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技術 乗務員行路仕業作成システム及び乗務員行路仕業作成方法

出願人 株式会社東芝東芝デジタルソリューションズ株式会社
発明者 久保英樹
出願日 2014年7月8日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2016-532798
公開日 2017年4月27日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 WO2016-006014
状態 特許登録済
技術分野 特定用途計算機
主要キーワード 分割開始位置 組立条件 路線長 許容時間範囲 組み合わせ式 切断ポイント 乗り替え 種平均値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月27日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

組み合わせ数爆発を防ぎ、処理の高速化及び汎用化が可能な乗務員行路仕業作成システム及び乗務員行路仕業作成方法を提供する。車両運用を所定の目標時間で分割する分割数を求め、予め設定した分割候補点のいずれかで分割した場合の各行路コストを計算し、このコストが最小となる分割点で行路を分割する行路分割手段を有する。また、分割された行路の連続組立数を定め、複数の前記車両運用ごとに、それらの分割数が連続組立数で割り切れるか判断する。割り切れない車両運用は、連続組立数で組み立てられる連続した行路と余りの行路との組み合わせパターンを列挙し、これらパターンごとの余り行路と他の車両運用のパターンごとの余り行路とを組み合わせて組立てる。そして、この連続組立数に組立られた行路が、予定許容時間範囲内であれば、これらのコストを計算し、最もコストの低い組立られた行路を乗務員仕業とする。

概要

背景

鉄道バス事業では、所有する車両を使って早朝から深夜まで運用している。この場合、その乗務員は車両の運用に従い、1人の1日の勤務時間を意識して交代して乗務する。例えば、車両が早朝から深夜まで連続して運用される場合、早朝から昼、昼から夕刻、夕刻から深夜まで、3人の乗務員が交代して乗務することで、その車両を運用する。

乗務員は1日の勤務時間が8時間とすると、その時間は連続に勤務することができる。一方で乗務を8時間連続するようなことは避けなければならない。路線長が短いと、終端駅での折り返しが発生するので、そこで十分な間合いを取って休憩できるならば、乗務が連続せず、8時間の連続勤務も可能である。しかし、路線長が長く、連続乗務時間が長い場合は、安全を考え、途中で交代する必要がある。例えば、3時間連続して乗務した後は1時間休憩をし、それを2回組み合わせて1日の勤務にする。

このような背景から、乗務員の仕業(乗務員が1回の出勤でこなす勤務内容の単位)は、車両の運用をいくつかに分割した時間の短い乗務行路を、他の車両運用の分割した行路と組み合わせて1日8時間の勤務になるように作られることが多い。

一方、鉄道やバスなど運輸業の経営側は、上記のように安全を考えつつも、乗務員コストの低減を目指して乗務員数を最小にし、休憩時間も必要最小限になるよう乗務員仕業を組みたいと考える。

従来は、安全性を確保した上で、コスト的に最適な条件を満たす乗務員行路の組み合わせと、それから組み立てられた乗務員仕業を、計画担当者試行錯誤しながらで探し出してきた。しかし、行路を分割できるタイミングは無数にあり、それを組み合わせた仕業は、無限に作ることができる。このような数多くの組み合わせを検証し考え出すことは、人間の作業では困難であり、ある程度割り切って行路と仕業を決定している。そのため本当に最適な行路を見つけ出せているわけではないと考えられる。

そこで、この作業をシステム化し、コンピュータの力を借りて、すべての組み合わせを計算して、最適な組み合わせを見つけ出そうとしてきた。このようなシステムでは、分割できる行路パターンをすべて列挙し、その組み合わせをすべて計算することで、最適な仕業を見つけ出そうとする。しかし、乗務員の1回の乗車行路を小さく(車両運用の分割数を多く)すればするほど、分割した行路のパターン数が増え、その組み合わせ数が多くなり、計算に時間がかかる。このように考えられたシステムでは、最適な組み合わせを算出するのに数時間以上かかることもある。このため、規模の大きな事業者では飛躍的に組み合わせ数が多くなり、許容できる時間内に処理結果を得ることができない問題があった。

そのため、従来のシステムでは計算量を減らす工夫が様々に行われてきた。例えば、多数存在する組み合わせから、計算不要にする条件を定め、組み合わせ木の枝刈りを行う、或いは、予め行路の分割パターンや仕業組立パターンを定めておく。これらによって、計算量を減らして高速化しようとしてきた。

しかし、路線の条件や、車両運用の条件が事業者によって異なり、上述の方法では、その事業者特有のパターンになってしまうことから、汎用化することが難しかった。そこで、汎用的な手法で計算量を削減し、処理を高速化できることが望まれている。

概要

組み合わせ数の爆発を防ぎ、処理の高速化及び汎用化が可能な乗務員行路仕業作成システム及び乗務員行路仕業作成方法を提供する。車両運用を所定の目標時間で分割する分割数を求め、予め設定した分割候補点のいずれかで分割した場合の各行路のコストを計算し、このコストが最小となる分割点で行路を分割する行路分割手段を有する。また、分割された行路の連続組立数を定め、複数の前記車両運用ごとに、それらの分割数が連続組立数で割り切れるか判断する。割り切れない車両運用は、連続組立数で組み立てられる連続した行路と余りの行路との組み合わせパターンを列挙し、これらパターンごとの余り行路と他の車両運用のパターンごとの余り行路とを組み合わせて組立てる。そして、この連続組立数に組立られた行路が、予定許容時間範囲内であれば、これらのコストを計算し、最もコストの低い組立られた行路を乗務員仕業とする。

目的

本発明では、組み合わせ数の爆発によって、許容できる時間内に処理ができなくなるのを防ぐことができ、処理の高速化及び汎用化が可能な乗務員行路仕業作成システム及び乗務員行路仕業作成方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

車両の出庫から入庫までの車両運用を、所定の目標時間で分割する分割数を求め、予め設定した複数の分割候補点のいずれかで前記分割数に分割した場合の分割された各行路コストを計算し、このコストが最小となる分割点を決定し、行路を分割する行路分割部と、前記分割された行路の連続組立数を定め、複数の前記車両運用ごとに、それらの前記分割数が前記連続組立数で割り切れるか判断し、割り切れない車両運用については、前記連続組立数で組み立てられる連続した行路と余りの行路との組み合わせパターンを列挙し、これらパターンごとの余り行路と他の車両運用のパターンごとの余り行路とを組み合わせて前記連続組立数に組立て、この連続組立数に組立られた行路が、予め設定した組み立て行路許容時間範囲内であれば、これら連続組立数に組立られた行路のコストを計算し、最もコストの低い組立られた行路を乗務員仕業とする仕業組立部と、を備えたことを特徴とする乗務員行路仕業作成システム

