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技術 トリチウム水の軽水からの分離方法

出願人 株式会社グローバル・クリーンテクノロジー
発明者 中村聡
出願日 2015年7月1日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2016-531429
公開日 2017年4月27日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 WO2016-002856
状態 特許登録済
技術分野 汚染除去及び汚染物処理 同位体の分離
主要キーワード フィルタ孔径 濃度制限 臨界核 温度圧力条件 トリチウム濃度 トリチウム水 ガスハイドレート化 核融合反応
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月27日)のものです。
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図面 (3)

課題・解決手段

工業的にトリチウム水軽水からの分離方法を提供する。トリチウム水と軽水を含む混合液に、重水を添加し、重水及び/又はトリチウム水のガスハイドレート形成条件下であって且つ軽水の液体状態を維持する条件下で、トリチウム水と重水とを結晶構造中に含むガスハイドレートを形成することにより、トリチウム水及び重水を軽水から除去する工程と、トリチウム水と重水とを含むガスハイドレート構造を壊して得られる、トリチウム水と重水を含む混合液を、トリチウム水のガスハイドレート形成条件下であって且つ重水の液体条件を維持する条件下で、トリチウム水を結晶構造中に含むガスハイドレートを形成して重水から分離した後、トリチウム水のガスハイドレート構造を壊して、トリチウム水を重水から収集する工程を、この順序包含する。

概要

背景

東京電力株式会社福島第一原子発電所内に貯留されている汚染水は、ALPS処理と鉄化合物共沈によって殆どの放射性核種が除去されているため、公共水域に放出する場合の濃度制限を超える濃度で残留している放射性核種はトリチウムだけであり、トリチウム水HTO)として存在しているとされている。

汚染水中トリチウム濃度は、0.6〜5×106Bq/Lであり、汚染水自体は400m3/日ずつ増加しているため、少なくとも汚染水のトリチウム濃度を環境中に放出可能な6×104Bq/L以下(海水中のトリチウム濃度は1〜3Bq/L)にでき、処理速度が400m3/日より速いトリチウム除去技術を開発することが求められている。

これは、トリチウム(T)の比放射能は、3.59×1014Bq/gであるから、汚染水中のトリチウム水の濃度は、1.86〜9.29×10−8g/Lと極めて希薄であり、このトリチウム水の約99%以上を除去することが求められていることになる。

トリチウム水と軽水ガスハイドレート結晶化温度の差を利用して、トリチウム水を軽水から分離するアイデアは公知である(特許文献1)。しかし、上述の通り、汚染水中のトリチウム水は極めて希薄であり、軽水を含まずトリチウム水を含むガスハイドレート結晶化させようとしても、濃度が低すぎて前駆体は形成されると考えられるが、臨界核が形成される確率は小さく、実際には結晶化することはできない。

また、液相とガスハイドレート結晶の分離を、比重差を利用した浮遊あるいは沈降分離で行なうとしている提案は多々ある(非特許文献1〜2)が、ガスに何を使いハイドレート構造をどのタイプとするかということにもよるが、トリチウム水と軽水の分離の場合には、比重差がわずかであることから、重力のみでは十分な分離が行なえない。

遠心分離による方法も考えられるが、ガスハイドレート結晶の粒径が小さいことから、高速かつ長時間の分離操作が要求され実用的ではない。

このような状況から工業的にトリチウム水を軽水から分離する方法は見当たらないのが現状である。

概要

工業的にトリチウム水の軽水からの分離方法を提供する。トリチウム水と軽水を含む混合液に、重水を添加し、重水及び/又はトリチウム水のガスハイドレートの形成条件下であって且つ軽水の液体状態を維持する条件下で、トリチウム水と重水とを結晶構造中に含むガスハイドレートを形成することにより、トリチウム水及び重水を軽水から除去する工程と、トリチウム水と重水とを含むガスハイドレート構造を壊して得られる、トリチウム水と重水を含む混合液を、トリチウム水のガスハイドレート形成条件下であって且つ重水の液体条件を維持する条件下で、トリチウム水を結晶構造中に含むガスハイドレートを形成して重水から分離した後、トリチウム水のガスハイドレート構造を壊して、トリチウム水を重水から収集する工程を、この順序包含する。

