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技術 燃料電池システム及び燃料電池システムの圧力損失推定方法

出願人 日産自動車株式会社
発明者 島田一秀浅井祥朋
出願日 2015年6月11日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-535839
公開日 2017年4月27日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 WO2016-013320
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード 流量調整状態 センサ個体差 圧力変動幅 総運転時間 流体供給通路 所定差圧 流量検出センサ 日本国特許庁
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図面 (10)

課題・解決手段

燃料電池システムは、燃料電池スタックと、燃料電池スタックにカソードガスを供給するコンプレッサと、コンプレッサが供給するカソードガスの流量を検出するエアフローセンサと、コンプレッサ及び燃料電池スタック間カソードガス供給通路に設けられた加湿器と、エアフローセンサが検出する流量に基づき、コンプレッサ及び燃料電池スタック間で発生するカソードガスの圧力損失推定するコントローラと、を備える。コントローラは、流量が所定流量より大きい場合に、圧力損失を所定値とする。

概要

背景

JP2008−77955Aには、燃料電池スタックよりも下流側の空気オフガスの圧力を検出する出口側ガス検出用圧力センサの異常を判定する技術が開示されている。この技術では、エアコンプレッサ吐出側で燃料電池スタックよりも上流側の空気の圧力を検出し、検出した圧力からシステム内部圧力損失を減じた値を用いて、出口側ガス検出用圧力センサの異常を判定する。システム内部圧力損失は、エアコンプレッサのガス吐出流量に基づき推定される。

概要

燃料電池システムは、燃料電池スタックと、燃料電池スタックにカソードガスを供給するコンプレッサと、コンプレッサが供給するカソードガスの流量を検出するエアフローセンサと、コンプレッサ及び燃料電池スタック間カソードガス供給通路に設けられた加湿器と、エアフローセンサが検出する流量に基づき、コンプレッサ及び燃料電池スタック間で発生するカソードガスの圧力損失を推定するコントローラと、を備える。コントローラは、流量が所定流量より大きい場合に、圧力損失を所定値とする。

目的

本発明は上記に鑑みてなされてものであり、圧力損失が実際より必要以上に大きく推定されることを防止可能な燃料電池システム及び燃料電池システムの圧力損失推定方法を提供する

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請求項1

燃料電池と、前記燃料電池に流体を供給する供給部と、前記供給部が供給する流体の流量を検出する流量検出部と、前記供給部及び前記燃料電池間の流体供給通路に設けられ、前記供給部が供給する流体に圧力損失を生じさせる圧力損失部と、前記流量検出部が検出する流体の流量に基づき、前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を推定する圧力損失推定部と、を備え、前記圧力損失推定部は、前記流量検出部が検出する流体の流量が所定流量より大きい場合に、前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を所定値とする、燃料電池システム

請求項2

請求項1に記載の燃料電池システムであって、前記圧力損失推定部は、推定した圧力損失に基づき、当該圧力損失が前記所定値より大きいと判定される場合に、圧力損失を前記所定値とする、燃料電池システム。

請求項3

請求項1又は2に記載の燃料電池システムであって、前記所定流量より小さい第2の所定流量と、前記所定値より小さい第2の所定値と、をさらに設定し、前記圧力損失推定部は、前記流量検出部が検出する流体の流量が前記第2の所定流量より小さい場合に、前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を前記第2の所定値とする、燃料電池システム。

請求項4

請求項3に記載の燃料電池システムであって、前記第2の所定流量に対応させて第3の所定値をさらに設定し、前記圧力損失推定部は、推定した圧力損失に基づき、当該圧力損失が前記第3の所定値より小さいと判定される場合に、圧力損失を前記第2の所定値とする、燃料電池システム。

請求項5

請求項1から4いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、前記圧力損失部で発生する圧力損失の特性変化に基づき、前記所定値を変更する変更部、をさらに備える燃料電池システム。

請求項6

請求項1から5いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、前記圧力損失推定部は、前記流量検出部で発生する検出誤差に応じた分だけ、前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を大きく推定する、燃料電池システム。

請求項7

請求項1から6いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、前記供給部が前記燃料電池に供給する流体は、カソードガスであり、前記圧力損失部は、前記供給部が供給する流体を加湿する加湿器であり、前記供給部出口のカソードガスの圧力を検出する圧力検出部と、前記圧力検出部が検出するカソードガスの圧力と、前記圧力損失推定部が推定する圧力損失とに基づき、前記燃料電池入口のカソードガスの圧力を推定する圧力推定部と、をさらに備える燃料電池システム。

請求項8

請求項7に記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池にアノードガスを供給する第2の供給部と、前記圧力推定部が推定するカソードガスの圧力に基づき、前記第2の供給部が供給するアノードガスの上限圧を算出する算出部と、をさらに備える燃料電池システム。

請求項9

請求項7又は8に記載の燃料電池システムであって、前記加湿器をバイパスするバイパス通路と、前記バイパス通路を流通するカソードガスの流量を調整する調整部と、をさらに備え、前記圧力損失推定部は、前記調整部の流量調整状態に関わらず、前記バイパス通路を流通するカソードガスの流量をゼロとみなして前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を推定する、燃料電池システム。