請求項2

前記コストは、計算対象となる行路の乗務員勤務時間乗務時間、休憩時間に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の乗務員行路仕業作成システム。

請求項3

前記目標時間は、おおよその分割点を定めるための値であることを特徴とする請求項1に記載の乗務員行路仕業作成システム。

請求項4

前記目標時間は、その値を超えてはならない上限値であることを特徴とする請求項1に記載の乗務員行路仕業作成システム。

請求項5

車両の出庫から入庫までの車両運用を、所定の目標時間で分割する分割数を求める工程と、予め設定した複数の分割候補点のいずれかで前記分割数に分割した場合の、分割された各行路によるコストを計算し、このコストが最小となる分割点を決定して前記車両運用を分割する工程と、前記分割された行路を連続組立できる連続組立数を定める工程と、複数の前記車両運用ごとに、それらの前記分割数が前記連続組立数で割り切れるか判断する工程と、割り切れない車両運用については、前記連続組立数で組み立てられる連続した行路と余りの行路との組み合わせパターンを列挙する工程と、これらパターンごとの余り行路と他の車両運用のパターンごとの余り行路とを組み合わせて前記連続組立数に組立て、この連続組立数に組立られた行路が、予め設定した組み立て行路許容時間範囲内であれば、これら連続組立数に組立られた行路のコストを計算し、最もコストの低い組立られた行路を乗務員仕業とする工程と、を有することを特徴とする乗務員行路仕業作成方法

技術分野

0001

本発明の実施形態は、鉄道バス路線、或いは長距離トラック輸送などの交通運輸事業に適用可能な乗務員行路仕業作成システム及び乗務員行路仕業作成方法に関する。

背景技術

0002

鉄道やバス事業では、所有する車両を使って早朝から深夜まで運用している。この場合、その乗務員は車両の運用に従い、1人の1日の勤務時間を意識して交代して乗務する。例えば、車両が早朝から深夜まで連続して運用される場合、早朝から昼、昼から夕刻、夕刻から深夜まで、3人の乗務員が交代して乗務することで、その車両を運用する。

0003

乗務員は1日の勤務時間が8時間とすると、その時間は連続に勤務することができる。一方で乗務を8時間連続するようなことは避けなければならない。路線長が短いと、終端駅での折り返しが発生するので、そこで十分な間合いを取って休憩できるならば、乗務が連続せず、8時間の連続勤務も可能である。しかし、路線長が長く、連続乗務時間が長い場合は、安全を考え、途中で交代する必要がある。例えば、3時間連続して乗務した後は1時間休憩をし、それを2回組み合わせて1日の勤務にする。

0004

このような背景から、乗務員の仕業(乗務員が1回の出勤でこなす勤務内容の単位)は、車両の運用をいくつかに分割した時間の短い乗務行路を、他の車両運用の分割した行路と組み合わせて1日8時間の勤務になるように作られることが多い。

0005

一方、鉄道やバスなど運輸業の経営側は、上記のように安全を考えつつも、乗務員コストの低減を目指して乗務員数を最小にし、休憩時間も必要最小限になるよう乗務員仕業を組みたいと考える。

0006

従来は、安全性を確保した上で、コスト的に最適な条件を満たす乗務員行路の組み合わせと、それから組み立てられた乗務員仕業を、計画担当者試行錯誤しながらで探し出してきた。しかし、行路を分割できるタイミングは無数にあり、それを組み合わせた仕業は、無限に作ることができる。このような数多くの組み合わせを検証し考え出すことは、人間の作業では困難であり、ある程度割り切って行路と仕業を決定している。そのため本当に最適な行路を見つけ出せているわけではないと考えられる。

0007

そこで、この作業をシステム化し、コンピュータの力を借りて、すべての組み合わせを計算して、最適な組み合わせを見つけ出そうとしてきた。このようなシステムでは、分割できる行路パターンをすべて列挙し、その組み合わせをすべて計算することで、最適な仕業を見つけ出そうとする。しかし、乗務員の1回の乗車行路を小さく(車両運用の分割数を多く)すればするほど、分割した行路のパターン数が増え、その組み合わせ数が多くなり、計算に時間がかかる。このように考えられたシステムでは、最適な組み合わせを算出するのに数時間以上かかることもある。このため、規模の大きな事業者では飛躍的に組み合わせ数が多くなり、許容できる時間内に処理結果を得ることができない問題があった。

0008

そのため、従来のシステムでは計算量を減らす工夫が様々に行われてきた。例えば、多数存在する組み合わせから、計算不要にする条件を定め、組み合わせ木の枝刈りを行う、或いは、予め行路の分割パターンや仕業組立パターンを定めておく。これらによって、計算量を減らして高速化しようとしてきた。

0009

しかし、路線の条件や、車両運用の条件が事業者によって異なり、上述の方法では、その事業者特有のパターンになってしまうことから、汎用化することが難しかった。そこで、汎用的な手法で計算量を削減し、処理を高速化できることが望まれている。

先行技術

0010

特開2013−11976号公報
特開平10−175550号公報
特開2003−154939号公報

発明が解決しようとする課題

0011

このように、従来のシステムでは、分割した行路を組み立てる際に、車両運用に含まれるすべての行路を使って、車両運用間で組み合わせを作るため、無数に組み合わせが存在するなかでの最適な組み合わせを見つけていた。このため、分割した行路数が増えると飛躍的の行路数が増え、組み合わせ数も階乗で大きくなり、多くの処理時間がかかってしまう。そこで組み合わせを間引く処理や条件を入れることによって処理量を減らしてきたが、この手法では汎用化することが難しかった。

0012

本発明では、組み合わせ数の爆発によって、許容できる時間内に処理ができなくなるのを防ぐことができ、処理の高速化及び汎用化が可能な乗務員行路仕業作成システム及び乗務員行路仕業作成方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明の実施の形態に係る乗務員行路仕業作成システムは、車両の出庫から入庫までの車両運用を、所定の目標時間で分割する分割数を求め、予め設定した複数の分割候補点のいずれかで前記分割数に分割した場合の分割された各行路のコストを計算し、このコストが最小となる分割点を決定し、行路を分割する行路分割部と、前記分割された行路の連続組立数を定め、複数の前記車両運用ごとに、それらの前記分割数が前記連続組立数で割り切れるか判断し、割り切れない車両運用については、前記連続組立数で組み立てられる連続した行路と余りの行路との組み合わせパターンを列挙し、これらパターンごとの余り行路と他の車両運用のパターンごとの余り行路とを組み合わせて前記連続組立数に組立て、この連続組立数に組立られた行路が、予め設定した組み立て行路許容時間範囲内であれば、これら連続組立数に組立られた行路のコストを計算し、最もコストの低い組立られた行路を乗務員仕業とする仕業組立部と、を備えたことを特徴とする。