目的

本発明は工業的にトリチウム水の軽水からの分離方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

トリチウム水軽水を含む混合液に、重水を添加し、重水及び/又はトリチウム水のガスハイドレート形成条件下であって且つ軽水の液体状態を維持する条件下で、トリチウム水と重水とを結晶構造中に含むガスハイドレートを形成することにより、トリチウム水及び重水を軽水から除去する工程と、トリチウム水と重水とを含むガスハイドレート構造を壊して得られる、トリチウム水と重水を含む混合液を、トリチウム水のガスハイドレート形成条件下であって且つ重水の液体条件を維持する条件下で、トリチウム水を結晶構造中に含むガスハイドレートを形成することにより、トリチウム水を重水から分離した後、トリチウム水のガスハイドレート構造を壊して、トリチウム水を重水から収集する工程を、この順序包含することを特徴とするトリチウム水の軽水からの分離方法

請求項2

トリチウム水と重水とを結晶構造中に含むガスハイドレートを壊して得られる、トリチウム水と重水を含む混合液を、再結晶化することを繰り返して、ガスハイドレート中に含まれていた軽水を除去若しくは軽減した上で、トリチウム水と重水を含む混合液を、トリチウム水のガスハイドレート形成条件下であって且つ重水の液体状態を維持する条件下で、トリチウム水をガスハイドレートとすることを特徴とする請求項1に記載のトリチウム水の軽水からの分離方法。

技術分野

0001

本発明はトリチウム水軽水からの分離方法に関する。

背景技術

0002

東京電力株式会社福島第一原子発電所内に貯留されている汚染水は、ALPS処理と鉄化合物共沈によって殆どの放射性核種が除去されているため、公共水域に放出する場合の濃度制限を超える濃度で残留している放射性核種はトリチウムだけであり、トリチウム水(HTO)として存在しているとされている。

0003

汚染水中トリチウム濃度は、0.6〜5×106Bq/Lであり、汚染水自体は400m3/日ずつ増加しているため、少なくとも汚染水のトリチウム濃度を環境中に放出可能な6×104Bq/L以下(海水中のトリチウム濃度は1〜3Bq/L)にでき、処理速度が400m3/日より速いトリチウム除去技術を開発することが求められている。

0004

これは、トリチウム(T)の比放射能は、3.59×1014Bq/gであるから、汚染水中のトリチウム水の濃度は、1.86〜9.29×10−8g/Lと極めて希薄であり、このトリチウム水の約99%以上を除去することが求められていることになる。

0005

トリチウム水と軽水のガスハイドレート結晶化温度の差を利用して、トリチウム水を軽水から分離するアイデアは公知である(特許文献1)。しかし、上述の通り、汚染水中のトリチウム水は極めて希薄であり、軽水を含まずトリチウム水を含むガスハイドレート結晶化させようとしても、濃度が低すぎて前駆体は形成されると考えられるが、臨界核が形成される確率は小さく、実際には結晶化することはできない。

0006

また、液相とガスハイドレート結晶の分離を、比重差を利用した浮遊あるいは沈降分離で行なうとしている提案は多々ある(非特許文献1〜2)が、ガスに何を使いハイドレート構造をどのタイプとするかということにもよるが、トリチウム水と軽水の分離の場合には、比重差がわずかであることから、重力のみでは十分な分離が行なえない。

0007

遠心分離による方法も考えられるが、ガスハイドレート結晶の粒径が小さいことから、高速かつ長時間の分離操作が要求され実用的ではない。

0008

このような状況から工業的にトリチウム水を軽水から分離する方法は見当たらないのが現状である。

0009

特開2005−139015号公報

先行技術

0010

進 「ガスハイドレート法」日本海水学界誌 第22巻 第1号(1968)114〜124頁
西本俊雄、橋本寿夫、岡林信夫、「ガスハイドレート法による海水、かん水濃縮」第17報 防試報告第22巻(1969) 71−78頁