請求項10

請求項7又は8に記載の燃料電池システムであって、前記加湿器をバイパスするバイパス通路と、前記バイパス通路を流通するカソードガスの流量を調整する調整部と、前記バイパス通路を流通するカソードガスの流量を推定するバイパス流量推定部と、をさらに備え、前記圧力損失推定部は、前記流量検出部が検出する流体の流量に加えてさらに前記バイパス流量推定部が推定するカソードガスの流量に基づき、前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を推定する、燃料電池システム。

請求項11

燃料電池と、前記燃料電池に流体を供給する供給部と、前記供給部が供給する流体の流量を検出する流量検出部と、前記供給部及び前記燃料電池間の流体供給通路に設けられ前記供給部が供給する流体に圧力損失を生じさせる圧力損失部と、を設け、前記流量検出部が検出する流体の流量に基づき、前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を推定し、前記流量検出部が検出する流体の流量が所定流量より大きい場合に、前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を所定値とする、燃料電池システムの圧力損失推定方法

技術分野

0001

本発明は燃料電池システム及び燃料電池システムの圧力損失推定方法に関する。

背景技術

0002

JP2008−77955Aには、燃料電池スタックよりも下流側の空気オフガスの圧力を検出する出口側ガス検出用圧力センサの異常を判定する技術が開示されている。この技術では、エアコンプレッサ吐出側で燃料電池スタックよりも上流側の空気の圧力を検出し、検出した圧力からシステム内部圧力損失を減じた値を用いて、出口側ガス検出用圧力センサの異常を判定する。システム内部圧力損失は、エアコンプレッサのガス吐出流量に基づき推定される。

0003

燃料電池入口の圧力は、燃料電池流体を供給する供給部出口の圧力と、当該供給部及び燃料電池間で発生する流体の圧力損失と、に基づき推定することができる。圧力損失は、燃料電池に供給する流体の流量に基づき推定することができる。

0004

ところが、一般に流量検出センサは、検出する流体の流量が大きい場合ほど、検出誤差が大きくなる。このため、流体の流量が大きい場合ほど、圧力損失は実際より必要以上に大きく推定される虞がある。

0005

本発明は上記に鑑みてなされてものであり、圧力損失が実際より必要以上に大きく推定されることを防止可能な燃料電池システム及び燃料電池システムの圧力損失推定方法を提供することを目的とする。

0006

本発明のある態様の燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池に流体を供給する供給部と、前記供給部が供給する流体の流量を検出する流量検出部と、前記供給部及び前記燃料電池間の流体供給通路に設けられ、前記供給部が供給する流体に圧力損失を生じさせる圧力損失部と、前記流量検出部が検出する流体の流量に基づき、前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を推定する圧力損失推定部と、を備える。そして、前記圧力損失推定部は、前記流量検出部が検出する流体の流量が所定流量より大きい場合に、前記供給部及び前記燃料電池間で発生する流体の圧力損失を所定値とする。

図面の簡単な説明

0007

図1は、燃料電池システムの概略構成図である。
図2は、第1実施形態の圧力損失のマップデータを模式的に示す図である。
図3は、コントローラが行う制御の一例をフローチャートで示す図である。
図4は、アノード入口圧カソード入口圧の差圧発電電流の関係を示す図である。
図5は、目標発電電流に応じたアノードガス圧力変動幅を示す図である。
図6は、第2実施形態の圧力損失のマップデータを模式的に示す図である。
図7は、加湿器バイパス弁開度の設定例を示す図である。
図8は、加湿器バイパス弁の流量係数の設定例を示す図である。
図9は、加湿器で発生する圧力損失の特性変化を示す図である。

実施例

0008

以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同一又は対応する構成を示す。

0009

(第1実施形態)
燃料電池は燃料極であるアノード電極と、酸化剤極であるカソード電極とによって電解質膜を挟み込んだ構造を有する。燃料電池は、燃料ガスとして水素を含有するアノードガスをアノード電極に、酸化剤ガスとして酸素を含有するカソードガスをカソード電極にそれぞれ供給することによって発電する。アノード電極及びカソード電極の両電極において進行する電極反応は以下の通りである。

0010

アノード電極: 2H2 →4H+ +4e- …(1)
カソード電極: 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)
この(1)(2)の電極反応によって燃料電池は1ボルト程度の起電力を生じる。

0011

このような燃料電池を自動車用動力源として使用する場合には、要求される電力が大きい。このためこの場合には、数百枚の燃料電池を積層した燃料電池スタックとして燃料電池を使用する。そして、燃料電池スタックにアノードガス及びカソードガスを供給する燃料電池システムを構成して、車両駆動用の電力を取り出す。

0012

図1は、燃料電池システム100の概略構成図である。

0013

燃料電池システム100は、燃料電池スタック1と、アノードガス給排装置2と、カソードガス給排装置3と、コントローラ5と、を備える。

0014

燃料電池スタック1は、複数枚の燃料電池を積層した積層電池であり、アノードガス及びカソードガスの供給を受けて発電する。そして、発電した電力を車両駆動用モータなど各種の電装部品に供給する。

0015

アノードガス給排装置2は、タンク21と、アノードガス供給通路22と、調圧弁23と、アノードガス排出通路24と、排出弁25と、圧力センサ26と、を備える。

0016

タンク21は、アノードガスを高圧状態に保って貯蔵する。タンク21は、燃料電池スタック1にアノードガスを供給する。

0017

アノードガス供給通路22は、燃料電池スタック1に供給するアノードガスが流れる通路である。アノードガス供給通路22は、その一端がタンク21に接続され、その他端が燃料電池スタック1のアノード極側入口11に接続される。

