジェットポンプ25が凍結して流路が閉塞する前に、ジェットポンプ25に形成された氷を溶解することが可能となる。

0216

また本実施形態では、ガス昇温要求流量演算部232は、ジェットポンプ25から吐出される吐出ガスの温度とアノードオフガスの温度(循環ガス温度)との温度差が大きいほど、暖機要求流量から冷却水流量を増加させる幅を大きくする。

0217

このように、冷却水流量の増加によって熱交換器23でアノードガスの温度を上昇させる効果が大きいときに冷却水流量の増加幅を大きくするので、効率的に冷却水ポンプ32を駆動することができる。

0218

また本実施形態では、流量補正値演算部233は、図7に示したように、アノードガスの供給流量と相関のある目標電流が大きくなるほど、ガス昇温要求流量が大きくなるように補正値を大きくする。すなわち、流量補正値演算部233は、燃料電池スタック1に供給されるガスの流量が多いほど、暖機要求流量からガス昇温要求流量までの増加幅を大きくする。

0219

熱交換器23を通過するアノードガスの昇温速度を確保するには、アノードガスの流量が大きくなるほど、熱交換器23において冷却水からアノードガスに放熱される熱量を増やす必要がある。このため、アノードガスの流量が大きくなるほど、暖機要求流量からの増加幅が大きくなるようにガス昇温要求流量を補正することにより、迅速、かつ、確実にアノードガスの温度を上昇させることができる。

0220

また本実施形態では、流量補正値演算部233は、図7に示したように、燃料電池の電解質膜の湿潤度と相関のあるHFRが大きくなるほど、ガス昇温要求流量が大きくなるように補正値を大きくする。すなわち、流量補正値演算部233は、燃料電池の電解質膜が乾燥するほど、冷却水流量の増加幅を小さくする。

0221

電解質膜が乾燥している場合には、アノードオフガス中の水蒸気量が少なくなってジェットポンプ25に形成される氷の増加量が少なくなる。このため、電解質膜が乾燥しているほど、冷却水流量の増加幅が小さくなるようにガス昇温要求流量を補正することにより、ジェットポンプ25の凍結を抑制しつつ、冷却水ポンプ32の消費電力を低減することができる。

0222

また本実施形態では、ジェットポンプ25から吐出されるガスの温度(吐出ガス温度)が凍結解除閾値Th_eを超えた場合には、ガス流路凍結防止フラグがOFFに設定される。切替器320は、ガス流路凍結防止フラグがOFFに設定されると、ガス昇温要求流量を解除する値としてゼロを出力する。すなわち、切替器320は、ジェットポンプ25から吐出されるガスの温度に基づいて、熱交換器23に供給される冷却水流量の上昇を制限する。

0223

これにより、無用に冷却水流量を増加させるのを防止できるので、冷却水ポンプ32の消費電力の増加を抑制することができる。また、冷却水流量の上昇を制限することにより、燃料電池スタック1の暖機を促進することが可能となる。

0224

また本実施形態では、吐出ガス温度演算部120は、熱交換器23からジェットポンプ25に供給されるガスの温度と、ジェットポンプ25に循環されるガスの温度とに基づいて、吐出ガス温度を算出する。

0225

そして、吐出ガス温度が例えば0℃の凍結解除閾値(制限閾値)まで上昇したときには、切替器320は、熱交換器23に供給される冷却水流量を、ガス昇温要求流量よりも小さい暖機要求流量に切り替える。

0226

これにより、無用な冷却水流量の増加を抑制しつつ、燃料電池スタック1の暖機を促進することができる。また、冷却水流量を制限するブロックを新たに設ける必要がないので、演算負荷を抑制することができる。

0227

なお、本実施形態では循環ガス温度が水分上昇閾値Th_s以上であり、かつ、吐出ガス温度が凍結解除閾値Th_e以下である場合に熱交換器23に供給される冷却水流量を暖機要求流量から上昇させる例について説明した。

0228

このような場合において、ガス流路凍結防止制御部230は、循環ガス温度が氷点以上であり、かつ、吐出ガス温度が氷点以下であるときに、熱交換器23に供給される冷却水の流量を暖機要求流量から上昇させるものであってもよい。