0014

本発明の実施の形態によれば、連続する行路による仕業の組み合わせから余った行路だけを使って組み合わせることにより、組み合わせ数を削減している。すなわち、すべての行路の組み合わせを計算するのではなく、連続する行路を除いた余り行路のみを使って組み合わせを計算する。このように、車両運用ごとに存在する余り行路だけを使って組み合わせを作るために数が限定され、処理を高速化することができる。また、汎用化も可能となる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の一実施形態に用いられる車両運用の説明図である。
本発明の一実施形態における車両運用の余り行路を説明する図である。
本発明の一実施形態における車両運用の余り行路の発生位置を説明する図である。
本発明の一実施形態に係る乗務員行路仕業作成システムを説明する構成図である。
本発明の一実施形態に係る乗務員行路仕業作成システムをネットワークを介するWebやクラウドで構成した場合を説明する構成図である。
本発明の一実施形態における行路分割処理を説明するフローチャートである。
本発明の一実施形態における行路分割処理に用いる設定画面図である。
本発明の一実施形態における行路分割処理に説明するダイヤ図である。
本発明の一実施形態における分割された行路のコスト計算を説明する図である。
本発明の一実施形態における仕業組立処理を説明するフローチャートである。
本発明の一実施形態における仕業組立処理に用いる設定画面図である。
本発明の一実施形態における余り行路の生じない仕業組立処理を説明する図である。
本発明の一実施形態における余り行路の生じる場合の仕業組立処理を説明する図である。
同じく本発明の一実施形態における余り行路の生じる場合の仕業組立処理を説明する図である。
本発明の一実施形態における車両運用ごとに生じる余り行路の分布を説明する図である。
本発明の一実施形態における車両運用ごとの余り行路の組み合わせ状態を説明する図である。
本発明の一実施形態における組み立てられた余り行路の勤務時間計が許容範囲に入るかを説明する図である。
本発明の一実施形態が適用される実例の線路構成を示す図である。
本発明の一実施形態が適用される実例での複数の車両運用のダイヤを説明する図である。
図18で示した運用1のダイヤと分割された行路との関係を示す図である。
図18で示した運用2のダイヤと分割された行路との関係を示す図である。
図18で示した運用3のダイヤと分割された行路との関係を示す図である。
図18で示した運用4のダイヤと分割された行路との関係を示す図である。
図18で示した運用1と運用4とに生じる余り行路とその組み合わせ状態とを説明する図である。
本発明の一実施形態が適用される実例での行路組み合わせを一般化して示し、その計三回数を開設するための図である。

実施例

0016

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。

0017

先ず、本発明の実施の形態について、基本的な考え方を説明する。この実施の形態では、乗務員仕業を作成する際の組み合わせ数を減らす処理として、行路分割と行路組み立ての2段階の処理を実施する。

0018

行路の分割は、分割後の行路の時間の目標値を設定し、乗員交替できる拠点を分割候補点として条件設定する。そして、設定された分割候補点の何処で車両運用を分割すればよいかコストに置き換え計算し、コストが最小になる分割箇所を特定し、車両運用の切断箇所を決定する。

0019

行路組立では、分割した行路使って、最適な組み合わせを求め、乗務員仕業を作成する。この際、同じ車両で連続乗務した方が効率がよいと考え、先ず、車両運用の中で、組立条件(連続組立数)に合った連続行路の組み合わせを、できるだけ多数作って仕業とする。次に、車両運用の中で上述した連続行路の組み合わせから余った行路を、同様に他の車両運用でも余った行路と組み合わせて連続行路を組立て、仕業とする。この余った行路同士で組み立てた仕業から最適な仕業になる組み合わせを決定する。すなわち、仕業時間が最小にできるか、休憩時間が最低限確保できるか、という値をコスト化し、最適な仕業になる組み合わせを決定する。このような計算手法を用いることにより、組み合わせ数を削減し、最適な仕業を速く見つける。

0020

この手法の特徴は、同じ車両運用上で連続して乗務することが最も効率がよいと考えることが基本にある。よって行路の連続性を最初に考え、行路を連続して組立てる連続組立数をはじめに決める。例えば、分割された行路が目標時間2時間の行路であれば、仕業時間が8時間の場合、4という値が連続組立数として決まる。この連続組立数を使って同一車両運用内の行路を組み立てる。その結果、端数が出ずに連続した仕業にうまく組み立てできた場合は、仕業が成立したとして以後の処理から除外する。これに対し、端数(余り)の行路が出る車両運用では、上述のように連続性を考えて行路を組立て、その結果生じる行路の余りが、どこに発生するかのパターンを洗い出す。その余り行路の発生パターンの組み合わせから最適な仕業を見つける。もちろん余り行路の組み合わせが決定するということは、連続した行路も決定されているのである。

0021

例えば、図1で示すように、4時から20時まで16時間の車両運用1と、6時から翌日の2時まで20時間の車両運用2との、2つの車両運用があるとする。乗務員の勤務時間は、8時間が基本とすると、車両運用1の場合は、4時から12時までの8時間と、12時から20時までの8時間の2人の勤務で運用する。こうすると、ぴったり8時間ごとの勤務になり、超過時間もなく、1つの車両を担当することができ、無駄がない。車両運用2の場合は、8時間ごとの勤務を行うとすると4時間の端数がでる。このように、乗務を分割すると、8時間の勤務が2つと、4時間の勤務に分かれるので、この時は4時間の勤務を他の車両運用で同じように発生する余りの4時間と組み合わせて8時間勤務にする。

0022

以上の事例では、余りの4時間を車両運用の真ん中にしたが、組み合わせる他の勤務によっては、図3で示すように、早朝側(パターン1)、深夜側(パターン3)に余りの行路を配置した方がよいかもしれない。