0018

調圧弁23は、アノードガス供給通路22に設けられる。調圧弁23は、タンク21からアノードガス供給通路22に流れ出したアノードガスの圧力を所望の圧力に調節する。

0019

アノードガス排出通路24は、燃料電池スタック1から排出されたアノードオフガスが流れる通路である。アノードガス排出通路24は、その一端が燃料電池スタック1のアノード極側出口12に接続され、その他端がカソードガス給排装置3のカソードガス排出通路32に接続される。

0020

アノードオフガスは、電極反応で使用されなかった余剰のアノードガスと、カソード側からリークしてきた窒素などの不活性ガスとの混合ガスである。アノードオフガスは、発電過程で生じる水分を含む。

0021

排出弁25は、アノードガス排出通路24に設けられる。排出弁25は、アノードガス排出通路24におけるアノードオフガスや凝縮水流通の制限及び制限の解除を行う。流通を制限することは、流通を禁止することを含む。

0022

圧力センサ26は、アノードガス供給通路22に設けられる。圧力センサ26は、アノードガス供給通路22のうち調圧弁23及び燃料電池スタック1間の部分に設けられる。圧力センサ26は、アノード極側入口11の圧力であるアノード入口圧を検出する。

0023

カソードガス給排装置3は、カソードガス供給通路31と、カソードガス排出通路32と、フィルタ33と、エアフローセンサ34と、コンプレッサ35と、加湿器36と、を備える。また、加湿器バイパス通路37と、加湿器バイパス弁38と、システムバイパス通路39と、システムバイパス弁40と、圧力センサ41と、を備える。

0024

カソードガス供給通路31は、燃料電池スタック1に供給するカソードガスが流れる通路である。カソードガス供給通路31は、その一端がフィルタ33に接続され、その他端が燃料電池スタック1のカソード極側入口13に接続される。

0025

カソードガス排出通路32は、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスが流れる通路である。カソードガス排出通路32は、その一端が燃料電池スタック1のカソード極側出口14に接続され、その他端が開口端となっている。カソードオフガスは、カソードガスと、電極反応によって生じた水蒸気との混合ガスである。

0026

フィルタ33、エアフローセンサ34及びコンプレッサ35は、カソードガス供給通路31に設けられる。フィルタ33は、カソードガスに含まれる異物を除去する。カソードガスは具体的には、空気である。エアフローセンサ34は、カソードガス供給通路31のうちコンプレッサ35より上流の部分に設けられる。エアフローセンサ34は、コンプレッサ35が供給するカソードガスの流量Qを検出する。コンプレッサ35は、燃料電池スタック1にカソードガスを供給する。

0027

加湿器36は、カソードガス供給通路31及びカソードガス排出通路32に設けられる。加湿器36は、カソードガス供給通路31においてコンプレッサ35及び燃料電池スタック1間に設けられる。加湿器36は、カソードガスを加湿する。加湿器36は具体的には、カソードオフガスに含まれる水分を回収し、回収した水分でカソードガスを加湿する。加湿器36は、カソードガスに圧力損失を生じさせる。

0028

加湿器バイパス通路37は、カソードガス供給通路31のうち加湿器36の上流及び下流の部分を接続する。

0029

加湿器バイパス弁38は、加湿器バイパス通路37に設けられる。加湿器バイパス弁38は、加湿器バイパス通路37を流通するカソードガスの流量を調整する。加湿器バイパス弁38はカソードガスの流量を調整することで、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの湿度を調整する。

0030

システムバイパス通路39は、カソードガス供給通路31のうち加湿器36より上流の部分、及びカソードガス排出通路32のうち加湿器36より下流の部分を接続する。システムバイパス通路39は具体的には、カソードガス供給通路31のうち加湿器バイパス通路37が接続する部分より上流、且つコンプレッサ35より下流の部分に接続される。また、カソードガス排出通路32のうち加湿器36より下流、且つアノードガス排出通路24が接続する部分より上流の部分に接続される。システムバイパス通路39は、カソードガス供給通路31から加湿器36及び燃料電池スタック1を迂回してカソードガス排出通路32にカソードガスを流通させる。

0031

システムバイパス弁40は、システムバイパス通路39に設けられる。システムバイパス弁40は、システムバイパス通路39を流通するカソードガスの流量を調整する。

0032

圧力センサ41は、カソードガス供給通路31に設けられる。圧力センサ41は具体的には、カソードガス供給通路31のうちコンプレッサ35及び加湿器36間の部分に設けられる。当該部分はさらに具体的には、システムバイパス通路39が接続する部分より上流の部分となっている。圧力センサ41は、コンプレッサ35出口のカソードガスの圧力であるカソード供給圧を検出する。

0033

コントローラ5は電子制御装置であり、マイクロコンピュータで構成される。コントローラ5には、圧力センサ26や、エアフローセンサ34や、圧力センサ41からの信号が入力される。コントローラ5は、調圧弁23や、排出弁25や、コンプレッサ35や、加湿器バイパス弁38や、システムバイパス弁40を制御する。また、圧力損失Lの推定を行う。

