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技術 遠心分離による定容量分取又はさらに保管のための器具

出願人 株式会社島津製作所
発明者 竹内一平明地将一叶井正樹工藤忍
出願日 2015年5月25日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2016-534311
公開日 2017年4月27日 (1年8ヶ月経過) 公開番号 WO2016-009720
状態 特許登録済
技術分野 サンプリング、試料調製 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード ディスク形状部材 分離用装置 字形流路 空気排出用 分析用セル 流路体積 採取時刻 遠心力方向
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月27日)のものです。
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図面 (8)

課題・解決手段

遠心分離機に装着される支持部と、支持部に対し取外し可能な分割部とを備えた遠心分離器具である。分割部は2つの流路と抽出部をもつ。それらの流路は遠心力が作用する方向に対してほぼ並行に延び、遠心力が作用する方向の先端側でつながっている。一方の流路は遠心力が作用する方向の基端側に試料注入口をもつ試料用流路であり、他方の流路は基端側に出口をもつ空気排出用流路である。抽出部は、試料用流路の一部分を含み、その部分を試料用流路の残部から切り離すための接続部をもち、切り離されたその部分にある遠心分離後の試料成分を抽出するものである。

概要

背景

従来の数mL以上入るような遠沈管に微量の血液を採取し、遠心分離処理をした後、血球成分が混じらないように上澄みの血漿成分のみをマイクロピペットなどで分取することは、試料量が微量であるほど困難になる。

微量の血液試料に対して血漿成分を採取する装置として、両端が解放されたキャピラリからなる微量採血管が使用されている。微量採血管を使用した血漿成分の採取では、微量採血管に血液を吸引し、パテなどで先端を封じてから遠心分離を行う。その後、血漿部分と血球部分の界面近傍で採血管を折って切断し、血漿成分だけを取り出す。取り出した血漿成分を、TLC薄層クロマトグラフ)、LC(液体クロマトグラフ)、LC/MS(液体クロマトグラフ・質量分析装置)、質量分析装置などで分析する。

遠心分離された血球部分と血漿部分の間にある微量の白血球部分のみを採取することを目的とした遠心チューブも提案されている(特許文献1参照。)。その遠心チューブは、太径で大容量の上下2つの溜部の間に細径で小容量の溜部をもっている。下部の大容量溜部は有底で、上部の大容量溜部は開口により解放されている。その上部解放部から所定量を採血後、遠心分離すると白血球部分が小容量溜部にくるようになっている。遠心処理後微細ガラス管(キャピラリ)を上部解放部より差し込み、小容量溜部にある白血球成分を採取する。

ディスク毛細管を含む幾つかの流路を設け、ディスクを遠心処理して血液の成分を分離し、試薬と反応させて検出する研究も盛んに行われている。それに用いる器具として、例えば、一体成形されたチャンバー、流路、リザーバ及び分析用セルを有するディスク形状部材からなる器具が提案されている(特許文献2参照。)。血液サンプルをその装置に導入し、遠心処理にかけて血球を血清から分離させ、次いで血清をいくつかの処理工程や検査にかける。

概要

遠心分離機に装着される支持部と、支持部に対し取外し可能な分割部とを備えた遠心分離用器具である。分割部は2つの流路と抽出部をもつ。それらの流路は遠心力が作用する方向に対してほぼ並行に延び、遠心力が作用する方向の先端側でつながっている。一方の流路は遠心力が作用する方向の基端側に試料注入口をもつ試料用流路であり、他方の流路は基端側に出口をもつ空気排出用流路である。抽出部は、試料用流路の一部分を含み、その部分を試料用流路の残部から切り離すための接続部をもち、切り離されたその部分にある遠心分離後の試料成分を抽出するものである。

目的

遠心分離された血球部分と血漿部分の間にある微量の白血球部分のみを採取することを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

中心が回転中心となるように遠心分離機に装着される支持部と、前記支持部に切断可能に接続された又は取外し可能に装着された分割部とを備え、前記分割部は2つの流路と抽出部をもち、前記2つの流路は遠心力が作用する方向に対してほぼ並行に延び、遠心力が作用する方向の先端側でつながっており、一方の流路は試料を収容する容積をもち、遠心力が作用する方向の基端側に試料注入口となる開口をもつ試料用流路であり、他方の流路は遠心力が作用する方向の基端側に出口となる開口をもつ空気排出用流路であり、前記抽出部は、前記試料用流路の一部分を含み、その部分を前記試料用流路の残部から切り離すための接続部をもち、切り離されたその部分にある遠心分離後の試料成分を抽出するものである遠心分離用器具

請求項2

前記接続部は、前記分割部の他の部分よりも薄く形成されているか、細い形成されているか、又は薄くかつ細く形成されている請求項1に記載の遠心分離用器具。

請求項3

前記抽出部は、遠心分離された試料成分のうちの比重の軽い方の試料成分を抽出するように、前記試料用流路における前記試料注入口側の位置に配置されている請求項1又は2に記載の遠心分離用器具。

請求項4

前記試料用流路は前記試料注入口につながる流路と、前記流路につながる下流側の流路とを含んでおり、前記下流側の流路は、遠心力が作用していない状態では液が流れこまないように入口の断面積が狭くなっている請求項1から3のいずれか一項に記載の遠心分離用器具。