0229

このように水分上昇閾値Th_s及び凍結解除閾値Th_eを0℃に設定する理由としては、まず、吐出ガス温度は0℃以下でなければ、ジェットポンプ25に氷は生成されない。また、図9に示したように、循環ガス温度が0℃よりも高くなければ、仮に合流後ガス温度が氷点以下であってもアノードオフガスに含まれる水蒸気量が極めて少ないので、ジェットポンプ25に氷は殆ど生成されない。

0230

したがって、循環ガス温度が0℃以上であり、かつ、吐出ガス温度が0℃以下である場合にジェットポンプ25に生成される氷が増加することになるので、このような条件が成立したときに冷却水流量を上昇させる。これにより、ジェットポンプ25内の氷が増加するような状態となったときに限り、熱交換器23によってアノードガスが加熱されるので、的確にジェットポンプ25の凍結を防止することができる。

0231

(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態における燃料電池システム101の構成例を示す図である。

0232

燃料電池システム101は、図1に示した燃料電池システム100の構成に加えて、バイパス冷却水ポンプ38を備えている。以下では、燃料電池システム100と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。

0233

バイパス冷却水ポンプ38は、冷却水循環通路31から分岐通路37が分岐した部分と熱交換器23との間にある分岐通路37に設けられる。バイパス冷却水ポンプ38は、コントローラ110によって制御される。

0234

コントローラ110は、図3のステップS107でガス流路凍結防止フラグがONに切り替えられた場合には、バイパス冷却水ポンプ38から熱交換器23に供給される冷却水流量を増加させる。

0235

図12は、本実施形態におけるコントローラ110に備えられる冷却水流量制御部201の構成の一例を示すブロック図である。

0236

冷却水流量制御部201は、図5に示した要求流量設定部330及び冷却水目標流量設定部340に代えて、加算器350、冷却水目標流量設定部360、及びバイパス目標流量設定部370を備えている。他の構成については、図5に示した冷却水流量制御部200の構成と同じであるため、同一符号を付して説明を省略する。

0237

加算器350は、切替器320から出力される補正後のガス昇温要求流量又はゼロを、過昇温防止流量に加算する。例えば、ガス流路凍結防止フラグがONに設定された場合には、加算器350は、過昇温防止流量にガス昇温要求流量を加算した値を、冷却水総流量として、冷却水目標流量設定部360に出力する。

0238

冷却水目標流量設定部360は、加算器350から出力される冷却水総流量と、切替器310から出力される通常制御流量又は暖機要求流量とのうち大きい方の値を、冷却水目標流量に設定する。そして冷却水目標流量設定部360は、冷却水目標流量をバイパス目標流量設定部370と冷却水ポンプ回転速度演算部410とにそれぞれ出力する。

0239

例えば、スタック暖機フラグがONに設定された場合おいて、ガス流路凍結防止フラグがONに設定されたときには、冷却水目標流量設定部360は、加算器350から出力される冷却水総流量を、冷却水目標流量として出力する。

0240

また、スタック暖機フラグがONに設定された場合おいて、ガス流路凍結防止フラグがOFFに設定されたときには、冷却水目標流量設定部360は、加算器350から出力される過昇温防止流量を、冷却水目標流量として出力する。

0241

バイパス目標流量設定部370は、冷却水目標流量から過昇温防止流量を減算した値をバイパス目標流量の設定値として、バイパス冷却水ポンプ回転速度演算部420に出力する。

0242

例えば、スタック暖機フラグがONに設定された場合おいて、ガス流路凍結防止フラグがONに設定されたときには、バイパス目標流量設定部370は、冷却水総流量から過昇温防止流量を減算した値、すなわちガス昇温要求流量を出力する。

0243

これにより、冷却水ポンプ32によって過昇温防止流量と同等の冷却水流量が燃料電池スタック1へ供給されるとともに、バイパス冷却水ポンプ38によってガス昇温要求流量と同等の冷却水流量が熱交換器23へ供給される。

0244

また、スタック暖機フラグがONに設定された場合おいて、ガス流路凍結防止フラグがOFFに設定されたときには、バイパス目標流量設定部370は、暖機要求流量から過昇温防止流量を減算した値を出力する。