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は工業的にトリチウム水の軽水からの分離方法を提供することを課題とするものである。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、トリチウム水と軽水を含む混合液に、重水を添加し、重水とトリチウム水及び/又はガスハイドレートの形成条件であって且つ軽水の液体状態を維持する条件下で、トリチウム水と重水とを結晶構造中に含むガスハイドレートを形成することにより、トリチウム水及び重水を軽水から除去する工程と、トリチウム水と重水とを含むガスハイドレート構造を壊して得られる、トリチウム水と重水を含む混合液を、トリチウム水を結晶構造とするガスハイドレート形成条件下であって且つ重水の液体条件を維持する条件下で、トリチウム水を結晶構造中に含むガスハイドレートを形成することにより、トリチウム水を重水から分離した後、トリチウム水のガスハイドレート構造を壊して、トリチウム水を収集する工程を、この順序包含することを特徴とするトリチウム水の軽水からの分離方法である。

0013

また、本発明は、前記トリチウム水の軽水からの分離方法において、トリチウム水と重水とを結晶構造中に含むガスハイドレートを壊して得られる、トリチウム水と重水を含む混合液を、再結晶化し、これを反復して、ガスハイドレート中に含まれていた軽水を除去若しくは軽減した上で、トリチウム水と重水を含む混合液を、トリチウム水のガスハイドレート形成条件下であって且つ重水の液体状態を維持する条件下で、トリチウム水をガスハイドレートとすることを行ってもよい。

発明の効果

0014

本発明によれば、重水は繰り返し利用することができ、トリチウム水を工業的に軽水から分離することができる。また、水から分離されたトリチウムはロッキーマーチン社が進めている重水との核融合反応に利用することで、同量化石燃料の約1000万倍ものエネルギーを生み出す超小型反応炉に応用することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の方法のスキームを示す図である。
本発明を実施する装置の概略図である。

実施例

0016

<1.トリチウム水の軽水からの分離方法>
本発明における汚染水からトリチウム水を分離する方法を、図1に示す。

0017

まず、トリチウム水と軽水を含む混合液に重水を添加する。ここで、トリチウム水、軽水及び重水が混合される。
トリチウム水と軽水を含む混合液はいわゆる汚染水であり、トリチウム水と軽水以外のものが含まれていてもよい。重水はD2OまたはDOHの少なくともいずれかである。
汚染水に添加する重水の量は、重水ガスハイドレートがトリチウム水ガスハイドレートと構造が近いことから、重水ガスハイドレートが種結晶として機能し、トリチウム水ガスハイドレートが重水ガスハイドレートと混在する形で結晶化することが可能な量とする。例えば、汚染水のトリチウム濃度の約104倍程度である。この場合には、汚染水のトリチウム濃度は前述した通り、1.86〜9.29×10−8g/Lであるから、重水の添加量は汚染水の0.01〜50重量%程度である。

0018

重水添加後、重水とトリチウム水の両方若しくはいずれかのガスハイドレート形成条件であって且つ軽水の液体状態を維持する条件下で、汚染水中のトリチウム水と重水のガスハイドレート化を行う。

0019

ここで、重水とトリチウム水の両方もしくはいずれかのガスハイドレート形成条件は、ゲスト分子の種類により異なるばかりか、形成するガスハイドレートの結晶構造によっても異なる。例えば、重水のガスハイドレートの構造がI型II型の場合、重水のハイドレート相相と水相とゲスト分子の気相との4重点(Q1)と、ハイドレート相と水相とゲスト分子のガス相と液相との4重点(Q2)の間における温度と圧力の間に条件を設定する。