0034

圧力損失Lは、コンプレッサ35及び燃料電池スタック1間で発生するカソードガスの圧力損失である。圧力損失Lは、加湿器36で発生するカソードガスの圧力損失を含む。圧力損失Lは、加湿器36で発生するカソードガスの圧力損失であってもよい。つまり、カソードガス供給通路31が生じさせる圧力損失を無視した圧力損失であってもよい。

0035

図2は第1実施形態の圧力損失のマップデータMを模式的に示す図である。太線で示す設定Aは、本実施形態のマップデータMの設定例を示す。破線で示す設定A´は、エアフローセンサ34で発生する検出誤差を考慮しない場合の設定例を示す。設定Aより細い線で示す設定Bは、設定Aの変形例を示す。

0036

流量範囲R1は、流量Qが所定流量Q1以下の場合であり、燃料電池システム100の運転負荷が小さい場合を示す。流量範囲R2は、流量Qが所定流量Q1より大きい場合であり、燃料電池システム100の運転負荷が大きい場合を示す。これは、流量Qと燃料電池システム100の運転負荷とが比例関係にあるためである。燃料電池システム100の運転負荷は、換言すれば発電電流である。

0037

コントローラ5は、マップデータMを備える。コントローラ5は、マップデータMを利用して、流量Qに基づき圧力損失Lを推定する。マップデータMでは、設定Aに示すように流量Qに応じて圧力損失Lが予め設定されている。

0038

圧力損失Lは、流量Qが大きい場合ほど大きくなる。このため、マップデータMでは、流量Qが所定流量Q1以下の場合に、つまり流量範囲R1において、流量Qが大きい場合ほど圧力損失Lが大きくなるように設定される。

0039

所定流量Q1は、流量範囲R1において、圧力損失Lを所定値L1とするときの流量Qである。すなわち、所定流量Q1は、所定値L1に対応させて設定される流量である。所定値L1は、設計上の最大値、つまり設計上発生し得る圧力損失Lの最大値である。所定値L1は、一定値である。所定流量Q1及び所定値L1は、実験などに基づき予め設定することができる。

0040

マップデータMではさらに、流量Qが所定流量Q1より大きい場合に、つまり流量範囲R2において、圧力損失Lは所定値L1に設定される。このため、コントローラ5は、流量Qが所定流量Q1より大きい場合には、圧力損失Lが所定値L1であるとする。

0041

コントローラ5は、流量Qとしてエアフローセンサ34の出力に基づき、圧力損失Lを推定する。ところが、エアフローセンサ34では検出誤差が発生する。このため、エアフローセンサ34の出力に基づき圧力損失Lを推定する場合、エアフローセンサ34で発生する検出誤差を考慮しない設定A´に基づき圧力損失Lを推定すると、エアフローセンサ34で発生する検出誤差の分だけ、圧力損失Lが異なる値に推定される。

0042

このため、マップデータMでは、設定Aに示すように、圧力損失Lがさらにエアフローセンサ34で発生する検出誤差を考慮した値に設定される。具体的には、エアフローセンサ34で発生する検出誤差に応じた分だけ、圧力損失Lが大きくなるように設定される。検出誤差は、例えば±数%というかたちで示される。検出誤差には、エアフローセンサ34で発生するマイナス側の検出誤差であって、大きさが最大の検出誤差を用いることができる。検出誤差は、さらにセンサ個体差を考慮した値とされてもよい。

0043

所定流量Q1は具体的には、このようにエアフローセンサ34で発生する検出誤差を考慮した設定Aにおいて、流量範囲R1で圧力損失Lを所定値L1とするときの流量Qとされる。

0044

マップデータMでは、流量Qが所定流量Q1より大きい場合でも、設定Bに示すように、流量Qが大きい場合ほど圧力損失Lが大きくなるように設定されてもよい。

0045

この場合、コントローラ5は、推定した圧力損失Lに基づき、当該圧力損失Lが所定値L1より大きいと判定される場合に、圧力損失Lを所定値L1とするように構成することができる。この場合も、コントローラ5は、流量Qが所定流量Q1より大きい場合に圧力損失Lを所定値L1とすることになる。推定した圧力損失Lが所定値L1より大きいか否かは、コントローラ5で判定することができる。

0046

所定流量Q1は、エアフローセンサ34で発生する検出誤差を考慮せずに、流量Qに応じて圧力損失Lを設定した場合において、つまり、図2に示す設定A´において、圧力損失Lを所定値L1と推定するときの流量Qであってもよい。

0047

次にコントローラ5が行う制御の一例を図3に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS1で、コントローラ5はカソードガスの流量Qを検出する。流量Qは、エアフローセンサ34の出力に基づき検出することができる。

0048

ステップS2で、コントローラ5は、圧力損失Lを推定する。コントローラ5は具体的には、マップデータMを参照し、検出した流量Qに対応する圧力損失Lを取得することで、圧力損失Lを推定する。

0049

ステップS3で、コントローラ5はカソード供給圧を検出する。カソード供給圧は、圧力センサ41の出力に基づき検出できる。

0050

ステップS4で、コントローラ5は、ステップS2で推定した圧力損失Lと、ステップS3で検出したカソード供給圧とに基づき、カソード極側入口13のカソードガスの圧力であるカソード入口圧を推定する。コントローラ5は具体的には、ステップS3で検出したカソード供給圧からステップS2で推定した圧力損失L分の圧力を減算することで、カソード入口圧を推定する。