請求項5

前記試料用流路は前記試料注入口につながる第1の流路と、第1の流路につながる第2の流路と、さらに第2の流路につながる第3の流路とからなり、遠心力が作用していない状態では、第1の流路と第2の流路にある試料が第3の流路に流れ込まないように、第2の流路の断面積が第3の流路の断面積に対して小さく形成されている請求項4に記載の遠心分離用器具。

請求項6

前記試料注入口となる開口は前記分割部の表面に設けられ、試料注入用の器具が挿入される大きさをもっている請求項1から5のいずれか一項に記載の遠心分離用器具。

請求項7

前記試料注入口となる開口は前記分割部の端面に設けられ、前記第1の流路の断面積は試料を前記試料注入口から毛細管現象により吸引する大きさに設定されており、前記第1の流路には前記試料注入口とは反対側の位置に、遠心分離時はふさがれる開口が設けられているか、又は前記空気排出用流路の断面積が前記第1の流路の断面積と同じかもしくはそれ以上に設定されている請求項1から5のいずれか一項に記載の遠心分離用器具。

請求項8

前記第1の流路はその内面と前記試料注入口となる開口が親水性になっている請求項7に記載の遠心分離用器具。

請求項9

前記分割部はベース部材カバー部材との接合体であり、前記試料用流路及び空気排出用流路は両部材接合界面に形成されており、前記第3の流路の周囲の一部の接合界面の接合強度が該流路の周囲の他の部分の接合界面の接合強度よりも弱くなるように、その部分に隣接する空間が形成されている請求項5に記載の遠心分離用器具。

請求項10

前記支持部は円盤状をなし、前記円盤の円周上には前記分割部が複数個放射状に配置されて接続されており、前記支持部と前記分割部の間を接続している部分は前記分割部の他の部分よりも薄く形成されているか、細い形成されているか、又は薄くかつ細く形成されている請求項1から9に記載の遠心分離用器具。

請求項11

前記支持部は円盤状をなし、前記円盤の表面上には前記分割部を複数個放射状に配置し、前記分割部を嵌めこんで装着する凹部が形成されており、前記分割部と前記凹部は遠心力が作用したときに前記分割部が遠心力方向に移動するのを阻止する形状に構成されている請求項1から9に記載の遠心分離用器具。

請求項12

前記支持部には、前記分割部を装着したときに前記抽出部に対応する位置に穴が開けられている請求項11に記載の遠心分離用器具。

請求項13

前記支持部と前記分割部は、前記支持部に前記分割部が取りつけられた状態又は装着された状態において円盤状をなし、複数の円盤を積み重ね保管できる形状に構成されている請求項1から12に記載の遠心分離用器具。

技術分野

0001

本発明は、試料採取後、遠心操作により必要な一定容量を採取し、又はさらに保管する器具に関するものである。その試料には、比重の異なる複数の成分を含む血液等の液体試料が含まれる。

背景技術

0002

従来の数mL以上入るような遠沈管に微量の血液を採取し、遠心分離処理をした後、血球成分が混じらないように上澄みの血漿成分のみをマイクロピペットなどで分取することは、試料量が微量であるほど困難になる。

0003

微量の血液試料に対して血漿成分を採取する装置として、両端が解放されたキャピラリからなる微量採血管が使用されている。微量採血管を使用した血漿成分の採取では、微量採血管に血液を吸引し、パテなどで先端を封じてから遠心分離を行う。その後、血漿部分と血球部分の界面近傍で採血管を折って切断し、血漿成分だけを取り出す。取り出した血漿成分を、TLC薄層クロマトグラフ)、LC(液体クロマトグラフ)、LC/MS(液体クロマトグラフ・質量分析装置)、質量分析装置などで分析する。

0004

遠心分離された血球部分と血漿部分の間にある微量の白血球部分のみを採取することを目的とした遠心チューブも提案されている(特許文献1参照。)。その遠心チューブは、太径で大容量の上下2つの溜部の間に細径で小容量の溜部をもっている。下部の大容量溜部は有底で、上部の大容量溜部は開口により解放されている。その上部解放部から所定量を採血後、遠心分離すると白血球部分が小容量溜部にくるようになっている。遠心処理後微細ガラス管(キャピラリ)を上部解放部より差し込み、小容量溜部にある白血球成分を採取する。

0005

ディスク毛細管を含む幾つかの流路を設け、ディスクを遠心処理して血液の成分を分離し、試薬と反応させて検出する研究も盛んに行われている。それに用いる器具として、例えば、一体成形されたチャンバー、流路、リザーバ及び分析用セルを有するディスク形状部材からなる器具が提案されている(特許文献2参照。)。血液サンプルをその装置に導入し、遠心処理にかけて血球を血清から分離させ、次いで血清をいくつかの処理工程や検査にかける。

先行技術

0006

特開平01−199159号公報
特表2001−502793号公報

発明が解決しようとする課題

0007

薬の開発で実施される前臨床試験において小動物から得られる血液の量は限られているため、一匹の個体から薬物動態解析に必要なすべての時刻での採取は難しい。そのため、投与後の採取時刻を複数匹に分けて、各々から異なった時刻での試料採取を行う。近年の装置の改良で測定感度飛躍的に高まり、測定に供する試料量はごく微量で十分になった。そのため、微量の血液から測定に必要な定容量の血漿又は血清を直接簡易に得られるならば、測定に必要な採血量を極めて少なくすることができる。その結果、犠牲となる動物数を削減させることに貢献できることに加えて、一連検体一個体から得ることによって測定データから個体差変動を除くことができる。更に、臨床試験医療現場においても、注射針を使った多量の採血に代えて、、手、腹などの末梢血管から簡易に検体を得ることに応用することが可能であり、幼児小児あるいは患者への採血による負担を大幅に軽減することに寄与できる。