0023

これは、乗務員の仕業を、8時間の勤務の内、4時間を2つ組み合わせて(連続組立数は2)作ろうと考えている。乗務員の仕業の元になる車両運用は長さがさまざまであるが、それを4時間の長さの行路に分割して、その4時間の余り行路同士で組み立てる。その組み合わせの内、最も無駄のない(行路と行路の時間が空いていない、総勤務時間が最も少ない)組み合わせが、最もよい組み合わせになる。つまり同じ車両運用内で2つ連続している行路は、もともと無駄がないので、組み合わせる必要がない。

0024

余り行路が生じる場合は、車両運用ごとに余り行路が発生する可能性がある場所と、車両運用間での組み合わせの数だけ、勤務時間を計算する。最小の組み合わせが求まれば、それが最も無駄のない余り行路の組み合わせとなる。その余り行路の組み合わせができる2つの連続した行路をすべての車両運用で確定させる。

0025

このような考え方で、乗務員行路を作る時は、最初に車両運用を分割するための目標とする時間を定める。すなわち、8時間勤務であれば2分割で4時間、3分割で2時間40分、・・・・・というように定め、その時間を目標とする時間として、これにできるだけ近い時間幅で車両運用の行路を切断し、分割する。この切断された行路を予め設定した連続組立数で再組立てする。このとき、余りとなる行路が生じた場合、この余り行路を組み合わせることで、効率的に乗務員行路を作成できる。

0026

より精度を求めるときは、分割数を増やしていけば、分割精度が高まり、組み合わせ性もよいが、分割数を増やすと余り行路の発生数と、余り行路が存在する可能性が増え、車両運用間で組み合わせが増える。しかし、従来の全組み合わせに比べ、余り行路だけの組み合わせなので、組み合わせ数で比較すると余り行路の方が少ない。

0027

乗務員行路の元となる車両は、早朝から深夜までにわたり運用されていて、その車両運用を複数の乗務員によってつないでいくのが乗務員行路である。この実施の形態では、乗務員行路を、各種条件に従って複数の行路の組み合わせにし、その組み合わせを総当たりしてコスト計算し、コスト最小最良な行路を見つけて分割する処理である。

0028

この処理は、その事業者の路線特有なパターンのような個々の事業者に依存する条件はなく、行路や仕業の時間と組み合わせの考え方によってのみで計算量を減らし、速く処理ができるものである。

0029

以下、具体的に説明する、本システムは、図4のように記憶装置11に格納された車両運用データ12、行路データ13、仕業データ14と分割組立に必要な条件データ15を使って、乗務員行路の組み立てから仕業を自動作成する乗務員運用作成処理部16を持つ。乗務員運用作成処理部16は、行路分割部161と仕業組立部162とを有し、これらによる2段階の処理を行う。最初の段階では、行路分割部161により、車両運用データ12から、条件データに従い、後述のコスト計算式により車両運用を分割した行路データ13を作成する。次の段階では、仕業組立部162により、バラバラになった行路情報から分割組立条件データ15に基づき、連続組立てされた行路以外の、余りとなる行路だけを抜出す。そして、その余り行路の組み合わせから勤務時間などをコスト計算することによって、行路が組み合わさった仕業データ14を作成する。

0030

すなわち、行路分割部161は、先ず、車両の出庫から入庫までの車両運用を、所定の目標時間で分割する場合の分割数dを求める。次に、予め設定した複数の分割候補点のいずれかで分割数dに分割した場合の各行路のコストを計算し、このコストが最小となる分割点を決定し、車両運用を分割する。

0031

また、仕業組立部162は、先ず、分割された行路の連続組立数sを定める。次に、複数の車両運用ごとに、それらの分割数dが連続組立数sで割り切れるか判断する。割り切れない車両運用については、連続組立数sで組み立てられる連続した行路と余りの行路との組み合わせパターンを列挙し、これらパターンごとの余り行路と他の車両運用のパターンごとの余り行路とを組み合わせる。そして、余り行路を連続組立数sに組立て、かつ組立てられた行路の総時間が、予め設定した組み立て行路許容時間範囲内であれば、これら連続組立数sに組立られた行路のコストを計算する。その結果、最もコストの低い組立てられた行路を乗務員仕業とする。

0032

なお、図4メモリ17は、上述した処理過程で生じる各種データ等を一時的に保持する。また、表示装置18は得られた乗務員仕業を表示する。

0033

なお、図4システム構成は、単独のコンピュータによるものであるが、図5で示すように、ネットワーク20を介するWeb16Aやクラウド16Bといった構成においても同様に構成することが可能である。

0034

次に、前述した行路分割部161による処理を図6のフローチャート、図7の設定画面、図8分割対象の車両運用を表すダイヤ図を用いて説明する。

0035

先ず、分割対象となる車両運用を図8により説明する。図8は、列車ダイヤを表しており、拠点A(以下、A)と拠点D(以下、D駅)との間を往復する場合を表し、これらの間には乗員の交替可能な拠点B、C(以下、B駅、C駅)が設けられている。B駅、C駅は、乗員の交替可能であるため、これらの駅B、Cで行路を分割することが可能であり、これらを分割候補点とも呼ぶ。

0036

図8では、ある列車が、B駅を時刻Tpoに出庫し、時刻TpiにB駅に入庫しており、この間が車両運用時間Trunとなる。Tr(i,j)は駅間の乗務時間を表し、例えば、Tr(1,1)はB駅からA駅までの乗務時間、Tr(2,1)はA駅からB駅までの乗務時間、Tr(2,2)はB駅からC駅までの乗務時間、・・・を表す。

0037

Tb(i,j)は折り返し駅における休憩時間を表す。例えば、Tb(1,2),Tb(3,4),Tb(5,6),Tb(7,8),Tb(9,10)は折り返し駅Aにおける休憩時間を表し、Tb(2,3),Tb(4,5),Tb(6,7) は折り返し駅Dにおける休憩時間を表し、Tb(8,9),Tb(10,11) は折り返し駅Cにおける休憩時間を表す。

0038

Tstは分割可能開始時刻、Tedは分割可能終了時刻を表す。すなわち、この時刻Tst、Ted間におけるB駅及びC駅において行路の分割が可能であり,Div3B〜Div8B及びDiv4C〜Div8Cはそれぞれ分割候補点を表す。

0039

図7は、行路分割部161による処理に用いる各種の値を設定する設定画面例を示している。

0040

図7において、「目標時間」の表示欄71には、車両運用を分割する目安となる時間が入力される。標準勤務時間が8時間労働として、乗務員1人当たり2分割の場合は4時間となる。

0041

選択ボタン72,73は、連続乗務時間を判断する際の条件である「おおよそ」「上限」を選択するボタンである。「おおよそ」の選択ボタン72操作したときは、上限時間を超えても越えなくてもよい。これに対し、「上限」の選択ボタン72操作したときは、上限時間を超えてはならない。