0051

ステップS5で、コントローラ5はアノードガスの上限圧であるアノード上限圧を算出する。コントローラ5は具体的には、ステップS4で推定したカソード入口圧に後述する所定差圧分の圧力を加算することで、アノード上限圧を算出する。ステップS5の後には、本フローチャートの処理は終了する。

0052

次に本実施形態の燃料電池システム100の主な作用効果について説明する。ここで、燃料電池システム100では、アノード入口圧と、アノード入口圧よりも低いカソード入口圧との差圧を所定差圧内に収める必要がある。このためには、アノード入口圧とカソード入口圧とを管理する必要がある。

0053

ところが、加湿器36及びカソード極側入口13間のカソードガス供給通路31には、加湿器36で加湿されたカソードガスが流通する。このため、カソード入口圧を圧力センサで直接検出しようとすると、低温環境下で水分が付着し凍結する可能性がある。

0054

このような場合、カソード入口圧を直接検出するのではなく、カソード入口圧を推定するのが有効である。カソード入口圧は、カソード供給圧と、圧力損失Lとに基づき推定することができる。圧力損失Lは、エアフローセンサ34が検出する流量Qに基づき推定することができる。

0055

ところが、エアフローセンサ34では、検出する流量Qが大きい場合ほど、検出誤差が大きくなるので、圧力損失Lが実際より必要以上に大きく推定され得る。結果、圧力損失Lが設計上の最大値を超えた値に推定され得る。

0056

このような事情に鑑み、燃料電池システム100は、燃料電池スタック1と、コンプレッサ35と、エアフローセンサ34と、加湿器36と、エアフローセンサ34が検出する流量Qに基づき圧力損失Lを推定するコントローラ5と、を備える。そして、コントローラ5は、エアフローセンサ34が検出する流量Qが所定流量Q1より大きい場合に、圧力損失Lを所定値L1とする。

0057

上記構成の燃料電池システム100によれば、次に説明するように圧力損失Lが実際より必要以上に大きく推定されることを防止できる。

0058

すなわち、例えば図2に示す流量範囲R1においては、センサ誤差センサ故障に対するロバスト性を高める観点や、演算の複雑化を避ける観点から、圧力損失Lを所定値L1とすることもできる。ところがこの場合には、圧力損失Lが実際より必要以上に大きく推定されてしまう。

0059

また、図2に示す流量範囲R2においては、設定Bで示すように、エアフローセンサ34が検出する流量Qに基づき、圧力損失Lを推定することもできる。ところがこの場合には、予め検出誤差を考慮した圧力損失Lを推定する結果、圧力損失Lが実際より必要以上に大きく推定されてしまう。

0060

これらの場合と比較し、上記構成の燃料電池システム100によれば、流量Qが所定流量Q1より大きい場合に、圧力損失Lを所定値L1とするので、圧力損失Lが設計上の最大値を超えることがない。

0061

このため、上記構成の燃料電池システム100によれば、圧力損失Lをこれらの場合よりも小さな値として推定することができる。結果、これらの場合と比較し、圧力損失Lが実際より必要以上に大きく推定されることを防止できる。

0062

コントローラ5は、推定した圧力損失Lに基づき、当該圧力損失Lが所定値L1より大きいと判定される場合に、圧力損失Lを所定値L1としてもよい。また、エアフローセンサ34が検出する流量Qに基づき、当該流量が所定流量Q1より大きいと判定される場合に、圧力損失Lを所定値L1としてもよい。これらの場合にも、圧力損失Lが実際より必要以上に大きく推定されることを防止できる。

0063

燃料電池システム100では、コンプレッサ35が燃料電池スタック1にカソードガスを供給し、加湿器36がカソードガスに圧力損失を生じさせ、圧力センサ41がカソード供給圧を検出する。そして、コントローラ5は、圧力センサ41が検出するカソード供給圧と、推定した圧力損失Lとに基づき、カソード入口圧を推定する。

0064

このような構成の燃料電池システム100によれば、圧力損失Lとして設計上の最大値を超えた値をカソード入口圧の推定に用いることがない。このため、カソード入口圧が実際より必要以上に小さく推定されることを防止できる。

0065

ところで、燃料電池システム100では、燃料電池スタック1の発電過程で生じる水が、アノード電極で発電を阻害する。このため、燃料電池スタック1の発電過程で生じる水を燃料電池スタック1から排出する必要がある。次にこの点について説明する。

0066

図4は、アノード入口圧及びカソード入口圧の差圧と発電電流の関係を示す図である。(a)は、燃料電池システム100の運転時間に応じたアノード入口圧及びカソード入口圧の差圧と発電電流の変化を示す。(b)は、燃料電池システム100の運転時間に応じたアノード入口圧及びカソード入口圧の変化を示す。

0067

アノード電極で発電を阻害する生成水は、燃料電池スタック1に供給するアノードガスに脈動を発生させることで、排出し易くすることができる。このため、アノード入口圧は、脈動を発生させるべく図4に示すように変動する。アノード入口圧はカソード入口圧より大きく設定される。

0068

アノード電極で発電を阻害する生成水は、さらにアノードガスの流速を高めることで、排出し易くすることができる。ところが、燃料電池システム100では、アノード入口圧とカソード入口圧との差圧を所定差圧内に収める必要がある。そして、発電電流が小さい場合、つまり燃料電池システム100の運転負荷が低い場合には、カソード入口圧も低くなる。