0020

ここで、ガスハイドレートにおけるゲスト分子は、一般的に用いられるものでよく、特に限定されない。例えば、CH2F2(HFC−32)、Ar、Kr、N2、O2、Xe、H2S、CH4、CO2、C2H4、C2H6、C3H6、C3H8、C4H10、フロンテトラヒドロフラン(THF)、アセトン等が挙げられる。

0021

その中でも、CH2F2(Difruoromethan)はHFC−32とも呼ばれるもので、詳細は実施例で後述するが、好ましい。また、プロパンも好ましい。

0022

ここで、通常のガスハイドレート形成方法と著しく異なる点は、通常のガスハイドレート形成のように、Q1より低い過冷却状態でガスハイドレートを形成させたのでは、重水のガスハイドレート形成条件が軽水のそれと類似するため、重水をガスハイドレートにする過程で軽水まで結晶化させてしまいかねないという点である。しかしながら、軽水のQ1は大気圧下で0℃であるのに対し、重水は3.82℃と4℃近い差があり、軽水を液体にしたまま、重水のガスハイドレート化を進めることは可能である。

0023

ガスハイドレート化を始める前に目的ゲスト分子以外のガス分子の数を減少させるために、軽水にせよ、重水にせよ、これらの中に含まれているガス、例えば、空気、酸素炭酸ガスを除くことが必要である。除去手段としては特に限定されないが、減圧ポンプが通常は用いられる。その後、ゲスト分子と軽水、重水を混合する。混合手段としては限定されないが、通常はガスバブリング法が用いられる。これらの処理をした上でガスハイドレート化を行う。この際、ゲスト分子としてHFC−32は水に対する溶解度が高いので、ガスハイドレート形成速度を速めることができる。

0024

但し、通常のガスハイドレートを形成するように、Q1より低い過冷却状態からガスハイドレート化したのでは、軽水までガスハイドレート化してしまう。そこで、温度は軽水が固体にならず且つ重水とトリチウム水の両方またはいずれかが結晶化する温度領域で、圧力を加えていき、ある段階で重水とトリチウム水の両方またはいずれかがガスハイドレート化し始めた時点で、ガス圧が下るので、そのガスを補充しつつ、ガス圧を上げていく方法が取られる。この際、温度はガスハイドレート化の際に発熱するので、Q1とQ2の間を保つようにすることは言うまでもない。

0025

このようにして得られたガスハイドレートは重水のガスハイドレート形成条件下で行われる場合を含むのであるが、トリチウム水も重水とともにガスハイドレート化されて固体となり、僅かな量の軽水がガスハイドレート結晶内に取り込まれるものの、大部分は液体のままでいる軽水とは簡単に濾過、遠心分離などの公知の固液分離手段により、分離できる。同様に、トリチウム水のガスハイドレート化が先に進む場合も、重水も同様にガスハイドレート化される。結晶化したガスハイドレート結晶構造には、前記汚染水の場合、結晶構造の重水に対して約0.01重量%程度の結晶構造のトリチウム水が含まれている。ガスハイドレート結晶は大容量の軽水と分離されるが、該結晶に取り込まれた軽水は存在する。

0026

次に、トリチウム水と重水を含むガスハイドレート結晶の構造を破壊する。破壊は、ガスハイドレート結晶の温度と圧力の少なくともいずれかを、その形成条件からその結合力を弱める方向に外せばよい。即ち、ガスハイドレート結晶を加熱溶解するか、圧力を弱めるか、またはその両方を行う。このようにすることで、トリチウム水と重水を、大容量の軽水と分離して液体として取り出すことができる。その結果、重水とトリチウム水を含む混合液であって、僅かな軽水を含んでいるものが得られる。