0008

遠沈管の代わりに上述のような両端が解放された微量採血管などを用いて血液を遠心分離する際には、必ず一端をパテなどで封をする必要がある。本発明が対象とする試料は、血液に限らず、比重が異なる複数の成分を有する液体試料であれば全て対象になる。

0009

本発明は、そのような試料の注入又は吸入から遠心分離、分離された所定の試料成分の採取を簡単な操作で行なうことのできる遠心分離用器具を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明の遠心分離用器具は、中心が回転中心となるように遠心分離機に装着される支持部と、前記支持部に切断可能に接続された又は取外し可能に装着された分割部とを備えている。

0011

分割部は2つの流路と抽出部をもつ。その2つの流路は遠心力が作用する方向に対してほぼ並行に延び、遠心力が作用する方向の先端側でつながっている。その2つの流路のうち、一方の流路は試料を収容する容積をもち、遠心力が作用する方向の基端側に試料注入口となる開口をもつ試料用流路であり、他方の流路は遠心力が作用する方向の基端側に出口となる開口をもつ微細管からなる空気排出用流路である。

0012

抽出部は、試料用流路の一部分を含み、その部分を試料用流路の残部から切り離すための接続部をもち、切り離されたその部分にある遠心分離後の試料成分を抽出するものである。

0013

パテなどで封止する作業をなくすため、本発明では流路を遠心力が作用する方向の先端側でつながるU字形にする。遠心力が作用する方向に対して対称的なU字形流路にすると、血液試料の場合、遠心分離された血漿成分又は血清成分がU字の2つの流路に分かれる。U字形流路における空気排出用流路に試料が流れ込む量を少なくするには、空気排出用流路の流路体積は、試料用流路の流路体積に比べて小さいほどよい。空気排出用流路に流れ込んだ試料量が試料用流路に残存する試料量に比べて無視できる程度であるのが好ましい。流路体積の比率を、例えば(試料用流路):(空気排出用流路)=100:1にすることで、試料用流路に大部分の試料が存在するようになる。流路体積の比率としての100:1は一例であり、空気排出用流路の比率をさらに小さくする方が好ましい。

0014

それとは反対に、空気排出用流路の比率を1/100より大きくすることもできる。その場合は試料用流路に存在する試料の量が減少するが、扱う試料量によっては幾らか減少してもよい場合は、そのような空気排出用流路も使用できることになる。

0015

抽出部を分割部から切り離す切離し作業を容易にするためには、抽出部と分割部の間の接続部は、分割部の他の部分よりも薄く形成されているか、細い形成されているか、又は薄くかつ細く形成されていることが好ましい。その場合、その接続部を手又は器具を使用して割ることにより抽出部を分割部から容易に切り離すことができるようになる。

0016

一実施形態では、抽出部は、遠心分離された試料成分のうちの比重の軽い方の試料成分を抽出するように、試料用流路における試料注入口側の位置に配置されている。例えば、血液試料を対象にし、遠心分離後に血漿成分又は血清成分を抽出するように本発明の器具を使用する場合には、遠心分離後に血漿成分又は血清成分が抽出部にくるように、試料用流路に注入又は吸入する試料量を調整する。

0017

前記試料用流路は前記試料注入口につながる流路と、その流路につながる下流側の流路とを含んでおり、下流側の流路は、遠心力が作用していない状態では液が流れこまないように入口の断面積が狭くなっているようにすることができる。その一例として、試料用流路は、試料注入口につながる第1の流路と、第1の流路につながる第2の流路と、さらに第2の流路につながる第3の流路とからなるようにすることができる。その場合、遠心力が作用していない状態では、第1の流路と第2の流路にある試料が第3の流路に流れ込まないように、第2の流路の断面積が第3の流路の断面積に対して小さく形成されている。

0018

一実施形態では、試料注入口となる開口は分割部の表面に設けられ、試料注入用の器具が挿入される大きさをもっている。

0019

他の実施形態では、試料注入口となる開口は分割部の端面に設けられ、第1の流路の断面積は試料を試料注入口から毛細管現象により吸引する大きさに設定されており、第1の流路には試料注入口とは反対側の位置に、遠心分離時はふさがれる開口が設けられているか、又は空気排出用流路の断面積が第1の流路の断面積と同じかもしくはそれ以上に設定されている。この場合、毛細管現象により試料を円滑に吸引できるように、第1の流路はその内面と試料注入口となる開口が親水性になっていることが好ましい。

0020

分割部はベース部材カバー部材との接合体とし、試料用流路及び空気排出用流路は両部材接合界面に形成されているものとすることができる。

0021

また、分割部はベース部材とカバー部材との接合体とし、試料用流路及び空気排出用流路は両部材の接合界面に形成されているものとした場合、第3の流路の周囲の一部の接合界面の接合強度が第3の流路の周囲の他の部分の接合界面の接合強度よりも弱くなるように、その部分に隣接する空間が形成されているようにすることができる。このような接合強度の弱い部分を設けることにより、凍結保存したときにその接合強度の弱い部分が壊れることにより、第3の流路が大きく壊れるのを防ぐことができる。