0069

このため、発電電流が小さい場合には、発電電流が大きい場合より、アノード入口圧の高圧側の変動圧が低く設定される。したがって、当該変動圧が低く設定される分、排水性も低くなる。さらに、アノードガスの消費量は、燃料電池システム100の運転負荷が低い場合ほど、少なくなる。したがって、運転負荷が低い場合には、アノードガスの供給量も少なくなる分、排水性も低下する。

0070

このような事情に鑑み、燃料電池システム100では、タンク21が燃料電池スタック1にアノードガスを供給する。そして、コントローラ5は、推定したカソード入口圧に基づき、タンク21が供給するアノード上限圧を算出する。具体的には、推定したカソード入口圧に所定差圧を加算することで、アノード上限圧を算出する。

0071

このような構成の燃料電池システム100によれば、実際より必要以上に小さく推定されたカソード入口圧をアノード上限圧の算出に用いることがない。したがって、所定差圧を確保するために、アノード上限圧が必要以上に小さく制限されることもない。このため、上記構成の燃料電池システム100によれば、排水性を高めることができる。

0072

上記構成の燃料電池システム100では、燃料電池システム100の運転負荷と比例関係にあるカソードガスの流量Qに基づき圧力損失Lを推定する。このため、運転負荷が低い場合ほど、圧力損失Lが小さくなる分、カソード入口圧を高く推定することができる。したがって、運転負荷が低い場合ほど、アノード上限圧も高く算出することができる。

0073

図5は目標発電電流に応じたアノードガスの圧力変動幅Wを示す図である。曲線C1はアノード上限圧を、曲線C2はアノードガスの下限圧であるアノード下限圧を示す。図5に示すように、上記構成の燃料電池システム100によれば、目標発電電流が低い場合、すなわち運転負荷が低い場合に、圧力変動幅Wを大きくすることができる。結果、運転負荷が低い場合に、排水性を確保することができる。

0074

燃料電池システム100は、加湿器バイパス通路37と、加湿器バイパス弁38と、を備える。そして、コントローラ5は、加湿器バイパス弁38の流量調整状態、つまり加湿器バイパス弁38の開度に関わらず、加湿器バイパス通路37を流通するカソードガスの流量をゼロとみなして圧力損失Lを推定する。

0075

このような構成の燃料電池システム100によれば、加湿器バイパス通路37を流通するカソードガスの流量を検出するためのセンサを不要化することができる。結果、圧力損失Lを推定するにあたり、使用するセンサの数を低減する分、センサ誤差やセンサ故障に対するロバスト性を高めることができる。

0076

この場合、エアフローセンサ34で検出したカソードガスの流量Qのすべてが加湿器36に流れるとみなして、圧力損失Lを推定することになる。結果、圧力損失Lは実際より大きく推定されることになる。したがって、カソード入口圧は実際より低く推定されることになる。

0077

但し、この場合には、カソード入口圧が実際より低く推定されるので、実際のカソード入口圧が所定差圧の範囲内にある間に、差圧が所定差圧になると判断される。このため、差圧が実際に所定差圧になる前に早めに所定差圧になると判断することができる。したがって、差圧が所定差圧内であるか否かの判断を厳しく行うことができる分、差圧を安全に確保することができる。

0078

燃料電池システム100では、コントローラ5が、エアフローセンサ34で発生するマイナス側の検出誤差に応じた分だけ、圧力損失Lを大きく推定する。

0079

このような構成の燃料電池システム100によれば、エアフローセンサ34の検出誤差によって、圧力損失Lが実際より小さく推定されることを防止することができる。したがって、カソード入口圧が実際より高く推定されることを防止できるので、差圧を安全に確保することができる。

0080

エアフローセンサ34では具体的には、質量流量が得られるのに対し、圧力損失Lは厳密には体積流量で求められる。つまり、圧力損失Lには、質量流量に加えカソードガスの圧力及び温度が影響する。

0081

このため、圧力損失Lを設定する際には、さらにカソードガスの圧力及び温度を考慮した値に圧力損失Lを設定することが好ましい。カソードガスの圧力及び温度は具体的には例えば、コンプレッサ35出口におけるカソードガスの圧力及び温度である。カソードガスの圧力及び温度には、圧力損失Lが最も大きくなる条件を構成するカソードガスの圧力及び温度を適用することができる。

0082

これにより、カソードガスの圧力及び温度によって、圧力損失Lが実際より小さく推定されることを防止することができる。したがって、カソード入口圧が実際より高く推定されることを防止できるので、差圧を安全に確保することができる。

0083

カソードガスの圧力及び温度を考慮するには、圧力センサ41などカソードガスの圧力を検出するセンサの出力、及びカソードガスの温度を検出するセンサの出力に基づき、カソードガスの圧力及び温度の影響が反映されていない圧力損失Lを補正してもよい。

0084

(第2実施形態)
本実施形態では、コントローラ5がさらに、エアフローセンサ34が検出するカソードガスの流量Qが所定流量Q2より小さい場合に、圧力損失Lを所定値L2とする。また、これに関連し、マップデータMが次に説明するように設定される。これらの点を除き、本実施形態の燃料電池システム100は、第1実施形態の燃料電池システム100と同様に構成される。