0027

ガスハイドレート中に僅かに含まれる軽水は、そのままにしておいても構わないが、好ましくは減らす方法がとられる。そのような方法としては、再結晶化法が好ましい方法である。この方法は、トリチウム水と重水の両方を結晶構造とするガスハイドレートを壊して得られる、トリチウム水と重水を含む混合液を再結晶化するというプロセスを繰り返し、その過程で、ある程度の大きさとなったガスハイドレートは壊すことなく止め置いて、其れよりも大きさの小さいガスハイドレートを壊しては再結晶化することで、結晶化しにくい軽水が液体状態に留まり、結晶化しやすいトリチウム水と重水がガスハイドレート化することを利用するものである。再結晶化の際のガスハイドレート形成条件はQ1とQ2の間のガスハイドレート形成条件より過冷却状態であってもよい。詳細については後述する。

0028

このようにして得られたトリチウム水と重水を含む混合液をトリチウム水のガスハイドレート形成条件下であって且つ重水の液体条件を維持する条件下でガスハイドレート化する。このガスハイドレート化法の基本的考え方は、先のガスハイドレート化法と同じである。但し、大気圧下で重水のQ1は3.82℃であるのに対し、トリチウム水のQ1は4.49℃であり、その差は僅かであるが、温度制御が適切になされる限り、重水を液体にしたまま、トリチウム水のガスハイドレート化を進めることは可能である。これによってトリチウム水が重水とも分離され得る。重水は繰り返し、使用することが可能である。

0029

<2.トリチウム水の軽水からの分離装置
本発明方法の重水とトリチウム水、または、トリチウム水のガスハイドレート結晶化を行なう装置としては、公知の装置が用いられるが、例えば、結晶化を行う反応槽の外部に、反応槽上部と反応槽底部とをつなぐ循環パイプを有し、このパイプの中間部には底部から上部方向に圧送するポンプを有する装置が用いられる。このパイプ内の温度は結晶化温度より高ければよいが、通常は反応槽の温度よりも僅かに高い温度に設定される。反応槽内で成長したガスハイドレート結晶は、フィルタ径より大きくなるとトラップされるが、フィルタ孔径より小さい結晶は、パイプ中を循環する際に溶解した後に反応槽に戻り、再結晶化する。この機構により反応槽中のガスハイドレート結晶は成長を続ける。一定の大きさまで結晶が成長した後、液相の循環が妨げられ、ポンプの差圧が上昇する。この段階で反応槽中の液相を除去することにより、ハイドレート結晶と液相を分離することができる。

0030

本発明に用いられる分離装置の一例を図2に示す。

0031

処理すべき汚染水が入っている汚染水タンク11の他に、重水タンク12、軽水タンク13が備えられる。汚染水タンク11、重水タンク12のいずれに対しては、図示していないが減圧ポンプにより、溶け込んでいるガスを取り除けるようになっている。重水タンク12には、汚染水に添加するための重水が入っているが、本発明の分離方法で回収した重水をためることもできる。なお、軽水タンク13には、本発明の分離方法でトリチウム水と分離回収した軽水をためるタンクである。

0032

循環ポンプ21は、前記汚染水や重水を反応槽31に循環させるポンプであり、ガスボンベ22には、ガスハイドレートを形成する物質、例えば、プロパンガス充填されている。

0033

反応槽31は、後で詳述するが、重水とトリチウム水のガスハイドレートを生成したり、トリチウム水のガスハイドレートを生成する装置である。

0034

恒温水槽41は、汚染水タンク11から循環ポンプ21により送り込まれた汚染水を入れ、重水タンク12から循環ポンプ21により送り込まれた重水を入れ、計装装置51からの制御により、ガスハイドレート形成条件の温度にするための装置である。

0035

計装装置51は温度制御装置52、温度計53、ガスボンベ22からの圧力を調整してガスハイドレート形成条件の圧力にする圧力調整装置54などが含まれている。

0036

反応槽31は、恒温水槽41からガスハイドレート形成条件の温度にされた汚染水と重水を循環ポンプ21により受け入れ、ガスボンベ22からのガスを計装装置51によりガスハイドレート形成条件の圧力にした後、受け入れる。反応槽31内で汚染水と重水をバブリングさせ、ガスハイドレートを形成させる。