0022

一実施形態では、支持部は円盤状をなし、その円盤の円周上には分割部が複数個放射状に配置されて接続されているようにし、支持部と分割部の間を接続している部分は分割部の他の部分よりも薄く形成されているか、細い形成されているか、又は薄くかつ細く形成されているようにすることができる。

0023

他の実施形態では、支持部は円盤状をなし、その円盤の表面上には分割部を複数個放射状に配置し、分割部を嵌めこんで装着する凹部が形成されているようにし、分割部と凹部は遠心力が作用したときに分割部が遠心力方向に移動するのを阻止する形状に構成されているようにすることができる。

0024

支持部に分割部を嵌めこんで装着する凹部が形成されている実施形態では、支持部には、分割部を装着したときに抽出部に対応する位置に穴が開けられているようにすることができる。その穴の下方に容器を配置し、抽出部の上方から手で、又は器具を用いて抽出部を分割部から切断することにより、分割部から切り離された抽出部をその容器で受けて分析装置運ぶことができる。

0025

微量採血管では、他の試料と識別するためや、微量採血管を凍結保管する際に破損しないように保護するために、別途容器などを用意する必要がある。多数の試料を扱う場合は、別途用意する容器を保管するスペースが無視できない場合がある。特に冷凍庫など保管スペースに限りがある場合は、重要な問題となる。そのような問題を解決する本発明の好ましい実施形態では、支持部と分割部は、支持部に分割部が取りつけられた状態又は装着された状態において円盤状をなし、複数の円盤を積み重ねて保管できるように構成されている。これにより、保管のためのスペースが少なくてすむ。

発明の効果

0026

本発明によれば、パテなどで封止することなく、微量試料を遠心分離して所定の分離成分を抽出できるようになる。

図面の簡単な説明

0027

第1の実施例を支持部に分割部が取りつけられた状態で示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
同実施例において取り外された分割部と抽出部を示す図であり、(A)は分割部の平面図、(B)はその正面図で、(C)は切断された1つの抽出部平面図、(B)はその正面図である。
第2の実施例を支持部に分割部が装着された状態で示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
同実施例における分割部を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
同実施例における支持部を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
同実施例において分割部に試料を吸引し、抽出部を切り離すまでの工程を示す分割部と抽出部の平面図である。
第3の実施例における分割部を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。

実施例

0028

微量遠心分離用器具の第1の実施例を図1図2に示す。

0029

微量遠心分離用器具(実施例では、以下単に分離用装置という。)22は全体として円盤状をなしており、ベース1とカバー2から構成されている。中央部には円盤状の支持部20が形成され、支持部20の円盤の円周上には複数個の分割部9が支持部20から放射状に配置されている。分割部9の数は特に限定されるものではないが、この実施例では12個である。

0030

分離用装置22は、例えば樹脂材料により構成されている。その樹脂材料は特に限定されるものではないが、COPシクロオレフィンポリマー)、PMMAポリメタクリル酸メチル樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、PC(ポリカーボネート樹脂)などを用いることができる。

0031

ベース1とカバー2は接合されて一体となり、分離用装置22を構成している。その接合方法も特に限定されるものではないが、例えば、ベース1とカバー2を加熱することより貼り合せる方法、又はベース1とカバー2の互いに接合される面にプラズマ照射して接合面を活性化して貼り合せる方法などを採用することができる。

0032

分割部9は接続部8aにより支持部20に連結されている。隣接する分割部9間も接続部8bで連結されている。各分割部9には1つずつの抽出部10が設けられており、各分割部9とそれぞれの抽出部10との間は2ヶ所の接続部8c,8dで連結されている。接続部8a〜8dは、折って切断できるように、他の部分と比べると、薄く、かつ細く形成されている。

0033

支持部20と分割部9の間は接続部8aを切断することにより分割部9を支持部20から切り離すことができる。隣接する分割部9間の接続部8bを切断することにより分割部9間を相互に切り離すことができる。図2(A),(B)は、分割部9を支持部20からも、隣接する分割部9からも切り離した状態の1つの分割部9を示している。

0034

分割部9と抽出部10の間の2ヶ所の接続部8c,8dを切断することにより抽出部10を分割部9から切り離すことができる。図2(C),(D)は分割部9から切り離された状態の抽出部10を示している。

0035

支持部20、分割部9及び抽出部10はベース1とカバー2の接合体からなっている。接続部8a〜8dのうち分割部9と抽出部10の間を連結する接続部8dは、内部に後述の第2の流路5が形成されており、やはりベース1とカバー2の接合体からなっている。しかし、他の接続部8a〜8cは、部材間を折れやすく連結しているだけのものであるので、ベース1とカバー2の接合体であってもよいが、ベース1だけ又はカバー2だけからなっていてもよい。

0036

支持部20の中央には円形の穴とそれにつながり一方向に延びる長円の穴からなる貫通穴11が形成され、各分割部9の外側の周辺には切欠き12が形成されている。これらの穴11と切欠き12は、分離用装置22を遠心分離機のロータに装着するための穴である。穴11や切欠き12は、分離用装置22を遠心分離機に装着できる形状であればよく、特に図1(A)に示された形状に限定されるものではない。分離用装置22が遠心分離機に装着されて遠心分離処理されるときは、穴11の中心から外側に向かう半径方向が遠心力の作用する方向となる。