0085

図6は第2実施形態の圧力損失のマップデータMを模式的に示す図である。流量範囲R3は、流量Qが所定流量Q2より小さい場合であり、圧力損失Lが発生しないか、或いはごく小さい圧力損失Lを発生させる流量の範囲である。このため、流量範囲R3は、流量Qがゼロの場合を含む。流量範囲R3は、流量範囲R1に含まれる。

0086

本実施形態のマップデータMではさらに、設定Aで示すように、流量Qが所定流量Q2より小さい場合に、つまり流量範囲R3において、圧力損失Lが所定値L2になるように設定される。所定流量Q2は、所定流量Q1より小さい値に設定される。所定流量Q2は、流量範囲R3を設定する流量である。所定値L2は、流量範囲R3に対応させて設定される圧力損失Lである。所定値L2は一定値であり、具体的にはゼロである。所定値L2は、ごく小さい流量で発生する圧力損失Lであってもよい。所定値L2は、少なくとも設定Bに基づき推定される圧力損失Lより小さい値とすることができる。所定値L3は、所定流量Q2に対応させて設定される圧力損失Lである。所定流量Q2、所定値L2及び所定値L3は、実験などに基づき予め設定することができる。

0087

コントローラ5は、エアフローセンサ34が検出するカソードガスの流量Qに基づき、上記のように作成されたマップデータMを参照することで、流量Qが所定流量Q2より小さい場合には、圧力損失Lを所定値L2とする。

0088

次に本実施形態の燃料電池システム100の主な作用効果について説明する。ここで、第1実施形態で説明したように、圧力損失Lをエアフローセンサ34の誤差を考慮した値に設定すると、流量Qがごく小さい場合に、圧力損失Lが必要以上に大きく推定される可能性がある。

0089

このような事情に鑑み、本実施形態の燃料電池システム100では、コントローラ5は、流量Qが所定流量Q2より小さい場合には、圧力損失Lを所定値L2とする。このような構成の燃料電池システム100によれば、流量Qがごく小さい場合でも、圧力損失Lが必要以上に大きく推定されることを防止できる。

0090

コントローラ5は、推定した圧力損失Lに基づき、当該圧力損失Lが所定値L3より小さいと判定される場合に、圧力損失Lを所定値L2としてもよい。また、エアフローセンサ34が検出する流量Qに基づき、当該流量が所定流量Q2以下であると判定される場合に、圧力損失Lを所定値L2としてもよい。これらの場合にも、流量Qがごく小さい場合に、圧力損失Lが必要以上に大きく推定されることを防止できる。

0091

(第3実施形態)
本実施形態では、コントローラ5が、加湿器バイパス通路37を流通するカソードガスの流量である加湿器バイパス流量を推定する。また、流量Qに加えて、さらにこのようにして推定したカソードガスの加湿器バイパス流量に基づき、圧力損失Lを推定する。これらの点を除き、本実施形態の燃料電池システム100は、第1実施形態の燃料電池システム100と同様に構成される。同様の変更は、第2実施形態の燃料電池システム100に適用されてもよい。

0092

加湿器バイパス流量は、コンプレッサ35が供給する流体の流量や、加湿器バイパス弁38の開度に応じて変化する。このため、コントローラ5は具体的には、コンプレッサ35が供給する流体の流量や、加湿器バイパス弁38の開度に基づき、加湿器バイパス流量を推定する。

0093

図7は、加湿器バイパス弁38の開度設定例を示す図である。図8は、加湿器バイパス通路37の流量係数設定例を示す図である。図7に示すように、加湿器バイパス弁38の開度は、目標発電電流に応じて設定される。具体的には、目標発電電流が大きい場合ほど小さくなるように設定される。図8に示すように、加湿器バイパス通路37の流量係数は、加湿器バイパス弁38の開度が大きい場合ほど、大きくなるように設定される。

0094

コントローラ5は、図7及び図8に示す関係を予め設定したマップデータを備えることで、目標発電電流に基づき、加湿器バイパス弁38の開度、さらには加湿器バイパス通路37の流量係数を把握することができる。そして、把握した流量係数や、コンプレッサ35が供給する流体の流量に基づき、加湿器バイパス流量を推定することができる。コントローラ5は、加湿器バイパス弁38の開度の代わりに、加湿器バイパス弁38の開度と相関関係を有するパラメータの一例である目標発電電流に基づき、加湿器バイパス流量を推定してもよい。

0095

ところで、加湿器36は、燃料電池システム100において圧力損失Lを発生させる主な要素である。そして、カソードガスが加湿器バイパス通路37を流通する場合、加湿器バイパス通路37を流通するカソードガスの流量分だけ、加湿器36を流通するカソードガスの流量は減少する。

0096

このため、コントローラ5は具体的には、流量Q及び推定した加湿器バイパス流量に基づき、流量Qから当該加湿器バイパス流量を減じた流量を算出する。そして、流量Qの代わりに算出した流量に基づき、圧力損失Lを推定する。

0097

次に本実施形態の燃料電池システム100の主な作用効果について説明する。本実施形態の燃料電池システム100では、コントローラ5が、加湿器バイパス通路37を流通するカソードガスの流量を推定する。また、流量Qと、推定した加湿器バイパス流量とに基づき、圧力損失Lを推定する。