0245

これにより、冷却水ポンプ32によって暖機要求流量と同等の冷却水流量が燃料電池スタック1へ供給されるとともに、バイパス冷却水ポンプ38によって過昇温防止流量と同等の冷却水流量が熱交換器23へ供給される。

0246

冷却水ポンプ回転速度演算部410は、冷却水目標流量に基づいて、冷却水ポンプ32の回転速度を演算する。また、冷却水ポンプ回転速度演算部410は、燃料電池スタック1の冷却水温度に応じて冷却水ポンプ32の回転速度を補正する。

0247

本実施形態では、冷却水温度ごとに、冷却水目標流量と冷却水ポンプ回転速度との関係を示す回転速度指令マップが、冷却水ポンプ回転速度演算部410に記憶されている。回転速度指令マップについては図13を参照して後述する。

0248

そして、冷却水ポンプ回転速度演算部410は、冷却水温度と冷却水目標流量とを取得すると、冷却水温度により特定される回転速度指令マップを参照し、冷却水目標流量に対応付けられた回転速度を算出する。冷却水ポンプ回転速度演算部410は、その回転速度を冷却水ポンプ32に指令する。

0249

バイパス冷却水ポンプ回転速度演算部420は、バイパス目標流量に基づいて、バイパス冷却水ポンプ38の回転速度を演算する。また、バイパス冷却水ポンプ回転速度演算部420は、冷却水ポンプ32の回転速度に応じて、バイパス冷却水ポンプ38の回転速度を補正する。

0250

なお、バイパス冷却水ポンプ回転速度演算部420は、燃料電池スタック1の冷却水温度が小さいほど、冷却水の粘性が低くなるため、バイパス冷却水ポンプ38の回転速度を大きくするものであってもよい。

0251

本実施形態では、冷却水ポンプ32の回転速度ごとに、バイパス目標流量とバイパス冷却水ポンプ回転速度との関係を示すバイパス回転速度指令マップがバイパス冷却水ポンプ回転速度演算部420に記憶されている。バイパス回転速度指令マップについては図14を参照して後述する。

0252

そして、バイパス冷却水ポンプ回転速度演算部420は、バイパス目標流量と冷却水ポンプ32の回転速度とを取得すると、その回転速度により特定されるバイパス回転速度指令マップを参照し、バイパス目標流量に対応付けられた回転速度を算出する。バイパス冷却水ポンプ回転速度演算部420は、その回転速度をバイパス冷却水ポンプ38に指令する。

0253

図13は、冷却水ポンプ回転速度演算部410に記憶される回転速度指令マップの一例を示す図である。

0254

図13に示すように、燃料電池スタック1の冷却水温度ごとに、冷却水目標流量と冷却水ポンプ32の回転速度とが互いに回転速度指令マップに対応付けられている。回転速度指令マップでは、冷却水目標流量が大きくなるほど、冷却水ポンプ32の回転速度は非線形に大きくなる。また、同一の冷却水目標流量において、冷却水温度が低くなるほど、冷却水の粘性が低下するため、冷却水ポンプ32の回転速度は大きくなる。

0255

図14は、バイパス冷却水ポンプ回転速度演算部420に記憶されるバイパス回転速度指令マップの一例を示す図である。

0256

図14に示すように、冷却水ポンプ32の回転速度ごとに、バイパス目標流量とバイパス冷却水ポンプ38の回転速度とが互いにバイパス回転速度指令マップに対応付けられている。

0257

バイパス回転速度指令マップでは、バイパス目標流量が大きくなるほど、バイパス冷却水ポンプ38の回転速度は非線形に大きくなる。また、同一のバイパス目標流量においては、冷却水ポンプ32の回転速度が小さくなるほど、バイパス冷却水ポンプ38を介して熱交換器23に冷却水が流れ難くなるため、バイパス冷却水ポンプ38の回転速度は大きくなる。