0037

分割部9に抽出部10が連結した状態のものは、図2(A)に示されるように、その平面形状は、扇形の中心部を切断した形状で、台形に近い形状をしている。その扇形の幅の狭くなった部分が接続部8aにより支持部20に連結されている。分割部9と抽出部10において、ベース1は平坦な板であり、カバー2の内側には流路を構成する凹部が形成され、さらにカバー2には試料を注入するための入口3aと、遠心分離処理の際に流路内の空気を排出するための出口3bとなる穴が形成されている。

0038

入口3aは抽出部10に形成され、出口3bは分割部9に形成され、入口3aと出口3bは分離用装置22の中心からほぼ等しい距離の位置に配置されている。入口3aはピペットなどの器具を用いて試料を注入できる大きさをもっている。分割部9と抽出部10の内部には、入口3aからは分離用装置22のほぼ半径方向の外側に向かって延びる連続した流路4,5,6が形成され、出口3bからは分離用装置22のほぼ半径方向の外側に向かって延びる流路7が形成されている。半径方向に延びる両流路は、分離用装置22の円周側で流路7の一部により連結されて一連の流路となっている。この一連の流路は、分離用装置22の中心側に入口3aと出口3bをもち、円周側でつながったほぼU字形をなしている。

0039

抽出部10は分離用装置22の半径方向に延びた形状をしており、抽出部10内には第1の流路4が分離用装置22の半径方向に延びる形状に形成され、入口3aは第1の流路4の基端側、すなわち分離用装置22の中心側に配置されている。分割部9内には第3の流路6が形成され、第3の流路6は第1の流路4が延びる方向の延長線上に配置され、分離用装置22の半径方向に延びる形状に形成されている。第1の流路4と第3の流路6は、接続部8dの中を通る第2の流路5により連結されている。

0040

分割部9内には第4の流路7が形成され、第4の流路7は第3の流路6の先端側、すなわち分離用装置22の半径方向の外側で第3の流路6に接続されている。第4の流路7は分離用装置22の周辺側で折れ曲がり、出口3bにつながるように形成されている。

0041

第1の流路4は最も断面積が大きく、第3の流路6の断面積がそれに次いで大きい。第2の流路5の断面積は第3の流路6の断面積よりも小さい。第4の流路7の断面積が最も小さい。

0042

第1の流路4は入口3aから液体試料を注入する流路である。分離用装置22を遠心分離機にかけて遠心分離処理を施す前の状態では、第1の流路4に注入された液体試料が第1の流路4と第2の流路5に留まり、第3の流路6には流入しないように、第2の流路5の断面積に対して第3の流路6の断面積が大きく設定されている。第2の流路5から第3の流路6に液体が流入するために、第2の流路5から第3の流路6に液体が広がる力が必要であるため、第2の流路5の断面積と第3の流路6の断面積の差が大きいほど、第2の流路5から第3の流路6への液体の流入を安定的に止めることができる。

0043

ここで、分離用装置22の実施例の寸法の一例を示すが、本発明はそのような寸法の実施例に限定されないことはいうまでもない。

0044

分離用装置22の全体の外形の直径は104mm、ベース1は厚みが1mm、カバー2は厚みが2mmである。第1の流路4は幅4mm、深さ1mm、長さ13.5mmで、平面形状は長円形又は長方形である。第2の流路5は幅1mm、深さ0.5mm、長さ2mmで、平面形状は長方形である。第3の流路6は幅2mm、深さ1mm、長さ10.5mmで、平面形状は長円形又は長方形である。第4の流路7は幅0.01mm、深さ0.01mm、長さ30mmで、細管状である。各流路4,5,6,7の内表面は、プラズマ照射により親水化処理が施されている。

0045

次に、この実施例の分離用装置22を用いた血液試料の処理操作について説明する。ここでは、血液試料から遠心分離により血漿又は血清を採取する場合を取り挙げる。血漿を採取する場合は血液にヘパリンなどの抗凝固剤を入れ、血清を採取する場合は抗凝固剤を入れない。ここでは血漿を採取する操作を述べるが、血清を採取する操作も同じである。

0046

マイクロピペットなどで試料として血液を40μL採取し、抽出部10に形成された入口3から第1の流路4に注入する。注入された血液は、第1の流路4を流れて第2の流路5に到達して流れが止まる。分離用装置22には複数個の抽出部10が設けられているので、抽出部10の数だけの血液試料を処理することができる。必ずしも全ての抽出部10を使用しなければならないというものではなく、処理しようとする血液試料の数に応じて必要な数だけの抽出部10に血液試料を抽出すればよい。

0047

必要な数の抽出部10に血液を注入した後、分離用装置22を遠心機のロータに装着し、ロータを回転させて遠心分離を行う。ロータの回転方向は、図1(A)では時計回りである。遠心分離の条件は、例えば回転数10,000rpm、時間5分であるが、血球と血漿が分離するのであれば別の条件でもよい。

0048

遠心分離後、血液のおおよそ体積の半分(ヘマトクリット値)が血球成分になる。この実施例では、第3の流路6の容量は約20μLに設計されているため、血球成分は第3の流路6に集まり、血漿成分は第1の流路4に集まることになる。

0049

遠心分離の際、血液は第3の流路6に流れ込み、さらに第4の流路7にも流れ込む。血液が第3の流路6及び第4の流路7に流れ込むことにより、もともとそれらの流路にあった空気が第4の流路7を経て出口3bから排出される。第4の流路7は流路内の空気を排出して遠心分離を円滑に行うことができるようにするのが目的であるので、第4の流路7の容積は小さければ小さいほど好ましい。この実施例では、第4の流路7は細管状に形成されており、第4の流路7の容積は第1〜3の流路4〜6の合計容積に比べてごく小さく、例えば1/100以下の容積となるように設定されているので、第4の流路7に流れ込んだ血液の量は流路4〜6の残る血液の量に比べて無視することができる。