0037

図示していないが、反応槽31と循環ポンプをつなぐ循環パイプにはフィルタが内蔵されており、前述した通り、反応槽31内で成長したガスハイドレート結晶は、フィルタ径より大きくなるとトラップされるが、フィルタ孔径より小さい結晶は、パイプ中を循環する際に溶解した後に反応槽31に戻り、再結晶化する。この機構により反応槽31中のガスハイドレート結晶は液相の循環が妨げられるまで成長すると、ポンプの差圧が上昇する。この段階で反応槽中の液相を除去することにより、ハイドレート結晶と液相を分離する。

0038

(実施例1)
試験用試料水として、超純水に市販のトリチウム水を含有する試薬をトリチウム濃度が5×105Bq/Lになるように混合し、試料水とした。試料水を反応槽に入れ、ここに同量の重水を添加した。重水を添加した試料水を真空ポンプ減圧脱気させた。これらの操作は19.0℃で行った。

0039

反応槽の温度を19.0℃に保持したまま、HFC−32ガスを一定速度で反応槽に導入した。HFC−32ガスは飽和するまで水に溶解し、飽和に達すると圧力の上昇速度は大きくなった。圧力が増大しガスハイドレートの生成条件に至り、ガスハイドレート結晶が析出した。このとき、ガスがガスハイドレート化することに伴い、急激に圧力が低下するので、これを補償するだけのHFC−32ガスを随時導入した。この温度圧力条件で、ハイドレート結晶化する水は、軽水、重水及びトリチウム水であるが、外部循環部の温度を軽水のQ2温度である20.0℃よりも十分に高く設定することにより、外部循環部を通る低結晶化度のハイドレートを再溶解させた。

0040

また反応槽内の温度を19.0℃から徐々に上昇させた。昇温は、軽水はハイドレートが安定相ではないが、重水とトリチウム水はハイドレートが安定相である温度22.5℃まで行った。
この条件下で反応を継続させ、外部循環部の流量が低くなった時点で、反応槽内の液相を排出した。排出した液相は減圧下で加熱し、脱ガスさせた。脱ガス後の液体試料は、処理後の軽水であり、この中に含まれるトリチウム水の濃度を測定した。測定は液体シンチレーション法で行った。結果を表1に示した。

0041

反応槽内に残置したハイドレート結晶は、減圧下で加熱して溶融させるのと同時に、脱ガスさせた。脱ガス後の液体試料は、濃縮後の重水・トリチウム水混合物である。前述の操作の代わりに、反応槽内に残置したハイドレート結晶を減圧し液化し、重水とトリチウム水の分離操作用の試料水とし、反応槽に入れた。

0042

反応槽の温度を19.0℃に保持したまま、HFC−32ガスを一定速度で反応槽に導入した。HFC−32ガスは飽和するまで水に溶解するが、飽和に達すると圧力の上昇速度は大きくなった。圧力が増大しガスハイドレートの生成条件に至るとガスハイドレート結晶が析出する。このとき、ガスがガスハイドレート化することにより、急激に圧力が低下するので、これを補償するだけのHFC−32ガスを随時導入した。

0043

外部循環部の温度を重水のQ2温度である約23℃よりも十分に高く設定することにより、外部循環部を通る低結晶化度のハイドレートを再溶解させた。また、反応槽内の温度を19.0℃から徐々に上昇させた。昇温は、重水はハイドレートが安定相ではないが、トリチウム水はハイドレートが安定相である温度24℃まで行った。

0044

この条件下で反応を継続させ、外部循環部の流量が低くなった時点で、反応槽内の液相を排出した。排出した液相は減圧下で加熱し、脱ガスさせた。脱ガス後の液体試料は、処理後の重水である。

0045

反応槽内に残置したハイドレート結晶は減圧下で加熱して溶融させるのと同時に、脱ガスさせた。脱ガス後の液体試料は、濃縮後の重水・トリチウム水混合物であり、トリチウム水の濃度を測定した。結果を表1に示した。