0042

分割候補駅」の表示欄74には、車両運用で分割する前述の分割候補駅(図8の例ではB駅、C駅)が選択入力される。この分割候補駅は複数選択することができる。

0043

ばらつき設定部75A〜75Eは、後述するコスト計算式の係数(おもみ)を、任意の値に変更設定するものである。

0044

「分割可能時間帯」の表示欄76には、分割処理を行う時間帯を制限するため、図8で示した分割可能開始時刻Tst、分割可能終了時刻Tedがそれぞれ入力される。

0045

次に、処理の詳細を図6のフローチャートを用いて説明する。

0046

処理601:行路を切断する基準となる時間を定義する。

0047

以下に示すように、(1)就業時間のように超過勤務可能な時間と、(2)安全のために連続乗務の上限を制限する時間との2種類存在する。それによって分割数の考えが異なる。

0048

(1) 切断の目安となるような時間の例標準勤務時間例)8h00m(2) 上限超えないように切断する時間の例 連続乗務上限時間 例)4h30m 処理602:コスト計算(後述する)で使用するパラメータを設定する。

0049

行路を分割するときに重視したい観点のパラメータを大きくしたり、小さくしたりして判断を変更できる。そのパラメータを事前に設定しておく。

0050

処理603:複数存在する行路から基準となる時間以上の長さの行路だけを抽出する。

0051

車両運用には短いものと長いものが混在する。処理が始まる前に、分割不要な行路は対象外とする。分割対象とするのは、切断する基準となる時間を超える長さの行路である。

0052

処理604:乗務員行路ごとに分割数を定める。

0053

本処理以降は1車両運用ごとに処理する。

0054

車両運用を、先に定めた切断する基準となる時間によって除算し、分割すべき行路数を算出する。この分割数は1つではなく、複数の候補がある場合がある。

0055

連続乗務時間を判断する際の条件には、前述のように、(1)おおよそ、(2)上限、の2種類あり、これらいずれかを選択して切断処理することができる。

0056

(1) おおよそ 切断の目標時間を設定したのち、「おおよそ」を選択した場合は、目標時間を超えてもよいし、少なくてもよく、最もコストの小さい最適な切断点を選択する処理である。バスの長距離区間や、トラック輸送のように都合の良い場所で簡単に乗務員交代できない場合、目標時間の前後で切断できれば良い、と考えるような場合に使用する。

0057

(2)上限 切断の目標時間を設定したのち、「上限」を選択した場合は、目標時間を絶対に超えてはならず、分割候補の中で、最もコストの小さい最適な切断点を選択する処理である。鉄道のように法令規則で連続乗務時間が決められ、それを超えることができないようなケースの場合に使用する。

0058

ここで、前述した「切断の目安となるような時間」を目標時間として「おおよそ」を選択した場合、行路の分割数dは以下のように求められる。

0059

車両運用時間をTrun(=Tpi-Tpo)とし、目標時間を標準勤務時間Tstdとすると、行路分割最小最適値dmin、行路分割最大最適値dmaxは、それぞれ以下の式(1)、式(2)により求められる。

0060

例)5時から22時まで運用する車両があるとする。

0061

この場合、車両運用時間Trun = 17h00m標準勤務時間Tstd = 8h00m行路分割最小最適値dmin=2 行路分割最大最適値dmax=3となる。

0062

これに対し、「上限超えないように切断する時間」を用いて、「上限」を選択した場合、行路の分割数dは以下のように求められるとする。

0063

この場合も、車両運用時間をTrun(=Tpi-Tpo)とし、目標時間を連続乗務上限時間Trmaxとすると、行路分割最小最適値dmin、行路分割最大最適値dmaxは、それぞれ以下の式(3)、式(4)により求められる。

0064

例)5時から22時まで運用する車両があるとする。

0065

この場合、車両運用時間Trun = 17h00m 連続乗務上限時間Trmax = 4h30m行路分割最小最適値dmin=4 行路分割最大最適値dmax=5となる。

0066

処理605:分割可能な時間帯にある分割候補駅と通停区分から分割候補点を列挙する。

0067

行路の始発側から、分割可能な時間帯にある分割候補駅でかつ停車の場合に、分割候補点として列挙する。候補がなければこの行路に対する処理は終了する。

0068

図8の事例の場合、分割候補を順に列挙すると以下のようになる。

0069

Div3BDiv4BDiv4CDiv5CDiv8BDiv6BDiv6CDiv7CDiv7BDiv8BDiv8C 処理606:分割候補点と分割数から分割できる行路組合せを配列として列挙する。この列挙により行路の組み合わせ数が決まる。

0070

行路分割数dは、行路分割最小最適値dmin、行路分割最大最適値dmaxの2種類あるため、それぞれについて配列を作成する。

0071

先の「切断の目安となるような時間」を目標時間とした事例の場合、分割候補を順に列挙すると以下のようになる。

0072

・行路分割数dが、行路分割最小最適値dmin=2の時

0073

・行路分割数dが、行路分割最大最適値dmax=3の時

0074

処理607; 最小分割行路数の行路組み合わせごとに、コスト計算を行う。

0075

車両運用を分割すると、その分割候補点の組み合わせで行路ができる。分割された行路は、図9で示すように、勤務時間や乗務時間や休憩時間などがばらつく。一番望ましいのは、複数できた行路が均等でばらつきのないことがよいのである。しかし、車両運用によっては、勤務時間が等しくても、乗務時間や休憩時間にばらつきが出たりすることがある。それを数値によって良し悪しを判断するために、後述するように、各種平均値分散値を求め、係数をかけていくことで、図9で示すようにコスト計算を行い、コスト値の一番小さいものを最も望ましい分割候補点の組み合わせであると定義する。

0076

以下、このコスト計算について詳述する。まず、各変数を定義する。

0077

・車両運用の中の列車通番(内行路番号)をrとする。

0078

・その車両運用を、d個に行路分割したときに、d番目の行路の最小列車通番をr[d]min、最大の列車通番をr[d]maxとする。

0079

・さらに、列車通番内の駅間の順番をs[d]{r}とし、駅間順位最大値をs[d]{r}maxとする。

0080

・d個に行路分割したときの行路分割開始位置をDiv[d]min、またその行路分割終了位置をDiv[d]maxとする。

0081

次に、d個に行路分割したときの、それぞれの行路の基本的な時間を計算する。

0082

上記表において、勤務時間とは、ある列車の乗車を開始して、別の列車の乗車を終了するまでの一連の勤務の総時間とする。また、乗務時間とは、列車を運転している時間(途中の停車駅も含む)とする。さらに、休憩時間とは、列車が折り返すなどして、乗務しない(降車している)時間とする。