0258

本発明の第3実施形態によれば、冷却水循環通路31から分岐した分岐通路37にバイパス冷却水ポンプ38が設けられる。そして冷却水流量制御部201は、ガス流路凍結防止フラグがONに設定されたときには、バイパス冷却水ポンプ38の回転速度を大きくして、熱交換器23に供給される冷却水流量を、燃料電池スタック1に供給される暖機要求流量に比べて増加させる。

0259

これにより、ジェットポンプ25に供給されるアノードガスの温度が上昇してジェットポンプ25から吐出されるアノードガスの温度が短時間で氷点まで上昇するので、ジェットポンプ25内に生成される氷によって流路が閉塞するのを防ぐことができる。

0260

(第4実施形態)
図15は、本発明の第4実施形態における燃料電池システム101の構成例を示す図である。

0261

燃料電池システム102は、図11に示した燃料電池システム102のバイパス冷却水ポンプ38に代えて、バイパス弁39を備えている。以下では、燃料電池システム101と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。

0262

バイパス弁39は、冷却水循環通路31から分岐通路37が分岐した部分に設けられる三方弁である。バイパス弁39は、コントローラ110によって制御される。

0263

コントローラ110は、図3のステップS107でガス流路凍結防止フラグがOFFからONに切り替えられた場合には、バイパス弁39から熱交換器23に供給される冷却水流量を増加させる。

0264

図16は、本実施形態におけるコントローラ110に備えられる冷却水流量制御部202の構成の一例を示すブロック図である。

0265

冷却水流量制御部202は、図12に示したバイパス冷却水ポンプ回転速度演算部420に代えて、バイパス弁開度演算部430を備えている。他の構成については、図5に示した冷却水流量制御部200の構成と同じであるため、同一符号を付して説明を省略する。

0266

バイパス弁開度演算部430は、バイパス目標流量に基づいて、バイパス弁39の開度を演算する。また、バイパス弁開度演算部430は、燃料電池スタック1の冷却水温度に応じてバイパス弁39の開度を補正する。さらに、バイパス弁開度演算部430は、冷却水ポンプ32の回転速度が大きくなるほど、バイパス弁39の開度を小さくするものであってもよい。

0267

本実施形態では、燃料電池スタック1の冷却水温度ごとに、バイパス目標流量とバイパス弁39の開度との関係を示すバイパス開度指令マップがバイパス弁開度演算部430に予め記憶されている。

0268

図17は、バイパス弁開度演算部430に記憶されるバイパス開度指令マップの一例を示す図である。ここでは、バイパス弁39の開度が大きくなるほど、バイパス弁39が開いて熱交換器23に供給される冷却水流量が増加する。

0269

図17に示すように、冷却水ポンプ32の回転速度ごとに、バイパス目標流量とバイパス弁39の開度とが互いにバイパス開度指令マップに対応付けられている。

0270

バイパス開度指令マップでは、バイパス目標流量が大きくなるほど、バイパス弁39の開度は非線形に大きくなる。また、同一のバイパス目標流量において、冷却水ポンプ32の回転速度が小さくなるほど、バイパス冷却水ポンプ38を介して熱交換器23に冷却水が流れ難くなることから、バイパス弁39の開度は大きくなる。

0271

バイパス弁開度演算部430は、バイパス目標流量と冷却水ポンプ32の回転速度とを取得すると、その回転速度により特定されるバイパス開度指令マップを参照し、バイパス目標流量に対応付けられた開度を算出する。そしてバイパス弁開度演算部430は、その開度をバイパス弁39に指令する。

0272

本発明の第4実施形態によれば、冷却水循環通路31から分岐した分岐通路37にバイパス弁39が設けられる。そして冷却水流量制御部202は、ガス流路凍結防止フラグがONに設定されたときには、バイパス弁39を開いて、熱交換器23に供給される冷却水流量を、燃料電池スタック1に供給される暖機要求流量に比べて増加させる。

0273

これにより、ジェットポンプ25に供給されるアノードガスの温度が上昇してジェットポンプ25から吐出されるアノードガスの温度が短時間で氷点まで上昇するので、ジェットポンプ25内に生成される氷によって流路が閉塞するのを防ぐことができる。

0274

以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。

0275

なお、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。

0276

本願は、2014年7月24日に日本国特許庁に出願された特願2014−151268に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

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