0046

(実施例2)
試験用の試料水として、超純水に市販のトリチウム水を含有する試薬をトリチウム濃度が5×105Bq/Lとなるように混合し試料水とした。試料水を反応槽に入れ、ここに同量の重水を添加した。重水を添加した試料水を真空ポンプで減圧脱気させた。これらの操作は19.0℃で行った。

0047

反応槽の温度を22.5℃に保持したまま、HFC−32ガスを一定速度で反応槽に導入した。HFC−32ガスは飽和するまで水に溶解するが、飽和に達すると圧力の上昇速度は大きくなった。圧力が増大しガスハイドレートの生成条件に至るとガスハイドレート結晶が析出する。このとき、ガスがガスハイドレート化することにより、急激に圧力が低下するので、これを補償するだけのHFC−32ガスを随時導入した。この温度圧力条件で、ハイドレート結晶化する水は、重水およびトリチウム水であるが、外部循環部の温度を重水のQ2温度である約23℃よりもわずかに高く設定することにより、外部循環部を通る低結晶化度のハイドレートを再溶解させた。

0048

また、反応槽内の温度を22.5℃から徐々に上昇させ、重水とトリチウム水はハイドレートが安定相として存在可能であるのに対し、熱力学準安定相として結晶化した軽水ハイドレートが溶解する温度23.5℃まで昇温させた。この条件下で反応を継続させ、外部循環部の流量が低くなった時点で、反応槽内の液相を排出した。排出した液相は減圧下で加熱し、脱ガスさせた。脱ガス後の液体試料は、処理後の軽水であり、この中に含まれるトリチウム水の濃度を測定した。結果を表1に示す。

0049

反応槽内に残置したハイドレート結晶は減圧下で加熱して溶融させるのと同時に、脱ガスさせた。脱ガス後の液体試料は、濃縮後の重水・トリチウム水混合物である。前述の操作の代わりに、反応槽内に残置したハイドレート結晶は減圧し液化し、重水とトリチウム水の分離操作用の試料水とし、反応槽に入れた。

0050

反応槽の温度を22.5℃に保持したまま、HFC−32ガスを一定速度で反応槽に導入した。HFC−32ガスは飽和するまで水に溶解するが、飽和に達すると圧力の上昇速度は大きくなった。圧力が増大しガスハイドレートの生成条件に至るとガスハイドレート結晶が析出する。このとき、ガスがガスハイドレート化することにより、急激に圧力が低下するので、これを補償するだけのHFC−32ガスを随時導入した。

0051

外部循環部の温度を重水のQ2温度である約23℃よりもわずかに高く設定することにより、外部循環部を通る低結晶化度のハイドレートを再溶解させた。また反応槽内の温度を19.0℃から徐々に上昇させ、重水はハイドレートが安定相ではないが、トリチウム水はハイドレートが安定相である温度24℃まで昇温させた。この条件下で反応を継続させ、外部循環部の流量が所定値より低くなった時点で、反応槽内の液相を排出した。排出した液相は減圧下で加熱し、脱ガスさせた。脱ガス後の液体試料は、処理後の重水である。

0052

反応槽内に残置したハイドレート結晶は減圧下で加熱して溶融させるのと同時に、脱ガスさせた。脱ガス後の液体試料は、濃縮後の重水・トリチウム水混合物であり、トリチウム水の濃度を測定した。結果を表1に示した。

0053

0054

11汚染水タンク
12重水タンク
13軽水タンク
21循環ポンプ
22ガスボンベ
31反応槽
41恒温水槽
51計装装置
52温度制御装置
53温度計
54 圧力調整装置

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  • 高嶋康豪の「 土壌の改質方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】汚染された土壌自体を直接的に改質し放射性物質で汚染された区域の有効活用を促進することができる。【解決手段】好気性菌と嫌気性菌及び、通性嫌気性菌類の微生物群の微生物が拮抗作用を抑制し、多様な微生... 詳細

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