0083

次に、d個に行路分割したときの、行路の平均値を計算する。

0084

上記各値を用いてd個に行路分割したときの、行路ごとのコストを計算する。

0085

上記表において、Pay to Platform ratioとは、勤務時間に対する乗車時間の割合をいう。

0086

最後に、d個に行路分割したときの、すべての行路のコストを総計する。

0087

処理608;最大分割行路数の行路の組み合わせごとに、コスト計算を行う。

0088

上述した最小分割行路数と同様に各種値を求める。

0089

処理609;すべて行路組合せのコスト計算を比較し、最小の組合せ(最適な行路切断)を決定する。

0090

最小、最大分割行路のときの両方のコストの最小値を選択する。その最小値が最適行路分割となる。

0091

以上の一連の処理終了後、他の行路の処理に移行する。すべての行路を処理すると、行路分割処理を終了する。

0092

次に、前述した仕業組立部162による仕業組立処理を説明する。図10は処理の全体的な流れを説明するフローチャートであり、図11は仕業組立部162による処理に用いる各種の値を設定する設定画面例を示している。

0093

この仕業組立処理は、前述のように、分割された行路を最適接続する処理である。最適接続とは、車両運用を基にして、バラバラに切断した行路を、予め決めた行路を連続させる個数につなげ、目標となる就業時間に最も近いものを見つけ出す処理である。

0094

この仕業組立処理を説明するにあたって、まず、図11で示した設定画面例を説明する。

0095

図11において、「連続組立数」の表示欄111には、分割した行路を連続して接続する数が入力される。標準勤務時間が8時間労働として4時間の勤務で分割した場合は、連続組立数は2となる。

0096

「連続乗務最適勤務時間」の表示欄112には、行路を連続組立数(連続組立て数とも呼ぶ)で接続して作られた仕業が成立するかを判断するための、許容される勤務時間の幅(最小値と最大値)が設定入力される。すなわち、作られた仕業は、通常、基準となる8時間に対して差異が出るが、この差異が上述した許容範囲内に入っているかを判断するためのものである。この許容範囲に入っていない組み合わせは、行路が成立するとはみなさない。

0097

「組立行路許容時間」の表示欄113には、後述するように余り行路だけで行路の組み合わせを作った際に、様々な勤務時間の組み合わせができてしまう。そこで、明らかに成立しないような勤務時間の幅(最小値と最大値)を設定する。この範囲に入らない行路の組み合わせ後の仕業は成立しないとする。

0098

ばらつき設定部114A〜114Eは、後述するコスト計算式の係数(おもみ)を、任意の値に変更設定するものである。

0099

次に、処理の詳細を図10のフローチャートを用いて説明する。

0100

処理1001:車両運用単独での前処理乗務員は同じ車両を連続的に乗ることが一番効率がよい。このような状態を車両運用内で効率よく組み合わせを作ることができるのであれば、それで行路接続を確定とさせてしまう。この説明に先立って、車両運用をuiと定義し、存在するすべて車両運用数をx(iの最大値)とする。

0101

処理に当たっては、まず、行路を連続させる目標数(連続組立数)をsと設定する(ステップ1001A)。この連続組立数sは、前述のように、分割した行路を連続して接続させる数であり、標準勤務時間が8時間労働として行路を4時間の勤務で分割した場合は、連続組立数は2となる。

0102

次に、行路の分割数dを連続組立数sで除算する(ステップ1001B)。車両運用の分割数dが、連続組立数sで割り切れるとき、すなわち、ある車両運用uiの分割数をdiとすると、di/sで剰余が出ないとき、その連続した行路をそのまま乗務行路にできるか判定する(ステップ1001C)。

0103

そのために、図11で説明した「連続乗務最適勤務時間」の表示欄112に、妥当な行路の最小時間Tsmin、最大時間Tsmaxを設定し、定義する。

0104

例えば、図12で示すように、車両運用uiがdi=8に分割されており、連続組立数をs=4で組み合わせるとする。この場合、行路に余りが出ないため、前半4つと、後半4つの行路が作成できる。それぞれの行路が妥当な範囲の勤務時間にある場合(ステップ1001C:Yes)は、乗務員行路はその4つずつで確定とする(ステップ1001D)。

0105

すなわち、図12で示すように、di=8に分割された車両運用uiを、連続組立数s=4で組み合わせると、前半4つと、後半4つの行路j=1とj=2が作成できる。この場合、乗務行路j=1の勤務時間をTwtrack{1}、乗務行路j=2の勤務時間をTwtrack{2}とし、これらの勤務時間を予め設定した最小時間Tsmin、最大時間Tsmaxの範囲内に入るかを判断する。その結果、それぞれ上記範囲内に入り、それぞれの行路が妥当な範囲の勤務時間であれば(ステップ1001C:Yes)、前述のように、乗務員行路はその4つずつの行路j=1とj=2で確定し、さらに以後の処理から確定済みとして考慮対象から外す(ステップ1001D)。

0106

余りが出ないケースでも勤務時間が妥当でない場合(ステップ1001C:No)は、確定とさせない。以後の処理で前半2つ、中間4つ、後半2つのケースでうまく処理できる可能性がある。

0107

次に、車両運用の分割数が、連続した行路数で割り切れないとき(ステップ1001B:No)、及び前術の処理で妥当でないと判定された行路のとき(ステップ1001C:No)、の処理を説明する。この処理は、ある車両運用uxの分割数をdxとすると、dx/sで剰余が出るときに、その連続した行路の妥当性を判定し、余り行路の発生パターンを洗い出す処理である。

0108

例えば、図13Aで示すように、車両運用uiがdi=8に分割されているとして、連続組立数s=3で組み合わせると、行路に余りが発生する。この場合(ステップ1001B:No)、及び前述の処理で、余りがなくても最適でなかった場合(ステップ1001C:No)は、次の処理を行う。

0109

車両運用uiの中で、予め決めた連続組立数sで組み合わせ、図13Aで示すように、余りの行路が発生するパターンP[ui]をすべて列挙する(ステップ1001E)。このときに生成された連続する行路j=1,j=2についても、図13Bで示すように、それらの勤務時間TwtrackP[ui]{1}[1]、TwtrackP[ui]{1}[2]が、予め設定した最小時間Tsmin、最大時間Tsmaxの範囲内に入るかを判断する。乗務行路j=1又はj=2のどちらかが範囲外ならば、このパターンP[ui][1]は無効とする。