0098

上記構成の燃料電池システム100によれば、加湿器バイパス通路37を流通するカソードガスの流量の影響を加味することで、より正確な圧力損失Lを推定できる。

0099

この場合、加湿器バイパス通路37を流通するカソードガスの流量に応じた分だけ、圧力損失Lを小さく推定することができる。したがって、圧力損失Lを小さく推定する分、カソード入口圧を高く推定することもできる。また、カソード入口圧を高く推定する分、アノード上限圧を高く算出することもできる。

0100

上記構成の燃料電池システム100では、圧力損失Lを推定するにあたり、加湿器バイパス流量を推定するので、加湿器バイパス流量を検出するためのセンサを不要化することもできる。結果、圧力損失Lを推定するにあたり、使用するセンサの数を低減する分、センサ誤差やセンサ故障に対するロバスト性を高めることができる。

0101

(第4実施形態)
本実施形態では、コントローラ5が、加湿器36で発生する圧力損失の特性変化に基づき、所定値L1を変更する。この点を除き、本実施形態の燃料電池システム100は、第1実施形態の燃料電池システム100と同様に構成される。同様の変更は、第2実施形態や第3実施形態の燃料電池システム100に適用されてもよい。

0102

図9は、加湿器36で発生する圧力損失の特性変化を示す図である。加湿器36で発生する圧力損失の最大値MAX及び最小値MINの特性変化を示す。図9では、圧力損失の特性変化として、燃料電池システム100の総運転時間に応じた圧力損失の特性変化、すなわち圧力損失の経時変化を示す。最大値MAXは、所定値L1相当の値であり、最小値MINは、所定値L2相当の値である。

0103

図9に示すように、加湿器36では、燃料電池システム100の総運転時間が長くなるほど、圧力損失が小さくなる特性変化が発生する。このような特性変化は、実験などに基づき予め求めることができる。加湿器36で発生する圧力損失の特性変化は、燃料電池システム100の総運転時間が長くなるほど、圧力損失が大きくなる特性変化であってもよい。

0104

次に本実施形態の燃料電池システム100の主な作用効果について説明する。本実施形態の燃料電池システム100では、コントローラ5が、加湿器36で発生する圧力損失の特性変化に基づき、所定値L1を変更する。

0105

上記構成の燃料電池システム100によれば、加湿器36で圧力損失の特性変化が発生した場合でも、この影響を加味したより正確な圧力損失Lを推定できる。またこれにより、カソード入口圧をより正確に推定できるとともに、アノード上限圧をより正確に算出することができる。

0106

コントローラ5は、加湿器36で発生する圧力損失の特性変化に基づき、所定値L1及び所定値L2のうち少なくともいずれかを変更するように構成されてもよい。この場合、所定値L2を変更することで、流量Qがごく小さい場合に、例えば圧力損失の特性変化に応じた分だけ、圧力損失Lが必要以上に大きく推定されることを防止できる。

0107

以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。

0108

上述した実施形態では、圧力損失が発生する流体がカソードガスである場合について説明した。しかしながら、圧力損失が発生する流体は、アノードガスや、燃料電池システム100の冷却液であってもよい。圧力損失を流体に生じさせる構成も、加湿器36以外の構成であってもよい。

0109

上述した実施形態では、アノードガス給排装置2がアノードオフガスを逆流させるようにして燃料電池スタック1に供給するデッドエンド型の装置である場合について説明した。しかしながら、アノードガス給排装置2は、アノードガス供給通路22を介して燃料電池スタック1にアノードオフガスを還流させる循環型の装置として構成されてもよい。

0110

上述した実施形態では、マップデータMを用いて圧力損失Lを推定する場合について説明した。しかしながら、圧力損失Lは、流量Qに基づき圧力損失Lを定義する圧力損失Lのモデル式を用いて推定されてもよい。

0111

上述した実施形態では、コントローラ5が、加湿器バイパス通路37を、加湿器36をバイパスするバイパス通路として圧力損失Lを推定する場合について説明した。しかしながら、コントローラ5は、システムバイパス通路39を、加湿器36をバイパスするバイパス通路として圧力損失Lを推定してもよい。

0112

すなわち、コントローラ5はシステムバイパス弁40の流量調整状態に関わらず、システムバイパス通路39を流通するカソードガスの流量をゼロとみなして圧力損失Lを推定してもよい。また、システムバイパス通路39を流通するカソードガスの流量を推定し、流量Qに加えてさらにこのようにして推定した流量に基づき、圧力損失Lを推定してもよい。

0113

この場合、システムバイパス弁40の開度には、図7に示す加湿器バイパス弁38の開度設定と同様の設定を適用することができる。また、システムバイパス通路39の流量係数には、図8に示す加湿器バイパス通路37の流量係数設定と同様の設定を適用することができる。コントローラ5は、加湿器バイパス通路37及びシステムバイパス通路39それぞれを、加湿器36をバイパスするバイパス通路として圧力損失Lを推定してよい。

0114

上述した実施形態では、圧力損失推定部や圧力推定部や算出部や変更部やバイパス流量推定部などの機能部をコントローラ5で実現する場合について説明した。しかしながら、圧力損失推定部や圧力推定部や算出部や変更部やバイパス流量推定部などの機能部は、複数のコントローラで実現されてもよい。

0115

本願は2014年7月24日に日本国特許庁に出願された特願2014−151263に基づく優先権を主張し、この出願のすべての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

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