0050

また、入口3aと出口3bが分離用装置22の中心からほぼ等しい位置にあり、第1の流路4での血液が入口3aよりも遠心方向に離れた位置にくるため、第4の流路7に流れ込んだ血液が出口3bに至ることはなく、したがって、第4の流路7に流れ込んだ血液が出口3bから排出されることはない。

0051

遠心分離後、分離された血漿成分を分析などの試料として供する場合は、接続部8c,8dを折って切断することにより抽出部10を分割部9から取り外す。接続部8d側の抽出部10の端面に露出した第1の流路4から血漿成分を抽出するには、その露出部分に濾紙などの吸着材押し付ければよい。その吸着材に抽出された血漿成分を分析試料することができる。また、抽出部10に形成された入口3から血漿成分を取り出すこともできる。

0052

接続部8dを切断すると、その部分に形成されていた第2の流路5に存在する血液は捨てられることになる。しかし、この実施例では、第4の流路7の容量は1μL未満になるように設計し、捨てられる血液量を減らしている。

0053

分離用装置22の複数の抽出部10のうち、一部の抽出部10のみしか使用しなかった場合は、使用した抽出部10をもつ分割部9のみを分離用装置22から取り外し、使わなかった抽出部10をもつ分割部9を分離用装置22に残すことにより、使わなかった抽出部10が残った分離用装置22を別の試料の遠心分離処理に用いることができる。

0054

遠心分離後にすぐに分析を行わないで、遠心分離した状態の血液試料を凍結保存する場合もある。その場合、分離用装置22に分割部9と抽出部10がついた状態で分離用装置22のままで凍結保存することができる。分離用装置22は、抽出部10を保護するための別の容器などは必要ではなく、また円盤状に形成されているので、凍結保存する際に複数の分離用装置22を重ねて保存することができ、保存のためのスペースが小さくてすむ利点がある。

0055

また、分離用装置22には複数の抽出部10が設けられているので、1つの分離用装置22あたり複数の試料を凍結保存することができる。複数の分離用装置22を重ねて保存するようにすれば、遠心分離後の多数の試料を小さいスペースに保存できる利点もある。

0056

さらに、遠心分離後に抽出部10がついた状態の分割部9を分離用装置22から取り外して図2(A)の状態にし、その状態の抽出部10がついた分割部9を凍結保存することもできる。抽出部10がついた分割部9も抽出部10を保護するための別の容器などは必要ではなく、また抽出部10がついた分割部9は扁平な形状をしているので、重ね合わせて保存することができ、保存のためのスペースが小さくてすむ利点がある。

0057

分割部9には試料を識別するためのバーコードラベルなどの識別ラベルを貼るスペースがあるので、抽出部10がついた分割部9の状態で保存する場合にも、識別ラベルを貼るための別の容器などは不要である。

0058

分離用装置の第2の実施例を図3から図6に示す。

0059

この実施例の分離用装置122は、図5に示される支持部120と、図4に示される分割部109とからなる。支持部120に分割部109を保持し、遠心分離機に装着して遠心分離処理を施すようになっている。

0060

分割部109はベース101とカバー102から構成されている。分割部109の平面形状は中間部109a、先端部109b及び基端部109cからなり、中間部109aの幅がもっとも広く、先端部109bの幅が中間部109aの幅よりも狭く、基端部109cの幅が先端部109bの幅よりもさらに狭くなっている。ここでは、分割部109を支持部120に載せたときに支持部120の中心を向く側を基端側、その反対側を先端側と呼んでいる。

0061

中間部109aから先端部109bに至る形状は中間部109aの幅を長辺とする台形である。中間部109aから基端部109cに至る形状は、全体としては中間部109aの幅を長辺とする台形であり、その一部に抽出部110を設けるための切欠き130が設けられている。

0062

分割部109はベース101とカバー102が接合されて一体化されて構成されたものである。分割部109は例えば樹脂材料により構成されている。その樹脂材料は特に限定されるものではないが、第1の実施例と同様に、COP、PMMA、PP、PCなどを用いることができる。

0063

ベース101とカバー102の接合方法も特に限定されるものではないが、これも第1の実施例と同様に、例えば、ベース101とカバー102を加熱することより貼り合せる方法、又はベース101とカバー102の互いに接合される面にプラズマを照射して接合面を活性化して貼り合せる方法などを採用することができる。

0064

分割部109内には基端部109cから先端部109bに向かって延びる連続した第1の流路104、第2の流路105及び第3の流路106が形成されている。第1の流路104は切欠き130の部分に形成された抽出部110を経由して分割部109の中間部109aに至る長さに形成されている。また、第1の流路104は基端部109cの端面に開口をもち、その開口が試料を吸入するための入口103aとなっている。

0065

第1の流路104は入口103aから毛細管現象により液体試料を吸入するものである。そのため、第1の流路104の断面積は毛細管現象を起こす小ささに設定されている。また、上に例示した樹脂材料は疎水性であるので、少なくとも、毛細管現象により試料を吸引する第1の流路104の内面と入口103aは親水性になるように処理されていることが好ましい。親水性化処理としては、プラズマ照射のほか、ヘパリン、EDTAエチレンジアミン四酢酸)などをコーティングする方法を用いることができる。