0110

すなわち、1つの車両運用に対して、すべてのパターン数piで判定を行い、有効なパターンpeiだけ次処理の候補とする。例えば、図13Aのケースでパターン数pi=6とし、パターンP[ui][1]〜P[ui][6]まであったとする。このうち、パターンP[ui][4] とP[ui][5]が妥当でないと判定されたとき、この車両運用uiでの有効なパターンは、P[ui][1],P[ui][2] ,P[ui]3] ,P[ui][6]のpei=4種類となる。

0111

このように、妥当でないパターンは不適切として除外することにより、車両運用ごとに連続する行路と、余りの行路の組み合わせが何パターンかできる。これを車両運用ごとの行路組み合わせデータ1011として作成する。 上述の処理は、1つの車両運用に対して有効なパターンを洗い出したので、すべての車両運用に対して同様の処理を繰り返し(ステップ1001F)、それぞれの車両運用毎に有効な余り行路発生パターンを以下のように洗い出す。

0112

処理1002:全車両運用での余り行路の組み合わせ処理この処理は、車両運用ごとに決まるパターンから、余り行路だけを使った全車両運用での組み合わせを作成する。ずなわち、予め決めた連続組立数sに従い、余り行路だけを使って行路を組み立てる。それを全車両運用のパターンを使った全組み合わせでデータを作成し、行路の検討を行う。その全組み合わせの中から、余り行路だけを使った行路の勤務時間の最も小さい値のものなど、コスト計算を行い、パラメータ値の最も小さい組み合わせが、最適な組み合わせとして確定し、乗務員行路としてデータを作成する。以下詳述する。

0113

車両運用ごとのパターンを使って全車両運用での組み合わせを作成する(ステップ1002A)。車両運用uiがx=4あるとして、それぞれ有効なパターン数が以下の値だとする。その場合は、それぞれの車両運用の有効なパターン数の積が組み合わせ数となる。

0114

車両運用u1の有効なパターンをP[u1]とし、最大値pe1=2とする。

0115

車両運用u2の有効なパターンをP[u2]とし、最大値pe1=3とする。

0116

車両運用u3の有効なパターンをP[u3]とし、最大値pe1=4とする。

0117

車両運用u4の有効なパターンをP[u4]とし、最大値pe1=1とする。

0118

配列で言うと以下のようになる。

0119

この場合車両運用間での有効なパターンの組み合わせをQ[n]とし、その組み合わせ数をnとする。このケースでは以下に示す通りn=24通りとなる。

0120

次に、あるパターンでの余り行路を、予め決めた連続組立数sでつなげることができる組み合わせを列挙する。

0121

例えば、車両運用が4つある組み合わせの、1つのパターンを選択した場合、予め決めた連続組立数がs=3であるとする。その時の余り行路の分布が図14で示す通りだとする。その時に組み合わせることができるパターンは図15のようになる。

0122

すなわち、図14は、全体の組み合わせの1つQ「1」における各パターンでの余り行路を抽出し、その分布を表している。

0123

図15は、図14で示した分布の各パターンの余り行路を、予め決められた連続組立数sで組み立てた場合の、組立て成立状態を示している。図15において、余り行路による組み合わせ数をy、組合せ配列をQ[n,y]、その中での成立行路数をm、組合せ内のそれぞれの成立行路連番をjとする。このような行路成立可否を、余り行路で構成できるすべての組み合わせについて作り出す。

0124

次に、図16で示すように、得られた組み合わせを1つずつ判定し、有効か無効か判断する。

0125

組み合わせQ[1,1]の例では、余り行路(2−1)(3−1)(1−1)が成立しており、この成立した行路の勤務時間計をTwtrackQ[1,1][1]とする。許容できる組立て行路の最小時間Temin、最大時間Temaxを定義する。成立したすべての行路の勤務時間が、以下で示すように、予め設定された許容時間内であればこのパターンは有効とする。

0126

上述した、Q[1,1]の例では、成立した余り行路(2−1)(3−1)(1−1)の組み合わせは、上記条件式満足するので有効と判断される。

0127

同じく図16で示される、組み合わせQ[1,2]の例では、余り行路(2−1)(3−1)(1−2)の組み合わせと余り行路(4−1)(1−1)(4−2)の組み合わせとが成立しているが、これらの勤務時間計TwtrackQ[1,2][1]とTwtrackQ[1,2][2]は、いずれも許容できる組立て行路の許容時間を超えている。すなわち、以下の条件式を満足しない。このように成立した行路の勤務時間が1つでも予め設定された許容時間外であればこのパターンは無効とする。

0128

前述したn=24通りの組み合わせQ[n]についてみると、組み合わせ1〜6だけの範囲で判定した場合、組み合わせではQ[1,2]、Q[1,3]、Q[1,4]、Q[1,5]は無効となる。

0129

なお、上述した組み合わせ行路の勤務時間計を組立て行路の許容時間と比較する方法のほかに、組み合さった乗務員行路の中で行路が重なるケースは乗務員の乗り替えが不可能であるため、最初から除外するという処理でもよい。

0130

次に、有効と判断された、余り行路の組み合わせのすべてについてコスト計算を行う(ステップ1002B、1002C)。そのために、組み合わせたパターンでの各種値を計算する。

0131

まず、ある組み合わせの中で、成立行路の内行路の乗務時間を算出する。

0132

上記値を用いて、ある組み合わせの中で成立行路の勤務時間を算出する。

0133

ある組み合わせの中で成立行路数の総計を算出する。

0134

ある組み合わせの中で成立行路の勤務時間の平均値を算出する。

0135

ある組み合わせの中で成立行路の勤務時間の分散値を算出する。

0136

ある組み合わせの中でコストを算出する

0137

ある組み合わせの総合判定パラメータ

0138

このようにしてすべてのパターンで各種値を計算し、総コスト値の一番小さな組み合わせとし乗務員行路を確定する(ステップ1002D,1002E)。すなわち、以下に示すように、その最小値が最適行路分割となる。

0139

次に、実例に沿った説明を行う。

0140

図17で示される路線形状を持つ鉄道がある。車両基地や乗務員の待機場所はA-3駅にあり、列車の運用の最初と最後はA-3駅になる。乗務員も同様に仕業の最初と最後はA-3駅になる。