0066

分割部109内には、流路104〜106にほぼ並行に延びる第4の流路107がさらに形成されている。第4の流路107は第3の流路106の先端側で第3の流路106に接続されている。第4の流路107は先端側で折れ曲がり、基端側の側面まで延び、その側面で開口し、その開口が空気排出用の出口103bとなっている。遠心処理の際に血液が第4の流路107を経て出口103bから出ることがないように、出口103bは遠心分離後の第1の流路104内の血液よりも基端部側にくる位置に配置されている。

0067

第1の流路104と第3の流路106の断面積に比べて第2の流路105の断面積が小さく、第4の流路107の断面積が最も小さい。第1の実施例と同様に、第4の流路107は細管状に形成されており、第4の流路107の容積は第1〜3の流路104〜106の合計容積に比べてごく小さく、例えば1/100以下の容積となるように設定されている。

0068

第1の流路104は入口103aから液体試料を毛細管現象により吸入する流路であり、液体を吸入できる毛細管力が発生するサイズに設計されている。分離用装置122を遠心分離機にかけて遠心分離処理を施す前の状態では、第1の流路104に吸入された液体試料が第1の流路104と第2の流路105に留まり、第3の流路106には流入しないように、第2の流路105の断面積に対して第3の流路106の断面積が大きく設定されている。この点は第1の実施例と同様である。

0069

分割部109の切欠き130に設けられた抽出部110の中を第1の流路104が通っている。抽出部110は血漿又は血清を採取するためのものであるので、抽出部110の位置は、遠心処理後に第1の流路104内で血漿又は血清が存在する位置である。

0070

抽出部110は切欠き130内において、基端側で接続部108aにより分割部109に連結され、先端側で接続部108bにより分割部109に連結されている。

0071

接続部108a,108bは切断しやすいように、他の部分と比べると薄く形成されているのが好ましい。接続部108aと108bを切断することにより、抽出部110を分割部109から取り外すことができる。

0072

支持部120は、図5(A),(B)に示されるように、円盤状のプレートに分割部109を嵌めこんで保持する複数個の凹部118が形成されたものである。凹部118の数は特に限定されるものではなく、この実施例では15個としているが、任意に決めることができる。分割部109をより多く保持できるようにする方が、一度の遠心分離操作で処理できる分割部109の数が多くなり、また、支持部120に分割部109を保持した状態で保管する場合には、より少ないスペースに多くの分割部109を保管できるので、好都合である。

0073

支持部120を遠心分離機に装着するために、中心部に穴111、周辺部に複数個の切欠き112が形成されている。穴111の形状はここでは円形としているが、第1の実施例のような形状の穴でもよく、また切欠き112の数も特に制限はない。

0074

支持部120の凹部118の平面形状は分割部109の形状に対応したものであり、中間部118aの幅が最も広く、先端部118bに向かって幅が狭くなっている。中間部118aが分割部109の中間部109aに対応し、先端部118bが分割部109の先端部109bに対応している。支持部120の凹部118に分割部109を嵌めこんで保持した状態が図3(A),(B)に示された状態である。

0075

支持部120に分割部109を保持した状態で支持部120を遠心分離機に装着し、支持部120を回転させたとき、分割部109には回転の中心から外向きに遠心力が働くが、支持部120の凹部118では先端部118aの幅が狭くなっているので、分割部109が支持部120から遠心力方向に飛び出すことはない。このように、分割部109と凹部118は、遠心力が作用したときに分割部109が遠心力方向に移動するのを阻止する形状に構成されている。

0076

凹部118の深さは、分割部109が支持部120の凹部118から脱離しない厚さであれば、分割部109の厚みよりも浅くてもよい。この実施例では遠心処理の際に分割部109が支持部120の凹部118から外れるおそれをより少なくするために、凹部118の深さを分割部109の厚みよりも深くしている。凹部118の深さを分割部109の厚みよりも深くすればするほど、支持部120に分割部109を保持して、支持部120を厚み方向に積み重ねたとき、分割部109とその上に重ねられた支持部120の底面との間に無駄な空間が生じる。そのため、凹部118の深さは分割部109の厚さに等しいか、それより僅かに深い程度が好ましい。

0077

この実施例では、支持部120には、凹部118に分割部109を保持したときに、抽出部110に相当する部位に貫通穴116が形成されている。貫通穴116の大きさは、抽出部110とその両端の2つの接続部108a,108bを含む大きさが好ましい。貫通穴116は、遠心処理の後、支持部120に分割部109を保持した状態で分割部109から抽出部110を取り外す際に利用される。支持部120に分割部109を保持した状態で、2つの接続部108a,108bを上から押して切断するように製作された工具作業者が押し当て、又はそのような工具をもつ装置に支持部120を装着して、接続部108a,108bを切断して分割部9から抽出部110を取り外すように利用される。そのような工具又は装置は、一度に複数個の抽出部110を取り外すように製作されているのが好ましい。

0078

また、凹部118の基端部には、分割部109の基端部109cに相当する部位に凹部117が形成されている。分割部109の第1の流路104には、基端部109cの入口103aから血液を吸引するので、基端部109cの近傍に血液が付着して残っていた場合に、支持部120に付着しないようにするためである。

0079

支持部120の材質は特に限定されないが、分割部109と同じ材質としてもよい。

0080

分離用装置122の実施例の寸法の一例を示すが、本発明はそのような寸法の実施例に限定されないことはいうまでもない。分割部109のベース101は厚みが1mm、カバー102は厚みが2mmである。第1の流路104は毛細管力により液体を吸引できるように、例えば、幅が1.6mm、深さが1mmである。長さは吸引しようとする血液量によってすればよいが、例えば25mmである。第2の流路105は幅が1mm、深さが0.5mm、長さが1mmである。第3の流路106は幅が1.6mm、深さが1mm、長さが4mmである。第4の流路107は幅が0.01mm、深さが0.01mm、長さが30mmである。各流路表面は、プラズマ照射により、親水化処理が施されている。

0081

分割部109において、第1の流路104の断面積を第3の流路106の断面積よりも小さくした場合は、第2の流路105を設けなくてもよい場合がある。言い替えると、第1の流路104に第3の流路106が直接接続された状態となる。第1の流路104と第3の流路106との接続部では、第1の流路104から第3の流路106にかけて流路断面積が拡大するので、その拡大の程度によっては、毛細管現象により吸引された血液はその接続部で停止し、第3の流路106には流れ込まないようになる。

0082

分割部109は毛細管現象による採血を行いやすくするために、図4鎖線で示すように、第1の流路104に開口104aを設けてもよい。その開口104aの位置は入口103aとは反対側の位置で、第2の流路105に近い位置であることが好ましい。その開口104aを設けた場合、遠心分離時はふさぐ必要がある。その一例として、遠心分離時に粘着シールを貼ってその開口104aを塞ぐようにすることができる。また、例えば、分割部109を支持部120に装着する際、その開口104aのある側を支持部120側にして装着するようにし、支持部120にはその装着される分割部109の開口104aに対応する位置に突起を設けて、その突起で開口104aを塞ぐようにすることができる。

0083

分割部109は毛細管現象による採血を行いやすくするために、空気排出用流路である第4の流路107の断面積を大きくしてもよい。毛細管現象による採血をより容易にすることを重視するなら、第4の流路107の断面積を第1の流路104の断面積と同じかそれ以上にすればよい。しかし、第4の流路107の断面積を大きくすると遠心分離の際に第4の流路107にも血液が入って無駄な血液量が増えるので、血液試料が多い場合には第4の流路107の断面積を大きくした実施例が有効になる。

0084

次に、この実施例の分離用装置122を用いた血液試料の処理操作について、図6を参照して説明する。ここでも、血液試料から遠心分離により血漿を採取する場合を取り挙げるが、血清を採取する場合も同様である。

0085

(A)血液を吸引するに際し、分割部109を支持部120から取り出す。

0086

(B)試料として血液128を40μL吸引する。吸引される血液量は第1の流路104と第2の流路105の容量により決まる。分割部109の基端側の端面に露出している入口103aを血液に触れさせると、毛細管現象により血液が第1の流路104に吸引される。吸引された血液128が第2の流路105を満たしたところで吸引が止まる。

0087

(C)分割部109を支持部120に戻し、遠心機で遠心分離をする。遠心分離により血液が血球成分129と血漿成分130に分かれる。

0088

(D)手で、又は工具もしくは装置を使用して、抽出部110をその両端の切断部108a,108bで切断して分割部109から取り外す。抽出部110を分析装置の所定の容器に入れ、分析装置に装着して分析する。

0089

この実施例においても、遠心処理後の分割部109を支持部120に保持した状態で冷凍保管することができる。支持部120に分割部109を保持した状態も円盤状であるので、分割部109を保持した支持部120を積み重ねて保管することができる。

0090

図7は第3の実施例を示している。第1の実施例の分割部9を凍結保存した場合、第3の流路6の近傍でベース1とカバー2の接合界面が剥離する場合がある。これは、第3の流路6よりも断面積が小さい第2の流路5と第4の流路7にある液体が、第3の流路6にある液体よりも先に凍ることで、第3の流路6にある液体が凍る際に体積が膨張することにより生じる現象であると考えられる。この現象は第2の実施例の分割部109でもみられる。

0091

そのため、そのような接合界面の剥離を制御するために、図7に示されるように、第3の流路106の近傍、例えば1mm以内の位置に空間121を形成する。この実施例では、空間121は第3の流路106の両側に配置しているが、空間121は第3の流路106の片側にのみ配置してもよい。第3の流路106の近傍に空間121を形成することにより、第3の流路106と空間121の間の接合界面の強度が第3の流路106の周囲の他の部分に比べて弱くなるので、第3の流路106内の液体が凍る際に第3の流路106と空間121の間の接合界面が選択的に剥離することにより、第3の流路106の周囲の他の部分の接合界面の剥離を防止することができる。

0092

第3の流路106と空間121の間の接合界面が剥離することにより、第3の流路106の液体が空間121に流れ込み、その分の液体がロスになる。そのため、空間121は、例えば深さが0.01mm、幅が1mm、長さが3.5mmというような微量の容量に設計することにより、試料の血球などが間121に流れ込んでもほとんどロスがないようにすることができる。

0093

1,101ベース
2,102カバー
3a,103a 入口
3b,103b出口
4,104 第1の流路
5,105 第2の流路
6,106 第3の流路
7,107 第4の流路(空気排出用流路)
8a〜8d,108a,108b 接続部
9,109 分割部
10,110 抽出部
20,120 支持部
22,122分離用装置
116 穴
118 凹部

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