0141

この鉄道に図18のような運行ダイヤを作成した。作成されたダイヤから得られる車両運用は、20時間の運用が2つ、16時間の運用が2つの計4つになる。この運行ダイヤ、車両運用から最も効率的な乗務員運用を導き出す。

0142

この例では、車両運用をおおよそ4時間の行路に分割し、その分割した4時間の行路を2つ組み合わせて、8時間の乗務員の仕業とすることを考える。

0143

まず、車両運用1を行路分割したときを、図19によって説明する。図19で示すように、車両運用1をおおよそ4時間単位に分割した。乗務員交代ができる駅はA-3駅のみで、列車到着時に交代するものとすると、図中丸印が交代可能なタイミングである。この場合、20時間の運用はおおよそ4時間の5つの行路に分割できる。4時間の5つの行路を運用するためには3人が必要となり、約8時間の仕業が2人、約4時間の仕業が1人必要である。その仕業では、図19で示した3パターンの乗務員運用のケースが存在する。すなわち、5つの行路の内、3つの行路が余り行路として発生する可能性がある。

0144

次に、車両運用2を行路分割したときを、図20によって説明する。図20で示すように、車両運用2をおおよそ4時間単位に分割した。乗務員交代ができる駅はA-3駅のみで、列車到着時に交代するものとする。図中の丸印が交代可能なタイミングである。この場合、16時間の運用はおおよそ4時間の4つの行路に分割することができる。4時間の4つの行路を運用するためにはちょうど2人が必要となり、約8時間の仕業が2人で十分である。最も効率的に乗務員を運用していて、他の行路と組み合わせる必要がない。乗務員行路は、図20における乗務員1、乗務員2の2人の運用が最適である。

0145

次に、車両運用3を行路分割したときを、図21によって説明する。図21で示すように、車両運用3も車両運用2と条件的には似ている。乗り継ぎタイミングによって、4時間ずつの行路にならず偏りがあるが、正確に均等な分割できるどうかは、ダイヤ次第である。よって偏りをどこまで許容できるかどうか判定する。許容できれば乗務員行路は確定したと考えればよい.許容できないならば車両運用1と同様に余り行路の発生する可能性を検出すればよい。

0146

次に、車両運用4を行路分割したときを、図22によって説明する。図22で示すように、車両運用4は車両運用1と条件的には似ている。すなわち、車両運用4もおおよそ4時間単位に分割できる。乗務員交代ができる駅はA-3駅のみで、列車到着時に交代するものとすると、図中丸印が交代可能なタイミングである。この場合、20時間の運用であるからおおよそ4時間の5つの行路に分割でき、3人が必要となり、約8時間の仕業が2人、約4時間の仕業が1人となる。このため、3パターンの乗務員運用のケースが存在し、5つの行路の内、3つの行路が余り行路として発生する可能性がある。

0147

次に、余り行路だけの組み合わせを検討する。ここまでの処理で、行路分割し、余り行路の発生する場所を特定することができた。そこで、この余り行路で成立する組み合わせを列挙する。前術の事例では車両運用1と4とで余り行路が発生する。そこで、これら車両運用1と4で発生する可能性のある余り行路を、図23で示すように組み合わせてみる。車両運用1と4で発生する可能性のある余り行路の分布は図23(a)で示す通りとなる。図中丸印の部分は時間帯が重複するため、仕業として成立しない。したがって、この重複する行路の組み合わせは排除する。車両運用1と4で生じる余り行路は、おおよそ4時間なので、約8時間の仕業のためには、2つの余り行路で仕業を組み立てればよい。すなわち、連続組立数s=2で組み立てる。その結果、図23(b)で示すように、3つの組み合わせが生じる。この3つの組み合わせのうち最もコストの低いもの、例えば仕業時間の最も少ないものを最適な組み立て行路として決定する。

0148

次に、上述した実例により計算数の検証を行う。この実例を一般化すると図24のようになる。すべての行路組み合わせを列挙し、最適な組み合わせを計算するために、総当たり計算をした場合の計算数をNallとする。存在する分割したすべての行路を連続させる目標数で並べる組み合わせと考えればよいので以下の組み合わせ式になる。すなわち、総当たり計算をした場合の計算数Nallは下式で求められる。

0149

これを、先の実例を当てはめると、実例の行路の組み合わせ数Nallは下式で求められる。

0150

すなわち、実例を総当たりで計算すると153パターンの計算をする必要がある。

0151

これに対して、上述した実施の形態によれば、余り行路だけの組み合わせだけで計算することになる。余り行路だけをした場合の計算数をNoptとする。

0152

まず、1車両運用での余り行路の発生パターン数を求める。単一車両運用内での余り行路が存在する組み合わせ数dは次式で求められる。

0153

次に、すべての行路の組み合わせ数Noptは次式により求まる。

0154

先の実例を当てはめると以下のようになる。実例の行路の組み合わせ数Noptは次式のように求まる

0155

このように、本発明の実施形態により最適化した場合だと10パターンの計算で済む。

0156

本発明の実施形態は、車両運用を目標時間に近い時刻で分割した行路に対して、目標とする組み立て数で端数なく組み立てられるか判定する。端数が出る場合は余った行路だけで組み合わせることにより、組み合わせ数を減らし、高速に演算して最適な組み合わせを見つける。

0157

このようにすることで、路線条件による乗務時間の影響や、乗務交代する場所と車両運用から行路切断ポイントやタイミングに依存することがない。このため、鉄道会社による個別の条件設定が不要であり、行路組み立て時に必要な組み合わせ数を大きく減らすことができ、処理が高速化できる。

0158

ここで、本システムは、前述のように図4の単独のコンピュータによるもの他に、図5のネットワークを介するWeb16Aやクラウド16Bといった構成とすることが可能である。後者の場合、設備を多人数で運用するような業務で、その運用する人間の仕業/勤務を最適化することができる。特に運用する設備の時間帯がバラバラの場合は、最適化が難しいが、高速に処理することができる。

0159

また、本発明の実施形態は、鉄道の例で説明したが,鉄道以外のトラックやバス、タクシー等における乗務員運用計画宅配便輸送業の配送計画など、設備を複数人で運用する要員計画立案する業務に変形することが可能である。

0160

よって乗務員は、運転手車掌に限らず、添乗員操縦士客室乗務員重機オペレータなどであってもよい。

0161

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0162

11…記憶装置12…車両運用データ13…行路データ 14…仕業データ15…条件データ 16…乗務員運用作成処理部 161…行路分割部 162…仕業組立部

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